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第5章 新エネルギー賦存量
秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 第5章 新エネルギー賦存量 5.1 対象とした新エネルギーと賦存量の定義 本ビジョン策定調査においては、秩父市における新エネルギーの賦存量を以下に示す種別毎に算 出しました。 ◆太陽エネルギー :太陽光発電及び太陽熱利用 ◆風力エネルギー :風力発電 ◆バイオマスエネルギー:木質バイオマス資源の燃焼等によるエネルギー利用、 農業残さの燃焼、畜産排せつ物・生ごみ・し尿・下水汚泥等のメタ ン発酵によるエネルギー利用、バイオディーゼル燃料利用 ◆中小水力エネルギー :マイクロ水力発電 *雪氷冷熱エネルギー及び地熱エネルギーは、秩父市では利用可能性が低いと考えられるため、算定の対 象から除外しました。 ここでは、新エネルギーの賦存量を、「潜在賦存量」、「期待可採量」の段階に分け、以下のように定 義したエネルギー量を算出しました。 図表 5-1 分 類 潜在賦存量 期待可採量 新エネルギー賦存量の分類と定義 定 義 対象とする地域に存在する、理論的に算出しうる潜在的なエネルギーの全 量。エネルギーの取得及び利用に伴う種々の制限要因は考慮しない。 現在及び将来(想定している期間内)のエネルギー利用技術等の制約要因 を考慮した上で、エネルギーとして開発利用の可能性が期待される量。経済 性による制限要因は考慮しない。 上記 2 種の賦存量に関する概念のうち、比較的現実的で、地域における新エネルギーの導入促進を 図る上で有用と考えられるものは期待可採量であり、潜在賦存量は期待可採量算定のための基礎資料 として位置づけられます。以下では本市における新エネルギーの賦存量を推計し、新エネルギーの供 給ポテンシャルやエネルギー面での特性を把握するための基礎資料とします。 ‐ 79 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.2 賦存量・期待可採量の推計条件 賦存量及び期待可採量を推定するために用いた基本的条件は以下のとおりです。 図表 5-2 賦存量推計のための基本的条件 エネルギー源 賦存量推計のための基本的条件 対象施設 光発電 導入棟数 太 陽 一般住宅 市役所・支所 小中学校・幼稚園・保育所 それ以外の市有公共施設 民間事業所 21,054 4 37 111 130 導入棟数 対象施設 熱利用 風力発電 中小水力 設備容量(m2) 21,054 4 37 111 130 風速条件(地上高 m):年平均風速 4m/s 以上 3 100 20 50 50 風車設置可能面積:秩父市全域の中で年平均風速が 4m/s 以上の箇所 風車規模: 500kW 風車占有面積:10D×10D(D は風車ローター直径) 東京発電様へのヒアリングにより市内で有望と考えられる地点 9 カ所を想定 及び、既存の大規模水力発電所の事業化可能性調査結果等を引用 市内で発生する農業残さ量 : 26,916 t/年 : 2,401 t/年 バイオマス 木質バイオマス 市内で発生する木質バイオマス量 : 27,910t/年 し尿 市内で発生するし尿処理量 : 12,320 kL/年 下水汚泥 市内で発生する下水汚泥量 : 1,587 t/年 生ごみ 3.5 30 20 10 10 一般住宅 市役所・支所 小中学校・幼稚園・保育所 それ以外の市有公共施設 民間事業所 畜産排せつ物 市内で発生する畜産排せつ物量 農業残さ 設備容量(kW) 市内で発生する生ごみ量 : 3,056 t/年 市内の家庭から発生する廃食用油 バイオ 市内の公共施設から発生する廃食用油 ディーゼル燃料 市内の民間業者から発生する廃食用油 : 9,100 L/年 : 3,230 L/年 ;70,106 L/年 注)一般住宅の戸数(21,054 戸)については市内の世帯数の 8 割が戸建て住宅であると仮定しました。 戸建て以外の住宅(アパート等)に関しては、導入が困難であると考え、今回の調査対象からは除外しました。 バイオエタノール等のバイオ燃料のうち、食糧と競合する可能性のある資源作物は、今回の調査で は想定しませんでした。また、遊休農地については食糧となる農作物を栽培することを前提に考え、遊 休農地への太陽光発電装置の設置等は本調査の対象外としました。 ‐ 80 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3 賦存量推計結果 現状(平成 20 年度)をもとにした新エネルギー賦存量の推計結果を以下に示します。本ビジョン策定 調査において推計した新エネルギー賦存量及び期待可採量の特徴は以下のとおりです。 図表 5-3 新エネルギー種別 太 陽 期待可採量 熱利用 電力利用 1次エネル ギー換算 (GJ/年) (MWh/年) (GJ/年) 587,160 - 33,230 熱利用 159,319 69,390 - - 25,425,324 原油換算 割合 (kL/年) (%) 299,070 7,829 16.65 69,390 1,816 3.86 17,893 161,037 4,216 8.96 1,042,112 464,981 21,527 658,723 17,244 36.67 生ごみのメタン発酵 4,605 1,151 128 2,302 60 0.13 農業残さ 18,590 400 0 400 10 0.02 畜産排せつ物 9,346 1,496 167 2,992 78 0.17 BDF燃料 3,061 569 569 15 0.03 し尿メタン発酵 1,774 887 99 1,774 46 0.10 230 0 0 0 0 0.00 1,079,718 469,484 21,921 666,760 17,453 37.11 66,703 600,327 15,715 33.42 139,747 1,796,584 47,029 100.00 木質バイオマス 下水汚泥メタン発酵 小計 水 力 潜在賦存量 (GJ/年) 光発電 風力発電 バ イ オ マ ス 秩父市における潜在賦存量及び期待可採量 中小水力発電 既存(ダム式等)水力発電 合 計 600,327 (162,000) 27,851,848 - 538,874 - 注)1. 一次エネルギー換算の項では、1kWh=9MJ として電力利用を換算した値である。 2. 原油換算値の推計としては、原油の発熱量 1L=38.2MJ を用いて換算した。 3. 木質バイオマスの期待可採量のエネルギー換算値は、秩父市内でエネルギー利用可能な木質バイオマスを ガス化発電(コージェネレーション)に 50%、直接熱利用に残りの 50%を振り分けるとして計算した。 4. ダム等において行われている数百~数千 kW 規模の水力発電については、再生可能エネルギーではあるも のの新エネルギーには含まれないことから、参考として( 5. 潜在賦存量 )書きで数値を記すのみで集計からは除外した。 着色部分(灰色)の数値は合計には加えていない。 6. 四捨五入を行うため、合計が合わないことがある。 一例を挙げると、電力の期待可採量は 139,747 MWh/年であり、秩父市内の電力消費量推計値 501,575 MWh/年の約 4 分の 1 に相当します。なお、その半数近くを占めるのが水力エネルギー (66,703MWh)であり、既存のダムによる大規模水力発電約 180,000MWh/年も含めれば、水力関係だ けで現在の電力消費量推計値の約 5 割に相当します。 原油換算で考えた場合に期待可採量が多い順に挙げると、木質バイオマス、水力、太陽光発電、風力 発電、太陽熱利用の順であり、他の期待可採量は極めて小さい値になっています。 ‐ 81 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 太陽光 発電, 16.65% 中小水力発 電, 33.42% 太陽熱利 用, 3.86% 風力発電, 8.96% し尿メタン 発酵, 0.10% 木質バイオ マス, 36.67% BDF燃料, 0.03% 畜産排せつ 物, 0.17% 図表 5-4 生ごみのメ 農業残さ, タン発酵, 0.02% 0.13% 秩父市における自然エネルギー期待可採量の種類別割合 ‐ 82 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3.1 太陽エネルギー 住宅や公共施設の屋根に太陽光電池パネルあるいは太陽熱集熱器を設置することを想定し、本市 における日射マップを基に賦存量を算定しました。 (1) 潜在賦存量 参考までに、他地域の太陽光発電導入箇所、太陽熱利用導入箇所と秩父市における日射量を比 較した表及びグラフを以下に記します。年間最適傾斜角(太陽光のパネルを最適な角度に傾けた場合、 1m2 に降り注ぐ日射量の年間を通した量が最大となる角度。雨天日等も想定した上での、過去 30 年 分のデータによる推計値) における日射量の平均値で見ると、秩父市は近隣の太陽光発電設置事例 (群馬県太田市)や太陽熱利用施設設置事例(栃木県野木町)を上回っており、変動パターンも似てい ます。このことから、既存の太陽光発電設置施設や太陽熱利用機器設置箇所と日射量に遜色が無く、 太陽エネルギーを利用する機器の設置が有望であると考えられます。 図表 5-5 秩父市と他地域の太陽光発電・太陽熱利用機器設置箇所の年間最適傾斜角における日射量 1月 4.58 4.07 4.19 地点 秩父 太田(館林) 野木(小山) 2月 4.63 4.25 4.23 3月 4.56 4.43 4.30 4月 4.26 4.43 4.35 5月 4.44 4.55 4.41 6月 3.51 3.67 3.66 7月 3.58 3.78 3.56 8月 3.98 4.23 4.16 9月 2.99 3.23 3.14 10月 3.33 3.47 3.38 11月 3.82 3.56 3.40 12月 年平均値 3.97 3.97 3.60 3.94 3.68 3.87 水平面日射量 (kWh/ ㎡・日) 5.00 4.50 秩父 4.00 太田(館林) 野木(小山) 3.50 3.00 2.50 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 図表 5-6 秩父市と他地域の太陽光発電・太陽熱利用機器設置事例における月別日射量の比較 (単位:kWh/m2・日) ※NEDO ホームページで公開中のアプリケーションソフト 「標準気象・日射データ(METPV-3)」を用いて作成した。 ‐ 83 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 図表 5-7 太陽光発電設置住宅群 ※群馬県太田市 パルタウン城西の杜 分譲数 774 区画中、太陽光パネル設置戸数 【資料:委託会社撮影資料】 553 戸 出力合計 2,129kW) 【太陽光発電】 一般住宅(戸建)、市役所及び支所庁舎、小中学校・幼稚園・保育所、その他の公共施設、及び民 間の事業所等に太陽光発電システムを設置することを想定しました。 図表 5-8 試算式 備考 太陽光発電の潜在賦存量推計方法 潜在賦存量(MWh/年)=Σ{最適傾斜角日射量(kWh/m2・日)×設置件数〔種別毎の建築物数〕 ×設置システム容量(kW/件)×単位出力当たりの必要面積(m2/kW)×補正係数×365(日/年) ÷103} ・秩父市における最適傾斜角日射量: 3.97kWh/m2・日(年間最適傾斜角:32.5 度) ・設置システム容量:3.5kW(一般住宅)、30kW(市役所・支所)、20kW(小中学校・幼稚園・保育 所)、10kW(それ以外の公共施設)、10kW(事業所) ・単位出力当たりの必要面積:9m2/kW ・補正係数:0.065 (機器効率や日射変動などによる発電量の補正値) 注)∑は建築種別毎に算出し積算することを示す。 図表 5-9 種別 一般住宅 市役所・支所 小中学校・幼稚園・保育所 それ以外の公共施設 事業所 合計 市内の総数(棟) 21,054 4 37 111 130 21,336 太陽エネルギー潜在賦存量(太陽光発電) 導入棟数(棟) ※想定した全ての建物に導 入されると仮定 21,054 4 37 111 130 21,336 潜在賦存量 設備容量(kW) 3.5 30 20 10 10 - 年間発電量 (MWh/年) 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 62,470 100 630 940 1,100 65,240 562,230 900 5,670 8,460 9,900 587,160 図表 5-8 の計算式に基づいて試算した場合、例えば、秩父市の一般家庭に 3.5kWの太陽光発電パネ ルを設置した場合の年間発電量は約 2,967kWhであり、本調査でアンケートを行った秩父市の一般家 庭(4 人家族)における 1 戸当たり年間電力消費量推計値(約 4,869kWh)の 61%となりました(資料:【秩 父市の平均的な 4 人家族におけるエネルギー消費量 (P191)参照)。これを市内の一戸建て 21,054 戸 に導入した場合の年間発電量は 62,470MWhであり、その他に公共施設や事業所等を考慮に入れた秩 父市における潜在賦存量は 65,240MWh、1次エネルギー換算値で 587,160GJとなりました。 ‐ 84 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 【太陽熱利用】 一般住宅(戸建)、市役所及び支所庁舎、小中学校・幼稚園・保育所、その他の公共施設、及 び民間の事業所等に太陽熱利用システムを設置することを想定して、潜在賦存量を推計しました。 図表 5-10 太陽熱集熱器による小学校の給食室への給湯利用例 【資料:平成 18 年度 図表 5-11 太陽熱高度利用システムフィールドテスト事業 (栃木県野木町、設置費 756 万円) (NEDO)】 自然循環タイプ(左)と強制循環タイプ(右)の太陽熱温水器 【資料:倉敷市地域新エネルギービジョン 第 3 章】 ‐ 85 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 図表 5-12 試算式 備考 太陽熱利用の潜在賦存量推計方法 潜在賦存量(GJ/年)=Σ{最適傾斜角日射量(kWh/m2・日)×設置件数〔種別毎の建築 物数〕×期待される導入率(%)×集熱面積(m2/件)×集熱効率×365(日/年)×単位変換 係数÷106} ・秩父市における最適傾斜角日射量:太陽光発電に同じ ・集熱面積:3m2/戸(一般住宅)、100m2 (市役所・支所)、20m2(小中学校・幼稚園・保育 所) 、50m2(それ以外の公共施設)、50m2(事業所) ・集熱効率:0.4 ・単位変換係数:3,600(kJ/kWh) 注)∑は建築種別毎に算出し積算することを示す。 図表 5-13 種別 一般住宅 市役所・支所 小中学校・幼稚園・保育所 それ以外の公共施設 事業所 合計 太陽エネルギー潜在賦存量(太陽熱利用) 市内の総数(棟) 導入棟数(棟) ※想定した全ての建物に 導入されると仮定 21,054 4 37 111 130 21,336 設備容量 (㎡) 21,054 4 37 111 130 21,336 3 100 20 50 50 潜在賦存量 年間集熱量(GJ/年) 131,796 835 1,544 11,581 13,563 159,319 図表 5-12 の計算式に基づいて試算した場合、例えば、秩父市の一般家庭に設置面積 3m2 の太陽 熱温水器(自然循環タイプ)を設置した場合の年間集熱量は 6.26(GJ)(=1.50(Gcal))であり、これは 都市ガスに換算すると 136m3 に相当します。四人家族の標準家庭で 1 ヶ月に消費する都市ガスの量 は 34 m3(東京ガスホームページ)であることから、約 4 ヶ月分に相当する熱量をまかなえることになり ます 。こ う した 太 陽熱 温水 器 を 市内の 一 戸 建て 21,054 戸 に 導 入 した 場 合 の年間 集 熱 量は 131,796GJであり、その他に公共施設や事業所等を考慮に入れた秩父市における潜在賦存量は、 159,319GJとなりました(図表 5-13)。 (2) 期待可採量 【太陽光発電】 一般住宅(戸建)、市役所及び支所庁舎、小中学校・幼稚園・保育所、その他の公共施設、及び民 間の事業所等のうち、アンケート結果をもとに「導入に興味がある」家庭には全て、民間事業所には 30%、それ以外の公共施設関係の屋根には全て太陽光発電システムを設置することを想定した期 待可採量は 33,230MWh、1次エネルギー換算値で 299,070GJとなりました(図表 5-15)。 図表 5-14 試算式 備考 太陽光発電の期待可採量推計方法 期待可採量(MWh/年)=Σ{最適傾斜角日射量(kWh/m2・日)×設置件数〔種別毎の建築物数〕 ×期待される導入率(%)×設置システム容量(kW/件)×単位出力当たりの必要面積(m2/kW)× 補正係数×365(日/年)÷103} ・秩父市における最適傾斜角日射量: 3.97kWh/m2・日(年間最適傾斜角:32.5 度) ・設置システム容量:3.5kW(一般住宅)、30kW(市役所・支所)、20kW(小中学校・幼稚園・保育 所)、10kW(それ以外の公共施設)、10kW(事業所) ‐ 86 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 ・単位出力当たりの必要面積:9m2/kW ・補正係数:0.065(機器効率や日射変動などによる発電量の補正値) 注)∑は建築種別毎に算出し積算することを示す。 図表 5-15 種別 市内の総数(棟) 太陽エネルギーの期待可採量(太陽光発電) アンケート調査で 「導入に興味がある」 回答者の割合(%) 期待される 導入棟数(棟) 期待可採量 設備容量(kW) 年間発電量 (MWh/年) 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 21,054 33% 6,948 3.5 31,230 281,070 4 100% 4 30 100 900 小中学校・幼稚園・保育所 37 100% 37 20 630 5,670 それ以外の公共施設 111 100% 111 10 940 8,460 130 30% 39 10 330 2,970 事業所 - 21,336 7,139 33,230 299,070 合計 注)一般住宅については、市内の世帯数の 8 割が戸建て住宅であるという仮定を置いた上で、33%(アンケートをもとに、 太陽光発電に興味関心のある割合)に 3.5kW のシステムを設置可能とした。 一般住宅 市役所・支所 【太陽熱利用】 一般住宅(戸建)、市役所及び支所庁舎、小中学校・幼稚園・保育所、その他の公共施設、及 び民間の事業所等のうち、アンケート結果をもとに「導入に興味がある」家庭には全て、民間 事業所には 20%、それ以外の公共施設関係の屋根には全ての屋根に集熱パネルを設置することを 想定して、期待可採量を推計しました。この結果、太陽熱利用による年間集熱量の期待可採量 は、69,380(GJ/年)となりました(図表 5-17)。 図表 5-16 試算式 備考 期待可採量(GJ/年)=Σ{最適傾斜角日射量(kWh/m2・日)×設置件数〔種別の建築物 数〕×期待される導入率(%)×集熱面積(m2/件)×集熱効率×365(日/年)×単位変換係 数÷106} ・秩父市における最適傾斜角日射量:太陽光発電に同じ ・集熱面積:3m2/戸(一般住宅)、100m2 (市役所・支所)、20m2(小中学校・幼稚園・保育 所) 、50m2(それ以外の公共施設)、50m2(事業所) ・集熱効率:0.4 ・単位変換係数: 3,600(kJ/kWh) 注)∑は建築種別毎に算出し積算することを示す。 