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Oracle for SAP TECHNOLOGY UPDATE No.20

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Oracle for SAP TECHNOLOGY UPDATE No.20
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for
Oracle SAP
®
Y
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P
D
A T
®
E
日本語版
N E W
SAP実装のための
Oracle Exadata Database Machine
Hardware and Software
Engineered to Work Together
No.20 Oracle for SAP, May 2011
www.oracle.com/sap
Oracle Advanced Security Option (ASO) for SAP
Oracle® Exadata Database Machine for SAP
パフォーマンスを劇的に向上、統合に理想的
Oracle Exadata Database Machine for SAPは、企業にとってすぐに使用できるまったく新しい最適化の手法です。
このマシンはパフォーマンスを劇的に改善するだけでなく、統合を実行する上でも理想的です。
Oracle Exadata Database Machineは、
ソフトウェアとハードウェアの両方を独自の1つのラックに一体化しています。
データベース機能とストレージ機能
のすべてがシステムラックに統合されています。X2-2は2~8台のデータベース・サーバー、X2-8は2台の大規模データベース・サーバーを収納でき、すべて
のコンポーネントとモジュールが連携動作するように設計されています。
また、高速接続により快適な作業環境を保証します。
多数の個別コンポーネントのインテリジェントな連携は、OLTPおよびOLAPアプリケーションによる複雑な作業を一元管理する場合でも、
データベース・マ
シンの卓越したパフォーマンス、
スケーラビリティ、安定性を引き出し、ITコストを節約します。
まったく新しい可能性の開花
Oracle Database Machineは、データベースを完全に統合するプラットフォームを特徴とするソリューションで、すぐに使用することができます。Exadata
for SAPを使用すると、ユーザーは、複数のシステム・データベースを統合させた一元管理データ・プールで、非常に効率よくデータベースを運営する、
まっ
たく新しいデータベース・サービスを利用できます。
Oracle Exadata Database Machineは、統合作業の開始や、進行中の統合作業を効率的にサポートし、結果ITコストも節約できる理想的なソリューションです。
これまで、
ミッション・クリティカルな環境でのデータベースの使用するには、コストのかかる統合作業が必要でしたが、その作業が不要になります。
Oracle Exadata Database Machineは、統合や移行が短期間で完了します。
もはや期間の長い、つまりコストがかさむプロジェクトは必要ありません。
発表
ORACLE EXADATA
Sun FlashFireテクノロジーを採用した世界初の
OLTPデータベース・マシン
Oracle Advanced Security Option (ASO) for SAP
発表されるハードウェアと機能
Oracle Exadata Database Machineには、特にグリッドおよびクラウド・コンピューティング環境に役立つハードウェア・コンポーネントが組み込まれていま
す。
コンポーネントの構成は、次のとおりです。
・ 合計128コアのIntel CPUと2テラバイトのメモリーを搭載した2台の8プロセッサ(8コア)x64データベース・サーバー(X2-8)、合計96コアのCPUと
768GBのメモリーを搭載した8台の2プロセッサ(6コア)x64データベース・サーバー(X2-2フル・ラック)。
・ 168コアのIntel CPUと最大336テラバイトのRAWストレージ容量を搭載した14基のExadata Storage Server。
・ 頻繁にアクセスする
「ホット」なデータをキャッシュして、極めて高速なトランザクションの応答時間と高いスループットを実現する、最大5テラバイトの
Exadata Smart Flash Cache。
・ より多くのデータを管理し、OLTPおよびOLAPデータのI/O要求を削減する複数階層の圧縮。
・ 40ギガビット/秒のInfiniBand内部接続。
・ 10ギガビット/秒のイーサネット外部接続。
・ 最大1,500,000のフラッシュ・キャッシュIOPS。
・ 最大75ギガビット/秒のRAWフラッシュ・データ帯域幅。
トップクラスのソフトウェア
優れたデータベース・サービスを提供するデータベース・マシンには、優れたソフトウェアも必要です。
そのため、Exadataには、Advanced Compression、
Secure Files、Advanced Security、Real Application Testingなど、最新のインテリジェントな高パフォーマンスのソフトウェアが複数統合されています。次
に例を示します。
