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久留米大学ビジネス研究所主催 第3回公開講演会

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久留米大学ビジネス研究所主催 第3回公開講演会
久留米大学ビジネス研究所主催
第3回公開講演会
テーマ:
『久留米地域の農業ビジネスの多様性と展開』
1.講 師
講演Ⅰ:株式会社元山 右田英訓様
講演Ⅱ:LOCAL&DESIGN 株式会社 高山美佳様
講演Ⅲ:ケイワン株式会社
中島国男様
2.日 時
2012 年 12 月 11 日(火) 5 時限(16:40~18:10)
3.場 所
久留米大学御井キャンパス
800 号館
82B 教室
2012 年 12 月 11 日(火)に久留米大学ビジネス研究所の主催で、第 3 回公開講演会が行
われました。この講演会では「久留米地域の農業ビジネスの多様性と展開」というテーマ
の下に、農業ビジネスを営んでおられる地場企業 3 社より講師をお招きして、久留米地域
における農業ビジネス、及びそれに付随する様々なビジネスモデルについてご講演いただ
きました。以下では、その公開講演会の様子を抜粋してご紹介いたします。
農業ビジネスそのものだけではなくて、それ
講演会の趣旨説明と講師紹介
に付随するいろいろなビジネスモデルであっ
たり、ビジネスのチャンスであったり、いろ
いろなことについてご講演いただければと思
司会:本日は司会を務めさせていただきます、
いまして、本日は 3 名の方を講師としてお迎
商学部の宮本琢也と申します。よろしくお願
えしております。
いいたします。
最初に、ご講演いただくのは株式会社元山
今日は、久留米地域の筑後とか久留米市近
の 右 田 英 訓 様 で す 。 2 番 目 が LOCAL &
辺の「農業に関するビジネスの多様性と展開」
DESIGN 株式会社の高山美佳様です。3 番目
というテーマで講演会を開催させていただき
がケイワン株式会社の中島国男様で、3 名の
たいと思います。
方に約 20 分あるいは 25 分程度でご講演をい
農業そのものをビジネスとして扱うという
ただきます。
点も勿論そうですが、それ以外、バイオ関係
この講演会終了後ですが、懇親会、名刺交
あるいは農工連携やいろいろな形で農業のビ
換会というものを簡単なものではございます
ジネスというのは展開しており多様性を持っ
が、ご用意しております。これは主に地域の
ているという部分がございます。そういった
方と講師の方の交流を目的としておりますの
1
で、地域の方でお時間のある方は講演会終了
そういうものを何とかしたいという思いの中
後お付き合いいただければ幸いです。
から、地元の醤油屋の林田武という私の友人
それでは、早速ですが、株式会社元山の右
ですけれども、そことスタートさせたのが、
田様にお願いしたいと思います。
この元山という会社なので、どういう形で事
業に取り組んでいったかをお話しさせていた
だきたいと思っております。
今日のポイントとしては果物の柿の背景、
問題解決のための取り組み、研究開発、事業
化、そして、私たちが取り組んでいることの
今後の可能性、その辺りについて尐し簡単に
お話をさせていただこうかと思っております。
1.柿生産の背景
先ほども尐しお話ししましたように福岡県
写真 1.司会の宮本准教授による趣旨説明
は甘柿、その中でも、この富有柿というのが
全国一の生産量を誇っております。この久留
ご講演Ⅰ
株式会社元山 右田英訓様
米大学のある高良山から、うきは市まで耳納
連山がずっと続いておりますけれども、この
右田:皆様、こんにちは。
(一同:こんにちは)
麓、あとは朝倉市のほうですね、杷木から朝
今日は私の地元でもあります、この久留米大
倉、甘木、この部分で福岡県の約 90%以上の
学の公開講演会にお招きをいただきまして非
柿が生産されております。ここには生産量、
常にうれしく思っております。今から、この
17 年で 25,400 トンという数字を挙げており
株式会社元山がどういう形で取り組んできた
ますけれども、最近は、この数字が若干下が
かというお話をさせていただきたいと思って
ってきております。高齢化の問題であるとか
おります。
いろいろな問題があって、若い生産者がだん
まず、私の自己紹介を尐しさせていただこ
だん尐なくなっているという現状もあって生
うかなと思います。私は久留米市田主丸町で
産量も尐なくなっております。
柿を栽培いたしております。面積が約 4.5 ヘ
年によっては、
廃棄する柿が 20%とか 30%
クタール、4 町 5 反です。9 月の中旪から 12
と状況になります。天候とか害虫の問題もあ
月の上旪まで柿の収穫に追われております。
りますけれども、廃棄をしなければいけない
今年も昨日やっと柿の収穫をして、出荷が一
柿がたくさん出るという状況が、ずっと続い
段落したところです。
ております。ここには 6,000 トン以上廃棄し
私は、柿の生産者で、大学を出て 32 年、柿
なければいけないという数字を挙げておりま
をずっとつくり続けてきたわけですけれども、
すけれども、年によって随分前後しますが、
その中でもこの富有柿、全国で一番有名な柿
特に悪い年はそういう状況になってしまいま
ですけれども、かなり廃棄する柿が出ます。
す。
2
それを産業廃棄物として処分するためには、
その処分にも費用が掛かりますし、柿は水分
を多く含んでいますから、処分をするのも産
業廃棄物の処理業者が敬遠しがちで、今もそ
ういう問題がずっと続いているというのが現
状です。
そういう中でこの廃棄されている柿を何と
かお金に換える、事業としてやれないかとい
うことをこの 20 年ぐらいずっと皆が悩んで
きたのではないかと思っています。
写真 2.ご講演中の右田様
私自身、生産者としてもそういう状況がず
っと続いていましたけれども、では、どうい
2.問題解決の取り組み
う形で、どういうふうにやったら、この廃棄
では、どうしようかということで、いろい
しているものを産業に換えることができるの
ろ悩み続けていたわけです。バイオボックス
かというのが、なかなか見つかりません。人
さんという技術的なことをやられている小郡
材不足とか技術不足ということが続いており
にある会社ですけれども、そこがちょうど柿
ました。
の研究に取り掛かっておられていて、私たち
おそらく皆さん方に質問しても柿の加工品
も柿を何とかしたいという思いがあって、バ
というのがピンと浮かぶような方はあまりい
イオボックスさんという会社の方々と一緒に
らっしゃらないのではないかなと思います。
研究を進めるようになって、柿をシロップ状
イチゴであったり、リンゴであったり、ミカ
であったり、ピューレ状にすると、柿自身が
ンであったり、そういうものはジャムとかケ
いろいろな機能性を持っているのが見えてき
ーキにいっぱい使われていたり、ジュースに
ました。
なっていたり、いろいろな形で加工はされて
技術的なことは、また別の人間がやってい
いるのですが、実際、柿の加工というと僕た
ますので、よくわからないところがあります
ちもピンと頭に浮かぶのは柿酢ぐらいです。
けれども、簡単に言えば、雑味の緩和やいろ
