...

エネルギーパーク - 経済産業省・資源エネルギー庁

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

エネルギーパーク - 経済産業省・資源エネルギー庁
次世代エネルギーパーク計画書
1.計画名称
庄内町次世代エネルギーパーク
2.所在地
山形県東田川郡庄内町狩川地内他
3.計画策定主体
山形県庄内町
環境課新エネルギー係
係長
電話 0234-56-3361
4.実施運営主体
山形県庄内町
5.計画概要
(1)計画のコンセプト
庄内町は、山形県の北西部にあり、米どころ庄内平野の南東部から中央に位置し、霊峰月山の頂を有し、月
山を源とする清流立谷沢川(環境省:平成の名水百選)と日本三大急流の一つ最上川に沿う、南北に長い地形
で稲作中心の農業が基幹産業の町です。
気候は、一般に海洋性気候を示し比較的温暖ですが、冬季間は南部(月山側)に近づくほど積雪が多く、北部
は地吹雪を伴った北西(日本海側)の季節風が激しく吹きます。また春から秋にかけては東南東の強風「清川東
風(ダシ)」が吹くなど年間をとおして風が強い町です。「清川ダシ」は“日本三大悪風”に数えられ、新庄盆地に
溜まった冷気団がおろしとなり最上川峡谷で収束し、庄内平野に吹出すもので立川地区は吹出し口に位置する
事から、その影響を強く受けます。この風は、しばしば農作物に被害を与えたり、大火の原因になったりと住民
からは厄介なもの、恐ろしいものとして敬遠されてきました。
この悪風を逆手に取り、昭和 55 年に農業への利用(温室ハウスの加温)を目的に小型風車(1kW)による実験
や、平成 5 年には当時の自治体としては最大規模のアメリカ製 100kW風車×3 基を導入するなど、「風」をキー
ワードとした地域おこしに取組んできました。その後、平成 8 年には「町のシンボル」「地域おこし」的発想から脱
却し、二酸化炭素の削減を始めとする地球温暖化問題への対応として、「新エネルギー導入計画」を策定し、現
在では最上川沿いの田園地帯に町営、第三セクター、民間事業者による大型風車8基によるウィンドファーム
が形成されるなど、風力エネルギーの利用には長い歴史があります。
また、降雪地帯の特性を活かし農業への利用(花卉生育調整用)を目的とした雪冷房システム、公共施設へ
の太陽光発電システム等の再生可能エネルギー利用施設を積極的に整備するとともに、一般家庭から回収し
た廃食用油を精製したBDFを公用車の燃料として利用する取組みや、余目地区は全国でも珍しい天然ガスの
産地として知られ一般家庭にエネルギー供給するとともに、ガスコージェネレーションシステムの導入促進、温
泉で発生する熱エネルギーを無駄なく使い切る排湯熱利用システムや、木質バイオマスの活用を検討してきま
した。
また、再生可能エネルギー等の設備導入と、省エネルギー活動の推進はエネルギー問題への対応として、
車の両輪と考え町民参加型の省エネルギー活動「町民節電所」事業に平成15年から取り組んでいます。この事
業は「省エネルギーを実践することにより、今までよりエネルギーが余り、その余ったエネルギーを積み上げる
と発電所を建設したと同じ効果」になるという発想でスタートした事業です。電気を作るところは「発電所」、電気
を減らすところが「節電所」として、コストをかけて発電量を増やすよりも、省エネのためにお金をかけるほうが、
電力会社・顧客(町民)・環境が利益を受ける(エネルギー生産ではなくネガワット:節電で利益を)という考えの
もと、ドイツなどで実施されている「発電所=節電所(ネガワット)」という発想の庄内町バージョンです。
本町はこれまでエネルギー問題への対応をはかるとともに、昭和 62 年より一般家庭から発生する生ゴミを収
集し、籾殻や畜糞と混ぜ良質堆肥を生産し、有機農業の推進、資源循環型社会の形成、バイオマス資源の利活
用として全国に先駆けた取り組みも行っています。
(2)計画の全体像
平成 5 年に設置したシンボル風車周辺は「庄内町風車村」として位置づけられ、その中心となる施設「ウィンド
