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審査レポート - 日本生態系協会

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審査レポート - 日本生態系協会
1-4038901-1001/01
パナソニック株式会社
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社松本工場に対する
JHEP 認証[第 1 回更新]
審査レポート(概要版)
2015 年 9 月
パナソニック株式会社オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社松本工場
に対する JHEP 認証[第 1 回更新]
評価申請者
名称
パナソニック株式会社(取締役社長 津賀 一宏)
住所
大阪府門真市大字門真 1006 番地
申請番号
1-4038901-1001
評価実施者
名称
公益財団法人 日本生態系協会(会長 池谷 奉文)
住所
東京都豊島区西池袋 2-30-20 音羽ビル
1-4038901-1001/01
目次
Ⅰ.評価の概要 ...................................................................... 1
Ⅱ.評価区域と基準年 ................................................................ 3
1.評価区域 ....................................................................... 3
2.基準年 ......................................................................... 4
Ⅲ.事業内容 ........................................................................ 5
1.事業の概要 ..................................................................... 5
2.緑地割合 ....................................................................... 8
Ⅳ.評価結果 ........................................................................ 9
1.保全再生目標等の設定 ........................................................... 9
2.植栽植物等の確認(要件 3 の確認) .............................................. 16
3.評価基準値の算出 .............................................................. 17
4.事業によるハビタット得点の算出 ................................................ 22
5.基準年の 50 年後におけるハビタット得点の確認(要件 2 の確認) ................... 26
6.評価値(要件 4 の確認) ........................................................ 28
Ⅴ.審査結果 ....................................................................... 32
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Ⅰ.評価の概要
申請番号 1-4038901-1001
評価対象事業
名称 パナソニック株式会社オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
松本工場
所在地
長野県松本市大字笹賀 5652
面積
約 6.9ha
概要
外構の整備・維持管理
事業実施者
名称
パナソニック株式会社(取締役社長 津賀 一宏)
住所
大阪府門真市大字門真 1006 番地
なみひら
問い合わせ窓口 パナソニック株式会社 松本工場(波平)
電話番号
0263-29-0528
認証タイプ ハビタット評価認証 ver.3.0(JHEP ver.3.0)
基準年
1974 年
申請年
2010 年
更新年
2015 年
緑化条件 総敷地面積の 20%以上が緑地となる.
将来における緑地割合 24.0%
目標植生
オオモミジ-ケヤキ群集/カシワ-コナラ群集/ヤマツツジ-アカマツ
群集/トダシバ-ススキ群集
評価種
コゲラ/シジュウカラ/コミスジ/ジャノメチョウ
評価結果
要件 2.ハビタット得点が将来までに 8 点以上となることが見込まれる.
50 年後のハビタット得点
8.1 点(得点範囲:0~100 点)
(内訳)樹林
6.3 点
草地
1.7 点
要件 3.外来生物法に係る特定・未判定・生態系被害防止外来種が使用されていない.
使用なし
1
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要件 4. 評価対象事業で得られる、更新年から 50 年間における年平均ハビタット得
点が、評価基準値以上となる.
認証可否
年平均ハビタット得点の増減
+6.6 点(得点範囲:-100~+100 点)
(内訳)樹林
+ 6.3 点
草地
+ 0.3 点
認証可
保全タイプ ハビタット代償保全
事業により得られるハビタット価値
評価ランク A
認証可
認証不可
100
A+ AA+
範囲外
C
AAA
B
50
A
D
0
-100
AA
範囲外
C- B-
-50
0
50
100
評価値
図.本事業の評価ランク
※本事業は、横軸(評価値)が 6.6 点、縦軸(事業により得られるハビタット価値)が 8.1 点となる
座標に位置する.このため、評価ランクは A に相当する.
