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幾何学的図形の多角形化が視覚誘発電位に及ぼす効果
愛 知 学 院 大 学 心 身 科学 部 紀 要 第 5号 ( 1 6 )( 2 0 0 9 ) 幾何学的図形の多角形化が視覚誘発電位に及ぼす効果 伊 藤 元 雄 *1) 古 里 淑 乃 *2) 菅 田 達 也 *3) 佐部利真吾 *4) 幾何学的図形の多角形化がパターン出現視覚誘発電位 (VEP) に及ぼす効果の一環として,輪郭線 の長さが等しい 8つの図形が下方視野にタキストスコープで両眼視で提示された図形は,正三角形, 0名の実験参加者を 菱形,正五角形,正六角形,正七角形,正八角形,正十角形,円形であった 1 1 ),それより上方 5, 1 0, 15cm ( 1 1 0,1 1 0,115cm) から基準 対象に,一過性の VEPが頭頂隆起部 ( 導出された図形条件とブランク(対照)条件との総平均差波形が記録された.ネガティブ (Nl) 波(平均頂点潜時:約 140-150ms) とポジティブ ( P 2 ) 波(約 235-250ms) が 取 得 さ れ た 反 復 測 度 l要因 ANOVAが部位 1 5のそれらの振幅と潜時に対して実施された. Nl,P2振幅に関して, Nlのみ 多角形化の効果に有意差が見られ,多重比較の結果では正三角形>正五角形以降の 6図形,菱形>正 七角形以降の 4図形が有意であったまた 正五角形>正七角形正十角形 円形には有意傾向が見 られた Nl,P2潜時に関する多重比較の結果では,いずれの図形聞にも有意差は見られなかった . 9 9 9 ) の結果に概ね一致し 本実験の結果は,面積が等しい図形を用いて同様な検討を行った古里他(1 a n g u l a r i t y)の関数として単調減少を示したIt oe ta l .( 1 9 9 9 ), I t o( 1 9 9 7 ), ており,また Nl振幅が角度性 ( 1 9 9 8,1 9 9 9 c, 2 0 0 0 ) の所見とも矛盾しない結果であるといえる. 伊藤 ( キーワード:形の知覚,パターン出現,視覚誘発電位,図形の多角化,下方視野 筆者らは十数年来基本的な幾何学的図形を用いて 問 題 形の知覚とパターン出現 VEPとの関係を実験的に検 生活体が変化する環境に適応していくためには,感 討してきた. これまでの研究は,図形の形の効果の分 覚,知覚の働きが必要である. とりわけ,視覚におけ o& S u g a t a ,1995;伊藤, 1994,1998,1999c,2001 ; 析(It る形の知覚は重要である.主要な形の知覚の研究には I t o, 1 9 9 7,2 0 0 7 ),図形の空間的定位・視野内刺激提 精神物理学的,行動学的,心理生理学的,あるいは生 o,1 9 9 7;伊藤, 2003,2005a , 示位置の効果の分析(It 理心理学的な研究が含まれるが形の知覚の特性やメ 2005b,2006,2008,2009;I to,Sugata,& Kuwabara, カニズ、 ムの解明を目指す時 1 9 9 7 ),図形の形の効果に関する分析的アフ。ローチ(It o, 従来の心理学的知見に加 えて,視覚誘発電位 (VEP) などを反応指標とした心 S u g a t a,Kuwabara,Wu ,& Kojima,1999;I t o,S u g a t a ,& 理生理学的研究は脳内情報処理過程に関す有効な情報 Kuwabara ,1998;伊藤, 2 0 0 0 ),主体的要因の作用の検 9 9 9 a ) . を与えてくれるという点で意義をもっ(伊藤, 1 o, Kuwabara ,S u g a t a ,S u z u k i, & Kawai,1 9 9 6,1 9 9 8 ), 討(It VEPは通常,定常性と一過性,パターンとフラッ 9 9 6 ), 図形の形に関連した VEP成分の検討(伊藤, 1 シュの各 VEP,またパターン VEPは出現,反転,消 総説(伊藤, 1989,1 9 9 3,1 9 9 9 a ,1 9 9 9 b ),その他(伊藤, 失の各 VEPに区分されており 1 9 9 5 ) に分類することができょう. 基礎的領域のみなら ず,病院臨床などの応用的分野における研究も数多く 9 9 9 b ) . 