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感性の工学的モデル化
ヒューマンメディア工学 Human Media Engineering 感性 Kansei 感性の工学的なモデル化 物理・生理レベルの感性 加藤 俊一 Toshi KATO 本日のポイント 感性の工学的なモデル化 「感性」はどこに現われる? 「感性」の工学的な定義 モデル化の視点 物理レベルの感性 生理レベルの感性 is_o pposite _to 「躍動感」 認知的 レベル is_ equa l_to is_sim ilar_ to 感性をモデル化する 「若々しい」 「のんびり」 is_sim ilar_to 「ソフト」 「さわやか」 感性の構造の階層性 認知レベル 心理レベル 生理レベル 物理レベル 心理的 レベル 生理的 レベル 物理化学的 レベル 視 聴 触 味 画像 音声 肌触 味 音 音楽 匂 香 視 聴 触 絵図 音声 力 表情 音 動作 音楽 [復習1] 感性と知覚 テストパターンを見て回答してください。 「仲間」に分けるとすると、 どんなグループ分けの仕方をしますか? 生理的レベルの感性 図形のどんな特徴に注目したか? → 初期視覚系(神経回路)での 特徴抽出 形・色・テクスチャ(模様) 個人差は少ない [復習1]判断の基準は? 前回のレポート集を参照 自分は/他の人は どのような特徴に注目して分類したと 考えられるか? (注)その説明で、他人は/自分は、 その分類法を真似ることができるか? [復習2] 感性と知覚 テストパターンを見て回答してください。 印象の近い「仲間」に分けるとすると、 どんなグループ分けの仕方をしますか? 心理的レベルの感性 デザインのどんな特徴に注目したか? → 初期視覚系(神経回路)での 特徴抽出 → (ある共通する性質で) 主観的にグループ化 形・色・テクスチャ(模様) → デザインコンセプトなど 個人差が認められる [復習2]判断の基準は? 前回のレポート集を参照 自分は/他人は どのような特徴に注目して分類したと 考えられるか? (注)その説明で、他人は/自分は、 その分類法を真似ることができるか? [復習3] 感性と知覚 テストパターンを見て回答してください。 どんな絵? どんな印象? 何がどう変わる? 認知的レベルの感性 絵画のどんな特徴に注目したか? → 全体 or ある部分の特徴抽出 → (ある共通する性質で)主観的にグループ化 → 解釈(イメージ語)との対応付け 形・色・テクスチャ(模様) → オブジェクト、イメージなど 個人差が認められる → 解釈&用語の違い [復習3]判断の基準は? 前回のレポート集を参照 自分は/他人は どのような特徴に注目して解釈したと 考えられるか? (注)その説明で、他人は/自分は、 その解釈法を真似ることができるか? 「感性」って何だ!? 「感性」「センス」というコトバを使う場面は? どんな時に「感性」の違いを感じるか? 趣味・好み 年齢 経験 言語・文化・国民性 「感性」って何だ!? 文学・芸術における感性 感動する心 感動を生み出す匠の技 「作品」と「鑑賞」 感性・感性工学 どう定義されてきたか? 感性Kansei (by 原田 昭) ひらめき、直観、快/不快、嗜好、好奇心、美 意識および創造の源としての脳の高次機能 記憶、演繹、推論、連想 だって、脳の高次機 能だぞ!? 「感性」って何だ!? 心理学における感性 特定の被験者 subject の特性 幼児期の経験 社会性 「この人を理解する」 「感性」って何だ!? 工業デザインにおける感性 バウハウス: 機能と芸術の融合 マーケティング 差別化 付加価値 「ビジネスの対象: 消費者の嗜好」 感性・感性工学 どう定義されてきたか? 感性Kansei (by 長沢伸也) 「(刺激→)感覚→知覚・認知→感情・情動→ 言語などによる表現」の過程 感性工学 (by 長町三生) 生活者がモノを購入する際にもつイメージや 感性を製品設計に翻訳する技術 モノの特徴は?人間の仕組みは?普遍性は? 「感性」って何だ!? 生活産業/サービス産業における感性 個人の嗜好 ある年齢層の嗜好 輸出相手国の国民の嗜好 「ビジネスの対象: 消費者の嗜好」 「感性」って何だ!? 