・ Oracle Real Application Clusters(RAC)は、
データベースにおけるシングル・ポイント障害をなくします。
・ Oracle Enterprise Managerソフトウェアは、
独自のトップダウン設計により、
ITの運用コストを極めて低く抑えながら卓越したサービス品質を提供します。
・ Oracle Automatic Storage Management(ASM)は、
グリッド環境におけるOracleデータベースの要件を満たし、
システム管理を簡素化するよう
に設計されています。
また、Oracle ASMはストレージまたはディスクのエラーなどの発生時に高度な保護を提供します。
・ Exadata Database Machineのデータベース・サーバーは、
オペレーティング・システムとしてOracle Linux 5を使用できます。
エンタープライズ対応
Oracle Exadata Database Machineは、効率の高いデータベース・サービスに必要なすべての機能を含む、すぐに使用できるソリューションです。
また、
オラクルとサンの包括的ノウハウ、豊富な経験および確かな知識を具体化した独自のソリューションです。
このアプライアンスを導入、実装、移行または運
用する企業には、最適なサポートが約束されています。
企業は、
データベース・マシンに統合されたハードウェア、
ソフトウェア、
ストレージおよびネットワークのテクノロジーからメリットを得られるだけではなく、
対応するサポート・サービスのメリットも得ることができます。
特にSAP顧客は、
このソリューションを使用しオラクルとサンの豊富な経験および卓越した専門技術を活用できます。
オラクルはSAP環境のデータベース市
場で、
トップを誇っています。世界中の多数の顧客がOracleのパートナシップを信頼しています。Oracle Exadata Database Machine for SAPソフトウェア
は、2011年6月10日に認定されました。
詳細は、次を参照してください。http://www.oracle.com/sap
Oracle Exadata Database Machineの概要
・ オラクルとサンのテクノロジーを統合
・ データベースがサポートするOLTPおよびデータ・ウェアハウス・アプリケーションのパフォーマンスを大幅に改善し、複雑なワークロードを統合
・ もっとも厳しいセキュリティと高可用性の要件に対応
・ 複雑な統合作業や手動チューニング(データベース、
ストレージ、
ネットワークおよびサーバー)が不要
・ 実装、移行および統合を最適にサポートし、
プロジェクトの実行時間を短縮、
コストも節約
・ 複数のシステム・データベースを集合した、非常に効率の良い一元管理型データ・プールをユーザーが実装可能
・ オラクル、サンおよび選択したパートナが提供する高レベルのサポート・サービス
・ 一連のラック・バージョン
(ハーフ・ラック、
クォータ・ラック、
フル・ラック)による提供で、各企業の要件に柔軟に対応
CONTENTS
3 ご挨 拶 SAP顧客の皆様へ
4
10
S A P 認 定済のOR ACLE D ATABAS E 1 1 g R e le ase 2の機能
O RA C L E EX AD ATA FOR S AP CUS TOMER S NOW AVAILABLE!
SAPの ERP/BW(BI)とその他のデータベースを集約し、劇的なパフォーマンス向上をもたらす
14
O RA C L E CLOU D FOR S AP
18
S A Pアプリケーションの実行を改善する完全なインフラストラクチャ・スタックの提供
23
S A P O N OR ACLE S OLAR IS
26
オラクルが提供するOR ACLE S OLAR ISの拡張機能
28
30
SAP顧客が使用できるOracle Automatic Storage Management( ASM)とASM Cluster File System(ACFS)
世界最高のエンタープライズ・オペレーティング・システムのアップデートにより、SPARCおよびx86システムに
ミッション・クリティカルなセキュリティ、信頼性およびパフォーマンスを提供
最 新のOR ACLE S OLAR IS 11の機能の配置がORAC LE EXADATAでも可能になりました
オラクルによるOracle Solaris 11 Expressのリリース
オラクルと富士通が新しいプロセッサでS PAR C Enterprise Mシリーズ・サーバーを拡張
ミッションクリティカルなコンピューティングに、より高いパフォーマンスと投資保護を提供
32
O RA C L E D ATABAS E 11 g R ELEAS E 2によるSAPのストレージ最適化
38
S A Pアプリケーションで使用可能なOR ACLE D ATABASEのセキュリティ
44
O RA C L EのU N BR EAKABLE EN TER PR IS E KERNELを使用したORAC LE LINUX
46
O RA C L E VM サーバーの仮想化と管理
50
O r a c l e D a ta b a se 11 g R 2 におけるOr a c le レスキュー・サービス for SAP の活用
53
ポーランドのR WEのOr a c le p a r ti ti o n i n g fo r SAP
54
O RA C L E D ATABAS E 11 gによる大幅な改善を享受するT VS M OT OR C OM PANY