図表 5-17 種別 一般住宅 市役所・支所 小中学校・幼稚園・保育所 それ以外の公共施設 事業所 合計 太陽熱利用の期待可採量推計方法 太陽エネルギーの期待可採量(太陽熱利用) 市内の総数(棟) 21,054 4 37 111 130 21,336 アンケート調査で 「導入に興味がある」 回答者の割合(%) 15% 100% 100% 100% 20% 期待される 導入棟数(棟) 3,158 4 37 111 26 3,336 期待可採量 設備容量(㎡) 3 100 20 50 50 - 年間集熱量 (GJ/年) 52,720 835 1,544 11,581 2,710 69,390 注)一般住宅については、市内の世帯数の 8 割が戸建て住宅であるという仮定を置いた上で、15%の一般住宅に 3m2 のシステム設置可能とした。なお、この 15%という数値の根拠はアンケートをもとにしたものであり、太陽熱利用設備を 既に導入している家庭が 5%、導入に興味関心のある割合が 10%であったことから、足して 15%とした。 ‐ 87 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3.2 風力エネルギー 風力エネルギーについては、NEDO が WEB 上で公開している、500m メッシュの風況マップ(※) データをもとに算出しました。 ※地上 30m 高での年間平均風速について、国内の全地域を 500m の升目に区切り推計したもの。 秩父地域の風況マップデータは、図表 5-21 に示す。 (1) 潜在賦存量 風力発電が技術的に可能であるのは、一般に「年平均風速が 4m/s 以上の地点」であるとされてい ます。そこで、大型風車の中で国内における実績が多く技術的にも完成している「500kW 風車」を、秩 父市域全域のうち年平均風速が 4m/s 以上の地点に設置することを想定して、潜在賦存量を推計しま した。 推計の手順としては下記の①~③の方法で行いました。 ①秩父市の風況マップに基づき、秩父市内の年平均風速が 4m/s未満の区域、4m/s以上 5m/s未満 の区域、5m/s以上 6m/s未満の区域・・・8m/s以上 9m/s未満の区域、9m/s以上の区域、それぞれの 区域面積を推計(図表 5-20)を参照。 ②上記の区域別に「0.16km2(400m×400m)の区域の中に 500kW 風車が 1 台設置可能である」とし て、風車の設置可能台数を推計 ③発電効率を、NEDO 風力発電導入ガイドブック(2008)の記述に基づき、37%と設定 ④風車 1 台あたりの発電量を、②で求めた区域別に以下の式で計算 風力エネルギー密度×風車受風面積×発電効率×8,760= 風車 1 台あたりの発電量(kWh) ⑤上記の発電量に区域内の設置可能台数と掛け合わせることにより潜在賦存量を算出( 図表 5-22)。 計算式及びその説明を 図表 5-18 に記します。 図表 5-18 計算式 備考 風力発電の潜在賦存量推計方法 潜在賦存量(MWh/年)=風力エネルギー密度(W/m2)×風車受風面積(m2)×風車建設 可能基数×発電効率×8,760 (h/年)÷106 ・風力エネルギー密度(W/m2) =1/2×空気密度(1.225kg/m3)×(年平均風速)3×レーレ分布の 3 乗根係数(1.9) ・空気密度は、国内平均値(1気圧、気温 15℃)の場合として 1.225kg/m3 を想定 ・レーレ分布とは、平均風速から風速出現分布を推定する場合によく用いられる近似分 布。ここで用いているレーレ分布の 3 乗根係数とは、レーレ分布のもとで平均風速から 風力エネルギー密度を算出するための係数。 ・風車受風面積は、風車ローター(風車において風からエネルギーを吸収するために回転 する部分)が直径 40m(500kW 級)であることより、20×20×3.14=1,256 (m2) ・風車建設可能基数は、風車ローター直径(40m)の 10 倍=0.4km の距離をおいた間隔 で設置すると想定した。例えば、仮に 8km2 の土地にくまなく風車が建設可能とした場合 には、8÷(0.4×0.4)=50 基 の風車が建設可能となる。 ・発電効率:風力発電導入ガイドブック(2008 年 2 月改訂第 9 版)(NEDO)P57 の記述「直結駆動 の同期発電機の場合に約 37%程度」より、37%と想定。 ・ワット(W)で算出された値をメガワット(MW)換算するため、106 で割る。 ・ハブ(回転するローターの中心部分で、ブレード(風車の羽根)をシャフト(回転軸)に取り 付けている部分)は高さ 40m(500kW級)と想定。なお、風力発電機の高さのイメージに ついては、図表 5-19 を参照。 ‐ 88 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 図表 5-19 世界の代表的な商業風車の出力と大きさの比較 【資料:風力発電導入ガイドブック(2008 年 2 月改訂第 9 版) (NEDO) P59】 図表 5-20 年間平均風速 (m/s) V<4 4≦V<5 5≦V<6 6≦V<7 7≦V<8 8≦V <9 9≦V 計 平均 平均風速 (m/s) 2.00 4.50 5.50 6.50 7.50 8.50 - ― 4.74 秩父市における風速出現状況 メッシュ数 821 516 454 395 408 58 0 2,652 ― メッシュ 合計面積(k㎡) 205.25 129.00 113.50 98.75 102.00 14.50 0.00 663.00 ― 推計面積 (k㎡)※ 178.84 112.40 98.90 86.04 88.88 12.63 0.00 577.69 ― 面積比(%) 31.0% 19.5% 17.1% 14.9% 15.4% 2.2% 0.0% 100.0% ― 注)平均風速は地上高 30m における年平均風速値 ※メッシュ合計面積は、市境付近でメッシュ内に他市町村の領域を含むメッシュについても全て計上しているため、市内 面積より過大となっている。そこで、メッシュ合計面積(663km2)と実際の秩父市の面積(577.69 km2)の比率を用いて按 分し、実際の推計面積を算出した。例) V<4 の場合、メッシュ合計面積が 205.25(km2)であることから、 205.25÷663.00×577.69=178.84(km2) すなわち、推計面積は 178.84(km2)となる。 ※平均風速の平均値については、平均風速ごとのメッシュ数を掛け合わせた比重平均とした。すなわち、 (2.00×821+4.50×516+5.50×454+6.50×395+7.50×408+8.50×58)÷2,652=4.74 ‐ 89 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 風速(m/s) 【資料:NEDO ホームページで公開中の風況マップをもとに作成】 図表 5-21 秩父市における風況マップ(地上高 30m) 上記の想定に基づいて、秩父市内で平均風速が 4m/s以上である区域(合計で 398.85km2 と推 計)について、500kW級の風車をくまなく設置した場合の潜在賦存量を風速階級ごとに算出しました。 この結果、潜在賦存量は 2,825,036MWh/年、1次エネルギー換算値で 25,425,324GJと推計されま した(図表 5-22)。 図表 5-22 風速階級 (m/s) 4≦V<5 5≦V<6 6≦V<7 7≦V<8 8≦V<9 合計 平均風速 (m/s) 4.5 5.5 6.5 7.5 8.5 ― 風力エネル ギー密度 (W/㎡) 106.0 193.6 319.6 491.0 714.7 ― 風力エネルギーの潜在賦存量(風力発電) 風車1台当たりの 年間発電量 (MWh/年・台) 431.71 788.21 1,301.05 1,998.66 2,909.46 ‐ 90 ‐ 面積 (km2) 112.40 98.90 86.04 88.88 12.63 398.85 建設可能台 数 (台) 702 618 537 555 78 2,490 潜在賦存量 年間発電量 (MWh/年) 303,061 487,115 698,666 1,109,256 226,938 2,825,036 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 2,727,549 4,384,035 6,287,994 9,983,304 2,042,442 25,425,324 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 (2) 期待可採量 風力発電では、一般に地上高 30mでの年平均風速が 6m/s以上でないと事業化が困難であると 考えられており、また、それ以外の各種自然環境・社会条件を考慮した上で導入計画を立てる必要 があります(図表 5-23)。 図表 5-23 分類 自然環境 検討項目 風況 (風向/風速) 風の流れ 社会条件 雷 (特に、冬季雷) 着雪・着水 塩害 砂塵(飛砂) 地盤・地形勾配 区画指定 土地利用 送・配電線、変電所 道路 騒音 電波障害 生態系 景観 風力発電導入時に考慮すべき設置環境の検討項目 留意事項 風力発電の事業化のためには年平均風速が 5~6m/s 以上(地上高 30m)のサイトが 望ましい。ただし、台風の襲来頻度の高い地域は留意が必要である。 複雑地形に起因する乱流が卓越する地点は留意する必要がある。風車を複数基設 置する場合、配置に起因するウエイク(風車間の相互干渉)にも留意が必要である。 主に日本海側で発生する冬季雷は、放電エネルギーが非常に大きく放電継続時間 が長いため、多発地域には留意が必要である。 山岳地域などの高所や緯度の高い地域では、着雪・着水に留意が必要である。 沿岸域、洋上などでは塩害に留意する必要がある。 海浜地域などでは砂塵(飛砂)に留意する必要がある。 地盤や地形勾配に留意する必要がある。 自然公園、自然環境保全地域などの区画指定に留意する必要がある。 土地利用状況(地自)に留意する必要がある。 送・配電線、変電所の位置に留意する必要がある。 道路状況(有無、幅員、カーブの曲率など)に留意する必要がある。 民家などまでの距離に留意する必要がある。 重要無線通信施設などまでの距離、方向に留意する必要がある。 動植物への影響に留意する必要がある。 景観への影響に留意する必要がある。 