情報産業における感性 情報サービスの品質をあらわすメトリック 個々の利用者の要求 カスタマイズ 個々の利用者への個別サービス 「利用者の主観的な基準」 「感性」って何だ!? 感性情報処理における感性 主観的・直感的な価値判断の「基準・能力」 心象イメージを具体化する際の「基準・能力」 「情報処理の新しい概念」 感性・感性工学 どう定義されてきたか? 感性Kansei (by 井口征士) 人間の知能の情緒的な側面 イメージ感性情報(心象・主観・直感) パターン感性情報(多次元パターン情報) パラメータ感性情報(形容詞空間の1ベクトル) シンボル感性情報(一つの形容詞) 感性には「階層性」がありそう。情緒って何? 感性をモデル化する 感性の構造のマルチメディア性 視覚 聴覚 触覚(硬さ、重さ、手触り、温度) 嗅覚 味覚 第六感? 感性をモデル化する 感性の構造のマルチモーダル性 多感覚の間での相互作用 ヒューマンコミュニケーション マルチメディアコンテンツ(例:演劇、ショー) 声、表情、ジェスチャー 人物、衣服、背景、照明、BGM 「見てさわやか、聞いてさわやか」 is_o pposite _to 「躍動感」 認知的 レベル is_ equa l_to is_sim ilar_ to 感性をモデル化する 「若々しい」 「のんびり」 is_sim ilar_to 「ソフト」 「さわやか」 感性の構造の階層性 認知レベル 心理レベル 生理レベル 物理レベル 心理的 レベル 生理的 レベル 物理化学的 レベル 視 聴 触 味 画像 音声 肌触 味 音 音楽 匂 香 視 聴 触 絵図 音声 力 表情 音 動作 音楽 感性情報処理の目的 感性の強化 Enhanced Kansei 人間の感性的な行動・感性的な知覚を支援 人工感性 Artificial Kansei 人間の感性をシミュレーション 感性的判断の代行(感性検索) 感性的判断の推定(感性評価) 感性の強化 人間の感性的な行動・知覚を支援 演奏支援 虫眼鏡 電子的メガネ(画像強調・雑音除去) 仮想現実感への応用(建築設計支援) 感性の強化 電子的メガネ(画像強調・雑音除去) 感性の強化 仮想現実感への応用(建築設計支援) 感性の強化 感性強化の課題 自然性 適応性・自律性 頑健性 人工感性(感性のシミュレーション) 人間の感性をシミュレーション 感性的判断の代行(感性検索) 感性的判断の推定(感性評価) 表現の生成 人工感性(感性のシミュレーション) 感性的判断の代行(感性検索) 人工感性(感性のシミュレーション) 感性的判断の逆推定 人工感性(感性的な表現の生成) 感性モデルを利用してデザインを生成 感性をモデル化する 感性の構造の多感覚性(マルチメディア性) 視覚 聴覚 触覚(硬さ、重さ、手触り、温度) 嗅覚 味覚 感性をモデル化する 感性の構造のマルチモーダル性 多感覚の間での相互作用 ヒューマンコミュニケーション McGurk効果 声、表情、ジェスチャー マルチメディアコンテンツのコーディネイト 例:演劇、ショー 人物、衣服、背景、照明、BGM 「見てさわやか、聞いてさわやか」 <知覚感性> is_o pposite _to 「躍動感」 認知的 レベル 「のんびり」 is_sim ilar_to is_ equa l_to 本日のポイント is_sim ilar_ to 「若々しい」 <創出感性> 「ソフト」 「さわやか」 感性の工学的なモデル化 心理的 レベル 情報サービスへの利用 認知レベル 心理レベル生理的 レベル 生理レベル 物理レベル 触 物理化学的 レベル 味 視 聴 画像 音声 肌触 味 音 音楽 匂 香 視 聴 触 絵図 音声 力 表情 音 動作 音楽 <セルフフィードバック> 感性の工学的なモデル化 物理的レベル 生理的 レベル 物理化学的 レベル 視 聴 触 味 画像 音声 肌触 味 音 音楽 匂 香 視 絵図 表情 動作 聴 触 音声 力 音 音楽 [考察1]物理的なレベルでの感性 Aと同じ「形」の図形は いくつ書かれているか? (なぜ、それがわかったのだろうか?) Aと同じ「色」の図形は いくつ書かれているか? (なぜ、それがわかったのだろうか?) A [考察2]物理的なレベルでの感性 アルファベットのABCは それぞれ何文字ずつ書かれているか? (なぜ、それがわかったのだろうか?) 