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第70号 - 仙台高等専門学校 広瀬キャンパス
のテーマも、モータを高速で回転させれば勝てると考え、 「仙台電波は優勝します。準備時間の 3 分に、 100V100,000μF のコンデンサへエネルギを蓄え、モ ータへ大電流を一気に流し、ダッシュする。この種の技 術はもっとも得意とするところである。」と記してアイ デアを NHK へ提出した。書類審査で落ちた。書き方が 傲慢だったからかも知れない。「是非、完成させるべき だ」と、第 3 代高橋正校長が30万円の製作費を出して 下さった。「韋駄電」が完成した。写真 1 の電子制御 1 期生が中心になって、電子制御 2 期生や、科学部の 1 年生が活躍した。 東京でロボコン本戦が行われる当日、校内関係者を招 いて、性能を披露した。その時のゴールまでの最高タイ ムは、優勝した久留米高専のタイムを上回る素晴らしい ものであった。これがロボコンとの本格的な関わりの始 まりである。 電子制御工学科 大泉 哲哉 ロボコンの歴史について書くことを頼まれた。19年 間の資料は手元にある。膨大である。この長きにわたる 活動を記録したビデオは50巻を越える。見始めると、書 くべきことが溢れ出し、半ばにして大幅に紙面を超過し た。かつてロボコンに関わったすべての学生諸君と共に 記憶を再生できるようにと願って書き始めた。しかし、 紙面は極めて限られ、多くの学生諸君の奇跡的努力の軌 跡を記すことはできない。小生としても大変残念である が、ロボコンの始まりと、省略不可と考えられる「テト 坊」と「TransFix」に言及するにとどめることをご容 赦願いたい。 NHK で毎年放送される通称「高専ロボコン」は、88 年に、「アイデア対決!独創コンテスト」として始まっ た。単 1 乾電池 2 個で人を乗せて、その速さを競うテ ーマであった。これは、モータ制御を学ぶ当校電子制御 工学科の学生にとって、もっとも得意とする分野であっ た。恩師から「なぜ、キミのところは参加しなかった の?」と問われて、初めてそのコンテストの存在を知っ た。参加しなかったことが大変悔やまれた。 翌年、89年、「アイデア対決!ロボットコンテスト」 となって、有線リモコンで自作マシンを操って競技する コンテストになった。テーマは、「オクトパスフットボ ール」である。ゴールから約 6 m 先の穴へ、ラグビー ボールをドリブルしながら運び、ボールを縦にして穴へ 差し込みゴールする。その速さを競うゲームである。こ 写真 1 「韋駄電」 (89年) 90年のテーマは「ニュートロンスター」である。「テ ト坊」が奇跡的に全国優勝できた。チームの誰も、「優 勝できる」とは思っていなかった。ただひたすら必要な 機能を実現することに、マシンの各部を担当した各人が 時間の許す限り努力した。マシンを搬送する業者を手配 する余裕すらなかった。テト坊を大きな段ボール箱にい れ、新幹線のデッキにおいて、車内で部品を作りながら 会場へ向かった。 会場で、久留米高専のスットンノビノビ号をみて、そ の完成度に驚いた。テト坊は、毎試合、冷や冷やしなが らも勝ち進み、最後に、畏れていた久留米高専との決勝 戦となった。一旦、負けたが、久留米高専の執拗に追い かけ回す卑劣さを会場で抗議したら、再試合となった。 そして、ギリギリのところで勝ち残り、優勝した。写真 2 は会場での記念写真である。紙面に書ききれないくら いの小さな奇跡の連続でこの大きな奇跡が起きた。この 白熱した戦いに刺激されて、仙台電波へ入学してきた学 生達が、その後のロボコンで大活躍してくれた。 おかげで、東北大会優勝や全国大会へ出場できるほど のマシンを何度か製作できたが、全国優勝できるまでの 奇跡が起きることはなかった。 科学部が「ロボコン部」的になって、相撲ロボットや マイクロマウスなどにも挑戦し、技術力が向上して、や がて、また奇跡が巡ってきた。 ロボコンに挑戦したいと言って毎年、科学部へ入る新 入生は20名近い。しかし、たとえお客さん的にロボコン を経験するだけでも、その大変さに懲りて、ほとんどが 半年後に退部し、2,3 名に減ってしまうのが例年であ った。しかし、奇跡的にも、01年には、科学部 4 年生 が 8 名をこえ、3 年生も多く、高度な職人技を極めた 2 年生もそろった。そして、東北大会の開催校が仙台電波 となり、強力な学生主事、積極的な学生課長のもと、 「開催校は、全国へ」と、全校あげてバックアップされ た。これらが重畳されて、全国一の得点性能を誇る 「TransFix」が完成した。しかし、残念なことに、東北 大会の決勝戦でも、全国大会の決勝戦でも、相手の卑劣 な攻撃にあって準優勝に止まった。 19年の軌跡を振り返ってみて、天才的な優秀な学生 がいるだけでは、ロボコンの奇跡は起こってくれない。 −1− 優秀な学生達が個々におごることなく、互いに協力し、 補い合い、ひたすら性能を極める努力に励むことができ る奇跡が起きたときに、大きな奇跡へと導かれるように 思う。もちろん、関わる学生の保護者、友人達、教職員、 学校運営者達の理解も不可欠である。悲しいことに、 「ロボコンしてないよ」と保護者へ嘘を付きつつ、ロボ コン活動を続け、3 年目にして全国大会上位の成績を残 した学生もいる。彼の熱意と逞しさを讃えたい。 ロボコンは筆舌に尽くせないほどの大変な活動であ る。半年間のすべてをロボコンに捧ぎ、無私無我の境地 に達していることもある。それゆえ、ロボコンを経験し た学生達は、たくましく社会で活躍してくれている。 最近、「楽に勉強して、楽に卒業して、楽に仕事して、 楽に生きてゆきたい」と言う子供達が、個の世界に閉じ こもって、他との強い関わりを持とうとしない生活を志 向している。「苦」を分かち合って、共に励まし合って 「苦」を乗り越えて、はじめて大きな「楽」になること を知らない。上記の傾向は、めぐりめぐって、昨今の学 習障害となって顕在化している。これを打破するために は、他の人と一丸となって「苦」を乗り越え、大きな成 果を達成することを体験することが不可欠であると考え る。 今や、世をあげてロボコンが支持されている。これを 積極的に利用して、多くの学生が、社会で生きてゆくた 年 大会テーマ マシン名 88年 89年 90年 91年 第 1 回大会「乾電池カースピードレース」 第 2 回大会「オクトパスフットボール」 「韋駄電」 第 3 回大会「ニュートロンスター」 「テト坊」 第 4 回大会「ホットタワー」 「おむにばす」 92年 第 5 回大会「ミステリーサークル」 第 6 回大会「ステップダンス」 93年 94年 第 7 回大会「スペースフライヤー」 95年 第 8 回大会「ドリームタワー」 写真 2 全国優勝「テト坊」 (90年) めの真の逞しさを身につけて欲しい。本校ロボコン活動 の軌跡と奇跡を間近でみてきた教員の心からの願いであ る。 最後に、多くの学生達のひたむきな努力に心から敬服 するとともに、これまで多大のご支援を、後援会や同窓 会をはじめ多くの方々から戴いてきたことに感謝申し上 げ、今後のご支援をもお願い申し上げます。 チーム名 主要メンバ 成 績 4C ・科学部 5E ・科学部 科学部 遠藤俊裕、堀口博司、近藤敦子、他 伊藤賢治、清野博之、末永貴俊、他 末永貴俊、堀口博司、関正憲、他 不参加 書類審査落選 全国優勝(‘97 ロボデミー賞候補) 全国大会出場 「????」 「Long-Legs」 ? 4C 有志 ? 平子英樹、丸谷浩隆、堀井洋、他 初戦敗退 「King dom」 「King dom」 「ワーカーアンツ」 科学部 5E 有志 科学部有志 七海恵一、関正憲、落合幸喜、他 ? 堀口博司、落合幸喜、斎藤千香子、他 初戦敗退 校内競技会で落選 2 回戦で歯車が壊れ敗退 「プッシュポン」 「でんでん」 科学部 5C 有志 松本英樹、河村宏治、長澤輝明、他 丸谷浩隆、他 初戦敗退 校内選考会で落選 「主砲(トマホーク)」 科学部 「ペティー」 4E 有志 「Erfolg80(エアホルク ハチマル)」 科学部 落合幸喜、小柳正宗、田中紀彦、他 高橋卓志、大川 慶、佐々木隆則 落合幸喜、田中紀彦、門脇悟志、他 準決勝敗退 白熱のじゃんけん戦で決勝へ、準優勝、全国大会出場 東北大会優勝、全国大会出場 「Junkers(ユンカース)」 「水沼君・丸山君」 4E チーム 3C チーム 片平郁典、本田祐司、洞口茂樹、他 鈴木洋子、他 初戦敗退 校内選考会で落選 「テクノコップ」 「Junkers(ユンカース)」 有志チーム 5E チーム 落合幸喜、高橋範行、土佐千里、他 片平郁典、洞口茂樹、本田祐司、他 2 回戦敗退 準決勝敗退 資料なし 96年 第 9 回大会「テクノカウボーイ」 97年 第 10 回大会「花開蝶来」 「秋風」 「極めてお花屋さんましーん」 「The ヤギ鍋で Fighter type 科学部 極めて寄せ集めチーム 4E チーム 松本英樹、廣橋 毅、他 高橋範行、平塚義啓、土佐千里、他 齊藤俊輔、プブドゥ、パウロ 校内競技会で落選 準決勝で敗退 初戦敗退 98年 第 11 回大会「生命上陸」 「愛子花蝶」 「METAL-MATRIX」 「FootWeak-R」 科学部 科学部 有志チーム 佐藤陽一、佐々木拓実、菅野利寛、他 佐藤陽一、會田裕矢、鈴木大悟、他 高橋俊明、丸 清隆、高瀬智、他 校内選考会で落選 初戦敗退 初戦敗退 99年 第 12 回大会「Jump to the Future」 「楓」 「箱蜻蛉」 第 13 回大会「ミレニアムメッセージ」 「Quadra」 科学部 有志チーム 科学部 會田裕矢、鈴木大悟、宮本祐樹、他 丸清隆、吉田賢治、平塚智之、他 中村努、奈良岡豪、千葉東人、他 初戦敗退 初戦敗退 2 回戦敗退 「NASU ☆ FIGHTER」 「LoveFuture」 4E 有志 5E 有志 田代拓、太田瑞潤、高橋より子、他 原本欽朗、佐藤永次、田嶋繁、他 準決勝惜敗 9/18 に辞退 「????」 