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2016 年 4 月 日本環境管理基準 第 18 章 流出防止及び対応計画 216

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2016 年 4 月 日本環境管理基準 第 18 章 流出防止及び対応計画 216
JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
日本環境管理基準
C18. 第 18 章
流出防止及び対応計画
C18.1. 適用範囲
本章は、POL 及び有害物質の流出に係る計画、防止、管理及び報告に関する基
準を定めている。国防省の活動により生じ得るこれら物質の流出を防止し、流
出事故が発生した場合、それを封じ込め、汚染除去するための迅速かつ調整の
とれた対応をとることは、国防省の政策である。初期対応で求められる以上の
修復作業は、国防省通達 4715.08「米国外における環境汚染の改善」(2013 年
11 月 1 日)に従って実施される。
C18.2. 定義
C18.2.1.
地上貯蔵容器 地下貯蔵タンクの規格に当てはまらず、通常は
地面の表面またはその上に設置される POL 貯蔵容器。床の上に置かれ、地下
の貯蔵所または地下室に含まれる POL 貯蔵容器、燃料容器及び部分的に埋ま
っている容器は、地上貯蔵容器とみなされる。本章の目的として、石油採掘
作業、製油、石油精製、石油貯蔵、石油収集、石油加工、送油及び石油分配
で使用される可動式または固定式の構造物、タンク、設備、パイプまたはパ
イプライン(艦船または公用艦船以外)を含む。石油が作動液として使用さ
れる設備も含まれるが、石油が単に動力のために使用される装置は除外され
る。
C18.2.2.
除染廃棄物 装置の除染中に生成された廃棄物と浄化水、すす
ぎ水、プラスチック容器、ぼろ、手袋、そして、その他の個人用保護具に限
定せず、流出に対応中に作業員が使用するもの。
C18.2.3.
有害物質 報告義務のある量が流出あるいは放出された場合に
ヒトの健康や環境に重大な害を与える可能性を有するすべての物質。これら
の物質とそれに対応する報告義務のある数量のリストが付録 1(AP1)「有
害廃棄物の特性と有害廃棄物と有害物質のリスト」に示されている。有害物
質は以下を含まない:
C18.2.3.1.
原油やその一部などを含む石油類等で、上記で有害物質と
して具体的に表記または指定されていないもの。
C18.2.3.2.
天然ガス、液体天然ガス(NGL)、液化天然ガス(LNG)、
あるいは燃料として用いられる合成ガス(あるいは天然ガスと合成ガス
の混合物)。
C18.2.4.
施設事故指揮官(FIC)(以前は軍施設現場調整官(Installation
On-scene Coordinator)と呼ばれていた) 国防省の活動により、軍施設また
はその周辺で POL あるいは有害物質が流出した際に、国防省の対策や汚染除
去を調整し、指揮する士官をいう。この士官は、軍施設司令官によって任命
される。
C18.2.5.
施設対応チーム(FRT)
(以前は軍施設対応チーム(The Installation
Response Team)と呼ばれていた) 施設事故指揮官が定め指揮する緊急時の
役割を行うチーム。
第 18 章
流出防止及び対応計画
216
JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
日本環境管理基準
C18.2.6.
油 全ての種類、形態の油で、石油、燃料用 POL、潤滑油、動
物性油、植物性油、汚泥、POL 残渣及び浚渫ヘドロ以外の廃棄物と POL の
混合物を含むが、これに限定されない。
C18.2.7.
POL 精製された石油、油脂及び潤滑油(第 9 章「石油・油脂・
潤滑油」の定義も参照のこと。)。
C18.2.8.
大規模な流出 以下に定めるいずれかの量を超える陸域または
水域への封じ込めされていない流出:
C18.2.8.1.
表 AP1.T4「有害廃棄物/物質/材料リスト」に列記されて
いる有害廃棄物または有害物質については、この表で列記されている報
告すべき量を超過する量。
C18.2.8.2.
POL、液状または半液状の有害物、有害廃棄物または有害物
質については、400 リットル(110 ガロン)を超える量。
C18.2.8.3.
量。
他の固形有害物については、225kg(500 ポンド)を超える
C18.2.8.4.
POL と液状、半液状、固形有害物質及び有害廃棄物または
有害物質の混合物については、340kg(750 ポンド)を超える量。
C18.2.8.5.
流出が、不浸透性の堰の内側、通気性のない表面または建
物内で発生し、揮発せず、汚染除去された場合、その流出は封じ込めら
れた流出とみなされ、大規模な流出とはみなされない。
C18.2.9.
最悪の流出 付録 2(AP2)「最悪の排出想定容積の決定」の最
悪の排出想定容積を指針として決定する、不都合な天候状況下で、施設から
予測できる最大の排出。
C18.3. 基準
C18.3.1.