酢ってわかりますか。ただ、柿酢も、ものす
いろな素材の味を引き出してくれる、要する
ごい刺激臭があって、これをそのまま飲料と
に主役ではなくて脇役として柿というのは非
して用いるのは、なかなか厳しい状況です。
常に使い道があるのではないか、そういう機
そういう状況の中で、実際に柿を加工する
能性というものを柿は持っているのではない
ときの問題点をここにいくつか並べておりま
かということが見えてきました。
すけれども、これを読むと頭が痛くなると思
そして、これをうまく事業に乗せていけば、
います。これは結構難しい話なのです。とに
お菓子類であったり、清涼飲料であったり、
かく、なかなか加工に向かない、柿というの
調味料、介護食、また、医療補助食品等々に
はそういう性質の果物であったということで
も応用が効いていくのではないかということ
す。
が見えてきました。
3
皆さんの頭の中で浮かべてほしいと思いま
ております。
すけれども、柿の香りってどういうものかピ
次に「イケ麺醤」です。これは私たち元山
ンと来ますか。おそらくミカンであったり、
の本体であります田主丸町の若竹醤油という
モモであったり、ブドウであったり、レモン
醤油屋さんと一緒にコラボで事業をやってい
であったり、イチゴであったり、そういうも
ますけれども、醤油に柿のピューレを添加し
のはイメージするときに香りと味などがピン
て、いろいろなものの旨味とコクを出せると
と来られると思います。残念ながら、柿には
いう商品に仕上がっております。この「イケ
私たちがピンと来るような香りを持っていま
麺醤」というのは豚骨醤油に非常に合う、数
せん。と同時に酸味も持っていません。柿は
滴垂らすと豚骨ラーメンがまた美味しくいた
甘味だけです。非常に特徴がないというのが
だけるという商品です。
柿ですけれども、逆に言うと、それが柿の大
それと「柿飴」。これも柿のピューレをうま
きな特徴でもあるというように私たちは位置
く調合してつくっていただいているものです。
付けています。いろいろなものに転化するこ
このような商品が実際に販売されています
とができる、他のものの味とか香りを壊さず
し、これからもいろいろな可能性があるので
に柿を転化することによって新しい商品の開
はないかということで、新しい商品の開発に
発がやれるのではないかなと、そういうこと
も挑戦をしているところです。
がだんだんわかってきました。
4.今後の可能性
3.研究開発・事業化
冒頭に、廃棄しなければいけないものがた
私たちの事業の中で柿のピューレやシロッ
くさんあるという話を私がしましたけれども、
プを使った商品が尐し世の中に出ております。
柿というのは熟しすぎていくと柔らかくなっ
山口油屋福太郎さんとも今いろいろな形で、
ていきます。今年も 10 月のうちは非常に気温
この「めんべい」という明太子煎餅に柿をう
が高い状況が続いて、木の上で柿がだめにな
まく使った商品開発ができないかということ
ったとか、収穫したあと、どんどん柔らかく
で、ご協力を得ながら一緒に開発をやってお
なって腐敗が進んでいってしまうということ
ります。
で、廃棄した柿も随分ありました。そうなる
佐賀県の小城市の友枡飲料には元山でつく
前に尐し柔らかくなった状態の柿を何とか加
った柿のシロップと柿酢、これをブレンドし
工に回していくことが、これからの課題です。
て「柿の雫スパークリング」という微炭酸系
この久留米市を中心とした筑後平野一帯と
の柿のジュースを開発していただいておりま
いうのは、いろいろな農産物ができる地域で
す。この柿の雫は今年の 12 月いっぱい、航空
もあります。果物だけではなくて野菜も全国
会社の ANA、全日空の国内線でお金を出せば
的な産地です。生産者は自分が心を込めてつ
飲めます。全日空の国内線の搭乗された方の
くった生産物、その中でも規格に合わなかっ
パンフレットにこの柿の雫というのが載せら
たりするものは、どこかで廃棄をしなければ
れております。まだ今日は 11 日ですから、あ
いけません。しかし、その廃棄をできるだけ
と 20 日間は国内線の全路線で飲めると聞い
しないでいい社会、そういう地域にしたいと
4
いう思いが私たち元山の中にあります。
ことですけれども、今も最後に尐しお話をさ
必ず廃棄しなければならないようなものを
せてもらいましたけれども、農業者というの
元山のような 1 次加工の会社で 1 次加工して、
は自分の生産物を、ただ、市場流通に出して、
それをいろいろな販売する企業とのコラボの
それだけしかやってきませんでした。しかし、
中で新しい商品をつくって、それを消費者に
最近はそれだけではいけないということに、
届けていくとか。実は今日、全然話しません
特に若い生産者は気づき始めています。今、
でしたけれども、私たちは平成 20 年に今流行
私は 54 歳ですけれども、3 年前に長男が私と
りの、九州でも 1 号という農商工連携事業を
一緒に農業をやってくれるようになりました。
自分たちは受けさせていただいておりますし、
今日の 2 番目、僕の次にお話される高山美佳
今日、前のほうにおみえになっておりますけ
さんという方は、いろいろな農業といろいろ
れども、久留米市のいろいろな方々に私たち
なものをコラボするような動きをたくさんさ
はお力添えを(いただいて)、この何年間ずっ
れているのですけれども、私の息子もこの高
とお世話になり続けております。これからも
山美佳さんにいろいろな形でお世話になって
是非お世話になり続けたい、そんな思いでお
おります。そして、最後にお話をされるケイ
りますし、折角でしたら、この久留米市から
ワンの中島社長さん、おそらく、あとでお話
発信していきたいです。
しされると思いますが、種なしの柿をつくる
久留米市というのはブリヂストンに代表さ
技術を持っておられるのです。私のところで、
れるように商工業の都市というイメージが今
その種なしの富有柿、それから、新しい品種
までは強かったと思いますけれども、新しく
で太秋という品種がありますが、その種なし
農業の町が 4 つ合併したということで、今、
の柿もつくらせていただいております。
生産量とか、生産規模とか、いろいろなもの
私のところは、先ほど 4.5 ヘクタールの柿
で全国的にも有数の農業都市に生まれ変わっ
をつくっていると言いましたけれども、約 50
ています。だから、そういう久留米市から農
年前から観光農園をやっています。今年も多
産物であったり、農業であったり、そういう
くのお客さんが私の農園に来ていただきまし
もので全国に新しい情報を発信していく、そ
た。消費者の声が私のところに直接入ってき
のためには私たちだけでは当然できませんし、
ます。そういう中で僕のところでもいろいろ
久留米市のいろいろな方々のお力添いをいた
な加工品に挑戦をして、お客さんに喜んでも
だきながら頑張っていければいいなと思って
らいたいということで、いろいろな形でミッ
おります。
クスしながら、これからの農業はやっていく
できれば久留米市内の食品製造業の皆さん
べきではないかと思っております。その原点
たちとコラボして、原料体も、製造している
に田主丸の醤油屋の若竹醤油、林田君達と立
ところも、販売しているところも全部、オー
ち上げたこの元山があって、この事業という
ル久留米で、この久留米からいろいろなもの