57
会 社 全 体の複雑なER Pシステムを最小限の停止時間で最適化したEAST M AN KODAK C OM PANY
58
S A Pメインフレームの移行、ED Pのケーススタディ
60
オーストラリアのN ATION AL FOOD SにおけるORAC LE INDEX KEY C OM PRESSION FOR SAP
62
C A R L ZEIS SにおけるOR ACLEからOR ACLEへのオンライン移行
64
O RA C L E R EAL APPLICATION CLUS TER S(R A C)FOR SAPとIBM POWER SYST EM S
68
O RA C L E AD VAN CED CUS TOMER S ER VICES FOR SAP
Oracle Linuxの一環として、Oracleの新しいUnbreakable Enterprise Kernelは、
Linuxのアップストリーム開発からデータ・センターに至るまで最新のイノベーションと向上を実現します。
:予想を上回る成果
:無休運用に適した選択
SAP環境向けのデータベース・サービス
Oracle Database for SAP – 安全で信頼性が高く、スケーラブルで SAP 顧客に最適化された最高のデータベース
SAP顧客の皆様へ
オラクルは、
データベース、ビジネス・ソフトウェア、
オペレーティング・システム、サーバー、
ストレージな
ど、世界でもっとも完全でオープンな、統合されたテクノロジー・スタックを提供します。
オラクルの製品戦
略は、ITインフラストラクチャ全体に柔軟性と選択肢を提供します。
中規模から大規模のSAPシステムを運用する、あらゆる業種のSAP顧客の70%以上が、自社のアプ
リケーションをOracleデータベースに委ねています。SAPアプリケーションを稼働させている企業は、
メ
ジャーなあらゆるオペレーティング・システムでOracleデータベースを使用しています。Oracle データベー
スとデータベース・オプションは、常にSAPアプリケーションに最適化されています。現在、オラクルは、サ
ンのサーバー、
ストレージおよび仮想化テクノロジーのみでなく、Oracle SolarisおよびOracle Linuxオペ
レーティング・システムとも一体で、完全なテクノロジー・スタックを提供しています。
このスタックの各層
は、単一のシステムとして連携動作するように統合されています。Oracle Linux 5は、SAPにより、X86_64プラットフォームのOralce Database 11g R2で稼
動するSAP NetWeaver 7.0Xをベースにした、すべてのUnicodeバージョンで認定されています。
オラクルのオープン・アーキテクチャと複数のオペレー
ティング・システム・オプションが、
システムの可用性、
スケーラビリティ、
エネルギー効率、高いパフォーマンスと低い所有コストを実現します。
オラクルとSAP AGは、22年に渡り共通の顧客サービスへの取り組みを続け、長年のリセラーおよび顧客サポート契約を締結しています。
この契約は、
Oracle Databaseテクノロジーへのアクセス機能を拡張し、
グローバル・レベルの顧客サービスを提供します。
「Oracle Database for SAP TECHNOLOGY UPDATE」のこの冊子では、Advanced Compression、Secure Files、Advanced Security、Real
Application Testingなどの機能を含めたOracle Database 11g Release 2のメリットを取り上げます。Oracle Real Application Clusters(RAC)により、
ク
ラスタ化およびアクティブ-アクティブ・スタンバイ・データベースを使用できます。管理ソフトウェアのOracle Enterprise Managerは、
その独自のトップダ
ウン設計により、極めて低いIT運用コストで卓越したサービス品質を提供します。
Oracle Exadata Database Machineには、Oracle Exadata Storage Softwareが含まれています。
このソフトウェアは、Exadataのファイル・システムお
よびボリューム・マネージャとして機能するOracle Automatic Storage Management(ASM)
を使用します。Oracle ASMは、複数のデータベースを同一
ディスク・グループに格納し管理できる統合環境を提供します。
これにより、Oracle LinuxおよびOracle Solarisで稼動するデータベース・ソリューションは、
業界最高のパフォーマンスを達成します。
Oracle Solaris 11 Expressは、Oracle Solarisに高度な機能を提供します。
この機能は、5年をかけて開発され、使いやすくインストールが簡単なパッ
ケージを実現しました。顧客は、Oracle Solarisの最新機能を即座に使用して新しいアプリケーションを配置できます。
オラクルは、信頼性、パフォーマンス、
スケーラビリティ、
エネルギー効率および費用対効果を提供します。
このため、
もっとも要件の厳しいSAP顧客のビ
ジネス要件を満たし、
テクノロジー・インフラストラクチャを環境に配慮したデータ・センターに変換できます。
Oracle for SAP Service & Supportチームが提供するAdvanced Customer Services(ACS)には、ヘルス・チェック、