評価認証機関 公益財団法人日本生態系協会
電話番号
03-5951-0244
認証日
2010 年 9 月 29 日
更新日
2015 年 9 月 29 日
有効期限
2020 年 9 月 28 日
認証番号
1-4038901-1001/01
2
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Ⅱ.評価区域と基準年
1.評価区域
評価区域は JR 松本駅から南西へ約 4km 離れた、
長野県松本市大字笹賀 5652 に位置し、
面積は約 6.9ha である(下図中央、赤枠内)
。
松本駅
図.評価区域(国土地理院発行の基盤地図情報 25000(地図画像)をもとに作成)
3
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2.基準年
当該工場の設立年は 1974 年である。一方、申請年(2010 年)の 30 年前は 1980 年であ
る。土地取得から初回申請までの期間が 30 年以上の場合は、土地取得年と 1961 年のうち、
年代の新しい方から初回申請年の 30 年前までの間で、評価基準値が最小となる年次を基準
として設定することができる。
1974 年~1980 年の間の複数年度の空中写真を確認したところ、いずれの年代においても
駐車場および更地、初回申請年~現在も緑地とされている草地が判読された。この更地は
砂利敷と思われる人工裸地で、初回申請年には建物が建っている。1975 年の空中写真には
2m以上の樹木は確認されず、評価基準値が最小となるため、1974 年を基準年とした。
4
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Ⅲ.事業内容
1.事業の概要
当該工場は、JR 松本駅から南西へ約 4km にある大久保工場公園団地内に位置し、敷
地面積は約 6.9 ヘクタールである。大久保工場公園団地は、松本市によって 1971~1972
年に建設された工業団地であり、当該工場は同団地に 1974 年に設立された。
当該工場の設立後は、外構に樹林や芝地が整備された。工場や事務所等の建築物は敷
地の中央を占め、主要な植栽地は敷地境界に沿って配置されている。樹林は主に北側と
東西側にあり、北側の一部と南側には主にコウライシバから成る草地が整備されている。
樹林は、外来種、園芸種、在来種が混在している。
また、2005 年には、環境活動の一環として北側の敷地の一部に、さまざまな種類の苗
木が植樹され、
「共存の森」として育成されている。
初回申請時に以下 3 点の整備予定が掲げられ、2015 年までに実行されている。
第一に、共存の森に関する管理である。整備当初は植栽密度が高く、植栽木の約 6 割
を外来種及び園芸種が占めていた。このため管理方針として、①将来に向けて間引きの
必要が生じた場合は、外来種・園芸種の樹木から先に間引く、②樹高管理については、
樹木の成長や倒木のリスクから判断し、一律に剪定を行うのではなく必要に応じて行う
ものとした。
第二に、樹林内への立枯木の配置である。当初、立枯木はすべて除去されていたため、
立枯木を好む生物の生息が難しい状況にあった。このため、2012 年に北側と東西側の樹
林内に合計 20 本の立枯木が配置された。
第三に、ススキ草地の整備である。北側区域の芝生草地の一部をススキ草地とするた
めに、2012 年にススキ根株の移植が行われた。
5
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図.外観
6
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樹林
疎林
低木
草地
建物・舗装・砂利等
図.2015 年における植生等の配置状況(赤線内は「共存の森」)
7
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2.緑地割合
JHEP の定義に従った当該評価区域の緑地割合は 24.0%であり、JHEP 認証に関する
緑化条件は満たされている。
8
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Ⅳ.評価結果
1.保全再生目標等の設定
1-1.保全再生目標
植生については、評価対象地において成立しうる、自然植生の系列に基づいた自然植生
を保全・再生することを目標とする。動物に関しては、評価区域の立地条件および設定さ
れた目標植生に生息し、希少性や固有性、栄養段階などの高い種や人為影響を受けやすい
種などを中心として保全を図ることを目標とする。
1-2.基準年の状況
基準年(1974 年)のハビタットの状況を、空中写真を用いて把握した。1975 年の空中写
真の判読の結果、駐車場および更地、初回申請年~現在も緑地とされている草地が判読さ
れた。2m 以上の樹木は確認されなかった。この更地は砂利敷と思われる人工裸地であるが、
草がまばらに生えている状況が確認された。なお、この更地には初回申請年には建物が建
っている。
9
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1-3. 基準年の遷移段階の分布状況
JHEP では「環境タイプ」という概念を設けている。環境タイプはランクの高い順に「1.
