...

PDF 493198 bytes

by user

on
Category: Documents
3

views

Report

Comments

Transcript

PDF 493198 bytes
日消外会誌 26(1):92∼
96,1993年
アカラシア術後 8 年を経 て発 生 した食道癌 の 1例
国立大蔵病院 外科
米川
甫
栗原 博 明
別所
隆
篠
原
央
大西 英 始し
アカラシアの手術 に よ り食道 の拡張 が長期 にわた り改善 した後 に食道癌 が発生 した まれ な 1 例 を経
験 したので報告す る。
患者 は5 0 歳の女 性で1 9 7 5 年よ リア カ ラシアが発症 し, 1 9 8 2 年に 当科で P e t r O v s k y 手術 を施行 した。
ア カラシアは紡鍾型 で食道 の直径 は手術前5 . 8 c m で あ ったが術 後 は3 . O c m に 改善 し, 常 食摂取 が 可能
とな り退院 した。
以後 は無症状で医療 機 関を受診 しなか った。1 9 8 7 年の集団検診 にお け る食道 X 線 造影 で も食道直径
の拡大や食物停 滞 は見 られ なか った。
1 9 9 0 年6 月 に再 び略下困難 が あ り, 当院 を受診 し胸部上部食道 に潰瘍 浸潤型 の癌 が発見 された。1 9 9 0
年 7 月 に右 開胸 で胸部 食道全摘 ・胸 骨後食 道 胃吻合術 を施 行 したが 気管 浸潤 が あ り非 治癒 切 除 に 終
わ った。切除標本 の病理組織診 断 は高分化扁 平上皮癌 であ った。本例 は上 縦隔 に5 0 G y の 後照射 を受 け
退院 したが, 術 後 1 6 か月で癌死 した。
Key words:
carcinoma of the esophagus,achalasia of the esophagus,surgical treatment for achalasia
は じめ `こ
食道 アカラシアに食道癌 が合併す る ことは まれ な こ
)。しか しアカラシアの
とではない1レ
手術後 に発症 した
食道癌 は少 ない。著者 らは 当院で アカ ラシアの手術 を
行 い,食 道 の拡張 が長期 にわた り改善 した後 に発生 し
た食道癌 を経 験 したので報告す る.
症
例
症例 :50歳,主 婦
第 1回 入院 (ア カ ラシア)
主訴 :鴎 下 困難
現病歴 :1975年ころ よ り鴎下困難 が徐 々に進行 し,
某 医 にて 食 道 ア カ ラ シ ア と診 断 され た。 1977年か ら
1980年には食道 バ ル ー ンに よる拡張術 が施行 された。
その後 も鴎下 困難 が増強す るため1982年2月 に検査 ・
治療 目的 で 当院外科 に入 院 した。
既往歴 :特 記す べ き こ とな し.
入院時理 学 的所 見 1体 格 ・栄 養 は 中等 で (身長 157
cm,体 重42.5kg),理 学的 に特記す べ き所見 は認 め ら
れ なか った。
血 液生化学検査成績 1入 院時 の血 液 ・生化学検査 で
<1992年 9月 9日 受理>別 刷請求先 :米 川 甫
〒157 世 田谷区大蔵 2-10-1 国
立大蔵病 院外科
は異常所見 は認 め られ なか った。
食 道 X線 造 影検 査所 見 !食 道 直 径 は最 大 5,8cmに
拡 張 し,食 道 ア カ ラシ ア取 扱 い 規 約 りに よ る紡 鍾 型
(Sp),拡 張度 II度の ア カ ラシ ア と診 断 され た (Fig.
1).
食道 内祝鏡検査所見 :食 道 は拡張 し少量 の食物残澄
を認めたが,漬 瘍 や腫 瘍 は見 られず , フ ァイパ ーは食
道 胃接合部 を通 過 した。
なお食道 内圧検査 は行われ なか った。
手術 :1982年 3月 29日に Petrovsky手 術。を施 行 し
た。食道筋層 は食道 胃接合部 よ り口側 に7cm,下 方 は2
cmま で切開 した。
病理検査所見 :切 除 された筋 層 の組織標本 では,ア
ウエ ル バ ッハ の神経叢細胞 は認 め られ なか った。
術後経過 :術 後経過 は 良好 で,45病 日に常食 を摂取
して退院 した。退 院時 の食道 X線 造影検査 では食道直
径 は3.Ocmで あ り (Fig.2,left),胃 液 の食道 内 へ の
逆流 は認め られ なか った。
退院後経過 :退 院後 の経過 も順調 で,術 後 1年 を過
ぎる ころか ら当院 を含めて医療機 関 を受診 しな くな っ
た。1987年に集団健康診 断を受 けた時 の間接食道 X線
造影検査 では,食 道 の拡張 は認め られず ,食 道 内 に食
物残査 な ども見 られ なか った (Fig.2;right),
93(93)
