...

中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略

by user

on
Category: Documents
32

views

Report

Comments

Transcript

中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
Kobe University Repository : Kernel
Title
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略(FDI and
Resource Acquisition Strategy of the Chinese
Companies)
Author(s)
黄, 磷
Citation
国民経済雑誌,199(5):1-15
Issue date
2009-05
Resource Type
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
publisher
DOI
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/81005194
Create Date: 2017-03-29
1
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
黄
本稿は,中国企業の海外直接投資(以下では,FDI と略す)を「経営資源の獲得」
という視角から分析し,中国企業の FDI の歴史的な段階として,そして,日米欧
企業と比較して,「経営資源の獲得」という動機が突出している点が特徴であるこ
とを明らかにして,中国企業の FDI に関する研究の課題を示すことを目的として
1)
いる。
全体的にみて,中国企業の FDI はいまだに初期段階にあるが,グローバル化の
潮流のなかで,先進国企業の過去の経験にくらべても中国企業の海外直接投資の増
加スピードはかなり速い。しかしながら,中国企業の国際経営に関してはまだ端緒
をつかめないため,統計データの整備や研究の蓄積が待たれている。本稿において
は,入手可能な統計データで中国企業の FDI の全体像とその特徴を分析し,そし
て,「経営資源の獲得」行動に影響する要因についても検討したい。
キーワード
海外直接投資(FDI),経営資源の獲得,国際 M & A,
競争優位の源泉
1
は じ め に
1978年までの計画経済時代はいうまでもなく,1985年から始まった対外開放の後,中国企
業の海外での活動はあくまでも政府の政治外交目的に基づいた対外経済援助に付随したもの
であった。中国企業が多国籍企業として頭角を現わしたのは1992年以降である。そして,
2001年の世界貿易機関(WTO)加盟で中国経済のグローバル化に弾みがつき,中国企業の
海外進出は本格化して加速した。とくに2004年以降,中国企業の海外直接投資(以下では,
FDI と略す)が急増している。
全体的にみて,中国企業の FDI はいまだに初期段階にあるが,グローバル化の潮流のな
かで先進国企業の過去の経験にくらべても中国企業の海外直接投資の増加スピードはかなり
速い。
2000年ごろから,日本において中国企業の競争力はにわかに注目されるようになった。中
国市場での厳しい競争を勝ち抜いた中国企業は,世界経済のグローバル化の流れに乗って新
たな成長空間を求めて海外に積極的に進出している。いくつかの海外市場では,日本企業の
2
第199巻
第
5 号
競争相手として中国企業は台頭しつつある。しかしながら,中国企業の国際経営はまだ端緒
をつかめない状態にあり,多くの研究の蓄積が待たれているところである。
2
中国企業の海外直接投資の推移
まず,中国政府が公表している資料と統計データから中国企業の FDI の推移とその時代
2)
的な特徴を確認することにしよう。
2.1 1954∼1978年:対外経済開発援助に付随した企業活動
改革開放が始まる1978年まで,中国企業は政府の対外経済開発援助プロジェクトに付随し
て海外での活動を展開した(呉 2003,曾 2003)。
政府の対外経済開発援助(ODA)には,工場・プラント・鉄道・ダムの建設,技術援助
・物資援助・資金援助などがある。そのうち,プラントや工場の建設に関しては,中国企業
が援助受入国に技術と設備を提供し,技術者や専門家をその国に派遣して工場が稼動するま
でのかなりの期間において現地での経営活動にかかわっていた。約25年間で対外経済開発援
助のプロジェクト総数は1307件に達し,そのうち中国政府の援助額が 1 億元以上のプロジェ
クトは19件,1000万元以上のプロジェクトは202件であった。また,主な援助受入国は北朝
鮮,ベトナム,アルバニア,カンボジアやダンザニアなどアジア,アフリカの旧社会主義国
であった。このような対外経済開発援助は,政府間協定によって決定されたものであり,多
国籍企業としての活動ではなかった。
2.2 1979∼1984年:厳しく制限された企業の海外進出