行われている(黒岩・園生, 1998;伊藤, 1 さて,視野下方提示の事態では図形の面積が等しい 場合,図形周囲の輪郭線の長さが等しい場合,輪郭線 *1)愛知学院大学心身科学部心理学科 *2) 富山県高志通園センター *3) 名古屋文化学園保育専門学校 *4) 愛知学院大学大学院心身科学研究科心理学専攻 (連絡先)干 4 7 0 0 1 9 5愛知県日進市岩崎町阿良池 1 2 E m a i l: m o t o o @ d p c . a i c h i g a k u i n . a c . j p 伊藤元雄,古里淑乃,菅田達也,佐部利真吾 の長さと面積の比が等しい場合,あるいは図形の視角 m2,図形オフ時には 2mmX2の黒十字型の FPのみを 的大きさが等しい場合のいずれにおいても,また固視 もっ同輝度の順応野(ブランク)を常時提示した.刺 点 ( F P ) と図形の中心間 激 図 形 は 輪 郭 長 12cm 線 幅 1m mの白地黒輪郭線図 FPと図形の上端間の視角 的距離を等しくした場合でも 正三角形の N1振幅は 形(正三角形,菱形,正五角形,正六角形,正七角形, 円形よりも大きくなることが明らかにされている(伊 正八角形,正十角形,円形)であり,全て図形の上端 藤 , 1 9 9 3,1 9 9 4,1 9 9 9 a;1 t o&S u g a t a ,1 9 9 5 ).N1波は平 が FPの 1 下方に位置するように配置した(図 1) . 均頂点潜時が 140ms位の陰性電位であるが, この電位 2 これに対照条件(輝度 5 cd/m , ブランク)を加えた計 に続いて頂点潜時が 240ms位の陽性電位である P2波 9種の刺激のランダム配列の各 l施 行 (1施行は同一 が誘発される 刺激を 1 6回反復提示)を lセッションとし,計 4セ P2振幅においても時々正三角形>円 形の関係が示されるが それは通常 N1波の場合ほど 0 ッション実施 した. 明瞭ではない 図形の種々な量的刺激変数を等しくした場合にこの ような結果が得られるということは, N1振幅に正三 角形と円形の形の効果の違いが反映されていると見る ことができる. この点に関してより詳細な情報を得る ために, I t oe ta .( l 1 9 9 9 ), I t o( 1 9 9 7 ),伊藤 ( 1 9 9 8,1 9 9 9 c, 正三角形 菱 形 正五角形 正六角形 2 0 0 0 ) では,下方視野において単一線分の角度図形や 。口 0 0 等面積,あるいは等輪郭線の二等辺三角形や平行四辺 形の角度性を変化させた実験を実施し,角度性の関数 として N1振幅が増大するという結果を得ている. 正三角形は 6 0の 3つの鋭角部分から成る角度性が 0 大きな図形,円形は角度性がまったくない図形とみな 正七角形 正八角形 せるので,正三角形から円形に至るまで順次,菱形, 正五角形,正六角形正七角形 円形 正十角形 図 1 刺激図形 ・・…・と図形を変化さ 固視点 ( F P ) と各図形の上端聞の視角的距離は 1である 0 せて行くことによって ,P2振幅はともかく, N1振 幅 には角度性の関数として漸次減少の傾向が見られるこ とが予想される.そこで,本論文では,これらの点を VEPの 記 録 脳 波 は , l l l l o n( 1 ),i n i o n上方 5, 1 0, 15cm ( I5,I 10,I 15 ) の 4部位から単極導出し(基準 含めて, N1,P2波の振幅,頂点潜時にいかなる変化 電極は両耳柔連結,接地は C z ), 4c h s .p o l y g r a p h3 6 5 が見られるかを検討してみることにした (NECS a n e i ) で増幅し ( 0. 5-30Hz) 刺激オンのパル スとともに 1 4 c h s .d a t ar e c o r d e rXR-510 (TEAC) に記 実 験 全豪した VE Pは , オフラインで s i g n a lp r o c e s s o r7T1 7 (NECS a n e i ) により各施行ごとに刺激提示前 100ms, 目的 提示後 412msの 512msの区間を 1 5回加算平均した(標 下方視野において,輪郭線の長さが等しい条件で正 本化時間 1m s ) . 