出典:牛山泉「風力エネルギー読本」(2005) 【資料:風力発電導入ガイドブック(2008 年 2 月改訂第 9 版) (NEDO) P68】 秩父市の地域特性を考慮した場合、図表 5-21 に示したように、盆地の部分では風が弱いため風 力発電の立地可能箇所は一箇所も存在せず、風が強く物理的には事業化の可能性があると考えら れる場所は山間部になります。また、国立公園や県立自然公園等への立地に関しては、図表 5-23 のような問題を勘案すると避けたいところです。しかし、国立公園や県立自然公園以外で年平均風速 が 6m/s以上という条件に該当する区域が市内には存在しません。ただし、規制緩和・今後の地球規 模でのCO2 排出量削減等の社会情勢を考慮すれば、風力発電設備についても立地可能性が高まる と考えられることから、以下では公園区域も含めて検討を行います。 風力発電機の設置に際しては工事用の車両がアクセス可能な道路を整備することが必須条件とな ることから、現実的には「地上高 30m での年平均風速が 6m/s 以上、かつ車が通行可能な既存の道 路を近くに有しており、土地の所有者が風力発電に協力的である区域」が設置可能箇所と考えられ ます。そこで、前述の 500m×500m のメッシュ区域のうち、秩父市内で年平均風速が 6m/s 以上、か つメッシュ内を林道等の道路が通過しており、その大半もしくは全部が秩父市有林に属する区域を抽 出し、この区域への風力発電機の設置可能台数を求めることによって期待可採量を算出しました。 ‐ 91 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 【資料:間伐の作業分析と間伐材・土場残材収集の可能性(2006) 図表 5-24 図表 5-25 菅野明芳 (東京大学森林利用学研究室)】 秩父地域の県有林(緑色)と市有林(桃色)分布及び地域内の道路網 秩父市の風況マップ(地上高 30m) 赤色楕円で囲まれた内部の明るい点が設置可能区域 ‐ 92 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 上記の想定に基づいて抽出した結果、6≦V<7のメッシュ数が 2 個、7≦V<8 のメッシュ数が 5 個 であり、前者が 3 台、後者が 7 台の 500kW 級の風力発電機を設置可能と想定しました。この結果、 期待可採量は年間で 17,893MWh、1 次エネルギー換算値で 161,037GJ と推計されました。 図表 5-26 風速階級 (m/s) 平均風速 (m/s) 6≦V<7 7≦V<8 8≦V<9 合計 6.5 7.5 8.5 図表 5-27 ― 風力エネル ギー密度 (W/㎡) 319.6 491.0 714.7 ― 風力エネルギーの期待可採量(風力発電) 風車1台当たりの 年間発電量 (MWh/年・台) 1,301.05 1,998.66 2,909.46 メッシュ数 メッシュ 合計面積 (k㎡) 2 5 0 期待可採量 建設可能台数 (台) 0.50 1.25 0.00 1.75 3 7 0 10 年間発電量 (MWh/年) 3,903 13,990 0 17,893 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 35,127 125,910 0 161,037 山間部への風力発電機の設置例:瀬戸ウィンドヒル風力発電所(1,000kW×11 基) 【資料:風力発電導入ガイドブック(2008 年 2 月改訂第 9 版) ‐ 93 ‐ (NEDO) P44】 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3.3 中小水力発電 (1) 潜在賦存量 水力エネルギーは、2 地点間の標高差(=落差)と流れる水の量(=流量)をもとに推計を行うことがで きます。秩父市内を流れる水の総量(=流量)とそれぞれの標高差(=落差)が分かれば、これをもとに、 大規模水力発電も含めた大まかな潜在賦存量の推計を行うことが可能です。 ただし、秩父市内を流れる全ての水に対して標高差を把握し、市内全域における水力発電の可能 性を詳細に把握するのは困難です。そこで推計を簡易化する手段として、秩父地域では既存の調査 (※)において水力発電の有望箇所における発電期待量の合計推計値が算出されていることから、この 数値を転用して潜在賦存量と設定しました。なお、既存のダム等に設置された発電設備における水力 発電量(過去 5 年間の平均実績)については、新エネルギーの対象外であることから、潜在賦存量の対 象とはせずに別途示す形としました。 ※水力開発地点計画策定調査報告書 第 5 次発電水力調査 図表 5-28 量 試算式 備考 (昭和 61 年) 通商産業省資源エネルギー庁 中小水力発電の潜在賦存量推計方法 潜在賦存量(MWh/年)=既存の水力発電所における発電量+既存調査の推計値合計 ・既存調査の詳細は以下に記す。 最大出力が数百 kW~数千 kW クラスの水力発電所の将来的な立地可能性については、昭和 61 年に通商産業省資源エネルギー庁(当時)が、水力開発地点計画策定調査報告書(通称:第 5 次発電 水力調査)を実施しています。下記にその推計結果を記します。 図表 5-29 地点名 11 入川 (旧大滝村) :水路式 12 滝川豆焼 (旧大滝村) :水路式 13 滝川 (旧大滝村) :水路式 14 大除川 (旧大滝村) :水路式 15 大洞川 (旧大滝村) :水路式 16 西谷 (旧大滝村) :水路式 17 中津川 (旧大滝村) :水路式 19 椚平落合 (旧大滝村) :水路式 21 浦山川 (旧秩父市) :水路式 22 大久保川 (旧秩父市) :水路式 24 合角 (旧吉田町) :ダム式 荒川水系の、有望地点における水力発電出力推計値 有効落差 (m/s) 141.20 161.40 138.20 265.40 229.10 139.20 110.20 42.70 184.60 200.30 49.90 最大使用 水量 (㎥/s) 2.00 2.00 3.00 0.30 1.60 0.25 2.80 6.00 0.80 0.50 1.50 重力加速 年間稼働 時間(時間 2 度(m/s ) /年) 9.8 9.8 9.8 9.8 9.8 9.8 9.8 9.8 9.8 9.8 9.8 経済性 区分 8,760 8,760 8,760 8,760 8,760 8,760 8,760 8,760 8,760 8,760 8,760 合計 【資料:水力開発地点計画策定調査報告書 第 5 次発電水力調査 ‐ 94 ‐ B B B B B C B C C C B 最大出力 (kW) ※文献値 2,300 2,600 3,400 650 3,000 280 2,500 2,100 1,200 820 580 19,430 (昭和 61 年) 想定利用率 ※水位変動等 考慮 42% 40% 39% 44% 44% 52% 35% 30% 45% 43% 23% 潜在賦存量 年間発電量 (MWh/年) 8,462 9,110 11,616 2,505 11,563 1,275 7,665 5,519 4,730 3,089 1,169 66,703 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 76,158 81,990 104,544 22,545 104,067 11,475 68,985 49,671 42,570 27,801 10,521 600,327 通商産業省資源エネルギー庁】 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 図表 5-30 【資料:東京発電㈱ 荒川水系地点概要図 (黄色く塗った部分は、現在稼動中の発電設備) 提供資料(一部改)】 以上の既存調査結果により算出した水力発電の潜在賦存量を、秩父市における中小水力発電の潜 在賦存量と同等とし、中小水力発電によるエネルギー潜在賦存量としました。 図表 5-31 発電出力 (kW) 19,430 中小水力発電によるエネルギー潜在賦存量 発電量 推計値 (MWh/年) 潜在賦存量 年間発電量 (MWh/年) 66,703 66,703 ‐ 95 ‐ 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 600,327 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 (2) 期待可採量 上記の潜在賦存量については、過去の調査の時点で既に技術的に利活用が可能であると見込ま れている推計値を引用していることから、数百~数千 kW クラスの水路式等の発電方式においては現 状において技術面の制約要因はないものと考えられます。このことを考慮して、中小水力発電におい てもこれらの利活用が可能であると考え、上記の潜在賦存量と期待可採量が等しいとしました。 図表 5-32 中小水力発電によるエネルギー期待可採量 発電出力 (kW) 19,430 期待可採量 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 年間発電量 (MWh/年) 66,703 600,327 (1) 既存の発電設備における水力発電量(過去 5 年間の平均実績) 秩父市内には、東京発電㈱管轄の水力発電所が合計 9 箇所、昭和電工㈱の発電所が 1 箇所 存在し、最大出力の合計は 48,500kW、実際の稼働状況から考慮した年間発生電力量平均値 は、180,000MWh (うち、昭和電工㈱の発電所が 35,000MWh)と推計されます。 