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消化管悪性リンパ腫の分子遺伝学 - Kyushu University Library

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消化管悪性リンパ腫の分子遺伝学 - Kyushu University Library
福岡医誌
99(6):123―130,2008
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消化管悪性リンパ腫の分子遺伝学
九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学
中
村
昌太郎,飯
田
三
雄
はじめに
消化管原発悪性リンパ腫は,消化管悪性腫瘍の中では1〜10%程度の比較的まれな疾患であるが,全節
外性リンパ腫の中では 30〜50%を占め,最も頻度が高い1)〜3).その多くは B 細胞性であり,中でも mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫とびまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫(diffuse large
B-cell lymphoma ; DLBCL)の頻度が高く,両者で消化管リンパ腫全体の 80〜90%を占める.MALT リン
パ腫は 1983 年に提唱された疾患概念であり,病因として,慢性炎症を引き起こす Helicobacter pylori(H.
pylori)などの感染微生物や自己免疫性疾患が関与するユニークな低悪性度腫瘍である4)〜6).一方,
DLBCL はすべての非ホジキンリンパ腫の中で最も頻度の高い組織型であるが,その形態,遺伝子および
臨床像は均一ではなく,多種多様の亜型が含まれている.近年,蛍光 in situ ハイブリダイゼーション法
(fluorescence in situ hybridization ; FISH)やマイクロアレイを用いた比較ゲノムハイブリダイゼーション
(comparative genomic hybridization ; CGH)などの手法により, 様々なリンパ腫において特徴的な遺伝子
学的異常が報告され,病態解明が進みつつある4)〜7).
我々の教室では,長年にわたり,多数例の消化管悪性リンパ腫の診療と研究を継続しており2),近年は,
RT-PCR や FISH 法を用いた遺伝子異常の解析にも取り組んでいる8)〜11).本稿では,消化管リンパ腫の
うち,MALT リンパ腫と DLBCL における遺伝子異常ならびに分子病態に関する最近の知見について,自
験例の成績を含めて概説する.
1.MALT リンパ腫
a)H. pylori などの細菌感染
胃 MALT リンパ腫の約 90%は H. pylori 感染による慢性胃炎を基盤として発生し,抗菌薬を用いた除
菌治療により約 70%の例でリンパ腫の完全寛解が得られる1)4)12)〜15).正常胃粘膜にはリンパ組織は存在
しないが,H. pylori 感染が成立すると,種々の免疫反応により,慢性活動性胃炎が惹起され,リンパ組織
(MALT)が形成される.H. pylori は,好中球を活性化することにより reactive oxygen species(ROS)の
産生を促進し,ROS は広範に DNA を傷害し,種々の遺伝子異常をもたらし,腫瘍発生を導くと考えられ
ている4)〜6)15).腫瘍でありながら,胃 MALT リンパ腫の多くがなぜ除菌により退縮するのか,その機序
は十分に解明されてはいないが,H. pylori 感染により HSP60(heat-shock protein 60kDz)を介して Th2
による液性免疫が誘導され,IL-4 の発現が増加すること,濾胞樹状細胞からの刺激と CD4 陽性 T 細胞の
刺激により CD40L の発現が増加することが報告されており,これらがアポトーシスを抑制して B 細胞の
増殖をもたらすと推測されている16)17).H. pylori 以外では,H. heilmannii 感染も胃 MALT リンパ腫の
発生に関与することが示されている5)18).
胃以外では,十二指腸と直腸の MALT リンパ腫において抗菌薬治療で寛解となる例が報告されてい
る19).十二指腸 MALT リンパ腫には H. pylori が関連していると考えられるが,直腸 MALT リンパ腫は,
H. pylori 陰性で抗菌薬に反応する例が多いことから,H. pylori 以外の病原微生物の関与が示唆されてい
る.また,MALT リンパ腫の特殊型で小腸にびまん性病変をきたす immunoproliferative small intestinal
Shotaro NAKAMURA and Mitsuo IIDA
Department of Medicine and Clinical Science, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University
Molecular Genetics in Primary Gastrointestinal Lymphomas
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disease(IPSID;別名α鎖病・地中海型リンパ腫)も,抗菌薬治療に反応することが知られているが,
Campylobacter jejuni の関連を示唆する報告がある6).消化管外の MALT リンパ腫では,Borrelia burgdorferi(皮膚)や Chlamydia psittaci(眼窩付属器)などの関与が報告されている6).
b)BCL10 と MALT1 の機能
MALT リンパ腫の分子病態に重要な役割を果たすのは,がん遺伝子 BCL10 と MALT1 である.