三角形から円形へと図形を多角形化することにより, データの分析 一過性の出現 VEPが示す変化を検討する. 刺激前 100ms聞の平均電位を基線と して,各図形条件の VEP波形から対照条件の波形を 減算し,実験参加者ごとの差波形 ( 6 0回 加 算 : 1 5回 方法 実験参加者 X4セッション)を算出した. 心理学専攻者 1 0名 ( 男 , 女 各 5名 , 平均年齢 2 8 . 5歳 , SDll歳)• 刺激の提示 の 1つを刺激野, 3c h s .t a c h i s t o s c o p eDP-6( T a k e i )の c h . 1つを順応野とし(ともに開口部約 0 最大の陰性,陽性の電位が出現した実験参加者間の 部位 1 5の平均振幅と平均頂点潜時に関して,反復測 度 l要因 ANOVA (図形 8水 準 ) を 統 計 解 析 ソ フ ト iS TATISTICAJ により実施した.なお,本実験では多 1 5平方),実験者ベースで両野の切り替えにより刺激 角形化の効果が有意であった場合には, Mauchleyt e s t を提示した(提示時間:100ms, SOA: 1 .5 2 . 5 s ). 両 ( p く. 0 5 ) による球形仮説の検定を行ったが,いずれ 眼 観 察 ( 観 察 距 離 80cm). 刺 激 野 の 平 均 輝 度 は 5 c d l の場合も仮説は棄却されず 2- 自由度の E 修正は行わ 幾何学的図形の多角形化が視覚誘発電位に及ぼす効果 蔓形 正五角形 正六角形 正七角形 正十角形 正八角形 400 0 4 0 0 0 400 0 4 0 0 0 ん孔ハウ o ムハ叩ゃ I んM4nJV ハ 1 5 品八仰や 115 ノム/"\./\.ゾゾしヘ~ぺ Jんヘィべいぺ J内J\ ~ 400 0 4 0 0 0 円形 ' ' ん へ 4 0 0 0 ふ八十叫 んハルハ叩 八 三 I4 正三角形 400ms 図 2 実験参加者 1 0名の平均差分総加算波形 なかった(千野, 1 9 9 5 ) . また,多重比較としては 場合にも, Nl振幅に漸次減少の傾向が見られ たこと Tukeyの HSD検定(P<. 0 5 ) を行った. は,注目に値しよう.それは等面 積の場合よりも図形 間の見かけの大きさがほぼ等し いと感じられる等輪郭 結果と考察 長における変化傾向を示すものと して積極的な意味を 図 2に,実験参加者 1 0名の総平均差波形を示す. 部位 1 5の波形を見ると もつからである. いずれの図形においても Nl波(平均頂点潜時約 140-150ms) と P2波(約 235 250ms) が明瞭であった. 図 3, 4に , Nl波と P2波の部位間の平均振幅の変 I t oe ta .( l 1999)は,特に下方視野では等輪郭 長, 等面積の正三角形が円形や正方 形よりも大きな Nl反 応を生ずるという所見(伊藤, 1999b) から,等輪郭 0 0 0 0 長の種々な角度 ( 4 5 ,90, 1 3 5, 1 8 0 ) の単一線分 化,それに部位 1 5の平均振幅の変化と SDを示す. 図によれば, Nl波 , P2波ともにおで振幅はピーク V ¥ r / " / 小 λ〉/迦 を示しており,特に Nl振幅には正三角形から正七角 形にかけて漸次減少の傾向が見 られ,以後円形にかけ てほぼ同一の水準を維持してい る. 一方 , P2振幅に 蝋;ト入、~\__~~~~ は一義的な変化の傾向は見られない. Nl,P2振幅に関する ANOVA (図形 8)の結果に よれば, Nlのみ図形の効果が有意であり ( F[ 7, 63]= 1 2 . 7 2, p<.0001),多重比較の結果,有意差が見られた のは,正三角形>正五角形,正 六角形,正七角形,正 八角形,正十角形,円形,それ に菱形>正七角形,正 図 3 N1振幅, P2振幅の部位間 ( 1 1 5, 1 10, 1 5, 1 ) の平均的 変化 八角形,正十角形,円形であっ た.また正五角形>正 七角形,正十角形,円形には有意傾向が見られた. 1 0 ー 古里他 (1999) は,本実験と同様な実験事態で図 形 8 の面積が等しい場合の多角形化 の効果を検討し, Nl 振幅は同様に漸次減少するとい う結果を得ている(図 円 較の結果,有意差が見られたの は,正三角形 >正五角 (﹀司)翠蝋 果は有意であり ( F[ 7, 6 3 ]=1 9 . 