ワークショップ、
データベース移行、
パフォーマンス、
チューニングおよびACS Oracle Solaris Services for SAP Environmentsなどがあり、Assisted Services Engagements(ITインフラストラ
クチャの分析/拡張およびSAP Readiness Service)が含まれます。
ご意見、
ご質問は、次のアドレス宛にお寄せください。[email protected](ドイツ)[email protected](日本)
この冊子では、
これらの機能と顧客のサクセス・ストーリーを紹介します。
詳細は、http://oracle.com/sap(英語版)
または、http://www.oracle.co.jp/sap(日本語版)
を参照してください。
Sincerely
オラクル・コーポレーション
(米国)
SAPアプライアンス担当シニア・ディレクター
日本オラクル株式会社
SAPアライアンス担当マネージャー
ゲルハルト・カップラー
岩崎 護
3
4
SAP認定済のORACLE DATABASE 11g Release 2の機能
Oracle(ASM)を完全にサポートし、その拡張機
能で次のすべてのデータを管理できます。Oracle
Database ファイル、Oracle Clusterware ファイル、
Oracle および SAPカーネル・バイナリ、外部ファイ
ルおよびテキスト・ファイルなどの非構造化汎用
データ。Oracle ASM は、すべてのファイル管理に必
要な一元化および統合されたソリューション・スタッ
クを提供し、サード・パーティ製ボリューム・マネー
はじめに
ジャ、ファイル・システムおよびクラスタウェア・プ
Oracle Database 11g Release 2 Enterprise Edition
ラットフォームの必要性を排除するため、管理を簡
は、業界最高のパフォーマンス、スケーラビリティ、セ
素化、自動化し、コストとオーバーヘッドを削減しま
キュリティおよび信頼性を提供し、Windows、Linux
す。Oracle ASM には、次の 2 つの主要な機能があり
および UNIX を実行するクラスタ・サーバーまたは単
ます。
これらは SAPを実行する上で重要です。
一サーバーで使用できます。
もっとも要求の厳しいト
ランザクション処理、ビジネス・インテリジェンスおよ
びコンテンツ管理アプリケーションを簡単に管理でき
る包括的機能を提供します。
Oracle Database 11g Release 2 Enterprise Edition
・ Oracle Cluster Repository(OCR)と投 票ファイ
ルを Oracle ASM に保存できます。
・ Oracle RDBMS Home を Oracle の新しいクラスタ・
ファイル・システム ACFS に保存できます。
これにより、Oracle ASM は、Oracle Real Application
には、世界最高のデータベースを拡張するオプション
Clusters 上で 稼 動 する SAP やシングル・インスタ
が幅広く用意されています。そのためお客様はビジネ
ンス の Oracle Database 上 で 稼 動 する SAP システ
スを成長させ、お客様の大切な顧客が求めるサービ
ムに最適なストレージ・プラットフォームになりま
ス・レベルのパフォーマンス、セキュリティおよび可
す(Oracle ASM の 詳 細 は、14 ペ ージ の「ORACLE
用性に対応することができます。
CLOUD FOR SAP」を参照してください)。
詳細は、SAP Note 1550133 を参照してください。
SAP による Oracle Database 11g Release 2 の認定
は完了しました(SAP Note 1398634 を参照してく
Oracle Database 11g Release 2 は、今まで 以 上 の
ださい)。詳細は、次のとおりです。
メリットをもたらします。ディスク領域の節約でハード
・Oracle Database 11.2 を認 定しているのは、SAP
ウェア・コストをさらに低減しながらも、より高速なパ
Kernel 6.40_EX2, 7.x 以降をベースにした SAP 製
フォーマンス、より強固なセキュリティ、より容易な管
品のみです。
理性、卓越した生産性を提供します。そして少なくと
・ Oracle Database 11g Release 2 の一般リリースは、
もSAP アプリケーションにとって、極めて高い可用性
SAP R/3 3.1I からSAP R/3 4.6C 以前の SAPリリー
/ 障害リカバリ性を発揮します。次の章からは、現在の
スには対応していません。Oracle Database Version
SAP 顧客が使用できる重要な機能ですが、これらの
10.2と同様に、これら旧バージョンの SAP には、SAP
多くは Oracle に固有の機能です。
アップグレード・プロジェクトとの直接接続用に11.2
のテンポラリ・リリースのみが用意されます。
OLTP 表圧縮
・ Oracle Real Application Clusters(RAC)11g
Oracle Database 11gでは、OLTP 表圧縮という新機
Release 2 の SAP リリ ー ス は、SAP 環 境 向 け の
能が導入されました。