「transfix」 「N204-B」 3C チーム 科学部 2 年有志 本田由香理、高橋葉月、津村郁、他 奈良岡豪、千葉東人、堀籠文太郎、他 菅野優太、神藤好貴、佐々木聡志 校内選考会で落選 東北大会準優勝、全国準優勝、全国最高点獲得 判定で初戦突破、3 回戦敗退 内海信之介、神藤好貴、野田道広、他 堀籠文太郎、結城孝史、白銀洋祐、他 菅野優太、他 東北大会優勝、全国大会出場 初戦敗退 NHK で選択、辞退 00年 01年 第 14 回大会「HappyBirthday39」 02年 第 15 回大会「プロジェクト BOX」 「逆鱗」 「吾郎」 「でんぱっぱ」 科学部 4 年有志 3 年有志 「?????」 佐々木聡チーム 佐々木聡志、他 校内競技会で落選 03年 第 16 回大会「鼎」 「麒麟」 「コケコッコー」 「????」 科学部 4 年有志 2 年有志 野田道広、阿部隆政、菊池卓也、他 神藤好貴、東竜生、木村槙吾、他 東竜生、木村槙吾、菅野元亮 初戦惜敗 2 回戦敗退、全国大会出場 校内選考会で落選、4 年有志へ協力 04年 第 17 回大会「マーズラッシュ」 「秋刀魚(サンマ)」 「trident」 「愛子電鉄」 3 年有志 科学部 4 年有志 菅野元亮、鈴木雅人、木村槙吾、他 阿部隆政、遠藤翔、赤羽智晃、他 菅野剛成、匂坂健太郎、菅井光信、他 初戦敗退 初戦敗退 校内競技会で落選 05年 第 18 回大会「大運動会」 「idea」 「極転」 科学部 4 年有志 瀬戸敏文、佐々木遼平、守屋祐輝、他 東竜生、菅野元亮、福原誠史、他 初戦敗退 東北大会準優勝、全国大会ベスト 8 06年 第 19 回大会「ふるさと特急便」 「華麗七夕(カレーシチュウー)」 3C 有志 「タング」 科学部 第 20 回大会「風林火山 ロボット騎馬戦」 「????」 科学部 福原誠史、小野文彦、高橋長聖、他 大関和樹、乙部祐介、赤間俊亮、他 遠藤雄大、小野寺正喜、後藤拓真、他 初戦敗退 東北大会準優勝 07年 「????」 「????」 4C 年有志 5E 有志 福原誠史、高橋長聖、守屋祐輝、他 大関和樹、本郷明裕、生出翔大、他 −2− 備 考 5E チームの代わりとして出場、落合君デビュー 審査員特別賞 落合君の最後の試合 審査員特別賞 transfix の基礎作り 技術職員の強力な支援 神藤君、菅野君デビュー 「極転」の基礎作り 進路指導委員会 委員長 野田 泰久 平成18年度は,141名(内女子19名)の学科 卒業生,及び30名(内女子 3 名)の専攻科修了 生が巣立っていきました。学科卒業生の52%が 就職し,48%(内女子 1 名)が進学しました。 一方,専攻科修了生は47%が就職し,53%(内 女子 1 名)が大学院に進学しました。近年,進 学希望者が増加し,就職と進学の比率はほぼ 半々になっております。また,近年の求人件数 も年々増加しており,平成17年度359件,18年 度570件,今年度は 7 月 1 日現在で635件と増 え,高専に対する企業の期待が窺われます。 学科卒業生の進学では,31名は本校の専攻科 に,しかもその55%は推薦受験で合格しました。 37名が大学の工学部( 3 年編入)等に進みまし たが,その35%は推薦受験でした。また,専攻 科修了生30名のうち16名は大学院に進学しまし たが,そのうち 5 名が推薦受験でした。 今年度は,学科卒業予定者が136名,専攻科 終了予定者が24名です。学科では49%の学生が, 専攻科では58%の学生が就職を希望し,4 月末 から希望する企業の採用試験を受けています。7 月初めの時点で学科では約85%,専攻科では約 80%の学生が内々定を得ています。進学に関し ては,本校専攻科の入学試験が 6 月に実施され, 卒業予定者の42名が合格しました。その45%は 推薦合格者です。大学への編入試験も 7 月から 本格的に始まり,大学院の入学試験も始まりま す。学生の頑張りに期待しています。 今年度は,推薦決定後に変更を希望するよう な事例が若干目立ちました。推薦を希望するま でに充分に自分を考え,進路先を考え,そして 推薦を希望する,それが一番大切です。進路の 決定は人生の大事な分岐点でもあります。早い 時期(出来れば 4 年生に進級する頃)に自分の やりたいこと,自分がやれること,自分の立場 上やるべきことについて思いつく限り紙に書い て,「自分自身を考える」ことに取り組んで欲し いと思います。 