1993年1月
an
Fig。l Esophagogra■ l of the patient taken in」
1982 The diameter of the esophagus was 5 8cm.
(The scale in the left lower comer indicates 5cm)
第 2 回 入院 ( 食道癌)
主訴 : 廉 下困難
現病歴 : 1 9 9 0 年3 月 ころか ら聴下時 に食道 の しみ る
感 じが した 。 6 月 か ら廉下障害 が出現 し近 医 で食道 X
線造影検査 を受 け, 食 道癌 と診 断 されて同年 7 月 に 当
院 に入 院 した。
食道 X 線 造 影検 査 所 見 : 食 道 は 大動 脈 弓上 縁 の 位
ゆ
置 で狭窄 が見 られ, 食 道癌取扱 い規約 に したがい, I u
Fig. 2 Esophagograms after the surgery for
achalasia.left : l month after the operation (May
1982) right: 5 years after the operation (Apr.
1987)
潤 し遺残 したので根治度 は COと な った。
切除標 本所 見 :腫 瘍 は Iuに 存在 し,長 径 6.5cm,横
径 2.5cmの 漬瘍 浸潤型 で あ った.周 堤 は低 く,漬 瘍 は
深 く,そ の一 部 が切 除 に際 して気管壁 に遺残 したので,
底部 が欠 損 していた (Fig.4)。そ の他 の食道粘膜 には
肉眼的 に異 常 は見 られ なか った。
病理検査所見 :高 分化扁平上皮癌,a3,ie(一 ),ly
(十),v(十 )で ,胸 部気管 リンパ節 (#106)に転移陽
性 で あ った (n2)D.癌 の浸潤臓器 は気管 で あ り,切 除
の長径 7 c m の 潰瘍 浸潤型 の食道癌 と診 断 された ( F i g .
断端 に腫瘍細胞 が見 られた。 よって組織学的進行度 も
3).
食道 内視鏡検査所 見 ! 門 歯列 か ら2 2 c m の 左壁 に周
stage IVであ った。食道粘膜 には癌 の 口側 で これ に近
接 して小範 囲 に軽度 の dysplasiaが認 め られた。
堤 が始 ま り, 2 5 c m で 全 周性狭窄 を示 す漬瘍型 の腫瘍
が見 られ, フ ァイガ ーは通過不能 で あ った。 同部 の生
るまで全長 にわた リア ウエ ル バ ッハ神経叢 が認 め られ
検 では高分化扁平 上皮 癌 が認 め られた。
手術 t 1 9 9 0 年7 月 2 3 日に手術 を施行 した。術 中所見
として, 癌 は気管 に強 国 に漫潤 し, 胸 部気管 リンパ節
切除 された食道 の筋層 には, 日側 の切除断端 にいた
なか った。
には腫大 が認め られた. 術 中所見 を総合す ると' , 癌 は
術後経過 :術 後 に食道 胃吻合 の縫合不全 を起 こした
ため保存 的 に加 療 し,経 口摂取 は42病 日か ら開始 した。
病理所見 に鑑 み て頚部 ・上縦 隔 に50Gyの 術後 照 射 を
A3,N2,P10,MO,Stage IVで
あ った。術式 は右 開
・
・
胸 胸部食道全摘 胸骨後食道 胃吻合術 を施行 した 。
施行後 に退院 した 。
上縦 隔 ・気管再発 のため ,1991
退院後経過 :本 4/1は
一
切除度 は R 2 で あ ったが, 癌 の漬瘍底 の 部 が気管 に浸
年 8月 に再入 院 した。再度 の放射線治療 (50Gy)を行 っ
94(94)
アラカシア術後 8年 を経て発生 した食道癌の 1例
Fig. 3 Esophagogram taken in June 19g0. An
ulcerative type tumor was observedat the lower
end of upper third of the esophagus
日消外会議 26巻
1号
Fig. 4 Macroscopic findings of the resectedspeci.
men. The tumor had a deep crater, the bottom of
which invaded the trachea.
