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Title タンパク質にジスルフィド結合を導入するDsbシステム と呼吸鎖の共役

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Title タンパク質にジスルフィド結合を導入するDsbシステム と呼吸鎖の共役
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タンパク質にジスルフィド結合を導入するDsbシステム
と呼吸鎖の共役( Dissertation_全文 )
小林, 妙子
Kyoto University (京都大学)
2001-03-23
https://doi.org/10.11501/3182964
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
author
Kyoto University
学位 申請論文
小林
妙子
タ ン パ ク 質 に ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 導 入
す るDsbシ
ス テ ム と呼 吸 鎖 の 共 役
化学専攻
小林
細胞生物化学分科
妙子
要旨
分 泌 タ ンパ ク質 等 に見 られ る ジス ル フ ィ ド結 合 は 、大 腸 菌 で は ペ リプ ラズ ム領 域
に お い て 、 ジ ス ル フ ィ ド結 合 導 入 因子DsbAに
よっ て導 入 され る 。DsbAは 活 性 部 位
の ジ ス ル フ ィ ド結 合(Cys30-Cys33)を
用 い て、 分 泌 タ ンパ ク質 の シス テ イ ンを直 接 酸
化 す る・ そ の結 果 、DsbAのCys30とCys33は
DsbAのCys30とCys33を
要 な シス テ イ ン を2つ
再 酸 化 し、 活性 型(酸
化 型)に
の ペ リプ ラズ ム ドメ イ ンに各2個
プ ラズ ム領 域 のCys104-Cys130ジ
で は、DsbBは
還 元 され る。 膜 タ ンパ ク質DsbBは
ス ル フ ィ ドがDsbAの
維 持 す る 。DsbBは
活 性 に必
ず つ持 って お り、 第 ニ ペ リ
シス テ イ ン を直接 酸 化 す る。
何 に よ って再 酸 化 され るの で あ ろ うか 。 言 い換 え る と、 この系 か ら放
出 され る電 子 は最 終 的 に どこ に た ど りつ くの だ ろ うか。 本 研 究 で 、 呼吸 鎖 電 子 伝 達
系 が 、DsbA/DsbBジ
ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シ ス テ ム に酸 化 力 を与 え こ と を明 らか に し
た 。 呼 吸 鎖 電 子 伝 達系 が 、DsbBに 働 き タ ンパ ク質 の酸 化 的 フ ォー ル デ ィ ング に関 わ
る との全 く新 しい役 割 を持 つ こ とを示 した。
まず 第 一 に、 呼吸 鎖構 成 成 分 のヘ ム お よび キ ノ ンが 、DsbAを
め に必 要 で あ る こ と を示 した。DsbAの
酸 化 型 に維 持 す る た
酸 化 型 と還 元 型 を明確 に見 分 け る 方 法(AMS
法)を 開発 し、 ヘ ム あ るい は キ ノ ンの合 成 欠 損 変 異 株 を用 い て 、 これ らの 呼吸 鎖 成 分
を枯 渇 させ た 時 のDsbAの 状 態 を調 べ た。〃卿Aあ る い は砺A耀
π、4変異 株 を プ ロ ト
ヘ ム また は キ ノ ン欠 乏状 態 で生 育 させ る と、細 胞 内 のDsbAは 還 元 型 と な って 蓄 積 し
た。DsbBはDsbA-DsbBジ
ス ル フ ィ ド複 合 体 を形 成 した ま ま、機 能 を停 止 した 。 こ
れ らの こ とか ら、DsbBがDsbAの
効 率 的 な再 酸 化 を行 う には 、 呼吸 鎖 の機 能 が 必 要
で あ る こ とが 明 らか とな っ た。
第 二 に、DsbBのcys41-cys44が
呼 吸 鎖 成 分 に よる 強力 な酸 化 を受 け て い る こ とを
示 した 。DsbBの 酸 化 還 元 状 態 を調 べ 、DsbBが2つ
ジ ス ル フ ィ ド結 合(cys41-cys44,
cyslo4-cys130)を
持 つ こ と、cyslo4-cys130の
形 成 はcys41,cys44の
存 在 に依存 し
て い る こ と を示 した。 次 に 、第 一 ペ リプ ラズ ム ドメ イ ンのCys41-Cys44が
よっ て 強 く酸 化 され てお り、還 元 剤DTTを
DTT抵
抗 性)を
呼吸鎖 に
加 えて も見 か け上 還 元 され な い性 質(
持 つ こ と を見 い だ した 。 この性 質 は 、細 胞 にお い て も、 単 離 した標
品 に お い て も見 られ たが 、界 面 活 性 剤 で膜 を可 溶 化 した 時 に は失 わ れ た。 呼 吸 鎖 成
分 を欠 い た膜 で も、 こ の よ うな性 質 は見 られ な か っ た 。 また 、 酸 素 を除 去 した時 に
も、DTT抵 抗 性 は失 わ れ た。 これ らの こ とか ら、DsbBのCys41-Cys44は
呼吸鎖 に よっ
て強 く酸 化 され て い る こ とを 明 らか に した 。
最 後 に、 呼 吸 鎖 か らCys41-Cys44へ
の酸 化 力 の伝 達 機 構 を調 べ る た め に 、DsbBの
第 一 ペ リ プ ラズ ム ドメ イ ンの変 異 株 を多 数作 成 し、 そ れ らの 機 能 の 変 化 を解 析 した 。
DsbBのCXXCモ
チ ー フ(Cys41XXCys44)のXXの
部分 を他 のoxidoreductaseの
それ に
変 え たCXXCモ
チ ー フ変 異 体 を作 成 した とこ ろ、DsbA酸
化 活 性 の低 下 とDsbA-DsbB
複 合 体 の 蓄積 が 見 られ る もの が あ った が 、DTT抵 抗 性 は保 持 して い た 。次 に、
CXXCモ
チ ー フ近 辺 に挿 入 を持 つDsbB変 異 体 を作 成 した。CXXCのN末
端側 にア ミ
ノ酸 挿 入 を持 つ 変 異 体 で は野 生 型 並 に活性 を示 したが 、CXXCモ
の 挿 入 変 異 体 で は、 活 性 が喪 失 し、DsbB自
CXXCモ
の1ア
CXXCモ
身 も還 元 型 とな っ た 。 この領 域 、 即 ち
チ ー フのC末 端 側 と膜 貫 通 部 分 に挟 ま れ た領 域(Ile45-Tyr46-Glu47-Arg48)へ
ミ ノ酸 以 上 の挿 入 変 異 や1ア
ミノ酸 削 っ た変 異 も、活 性 の低 下 とDTT抵
の低 下 を引 き起 こ した。Ile45-Arg48の
DTT抵
チ ー フのC末 端 側 へ
抗性
ア ミノ酸 を そ れ ぞ れ ア ラニ ンに置 換 して も
抗 性 は保 持 され て い た 。 これ らの結 果 か ら、呼 吸 鎖 との カ ップ リ ング に は 、
チ ー フのC末 端 側 と膜 貫 通 領 域 との 間 の領 域 の長 さが 重 要 で あ る とい う、 興
味 深 い 可 能 性 が 示 唆 され た 。
目 次 一1/2
目次
-
第1章
序論
l
1-1.タ ン パ ク 質 の 構 造 形 成 を 補 助 す る 細 胞 因 子
1
1-2.細 胞 内 の ジ ス ル フ イ ド結 合 形 成 シ ス テ ム
4
1-3.大 腸 菌 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シ ス テ ム の 発 見
7
1・4.ジ ス ル フ ィ ド結 合 導 入 因 子DsbA
8
1-5.DsbAの
細胞 内での酸化還元状態
9
1-6,DsbB:DsbAリ
サ イ ク ル因 子
2
1
1-7.本
研 究 で 取 り上 げ た 問 題 点'Dsbシ
ス テ ム と呼吸 鎖
4
ー
第2章
結果
4
ユ
2-1.Dsbシ
ス テ ム と呼 吸 鎖
4
1
1.DsbAの 酸 化 還 元 状 態 の解 析 方法
6
1
2.ヘ ム 欠 乏 状 態 で のDsbAの
酸 化 還 元状 態
9
1
3.ヘ ム 欠 乏 状 態 で の分 泌 タ ンパ ク質 のSS結 合 形 成 不 全
0
2
4.キ ノ ン 欠 乏 状 態 で もDsbAは
還元型で蓄積す る
3
2
5.キ ノ ン欠 損 状 態 で も分 泌 タ ンパ ク質 のSS結 合 形 成 不 全 が 起 こる
3
2
6.呼 吸 鎖 は 、DsbAの
効 率 的 な酸 化 に 必 要 で あ る
5
2
7.キ ノ ン 欠 損 状 態 でDsbBは
9
︻∠
8.ま
機 能 を失 う
とめ
0
り0
2.2.DsbBと
呼 吸 鎖
0
3
1.DsbBの
細 胞 内 で の状 態
2.DsbBの
ど の シ ス テ イ ン が 、 呼 吸 鎖 欠 損 状 態 でDsbAと
3。DsbBのcys41-cys44ジ
ス ル フ ィ ドはDTr抵
4.DsbBのcys41-cys44のDTr抵
5.cys41-cys44のDTr抵
6.DsbBはDTrを
7.ま
とめ
ジ ス ル フ ィ ド複 合 体 を作 る の か_._...32
抗 性 を示 す34
挽1生 は 呼 吸 鎖 機 能 に 依 存 し て い る34
抗 性 に は 酸 素 が 必 要 で あ る37
酸 化 で き る38
40
目 次 一2/2
1
4
2-3.DsbBの
変 異 解 析
1
4占
1.DsbBのCXXCモ
4
4占
2。DsbBの31コ
チ ー フ変 異 体
ドン 挿 入 変 異 体
4.DsbBのCXXCモ
チ ー フ のC末 端 側 の 領 域 の ア ラ ニ ン置 換 変 異
3
5
5.ま と め
第3章
考察
55
5
﹃)
3-1.タ ン パ ク 質 の レ ド ッ ク ス 状 態 を見 る 方 法AMS法
凹
ひ
5
3-2.呼 吸 鎖 とDsbシ
ス テムの カップリング
◎ノ
5
3-3.呼 吸 鎖 に よ るDsbBの
酸化
ー
!
0
3-4.DsbB活
性 の 生 化 学 的解 析
異株
材料 と方法
Qノ
10
3-6.真 核 生 物 と 原 核 生 物 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シ ス テ ム の 比 較
3
〆
0
3-5.呼 吸 鎖 と の カ ッ プ リ ン グ に 欠 損 を持 つDsbB変
第4章
1
﹃)
チ ー フC末 端 側 領 域 の 挿 入 、 欠 失 変 異
8
4占
3.DsbBのCXXCモ
72
η
4-1.大 腸 菌 株
η
ラ ス ミ
ド
4-3.プ
ラ イ マ ー
処
4-2.プ
乃
4-4。培 地 と培 養 条 件
%
4-5.膜
の調 製
%
4-6.タ ンパ ク 質 の 酸 化 還 元 状 態 の 決 定
万
4-7.DsbB抗
体 の 作 製 と精 製
圏
抗 性 の ア ッセ イ
4-9.DTrを
含 む 培 地 を 用 い たviabilityの
㎎
4-8.DTT抵
観 察
㎎
4-10.残 存 チ オ ー ル の 定 量 方 法
四
参考文献
雛
謝辞
第1章
1-1.タ
序論
ンパ ク 質 の 構 造 形 成 を補 助 す る細 胞 因 子
新 し く合 成 され た タ ンパ ク質 の立 体 構 造 を決 め る情 報 は、 全 て ア ミノ酸 配 列 に含
まれ て い る。 さ ら に、細 胞 内 に は、 新 た に合 成 され た タ ンパ ク質 の 折 りた たみ を補
助 す る 因子 の存 在 が 知 られ て い る。 こ の よ うな細 胞 因子 は 、大 き く分 け て、 分 子 シ ャ
ペ ロ ン と、 構 造 変 換 因子 に分 類 され る(1)(2)。
分 子 シ ャペ ロ ンは 、 タ ンパ ク質 の 折 りた たみ 中 間体 に一 時 的 に結 合 して 、新 生 ポ
リペ プチ ド鎖 が 凝 集 や ミス フ ォー ル デ ィ ン グ等 の 誤 っ た経 路 へ 進 む こ と を抑 え 、正
しい折 りた たみ 経 路 へ 進 み や す くす る 。 一 方 、 構 造 変 換 因 子 は、 ジ ス ル フ ィ ド結 合
の形 成(3)(4)(5)(6)や、 ペ プ チ ジ ル ・プ ロ リル結 合 の 異性 化(7)と い っ た、 化 学 結 合 の
変 化 を促 進 す る こ とに よっ て 、 タ ン パ ク質 の フ ォー ル デ ィ ング を促 進 す る。
1-2.細
胞 内 の ジ ス ル フ イ ド結 合 形 成 シ ス テ ム
タ ンパ ク質 の分 子 内 あ るい は分 子 間 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 は 、 主 に、 分泌 タ ンパ ク
質 や細 胞 表 層 タ ンパ ク質 に見 られ 、 細 胞 外 等 の過 酷 な環 境 下 で タ ンパ ク構 造 を保 つ
の に重 要 で あ る。 ジス ル フ ィ ド結 合 の 形 成 と開裂 は、2つ
の シ ス テ イ ン残 基 問 の 単
純 な酸 化 あ る い は還 元 反 応 で あ り、 試験 管 内 で も適 当 な条 件 下 で容 易 に反応 を起 こ
す こ とが で きる。 古 典 的 に は、1961年
RibonucleaseA(RNaseA)の
にC.B.Anfinsenら
に よる ウ シ膵 臓
変 性 再 生 実験 に よ っ て、 試 験 管 内 で他 の タ ンパ ク質 因
子 の補 助 な しに、 ジ ス ル フ ィ ド結 合 の形 成 を伴 っ た タ ンパ ク質 の フ ォー ル デ ィ ン グ
が起 こ りうる こ とが 示 され た(8)。 つ ま り、 ジス ル フ ィ ド結 合 の 形 成 は、 適 当 な酸 化
還 元 条件 下 で 「ひ と りで に」 起 こ りうる 。 と こ ろが 、1963年
に、 同 じ くAnfinsen
らは 、 試 験 管 内 で はRNaseAの
正 しい ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 の効 率 が 低 い こ と を問
題 と して 取 り上 げ(RNaseAは
ジ ス ル フ ィ ド結 合 を4個 含 む)、 細 胞 内 に ジ ス ル フ ィ
ド結 合 形 成 を補 助 す る酵 素 を探 した と ころ 、動 物 細 胞 の抽 出 液 中 に ジ ス ル フ ィ ド結
一1一
合 の異 性 化 に よっ て 正 しい ジ ス ル フ ィ ド結 合 の形 成 を促 進 す る酵 素proteindisulfide
isomerase(PDI)の
存 在 を見 い だ した(9)。 そ の 後 、 試 験 管 内 で精 製PDIが
ジス ル フ ィ
ド結 合 異 性 化 活 性 や シ ャペ ロ ン活 性 を有 して い る こ とが 示 され たが 、細 胞 内 で の働
き につ い て は近 年 まで不 確 か な ま まで あ った 。 一 方 、 大腸 菌 で は、 近 年 、細 胞 内 に
お け る ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 に 関 わ る 因子 の研 究 が急 速 に進 み 、 複 数 のdisulfide
bondformationfactor(Dsb因
子)が
働 い て 、 タ ンパ ク質 内 に効 率 よ くジ ス ル フ ィ ド
結 合 が 導 入 され る こ とが 明 らか に な っ た。 そ の後 、酵 母 等 の真 核 細 胞 内 で も大 腸 菌
のDsbシ
ス テ ム に きわ め て よ く似 た ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シス テ ムが 備 わ っ て い る
こ とが 明 らか に な りつ つ あ る(10)(11)。
細 胞 質 内 で は?:ジ
ス ル フ ィ ド結 合 は 、原 核 細 胞 で は ペ リプ ラズ ム空 間で(12)、
真 核 細 胞 で は小 胞 体 内腔 で 形 成 され 、 一 般 的 に細 胞 質 内 で は形 成 され ない(13)。 真
核 細 胞 、 原 核 細 胞 を問 わ ず 、細 胞 質 内 は還 元 的 な環 境 に保 た れ て い る 。 具体 的 に は、
チ オ レ ドキ シ ン還 元 酵 素 とチ オ レ ドキ シ ンか らな る 「チ オ レ ドキ シ ン シス テ ム」 や 、
グル タチ オ ン還 元 酵 素 、 グル タ レ ドキ シ ンか らな る 「グ ル タ レ ドキ シ ン シス テ ム」
等 の チ オ ー ル ・ジ ス ル フ ィ ド結 合 交 換 反 応 モ チ ー フCys-x-x-Cysを
持 つ酵 素群 の働
きで 、細 胞 質 内 で の タ ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 は 阻止 され て い る
(14)(15)(16)(17)。 この よ う な細 胞 質 にお け る還 元 力 はNADPHに
由 来 す る物 で あ り、
言 い換 えれ ば細 胞 の エ ネ ル ギ ー代 謝 に よ って 供 給 され てい る。 だが 例 外 的 に、細 胞
質 内 に も ジス ル フ ィ ド結 合 を持 つ タ ンパ ク質 は存 在 す る。 但 しそ れ らは構 成 的 で は
な く一 時 的 に ジス ル フ ィ ド結 合 を形 成 し、 ジス ル フ ィ ド結 合 の形 成 、 開裂 で 自身 の
酵 素 活 性 を調 節 して い る 。 つ ま り、 これ らの タ ンパ ク質 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 は、
タ ンパ ク構 造 を安 定 化 す る た め の もの で は ない 。 例 え ば酸 化 ス トレス下 で働 く転 写
因 子OxyR(18)や
細 胞 質 シ ャペ ロ ンHsp33(19)は
・ 通 常 ジス ル フ ィ ド結 合 を持 た ない が 、
酸 化 ス トレス 下 で は、 ジ ス ル フ ィ ド結 合 を形 成 して活 性 化 し、 機 能 を発 揮 す る(20)。
しか し、 ス トレス が 去 れ ば 、 これ らの 因 子 の ジス ル フ ィ ド結 合 は チ オ レ ドキ シ ン等
に よ り再 び還 元 され 、 酵 素 活 性 は不 活化 す る。
一2一
大 腸 菌 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シ ス テ ム:ま
ず 、大 腸 菌 で の ジス ル フ ィ ド結 合
形 成 に つ い て 説 明 す る 。大 腸 菌 で は、 新 た に合 成 され た タ ンパ ク質 は、 ペ リプ ラズ
ム空 間へ 分 泌 さ れ 、 ジ ス ル フ ィ ド結 合 を獲 得 す る。 正 しい ジス ル フ ィ ド結 合 の形 成
に は 、 ペ リプ ラ ズ ム 及 び細 胞 膜 に存 在 す る複 数 のDsb因
て い る。 ジ ス ル フ ィ ド結 合 導 入 因子 で あ るDsbA(21)(22)は
子(3)(5)が働 くこ とが 知 られ
、 ペ リプ ラズ ム空 間 に
存 在 す る可 溶 性 タ ンパ ク質 で あ り、活 性 部 位 に存 在 す るチ オ レ ドキ シ ン様 モ チ ー フ
(cys30-x-x-cys33)内
の ジ ス ル フ ィ ド結 合 を用 い て 、基 質 タ ンパ ク質 の シス テ イ ンを
直 接 酸 化 し、 ジス ル フ ィ ド結 合 を導 入 す る 。 そ の結 果 、DsbA内
は還 元 されDsbA自
の ジス ル フ ィ ド結 合
身 は不 活 化 す る が 、膜 タ ンパ ク質 で あ るDsbB(23)に
よっ て、 再 酸
化 ・リサ イ クル され る。 また 、分 泌 タ ンパ ク質 に誤 っ た組 み 合 わせ の ジ ス ル フ ィ ド
結 合 が 導 入 され た場 合 、DsbC(24)が
働 い て ジス ル フ ィ ド結 合 の掛 け替 え が行 わ れ 、
最 終 的 に分 泌 タ ンパ ク質 は正 しい 組 み 合 わせ の ジス ル フ ィ ド結 合 を形 成 す る こ とが
で きる。
真 核 細 胞 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シ ス テ ム:真
核 細 胞 で は、 タ ンパ ク質 の ジス
ル フ ィ ド結 合 形 成 は、小 胞 体 内腔 で起 こる 。小 胞 体(ER)内 は細 胞 質 に比べ て、 酸 化
的 な環 境 で あ る こ とが 知 られ て い る 。例 えば 、細 胞 内 の 主 要 な低 分 子 チ オ ー ル
ジ
ス ル フ ィ ド化 合 物 で あ る グル タチ オ ンの還 元 型 に対 す る酸 化 型 の 比(GSSG/GSH)を
細 胞 質 とER内 で比 較 す る と、細 胞 質 内 が1/30-1/100で
1/11/3と
あ る の に対 し、ER内
では
高 い(25)。 そ こで 、 これ らの低 分 子 酸 化 化 合 物 が 酸 化 力 の源 とな って新
生 分 泌 タ ンパ ク質 に ジス ル フ ィ ド結 合 を導 入 し、 そ の後PDIが 異 性 化 酵 素 と して働 き、
誤 った ジス ル フ ィ ド結 合 を掛 け替 え る の だ ろ う と以 前 は考 え られ て い た 。 しか し・
近 年 、 酵 母 で ジ ス ル フ ィ ド結 合 導 入 に必 須 な タ ンパ ク質性 の 因子Erolp(Endplasmic
Reticulumoxidation)(26)(27)が
遺 伝 学 的解 析 に よ って発 見 され 、 真核 細 胞 で も タ ン
パ ク質 性 の 因子 が ジス ル フ ィ ド結 合 の形 成 に働 くこ とが 示 され た・ そ の後 の解 析 か
ら、Ero1Pは
膜 結 合 型 のERタ
ンパ ク質 で あ り・PDIの1舌 性部 位 の シス テ イ ン を酸 化 し
てPDIを 酸 化 型 に維 持 して い る こ とが 示 さ れ た。 酸 化 型 のPDIは
・基 質 タ ンパ ク質 の
ジス ル フ ィ ド結 合 の 「掛 け 替 え」 で は な く、 「形 成 」 に働 くと考 え られ る・ この よ
一3一
う に 、真 核 生 物 にお い て も大 腸 菌 で 我 々 な どに よっ て 明 らか に され た機 構 と類 似 の
シ ス テ ム が 示 唆 され る に至 っ た、 こ れ につ い て は 「考 察 」 の項 で 詳 し く論 じる。
1-3.大
Dsb因
腸 菌 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シ ス テ ム の 発 見
子 の 中 で は 、 まず最 初 にDsbAが
発 見 され た。DsbAは
、2つ
の グル ー プの
異 な る遺 伝 学 的 手 法 に よ って 同時 期 に見 い だ され た。
我 々 の グ ル ー プ の神 谷 ら(22)は、 ペ リプ ラズ ム タ ンパ ク質 で あ る アル カ リ性 フ ォス
フ ァ ター ゼ(PhoA)の
構 造 形 成 に必 要 な 因子 の分 離 を 目的 と して 、PhoAの
性 を低 下 させ る変 異(吻
朋5bA)を
同定 した。PhoAは
酵素 活
、 ペ リ プ ラズ ム空 間 で2組
の ジス ル フ ィ ド結 合 を形 成 し、 プ ロ テ ア ーゼ に耐 性 な活 性 構 造 を獲 得 す る 。 しか し
45m変
異 株 中 で は 、PhoAは
ジス ル フ ィ ド結 合 を形 成 で きず 、酵 素 活 性 を発 揮 で き
な い(22)(28)。 この様 にDsbAはfη
とが 示 され た。 精 製DsbAがfη
伽oで ジ ス ル フ ィ ド結 合 導 入 因子 と して機 能 す る こ
碗 アoでPhoAの
ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 を促 進 す る こ
と も示 され た(29)。
同 時 期 にBeckwithグ
ル ー プ のBardwellら
も、DsbAを
発 見 した(21)。 彼 らは 、膜 タ
ンパ ク質 の 膜 へ の組 み込 み を補 助 す る 因子 の分 離 を 目的 と し、細 胞 質 タ ンパ ク質 で
あ る β一 ガ ラ ク トシ ダー ゼ を膜 タ ンパ ク質MalFの
ペ リ プ ラズ ム ドメ イ ン に融 合 し
た ハ イ ブ リ ッ ドタ ンパ ク質 を用 い 、 β一 ガ ラ ク トシ ダー ゼ活 性 を上 昇 させ る変 異 と
して4曲A遺
伝 子 を同 定 した。 そ の理 由 は少 し複 雑 だ が 、次 の よ う に考 え られ て い る。
野 生株 中で は、 融 合 タ ンパ ク質 の β一 ガ ラ ク トシ ダー ゼ部 分 が ペ リ プ ラズ ム領 域側
に 移行 し、DsbAに
よ ってN末
端 部 分 の シ ス テ イ ン残 基 問 に ジス ル フ ィ ド結 合 が 導 入
され 、 そ の 結 果 、 β一 ガ ラ ク トシ ダ ーゼ のN末 端 部 分 の ペ リ プ ラズ ム 局 在 が 安 定 化
され る 。 膜 に組 み込 まれ て い る状 態 の β一 ガ ラ ク トシ ダー ゼ は活 性 の あ る四 量 体 構
造 を と る こ とが で き ない 。 しか し、4訪A遺
伝 子 が欠 損 して い る と、 ジス ル フ ィ ド結
合 に よ るペ リプ ラズ ム側 で の 構 造 の安 定 化 が な い た め に、細 胞 質 内 で β一 ガ ラ ク ト
シ ダー ゼ 部 分 の フ オー ル デ ィ ングが 進 行 し、最 終 的 に、細 胞 質側 に局 在 して酵 素 活
性 を発 揮 す る もの と考 え られ る。
以 上 の よ う に して見 い だ され たDsbAは
、PhoA以
一4一
外 に も、 そ の 後様 々 な細 胞 表 層
タ ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 に 関与 して い る こ とが 明 らか に され た。DsbA
は、 大 腸 菌 の 分 泌 タ ンパ ク質 一 般 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 に関 わ っ てい る もの と考
え られ る。 ま た、45わA遺 伝 子 は2つ
の プ ロ モ ー タ を持 って お り、片 方 は細 胞 表 層 の
ス トレス応 答 系 で あ るCpxA-CpxRtwocomponentsystemの
制御 下 にあ る こ とが 明
らか に な っ て い る(30)。
Beckwithら
の グル ー プ は、45幽
発 見 した(23)。 彼 らはDsbBが
遺 伝 子 を発 見 した 同様 の方 法 で 、45協 遺 伝 子 を
還 元 型DsbAを
再 酸 化 して リサ イ クル す る役 割 を持 つ
こ とを示 唆 した 。次 に、 当研 究 室 の岸 上 ら、 お よびBeckwith研
て 、DsbBが
のGuilhotら
に よっ
自 らの 分子 内 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 を用 い て 、 直接 、還 元 型DsbAを
再酸
化 す る こ とが示 され た(31)(32)。 詳 し くは 、後 述 す る。
一 方 、Rainaら
の グル ー フ.は、 上 記 とは異 な る遺 伝 学 的手 法 か らDsb因
した。 彼 らは、 還 元 剤 ジ チ オ ス レイ トー ル(DTr)を
含 む培 地 中 で生 育 で きな くな る
変 異 株 を探 索 し、45わA、4訪B両 遺 伝 子 を同定 した(33)。 また 、4曲A欠
45認 欠 損 変 異株 を用 い て 、DTTを
レ ッサ ー 遺伝 子 を探 索 し、45bC遺
4sわA欠 損 変 異株 のDTr感
に変 異 を見 い だ し、4曲D遺
損変異株 、
含 む培 地 中 で の生 育 欠損 を補 うマ ル チ コ ピー サ プ
伝 子(34)、4訪G遺
伝 子(35)を 発 見 した。 一 方 、
受 性 を抑 制 す る欠損 型変 異 の探 索 を行 い 、躍訪D遺
伝 子 を同 定 した(36)。 このDsbDは
合 成 に必 要 な 因子 と して 同定 され て い たDipZと
DsbA/DsbBシ
子 を同定
伝子 内
、 チ トク ロ ー ムCの 生
同 一 で あ った(37)。
ス テ ム につ い て は後 に詳 し く記 述 す るの で 、 まず 、DsbC,DsbDの
機
能 につ い て概 説 す る 。
ジ ス ル フ ィ ド結 合 異 性 化 酵 素DsbC:45わC遺
ク質DsbCは
、Creightonら
伝 子 産 物 で あ るペ リ プ ラズ ム タ ンパ
に よる生 化 学 的解 析 に よ り、fη循 γoで高 い ジ ス ル フ ィ ド
結 合 異性 化(掛
け替 え)活
性 を持 つ こ とが 示 され た(38)。 また 、 当研 究 室 の 曽根 らは、
1ηη勿oでDsbCの
役 割 を解 明 した。 彼 らはPhoAの
変 異 体 を用 い て 、DsbAに
入 され た ジ ス ル フ ィ ド結 合 が 間違 っ て い る場 合 、DsbCが
ジス ル フ ィ ド結 合 を掛 け替
え 、誤 りを正 す こ と を明 らか に した(24)。 また最 近 、DsbCの
DsbCは
ホモ ダ イマ ーで 機 能 す る が 、結 晶構 造 よ りそ の2量
一5一
よ って 導
結 晶構 造 が 発 表 され た。
体 は活 性 部 位 を両 端 に持
つV字
型 の 構 造 を 取 っ て い た 。 そ の ヒ ン ジ 部 分 はbroadunchargedcleftを
形 成 してお
り 、 基 質 と の 結 合 や フ ォ ー ル デ ィ ン グ 促 進 に 関 与 す る よ う だ(39)。DsbCホ
あ るDsbG(28%のidentity.56%のsimilality)も
モ ロ グで
同 様 にfηηff70での ジ ス ル フ ィ ド結 合 の
異 性 化 活 性 を 持 ち(40)、 ホ モ ダ イ マ ー で 機 能 す る 。 ま た 、DsbC(41),DsbG(42)共
に'η
η伽oで シ ャ ペ ロ ン 活 性 を 有 し て い る こ と も 報 告 さ れ て い る 。
DsbC,DsbG,チ
DsbDは
ト ク ロ ムC等
の ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 還 元 す る 酵 素DsbD:
、 細 胞 質 か らペ リ プ ラ ズ ム 空 間 へ 還 元 力 を提 供 す る膜 タ ン パ ク 質 で あ る 。
DsbD(Dipz)は
ペ リ プ ラ ズ ム タ ン パ ク 質 チ ト ク ロ ー ムCの 成 熟 に 必 須 で あ り 、 チ ト ク
ロ ー ムCの ヘ ム 結 合 部 位 の シ ス テ イ ン を ヘ ム と 結 合 で き る よ う 還 元 状 態 に 保 っ て い る 。
ま た 、DsbDは
、DsbC(43)(44)、DsbGも
基 質 と して お り、 こ れ ら の 酵 素 の 活 性 部 位
を 還 元 状 態 に 保 っ て い る(40)。 ジ ス ル フ ィ ド異 性 化 酵 素 が 異 性 化 活 性 を も つ た め に は 、
活 性 部 位 の シ ス テ イ ン が 還 元 さ れ て い な け れ ば な ら ず 、DsbDの
DsbGの
ジ ス ル フ ィ ド異 性 化 活 性 に 必 須 で あ る 。DsbDの
還 元 作 用 はDsbC,
持 つ還 元 力 は、細 胞 質 内 の
レ ド ッ ク ス 環 境 を 調 節 し て い る 機 構 の1つ で あ る チ オ レ ドキ シ ン シ ス テ ム に 依 存 し て
お り細 胞 質 内 のNADPHか
DsbDに
ら 供 給 さ れ る(45)(44)。
よ っ て 、 細 胞 質 内 か ら ペ リ プ ラ ズ ム へ と膜 を横 切 っ て 供 給 さ れ る 。 還 元 力 の
伝 達 機 構 に つ い て は 議 論 が あ っ た が 、 近 年 、DsbD全
た6つ
こ の 還 元 力 は8回 膜 貫 通 領 域 を 持 つ
域 に わ た っ て 存 在 す る保 存 さ れ
の シ ス テ イ ン に よ っ て 受 け 渡 さ れ る と の 説 が い く つ か の グ ル ー プ か ら提 唱 さ
れ て い た(46)(47)(48)。
最 近 、Beckwithら
て 、 そ の 説 は 実 証 さ れ た(49)(50)。DsbDは
ラ ズ ム ド メ イ ン に2つ(Cys103,Cys109)、
通 部 位 に 一 つ(cys285)、c末
い る 。Beckwithら
はNお
共 発 現 さ せ て もDsbD活
お よ びMissiakasら
DsbDのCys→Ser置
Cys103とDsbCが
の グル ー プ に よっ
機 能 に 必 須 な シ ス テ イ ン を 、N末
端 ペ リプ
第 一 膜 貫 通 部 位 に 一 つ(Cys163)・
第 四膜 貫
端 ペ リ プ ラ ズ ム ド メ イ ン に2つ(cys461,cys464)持
って
よ びC末
端 ドメ イ ン、 膜 貫 通 ドメ イ ン を そ れ ぞ れ 分 割 して
性 が 見 られ る こ と に 気 づ き、 こ れ ら の シ ス テ イ ン 問 の ジ ス ル
フ ィ ド結 合 の 授 受 反 応 を 調 べ た 。 一 方 、Missiakasら
ド キ シ ン(TrxAin細
の2つ
胞 質)、DsbC(inペ
は 、DsbDの
基 質 で あ るチ オ レ
リ プ ラ ズ ム)のCys→Ser置
換 変 異 体 と、