ものを尐しでもいい方向に持っていきたいな
を発信できるという状況がつくれたらいいな
ということを考えながら、今年も柿の生産を
といつも考えております。
終わったところです。
「ご静聴ありがとうございました」という
そういうことで農業と地域の産業を何とか
5
ミックスしてというか、くっつけて、久留米
に肩を 5 ヶ所くらい残して、先端を留めて、
からいろいろなことを発信していきたいと思
更にもう尐し玉が大きくなったら、玉受けと
っておりますので、また、これからもよろし
いって間引きをして、押し合い、へし合いし
くお願いいしたいと思っております。今日は、
て、花が潰れないように何回も何回もハサミ
ありがとうございました。(拍手)
を入れないと、あの円錐形の形にはなりませ
司会:右田様、どうもありがとうございまし
ん。それでやっと 1 房ができるということが
た。続きましては、高山様にバトンタッチを
初めてわかったのですけれども、うちは観光
したいと思います。
ブドウ園だったので路地で 1 皿 1 キロを延々
とお客様に試食していただいて売るというこ
とをやっていたのですが、ほとんどのお客様
ご講演Ⅱ
LOCAL&DESIGN 株式会社 高山美佳様
はそういうことをご存じないのです。しかし、
田主丸に見にいくと、その 1 房をつくってい
高山:私は久留米市の田主丸から参りました、
く上での大変さというものが、もっともっと
LOCAL&DESIGN の高山と申します。今、
伝わると思うのです。
右田さんからご紹介があった田主丸の農村に、
12 年前に嫁ぎまして、主人の実家は巨峰農家
今、田主丸には 230 軒のブドウ農家があり
ます。人口は、久留米と合併した 30 万のうち
で、主人は久留米の農業改良普及センターと
の 2 万 2,000 人ですけれども、その中の 230
いうところに勤めておりますので、自然と仕
軒っていうのは全国でも稀にみる密度です。
事が農業に関することにシフトしていってい
なぜ、こんなに強い産地なのかというのをと
ます。私も田主丸の観光巨峰狩りというのを
ても不思議に思って歴史を紐解いていくと、
営む巨峰園で 7 年間の農業を体験いたしまし
いろいろなおもしろい歴史が浮かび上がると
た。家は非農家でしたし、農業自体が本当に
同時に、柿もそうですけれども、農産物の 1
初めての体験だったのですけれども。
房 1 個をつくる大変さをもっと伝えないと、
農産物の価格がどんどん低くなるとか、ある
1.巨峰生産の大変さ
いは柿離れ、ブドウ離れ、フルーツ離れって
皆さん、巨峰って食べたことありますか?
言われているように、剥くのが面倒くさいか
これを聞くと 2 割か 3 割ぐらいの方は召し上
ら食べないとか、そういった食文化の中にも
がったことがあるっておっしゃっていただけ
理解していただけないのだなと思っています。
ますけれども、皆さんは、ブドウの 1 房は、
今、父が体を壊して閉園になってしまった
花が咲いてそのままならせておくと、あの形
のですが、農業、特に久留米とか柳川といっ
になると思っていらっしゃるのではないでし
た筑後地域の農業を広く、流通を含めて市場
ょうか。ところが、ブドウの房っていうのは、
に伝えるという仕事をしています。
花が咲く時期に花が咲いてそのままにしてお
くと 1mぐらいの長い花の房になって、その
2.バイオビジネスの可能性
まま実が生っても商品価値には全然ならない
今日はバイオビジネスの可能性ということ
のです。花が咲いたら、花が咲きかけの時期
で、今一番メインなのは、先ほど右田さんが
6
おっしゃっていた、今まで廃棄されていた規
どうするかということを今年はいろいろな形
格外品っていうものを市場に流通させるとい
で解決していっています。右田さんの息子さ
うことに取り組んでいます。この 2 年間柳川
んの英継さんは、今、大変注目されている若
市とお付き合いさせていただいていますけれ
い後継者ですけれども、その方と、皆さんご
ども、今、JA 柳川とその取組をさせていただ
存じの博多シティの「くうてん」というレス
いていまして、今まで捨てられていたイチジ
トラン街で、この1ヶ月「耳納連山フェア」
クを全部冷凍にかけて、それを女性たちにお
というのをやっていただきました。あそこは
願いして、古くからあった甘露煮というおや
1 店舗に年間 12 万人ぐらいのお客さんが来る
つにすることで、2 月に完売したのですけれ
のです。しかし、食材的には、通常の市場で
ども、ロスゼロ、廃棄量ゼロというのが実現
取り引きされているような材料でつくられて
しました。
いるところが多いのです。是非、そこに産地
もう 1 つは、皆さんよくご存じのイチゴの
の食材を、ということで全店舗にサンプル提
「あまおう」です。これは東京のほうで旪の
供させていただきまして、久留米からは柿、
はしりにいくと一粒 1,000 円ぐらいで売られ
巨峰の干しブドウ、吉井からは耳納山ファー
ています。私たちは 1 パック、高くても 800
ムの耳納豚といった、全部で 35 品目の食材を
円とかで A-coop なんかで見ます。その価値を
サンプル提供させていただきました。
見たときに、この価値というのは、まだまだ
その中で右田さんといろいろ打ち合わせな
伝わっていないなと思います。
がら、
「流通のコストがかかるから、いくら傷
JA 柳川さんの取り組みで、専業農家から規
物でも通常のお店の青果物を買うのと同じ値
格外品を集めて、昨年度は 28 トンの冷凍イチ
段になりますね、じゃあ、どうしましょう」、
ゴが完売になりました。皆さんがお口にして
「1 週間に 1 回なら、僕、天神に行けます」
いる、あまおうの製品の中にひょっとしたら
みたいな感じなので、
「1 週間に 1 回、送料無
それも入っているかと思いますけれども、大
料の日をつくりましょう」とか試行錯誤を重
変たくさんのお菓子メーカーとか、熊谷喜八
ねながら数店舗で柿をメニューとして出させ
さんという有名なシェフの方のアイスキャン
ていただくことができました。柿のグラタン
デーの中に入れていただいたりして、銀座で
とか。
1 本 400 円のアイスキャンデーに化けたりし
「そのフェアが終わっても、また取り引き
ています。
させてくださいというレストランがありまし
あまおうとイチジクでロスゼロが実現した
た」とか、大変うれしい言葉をいただいてい
ことにより農家さんに新しく経済が生まれた
ます。
「耳納連山フェア」はものすごく集客を
のと、もう 1 つは、いろいろな形で農産物が
生んだそうで、博多シティのほうから「また
人のお口に入るような加工品になっていって
来年も、また他の九州の産地でもお願いしま
いるということが本当にうれしく思います。
す」という形でうれしいご縁が続いています。
ただ、問題があって、それは冷凍施設をど
3.田主丸の風景
うするか、冷凍をかけた材料をそのレストラ
ンまで運ぶ流通はお金が掛かるので、それを
今、そのように農産物を流通から市場に繋
7
ぐというお仕事をしていく中で、自分が田主
先代の内山会長がシベリア抑留から帰って
丸に住んでいるということが、とてもアイデ
こられる途中で広島の原子野を見て、
「きっと
ンティティになります。自分が天神でお話を
日本を緑で覆ってみせる」と言って帰ってこ