湿性環境」-「2.樹林」-「3.低木・草地・竹林」-「4.人工地」と定義している。対象地内を
環境タイプで区分し、単位区画ごとに、原則として基準年以前の 30 年間と初回申請年以前
の 30 年間が重なる期間(環境タイプ設定期間)における環境タイプの変遷を確認し、その
期間で最もランクの高い環境タイプを、その単位区画における基準年以前の環境タイプと
する。ただし、基準年が初回申請年の 30 年以上前の場合は、基準年における環境タイプを
採用する。Ⅱ-2 で示した通り基準年を 1974 年としたため、1975 年の空中写真を判読し、
環境タイプを示した。
1-2 における空中写真判読の結果、1974 年時点では環境タイプ 3 および 4 が確認され、
面積割合は環境タイプ 3 が 24.0%、環境タイプ 4 が 76.0%であった。
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図.基準年における環境タイプの分布
11
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1-4.自然植生の遷移系列
対象地を含む当該地域の地形や気候条件から、自然植生に至る系列について整理した。
対象地は松本市南部に位置する。奈良井川とその支流である鎖川が合流する地点に近
い地点であり、標高は約 600mである。松本市は内陸性の気候のため、年間の降水量は少
なく、気温は年較差、日較差ともに大きい。冬季の乾燥と夏季の高温のため、ブナ・ミ
ズナラを欠いた落葉広葉樹林が成立するとされ、対象地における自然植生はオオモミジ
-ケヤキ群集とされる(宮脇編著 1985 *)
。
次に、代償植生となる二次林としては、カシワ-コナラ群集およびヤマツツジ-アカマ
ツ群集が挙げられる。なお、カシワ-コナラ群集は、常緑広葉樹林もブナ林も成立しな
い地域では自然植生として存在していると考えられている(宮脇編著 1985)
。
常緑針葉樹林のヤマツツジ-アカマツ群集はアカマツが優占する高木林あるいは低木
林である。ヤブツバキクラス域下部からブナクラス域上部まで幅広い生育域を持つ。ヒ
カゲスゲ、オケラ、リュウノウギク、サルマメによって区分されるオケラ亜群集が長野
県の標高 570~1000mくらいの場所で確認されており、カシワ-コナラ群集と類似した
種組成的特徴を持つ(宮脇編著 1985)
。
落葉樹林帯の伐採跡地などに先駆的に成立する低木群落としてタラノキ-クマイチゴ
群落が挙げられる。また、二次草原としてトダシバ-ススキ群集が成立すると考えられ
る。
表.自然植生および遷移系列の推定
遷移ランク
1
2
群集名
オオモミジ-ケヤキ群集
カシワ-コナラ群集
ヤマツツジ-アカマツ
群集
カシワ-コナラ群集
カシワ-コナラ群集
ヤマツツジ-アカマツ
群集
3
タラノキ-クマイチゴ群集
タラノキ-クマイチゴ群集
4
トダシバ-ススキ群集
トダシバ-ススキ群集
1-5.目標植生
基準年以前の状況と自然植生系列の分析、および地形より、VEI 算出のための比較相手
とする植物群集は、極相林タイプとしてオオモミジ-ケヤキ群集を 0.48ha、二次林タイプ
としてカシワ-コナラ群集を 0.59ha とヤマツツジ-アカマツ群集を 0.23ha、草地タイプと
してトダシバ-ススキ群集を 0.35ha とすることとした。残りの 5.25ha は建物や駐車場な
どの人工地である。目標植生の分布を次ページに示した。
*宮脇昭(編)
(1985)日本植生誌
6 中部.至文堂,東京.
12
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図.VEI 算出のための目標植生(比較植生)の分布
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基準と事業計画および設定された目標のそれぞれにおける遷移ランクの面積割合を下図
に示した。
100%
80%
60%
2(樹林_オオモミジ-ケヤキ群集)
2(樹林_カシワ-コナラ群集)
2(樹林_ヤマツツジ-アカマツ群集)
3(低木・草地・竹林)
40%
4(人工地)
20%
0%
基準
(1975年)
計画
(2060年)
目標植生
(比較相手)
図.遷移ランクの面積
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1-6.評価種の選定
(1) 選定プロセス
当該工場は、東西と南側については他の工場に囲まれているが、北側は幅 15m 程度の舗
装道路を間に挟むものの、鎖川にほぼ隣接する位置にある。従って、対策によっては河川
敷内の草地と当該工場内の草地との連続性の確保も期待できる。一方、周辺にまとまった
樹林は少なく、北西に数百 m ほど離れた場所に、屋敷林を伴った集落が存在する程度であ
る。このような条件を踏まえ、ここでは、以下のように評価種の選定を行うこととした。
評価種は、樹林タイプと草地タイプのそれぞれのタイプごとに選定することとし、樹林
タイプについては、オオモミジ-ケヤキ群集やカシワ-コナラ群集、ヤマツツジ-アカマ
ツ群集に生息する種を含む分類群の中から、草地タイプについては、トダシバ-ススキ群
集に生息する種を含む分類群の中からそれぞれ選定することとした。なお、当該事業の規
模は約 6.9ha であり、対応する行動圏クラスは 1~5 となる。当該工場の立地条件において
上記のハビタットに生息する可能性があり、ハビタット適性指数モデル(HSI モデル)ま
たはモデル作成が可能な十分な情報が存在する行動圏クラス 1~5 の種が含まれる分類群は、
鳥類とチョウ類に限られたため、この 2 グループについて評価種の選定を行うこととした。