中央政府(国務院)が制定し,1978年 8 月に公布した経済改革に関する15項目のなかで,
中国企業の海外直接投資(海外子会社の設立を含む)を認める政策が初めて打ち出された。
しかしながら,この時期において企業の海外直接投資に対する審査は厳しく,投資形態と投
資金額のいかんにかかわらず,すべての投資案件は国務院の許可を得る必要があった。また,
海外直接投資ができる企業は,貿易権をもつ輸出輸入公司,あるいは対外経済貿易省が直轄
する経済技術合作公司に限定されていた。
図 1
1 には,2002年までの中国企業の海外直接投資の推移が示されている。1979年に認め
られたのは 4 件で投資金額もわずか53万ドルであったが,1984年までの海外直接投資の累計
は113件,中国側の投資総額は1.27億ドルであった。また,中国側の年間平均投資額は約170
万ドル,中国側の出資比率は45%前後であった。おもな投資分野は中華レストランなど飲食
業,建設業,金融保険業やコンサルティング業などであり,製造業への投資は少なかった。
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
図 11
3
中国企業の海外直接投資の推移(1979年−2002年)
400
1200
350
1000
250
600
200
投資件数
投資額(百万 US ドル)
300
800
150
400
100
200
50
0
0
1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002
年度
投資額(百万 US $)
投資件数
注: 当代中国的対外経済合作』(1989) および『中国対外経済貿易年鑑1984年
2003年』の統計数字より
作成。
2.3 1985∼1991年:第 1 次海外直接投資ブーム
1985年 7 月に,中央政府は海外での会社設立の審査基準と管理方法に関する新しい政策を
打ち出した。一定の資本力と技術力をもつ企業であれば,外国へ直接投資して海外子会社を
設立することができると明文化された。また,100万ドル以下の投資プロジェクトに関して
は,省や市など地方政府も許認可できるようになり,許認可の手続きも従来に比べて簡素化
された。
このような対外開放政策のもとで,1987年に第 1 次海外直接投資ブームが起きた。この年,
中国企業の海外投資額は13億ドルを超え,これまでの累積投資額の3.2倍となった。1985年
から1991年までの間で,投資件数は年平均で128件,年間の平均投資額も 4 億ドルを超えた。
時期を同じくして,1987年には外国企業の対中直接投資が急増し,いわゆる第 1 次対中投資
ブームが起こった。香港企業以外に,日本企業を含めた外国企業も中国市場に大挙して進出
3)
するようになった。
1985年以降,中国政府は沿海部に外国資本を大胆に導入する一方で,有力な中国企業の海
外進出を積極的に後押しするようになった。たとえば,1987年に中国化学工業総公司は国際
経営のテストケースとして中央政府に認可された。中国企業の海外投資の規模が拡大すると
ともに,投資先も香港や東南アジアから世界へと拡大した。1989年には世界の88カ国に645
4
第199巻
第
5 号
の中国系企業が設立され,1991年末にはその数が1008に達し,中国企業の累積投資額は約14
億ドルになった。国連の『世界投資報告1991年』によれば,1982年から1989年までの世界海
外直接投資額の年平均増加率は29%であったが,同時期における中国企業の海外直接投資額
の年平均増加率は50%を超えた。
先進国の過去の経験と比較して,初期段階における中国の海外直接投資の増加はかなり急
速であった。次の統計数字の比較からこのことをうかがうことができる。
たとえば,日本の「海外直接投資の元年」は1972年であるが,1960年から1969年まで日本
企業の FDI の年間平均額は 2 億4000万ドルであった。また,韓国企業の FDI 件数は1968年
から1980年の間で363件,FDI の総額は 1 億7000万ドルであった。インドの場合,1960年か
ら1980年までの20年間で FDI の総額は約10億ドル,台湾の場合は,1959年から1978年まで
の約30年間で FDI の総額がわずか 5 億ドルであった。
1985年以降,投資総額そのものが大きくないが,投資件数と年間投資額からみて,1979年
から1991年までの中国の FDI は急増した。このことは世界経済のグローバル化という歴史
的な潮流と密接に関連しており,中国経済の特徴のひとつであるといえる。
2.4 1992∼2001年:加速化する製造業の海外進出
改革開放政策が新しい段階を迎えた1992年,新たに海外で設立された企業数は355件とな
り,第 2 次海外直接投資ブームが起こった。1991年 2 月以降,中央政府の許認可が必要な
3000万ドル以上の海外直接投資プロジェクト,投資規模が3000万ドル以下であっても国の融