する、博多でお話をする、東京、大阪でお話
られて、不要不休作物、要するに食べられな
をするときに、自分が住んでいるところのこ
いから、つくらなくてもいいと国から言われ
んな農産物がありますというのは、ものすご
て壊滅状態だった植木の産地を命懸け復活さ
く今の私の軸になっています。
れたということを含む風景でもあります。
ちょっと田主丸の風景をご紹介したいと思
これは、もう大きくなりましたが、うちの
います。皆さん、これが 3 月から現れる田主
娘ですけれども、その田主丸を象徴する「山
丸の耳納連山の内山緑地の風景です。花の名
苞(やまづと)の道」です。ここに毎年たく
所って思われていますが、皆さん、これは何
さんの観光客がおみえになって、右田果樹園
のお花かわかりますか、何のお花でしょう。
もこの山苞の道沿いにありますが、ここに美
(来場者:こぶしです。)もう知っている方も
術館をつくろうという話になったときに、
「い
いらっしゃいますね、白木蓮とこぶしの風景
えいえ、箱物ではなくて、今ある果樹園や工
です。夢のような風景なので、是非、見られ
房やギャラリーを繋ぐために道に名前を付け
てみてください。
よう」ということで、源氏物語の「山苞に持
皆さん、これは花の名所と思われるでしょ
たせ給へり紅葉」という句から付いた名前が、
う、でも、100%売り物です。田主丸は江戸時
まちおこしの契機になって、今、ここにたく
代から続く植木の町なので、これは、ある日
さんの方が遊びにきてくださるようになりま
突然、ゆさゆさとトラックに揺られて運ばれ
した。この看板はそれを象徴するところで、
て行ったりして、年々変化をしています。こ
私がお嫁に来る前でしたが、ここに溢れてい
の風景が生産現場の風景です。私が必ずお話
た看板をトラックに随分撤去されまして、役
するときの 1 枚目でこれをお伝えしますけれ
場の予算の半分で、手づくりでつくったとい
ども、これを伝えることで 360 年の植木の町
う 1 枚の木の看板がこれです。風景を引き算
というのをより深く伝えることができるよう
して、きれいにしていって、それでお客様を
な気がしているのと同時に、私は長崎生まれ
おもてなしするという象徴、まちづくりを象
なのです。家は爆心地からすぐ傍のところで、
徴するような風景です。是非、尐し歩いてみ
戦争のときには両親は長崎にいませんでした
られてください。
が、長崎が原爆のあとに平和公園をここにつ
これは、私が大好きな写真ですけれども、
くると決めて全国に造園をしてくれる業者を
耳納連山があって、その前にずっと続く筑後
募ったときに、
「草木も生えない」と言われて
平野の田園地帯というのが田主丸を象徴する
いた原子野でしたので、どこも請け手がなか
農村風景です。先ほど右田さんもおっしゃっ
ったそうです。それを日本で唯一受けてくれ
たように、私は 2 万人の町にお嫁に来たとい
たのが、この内山緑地だということを嫁いで
うことをとてもうれしく思っていて、気に入
聞いて、この風景をいろいろなところにご紹
っていたのですけれども、そのときには浮羽
介させていただいています。
郡で、浮羽町と吉井町と一緒でした。
「平成の
8
大合併」で 30 万都市市民になったのですけれ
ども、右田さんは覚えていらっしゃいますか
ね、合併して最初の年って田主丸町という名
前も消えたし、右田さんの果樹園はじめ、い
ろいろな、巨峰ワインですとか、そういうと
ころが全部、民間の観光拠点だったので、行
政が応援できなくて、そういう痛し痒しのと
ころがあって観光マップから名前が全部消え
た 1 年間がありました。
先ほどおっしゃった有数の農業生産地って
写真 3.ご講演中の高山様
いうブランドがまた認知されていって、農村
の風景が人々の心を捉えているというのが今
4.田主丸のフロンティア精神
はすごくありますので、この久留米の風景を
象徴として、もう一度、観光の資源として再
田主丸の農村というのは、ものすごくフロ
注目されているのではないかなと思います。
ンティア精神が素晴らしくて、元々柿の産地
これは JA の青年部、卒業生たちが竹野小
でしたけれども、福岡県で初めて富有柿とい
学校の子どもたちと田植えを毎年一緒にやっ
う甘柿の産地になったところでもあります。
ている風景です。これは、うちの娘たちの 110
そういったフロンティア精神の富んでいる
人の小さな学校ですけれども、今、保育園に
農村地帯なのですけれども、それを象徴する
も尐し待機児童が出たりして、その住環境が
のがこの苗木の風景です。ずらりと揃った苗
注目されています。そのためにもこのような
木が見事ですけれども、これは高い技術に非
イメージをどんどん伝えて、山辺のほうの住
常に支えられていて、その情報交換をずっと
環境はいいですよ、子どもも育てやすいです
50 年間されているので、今、全国シェア 95%
よっていうようなことを伝えていきたいなと
という実績があります。あそこら辺にいる金
思っています。
髪、茶髪は、みんな後継者です。この人たち
これは耳納連山ですが、前に見えるのは何
も交流会のときに一生懸命に杯を持って回っ
でしょうか。今、シーズンですから、皆さん
て、次回挽回できるように情報収集をしてい
はミカンをたくさん食べていらっしゃると思
る姿にすごく心打たれて、
「田主丸ん本」とい
いますけれども、これは全部、柑橘苗木の風
う田主丸の本をつくったとき、最後に使った
景です。その青年部の 50 周年の写真なのです
写真です。
が、この田主丸の青年団の方々は 50 年間、お
互いの畑を自主採点して、それを交流会で全
5.柿・巨峰のブランド化の取り組み
部実名発表するという互評会というのを繰り
ここから柿の話なのですが、自分の娘たち
がすごく柿を食べます。子どもたちも、もの
返していらっしゃいます。
すごく柿を食べますけれども、
「みんな、子ど
もらは、柿は食べん」とか、おじいちゃん、
9
おばあちゃんは言います。都会に行っても、
それも、しばらくするとワーッとみんながつ
剥くのが面倒くさいとか、「ああ、柿」とか、
くり始めて、だんだん価格が下がっていくの
「年に 1 個食べればいい」とか言われるのが
です。新しい品種の野菜にどんどん挑戦して
悲しくて、こんなに柿を食べている子どもた
いかれていて、今は道の駅を見られてもわか
ちを何とか写真に収めたいと思って、これは
るのですけれども、久留米は素晴らしく、た
生産者の岩田さんの娘さんです。本当に柿が
くさんの品種が揃う農産地でもあります。お
好きで、お母さんたちと一緒に笑っているの
もしろいものがたくさん各品目にありますの
で、この笑顔なのですけれども、田主丸柿と
で、是非、そこを注意して見られてください。
いうことで、方言で田主丸の柿を「楽しまる
その品種をすごくいろいろなものを展開で
の柿」として田主丸で生産されている富有柿
きる原点には、なぜ、そんなに強い産地なの
を、これは 7 年ぐらい使っています。もうこ
かっていうのがあると思います。私が嫁いだ
の子は大きくなりましたけれども、イメージ
巨峰農家で売りながら、いろいろな生産者の
として使わせていただいた写真です。農産物、
皆さんと会話するうちに、田主丸が半世紀の
本当に食べていただくまでの伝え方というの
巨峰開植の地、日本で初めて巨峰の産地にな