たがほ とん ど効果 な く, 1 9 9 1 年 1 1 月に癌死 した。
考
察
食道 アカ ラシアの患者 に食道癌 が合併す る事 は まれ
で は な い とされ て きた 1 ) .のそ の頻 度 は L o r t a tJ‐
acob
ら1 ) によれば 8 % , J u s t ‐V i e r a らりは1 0 % と 報告 し, 本
邦 では平 島 らいは3 . 2 % , 千 葉 ら7 1 は7 . 3 % と 報告 してい
る。
しか し食道 ア カラシア術後 に食道癌 が発生す る頻度
は これ よ り少 な く, W y c h i l u s ら ゆは1 , 3 1 8 例の ア カ ラ
シア 自験例 の予後 を治療法別 に検討 し, H e l l e r 手術 を
Table 1 Casesof carcinoma of the esophagusafter surgery on achalasia reported in Japan
M
I
I
I
0
6
II
?
?
?
Heller
?
(fundectomy
Tyrs
5yrs
40yrs
2yrs
Tyrs
5yrs
3yrs
6yrs
40yrs
10yrs
Iu-Im
type of tumor
&
pathology
? ・
?
fundectomy
time
interval
l
a
m
t
? C
的
F
H
M
8
2
(this case)
Wendel
Heller
fundic-patch
H
2
5
55 F
︲
I
I
F
6
6
1keuchi13)
I
I
I
M
0
5
N4
I
I
F
6
5
63
m
M
0
4
Fujii121
Katol'
M
M
.
4
chiba7)
surgery
on
achalasia
I
I
I
M
2
3
Hirashima6)
grading
of
achalasia
age
&
sex
n
m
。
。
i
tf n
a 。i
c
c
r
o
︲
a
author
Im
Im
tumorous
Iu
cniral
not shown in he report,
not shown in he report,
not sho',rr'nin he report,
not shown in he report,
Iu-lm
ulcerative
well scc
a2, n3
Im
ulcerative
(A3, M1)
Iu
spiral
(A3)
therapy
of
carcinoma
rad.
op(-), rad(-)
op(-), rad(-)
rad.
op\ - -l
op(-l
op(-)
op( )
esophagectomy
*rad.
rad. *chemo
rad.
61 M
Petrovsky
Im
ulcerative
A'3, N3
esophagectomy
69 F
Petrovsky
Iu
ulcerative
well scc
a3,nl
esophagectomy
.|rad.
95(95)
1993年1月
は癌 の 発 生 は 1例 (0.37%)の み で
施 行 した2694//11で
い
る
った
として
あ
。 また Ellisらりは Heller手術 後 に
い傾 向 が見 られた。腫場 の型 が判 明 してい る症例 は少
な いが, 潰 瘍型 が 多 い傾 向 であ った 。病 理所見 が記載
再 手術 が 必要 とな る頻 度 は 約 3%で あ る と示 した上
で ,再 手術例 46例中 に 4例 の癌 が 見 られた と報告 し,
されて いた 9 例 で は 7 例 が痛平上皮癌 で あ った 。他 の
2 例 は アカ ラシア手術 に伴 う逆流性食道炎 ・パ レ ッ ト
1。
1り
。癌
食道様 の変化 に よる と思わ れ る腺癌 で あ った
1
つ
は
の進 行度 は 早期 癌 は 1 例 にす ぎず , 他
進行癌 で
これ か ら計算 され る癌 の頻 度 は約0.3%で あ る こ とを
示唆 した。
一 方,Csendesら 1の
は Heller手術 を施行 した100例
を追跡 し 347j(3.0%)に 癌 が発 生 した と報 告 し,ア カ
残 り
あ った. 食 道切 除 が可能 で あ った ものは 9 1 r l,で
1。
は手術不能例 で あ り, 5 年 生存T r l l腺癌
は の 1 例 しか
ランア術後 の食道癌 の発 生率 は未治療 の ア カラシアに
報告 され ていない。
おけ る癌合併率 よ り低 い ものの,ま れで はない と述 べ
以上 の よ うな点 を参照す る と, 本 例 は患者 の年齢,
アカラシア手術 か ら食道癌発症 までの期 間, 癌 の主 占
て い る.