文字フォント A A A A A は それぞれ何文字ずつ書かれているか? (なぜ、それがわかったのだろうか?) 物理的なレベルでの感性 パターンの照合 二つのパターン あるいは 目の前のパターンと記憶しているパターンの 特徴を照合(=重ね合わせ)して 「同じ」かどうかを判断。 どんな特徴に注目するかが明らか あるいは 明示的に指示されている。 感性の工学的なモデル化 生理的レベル 生理的 レベル 物理化学的 レベル 視 聴 触 味 画像 音声 肌触 味 音 音楽 匂 香 視 絵図 表情 動作 聴 触 音声 力 音 音楽 [考察3]生理的なレベルでの感性 「ほぼ同じ形」の図形は いくつ書かれているか? (なぜ、それがわかったのだろうか?) 生理的なレベルでの感性 初期視覚での特徴抽出 人間の目には、 明るさ・色 傾き 模様(繰り返しの規則性) などの 特徴を抽出する神経回路がある。 ほぼ類似のパターン →ほぼ類似の神経の興奮・伝達 生理的レベルでの感性シミュレーション 画像特徴量 人間はどんな特徴をとらえているか? センサーでの特徴抽出機構の「近似」 多次元ベクトル空間(GF空間)による表現 (例) モノクロ図形(商標図形) カラーイラスト テクスチャ 画像特徴量による評価 ①横分割 ②縦分割 ③同心円状分割 ④放射状分割 r 0 = A p0 T AT … , pj , … p0 画像特徴空間 例示画 図形データベース (商標・意匠) [ビデオ資料] 商標図形の例示検索(モノクロ図形) カラーイラストの例示検索 構図の特徴 色彩の特徴 色彩だけに注目して類似検索すると→ 色彩を無視して、構図だけに注目すると→ 例示した切手 色彩と構図を総合して判断すると→ [例]カラーイラストの例示検索 http://www2.hm.indsys.chuo-u.ac.jp/omron/take/ [例]カラーイラストの例示検索 http://www2.hm.indsys.chuo-u.ac.jp/omron/take/ [宿題1]例示検索(生理レベル)の利用実験 例示検索システム(複数)を利用して、 どの程度の類似画が検索されるか、 自分の感じ方とも比較して、検証・批評してみよう。 商標意匠データベースTRADEMARK http://www2.hm.indsys.chuo-u.ac.jp/TradeMark/ カラーイラスト検索システムTAKE http://www2.hm.indsys.chuo-u.ac.jp/omron/take/ ユーザ名 kato パスワード toshi エルミタージュ美術館 (by IBM) http://www.hermitagemuseum.org/html_En/index.html DIGITAL COLLECTION / QBIC SEARCH [宿題2]例示検索システムの調査 今回の実験で試した以外に 「例示検索(or 類似検索)」 つまり 「画像を例示 → 画像を検索」 の機能を提供しているシステムを 調査してみよう。 [宿題3]データ解析の復習 次のデータ解析の手法について その原理 分析方法 利点・欠点など を説明しなさい。 判別分析 重回帰分析 本日の参考書 長尾、安西、橋本 「マルチメディア情報学の基礎」〔岩波〕 第1章 人間と情報 第2章 マルチメディアシステムの形成 第4章 マルチメディアと感性情報処理 (財)イメージ情報科学研究所 「ヒューマンメディアの調査研究報告書」 〔→非売品、加藤のところにあります〕 (財)マルチメディア振興協会 「マルチメディア白書」 [講義資料] 本年度の資料 http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM07/ 昨年度までの資料 http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM06/ http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM05/ http://www.indsys.chuo-u.ac.jp/~kato/HM04/ など 今年から、みなさんのレポートも アップ・公開しています。