資または債務保証を必要とする100万ドル以上のプロジェクトを除いて,地方政府が許認可
の権限をもつようになった。また,北京首都鋼鉄総公司などの個別企業にも,海外投資権が
直接与えられるようになった。
海外直接投資に関するいっそうの規制緩和によって,中央政府の各部門,地方政府,そし
て規模の大きい国有企業は,海外進出と国際経営を経済発展と企業成長の重要な戦略である
と考えるようになり,積極的に傘下企業の海外進出を推し進めるようになった。
1994年末には,中国対外経済貿易省が認可した非金融類の海外投資案件の企業総数は1764
社,投資総額は17.6億ドルであった。1998年になると,認可企業と届け出企業の合計は5666
社になり,投資の累計額は63.3億ドルに及んだ。1999年には,中央政府は製造業の海外進出
を促進する政策を打ち出したことによって,年間の新規海外投資の件数は220件以上となり,
年間投資額は5.9億ドルを超えた。
World Investment Report 2000 (UNCTAD) と International Financial Statistics (IMF) の
統計によれば,直接投資の受入額(In-flow)と投資額 (Out-flow) の比は,先進国の平均が
100対110,発展途上国の平均が100対13であるのに対して,中国のそれは100対 2 になってい
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
5
る。2000年末で中国企業の FDI の総規模は小さく本格化したとはまだいえなかった。
2.5 2001年∼2008年:「走出去」政策による海外投資ブーム
2001年11月に中国の WTO 加盟は実現した。2005年までに関税が大幅に引き下げられ,ほ
とんどの産業分野で外国企業の自由参入が認められるようになった。中国企業は国内市場で
グローバル企業との直接対決による競争圧力を強く意識するようになり,企業規模の拡大を
求めて M & A(吸収合併)による企業再編が盛んに行なわれた。従来の開放政策は外資導入
と輸出拡大を意味していたが,2001年から FDI を促進することも対外開放政策の重要な課
題となった。
2002年に新規の投資件数は350件になり,年間投資額は9.83億ドルとなった。この年末ま
でに認可と届け出の非金融類の累計総数は6960社となり,中国企業の海外投資残高が93.4億
ドルとなっている。また,投資先も世界の160カ国に広がり,製造業による海外直接投資が
大半を占めるようになった。中国企業が海外進出して成長機会を求める時代は到来した。
中国経済を理解するためのもっとも重要なキーワードの一つは「対外開放政策」である。
1980年代の中国では,「対外開放政策」とは外国資本の誘致を意味していた。中国語で「引
進来」と呼ばれている。「引進来」とは,中国企業が海外から設備,技術,原材料や資金を
導入し,加工した製品を輸出する戦略,あるいは経済特区や経済開発区を建設し,さまざま
な優遇条件を設けて外国企業を誘致する国や地方政府の戦略と政策を指している。
これに対して,「走出去」政策,すなわち中国企業の海外進出を促進する政策が「開放」
に明確に付加されるようになったのは2000年になってからである。「海外進出=走出去」に
は,海外での資源開発,会社設立や設備・技術・原材料・労務の輸出,企業買収や資本参加
などが含まれている。2000年10月の中国共産党中央委員会第五回全体会議(五中全会)にお
いて,いわゆる「走出去」政策が公式に打ち出された。この会議の決定に基づいて2001年か
らの「第10次五カ年計画」のなかで,中小企業を含めて企業の海外進出を促進するための戦
略と政策が明記された。
図 1
2 に示されているように,2002年から中国企業の海外直接投資は本格化した。中国商
務部等 (2008) によれば,2007年の中国の対外直接投資額は265.1億で前年比25.3%増加し
た。そのうち非金融類は全体の93.7%を占め,248.4億ドルに達し,前年比で40.9%も増加し
た。2007年末で中国国内の約7000の投資主体が世界173の国や地域へ直接投資して設立した
企業は 1 万社を超え,FDI 累計総額は1179.1億ドルに達し,非金融類 FDI は全体の85.8%で
1011.9億ドルになっている。また,2008年上半期での FDI 総額は341.6億ドルと,2007年通
年の実績を上回った。
6
第199巻
図 12
第
5 号
中国企業の非金融類海外直接投資の推移(2001年−2008年)
40000
34106
年間対外投資総額
(百万 USドル)
35000
30000
24841
25000
一件当たりの投資額
(千 USドル)
20000
15000
17634
12261
10000
5498
5000
2855
678
2700
2001
2002
0
2003
2004
2005
2006
2007 2008.16
注:1)『中国商務年鑑2007』および中国商務部・国家統計局・国家外国為替管理局