著者 らが調 べ た範 囲 では,ア カ ラシア術後 の食道癌
10,諸 外 国 で29例の合 計
の11)―
は 国内 で13例(Table l)。
42例の報告 を見 いだ した。し か しその うち の 1例 はア
カ ラシア術後 3か 月 の 症例 1ち 他 の 1例 は術後 15カ 月
の症例 で あ るが広範 囲な浸潤 のため試験 開胸 に終わ っ
た 症例 であ り1。
,い ずれ も初 回 の アカ ラシア手術 時 に
癌 を見落 とした可能性 が強 い と思われた。 よって著者
らはア カラシア術後 2年 以上 を経 て癌 が発見 された症
例 を 「ア カランア術後食道癌」と定義す る ことに した。
この よ うに定義 す る と該 当す る症 例 は40例 とな る
つ いては 「アヵランア術
が,海 外 の症例 の うち19711に
後」 に限定 され な い総説 の中 で触 れ られて い るにす ぎ
性別 な どの基本的 な事項 が不 明 であ っ
ず,患者 の年齢 ・
拠部位 な どか らも典型的 な 「ア カラシア術後食道癌」
で あ る と思われた。
しか し本例 が特異 であ るのは, ア カラシア術後 に長
期 にわた り食道 の拡張 が 改善 した後 の発癌 であ る点で
11)の
症4 / 1 1 と
あ り, こ の観点 か らみ る と千葉 らの, 加 藤 ら
異 な ってい る,
食道 アカ ランアの患者 では食物停滞 に よる粘膜 の慢
性 炎症 が 発 癌 の誘 引 とな って い る との報 告 も認 め ら
れ1 ) 1 ' , また ア カ ラシア術後 の発癌 の頻 度 は 手術 に よ
∼1 い
り下 げ られ る可 能 性 も指 摘 され て い るゆ 。 F e k e t e
1り
ら2 り
, c a r t e r ら は不十 分 な筋層切開 が発癌 の原 因 と
な る主張 して い るが, 本 例 の食道癌 は術後 の経過 か ら
みて この説 明 に 当 ては ま らな い もので あ る.
た 。 よって これ らを検討 よ り除外 し,本 邦 の13例と海
2い
10∼
を対象 に分析 ・考察 を行 った.
外 の 8例
今後 この よ うな症 例 の 報 告 が 集積 され る こ とに よ
り, 手術 の効果 と発癌 との関係 の有無 な どが解 明 され,
まず患者 の年齢 は,平 均 53.0±12.2歳で,性 別 は男
アカ ラシアに対す る手術 の あ りかた の検討 に役立 つ と
性 が15例,女 性 6例 であ った 。 アカ ラシアの手術施行
前 の食道 の拡 張度 ゆは本邦 の症例 の うち11例のみで 記
が 6例 であ った。 アカ ラ
載 が あ り,II度 が 5421,III度
シアに対す る手術術式 は164/1で
明 らかに され, うち 7
fundectomyで
が
が
Heller手術
あ り,そ の他
例
,4例
に Petrovsky,Wendel,fundic‐
patchな ど各種 の術式
がみ られた.
年
アカ ラシア手術 か ら食道癌 の発見 までの期間 は, 2
か ら最長40年11)に
及 び,平均 13.2±116年 で あ った。
もっ とも多 か った のは 6∼ 10年の 7例 で,つ いで 5年
以 内 の 6例 で あ った が,20年 以上 の 症 例 も 4711見ら
1り カラシア術後 には きわ めて長期 の経過観
れ。11)1り
,ァ
察 が欠かせ ない ことが示唆 され る。
示 され て い るが
癌 の主 占拠 部 位 は21例 中 の174/1で
Iuが 5例 ,Im 7例 ,Ei 4 421,Eaが 1例 であ った 。 こ
の主 占拠部位 につ いては本邦 では胸 部上部 か ら中部食
は胸部 中部 か ら下部食道 に多
道 に多 く,海 外 の症711で
考 え報告 した 。
文 献
1)Lortat‐
J acob JL,Richard CA,Fekete F et al:
Cardiospasm and esophageal Carcinoma:
Report of 24 cases.Surgery 66 1 969--975, 1979
2)Just‐Viera」0,Haight C: Achalasia and car‐
cinoma of the esophagus Surg Gyneco1 0bstet
128i 1081--1095, 1969
病理,食道 アカラシア取
3)食 道疾患研究会編 :臨床 ・
扱い規約。 3版 ,金 原出版,東 京,1983
4)有 森正樹,掛川暉夫,中山隆一 ほか !ア カラシアに
対する Petrovsky手術 の遠隔成績 について.外 科
34i 373--379, 1972
5)食 道疾患研究会編 t臨床 ・病理,食 道癌取扱 い規
約.8版 .金 原出版,東 京,1992
6)平 島 毅 ,中林靖明,磯野可一 ほか !特発性食道拡
張 症 に食 道 癌 を 合 併 した 9 例 . 外 科 3 2 :
361--368, 1970
7)千 葉 惇 ,坪井正碩 :ア カラシア外科治療 の検討.