平成19年度卒業・修了予定者の進路決定状況 平成19年 8 月28日現在 学 科 専攻科 計 情報通信 電 子 電子制御 情 報 工 学 科 工 学 科 工 学 科 工 学 科 在籍者数 計 電子システム 工学専攻 情報システム 工学専攻 14(2) 24(2) 33(8) 32(0) 38(5) 33(7) 136(20) 10(0) 希望者数 18(7) 15(0) 19(4) 17(5) 69(16) 5(0) 9(2) 14(2) 内定者数 18(7) 15(0) 17(4) 14(3) 64(14) 4(0) 7(2) 11(2) 希望者数 15(1) 17(0) 19(1) 16(2) 67( 4 ) 5(0) 5(0) 10(0) 内定者数 12(1) 15(0) 17(1) 15(1) 59( 3 ) 2(0) 1(0) 3(0) 就 職 進 学 ※( )は内数で、女子学生を示す。 ※ 在籍者中、留学生は除く。 −3− 卒業生の進路決定先一覧 学科略称 「R」:情報通信工学科 「E」:電子工学科 「C」:電子制御工学科 「 I 」:情報工学科 進 路 決 定 先 就 職 建 設 業 ◎通信施設工事・電気工事 ㈱協 和 エ ク シ オ ㈱T T K 製 造 業 ◎食料品・飲料 サ ン ト リ ー ㈱ ◎一般機械器具 日 進 工 具㈱ ㈱日 本 シ ュ ー タ ー ◎電気・情報通信機械器具 キ ン グ 通 信 工 業 ㈱ サ ン リ ツ オ ー ト メ イ シ ョ ン ㈱ セ コ ム 工 業 ㈱ 松 下 電 器 産 業 ㈱ 凌 和 電 子 ㈱ ◎電子部品・デバイス ア ル プ ス 電 気㈱ N E C ト ー キ ン㈱ ソニーケミカル&インフォメーションデバイス㈱ T D K㈱ ㈱ルネサス北日本セミコンダクタ ◎輸送用機械器具 ㈱ケ ー ヒ ン ㈱タ マ デ ィ ッ ク 日 本 精 工㈱ ㈱日 立 カ ー エ ン ジ ニ ア リ ン グ 本 田 技 研 工 業㈱ ◎精密機械器具 会 津 オ リ ン パ ス ㈱ オ リ ン パ ス ㈱ キ ヤ ノ ン ㈱ ㈱仙 台 ニ コ ン ㈱ハーモニック・ドライブ・システムズ ㈱リ ガ ク ㈱山 武 技術サービス業 宇 宙 技 術 開 発㈱ ㈱ N H K ア イ テ ッ ク N E C モ バ イ リ ン グ㈱ ㈱ J A L ア ビ テ ッ ク ㈱ JAL シミュレータエンジニアリング 綜 合 警 備 保 障㈱ 東 芝 エ レ ベ ー タ㈱ ㈱日 立 国 際 電 気 サ ー ビ ス ㈱日立ハイテクフィールディング ㈱日立エンジニアリング・アンド・サービス 日立コンシューマ・マーケティング㈱ 富 士 電 機 シ ス テ ム ズ㈱ 富 士 フ イ ル ム メ デ ィ カ ル㈱ 三 菱 電 機 シ ス テ ム サ ー ビ ス㈱ ム ラ テ ッ ク C . C . S㈱ 教育、学習支援業 東 北 大 学 理 学 部 物 理 学 科 本 社 所 在 地 東 京 都 宮 城 県 学 科 E C R 1 宮 城 県 東 京 都 京 京 城 阪 城 都 都 県 府 県 東 東 東 東 北 京 京 京 京 海 都 都 都 都 道 東 東 東 茨 東 京 京 京 城 京 都 都 都 県 都 福 東 東 宮 東 東 東 島 京 京 城 京 京 京 県 都 都 県 都 都 都 東 東 神 千 東 東 東 東 東 茨 東 東 東 東 京 京 京 奈川 葉 京 京 京 京 京 城 京 京 京 京 都 都 都 県 県 都 都 都 都 都 県 都 都 都 都 府 進 路 決 定 先 電気・ガス・熱供給・水道業 中 部 電 力 ㈱ 東 北 電 力 ㈱ 情報通信業 ◎情報サービス ア イ フ ォ ー コ ム 東 北㈱ ㈱ア ー ト シ ス テ ム ㈱A N A コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ズ アルプスシステムインテグレーション㈱ 京セラコミュニケーションシステム㈱ キヤノンシステムアンドサポート㈱ ㈱グ ロ ー バ ル ソ フ ト ウ エ ア ㈱ケーヒンエレクトロニクステクノロジー ㈱サ イ エ ン テ ィ ア ㈱C R C シ ス テ ム ズ ㈱仙 台 商 工 団 地 情 報 処 理 セ ン タ ー 東 京 コ ン ピ ュ ー タ サ ー ビ ス ㈱ 東北インフォメーション・システムズ㈱ パイオニアシステムテクノロジー㈱ ㈱ハ イ マ ッ ク ス 日 立 I N S ソ フ ト ウ エ ア㈱ ㈱日 立 ア ド バ ン ス ト シ ス テ ム ズ ㈱日 立 東 日 本 ソ リ ュ ー シ ョ ン ズ 富 士 ソ フ ト ㈱ ユニバーサルインフォメーションサービス㈱ ◎通信 ㈱N T T ド コ モ 東 北 ◎映像・音声・文字情報制作 ㈱ク ロ ス テ レ ビ ㈱N H K テ ク ニ カ ル サ ー ビ ス 1 1 大 阪 府 東 東 宮 大 宮 I 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 本 社 所 在 地 愛 知 県 宮 城 県 宮 宮 東 東 京 東 埼 宮 宮 東 宮 東 宮 宮 神 神 神 宮 神 東 城 城 京 京 都 京 玉 城 城 京 城 京 城 城 奈川 奈川 奈川 城 奈川 京 県 県 都 都 府 都 県 県 県 都 