「2007年度中国対外直接投資統計公報」(2008年 9 月) の統計数字より作成。
2) 一件当たりの投資額は J. P. Larcon (2009) p. 57 のデータにより作成。
3) 2008年上半期の対外投資総額は金融を含めた商務部などが公表した速報値。
3
中国企業の海外直接投資の特徴
3.1 小型案件から大型の国際 M & A へ
2000年まで中国の FDI の一件当りの投資規模はかなり小さかった。図 2 に示されている
ように,1999年までに製造業や M & A による海外進出が本格化するまで, 1 件当りの投資
図2
中国企業の海外直接投資の平均規模
400
350
万 US ドル件
300
250
200
150
100
50
0
198 198 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 19 20 20 20
0 1 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02
注:図 11 のデータより作成。
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
7
規模が100万ドル以下の FDI は多かった。
2000年までは,100万ドル以上の海外投資案件に関して中央政府の許認可を得る必要があ
った。また,厳しい外貨管理制度のもとでは,海外投資のリスクと投資収益に関しても厳し
い審査と監査を受けなければならない。さらに,海外投資に関する銀行の融資枠が少なく審
査も厳しいため,企業は小規模の初期投資によって海外事業をスタートさせるケースが多い。
その結果, 1 件当りの投資金額は100万ドルを下回っている。
1998年までは, 1 件当りの投資金額が150万ドルを超えた年には,中央政府直属の大企業
による海外での資源開発などの大型プロジェクトが実行されている。たとえば,1987年の場
合,中国化学工業総公司などの海外での資源開発プロジェクトがあったため,この年の平均
投資規模が380万ドルになった。製造業の海外進出促進策が打ち出された1999年以降は, 1
件当りの投資規模が年220万ドルを超えるようになった。しかしながら,この数字は先進国
の平均(600万ドル)だけでなく,発展途上国の平均投資規模(450万ドル)をかなり下回っ
ている。
世界経済のグローバル化の流れに乗って,中国企業も海外での M & A(企業の合併と買収),
海外上場(資金調達)と海外企業への資本参加などを展開し始めている。多様な事業形態を
活用して海外進出する中国企業は,世界各国市場とのグローバル・リンケージを急速に強め
ている。そのため,投資額がきわめて大きい案件も増えている (丸川・中川 2008)。図 12
に示されているように,2004年に中国の FDI の平均規模が450万ドルを超え,2005年には
648.5万ドルに達した。
中国企業が海外で行った M & A の具体的な事例をあげると,海爾(ハイアール)集団は
2001年にイタリアの冷蔵庫工場を700万ドルで買収し,自動車部品メーカーである万向集団
(米国)は米国 UAI 社を280万ドルで買収した。また,華立集団は1.8億ドル投資して,フィ
リップス集団の CDMA 移動通信部門と PFSY(IT 技術の研究所)を買収した。上海電気集
団は米国企業と共同で日本のアキヤマ印刷機製造を買収した。
2002年に中国海洋石油総公司はスペイン企業所有のインドネシア油田の権益を5.9億ドル
で取得し,BP 所有のガス油田の株権を10億ドルで買い取っている。北京東方科学技術集団
は韓国の Hydis 社の TFT−LCD 事業を3.8億ドルで買収し,TCL 集団は破産したドイツのテ
レビメーカー・シュナイダーを820万ユーロで買収した。
2003年に TCL 集団は3.3億ドルでフランスのトムソン社のカラーテレビ・DVD 事業を買
収し,江蘇省の飛達工具集団という民間企業は日本の製鉄工場を買収した。2004年に TCL
集団はフランスのアルカテル社の携帯端末事業を5500万ユーロで買収した。また,上海汽車
集団は約 5 億ドルで韓国の双龍自動車を買収し,中国航油はシンガポール国家石油の20.6%
の株式を5.43億シンガポールドルで取得している。さらに,この年の年末に聯想(レノボ)
8
第199巻
第
5 号
集団は12.5億ドルで米国 IBM 社のパソコン事業を買収して世界から注目が集まった。
2005年に,中国石油天然気集団は41.8億ドルでカザフスタンのカナダ系石油会社の株式を
取得し,中国銀行は9.65億ドルでシンガポール飛行機リース会社の株式を100%取得した。
この年から金融,石油や鉱山などの天然資源への超大型の M & A 案件は増えた。
3.2 投資先の分散化
表 1 の上段は,1998年と2002年の中国企業の FDI 地域別分布を示している。この二つの
年の構成比率を比較してみると,明らかに香港と北米から,アジア地域,アフリカ地域とラ