96(96)
アラカシア術後 8年 を経て発生 した食道癌 の 1例
日消外会誌 8 : 5 6 - 6 0 , 1 9 7 5
8)Wychulis AR,ヽV001am GL,Anderson HA et alt
Achalasia and carcinoma Of the esOphagus.
JAMA 215t 1638-1641, 1971
9)Ellls FH,Crozier RE,Gibb SP: Reoperative
achalasia surgeqr J Thorac cardiovasc Surg
92 1 859--865, 1986
10)Csendes A,Braghetto l,Mascaro J et al: Late
subjective and Objective evaluation of the
results of esophagomyotomy in 100 patients
、
vith achalasia of the esOphagus Surgery 104:
469--475, 1988
11)加 藤抱一 ,飯塚紀文,渡辺 寛 ほか :食 道 アカラン
アに合併 した食道癌 4例 の外科治療。 日胸外会誌
321 1850--1856, 1984
1 2 ) 藤 井輝彦, 山名秀 明, 藤 田博正ほか i 食 道 アカラシ
アに併存 した食道癌 の 4 例 . 食道疾患研究会編. 第
4 6 回食道疾患研究会 プログラム. 1 9 9 2 , p 2 6
1 3 ) 池 内駿之, 有森正樹, 岡本哲彦 : ア カラシア手術成
績 と癌発生 について, 食道疾患研究会編. 第 4 6 回食
道疾患研究会 プ ログラム. 1 9 9 2 , p 4 9
14)Carter R, Brewer LA: Achalasia and eso‐
phageal carcinoma Am J Surg 130:114-120,
1975
A Case of Esophageal Carcinoma Appeared
日消外会議 26巻
1号
15) Horvath OP, Karacsonyi G, DobronteZ: Entstehung von Speiserohrencarcinomenbei kardiomyotomierten Patienten. LangenbecksArch
Chir 368 : 163-172, 1986
16) GoodmanP, Scott LD, Verani RR et al: Esophageal adenocarcinoma in a patient with surgically treated achalasia.Dig Dis Sci 35 :
1549-1552. 1990
17) Lamb RK, Edwards CW, Pattison CW et al:
Squamouscarcinoma in situ of the esophagusin
a patient with achalasia.Thorax 40'. 795-796,
1985
18) Pierce WS, MacVaugh H, Johnson J: Carcinoma of the esophagus arising in patients
with achalasia of the cardia. J Thorac Cardiovasc Surg 59 : 335-339, 1970
19) Gallez JF, Berger F, Moulinier B et al : Esophageal adenocarcinoma following Heller
myotomy for achalasia.Endoscopy19'. 76-78,
1987
20) Fekete F, Breil, TossenJC: Reoperationafter
Heller's operation for achalasia and other
motility disorders of the esophagus.Int Surg
67 : 103-110, 1982
8 Years after Surgical Treatment
for Achalasia
Hajime Yonekawa, Takashi Bessho,Hisashi Shinohara, Hiroaki Kurihara and Hidetane Ohnishi
Department of Surgery, National Ohkura Hospital
A caseof esophagealcarcinoma after successfulsurgical treatment for achalasia is presented.The patient was
a S0-year-oldhousewife who had suffered from esophagealachalasia since 1975.Becauseconservative treatments
had not beeneffective, she had Petrovsky's operation in 1982.The diameter of the esophagusdecreasedfrom 5.8 cm
before surgery to 3.0 cm after the operation. She was dischargedfrom the hospital without symptoms, and had not
come to the hospital thereafter. She received a screening upper gastrointestinal barium examination in 1987,at
which time the diameter of the esophaguswas normal and no abnormal findings were seen. In 1990, she was
admitted to our hospital again because of increasing dysphagia. Esophagography revealed an ulcerative type
carcinoma in the upper third of the esophagus.Tracheal invasion was found, and palliative esophagectomywas
performed. The tumor was the ulcerative and infiltrative type, and the pathological diagnosis was well
differentiated squamous cell carcinoma. She received radiotherapy of 50 Gy after surgery, and survived for 16
months.
Reprint requests:
Hajime Yonekawa Department of Surgery, National Ohkura Hospital
2-10-1Ohkura, Setagaya-ku,Tokyo l57JAPAN
Fly UP