0 5, p<.0001),多重比 N l 4 ι ' 5).本実験と同様な ANOVAの結果では,図形の効 6 P 2 形,正六角形,正七角形,正八 角形,正十角形,円形 で あ っ た ま た , 菱 形 >正七角形,正八角形,正十角 正三角形 菱形 形,円形が有意であり,正三角 形 >菱形には有意傾向 が見られた. 面積が等しい事態のみならず 正五角形 正七角形 正+角形 正六角形 正八角形 円形 図 4 Nl振幅, P2振幅の平均的変化 輪郭の長さが等しい - 3- 部位は 1 5である 垂直線のパーは 1標 準 偏差 ( SD) を示 す. 伊藤元雄,古里淑乃,菅田達也,佐部利真吾 漸次減少することを明らかにしている.また,伊藤 一1 2 ー1 0 (1998)は,下方視野で等輪郭長の平行四辺形が種々 角度を変えるという事態(上下角 30,60,90,120, 0 -6 0 : ; 0 0 150, 180 (正方形))で,角度性の増加に伴って Nl -4 振幅は漸次有意に減少することを報告している.さら ミ ー2 理 蝋 0 。 に,伊藤 ( 2 0 0 0 )は , Moskowitze ta . l( 1974) と類似 のパターンを用いて P 2 4ト 0 下方視野における等輪郭長の事 態で 3バーと lパーの角度ノ fターン ( 4 5,90, 1 3 5, 0 0 0 0 正三角形 重E 形 正五角形 正七角形 正十角形 正六角形 正八角形 180) を用意し,角度性の変化が Nl振 幅 に 及 ぼ す 効 円形 果を分析した.そこでは, 3パーは lパーよりも反応 が大きく,角度の増加に伴い,いずれの場合も Nl振 図 5 古里他 ( 1 9 9 9 )における Nl振幅 P2振幅の平均的変化 幅は漸次減少するという結果を得ている. 部位は 1 5である.垂直線のパーは lSDを示す. このように,本実験の結果は,等面積の刺激条件で 3 2 0 あることと実験参加者が異なっていることを除いて 3 0 0 は,本実験と同一の条件下で取得された古里他 (1999) 2 8 0 2 6 0 の結果,そして単一の角度線分や全体的図形の角度性 を変化させたIt oe ta . l (1999),l t o (1997),伊藤(1998, 1999c,2000) の結果とも整合しており,下方提示にお けるパターン出現 VEPの Nl振幅の変化には,図形の 角度性が重要な規定要因として作用していることを示 正三角形 正五角形 差形 正七角形 正六角形 すものと考えられる.鋭角的であれば振幅は大きく, 正十角形 正八角形 円形 逆に鈍角的であれば振幅は小さくなるといえよう. 一方, P2振幅に関しては(図 4),有意な多角形化 図 6 Nl潜時, P2潜時の平均的変化 の効果は見出されなかった等面積条件で検討を行っ 部位は 1 5である.垂直線のパーは lSDを示す. た古里他 (1999)の ANOVAの結果も同様であった(図 300 5).等輪郭長,等面積いずれの場合も各図形聞に有 280 意差が見られなかったということから, P2振 幅 で は 260 一義的な変化は見られないということであろうIt o P2 240ト e ta . l( 1999), 伊 藤 (1998,1999c,2000) においても, 220 "200 . s P2振幅には有意な変化は見られなかったもっとも, 事180 P2振幅に関して,これまでの実験では Nl振幅よりも 1 6 0 1 4 01 - より明瞭な変化を示す実験参加者もあり,図形差が N l Nl振幅において大きく, P2振幅では小さい者,それ 1 2 0 とは逆の関係を示す者と 正三角形 差形 正五角形 正七角形 正十角形 正六角形 正八角形 そこには少なからず個人差 が見られたことも否定できない事実である(伊藤, 円形 2008, 2009). 図 7 古里他(1 9 9 9 )における Nl潜時 P2潜時の平均的変化 図 6は,部位 1 5の Nl波 , P2波の平均頂点潜時の変 部位は 1 5である .垂直線のパーは lSDを示す. 化と SDを示す. の角度図形の角張りと円みが Nl振幅に及ぼす効果を Nl,P2の 頂 点 潜 時 に 関 す る ANOVAの結果では, 検討し,角度性の方が角張り/円みよりも効果が大き P2の み に 有 意 差 が 見 ら れ た が ( F[ 7, 6 3 ] = 2 . 