は、子どもたちの笑顔とか伝え方次第でいろ
ったところであるという歴史が浮かび上がり
いろな反響が出るなというきっかけになった
ました。
写真です。是非、アクセスしてください。
これは「巨峰物語」という1冊の本にまと
もうシーズンは終わりましたけれども、巨
めさせていただいて、何年間もそうやってブ
峰農家 230 軒ある田主丸のうち 70 軒が観光
ランドの発信もしてきましたけれども、この
ブドウ狩りのできる観光農園なので、これは、
真ん中におられる方が田主丸の九州理農研究
もう 6 年間、細々と更新し続けていますけれ
所という、
「農民の農民による農民がつくった
ども、その 70 の園すべての紹介がされている
農業の研究所」の所長として招かれた方です。
ホームページをつくりました。この生産者の
この越智先生が、
「巨峰」という天才的なこの
皆さんとつくり上げた思い出深いホームペー
大粒のブドウを生み出した大井上康先生に出
ジですけれども、この下にある「巨峰開稙の
会ったことから、田主丸に巨峰の苗がもたら
地・百選の園」というのを、ホーロー看板を
されるのです。
各園で掲げて、
「ここの園は価格的にも、品質
ところが、今では信じられないと思うので
的にも、おもてなしも保障します」というよ
すけれども、巨峰という品種は大井上先生と
うなブランドづくりに繋げています。
いう民間学者が品種改良に成功した品種であ
農産物を皆さんに食べていただくというの
ったがために、当時の戦前の官尊民卑の激し
は本当にすごく難しいです。市場の中にある
い風にさらされて、生産をしてはならないと
いろいろな品種が食べたい、珍しいものが食
いう品種に貶められた落第品種でした。非常
べたいというところに非常に付加価値がある
に花流れしやすくて、粒落ちしやすいという
ので、先ほど右田さんがおっしゃっていた柿
風評被害もありまして、市場にも出せないの
の中では太秋という柿が1玉、
一昨年は 1,000
で、もっと他の推奨品種をつくりなさいとい
円ぐらいで売られていた時代がありました。
う指導を非常に受けた品種だったのです。
10
田主丸の人たちは、この九州理農研究所の
う田主丸の町の基幹産業の原点になります。
経営が火の車だったので支えるために、昭和
思いの外、体験するとハマりますので、皆さ
28 年に 5 人の方がその生産に乗り出されます。
ん、是非おみえになられてください。ただ買
それが巨峰開稙の原点です。
って食べるのとはまるで違う味わいの世界が
ところが 3 年後に見事に実った巨峰も先ほ
そこにはあります。美味しい柿を一生懸命、
どの風評被害で一切市場に出せなかったので、
この間も子どもたち 30 人と英継さんから話
そこで田主丸の農家さんは何をしたかという
を聞きながら、もぎましたけれども、美味し
と、久留米の市内にあった西鉄バスの営業所
い柿を見つけるのは至難の業です。けれども、
に巨峰を持って行って、1 週間座り込んで、
「畑
自分でもいだ柿は美味しいし、農園で摘んで
にバスを出せ」と言ったのです。当時は 1 時
いただいた柿は、なお美味しいし、巨峰も房
間半近く掛かったのではないかと思いますが、
が茶色になってない緑のシノのもぎたての巨
観光バスが、やがて田主丸にやってくること
峰を水にジャブってやって食べる、あの美味
になります。
しさは本当に感動的なものがあります。是非、
これは実証されたわけではありませんが、
来年は体験されてみてください。
観光ぶどう狩りというものが農地へ観光に行
尐し駆け足でしたけれども、これでお話を
くことの原点ではないかと思います。当時、
終わりたいと思います。ありがとうございま
筑後川から耳納連山の山裾の道までのものす
した。(拍手)
ごい大渋滞だったそうです。それぐらい高度
司会:ありがとうございました。続きまして、
経済成長に乗って巨峰狩りレジャーブームが
中島様にバトンタッチをしたいと思います。
起きたということを生産者の皆さんから懐か
しく聞きました。
ご講演Ⅲ
ケイワン株式会社 中島国男様
この歴史を知って田主丸というところを情
報発信すると全然違ってくると思います。そ
して、東京、大阪でこのお話をすると非常に
中島:初めまして、ケイワンの中島と申しま
響きますし、田主丸のブドウということで
す。今回は商学部の皆さんがいらっしゃると
様々な都市の方々が使っていただいたりする
いうことで、私は敢えてドライに、いろいろ
のも、やはり、こういう物語があって使って
なマーケティングの観点から皆さんに捉えて
いただけているのかなと思います。
いただければというふうに思いました。
このブドウ狩り、原点は観光柿狩りで、そ
最初、宮本さんからこの話をいただいたと
の観光柿狩りの更に原点の園は、実は右田さ
きに、この主題につきまして相当考えました。
んのお父さんが始められました。田主丸に来
「久留米地域の農業ビジネスの多様性と展
られたお客さんに美味しい柿をもいで食べて
開」
、非常に心地いい感じがするのですけれど
もらおうと、まだ道が整備されてないころか
も、非常に難しいテーマだと思いまして、い
ら、えっちら、おっちらと下から山を登って
ろいろ読み換えてみようということで、
「ケイ
きて、柿をもいで帰るということをなさって
ワンの」と読み換えてみると、ケイワンは農
いたのが今の観光柿狩りと観光ブドウ園とい
業者ではないので、それもおかしいというこ
11
とで、一応、研究開発会社なものですから、
「研究開発による地域農業への貢献、そして、
表 1:ケイワンのビジネス
世界に向けた農業ビジネスへの展開」と尐し
1.種なし果実生産用花粉
大きめにタイトルを書いてみたところです。
①製造・販売
1.ケイワンのビジネス
②授粉技術の提供(無償役務、機器・資材販売)
早速、説明に入らせていただきます。私ど
③栽培技術の提供(有償役務)
ものベースとなる技術は、ここに SWT と書
いてありますけれども、種なしスイカの技術
2.創出された種なし果実の商品化・販売
でございます。これが約 10 年前に開発されま
①同果実の販売
して、皆さんが学ばれているこの学び舎のす
②商品化指導(商品形態の譲渡、商標の貸与)
ぐ向かいの久留米の試験場で、最初に発明さ
③販路の提供・開拓(コミッション、販路譲渡)
れたもので、杉山慶太さんという方が発明し
た技術です。
3.種なし果実生産用花粉の製造技術譲渡
今、杉山さんは北海道農業研究室のセンタ
①生産技術、製造技術の譲渡
ーにいらっしゃいますけれども、私どもも共
同でいろいろな応用ができないかと研究して、
②必要装置の販売
いろいろな成果が出てきまして、それをビジ
最後に、
「種なし果実生産用花粉の製造技術
ネス化できないかという話になってきたわけ
の譲渡」です。これは世界展開をすることに
です。
Watermelon
なってくると私どもでは非常に難しいです。
Technology)ですが、それを実施するにあた
これはいろいろな装置とノウハウをすべて含
そ の
SWT ( Seedless
めて譲渡できないだろうかということを考え
りましては、花粉が必要なわけです。それを
ております。これには特許も絡んでくるので
「SWT パウダー」という商品名で挙げており
すけれども、それについても農水と話をして
ます。スイカ用、柿用、柑橘用と今のところ
いるところです。
