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2012 年 10 月 4 日

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2012 年 10 月 4 日
ベルリン自由大学交換派遣留学生
吉田岳史さん(芸術学部デザイン学科 3 年)
2012 年 10 月 4 日
ドイツ語コースもいよいよ終盤に入り、冬ゼメスターの準備で忙しい毎日を送ってい
ます。現在,大学の講義科目の履修登録期間中のため、膨大な数の講義から自分の受け
たい授業を選ばなければなりません。ドイツ語のレベルは、上達しているのかわかりま
せんが、日常生活ではほとんどドイツ語を使って、過ごしています。こちらの生活にも
慣れ、シェアハウスにもイギリス、フランス、ドイツからの新メンバーが加わり、にぎ
やかになってきました。ただ、朝のトイレなどは順番待ちです。
午前中はドイツ語コース、午後は、ドイツ語コースの様々な行事に参加しています。
美術館や歴史ある地区の街歩き、パーティーや演劇ワークショップなど、ほとんど毎日
参加しています。ベルリンは、今ヨーロッパの中でも最も熱い街といわれています。し
かし、その背後には、暗くて重くて悲しい歴史があることを忘れてはいけません。
実際に現地への訪問を通じてナチスや旧東ドイツの非人道的な行為を学ぶ中で、それ
はドイツ人の恐ろしさではなく、人間の恐ろしさであると実感しました。強制収容所の
見学をしたときは、吐き気がしました。建築を勉強している者として、このような建物
は絶対に建ててはならないと思うと同時に、建物よりも、そこで行われてきた残虐な行
為(ソフト)について考えなければならない、と感じました。それは、決して過去の遺物
ではなく、現在も進行中の問題としてとらえなければならないと思います。戦争は終わ
ったわけではなく、今でも中東や世界の至る所で行われています。尖閣や竹島などの問
題も軽視できません。重い歴史を学ぶ中で、少し感情的な私にとって、辛い時期ではあ
りましたが、様々な国の留学生たちと意見を重ねる中で、自分にできることは何なのか、
考えることができました。
写真:ベルリンの壁の前で留学生達と。ドイツ語コースの一環でベルリンの壁を見に
行きました。壁は一枚ではなく、二重構造になっていて、たとえ運良く一枚目を乗り越
えたとしても、二枚目を飛び越えるのは不可能と言われました。
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