県 都 県 県 県 県 県 県 県 都 学 科 E C R 1 1 1 I 1 1 1 1 1 1 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 宮 城 県 1 東 京 都 東 京 都 1 1 校専攻科 学 学 学 学 学 学 大 学 大 学 大 学 大 学 大 学 学 宮 岩 宮 秋 山 茨 茨 東 東 東 新 愛 岐 2 5 大 東 京 都 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 進 学 仙台電波工業高等専門学 岩 手 大 東 北 大 秋 田 大 山 形 大 茨 城 大 筑 波 大 東 京 農 工 東 京 工 業 電 気 通 信 長 岡 技 術 科 学 豊 橋 技 術 科 学 岐 阜 大 城 手 城 田 形 城 城 京 京 京 潟 知 阜 県 県 県 県 県 県 県 都 都 都 県 県 県 9 1 1 1 3 1 9 1 11 2 1 1 1 2 1 1 1 1 1 3 4 2 1 1 1 1 電 1 気 留 学 生 通 信 学 1 1 1 1 宮 城 県 1 専攻科修了生進路決定先一覧 学科略称 「E」:電子システム工学専攻 「 I 」:情報システム工学専攻 進 路 決 定 先 就 職 製 造 業 ◎電気機械器具 ㈱日 立 製 作 所 山 形 カ シ オ㈱ ◎輸送用機械器具 N O K㈱ 日 本 精 工㈱ ◎精密機械器具 ㈱日 立 ハ イ テ ク ノ ロ ジ ー ズ マ イ ク ロ バ イ オ㈱ 情報通信業 ◎情報サービス 伊藤忠テクノソリューションズ㈱ ㈱ケーヒンエレクトロニクステクノロジー ㈱サ イ エ ン テ ィ ア 本 社 所 在 地 専 攻 E 東 京 都 山 形 県 1 1 東 京 都 東 京 都 1 1 東 京 都 宮 城 県 1 東 京 都 宮 城 県 宮 城 県 I 1 1 1 1 1 進 路 決 定 先 ㈱ 芝 通 ㈱ 日 立 ア ド バ ン ス ト デ ジ タ ル 日 立 I N S ソ フ ト ウ エ ア㈱ ㈱富士通アドバンストソリューションズ ◎放 送 宮 城 ネ ッ ト ワ ー ク㈱ 技術サービス業 ㈱中 央 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 進 学 岩 手 大 学 大 学 院 東 北 大 学 大 学 院 筑 波 大 学 大 学 院 東 京 工 業 大 学 大 学 院 長 岡 技 術 科 学 大 学 大 学 院 Viva International College −4− 本 所 東 神 神 神 在 京 奈川 奈川 奈川 社 地 都 県 県 県 専 攻 E I 1 1 1 1 宮 城 県 1 東 京 都 1 岩 手 県 宮 城 県 茨 城 県 東 京 都 新 潟 県 オーストラリア 1 2 1 2 2 1 4 1 出身地:秋田県能代市 所 属:総合科学科 担当科目(平成19年度前期) :応用数学 A(4 E) ,物理 A(2-C,2- I ) , 基礎数学 B(1-1,1-2) 趣 味:芸術一般,東洋思想の研究 「教育研究に対する抱負」 4 月 1 日付けで東北大学大学院理学研究科から本校へ転任してまいりました。昨年度 までは研究機関に勤務しておりましたので,新たな環境に戸惑いもあります。5 年前に 高等学校の講師を務め,教育と研究の違いを認識しましたが,再度教壇に立ってみると その違いをあらためて実感します。一方,本校では教育・研究の双方が求められていま す。双方を両立するためには,教育業務に専念する時間と研究時間の気持ちの切り替え まつ えだ ひろ あき が非常に重要になると感じています。しかしながら,素直な学生達と共同研究者に恵ま 松 枝 宏 明 れて,日々の教育研究は充実しています。ただ,相手が低学年中心であるため,自主的 に物事を考える経験が不足していると感ずる場面があります。そこで,勉強の目的や自身の進路を明確に意識できるよ う方向づけをしたいという事が基本的な教育目標です。本校教員としてまだまだ至らない点が多くありますが,諸先生 方からの温かいご指導を宜しくお願い致します。 出 身 地:神奈川県横浜市 専攻・担当:電子工学科・物理 趣 味:サイクリング 座 右 の 銘:継続は力なり 「三ヶ月目に入り」 4 月 1 日付けで東京工芸大学大学院ハイパーメディア研究センターから電子工学科に 転任してまいりました。 大学院の頃に大学 3 年生の工業化学実験を指導していたこともあって,もの作りに 関連した理工系教育に従事したいと思っておりましたが,このたびご縁があって本校の 一員となれて大変嬉しく思っております。 教員生活 3 ヶ月目に入り,授業を通じて得た印象としては,本校の学生は積極的に せき しげ ゆき 授業に参加しており,素直で元気良く,「若者の理系離れ」がまったくもって感じられ 關 成 之 ません。