この機能を使用すると、INSERT
Oracle Database 11g Release 2 のスタンダード版
や UPDATE など従来の DML を含むあらゆる種類の
と同時にリリースされます。オラクルによる RAC の
データ操作中にもデータを圧縮できます。
また、OLTP
サポートの詳細は、SAP Note 527843 を参照して
表圧縮は書込み操作に関連する圧縮オーバーヘッド
ください。
この SAP Note には、リリース済の RAC 構
を低減するため、トランザクションまたは OLTP 環境
成に関する詳細が示されています。
にも適しています。
このため、OLTP 表圧縮は、すべて
・ Oracle Database 11g バ ー ジョン 11.2.0.2 以 降、
SAP は Oracle Automatic Storage Management
のアプリケーション・ワークロードに圧縮によるメリッ
トをもたらします
Oracle Database 11g Release 2 for SAP
オラクルのOLTP 表圧縮はAdvanced Compression
SAP ERP のほとんどの非クラスタ表は、Oracle データ
の一部です。独自の圧縮アルゴリズムを使用してい
ベースに固有のアウトライン LOB を使用します。
るため、データベース・ブロック内の複数の列間で
重複する値もポインタに変換します。圧縮されたブ
RMAN バックアップ圧縮
ロックには、シンボル表と呼ばれる構造が含まれ圧
肥大し続ける企業データベースは、データベース管
縮メタ・データはここに保持されます。
ブロックが圧
理者にとって大きな問題です。
縮されるときに、重複する値の単一コピーをシンボ
データベース・バックアップのストレージ要件とバッ
ル表に追加し、重複する値をポインタに変換します。
クアップ手順のパフォーマンスには、データベース・
グローバルなデータベースのシンボル表を保持する
サイズそのものが影響しますが、Oracle Advanced
競合他社の圧縮アルゴリズムと比較すると、オラクル
Compression に組み込まれた圧縮テクノロジーが、
独自の手法では、圧縮されたデータへのアクセスで
バックアップ・データのストレージ要件を大幅に軽減
追加の I/O が発生しないため、大幅にパフォーマン
します。RMAN は Oracle データベースと密接に統合
スが向上します。
されているため、RMAN バックアップ・データはディ
スクまたはテープに書き込まれる前に圧縮され、リカ
OLTP 表圧縮の利点は、ディスク上のストレージ領域
バリ前に解凍する必要がありません。
これにより、スト
の節約にとどまりません。圧縮されたブロックを解凍
レージのコストを大幅に削減できます。RMAN バック
せずに直接読み取ることができるのも、その大きな利
アップは多くの SAP 顧客が使用しています。
点の 1 つです。
Data Pump 圧縮
この 利 点 によって、圧 縮デ ータへ のアクセス・ パ
Data Pumpジョブに関連付けられたメタ・データの
フォーマンスにほとんど低下は見られません。Oracle
圧縮は、Oracle Database 10g Release 2で初めてサ
Database の場合、アクセスするブロック数が少ないた
ポートされました。
この圧縮機能は、Oracle Database
め I/O が減少し、パフォーマンスが向上したケースが
11gで拡張され、表データをエクスポートと同時に圧
実際に多数報告されています。
さらに、バッファ・キャッ
縮できるようになりました。Data Pump 圧縮はインラ
シュの効率が向上したため、メモリーの増設なしで
イン・オペレーションであるため、ダンプ・ファイル
より多くのデータを格納できます。Oracle Database
のサイズが削減されることでディスク領域が大幅に節
Release 10.2.0.2 から、SAP は索引のディスク領域を
約できます。
オペレーティング・システムまたはファイ
節約しデータベース全体のサイズを削減するために、
ル・システムの圧縮ユーティリティとは異なり、Data
索引圧縮の使用についても認定を開始しました。全
Pump 圧縮の操作は、インポート側でも完全にインラ
データベースの再編成を実行した後でも索引圧縮を
インであるため、ダンプ・ファイルをインポート前に
使用すると、さらにディスク領域の合計の 20%が削減
解凍する必要はありません。圧縮されたダンプ・ファ
されることを顧客の経験が実証しています。
イル・セットは、データベース管理者の操作なしで自
動的にインポート中に解凍されます。
SecureFileデータ圧縮
Oracle Database 11g の 新 機 能 で ある SecureFiles
Data Guardネットワーク圧縮
は、完全に再設計したラージ・オブジェクト(LOB)
Data Guard は、スタンバイ・データベースを管理、
のデータ型を導入することで、パフォーマンス、管理
監視、自動化するソフトウェア・インフラストラクチャ
のしやすさ、アプリケーション開発の容易性を飛躍的
を提供します。1 つまたは複数のスタンバイ・データ
に向上させました。SecureFiles のデータは、業界標
ベースを作成、管理および監視して、企業データを
準の圧縮アルゴリズムを使用して圧縮されています。
故障、障害、エラー、破損などから保護します。Data
Guard は、REDO データ(トランザクションのリカバリ