換 変 異 体 を 組 み 合 わ せ て ・DsbDのCys285とTrxA・DsbDの
ジ ス ル フ ィ ド中 間 体 を形 成 す る こ と を示 した 。 即 ち ・ こ れ ら二 っ の
一6一
グ ル ー プ の 結 果 か ら 、 電 子 は 細 胞 質 の チ オ レ ド キ シ ン か ら 、TrxA→DsbD[Cys163Cys285]→DsbD【Cys461-Cys464】
領 域 のDsbCま
→DsbD【Cys103-Cys109]→DsbCと
、 ペ リ プ ラズ ム
で 伝 達 さ れ る こ と が 明 ら か に さ れ た(図1)。
国戸・
C7D5bD
DsbCL
poriPla3m
§一
〒書
一乳 一 含
2-S4
C6
,'
'
C5
S
membrane
翻
S
C3
NADP
cytOμa3m
一一
TrxB
図1DsbDに
§
昌{司
よ っ て 触 媒 さ れ る膜 を横 切 っ た 電 子 授 受
矢 印 は 電 子 の 流 れ を示 して い る 。
チ オ レ ドキ シ ン還 元 酵 素(TrxB)に
cys163(c3)-cys285(c5)を
よ っ て 還 元 さ れ た チ オ レ ドキ シ ン(TrxA)はDsbDの
還 元 し 、 与 え ら れ た 電 子 はDsbDのcys461(c6)-cys464(c7)を
して 、DsbDのcyslo3(c1)-cyslo9(c2)へ
受 け 取 ら れ る 。 そ の 後 、Dsbcの
経由
ジ ス ル フ ィ ド結 合
を還 元 す る。
K7μρρノR.εfαZ.(2000♪
弄B∫oZ.C舵 η1(fηρ7855♪
よ り抜 粋(50)
1-4.ジ
DsbAは
ス ル フ ィ ド 結 合 導 入 因 子DsbA
、21kDaの
可 溶 性 ペ リ プ ラ ズ ム タ ン パ ク 質 で あ り 、 チ オ レ ドキ シ ン 等 多 く
の 酸 化 還 元 酵 素 に 共 通 に 存 在 す る モ チ ー フCys-X-X-Cys(Cys30-Pro-His-Cys33)を
性 部 位 に も つ 。DsbAのX線
結 晶 解 析 は1993年
に 発 表 さ れ て お り 、DsbAは
活
チ オレ ド
キ シ ン と 一 次 配 列 上 は 相 同 性 が 低 い に も か か わ ら ず 、 立 体 構 造 で は チ オ レ ドキ シ ン
に 類 似 し て い る こ と が 明 ら か と な っ た(51)。DsbAは
チ オ レ ドキ シ ン に似 た チ オ レ ド
キ シ ン ド メ イ ン と 、 数 本 の αヘ リ ッ ク ス か ら な る キ ャ ッ プ ド メ イ ン か ら 成 っ て お り 、
活 性 部 位 は 二 つ の ド メ イ ン 間 に 形 成 さ れ るhydrophobicgrooveの
-7一
中 に 位 置 して い る 。
DsbAは
こ の 疎 水 性 の ポ ケ ッ トで 新 生 分 泌 タ ン パ ク 質 と 相 互 作 用 し
合 の 導 入 を 行 っ て い る と考 え ら れ る 。DsbAは
、 生 化 学 研 究 者 の 格 好 の研 究 対 象 と
な り ・fη ηjfアoで
詳 細 な 研 究 が 行 わ れ た 。 ま ず 、 精 製DsbAが
PhoA(29)・hirudin(52)・RNaseA(29)(52)
、mutantlysozyme(54))の
DsbAの
、 ジ ス ル フ ィ ド結
試 験 管 内 で 様 々 な 基 質(
、BovinePancreaticTrypsinh止ibitor(53)
ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 を 促 進 す る こ と が 示 さ れ た 。
活 性 部 位 に 形 成 さ れ る ジ ス ル フ ィ ド結 合 は 、 通 常 の タ ン パ ク 質 の ジ ス ル フ ィ
ド結 合 に 比 べ て103倍
高 い 反 応 性 を 持 つ こ と が 明 ら か に さ れ た(55)。 ま た 、DsbAの
活 性 部 位 の シ ス テ イ ン 残 基 の 反 応 性 を 示 すpKaと
、 酸 化 還 元 電 位 、 そ し てDsbAの
熱 力 学 安 定 性 が 調 べ ら れ た(56)(57)(58)(59)。DsbAの
約3.5と(通
常 の タ ン パ ク 質 分 子 中 の 平 均 値8.6に
活 性 部 位 のCys30のpKaは
比 べ て)極
い チ オ レ ー トア ニ オ ン に な り や す い(56)。 ま た 、DsbAの
あ り 、PDI(-175mV),チ
240mV)(60),シ
オ レ ド キ シ ン(-270mV),グ
端 に低 く、 反 応 性 の 高
酸 化 還 元 電 位 は 一124mVで
ル タ チ オ ン(Glu-Cys-Gly;-
ス テ イ ン(-220mV),DTT(-330mV)(58)に
比 べ て 非 常 に 高 く 、DsbAの
強 い 酸 化 力 を 示 し て い る(57)。 さ ら に 、 熱 力 学 的 安 定 性 で は 、DsbAは
酸 化 型 よ り も22.7kl/mol安
、
定 で あ っ た(58)。 つ ま り 、DsbAは
還元型の方が
、 自 身 が 還 元 され や
す く 、 基 質 を 酸 化 しや す い 性 質 、 即 ち 、 基 質 か ら電 子 を奪 い や す い 性 質 を 持 つ 。 こ
の よ う なDsbAの
強 い 酸 化 力 に は 、 活 性 部 位CXXCモ
チ ー フ の 内 部 のXX配
わ ちPro-His配
列 が 寄 与 し て い る こ と が 明 ら か と な っ て い る(59)。
1-5.DsbAの
細 胞 内 で の 酸 化 還 元 状 態
DsbA自
列、す な
身 は還 元 型 の方 が 安 定 で あ る とい う性 質 を もつ が 、細 胞 内 で は どの よ うな
状 態 を と って い るの だ ろ うか 。 以 前 、 細 胞 内 のDsbAは
、 還 元 型 と酸 化 型 が 混在 した
状 態 に あ る との報 告 が あ っ たが 、 当研 究 室 の 岸 上 らは、 この 結 果 は細 胞 破 砕 後 に人
工 的 な還 元 反 応 が起 こ っ た ため に生 じた誤 りで あ る こ とを示 し、DsbAが
野生株細
胞 内 で ほ ぼ全 て酸 化 型 に保 たれ て い る こ とを明 らか に した(61)。 岸 上 らは、 トリク
ロ ロ酢 酸(TCA)で
同 時 にSH基
細 胞 の 全 タ ンパ ク質 を変 性 状 態 に した後 ・SDS溶
修 飾 試 薬(ヨ
ー ドア セ トア ミ ド;IAA)で
液 に溶 解 す る と
フ リーの シス テ イ ンのSH基
をブ ロ ック して実 験 操 作 中 の 人 工 的 な酸 化 を防 ぎ、 そ の後 、 非 還 元状 態 で のSDS一
一8一
PAGE,ウ
エ ス タ ンブ ロ ッテ ィ ン グで見 分 け る方 法 を用 い た。 この 方 法 で は 、TCA処
理 に よっ て全 て の タ ンパ ク質 を変 性 す る た め 、様 々 な他 の 因 子(例
えばDsbAが
」
η
η蜘 で は 出会 う こ との ない 細 胞 質 酵 素 な ど)も 全 て失 活 して い るの で 、他 の 因子 に
よる ア ー テ ィ フ ァク トが 起 こ りよ うが な い 。 また 、TCAは
下 でSH基
は安 定 で あ り人 工 的 な酸 化
強酸 で あ る た めTCA処
理
還 元 は受 け な い。 非 還 元 状 態 でSDS-PAGEを
行 う と、分 子 内 ジス ル フ ィ ド結 合 を持 つ タ ンパ ク質 は 、分 子 の形 状 に よる効 果 で移
動 度 が 大 き くな る。 以 上 の手 法 を用 い てDsbAのL・
ドック ス状 態 を調 べ 、DsbA自
体
の 単 独 の性 質 と して は還 元 型 の方 が 安 定 な の に もか か わ らず 、 細 胞 内 で は ほ とん ど
全 て のDsbAが
酸 化 型 に保 持 さ れ て い る こ とが 明 らか に され た。 つ ま り、DsbAは
分
泌 タ ンパ ク質 に作 用 し還 元 さ れ るが 、 細 胞 内 で は効 率 的 に再 酸 化 され てい る と考 え
られ る 。45協 欠損 変 異株 中で はDsbAが
の酸 化 は膜 タ ン パ ク質 で あ るDsbBの
1-6.DsbB:DsbAリ
次 にDsbBの
が 、45bB欠
膜 を4回
働 きに よる こ とが 示 され た。
サ イ ク ル 因 子
機 能 解 析 が 行 わ れ た 。 野 生 株 中 でDsbAは
損 変 異 株 中 でDsbAの
DsbBがDsbAの
DsbAと
全 て還 元 型 と して存 在 す る こ とか ら、DsbA
全 て が 還 元 型 で 蓄 積 す る こ と が 示 さ れ(23)(61)、
再 酸 化 ・ リ サ イ ク ル 因 子 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 次 い で 、DsbBは
直 接 シ ス テ イ ン を 介 し て 相 互 作 用 す る こ と が 示 さ れ た(31)(32)。DsbBは
貫 通 し て い る20kDaの
って い る 。 そ れ らは い ず れ もペ リ プ ラズ ム
側 に 配 置 し て お り(62)、 前 者 の2つ
は チ オ レ ドキ シ ン 様 モ チ ー フ(Cys41-Va1-Leu-
形 成 し て い る 。 岸 上 ら は 、DsbAの
ン に 変 換 し た 変 異 体DsbA【C33S]を
活 性 部 位(cys30-cys33)のcys33を
細 胞 内 で 発 現 さ せ る と 、DsbAとDsbBが
ド結 合 を 介 し た 複 合 体 を 形 成 す る こ と 、 ま た 、DsbA[C30S]で
形 成 し な い こ と か ら 、DsbAはCys30を
を 示 し た 。DsbA[c33s}DsbBジ
め にDsbA-DsbB問
、
膜 タ ンパ ク 質 で あ り、 そ の 機 能 に必 須 な シ ス テ イ ン
を4つ(Cys41,Cys44,Cys104,Cys130)も
cys44)を
全 て酸 化 型 に保 た れ て い る
使 っ てDsbBと
セ リ
ジスル フィ
は こ の よ う な複 合 体 を
ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 作 る こ と
ス ル フ ィ ド複 合 体 は 、DsbAのcys33が
存 在 しない た
の ジ ス ル フ ィ ド結 合 が 開 裂 で き ず 、 蓄 積 し た 結 果 、 検 出 さ れ た の
だ ろ う 。 こ の 複 合 体 は 野 生 型DsbAに
お い て もDsbBに
一9一
よる酸 化 反応 の 中 間体 と して
形 成 さ れ る と 考 え ら れ る 。 し か し 、 分 子 間 ジ ス ル フ ィ ド結 合 は す み や か に 開 裂 し 、
DsbAは
ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 獲i得 す る 。 次 に 、 岸 上 ら はDsbBの
DsbAのcys30が
結 合 す る の か を つ き と め る た め に 、DsbBの
どの シ ス テ イ ン と
活 性 部位 の 各 シス テ イ
ン 残 基 を セ リ ン に 変 換 し た 変 異 体DsbB(DsbB[C41S]、DsbB[C44S]、DsbB【C104]、
DsbB[C130S])を
DsbB[C104S]の
cys30は
作 成 し 、DsbA[C33S]と
み が 細 胞 内 で 複 合 体 を 形 成 し な か っ た 。 こ の こ と か ら 、DsbAの
、DsbBのcyslo4と
直 接 結 合 す る こ と が 示 さ れ た 。 ま た 岸 上 ら は 、DsbB
お よ び そ の 変 異 体 を 用 い てDsbBの
細 胞 内 で も45鵬
の 複 合 体 形 成 能 を 調 べ た 。 す る と、
細 胞 内 で の 酸 化 還 元 状 態 を 調 べ 、DsbBが
欠 損 株 細 胞 内 で も酸 化 型 と し て 存 在 し、 少 な く と も一 組 の ジ ス ル フ ィ
ド結 合 を 持 っ て い る こ と を 示 し た(63)。 従 っ て 、DsbBの
合 は 、 一 般 の タ ン パ ク 質 と は 異 な り、DsbA以
こ と が 予 測 さ れ た 。(む
DsbBの
野 生株
し ろDsbAが
て い るCys41とCys104ま
た はCys130と
さ れ た 。 以 上 の 結 果 か ら 、DsbBの
か ら 、cyslo4,cys130へ
外 の何 者 か が 働 い て 導 入 さ れ て い る
多 い と 、DsbBは
酸 化 基 質 で あ る と 考 え ら れ た 。)ま
活 性 部 位 の ジ ス ル フ ィ ド結
還 元 さ れ て お り、DsbAは
た 、 変 異 体DsbB【C44S】
内 で は、 残 存 し
の 間 で 異 常 な ジ ス ル フ ィ ド をつ くる こ とが 示
分 子 内 で は 、 バ ケ ツ リ レ ー の よ う にcys41,cys44
と ジ ス ル フ ィ ド結 合 の 転 移(分
子 内 酸 化 還 元 反 応)が
起 こっ
て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 以 上 の よ う な 実 験 結 果 に基 づ き 、 我 々 の 研 究 室 で は 、
次 の モ デ ル を 提 案 し た 。DsbBはc末
端 側 のcyslo4-cys130を
接 酸 化 す る 。 そ の 結 果 還 元 さ れ たcyslo4、cys130を
、N末
使 っ て 、DsbAを
端 側 のcys41-cys44が
再 酸 化 す る 。 つ ま り、 電 子 は次 の よ う に流 れ る と考 え ら れ る 。 分 泌 タ ン パ ク 質 →
DsbA→DsbB(Cys104-Cys130)→DsbB(Cys41-Cys44)(図2)。
一10一
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nE
.c
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図 2 Dsb
Al
DsbBジスルフィド結合形成システムと DsbCによる異性化
1
1
-
1-7・ 本 研 究 で 取 り 上 げ た 問 題 点:Dsbシ
ス テ ム と呼 吸 鎖
しか し何 が こ の系 に全 体 的 な酸 化 力 を与 え るの か は、 全 く明 らか に な って い なか っ
た 。分 泌 タ ンパ ク質 か らDsbAへ
け取 られ るの で あ ろ うか?上
伝 達 され た 電子 は 、DsbBを
記 の モ デ ル で言 えば 、DsbBのcys41とcys44は
よ う に して 再 酸 化 され る の だ ろ うか 。 つ ま り、DsbBの
だ ろ うか?こ
経 て最 終 的 に何 に受
どの
リサ イ クル 因子 は存 在 す る の
の 疑 問 点 を解 決 す る た め に、私 は本 研 究 を行 っ た。 また 、次 の よ うな
疑 問 も持 って い た。 なぜ 、 細 胞 はDsbBを
直接 基 質 タ ンパ ク質 に作 用 させ ず 、DsbA
を介 して 基 質 タ ンパ ク質 に ジ ス ル フ ィ ド結 合 を導 入 す る とい うシス テ ム を使 って い
る の だ ろ うか?そ
してDsbAが
(モ ル)比
の 理 由 と して考 え られ る の は、DsbBが
膜 タ ンパ ク質 で あ るの に対
可 溶性 タ ンパ ク質 で あ り比 較 的 自由 に移 動 で きる こ と、 また細 胞 内 の量
はDsbBに
用 す る よ りも、DsbAを
対 してDsbAが
究 で は 、DsbBが
過 剰 に存 在 してお り、DsbBは
直接 基 質 と相 互 作
リサ イ クル す る方 が 効 率 的 で あ る こ と、 で あ る 。 さ らに本 研
なぜ 膜 タ ンパ ク質 なの か に対 す る解答 を提 示 した。Dsbシ
ステムの
酸 化 力 の源 が 、膜 内 にあ った の で あ る。
本研 究 で 、私 は 、 呼吸 鎖 電子 伝 達系 に着 目 し、膜 内 で機 能 して い る 呼吸 鎖 にDsb
シス テ ム か ら電 子 が流 れ る可 能性 を考 え 、大 腸 菌 の 呼吸 鎖 欠損 変 異 株 を用 い て呼 吸
鎖 機 能 が 欠 損 して い る状 態 で のDsbAの
酸 化 還 元 状 態 を調 べ た。 まず 、DsbAの
酸化
還 元 状 態 を見 分 け る方 法 を改 良 した 。私 は あ る程 度 の分 子 量 を持 つSH基 修 飾 試 薬
4-acetamido-4'-maleimidylstilbene-2,2Ldisulfonate(AMS)を
増 加 させ る こ とに よっ て 、SDS-PAGEに
用 い 、還 元 型 の分 子 量 を
よ り酸 化 型 と還 元 型 を明確 に見 分 け る方 法
を 開発 した 。 そ して、 こ の方 法 を用 い て 、呼 吸 鎖 機 能 欠 損 状 態 の細 胞 で は、 本 来 酸
化 型 に維 持 され てい るDsbAが
還 元 型 で蓄 積 す る こ と、 分 泌 タ ンパ ク質 の ジ ス ル フ ィ
ド結 合 形 成 不 全 が起 こ る こ と、 ま た 、DsbBは
、DsbAと
ジ ス ル フ ィ ド複 合 体 を形 成
して機 能 を失 う こ とを示 した。 この結 果 に よ り、 私 は、 呼 吸 鎖 電 子 伝 達 系 の機 能 が 、
分 泌 タ ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 に 関与 して い る とい う事 実 を初 め て 明 らか
に した(64)。 そ の後 、DsbBの
通 常2つ
酸 化 還 元 状 態 をAMS法
を用 い て詳 し く調 べ 、DsbBが
ジス ル フ ィ ド結 合 を形 成 して い る こ と、 第 ニ ペ リプ ラズ ム ドメ イ ンの
一12一
cyslo4-cys130の
cys41-cys44の
ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 は 、 第 一 ペ リプ ラズ ム ドメ イ ンにあ る
存 在 に依 存 して い る こ とをみ い だ した。 最 終 的 に、cys41-cys44は
呼
吸 鎖 に よ っ て強 く酸 化 され て い る こ とを明 らか に した(65)。DsbBのcys41-cys44は
見 か け上 還 元 剤DTTに
よ る還 元 を受 け な いが 、 この性 質 は呼 吸 鎖 機 能 と酸 素 の存 在
に依 存 して い る こ とか ら、 呼 吸 鎖 はDsbBのcys41-cys44を
示 した 。 以 上 の 我 々 の発 表 の後 、Bardwellグ
DsbAの
強 く酸 化 して い る こ とを
ル ー プのBaderら
は、DsbBに
よる
酸 化 反 応 を∫
η碗 γoでア ッセ イ し(66)、加 η∫fγoで
呼 吸 鎖 キ ノ ン,精 製DsbBに
て 精 製DsbAが
よっ
酸 化 され る こ と(67)、 この 系 に基 質 タ ンパ ク質 が 共存 す る と、基 質 タ
ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 が 進 行 す る こ とを示 した(68)。 この よ うに、Dsbシ
ス テ ムへ の 呼 吸 鎖 の 関与 が 我 々 の グ ル ー プ に よっ て初 め て 明 らか に され、 次 い で
Bardwellグ
ル ー プ に よ りキ ノ ンの直 接 関与 が示 され た。 次 に我 々 は、 呼 吸 鎖 キ ノ ン
が どの よ うに してDsbBを
酸 化 す るか 、 そ の作 用機 構 の解 明 を 目指 し、DsbBの
変異
体 を多 数 作 成 、 呼吸 鎖 との カ ップ リ ングが 上 手 くい か ない た め に還 元 型 と して蓄 積
す るDsbB変
異 体 を初 め て分 離 した。 そ してCXXCモ
チ ー フのC末 端側 と膜 貫 通領 域
との 問 の 距 離 が 呼 吸 鎖 キ ノ ン との相 互 作 用 に重 要 で あ る とい うモ デル を提 唱 した
(69)。
以 上 の 結 果 よ り、 私 は本 研 究 で 、 ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 シス テ ム に呼 吸 鎖 が 関与
して い る こ と を初 め て 明 らか に し、酸 素 か らの酸 化 力 は呼吸 鎖 を介 し、 呼吸 鎖 キ ノ
ン→DsbB(cys41-cys44)→DsbB(cyslo4-cys130)→DsbA→
さ れ る こ と を見 い だ した。 また、 変 異 体 解 析 でDsbBが
分 泌 タ ンパ ク質へ と伝 達
呼 吸 鎖 キ ノ ンか ら酸 化 力 を受
け取 る た め に重 要 な領 域 を同定 した 。本 研 究 は 、 タ ンパ ク質 フ ォー ル デ ィ ング の1
反 応 に細 胞 の 基 本 的 メ タボ リズ ム が 直接 カ ップル して い る とい う興 味 深 い事 実 を初
め て 明 らか に した もの で あ る。
一13一
第2章
結果
24.Dsbシ
ス テ ム と呼 吸 鎖
DsbA/DsbBジ
ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シ ス テ ムが 匡常 的 に機 能 す る ため に 、 この系 に
全 体 的 な酸 化 力 を与 え、 この系 か ら放 出 され る電 子 を受 け取 る機構 が存 在 す るは ず
で あ る。 私 は 、 この機 構 に呼 吸 鎖 が 関 与 す る可 能性 を調 べ る ため 、 呼吸 鎖 の変 異 株
を用 い 、 呼 吸 鎖 機 能 が 欠損 した状 態 でDsbA/DsbBシ
ス テ ム が正 常 に働 くか ど うか を
調 べ た。
1.DsbAの
酸 化 還 元 状 態 の解 析 方 法
まず 最 初 に、 私 はDsbAの
酸 化 還 元 状 態 を見 る方 法 を改 良 した。 以 前 はDsbAの
酸
化 型 、 還 元 型 を見 分 け る た め に、主 に次 の二 つ の方 法 が 用 い られ てい た。 一 つ は シ
ス テ イ ンのSH基
を ヨー ド酢 酸 で修 飾 し、電 気 泳 動 を行 っ て ヨー ド酢 酸 に 由来 す る電
荷 の変 化 で 、修 飾 され た分 子(還
元 型)と
され なか っ た分 子(酸
化 型)を
見 分 ける
方 法(55)、 も う一 つ は、 ジ ス ル フ ィ ド結 合 に よる ポ リペ プ チ ド鎖 の拘 束 に 由来 す る
SDS-PAGEの
移 動 度 の 違 い で見 分 け る もの で あ る。 後 者 の 方 法 の 場 合 、SH基
薬 ヨー ドアセ トア ミ ド(IAA)で
フ リー の シス テ イ ンを ブ ロ ック して人工 的 な酸 化 を
防 ぎ、 還 元 剤 を加 え ない 非 還 元 状 態 下 でSDS-PAGEを
DsbAの
修飾試
行 う(70)。 これ らの 方 法 は精 製
酸 化 型 、還 元 型 を見 分 け る方 法 と して有 効 で あ るが 、細 胞 内 のDsbAの
を調 べ る に は 、 も う一工 夫 必 要 で あ る。Bardwellら
状態
は、細 胞 か らペ リプ ラズ ム分 画
を調 製 後 、 上 記 の ヨー ド酢 酸 を用 い た ア ッセ イ を行 い 、DsbAは
細 胞 内 で酸 化 型 と還
元 型 が 混 在 して い る と発 表 した 。 一 方 、 当研 究室 の岸 上 らは、彼 らの 方 法 で はペ リ
プ ラズ ム分 画 調 製 時 にDsbAが
人工 的 な還元 を受 け て しま うた め 、DsbAの
状 態 を正 確 に調 べ る に は 、細 胞 を直接TCA(ト
酸化還元
リク ロ ロ酢 酸)で 処 理 し、全 タ ンパ ク
質 を変 性 ・沈 殿 させ る必 要 が あ る こ とを示 した(61)。 この 方 法 の ポ イ ン トは、 すべ て
の タ ンパ ク質 を細 胞 内 の酸 化 還 元 状 態 の ま ま変 性 させ る こ と と、TCA(強
一14一
酸 性)中
で は シ ス テ イ ンのSH基
岸 上 らは 、TCA沈
SDS-PAGEを
は安 定 で あ り、 人 工 的 な酸 化 還 元 は起 こ らな い こ とで あ る。
殿 後 、全 タ ンパ ク質 をIAAを
行 う方 法 で 、DsbAが
含 むSDS溶
液 に溶 か し非 還 元 状 態 の
細 胞 内 で は全 て酸 化 型 に保 た れ て い る こ とを明 ら
か に した(61)。 しか し、 この 方 法 に もDsbAの
酸 化 型 ・還 元 型 の移 動 度 の差 は微 妙 で
あ る とい う欠 点 が あ った た め 、 よ り明 確 に両 者 を区別 す る方 法 の 開発 が 望 まれ た。
私 は 、森 博 幸 博 士(当 時 東 京 薬 大 、現 在 本 研 究 室 助 手)の
SH基
セ ミナ ー講 演 の 中 に 、
修 飾 試 薬 で あ る4-acetamido-4Lmaleimidylstilbene-2,2Ldisulfonate(AMS(71))
に よる シス テ イ ンのSH基
の修 飾 が 、SDS-PAGEに
お け る タ ンパ ク質 の移 動 度 を大 幅
に遅 らせ る こ とを示 す デ ー タが含 まれ て い るの に気 づ き(72)、 この方 法 を、DsbAの
酸 化 型 ・還 元 型 の分 離 に適 用 した 。AMSは536Daの
ス テ イ ンを2つ
持 つDsbAの
還元 型 は約1kDa分
分 子 量 を持 つ た め 、 フ リー の シ
の移 動 度 の遅 れ が 見 られ る だ ろ う と
予 想 され た。 結 果 をFig.1に 示 す 。 まず 、 精 製DsbA(酸
もの(lane1)、
後 、AMSを
還 元 剤D][Tで
含 むSDS溶
化 型)を
ジス ル フ ィ ド結 合 を還 元 しTCA沈
液 に溶 か した もの(lane2)、
またDTr処
液 に溶 か した もの(lane3)を 、非 還 元 状 態 のSDS-PAGEに
理 をす る とDsbAの
(酸化 型,lane1)と
用いて、未処理の
殿 でDTTを
理 後IAAを
含 むSDS溶
DsbAは
移 動 度 は確 実 に遅 くな って お り、L氏Aよ り も明確 に、未 処 理 の物
区別 で きた 。 次 に、AMSを
用 い た 方 法 で 、1π初ooで のDsbAの
行 っ た。 す る と、 野 生 株 中、
、全 て が 酸化 型 と して存 在 して い る(lane4)の
全 てが 還 元 型 と して蓄 積 して い る(lane5)こ
に対 し、45お 欠 損 変 異 株 中、
とが ク リア ー に示 され 、以 前 の岸 上 ら
の 結 果 に一 致 した。 以 上 の よ う に、私 は 、AMSをSH基
こ のAMSを
で培 養 し、培
加 え て全 タ ンパ ク質 を変 性 ・沈 殿 させ 、 ア セ トン洗 浄 後 、AMSを
液 に溶 か し、 非 還 元 状 態 のSDS-PAGEを
∫
πη∫
ηoで のDsbAの
含 むSDS溶
か け た 。 そ の結 果 、AMS処
酸 化 還 元状 態 を調 べ た 。 まず 、 野 生株 、45わB欠損 変 異株 をlog-phaseま
養 液 に氷 冷TCAを
除 去 した
修 飾 試 薬 に用 い る こ とで 、
酸 化 還 元 状 態 を、 よ り明確 に区 別 す る方 法 を確 立 した。 以 後 、
用 い た方 法 で実 験 を行 った 。
一15一
澗
用 い 、 何 も処 理 を し な か っ た も の(lane1)と
修 飾 試 薬 を 含 むSDS溶
液 に 溶 か し(1anes2,3)、
理 を した 後 、TCA沈
修 飾 試 薬 と し て 、lane2はAMS(15mM)を
お よ そ500ngのDsbAを
行 っ た 。lane4は
非 還 元 状 態 で のSDS-PAGEを
使 用 した 。lane4,5は
行 っ た。
用 い た。
、 培 養 液 を 直 接TCAで
含 むSDS溶
処
液 に溶 か し、非 還 元 状 態
、 野 生 株(CU141)、lane5はdsbB欠
η5)に お け るDsbAを
、
殿 、 ア セ ト ン洗 浄 を 行 い 、SH基
、lane3はIAA(35mM)を
理 し 、 ア セ ト ン 洗 浄 を行 っ た 後 、AMS(15mM)を
SSI41;CU14145わR池
-蔑
化 型)を
、10min処
のSDS-PAGEを
-覧
、 精 製 し たDsbA(酸
1-3の 各laneに
團凝
と還 元 型 の 分 離
17mMのDTrで37℃
SH基
∠へ
lanes1-3は
56
酸 化 型
劃∼
壌♂
Fig.1.DsbAの
表 す 。 バ ン ドはDsbA抗
損 変 異 株(
体 を用 い た ウ エ ス タ ン
ブ ロ ッ テ ィ ン グ に よ り検 出 した 。
2.ヘ ム 欠 乏 状 態 で のDsbAの
酸 化 還 元状 態
次 に、 呼 吸 鎖 欠損 変 異 株 中 で のDsbAの
酸 化 還 元 状 態 を見 よ う と試 み た。 呼 吸 鎖 に
欠 損 を持 つ 変 異株 と して、 呼 吸 鎖 構 成 成 分 のヘ ム を欠 損 して い る舵規A変 異 株 を選 び、
細 胞 内 のDsbAの
酸 化 還 元 状 態 を調 べ た。 ヘ ム の生 合 成 経 路 に欠 損 を持 つ舵吻五 変 異
株 の卿A∫∫
κ卿)(73)は 、 ヘ ム生 合 成 の初 期 過 程 に働 く舵吻A遺 伝 子 産 物glutamyLtRNA
reductaseを 欠損 してお り、 生 合 成 経 路 の 中 間体5-aminolevulinicacid(ALA)を
で き ない(74)(75)。 しか し、 そ の欠 損 は培 地 にALAを
私 は 、 ヘ ム を枯 渇 させ た と きの細 胞 内 のDsbAの
ALA,グ
ル コ ース を含 むL一 培 地 中 で 〃例A変
を含 ま ない 培 地 に縣 濁 す る操 作(wash)を2回
合成
添 加 す る と補 わ れ る。
状 態 を見 よ う と試 み た 。 まず
異 株 を培 養 し・遠 心 にて集 菌 後 ・ALA
行 いALAを
取 り除 い た後 ・ALAを
含
まな い培 地 中 で培 養 した 。 呼吸 鎖 が 機 能 しない と きで も、大 腸 菌 は解糖 系 の代 謝 機
能 に よ りグル コ ー ス を エ ネ ル ギ ー 源 と して 生 育 で きる 。〃㈲A変
一16一
異株 は・ALAを
取
り 除 い たL培
地 中 で も グ ル コ ー ス を 添 加 し て い れ ば 生 育 で き る は ず で あ る が 、wash
操 作 後 、 増 殖 を 停 止 し た 。 こ の 濁 度 はstationalyphase(静
止 期)に
増 殖 を 停 止 し た 大 腸 菌 を 同 じ 組 成 の(ALAを
しい 培 地 に 植 え 直 す と 、
含 ま な い)新
は程 遠 か っ た。
再 び 増 殖 し 、 先 ほ ど と 同 じ程 度 の 濁 度 に な る と 増 殖 は 停 止 し た 。DsbAの
状 態 は、
回 目の増 殖 時 に はす べ て酸 化 型 で あ っ たが 、二 回 目の増 殖 時 には大 部 分 が 還 元 型 で
蓄 積 し(Fig.2パ
ネ ルA,lane1(AMS),lane3(IAA))、
な っ た(パ ネ ルA,lane2(AMS))。
生 育 が 停 止 す る と再 び 酸 化 型 と
増 殖 停 止 時 の 培 養 液 のpHを
調 べ る と 、pHは5以
下 に ま で 低 下 し て お り、 最 初 の 増 殖 停 止 は 予 想 さ れ た ヘ ム の 欠 損 の た め で は な く 、
グ ル コ ー ス の 発 酵 で 生 じ た 酸 に よ る 培 地 の 酸 性 化 の た め は な い か と考 え られ た 。 そ
こ で 、 培 地 に リ ン 酸 緩 衝 液(pH7.5)、
酸 性 化 を 防 ぐ と 、ALA除
ま た はHEPES緩
8時
DsbAの
ALAの
ネ ルA,1anes5-7)。
加 え て か ら10-20分
そ の ま ま培 養 を
再 び酸 化 型 とな っ た。
還 元 型 が 蓄 積 し て る 状 態 の 細 胞 に 、ALAを
に 移 行 し て い っ た(Fig.2パ
去後、
間 後 頃 か ら次 第 に 還 元 型 が 蓄 積 し て ゆ き、
上 が 還 元 型 と な っ た(パ
続 け 、 静 止 期 に 入 る と 、DsbAは
A正Aを
状 態 を モ ニ タ ー し た と こ ろ 、ALA除
全 て 酸 化 型 で あ っ た が 、 約7時
間 後 頃 に は90%以
加 え培 地 の
去 後 で も細 胞 は ゆ っ く り と増 殖 を続 け 、 静 止 期 の 濁 度 に ま
で 達 し た 。 こ れ ら の 細 胞 内 のDsbAの
DsbAは
衝 液(pHZ5)を
ネ ルB.上
部)。DsbAの
の 間 に 完 了 し た(パ
添 加 す る と 、DsbAは
還 元 型 か ら酸 化 型 へ の 移 行 は 、
ネ ルB,上
部,lanes1-5)。lane6は
代 わ り に 水 を 加 え た コ ン ト ロ ー ル で あ る 。 ま た 、ALAを