流出防止管理及び報告計画の要件 全ての国防省施設は、POL
や有害物質の流出の全ての防止、管理、報告する、流出防止対応計画を策定、
保持、実施する。本計画により、施設からの最悪の流出を防ぎ、可能な限り
実施可能な対策を講じる。本計画は、施設事故指揮官及び施設対応チームが
容易にアクセスできる場所に保管されなければならない。
C18.3.1.1.
第 18 章
本計画は、最低 5 年ごとまたは以下のときに更新する:
C18.3.1.1.1.
運用上の重要な変更後 6 ヶ月以内。
C18.3.1.1.2.
った場合。
12 ヶ月の間に、内水路への大規模な流出が 2 件あ
C18.3.1.1.3.
場合。
3,800 リットル(1,000 ガロン)超の流出があった
流出防止及び対応計画
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JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
日本環境管理基準
C18.3.1.2.
本計画は、流出防止及び環境保護のための適切な工業規格
が考慮され、優れた技術的手法に従って作成され、施設に適したもので
あると適切に認可・認定された専門機関により認定されるものとする。
計画に対する技術的な変更(例えば管理上ではない)は、再認証を要す
る。
C18.3.2.
含む:
流出防止条項
本計画の防止条項は、少なくとも以下の項目を
C18.3.2.1.
指名された施設事故指揮官及びその代理人の氏名、役職、
責任、義務及び電話番号。
C18.3.2.2.
施設の名称、形態あるいは機能、位置及び所在地、排水口
の図表、指定された水の保護地区、C18.3.2.3 で書かれている施設の位置
を示す地図、重要な水源、土地利用及び水の移動経路など、施設の一般
情報。
C18.3.2.3.
大規模な流出を起こしうる貯蔵施設、処理場及び積み替え
場の目録。各リストには、重大事故発生時に流出しうる POL または有害
物質の流出方向、流速、総量についての予測を、必要に応じて地図を用
いて含めなければならない。
C18.3.2.4.
C18.3.2.3 に記載されている貯蔵施設、処理場及び積み替え
場にある全ての POL または有害物質の目録。
C18.3.2.5.
目視検査及び必要と判断される場合には非破壊試験の別形
式を含む全ての地上貯蔵容器の定期的・完全性検査のための手順。検査、
試験の頻度及び種類は、容器のサイズやデザイン(浮き屋根/固定屋根、
スキッドマウント、高架、開削、アーチ型、地上など)、工業規格を考
慮に入れなければならない。
C18.3.2.6.
第 9 章「石油・油脂・潤滑油」C9.3.2.5 に従って、POL 貯蔵
容器に付属する全ての地上バルブ、パイプ及び装置の定期検査について
の手順。
C18.3.2.7.
緊急サービスの手配 計画には、軍施設及び/又は地元警
察、消防署、病院、事業者及び緊急サービスを調整する緊急対応チーム
との調整事項を記入する。
C18.3.2.8.
緊急サービスへの連絡手段 当該計画には、適切な緊急サ
ービス提供者(例えば、軍施設消防署)と 24 時間連絡可能な電話番号あ
るいはその他の連絡手段を記載する。
C18.3.2.9.
目録にある各施設について、流出の迂回及び封じ込め構造
や装置を含む流出防止、管理、対応策の詳細な記述。措置は実行可能な
限り、流出物質の回収を可能にするべきである。有害物質、有害廃棄物、
POL、地下貯蔵タンク、農薬、PCB に関する章に、封じ込め構造に必要
な要件の具体的基準が定められている。
第 18 章
流出防止及び対応計画
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JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
日本環境管理基準
C18.3.2.10. 二次容器が目録にあるあらゆる容器について実行可能では
ない場合、認可・認定された専門機関により定められたとおり、計画に
は流出を防止するために講じられるであろう措置(例えば、プレ・ブー
ミング、完全性試験、定期的検査)に係る詳細な説明を含むものとする。
C18.3.2.11. 目録にある各施設に設置が必要な全ての緊急設備(消火装
置、流出対応装置、通信・通報システム(内部、外部)及び汚染除去設
備など)のリスト。本リストは常に更新しておく。加えて、計画にはリ
ストにある各小目の位置と物理的な説明、簡単な性能の概要を記載する。
C18.3.2.12. 目録に列記された各施設で、避難が必要となる可能性のあ
る施設についての避難計画。計画は、避難開始時のシグナル、避難経路、
代替的避難経路(主要なルートが有害廃棄物の流出や炎によりふさがれ
てしまった場合を想定)及び指定された集合場所を記載する。
C18.3.2.13. 目録に列記された各施設での流出防止及び管理措置の不備
についての記述で、必要な是正措置、列記された不備を是正するための
手順及び現行の暫定的な管理措置を含むものとする。是正措置は、計画
の策定または変更して 24 ヶ月以内に実施されなければならない。
C18.3.2.14.
以下の文書による手順:
C18.3.2.14.1.
POL や有害物質の流出を防ぐ作業
C18.3.2.14.2.
検査
C18.3.2.14.3.
記録保存の要件
C18.3.2.15. 特定地域向けの手順は、大規模な流出が起こりうる施設に
おける各現場で維持されなければならない。
C18.3.3.
