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「ドイツから何を学ぶか~望ましい電源構成に向けて~」②(PDF形式

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「ドイツから何を学ぶか~望ましい電源構成に向けて~」②(PDF形式
長期エネルギー需給見通し小委員会
補足説明資料
1. 天然ガスと石炭
2. EUとポーランド
3. 地球温暖化対策とJCM
2015年3月10日
東京大学生産技術研究所
エネルギー工学連携研究センター副センター長
特任教授
金子祥三
All Rights Reserved. Ⓒ Prof. Kaneko Laboratory, IIS, University of Tokyo
1
1. 天然ガスと石炭
① 天然ガスはクリーンで環境にも優しい。しかしエネルギー源を
海外に頼る日本は、石炭も天然ガスも両方必要。
② 天然ガスは価格が高く、かつ変動する。石炭というオプション
を持つことによって、価格交渉力を持ち、リスクヘッジができる。
③ 石炭は価格が天然ガスの3分の1。従ってコストの安い電力を
得るには先進国であれ途上国であれ石炭は不可欠。
④ しかし石炭は炭素分が多いのでCO2発生量が多い。この解決
には徹底した高効率発電の技術が必要。
⑤ 幸い日本には優れた高効率石炭火力の技術がある。USC
(超々臨界圧)とIGCC(石炭ガス化複合発電)である。
⑥ IGCCは現在、日本が世界で圧倒的な技術優位にある。これを
活用して国際協力により、世界のCO2削減に協力すると共に、
日本の国内産業の振興、輸出振興の同時実現を目指すべき
である。
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2
LNG火力への過度の依存はセキュリティ上問題
中期目標の課題と削減方針案
LNG火力はサラブレッド →
クリーンで高効率で建設費が安く短納期
→しかしLNGが来なくなったら、他の燃料は使えずたちまち使用不能に!
 サラブレッドは確かに速い!
 しかしサラブレッドは荷車は引けない!
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3
天然ガスのリスク
東京湾内を進むLNG船
一旦、止まると東京電力の40%(2400万KW)の電源喪失
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4
 エネルギーセキュリティは国家最優先の重要事項!
“アリとキリギリス”
キリギリス
-天然ガス?
+15m
アリ
-石炭?
“一つのバスケットとに卵を全部入れてはいけない”
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5
LNG購入価格は安くできるか?
国際交渉の現実
Negotiation
交渉-条件闘争
Optionを持たなければ
交渉はできない!
切札あり
オプションあり
切札
交渉開始
Plea ‐Petition‐
哀願・懇願
(from Merriam Webster’s Collegiate Dictionary)
切札無し
オプション無し
切札
 negotiateの語源は“Noというこ
とを楽しむ”こと
Latin : negotiatus pp. of negotiari
--- to carry on business
from negotium
--- business
from neg- not
otium leisure
土下座外交
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6
エネルギー源別価格(カロリー当たり)
(円/千kcal)
石炭比:
石油:3倍
LNG:2.5倍
JCOAL資料より作成
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7
世界の主要国電源構成
ロシア
イギリス
18.0%
38.5%
韓国
38.0%
日本
インド
中国
68.3%
80.2%
27.4%
総発電電力量
18,900[TWh]
ドイツ
カナダ
米国
17.1%
49.8%
世界合計
豪州
41.0%
4.6%
48.0%
2.4%
81.9%
ブラジル
フランス
ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES 2008 Edition
ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES 2008 Edition
IEA World Energy Outlook 2006
より作成
世界の電源構成に占める石炭火力の割合は40%
日本でも27%が石炭による発電
 特に米国、豪州、中国、インドでは大半が石炭による発電