圧縮によってストレージを大幅に節約できるだけで
に必要な情報)を使用して、プライマリ・データベー
なく、I/O、バッファ・キャッシュ要件、REDO 生成お
スとスタンバイ・データベースの同期を維持します。
よび暗号化によるオーバーヘッドが減少するため、パ
プライマリ・データベースでトランザクションが発生
フォーマンスも向上します。SecureFile 圧縮により、イ
すると、REDO データが生成され、ローカル REDO ロ
ンラインおよびアウトライン LOB データのストレージ
グ・ファイルに書き込まれます。
この REDO データは、
や操作が大きく向上します。SAP アプリケーションで
Data Guard REDO 転送サービスを使用してスタンバ
は、LOB データがますます重要性を増し、SAP CRM、
イ側に転送されます。
SAP XI、SAP NetWeaver Portal および SAP ERP な
どに広く使用されています。
Oracle Advanced Compression を使用すると、REDO
データは圧縮された形式で転送されるため、使用す
5
6
るネットワーク帯域幅を効率よく軽減できます。つま
Oracle Database 10gと Oracle Database 11g の 機
り、REDO 転送圧縮の役割は、REDO ギャップ解消時
能を比較してみると、次のようになります。
の REDO データ圧縮だけではありません。転送先の圧
Without
Compression
With
compression
and other
space
optimizations
Space
Savings
SAP ECC 6.0
SAP BW 7.0
SAP CRM 7.0
4,782 GB
1,413 GB
950 GB
1,976 GB
543 GB
334 GB
59%
62%
64%
2,817 GB
667 GB
76%
部として暗黙的に作成した索引、および続けて明示
RMAN Backup
(for compressed
database)
的に作成した索引とは同期しません。
Export Data Pump
973 GB
156 GB
84%
縮が有効になっていると、その転送先に送信される
すべての REDO データが圧縮されます。
非同期セグメントの作成
Oracle Database 11g Release 2 から、ローカル管理
表領域に表を作成する場合、表セグメント作成は最
初の行が挿入されるまで同期されません。
また、セグ
メントの作成は、表のすべての LOB 行、表作成の一
Database
(fully reorganized)
Oracle Database で SAP アプリケーションを実行して
いる場合、この領域割当て方法には、次のような利点
SecureFile のパフォーマンス
があります。
SecureFiles は、画像、音声、映像、PDF およびスプレッ
・ 空のデータベース・オブジェクトはディスク領域を
ドシートなどのファイル・コンテンツの格納に最高の
消費しません。
ソリューションを提供します。従来、リレーショナル・
・SAP インストールのすべての表、LOB、索引および
データはデータベースに格納され、非構造化コンテ
パーティションの 60 ~ 70%は空であるため、SAP
ンツ(半構造化コンテンツと非構造化コンテンツの
環境で極めて重要です。
両方)はファイル・システムにファイルとして格納さ
・ 空の表、LOB および索引の作成が劇的に高速にな
れていましたが、ファイル・ストレージの選択で大き
るため、SAP 用のデータベース・インストール作業
なパラダイム・シフトとなるのが、SecureFiles です。
にかかる時間が大幅に短縮されます。
SecureFiles は、Oracle データベースの利点を損なう
・ オラクルデータ・ディクショナリ領域のクエリーが、
実質的に高速に実行されます。
ことなく、従来のファイル・システムに匹敵する高い
パフォーマンスでファイル・データを操作できるよう
に設計されています。SecureFiles は、非構造化コン
列追加機能の強化
テンツを格納するために最適なデータベースとファイ
DEFAULT 値および NOT NULL 制約を持つ新しい列
ル・システムのアーキテクチャを提供します。
を追加する場合、Oracle Database 11g 以前のバー
SAP 顧客が、SecureFiles から得られるメリットは次の
ジョンでは、表を排他ロックしデフォルト値をすべて
とおりです。
の既存のレコードに格納する必要がありました。
・SAP 環境の LOBとの比較で、アクセス時間が大幅に
Oracle Database 11g から、データベースはこの操
作に対するリソース使用率とストレージ要件を最適
化し、列のデフォルト値は NOT NULLとして指定さ
れたデータ・ディクショナリ内の列で保持されます。
DEFAULT 値とNOT NULL 制約を持つ新しい列を追
短縮
・特に RAC 採用時には、SAPクラスタ表のトランザク
ション・スループットが増加
・LOB を含む SAP 表(クラスタ表など)の圧縮の必
須条件
加する場合、すべての既存レコードにデフォルト値を
格納する以前の処理は必要ありません。
これにより、
LOB データを SecureFiles に格納した場合、全体的
スキーマ変更が 1 秒以下で実行できるだけでなく、既
なトランザクション・スループットが増加します(次
存のデータ・ボリュームにも左右されず領域も消費し