3 商材あるわけですけれども、これを使えば
皆さんのところの富有柿もこういう種なしに
することができる商品です。これは育種技術
ではなく栽培技術ですから、どなたでもこれ
を使えばできます。
「ケイワンのビジネス」ということで、敢
えて固い感じで書かせていただいております
(表1)
。
商品としましては、先ほど申し上げました
ように種なし果実用の花粉、それと、その果
写真 4.SWT パウダー(スイカ用)
実 の 販 売 を 担 っ て お り ま す 。
12
2.地域への貢献
ではミツバチで受粉をしていたわけですが、
では、
「地域への貢献」というところで種な
種なし甘柿生産の場合は、人の手で授粉をし
し甘柿の話をさせていただきたいと思います。
なければいけません。ミツバチが普通花粉を
種なし甘柿をつくるには、まず、花粉をつく
受粉をしては困るわけで、柿の雌花が開く前
らなければならないわけですけれども、それ
のつぼみの時に袋を 1 個 1 個掛けていきます。
には、先ず雄花専用の樹から雄花を摘み取り
あるいは、2 本の木を、1mm 目合の網目のネ
ます。雄花も通常よりも尐し早く咲かせなけ
ットで覆ったり、もう尐し規模が大きい 5 畝
ればいけないので、この樹に 5mぐらいのビ
ほどの棚栽培のアルミ支柱を高く伸ばし、そ
ニールを掛けまして、それで日焼けを防ぐよ
れをネットで覆って、これを 1 個 1 個授粉し
うに穴を開けなど工夫し、7 日から 10 日早く
ていくわけで、こちらもたいへんな作業です。
雄花を咲かせて、雄花の葯を軽く手でもみ花
花粉は 1mm の 1,000 分の 5 とか、10 とか、
粉を取り出します。それから、軟 X 線という
そのぐらいのものですから、理屈の上では
波長の長い X 線を照射し、その花粉を部分不
1mm の網目であっても通過するはずです。通
活化花粉と言いますけれども、それを授粉ま
過しますけれども、風による受粉されている
での間、冷凍状態で保存します、この辺が当
という場合はほとんどありませんでした。こ
社の花粉製造面での技術と言えます。
れは、1mm 目合のネットでやれるということ
この X 線量をどのくらい照射するかによっ
です。つまり現状は、当社の開発研究と生産
ても種なしの有無やその状態が変わってくる
わけです。この辺は研究により得られたノウ
ハウということになります。これはスイカで
ある程度の線量がわかっていたものですから、
それを基本にいろいろな線量を変えて、開発
いたしました。最初の実験で概ね成功はしま
したけれども、生物実験を右田果樹園をはじ
めこの地域の生産者の圃場において、いろい
ろと協力をお願いしました。
写真 5.柿の雌花と花粉
この花粉の保存、一般的に果樹の花粉は結
構保存しやすいのですけれども、より精度の
者が協力して実験をしながら成果を上げてき
高い保存方法ということで、当社の方法で授
ているということです。当初はこういう受粉
粉までの間保存しました。この保存方法は「花
樹も開発しておりませんでしたけれども、何
粉の保存方法」として私どもノウハウが権利
化されています。花粉の保存方法については、
日本国内ではすべての花粉についてこの保存
とか、私どもで受粉樹の雄花の早咲も開発し、
不活化花粉(SWTパウダー)を製造し、こ
れに増量剤と混ぜて、袋の中の雌花柱頭にプ
方法であれば、私どもが権利と製法はすべて
ッと吹きつけるわけですが、その授粉器もつ
持っているということです。
くりました。ついた花粉は尐しピンク色にな
次に柿への授粉について述べますと、今ま
っているかと思います。こういう状態になっ
13
たら 1 週間ほどで袋を外すと、種なし甘柿が
す。これは今、高知大学で細かく分析をして
収穫されるわけですけれども、この間に生産
おりますけれども、私どもでもこのことはわ
者の皆さんには、摘果作業ですとか、防除作
かっています。
SWT パウダーを使って「種なし」になると
業、管理作業等の作業を通常通りにやってい
ただきました。
いうことはどういうことかと言いますと、当
こちらは JA 久留米の柿部会の平均年齢 78
然、食べやすくなります。柿を縦に切ってみ
歳の皆さんにやっていただいているのですけ
ればわかると思いますけれども、種があった
れども、いつから収穫しようかなど、収穫の
ら、まず切れません。私どもの種なし甘柿な
ある程度の見極めをさせていただきながら、
らスライスをすることまでできて、当然切り
収穫を行い、収穫したものは農協へ持って行
やすくもなります。
き、農協から私どもがそのまま引き上げて、
商品パッケージをどうするかと非常に悩み、
すべてケイワンで選別をいたしました(通年
化粧箱の表紙やPOPをどうしようかという
は、農協にてある程度選別して頂くのですが、
ときにデザイナーも誰もいなかったので、私
今年の場合は柿が大豊作ということもあり、
が手書きで全部書き起こしました。コピーも
当社にて進めました)
。そして、ケイワンにて
デザインも全部、私のほうで書いて、全体を
商品化を行い、梱包して、全国に出すという
仕上げましたが、特徴は出ているかなと思い
形を取っています。そして久留米産の種なし
ます。先ほど右田さんがおっしゃった大秋(た
甘柿が全国に広まっていくということです。
いしゅう)柿のほうも進めております。
一応、西日本の専門店向けに持っていって
3.商品の位置づけ
いますけれども、専門店だけで売る商品ばか
尐し前後しますけれども、実際には 1 次産
りではございません。その辺が今年は特に数
品とはいえ商品化するわけですから、商品の
量が多かったものですから、今後いろいろ工
位置づけをどうするかということになるわけ
夫していかなければいけないという点はあろ
です。結果を言いますと、
“美味しくてしかも
うかと思います。
種なし”でいこうということを考えたのです
12 月 1~2 日に農水省と経産省の共同企画
けれども、SWT パウダーによる種なし甘柿は
の「農業フロンティア 2012」が東京ビックサ
イトでありました。これは、NHK がプロデュ
ースしておりまして、初日が1万 8,000 人で、
2日目が 2 万 5,000 人、合わせて 4 万 3,000
人の来場者がありました。そこで、私どもの
ブースと北農研のブースを合体させて、久留
米産種なし甘柿の試食販売会を農水の一画で
写真 6.種ありの甘柿と種なし甘柿
大々的にやらせていただきました。あまりに
も人が多く、尐しずつですけれども、4,000
実際においしくなるわけです。種ありに比べ
名以上には試食していただけただろうという
て全糖で 1~1.5 度、糖度が高くなるというこ
ことで、売った玉数が 600 玉ぐらい、とにか
とと、食味を増す糖組成の比率も違ってきま
14
く販売する暇もない、説明がなかなかできな
いますので、市場などに出せば別のステージ
いという状態でした。このブースでは柿をつ
で販売されるということになってきました。
くっていらっしゃる方、ミカン農家さん、ス
柿の販売についても、ケイワンのやっている
イカ農家さんたちに、技術的な説明等もさせ
種なし系の果物なら間違いないということで、
ていただきましたけれども、試食された生産
あまりややこしいことも言わずに済みますし、
者、一般消費者また久留米に住んだことがあ