この環境ならば,もの作りを通じた教育研究を提供し,学生たちにその醍醐味 を味わいながら学問を修めてもらい,次代へ技術伝承できると確信しております。 研究に専心努力していればよかった研究員とは違い,学習や生活面などの指導をしていく難しさを日々感じておりま すが,スキルアップをしながら頑張りたいと思います。 よろしくお願いいたします。 出 身 地:千葉県木更津市 専攻・担当:電子制御工学科 趣 味:音楽鑑賞 座 右 の 銘:ローマは一日にしてならず この春に長岡技術科学大学を修了し、電子制御工学科に赴任しました。 私自身も木更津高専出身であり、7 年ぶりの高専生活を以前とは全く逆の立場で送る こととなり、慣れない日々に諸先生方にはご迷惑をかけ、学生の皆さんの協力に支えら れながら毎日頑張っています。 私の高専での学生生活は、様々なことで先生に怒られながらも、ロボコン、プロコン と意欲的に活動してきました。是非とも学生の皆さんも失敗を恐れず、色々なことに活 発に取り組んでいって欲しいと思います。そのための協力は出来る限りしていきたいと 思います。 私の研究の主テーマはモーションコントロールという分野です。具体的な内容はその おお ば ゆずる 直訳の通り「運動の制御」であり、HDD の様な細かな動きをするものから、大きな力 大 場 譲 が必要な製鉄所の圧延機、ロボットに至るまでを高速に様々な動きを行わせることを目 的としています。この分野は皆さんが普段勉強している、電気・電子回路技術や情報処理技術等を応用して実現可能な 技術です。是非とも日々の勉強を頑張り、一緒に頑張りましょう。 −5− 広瀬文化センターで入学式 4 月 4 日(水)に平成19年度入学式が、仙台市広瀬 文化センターで、入学生(学科167名及び専攻科32名) 、 入学生の保護者及び本校職員の出席のもと挙行されま した。 入学生宣誓 外国人研修生を迎えて 仙台電波高専が学術交流協定を締結している、タイ のキングモンクット工科大学ラカバン(KMITL)から、 学生10名と引率教員 3 名を、国際交流活動の一環と して、4 月23日(月)∼ 5 月23日(水)の 1 ヶ月間の 日程で、受入れました。(引率教員は、4 月23日∼ 4 月28日までの 6 日間滞在) 学生は松韻寮に滞在し、授業への参加等を通じて本 校学生との交流を図りました。また、本校教員による 研究指導、および総合科学教員の日本文化講座受講、 企業(仙台ニコン)見学、東北大学電気通信研究所で のゼミへの参加等を行いました。 また、同大学の教員 1 名を、研究指導のため、約 2 ヶ月間(4 月23日∼ 5 月16日)受け入れました。 KMITL 学生が校長室を訪問し、記念撮影 KMITL ノパドル先生とのディスカッション 仙台電波高専が学術交流協定を締結している、フィ ンランドのヘルシンキポリテクニクから、学生 2 名を、 海外インターンシップとして、5 月10日∼ 8 月 5 日 の約 3 ヶ月間の日程で、受入れました。 学生は、松韻寮に滞在し、加藤・高橋研究室と、水 の森のフィンランド健康福祉センターで産電サーブ (日本側)、e-HIT(フィンランド側)との共同指導を 行いました。 ヘルシンキポリテクニク研修生 −6− 丸山健二先生の特別講演会とサイン会が行われました 5 月30日(水)、9 時15分−11時15分に、本校の前 身、仙台電波高校時代の卒業生で作家の丸山健二先生 の特別講演会とサイン会が行われました。対象は全学 生ですが、同窓会・保護者の方もいらっしゃいました。 演題は「自立と選択」です。電波高校時代の思い出に 始まり、後輩への檄で終わった 1 時間半でしたが、先 生の自らに厳しい生き方、物の考え方がひしひしと伝 わってきました。 講演後はサイン会が行われ、多くの希望者が先生と 会話を交えながらサインをしていただきました。 代表学生からの花束の贈呈 会話を交えながらのサイン会の様子 学生の T シャツにサインをする丸山先生 「薬物乱用防止教室」を実施 6 月18日(月)7 校時のホームルームの時間を利用して,2 年生を対象にして「薬物乱用防止教室」 を実施しました。 東北公済病院宮城野分院薬局長早坂正孝先生を講師としてお招きしました。身近な薬も使い方によ っては「乱用」になるという話から始まり,薬物依存になるまでの過程とその症状が図解・映像によ って示され,煙草についての話で締めくくられました。 何となく解っていたつもりの学生も,専門家の話に認識を新たにしたようでした。 −7− 校内球技大会開催 恒例の校内球技大会が 6 月 6 日∼ 7 日の 2 日間に渡り行なわれました。競技種目はソフトボール、 サッカーの屋外競技とバドミントン、バスケットボール、卓球、バレーボールの屋内競技の計 6 種目 によりクラス対抗方式で争われました。 結果は以下の通り、専攻科や上級生が上位を占めていましたが、卓球やサッカー競技では下級生の 活躍があり、天候にも恵まれ、学生には中間試験後の楽しい 2 日間となりました。 