次に、鳥類とチョウ類のそれぞれの中から、行動圏クラスが 1~3 の種を選定し、これら
の選定種から、当該地域において上記の樹林タイプや草地タイプに生息する種を抽出した。
そして、最終的に、IUCN レッドリストまたは、環境省レッドリスト、長野県版レッド
リストに掲載されている種、または、東アジアよりも狭い範囲に固有な種、または、人為
影響を受けやすい種、または、指標性の高い種を抽出し、これらの中から HSI モデルの有
無などを勘案して評価種の絞込みを行った。
(2) 選定結果
選定の結果、樹林においては、鳥類の評価種としてコゲラとシジュウカラが、チョウ類
の評価種としてコミスジが、草地においては、チョウ類の評価種としてジャノメチョウが
選定された。
表.選定された動物の評価種
植生タイプ 分類群
評価種
樹林
コゲラ
鳥類
シジュウカラ
草地
チョウ類
コミスジ
チョウ類
ジャノメチョウ
15
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2.植栽植物等の確認(要件 3 の確認)
当該事業区域では、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律で規定
される特定外来生物や未判定外来生物、または環境省が指定する生態系被害防止外来種の
植栽は行われておらず、今後もその予定はない。
16
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3.評価基準値の算出
3-1.方法
基準年から過去 30 年間の環境を確認したところ、基準年(1975 年)におけるハビタッ
ト得点(HS)が最も高い状態にあると推測された。このため、評価基準値は、基準年のハ
ビタット得点に 50(年)を乗じて求めるものとした。基準年における VEI および HSI は
以下のように推定した。
(1) VEI
空中写真から植生を判読し、GIS データとして整理した。樹木は確認されなかったため、
草地について計算した。これらの VEI 値については、日本植生誌中部(宮脇編 1985)お
よび当協会が独自に取得したデータを参考に算出した。評価区域全体の VEI は、相観植生
ごとの VEI を面積で加重平均して算出した(植生が存在しない区域の VEI は 0 とした)。
(2) HSI
3-1(1)で区分した相観植生(草地)について、当協会が独自に取得したデータを参考
にし、HC4 層の被度を 80%とした。得られた HC を面積で重みづけして全体の平均値を求
め、これをもとに評価区域全体でのハビタット変数を算出した。ハビタット変数を HSI モ
デルに代入し、HSI を求めた。
得られた HSI に評価区域面積を乗じ、該当する環境タイプ(草地タイプ)の面積比率で
割った値を「該当する環境タイプにおける HSI(HSIhab)
」とした。HSIhab に 100 を乗
」とし、HSIhab に該当
じた値を「該当する環境タイプにおけるハビタット得点(HSIhab)
する環境タイプの面積比率を乗じたものを「ハビタット得点(HS)
」とした。
17
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3-2.結果
評価種および植生タイプごとに、基準年(1975 年)におけるハビタット得点の平均値を
50 年間延長した図を以下に示した。
コゲラ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
40
50
40
50
更新年からの年数
シジュウカラ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
コミスジ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.評価種および植生ごとの評価基準値
18
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植生(樹林)
樹林タイプ内の
ハビタット得点
100
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
40
50
40
50
更新年からの年数
ジャノメチョウ
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
植生(草地)
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.評価種および植生ごとの評価基準値
19
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全体における評価基準の推移を下図に示した。
樹林平均
樹林タイプ内の
ハビタット得点
100
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
40
50
40
50
更新年からの年数
草地平均
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.環境タイプごとの評価基準値の推移
全体
100
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.各環境タイプおよび全体での評価基準値の推移
20
1-4038901-1001/01
評価基準値は、下表のとおりであった。
表.評価基準値
目標環境タイプ
面積比率
分類群
評価種
環境タイプ内の
年平均ハビタット得点
年平均
ハビタット得点*
樹林
0.189
動物
コゲラ
0.0
0.0
シジュウカラ
0.0
0.0
コミスジ
0.0
0.0
動物平均 F1
0.0
0.0
