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3.肺腺癌における MDM2 遺伝子多型と喫煙,EGFR遺 伝子変異との
208 第 17 回群馬遺伝子診療研究会 3.肺腺癌における MDM2 遺伝子多型と喫煙,EGFR 遺 血清もしくは正常肺から抽出した DNA を用いて RFLP 法で解析した. 腫瘍 DNA の EGFR, K-RAS 変異は 伝子変異との関連についての検討 懸川 誠一,清水 裕,中野 哲宏 菅野 雅之,渥實 潤,竹吉 泉 SMAP 法等を用いて検討した. 【結 116 名, 女性 77 例, 平 果】 対象は男性 年齢 67 歳で, 腺癌 129 例, 扁平上 (群馬大院・医・臓器病態外科学) 皮癌 64 例であった.MDM2 遺伝子多型は,T/T type: 37 拓也,山本康次郎(同・臨床薬理学) 例, G/T type: 97 例, G/G type: 59 例であった. 組織型 【背景と目的】 MDM2 遺伝子は, 癌抑制遺伝子 p53 の 別では SNP の頻度に差を認めなかった. しかし, EGFR 負の制御因子である.MDM2 のイントロンに存在するプ 変異陰性の腺癌においては T/T に比べ G/G または G/ ロモーターには遺伝子多型 (SNP309, T>G) が存在し, T typeを有意に (p=.041) 高頻度に認め, さらに, 喫煙指 T/T に比べ G/G typeの人では MDM2 が高発現してお 数も有意 (p=.003) に低いという結果を得た. EGFR 変 り, p53 の機能が抑制状態にあると報告されている. 異陽性の腺癌や, 扁平上皮癌では SNP と喫煙指数の間 MDM2 の SNP と発癌の関連が以前より示唆されてお に関連を認めず,K-RAS と SNP・喫煙指数との間にも関 り, 肺癌では腺癌のリスクや喫煙による発癌感受性に関 連性は認めなかった. 【 与しているという報告がある. 今回我々は, 非小細胞肺 は, T/T に比べ G/G もしくは G/T typeが有意に多く, 癌, 特に腺癌おける MDM2 遺伝子多型と喫煙,EGFR 遺 喫煙指数も有意に低かったことから, EGFR 陰性の腺癌 伝子との関連を明らかにするために本研究を行った. においては MDM2 の SNP が喫煙による発癌感受性に 荒木 【対象と方法】 2003 年 6 月から 2008 年 5 月に切除した 原発性肺癌 193 例を対象とした. MDM 2 遺伝子多型は 関与している可能性が高いと 察】 EGFR 陰性の腺癌で えた.