ーム立川」には環境問題に関する資料展示室、風力発電に関する体験模型、多目的アリーナ、映像コーナー、
庄内平野が一望できる展望塔が併設されています。またエリア内には子供バッテリーカー広場、大型木製遊
具、芝生広場、農業体験やそばうち体験ができる施設が整備されるなど、環境エネルギーに関する教育的な要
素や観光的な要素を兼ね備えたゾーンとして町民はもとより県内外から多数の方が訪れています。従来より風
力発電に関する視察・見学は多く受け入れているものの、それ以外の取組みついては、あまり PR できていない
状況であり、各施設が個別対応していた部分が強く、これまでの普及・啓発活動は点による活動であり、今後は
点と点を結び、多種多様な線で捉えられるようなルートや年齢層に合せたものを検討します。
また、東日本大震災以降はそれまで普及啓発という名のスローガンでしかなかった節電が、電力危機を回避
するための社会的要請となり全国的に広がりを見せているものの、12年前から町独自に取組んでいる「節電
所」事業を身近なエネルギー対策の一つとして来場者に情報提供するとともに、庄内町から波及するような PR
に努めます。
今後は、①地域特性を活用した新エネルギーの導入促進、②新エネルギー導入による地域産業の活性化、
③省エネルギー対策と環境エネルギー教育の推進を基本方針として平成22年に策定した「第二次新エネルギ
ー総合利用計画」に基づき、新たな取組みとして小水力発電の検討や町の面積の約6割を占める森林資源の有
効活用のため、木質バイオマスの利活用を検討しエネルギーの地産地消を目指します。
(3)関連施設
1.中心となる施設
「ウィンドーム立川」
【計画に含まれ
①所有者:庄内町
る個々の再生可
管理者:庄内町
能エネルギー等
設置時期:平成 7 年度
の施設・設備毎
場所:山形県東田川郡庄内町狩川字笠山 444-9
に記載下さい。】
②見学等に係る取り組み:シンボル風車稼働後の平成 5 年以降より、風力発電を中心とし
た環境エネルギーについて、児童・生徒、地域コミュニティー団体、企業、行政等の視察・
見学を積極的に受け入れている。
体制:風車村センターに常駐する職員が対応する。
③その他
これまで児童・生徒、地域コミュニティー団体、企業、行政等の視察・見学を受け入れて
おり、基本的に館内への入館・説明は無料としているが、企業、行政等の視察や希望者
に対しては1部500円の資料代を徴収して対応する場合もある。
(例)
児童・生徒等:地球温暖化とは?→再生エネルギーの必要性(ビデオ)→館内・現地見学
➡所要時間:30~60 分(無料)
企業・行政等:町の取組み→設備概要→今後の方向性→館内・現地見学
➡所要時間:60~120 分(資料代有)
2.既設施設
<風力発電施設>
○名称:庄内町営風力発電所
①所有者・管理者:庄内町、設置時期:平成 14 年、場所:庄内町狩川地内
②再生可能エネルギー等の内容:風力エネルギー、規模:1500kW、実績等:280 万 kWh/
年を電力会社へ売電
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:
前項の1.中心となる施設③その他に記載のとおり、これまで同様に直営で対応する。
○名称:㈱たちかわ風力発電研究所
①所有者・管理者:㈱たちかわ風力発電研究所、設置時期:平成8、10、11 年、場所:庄内
町狩川地内
②再生可能エネルギー等の内容:風力エネルギー、規模:400kW×2 基、600kW×4 基、
実績等:電力会社へ売電
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:庄内町営風力発電所に同じ
○名称:㈱立川 CS センター風力発電所
①所有者・管理者:㈱立川 CS センター風力発電所、設置時期:平成 15 年、場所:庄内
町狩川地内
②再生可能エネルギー等の内容:風力エネルギー、規模:1500kW、実績等:電力会社へ
売電