3 1,p < く,角度の増加に伴い, Nl振幅が漸次減少するとい . 0 5 ),多重比較の結果では有意な図形効果は見出され う結果を得ている.一方, I t o( 1 9 9 7 ) は等面積,伊 なかった等面積の条件で、検討を行った古里他 (1999) 藤 (1999c) は等輪郭長の条件で の ANOVAの結果では 頂角の異なる二等 辺三角形(頂角 30, 60,90, 120, 150 0 0 0 0 0 ) を下方視 野に提示し,角度性の増大に伴って同様に Nl振幅は いずれも有意な図形の効果は 認められなかった(図 7).同様に, I t oe ta . l( 1 9 9 9 ), 伊 藤 (1998,1999c,2000) においても, Nl波 , P2波と - 4- 幾何学的図形の多角形化が視覚誘発電位に及ぼす効果 33,1 7 . もに頂点潜時には角度性の関数としての有意な変化は 見出されなかった, 付記 本報告の概要は, 2 002年 9月 , 日本心理学会第 6 6回大 会(広島大学)において 伊藤・古里・菅田・佐部利によ り,発表された(伊藤・古里・菅田・佐部利, 2 0 0 2 ) . 引用文献 千野直仁 ( 1 9 9 5 ) . 教育や心理の分野における ANOVA MANOVA,GMANOVA適用上の問題点 愛知学院大 学文学部紀要, 25,7 1 9 6. 古里淑乃・伊藤元雄・菅田達也 ( 1 9 9 9 ).図形の知覚 と視 覚誘発電位の関係一図形の形の効果 ( 2 2 )一 日本心 理学会第 6 3回大会発表論文集, 2 3 4 . 伊藤元雄 ( 1 9 8 9 ).形の知覚と視覚誘発電位の関係 研究 の覚え 書 き - 愛知学院大学文学部紀要, 1 9,1 1 0 . 伊藤元雄 ( 1 9 9 3 ).幾何学 的ノ号ターンに対するヒトの視覚 誘発電位愛知学院大学文学部紀要, 2 3,1 1 5 . 伊藤元雄 ( 1 9 9 4 ).幾何学 的図形の形が視覚誘発電位に及 ぼす影響 一 等 視 角 条 件 に お け る 分 析 - 愛 知 学 院 大 学文学部紀要, 24,1 1 4 . 伊藤元雄 ( 1 9 9 5 ).幾何学的形態に対する視覚誘発電位 一 視野内図形提示位置の効果- 愛知学院大学文学部紀 要 , 2 5, 4 7 5 4 . 伊藤元雄 ( 1 9 9 6 ).幾何学的形態に対する視覚誘発電位 パ タ ー ン 関 連 成 分 の 分 析 - 愛知学院大学文学部紀 要 , 26,1 1 3 . I to,M.( 1 9 9 7 ) .E f f e c t soft h ed i f f e r e n tf o r r n sofi s o s c e l e s t r i a n g l e s,t h es q u a r eandt h ec i r c l eonv i s u a levoked p o t e n t i a l s .愛知学院大学文学部紀要, 2 7,1 3 2 2 . 伊藤元雄 ( 1 9 9 8 ).形の異なる平行四辺形,正三角形,円 形が視覚誘発電位に及ぼす効果 愛知学院大学文学部 紀要, 28,1 5-21 . 伊藤元雄 ( 1 9 9 9 a ).視覚誘発電位 による形の知覚に関する 心理生理学的研究 あるむ 伊藤元雄 ( 1 9 9 9 b ).心理生理学的研究における視覚誘発電 位 その測定法,分類,研究動向と有用性一 あるむ 伊藤元雄 ( 1 9 9 9 c ).形の異なる二等辺三角形,正方形,円 形が視覚誘発電位に及ぼす効果 ( 2 ) 愛知学院大学文 学部紀要, 29,1 1 1 8 . 伊藤元雄 ( 2 0 0 0 ).幾何学的パタ ーンの角度性が視覚誘発 電 位 に 及 ぼ す 効 果 愛知学院大学文学部紀要, 3 0, 7 1 2 . 伊藤元雄 ( 2 0 0 1 ).正三角形,円形に対する視覚誘発電位 一図形要素数の効果 愛知学院大学文学部紀要, 3 1,1 6 . 伊藤元雄 ( 2 0 0 3 ).幾何学的形態に対する視覚誘発電位 空間的定位の効果 (2)- 愛知学院大学文学部紀要, 伊藤元雄 ( 2 0 0 5 a ).図形の形と空間的定位が視覚誘発電位 に 及 ぼ す 効 果 愛 知学院大学人間文化研究所紀要,人 間文化, 20, 7 3 8 4 . 