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8
石炭はCO2発生量が多い
項 目
CO2発生量
(発熱量あたり)
天然ガス
60%
石 油
80%
石 炭
100%
CH3
燃料主成分
《炭素重量比》
CH4
C6H6
[75%]
[85%]
[95%]
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9
 石炭利用拡大のための必要なこと
1. 石炭は燃料価格が安いので有利
2. 石炭は残念ながら炭素量が多い
→高効率化による燃料消費量削減
→CO2発生量削減が絶対必要
3. 日本には幸い世界最高の高効率石炭
火力技術がある
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10
火力発電の高効率化の歴史
プラント熱効率(
%)
高効率発電の歴史
天然ガス
70
固体酸化物燃料電池(SOFC)
+ガスタービン+蒸気タービン
60
発電用
IGFC
50
MACC
a: ニューコメン
IGCC
(0.5%)
40
IGCC
b: ジェームス・ワット
(4%)
発電所 (3%)
20
127at×538℃ 再生サイクル
42at×450℃
蒸気機関
1700
c
b
a
1750
(USC)
169at×566/566℃ 再熱サイクル
蒸気タービン
動力用
10
250at×600/600℃ 超超臨界圧
246at×538/566℃ 超臨界圧
c: 初期の火力
30
石炭
1800
1850
①James Wattの改良
1900
10at×268℃
1950
2000
2050
2100
→年
②Parsonsの蒸気タービン(軸流・多段) 1884年
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11
石炭ガス化複合発電 IGCC
勿来 10号機250MW
ガス化炉:1700 Ton/日、NOx、SOx、ばいじんが一桁の数値
2000時間連続運転達成(2008年)
5000 時間耐久運転達成(2010年)
2011.3.11の大震災後、4か月で復旧、8月11日以降3カ月連続運転
(2238時間以上)
2013.6.28に勿来10号機として商用運転を開始後、
 5か月以上ノンストップ
12月8日現在で3917時間の連続運転世界記録を
連続運転を達成
達成した。
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12
IGCCのメリット
1. 世界最高効率のクリーンな石炭火力発電所の実現
(CO2排出量が世界最少)
2. 排気ガス(NOx、SOx、煤塵)は天然ガス並にクリーン
3. 将来固体酸化物型燃料電池(SOFC)を追加し、トリプル
複合発電として更なる増出力・高効率化が可能
4. 非溶出性ガラス質スラグ
5. 温排水が従来の30%減→漁業への影響最小
6. 所要敷地面積が従来の30%減
7. 低灰融点の低品位炭(褐炭・亜瀝青炭)が使用可能
8. 現在、日本が抜群の国際競争力を保持
IGCCの
溶融スラグ
 IGCCの石炭灰はフライアッシュ
ではなく、ガラス質の非溶出性
スラグで体積は1/2
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13
日本経済新聞
2013年11月23日(土)
全国版朝刊
 福島県に50万KWIGCCを2基建設
 2020年代初頭までに運転開始
+15m
いよいよ石炭も
IGCCの時代に!
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14
 福島復興50万KW商用機
1. 勿来25万KW実証機は見事に成功して、その実証機として
の役割りを果たし、常磐共同火力(株)勿来10号機として
商用機となった。
2. これによりIGCCは商用機の実現の段階となり、特に福島
第一原子力発電所の事故のあと、一日も早い高効率IGCC
商用機の実現が切望されていた。
3. この度、福島県に54万KWのIGCCが2基建設されることに
なり、1基はいわき市の常磐共同火力構内に、もう1基は
東京電力広野火力発電所構内に建設される予定である。
4. この勿来IGCC商用機54万KWは東京オリンピックに間に
合うように2020年の営業運転開始が期待されている。
5. 現在環境アセスメントが実施されている。
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15
最終案:東京電力福島復興プロジェクト
 54万kWのIGCC商用機2基を2020年初頭に建設!
 2013年11月29日に東京電力が福島県に正式申し入れ!
★54万kW IGCC!
 東京電力広野火力発電所
現在出力:380万kW
福島第一原発
成美堂出版:地図で読む東日本大震災より
 常磐共同火力株式会社
勿来発電所 :
現在出力 187.5万kW
★54万kW IGCC!