植生 F2
0.0
0.0
樹林の平均 F = (F1+F2)/2
0.0
0.0
動物
50.5
2.6
植生 G2
0.0
0.0
草地の平均 G = (G1+G2)/2
25.3
1.3
0.0
0.0
草地
非緑地
0.051
ジャノメチョウ G1
0.760
全体
1.3
*環境タイプ内の年平均ハビタット得点に目標環境タイプの面積比率を乗じた値
21
1-4038901-1001/01
4.事業によるハビタット得点の算出
4-1.方法
(1) HSI
動物評価種のハビタット変数の推移は次のように仮定、予測した。
2012 年にススキの植栽および立枯木(20 本)の配置が行われた。共存の森の植栽木は
樹高成長モデルより、2022 年に広葉樹主体の高木林となると予測された。
以上より、更新年(2015 年)
、2022 年、2065 年(更新年の 50 年後)の 3 時点の VEI
および HSI を算出した。
(2) VEI
将来予測については、環境活動の一環として植栽等の取り組みが行われた共存の森と
それ以外の緑地に区分して実施した。
共存の森は、植栽密度が高く、現況では植栽木の約 6 割を外来種及び園芸種が占めて
いる。このため、①将来に向けて間引きの必要が生じた場合は、外来種・園芸種の樹木
から先に間引く、②樹高管理については、樹木の成長や倒木のリスクから判断し、一律
に剪定を行うのではなく必要に応じて行う、という管理方針が示されている。共存の森
の植栽木は樹高成長モデルより、2022 年に高木林となると想定されている。
共存の森以外の緑地については、今後もこれまでと同様の管理が実施され、VEI は申
請年の値に等しいと仮定した。
22
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4-2.結果
得られた HSI と VEI に 100 を乗じて、各時期におけるハビタット得点を求め、その推移
を下図に示した。
コゲラ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
30
20
40
50
40
50
40
50
更新年からの年数
シジュウカラ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
コミスジ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.事業により得られる評価種および植生ごとのハビタット得点の推移
23
1-4038901-1001/01
植生(樹林)
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
40
50
40
50
更新年からの年数
植生(草地)
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
ジャノメチョウ
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.事業により得られる評価種および植生ごとのハビタット得点の推移
24
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全体におけるハビタット得点の推移を下図に示した。
樹林平均
樹林タイプ内の
ハビタット得点
100
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
40
50
更新年からの年数
草地平均
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.事業により得られる環境タイプごとのハビタット得点の推移
全体
100
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
更新年からの年数
図.事業により得られる全体での評価基準値とハビタット得点の推移
25
1-4038901-1001/01
本事業により得られると予測された年平均ハビタット得点を下表に示した。
表.事業により得られるハビタット得点
目標環境タイプ
面積比率
分類群
評価種
環境タイプ内の
年平均ハビタット得点
年平均
ハビタット得点*
樹林
0.189
動物
コゲラ
67.1
12.7
シジュウカラ
65.9
12.5
コミスジ
61.9
11.7
動物平均 F1
65.0
12.3
植生 F2
1.8
0.4
樹林の平均 F = (F1+F2)/2
33.4
6.4
動物
59.2
3.0
植生 G2
9.1
0.5
草地の平均 G = (G1+G2)/2
34.2
1.7
0.0
0.0
草地
非緑地
0.051
ジャノメチョウ G1
0.760
全体
8.1
*環境タイプ内の年平均ハビタット得点に目標環境タイプの面積比率を乗じた値
26
1-4038901-1001/01
5.更新年の 50 年後におけるハビタット得点の確認(要件 2 の確認)
更新年(2015 年)の 50 年後における HSI と VEI に 100 を乗じて、各評価種と植生のハ
ビタット得点を求め、下表に整理した。
表.50 年後のハビタット得点
目標環境タイプ
面積比率
分類群
評価種
環境タイプ内の
ハビタット得点
ハビタット得点*
樹林
0.189
動物
コゲラ
67.1
12.7
シジュウカラ
66.1
12.5
コミスジ
62.1
11.7
動物平均 F1
65.1
12.3
植生 F2
2.0
0.4
樹林の平均 F = (F1+F2)/2
33.6
6.3
動物
59.2
3.0
植生 G2
9.1
0.5
草地の平均 G = (G1+G2)/2
34.2
1.7
0.0
0.0
草地
非緑地
0.051
ジャノメチョウ G1