私どものスイカのお得意さんのほうに、先ず
る方、久留米出身の方もたくさんいらっしゃ
勧めて展開しております。
いましたが、久留米産種なし甘柿の評価はた
いへん高いものでした。
平核無(ひらたねなし)
、刀根早生(とねわ
せ)という渋柿を甘柿化したものが和歌山県、
奈良県、新潟県で非常に多く生産され、柿の
売り場を占拠するほど出回っていますが、そ
の脱渋した種なし柿を甘柿と思っている人が
非常に多いものですから、今回“これが本当
の甘柿です”ということを私どもは説明しま
した。試食後の意見は、
“シャキシャキして実
写真 7.ご講演中の中島様
が硬くて新鮮な甘みだ”とのことでした、こ
の意見は、非常に言い当てていると思います。
脱渋した物は非常に甘さはつよいのですけれ
4.今後の展開のあり方
これからが私どもの今後の展開というか悩
ども、自然な甘みではなくて、ねっとりとし
みについて、皆さんにお話したいところなの
た甘みです。富有柿の場合は非常に新鮮な甘
ですが、私どもは説明しましたように大宝美
みです。だから、この辺を再度説明する必要
®ブランドで果物を出しております。それは
がある頃だという感じを受けました。勿論、
宣伝的にやらせていただいて売る戦略と申し
過去からある富有柿の再評価だけではなく、
さらに進化した形の種なしだから食べやすく、
美味しいというものを伝えたいですね。
ますか、これにより生産者の皆さんに、スイ
カなら種なしスイカを各産地でつくっていた
だきたい、そして、つくるには勿論、SWT パ
柿は、この辺で終わりたいと思っています
ウダーが必要でしょうということでやり始め
けれども、要するに私どもとしての種なし果
て、もう 4、5 年になりますけれども、なかな
実の商品としてはスイカ、柿、そして、高知
か進展せず、なぜ進まないのかと悩みに悩ん
産の水晶文旦も非常に高級品です。こういう
でいるところです。
ものを商品化しながら花粉を販売していきた
大宝美の種なし果物は非常に反響がよくて
いと思っております。
大変売れていますけれども、肝心の花粉が売
私どものブランド名を「大宝美®(だいほ
れません。そうなりますと販売上の岐路と申
うび)」という言い方で呼んでおります。スイ
しますか、果物を売るか、花粉を売るかとい
カなどは全国的にもかなり有名になってきて
うことになってくるわけです。誰もつくらな
15
いのなら当社で委託生産しよう、当社でつく
年から増産しております。
って当社だけのブランドで売り出そうという
では、どれだけの花粉をつくれるのかとい
ことを去年の段階から考えておりました。
うことで、これは以前から考えていたことで
すけれども、スイカの日本の玉数が 8,000 万
しかし、なかなかそこまでには至らず、ス
玉ほどありまして、これをマーケットサイズ
とすれば、弊社としてその半分 4,000 万玉を
ポテンシャルマーケットと考え、これはミツ
バチを除けながら授粉すれば種なしができる
だろう、先ずはその 1 割の 400 万玉、全体数
量の 5%、この 400 万玉分の花粉がつくれる
ものかと考えました。
今年は途中で洪水にやられましたけれども、
それから言えば、5、6 反のハウスがあればこ
の数量はいけるだろう、それも 8m×40mぐ
らいの 5、6 反ということで、これは金額的に
言えば売上 3 億円のビジネスになります。
スイカ生産は季節の流れとともに、熊本か
ら徐々に北に移動しますが、それぞれのスイ
カの産地には、既に私どもから情報提供し説
明し、いろいろ試験実施済のところもありま
す。SWT パウダーのチラシを作って、“スイ
カ市況の低迷、消費者にかなう独自スイカを
つくりたい方、白いタネで価格高をめざすな
ら、この花粉ですよ”と1枚にまとめてあり
写真 8.種ありのスイカと種なしスイカ
ます。ところが何故か、去年から、
“普通花粉
がほしい、ほしい”と言ってきています。そ
イカなり何なりを商売するとなれば卸売業に
れはスイカの普通の花粉をくださいというこ
なって、利幅が非常に小さくなります。そう
とですけれども、何のためかと言いますと、
なれば経営体を非常に圧迫するようになりま
それは結実を改善したいからなのです。
す。1,000 円売るのに 850 円とか 900 円を動
例えばスイカというのは雄花と雌花が交互
かさなければいけなくなるということで、か
で咲き、雄花が 6 個咲いて雌花、大体 3 番雌
なり厳しいことになります。
花、18 節~20 節ぐらいの雌花柱頭に授粉を
だから、パウダーの販売拡大をしようかと
するわけですけれども、その前後に雄花が咲
思っても、一定レベルの果物はやっていかな
かないとか、花粉が出ない場合には受粉がで
ければいけないだろうし?などと思い悩んで
きないわけです。そうなると 1,000 玉の目標
おりますが、いずれにしても花粉はつくらな
が 700 玉、500 玉になり、売上も減ります。
ければならない!ということを考えまして今
16
だから、ケイワンには普通花粉(商品名「ス
ようということを考えました。
イカパウダー」
)もあるあるだろうということ
この 3 国を比べますと、先ほど日本は 8,000
で、急きょスイカパウダーを商品化し新たな
万と言いましたけれども、直近で 7,200 万玉
アイテムとして紹介することとしました。
ぐらい、韓国がその 2 倍、中国は統計でわか
る範囲で 112 億玉、日本の 200 倍ぐらいです。
そのような要望において、スイカパウダー
という普通の花粉も売っており、生産者のニ
まず韓国があるなということで、今年から
ーズも非常に大きいのですけれども、私ども
慶尚南道、これは釜山の近所で、韓国最大の
からしてみれば、天候がよければ売れないと
施設、栽培地域です。それと全羅北道に井邑
いうものでもあります。スイカの場合は種な
(ジョンウプ)
、高敞(コチャン)郡、忠清南
しスイカは、消費者のニーズは非常高いので
道等、他にも産地はたくさんあり、これらを
すが、生産者のニーズは非常に小さいのです。
営業してみて、この中で反応が良かったのは、
ジョンウプ、ゴチャン郡 2 つです。
要は、SWT パウダーを買って、そのコスト
先ほど申しました 3 倍体のスイカは夏しか
の上に付加価値を上積みするような商品化が
できないのです。
できなくて、ヨーロッパ系の会社や韓国の会
種なしのスイカの 3 倍体の方法は、60 年前
社が種を相当売っていますので、一般の消費
に京都大学で開発されていますが、世界にお
者の方は黒種のものは食べなくて、1 年中、
いては 20~30%の普及率に対し、日本はわず
白い種で食べやすいスイカを求めているとい
か 1%で、一番遅れています。その理由は詳
うそのニーズと私の営業提案が非常に合致し
しくはわかりませんが、おそらく生産効率が
たわけです。
悪い、1 品種ごとに育種しなければないので
夏場の 3 倍体の種なしスイカは、日本より
バリエーションが尐ない、特段美味しくない
進展が非常に速いということで、秋、冬、春、
等の理由だと思われます。
初夏のスイカの種なし化には、どうしても私
そういうところで私も非常に行き詰ってき
どもの「SWT パウダー」が必要だということ
まして、もう尐し大きく考えてみようという
になるわけです。ニーズは非常に高いという