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16
日本の石炭火力技術の国際競争力
技術
USC
(超々臨界圧)
IGCC
(石炭ガス化
複合発電)
状況
今後の展開予想
USCは性能上・仕様上の
☆日本メーカはすでにUSC
優位差は無く、完全に
技術を中国にライセンス済み
価格勝負
⇒中国のUSC製造能力は日本
の10倍、設備容量も10倍
☆中国マーケットの飽和で強力 ・中国製のコストは日本の1/2
・日本が可能な唯一の対抗策は
な輸出ドライブがかかっている インド等の工場で製造すること
☆日本のIGCCは日本独自の
国産技術
☆現在IGCCで日本と競合できる
国はない
・性能:10%以上良い
・米国・欧州・中国・韓国いずれ
も現在輸出能力は無い
☆IGCCの主要機器を自製し、
ターンキーで納入できるのは
日本メーカのみ
JCM活用により、地球温暖化
防止と高効率石炭火力建設で
国際貢献
IGCCは30気圧に加圧している
ためコンパクトであり、
主要機器を日本国内で製造可能
⇒国内製造維持
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17
2. EUとポーランド
1. EUとEU最大の中心国ドイツは基本的に歩調を合わせて
諸施策を実施している
2. しかしポーランドを筆頭とする中央ヨーロッパ11ヶ国は
必ずしもドイツとは利害が一致せず、大きく意見が
異なる点がある。
3. 特に発電の90%を石炭火力に頼るポーランドでは
地球温暖化対策で大きくドイツと対応が異なっている
----石炭無しでは国が成立たない
4. 一方EUのメンバーとしての立場もあり、地球温暖化
対策でもそれなりのアクションが必要になっている。
5. このためポーランドは日本の高効率石炭技術を切望
しており、ここに日本とポーランドの国際協力が大きな
意味を持って来ている。
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18
欧州各国の発電電力量の内訳
World
Sweden
13
12
111
44
Coal
4
Oil
41
16
40
Nat. Gas
Hydro
Nuclea
8
Poland
30
19
2
22
1
40
Russia
7
42
1
Germany
16
0.
1
45
4
14
87
6
4 31 5
9
Spain
19
15
5
20
11
29
7
9
13
0
17
7
16
48
15
3
0.
93
China
Italy
16
49
38
46
1
0.
3
16
Ukraine
19
18
Renewable
5
Japan
22
11
9
2
0.2
1
U.S.A.
24
43
14
79
5
19
40
8
24
1
(Source: Enerdata “Global Energy Statistical Yearbook 2013”)
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19
ドイツとEU中央11か国
中欧
11か国
ドイツ
ポーランド
人口: ドイツ: 8200万人
中欧11カ国:9650万人
 日本はこれからEU-11(中央11か国)
との関係を大切に!
出典:2013VGB発表資料を基に金子作成
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20
中欧の発電容量(2012.12.31現在)
 中欧の発電容量はドイツに匹敵!
EU-11
12億KW
ドイツ
14億kW
出典:2013VGB発表資料を基に金子作成
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21
中欧(EU-11)の石炭および褐炭資源
中欧の石炭および褐炭の埋蔵量
(単位:百万トン)
石炭
褐炭
その中でもポーランドの存在は大きい!
出典:2013VGB発表資料を基に金子作成
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22
特に中央ヨーロッパは褐炭の比率大
褐炭の生産
褐炭および石炭による発電割合 (MWh-%)
国名
褐炭
石炭
ドイツ
ポーランド
ギリシャ
ルーマニア
チェコ
セルビア
トルコ
25
31
57
20
56
0
石炭
合計
45
87
57
39
51
69
17
8
8
0
9
47
59
69
26
1) sub-bituminous
included
* Data for 2010, Source: European Association for Coal and Lignite ”EURACOAL”
Total: 1.1[Gt/year]
Data Source: Federal Institute for Geosciences and Natural Resources (Hanover)
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23
 各国の低品位炭
Victoria, Australia
ギリシャ
ポーランド
ドイツ
水分%
褐炭は50%位が水分!
スペイン
Dakota, USA
インドネシア
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24
なぜ褐炭焚きボイラは効率が低いのか?