た 細 胞 の 生 育 速 度 が 速 く な っ た 。ALAが
酸化状態
、
加 え る と ゆ っ く りだ っ
ヘ ム の 生 合 成 に使 わ れ 、 呼 吸 鎖 機 能 が 回 復
し た と考 え ら れ る 。
と こ ろ で 、ALAか
ら 合 成 さ れ る 最 終 産 物 に はprotohemeとsirohemeが
吸 鎖 末 端 酵 素 で あ る チ ト ク ロ ー ム 類 に は 、protohemeが
sirohemeは
嫌 気 状 態 で 働 く 酵 素sulfitereductaseの
あ り、 呼
使 用 さ れ て い る 。(
補 欠 分 子 族 で あ る 。)そ
こで 、
protoheme(heminchloride)を
添 加 しそ の 効 果 を 調 べ た 。 こ の 実 験 の た め ・ ヘ ム の 透
過 性 を 増 加 さ せ る 変 異 加 御Pを
持 つ 二 重 変 異 株(乃 θ
ηzAんθ解P)を
ルB,下
、 コ ン ト ロ ー ル で あ る 。 す る と ・heminchlorideの
部.1anes1-6)。1ane6は
添 加 後 、 還 元 型 で 蓄 積 し て い たDsbAは
用 い た(Fig.2パ
、 速 や か に 酸 化 型 に 移 行 し た(Fig・2パ
一17一
ネ
ネ ルB,
下 部,lanes1-5)。
添 加 後 の 酸 化 型 へ の 移 行 速 度 は 、ALAを
ぶ ん 速 か っ た ・ こ の 結 果 よ り、DsbAを
必要
d
一
一
陀 鰍
⋮
躍
噌
鈎㍉
A
酸 化 型 に 変 換 す る に は 、protohemeが
ポ噸
で あ る こ とが示 され た 。
添 加 した と き よ り もい く
23456
一
一red
(ALA)
}OX
一red
製
(Hemin)
一 〇X
13102020(min)
0
Fi&2.プ
ロ トヘ ム 欠 損 状 態 で 生 育
(パ ネ ルA)ヘ
し て い る 細 胞 内 のDsbAの
ム 欠 損 変 異 株 中 で のDsbAの
h伽 、4欠損 変 異 株 で あ るH500(LE392hε
用 い 、ALAを
l,3,4)あ
TCA沈
細 胞 内 のDsbAを
用 い 、 そ れ 以 外 に はAMSを
添 加 したALAを
は 、SH基
用 い て い る 。 ま た 、lanes5-7はH500株
修飾
をリ
含 ま な いL一 グ ル コ ー ス 培 地 で 培 養 し た も の で あ
過 した細 胞 を
理 を行 っ た 。
(パ ネ ルB)ALA,heminを
添 加 す る と 還 元 型DsbAは
上 部 の パ ネ ル で はH500株
を 、 下 部 の パ ネ ル で はhemin透
く はhemin(下
目 の 増 殖 中(lanes
示 す 。lane3で
、370min(1ane5)、420mjn(lane6)、490min(lane7)経
澱 し 、AMS処
を 用 い 、ALAを
野 生 株(LE39㍗lane4)を
含 ま な いL一 グ ル コ ー ス 培 地 で 一 回 植 え つ い だ 後 、2回
ン酸 緩 衝 液(pH7.5)を
り、wash後
還元 型 の蓄 積
配Af幼 駕lanesl-3)と
る い は 増 殖 停 止 後(lane2)の
試 薬 にIAAを
酸 化 還 元 状 態
酸 化 型 へ 移 行 す る
含 ま な い 培 地 で 生 育 さ せ た 培 養 液 にALA(上
部 パ ネ ルlanes1-5)を
過 性 のH500株(H500乃
部 パ ネ ルlanes1・5)、
例P)
も し
添 加 し た 。 添 加 後 、Omin(lane1)、1min(lane2)
、3min(1ane3)、10min(lane4)、20min(lane5)に
サ ンプ リ ング を行 っ た。 また 、
Iane6は
にサ ンプ リ ング を行 っ た。 こ れ ら
水 を 添 加 し た コ ン ト ロ ー ル で あ り 、20min後
の 全 て の サ ン プ ル に は 、AMS処
理 を行 っ て い る。
一18一
3.ヘ ム 欠 乏 状 態 で の 分 泌 タ ン パ ク 質 のSS結 合 形 成 不 全
プ ロ トヘ ム欠 損 状 態 でDsbAは
ヘ ム欠 損 状 態 で はDsbAに
、還 元 型 つ ま り不 活性 状 態 で 蓄積 した 。 す る と、
よる分 泌 タ ンパ ク質 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 が起 こ らな
い と予 想 され る。 そ こで 、 分 泌 タ ンパ ク質 で あ り ジス ル フ ィ ド結 合 を1つ
もつ β一
ラ ク タマ ー ゼ の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 を調 べ た 。 β一 ラ ク タマ ー ゼ は ジ ス ル フ ィ ド
結 合 が な くて も安 定 な構 造 を維 持 で きる こ とが知 られ て お り、分 泌 タ ンパ ク質 内 の
ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 を調 べ る の に適 して い る(76)。 〃伽A変
異 株 に、 痂 遺 伝 子 を持
つ プ ラス ミ ドを導 入 し、 プ ラ ス ミ ドか ら β一 ラク タマ ー ゼ を発 現 させ た。ALA除
後 、12時
、24時
間後 に は β一 ラ ク タマ ー ゼ の約50%が
去
還 元 型 で存 在 し(Fig.3,lane4)
間後 で は ほ ぼ全 て の β一 ラ ク タマ ー ゼ が還 元 型 で蓄 積 して い た(lane5)。
つ ま り、ヘ ム 欠損 状 態 で長 時 間細 胞 を増 殖 させ る と、 β一 ラ ク タマ ー ゼ の ジス ル フ ィ
ド結 合 形 成 不 全 が 起 こ る こ とが 明 らか とな っ た(lane2-5)。
通 常 通 りに ジス ル フ ィ ド結 合 が 形 成 され て い た(lane1)。
一 方 、野 生 株 中 で は、
この よ うに、 ヘ ムが 欠 損
して い る と分 泌 タ ンパ ク質 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 が 不 全 に な る。 つ ま り、 ヘ ム は、
DsbAに
よ る分 泌 タ ンパ ク質 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 に必 須 で あ る こ とが 明 らか に
なった。
a
騨
B =
5 蝋
4 0
鋤
0
2
鋤
3
Fig.3.ヘ
ム 欠 損 状 態 で は β 一 ラ ク タ マ ー ゼ の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 不 全
が 起 こ る
野 生 株(LE39勿lane1)、hα
現 す る プ ラ ス ミ ド(pSSI)を
πA欠 損 変 異 株(H500∫lanes2-5)に
導 入 し 、 リ ン酸 緩 衝 液(pH7.5)を
いL一 グ ル コ ー ス 培 地 中 で 、wash後
)、12時
間(lane4)、24時
い る 。 各 サ ン プ ル は 、IAAで
、8時
間(lane5)生
間(lane1)、0時
β 一 ラ ク タ マ ー ゼ を発
添 加 したALAを
間(lane2)、6時
育 させ た 。 こ の 間 ・ 適 宜dilutionを
処 理 した 後 、 非 還 元 状 態 のSDS-PAGEを
ブ ロ ッ テ ィ ン グ に よ り検 出 し た 。
一19一
含 まな
間(1ane3
行 って
行 い ・ ウエ ス タ ン
4.キ ノ ン欠 乏 状 態 で もDsbAは
還 元 型 で 蓄積 す る
次 に、 他 の呼 吸 鎖 欠損 変 異株 で も同様 の現 象 が見 られ るの か を調 べ る ため 、私 は
呼吸 鎖 キ ノ ンの変 異 株 を用 い た。 大 腸 菌 呼 吸 鎖 の末 端 酸 化 酵 素 は、 キ ノー ル酸 化 酵
素 で あ り、 好 気 的状 態 で 生 育 して い る大 腸 菌 内 で は 、最 終 的 に キ ノー ル か ら酸 素 に
電子 が 受 け渡 され る。 そ の結 果 生 じる キ ノ ンは 、 クエ ン酸 回路 か ら生 成 す るNADH
や コハ ク酸 か ら、膜 表 在 性
内 在性 の 脱 水 素 酵 素 を介 して電 子 を受 け取 り、 キ ノ ー
ル とな る。 この よ う に、 呼吸 鎖 キ ノ ンは呼 吸 鎖 の脱 水 素 酵 素 と末 端 酸 化 還 元 酵 素 の
問 の 電 子 伝 達 を媒 介 して い る。 ま た、 大 腸 菌 の呼 吸 鎖 キ ノ ンに はユ ビキ ノ ン とメナ
キ ノ ンが 存 在 し、好 気 的 に生 育 してい る状 態 で はユ ビキ ノ ンが 、 嫌 気 的 に生 育 して
い る状 態 や 、静 止 状 態 で は、 メナ キ ノ ンが 優 先 的 に使 用 され る(77)。
まず 、 ユ ビキ ノ ンの生 合 成 に欠損 を持 つμb船変 異株 を用 い て、好 気 的 に生育 して
い る大 腸 菌 内 のDsbAの
datanotshown)、
状 態 を調 べ たが 、DsbAの
また 、耀 ηA変 異株@b1+)で
か っ た(datanotshown)。
還 元 型 の蓄 積 は わず か で あ り(
は、DsbAの
還 元 型 は全 く見 られ な
そ こで 両 キ ノ ンは相 補 的 に働 くの か も しれ ない と考 え、
ユ ビ キ ノ ン ・メ ナ キ ノ ンの両 方 を欠損 して い る二 重 変 異株 を用 い る こ とに した 。
ユ ビキ ノ ン、 メ ナ キ ノ ンの生 合 成 系 に欠損 を持 つ μb訊420配 飢A二
用 い た。 訪 船420変
重 変 異株(77)を
異 は 、泌 班 遺 伝 子 産 物(PHBoctaprenyltransferase)の
p-hydroxybenzoate(PHB)に
対 す るKm変
異 で あ り、基 質 との 親和 性 を減少 させ る
(78)。 そ の 結 果 、 通 常 細 胞 内 に存 在 す る程 度 の 濃 度 のPHBか
成 で きない 。 しか し、PHBが
基質
らは、 ユ ビ キ ノ ン を合
過 剰 に存 在 す る と活性 を発 揮 で きる ため 、培 地 にPHB
を添 加 す る こ とに よっ てユ ビキ ノ ン合 成 欠損 を補 う こ とが で きる(78)。
キ ノ ン を枯 渇 させ た と きの状 態 を調 べ た い の で 、PHBを
そ の後 のDsbAの
状 態 を調 べ た。 まず 、PHBを
に よっ てPHBを
取 り除 き、PHBを
取 り除 く操 作 を行 って 、
添 加 した培 地 中で培 養 後 、wash操
作
含 ま ない培 地 中 で培 養 を行 っ た。 ま た、培 地 中 に
は、 エ ネ ル ギ ー 源 と して グ ル コー ス を 、そ して培 養 液 を中性 付 近 に保 つ ため リ ン酸
緩衝 液 を加 えた 。 す る と、wash後2時
間 は野 生株 と同様 の 速 度 で増 殖 したが 、 さ ら
に生 育 させ る と、 お そ ら くキ ノ ンの 欠 乏 に伴 って 、生 育 速 度 が遅 くな っ た(Fig.4パ
ー20一
不 ルA)。
め(Fig.4パ
こ の 第 二 の 生 育 速 度 に 入 る 頃(約3時
ネ ルB,lane3)、PHB除
と し て 蓄 積 し た(Fig.4パ
去 か ら12時
らDsbAの
砺+耀
還 元 型 で 蓄 積 し て い る 状 態 の 砺A耀
ネ ルC,lanes1-5)。lane6は
η+株 中 で はDsbAは
還元型
常
ネ ルB,lanesa,b)。
ηA変 異 株 に 、PHBを
ン 生 合 成 を 再 開 さ せ た と こ ろ 、 蓄 積 し て い た 還 元 型DsbAが
た(Fig4パ
還元型が現れ始
間 後 に は 、 全 て のDsbAは
ネ ルB,lane6)。isogenicな
に 酸 化 型 に 保 た れ て い た(Fig.4パ
DsbAが
間 後)か
、PHBを
再 び酸 化 型 へ と変換 し
溶 か し て い る 溶 媒(EtOH)を
た コ ン ト ロ ー ル で あ る 。 こ の よ う に 、 両 キ ノ ン を 欠 乏 さ せ る とDsbAは
し た 。 ヘ ム ば か り で な く 、 キ ノ ン も 、 細 胞 内 でDsbAを
で あ る こ とが 明 ら か と な っ た 。
一21一
加 えユ ビ キ ノ
加 え
還元 型 で蓄 積
酸 化 型 に 維 持 す る た め に必 要
A1
㎝
﹀摺コΩ﹂コ↑
〆a
購
ubiAmenA
0.01
0200400600
800
Timeafterwash(min)
ab123456
噸臨 ●
潮劇 ●c■D朔
闘静
C
鱒
蜘 一red
-ox
轍 降
縞
123456
(PHB》
嶋
噛 騨」 の 齢
輔鱒
痢醐 ゆ ・-red
轄 一 一齢
一
〇X
013102020(min》
Fig.4.DsbAは
ユ ビ キ ノ ン 、 メ ナ キ ノ ン欠 損 状 態 で も還 元 型 で 蓄 積 す る
(バ ネ ルA)野
生 株(AN387)、
の 増 殖 曲 線PHBを
πb伍 〃3θ
πA;変 異 株(AN384;AN387μbfA420〃
軍
飢A401)
含 む リ ン酸 緩 衝 液 を 添 加 し たL一 グ ル コ ー ス 培 地 で あ らか じめ 生 育 さ
せ たAN387株(○)、AN384株(●)を
作 の 後 、PHBを
含 ま ない培 地 中 で増
殖 させ た 増 殖 曲 線 で あ る 。 縦 軸 は培 養 液 の 濁 度 を 、 横 軸 はwash操
作 後 の 経 過 時 間 を表
し て い る 。 約2時
(パ ネ ルB)DsbAの
間 でdiludionを
、wash操
行 った 。
還 元 型 の 蓄積
各 サ ン プ ル の 番 号 は 、(A)の
パ ネ ル の 矢 印 の番 号 と
一 致 し て お り、 各 矢 印 の 示 す 時 点 で サ ン プ リ ン グ を行 っ た 。lanesa,bはAN387株
lanes1-6はAN384株
を示 す 。 全 て の サ ン プ ル は 、TCA処
理 後 、AMSで
態 でSDS-PAGEを
行 っ た。
(パ ネ ルC)PHBを
添 加 す る と 、 蓄 積 し て い た 還 元 型DsbAは
ネ ル(A)の
矢 印4の
状 態 のAN384株
の 培 養 液 に 、PHBを
-22一
、
処 理 し非 還 元 状
再 び酸 化 され る
添 加 し た 。 添 加 後 、Omin(
パ
lane1)、lmin(lane2)、3mhl(lane3)、10min(lane4)、20mhl(lane5)で
グ を 行 っ た 。 ま た 、lane6は
、 今 回 使 用 し たPHB溶
サ ン プ リ ン
ル で あ り 、 添 加 後20min(lane6)で
液 の 溶 媒EtOHを
添 加 した コ ン トロ ー
サ ン プ リ ン グ を 行 っ た 。 全 て の サ ン プ ル は 、AMS
で 処 理 して い る 。
5.キ ノ ン欠 損 状 態 で も分 泌 タ ン パ ク 質 のSS結
次 に諭A耀
合 形 成不 全 が起 こ る
ηA変 異 株 内 で の分 泌 タ ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 を見 た。
hθ〃凶 変 異 株 の時 と同様 、 プ ラス ミ ドよ りβ一 ラ ク タマ ー ゼ を発 現 させ 、PHBを
取 り
除 い た培 地 中 で生 育 を続 け た 。 す る と、PHBを
除去 後 、12時
間 で β一 ラク タマ ー
ゼ の 還 元 型 が 蓄 積 し始 め た(datanotshown)。
従 って 、ユ ビキ ノ ン ・メ ナ キ ノ ン も、
ヘ ム と同様 に、分 泌 タ ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 に必 要 で あ る こ とが 明 らか
とな っ た。
6.呼 吸 鎖 は 、DsbAの
効 率 的 な酸 化 に 必 要 で あ る
これ らの結 果 よ り、 ヘ ム 、 キ ノ ンな どの 呼吸 鎖 構 成 成 分 は 、細 胞 内 のDsbAを
酸化
して活 性 状 態 に保 つ た め に必 須 で あ り、 また分 泌 タ ンパ ク質 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形
成 に必 要 で あ る こ とが 明 らか とな った 。
とこ ろ で、 細 胞 の増 殖 が停 止 す る と、 呼吸 鎖 欠損 状 態 で も還 元 型DsbAは
酸化型 に
移 行 して い っ た。 増 殖 が停 止 す る頃 に は、新 生 タ ンパ ク質 の合 成 量 が低 下 す る。 即
ちDsbAが
働 い て還 元 され る機 会 が減 少 す る と予 想 され る。 そ こで 、増 殖 中 の細 胞
を含 む培 養 液 に タ ンパ ク質合 成 阻 害剤 ク ロ ラム フ ェニ コー ル を添 加 して 、 タ ンパ ク
質 合 成 が 停 止 した状 態 を人工 的 に作 り出 し、DsbAの
舵吻A変 異 株 でDsbAの
ル(Cm)を
還 元 型 が 蓄積 して い る状 態 の細 胞 に、 ク ロ ラム フ ェニ コー
加 え る と、 ゆ っ く りとだ が還 元 型DsbAが
ルB,lanes1-4)。40分
Cmの
状 態 を調 べ た 。
後 、DsbAは
酸 化 型 へ と移 行 した(Fig.5パ
ほ とん ど全 て酸 化 型 と な った(パ ネルB,lane4)。
代 わ りに水 を加 えた コ ン トロ ー ルで は、DsbAの
た(パ ネ ルA,lanes1-4)。
ネ
酸 化 型 へ の 移行 は見 られ なか っ
同様 に、45協 変 異株 で も・Cmを
加 え る と還 元 型DsbAは
部 分 的 なが ら、 明 らか に酸 化 型 に移行 した(パ ネルC,lanes1-4)。
-23一
こ れ らの結 果 か ら、 タ ンパ ク質 合 成 量 が減 少 す る と、 還 元 型DsbAは
が 、 酸 化 され る こ とが わか っ た。DsbBや
地 中 の低 分 子 酸 化 剤 等 に よっ てDsbAは
非 効 率 的 にだ
呼吸 鎖 とは独 立 に、 お そ ら く空気 酸 化 や培
ゆ っ く り と酸 化 され る よ うだ 。 しか し、 この
酸 化 は非 効 率 的 で あ り、 タ ンパ ク質 合 成 が停 止 して い る と きに しか効 果 が見 られ な
い 。 逆 に、増 殖 中、 盛 ん に タ ンパ ク質 合 成 が行 わ れ 、基 質 が過 剰 に存 在 す る と酸 化
型 のDsbAは
基 質 と相 互作 用 してす ぐに還 元 され て しま う。 よっ て 、 そ れ に打 ち勝 つ
効 率 的 な酸 化 機 構 が 必 要 と され る の だ ろ う。 この効 率 的 な酸 化 に は、 呼 吸 鎖 機 能 と
DsbBが
必 須 だ と考 え られ る。
A1234
H20r●
●
●●G■ ●-red
ψemA)_OX
B
Cm
噂 一red
(hemA)鱒
囎
鐸 卿一 〇x
C
Cm鱒
㌃
齢
趣 鱒 一red
(dsわ8)瀞
一
一一
一〇X
O102040(min)
Fig.5.タ
ン パ ク 質 合 成 阻 害 後 のDsbAの
(パ ネ ルA,B)㎞A欠
損 変 異 株(H500;パ
再 酸 化
ネ ルA,B)を
ス 培 地 で 生 育 さ せ た 状 態 の 培 養 液 に 、H20(パ
B)を
ネ ルA)、
用 い 、ALAを
含 ま な いL一 グ ル コ ー
ク ロ ラ ム フ ェ ニ コ ー ル(パ
ネル
添 加 し た 後 、Omin(lane1)、10min(lane2)、20min(lane3)、40min(lane4)で
サ ン プ リ ング を行 っ た 。
(パ ネ ルC)45認
欠 損 変 異 株(SS141ρ
パ ネ ルC)を
用 い 、L一 グ ル コ ー ス 培 地 で 生 育 させ た
状 態 の 培 養 液 に ク ロ ラ ム フ ェ ニ コ ー ル を添 加 し た 後 、 パ ネ ル(A),(B)と
ン グ を行 っ た 。
一24一
同様 に サ ンプ リ
7.キ
ノ ン 欠 損 状 態 でDsbBは
機 能 を失 う
以 上 の 結 果 で 、 呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で か つ 増 殖 し て い る 細 胞 内 で はDsbAが
積 す る こ と が 示 さ れ た 。 次 に 、DsbBに
の はDsbBで
対 す る 影 響 を 調 べ た 。DsbAを
あ る こ と か ら 、 呼 吸 鎖 欠 損 の 影 響 は 先 にDsbBに
ま ず 、DsbBに
還 元 型 で蓄
対 す る 抗 体 を 作 成 し た 。 従 来 、DsbBは
直接酸化す る
現 れ る と予 想 さ れ る 。
遺 伝 子 と して は 同 定 さ れ て い
た が 、 タ ン パ ク 質 自 体 は 、 エ ピ ト ー プ タ グ 配 列 を付 け た 融 合 タ ン パ ク 質DsbB-His6Mycと
し て し か 検 出 さ れ て い な か っ た(31)。(な
保 持 し て い る 。)私
残 基)を
は 、DsbBのC末
お 、DsbB-His←MycはDsbB活
性 を
端 ア ミ ノ 酸 配 列 に 相 当 す る 合 成 ペ プ チ ド(14
作 成 し、 そ れ に 対 す る 兎 ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗 体 を作 っ た 。 抗 血 清 は 、 抗 原 ペ
プ チ ドを セ フ ァ ロ ー ス ビ ー ズ に カ ッ プ リ ン グ した カ ラ ム を用 い て ア フ ィニ テ ィ ー精
製 を行 っ た 。
こ の 精 製DsbB抗
体 を 用 い て 、 ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ を 行 い 、 菌 体 内 のDsbB
を 検 出 し た 。 結 果 をFig.6に
示 す 。 培 養 液 をTcAで
に よ る 修 飾 、 非 還 元 状 態 で のSDS-PAGEを
ン ドが 、DsbB抗
処 理 し た 後 、SH基
行 っ た 。 す る と 、 約23kDaの
体 で 検 出 さ れ た(Fig.6パ
ネ ルA,1ane3)。45認
ス ミ ド を 導 入 し た 細 胞 で は 、 こ の バ ン ド は 濃 く な り(パ
欠 損 変 異 株 で は 消 失 し て い た(パ
ドがDsbBタ
ネ ルA,lane1)。
ン パ ク 質 で あ る と 同 定 し た.な
と 、 相 当 す る バ ン ド は 約21kDaの
遺 伝 子 を もつ プ ラ
ネ ルA,lane2)、45bB遺
修 飾 試 薬 と し てLへAを
ネ ルC,lane3)現
サ ン プ ル で み ら れ た 移 動 度 の 減 少 は 、DsbBの6つ
る と 、PHBを
約25kDa)が
、PHBを
間 後(lane6)、4時
処 理 し た 後 、SDS-PAGEを
取 り 除 い て か ら2時
現 れ(Fig.6パ
用 い る
理
の シ ス テ イ ンの う ち ジ ス ル フ ィ ド
パ ネ ル 共 通)に
を 含 む 倍 地 中 で 生 育 さ せ 、wash後
TCA,AMSで
バ ン
よ っ て 修 飾 され た た め で あ る と考 え れ られ る 。
態 を 調 べ た 。 結 果 をFig.61ane4-8(各
間 後(lane5)、3時
伝子
れ た の で 、AMS処
次 に 、 μ肱4〃2θπA変 異 株 を 用 い 、 呼 吸 鎖 欠 損 状 態 の 細 胞 内 で のDsbBの
2時
分子量のバ
以 上 よ り 、 こ の 約23kDaの
お 、SH基
位 置 に(パ
結 合 を 形 成 し て い な い も の がAMSに
修 飾 試 薬AMs
示 す 。 助 必 肥 ηA変 異 株 をPHB
含 ま な い 培 地 中 で 培 養1時
間 後(lane7)、5時
行 いDsbB抗
酸 化 還 元状
間 後(lane8)の
体 で 検 出 し た(パ
間 後(lane4)、
サ ンプ ル を、
ネ ルA)。
す
間 後 、 移 動 度 の 遅 い 、 還 元 型 と 思 わ れ る バ ン ド(
ネ ルA,lane5;red)・3時
-25一
間 後 ・ 高 分 子 量(分
子 量 約43
kDa)の
バ ン ドが 現 れ は じ め(パ ネ ルA,lane6;DsbA-DsbB)、4時
間 後 に は通 常 の 移
動 度 の バ ン ドは 消 え た(パ ネ ルA,lanes7,8)。
AMSの
代 わ り にIAAを
用 い てSH基
の バ ン ドの 消 失 に 伴 い 、 約41kDaの
を 修 飾 し た 場 合 に も 、 正 常 な 位 置(約21kDa)
位 置 に バ ン ドが 現 れ た(datenotshown)。
この
サ ン プ ル に 還 元 剤 β 一 メ ル カ プ トエ タ ノ ー ル を 加 え て ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 還 元 し 、
還 元 状 態 で のSDS-PAGEを
kDaの
行 う と 、 こ の 高 分 子 量 の バ ン ド は 消 失 し 、DsbBは21
バ ン ド と し て 現 れ た(Fig.6パ
こ の 結 果 よ り 、Fig.6で
ネ ルC)。
見 ら れ た 高 分 子 量 の バ ン ド(DsbA-DsbB)はDsbBを
ス ル フ ィ ド複 合 体 で あ る と 考 え ら れ る 。 こ の よ う に 、 細 胞 内 のDsbBは
含 むジ
キ ノ ンの 欠 損
に 伴 っ て 一 旦 還 元 さ れ 、 次 い で ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 介 し た 複 合 体 を 形 成 す る こ と が
わ か った 。
次 に 、 同 じ サ ン プ ル をDsbA抗
出 し た(Fig,6パ
DsbAは
ネ ルB)。
体 で ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ を 行 い 、DsbAを
す る と 、PHBを
取 り 除 い て か ら3時
一 部 が 高 分 子 量 の バ ン ド と し て 検 出 さ れ(パ
間 後(lane6)で
ネ ルB,lanes6-8)、DsbB抗
検
、
体
で 見 ら れ た バ ン ドの 位 置 と 一 致 し た 。 こ の 高 分 子 量 の バ ン ドが 出 現 し て か ら 、 還 元
型DsbAの
蓄 積 が 始 ま っ て い た(パ
体 はDsbA-DsbBジ
ネ ルB,lanes7,8)。
こ れ ら の こ とか ら、 こ の 複 合
ス ル フ ィ ド複 合 体 で あ る と 予 想 さ れ た 。
一26一
A19345678
鞍 講 嚇 幽 集Dsb痔DsbB
・
碁γ
,,
竺
画
㌧
;・
読
・ 繕
=騨
B
コDsbB
一DsbA
-DsbB
』6b32=騨]DsbA
縣
簾
C
㌧総
説
・唱
ゴ
ー
345678
一DsbB
Fig.〔Lキ
ノ ン 欠 損 状 態 のDsbBへ
の 影 響
パ ネ ル(A) ,(B),(C)の サ ン プ ル 番 号 は 、 共 通 で あ る 。
45認 欠 損 変 異 株(TA58廊
わB=∫c鶴Iane1)と
した 野 生 株(CU141/pSS39∫lane2)、
(AN387;lane3)を
CU141/pSS39株
DsbBを
、DsbBを
μわ船 〃28η
、4変異 株(AN384∫lanes4-8)と
用 い て 、PHBと
リ ン 酸 緩 衝 液 を 含 むLグ
の 培 養 液 に は 、IPTGを
は 、wash操
酸 緩 衝 液 を 添 加 し たL一グ ル コ ー ス 培 地 で1時
間(lane7)、5時
(パ ネ ルA)でlane1-3はDsbBタ
を示 す 。(パ ネ ルB)で
間(lane8)生
ル コ ー ス 培 地 で 生 育 させ た 。
作 の 後 、PHBを
間(lane4)、2時
ン パ ク 質 の 検 出 を 、lane4-6は
殿 後 、AMS処
一27一
遺 伝 子 か ら、
含 まな い 、 リ ン
間(lane5)、3時
間
育 させ た。
キ ノ ン 欠 損 状 態 で のDsbAの
(A),(B)の 各 サ ン プ ル は 、TCA沈
導入
そ の野 生 株
添 加 し 、 耽 プ ロ モ ー タ ー 下 の45協
過 剰 に 発 現 させ た(lane2)。AN384株
(lane6)、4時
発 現 す る プ ラ ス ミ ド(pSS39)を
キ ノ ン 欠 損 状 態 で のDsbB
検 出 を示 す 。
理 を 行 い 、 非 還 元 状 態 でSDS-PAGEの
後、
DsbB抗
体(パ ネ ル(A))で 、 ま た 、DsbA抗
行 っ た 。 パ ネ ル(A)のDsbBの
体(パ ネ ル(B))で 、 ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ を
還 元 型(red)の す ぐ上 部 に 存 在 す る バ ン ド、 パ ネ ル(A)に 見 ら
れ る 高 分 子 量 の バ ン ド(DsbA-DsbB約43kDa)の
す ぐ 上 部 に 存 在 す る バ ン ド、 お よ び パ ネ
ル(B)に 見 ら れ る 高 分 子 量 の バ ン ド(DsbA-DsbB♪
約43kDa)の
す ぐ上 部 に存 在 す る バ ン
ドは い ず れ も バ ッ ク グ ラ ウ ン ドで あ る 。
(パ ネ ルC)DsbBの
発 現 量 は 正 常 で あ るTCA沈
殿 後 、IAA処
β 一 メ ル カ プ トエ タ ノ ー ル で 処 理 し、 還 元 状 態 でSDS-PAGEを
い て ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ を 行 っ た 。DsbBの
理 を行 っ た サ ンプ ル を
行 っ た 後 、DsbB抗
バ ン ド(DsbB;約21kDa)の
体 を用
上 部 に存 在
す る バ ン ドは バ ッ ク グ ラ ウ ン ドで あ る 。
上 記 で検 出 され た複 合 体 がDsbA-DsbB複
御θη、4変異 株 をPHBを
態 の 細 胞 か ら、TCA沈
PAGEを
合 体 で あ る こ とを確 か め る ため に、㍑b1、4
含 ま ない 培 地 中で10時
殿 後IAA処
間培 養 させ 、 複 合 体 を形 成 して い る状
理 を行 っ たサ ンプル を調 製 し、 二次 元 のSDS-
行 った 。 まず 、 一 次 元 目を非 還 元状 態 で 、 次 に二 次 元 目 を還 元 状 態 で泳 動
した(Fig.7)。
す る と、対 角 線 か らはず れ た、複 合体 由 来 で あ る と思 わ れ る ス ポ ッ
トが 、DsbA抗
体 を用 い た ウエ ス タ ンブ ロ ッテ ィ ング(Fig.7,パ
を用 い た ウエ ス タ ンブ ロ ッテ ィ ング(Fig.7,パ
体
ネル4)で 検 出 され た 。 これ らの ス ポ ッ
トの 二 次 元 目の移 動 度 は、 そ れ ぞ れDsbA、DsbBの
が 、DsbAとDsbBか
ネ ル2)、DsbB抗
移動 度 と一 致 して お り、複 合 体
ら構 成 され て い る こ とが確 認 で きた 。 一 方 、 野生 株 で は 、 この
よ うな ス ポ ッ トは現 れ なか った(Fig.7,パ
態 で は、DsbBはDsbAと
ネル1,3)。
この結 果 よ り、 キ ノ ンの欠 損 状
ジス ル フ ィ ド結 合 を介 した複 合体 を形 成 す る こ とが 明 らか
とな っ た。 ヘ ム の欠 損 状 態 で も、 同様 で あ った(datanotshown)。
以 上 の結 果 か ら、 キ ノ ンの 欠 乏 に伴 って次 の現 象 が起 きる と考 え られ る 。 キ ノ ン
の 欠 乏 に伴 いDsbBは
還 元 され 、DsbAと
複 合体 を形 成 して 、 そ の状 態 で機 能 を停 止
して しま う。 そ して 、細 胞 内 の全 て のDsbBはDsbAと
能 を失 う。 そ の後 、DsbBに
比 べ て過 剰 に存 在 す るDsbAは
複 合体 を形 成 した状 態 で機
、再 酸 化 され ず 、 還 元状
態 で 蓄 積 す る。 これ らの 実験 結 果 よ り、 呼吸 鎖 の 欠損 の影 響 は まずDsbBに
と、 ま た、 呼 吸 鎖 が欠 損 して い る と、DsbBが
は機 能 を失 う こ とが 明 らか とな っ た。
一28一
再 酸 化 され ず にDsbA/DsbBシ
現れ るこ
ス テム
1stD而ension(Non・reducing)
、
●
2
1・
◎
覧
●
む
ノ!
欄馳
驚
o
、
掌、
⇔
㌦
Y唯
6
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、
3
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一
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噺 呼η ・
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レ
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、
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ま
茎
譲∵撫鶉 塾
メ㍗'蜘噛!