種 目 1 ソ フ ト ボ ― ル 電子制御工学科 4 年 情報通信工学科 5 年 電子工学科 5 年 サ ― 情報通信工学科 3 年 電子工学科 4 年 電子工学科 2 年 ト 専攻科 電子工学科 5 年 教職員 バスケットボール 電子制御工学科 5 年 情報工学科 3 年 情報通信工学科 4 年 卓 球 情報通信工学科 2 年 情報工学科 3 年 情報工学科 5 年 バ レ ― ボ ― ル 専攻科 情報通信工学科 4 年 電子制御工学科 5 年 総 合 電子制御工学科 5 年 情報通信工学科 4 年 情報工学科 3 年 バ ッ ド カ ミ ン 位 2 「性についての講演会」を開催 7 月10日(火)の 7 時間目に合同ホームルームとし て 1 年生を対象とした性についての講演会が行われま した。 講師は東北大学医学部教授の高林俊文先生でした。 高林先生は性に関する不安や悩み、男性と女性の意識 の違い、避妊、性病などについて、多くのスライドを 用いてわかりやすく、くわしく説明されました。 多くの学生にとって性に関して真面目に考えるきっ かけになったと思います。 −8− 位 3 位 後援会の皆様にはご健勝のことと心よりお喜び申し上げます。 さて、先日の総会におきまして、平成19年度後援会会長としてご承 認していただきありがとうございます。皆様への感謝と、責任の重さ で身の引き締まる思いでございます。昨年度に引き続き、役員一同力 を合わせ、会員の皆様や学生の皆さんの活動がよりいっそう充実した ものとなるようサポートしていくつもりでございます。 私達を取り巻く技術は絶えず進歩しています。様々な仕事の手間が 省かれ便利になってきています。一方、最近話題になっている年金問 題では、入力作業をコンピュータに頼り確認を怠るという人間のミス が原因の 1 つとなっていたようです。その他にも情報漏洩や、誹謗中 傷や詐欺に使われてしまうなど、決して良い面ばかりではないのが現 会長 三浦 賢浩 状です。このような現代のデジタルな時代だからこそ、作る側、使う 側に常識やモラル、豊かな人間性や社会性といったアナログな力が求められてきています。学生の皆 さんには技術や知識と共に学生生活の中でこれらのことを学んでいただき、広い視野を持った、次の 時代を担うエンジニアとして活躍していただきたいと願っております。 そのためにも、よりいっそう充実した教育環境の整備に協力していきたいと考えておりますので、 会員の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。 会員各位のご健勝と本校の更なるご活躍ご発展を希望し挨拶といたします。 役職名 氏 名 クラス 学生名 役職名 氏 名 クラス 学生名 会 長 副会長 三 浦 賢 浩 大 田 透 専攻科 2 5I 祐太朗 卓 也 実行委員 〃 今 村 佳 昭 工 藤 裕 美 3C 3C 啓 佑 永 知 副会長 石 川 幸 子 4E 貴 大 会 計 監 事 監 事 及 川 宏 子 貴 瑛 大 地 真 介 〃 〃 久 道 由 紀 熊 谷 京 子 3C 3I 涼 鉄 馬 〃 ◎坂 本 うらら 3I 梓 門 伊 藤 伸 子 3E 5I 3E 実行委員 櫻 井 康 子 専攻科 2 良 伸 〃 〃 倉 田 雅 子 鈴 木 淳 子 2R 2R 大 地 大 輝 〃 〃 稲 妻 清 美 ◎鹿 野 省 専攻科 1 5E 一 哉 暁 文 〃 〃 菅 原 喜美子 ○鈴 木 幸 子 2E 2E 勇 樹 尚 之 〃 〃 丹 治 清 美 片 桐 牧 子 5E 5E 紀 彦 卓 哉 〃 〃 ◎近 藤 秀 雄 佐 藤 由香子 2C 2C 航 伸 明 5C 信 行 〃 児 玉 かつみ 2I 基 靖 5C 5C 有 望 亮 〃 〃 佐々木 みゆき 芝 山 香寿子 2I 1−1 幹 也 兼 物 〃 〃 〃 瀧 野 美代子 藤 原 啓 子 〃 ○今 藤 昌 子 5I 辰太郎 〃 向 山 律 子 1−1 洸 平 〃 庄 子 優 子 4R 健太郎 〃 阿 部 清 人 1−2 晋 士 〃 〃 ◎阿 部 千佳子 宮 城 裕 子 4C 4C 健 人 孔 一 〃 〃 村 上 佳 司 ○大 友 智 恵 1−2 1−3 善 隆 誠 也 〃 加 藤 由美子 4I 寛 隆 〃 ◎鹿 野 幸 江 1−3 達 矢 〃 〃 ○竹 原 有紀子 ○松 浦 幸 江 4I 3E 知 輝 佑一郎 〃 〃 後 藤 久 宗 庄 子 かつ子 1−4 1−4 薫 秀 人 ◎は学年実行委員長 学 校 側 顧 問 校 長 宮 城 光 信 ○は同副委員長 〃 調整役 天 内 正 光 敬称略 −9− 「汝の右の手のなすことを、左の手に知らしむ・・・・」 ニューヨークのあるスラム街の一角に、いらないものをどんどん捨 てていくうちに、塵や腐ったものしかない大きなごみの山ができてい た。祖国の圧政から逃れ、そのスラム街に住むようになった一少女が、 そのごみの一部をとり除き、そこにえんどう豆の種を植えた。