図表 5-33 【資料:第 15 回 市内水力発電所の発電量 年変動例:二瀬ダムの年間発生電力量推移(H13~H17) 関東地方ダム等管理フォローアップ委員会 二瀬ダム定期報告書】 http://www.ktr.mlit.go.jp/futase/pdf/h18.12.125.fuoroappu/061225_2futasedamu.shiryou.pdf ‐ 96 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 図表 5-34 荒川水系上流部における現在稼動中の水力発電所一覧 資料:東京発電㈱提供資料、及び同社 2007 年 11 月 9 日プレスリリース 埼玉県営発電所の譲り受けについて http://www.tgn.or.jp/teg/saitamajouto20071109.pdf 図表 5-35 名称 kW 川又 3,200 二瀬 5,200 秩父地域において稼動中の水力発電所一覧(発電所名称と発電出力抜粋) 栃本 4,500 滝沢 3,400 宮平 2,300 大洞第一 11,900 ‐ 97 ‐ 大洞第二 1,600 大滝 4,000 浦山 5,000 昭和電工 7,400 計 48,500 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3.4 畜産排せつ物 家畜の糞尿をメタン発酵させ、エネルギーとして使うことが可能です。市内で飼育されている豚及び 肉用牛、乳用牛、鶏の糞尿をメタン発酵し、熱利用あるいは発電することを想定し賦存量を算定しまし た。その結果、1 年間の潜在賦存量は 9,345GJ となりました。また、埼玉県の平成 20 年度調査によれ ば、県内で発生している家畜糞尿のうち堆肥化が 68%、ほ場還元しているものが 32%となります。そ こで、このほ場還元されているものをメタン発酵に利用可能であるとしたところ、1 年間の期待可採量は 熱利用 1,496GJ、電力利用 167MWh(1 次エネルギー換算で 1,496GJ)となり、両者を合計した年間 の期待可採量は 2,992GJ となりました。 図表 5-36 潜在賦存量 試算式 畜産排せつ物のメタン発酵によるエネルギー賦存量推計方法 期待可採量 備考 潜在賦存量(GJ/年)=∑{家畜飼育頭数(頭・羽)×1 頭(羽)当たり糞尿発生量(t/ 頭・年)×家畜糞尿のガス発生原単位(m3/t)×発生ガス発熱量(kcal/ m3/)× 4.186(kJ/kcal)}÷106 注)∑は家畜種別毎に算出し積算することを示す。 試算式 期待可採量(GJ /年)=潜在賦存量×畜産排せつ物利用可能率×変換効率 備考 ・畜産排せつ物利用可能率:32% (埼玉県庁農地活用推進室) ・変換効率:コージェネレーション設備を想定し、0.2(発電)及び 0.5(熱利用) ※1:発電利用時の期待可採量(MWh/年)は上式による数値に係数値を乗じ算 出(以下同様)。 図表 5-37 種 類 乳用牛 肉用牛 豚 採卵鶏 ブロイラー 合 計 頭(羽)数 868 261 1,867 3,600 20,500 27,096 畜産排せつ物のメタン発酵によるエネルギー賦存量 一頭(羽)当たり 年間糞尿 糞尿発生量 発生量 (kg/頭・日) (t/年) 39.8 25.4 8.10 0.098 0.13 ― 12,609 2,420 5,520 129 973 21,651 ガス発生 原単位 (㎥/t) 13.3 11.8 31.9 30.5 30.5 ― 発生ガス 発熱量 (kcal/㎥) 5,500 5,500 5,500 5,500 5,500 ― 期待可採量 潜在賦存量 畜産排せつ物 電力利用分の 年間熱利用量 年間発電量 (GJ/年) 利用可能率 1次エネルギー (GJ/年) (MWh/年) 換算値(GJ/年) 3,861 657 4,054 91 683 9,346 32% 32% 32% 32% 32% ― 618 105 649 15 109 1,496 69 12 72 2 12 167 【資料:秩父市農業振興課 資料】 注)1.廃棄率及びガス発生量、発生ガス発熱量は、バイオマスタウン構想作成関係資料による。 ‐ 98 ‐ 618 105 649 15 109 1,496 年間期待可採量 1次エネルギー 換算値合計(GJ/年) 1,236 210 1,298 30 218 2,992 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3.5 農業残さ 稲わら、もみがらなどの農業残さを直接燃焼し、エネルギーとして使うことが可能です。秩父市内か ら発生する稲わら、もみがら、麦わらを直接燃焼し熱利用することを想定し賦存量を算定しました。その 結果、潜在賦存量は 15,159GJ/年となりました。また、その他の農作物で果菜類、根菜類なども多く栽 培されていますので、これらの栽培後の残さについても同様に算定した結果と稲わら、もみ殻との合計 は、潜在賦存量が 18,590GJ/年となりました。この他、公園や農地から発生する剪定枝等についても 調査した結果、年間の発生量は 50m3(40 生重量 t)であり、潜在賦存量は 400GJ となりました。 しかし、農地から発生する稲わら、もみがら等は現在全量が土木資材や家畜敷料、肥料等として自 家消費されているため、エネルギーとしての利用可能量は 0 となりました。一方、剪定枝はクリーンセン ターで全量が焼却処理されていることから、これをエネルギー利用用途に振り向けることが可能である と考え、期待可採量は 400GJ/年としました。 図表 5-38 潜在賦存量 試算式 備考 期待可採量 試算式 備考 農業残さによるエネルギー賦存量及び期待可採量(直接燃焼)推計方法 潜在賦存量(GJ/年)=∑{収穫量(t/年)×発生率×農業残さ発熱量(kcal/kg)× 4.186(kJ/kcal)÷103} 注)∑は農産物種別毎に算出し積算することを示す。 期待可採量(GJ/年)=潜在賦存量×農業残さ利用可能率×変換効率 ・変換効率:0.7(熱利用時) ・農業残さや剪定枝については、国内におけるエネルギー利用事例の大半が燃 焼による熱利用のみであることから、コージェネレーションによる発電は想定しな かった。 図表 5-39 種 類 稲わら もみがら 麦わら 稲・麦系残さ 小計 大 豆 いも類 野菜類 果菜類 根菜類 稲・麦以外の農作物残さ 小計 剪定枝系 合 計 農産残さによるエネルギー賦存量(直接燃焼) 収穫量 (t) 572 572 74 1,218 74 175 277 704 232 1,462 40 2,720 農業残さ 発生率 (%) 136% 32% 120% - 150% 100% 56% 150% 20% - - ― 農業残さ 発熱量 (kcal/kg) 3,450 3,450 3,450 - 2,270 300 300 340 300 - 2,389 ― 潜在賦存量 (GJ/年) 農業残さ 利用可能率 11,234 2,643 1,282 15,159 1,055 220 195 1,503 58 3,031 400 18,590 【資料:「平成 17 年(産)作物統計調査」農林水産省】 注)1.農業残さ発生率、及び農業残さ発熱量は、秩父市バイオマスタウン構想の数値を用いた。 2.収穫量は秩父市ヒアリングによる。 ‐ 99 ‐ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100% ― 期待可採量 年間熱利用量 (GJ/年) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 400 400 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3.6 木質バイオマス (1) 潜在賦存量 潜在賦存量については、市内の森林が 1 年間に成長する量であれば伐採後に植林等により森林の 更新を繰り返す限り持続的な森林資源の利用が可能であると考え、 秩父市域における森林の年間成長量=潜在賦存量 としました。秩父市域における森林の年間成長量の推計方法としては、 秩父市域における森林の年間成長量=秩父市域民有林年間成長量(A) +秩父市域大学林年間成長量(B)+秩父市域国有林年間成長量(C) として、(A)、(B) 、(C)それぞれ過去の統計資料から数値を引用しました。 (A)秩父市域における森林の年間成長量:埼玉県農林公社による試算結果より (B)秩父市域大学林年間成長量:2002 年 東大演習林報告より ※東京農工大の演習林の成長量はゼロ、との資料あり (C)秩父市域国有林年間成長量:平成 19 年度 埼玉森林管理事務所資料より ※大学の独立行政法人化以前((A)の試算時点)では、大学林は国有林に含まれていたが、平成 19 年度時点では国有林のデータに大学林を含まなくなった。 この試算によって得られた木質バイオマスエネルギーの潜在賦存量を示すと、下記のようになります。 図表 5-40 種 類 森林 木質バイオマス 区分別のエネルギー潜在賦存量 秩父市域民有林 森林年間成長量(㎥) 針葉樹 広葉樹 合計 秩父市域大学林 森林年間成長量(㎥) 112,569 28,225 140,794 秩父市域国有林 森林年間成長量(㎥) 3,375 7,418 10,793 11,331 3,568 14,899 秩父市域の森林 年間成長量 合計(㎥) 127,275 39,211 166,486 ※大学林の年間成長量については、出典資料において針葉樹・広葉樹の区別はなく、「人工林:3,375m3 広葉樹: 7,418m3」という記述のみであったため、この値を針葉樹・広葉樹にそのまま置き換えて試算した。 上記で求めた年間成長量に対して、針葉樹(スギ・ヒノキ等)の生材比重を 1m3=0.8(生重量 t)、広葉 樹の生材比重を 1m3=1.0(生重量 t)、針葉樹生材の発熱量を 10(MJ/生重量 kg)≒2,389(kcal/生重量 kg)、広葉樹生材の発熱量を 12(MJ/生重量 kg)≒2,867(kcal/生重量 kg)とすると、 エネルギーとしての潜在賦存量= 秩父市域の年間成長量(生重量 t)×木材発熱量(MJ/kg=GJ/t)×0.7(利用可能率。主に熱利用を 行った場合の、ボイラー効率その他の制限要因を考慮に入れたもの) という計算式で表されます。この結果を表すと、下記のようになります。 ‐ 100 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 図表 5-41 種 類 秩父市域の森林 年間成長量 合計 針葉樹 広葉樹 合計 森林 木質バイオマスエネルギー潜在賦存量 生重量 (t/年) 127,275 39,211 166,486 101,820 39,211 141,031 木材発熱量 (MJ/kg) 潜在賦存量 利用可能熱量(GJ/年) 10 12 - 712,740 329,372 1,042,112 (2) 期待可採量 秩父市における木質バイオマスの期待可採量としては、既存調査によって得られた森林系の木 質バイオマスの期待可採量、及び現状における市内からの製材端材、建築廃材の発生量を合算し て算出しました。 ① 森林系の木質バイオマス 森林系木質バイオマスの期待可採量は、既存の統計データをもとに、 秩父市における森林系木質バイオマスの期待可採量= ア:民有林人工林針葉樹利用可能量+ イ:国有林人工林針葉樹成長量 + ウ:大学林人工林成長量+エ:広葉樹伐採木成長量 と考え、推計を行いました。 ア:民有林人工林針葉樹期待可採量 平成 16 年度「NEDO:バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業調査」では、秩父地域の民 有林人工林(針葉樹)において間伐が実施可能な面積として年間 1,500ha~1,700ha、伐採可能量 として年間 5 万~5 万 6 千 t(気乾重量)という数値を提示しています。 (以下、平成 16 年度 NEDOFS 報告書 P29 及び P30 より抜粋) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1‐2.間伐材の年間利用可能量 以下の試算は、平成 14 年度に社団法人埼玉県森林公社(現農林公社)において なされたものである。 (1)試算条件 ① 対象面積 24,625ha(秩父地域の民有林内に現存する 50 年生以下の人工針葉樹林) ※ 平成 14 年度以降、毎年 50ha の新植を行っていくと仮定して、上記面積に加算して試算する。 ② 間伐実施林齢 林齢が 25 年生及び 35 年生時に標準的間伐を行うこととし、試算時点で 36 年生以上の林分につ いては、緊急時に皆伐までに 1 回間伐を行うと仮定して、便宜上 50 年到達時の面積を計上した。 ③ 間伐率 a. 25 年生時 25%(成木本数 2,800 本→2,100 本) ‐ 101 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 b. 35 年生時 25%(成木本数 2,100 本→1,575 本) c. 36~50 年生時 25%(成木本数 2,100 本→1,575 本) ④ 単木材積 a. 25 年生時 0.09m3/本(平均樹高 12m 平均胸高直径 14cm) b. 35 年生時 0.15m3/本(平均樹高 14m 平均胸高直径 19cm) c. 36~50 年生時 0.24m3/本(平均樹高 15m 平均胸高直径 21cm) ⑤ 利用率 80% ⑥ 比重 0.38(気乾比重) (2)間伐実施可能面積及び利用可能材積の試算 図表 5-42 年 度 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 平成 16 年度 間伐① (25 年生) 300 302 302 302 302 193 195 195 195 195 246 247 247 247 247 NEDO FS 調査における間伐実施可能面積及び利用可能材積の試算 間伐可能面積(ha) 間伐② 緊急間伐 (35 年生) (50 年生) 619 782 618 784 618 784 618 784 618 784 414 960 412 960 412 960 412 960 412 960 300 1,155 302 1,156 302 1,156 302 1,156 302 1,156 合計 1,701 1,704 1,704 1,704 1,704 1,567 1,567 1,567 1,567 1,567 1,701 1,705 1,705 1,705 1,705 間伐① (25 年生) 15,120 15,221 15,221 15,221 15,221 9,727 9,828 9,828 9,828 9,828 12,398 12,449 12,449 12,449 12,449 利用可能材積(m3) 間伐② 緊急間伐 (35 年生) (50 年生) 38,997 78,826 38,934 79,027 38,934 79,027 38,934 79,027 38,934 79,027 26,082 96,768 25,956 96,768 25,956 96,768 25,956 96,768 25,956 96,768 18,900 116,424 19,026 116,525 19,026 116,525 19,026 116,525 19,026 116,525 合計 132,943 133,182 132,182 133,182 133,182 132,577 132,552 132,552 132,552 132,552 147,722 148,000 148,000 148,000 148,000 利用可能量 重量換算(t) 50,518 50,609 50,609 50,609 50,609 50,379 50,370 50,370 50,370 50,370 56,134 56,240 56,240 56,240 56,240 (ここまで抜粋) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 上記の埼玉県森林公社(現農林公社)によって推計された数値をもとにすると、秩父「地域」にお いて、民有林の人工林針葉樹に対して理想的な施業を行った場合に期待される年間の間伐材利 用可能量は、平成 20 年度には 50,370 気乾重量 t (132,552 m3)と推計されます。この利用可能量 は、秩父地域の民有林人工林針葉樹に齢級構成の偏りが見られることから年ごとに変動します。上 表の場合、最小値は平成 20 年度~23 年度の 50,370 気乾重量 t (132,552 m3)、最大値は平成 25 年度~28 年度の 56,240 気乾重量 t (148,000m3)となります。今回の試算においては、持続的 な施業を考えた場合、毎年利用可能な間伐材の量はこれらの最小値(50,370 気乾重量 t)であると 考え、さらにこれを四捨五入して区切りの良い 50,000 気乾重量 t が、秩父地域における年間の間 伐材利用可能量であると仮定しました。 なお、50,000 気乾重量 t(気乾比重 0.38)を材積に換算すると、 50,000(気乾重量 t) ÷ 0.38 (気乾重量 t/m3) = 131,579 (m3) となります。 ただし、上記の 50,000(気乾重量 t)というのは秩父「地域」の値であり、秩父「市」における利用可 能量を求めるためには、この値から小鹿野町・横瀬町・皆野町・長瀞町に属する利用可能量を差し ‐ 102 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 引くことが必要です。そこで、秩父地域の民有林 30,241(ha)に対して秩父市内の民有林が 16,860(ha)であり、秩父市内の民有林が占める割合が 55.8%である(資料:秩父農林振興センタ ー)ことから、 131,579(m3) × (16,860÷30,241) = 73,358 (m3) よって、秩父市域における木質バイオマス発生量は、73,358 (m3)と推計されます。 このうち、用材として利用可能な部分が 50%、それ以外の残りの 50%の部分がエネルギーとして利 用可能であるとすれば、エネルギー利用可能な期待可採量は 73,358 (m3)×50%=36,679(m3) 1m3=0.8 生重量 t、木材の発熱量を 10(MJ/kg)とした上で、さらに 50%がコジェネ施設(発電効率 20%、熱利用率 50%)へ、残りの 50%がチップボイラー等の熱利用施設(熱利用率 70%)で利用可能で あるとすれば、 ・ コジェネ施設における発電期待可採量 =36,679(m3)×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×20%÷3.6(GJ/MWh) =8,151(MWh) ・ コジェネ施設における熱の期待可採量 =36,679(m3)×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×50%=73,358(GJ) ・ 熱利用施設(チップボイラー等)における熱の期待可採量 =36,679(m3)×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×70%=102,701(GJ) 上記を合計すると、 電力利用:8,151(MWh) 熱利用:73,358+102,701=176,059(GJ) が期待可採量となります。 イ:国有林人工林針葉樹期可採量 埼玉県森林管理事務所データより、秩父市域における年間成長量が 10,859 m3 という数値を引用 しました。その上で、アと同様に用材として利用可能な部分が 50%、それ以外の残りの 50%の部分が エネルギーとして利用可能であり、1m3=0.8 生重量 t、木材の発熱量を 10(MJ/kg)とした上で、さらに 50%がコジェネ施設(発電効率 20%、熱利用率 50%)へ、残りの 50%がチップボイラー等の熱利用施 設(熱利用率 70%)で利用可能であるとすれば、 ・ コジェネ施設における発電期待可採量 =10,859(m3)×50%×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×20%÷3.6(GJ/MWh) =1,207(MWh) ・ コジェネ施設における熱の期待可採量 =10,859(m3)×50%×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×50%=10,859(GJ) ・ 熱利用施設(チップボイラー等)における熱の期待可採量 =10,859(m3)×50%×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×70%=15,203(GJ) 上記を合計すると、 電力利用:1,207(MWh) 熱利用:10,859+15,203=26,062(GJ) が期待可採量となります。 ‐ 103 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 ウ:大学林人工林期待可採量 埼玉県森林管理事務所データより、秩父市域における年間成長量が 3,375 m3 という数値を引用し ました。その上で、アと同様に用材として利用可能な部分が 50%、それ以外の残りの 50%の部分がエ ネルギーとして利用可能であり、1m3=0.8 生重量 t、木材の発熱量を 10(MJ/kg)とした上で、さらに 50%がコジェネ施設(発電効率 20%、熱利用率 50%)へ、残りの 50%がチップボイラー等の熱利用施 設(熱利用率 70%)で利用可能であるとすれば、 ・ コジェネ施設における発電期待可採量 =3,375(m3)×50%×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×20%÷3.6(GJ/MWh) =375(MWh) ・ コジェネ施設における熱の期待可採量 =3,375(m3)×50%×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×50%=3,375(GJ) ・ 熱利用施設(チップボイラー等)における熱の期待可採量 =3,375(m3)×50%×0.8(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×70%=4,725(GJ) 上記を合計すると、 電力利用:1,207(MWh) 熱利用:3,375+4,725=8,100(GJ) が期待可採量となります。 エ:広葉樹伐採木期待可採量 平成 16 年度 NEDO 報告書では、秩父地域の木質バイオマスの潜在賦存量を推計する中で、未利 用広葉樹についても伐採サイクルを 30 年とした場合の潜在賦存量を推計しています。この推計では、 広葉樹人工林のみならず、森林簿上で「広葉樹天然林」となっている森林の多くも、かつては薪炭林と して定期的な伐採が行われていた二次林が放置されたものであり、そのような森林についても一定の 伐採サイクルで収穫作業が可能であるとして試算を行っています。その結果、秩父地域における広葉 樹伐採木の年間潜在森林バイオマス量は 86,411 (m3)(平成 16 年度 NEDO 報告書 P40)となってい ます。 秩父地域の民有林 30,241(ha)に対して秩父市内の民有林が 16,860(ha)であり、秩父市内の民 有林が占める割合が 55.8%である(資料:秩父農林振興センター)ことから、 86,411(m3) × (16,860÷30,241) = 48,176 (m3) よって、秩父市域における木質バイオマス発生量は、48,176 (m3)と推計されます。 そこで、今回はこの潜在賦存量を利用し、広葉樹については、元来が「薪炭林」としてエネルギー利 用を主軸とする利用が行われていたことも考慮し、用材・製紙用チップ等のマテリアルとして利用可能 な部分を針葉樹 50%、広葉樹 30%と仮定し、それを差し引いた上でエネルギー利用を行うという推計 を行いました。広葉樹の場合には、1m3=1.0 生重量 t、木材の発熱量を 12(MJ/kg)とした上で、さら に 50%がコジェネ施設(発電効率 20%、熱利用率 50%)へ、残りの 50%がチップボイラー等の熱利用 施設(熱利用率 70%)で利用可能であるとすれば、 ・ コジェネ施設における発電期待可採量 =48,176(m3)×70%×1.0(生重量 t/m3)×12(GJ/生重量 t)×50%×20%÷3.6(GJ/MWh) =11,241(MWh) ‐ 104 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 ・ コジェネ施設における熱の期待可採量 =48,176(m3)×70%×1.0(生重量 t/m3)×12(GJ/生重量 t)×50%×50%=101,170(GJ) ・ 熱利用施設(チップボイラー等)における熱の期待可採量 =48,176(m3)×70%×1.0(生重量 t/m3)×12(GJ/生重量 t)×50%×70%=141,637(GJ) 上記を合計すると、 電力利用:11,241(MWh) 熱利用:101,170+141,637=242,807(GJ)が期待可採量となります。 その結果、エネルギー利用可能な森林系の木質バイオマスの期待可採量は以下のようになりまし た。 図表 5-43 【資料:秩父市(2004) 秩父地域における林地残材・間伐材・広葉樹の分布状況 秩父市バイオマス・コジェネ施設 整備事業調査報告書 ‐ 105 ‐ (NEDO事業化可能性調査)】 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 図表 5-44 種 類 秩父市における森林系の木質バイオマス期待可採量の前提条件 秩父地域における 木質バイオマス 発生量 (気乾重量t/年) 50,000 - - - - 民有林人工林針葉樹利用可能量 国有林人工林針葉樹成長量 森林 大学林人工林成長量 広葉樹伐採木 合計 図表 5-45 131,579 - - 86,411 217,990 73,358 10,859 3,375 48,176 135,768 50% 50% 50% 70% - 期待可採量のうち、 期待可採量のうち コジェネに回す割合 単純熱利用に回す割合 民有林人工林針葉樹利用可能量 国有林人工林針葉樹成長量 大学林人工林成長量 広葉樹伐採木 50% 50% 50% 50% コジェネ時の年間 発電量(MWh/年) 50% 50% 50% 50% 8,151 1,207 375 11,241 20,974 合計 図表 5-46 36,679 5,430 1,688 33,723 77,520 29,343 4,344 1,350 33,723 68,760 10 10 10 12 - コジェネ時の年間 熱利用量(GJ/年) 単純熱利用時の年間 熱利用量(GJ/年) 73,358 10,860 3,375 101,169 188,762 102,701 15,204 4,725 141,637 264,267 秩父市における森林系の木質バイオマス期待可採量の集計結果 種 類 民有林人工林針葉樹利用可能量 国有林人工林針葉樹成長量 森林 木材発熱量 (MJ/kg) =(GJ/t) 生重量 (t/年) 秩父市における森林系の木質バイオマス期待可採量の内訳 種 類 森林 うち、新秩父市内に 用材部分等を除いた 秩父市域の おける木質バイオマ エネルギーとしての利用 エネルギー利用可能な ス発生量 可能率(%) 期待可採量(材積㎥/年) (㎥/年) 左記の材積換算 (㎥/年) 大学林人工林成長量 広葉樹伐採木 合計 年間熱利用量 (GJ/年) 期待可採量(森林系) 電力利用分の 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 年間電力利用量 (MWh/年) 176,059 26,064 8,100 242,806 453,029 8,151 1,207 375 11,241 20,974 1次エネルギー 換算値合計(GJ/年) 73,358 10,860 3,375 101,169 188,762 249,417 36,924 11,475 343,975 641,791 285,241 ② 製材残材系の木質バイオマス 平成 20 年 10 月に行った、秩父市バイオマスタウン構想策定検討会調査報告資料として、バーク・ おがくず・チップ・端材それぞれの製材残材系木質バイオマス発生材積が報告されています。バーク に関しては余剰状況にあり、有償で購入すれば 80%が利用可能と見られる一方で、おがくずは畜産 の敷料やキノコ培地の原料等としてほぼ全量が既に利活用されており、チップは製紙工場等で消費さ れ、端材もその多くが薪などの燃料として有効活用されているのが現状です。こうした現状の利用可能 率を掛け合わせた結果より、製材残材系の木質バイオマスの期待可採量を算出いたしました。 バーク(樹皮)について、発生量の 8 割がエネルギー利用可能であり、1m3(カサ容積)=0.50 生重 量 t、発熱量を 10(MJ/kg)とした上で、さらに 50%がコジェネ施設(発電効率 20%、熱利用率 50%)へ、残りの 50%がチップボイラー等の熱利用施設(熱利用率 70%)で利用可能であるとす れば、 ・ コジェネ施設における発電期待可採量 =4,980(m3)×80%×0.5(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×20%÷3.6(GJ/MWh) =553(MWh) ・ コジェネ施設における熱の期待可採量 =4,980(m3)×80%×0.5(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×50%=4,980(GJ) ・ 熱利用施設(チップボイラー等)における熱の期待可採量 ‐ 106 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 =4,980(m3)×80%×0.5(生重量 t/m3)×10(GJ/生重量 t)×50%×70%=6,972(GJ) 上記を合計すると、 電力利用:553(MWh) 熱利用:4,980+6,972=11,952(GJ) 図表 5-47 秩父市における製材残材系の木質バイオマス発生量 木質バイオマス 発生量 (㎥/年) 種 類 木材発熱量 (MJ/kg) =(GJ/t) 生重量 (t/年) 4,980 21,540 15,840 1,836 バーク 市内製材 おがくず 残材調査 チップ 端材 合計 2,490 3,231 4,752 367 - 図表 5-48 が期待可採量となります。 