英国の国籍

第 11-024 号
2012 年 2 月 24 日
外航組合員各位
英国の新贈収賄禁止法
Bribery Act 2010について
英国において 2011 年 7 月 1 日、題記法（以下 ACT）が施行されました。ACT は英国法で
すが、英国に支店や子会社を持って事業を行うあらゆる外国籍の法人等にも適用されますの
で、英国に直轄事務所や子会社を有する日本国法人である当組合のみならず、当組合からの
依頼を受けてクレーム処理等を行うｺﾚｽﾎﾟﾝﾃﾞﾝﾂ、弁護士、サーベイヤー等も遵守を要します。
従いまして、組合員各位にもご理解を頂く必要がありますので、下記に同法の概要と、関係
する取組みに関しお知らせ致します。
記
Ⅰ Bribery Act2010 (ACT)概要
１．被適用者： ACT の規定する適用対象は以下の通りです。
① 英国民
② 英国に居住する外国人（例：当組合のロンドン在勤員）
③ 英国で設立された法人等 （例：当組合の英国籍子会社である JPIUK）
④ 設立地を問わず、一部でも英国で事業活動を行う法人等 （例：当組合）
２．犯罪構成要件： ACT の規定する犯罪行為の類型は以下の通りです。
① 英国の公務員や民間人（以下外国人を含む）に対する、「金銭他の便益」供与の申入、
約束、実行 （第 1 条：贈賄）
② 英国の公務員や民間人による「金銭他の便益」供与要求、受領合意、受領（第 2 条：
収賄）
③ 外国公務員等に対する、「金銭その他の便益」供与の申入、約束、供与 （第 6 条：
対外国公務員贈賄）
④ 贈賄実行犯が英国関係法人等（商業組織）の「関係者」（例えば当組合のｺﾚｽﾎﾟﾝﾃﾞﾝ
ﾂ）である場合､贈賄の行為地が外国であっても、「関係者」に対する贈賄防止措置が
不十分であった商業組織を罰す。（第 7 条：贈賄防止不十分）
３．「金銭その他の便益」の定義は以下の通りです。
金銭、財物、（相場から外れた）担保を含む金融益や不動産貸与、過分な接待饗応、
等々広範囲に例を求められるが、本法は定義を示さず、司法側の裁量に委ねる。
４．「関係者」の定義は以下の通りです。
法人等のために或いは法人等を代理して職務を行うもの。
例： 法人の使用人、代理人、子会社、下請、供給業者、保険 Correspondents
５．「Facilitation Payment」：「小さい賄賂」のことで、行政サービスの円滑な受領を目的
とする、公務員に対するこのような小額の支払は、ACT では当然の合法でなく訴追裁
量が当局にある。
６．「交際・接待費」は合理的範囲であれば合法。
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７．罰 則
個 人： 禁固 10 年以内 及び 罰金（青天井）
法人等： 罰金（青天井） 及び 官公庁受注排除
８．時 効： なし
Ⅱ
組合事務局の対応
当組合では 2011 年 11 月に本部事務局より 5 百弱に上る当組合のｺﾚｽﾎﾟﾝﾃﾞﾝﾂに本法施行の
説明と遵守確認要請からなる英文書状を発信し、各ｺﾚｽﾎﾟﾝﾃﾞﾝﾂから遵守確認返書を回収中で
す。
更に本特別回報による組合員各位へのお知らせとともに、事務局内への周知徹底にも努めて
おり、ｺﾝﾌﾟﾗｲｱﾝｽﾏﾆｭｱﾙも改定を予定しております。
Ⅲ
ｺﾝﾌﾟﾗｲｱﾝｽ（法令遵守）態勢
当組合のｺﾝﾌﾟﾗｲｱﾝｽ態勢は下図のとおり、常務会直属のｺﾝﾌﾟﾗｲｱﾝｽ委員会及びその事務局の監
査室が当っていますので、ご参考までにお知らせ致します。
組合員総会
理事会
組合長
運営委員会
運営幹事会
副組合長
監事
理事
常務会
本部
各支部
理事長
常務理事
各部
監査室
理事
コンプライアンス
委員会
コンプライアンス態勢
以上
追：１．本件に関するお問い合わせは、当組合の各契約窓口等までお寄せ頂けば、
本件の担当者に諮り、至急ご回答致します。
２．関係資料を以下の通り当組合ホームページ http://www.piclub.or.jp に掲載の本特別回
報に添えてリンク設定しましたので、ご参照願います。
・ 英国 Bribery Act2010 全文及び抄訳
・ ｺﾚｽﾎﾟﾝﾃﾞﾝﾂ宛確認要請書（対訳付き）
（2011 年 11 月 14 日）
・ （上記確認要請書添付）当組合の同法施行に因む贈収賄防止指針（対訳付き）
・ -------------同 上-------- 当組合のｺﾚｽﾎﾟﾝﾃﾞﾝﾂ向け同法説明（対訳付き）
・ 国際 P&I ｸﾞﾙｰﾌﾟのｺﾚｽﾎﾟﾝﾃﾞﾝﾂ向け手引きのうち同法に関する抜粋（和訳付き）
（2011 年 7 月）
以上
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