BCL10 および MALT1 蛋白の構造と生理機能の概要を図 1,2 に示す.正常リンパ球において,これらの
蛋白は抗原-受容体を介し nuclear factor kappa B(NF-κB)経路を活性化する.受容体が抗原刺激を受け
ると caspase recruitment domain(CARD)と guanylate kinase(GUK)ドメインを有する CARD membrane associated GUK 1(CARMA1;別 名 CARD11)が 活 性 化 さ れ,BCL10 の CARD ド メ イ ン と
CARD-CARD 相互作用により結合し,次いで活性化された BCL10 が MALT1 の immunoglobulin(Ig)様
ドメインと結合し CARMA1-BCL10-MALT1 複合体を形成し,MALT1 をオリゴマー・活性化する.活性
化された MALT1 は tumor necrosis factor(TNF)receptor associated factor 6(TRAF6)と結合して
NF-κB essential modulator(NEMO;別名 inhibitor of NF-κB [IκB] kinase-γ [IKKγ])をユビキチン化し,
IκBをリン酸化して NF-κB を放出する.NF-κB は核内へ移動し,アポトーシスの抑制,細胞の生存や増
殖に関与する遺伝子群の転写を促進し,リンパ球の機能を活性化させると考えられている(図2)3)〜6).
染色体転座のない MALT リンパ腫の発生初期には,H. pylori 感染により惹起される慢性の抗原刺激が
T 細胞から CD40 を介して辺縁帯 B 細胞へ伝達され,NF-κB の活性化を増強させ,腫瘍化に至ると考え
られている3)〜6).
c)染色体転座
近年,FISH 法が改良され,パラフィン包埋された組織切片上で染色体異常を検出できるようになっ
た3)〜7).B 細胞性リンパ腫には,各組織型に特徴的な染色体転座が知られており,MALT リンパ腫では
以下の4つの転座が報告されている.
1)t(11;18)(q21;q21)/API2-MALT1
1989 年に Levine らが胃と涙腺の低悪性度リンパ腫において,初めて本転座を報告した.その後,
t(11;18)(q21;q21)は MALT リンパ腫において最も頻度の高い転座であることが明らかとなり,
1999 年に
転座切断点と責任遺伝子が同定された5).本転座では,染色体 11q21 上のアポトーシス抑制遺伝子 API2
(apoptosis inhibitor 2)と 18q21 上の MALT1 が融合し,キメラ遺伝子を形成する.API2 と MALT1 の
各々 4 箇所に切断点が報告されているが(図1),いずれの場合も API2 の3つの baculovirus inhibitor of
apoptosis repeat(BIR)ドメインを含む N 末端側をコードする前半部分と,MALT1 の caspase 様ドメイ
ンを含む後半部分が融合する.この融合遺伝子がコードする API2-MALT1 蛋白は,野生型の API2 や
MALT1 蛋白とは異なり,単独で強力な NF-κB の活性化作用を示すため,通常の抗原刺激〜CARMA1-BCL10-MALT1 複合体までのシグナル伝達を必要とせず,恒常的に NF-κB を活性化させる(図
2)3)〜6).
本転座は MALT リンパ腫に特異性が高く,他の遺伝子異常を伴わないことが大きな特徴である.発生
臓器によって頻度が異なり,肺で高頻度であるが(40〜50%),唾液腺や甲状腺ではほとんどみられない.
胃 MALT リンパ腫では,15〜24%に認められ,H. pylori 陰性例に多く(40〜100%),ほとんどの例は除菌
治療に反応しないことから,除菌無効の予測因子として重視されている8)10)20)21).ただし,少数ながら本
転座陽性の除菌奏効例もあり20)21),稀に DLBCL 併存 MALT リンパ腫で検出されることがある11).腸管
MALT リンパ腫における本転座の頻度は,腸管限局例では 10 数%であるが,胃や肺などの他臓器にも病
変を認める例では頻度が高い(57%)と報告されている22).