の図を参照)。SecureFiles に格納された LOB データ
ません。特に大きな表の場合、列の更新にかかる実
は、LONG または BasicFiles(Oracle Database 11g
行時間が短縮され領域を節約できます。
より以前の LOB 実装)に格納された LOB データと同
等以上のパフォーマンスを発揮します。SecureFiles
SAP BWアプリケーションや SAPアップグレードでは、
は、Oracle Database 11g RAC で実行される SAP ア
列の追加は頻繁におこなう作業です。そのため列追
プリケーションのスケーラビリティを劇的に改善しま
加機能の拡張には、次のようなメリットがあります。
すが、Oracle Database 11g 単一インスタンスの場合
・SAP BW において、列追加プロセスでパフォーマン
も、SecureFiles の採用は大きなメリットになります。
スが改善されます。
・大量のディスク領域を節約できます。
既存のすべての LONG および Basicfile の LOB データ
を SecureFiles に移行することをお薦めします。
Oracle Database 11g Release 2 for SAP
表領域の暗号化
セキュリティはどこでも最優先に取り上げられる課題
方です。オラクルには、多数のセキュリティ機能があ
ります。特に SAP 顧客にとっての朗報は、機密データ
の暗号化が非常に簡単になったことです。Advanced
Security Option(ASO)には、表領域内のすべての
Performance
Improvement Factor
ですが、顧客にとってセキュリティの重要性は増す一
SAP VBDATA Throughput (Insert/Read/Delete)
データを暗号化するテクノロジーが組み込まれてい
row size in KB
ます。Oracle Database 11gより以前の Oracle データ
ベ ースで は、Transparent Data Encryption(TDE)
LONGs (9.2,10.2)
LOBs (10.2,11.2)
Securefiles 11.2
を使用した列単位の暗号化やクライアント・サーバー
(SAP アプリケーション・サーバー)でのネットワー
ク暗号化などのセキュリティ機能を提供していまし
た。
追加された暗号化機能
BR*Tools によるOracle Database 11g のサポート
Oracle Database 11g の Advanced Security Option
バージョン 7.20 以降、BR*Tools は、Oracle Database
(ASO)に含まれるRMAN バックアップの暗号化を使
用すると、バックアップからデータを読み取る(盗む)
ことはできません。
さらに、エクスポート・ファイルや非
構造化 LOBデータも、それぞれ Oracle Data Pumpと
11g Release 2 が提供する新機能をサポートしてい
るため、既存のシステムへの実装も非常に簡単です
(SAP Note 1430669 を参照)。
特に、次の操作が実行可能です。
SecureFile暗号化を使用すると簡単に暗号化できます。
・ BRSPACE は、オンライン再編成の特別なオプショ
Data Guard によるセキュアなネットワーク転送
ンを提供します。
これを使用すると、新しい OLTP 表
Data Guard はセキュアな環境を提供し、REDO デー
圧縮を有効にできます。
タをスタンバイ・データベースに転送する際の改ざ
んを防止します。REDO データのセキュアな転送を有
・「古い LOB」(データ型 LONGまたは LOB)を「新
しい LOB」
(データ型 SecureFiles)に変換する際に、
効にするには、Data Guard 構成の各データベースで
BRSPACEでは再編成機能「tbreorg」の中で新しい
パスワード・ファイルを使用するように設定します。
さ
アクション「lob2lob」を使用できます。
らに各システムの SYS ユーザーのパスワードを同一
に設定します。
・ パッチ 3 以降、BRSPACE 7.20 は Oracle Database
10g で も、Oracle Database 11g と 同 様 の 索 引
圧 縮 の 管 理 を サ ポ ートして い ます(SAP Note
より強固なセキュリティ – Database Vault
1464156 を参照)。
Oracle Database Vaultも、SAPアプリケーションとの
・ BRSPACE を使用すると、表領域を新規作成する場
併用が認定されています。Oracle Database Vault を
合に、表領域レベルで圧縮および暗号化の属性を
使用すると、SAP アプリケーション・データベース・
設定できます。属性を設定すると、その表領域内に
オブジェクト周辺に保護レルムを確立し、権限付与さ
作成された(または移動された)表には、表レベ
れたデータベース・ユーザーの機密データへのアク
ルで明示的に設定された属性がない限り、これらの
セスの防止や職務の分掌ができます。
属性が暗黙的に適用されます。
・ BRSPACE は、SAP によって圧縮されたデータを含
む列を識別します。
これにより、追加圧縮による不
要なオーバーヘッドを回避できます。
7
8
テスト結果については、Newsletter No.19