• 通常のボイラでは排出温度(煙突出口温度)を
酸露点以上に保持する。(低温腐食防止のため)
• 従って排ガス中に含まれる水分は水蒸気として
大気に放出される
⇒従って水分の蒸発潜熱は回収されない
⇒従ってボイラ効率は低くなる。
温度
潜熱損失
水分損失
水蒸気
To
酸露点
顕熱損失
乾排ガス損失
凝縮水
(pH < 3)
ボイラ
未燃損失
その他損失
ボイラの熱損失
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25
CO2排出量計算図表
1400
従来型(ボイラ-蒸気タービン)
複合発電
CO2 排出原単位 (g-CO2/kWh)
1300
1200
褐炭は水分が多く効率が低い!
1100
燃料のC:H比(重量比)
石炭=95:5
石油=85:15
天然ガス=75:25
褐炭
1000
900
USC
IGCC:GT1500~1600℃
800
IGFC
700
600
Obama要求:500g/kWh
500
複合発電 :GT1500~1600℃
400
300
200
トリプル複合発電
30
35
40
45
50
55
60
65
プラント熱効率% (送電端, 高位発熱量基準)
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26
世界の褐炭・亜瀝青炭資源
 世界の石炭資源の半分は水分の多い褐炭・亜瀝青炭
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27
3. 地球温暖化対策
① 資源小国で国際的協調が不可欠な日本は、それなり
に地球温暖化防止に協力することが必要
② EU,ドイツは理想を掲げ、地球温暖化対策ノリーダー
シップを狙っている
③ 一方、冷淡だった米国が急変し、Obama大統領も
“Climate Action Plan” を出し、積極攻勢に出ている
④ このままでは日本が悪者にされかねない
⑤ 日本の高い技術力をベースに、エネルギーベストミッ
クスを踏まえつつ、積極的に国際貢献すべきである
⑥ その時の切り札となるのが二国間クレジット制度
(JCM)である。これを最大限に生かすべきである。
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28
日本の地球温暖化対策---CO2削減案
 2009年6月
麻生内閣15%削減案
(2005年基準)
 2009年9月 鳩山内閣25%削減案
(1990年基準)
 2013年9月 安倍内閣3.8%削減案
(2005年基準)
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29
CO2削減で衰弱死するのは馬鹿げている!
体重60kg
5%削減
(2005年)
・努力継続ケース
10%削減
57kg
・国際衡平性
(限界削減費用同等)
15%削減
30%削減
54kg
・最大導入ケース
51kg
42kg (38kg)
最大の懸念:ダイエットし過ぎで衰弱死しないか?
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30
米国のエネルギー政策の変遷
1995
1990
2000
Bush / Chaney
Clinton / Gore
G.H.W. Bush
◎気候変動政府間パネル
(IPCC)発足
(1988)
・COP3 京都会議(1997.12) ・2003.3
議定書採択
米国
イラク
侵攻
・COP1開催(1995)
◎気候変動枠組条約発効
(1994.3)
・2001.9.11テロ
・石炭重視/石炭高度利用
技術支援
米国の地球
温暖化への取組
◎リーマンショック
◎福島第一事故
積極的参加
背景となる技術
ARRA法
(Obama)
Energy
Policy
Act
(Bush)
・天然ガス重視
・石炭火力敵視
攻勢
消極的参加
・CCSで石炭と
環境の両立
可能との見通し
米国IGCC実証機の建設と運転
Climate
Action
Plan
(Obama)
シェールガス
生産急増
・強力な
IGCC支援策
(3 Party Covenant)
・ゴアとの接戦を
制したブッシュは
就任2ヶ月後、
京都議定書を離脱
2015
Obama / Biden
・2001.3
米国の京都議定書離脱
◎トロント会議
米国の
エネルギー
政策
2010
2005
・CCSは経済的に
不成立との結論
CCS技術への期待
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31
地球温暖化を巡る動き
現状
今迄
日本
EU
EU
そうは言っても
石炭も大事・・・
日本
CO2を下
CO2を下げ
ろ!
げろ!
・CO2を下げろ!
・石炭火力を禁止しろ!
USA
・そうは言っても
石炭が頼りだ・・・
USA
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32
 Obamaの Climate Action Plan
President Obama's Address
The President's Climate Action Plan
(June 25th , 2013 at Georgetown University)
 CO2を”pollutant”として“汚染物質”と定義
 地球温暖化対策に国を挙げて取り組む
 国際的にも地球温暖化防止を働きかける
1.