伊藤元雄 ( 2 0 0 5 b ).幾何学的形態に対する視覚誘発電位 空間的定位の効果 ( 3 )- 愛知学院大学論叢心身科 学部紀要, 1,1 7 . 伊藤元雄 ( 2 0 0 6 ).幾何学的形態に対する視覚誘発電位一 刺激提示位置の効果- 愛知学院大学論叢心身科学部 紀要, 2,1 7 . I t o,M.( 2 0 0 7 ) .E f f e c t so ff o r r na n ds i z eo fg e o r n e t r i cf i g u r e son v i s u a le v o k e dp o t e n t i a l s .愛知学院大学論叢心身科学部 紀要, 3,1 6. 伊藤元雄 ( 2 0 0 8 ).幾何学的形態 に対する視覚誘発電位 刺激提示位置の効果 ( 2 )一 愛 知 学 院 大学論叢心身科 学部紀要, 4, 9 1 5. 伊藤元雄 ( 2 0 0 9 ).縦縞,横縞パターンが視覚誘発電位に 及ぼす影響 空 間 的 定 位 と 大 き さ の 効 果 一 愛 知 学 院大学心身科学研究所紀要,心身科学, 1,1 -7 伊藤元雄・古里淑乃・菅田達也 ・佐部利真吾 ( 2 0 0 2 ).図 形の知覚と視覚誘発電位の関係 図形の形の効果 ( 2 3 )一 日本心理学会第 6 6回大会発表論文集, 3 7 8 . I t o,M.,Kuwabara ,H .,S u g a t a ,T. ,S u z u k i,K. ,& Kawai,Y . ( 19 9 6 ).V i s u a l e v o k e dp o t e n t i a l st og e o r n e t r i cf o r r n s : E x a r n i n a t i o no ft h ee f f e c to fs e l e c t i v ea t t e n t i o n .I nC . Ogura , Y .Koga ,& M.S h i r n o k o c h i( E d s . ),R e c e n ta d v a n c e s i ne v e n t r e l a t e db r αi np o t e n t i a lr e s e a r c h . Arns t e r d a r n : E I s e v i e r .6 7 7 1 . I t o,M. ,Kuwabara ,H.,S u g a t a ,T. ,S u z u k i,K .,& Kawai,Y . ( 19 9 8 ) .V i s u a le v o k e dp o t e n t i a l st og e o r n e t r i cf o r r n si nt h e r a n d o r n i z e dp r e s e n t a t i o n .J a p a n e s eP s y c h o l o g i c a lR e s e a r c h , 40,1 1 1 1 1 6 . I t o,M.,& S u g a t a ,T .( 19 9 5 ) .V i s u a le v o k e dp o t e n t i a l st o g e o r n e t r i cf o r r n s .. f t . α r p a n e s eP s y c h o l o g i c α1R e s e a r c h,37, 2 2 1 2 2 8 . I t o,M.,S u g a t a ,T .,& Kuwabara ,H. ( 19 9 7 ) .V i s u a le v o k e d p o t e n t i a l st og e o r n e t r i cf o r r n s :E f f e c t so fs p a t i a lo r i e n t a t i o n . J a p a n e s eP s y c h o l o g i c α1 R e s e a r c h, 39,3 3 9 3 4 4 . I t o,M.,S u g a t a , T . , & Kuwabara ,H .( 19 9 8 ) .E百e c t so ft h es h a r p a n dr o u n dp a r t so fg e o r n e t r i cf i g u r e s onv i s u a le v o k e d p o t e n t i a l s .