利用可能率 10.0 14.0 10.0 12.0 0.8 0.0 0.0 0.0 ― ― 利用可能量 (t/年) 1,992 0 0 0 1,992 秩父市における製材残材系の木質バイオマス期待可採量の内訳 期待可採量のうち、 期待可採量のうち コジェネに回す割合 単純熱利用に回す割合 種 類 50% 50% 50% 50% バーク 市内製材 おがくず 残材調査 チップ 端材 合計 図表 5-49 コジェネ時の 発電量(MWh/年) 50% 50% 50% 50% コジェネ時の 熱利用量(GJ/年) 553 0 0 0 553 単純熱利用時の 熱利用量(GJ/年) 4,980 0 0 0 4,980 6,972 0 0 0 6,972 秩父市における製材残材系の木質バイオマス期待可採量 種 類 年間熱利用量 (GJ/年) 期待可採量(製材残材系) 電力利用分の 年間電力利用量 1次エネルギー (MWh/年) 換算値(GJ/年) 11,952 0 0 0 11,952 バーク 市内製材 おがくず 残材調査 チップ 端材 合計 553 0 0 0 553 4,980 0 0 0 4,980 1次エネルギー 換算値合計(GJ/年) 16,932 0 0 0 16,932 ③ 建築廃材系の木質バイオマス 建築残材系の木質バイオマスの発生量についても平成 20 年度に行った、秩父市バイオマスタウン 構想策定検討会調査報告資料として値が報告されています。しかし、建築廃材系の木質バイオマスは 燃料用チップ等として秩父市内外で既に 100%利用されているため、期待可採量はゼロとしました。 ④ 木質バイオマス 期待可採量合計 以上、①、②、③を合計した、木質バイオマスの期待可採量は下記の通りです。 図表 5-50 秩父市における木質バイオマスの期待可採量 期待可採量 合計値 年間熱利用量 (GJ/年) 464,981 年間電力利用量 (MWh/年) 電力利用分の 1 次エネ ルギー換算値(GJ/年) 1 次エネルギー換算値 合計(GJ/年) 193,742 658,723 21,527 ‐ 107 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3.7 し尿のメタン発酵 し尿をメタン発酵して得られるバイオガスを、発電及び熱利用(コージェネレーション)に使うことを想 定した場合の賦存量を算定しました。その結果、潜在賦存量は 1,774GJ/年となりました。 現在、し尿は処理場(清流園)に全量が収集され、肥料原料として有効利用されていますが、エネル ギー利用は行っておりません。そこで、潜在賦存量と同量が利用可能であると考え、エネルギーとして の利用可能率は 100%としました。したがって、期待可採量は下記のようになりました。 図表 5-51 し尿のメタン発酵によるエネルギー賦存量推計方法 潜在賦 期待可 存量 採 量 試算式 潜在賦存量(GJ/年)=し尿処理量(kL /年)×ガス発生原単位(m3/t)×発生ガス 発熱量(kcal/m3)×4.186(kJ/kcal)÷106) 試算式 備考 期待可採量(GJ/年)=潜在賦存量×し尿利用可能率×変換効率 ・変換効率:コージェネレーション利用を想定し、0.2(発電)及び 0.5(熱利用) 図表 5-52 し尿処理量 (kL/年) ガス発生 原単位 (㎥/t) 発生ガス 発熱量 (kcal/㎥) 12,320 8.0 し尿のメタン発酵によるエネルギー賦存量 期待可採量 し尿 電力利用分の 年間 年間 年間期待可採量 利用可能率 熱利用量 電力利用量 1次エネルギー 1次エネルギー (GJ/年) (MWh/年) 換算値(GJ/年) 換算値合計(GJ/年) 潜在 賦存量 (GJ/年) 4,300 1,774 100% 887 99 887 1,774 5.3.8 下水汚泥のメタン発酵 市内の下水は秩父市下水道センターで処理されており、既に下水汚泥から消化ガス(メタンガス)を 発生させ、汚泥を焼却し灰として、セメント原料として利用しています。潜在賦存量は 230GJ/年となり、 全てを熱源利用しているため、期待可採量は 0GJ/年となります。 図表 5-53 下水汚泥のメタン発酵によるエネルギー賦存量推計方法 潜在賦 期待可採 量 存量 試算式 潜在賦存量(GJ/年)=下水汚泥発生量(t/年)×ガス発生原単位(m3/t)×発生ガ ス発熱量(kcal/m3)×4.186(kJ/kcal)÷106) 試算式 期待可採量(kJ/年)=潜在賦存量×下水汚泥利用可能率×変換効率 備考 ・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時) 図表 5-54 下水汚泥 発生量 (t/年) 1,586.62 ガス発生 原単位 (㎥/t) 7.3 発生ガス 発熱量 (kcal/㎥) 4,700 下水汚泥のメタン発酵によるエネルギー賦存量 潜在 賦存量 (GJ/年) 230 期待可採量 し尿 利用可能率 0.0 年間 熱利用量 (GJ/年) 年間 電力利用量 (MWh/年) 0 【資料:秩父市資料、平成 19 年度実績】 1. 下水汚泥は、含水率 81.6%(脱水ケーキ) 2. ガス発生量及び発生ガス発熱量は「バイオマスエネルギー」(本多淳裕著)による ‐ 108 ‐ 0 電力利用分の 1次エネルギー 換算値(GJ/年) 0 年間期待可採量 1次エネルギー 換算値合計(GJ/年) 0 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 5.3.9 生ごみのメタン発酵 市内で発生するごみの焼却施設(クリーンセンター)に持ち込まれる生ごみをメタン発酵して得られる バイオガスを熱利用、発電に使うことを想定して賦存量を算定しました。その結果、潜在賦存量は 4,605GJ/年となりました。 現状では、クリーンセンター内にて生ごみから得られた燃焼熱を動力として利用しています。ただし、 仮に生ごみの 50%程度をメタン発酵に利用した場合でも、施設内の動力利用に影響はないと想定さ れています。そこで、生ごみの 50%を新たにメタン発酵に利用可能であるとした場合の期待可採量は 下記の通りです。 図表 5-55 生ごみのメタン発酵によるエネルギー賦存量推計方法 潜在賦存量 期待可採量 潜在賦存量(GJ/年)=焼却ごみ量(t/年)×生ごみ比率×ガス発生原単位(m3/t) ×発生ガス発熱量(kcal/m3)×4.186(kJ/kcal) ÷106} ・年間焼却ごみ量:30,560t ・生ごみ比率:10% 試算式 備考 試算式 期待可採量(GJ/年)=潜在賦存量×廃棄物利用可能率(国内回収事例を参考) ×変換効率 備考 ・メタン発酵への利用可能率:生ごみ発生量の 50% ・変換効率:コージェネレーション利用を想定し、0.2(発電)及び 0.5(熱利用) 図表 5-56 生ごみ 発生量 (t/年) 3,056 ガス発生 原単位 (㎥/t) 60 発生ガス 発熱量 (kcal/㎥) 6,000 生ごみのメタン発酵によるエネルギー賦存量 潜在賦存量 (GJ/年) 4,605 生ごみ 利用可能率 年間熱利用 量 (GJ/年) 50% 1,151 期待可採量 電力利用分の 年間発電量 1次エネルギー (MWh/年) 換算値(GJ/年) 128 1,151 年間期待可採量 1次エネルギー 換算値合計(GJ/年) 2,302 【資料:秩父市役所提供資料】 注)1.生ごみ発生量は、焼却施設のごみ組成分析結果(平成 17 年度)から、焼却ごみの 10%とした 2.ガス発生原単位及び発生ガス発熱量は「バイオマスエネルギー」(本多淳裕著)による 5.3.10 バイオディーゼル燃料利用 秩父市で発生する廃食用油を BDF 燃料として精製する場合の期待可採量を、家庭・事業所・公共 施設別に推計しました。事業所については、まとまった量の廃食用油が発生していると想定される小 規模事業所を対象とする電話による聞き取り調査を実施し、推計を行いました。公共施設及び一般家 庭からの期待可採量に関しては秩父市の調査結果をもとに推計しました。 ‐ 109 ‐ 秩父市地域新エネルギービジョン 第 5 章 新エネルギー賦存量 図表 5-57 バイオディーゼル燃料利用によるエネルギー潜在賦存量推計方法 潜在賦存量 期待可採量 試算式 潜在賦存量(GJ/年)=∑{市内で発生する廃食用油量(L/年)※1×廃食用油比 重.0.9(kg/L)×廃食用油発熱量(kcal/kg)×4.168(kJ/kcal)÷106} 備考 ※1:住民及び事業者に対しアンケート調査を実施。 ・家庭からの廃食用油発生量:全国平均からの推計値 ・廃食用油比重:0.9239kg/L 期待可採量(GJ/年)=∑{市内で発生する廃食用油量(L/年)※1×BDF 精製率× BDF 比重(kg/L)×BDF 発熱量(kcal/kg)×(kJ/kcal)×変換効率÷106} ・利用可能率:家庭(国内回収事例を参考)、事業者(市内アンケートより算出)、 公共施設(秩父市ヒアリング結果等) ・変換効率:0.7(動力利用時) ・BDF 比重:9,600kg/L 注)∑は各部門毎に算出し積算することを示す。 試算式 備考 図表 5-58 廃食用油 回収量 (L/年) 項 目 民間事業者 廃食用油 廃食用油 回収量 発熱量 (kg/年) (kcal/kg) 潜在 賦存量 (GJ/年) 民間事業者 70,106 64,771 9,600 2,603 家庭 公共施設 合計 9,100 8,407 9,600 338 3,230 82,436 2,984 9,600 120 3,061 図表 5-59 項 目 廃食油利用によるエネルギー潜在賦存量 廃食用油 発生量 (L/年) 70,106 廃食油利用によるエネルギー 精製率 (%) 90 BDF精製量 (L/年) (kg/年) 期待可採量 発熱量 原単位 (kcal/kg) 63,095 57,416 7,453 9,600 35% 73 2,645 67,514 9,600 80% 60 家庭 9,100 90 8,190 公共施設 3,230 90 2,907 合計 82,436 74,192 ‐ 110 ‐ 9,600 期待 可採量 動力利用量 (GJ/年) 27% 436 利用可能率 (%) 569