2)t(1;14)(p22;q32)/BCL10-IGH
消化管リンパ腫の分子遺伝学
図 1
MALT リ ン パ 腫 に 関 連 す る 遺 伝 子 産 物 の 構 造:矢 印 は
t(11;18)(q21;q21)における API2 と MALT1 遺伝子の転座切断点とそ
の 頻 度 を 示 す.CARMA1, caspase recruitment domain-membraneassociated guanylate kinase 1 ; CARD, caspase recruitment domain ; GUK,
guanylate kinase ; DD, death domain; Ig, immunoglobulin ; API2, apoptosis
inhibitor 2 ; BIR, baculovirus inhibitor of apoptosis repeat ; RING, RING
finger domain.
図2
正常 B リンパ球および MALT リンパ腫における NF-κB 活性化の分子経
路:正常・非転座例では抗原刺激は受容体(B 細胞受容体または CD40)か
ら CARMA1-BCL10-MALT1 複 合 体 へ 伝 え ら れ,TRAF6 を 介 し て
NEMO をリン酸化し NF-κB を活性化する.t(11;18)では API2-MALT1
蛋白が,t(1;14)と t(14;18)では過剰発現した BCL10 または MALT1 が,
各々直接 NEMO に作用して NF-κB の活性化を恒常的に促進する.NF-κ
B, nuclear factor kappa B ; TRAF6, tumor necrosis factor receptor
associated factor 6 ; NEMO, NF-κB essential modulator ; I κB, inhibitor of
NF-κB ; IKK, IκB kinase.
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t(1;14)(p22;q32)は 1990 年に Wotherspoon らが初めて報告した稀な転座であり,1999 年に切断点が
クローニングされた5).消化管 MALT リンパ腫では0〜4%に認められる5)6).本転座では,染色体 1p22
上の BCL10 の全領域が 14q32 上の IgH(Ig heavy chain)または IgL(Ig light chain)遺伝子の近傍に転座
し,IgH のエンハンサー領域(一部の例は IgLκ領域)の制御を受けることにより BCL10 蛋白の過剰発現
をきたす.このため通常の抗原刺激〜CARMA1-BCL10 結合までのシグナル伝達を必要とせず,過剰発現
した BCL10 が MALT1 と結合し,NF-κB を恒常的に活性化すると考えられている(図2)3)〜6).免疫組
織化学的には,本転座をもつ腫瘍細胞は BCL10 の強い核内発現を呈する23).
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3)t(14;18)(q32;q21)/IGH-MALT1
従来,t(14;18)(q32;q21)は濾胞性リンパ腫に特徴的な染色体転座であり,18q21 上の BCL2 が 14q32
上の IgH 近傍に転座することが知られていた.1997 年に t(14;18)(q32;q21)を有する MALT リンパ腫
が報告され,2003 年に Streubel らが,MALT リンパ腫でみられる本転座では,BCL2 ではなく 18q21 上
の MALT1 が転座し,IgH のエンハンサー領域の制御下で MALT1 蛋白の過剰発現をきたすことを明ら
かにした5)6).t(1;14)(p22;q32)と同様,通常の抗原刺激〜CARMA1-BCL10 結合までのシグナル伝達を
必要とせず,過剰発現した MALT1 が BCL10 と結合し,以下同様の経路で NF-κB の活性化を恒常的に
促進させると考えられる(図2)5)6).本転座は肝臓や眼窩付属器の MALT リンパ腫で頻度が高いが,消
化管では稀である7)10)23).t(11;18)(q21;q21)とは対照的に,3 番や 18 番染色体のトリソミーをしばしば
合併する.t(1;14)(p22;q32)とは対照的に,本転座を有する腫瘍細胞では MALT1 と BCL10 蛋白の強
い細胞質内発現を認める23).