2.
3.
4.
Cut Carbon Pollution in America
Prepare the United States for the Impact of Climate Change
Using Sound Science to manage Climate Impacts
Leading International Efforts to Address Global Climate Change
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33
Obama’s Climate Action Plan (2)
1.
2.
3.
4.
Cut Carbon Pollution in America
Prepare the United States for the Impact of Climate Change
Using Sound Science to manage Climate Impacts
Leading International Efforts to Address Global Climate Change
 ….put in place tough new rules to cut carbon pollution-just like other toxins
like mercury and arsenic…
 Carbon pollution standards for both new and existing power plants
 Unlocking long-term investment in clean energy innovation
 $8 billion in loan guarantee for wide array of advanced fossil energy projects
under its Section 1703
 Expanding bi-lateral cooperation with major emerging economics
 Leading global sector public financing towards cleaner energy:
 The President calls for an end to U.S. government support for public financing
of new coal plants overseas, except for
(a) the most efficient coal technology available in the world’s poorest countries
in cases where no other economically feasible alternative exists, or
(b) facilities deploying carbon capture and sequestration technologies.
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34
Obamaのやり方は今までとはどう違うのか?
 CO2を大気汚染物質と定義
 従って大気汚染防止法の対象物質とする
→行政で規制可能(EPA長官)
 これを無効にするには裁判で争う
→最高裁の判決が出るまでは有効
 このようにして(立法を避け)行政命令で、
どんどん規制して行こうという作戦
 2014年11月4日の中間選挙惨敗のあと、
どうするのか?
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35
Obamaの狙いは何か?
石炭火力の事実上の建設禁止
1.
2.
3.
4.
5.
天然ガス(シェールガス)で米国内の産業復興と輸出マーケットを支配:
そのためには①米国内価格を3~4$に ②輸出LNGは出来るだけ高く
→欧州の天然ガスを支配するロシアと真っ向から対立
天然ガスの比率を高めるため新設石炭火力の建設を事実上禁止する。
具体的にはCO2の排出規制(500 g/kWh以下)。これで事実上石炭火力は建設
できなくなる。
国際的には地球温暖化防止の美名のもとに攻勢。世界各国にも石炭火力を
禁止するように圧力(天然ガスを増やせということと同義)。日本にも圧力。
最大の問題は世界銀行などの公的銀行の融資禁止措置。
米国は天然ガスコンバインドサイクルの世界シェアの50%以上を押さえ、しかも
主機であるガスタービンはすべて米国内で製造(米国の製造業復権の一環?)
英国・カナダとは完全に歩調を合わせている。EUも基本的に同意しているが、
ポーランドなど石炭無しでは国が成立たない国もあり事情は複雑。
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36
低金利融資の影響度
 石炭火力は設備費が大きいので
低金利融資が無いと建設不可能!
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37
石炭火力輸出に対する各国のファイナンス
単位:10億ドル(1000億円)
 日本をいじめても中国は勝手に
ファイナンスし輸出し続ける!
中国
日本
Comparison of foreign financing for coal power plants among countries
Source: Authors
出典:東京大学公共政策大学院
上野貴弘客員研究員報告(GraSPP-DP-E-14-003)より引用
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38
発電用ボイラの輸出実績
 中国の輸出量は日本の3倍以上!