春にな り、えんどうは大きく成長し、少女は沢山の新鮮なえんどう豆をとる ことができた。少女はさらにごみの山を崩し、新たな小さな土地を作 り、そこに野菜を植えた。それを見ていた人が一人、また一人、少女 と同じようにごみの山を崩し、そこを畑にし、豊かな収穫を得るよう 校長 宮城 光信 になった。何年か後、誰も行きたくないほどのごみの山はなくなり、 そこは野菜畑や、お花畑に様変わりしてしまった。美しい野鳥が舞い 戻り、楽しみの少ない人々にとって、休みの時には家族が皆で楽しむ場所へと変化していった。きっ かけはたった一人の少女が始めたことである。 私の家の近くのバス停に小さな空き地がある。85歳位の一人の婦人がそこに花を植えた。毎年、毎年、 春になると花が咲き、朝バスを待っている人の目を楽しませてくれていた。90歳を越えたその婦人は もうその花のお世話をすることはなくなった。 私は国際会議で初めてヨーロッパに行ったのは、1990年の頃である。大学構内のよく手入れされて いた庭の美しさ、アパートのベランダや街路灯に取り付けられた花。行き交う人々に安らぎを与えて くれている。私もその花の美しさに安らぎを受けた一人である。 私の家の近くに堀がある。道路わきで、草がぼうぼうと生えている土地で、バス停からバス停まで、 その長さは約300 m ほどある。ある日、私は思い立った。そうだ、この場所をお花畑にしよう。 300 m 花壇にしよう。小学生や中学生がそこを通った時、花が美しいと思い、優しい気持ちが起こる かもしれない、勉強、勉強で疲れた子供の心を癒してくれるかもしれない。私の体力が続く限り、開 拓してみよう。10年程前から始めたが、草ぼうぼうだった土地には、秋になるとコスモスが咲き、宮 城野萩が咲くようなところに変わった。家でいらなくなった花の球根や、木などを持ってきてくれる 人もいる。協力者も現れてきた。 私はクリスチャンであり、聖書の教えにできるだけ従いたいと 思って生活している。マタイ伝第 6 章 3 節に「汝の右 の手のなすことを、左の手に知らしむべからず」と いう教えがある。私は敢えてこの教えに背き、私 の右の手のしたことを、皆さんの左手にお知らせ している。それは、ニューヨークの一少女、私 の家の近くの一人の婦人が始めたことが大き く広がる可能性があることを皆さんに示し たかったからである。何かいいことをした いと思っている人がこの世の中には多く いる。ただ、どうしたらいいか分からな い人も多くいる。私のやっていること も途絶える時がくるが、その時、それ をはるかに越える人が必ず現れること を期待し、美しい花を咲かせるために、 汗だくで周りの草をとっている。 − 10 − 校章 College Emblem 校章の由来 Origin of College Emblem 外わくは,アンテナ塔を 4 つに組んだもので,学校基礎の大磐 石と精神的な堅固さを表し,「高専」の文字を電波で囲んだもので ある。 The outer frame comprises four crossing antenna towers,expressing the gigantic stone forming the college base andsolid mental strength ; radio waves encircle the Chinese characters for“College of Technology”. −編集後記− 仙台では珍しい暑い夏も終わり、キャンパスには虫の音が響いています. 「学校だより」 第70号をお届けします. 第69号で「変わる!仙台電波高専」として特集を組みましたが,第70号からは「学校 だより」そのものも変わりました.これまで年 2 回発行してきましたが,内容を見直し, リアルタイム性を増すために,年 4 回(今年は 3 回)発行することになりました.今回 の特集には,大泉教授の指導の下,第 3 回大会で見事優勝した「ロボコンの歴史」を, トピックスには,本校の大先輩丸山健二さんの特別講演会報告などを取り上げました. 現在,本校は統合に向けて準備を進めており,あらゆるものが見直され,変わろうとし ています.本校に限らず,この半世紀の世界の変わり方は目を見張る思いです.休みなく 勉強しなければならない時代となり,人間関係を学ぶゆとりがなくなっても来ています. しかし,人間も自然の一部である以上,自然と交わることで心が癒されるという基本は変 わらないと思います.宮城先生の随筆には,聖書の教えに背いてまで花を植えようという 決意が述べられていますが,その実践はキャンパスにも見られます.この残暑の中,ひっ そりと咲くコスモスを探すことも癒しになるかも知れません. 仙台電波工業高等専門学校 〒989-3128 仙台市青葉区愛子中央 4 丁目16番 1 号 電話 022-391-5513 (管理課 学術・情報係) http://www.sendai-ct.ac.jp/