Wildtype
コ け
'1蟻灘
の 個 一mθ ρA一
分 子 量 の 複 合 体 はDsbAとDsbBの
分 子 間 ジ ス ル フ ィ ド結 合 に
よ る もの で あ る
野 生 株(AN387∫
パ ネ ル1,3)と
μ玩A耀
ηA変 異 株(AN384;パ
を 含 ま な い 、 リ ン酸 緩 衝 液 を 含 むL一 グ ル コ ー ス 培 地 で10時
ネ ル2,4)を
処 理 後 、IAAで
用 い 、PHB
間 培 養 し た 培 養 液 を 、TCA
処 理 して 非 還 元 状 態 で 一 次 元 目 のSDS・PAGE(1stD㎞ension)を
後 、 泳 動 ゲ ル の レ ー ン を き りだ して β 一 メ ル カ プ トエ タ ノ ー ル(0,14M)を
液 中 、 室 温 で30min間
還 元 剤 処 理 を行 い 、2次
行 っ た 。 泳 動 後 、DsbA抗
体(パ
含 むSDS溶
元 目 のSDS-PAGE(2ndDimension)を
ネ ル1,2)、DsbB抗
テ ィ ン グ を行 っ た 。 矢 印 は 、DsbA(パ
行 った
体(パ
ネ ル2)、DsbB(パ
ネ ル3,4)で
ネ ル4)の
ウエ ス タ ンブ ロ
ス ポ ッ ト を表 して い
る。
8.ま
と め
以 上 の結 果 よ り、Dsbシ
ス テ ムが 呼 吸 鎖 か ら酸化 力 を得 てい る こ とが 、 世 界 で初
め て 明 ら か に な っ た 。 こ れ ら の 結 果 はProc.Nat1.Acad.Sci.US.A(1997)9711857一
11862に
掲 載 され た 。
一29一
2.2.DsbBと
呼 吸 鎖
DsbA/DsbBに
よる ジス ル フ ィ ド結 合 の 形 成 サ イ ク ル に、 呼 吸 鎖 が 関 与 す る こ とが
明 らか とな っ た の で 、次 に、DsbBの
各 シス テ イ ン残 基 の 酸 化 還 元状 態 を詳細 に解 析
し、 呼 吸 鎖 の ター ゲ ッ トと な る シス テ イ ンの 同 定 を試 み た。
1.DsbBの
細 胞 内 で の状 態
ま ず 、DsbBの
細 胞 内 で の 酸 化 還 元 状 態 を 調 べ た 。DsbBは4回
ク 質 で 、 分 子 内 に シ ス テ イ ン 残 基 を6つ
Cys130)が
膜 貫 通 型 の 膜 タ ンパ
持 ち 、 そ の う ち4つ(cys41
,cys44,cyslo4,
機 能 に 必 須 で あ る 。 こ れ らの 必 須 シ ス テ イ ン は全 て ペ リ プ ラ ズ ム 側 に 配
置 し て お り 、cys41,cys44はDsbBの
第 一 ペ リ プ ラ ズ ム 領 域 に 、cyslo4,cys130は
ニ ペ リ プ ラ ズ ム 領 域 に 存 在 す る 。 そ の う ちcys41,cys44はcxxcモ
Val-Leu-Cys44)を
て 、DsbBは
形 成 し て い る 。DsbBの
チ ー フ(cys41-
酸 化 還 元 状 態 につ い て は、 以 前 岸 上 らに よ っ
細 胞 内 で 少 な く と も 一 つ ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 持 つ こ と の み 示 さ れ て い た 。
私 は 、AMSを
用 い たSDS-PAGEで
ま ず 、DsbBの
AMS修
第
フ リ ー の(ジ
飾 後 のSDS-PAGEの
、 細 胞 内DsbBの
酸 化 還 元 状 態 を 詳 し く調 べ た 。
ス ル フ ィ ド結 合 を 形 成 し て い な い)シ
移 動 度 で見 分 け る こ とに よ っ て、各 シス テ イ ンペ アー の
酸 化 還 元 状 態 を 調 べ よ う と 試 み た 。 そ の た め に 、DsbBの
み 合 わ せ でSerに 置 換 し た 一 連 の 変 異 体DsbBを
に 置 換 さ れ た か は 、 カ ッ コ 内 に4つ
各Cys残
DsbB-His6-Mycを
基 をい ろ い ろ な組
作 成 した 。 ど の シ ス テ イ ン が セ リ ン
の 必 須 シ ス テ イ ンcys41,cys44,cyslo4,cys130
を 順 番 に 並 べ て 示 す 。 例 え ば 、 野 生 型 はDsbB【CCCq、Cys41をSerに
体 はDsbB【SCCC1と
ス テ イ ンの数 を
置 換 した 変 異
示 す 。45協 欠 損 変 異 株 に 、 野 生 型 も し く はSer置 換 変 異 体 の
コ ー ド し た プ ラ ス ミ ド を 導 入 し発 現 さ せ た 。
様 々 な 数 の シ ス テ イ ン を 持 つDsbBの
全 て の ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 還 元 し 、AMS修
飾
後 の 移 動 度 を 調 べ た 。 全 て の ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 還 元 す る た め に 各 種DsbB、
DsbB[CCCq,DsbB[SCCq,DsbB[SSCq,DsbB[CCSS],DsbB[CSSS]を
細 胞 の 全 タ ン パ ク 質 をTCA処
含 むTrisbuffer(pH8.0)で
を 取 り 除 き 、AMSを
発 現 して い る
理 で 完 全 に 変 性 さ せ 、 変 性 状 態 の ま ま 、100mMDTrを
イ ン キ ュ ベ ー ト し た ・ そ の 後 ・ 再 びTCA沈
含 むSDS溶
液 に 溶 か し てAMS修
-30一
殿 を 行 っ てDTr
飾 を 行 い 、 非 還 元 状 態 のSDS-
PAGEに
か け た ・ 結 果 をFig.8に 示 す 。 す る と 、DsbB【CCCq(Fig.81ane2;red4),
DsbB[SCCq(lane3;red3),DsbB[SSCq(lane4;red2),DsbB[CCSS】(lane5,red2),
DsbB[CSSS](lane6;red1)は
そ れ ぞ れ 、 保 有 して い る シ ス テ イ ン残 基 の 数 に 対 応 し た
ラ ダ ー 状 の 泳 動 パ タ ー ン を 示 し た 。Fig.8の
DsbBの
活 性 に 必 須 な4つ
パ ネ ル 端 に 記 載 し たredN(Nは
の シ ス テ イ ン残 基 の 内 、N個
て 修 飾 さ れ た こ と を 示 す 。DsbBの6つ
数 字)は 、
の シ ス テ イ ン 残 基 がAMSに
よっ
の シ ス テ イ ン の 内 、 機 能 に 必 須 で は な い2つ
の シ ス テ イ ン は 一 つ は 第 二 膜 貫 通 領 域 、 も う一 つ は 細 胞 質 領 域 に 存 在 す る た め 、 お
そ ら く常 に 還 元 状 態 に あ る と 考 え ら れ る 。 従 っ て 、 実 際 の 修 飾 残 基 の 数 は 上 記 の 数
字(N)に2を
足 し た も の と な る 。 以 上 、Fig.8のlane2-6で
に 必 須 な4つ
示 し た よ う に 、DsbBの
の シ ス テ イ ン の 内 、 フ リ ー の シ ス テ イ ン の 数(N)が
活性
、移 動 度 で見 分 け
ら れ る こ とが 明 らか と な っ た 。
次 に 、 こ の 移 動 度 の 違 い を 利 用 し て 、 細 胞 内 でDsbBが
る の か を 調 べ た 。log-phaseま
の 培 養 液 を 直 接TCAで
Fig8,lane2-6の
で 培 養 し た 野 生 型DsbB-His6-Mycを
処 理 し 、AMS修
発 現 して い る 細 胞
飾 の 後 、 非 還 元 状 態 のSDS-PAGEを
バ ン ド を 移 動 度 の マ ー カ ー と し て 、 野 生 型DsbBの
べ た 。 す る と 、red1よ
0個
ど の よ う な 状 態 を取 っ て い
酸 化 還 元 状 態 を調
り も低 い 位 置 に バ ン ドが 現 れ た(Fig.8,lane1,7)。
と 考 え ら れ る 。 こ の 結 果 か ら 、 正 常 な 細 胞 に お い て 、DsbBは2つ
結 合(即
ちcys41-cys44,cyslo4-cys130)を
行 っ た。
つ ま り 、Nは
ジス ル フ ィ ド
形 成 し て い る こ とが 明 らか に な っ た 。 ま
た 、DsbB[CCSS】,DsbB【SSCq変
異 体 に つ い て も 同様 に細 胞 内 の 酸 化 還 元 状 態 を 調 べ
た と こ ろ 、DsbB[SSCqはred2に
相 当 す る 位 置 に 現 れ 、DsbB[CCSS]はoxに
位 置 に 現 れ た 。 即 ちDsbB[SSCqは
(Fig.8,lane8)、
一 方 、DsbB[CCSS]は
細 胞 内 で ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 形 成 し て い な い こ と
ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 形 成 し て い る こ と(lane9)が
示 さ れ た 。 つ ま り 、DsbBのcyslo4,cys130間
cys44の
の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 はcys41,
存 在 に 依 存 し て い る が 、DsbBのcys41,cys44間
Cys104,Cys130が
がcyslo4,cys130を
相 当す る
の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 は
な く て も 起 こ る ・ こ の こ と は ・DsbBのCys41-Cys44ジ
酸 化 す る と の 岸 上 らの モ デ ル に 合 致 して い る 。
一31一
スル フィ ド
345
駆1二
67
8
9
。
_red4
red2
0X
red1グ 囎
ox
DsbB蜜 蜜 『 拶
♂蜜が 重
Illl
TCA-→DTT--AIMSTCA-AMS
Fig.8AMS付
DsbB欠
加
後 のDsbBと
そ
損 変 異 株TA164(45わB'=㎞
Cys130の
ど れ か をSerに
のCys1Ser変
異 体
の 電 気 泳 動 パ
η)に 野 生 株DsbB-His6・Myc、
置 換 し たCys/Ser変
タ ー
ン
ま た はcys41,cys44,cyslo4,
異 体DsbB-His6-Mycを
コ ー ドす る プ ラ ス ミ ド
を 導 入 し た 。 ど の シ ス テ イ ン を セ リ ン に 置 換 し た か は 、 パ ネ ル 下 部 にDsbBの
Cys41,Cys44,Cys104,Cys130を
か っ こ 内 に 順 番 に 並 べ 、CysをC,SerをSと
して 記 し た 。
DsbB【CCCq(lanes1,2and7多pSS51)、DsbB[SCCq(lane3∫pSS53)、DsbB【SSCq(lanes
4,8♪pTAK8、DsbB【CCSS】(lanes5,9∫pTAK10)、DsbB【CSSS](lane6;pTAK18)を
る 細 胞 を 、L-glucose培
濃 度5%)全
地 中 で37度
で 生 育 さ せ 、TCAで
タ ン パ ク 質 を 沈 殿 さ せ 、 ア セ ト ン で 洗 浄 後 、lane1,7,8,9に
SDS-Tris-HCl-AMS溶
100mMDTrを
液 に 溶 か し た(TCA→AMS)。lane2-6に
含 むTrisbuffer中
処 理 し(終
つ い て は
つ い て は 、 ア セ トン洗 浄 後 、
に 懸 濁 し て イ ン キ ュ ベ ー ト し て か ら 、 再 びTCA沈
殿 を行
い 、sDs-Tris-HCl-AMs溶
液 に 溶 か し た(TcA→DTr→AMs)。
のsDs-PAGEの
体 で ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ を 行 っ た 。 パ ネ ル 横 のoxは
後 、Myc抗
元 処 理 を 行 っ て い な いDsbBを
数 字 の 数 だ け フ リ ー のCysが
2.DsbBの
で 培 養 しlog-phaseま
発 現 す
、red1,red2,red3,red4は
存 在 す るD3bBを
各 サ ン プル は 非還 元状 態
還
活 性 に必 要 な シ ス テ イ ンの 内 、
示 す 。
どの シ ス テ イ ン が 、 呼 吸 鎖 欠 損 状 態 でDsbAと
ジ ス ル フ ィ ド複 合 体 を
作 るのか
μ尻A膨 ηA変 異 株 、加解A変 異 株 で 呼吸 鎖 欠損 状 態 で 生 育 して い る細 胞 中 で観 察 さ
れ たDsbA-DsbB複
合 体 はDsbBの
どの シス テ イ ン を使 っ て い た の だ ろ うか 。DsbBの
活 性 に必 須 な シス テ イ ン をセ リン に換 え た一 連 のDsbB変
の影 響 を調 べ た。 各 変 異 体DsbBを
株 を用 い 、PHBを
DsbB複
異 体 を用 い 、複 合体 形 成 へ
コ ー ドす る プ ラス ミ ドを導 入 した画 ん η飢A変 異
取 り除 い た倍 地 中で6時
間培 養 して キ ノ ン を欠 乏 させ 、DsbA-
合 体 の 形 成 を調 べ た 。結 果 をFig.9に 示 す 。 まず 、DsbB[CCCqで
一32一
は複 合 体 の
蓄 積 が 見 ら れ た が(lane2)、
変 異 体DsbB【CCSS]で
か っ た(1ane3,4)。DsbB[SSCqで
た(特
にlongexposureに
(1ane10)。
は 複 合 体 と 思 わ れ る バ ン ドが 少 量 な が ら 検 出 で き
よ っ て,lane6)。
が 見 ら れ た(lane10)の
次 に 、DsbB[CCCS]で
に 対 し 、DsbB[CCSqで
は複 合 体 のバ ン ド
は 複 合 体 は 全 く検 出 で き な か っ た
ま た 、DsbB【SCCq,DsbB[CSCqに
さ れ た(datanotshown)。
は 、 複 合 体 の 蓄 積 は 全 く見 ら れ な
つ い て も調 べ た が 、 共 に 複 合 体 が 検 出
以 上 の 結 果 か ら 、DsbB[CCSS],DsbB[CCSqで
は 、DsbA-
DsbBジ
ス ル フ ィ ド複 合 体 が 全 く 検 出 で き な か っ た の で 、DsbBのcyslo4はDsbA-
DsbB複
合 体 形 成 に 必 須 で あ る こ と が わ か っ た 。 つ ま り、DsbBのcyslo4はDsbA-
DsbB間
ジ ス ル フ ィ ド結 合 のDsbB側
の シ ス テ イ ン で あ る と考 え られ る 。 こ の よ う に 、
呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で 形 成 さ れ る ジ ス ル フ ィ ド複 合 体 は 、 変 異 体DsbA[C33S]を
に 検 出 さ れ たDsbA酸
化 反 応 中 間 体 と 同 様 、DsbBのcyslo4を
用いた時
使 用 して い る こ と が 明
らか と な っ た 。
3456
12
ドか
ハ ぬ
}鱒購
ア8910
ミめ
し
・"帰
鳩 頗覇繭 鵬敵
Dsb舟DsbB)塗
囁
酢
晒 薩嶺 臨軸.噸
欄駒d騨
・
鱒
響 』`
畠 轟:二 ・
∵
呼噸
冠
・
怖
r
竪
0606
L二_」
一
S
S
C
P
a侮orwash■06■
6
o
Time
(助D5bBICCCq
で あ
ミ1謡
ox
鱒 調 勝● 」
●
o翼
Fi&9DsbBのcyslo4は
ε'・
量
red2一
要
痢
脚 鱒 ■膨
」
lCCSC】ICCCS1
キ
ノ ン 欠 乏 状 態
で のDsbA-DsbB複
合 体
の 形 成
に 重
る
必 船 耀 η、445詔 三 重 変 異 株TA162@fA420耀
ηA40145bB"㎞
η)にHis6-Mycタ
グの つ い た
DsbB[CCCq(lane1,2),DsbB【CCSS】(1ane3,4),DsbB【SSCq(lane5,6),DsbBICCSq
(lane7,8),DsbB[CCCS】(lane9,10)を
コ ー ド す る プ ラ ス ミ ドpSS51,pTA】
〈10,pTAK8,
pSS55,pSS56を
ト ラ ン ス フ オ ー ム し た 。 そ れ ぞ れ の 細 胞 は リ ン 酸 緩 衝 液 を 加 え たPHBを
含 むL-glucose培
地 中 でlog・phaseま
い 培 地 中 で6時
間 培 養 し た(lane2,4,6,8,10)。
で 培 養 し(lane1,3,5'7・9)・wash後
一33一
全 て の サ ン プ ル はTCA,AMS処
・PHBを
含 ま な
理 を行 っ
て い る 。 そ の 後 、anti-Myc抗
DsbA-DsbB複
体 を用 い て ウエ ス タ ンブ ロ ッテ ィ ン グを行 っ た。 矢 印 は
合 体 の バ ン ドを 示 す 。
3.DsbBのcys41-cys44ジ
ス ル フ ィ ド はDTT抵
次 に 、 膜 に 組 み 込 ま れ たNativeな
抗 性 を示 す
状 態 で は 、DsbBの
持 つ2つ
の ジ ス ル フ ィ ド結 合
が 、 還 元 剤 を 加 え て も完 全 に 還 元 さ れ な い こ と を 見 い だ し た 。 つ ま り 、
DsbB[cccqを
発 現 し た 細 胞 、 あ る い は そ の 膜 分 画 に 還 元 剤DTrを
還 元 型 で あ るred4に
は な ら ず 、DsbBはred2の
。 し か し 、 こ の よ う なDTrに
加 え て も、完 全
位 置 に 現 れ た(Fig.10,パ
ネ ルA,lane3)
よ っ て 完 全 に 還 元 さ れ な い 性 質(DTr抵
標 品 を 界 面 活 性 剤TritonX-100で
可 溶 化 す る と 失 わ れ 、DsbBは
抗 性)は
、膜
完 全 に 還 元 さ れ てred4
の 位 置 に 現 れ た(パ ネ ルA,lane4)。
次 に 、DsbB【ccss]を
(Fig.10,パ
ネ ルB)。
用 い て 同 様 にDTT処
理 の 実 験 を 行 っ てDTr抵
す る と 、DsbB[ccSS]に
お け るCys41-Cys44はDTrを
く還 元 さ れ な か っ た が(パ ネ ルB,lane3)、TritorO(-100を
B,lane4)。
加 え て も全
加 え る と 還 元 さ れ た(パ ネ ル
こ れ ら の 結 果 か ら 、DsbBのCys41-Cys44ジ
示 す こ と 、 ま た 、 こ のDTT抵
抗 性 を調べ た
ス ル フ ィ ドがDTrに
抵抗 性 を
抗 性 は 界 面 活 性 剤 で 膜 成 分 を 可 溶 化 す る と失 わ れ る こ
とが 明 らか と な っ た 。
DTrは
膜 透 過 性 の 還 元 剤 な の で 、 膜 がDsbBのcys41-cys44を
え に く い 。 私 は 膜 成 分 中 の 呼 吸 鎖 が 、DsbBのDTr抵
考 え 、 呼 吸 鎖 欠 損 変 異 株 に お け るDsbBのDTr抵
4.DsbBのcys41-cys44のDTT抵
DTr処
抗 性 を調 べ た。
損 変 異45bB'勅 ηを導 入 して三 重 変 異体 を作 成 し
し くはDsbB[CCSS】
呼 吸 鎖 欠 損 状 態 の細 胞 内 のDsbBがDTr抵
ず 、 これ らの 大 腸 菌 をPHBを
抗 性 に関 与 す るの で は ない か と
抗 性 は 呼 吸 鎖 機 能 に依 存 し て い る
砺 ん η印A変 異 株 に さ らにDsbB欠
た 。 この 菌 株 にDsbB[CCCqも
保 護 して い る と は 考
を コ ー ドす る プ ラス ミ ドを導 入 し、
抗 性 を保 持 して い るか どうか を調 べ た。 ま
含 ま ない倍 地 中 で12時
理 した。 す る と、DsbB【CCCqはred4,DsbB【CCSS】
一34一
間培 養 した後 、 菌体 を直接
はred2の 位 置 に現 れ 、
DTTに
よ っ て 完 全 に 還 元 さ れ る こ と が わ か っ た(datanotshown)。
鎖 欠 損 状 態 で 生 育 さ せ た 細 胞 か ら膜 を 調 製 し 、DTT抵
DsbB【CCCqを
次 に 、 同様 に 呼 吸
抗 性 を調 べ た。 この 時 、
発 現 し て い る 細 胞 か ら 膜 を 調 製 し て も 、 予 想 さ れ たDsbA-DsbB複
体 は 検 出 さ れ な か っ た 。 細 胞 を 直 接TCA処
合
理 す る と複 合 体 は 見 られ る こ とか ら、 細
胞 破 砕 に よ っ て 、 お そ ら く細 胞 質 な ど に 存 在 す る 還 元 的 な 因 子 が 、DsbA-DsbB複
合
体 に 働 け る よ う に な り 、 複 合 体 は 解 離 し た の だ ろ う と考 え ら れ る 。 さ て 、 呼 吸 鎖 欠
損 状 態 の 細 胞 か ら 調 製 し た 膜 にDTrを
れ 、TritonX-100を
lane7,8)の
加 え た と こ ろ 、DsbB[cccqは
加 え た と き の バ ン ドの 位 置 と 同 じ く 、red4(Fig.10,パ
位 置 に 泳 動 さ れ た 。 次 にDsbA-DsbB複
にcys41-Cys44のDTT耐
DsbB[CCSS]はDTrに
性 を 調 べ る こ と が で き るDsbB[ccSS1を
よ っ て 完 全 に 還 元 さ れred2の
lane7)。
こ れ はTritonX-100で
lane8)。
即 ち 、DsbBのCys41-Cys44は
ネ ルA,
合 体 を 形 成 し な い た め 、 よ り単 純
欠 損 状 態 の 細 胞 か ら 同 様 に 膜 を 調 製 し て 、DTT抵
て お り、DTrに
完 全 に還 元 さ
発 現 して い る 呼 吸 鎖
抗 性 を調 べ た 。 す る と、
位 置 に 現 れ た(Fig.10,パ
処 理 し た と き の 位 置red2と
ネ ルB,
同 じ で あ っ た(パ ネ ルB,
呼 吸 鎖 キ ノ ン 欠 乏 状 態 で はDTr抵
抗 性 を失 っ
よ っ て 完 全 に還 元 さ れ る こ とが 明 らか と な っ た 。
A
DsbB[CCCCl
12345678
姻
-●
● ジ離
O禰
騰
」-ox
DsbB【CCSS】
B
Oo_「
騨囎 ● 一 ∠騨2
-十
一
十
一
L二⊥]L二
十
一
十Tl賛on
二 」二]DTT
十Quinones
Fig.10DsbBのcys41-cys44は
野 生 株TA164(45bB'」
lane5-8)にDsbB【CCCqを
呼 吸 鎖 機 能 に依 存
㎞ η,lane1-4),功
し てDTT抵
鍋 規例 湾変 異 株TA162@1A420耀
コ ー ドす る プ ラ ス ミ ドpSS51(パ
一35一
ネ ルA)、
抗 性 を示 す
ηA40145わB3'㎞ η,
も し くは
DsbB[CCSS]を
コ ー ドす るpTAI(10(パ
を 加 え たL-glucose培
ネ ルB)を
地 中 でlog-phaseま
フ ァ ー を 加 え たL-glucose培
導 入 し た 。TA164は
リン酸 バ ッ フ ァー
で 、 キ ノ ン 欠 損 変 異 株TAl62は
地 中 でPHBのwash操
作 後 、12時
で 冷 却 し 、 遠 心 分 離 機 で 集 菌 し た 。 そ の 後 、sonicationでcellを
、 リ ン酸 バ ッ
間 培 養 した 。 培 養 液 は 氷 上
破 砕 し 、debrisを
遠 心 操
作 で 除 い た後 、超 遠 心 機 にか け 、 膜 画 分 を単 離 した。 膜 サ ンプ ル は、 界 面 活性 剤
TritonX-100存
在 下(lane2,4,6,8)、
ト し た 後 、20mMDTT存
10分
も し く は 非 存 在 下(lanel,3,5,7)で
在 下(lane3,4,7,8)、
、5分
間 イ ンキ ュ ベ ー
も し く は 非 存 在 下(lane1,2,5,6)で
、 さ らに
間 氷 上 で イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 そ の 後 、 全 て の サ ン プ ル はTCA、AMS処
非 還 元 状 態 のSDS-PAGEを
行 っ た 。DsbBはanti-Myc抗
理 の 後 、
体 を用 い て ウエ ス タ ンブ ロ ッテ ィ
ン グ を行 い 、 検 出 した 。
次 に 加 辮A変 異 株 で も 同 様 の 現 象 が 見 ら れ る か を 調 べ た 。DsbB[CCSS】
ALAの
な い 倍 地 中 で12時
DsbBのCys41-Cys44は
還 元 さ れred2の
砺247π 伽A変
を用 い 、
間 培 養 し た 細 胞 にDTrを
添 加 した 。 す る と 、 野 生 株 中 で
還 元 さ れ な い(Fig.11,lane2)が
、 ヘ ム 欠損 状 態 の細 胞 中 で は
位 置 に 現 れ た(lane4)。
異 株 と 同 様 、DsbBはDTI抵
こ の 結 果 よ り 、 舵 筋4変 異 株 で も 、
抗 性 を 失 う こ とが 明 らか と な っ た 、
この よ う に、 呼 吸 鎖 成 分 を欠 損 して い る と、DsbBのcys41-cys44のDTr抵
失 わ れ た 。 これ らの結 果 か ら、DsbBのDTT抵
抗性 は
抗 性 は 、呼 吸 鎖 機 能 に依 存 した性 質 で
あ る こ とが 明 らか とな った 。
1
2
4
3
DsbB[CCSS]
0幽F駿2
1-十
藍1-十lDTT
十
Fig.11ヘ
一Heme
ム の 欠 乏 はcys41-cys44の
ジ ス ル フ ィ ド 結 合 をDTT感
受 性 に す
る
野 生 株LE392(1ane1,2)と
す る プ ラ ス ミ ドpTAKIOを
ん飾 、4変異 株(LE392,h伽A3'K駕lane3,4)にDsbB[CCSSIを
導 入 し 、 リ ン酸 バ ッ フ ァ ー を加 え たL-glucose培
h伽 、4変異 株 に つ い て は 、ALAを
含 む 同 培 地 で 培 養 後 、ALAをwashで
一36一
発現
地 で 培 養 した 。
取 り除 き・AtAを
含 ま な い 培 地 中 で12時
間 培 養 し た 。 そ れ ぞ れ の 培 養 液 は 氷 上 で 冷 や し、 遠 心 分 離 で 集
菌 後 、10mMTris-HC1バ
在 下 で 氷 上10分
ッ フ ァ ー(pH8.1)に
懸 濁 し、20mMDTrの
間 イ ン キ ュ ベ ー ト した 。 そ の 後 、TCA沈
状 態 のSDS-PAGEを
行 っ た 。DsbBはanti-Myc抗
殿 、AMS処
存 在 下 、 また は非存
理 を行 い 、 非 還 元
体 を用 い た ウエ ス タ ン ブ ロ ッテ ィ ン グで
検 出 した 。
5.cys41-cys44のDTT抵
抗 性 に は酸 素 が 必 要 であ る
DsbBのcys41-cys44のDTr抵
そ れ は物 理 的 にDTrか
Cys44領
抗 性 が 呼吸 鎖機 能 に依 存 して い る こ とが 示 され たが 、
ら隔離 され て い るた め か も しれ ない 。例 え ば 、DsbBのcys41-
域 が 、呼 吸 鎖 依 存 的 にマ ス ク され て い る可 能性 も考 え られ る。 それ と も、 よ
り機 能 的 な要 因が 重 要 な の か も しれ ない 。例 え ば 、Cys41-Cys44は
した 機 構 で 強 く酸 化 され て お り、 た とえDTrに
酸 化 され るの か も しれ な い。 後 者 の場 合 、DTT抵
呼 吸 鎖 とカ ップル
よっ て 一 瞬還 元 され て もす ぐさ ま再
抗 性 の保 持 に は 、酸 化 力供 給 の た
め の 酸 素 を必 要 す る と考 え られ る。 そ こで 、正 常 な呼 吸 鎖 を もつ 膜 を用 い 、 酸 素 の
無 い状 態 で 、DsbBのDTr抵
DsbB【CCCqを
抗 性 を調 べ た 。
発 現 して お り、好 気 的状 態 で生 育 して い る野 生 株 細 胞 か ら膜 を調
製 し、D了T存 在 下 で、N2を 試 料 中 にバ ブ リ ング させ て試 料 中 の酸 素 を除 い た。 す る
と、DsbBは
完全 に還 元 されred4の 位 置 に現 れ た(Fig.12,lane1)。N2置
た試 料 で は 、DsbBは
完 全 に還 元 されず 、red2の 位 置 に現 れ た(lane3)。 これ らの結 果
か ら、酸 素 がDsbBのDTr抵
抗 性 の維 持 に必 要 で あ る こ とが わ か った 。
1
DsbB
red4一
red2\
2
4
3
欄 ●
.
● ●齢儀
OX-
Fig.12DsbBのDTT抵
換 を行 わ なか っ
Atm.
N2一Air-」N2
DTT
十
一
十
一
抗 性 に は 酸 素 が 必 要 で あ る
TAI64(45Z7B'」 肋 η)/pSS51(4訪B一 海56一御yc)をL-glucose培
-37一
地 中 でlo9-phaseま
で培 養 させ ・
differentialcentrifugationで
Huorideを
膜 画 分 を 調 製 した 。 膜 はlmMpheny㎞ethylsulfonyl
含 む10mMTris-HCl(pH8.1)バ
たlaneの サ ン プ ル は 、20mMDTrの
ツ フ ァ ー に 懸 濁 し た 。 パ ネ ル 下 部 にN2と 表 示 し
存 在 下(lane1)、
ラ ス チ ッ ク 容 器 中 、 窒 素 ガ ス を 氷 上30分
(1ane2)で 、 氷 上 に60分
態 のSDS-PAGEを
間 氷 上 に 放 置 した 。 一 方 、 パ ネ ル
サ ン プ ル は 、20mMDTrの
間 放 置 し た 。 そ の 後 、TCA沈
行 っ た 後 、anti-My(抗
、 シ ー ル を した プ
間 バ ブ リ ン グ し て 、 溶 液 中 の 空 気 を窒 素 に 置
換 し た 。 そ の 後 、 完 全 に シ ー ル を し て 、 さ ら に30分
下 部 にAirと 表 示 さ れ たlaneの
非 存 在 下(lane4)で
存 在 下(lane3)、
殿 、AMS修
非存在下
飾 を行 っ て 、 非 還 元 状
体 を 用 い た ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ でDsbBを
検 出 した 。
6.DsbBはDTTを
酸 化 で きる
DsbBのcys41-cys44が
DTrに
呼 吸 鎖 と カ ッ プ ル し た 機 構 で 強 く酸 化 さ れ て お り、 た と え
よ っ て 還 元 さ れ て も す ぐ さ ま 再 酸 化 さ れ る た め 、DTrに
え る と 、DsbBは
結 果 と し てDTTを
を 利 用 し て 、 酸 素 に よ りDTrを
DsbBがDTrを
抵 抗 性 を示 した と考
酸 化 し て い る こ と に な る 。 す な わ ちDsbBは
酸 化 す る 酵 素 で あ る と も言 え る 。 そ こ で 、 実 際 に
酸 化 す る か ど う か に つ い て 検 討 し た 。 ま ず 、fη 伽oでDTrを
含 む プ レー
ト培 地 上 で の 細 胞 のviabilityを 調 べ た 。45西1ん∫K規.45わB=℃加 二 重 変 異 株 に 耽
タ ー 下 にDsbB[CCCqを
入 し 、DTrを
DTrを
プ ロモ ー
コ ー ドす る プ ラ ス ミ ド も し く は コ ン ト ロ ー ル ベ ク タ ー を 導
含 む プ レ ー ト上 で の 生 育 を 調 べ た 。L-glucose培
導 す る た め にIsopropylβ
呼吸鎖
一D-thiogalactoside(IPTG),c-AMPを
地 にDsbBの
発 現 を誘
添 加 して 、 さ らに
加 え た プ レ ー ト を 作 成 し 、 シ リ ア ル ダ イ リ ュ ー シ ョ ン を 行 っ て 生 育 を 調 べ た.
す る と 、Fig.13の
パ ネ ルAで
生 育 を 示 し た が 、DTrを
見 ら れ る よ う に 、DTTOmMで
添 加 し た 培 地 で の 生 育 は 、 野 生 型DsbB[cccqを
の 方 が 明 ら か に 耐 性 を 示 し 、 特 に30-40mMのDTTを
パ ネ ルADTT30mM,DTT40mM)。
し な く て も 細 胞 にDTr耐
Cys44がDTTを
即 ち 、DsbBは
持 つ 菌株
含 む 培 地 で 顕 著 で あ っ た(Fig.13,
そ の 本 来 の 基 質 で あ るDsbAが
存在
性 を 与 え る こ と が 示 さ れ た 。 こ の 結 果 はDsbBのcys41-
酸 化 し て い る と い う 考 え に 合 致 し て い る ・ 過 剰 のDTTは
を 阻 害 す る が 、DsbBがDTrを
次 にDsbB欠
は 全 て の 菌 株 が 同程 度 の
大 腸 菌 の生 育
酸 化 す る こ とで そ の 生育 阻 害 が弱 め られ た の だ ろ う。
損 変 異 株 、 も し く はDsbBを
過 剰 発 現 さ せ た 株 か ら 、 膜 を 調 製 し 、DTr
に対 す る」
η碗 γoでの 酸 化 能 を み た 。10mMDTrで60分
ー38一
間氷 上 で膜 を イ ンキ ュベ ー ト
した後、超遠心にかけて膜画分を除き、上澄み中の残存チオール量をチオール定量
試薬 DTNB(
5
,
5
'
d
i
t
h
i
o
b
i
s
(
2n
i
t
r
o
b
e
n
z
o
i
ca
c
i
d
)
)で定量した o DTNBはチオール基と反
・
応して 412nm
の吸収を示すので、残存チオールの量は 412nmの吸収で、
定量できる o
すると、 DsbBに依存して吸収の減少、つまりチオール量の減少が起こった。また、
37
度でインキュベートすると氷上の場合よりも、 DsbBの有無に依存した明らかな吸
収の減少がみられた。以上のことから、 DsbBはそれ自身がDTIのような低分子チオー
ルを酸化できることが予備的にではあるが示された。
A
DsbB+
OmMDTT
DsbB・(
v
e
c
t
o
r
)
DsbB+
20mMDTT
DsbB-
DsbB+
30mMDTT
DsbB-
DsbB+
40mMDTT
DsbB・
F
i
g
.1
3aDsbBはDTTを酸化することが出来る
(パネル A) L
g
l
u
c
o
s
e
,IPTG
,
cAMP
,各濃度の DTIを含むプレート上での生育を示す。
d
s
b
A
d
s
b
B
二重欠損変異株TA228にpUC119ベクターの l
a
cフaロモーター下に DsbBをコード
するプラスミド pT
AK3(DsbB[
CCC
C
]
;DsbB+),コントロールベクター pUC119(
D
s
b
B
)を
導入した。 L
g
l
u
c
o
s
e
培地中でKU=40まで増やした培養液を 10倍ごと希釈を行って、各
g
l
u
c
o
s
e
,IPTG
,c-AMPフ。レート上にスポットし、
希釈液から 2μlを各濃度のD廿 を 含 む L
3 7度で 20時間培養した。
3
9・
B
C
。
門)り
,
、
:
lh(
リ
A
μ
μfuO
mqmm
凶
一
・
3
司
一m
ch
n
u
円
﹂
7'
nD
﹄
U
200
3+
100
menb悶 n
e
(
μり
℃υ
n
ハU
o
-叫
一・
nunu
NF寸︿
。
F
i
g
.
1
3b DsbBはDTTを酸化することが出来る
(パネル B、 C) i
nv
i
t
r
oでの DTIの酸化を調べた o d
s
b
B欠損変異株に pUC119vector
(
D
s
b
B
)
,または DsbB過剰発現プラスミド pTAK3(DsbB+
)を導入した大腸菌から膜を調製
し(各membrane
の蛋白濃度DsbB-:8mg/ml
,
DsbB+;6mg/ml)、グラフに記述した量の膜を
含むサンプルをlOmMD'
πで 60分間氷上,もしくは 37度でインキユベートした。その
後、超遠心で膜画分を分離後、上澄みを取りチオール定量試薬D別 B
(
f
i
n
a
lc
o
n
c
.O
.
l
mM)
(
7
9
)を用いて残存チオールの量を 412nmの吸収で測定した。
7
.まとめ
以上の結果より、 DsbBのC
y
s
4
1
C
y
s
4
4はDTT抵抗'性を有しており、それは呼吸鎖
機能と、酸素に依存していることが明らかとなった。そして、呼吸鎖成分は DsbBの
Cys41,
Cys44を酸化することが示唆された。
J(1999)181192・1198に掲載された。
これらの結果はEMBO.