4)t(3;14)(p14;q32)/FOXP1-IGH
2005 年に Streubel らが報告した転座であり,3p14 上の FOXP1(Forkhead box protein P1)遺伝子が
14q32 上の IgH の場所に転座して FOXP1 蛋白の過剰発現をきたす24).FOXP1 は forkhead box/wingedhelix 転写因子ファミリーに属し,核内で転写を制御すると考えられている.本転座は甲状腺や眼窩付属
器の MALT リンパ腫で高頻度にみられ,消化管 MALT リンパ腫における頻度は2〜6%である10)25).
前述の3転座とは異なり,節外性の DLBCL でもみられることから,MALT リンパ腫の高悪性度転化との
関連が示唆される11)25).我々は本転座を有する胃の MALT リンパ腫併存 DLBCL で,H. pylori 除菌後に
完全寛解となった例を経験している25).
d)DNA メチル化と遺伝子コピー数の異常(aneuploidy)
転座陰性の MALT リンパ腫では,DNA のメチル化が高頻度にみられ,ゲノム不安定性が種々の遺伝子
異常をきたし,腫瘍の発生を導くと考えられている26).転座以上に高頻度にみられる染色体異常として3
番または 18 番染色体の過剰コピー(トリソミー)がある.頻度はトリソミー 3 で 20〜60%,トリソミー
18 は 10〜40%と報告されており,これら染色体の数的増加は MALT リンパ腫の DLBCL 転化に関連する
と考えられている27).トリソミー 18 は MALT リンパ腫の再燃との関連が示唆されており,我々は,多変
量解析により,胃 MALT リンパ腫において MALT1 過剰コピー(18q21 のトリソミー)が独立した
event-free survival の不良因子であることを報告した(図3)10).
図3
(A)胃 MALT リンパ腫における MALT1 過剰コピー(18q21 トリソミー)
.MALT1
dual-color break-apart プローブを用いた interphase FISH(fluorescence in situ hybridization)にて腫瘍細胞の核内に MALT1 遺伝子の3コピーを認める.
(B)MALT1 過剰コピーの有無で分けた胃 MALT リンパ腫の無増悪生存率(event-free
survival)曲線(P=0.003).
消化管リンパ腫の分子遺伝学
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2.DLBCL
a)MALT リンパ腫の高悪性度転化
消化管の DLBCL は,しばしば MALT リンパ腫成分を伴う.胃原発 DLBCL の多くは,MALT リンパ
腫と同じように,背景に H. pylori 胃炎を伴う11)12).胃の MALT リンパ腫併存 DLBCL は,H. pylori 除菌
治療で寛解に至ることがあるが,このような例では,両成分の IGH 領域のクローンが一致しており,
MALT リンパ腫の高悪性度転化により DLBCL が生じたと推定される28).遺伝子学的には,前項で述べ
た FOXP1 転座や3番ないし 18 番染色体トリソミーのほか,p53 異常や DNA のメチル化などが高悪性度
転化に関連していると考えられている.一方,除菌後に MALT リンパ腫のみが退縮し,DLBCL が増大す
る例もあり,このような例では,両成分の IGH 領域のクローンが一致しないことから,高悪性度転化では
なく,両者は独立して発生したと考えられる28).
b)染色体転座
DLBCL では,IGH を含む種々の転座がしばしば認められ,その中では t(3;14)(q27;q32)/BCL6-IGH,
t(14;18)(q32;q21)/IGH-BCL2,t(8;14)(q27;q32)/c-MYC-IGH の頻度が高い29).消化管の DLBCL
でも,消化管外の例と同様に,約 30%に IGH 転座を認める.転座のパートナー遺伝子としては,BLC6 が
最も多く,c-MYC,FOXP1 や BCL2 など多岐にわたるが,パートナー不明の例も少なくない11).このよ
うな染色体転座の臨床的意義は不明であったが,最近,われわれは IGH 転座を有する胃 DLBCL は,パー
トナー遺伝子にかかわらず予後良好であることを報告した(図4)11).