テンアメリカ地域へ投資先をグローバルに分散化させている。
投資先の構成比率を詳しく見ると,1998年では,中国企業の海外投資の約58%が香港・ア
モイに集中していた。また,アメリカとカナダへの投資額も全体に占める比率が14.4%と高
かった。2002年になると,香港・アモイが投資先としての重要性が大きく下がり,北米地域
の構成比率もやや低下した。この間,東南アジア諸国への投資額が急増し,香港・アモイを
除いたアジア地域の構成比率が 6 %から13.1%へと倍以上に高くなった。また,アフリカ地
域,ラテンアメリカ地域と欧州への投資も増えている。
表 1 中国企業の FDI の地域別累積投資額と構成比率(億 US ドル)
年
度
投資先
香港・アモイ
北米地域
アジア地域
アフリカ地域
ラテンアメリカ地域
欧州
大洋州地域
合
計
年
度
投資先
香港・アモイ
ラテンアメリカ地域
(ケイマン諸島)
(英領ヴァージン諸島)
アジア地域
アフリカ地域
欧州
北米地域
大洋州地域
合
計
1998年末
累積投資額
35.9
8.9
3.7
3.1
2.5
3.2
4.5
61.8
構成比
58.1%
14.4%
6.0%
5.0%
4.0%
5.2%
7.3%
100.0%
2003年末
投資額
246.3
46.2
36.9
5.3
19.7
4.9
4.9
5.5
4.5
363.9
構成比
67.7%
12.7%
10.1%
1.5%
5.4%
1.3%
1.3%
1.5%
1.2%
100.0%
2002年末
累積投資額
42.6
12.7
12.2
8.2
6.6
5.6
5.5
93.3
2006年末
投資額
422.7
196.9
142.1
47.5
57.1
25.6
22.7
15.9
9.4
901.3
2002
1998年
構成比
45.6%
13.6%
13.1%
8.8%
7.0%
6.0%
5.9%
100.0%
倍
1.19
1.43
3.30
2.64
2.63
1.75
1.22
1.51
2006
2003年
構成比
46.9%
21.9%
15.8%
5.3%
6.3%
2.8%
2.5%
1.8%
1.0%
100.0%
当代中国的対外経済合作』(1989) および『中国対外経済貿易年鑑1984年
2003年』の統計数字より
302 の統計数字より作成。
2003年と2006年は『中国商務年鑑2007』pp. 298
倍
1.72
4.26
3.85
8.92
2.90
5.21
4.68
2.89
2.09
2.48
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
9
表 1 の下段のデータは2003年と2006年の状況を示している。2002年と直接比較できないが,
香港への投資は全体の67.7%から46.9%にその比率を大きく下げ,ケイマン諸島と英領ヴァ
ージン諸島への投資は2006年末の投資残高の21.1%も占め,大きく増えている。これらの投
資の最終投資目的地と投資分野は不明である。つまり,約三分の二の中国企業の海外直接投
資に関して,政府が公表した統計資料でその真の投資先を明らかにすることは不可能である。
これに関して,ひとつの見方は,香港やタックス・ヘイブン向けの投資のなかに外資系企
業に対する優遇政策を享受するために中国国内へ還流する「迂回投資」がかなり含まれてい
るとしている。もうひとつの見方は,これらの投資のなかに中国国内の金融市場の不効率,
そして,中国資本へのアレルギーを回避するための「迂回投資」がかなり含まれているとし
ている。
総じていえば,2001年以降香港を除いたアジア地域への投資が増え,また,アフリカ地域
と欧州への投資も大きく増えて,中国企業の FDI の投資先はグローバルに分散化している。
3.3 海外株式投資による国際 M & A と資源開発の比率が高い
中国政府が公表した2003年以降の統計データからは,中国企業の FDI に占めるビジネス
サービス,そして資源開発(鉱業)への投資の比率が高いという特徴を読み取ることができ
る。
初期において,中国企業の海外事業のほとんどは貿易会社であったが,その後,資源開発,
製造業,交通・運輸業,観光業,飲食業など多様な分野に広がった。2000年までの約7000の
海外投資案件に関する産業別統計データが公表されていないため,全体像を示すことができ
ないが,投資額が多い業種としては,輸出輸入など貿易業,資源開発,製造業,そして交通
・輸送業である。
1999年末に中国政府が認可した製造業の海外投資の累積件数は151件で,総投資件数2613
件の約5.8%を占めている。151件のうち,電機・機械が64件 (42.4%),軽工業品(金属加
工や雑貨)が35件(23.2%),衣料が31件(20.5%)であった。2000年には,製造業の海外
投資累積件数が271件となり,全体の約 1 割近くを占め,投資の累積金額も6.12億ドルにな
り,全体の16.4%に増加した。さらに2002年では,製造業の新規海外投資が75件で全体の21
%を占めるようになった。