4
0
-
2-3.DsbBの
変 異 解 析
我 々 はfηη∫
ηoでDsbシ ス テ ム と呼 吸 鎖 が カ ップ リ ン グ して い る こ と を示 したが 、 そ
の 後 、Bardwellグ
ル ー プ に よっ て、fπηff70でもDsbシ ス テ ム は 呼吸 鎖 キ ノ ンか ら直
接 酸 化 力 を受 け取 る こ とが 示 され た。 我 々 はDsbBの
化 機 構 を解 明 す るた め 、DsbBの
呼 吸 鎖 成 分(キ
ノ ン)に
よ る酸
変 異 株 を多 数 作 成 し、呼 吸 鎖 との カ ップ リ ング に欠
損 を示 す 変 異 体 の 同 定 を試 み た。
1.DsbBのCXXCモ
チ ー フ変 異 体
チ オ ー ル/ジ ス ル フ ィ ド酸 化 還 元 酵 素 に 特 徴 的 に 見 ら れ るCys-x-x-Cysモ
内 部 のXX配
チー フ
列 は酵 素 自身 の 酸 化 還 元 能 力 、 つ ま りレ ドックス ポ テ ンシ ャル に大 き く
影 響 す る こ と が 知 ら れ て い る(80)(60)。 前 章 でDsbBのcxxcモ
チ ー フ(cys41-cys44)
は 呼 吸 鎖 に よ っ て 強 く酸 化 さ れ て い る こ と が 示 さ れ た 。 そ こ で 、 呼 吸 鎖 と の カ ッ プ
リ ン グ に お け るCXXCモ
チ ー フ の 重 要 性 を 調 べ る た め に 、DsbBのCXXCモ
部(Val一 正eu)を 他 の 酸 化 還 元 酵 素 のXX配
列 、Gly-His(PDI),Gly-Pro(チ
チ ー フ内
オ レ ドキ シ ン
),Pro-His(DsbA),Gly-Tyr(DsbC),Val-Ala(DsbD),Pro-Thr(DsbE),Pro-Tyr(DsbG
と グ ル タ レ ドキ シ ン)に 変 え た 変 異 体 をsitedirectmutagenesisで
DsbBの
活 性 を 、DsbAの
酸 化 還 元 状 態 で 調 べ た(Fig,14パ
自 身 の 酸 化 還 元 状 態(Fig.14パ
変 異 体DsbBを
Fig.14,15に
ネ ルB)とDTr抵
ネ ルA)。
抗 性(Fig.15)を
ま た 、 変 異 体DsbB
調 べ た。 実 験 は これ らの
コ ー ドす る プ ラ ス ミ ド を45協 欠 損 変 異 株 に 導 入 し て 行 っ た 。 結 果 を
示す 。
ま ず 、 各DsbB変
14の パ ネ ルAに
異 体 を 発 現 し て い る 細 胞 内 のDsbAの
酸 化 還 元 状 態 を 調 べ た 。Fig.
見 ら れ る よ う に 、 チ オ レ ド キ シ ン(Trx)型 のDsbBで
型 の 蓄 積 が 見 ら れ た(Fig.14,パ
ネ ルA,1ane3)。
、DsbA型
で わ ず か に 還 元 さ れ て い た 程 度 で(lanes2,4)、
lane1)と
同 様 、 全 て 酸 化 型 で あ っ た(lanes5-7,DsbG(Grx)型
以 外 のDsbB変
異 体 で は 、DsbA-DsbB複
は 、DsbAの
還元
し か し 、 そ の 他 の 変 異 体 で は 、DsbA
はPDI型
DsbC型
作 成 し、 各 変 異 体
残 り は 野 生 型(
はdatanotshown)。
合 体 の バ ン ドが 見 ら れ た(パ ネ ルA,B.
lanes2-4,6/7)o
次 にDsbB変
異 体 自 身 の 酸 化 還 元 状 態 を 調 べ た(Fig.14,パ
-41一
ネ ルB)・TCA沈
殿 の後 ・
AMS処
理 ・ 非 還 元 状 態 のSDS-PAGEを
DsbB分
子 の バ ン ド は 野 生 型 に 比 べ て 減 少 し て い た(Fig
し ・AM諮
行 った
飾 を 行 わ ず に 還 元 状 態 でSDS-PAGEを
。 い く つ か のDsbB変
.14,パ ネ ルB;DsbBox)。
行 っ た とこ ろ
、DsbA型
、DsbD型
部 、 も し く は 大 部 分 がDsbA-DsbB複
4,6,7;DsbA-DsbB)。PDI型
lane2)。
、DsbE型
のDsbB変
しか
、 全 て のDsbB変
は 安 定 に 存 在 し ・ 発 現 量 も 野 生 株 と 同 じ で あ っ た(datanotshown)
子 の 減 少 し て い るTrx型
異 体 で は、 単 独 の
異体
。 単 独 のDsbB分
異体 では
、DsbBの
合 体 へ と 移 行 し て い た(Fig 。14,パ ネ ルB,1anes3.
で も 少 量 だ がDsbA-DsbB複
合 体 の バ ン ドが 見 ら れ た(
し か し 、 い ず れ の 変 異 体 で も 、 単 独 で 存 在 す るDsbBは
全 て 酸 化 型 で あ っ た(
パ ネ ルB;DsbBox)。
∼
み労競
A1234567
D・bA-D・bB-{嫡
D・bA[「
包
二6晶
噸 酬劇 』 齢 劇 脚 齢
謹魑 陥
B
D・bA-D・bB-→
輪 繭 剛
■ ●
剛 剛 験 ●
D・bB・x一劇 剛 ■剛 ■k騨 閥 ■』 ●d軸
Fig.14DsbBのcxxcモ
チ ー フ変 異 体 の 機 能 と酸 化 還 元 状 態
SS141(45わBfご㎞ π5)に 、DsbBのCXXCモ
素 のXXに
一
変 え たDsbB-His6-Mycを
チ ー フ 内 部 の 配 列(Va142Leu43)を
他の酸化還元酵
コ ー ドす る プ ラ ス ミ ド(pTAK30,pTAK31,pTAK32,
-42一
pTAK33,pTA】
〈34,pTAK35)を
導 入 し た 。lanelは
野 生 型(Val42Leu43;pSS51),lane2は
PDI型(Gly-Hi$pTAK30),1ane3はTrx型(Gly-Pro;pTAK31),1ane4はDsbA型(Pro-His∫
pTAK32),lane5はDsbC型(Gly-TyηpTAK33),lane6はDsbD型(Val-Ala∫pTAK34),lane7は
DsbE型(Pro-Thr;pTAK35)のCXXCモ
CXXCモ
TCAで
チ ー フ を 持 つDsbB変
異 体 を示 す 。 パ ネル 上 部 に
チ ー フ 内 部 の 配 列 を か っ こ 内 に 示 し た 。log-phaseま
処 理 し た 後 、AMS修
(パ ネ ルA)、
抗Myc抗
次 に各 変 異体DsbBのDTr抵
で 培 養 させ た 培 養 液 を 直 接
飾 を お こ な い 、 非 還 元 状 態 のSDS-PAGEの
体(パ
ネ ルB)を
後 、 抗DsbA抗
体
用 い て検 出 した。
抗 性 を調 べ た 。DTr抵
抗 性 は 、呼 吸 鎖 との相 互作 用 の
指 標 で あ り、 呼 吸 鎖 との カ ップ リ ングが 上 手 く行 か な い場 合 に は失 わ れ る。 そ こで、
各 変 異 体 を発 現 してい る細 胞 か ら膜 を調 製 し、DsbB変
異 体 のDTr抵
抗 性 を調 べ た。
結 果 をFig.15に 示 す 。 先 ほ どの酸 化 還 元 状 態 を調 べ た ア ッセ イで は、TCA沈
胞 内 タ ンパ ク質 の状 態 を フ リーズ した もの を見 て い たが 、 このDTT抵
殿 で細
抗 性 の ア ッセ
イで は、細 胞 を破 砕 して膜 を調 製 す る の で、 先 ほ ど見 られ たDsbA-DsbB複
既 に述 べ た よ うに細 胞 質 の 因子 に よっ て還 元 され、 開裂 す る。 さて 、DTT抵
合 体 は、
調 べ た とこ ろ、Fig.15に 見 られ る よ うに、 全 て のDsbB変
に還 元 され ず 、DTT抵
活 性 剤TritonX-100で
異 体 はDTrを
抗 性 を示 した(Fig.15,lanes2,5,8,11,14,17)。
処 理 す る と、DTrに
15,18)。 つ ま り、 これ らのcxxcモ
性 を保 持 して お り、CXXCモ
抗性 を
加 えて も完 全
一 方 、膜 を界 面
よっ て完 全 に還 元 され た(lanes3,6,9,12,
チ ー フ変 異 体 は 、野 生 型DsbBと
同様 にDTr抵
抗
チ ー フ内部 の配 列 が 変 化 して い て も、 呼 吸 鎖 か ら酸 化
力 を受 け取 る能 力 に は支 障 が な い こ とが 明 らか とな っ た。
ほ とん どのCXXCモ
チ ー フ変 異 体 でDsbA-DsbB複
異 体 で蓄 積 す るDsbA-DsbB複
合 成(DsbA基
体 はDsbBに
質 の供 給)を
よ るDsbA酸
合 体 は ク ロ ラム フ ェニ コー ル(Cm)を
加 え て タ ンパ ク質
止 め る と速 や か に消 失 す る(datanotshown)の
で 、複 合
化 反 応 の 中 間体 で あ る と考 え られ る。 これ らの 変 異体 で は 、
中 間体 が 検 出 され る程 にDsbA酸
て い るXX配
合 体 が み られ たが 、 これ らの 変
化 反 応 速 度 が低 下 した の だ ろ う。DsbBの
本 来持 っ
列 は、 呼 吸 鎖 か ら酸 化 力 を受 け 取 る に は必須 で は ない が 、DsbBのDsbA
酸 化 活 性 を最 大 にす る ため に は必 要 で あ る と考 え られ る。Trx型 で 最 もDsbA酸
性 が 低 か っ た とい う結 果 は、 チ オ レ ドキ シ ン は これ らの チ オー ル
一43一
化活
ジス ル フ ィ ド酸
化 還 元 酵 素 の 中 で最 も低 い レ ドックス ポ テ ンシ ャル を持 ち、 還 元 的 な性 質が 強 い こ
と と合 致 して い る。
以 上 の 結 果 よ り 、DsbBの
本 来 持 っ て い るCXXCモ
チ ー フ のXX配
列(Val-Leu)は
、
呼 吸 鎖 と の カ ッ プ リ ン グ に必 須 で は な い こ とが わ か っ た 。
マ
調
べ
団
げト
醜 譜桃 ボ 歯評 姻
「 一 一一 一「 一
一
123456789101112131415161718
「一 一
「 一一
一「 「一 一『
『一 「
尾
D・bB[黎
繭
㌔ ●㌔ ●欝齢 一
DTT-++一++一++一++一++一++
Triton-一+一
一+一
Fig.15DsbBのcxxcモ
Fig13に
チ ー
示 すCXXCモ
一+一
フ 変
一+一
異 体
一+一
のDTT抵
一+
抗 性
チ ー フ 変 異 体(PDI-type;lane1-3,Trx-type∫lane4-6,DsbA-type;
lane7-9,DsbC-type♪1ane10-12,DsbD-type多lane13-15,DsbE-type多lane16-18)を
発 現 す る細
胞 か ら 、 細 胞 破 砕 、 そ れ に 続 くdifferentialcentrifugaUonで
1mMpheny㎞ethylsulfonymuorideを
TritonX-100存
含 む10mMTris-HCI(pH8,1)バ
在 下(lane3,6,9,12,15,18)、
を 添 加 し 氷 上 で10分
間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。lane1,4,7,10,13,16は
2.DsbBの31コ
次 にDsbB機
行 っ た 後 、anti-Myc抗
ツ フ ァ ー に 懸 濁 し、
非 存 在 下(lane2,5,8,11,14,17)で
い コ ン ト ロ ー ル で あ る 。 そ の 後 、TCA沈
PAGEを
膜 画 分 を調 製 し た 。 膜 は
殿 、AMS修
、20mMDTr
何 も処 理 を 施 さ な
飾 を 行 っ て 、 非 還 元 状 態 のSDS-
体 を 用 い た ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ でDsbBを
検 出 した 。
ド ン挿 入 変 異 体
能 に必 須 の領 域 を探 す た め に、 トラ ンス ポ ゾ ンTh1αcZinを 用 い た31コ
ドン挿 入 変 異体 の作 成(81)をCREST研
究員 の 高橋 さ んが行 っ た。 そ の 経 緯 と結 果 を
記 して お く。 この トラ ンス ポ ゾ ンは ち ょう ど挿 入 配 列 がcoding領
た と きの み耽Z活 性 を示 す の で、 発 色 基 質X-Galを
域 に 血一frameで入 っ
含 む プ レー ト上 の コロニ ーの色 で
in-frameで 挿 入 が 入 っ たか ど うか を見 分 け る こ とが 出来 る。 また、 耽Z部 分 を含 む ト
ラ ンス ポ ゾ ンの大 部 分 は制 限酵 素 励 初H【で 切 り出 して除 くこ とが で き、最 終 的 に31
コ ドンの挿 入 変 異 を得 る こ とが で き る。DsbB-Hi艶Mycを
一44一
コー ドす る プ ラス ミ ドを
持 つ大 腸 菌 にTr面cZin(内
部 に薬 剤(Cm)耐
性 遺 伝 子@慮
伝 子)を 含 む)を 持 つ ラ ム
ダ フ ァー ジ を感 染 させ 、 プ ラス ミ ドを回収 、 大腸 菌 に トラ ンス フ ォー ム して 、Cm,
X-Galを 含 む プ レー ト上 で 青色 に な る コ ロニ ー を選 択 、45認 遺 伝 子 内 に トラ ンス ポ ゾ
ンが 移 っ た か ど うか を シ ー クエ ンス 、制 限酵 素処 理 等 で 確 認 後 、翫 解H【処 理 を行 っ
て トラ ンス ポ ゾ ンの大 部 分 を除 き、 最 終 的 に シー クエ ンス で31コ ドンの挿 入 部位 を
決 定 した。 そ の結 果 、15個
の異 な る挿 入 変 異 が 同 定 され た(Fig.16)。LacZ酵
素は
細 胞 質 で活 性 を持 つ た めTnZβcZinは 原 理 的 に は細 胞 質領 域 へ の挿 入変 異 をス ク リー
ンす る た め の もの で あ るが 、 実 際 に得 られ た変 異 の 内 、6個
の 挿 入 で あ っ た 。8個
持 つDsbBタ
はペ リプ ラズ ム領域 へ
は膜 貫 通 部位 の 内部 か近 傍 に挿 入 して お り、 これ らの 挿入 を
ンパ ク質 自身 は著 し く不 安 定 化 して い た 。
恥
99(3)
39(1)
o
Cy8
128(1)・L・1
鋤
4で
120(1)
頭
覗
Perip
46
90(3)
(2)一
・
86(1)
(2)
58
26(1)
曇
22(1)
、(2)72
1
74(1》
73(3》
13(4)
耀
㌣71G
1
Ln
一
CytopI
His6-Myctag
H2N
一
Fig.16DsbBの31コ
一
一一一㎜(xx粥
一一
一
ドン 挿 入 変 異 体
得 られ たDsbBの31コ
ドン 挿 入 変 異 体 を 示 す 。 挿 入 部 位 は 矢 印 と挿 入 部 位 の 直 前 の ア ミ
ノ 酸 の 番 号 で 示 し た 。 か っ こ 内 の 数 字 は 独 立 し て 取 っ て き た 同 じ変 異 の 数 で あ る 。 挿 入
さ れ た ア ミ ノ 酸 配 列 は 一 般 的 に 次 の よ う に 示 さ れ る 。(S,P,T,orA)DSYTQVASWTEPFPFSIQGDPRSDQET-(V,A,D,E,orG)-X)((81)。
最 初 の 一 つ と最後 の
三 つ の ア ミ ノ 酸 は 以 下 の 通 りで あ っ た 。13で はA-GRG,22で
で はP-VLK,46で
はA-GIY,58で
74で はA-VAM,86で
T-DVAで
はS-GVQ,90で
はP-GAA,71で
はA-GW,72で
はP-AYE,99で
はP-VTA,26で
はA-GYV,73で
はP-DPS,120で
はP-ALE,39
はT-DVA,
はP-EWV,128で
は
あ る。
次 に これ らのDsbB変
異 体 のDsbA酸
化 活 性 、DsbB自
一45一
身 の酸 化 還 元状 態 、DsbBの
DTT抵
抗 性 を 調 べ た 。 結 果 をFig.17に
でDsbBのn番
99,128番
目 の 残 基 の 後 ろ に31コ
示 す 。 各 変 異 体 はDsbBn::31と
示 す 。nは 数 字
ド ン の 挿 入 が 入 っ た こ と を 示 す 。DsbBの13,39,
目 の 残 奉 の 後 ろ に 挿 入 を 持 つ 変 異 体DsbB(DsbB13:=31,DsbB39::31,
DsbB99::31,DsbB128::31)は
、DsbA酸
lanes2,3,6,8)、DsbB変
90,120番
化 活 性 を 十 分 有 し て お り(Fig.17,パ
ネ ルA,
異 体 自 身 も 酸 化 型 で あ っ た(パ ネ ルB,lanes2,3,6,8)。
目 の 残 基 の 後 ろ に 挿 入 を 持 つDsbB変
一方 、
異 体(DsbB90::31,DsbB120::31)で
DsbAの
還 元 型 が 部 分 的 に 蓄 積 し た(パ ネ ルA,lanes5,7)。
DsbB複
合 体 の 蓄 積 が 見 ら れ た(パ
ネ ルA,B.lane5,矢
DsbB90::31で
さ え 、DTr抵
notshown)。
こ の 結 果 か ら 、 こ れ ら の 位 置 に31ア
特 にDsbB90::31で
は、
はDsbA-
印)。 しか し 、DsbB120=:31も
、
抗 性 を 保 持 し て い た(パ ネ ルC,lane2,DsbB120::31はdata
ミ ノ 酸 の 挿 入 が 起 こ っ て も、 呼 吸
鎖 と の カ ッ プ リ ン グ は 損 な わ れ な い こ とが 明 らか と な っ た 。
一方
DsbBも
、DsbB46=:31で
は 激 し い 欠 損 が 見 ら れ た 。DsbAは
還 元 型 と な っ て い た(Fig.17,パ
る の は こ のDsbB46::31の
完 全 に 還 元 型 で 蓄 積 し、
ネ ルA,B,lane4)。DsbBが
み で あ っ た 。 こ の 挿 入 はFig.16か
還 元 型 とな って い
ら も わ か る よ う にcxxCモ
チ ー フ のC末 端 側 近 傍 に 存 在 し て い た 。N末
端 側 近 傍 に 入 っ たDsbB39::31で
欠 損 は 見 ら れ な か っ た(パ ネ ルA,B,lane3)。
こ れ ら の こ と か ら 、CXXCモ
は、全 く
チ ー フ のC
末 端 側 の 領 域 が 呼 吸 鎖 との カ ッ プ リ ン グ に 重 要 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 そ こ で 、
高 橋 さ ん か ら こ の 変 異 株DsbB46::31を
分 与 して い た だ い て 、 更 に解 析 を行 っ た 。
一46一
一
幽
55.o-・
8
7
翌
1234
A
41.6-r
醐■ し ●o一
刷蘭験8醐 酬 』圏bの
282-
D8bA【 「
認=』 』
●
の ●=_=●
B
55.0→
一_● 麟__●
.6→
282
D8bB=:31[「edレ
お
膨 診41
ご 、
●●
o【-
Dsb日 ω【圏8●
4齢
●●
鋤
●DG■
醐 ■●
Mr「1339469099120128
C
123
DsbB9。::31φ
働
DTT
Tセiton
Fig.17DsbBの31codon挿
ss141体
凪
ネ ルB)ウ
噸
一
・
一"
入 変 異
とDTT抵
抗 性
ド ン 挿 入 変 異 体 を コ ー ドす る プ ラ ス ミ ド を 導
地 中 でlog-phaseま
行 っ た 後 、 抗DsbA抗
→・
の 活 性
∫
㎞ η5)にDsbB-His6-Mycの31コ
入 し 、L-glucose培
sDs-PAGEを
繭
鶯;i夢
で 培 養 さ せTCA沈
体 を 用 い て(パ
殿 後 、AMS処
ネ ルA)ま
エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ を 行 っ た 。lane1は
理 、非 還 元 状 態 の
た は 抗Myc抗
体 を 用 い て(パ
野 生 株 、lane2はDsbBの13番
目
の 残 基 の 直 後 に 挿 入 を 持 つ 変 異 体 で あ るDsbB13=:31,lane3はDsbB39::31,lane4は
DsbB46::31,lane5はDsbB90::31,lane6はDsbB99::31,lane7はDsbB120::31,lane8は
DsbB128::31を
示 す 。 矢 印 はDsbA-DsbB複
性 を 示 す 。DsbB80::31を
合 体 を 示 す 。 パ ネ ルcはDsbB80::31のDTr抵
コ ー ドす る プ ラ ス ミ ド を 導 入 し たSS141細
た 。 膜 は1mMphenylmethylsulfonylfluorideを
に 懸 濁 し 、DTTの
た 。lane3に
存 在 下(lane2,3)、
胞 か ら 膜 画 分 を調 製 し
含 む10mMTris-HCI(pH8.1)バ
非 存 在 下(lane1)で
は 前 も っ て 、1%TritonX-100を
態 を決 定 した。
一47一
氷 上 で10分
抗
ッ フ ァー
間 イ ンキ ュ ベ ー トし
添 加 し て お い た 。 そ の 後 、DsbBの
酸 化 還 元 状
3.DsbBのCXXCモ
31ア
チ ー フC末
端 側 領 域 の挿 入 、 欠失 変異
ミ ノ 酸 挿 入 変 異 体DsbB46:=31の
挿 入 部 分 を短 く した 変 異 体 を作 成 し、 挿 入 部
分 を ど の 程 度 短 くす る と 機 能 が 回 復 す る か を 調 べ た 。 挿 入 部 分 を 削 り込 ん だ 各 変 異
体DsbBを
DsbB自
コ ー ドす る プ ラ ス ミ ド を 、45協 欠 損 変 異 株 に 導 入 し て 、DsbA酸
身 の 酸 化 還 元 状 態(Fig.18)、DTT抵
る 時 に は 、cys41-cys44の
Cys130をSerに
変 え た 変 異 体DsbB[CCSS]に
の 挿 入 を 持 つ 。31ア
QGDPRSDQETGIYで
調 べ た 。DTT抵
抗 性 を調 べ
挙 動 に 焦 点 を あ て た 解 析 を 行 う た め に 、DsbBのcyslo4,
DsbB46::31はCys41XXCys44モ
各 変 異 を移 して 実 験 を行 っ た 。
チ ー フ のC末
端 側 のTyr46とGlu47の
ミ ノ 酸(31a.a.)の 配 列 はN末
あ る 。 そ こ で 、C末
DsbB46::23,DsbB46::15,DsbB46::7を
質 を 示 し た 。 つ ま りDsbA酸
shown)。
抗 性(Fig.19)を
化 活性 と
間 に31ア
端 側 か ら 、ADSYTQVASWTEPFPFSI
端 側 か ら8a.a.,16a,a.,24a.a。
削 った
作 成 し た が 、 こ れ ら は 全 てDsbB46::31と
化 活 性 を 失 い 、DsbB自
そ こ で 、DsbB46::7の
挿 入 配 列7ア
ミ ノ酸
同 じ性
身 も 還 元 さ れ て い た(datanot
ミ ノ 酸 を さ ら に 削 り込 ん だ 変 異 体 、
DsbB46::1(Ala),DsbB46::2(AlaAsp),DsbB46::3(AlaAspSer),DsbB46::5(AlaAspSer
TyrThr)を
はDsbA酸
作 成 し 、 同 様 に 調 べ た 。1ア
化 活 性 を 失 っ た 。2ア
ミ ノ 酸 以 上 の 挿 入 を 持 つ 場 合 、 変 異 体DsbB
ミ ノ 酸 以 上 の 挿 入 を 持 つ 場 合 、 変 異 体DsbB自
身が
還 元 型 と して 蓄 積 した 。 ア ミ ノ 酸 の 種 類 に よ る 特 異 性 が あ る か も しれ な い と考 え 、
挿 入 配 列 を全 て ア ラ ニ ン に し た 変 異 体 も作 成 した 。 しか し、 挿 入 ア ミ ノ酸 の
が 同 じ だ と 、 同 じ 表 現 型 を 示 し た 。 つ ま り 、Tyr46とGlu47の
入 し て い る 場 合 、 変 異 体DsbBはDsbA酸
2つ 以 上 のAlaが
(Fig.18,パ
ネ ルB,lanes3,4)。
あ っ た が(Fig.18,パ
一 つAlaが
ネ ルB,lanes2)、DTT抵
ン ドが 見 ら れ 、 部 分 的 にDTI抵
挿
ネ ルA,lanes2-4)、
身 は 還 元 型 と して 蓄 積 した
挿 入 し て い る 変 異 体DsbBは
抗 性 を 調 べ る とDTTに
・ 自身 は酸 化 型 で
よ る 還 元 を受 け た バ
抗 性 を 失 っ て い る こ と が わ か っ た(Fig.19,lane20)。
で は 次 に 、 上 記 のTyr46Glu47間
ら れ る か ど う か を 調 べ た 。CXXCモ
一 つ ア ラニ ン を挿 入 した変 異 体
間 に 一 つ 以 上Alaが
化 活 性 を 失 い(Fig.18,パ
挿 入 し て い る 場 合 、 変 異 体DsbB自
「数 」
以 外 の 部 分 へ の ア ラ ニ ン挿 入 で も同 様 の 欠 損 が 見
チ ー フ のC末 端 側 と 膜 貫 通 領 域 を 挟 む 各 領 域 に 、
、 つ ま りCys44とIle45.Ile45とTyr46,Glu47とArg48'
-48一
Arg48とCys49の
Ile45,Glu47の
18,パ
間 に 一 つAlaを
作 成 し た 。 す る と 、Cys44,
後 ろ にAlaを 挿 入 し た 場 合 ・ 変 異 体DsbBはDsbA酸
ネ ルA,lanes5,6,7)、
6,7)、DTr抵
挿 入 し た 変 異 体DsbBを
変 異 体DsbB自
身 は 酸 化 型 だ が(Fig.18,パ
抗 性 を 部 分 的 に 失 う(Fig.19,lanes15,17,23)と
挿 入 し た 変 異DsbB46::1と
化 活 性 を 欠 損 し(Fig.