ことで世界のスイカを調べてみますと、中国
ことで試験生産を今年の秋にやりまして、こ
が圧倒的で、全世界の 60%を占めています。
の 2 つのうち特にこの井邑(ジョンウプ)と
日本も多いほうですけれども、続いてトルコ、
いうところからは注文を頂戴いたしました。
イラン、ブラジル、アメリカ、インドなどそ
彼らにスイカの普通の花粉もありますが、
の下に韓国、日本、とこのような統計であり、
こちらもどうですかと言いますと、
“なぜ、そ
中国が断トツです。
んなものを使わなければいけないのか、種な
私どもは世界にない不活化花粉製造技術、
しの花粉があればそれでいいだろう”と韓国
それにパッキング技術という長期に保存でき
の農家さんに言ってもらえるのですけれども、
る技術を持っています。1 日で死んでしまう
日本の農家さんからは、
“なぜ、そんな種なし
花粉を私どもは数年間生かしているわけです。
の花粉を使わなければいけないのか”という
そこで近隣国であり、ビッグマーケットであ
ことで、この辺が全く違うところでして、そ
る中国、韓国の辺りまで尐し視野を広げてみ
れは系統農協の仕組みも尐し違うところもあ
17
るわけですけれども、やはり、韓国や中国は
技術譲渡の 1 つとして、スイカ花粉を原材
かなり消費者目線に立っているなと私どもと
料とするわけですから、高品質な花粉がたく
しては捉えております。
さん採れる栽培技術が必要になってきます。
尐しは何か先が見えてきたように感じはし
スイカ雄花の栽培において、手作業でやって
ているところです。では、世界の 60%を占め
いるノウハウの部分がありますが、装置の使
る中国はどうするのか、これもいろいろあり
い方とか、装置自体あるいは顕微鏡での顕鏡
ますけれども、日本の種苗会社からハンドで
の仕方、このような細かな効率と精度を上げ
1 回持って行かせまして、北京の種苗会社で
るためのノウハウものを含めたところでの販
つくった人がいます。
売ができないかということを今考えているわ
北京の種苗会社、寧夏(ネイカ)回族自治
けです。
区というところがあって、ここで種なしスイ
これが最終的なまとめなになりますけれど
カを生産させて、香港にこの種なしスイカを
も、私どもは花粉屋に変わりございませんの
持って行って売ったわけです。非常に高値で
で、この辺のところは全く変わりなく、新た
売れたから是非やりたいとは言っていますけ
れども、ただ、中国は広すぎてどうしていい
のかわからないのです。大きな戦略として 3
倍体スイカは北東部、この線より上ではでき
ません(結実しません)
。昔も 3 倍体スイカで
失敗して、スイカ生産者はこりごりしていま
す。下のほうになってくれば、いろいろなも
のができますけれども、やはり、品質がいい
のは山東省から北の方のスイカということに
なります。一方中国には、日本生産のスイカ
種子を輸出ができません。果菜類の日本種子
写真 9.日本・韓国・中国のスイカ生産玉数
の輸入を認めていないことからスイカ花粉も
輸入不可です。去年か一昨年、青島の流亭空
港まで送りましたが、結果的には廃棄してし
に、中国については種なし果実生産用花粉の
まいました。そこで中国で生産・製造するこ
製造技術譲渡、生産技術と製造技術の譲渡と
とを考えました。
必要装置の販売を含めた譲渡について(表1
中国で大きなマーケットを持つ主要都市周
参照)、現在、いろいろな方面に提案をしてい
辺部に製造工場をつくり、製造販売ができな
るところでございます。これにて終わりたい
いものだろうかと考えましたけれども、やは
と思います、長くなってしまいました、すみ
り、途方もないことになってきますから、こ
ません、ありがとうございました。
(拍手)
のような地域の会社に対していろいろな装置
司会:中島様、どうもありがとうございまし
も含めた技術譲渡はできないだろうかと今は
た。それでは最後に、久留米大学ビジネス研
考えているところです。
究所長の永池克明教授より締め括りのお言葉
18
をいただきたいと思います。よろしくお願いし
久留米の産物を売り込んでいけるチャンスも広
ます。
がっています。この田主丸の地域の企業同士の
コラボレーションあるいはアジア・中国のパー
トナーとのアライアンス(国際的提携)によっ
閉会の挨拶
て大きなビジネスチャンスが開かれるのではな
いかと感じております。
永池:皆さん、こんにちは。ビジネス研究所長
そういう中でビジネスチャンスをかなり広く
をしております、永池でございます。今日は 3
捉えていけば、いろいろな形で可能性が出てく
人の企業の経営者、地元久留米でご活躍中の 3
るのではないかということを感じた時間であり
社、ケイワン株式会社の中島社長、株式会社元
ました。
山の右田取締役、LOCAL&DESIGN 株式会社
最後になりますけれども、地方大学というの
の高山代表という 3 人の経営者からお話があり
は地域貢献あるいは地域との連携が重要な使命
ました。いずれも大変貴重で有意義なお話ばか
であり、地域の方々や地域の産業の支持なしに
りで感銘を受けました。ありがとうございまし
は存立し得ないわけです。地域の皆さんが自分
た。
の息子、娘あるいは孫を久留米大学に進学させ
本日お話いただきました田主丸をはじめ筑後
たい。なぜならば久留米大学はこの地域に大変
地域というのは農業生産地として全国的にも有
貢献しているからだと、一緒になって汗をかい
数な地域であり、今後についても非常にポテン
てくれるからだと言われるようになることが大
シャルのある地域であります。
変大事だと私は思っています。したがって、こ
れからもこういった活動を地道に続けていきた
いと思っております。
また、
地域には魅力的な産業がたくさんある、
伝統産業もある、近代工業もあります。大事な
ことは、これからこうした地場産業をさらに活
性化させていく地域に根付いた次世代の幹部候
補生がこの会場の皆さんの中からどんどん出て
くることを大変期待しているわけであります。
今日は長時間にわたりましたけれども、3 人
写真 10.閉会の挨拶をする永池克明所長
の先生方から大変いいお話をいただきました。
この地域で長年育まれた果樹や農産品に関し
また、これからもこういった講演会を継続して
ての伝統や技術、ポテンシャリティは豊富にあ
いきたいと思っております。最後に、この 3 人
るにもかかわらず、
日本の国内市場は成熟化し、
の講師の先生方に大きな拍手をお願いいたしま
今後の成長性も限られてはおりますが、まだま
す。ありがとうございました。
だ売り込める余地はあります。
また、今回の後援会開催に際して積極的に支
一方、すぐお隣のアジア、中国等には今、非
援していただいた市役所の皆様や、教職員、そ
常に大きなマーケットが開けつつあります。今
して学生の皆さんにこの場をお借りして厚く御
後のやり方次第ではこうした有望な海外市場に
礼申し上げます。
19
(拍手)
宮本:永池先生、ありがとうございました。こ
れをもちまして、久留米大学ビジネス研究所主
催の公開講演会を終了いたします。
以上
(本講演録は『2013 年 久留米大学ビジネス
研究所 研究所報』掲載の記事を転載したも
のです)
20
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