c)遺伝子発現による亜分類とゲノム異常解析
近年,遺伝子発現プロファイリングにより,DLBCL は胚中心 B 細胞様(germinal center B-cell-like ;
GCB)群と活性化 B 細胞様(activated B-cell-like ; ABC)群に分けられ,後者は前者より予後不良である
ことが明らかにされた30)31).Hans らは,CD10,BCL6 および MUM1 の免疫組織化学染色結果を組み合
わせたアルゴリズムにより,DLBCL を GCB 群と非 GCB 群に分類することが可能であり,この分類は,遺
伝子発現プロファイリングによる亜分類と同等に予後予測に有用であることを示した32).しかし,われわ
れの胃 DLBCL における検討では,この免疫表現型による分類(GCB 群 vs. 非 GCB 群)は予後と関連がな
かった11).これには,解析対象例の病期や治療法の違いに加え,免疫染色による亜分類は 70〜80%しか遺
伝子発現プロファイリングの結果と一致しないことも影響している可能性がある32).最近,アレイ CGH
を用いたゲノム解析により,ABC 群ではトリソミー 3 と 18q の増幅,9p21 の欠損が特徴的であり,特に
9p21 の欠損を有する ABC 型 DLBCL は極めて予後不良であると報告された33).今後,アレイ CGH の普
図4
IGH 転座の有無で分けた胃 DLBCL の生存曲線.(A)全生存率(overall survival)曲線(P=0.007).
(B)無増悪生存率(event-free survival)曲線(P=0.025).
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及に伴い,ゲノムプロファイルを併用することで精度の高い診断が可能となり,ゲノム異常の標的遺伝子
が分子標的治療へ応用されることも期待されている.
おわりに
以上のように,従来の PCR 法に加え,近年普及してきた FISH 法やアレイ CGH により,消化管悪性リ
ンパ腫の一部では分子細胞遺伝学的解析が進展してきている.MALT リンパ腫と DLBCL 以外では,
enteropathy型 T 細胞性リンパ腫において,アレイ CGH を用いたゲノム解析により興味深い報告がなさ
れている34).また,最近のカプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡の開発に伴い,小腸リンパ腫の報告例
が増加しており,消化管リンパ腫の臨床と研究は,今後ますます重要になることが予想される.濾胞性リ
ンパ腫やマントル細胞リンパ腫も含めて,多彩な消化管悪性リンパ腫の分子病態の解明のために,さらな
る研究の発展が望まれる.
参 考 文 献
1)
2)
3)
4】
5】
6)
7)
8)
9)
10】
11】
12】
13)
14】
中村昌太郎,飯田三雄:消化管悪性リンパ腫の臨床.日本消化器病学会雑誌 98:624-635,2001.
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Armitage JO, Montserrat E, Lopez-Guillermo A, Grogan TM, Miller TP, LeBlanc M, Ott G, Kvaloy S, Delabie
130
中
村
昌太郎
ほか1名
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Braziel RM, Jaffe ES, Pan Z, Farinha P, Smith LM, Falini B, Banham AH, Rosenwald A, Staudt LM, Connors
JM, Armitage JO and Chan WC : Confirmation of the molecular classification of diffuse large B-cell lymphoma
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33) Tagawa H, Suguro M, Tsuzuki S, Matsuo K, Karnan S, Ohshima K, Okamoto M, Morishima Y, Nakamura S
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34) Deleeuw RJ, Zettl A, Klinker E, Haralambieva E, Trottier M, Chari R, Ge Y, Gascoyne RD, Chott A,
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(参考文献のうち,数字がゴシック体で表示されているものについては,著者により重要なものと指定された分です.)
プロフィール
中村
昌太郎(なかむら
しょうたろう)
九州大学助教併任講師(大学病院消化管内科助教;医学部病態機能内科学講師).医博.
◆略歴:1961 年佐賀県に生まれる.1987 年産業医科大学医学部卒業.1992 年九州大学医学部第二
病理助手.1998 年九州大学医学部第二内科助手.2003 年九州大学医学部附属病院第二内科助手.
2006 年英国ケンブリッジ大学分子病理学研究員.2007 年より現職.
◆研究テーマと抱負:消化管腫瘍(特に悪性リンパ腫)
・炎症性腸疾患の臨床および分子病理学的研
究.とりわけ,炎症性疾患の腫瘍化に至るメカニズムに関心があり,H. pylori 感染と MALT リン
パ腫や胃癌の関連,潰瘍性大腸炎の癌化について,分子病理学的研究を進めていきたい.
◆趣味:読書,音楽(合唱,カラオケを含む).
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