表 2 からわかるように,近年中国企業の FDI の約半分はリース・ビジネスサービスと鉱
業に投資している。2005年以降,ビジネスサービスへの投資額が急増した。中国政府統計で
のビジネスサービスとは外国企業の株式を取得する投資を意味している。そのなかでのタッ
クス・ヘブン経由の株式取得による国際 M & A になると,FDI の一般的な定義には当ては
4)
まらない。
10
第199巻
表2
第
5 号
中国対外直接投資の産業別構成
産業別分類
2003年
2004年
2005年
2006年
2006年末累計
リース・ビジネスサービス
9.8%
13.6%
40.3%
25.6%
25.9%
鉱業
48.3%
32.7%
13.7%
48.4%
23.9%
卸売・小売業
12.5%
14.5%
18.4%
6.3%
17.3%
交通・運輸・倉庫・郵政
2.7%
15.1%
4.7%
7.8%
10.1%
製造業
21.9%
13.7%
18.6%
5.1%
10.0%
その他
4.9%
10.3%
4.3%
6.7%
12.8%
合計 (億 US ドル)
28.5
55.0
122.6
176.3
750.3
注:中国国家統計局『中国統計年鑑2006年版・2007版年』により作成。
また,海外市場を開拓するための商業(卸売・小売業)への投資は2006年末で全体の17.3
%を占めているが,多国籍企業理論で重視する製造業の対外直接投資の比率は全体の約10%
しかなく,2003年以降の投資フローは証券投資と資源開発(鉱業)に集中している。
中国の工業化,とくに重化学工業の進展に伴い,石油などのエネルギーをはじめとする天
然資源の不足は深刻になっている。国内の資源不足を緩和するために企業は海外の資源を活
表3
中国対外直接投資上位20社 (2006年末現在の投資累計額)
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
企業名
中国石油化工集団公司
中国石油天然ガス集団公司
中国海洋石油総公司
華潤(集団)有限公司
中国移動通信集団公司
中国遠洋運輸(集団)総公司
中国中信集団公司
中糧集団有限公司
招商局集団有限公司
中国中化集団公司
中国建築工程総公司
中国航空集団公司
中国電信集団公司
中国海運(集団)総公司
中国網絡通信集団公司
広東港投資控股有限公司
中国電力投資集団公司
上海汽車工業(集団)総公司
中国化工集団公司
中国五集団公司
所有形態
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有(中央企業)
国有
国有(中央企業)
国有
国有(中央企業)
国有(中央企業)
注:1)金融業は除く。中央企業とは国有資産監督管理委員会が直轄する大型国
有企業(2008年 1 月現在計150社)を指す。
出所:中国人民共和国商務部,中華人民共和国国家統計局,国家外為管理局
「2006年度中国対外直接投資統計公報」。
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
11
用する必要がある。そのために,FDI 累計額の上位20社のなかに,中国石油化工,中国石油
天然ガスと中国海洋石油の大型国有の石油企業三社がトップとなっている。
中国商務部の公表した業種別投資額の速報値によれば,2007年の第一位は卸売・小売業で
約65億ドル,そして,第二位はビジネスサービスで約57億ドルになっている。製造業への投
資はわずか20億ドルと少ない。
4
中国企業の FDI のユニークな側面
1980年代における NIEs 企業の海外事業を研究した Lall (1983) は,先進国企業と発展途
上国企業の競争優位の源泉を比較している。Lall (1983) は,グローバル競争力をもつ先進
国の多国籍企業に対して,発展途上国企業の競争力はローカル市場に適応した技術や能力を
ベースにしていると主張している。表 4 に示されている発展途上国企業の競争優位の源泉は,
中国企業の海外事業にも当てはまるものがあるといえる。しかしながら,いくつかの側面で
中国企業の海外進出はユニークな特徴を有し,1960年代のアメリカ企業,70年代の日本企業,
そして80年代の NIEs 企業の海外進出を説明した従来の理論に対して,新しい課題を提示し
ている。
表4
先進国企業と発展途上国企業の競争優位の源泉
先進国企業
1)企業規模
2)資本市場への隣接性
3)特許技術と専有技術
4)製品差別化能力
5)マーケティング資源
6)管理技術と組織資源
7)コスト・リーダーシップ
8)垂直統合
9)投資先の優遇条件
発展途上国企業
1)企業グループ
2)現地適応技術
3)限定的な製品差別化能力
4)営業販売力
5)現地適応的な管理技術
6)低コスト(とくに管理人材と技術者)
7)「血縁」・「地縁」などの「関係」
8)投資先の優遇条件
注:Lall, S., The New Multinathionals, Chichester : John Wiley & Sons, 1983.