い う 、Tyr46の
同 様 の 表 現 型 を 示 し た 。 一 方 ・Arg48の
場 合 は 野 生 型 並 の 活 性 を 示 し 、DTI抵
8)。 こ の よ う に 、Ile45-Arg48の
ネ ルB,lanes5,
後 にAlaを
後 ろ に挿 入 を持 つ
抗 性 も 保 持 し て い た(Fig.18,パ
ネ ルA,B,lanes
領 域 内 に ア ミ ノ 酸 が 挿 入 す る と 、DsbBの
呼 吸 鎖 との
カ ッ プ リ ン グ 機 能 が 、 完 全 に 、 も し くは 部 分 的 に損 な わ れ た 。
で は 、 逆 にIle45-Arg48の
領 域 に ア ミ ノ 酸 の 欠 失 を 持 つ 場 合 ・ つ ま り長 さ が 短 く な っ
た 場 合 を 調 べ た 。Tyr46(Fig.18,lane9)の
異 を 調 べ た と こ ろ 、 ど ち ら もDsbB自
短 く な っ て も 、DsbBは
欠 失 変 異 や 、Ile45(datanotshown)欠
失変
身 は 還 元 型 で 蓄 積 し た 。 つ ま り、 長 く な っ て も
呼 吸 鎖 か ら 十 分 に 酸 化 力 を 受 け 取 れ な く な り、DsbA酸
化活
性 を 失 う こ とが 分 か っ た 。
こ れ ら の 結 果 よ りCXXCモ
チ ー フ の 後 ろIle45か
らR48の
領 域 へ の挿 入 変 異 や 欠失 変
異 は 、 共 に 呼 吸 鎖 と の カ ッ プ リ ン グ を 損 な う こ と 、 そ の 結 果DsbBを
が 明 らか とな っ た 。
一49一
不活化す ること
Insertiona貿erY46Alainse直i㎝after
ぎ「
碑
A
「
厩
評
123456789
DsbA[「
譲=69●09磐
含 ● 讐
DsbA-DsbB一
越
B
蝋{一
一
蝿殖
嶺
鵜
0
B[曝 ζ
瓢鱒
Fig.18DsbBのlle45-Arg48の
長 さ がDsbBの
酸 化 に 重 要 で あ る
SS141(4β わB=∫
㎞ π5)にDsbB-His6-Mycの11e45-Arg48間
を コ ー ドす る プ ラ ス ミ ドを 導 入 し、L-glucose培
後 、AMS処
理 、 非 還 元 状 態 のSDS-PAGEを
変 異 体 自 身(パ
Tyr46の
・
輔
ネ ルB)の
の ア ラニ ン挿 入 変 異体 、 欠失 変 異体
地 中 でlog-phaseま
行 っ て 、 細 胞 内 のDsbA(パ
殿
ネ ルA)、DsbB
酸 化 還 元 状 態 を 調 べ た 。lane1は 野 生 型(pTAK1)、lane2は
直 後 に ア ラ ニ ン を 挿 入 し た 変 異 体(pTA】 〈67)、lane3,4は
つ(lane3∫pTAK155)、
で 培 養 させTCA沈
も し く は3つ(lane4漕TAK157)ア
同 じ くTyr46の
直 後 に2
ラニ ン を挿 入 した変 異 体 を示 す 。
ま た 、lane5-8は パ ネ ル 上 部 に 示 す 残 基 の 直 後 に ア ラ ニ ン を 一 つ 挿 入 し た 変 異 体 で あ る 。
lane5がCys44の
、lane6がIle45の
、lane7がGlu47の
入 した 変 異 体 を 示 す 。lane9はTyr46を
、lane8がArg48の
直 後 に ア ラ ニ ン を挿
欠 損 さ せ た 変 異 体 で あ る(pTAK49)。
*は バ ッ ク グ ラ ウ ン ドで あ る
一50一
Alainse綻ionafter
一
WT7a.a.ins△Y46R48AC44145Y46E47
「一一一一「「
一一一一「「一一一「一
「一一一「一
一
一
123456789101112131415161718192021222324
黎=鱒
働 ・9働
のDTT抵
、ss141(45わB"1伽5)に
導 入 し て 、 各 変 異 体 のcys41-cys44のDTr抵
12,14,15,17,18,20,21,23,24)も
し く は 非 存 在 下(lane1,4,7,10,13,16,19、22)で
後 、 抗Myc抗
直 後 に7ア
入 し たDsbB【CCSS】(pTAK115),lane7-9はTyr46の
DsbBICCSS】(pTAK116),lane10-12はArg48Ala置
直 後 にAla挿
後(pTAK120),1ane19-21はTyr46の
Ala挿
4.DsbBのCXXCモ
DsbBのCXXCモ
入 を 持 つDsbB【CCSS】
理 、非 還 元 状 態 の
ミ ノ 酸(Ala-Asp-Ser-Tyr欠 損 変 異 を持 つ
換 変 異 を 持 つDsbB【CCSS】(pTAK117),
入 を 持 つDsbB【CCSS】(pTAK115),lane16-18はlle45の
直 後(pTAK121),laneZ2-24はGlu47の
直
直 後(pTAK122)に
を示 して い る 。
チ ー フ のC末 端 側 の 領 域 の ア ラ ニ ン置 換 変 異
チ ー フのC末 端 側 のIle45-Tyr-Glu-Arg48領
失 を持 つ と変 異 体DsbBは
CXXCモ
殿 、AMS処
最 終
体 で ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ を 行 っ た 。Lane1-3は
DsbB[CCSS}His6-Myc(pTAK10),1ane4-6はTyr46の
lane13-15はCys44の
氷 上10
は 界 面 活 性 剤TritonX-100を
あ ら か じ め 加 え て お い た 。 そ の 後 、TCA沈
Thr-Gh-Val)挿
抗 性 を調べ た 。
存 在 下(lane2,3,5,6,8,9,11,
分 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。lane3,6,9,12,15,18,21,24で
SDS-PAGEの
十
変 え た プ ラ ス ミ ドDsbB[CCSS}His6-
各 変 異 体 を 発 現 し て い る 細 胞 か ら 膜 を 調 製 、20mMDTrの
濃 度1%で
一
抗 性
各 変 異 体DsbB-His6-MycのCys104,Cys130をSerに
Mycを
十
十
十
十
十
十
一
十
輔
十
十
十
十
一
十
異 体
十
一
Fig.19DsbB変
一
十
十
十
+
十
一
+
十
一
T匝ton
十
麟 … ・ 亀 翻。● 縮 輔 鱒
+
十
DTT
糠 鱗 鋤 辮 樋 一 轍.鱒 ・
域 に挿 入 、 も し くは欠
呼 吸 鎖 に よ る酸 化 に欠 損 を示 した 。 つ ま り、 この領 域 は 、
チ ー フが 呼 吸 鎖 キ ノ ンか ら酸 化 力 を受 け取 る た め に重 要 な役 割 を もつ こ と
が 明 らか とな った 。 で は、 この領 域 内 の4つ
の ア ミノ酸 の 中 に特 に重 要 な ア ミノ酸
残 基 が あ る の で は ない か と考 え た 。 そ の ア ミノ酸 残 基 を 同定 す る た め に 、 この領 域
内 の ア ラ ニ ン ス キ ャ ニ ン グ を 行 っ た 。 各 ア ミ ノ 酸 の ア ラ ニ ン 置 換 体(Ile45Ala,
Tyr46Ala,Glu47Ala,Arg48Ala)を
をFig.20に
示 す 。Arg48Ala置
そ れ ぞ れ 作 成 し、 そ の 活 性 と性 質 を調 べ た 。 結 果
換 変 異 体 で はDsbA酸
一51一
化 活 性 が 低 下 し て い た が(Fig.20,
パ ネ ルA ,lane5)、DsbB変
異 体 自 身 は 酸 化 型 で あ り(Fig.20,パ
抗 性 も保 持 し て い た(Fig.19,lane11)。
DsbB複
そ の 他 、Ile45Ala,Glu47Ala変
合 体 が 見 ら れ た が(Fig.20,Ianes2,4)、DsbA酸
(Fig.20パ
ネ ルA,lane2-4)、DsbB自
ネ ルB,lane5)、DTr抵
異 体 でDsbA-
化 活 性 は十 分 に有 してお り
身 も 酸 化 型 で(Fig・20,パ ネ ルB,lane2-4)、DTr抵
抗 性 も 有 し て い た(datanotshown)。
こ れ ら の 結 果 よ り、 こ の 領 域 内 の ア ミ ノ酸 の 性
質 自体 は 呼 吸 鎖 との カ ッ プ リ ン グ に は 重 要 で は な い こ と が 明 らか と な っ た 。 ま た 、
Arg48Ala置
換 変 異 体 でDsbA酸
化 活 性 の 欠 損 が 見 ら れ た が 、DTr抵
い た こ と か ら 、Arg48はDsbBのDsbA酸
化 や 、DsbB分
抗 性 は 保 持 して
子 内 酸 化 反 応 に重 要 な の か も
しれ な い 。
噌劇 噸馳
夢附 潮翫
一
・
・
㌔嚇踵
4
螂
¢ 5
¢
{
\ 2
ー
戒 3
ぎ
A
鱒
夢・ 柳
糊
D・bA[験d
B
D・bんD・bBヂ 膨輪
DsbBOx-●
Fig.20DsbBIIe45-Arg48の
醐
●D●
残
基
嘲b償
● 鋤
の ア
ラ ニ
DsbB-His6-MycのIle45,Tyr46,Glu47,Arg48の
ドす る プ ラ ス ミ ド を 、SS141(45bB='㎞
調 べ た 。lane1は
ン 置 換
変 異 体
各残 基 を ア ラ ニ ンに 変 えた 置 換 変 異 体 を コー
η5)に 導 入 し て 、 各 変 異 体 の 活 性 と 酸 化 還 元 状 態 を
野 生 型(pTAKIO)、lane2はIle45Ala変
変 異 体(pTAK58)、lane4はGlu47Ala変
●
異 体(pTAK56)・lane3はTyr46Ala
異 体(pTAK60)、lane5はArg48Ala変
-52一
異 体(pTAK62)
を 示 す 。 各 細 胞 はlog-phaseま
sDs-PAGEを
行 っ て 、 抗DsbA抗
で 培 養 した 後 、TCA沈
体(パ
ネ ルA)、
殿 、AMS処
抗Myc抗
体(パ
理 、 非 還 元状 態 の
ネ ルB)で
ウエ ス タ ン
ブ ロ ッ テ ィ ン グ を行 っ た 。
5.ま
と め
以 上 の 結 果 よ り 、 呼 吸 鎖 と の カ ッ プ リ ン グ に は 、DsbBのCXXCモ
側 の 領 域Ile45-Arg48間
チ ー フ のC末 端
が 重 要 な 役 割 を して お り、 各 ア ミノ 酸 の 性 質 と言 う よ りは 、
こ の 領 域 の 長 さが 重 要 ら しい と い う興 味 あ る 事 実 が 明 ら か と な っ た 。
こ れ ら の 結 果 はMolecularMicrobiologyに
ア ク セ プ トさ れ た 。
一53一
P
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COOH
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図3
Ox
Ox
Ox
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A
Bc
o
m
p
)
(
A
Bc
o
m
p
)
(
A
Bc
o
m
p
)
DsbBのc
xxcモチーフの C末端側領域の変異体のまとめ
圃
5
4
-
第3章
3-1.タ
考察
ン パ ク 質 の レ ド ッ ク ス 状 態 を 見 る 方 法:AMS法
本 研 究 にお い て 、私 は まず 、DsbAの
した 。AMSをSH基
細 胞 内 の 酸 化 還 元 状 態 を調 べ る方 法 を改 良
修 飾 試 薬 に用 い る方 法 で 、DsbAの
酸 化 型 と還 元 型 を電気 泳 動
で 明確 に分 離 す る こ とに成 功 した 。 また 、 当研 究 室 の 岸 上 が 示 した よ うに、細 胞 を
培 養 液 ご とTCAで
処 理 し全 タ ン パ ク質 を変性 す る と、DsbAの
よ うな酸 化 還元 活 性
を もつ タ ンパ ク質 の酸 化 還 元 状 態 を調 べ る際 に起 こ りや す い 人 工 的 な酸 化 ・還 元 反
応 を さ け て 、生 体 内 の状 態 を正 確 に調 べ る こ とが で きる。 この2つ
方 法 は、他 の チ オ ー ル
を組 み合 わせ た
ジ ス ル フ ィ ド酸 化 還 元 モ チ ー フ を持 つ タ ンパ ク質一 般 の酸
化 還 元状 態 を調 べ る た め に も有 用 で あ ろ う。 実 際 、私 の 開発 したAMS法
は 、 その後 、
この分 野 の研 究 者 に広 く使 わ れ る よ う に な った 。他 のDsb因 子 は も ち ろん 、 ジス ル
フ ィ ド結 合 の有 無 に よっ て活 性 を調 節 す る転 写 因子OxyRの
物 にお い て もカル ボ キ シペ プ チ ダー ゼ(CPY)等
酸 化 還元 状 態 や 、真核 生
の 分泌 タ ンパ ク質 や 、後 述 す るER内
ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 シス テ ム に属 す るErolpやPDI等
の 酸 化 還 元状 態 を調 べ る ため
に使 わ れ て お り、 世 界標 準 方 法 とな っ て い る(20)。
3-2.呼
吸 鎖 とDsbシ
ス テ ム の カ ッ プ リ ン グ
本 研 究 で私 は、DsbA/DsbBに
よる ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 シス テ ム に酸 化 力 を与 え
る機 構 の解 明 をめ ざ し、 呼 吸 鎖 電 子 伝 達 系 が 関与 す る可 能性 を調べ た。 そ して 、呼
吸 鎖 が 、DsbAを
DsbAは
酸 化 型 つ ま り活 性 状 態 に保 つ ため に必 要 で あ る こ とを突 き止 め た。
野 生 株 中 で は ほ ぼ全 て酸 化 型 で存 在 す るが 、 呼 吸 鎖 が 機 能 しない状 態 で生
育 して い る細 胞 内 で は還 元 型 で蓄 積 し、 そ の結 果 ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 が不 全 に な
る こ と を明 らか に した。
ヘ ム を生 合 成 で きない舵用A変 異 株 を もちい て、 ヘ ムが 欠 乏 して い る細 胞 で は、
DsbAの
還 元 型 が 蓄積 し、 分 泌 タ ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 が 欠損 す る こ と
一55一
を示 した・ しか し、heminchloride(protoheme)を
い たDsbAは
速 や か に酸 化 型 へ と移行 した。 即 ちprotohemeの
欠 失 を生 み 出 す原 因 で あ った 。protohemeは
hemeBそ
添 加 す る と、還 元 型 で 蓄積 して
の もの で あ り、hemeBの
欠 損 がDsbA機
能の
、 チ トクロ ー ム の補 欠 分子 族 で あ る
誘 導 体 、hemeC、hemeD、hemeOも
ム の補 欠分 子 族 で あ る。 本 研 究 で 得 られ た実 験 結 果 は、DsbAの
チ トク ロー
酸 化 に呼吸 鎖 を構
成 して い る チ トク ロ ー ムの 機 能 が 必 須 で あ る こ と を強 く示 唆 した、
呼 吸 鎖 の 関 与 を さ らに明 確 に示 す た め 、呼 吸 鎖 の他 の成 分 を欠 損 させ た と き に も、
同様 の 現 象 が お こ るか ど うか を調 べ た。 呼 吸 鎖 の基 質 特 異 的 脱 水 素 酵 素類 と末端 酸
化 還 元 酵 素 の 間の 電 子 伝 達 を媒 介 す る分 子 で あ る呼 吸 鎖 キ ノ ンの 生 合 成 に欠損 を持
つ 変 異 株 、 μb1A加θη、4変異 株 を用 い た 。 キ ノ ン欠 乏状 態 の細 胞 内 で は、DsbAの
型 の 蓄 積 が 観 察 され たが 、ユ ビキ ノ ンの生 合 成 を回復 させ る と、DsbAの
酸 化 型 へ と変 換 した。 つ ま り、DsbAの
還元
還元 型 は
再 酸 化 に は、呼 吸 鎖 キ ノ ンが 必 要 で あ った。
ユ ビ キ ノ ンは好 気 的状 態 で働 くこ とが知 られ て い るが 、ユ ビキ ノ ン単 独 欠 損 変 異株
(TA36;砺A∫
℃解)を 好 気 的状 態 で培 養 して もDsbAの
還 元 型 は少 量 しか 見 られ なか っ
た 。 メ ナ キ ノ ンは低 酸 素 濃 度 下 で働 く とされ て い るが 、 ユ ビキ ノ ンが 欠 損 して い る
と酸 素 が 十 分 にあ る環 境 下 で も、 メナ キ ノ ンが相 補 的 に働 くこ とが で きるの か も し
れ ない 。
以 上 の結 果 で 、protohemeあ
る い は、 呼 吸 鎖 キ ノ ンを欠 乏 してい る と、DsbAが
効 率 的 に酸 化 され ず 、 還 元 型 で 蓄 積 す る こ とが 明 らか に され た。 即 ち、DsbA/DsbB
シス テ ム には 、 正常 に機 能 して い る呼 吸 鎖 が 必 須 で あ る とい う こ とが わか った 。
上 記 実 験 で観 察 され た還 元 型DsbAの
蓄 積 は 、呼 吸 鎖 の構 成 成 分 を欠損 してい る状
態 で 、 か つ増 殖 してい る細 胞 内 で の み見 られ た 。私 は 、呼 吸 鎖 変 異 株 で は、 培 地 の
酸 性 化 の た め に呼 吸 鎖 欠 損 を示 す 以 前 に増 殖 を停 止 して しま う こ と に気 づ き、pH緩
衝 液 を加 え る こ とに よっ て酸 性 化 に よ る生育 の停 止 を防 ぎ、 あ るい は繰 り返 し植 え
次 ぐ こ と に よ っ て、 呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で増 殖 して い る細 胞 内 を調 べ る こ とに成 功 した 。
一 方 、静 止 期 に入 る と還 元 型DsbAも
ム フ ェ ニ コー ル(Cm)を
再 び酸 化 型 に変 換 され た。増 殖 時 で も・ ク ロ ラ
加 えて タ ンパ ク質 合 成 を 阻害 す る と・DsbAの
こ され た 。 同様 に、45bB欠
損 変 異株 中 で蓄 積 して い るDsbAも
一56一
、Cmを
酸 化 が 引 き起
加 え る とゆ っ
く りと酸 化 され た 。 これ らの 結 果 が 示 す よ う に、 お そ ら く培 地 中 に は、DsbBと
な る非 効 率 的 なDsbA酸
は異
化 経 路 が 存 在 す る 。例 え ば酸 素 に よる直 接 の酸 化 、培 地 中
の シ ス チ ンな どの 低 分 子 酸 化 化 合 物 に よる酸 化 に よ っ て、DsbAは
ゆ っ くりと酸 化 さ
れ る の だ ろ う。 静 止 期 で は増 殖 期 に比 ベ タ ンパ ク質 合成 量 が 減 少 し、DsbAの
な る新 生 分 泌 タ ンパ ク質 の 供 給 が 減 少 す る。 つ ま り、DsbAが
す る 。 そ の結 果 、 非効 率 的 な酸 化 で も、 細 胞 内 のDsbAは
還 元 され る機 会 が 減 少
酸 化 状 態 に保 た れ るの だ ろ
う と考 え られ る 。 活発 に タ ンパ ク質 が 合 成 され て い る増 殖 期 に は、DsbAは
転 で働 き、常 に還 元 され て い る。 この よ うなDsbAを
的 にDsbAを
呼 吸 鎖 はDsbB機
酸 化 状 態 に保 つ の に は、効 率
酸 化 状 態 に保 つ た め に必 要 で あ る こ と、
能 に必 須 で あ る こ とを明 らか に した 。 呼吸 鎖 を構 成 す るヘ ム、 も し
くは キ ノ ンを欠 乏 させ る と、DsbBは
、 まず 一 旦 還 元 され、 そ の後 、DsbAと
ジス ル フ ィ ド結 合 を介 した複 合 体 とな っ た。 最 終 的 に細 胞 内 のDsbBは
を形 成 したが 、DsbAは
DsbAはDsbBよ
りも過 剰 量 存 在 し、本 来 、細 胞 内 で はDsbBが
最 終 的 に全 てのDsbBがDsbAと
剰 に存 在 す るDsbAは
分子 間
全 て が複 合 体
全 体 の ほ んの 一 部 しか 複 合 体 を形 成 しなか っ た。 つ ま り、
して い る と考 え られ る。DsbBは
効 率 よ くDsbAを
酸化
、 呼吸 鎖 成 分 を欠 乏 させ る とい っ た ん還元 型 とな り、
複 合 体 を形 成 した状 態 で機 能 を失 う。 そ の結 果 、過
、 還 元 型 と して 蓄積 す る。
なぜ 、 呼 吸 鎖 の欠 損 状 態 でDsbBはDsbAと
DsbAのCys33をSerに
複 合 体 を形 成 す るの だ ろ うか 。以 前 に、
変 換 した変 異体DsbA[C33S]を
用 い て、DsbAとDsbBが
接SS結
合 を介 して相 互 作 用 す る こ とが示 され た が 、DsbA[C33S]が
DsbB複
合体 は、DsbBに
よるDsbA酸
直
作 るDsbA-
化 反応 の 中 間状 態 を表 してい る と解釈 され た。
この ジ ス ル フ ィ ド複 合 体 は 、DsbA[C33S]を
用 い た時 の み安 定 に蓄 積 す るが 、 野生
は開裂 して しま い 、検 出 され ない 。 分 子 間 ジス ル フ ィ ド結 合 は、DsbA
のCys30とDsbBのCys104間
DsbB複
フル 回
酸 化 す る機 構 が 必 要 で あ り、呼 吸 鎖 機 能 が 必 須 とな る わ け で あ る。
以 上 の研 究 よ り私 は 、 呼吸 鎖 がDsbAを
型 のDsbAで
基質 と
に形 成 され る。 さ て、 呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で現 れ たDsbA-
合 体 は 、 通 常 の 反 応 が 中 間体 の状 態 で ス トップ した もの な の か 、 それ と も本
来 現 れ な い は ず の デ ッ ドエ ン ドの産 物 な の だ ろ うか 。 まず 、DsbBのCys/Ser置
異 体 を用 い て 、DsbBの
どの シ ス テ イ ン残 基 とDsbAが
一57一
換変
ジ ス ル フ ィ ド結 合 を形 成 して
い る か を調 べ 、 呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で は 、Cys104を
こ と を示 した。 このCys104は
欠 くDsbBの
、 正 常 な ジ ス ル フ ィ ド反 応 中 間体 のDsbB側
ン残 基 と同 じで あ り、 どち らの場 合 で も、DsbAと
Cys104を
み複 合 体 を形 成 出 来 ない
の シス テ イ
複 合 体 を作 る と きに 、DsbBは
使 用 して い る こ とが わか っ た。DsbBはCys104付
近 にDsbAと
ア フ ィニ テ ィ
の 強 い 領 域 を持 って い るの か も しれ な い。 呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で形 成 され る複 合 体 は 、
野 生 型 のDsbAに
よ って形 成 され る に も関 わ らず 、なぜ 、 開裂 しない の だ ろ うか。 次
の よ うな解 釈 が可 能 か も しれ ない 。 呼 吸 鎖 に よる酸 化 力 の提 供 と、DsbA-DsbB複
体 か らのDsbAの
合
解 離 が カ ップ ル した反 応 で あ り、 呼 吸 鎖 機 能 が 欠損 して酸 化 力 が 提
供 され な い と、DsbBはDsbAを
解 離 出来 な い 。 また は 、呼 吸 鎖 欠 損 状 態 初 期 でDsbB
が い っ た ん還 元 され て い た こ とか ら、 還 元 型 のDsbBと
酸 化 型 のDsbAが
逆 反応 を起
こ して しま った の か も しれ ない 。 この可 能 性 を検 討 す る と きに言 及 してお か なけ れ
ば な らな い の は、私 が行 っ た ア ッセ イ で は呼 吸 鎖 欠 損 状 態 と して、 元 々 あ った 呼吸
鎖 構 成 成 分 を取 り除 い た状 態 を調 べ て い た こ とで あ る。 最 初 は呼 吸 鎖 もDsbA/DsbB
シス テ ム も正 常 に機 能 してお り、DsbAは
酸 化 型 に維 持 され て い た。 しか し、 呼 吸 鎖
欠 損 に伴 い 、次 第 に呼 吸 鎖 か ら酸 化 力 の イ ン プ ッ トが行 わ れ な くな る と、DsbADsbB複
合 体 が形 成 され 、DsbAの
還 元 型 の 蓄積 を生 ん だ 。 この 時 、 呼吸 鎖 か らの イ
ンプ ッ トが弱 くな っ た時 点 で も、DsbAの
酸 化 型 は過 剰 に存 在 して い る と予 想 され、
逆 方 向 の反 応 が起 こ りうる し、 もち ろ ん 、正 方 向 の 反応 が途 中 で停 止 した可 能 性 も
あ る。 最 初 か ら呼吸 鎖 が働 い て い な い状 態 を調 べ た場 合 、DsbA,DsbBは
で 蓄 積 し、DsbA-DsbB複
共 に還元 型
合 体 は形 成 す る こ とが 出 来 ない と考 察 され る。
本 研 究 で 、私 は呼 吸 鎖 欠 損 変 異 株 を用 い る こ とに よ っ て 、呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で生 育
して い る細 胞 内 で はDsbA/DsbBシ
ス テ ム が 正常 に働 か ない こ とを証 明 した。 先 に も
述 べ たが 、呼 吸 鎖 変 異株 を呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で培 養 す る と、 培 地 が 酸 性 化 しやす い こ
とに気 づ き、緩 衝 液 を混 ぜ る こ とで 、生 育 の停 止 を防 い だ。 そ の結 果 、呼 吸 鎖 欠損
状 態 で 生 育 して い る細 胞 内 でDsbAが
に、DsbAの
還 元 型 で 蓄積 す る こ と を見 い だ した 。 この よ う
還 元 型 の 蓄 積 は 、生 育 中 の細 胞 内 で のみ 見 られ る現 象 で あ っ た ため 、培
地 の 酸 性 化 を防 い だ こ とが 発 見 につ なが っ た もの と考 え られ る。 同様 に呼 吸 鎖 の変
異 株 を用 い た解 析 は他 研 究 室 で も行 わ れ て い た よ うだが 、 お そ ら く、 培 地 の酸 性 化
一58一
等 に気 を配 らな か った ため に、 増 殖 が 停 止 して い る状 態 を呼 吸 鎖 が 欠損 して い る状
態 で あ る と考 えて ア ッセ イ を行 い 、DsbAの
還 元 型 の蓄 積 を捕 まえ る こ とが 出来 な か っ
たの で あ ろ う。
呼 吸 鎖 がDsbシ
ス テ ム に関 与 す る可 能 性 は以 前 に も指 摘 され た こ とが あ る 。Dsbシ
ス テ ム の 欠損 変 異株 で は鞭 毛 が 形 成 されず 、大 腸 菌 は運 動 性 を失 う。 呼吸 鎖 欠 損 変
異 株 で も運 動 性 の 欠 失 が 報 告 され て い た。 我 々 の研 究 室 の岸 上 は、 野生 型DsbBを
む膜 が還 元 型DsbAを
カ プ ラー(脱
含
再 酸 化 出来 る こ と、 また 、再 酸 化 反 応 を調べ る う ち、膜 を ア ン
共役 剤)で
あ るCCCP(カ
ン)で 処 理 した方 が 、DsbA酸
ル ボ ニ ル ア ニ ドm・ク ロ ロ フ ェニ ル ヒ ドラ ゾ
化 速 度 が 速 い とい う結 果 を得 てい た 。 この よ うな背 景
の下 で私 の発 見 が 可 能 に な っ た。
3-3.呼
吸 鎖 に よ るDsbBの
酸 化
呼 吸 鎖 欠 損 状 態 で はDsbBは
機 能 を 失 う こ と が 示 さ れ 、 呼 吸 鎖 がDsbA/DsbBシ
テ ム に 酸 化 力 を 与 え る こ と が 示 唆 さ れ た が 、 次 に 、DsbBの
べ 、 呼 吸 鎖 はDsbBの
ス
酸 化 還 元 状 態 を 詳 し く調
ど の シ ス テ イ ン を タ ー ゲ ッ トに して 酸 化 して い る の か を つ き と
めた。
ま ず 、AMSを
と を 示 し 、DsbBは
用 い て 、DsbBの
通 常2つ
フ リ ー の シ ス テ イ ン 数 がSDS-PAGEで
ジ ス ル フ ィ ド結 合 を 持 っ て い る こ と 、 そ の ジ ス ル フ ィ ド
の 組 み 合 わ せ はcys41-cys44,cyslo4-cys130で
cys130ジ
見 分 け うる こ
あ る こ と を 示 し た 。 ま た 、cyslo4-
ス ル フ イ ド結 合 の 形 成 は 、cys41,cys44の
存 在 に依 存 して い た 。 こ れ は 岸
上 ら が 提 唱 し た モ デ ル 、cys41-cys44がcyslo4-cys130を
酸 化 す る との 、 分 子 内 酸 化
モ デ ル を支 持 し て い る 。
DsbBの
酸 化 還 元 状 態 を 調 べ る 過 程 で 、DsbBの
ジ ス ル フ ィ ド結 合cys41-cys44が
異 な 性 質 を 持 っ て い る こ と を 発 見 し た 。 細 胞 にDTrを
DTTを
加 え て も 、DsbBの2つ
さ れ な か っ た 。 一 方 、TCAで
特
加 え て も、 膜 画 分 を 調 製 して
の ジ ス ル フ ィ ド結 合 の う ち 少 な く と も1つ
は 全 く還 元
完 全 に 変 性 さ せ た 状 態 で は 還 元 さ れ た 。DsbB[CCSS]を
用 い 、 還 元 さ れ な か っ た ジ ス ル フ ィ ド結 合 はCys41-Cys44ジ
明 ら か に し た 。 こ の よ う な 性 質 、 即 ちDTT抵
ス ル フ ィ ドで あ る こ と を
抗 性 は、 膜 画 分 を界 面 活 性 剤 で可 溶 化
一59一
す る と失 わ れ る こ とか ら、DsbBが
膜 に埋 め込 まれ て い る状 態 での み 見 られ る こ とが
わ か っ た 。 また 、膜 内 に埋 め込 まれ て い る状 態 で も、 キ ノ ン、 ヘ ム な どの呼 吸 鎖 成
分 を欠 い て い る とDTrに
り除 い た状 態 で は、DTI抵
よっ て完 全 に還 元 され た 。 次 に、 野 生株 の膜 で も酸 素 を取
抗 性 を失 う こ とが わ か った 。即 ち、DTr抵
抗 性 は、酸 素 、
呼 吸 鎖 に依 存 した性 質 で あ る こ とが 明 らか にな った ・ なぜ 、DsbBのCys41-Cys44は
DTTに
よ って還 元 され ない の だ ろ うか?こ
Cys41-Cys44が
の理 由 は い くつ か考 え られ る。DsbBの
膜 に埋 め 込 まれ てお り、 還 元 剤 か ら保 護 され て い る た め、DTTが
セス で きな い可 能性 。 しか しこの 可 能 性 は、DTrは
ら否 定 で きる 。次 に、Cys41-Cys44が
アク
膜 透 過 性 の還 元 剤 で あ る こ とか
膜 で は な く他 の何 か の 因子 に よっ て、 呼吸 鎖 機
能 依 存 的 に物 理 的 に保 護iされ て い る とい う可 能 性 も考 え られ る。 も し くは、物 理 的
保 護 を想 定 しな くて も、 呼吸 鎖 がCys41-Cys44を
い っ た んDTrに
強 力 か つ素 早 く酸 化 してい た め に、
よっ て還 元 され て もす ぐ再 酸 化 され、 見 か け上DTTに
とい う可 能 性 も考 え られ る 。後 者 の場 合 だ と、DTrを
抵 抗 性 を示 す
含 む溶 液 中でDsbBは
、mTを
酸 化 す る 「DTI酸 化 酵 素 」 と して機 能 してい る と も言 え る。 そ こで 、 実 際 にDsbBが
DTrを
DsbB過
酸 化 す る活 性 を もつ か ど うか を調べ た。fπ伽oで
剰発 現 株 は 、 よ り高 濃 度 のDTrを
offアoでは、 調 製 した膜 サ ンプ ル にDTTを
は、45協 欠損 変異 株 に比 べ
含 む培 地 で も生 育 す る こ とが で きた 。∫
η
添 加 し一 定 時 間お い た後 の残 存 チ オ ー ル量
を測 定 す る と、45お 欠 損 変 異 株 の膜 に比 べ て 、DsbB過
剰 発 現 株 か ら調 製 した膜 の方
が 、 有 意 にチ オー ル 量 が 減 少 して い た 。 この結 果 は、DsbBがDTrを
示 唆 して い る 。 この よ うにDsbBは
、DTrの
つ よ うだ。 以 上 の結 果 よ り、DsbBがDTrに
Cys44が
酸化 した こ とを
様 な低 分 子 チ オ ール を酸 化 す る能 力 を持
抵抗 性 を示 す の は、何 か に よ ってcys41-
カバ ー され てい る た め で は な く、 呼 吸 鎖 に よっ て、 強 く酸 化 され て い るた め
で あ る と考 え られ る。 ま た、 酸 素 か らの酸 化 力 が 呼 吸 鎖 を通 して、DsbBに
給 され る と考 え る と、酸 素 を除 い た と きに、DsbBがDTr抵
絶 えず供
抗 性 を失 うこ と と見事 に
一 致 す る。
上 記 のDsbBを
で は 、45姐45協
DsbAは
もつ 、 も し くは持 た な い'菌の 生 育 を、DTrを
含 む培 地 上 で 見 た実験
二 重 欠損 変 異 株 を用 い て い る。 」
η碗 γoでDTrの 酸 化 を見 た実 験 で も、
可 溶 性 の タ ンパ ク質 なの で、 用 い た膜 画 分 に は含 まれ て い な い。 これ らの こ
一60一
とか ら、DsbBは
、基 質 と して知 られ て い るDsbA以
外 に も 、低 分 子 のチ オ ール を酸
化 で きる能 力 を持 つ こ とを示 した。 最 近 、Rainaら
あ るOmpLが
欠 損 す る と、45m欠
損 を治 す が45協 欠 損 を治 さな い とい う報 告 を して
い る(100)。 外 膜 タ ンパ ク質OmpLの
低分子 チオール
の グ ル ー プ は、 外 膜 タ ン パ ク質 で
機 能 は十 分 に確 定 さ れ て はい ない が 、 お そ ら く
ジス ル フ ィ ドの ペ リプ ラズ ムか らの拡 散 を許 す ポー リ ン と して機
能 して お り、45泌o即L変
異株 で は蓄 積 したチ オ ー ル をDsbBが
が 存 在 しな くて も タ ン パ ク質 のCysペ
酸化 す るた め 、DsbA
ア ー を酸 化 で きるの で は ない か と考 え られ てい
る。 この報 告 は、我 々 の結 果 を支 持 す る もの で あ る。 以 上 、 ペ リ プ ラズ ム は酸 化 的
環 境 に あ る と よ く言 わ れ るが 、 これ は呼 吸 鎖 とカ ップル したDsbBの
働 きに よっ て実
現 され て い る こ とが 明 らか に され た と言 え よ う。
さて 、DTI抵
抗 性 を調 べ る にあ た っ て、 膜 を調 製 して行 う実験 で は、 呼吸 鎖 欠 損
変 異 株 で形 成 され るDsbA-DsbBジ
接TCA処
ス ル フ ィ ド複 合体 が見 られ なか った 。培 養 液 を直
理 した と き には ジス ル フ ィ ド複 合体 は見 られ た こ とか ら、細 胞 を破 砕 し膜
を調 製 す る操 作 中 に複 合 体 は開裂 した と考 え られ る。細 胞 を破 砕 す る と細 胞 質 に含
まれ る還 元 的 な成 分 と出会 う よ う に な る ため 、DsbA/DsbB分
子 間 の ジス ル フ ィ ド結
合 は還 元 され た の だ ろ う。還 元 成 分 に よ る還 元 を受 け た とす る と、DsbBの
ドは一 つ 還 元 され る は ず で あ るが 、調 製 した膜 に存 在 す るDsbBは
ジス ル フ ィ
酸化 型 で あ った。
空 気 等 に よっ て直 接 酸 化 され た の か も しれ ない し、 も し くは 同様 に酸 化 され たDsbA
が通 常 は起 こ らな い逆 反 応 を起 こ し、DsbBを
の複 雑 さ を除 くた め に 、DsbB[ccss]を
酸 化 したの か も しれ ない 。 私 は これ ら
用 い てDTr抵
以 上 の結 果 か ら、DsbBのcys41-cys44のDTr抵
呼 吸 鎖 がDsbBのcys41-cys44を
3-4.DsbB活
Bardwellグ
抗 性 を調 べ る こ と も行 っ た。
抗 性 は呼 吸 鎖 機 能 に依 存 してお り、
強 く酸 化 して い る こ とを示 した。
性 の 生 化 学 的 解 析
ル ー プ のBaderら
は 、DsbAのCXXCモ
チ ー フ近 傍 に存 在 す る トリプ ト
フ ァ ン に由 来 す る蛍 光 が 酸 化 型 よ りも還 元 型 で 三 倍 強 い こ と(55)に着 目 し、 ス トップ
ドフ ロー を用 い てDsbB酵
素 活 性 を測 定 す る シス テ ム 、即 ちDsbAの
酸 化 反 応 を蛍 光
強 度 の減 少 で追 う加 碗 アoシス テ ム を構 築 した。彼 らは ス トップ ドフ ロー を用 い 、 密
一61一
閉系 で 反応 速 度 を測 定 した。DsbB過
を混 合 し、DsbAの
酸 化 がDsbBに
剰 発 現 膜 か ら調 製 した膜 小 胞 と還 元 型DsbAと
依 存 して起 こ る こ と を示 した 。 また 、酸 素 を消費
す る酵 素protocatechuicaciddioxygenaseで
ス トップ ドフ ロー の装 置 内 か ら酸 素 を取