Export of steam or other vapor generating boilers (other than central heating hot water
boilers) between 2009 and 2013
Source : UN Comtrade Database
出典:東京大学公共政策大学院 上野貴弘客員研究員報告(GraSPP-DP-E-14-003)より引用
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39
 JCMの役割と期待---国連CDMとの比較
1. 京都議定書にもとづく京都メカニズムは多くの問題点があり、
課題と教訓を残した。
2. 期待されたCDMも真に有効なプロジェクトは少なく、また実績に
よると総費用のうち、プロジェクトに純粋に使用された割合は
30%に満たず、大半のお金が途中の経費で消えていた。
3. また実施されたプロジェクトも本当に相手国が熱望していたもの
とは言い難く、また温暖化防止効果にも疑問が残るものが多
かった。
4. この反省を踏まえ、真に相手国が欲する重要プロジェクトを中間
搾取を最少にしながら実施する二国間クレジット制度JCMが考案
され、実施されつつある。
5. 今、日本がやるべきことはこのJCMの相手国をどんどん拡大して
日本に協賛する国を増やし、現在のいわば私的な制度を、
デファクトスタンダードとして世界に認知させることである。
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40
COP19における各国のせめぎ合い
先進国
途上国
LMDC
UG(Umbrella Group)
日本
ニュージーランド
アメリカ
カナダ
オーストラリア
(EIG)
EU
ノルウェー
スイス
韓国
パキスタン アルジェリア サウジ
フィリピン
エクアドル
ボリビア ベネズエラ クウェート
メキシコ
中国
インド
BASIC
モナコ
リヒテン
シュタイン
ブラジル 南アフリカ
チリ
ナウル
ネパール
スワジランド
(AOSIS)
小島嶼国連合
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41
なぜJCMか? ---- 京都メカニズムの矛盾点と反省
京都メカニズム
京都メカニズム
【第6条】
共同実施
JI
【第12条】
クリーン開発
メカニズム
CDM
【第17条】
排出権取引
CER Trading
対象国
 排出量目標を約束
した国同士
取引単位の名称
 排出削減単位
(割当量の一部と同じ)
ERUS : Emission Reduction Units
 排出量目標の約束  認証された排出削減量
をしていた国として ERUS : Certified Emission
Reductions
いない国
 排出量目標を約束
した国同士
 割当量(排出目標)の一部
AAUS : Assigned Amount Units
目標あるいは制約条件
 目標遵守(割当量の範囲内で
の排出)/排出削減の追加性
(独立機関による排出削減量の
検証)
 排出削減の追加性(運営機関
による排出削減量の検証)/途
上国の利益と持続的開発(ホス
ト国による承認)
→追加性(Additionality)に問題
 目標遵守(割当量の範囲内で
の排出)/リザーブの維持
 日本は1兆円近い国費を使って、一体何を得たのか?
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CDMの解析例
正味のプロジェクト費用は30%以下!
Summary of project-level financial analysis
Project
number
Project type
Registration
date
Total
revenue
Sail price per
CER8(GBP)
1709
Waste heat recovery
15/12/2008
90.1m
7.79
1907
Waste heat recovery
19/11/2008
12.7m
10.95
1304
Natural gas
22/02/2008
2560m
6.43
1530
Biomass
17/04/2008
75.0m
6.45
1808
Hydro
10/10/2008
46.2m
6.81
1992
Wind
26/01/2009
97.3m
7.53
1980
Hydro
24/03/2009
147.2m
12.11
1763
Hydro
08/08/2008
26.3m
5.14
1823
Wind
10/10/2008
198.2m
6.02
1566
Hydro
03/06/2009
6.6m
12.95
Arithmetic Mean
8.21
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PJ遂行後・・・3.8%
CDMプロジェクトのコストの流れ
CDM理事会
1.2%
 購入金額の28%しかプロジェクトに使われていない!
検証費
2.6%
仲介・販売・企画費・・・40.2%
購入者
販売者
9.0%
口ききブローカー
0.9%
全購入費用・・・100%
企画者と投資家が
51%を取る
企画者
(CER販売者)
30.3%
プロジェクト
開発業者
プロジェクト建設・
運転費 27.5%
国・政府
5.0%
弁護士・
コンサルタント
0.2%
投資家
21.0%
地方政府
2.4%
PJ遂行前
・・・28.6%
PJ費用
・・・27.5%
プロジェクト費用は28%
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 世界の動きと地球温暖化対策
1. 日本は世界の孤児になってはいけない
→日本は海外との貿易無しには生きて行けない
2. 交渉のオプションが無いと地球温暖化交渉は
できない
3. 国連の交渉であるUNFCCやCOPの実態は多数
派工作。日本はJCMをテコに各国と連携すべし。
4. 日本の技術力が結局日本を救う
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45
Thank you for your attention!
The End
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