生理心理学と精神生理学, 1 6,3 3 4 0 . I t o,M.,S u g a t a ,T .,& Kuwabara ,H . , Wu,c . , &K o j i r n a ,K . ( 1 9 9 9 ) .E f f e c t so fa n g u l a r i t yo ft h ef i g u r e sw i t hs h a r pa n d r o u n dc o m e r s on v i s u a le v o k e dp o t e n t i a l s .J a p a n e s e P s y c h o l o g i c α1 Rese αr c h, 4 1, 9 1 1 01 . 黒岩義之・園生雅弘(編) ( 1 9 9 8 ) . 臨床誘発電位ノ¥ンドブ ック 中外医薬社 Moskowitz, A. F ., Arrn i n g t o n,J .C .,& T i r n b e r l a k e,G .( 19 7 4 ) . Comers,r e c e p t i v ef i e l d s,a n dv i s u a l l yevokedp o t e n t i a l s . P e r c 々 p t i o n& P s y c h o p h y s i c s,1 5,3 2 5 3 3 0 . 最終版平成 2 1年 5月 5日受理 - 5- B u l l e t i no f T h eF a c u l t yo f P s y c h o l o g i c a l& P h y s i c a lS c i e n c e, N o .5 ,1 6, 2 0 0 9 E f f e c t so fI n c r e a s i n gt h eA n g u l a r i t yo fG e o m e t r i cF i g u r e sonV i s u a lEvokedP o t e n t i a l s MotooITO,YoshinoFURUSATO,TatsuyaSUGATA,ShingoSABURI Abstract Asa ne x a m i n a t i o no ft h ee f f e c t so fi n c r e a s i n gt h ea n g u l a r i t yo fg e o m e t r i cf i g u r e sonpa 抗e m o n s e tv i s u a l e v o k e dp o t e n t i a l s( V E P s ),8o u t l i n e dgeome 仕i cf i g u r e so fe q u a ll e n g t hw e r ep r e s e n t e db i n o c u l a r l yu n d e rt h e c o n d i t i o no fl o w e rv i s u a lf i e l d .Theywerea ne q u i l a t e r a lt r i a n g l e,adiamond,ar e g u l a rp e n t a g o n,ar e g u l a r h e x a g o n,ar e g u l a rh e p t a g o n,ar e g u l a ro c t a g o n,ar e g u l a rd e c a g o na n dac i r c l e.T r a n s i e n tVEPsw e r er e c o r d e d m o n o p o l a r l yfromi n i o n,5,1 0a n d15cma b o v e, 1 (1 5,I 10a n dI 15 )f o r1 0s u b j e c t s .Theg r a n da v e r a g eo f s u b 仕a c t e dw a v e f o r m sw e r er e c o r d e db e t w e e nt h ef i g u r ea n db l a n k( c o n t r o l )c o n d i t i o n s .N e g a t i v e(Nl )( a v e r a g e p e a kl a t e n c y :a b o u t1 4 0 1 5 0 m s )a n dp o s i t i v e( P 2 )( 2 3 5 2 5 0 m s )wavesw e r ei d e n t i f i e d.One-wayANOVAso f r e p e a t e dm e a s u r e swerec o n d u c t e df o rt h ea m p l i t u d ea n dl a t e n c yv a l u e so fL o c a t i o n1 5 ' sw a v e s .Themain r e s u l t sw e r ea sf o l l o w s :ont h eNla m p l i 同d e,t h ee f f e c to fi n c r e a s i n ga n g u l a r i t yo ft h ef i g u r e sw e r es i g n i f i c a n t . A c c o r d i n gt ot h ecomp訂 i s o na n a l y s e s,t h ee q u i l a t e r a lt r i a n g l ee v o k e ds i g n i f i c a n t l yg r e a t e rr e s p o n s e st h a nt h e r e g u l a rp e n t a g o na n dt h ef o l l o w i n g5f i g u r e s .Thediamonde l i c i t e ds i g n i f i c a n t l yl a r g e rr e s p o n s e st h a nt h e r e g u l a rh e p t a g o na n dt h ef o l l o w i n g3f i g u r e s .F u r t h e r m o r e,t h er e g u l a rp e n t a g o nshoweds i g n i f i c a n t l yl a r g e r t e n d e n c i e st h a nt h er e g u l a rh e p t a g o n,t h er e g u l a rdecagona n dt h ec i r c l e .R e g a r d i n gt h eNla n dP2peak l a t e n c i e s, t h e r es e e m e dnos i g n i f i c a n td i f f e r e n c e samongt h ef i g u r e s .Ther e s u l t si nt h ep r e s e n te x p e r i m e n ton t h eNla m p l i t u d er e s e m b l e dt h eo n e su s i n gt h ee q u a lc o n t o u rl e n g t hi nF u r u s a t oe ta l .( 19 9 9 )andwere c o n s i s t e n tw i t ht h o s ei nI t o( 19 9 7,1 9 9 8,1 9 9 9 c,2 0 0 0 )a n dI t oe ta . l( 1 9 9 9 ),whichshoweds i g n i f i c a n td e c r e a s e a saf u n c t i o no fa n g u l a r i t yo ft h ef i g 町田. K e y w o r d s :f o r mp e r c e p t i o n, p a t t e m o n s e t, v i s u a le v o k e dp o t e n t i a l s,i n c r e a s i n ga n g u l a r i t yo ff i g u r e s,l o w e r v i s u a lf i e l d 6-