り除 き、 サ ンプ ル 中 の溶 存 酸 素 もアル ゴ ンガス で バ ブ リ ン グ して 除 い てか らア ッセ
イ を行 う と、 膜 小 胞 に よるDsbA酸
酸 素 がDsbBを
化 は起 こ らなか っ た。 これ らの結 果 か ら、彼 らは
直 接 酸 化 す るの で は ない か と提 案 した(66)。
彼 らは次 い で精 製DsbBを
用 い たDsbA酸
化 反 応 を追 求 した 。精 製DsbBを
用 い て上
記 の ア ッセ イ を行 い 、 当初 、精 製標 品 の み で 反 応 が 起 こる こ と を観 察 したが 、彼 ら
は こ の精 製DsbB中
に何 らか の 混 在 成 分 の 関与 を疑 い(こ
れ には我 々 の呼 吸 鎖成 分 の
必 要 性 を示 す 加o伽 の結 果 が ヒ ン トに な っ て い た の で は な い か と考 え てい る)、
らに純 度 をあ げ た精 製DsbBは
、 単 独 で はDsbA酸
化 活性 を持 た な い こ とを示 した。
45協 欠 損 変 異 株 か ら調 製 した 膜 の 界 面 活 性 剤(n-dodecylβ
の 中 に 、DsbBを
さ
一D-maltoside)可
溶化物
活性 化 す る 因子 の存 在 を見 い だ し、精 製 した と ころ 、呼 吸 鎖 末端 酸
化 酵 素 で あ る チ トク ロー ムbd複 合 体 を得 た 。 チ トク ロー ムbd複
合 体 は チ トク ロー ム
bo複 合 体 と同様 、 末 端 酸 化 酵 素 、即 ち キ ノー ル オ キ シ ダー ゼ と して働 く。(bdが
境 の酸 素 濃 度 が低 い と き、boが 酸 素 濃 度 が高 い と きに優 先 的 に働 く。)次
製bo複
合 体 もDsbB活
環
いで 、精
性 化 能 が あ る こ と を示 した(67)(82)。
大 腸 菌 の 呼吸 鎖 で は、 キ ノ ンが 呼 吸 鎖 の脱 水 素酵 素 と末端 酸 化 還 元 酵 素 の 間の 電
子 伝 達 を直 接 媒 介 してい る。 末 端 酸 化 酵 素 で あ るチ トク ロ ー ムbo,bd両
呼 吸 鎖 基 質(ク
エ ン酸 回路 か ら生 成 す るNADHや
コハ ク酸)を
複 合 体 は、
酸化 す る脱 水 素 酵 素
に よ り還 元 され た キ ノ ン即 ち キ ノー ル を酸 化 す る酵 素 で あ り、 キ ノー ル を共 通 の基
質 と して い る。 つ ま り、bd複 合 体,bo複
出す る 。Bardwellら
は、 キ ノ ンのDsbBへ
合 体 は共 に キ ノ ー ル を酸 化 して キ ノ ン を産
の 直 接 の 関与 を調 べ た。 水 溶 性の ユ ビキ ノ
ンア ナ ロ グ を用 い て、 上 記 の ア ッセ イで キ ノ ンに よるDsbB活
性 化 能 を調 べ た ところ 、
他 の呼 吸 鎖 成 分 が 存 在 しな くて もキ ノ ンが 存 在 す る とDsbBを
活性 化 で きた。(上
で精 製 した チ トク ロ ー ムbo,bd内
は(還
元 型DsbA依
記
に は キ ノ ンが埋 没 して い た と考 え られ る。)DsbB
存 的 に)呼 吸 鎖 キ ノ ン を還 元 す る活性 を持 つ こ と、 また 」 η流m
で キ ノ ン,精 製DsbB,精
製DsbAが
存 在 す る と、分 泌 タ ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合
一62一
形 成 が 進 行 す る こ とが 示 され た(68)。
以 上 、 呼吸 鎖 キ ノ ンが 直 接DsbBに
働 い てDsbシ
ス テ ム に酸 化 力 を与 え る こ とがfη
01fγoで示 され た(67)(68)。
私 は ・fηηfooで呼 吸 鎖 がDsbシ
ス テ ム に関与 す る こ と・ 呼 吸 鎖 はDsbBのCys41-
Cys44を 酸 化 す る こ とを示 した。 一 方 、Baderら
は、」
ηηffγoで
呼 吸 鎖 キ ノ ンが 直接
Dsbシ ス テ ム に酸 化 力 を供 給 す る こ と を明 らか に した 。 この よ う に、私 が1997年 に
呼 吸 鎖 の 関与 を示 して か ら約2年
の うち に、DsbA/DsbBシ
ス テ ム に呼 吸 鎖(キ
ノ
ン)が 酸 化 力 を供 給 して い る こ とが 証 明 され、 ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 とい う タ ンパ
ク質 の構 造 形 成 に関 わ る機 構 が 呼吸 鎖 とい う細 胞 のエ ネ ル ギ ー代 謝 系 に まで つ なが っ
てい る こ と、 タ ンパ ク質 の酸 化 的 フ ォー ル デ ィ ング(ジ
フ ォール デ ィ ング)に
ス ル フ ィ ド結 合形 成 を伴 う
細 胞 は呼 吸 鎖 まで を利 用 して い る とい う驚 くべ き事 実 が 明 ら
か に な っ た。
しか し、 ま だ解 明 され て い な い 問題 点 は多 数存 在 す る。DsbBは
どの よ う に酸 化 力 を受 け取 る の だ ろ うか 。DsbBは
金属、ヘ ム
呼 吸 鎖 キ ノ ンか ら
金属 配位 モ チ ー フ を
持 っ て お らず 、新 しい キ ノ ン との反 応 機 構 の存 在 を示 唆 して い る。DsbBの
キ ノ ン結
合 部 位 の解 明 、 電子 の授 受 機 構 の解 析 も行 わ なけ れ ば な らない し、数 種 類 存 在 す る
呼 吸 鎖 キ ノ ン とのDsbBの
Beckwithグ
ル ー プのKadokuraら
応 にDsbBのArg48が
たDsbB変
相 互 作 用 の特 異 性 に関 す る疑 問 も未 解 決 で あ る。
は 、遺 伝 学 的解 析 を行 い 、 呼吸 鎖 キ ノ ン との 反
重 要 で あ る と報 告 して い る(83)。Arg48がHis,Cysに
異 体 で はDsbA酸
化 活 性 が 低 下 し、DsbA-DsbBジ
ス ル フ ィ ド複 合 体 が形 成
され る。 酸 素 濃 度 の低 い状 態 で は欠 損 は よ り激 し くな り、DsbA、DsbBの
蓄積 す る。Arg48がHis,Cysに
置 き換 わ っ
還元型が
置 き換 わ っ た変 異 体 は ユ ビキ ノ ン に比 べ て 、酸 素 濃度
の低 い 条件 下 で働 くメ ナ キ ノ ン との相 互 作 用 が 落 ち て い る可 能 性 を彼 らは指 摘 して
いる。
3-5.呼
吸 鎖 と の カ ッ プ リ ン グ に 欠 損 を 持 つDsbB変
我 々 は呼 吸 鎖(キ
ノ ン)とDsbBと
異 株
の 反 応 機 構 につ い て調 べ るた め に、DsbBの
変 異 体 を作 成 し、 活性 や そ の酸 化 還 元状 態 、DTT抵
-63一
抗 性 な ど を調 べ た(69)。
各種
第 一 ペ リプ ラズ ム領 域 に存 在 す るCys41-Val-Leu-Cys44モ
変 え たCXXCモ
チ ー フ変 異 体 を作 成 した。CXXCモ
チ ー フ内 部 のXX配 列 を
チ ー フ内 部 のXX配
列 は 、CXXCモ
チ ー フ を持 つ 酵 素 の レ ドックス ポ テ ンシ ャル を変 え、酵 素 の 持 つ酸 化 力 を左 右 す る
こ とが 知 られ て い る 。 そ こで 、DsbBのVal42-Leu43を
他 の 酸 化 還 元 酵 素 のXX配 列 に
置 き換 え た。 そ の結 果 、最 も還 元 的 と思 わ れ る チ オ レ ドキ シ ン還元 酵 素 のXX配 列 を
持 つDsbBで
は 、DsbA酸
化 活性 が 低 下 して い た 。 しか し、DTT抵
抗 性 は保 持 してい
た 。 この結 果 は 、呼 吸 鎖 との カ ップ リ ング は チ オ1/ド キ シ ン型 のCXXCモ
も可 能 だが 、DsbAを
た、 他 のCXXCモ
酸 化 状 態 に維 持 す る の に は不 十 分 で あ る こ と を示 してい る。 ま
チ ー フ を持 つ 変 異 株 で も、野 生 型 で は検 出 され ないDsbA-DsbBジ
ス ル フ ィ ド複 合 体 が見 られ た こ とか ら、 これ らの変 異 体 で も、DsbA酸
ぶ ん減 少 して い る と考 え られ る。DsbBが
ス ポ テ ンシ ャル は 、DsbA酸
本 来 持 っ て い るCXXCモ
セ ス に関 与 す る か も しれ ない 。例 え ば、DsbBのcxxcモ
分 子 内酸 化 反 応 と、DsbAの
チ ー フの レ ドック
ス ル フ イ ド中 間体 の解 離 の プ ロ
チ ー フ に よるcyslo4,
解 離 が カ ップル して い る と考 え る と、 そ の 一連
の プ ロセ ス を効 率 良 く行 うた め にCXXCモ
一 方 、 これ らのCXXCモ
化 活性 が い く
化 活性 を最 大 にす る た め に重 要 の よ うだ。 また、CXXC
モ チ ー フ の酸 化 力 は 、DsbA(cys30)-DsbB(cyslo4)ジ
Cys130の
チ ー フで
チ ー フの もつ酸 化 力 が重 要 にな る だ ろ う。
チ ー フ変 異 株 は い ず れ も呼吸 鎖 との カ ッ プ リ ング に大 きな
欠損 は見 られ な か っ た 。 ユ ビ キ ノ ンの レ ドッ クス ポ テ ン シ ャル(+70mV)はCXXCモ
フ内 の シス テ イ ンの レ ドックス ポ テ ンシ ャル(-270∼-124mV(60))よ
よ り酸 化 的 で あ る。 そ の た め 、CXXCモ
チー
り も遙 か に高 く、
チ ー フ は 自身 の レ ドックス ポ テ ンシ ャルが
変 化 して も、 相 対 的 に高 い レ ドック ス ポ テ ン シ ャル を持 つ キ ノ ンか ら酸 化 力 を受 け
取 るの に は、 十 分 で あ るの か も しれ な い 。
これ らのCXXCモ
チ ー フDsbB変
異 体 は 、 一 部 、 野 生 型 のDsbAと
体 を形 成 す る。 しか し、 い ず れ の変 異 体 も酸 化 型 で存 在 し、DTT抵
ジス ル フ ィ ド複 合
抗 性 を保 持 して
い る こ とか ら、呼 吸 鎖 か ら酸 化 力 を受 け取 る能 力 は維 持 して い る。 呼 吸 鎖 欠損 変 異
株 で 複 合 体 が 現 れ た と き、 過 剰 に あ るDsbAは
は チ オ レ ドキ シ ン型 を除 い てDsbAは
還 元 型 で蓄 積 したが 、CXXC変
酸 化 型 に維 持 され て い た。DsbA酸
異体 で
化 反応 自体
は 進行 して い る が 、 お そ ら く反 応 速 度 が 遅 くな っ た結 果 、複 合 体 つ ま り反 応 中間体
一64一
が 検 出 され た の だ ろ う と考 え られ る。 複 合 体 を形 成 して い る状 態 の細 胞 をCmで
して新 た なDsbA基
DsbA、
処理
質 の 合 成 を抑 え る と、 この複 合 体 は速 や か に 開裂 し、酸 化 型 の
酸 化 型 のDsbBと
な っ た。 この結 果 も、複 合 体 が 反 応 中 間体 で あ る こ とを支
持 して い る 。
31コ ドン挿 入DsbB変
異 株 の 中で 、 呼 吸 鎖 との カ ップ リ ング に欠損 を持 つ 、第 一 ペ
リプ ラズ ム領 域 に落 ち た変 異DsbB46::31の
解 析 を行 った 、 面 白い こ とに、CXXCモ
フ とそ のC末 端 側 の膜 貫 通 領 域 の 間(Ile45-Arg48)に 、1ア
欠 損 を持 つ場 合 、DsbBは
チー
ミノ酸 以 上 の挿 入 も し くは
呼 吸 鎖 か ら酸 化 力 を十分 に受 け 取 る こ とが 出来 な い こ とが
分 か っ た。 しか し、 この領 域(11e45-Arg48)の
ア ミ ノ酸 をそ れ ぞ れ ア ラニ ンに変 えて
も・ また 、 この領 域 の ア ミノ酸 を全 て ア ラ ニ ン に変 え た場 合 で も、DsbBのCys41Cys44はDTT抵
抗 性 を保 持 して い た。 即 ち、 この領 域 の ア ミノ酸 の性 質 は呼 吸 鎖 か
ら酸 化 力 を受 け取 るた め にそ れ ほ ど重 要 で は な い こ と、 そ れ よ りも この領 域 の ア ミ
ノ酸 の数(長
さ)が 重 要 で あ る こ とが 示 唆 され た.こ
の だ ろ う?私
の領 域 の長 さは、 なぜ 重 要 な
は次 の可 能性 を考 え て い る。 ユ ビキ ノ ンは イ ソプ レニ ル尾 部 とキ ノ
ン環 か ら構 成 され て い るが 、 イ ソ プ レニ ル尾 部 は膜 内部 にア ンカ ー してお り、 キ ノ
ン環 の 部 分 は膜 表 面 に露 出 して い る と考 え られ る。 単 純 に この よ うな キ ノ ン分子 の
配 置 の た め、CXXCモ
に は、CXXCモ
CXXCモ
チ ー フの シス テ イ ンが 呼 吸 鎖 キ ノ ン に よ って酸 化 され るた め
チ ー フが膜 か ら一 定 の距 離 にあ る こ とが必 須 な の か も しれ ない 。
チ ー フのC末 端 側 と膜 との 問 の領 域 は 、CXXCモ
チ ー フ とキ ノ ン環 の位 置 関
係 を決 め る の に重 要 な役 割 を果 たす の で は な い か と考 え て い る。
さ て、 上 記 で あ げ た ア ラニ ン挿 入 変 異 体 の 内 、Cys44,Ile45,Tyr46,Glu47,Arg48
の 直 後 に ア ラ ニ ン を挿 入 した場 合 、 前 の4つ
抗 性 の 低 下 が 見 られ た が ・Arg48の
につ い て はDsbB活
直 後 に ア ラニ ンを挿 入 した 変異 体 は、野 生 型 並 の
活 性 を有 して い た 。 そ こで 、私 は、Arg48の
直後 か ら膜 貫 通 領 域 とな って い る の で は
ない か と考 え た。 そ れ を確 か め る た め に 、野 生 型DsbBでArg48の
Cys49が
性 の低 下 と、D][T抵
膜 内 に埋 め込 まれ てい るか を、SH基 修 飾 試 薬AMSを
直 後 に存 在 す る
用 い て調 べ た。AMSは
膜 非 透 過 性 の試 薬 で あ り、膜 内 部 に ア クセ ス す る事 が 出 来 ない 。 細 胞 をAMSで
処理
し、余 分 なAMSを
付加
取 り除 い た後 、 ウエ ス タ ンブ ロ ッテ ィ ング を行 っ て、AMSが
一65一
され て い るか ど うか を調 べ たが 、DsbBのCys49は
タ)。Arg48の
て もCXXCモ
修 飾 され て い なか った(未
直 後 か ら膜 貫 通 領 域 に入 る と考 え る と、Arg48の
発表 デー
後 ろ にAlaを 挿 入 し
チ ー フ と膜 との 間 の 距 離 は変 化 しない こ とか ら、 膜 か らの 距離 が重 要
で あ る との上 記 の考 え に一 致 して い る。
DsbBの
変 異 株 で 、DsbB活
性 部 位 の膜 か らの距 離 を左 右 す る変 異 は、 呼吸 鎖 と
の カ ップ リ ング を失 うこ とは興 味 深 い。 前 述 したが 、 我 々 の見 つ け たDsbBのCys41Cys44のDTT抵
抗1生は膜 に組 み込 まれ て い る状 態 で の み見 られ る現 象 で あ った 。例 え
ば界 面 活 性 剤 に よっ て膜 を可 溶 化 す る と、DsbBはDTrに
この 原 因 と して は もち ろ ん膜 に存 在 す る キ ノ ン(キ
よっ て完 全 に還 元 され る。
ノー ル)を
酸 化 す るチ トク ロー
ム末 端 酸 化 酵 素 も可 溶 化 され る こ とが あ る。 しか し、 そ れ に加 え て、DsbBは
膜 に組
み 込 まれ て い る方 が効 率 よ く呼吸 鎖 か らの酸 化 力 を受 け取 って い る よ うだ。(例
ば、 可 溶 化 状 態 で キ ノ ン を添加 して もDsbBはDTr抵
抗 性 を失 う。)膜
え
に正 し く組 み
込 まれ る こ とで 、 キ ノ ン との相 互作 用 を最 適 に してい るの か も しれ ない。 また そ れ
以 外 に補 助 的 な因子 が存 在 す る可 能 性 も否 定 は で きない 。
一66一
Secretedp
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n.
図 4DsbAl
DsbBジスルフイド結合システムの新しいモデルと DsbB
変異体
6
7
-
Bardwellら
デ ー タ)。
の方 法(67)を 用 い て 、変 異 体DsbBの
野 生 型DsbBと
れ らのDsbBはHis6タ
DsbB-His6-Myc過
活性 をfη循 γoで測 定 した(未
ア ラニ ン挿 入変 異 体DsbB46::1Alaを
グ を持 っ て い る の で 、Ni-NTAカ
発表
そ れ ぞ れ精 製 した。 こ
ラ ムで容 易 に精 製 で きる 。
剰 発 現 株 か ら調 製 した膜 を ドデ シル マ ル トシ ド(n-dodecylβ
一D-maltoside)で 可 溶 化 し、Ni-NTAカ
ラム に吸 着 させ 、 イ ミダゾ ー ル勾 配 で溶 出後 、
ヒ ドロ キ シ ア パ タ イ トカ ラ ム 、 ゲ ル濾 過 カ ラム にか け 、精 製 を行 い 、精 製 したDsbB
のDsbA酸
化 活 性 を調 べ た 。 ス トップ ドフ ロー と蛍光 計 を用 い て 、ユ ビキ ノ ンの水 溶
性 ア ナ ロ グ で あ るユ ビキ ノ ンー1を
DsbBを
混 合 後 、DsbAの
用 い 、 キ ノ ン、 還 元 型DsbAと
酸 化 反 応 を調 べ た 。 す る と、 野生 型DsbBで
の 酸化 に よ る蛍 光 の減 少 が有 意 に み られ た 。 一 方 、変 異 体DsbBで
は見 られ なか っ た。 次 に 、DsbBに
化活性
加 え て 、DsbBの
よ るキ ノ ンの還 元 反応 を回転
キ ノ ン還元 活性 を調 べ た 。 す る
キ ノ ン を還 元 した が 、変 異 体DsbBは
以 上 、変 異体DsbBは
はDsbA酸
近 に持 つ の で 、 キ ノ ンか らキ ノー ルへ の変 化
は吸 光 度 の 減 少 で追 う こ とが で きる 。触 媒 量 のDsbBに
と、 野 生 型DsbBは
は還 元 型DsbA
よる キ ノ ン還 元 反応 を追 った 。 キ ノ ン はキ ノー ル
に比べ て約10倍 の強 い吸 収 を275nm付
させ る ため に多 量 の還 元 型DsbAを
触 媒 量 の精 製
キ ノ ンを還 元 出 来 な か った。
キ ノ ンか ら酸 化 力 を受 け取 れ ず 、DsbAを
酸 化 す る こ とが 出来
ない こ とが分 か っ た。 こ れ らの ア ッセ イ で は キ ノ ン との相 互作 用 が で きな い の か 、
DsbAと
相 互作 用 で きな い の かが 区別 で きな い が 、DsbB46::1Ala変
ラズ ム領 域 の 変 異体 で あ り、DsbA[C33S]とDsbA-DsbBジ
で 、 お そ ら くDsbAと
異体 は第 一 ペ リ プ
ス ル フ ィ ド複 合 体 を作 るの
の相 互 作 用 自体 の 欠損 は、 そ れ ほ ど顕 著 で は ない と予 想 され る 。
これ らの こ とか ら考 察 して、CXXCモ
チ ー フ後 ろ に ア ラニ ンが 挿 入 した変 異 体 は、
キ ノ ン と反 応 で きない と考 え られ る 。現 在 、 京都 大 学 農 学 部 の 三 芳 秀 人 先 生 の研 究
室 か らユ ビキ ノ ンの類 縁 体(キ
ノ ンの側 鎖 の 長 さ、位 置 が 異 な る もの 等)を
譲 って
戴 い た の で 、 そ れ ら との反 応 を調 べ 、 野 生 型 と変 異 型 を比 較 し、 キ ノ ン とDsbBの
電
子 伝 達 機 構 や反 応 機 構 の解 明 に つ とめ た い と考 えて い る。 ま た、 キ ノ ン環 に ア ジ ド
基 を付 加 したユ ビキ ノ ンア ナ ロ グ を用 い て 、 フ ォ トク ロス リ ンク を行 い 、 キ ノ ン結
合 部 位 を決 定 す る こ と も考 え て い る 。 また 、DsbBの
一68一
結 晶構 造 が 分 か れ ば、様 々 な情
報 が え られ る で あ ろ う。今 後 は こ れ らの解 明 に貢 献 した い。
3-6.真
核 生 物 と 原 核 生 物 の ジ ス ル フ イ ド結 合 形 成 シ ス テ ム の 比 較
真 核 生 物 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 は小 胞 体 内腔(ER)で
行 わ れ る。 以前 は、細 胞 質
に比 べ てER内 で は酸 化 型 グ ル タチ オ ンの比(GSSG/GSH)が
高 い こ とか ら、酸 化 型 グ
ル タチ オ ンが酸 化 力 の 源 とな っ てお り、PDIが 誤 っ た ジス ル フ ィ ドの掛 け替 え を行 う
と考 え られ て い た 。 とこ ろが1999年 に な っ て 、 タ ンパ ク質 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成
に必 須 な タ ンパ ク質性 の 因 子Erolpが
遺 伝 学 解 析 に よ っ て見 い だ され た 。 ジス ル フ ィ
ド結 合 形 成 に欠損 を示 す 変 異体 を酵 母 で探 索 した の だ が 、 そ の 方 法 は大 腸 菌 でDsb
因子 を見 つ け るの に用 い た方 法 の一 つ(33)と 類 似 してい た。 即 ち、 還 元剤 ジチ オ ス レ
イ トー ル(DTT)を
含 む培 地 中 で生 育 欠 損 を示 す変 異 を探 索 し、 そ の結 果 、θ
γoヱ
ー1とい
う変 異 を取 得 、Ero1遺 伝 子 を 同定 した。 θroヱ
ー1変異株 で は、 分泌 タ ンパ ク質 で あ る カ
ル ボ キ シペ プチ ダー ゼY(CPY)の
ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 が不 全 に な って い た。 また こ
の変 異 は 、Ero1遺 伝 子 を プ ラス ミ ドか ら発 現 させ る と相 補 され た 。 一方 、 グ ル タチ
オ ン合 成 酵 素 の 欠損 変 異株 で は、CPYの
な か った こ とか ら、ER内
ジス ル フ ィ ド結 合 形成 に何 の支 障 も見 られ
の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 に、 酸 化 型 グル タチ オ ンは 関与 し
な い こ とが示 唆 され た。Erolpは
膜 結 合 型 のERル
ー メ ンタ ンパ ク質 で あ り、ER膜 の
ル ー メ ン(内 腔)側
に結 合 して い る 。最 近 、ErolpがPDIを
こ と、 また 、PDIが
分 泌 タ ンパ ク質 に ジス ル フ ィ ド結 合 を導 入 す る こ とが示 され た
(84)。即 ち、PDIが
ジス ル フ ィ ド結 合 導 入 因 子 で あ り、ErolpがPDIを
サ イ クル 因子 で あ る こ とが 示 唆 され た 。本 来PDIは
酸 化 型 に維持 して い る
再酸化 する リ
ジ ス ル フ ィ ド結 合 異性 化 酵 素 で あ
る と考 え られ て い たが 、 異 性 化 活 性 を積 極 的 に示 す た め に は基 質 の ジス ル フ ィ ド結
合 を攻 撃 す る フ リー の シ ス テ イ ン を持 た な けれ ば な らず 、 還 元 型 で な けれ ば な らな
い 。 しか し、細 胞 内 でPDIは
ほ とん どが 酸 化 型 に保 た れ て い る こ とか ら、PDIは
主に
ジス ル フ ィ ド結 合 の 「導 入 」 に働 くこ とが 示 唆 され た。 また、 興 味 深 い こ とに、
Ero1Pは 活 性 に必 須 な2つ
結 合(Cys100-Cys105)を
(CXXCモ
の シス テ イ ンペ ア ー を持 ち ・ そ の うち一 つ の ジス ル フ ィ ド
使 っ て 、PDIを
酸 化 す る こ と、 も う一 方 の シス テ イ ンペ アー
チ ー フ を形 成 す るCys352,Cys355)は
一69一
、Erolp自
身 を酸 化 状 態 に維持 す るた
め に 必 要 で あ る こ と が 示 さ れ た 。 こ の 結 果 か ら 、Cys100-Cys105がPDIを
Cys352,Cys355が
酸 化 し、
酸 化 力 を 「未 知 の 因 子 」 か ら 受 け 取 っ てCys100,Cys105を
再酸化
す る の で は な い か と 提 案 さ れ て い る(11)。 こ れ ら が 解 明 さ れ る に つ れ 、 一 次 配 列 上 の
ホ モ ロ ジ ー は 見 ら れ な い の に も 関 わ ら ず 、Ero1Pと
驚 い て し ま う 。 し か し最 近 、Ero1Pが
大 腸 菌DsbBの
類似 性 の 高 さに は
何 か ら酸 化 力 を 受 け 取 る か が 明 らか に さ れ た 。
大 腸 菌 と 違 っ て キ ノ ン で は な く 、FAD(flavinadeninedinucleodde)がErolpの
に 必 須 で あ り、 酸 化 力 を供 給 して い る こ とが ∫
η 伽o,加
告 に よ る と 、Ero1PはFAD結
し て お り 、 周 囲 のFAD量
こ のErolp/PDIに
よ り も400倍
η'fγoで
示 さ れ た(85)。 こ の 報
合 モ チ ー フ を 持 た な い が 、FADをnon-covalentに
に 依 存 し てPDIに
結合
よ る 酸 化 的 フ ォ ー ル デ ィ ン グ を促 進 した 。
よ る 酸 化 的 フ ォ ー ル デ ィ ン グ は 、 酸 化 型 グ ル タ チ オ ン に よ る もの
も 速 い こ と が 加 η1fγoで示 さ れ た 。Ero1P活
と か ら 、Erolpが
活性
利 用 で き るFAD量
性 はFAD量
の 制 御 が 、Erolp機
に依 存 してい る こ
能 制 御 の キ ー ポ イ ン トで あ る
可能性 が高い。
で は 、 話 を 戻 し て 、 当 初 酸 化 力 の 源 で あ る と 思、わ れ て い た 細 胞 質 内 と 小 胞 体 内 の
グ ル タ チ オ ン 比 の 違 い は 何 を 意 味 し て い た の だ ろ う?Erolpの
さ せ る と 、GSSG/GSHの
Erolpが
細 胞 内 の 発 現 量 を増 加
値 は 大 き くな る こ と か ら 、 酸 化 型 グ ル タ チ オ ン の 産 生 に は 、
寄 与 し て い る こ と が 明 ら か に さ れ た(79)。(fπ
初fγoでErolp自
身 は グル タチ
オ ン酸 化 活 性 が 無 い こ とか ら、 お そ ら く間 接 的 に グ ル タ チ オ ン を酸 化 して い る の だ
ろ う と 考 え ら れ て い る(85)。)こ
の 結 果 か ら 、 細 胞 質 よ り も小 胞 体 内 で 酸 化 型 グ ル タ
チ オ ン(GSSG)が
多 か っ た の は 、GSSG自
は な く 、Erolp等
の作 用 の
体 が 酸 化 力 を供 給 す る
「原 因 」 だ っ た の で
「結 果 」 で あ っ た こ と が 明 ら か と な っ た 。 現 在 は 、 グ ル タ
チ オ ン は 小 胞 体 内 の レ ド ッ ク ス 緩 衝 液 と し て 働 き 、ER内
て い る の で は な い か と 提 案 さ れ て い る(79)。(先
の 酸 化 ス トレ ス 等 を軽 減 し
ほ ど 、 細 胞 内 でPDIが
保 た れ て い る と 記 し た が 、 還 元 型 の グ ル タ チ オ ン はPDIに
化 活 性 の 発 揮 を 可 能 に し て い る か も し れ な い 。)一
ほ ぼ酸 化 型 に
よ る ジ ス ル フ ィ ド結 合 異 性
方 、小 胞 体 内 の酸 化 型 グル タチ
オ ン濃 度 を 上 昇 さ せ 、 タ ンパ ク 質 の 酸 化 的 フ ォ ー ル デ ィ ン グ を促 進 さ せ る 細 胞 質 因
子 と し て 、yFMO(yeastFlavin-containingmonooxigenase)(86)が
の 細 胞 質 側 に 結 合 し て い る こ と か ら 、yFMOの
一70一
同 定 さ れ た 。ER膜
機 能 は 、 小 胞 体 内 の 細 胞 質 か ら酸 化
型 グ ル タ チ オ ン を 輸 送 す る こ と で は な い か と提 案 さ れ て い る 。 そ の 後 の 解 析 で 、 こ
の 酵 素 は 、 還 元 ス ト レ ス 下 で 誘 導 さ れ る こ と ・ そ の 遺 伝 子 はunfoldingProtein
responseelement(UPRE)下
み にPDI,Ero1PもUPRE下
ER内
に コ ー ド さ れ て い る こ と が 明 ら か に さ れ た(87)。(ち
に あ る 。)yFMOは
最 終 的 にER内
のGSSG濃
な
度 を増 加 させ 、
の 還 元 ス ト レ ス を 緩 和 す る 様 だ が 、 具 体 的 な 機 能 に つ い て は ほ と ん ど分 か っ て
い な い(87)。 す る と こ の 因 子 がEro1Pの
れ な い 。 近 年 、 ヒ トで もErolpの
(88)(89)(90)。
酸 化 に 関 与 す る 可 能 性 も残 され て い る か も し
ホ モ ロ グ 、Ero1-Lα,Ero1-Lβ
が 同 定 され た
タ ン パ ク 質 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 形 成 は 、detailは 違 う け れ ど も 機 能 的 に
は 、 大 腸 菌 か ら 人 に ま で 類 似 し た シ ス テ ム で 行 わ れ て い る よ う で あ り、 と て も 興 味
深 い。
本 研 究 に よ って ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 シス テ ム に呼吸 鎖 が 関 与 して い る こ と、 ま
た 、 呼吸 鎖 に よ ってDsbシ
cys41-cys44で
ス テ ム に酸 化 力 が供 給 され 、 そ の タ ーゲ ッ トはDsbBの
あ る こ とを解 明 した 。本 研 究 で 、 長 い 間 の疑 問 点 で あ っ たDsbシ ス テ
ム か ら放 出 され る電 子 が ど こ にゆ くの か 、 つ ま り、何 に よっ て酸 化 力 が供 給 され て
い る の か とい う疑 問 を 、世 界 に先 駆 けて 解 決 す る事 が で きた。 また、 呼 吸 鎖 との カ ッ
プ リ ン グ に異 常 を示 すDsbB変
異体 を初 め て分 離 した 。 これ らの変 異 株 は今 後 の様 々
な機 構 の 解 明 に有 効 で あ ろ う。私 は、 これ らの変 異 株 を用 い て 、DsbBと
反応 機 構 の 解 明 を行 い た い と考 え てい る。 また 、DsbBとDsbAの
の研 究 は現 在 高 橋 ら に よ って 進展 中 で あ る。DsbBの
キ ノ ン との
相 互作 用 につ い て
分 子 内 酸 化 機 構 も未 だ十 分 に解
明 され て は い な い。 また 、大 腸 菌 と真 核 生 物 の ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 シ ス テ ム に は
似 て い る点 と、 また 、異 な る点 が あ る こ と も興 味 深 い 。 これ らの 問題 点 を解 決 し、
ジス ル フ ィ ド結 合 形 成 シス テ ム の解 明 に貢 献 したい 。
一71一
第4章
材 料 と方 法
本 研 究 で は 、 特 に 記 述 の な い 限 り 、 大 腸 菌 の 遺 伝 学 実 験 上 の 操 作 はMiller(101)及
びSilhavy(102)ら
の 方 法 に 、DNA操
作 はSambrook(103)及
びAsubel(104)ら
に 従 い 、 酵 素 類 は 宝 酒 造 、 東 洋 紡 及 びNewEnglandBiolabsか
は ・ 和 光 純 薬 、 ナ カ ラ イ テ ス ク 、Sigmaか
の方 法
ら、 そ の 他 実 験 試 薬
ら購 入 し た 。
4-1.大 腸 菌 株
本 研 究 で 用 い た一 連 の大 腸 菌 株 は 、全 てK-12株
菌株
(遺 伝 型;参
W3110
(wildtypestra㎞)
MC4100
(Fα
CU141
(MC4100/F7αc1QlβcPL8ZαcZ+γ
KS272
(MC4100△1αcX74,g躍IE,gαIK,砺,ψ5L150,ム
SS141
(SS141(MC410045わB∫
LE392
(ref(94))
H500
(LE392,△
H500〃
例P
考 文 献)
班D139ム(曜gF-1βc♪
しτヱ69ア 戸5Lヱ50ア εZA1ガ わB5301;ref(91))
帥oんref(93))
σPL8ZαcZ+γ+孟+戸
γo;reK31))
海8η1A::㎞ η拶ref(73))
(LE392,∠
鈎8η 諺Aκ㎞ η 加 ηzP)
(μ わ∫+η1θη+;ref(95))
AN384
(芯
TA36
(KS272,画A=℃
TA58
(AN38Z45わBκcの
TA162
(AN384/45わR=㎞
η5)
TA164
(AN『387,45わR'㎞
η5)
TA228
(KS272.45わA=Kη145わB='c躍')
CC118
(ref(81))
a.ベ
㌧4+ρ γo+lreK92))
池 η5/F'1αcPlα
AN387
4-2.プ
に由来 して い る。
「387ノ麗わ∫A420御
飢A40ヱ
芦ref(77))
解fromMU1127(MM386,μ
幽
∫
℃ 駕ref(95)))
♪
ラ ス ミ ド
ク ター プ ラ ス ミ ド
pSTY29:pACYC由
来,マ
ル チ ク ロ ー ニ ン グ サ イ ト を 耽promotor下
に 持 つ(宝
酒造 株 式
会 社)
pNO1575:pBR由
来,マ
ル チ ク ロ ー ニ ン グ サ イ ト をZαcpromotor下
pTYEOO7:pBlueScriptSK(一)(Stratagene社)由
イ ト、 更 に 下 流 にHis〔 ←Mycタ
来 、Zαopromotor下
グ を 持 つ(97)
一72一
に 持 つ(96)
にマ ル チ ク ロー ニ ン グサ
pTWV229:pBR322由
来,Zαcpromoter下
に マ ル チ ク ロ ー ニ ン グ サ イ ト を 持 つ(宝
酒 造株 式 会
社)
pSS52:pSW29をPsfIで
切 断 後 、T4Polymeraseで
る こ と に よ り耽Z部
末 端 を 平 滑 化 し 、 再 びself-ligationを
す
分 に フ レー ム シ フ トを 誘 起 し た も の 。
b.種 々 の遺 伝 子 を含 む プ ラス ミ ド
pSS39:
pSTV29の1πcpromotor下
に 、W3110由
来 の45昭
遺 伝 子 を ク ロ ー ニ ン グ した も
の(31)。
pSS1:
pNO1575のZαcpromotor下
にpKY192(22)由
来 の 痂 一助oA遺
伝 子 を ク ロー ニ ン
グ した もの 。
pSS43:
pTYEOO7のZαcpromotor下
pSS51:
pSS52の
pTAK1:
pSS51のH勿
にDsbB【CCCq-His(yMycを
耽promotor下
DsbBのCys→Ser置
コ ー ドす る(63)。
にDsbB【CCCq-His6-Mycを
コ ー ドす る(63)。
認II-Kpη1断 片(45B一 漉6一吻yc)をpTWV229に
リク ロ ー ニ ン グ した。
換変 異
pSS44:
pTYEOO7のZβcpromotor下
にDsbB【SCCq-His6-Mycを
コ ー ドす る 。
pSS45:
pTYEOO7の
にDsbB[CSCC}His6-Mycを
コ ー ドす る 。
pSS46:
pTYEOO7のZαcpromotor下
にDsbB[CCSC}His6-Myccを
pSS47:
pTYEOO7の
にDsbB[CCCS】-His6-Mycを
pSS53:
pSS52の1αcpromotor下
にDsbB[SCCq-His6-Mycを
コ ー ド す る(63)。
pSS54:
pSS52の1αcpromotor下
にDsbB【CSCCI-His6-Mycを
コ ー ド す る(63)。
pSS55:
pSS52の1αcpromotor下
にDsbB【CCSq-His6-Mycを
コ ー
ド す る(63)。
pSS56:
pSS52の1αcpromotor下
にDsbBICCCS}His6-Mycを
コ ー
ド す る(63)。
pTAK4:
pTYEOO7の1αcpromotor下
耽promotor下
耽promotor下
コ ー ドす る 。
にDsbB[SSCC}His6-Mycを
pSS44にSi乏edirectmutagenesisでCys44Serを
pTAK7:
コ ー ドす る 。
pTYEOO7の1αcpromotor下
コ ー
導 入 し て 作 成
にDsbB【CCSS}His6-Mycを
pSS46にSitedirectmutagenesisでCys130Serを
pTAK8:
pSS52のZαcpromotor下
pTAK4のKpη1一
pTAK10:
pTAK6のKμ
pTAK14:
DsbBのCXXCモ
片(4訪B一
pTYEOO7の1αcpromotor下
廊6一 御yc)をpSS52に
にDsbB【CSSS]-His6-Mycを
翫 彫HI断