バーノン(Vernon)の国際プロダクトサイクル(IPLC)仮説,また,赤松要の「雁行型
発展説」で,中国企業が2001年から海外直接投資を本格化させ,2005年ごろになると,国際
M & A や対外株式投資がメインになるという先進国企業の FDI の特徴を示すようになった
ことを説明することは困難である。
また,内部化理論は技術,開発能力,人的資源,グローバルビジネスの情報能力,経営シ
ステムや管理ノウハウなどに関する市場が不完全であることから,これらの経営資源の国際
展開は企業組織内部での移転を通す必要がある。折衷理論は,企業がもつ競争優位を海外直
接投資の必要条件としている。
12
第199巻
第
5 号
Lall (1983) のローカル適応説,あるいは多国籍企業に関する内部化理論や折衷理論は,
グローバル化の流れに乗った世界市場での資源獲得と国際 M & A への集中という中国企業
の FDI 行動に関して十分な説明力をもたない。そのため,本格化した中国企業の FDI に関
しては,新しい理論が求められている。
従来の理論では説明しきれない中国企業の FDI 行動に関して,中国企業と政府の関係と
いう側面から説明しようとする見方がある。すなわち,中国企業の対外直接投資は,純粋に
利潤極大化のための企業行為ではなく,産業政策や安全保障といった中国政府の意図も反映
しているという考え方である。
表 3 に示しているように,FDI を積極的に行っている中国企業の会社形態には中国独特の
要素がある。大きく分けて,ふたつのタイプの中国企業が海外事業を展開している。
① 大型国有企業や大規模な企業集団
中央政府や地方政府の国有資産管理部門によって管轄する大型企業や企業集団は,中国国
内での特定産業分野において独占的な競争優位をもち,海外事業を展開している。これらの
大型国有企業や企業集団は長い間,輸出輸入事業を独占的に行い,世界的なネットワークを
構築しているため,海外事業を展開している中国企業の主力になっている。グローバル競争
圧力のもとでこれらの大型国有企業や企業集団は企業改革を進め,競争力を高めている。そ
の代表格として,中化集団,中糧集団,中国電信,中信集団や中国五鉱集団や華潤(集団)
などがある。
また,大規模金融企業,中国銀行や中国人民保険公司のほかに,COSCO(中国遠洋運輸
集団公司)は世界海運市場のグローバルプレーヤーの一員である。さらに,中国建築工程総
公司,中国土木工程公司や中国水利電力公司などは,東南アジア,アフリカや中南米で大型
プロジェクトを展開している。
投資受入国において,中国の大型国有企業による国際 M & A に関しては,その背後に政
府が存在することが障害となり,政治問題化したケースは目立っている。
中国海洋石油(CNOOC)による米国の大手石油会社であるユノカルの買収の場合,中国
海洋石油は米国で採掘された天然資源を全部米国へ供給するなど,アメリカ政府が求めるす
べての条件を受け入れる意向を表明したうえ,185億ドルの買収案を提示した。この金額は
アメリカのもう一つの大手石油会社であるシェブロンが先に提案した163億ドルを上回るも
のであった。しかし,この買収は失敗に終わった。
この買収案件で焦点となったのは,まず,石油という天然資源はアメリカにとっても重要
なものであり,安易に中国に渡すべきではないという点である。また,ユノカルはインドネ
シアにおける天然ガスの主要生産者であり,天然ガスの供給をインドネシアに大きく依存し
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
13
ている台湾にとって,この買収が成立するかどうかは安全保障にかかわる重要な問題である。
さらに,中国海洋石油が国有企業であるため,政府から特別な支援を受けており,それが不
公平な競争に当たるということも指摘された。
この事例からわかるように,国益の衝突,国際関係の対立,そして政府と企業の関係に関
する価値判断の相異などが影響して,新古典派の経済理論で説明される利潤極大化のための
企業行為として,このような事例を説明することは極めて難しい。しかしながら,このよう
な極端な事例から,大型国有企業や大規模な企業集団による FDI がすべて中国政府の意図
を反映し,利潤極大化のための企業行為になっていないとみるのも,かなり偏った見方であ
る。資源開発など大型の国際 M & A に関して,経営権を支配する直接投資という形態には
大きな政治的リスクが伴うため,相手政府や進出先の反発を招かないために,融資や株式取
得などの対外証券投資による国際 M & A が増えるとみられている。したがって,大型国有
企業や大規模な企業集団の FDI に与える中国政府と相手国などの要因の影響に関する実証
的な研究が待たれている。
② 製造企業あるいはその企業集団
中国国内市場での厳しい競争に耐え,生産技術,研究開発能力や経営管理技術をベースに
急速に規模を拡大し,中国国内市場で高い市場シェアを占めているこれらの企業は,新しい
成長空間を求めて海外進出を展開し,世界市場で台頭する中国企業の代表になっている。そ
のなかには,北京の首都鋼鉄集団,海爾(ハイアール)集団,TCL 集団,聯想集団,春蘭
集団や格蘭仕集団などがある。また,中小と中堅の民間企業が海外との取引を行なう貿易権
を認められたのは2000年ごろからである。その後,数多くの民間の製造企業が海外事業を積
極的に展開し始めている。
では,中国の製造企業の優位性はどこにあるのだろうか。後発としての中国企業は,先進
