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平成 25 年度愛媛県がん検診実態把握調査(結果概要)
平成 25 年度愛媛県がん検診実態把握調査(結果概要) 1.調査の目的 愛媛県がん対策推進計画で掲げるがん検診受診率向上対策を推進するため、 現在把握できていない職域検診や任意検診を含めた受診実態を把握し、効果 的な受診率向上対策の推進に活用する。 (1)検診実施機関調査 市町検診以外の職域検診及び任意検診を含めた県全体の受診の把握 (2)医療保険者調査 職域検診について、保険種別や性・年齢別などの受診傾向の把握 ○愛媛県がん対策推進計画(平成 25 年3月策定) 分野別目標:がんの早期発見 がん検診の受診率の目標値 50% (胃・大腸・肺がん検診は当面 40%) 2.調査方法 検診種別 市町検診 [健康増進事業] 人間ドック等の 任意検診 職域検診 受診対象 住民 国保加入者、職場で受 診機会のない者 等 検診実施機関 「地域保健・健 康増進事業報 告」で把握 調査先 医療保険者 ※市町国保加入者 の受診状況は市町 で未把握 個人 職場から経費の補助 がある場合を含む 住民 今回の調査対象 「国民生活基 礎調査」で把 握 3年毎の 抽出調査 就業者 ○がん検診の受診実態の把握方法 検診実施機関調査〔県全体の受診率の把握〕 今回の実態把握調査 調査対象:県内の医療機関、検診機関のうち、①②のいずれかに該当する 77 機関 ①協会けんぽ生活習慣病予防健診を実施している機関(36 機関) ②人間ドック等のがん検診部門を持つ医療機関(41 機関) 調査内容:市町検診を除く検診の受診者数 医療保険者調査〔職域検診の受診傾向の把握〕 調査対象:協会けんぽ(1) 、健保組合(8) 、共済組合(4) 、国保組合(2) 計 15 団体 ※市町国保の把握は今後の検討課題 調査内容:就業者(被保険者・組合員) 、被扶養者別の検診対象者数及び受診者数 -1- ○実態把握調査の共通調査内容 対象期間:平成 23 年度(H23.4.1~H24.3.31)に実施した各検診 対象者:愛媛県内の居住者(居住地が特定できない場合は受診者に含める。 ) 検診名 胃がん検診 大腸がん検診 肺がん検診 乳がん検診 子宮頸がん 検診 検査項目 胃部X線検査、内視鏡検査 便潜血検査、内視鏡検査 胸部X線検査、胸部CT検査 マンモグラフィ(乳房エックス線)単独検査 マンモグラフィ・視触診併用検査 子宮頸部の細胞診 対象者 40~69 歳 男性・女性 40~69 歳 女性 20~69 歳 女性 3.検診実施機関調査の結果(愛媛県のがん検診受診率) (1)県全体の受診率 県全体の = 受診率 検診実施機関調査の受診者数【本調査】+市町検診受診者数 ×100 H22年国勢調査人口 ※職域検診等と市町検診を重複受診している者がいる可能性はある。 表1 がん検診受診率(受診者数・対象者数) (受診者数・対象者数:人) 区 分 胃がん検診 受 検診実施機関調査 診 市町検診 者 男 数 合計 性 対象者数 受診率 受 検診実施機関調査 診 市町検診 者 女 数 合計 性 対象者数 受診率 大腸がん検診 肺がん検診 乳がん検診 69,928 (86.5%) 78,758 (83.4%) 95,591 (87.1%) 10,909 (13.5%) 15,628 (16.6%) 14,102 (12.9%) 80,837 94,386 (100%) (100%) 109,693 (100%) 277,603 277,603 277,603 29.1% 34.0% 39.5% 37,086 (66.4%) 44,744 (59.1%) 62,799 (71.7%) 21,128 (39.4%) 26,884 (44.1%) 18,757 (33.6%) 30,926 (40.9%) 24,815 (28.3%) 32,493 (60.6%) 34,012 (55.9%) 55,843 75,670 87,614 53,621 60,896 (100%) (100%) (100%) (100%) 300,738 300,738 300,738 457,568 18.6% 25.2% 29.1% 17.8% 13.3% 図1 がん検診受診率 (%) 50 39.5 30 34.0 29.1 25.2 10 29.1 18.6 20 17.8 13.3 男 性 女 性 0 胃がん検診 (100%) 300,738 ※受診者数の右横の( )内は、総受診者数に占める各受診者の割合 40 子宮頸がん検診 大腸がん検診 肺がん検診 -2- 乳がん検診 子宮頸がん検診 (2)国民生活基礎調査との比較 表2 実態把握調査と国民生活基礎調査(平成22年調査)の受診率 (受診率:%) 胃がん検診 大腸がん検診 肺がん検診 男性 女性 乳がん検診 子宮頸がん検診 実態把握調査 29.1 34.0 39.5 国民生活基礎調査 36.2 27.3 30.5 実態把握調査 18.6 25.2 29.1 17.8 13.3 国民生活基礎調査 29.9 25.8 27.9 31.9 ※ 31.0 ※ ※乳がん、子宮頸がん検診は単年受診率 (3)年齢階級別の受診率 図2-1 胃がん検診受診率 (%) 男 男性 50 40 女性 検診実施 機関調査 38.1 31.7 市町検診 29.1 30 22.3 19.6 19.7 20 18.6 14.6 10 0 40歳代 50歳代 60歳代 40-69歳 40歳代 50歳代 60歳代 40-69歳 図2-2 大腸がん検診受診率 (%) 男 男性 50 女性 検診実施 機関調査 42.2 36.9 40 34.0 30 27.6 24.8 市町検診 26.6 21.9 25.2 20 10 0 40歳代 50歳代 60歳代 40-69歳 40歳代 50歳代 60歳代 40-69歳 