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:庄内町営風力発電所に同じ
<庄内町第1種苗センター:雪氷熱利用施設>
①所有者・管理者:庄内町、設置時期:平成 11 年、場所:庄内町南野地内
②再生可能エネルギー等の内容:雪氷熱エネルギー、規模:220t貯蔵、実績等:トルコキ
キョウの生育時期調整のため、雪冷房システム(冷水循環型)を種苗ハウスの温度調整
(約15 度に設定)に使用している。雪冷房システムの利用期間は6 月頃から40 日間
で、通常9 月で生産終了するものを10 ~11月まで出荷することができる。
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:庄内町にて対応。
<文化創造館響ホール:太陽光発電>
①所有者・管理者:庄内町、設置時期:平成 22 年、場所:庄内町余目地内
②再生可能エネルギー等の内容:太陽光発電、規模:10kW、実績等:H25 実績 10,492kWh
全量館内自家消費
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:庄内町にて対応
<庄内町堆肥生産センター:バイオマス資源の利用>
①所有者・管理者:庄内町、設置時期:昭和 63 年、場所:庄内町添津地内
②年間堆肥生産 2,800 ㎥、生ゴミ 650 トン・畜ふん 900 トン、もみ殻 400 トンを利用
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:庄内町にて対応
<庄内町ギャラリー温泉町湯:ガスコージェネレーションシステム、排湯熱利用施設>
①所有者:庄内町、管理者:㈱イグゼあまるめ、設置時期:平成 26 年、場所:庄内町余目
地内
②再生可能エネルギー等の内容:ガスコージェネレーションシステム 9.9KW 、排湯熱利用
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:庄内町にて対応
<北月山荘:ペレットボイラー、太陽光発電、蓄電池、発電機>
①所有者・管理者:庄内町、設置時期:平成 26 年、場所:庄内町立谷沢地内
②再生可能エネルギー等の内容:ペレットボイラー580kW、太陽光 10kW、蓄電池 9.6kWh
発電機 47.5kVA
利用先:北月山荘の源泉の加温、暖房、館内照明等に利用、全量館内自家消費。
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:庄内町にて対応
<庄内町町民節電所:省エネルギー活動>
①所有者・管理者:庄内町一般家庭、庄内町地球温暖化対策地域協議会、場所:庄内町全
域
②再生可能エネルギー等の内容:省エネルギー活動(節電)
平成 17 年から(合併前の旧立川町は平成 15 年から)12 年間(平成 15~26 年)の参加世
帯数 3,629 世帯、対前年度比の消費電力量平均削減率(節電率)約 6.6%
③今回の計画に伴う見学等に係る取り組み・体制:庄内町地球温暖化対策地域協議会に
て対応
6.全体スケジュール
中心となる施設「ウィンドーム立川」は平成 7 年に建設し、また周辺は風車村として子供から大人まで楽しめる
エリアとして既に整備され、新たな施設整備の必要性はない。個々のエネルギー施設が点在しているがエコツ
アー的に視察・見学コースを設定するとともに、関連する再生可能エネルギー施設等のパンフレットを平成 25
度で作成し、来場者に次世代エネルギーパークの PR を行った。また、平成 26 年度以降には、木質バイオマス
等を含む再生可能エネルギーを利用する施設の整備により、町直営によって維持管理される多様な再生可能
エネルギー利用施設によって、来場者のエネルギー問題への理解度と関心度を高まるものと考えられる。
○添付資料
1.計画図
○庄内町次世代エネルギーパークパンフレット
2.その他参考資料
○第二次庄内町新エネルギー総合利用計画(ダイジェスト版、本編)
○風力発電関連資料
○町民節電所事業資料等
Fly UP