国企業や NIEs 諸国の企業に対して強い競争優位性をもっていない。しかしながら,積極的
に海外進出する代表的な中国企業の目的は,海外に市場を求めて短期的な利潤を得ることで
はなく,低い代価と早いスピードで海外の経営資源を取り込み,中核となる新たな資源を獲
得することにある。従来の理論が想定している既存の資源や競争優位性ではなく,グローバ
ル競争の圧力と脅威に対して,積極的な経営資源の取り込み戦略によって生き残る道を求め
ているのである。
WTO 加盟によって,世界各国のグローバル企業と国内市場で直接対峙する局面を迎えて
いる中国企業は,否応なく圧縮された企業成長の道を探さなければならない。国際 M & A
や直接投資などの多様な形態による海外進出は,海外から経営資源を取得し,自身の競争力
の基盤を拡大させるための近道になる。
14
第199巻
第
5 号
総じて,新技術や製品開発の頭脳と能力の獲得,グローバルなビジネス情報や管理ノウハ
ウの習得,そして世界市場に通用するブランド力の確立などが,代表的な中国製造企業の海
外進出の戦略目的になっているとすれば,このような企業行動は多国籍企業に関する内部化
理論や折衷理論の理論的な前提に対する挑戦になる。
5
中国企業の海外事業展開の課題
一般的に海外事業を展開する企業は二つの経営課題に直面する。
その一つはどこの市場へ,どのタイミングで,どのような投資形態をとり,どのような事
業内容で進出するかにかかわる市場参入の問題である。
もうひとつの課題は,国際経営特有の問題を対処する企業能力の蓄積である。国際経営特
有の問題とは,多様な文化と市場環境に適した経営システムと管理体制,国境をまたぐ情報
ネットワークや物流システムの構築,海外子会社での人事労務管理,国際税収,そして国際
ビジネスのリスク管理などを指す。
企業自身の能力は海外直接投資の主要な制約要因である。グローバル競争相手の土俵に乗
り込んで競争に打ち勝つために,進出側の企業は経営,技術,人材や情報などの面において
優位性を待たなければならない。ほとんどの中国企業のこれらの企業能力は相対的に劣って
いる。中国企業の国際 M & A が注目を浴びているが,海外に進出して国際経営の成功に持
ち込むことができるかどうかということに多くの疑問が提示されている。また,巨大な国内
市場,開放政策によって深くグローバル・ネットワークに組み込まれていることの影響,そ
して,世界各国に散らばっている海外の優秀な中国系人材などのメリットをフルに活用する
ことができるのかも問われている。
これを解明するためには,中国企業の意思決定プロセス,国際経営の戦略,組織と業務プ
ロセスに踏み込んで分析を行う必要がある。中国企業の国際化プロセスと国際経営プロセス
を探索することを通じて,その特殊性を浮かび上がらせ,先進国企業と変わらない普遍性を
抽出することができる。その研究成果は国際ビジネス研究の理論的進展に貢献するだけでな
く,後発する新興市場の多国籍企業にとっても示唆の多いものになると思われる。
注
1)本稿は,黄「グローバル化のなかの中国企業」 中国経済論』(加藤弘之・上原一慶編)ミネ
251 を加筆修正したものである。黄(2004)においては,
ルヴァ書房,2004年 4 月,pp. 235
「海外直接投資による経営資源の獲得」を目指すという特徴を明確にし,中国企業の国際化行動
251)。
を説明するために,新しい理論が求められていることを指摘している(p. 246, p. 250
2)非金融類の対外投資に関する中国政府の統計データは2003年から公表されている。それまでの
中国企業の海外直接投資と経営資源獲得戦略
15
対外投資のデータは,中国外貨管理局が国際収支表を作成する際の統計資料に基づいて推計した
ものである。また,2003年から公表されている統計データには,中国企業とその海外に投資した
企業のタックス・ヘブンを通じた再投資も含まれている。
3)1980年代の対中投資については,黄 (2003:第 3 章)で詳しく論じている。2000年までは,
対中投資ブームになった年には,中国企業の海外直接投資もブームになっている。
4)海外事業形態として,対外株式投資は証券投資に分類され,クロスボーダー M & A の一種で
あるが,海外直接投資ではないとされている。黄 (2003) の33ページ,図 1
1 海外事業形態の
多様化を参照してください。
参
考
文 献
Lall, S. (1983) The New Multinational, Chichester : John Wiley & Sons.
Larcon, Jean-Paul (2009) Chinese Multinationals, World Scientific.
UNCTAD (2000) World Investment Report 2000.
呉先明 (2003)『中国企業直接投資論 ,経済科学出版社。
曾忠禄主編 (2003)『中国企業跨国経営 ,広東経済出版社。
中国商務部 (2003)『中国対外経済貿易年鑑1984年
2003年 。
中国商務部 (2007)『中国商務年鑑2007 。
中国商務部・国家統計局・国家外国為替管理局(2008)「2007年度中国対外直接投資統計公報」
(2008年 9 月)。
当代中国編集委員会 (1989)『当代中国的対外経済合作 。
黄 (2003)『新興市場戦略論 ,千倉書房。
黄 (2004)「グローバル化のなかの中国企業」 中国経済論』(加藤弘之・上原一慶編)
ミネルヴァ書房,pp. 235251。
丸川知雄・中川涼司 (2008)『中国発・多国籍企業 ,同文館。
Fly UP