図2-3 肺がん検診受診率 (%) 50 男 男性 49.2 42.6 検診実施 機関調査 39.5 40 30 女性 34.0 29.0 30.8 29.1 23.8 20 10 0 40歳代 50歳代 60歳代 40-69歳 40歳代 50歳代 60歳代 40-69歳 -3- 市町検診 図2-4 図2-5 乳がん検診受診率 子宮頸がん検診受診率 (%) (%) 50 検診実施 機関調査 市町検診 40 30 50 検診実施 機関調査 40 市町検診 30 21.4 17.8 18.0 20 17.8 20 14.9 10 14.0 0 13.6 12.4 13.3 7.4 10 0 40歳代 50歳代 60歳代 40-69歳 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 20-69歳 4.医療保険者調査の結果 医療保険者を、協会けんぽ、健保組合、共済組合の3つに分類し、保険種別 ごとに受診率を算定。 保険種別の受診率 受診者数 = ×100 対象者【総数(就業者+被扶養者)】 ※就業者(被保険者・組合員)、被扶養者別に受診率を算定する場合はそれぞれの人数で算定 (1)保険種別の受診率 表3 保険毎の対象者数 (人) 協会けんぽ 区分 男性 女性 男性 女性※ 女性 就業者 就業者 就業者 就業者 被扶養者 20歳代 共済組合 健保組合 計 10,587 男性 就業者 被扶養者 1,719 858 計 就業者 被扶養者 女性 計 2,577 就業者 被扶養者 計 1,662 1,779 3,441 6,624 30歳代 12,253 1,036 1,786 2,822 4,049 2,575 40歳代 37,895 24,203 12,303 2,991 1 2,992 816 1,755 2,571 7,280 20 7,300 4,622 2,950 7,572 50歳代 35,911 24,607 12,263 2,790 2 2,792 473 1,716 2,189 7,189 79 7,268 4,043 2,605 6,648 60歳代 25,704 12,311 1,150 11 1,161 498 591 444 181 625 140 461 601 20-69歳 6,595 54,001 40-69歳 99,510 61,121 31,161 6,931 14 6,945 93 4,137 6,613 10,750 1,382 3,969 5,351 14,913 14,516 10,370 24,886 280 15,193 8,805 ※協会けんぽの乳がん、子宮頸がん検診の対象者数(平成23年度末時点で偶数年齢である者の人数) 図3-1 胃がん検診受診率(保険者調査) (%) 57.5 60 46.5 50 40 39.4 37.9 30.2 32.2 30 20 10 男 性 12.7 13.5 女 性 0 協会けんぽ 健保組合 共済組合 -4- 市町検診 6,016 14,821 図3-2 大腸がん検診受診率(保険者調査) (%) 57.9 60 52.4 50 46.2 39.6 38.9 36.0 40 30 20 15.7 男 性 10 18.2 女 性 0 協会けんぽ 健保組合 共済組合 市町検診 図3-3 肺がん検診受診率(保険者調査) (%) 59.5 60 54.3 51.3 46.4 50 40.8 37.0 40 30 20 男 性 10 14.7 女 性 16.8 0 協会けんぽ 健保組合 共済組合 図3-4 市町検診 図3-5 乳がん検診受診率 (保険者調査) (%) 子宮頸がん検診受診率 (保険者調査) (%) 50 50 43.0 39.6※ 40 40 26.6※ 30 20 10 32.3※ 30.6 共済組合 市町検診 30 19.2※ 18.3 女 性 20 14.7 10 女 性 0 0 協会けんぽ 健保組合 共済組合 市町検診 協会けんぽ 市町検診は国立がん研究センター公表データ(H22 年度実績) ※健保組合、共済組合の乳がん、子宮頸がん検診は単年受診率 -5- 健保組合 (2)就業者(被保険者・組合員) 、被扶養者別受診率 図4 図5 胃がん検診受診 胃がん検診受診率(女性 就業者・被扶養者別、年齢階級別) ( 女性 就業者・ 被扶養者別) (%) (%) 60 48.5 50 40 34.5 30.2 31.3 26.1 30 20 10 0 実施 なし 協会けんぽ 就 業 者 被 扶 養 者 健保組合 共済組合 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 健保組合 共済組合 80.7 50.5 45.7 35.0 31.5 34.2 32.9 31.2 25.5 就 業 者 26.6 27.1 被 扶 養 者 40歳代 17.4 50歳代 60歳代 40歳代 50歳代 60歳代 5.まとめ (1)受診状況について ①検診実施機関調査(県全体の受診率) ・実際の県全体の受診率はもう少し高いと想定される。 ・大腸がん、肺がん検診は国民生活基礎調査の受診率より高かった。 ・胃がん、乳がん、子宮頸がん検診は、国民生活基礎調査と本調査の受診 率が乖離している。(乖離の要因:回答者の認識の違い、調査対象外の 診療所等での検診) ②医療保険者調査 ・男性の受診率はおおむね 40%を超えているが、女性の受診率が男性に比 べ低い。 ・保険種別では、健保組合、共済組合に比べ協会けんぽの受診率が低い。 ・就業者と比べ被扶養者の受診率が低く、特に共済組合では差が大きい。 (2)今後の課題 ①検診実施機関調査 ・診療所や県外の検診実施機関等への調査対象の拡大 ②医療保険者調査 ・市町国民健康保険加入者の受診状況の把握 ③その他 ・継続したデータ収集・分析の体制整備 ・事業所を対象とした調査の実施 -6-