流出管理条項 計画(危機管理計画と考えてもよい)の流出管
理条項において、施設や部隊で流出による汚染を除去する人材を特定し、要
請があった場合には、他の機関を支援する。最低でも、この条項は以下のこ
とを含む:
C18.3.3.1.
責任、義務、手順及び流出を囲い込み汚染除去するための
人材を指定する条項
C18.3.3.2.
明
流出が最初に見つかった際に講じるべき早急な対応策の説
C18.3.3.3.
施設対応チームの責任、構成、研修要件
第 18 章
流出防止及び対応計画
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JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
日本環境管理基準
C18.3.3.4.
最悪の流出を管理するために設置された命令系統。組織図
及び組織の責任と構成を含む。
C18.3.3.5.
以下の条項を含む施設対応チーム警告及び対応の手順:
C18.3.3.5.1.
POL または有害物質の流出に係る適時の通報につ
いて信頼できる通信システムへのアクセス
C18.3.3.5.2.
広報への関与
C18.3.3.6.
POL または有害物質の流出についての通報を受けなければ
ならない担当者またはその代理についての現在の名簿で、該当する場合
は、防衛燃料事務所(DESC)の代表者も含む。その名簿には、氏名、組
織のメールアドレス、職場及び家の電話番号を入れることとする。安全
性を脅かすことなく、計画には、通常の業務時間外の緊急調整者への通
報に係る規定が含まれる。
C18.3.3.7.
計画では、ヒトの健康または環境への危険が発生する際に、
施設事故指揮官、施設司令官及び地元当局に通報する。
C18.3.3.8.
緊急サービス提供者への通報を含む、必要な通報を行うた
めに責任を割り当てる。
C18.3.3.9.
POL 及び有害物質の流出の早期発見のための監視体制。
C18.3.3.10.
位リスト。
流出時に保護される様々な重要水源及び天然資源の優先順
C18.3.3.11. 国防省部隊による大規模な漏出が軍施設の対応能力を超え
ている場合には、軍施設が汚染除去または改善できるように事前に調整
された合意の中で定められている他の資源。
C18.3.3.12. 軍施設で大量に使用されている POL や有害物質を特定、囲
い込み、分散、改善、除去するために用いられる手順や手法を含む汚染
除去方法。
C18.3.3.13. 回収された物質、除染廃棄物、汚染された POL 及び吸収剤
の適切な再利用や処分の手順及び運転再開前に完了する予定の手順。
C18.3.3.14. 流出汚染除去作業についての一般的な健康、安全、火災防
止策の説明。
C18.3.3.15. 流出事故時に情報を公開するための手続き、責任及び手法
を説明する広報条項。
第 18 章
流出防止及び対応計画
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JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
C18.3.4.
日本環境管理基準
報告条項
C18.3.4.1.
流出計画の報道条項では以下のことに取り組む:
緊急時の手順が呼び出されるときの記録保持。
C18.3.4.2.
あらゆる重要な流出は早急に、施設事故指揮官に報告する。
原因の除去及び流出の囲い込みのために早急な対策が講じる。国防燃料
補給所は、国防兵站局エネルギー部により資産化された燃料については、
さらに在日米軍通達 23〜101(最新版)に準拠するものとする。
C18.3.4.3.
施設事故指揮官は、以下の場合、早急に適切な現地部隊司
令官及び国防省環境司令官に通報し、在日米軍報告様式 50 により、書面
のフォローアップ報告書を提出する(現在の入力可能な PDF 版は、
https://www.usfj.mil/、「在日米軍様式」リンクから入手可能):
C18.3.4.3.1.
国防省の施設内で流出が発生し、必要な防壁や二次
容器でも囲むことができないとき。
C18.3.4.3.2.
とき。
流出が 400 リットル(110 ガロン)の POL を超える
C18.3.4.3.3.
水資源が汚染されているとき。
C18.3.4.3.4.
例示のように、施設事故指揮官が流出を重要事故で
あると決定したとき。
C18.3.4.4.
大規模な流出事故が、国防省施設内で発生し、それが施設
の敷地内で包囲できない場合、または、それが地元の日本の飲料水資源、
基地外の住民や資産への脅威がある場合、当該現地部隊司令官、国防省
環境司令官、及び当該日本政府当局に早急に通報される。
C18.3.4.5.
大規模な流出事故は、国防省施設外部で発生した場合、現
場担当者が早急に、C18.3.4.4 に記載の担当局に通知し、さらに地元の消
防署に通知して、必要な援助を受ける。
C18.3.5.
施設では、人員と機材の有効性を確保するために必要な研修や
流出対応訓練が実施される。
C18.3.6.
初期対応の完了後、残った空の製品及び/又は明らかに汚染さ
れた土壌は適切に取り除かれて、管理される。さらなる行動は、国防省通達
4715.08「米国外における環境汚染の改善」
(2013 年 11 月 1 日)に準拠する。
第 18 章
流出防止及び対応計画
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