pTAK31:
pSS51のDsbBのVal42-Leu43をGly-Proに
pTAK32:
pSS51のDsbBのVal42-Leu43をPro-Hisに
pTAK33:
pSS51のDsbBのVal42-Leu43をGly-Tyrに
列(Val42-Leu43)の
コ ー ドす る 。
片0.7kbを
つ な い で 作 成
した 。
リ ク ロ ー ニ ン グ した 。
置 換 変 異:プ
置 き換 え た 。
置 き換 え た 。
置 き換 え た ・
置 き換 え た 。
-73一
ドす る 。
リ ク ロ ー ニ ン グ し た 。
用 い て 、Sitedirectmutagenesisを
pSS51のDsbBのVal42-Leu43をGly-Hisに
ドす る 。
コ ー ドす る 。
片(45わB一 乃f56-〃1yc♪をpSS52に
pTAK30:
ドす る 。
リ ク ロ ー ニ ン グ し た 。
コ ー
片2.8kbとpSS45の4βIII-Bsgl断
チ ー フ 内 部 のXX配
すmutagenicprimerを
御yc)をpSS52に
コ ー
にDsbB【CSSS】-His6-Mycを
pSS52のZαcpromotor下
pTAK14のK御1一
←Mycを
にDsbB[CCSS]-His6-Mycを
η1一勘 〃2HI断
pTAK7の4πIII-B5gl断
pTAK18:
片(45bB-h156一
pSS52の1αcpromotor下
した 。
導 入 して 作 成 した 。
にDsbB【SSCC}His〔
翫 〃1HI断
コ ー
ドす る 。
ラ イマ ー欄 に示
行 い 、作 成 した。
pTAK34:pSS51のDsbBのVal42-Leu43をVal-Alaに
置 き換 え た 。
pTAK35:pSS51のDsbBのVal42-Leu43をPro-Thrに
置 き換 え た 。
DsbBの
ア ラ ニ ン 置 換 変 異.プ
mutagenesisを
ラ イ マ ー 欄 に 示 すmutagenicprimerを
行 い 、 作 成 した 。
pTAK56:
pTAK1のDsbBのIle45をAlaに
pTAK58:
pTAK1のDsbBのTyr46をAlaに
置 換 した。
pTAK60:
pTAK1のDsbBのGlu47をAlaに
置 換 した。
pTAK62:
pTAK1のDsbBのArg48をAlaに
置 換 した 。
DsbBの
挿 入 、 欠 失 変 異.プ
mutagenesisを
用 い て 、Sitedirect
置換 した。
ラ イ マ ー 欄 に 示 すmutagenicprimerを
用 い て 、Sitedirect
行 っ て、 作 成 した 。
pTAK44:pTAK1のDsbBのTyr46のC末
端 側 にAla-Asp-Ser-Tyr-Thr-Gln-Valの
pTAK67:pTAK1のDsbBのTyr46のC末
端 側 に 一 つAlaの
挿 入 を持 つ 。
pTAK155:pTAK1のDsbBのTyr46のC末
端 側 に 二 つAlaの
挿 入 を持 つ 。
pTAK157:pTAK1のDsbBのTyr46のC末
端 側 に 三 つAlaの
挿 入 を持 つ 。
pTAI(89:pTAK1のDsbBのCys44のC末
端 側 にAlaの
pTAK91:pTAK1のDsbBの11e45のC末
端 側 にAlaの
挿 入 を持 つ 。
挿 入 を持 つ 。
pTAK92:pTAK1のDsbBのGlu47のC末
端 側 にAlaの
挿 入 を持 つ 。
pTAK124:pTAK1のDsbBのArg48のC末
端 側 にAlaの
挿 入 を持 つ 。
pTAK49:pTAK1のDsbBのTyr46を
DsbB【CCSS】
挿 入 を持 つ 。
欠 失 して い る 。
変 異 体
pTAK115:pTAK44のDsbB[CCSS】
版
pTAK44の4餌II-BsgI断
片(0.8kb)はpTAK10の4μIII-BsgI断
のKρ 刎 一H∫η班II断 片(4訪B一 所56-〃1yc♪をpTWV229に
片(2.8kb)に
つ な ぎ、 そ
リク ロ ーニ ング した。
pTAK116:pTAK49のDsbB【CCSS]版
pTAK117:pTAK62のDsbB【CCSS】
版
pTAK120:pTAK89のDsbB[CCSS】
版
pTAK121:pTAK91のDsbB[CCSS]版
pTAK118:pTAK67のDsbB【CCSS]版
pTAK122:pTAK92のDsbB【CCSS】
4-3.プ
版
ラ イ マ ー
SiteDirectmutagenesisに
mutagenesisは
用 い た プ ラ イ マ ー セ ッ ト の 片 方 を 示 す 。SiteDirect
、QuickChangeSite-DirectMutagenesisKit(Stratagene社
て行 った 。
[DsbBのCys→Ser置
換 変 異]
Cys44Ser5㌦CCTAGCGTGCTCTCTATTrATGAACG-3'
Cys130Ser5'-CCGTrrGCCACCTCTGATTITATGG-3'
-74一
製)を 用 い
[DsbBのCXXCモ
チ ー フ 内 部 のXX配
列(Val42-Leu43)の
Val42-Leu43→Gly-His
5'-CTGAAACCTrGCGGTCACTGTATITATGAACGG3'
Va142-Leu43→Gly-Pro
5'-CTGAAACCTrGCGGTCCGTGTATTTATGAACGC-3'
Val42-Leu43→Pro-His
5'-CTGAAACCTrGCCCGCACTGTATrrATGAACGC.3'
Val42-Leu43→Gly-Tyr
5'-CTGAAACCTTGCGGTTACTGTATrrATGAACGC.3'
Val42-Leu43→Val-Ala
5'-CTGAAACCTTGCGGTrACTGTATITATGAACGC-3電
Val42-Leu43→Pro-Thr
5LCTGAAACCTrGCGTGGCCTGTATTrATGAACGC-3'
[DsbBの
置換】
ア ラ ニ ン 置 換 変 異]
Ile45Ala5'-GCGTGCTCTGTGCTrATGAACGCTG-3'
Tyr46Ala5'-GTGCTCTGTATTGCGGAACGCTGCGC-3'
Glu47A豆a5'-GCTCTGTATrTATGCACGCTGCGCG-3「
Arg48Ala5'-GCTCTGTATTTATGCACGCTGCGCG-31
[DsbBの
挿 入 、 欠 失 変 異]
Tyr46のC末
7ア
端 側 へ の挿 入
ミ ノ 酸(Ala.Asp・Ser-Tyr-Thr-Gln-Val)挿
入
5'-GCTGACTCTTATACACAAGTAGAACGCTGCGCGTTATrCGGC-3'
1Alaの
挿 入5'-CTCTGTATrrATGCGGAACGCTGCGCG-3'
2Alaの
挿 入5'-CTCTGTATITATGCGGCCGAACGCTGCGCGTrATrC-3'
3Alaの
挿 入5'-GTATrrATGCGGCCGCTGAACGCTGCGCGTrATrC-3'
Cys44,Ile45,Glu4ZArg48のC末
Cys44のc末
端側
端 側 へ1つAla挿
入
5'-GCGTGCTCTGTGCGATITATGAACG-3'
11e45のC末 端 側
5'-GTGCTCTGTATrGCGTATGAACGCTGC-3'
Glu47のC末
端側
5'-GTATrrATGAAGCCCGCTGCGCG-3'
Arg48のC末
端側
5'-GTATrrATGAACGCGCCTGCGCGTTATrC-3'
欠失変異
△Tyr465'-GAAACCTrGCGTGCTCTGTATrGAACGCTGCGCGTrATTCGGC-31
4-4.培
地 と培 養 条 件
正 培 地 は 、1リ
ッ ト ル あ た り 、109のtrypton、59のyeastextract・59のNaCl
、1.7mmo1のNaOHを
含 ん で い る 。 グ ル コ ー ス は 最 終 濃 度04%に
た 、 リ ン 酸 緩 衝 液(pH7.5)をK6PO、
の 最 終 濃 度 が0.09Mに
な る よ う にt培
加 した 。
次 の 薬 剤 は 、 か っ こ 内 に示 す 濃 度 に な る よ う に 、 添 加 し た 。
5-Aminolevulinicacid(ALA;50μg/ml)
heminchloride(10μg/ml)
p-hydroxybenzoate(PHB;100μg/ml)
-75一
な る よ う に、 ま
地 に添
Isopropy1β
一D-thiogalactoside(IPTG;1mM)
cyclicAMP(cAMP;1mM)
細 胞 の 培 養 は 、 全 て37℃
で 、 振 盟 に よ り好 気 的 に 行 っ た 。 ま た 、 そ の 増 殖 の 程 度
は ク レ ッ ト光 電 比 色 計(No.54フ
518を
用 い て調 べ た 。
4-5.膜
の調 製
ィ ル タ ー)、
も し く は タ イ テ ッ ク のFhotometer
培 養 液 を 氷 上 で 冷 却 し ・ 遠 心 操 作 でpelletdownし
1mMphenylmethylsulfonylfluoride(PMSF)を
た 菌 を10mMTris-HC1(pH8.1),
含 むbuffer中
つ つ 超 音 波 破 砕 機(HeatSystemsUltrasonicator)で20秒
(sonication)を3回
Ultracentrifuge)で
、530000g×20min、
で9000g×5minの
超 遠 心 機(HitachiMicro
標 品)と
した。
ンパ ク 質 の 酸 化 還 元 状 態 の 決 定
1)TCA沈
殿
細 胞 培 養 液 、 も し く は 膜 サ ン プ ル を 含 む 溶 液 に 等 量 の10%のTCA水
0℃ で20min以
2)SH基
溶 液 を加 え、
上 放 置 し て 全 タ ン パ ク 質 を 変 性 ・沈 澱 さ せ 、 遠 心 に よ り 回 収 後 、 ア
セ ト ン で2回
洗 浄 し てTCAを
取 り 除 き 、 そ の 後 、1%SDS溶
液 に溶 解 させ る 。
修 飾 試 薬 に よる修 飾
タ ン パ ク 質 の ジ ス ル フ ィ ド結 合 の 有 無 を 調 べ る た め に 、TCA沈
SDS溶
遠 心操
遠 心 操 作 を 行 っ た 。 ペ レ ッ ト と し て 得 ら れ た 膜 は 、 上 記 のbuffer
に 懸 濁 し 、 膜 サ ン プ ル(膜
4-6.タ
間 細 胞 を破 砕 す る 操 作
行 っ た 。 破 砕 さ れ て い な い 細 胞 を 、4℃
作 で 取 り 除 き 、 上 澄 み 液 を4℃
に 懸 濁 し、 氷 水 で 冷 却 し
液 中 にSH基
修 飾 試 薬IAAも
し く はAMSを
化 を 防 い だ 。AMS(molecularprobe社)を
時 に タ ン パ ク 質 のSDS-PAGEに
試 薬 にIAAを
添 加 し て お き 、SH基
お け る 移 動 度 を 遅 ら せ る こ と が で き る 。SH基
の 方 法(70)で
、SDS-Tris-EDTA溶
SDS,100mMTris,5mMEDTA;pH9.0)に35mMに
SDS-Tris溶
な る よ うLへAを
修 飾 試 薬 にAMS(moleculerprobe社)を
液(1%SDS,50mMTris;pH7.5も
に15mM、
あ る い は20mMに
室 温 で30min、
10minの
の 人工 的 な酸
添 加 した 場 合 は 、 人 工 的 な 酸 化 を 防 ぐ と 同
用 い る 場 合 、Zalkinら
行 っ た 。 ま た 、SH基
殿 後 に溶 解 させ る
修飾
液(1.5%
加 え て実 験 を
用 い る場 合 、
し く は1%SDS,100mMTris;pH7.5)
な る よ うAMSを
加 え た 。SDS溶
穏 や か に 撹 拝 し た 。 そ の 後 、AMSを
液 に溶 解 させ る には 、
用 い て い る も の に は37℃
で
処 理(72)を 行 っ た 。 等 量 の2×SDSsamplebuffer(125mMTris(pH8.1),
4%SDS,20%(v/v)Glycerol,微
ク 質 を 目 的 と す る 場 合100℃
量BromophenolBlue)を
で3min、
加 え た 後 、 可 溶 性 タ ンパ
膜 タ ン パ ク 質 を 目 的 と す る 場 合37℃
で5m血
の 処 理 を行 っ た 。
3)SDS-PAGE
上 記 の 方 法 で 調 製 し た サ ン プ ル を 、 次 に 示 す 方 法 のSDS-PAGEで
DsbA、
β 一 ラ ク タ マ ー ゼ 、DsbBの
12.5%の
ポ リ ア ク リ ル ア ミ ドゲ ル(98)を 用 い た 。DsbBの
分 離 した 。
分 離 に は 、 特 に 記 述 し な い 限 りLeammliの
-76一
分 離 に は 、 改 良 法(15%
Acrylamide-0.12%N,N'-methylene-bis-acrylamide,250mMTris(pH8.7),10mM
NaCl,0.1%SDSを
分 離 ゲ ル と し た 方 法)(99)も 用 い た 。 還 元 状 態 で のSDS-PAGEを
行 う 場 合 は 、 サ ン プ ル に1/10容
元 状 態 で のSDS-PAGEを
一 メ ル カ プ トエ タ ノ ー ル を 加 え 、 非 還
行 う場 合 は 、 還 元 剤 を 加 え な い で 、 電 気 泳 動 を行 っ た 。
ま た 、 非 還 元/還 元 の2次
SDS-PAGEを
量 の1.4Mβ
元 電 気 泳 動 に は 、 まず 、 非 還 元 状 態 で 一 次 元 目の
行 い 、 泳 動 ゲ ル の1レ
ー ン 分 を 切 り 出 し 、10%(v/v)の
トエ タ ノ ー ル を 含 むSDSsamplebuffer中
で 、37℃
で30min撹
β一 メル カ プ
絆 し た 後 、2次
元 目
の ゲ ル の ス タ ッキ ン グ ゲ ル 上 部 に 水 平 に密 着 させ て 電 気 泳 動 を行 っ た 。
4)ウ
エ ス タ ンブ ロ ッテ ィ ング
SDS-PAGEに
よ り各 タ ン パ ク 質 を 分 離 し た 後 、 泳 動 ゲ ル を セ ミ ド ラ イ 型 タ ン パ ク
質 転 写 装 置 でPVDFメ
ン ブ レ ン(Immobilon-P四,MILUPORE社)に
転 写 し た 。 タ ン パ ク 質 が 転 写 し た メ ン ブ レ ン をBlotto(5%ス
電気泳動的 に
キ ム ミル ク を含 む
PBS-Tween20Buffer:0.14MNaCl,2。7mMKCI,4.3mMNa2HPO4,1.5mMKHIPO4
0.02%NaNH3,0.1%(v/v)Tween20)中
で42℃
で1時
間 、 も し く は4℃
で一 晩 浸 し
て ブ ロ ッ キ ン グ を 行 い 、 そ の 後 、 下 記 の 濃 度 に 希 釈 し た 一 次 抗 体 を 含 むBlottoに
温 で1時
間 浸 し て 一 次 抗 体 処 理 を 行 い 、PBS-Tween20Bufferで
室
洗 浄 後 、 希 釈 した 二
次 抗 体 を 含 むPBS-Tween20Bufferに
に 室 温 で1時
メ ン ブ レ ン をPBS-Tween20Bufferで
洗 浄 し た 後 、 ウ エ ス タ ン ブ ロ ッテ ィ ン グ検 出 キ ッ
ト(ECLm,AmerhamPharmaciaBiotech社)を
ゼ に よ る 発 光 をX線
もちい 、 二 次抗 体 上 の ペ ル オ キ シ ダー
フ ィ ル ム 上 に 露 光 し て 、 ま た は 、 富 士 フ イ ル ム のLumtnescence
ImageAnalyzer(LAS-1000)を
卜 次 抗 体1ウ
間 浸 して 二 次 抗 体 処 理 を行 っ た 。
用 い て検 出 した。
サ ギ ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗DsbA抗
体1/5000に
希釈
ウ サ ギ ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗 β 一 ラ ク タ マ ー ゼ 抗 体1/5000に
ウ サ ギ ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗DsbB抗
体1/100に
ウ サ ギ ポ リ ク ロ ー ナ ルanti-c-Myc(A-14)抗
希釈
希釈
体(SantaCruzBiotec㎞ology
社)
1/3000に
[二 次 抗 体]西
洋 ワ サ ビ ペ ル オ キ シ ダ ー ゼ 標 識 抗 ウ サ ギIgG抗
体
(ヤ ギ 抗 ウ サ ギIgG(H+L),Biorad社)1/5000に
4-7.DsbB抗
DsbBのc末
希釈
希釈
体 の 作 製 と精 製
端 の ア ミ ノ 酸 配 列 に 相 当 す る14残 基 のN末
ペ プ チ ド(NH}-CSQpFKAKKRDLFGR-C∞H)を
端 にcysを
付 加 した 合 成
作 り 、 こ の ペ プ チ ドのN末
Cysにkeyholelimpethemocyanin(KLH)を
端 の
カ ッ プ リ ン グ させ た も の を ・ ウサ ギ に
ir尊ectし 、 ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗 体 を 作 製 し た 。 以 上 の 操 作 は サ ワ デ ー 社 に 依 頼 し て 行 っ
た 。 得 ら れ た 抗 血 清 を 、 抗 体 作 製 に 用 い た ペ プ チ ド をN末
Sepharose6B(AmershamPharmaciaBiotech)に
Tris(pH7.5)緩
端 のCysでThiopropyl
カ ッ プ リ ン グ し た カ ラ ム に 通 し、
衝 液 で 洗 浄 後 、 カ ラ ム に 結 合 し た 抗 体 を0・1MGIysine-HCl(pH2・5
)で 溶 出 し 、 す ぐ に2MTris(pH8.0)緩
衝1液 で 中 和 す る 操 作 を 行 っ て ア フ ィ ニ
テ ィー 精 製 を行 っ た 。
-77一
4-8.DTT抵
抗 性 の ア ッセ イ
培 養 液 を 氷 上 で 冷 や し 、 遠 心 分 離 で 集 菌 後 、10mMTris・HC1バ
に 懸 濁 し た も の 、 も し く は 膜 標 品 を 、20mMDTrの
ト し た 。 そ の 後 、TCAを
終 濃 度5%に
ッ フ ァ ー(pH8.1)
存 在 下 で 氷 上10分
間 イ ンキ ュベ ー
な る よ う に 加 え 、 反 応 を ス ト ッ プ さ せ 、AMS
修 飾 を行 っ た 。
4-9.DTTを
含 む 培 地 を 用 い たviabilityの
L-glucose培
地 にIPTG、cAMPを
観 察
そ れ ぞ れ 終 濃 度1mMに
なる よ うに加 え 、各 濃 度
に な る よ う にDTTを
添 加 した プ レー トを作 成 し、 そ の 後 、 す ぐ に ア ッセ イ に 用 い た 。
一方
、 植 菌 用 の 細 胞 をL-glucose培
地 中 でKU=40ま
で 増 や し、 培 養 液 を生 理 食 塩 水 で
10倍
ご と に 希 釈 を 行 い 、 各 希 釈 液 か ら2μ1を
37℃
で20時
440.残
上 記 の プ レ ー ト上 に ス ポ ッ ト し、
間 培 養 を行 っ た 。
存 チ オ ール の 定 量 方 法
チ オ ー ル の 定 量 は チ オ ー ル 定 量 試 薬5,5'-dithio-bis(2-nitrobenzoicacid)(DTNB多
EUmanヒsReagent)を
後 す ぐ に412nmの
用 い て(79)、 終 濃 度0.1mMに
吸 収 を 測 定 した 。
一78一
な る よ うにサ ンプ ル に加 え、 混 合
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22.Kamitani,S.,Akiyama,Y・andIto,K・(1992)EMBO1・,11,57-62・
23.Bardwell,1.C.A.,Lee,∫.0.,Iander,G.,Martin,N.,Belin,D.andBeckwith,∫.
(1993)Pアoc。
勘fZ.Acβ4,5c∫,し1.5.A.,90,1038-1042.
24.Sone,M.,Akiyama,Y・andIto,K(1997)弄Bfol・
α
一79一
θ祝 ・,272,10349-10352・
θ加.,272,
25・Hwang,C.,Sinskey,A.∫.andLodish,H・F・(1992)5σ'θ
ηc¢257,1496-1502
.
26.Frand,A.R.andKaiser,C.A.(1998)Mol.CεZl,1,161-170.
27.Pollard,M.G.,Travers,K.1.andWeissman,∫.S.(1998)Mo1.Cε11,1,171-182.
28.Akiyama,Y.andIto,K.(1993)弄Blol.α
θ海.,268,8146-8150.
29・Akiyama,Y.,Kamitani,S.,Kusukawa,N・andIto,K(1992)1.B∫ol.α
θη2.,267,224
40-22445.
30・Connonlly,L,Penas,A.D.L.,Alba,B・M・andGross,CA・(1997)Gθ
ηε5D㎝
。,11,
2Q12-2021.
31.Kishigami,S.,Kanaya,E.,Kikuchi,M.andIto,K(1995)弄Blol,α
θηL,270,
17072-17074.
32.Gilhot,C.,Iander,G.,Martin,N.,L.andBeckwith,1,(1995)Pアoc.Nσfl,Acα4.5cj.
U,5.A.ノ92,9895-9899.
33.Missiakas,D.,Georgopoulos,C.andRaina,S.(1993)Pγoc.〈
履1.Acα4.5cf,α,5.A,
90,7084-7088.
34.Missiakas,D.,Georgopoulos,CandRaina,S.(1994)EMBO弄,13,2013-2020.
35.Andersen,CL,Matthery-Dupraz,A.,Missiakas,D.andRaina,S.(1997)MoZ.
Mlcγoわlol.ノ26/121-132.
36.Missiakas,D・,Schwager,F・andRaina,S・(1995)EMBO1・,14,3415-3424・
37.Crooke,H.andCole,∫.(1995)Mol,M/cγoわ101.,15,1139-1150.
38.Zapun,A.,Missikas,D.,Raina,S.andCreighton,T.E.(1995)Bfoc加
η2鋭 膨,34,
5075-5089.
39.McCarthy,A.A.,Haebel,P.W.,T6rr6nen,A.,Rybin,V.,Baker,EN.and
Metcalf,P(2000)N伽
γθ5伽cf,Blol.,7,196-199.
40.Bessete,P.H.,Cotto,1.1.,Gilbert,HF.andGeorgiou,G.(1999)弄BfoZ,α
απワ274,
7784-7792
41.Chen,1.,Song,∫.,Zhang,S.,Wang,Y.,Cui,D.andWang,C.(1999)弄Blol,α1刎.,
274,19601-19605.
42.Shao,F.,Bader,M.W.,∫akob,U.andBardwell,∫.C.A.(2000)弄Blol.α
銅.,275,
13349-13352.
43Joly,1.CandSwartz,1.R(1997)Bjoc加
履5f膨,36,10067-1007Z
44.Rietsch,A.,Bessette,P.,Georgiou,G.andBeckwithJ.(1997)弄Bαcf〔
漉ol,,179,
6602-6608.
45.Rietsch,A.,Belin,D.,Martin,N.andBeckwith,1.(1996)Pγoc,1鴨1,ん
し1.5./1.,93,13048-13053.
46.Stewart,E.∫.,Katzen,EandBeckwith,∫.(1999)EMBO弄,18,5963-5971.
一80一
α4.5cf.
47・Chung,」.,Chen,T.andMissiakas,D.(2000)Mol・M∫cγoわfo1,,35,1099-1109.
48・Gordon.EH・,Page,M.D.,Willis,A・C・andFerguson,SJ・(2000)Mol,Mlcアoわlol.,
35/1360-1374
49.Katzen,EandBeckwith,1.(2000)Cθll,103.769-779.
50.Krupp,R.,Chan,C.andMissiakas,D.(2000)弄B/ol.α
θη1,inpress,
51.Martin,1.C.L.,Bardwel1,∫.C.A.andKuriyan.1.(1993)N伽
アε,365.464-468.
52・Wunderlich,M,Otto,A・,SeckleLandGlockshunber,R・(1993)Bloc加
履5吻,32,
12251-12256.
53.Zapun,A.andCreighton,T.E.(1994)Bfocん
θ纏5fアy,33,5202-5211.
54.Kanaya,E,Anaguchi,H.andKikuchi,M.(1994)弄
肋1,α
ε吻,,269,4273-4278.
55.Zapun,A.,Bardwell,∫.C.A.andCreighton,T.E.(1993)Bjoc加
履5f膨32,5083-
8092.
56.Nelson,1.W.andCreighton,T.E(1994)Bjoc加
履5吻,33,5974-5983.
57.Wunderli(上,M.andGlockshuber,R.(1993)Pγof伽5cj,ノ2,717-726.
58.Wunderlich,M.,∫aenicke,R.andGlockshuber,R(1993)弄Mol,B∫oZ.,233,559-566.
59.Grauschopf,U,,Winther.∫
。R.,Korber,P.,Zander,T.,Dallinger,P.andBardwell,
1。C.A.(1995)Cθll,83/947-955.
む
60.Aslund,E,Berndt,KD.andHolmgren,A.(1997)弄Bjol。
α α π,,272,30780-30786.
61.Kishigami,S.,Akiyama,Y.andIto,K(1995)F朋5Lε
鉱,364,55-58.
62.Iander,G.,Martin,N.L.andBeckwith,1.(1994)EMBO弄,13,5121-5127.
63.Kishigami,S,andIto,K.(1996)Gθ
ηε5foCθ
〃5,1,201-208.
64.Kobayashi,T.,Kishigami,S.,Sone,M.,Inokudli,H.,Mogi,T.andIto,K.(1997)
Pγoc.Nαfl.ん
磁.50ノ,α
、5,A/94,11857-11862.
65.Kobayashi,T.andIto,K.(1999)EMBO弄,18,1192-1198.
66.Bader.M.,Muse,W.,Zander,T.andBardwel1,1.C.A.(1998)弄
肋1.α
餌.,273,
10302-103071
67.Bader,M.,Muse,W.,Ballou,D.P.,Gassner,C.andBardwell,1.C.A.(1999)Cθll,
98,217-227,
68.Bader,M.W.,Xie,T.,Yu,C-A.andBardwell,∫.CA.(2000)弄Bfol.α
伽,,275,
26082-26088.
69.Kobayashi,T.,Takahashi,Y.andIto,K(2000)1質ol.Mfoγoわfol,,inpress,
70.Pollitt,S.andZalkin,H.(1983)弄Bαcf87∫ol.,153,27-32.
71.Vestweber,D.andSchatz,G.(ユ988)弄CθIZBjoZ.,107,2045-2049.
72.Uchida,K.ノMori,H.andMizushima,S.(1995)露Bjol.α
εηL,270,30863-30868.
73.Nakayashiki,T・,Nishimura,K・,Tanaka,R・andhokuchi,H・(1995)Mo1・Gθ
一81一
η・
Gε ηεf,,249,139-146.
74・Avissar,YJandBeale,S.1
.(1989)1.Bσcfθ
ア101.,171,2919-2924.
75.Drolet,M.,P610quin,Y.,Cousineau,LandSasarman,A.(1989)Mol
,Gε η.Gθ ηθム,
216,347-352
76.Schultz,S.C.,Dalbadie-McFarland,G.,Neitzel,∫.∫.andRichards,1.H.(1987)
Pγofθfη5,2,290-297.
77.Wallace,BJ.andYoung,1.G.(1977)肋c励2.Bfo吻5.Ac加,,461,84-100.
78.Young,1.G.,Leppik,R.A.,Hamilton,1.A.andGibson,E(1972)弄Bβcfε
γゴol,,110,
18-25.
79.Cuozzo/1.W.andKaiser,C.A.(1999)N伽
アεCθllBjol,ノ1,130-135。
80.Bardwell,1.C.A.andBeckwith,1.(1993)C8ZZ,74,769-771.
81.Manoil,C.andBailey,∫.(1997)弄Mol.BjoZ.,267,250-263.
82.Glockshuber,R.(1999)N躍
伽 γ8,401,30-31.
83.Kadokura,H.,Bader,M.,Tian,H.,Bardwell,1.C.A.andBeckwi出,1.(2000)Pア06.
勘fZ.ノ4(海4。5c∫
。し1.5.ノ4.ノ97,10884-10889.
84.Frand,A.R.andKaiser,C.A.(1999)Mol.Cθll,4,469-477.
85.Tu,B.P.,Ho-Schleyer,S.C,Travers,K.∫.andWeissman,1.S.(2000)5c伽
σ弓290,
1571-1574、
86.Suh,1.-K.,Poulsen,L.L.,Ziegler,D.M.andRobertus,1.D.(1999)Pγoc.Nα
歪1.Ac砿
5cf,し τ.5,A,,96,2687-2691.
87Suh,1.-K.andRobertusノ
∫.D.(1999)Pアoc.NαfZ,14c磁,5d.し1,5,A,,97,121-126.
88.Cabibbo,A.,Pagani,M.,Fabbri,M.,Rocchi,M.,Farmery,M.R.,Bulleid,N.1.and
Sitia,R.(2000)弄BfoZ.σ1θ
〃z.,275,4827-4833.
89.Benham,A.M.,Cabibbo,A.,Fassio,A.,Bullied,N.,SiUa,R.andBaa㎞an,1.
(2000)Eハ4BO孟
ノ19,4493-4502.
90.Pagani,M.,Fabbri,M.,Benedetti,C.,Fassio,A.,Pilati,S.,Bulleid,N.∫.,Cabibbo,
A.andSitia,R.(2000)
91.Casadaban,M.(1976)弄Mol.Blol.,104,541-555.
92.Akiyama,Y.,Ogura,T.andIto,K(1994)弄Bfol。
α ε解.,269,5218-5224.
93.Strauch,KLandBeckwith,∫.(1988)Pγoc.Nαfl,Acβ4.5cf,U,5,A,85,1576-1580.
94,Bork.K,Beggs,∫.D.,Brammar,WJ.,Hopkins,A.S.andMurray.N.E(1976)
MoZ,Gθ
η.Gθ ηθf,,146,199-207
95.Suzuki,K.,Ueda,M.,Yuasa,M.,Nakagawa,T.,Kawamura,M.andMatsuda,H.
(1994)B歪05d。Bfofθclz.Bfoc乃
θηz。
ノ58/1814-1819.
96.Ito,K.,Wittekind,M.,Nomura,M.,Shiba,K.,Yura,T.,Miura,A.andNashimoto,
一82一
H.(1983)Cθll.32/789-797.
97Akiyama.Y.,Yoshihisa,T.andIto,K.(1995)1.Bfol.α
98.1.aemmli,U.K.(1970)Nβ
嬬
θ肱,270,23485-23490
.
θノ227/680-685.
99.Ito,K.,Bassford,P.andBeckwith,∫.(1981)CεZZ,24,707-717
100.Dartigalongue,C.,Nikaido,H.andRaina,S.(2000)EMBO弄,19/5980-5988.
101.Miller,∫.H(1972)翫p顔
耀
η'51ηMolθc伽
アG8η
εflc5.ColdSpringHabor
Laboratory,ColdSpringHabor,N.Y.
102.Silhavy,TJ.,Berman.M.L.andEnquist,LW.(1984)aμ
θ伽
θηf5ω 澁Gθ
ル5伽5,ColdSpringHarborLaboratorypress.ColdSpringHabor,N.Y.
103.Sambrookノ
L伽
∫.ノFritsch,EEandManiatis,T.(1989)Molεc癩
桝o膨M卿
アCloπ ∫
πg渦
槻lColdSpringHaborLaboratorypress,N.Y.
104.Ausubel/F.M.ノBrent,R.ノKingston/R.E/Moore/D.D.ノSeidman/1.G.ノSmith,1.
A.andStuh1,K(1990)α
アァεηfρ アofoco15」 η 躍olθc伽
一83一
ア わゴolo舘.IohnWiley&Sons.
ηε
謝辞
本 研 究 に あ た り、多 くの 方 々 の ご助 力 をい た だ きま した。 この場 をお借 り しま し
て 、 感 謝 の意 を表 した い と思 い ます 。
伊 藤 維 昭教 授 に は、修 士 課程 入 学 以 来 、 実験 の 具体 的操 作 は もち ろん 、研 究 へ の
取 り組 み方 や進 め 方 な ど、 こ こ に は書 き きれ ない ほ どの事 を、 熱心 にか つ細 や か な
配 慮 で ご指 導 して い た だ きま した 。 深 く感 謝 してい ます 。DsbA/DsbBに
よる ジス ル
フ ィ ド結 合 形 成 に呼吸 鎖 が 関 与 してい る とい う面 白い テ ー マ に取 り組 み 、 そ れ を明
らか にす る こ とが で きたの は、 先 生 の 的確 な ご助 言 の お か げ だ と思 って い ます 。 と
て も幸 運 で した し、 楽 しか っ たで す 。 未 熟 者 で す が 、 これ か ら もよ ろ し くお願 い し
ます 。
秋 山芳 展 博 士 、 森博 之博 士 に は、 実験 技 術 や研 究 の 進 め 方 な ど、詳 し くご指 導 し
て い た だ きま した。 ま た多 くの ご助 言 をい た だ きま した 。 深 く感 謝 して します 。
東 京 大 学 の 茂 木 立 志博 士 、 京都 大 学 の 井 ロ八 郎博 士 に は呼吸 鎖 欠損 変 異 株 を、京
都 大 学 の 三芳 秀 人博 士 に は キ ノ ン類 縁体 を快 く分 与 してい た だ き、 また 数 々 の ご助
言 をい た だ きま した。 あ りが と うご ざい ます 。
構 造 形 成 分 野 の研 究 室 の 皆 さん に は大 変 お 世 話 に な りま した。 望 月清 子 さ ん に は、
事 務 的 な こ とばか りで な く、研 究 が 進 めや す い 環 境 を整 え てい た だ きま した。 現
NIHの
岸 上哲 志 博 士 、 現 群 馬 大 学 の 曽根 道 夫博 士 に はDsbの
実 験 に 関す る多 くの ご
助 言 をい た だ きま した。 高橋 由貴 さん に は、 実 験 を進 め る に あ た り貴 重 な変 異株 を
分 与 して い た だ きま した。 現 基 生研 の 白井 良憲 博 士 、 現 北 海 道 大 学 の木 原 章 雄博 士 、
現 通 産省 工 業 技 術 院 の 本 間貴 之博 士 に は実 験 操 作 等 、様 々 な こ と を教 え て い た だ き
ま した 。 当研 究 室 の松 尾 英 一 博 士 、松 本 弦 博 士 に は、 研 究 に対 す る姿 勢 や実 験 操 作
を教 わ り、 ま た公 私 共 に相 談 に の っ て い た だ き ま した。 稲 葉 謙 二 博 士 には理 論 等 を
教 え て い た だ きま した。ZsoltSegletes博
士 、 中戸 川 仁 君 、千 葉 志 信 君 、才 川直 哉 君 、
金 原 和 江 さ ん、佐 藤康 成 君 、 千 葉 和 彦 君 、下 川 直 美 さん 、下 畑 宣 行 君 、清 水 祐 介 君
に も、色 々 とお 世 話 に な りま した。 矢 部 俊 樹 君 には実 験 補 助 を、佐 野 美 千代 さん 、
山 田幹 浩 君 、 山 崎麻 紀 さん、 北 沢 知 美 さん 、 山 口恵 さん 、桜 井 良子 さ ん、 八 又 政子
さん 、 中 川 さ との さ ん、塚 崎 昌子 さん には 、実 験 補 助 や洗 い 物 を して い た だ きま し
た。 そ の他 、個 々 に名 前 を あ げ な か っ た方 々 に も大 変 お 世話 に な りま した。 あ りが
と うご ざい ます 。
一84一
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