0.760
全体
8.1
*環境タイプ内のハビタット得点に目標環境タイプの面積比率を乗じた値
27
1-4038901-1001/01
6.評価値(要件 4 の確認)
4 で求めた事業により得られる年平均ハビタット得点から、3 で求めた評価基準値を引
くと、評価値は以下の通りとなった。
表.評価結果
目標環境タイプ
面積比率
分類群
評価種
評価値
樹林
0.189
動物
コゲラ
+12.7
シジュウカラ
+12.5
コミスジ
+11.7
動物平均F1
+12.3
草地
非緑地
0.051
植生 F2
+0.4
樹林の平均 F = (F1+F2)/2
+6.4
動物
+0.4
ジャノメチョウ G1
植生 G2
+0.5
草地の平均 G = (G1+G2)/2
+0.5
0.760
全体
+6.8
28
1-4038901-1001/01
評価種および植生ごとに、評価基準(青線)とハビタット得点(赤線)の推移を下図に
示した。
コゲラ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
30
20
40
50
40
50
40
50
更新年からの年数
シジュウカラ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
コミスジ
100
樹林タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.評価種および植生ごとの評価基準値とハビタット得点の推移
29
1-4038901-1001/01
植生(樹林)
樹林タイプ内の
ハビタット得点
100
80
60
40
20
0
0
10
30
20
40
50
40
50
40
50
更新年からの年数
ジャノメチョウ
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
植生(草地)
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.評価種および植生ごとの評価基準値とハビタット得点の推移
30
1-4038901-1001/01
全体における評価基準(青線)とハビタット得点(赤線)の推移を下図に示した。
樹林平均
樹林タイプ内の
ハビタット得点
100
80
60
40
20
0
0
10
20
30
40
50
40
50
40
50
更新年からの年数
草地平均
100
草地タイプ内の
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.環境タイプごとの評価基準値とハビタット得点の推移
全体
100
ハビタット得点
80
60
40
20
0
0
10
20
30
更新年からの年数
図.全体での評価基準値とハビタット得点の推移
31
1-4038901-1001/01
Ⅴ.審査結果
Ⅳ章の結果に従い、認証要件ごとの結果を以下に整理する。
要件 2(ハビタットの質要件)
ハビタット得点が将来までに 8 点以上となることが見込まれる.
更新年(2015 年)の 50 年後におけるハビタット得点は 8.1 点と予測された。そのため、
本事業は要件 2 を満たすものと認める。
要件 3(外来種要件)
特定外来生物・未判定外来生物・生態系被害防止外来種を使用しない.
本事業において、申請者は審査を実施した時点における特定外来生物・未判定外来生物・
生態系被害防止外来種のリスト掲載種を使用しておらず、今後使用する計画もない。こ
のため、本事業は要件 3 を満たすものと認める。
要件 4(更新要件)
評価対象事業で得られる、更新年から 50 年間における年平均ハビタット得点が、評価
基準値以上となる.
本事業において、更新年から 50 年間における年平均ハビタット得点は、評価基準値を 6.8
点上回った。また、本事業により得られる年平均ハビタット得点 8.1 点を前回認証時の年
平均ハビタット得点 8.0 から引いた値は-0.1 であり、10 以下となった。このため、本事
業は要件 4 を満たすものと認める。
32
1-4038901-1001/01
認証の可否と認証種別および評価ランク
以上より、本申請事業は上記認証要件をすべてクリアし、JHEP 認証事業に該当するこ
とを認める。保全タイプと評価ランクは以下の通りである。
認証可否
認証可
保全タイプ ハビタット代償保全および向上
事業により得られるハビタット価値
評価ランク A
認証可
認証不可
100
A+ AA+
範囲外
C
AAA
B
50
A
D
0
-100
AA
範囲外
C- B-
-50
0
50
100
評価値
図.本事業の評価ランク
※本事業は、横軸(評価値)が 6.8 点、縦軸(事業により得られるハビタット価値)が 8.1 点となる
座標に位置する.このため、評価ランクは A に相当する.
評価認証機関 公益財団法人日本生態系協会
電話番号
03-5951-0244
認証日
2010 年 9 月 29 日
更新日
2015 年 9 月 29 日
有効期限
2020 年 9 月 28 日
認証番号
1-4038901-1001/01
33
パナソニック株式会社オートモーティブ&インダストリアル
システムズ社松本工場に対する JHEP 認証[第 1 回更新]
審査レポート(概要版)
2015 年 9 月発行
編集
公益財団法人日本生態系協会
発行
公益財団法人日本生態系協会
〒171-0021
東京都豊島区西池袋 2-30-20 音羽ビル
電話
03-5951-0244
URL
www.ecosys.or.jp/
*禁無断転載・複製
©(公財)日本生態系協会 2015
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