(http://www.oracle.co.jp/sap/newsletters/data/
oracleforsap19.pdf) の 12 ページ以降を参照してく
ださい。
Direct NFS
Oracle Database 11g Release 2 では、オペレーティ
ング・システム・カーネルの NFSクライアントではな
く、Oracle Direct NFSクライアントを使用して NAS
デバイスに直接アクセスするように Oracle Database
を 構 成 で き ま す。Oracle Database は、組 込 み の
Direct NFSクライアントを使用して NFS サーバーの
Real Application Testing(RAT)
ファイルにアクセスすることで、オペレーティング・シ
DBA やシステム管理者は、データベース・リプレイ
ステム・カーネルの NFS によるオーバーヘッドを排
を使用して、テスト環境でオンライン・ユーザーや
除します。
これらのファイルは、オペレーティング・シ
バッチ・ワークロードなど、実際の本番システムの
ステム・カーネルの NFSクライアントからアクセスす
ワークロードを現実に即した状態で正確に再現でき
ることもできるため、シームレスな管理が可能です。
ます。データベース・リプレイを使用すると、本番シ
ステムの全ワークロードを取得して、それを元のワー
SAP 顧客が、Direct NFS から得られるメリットは次の
クロードと同じタイミング、同時実行性および依存関
とおりです。
係に従ってテスト・システムでリプレイできます。こ
れによりシステムの変更を現実的に検証できます。本
番システムそのものの再現は、スクリプトのセットな
どで実行できるものではありません。データベース・
リプレイを使用すると、DBA やシステム管理者は次
のテストを実行できます。データベースのアップグ
レード、パッチ、パラメータ、スキーマ変更など
・NetApp などの NASソリューションのスループット
を改善します。
・複数の NIC を使用するNAS 環境で、データベース・
スループットを最大 50%増加します。
・データベース・サーバーで CPU を最大 20%節約
します。
・単一インスタンスまたはReal Application Clusters
・単一インスタンスからOracle RAC や Oracle ASM
への変換などの構成変更
・ストレージ、ネットワーク、インターコネクトの変更
・変更の前後にSQL 文をシリアルに実行することによ
る、オペレーティング・システム、ハードウェア移行、
パッチ、アップグレード、パラメータ変更の統計
・SQL Performance Analyzer(SPA) は、環 境 の
(RAC)のどちらでも動作します。
・UNIX/Linux および Windows プラットフォームで
動作します。
・高可用性ネットワーク・ソリューションです。
・OSまたは NAS ベースのボンディングまたはトラン
キング・ソリューションと比較して、高速かつ簡単
で可用性があります。
変化による SQL 実行のパフォーマンス問題を予想
・Direct NFSと NAS を 併 用 すると、従 来 の 複 雑 な
し防止します。SQL Performance Analyzer は、環
SANソリューションと比較し高いスループットが得
境の変更が SQL 実行計画に与える影響と、変更前
と変更後に SQL 文を連続的に実行した統計を細
分化して表示します。
られます。
・高速で簡単、他のボンディング・ソリューションよ
り優れています。
・多くの SANソリューションと比較してスループット
オ ラ ク ル /SAP 開 発 チ ー ム は、Real Application
Testing を使用した SAPアプリケーションの包括的テ
ストで、OLTP に対する Advanced Compression の効
果とSAP ERP の DML 操作に対するSecureFiles の効
果を測定しました。
このテストでは、データベース・リ
プレイを使用して、Oracle Database Release 10.2.0.4
SAPデータベースから本番システムのワークロードを
取得しました。次に、圧縮した Oracle Database 11g
Release 2データベースと非圧縮の同一データベース
で、このワークロードを複数回リプレイしました。
が向上しています。
Oracle Database 11g Release 2 for SAP
オンラインでのパッチ適用
安全です。1 つ気を付けなければいけないのは、同
通常の RDBMS パッチは、1 つまたは複数のオブジェ
時に 2 つの Oracle ホーム・ディレクトリを収容する
クト・ファイルやライブラリで構成されています。通
ため十分な空きディスク容量が必要です(詳細は、
常、パッチのインストールでは、RDBMS インスタン
SAP Note 1524205 を参照してください)。
スをシャットダウンし、オラクル・バイナリを再リン
クしてインスタンスを再起動する必要があります。
SAP Bundle Patches(SBP)
アンインストールでも同じ手順が必要です。Oracle
Oracle Database Release 10.2.0.4 以 降、UNIX プ
Database11g から、1 つまたはバンドルのパッチを
ラットフォームの Oracle データベース・パッチは、
完全にオンラインでインストールできるようになりま
SAP Bundle Patches(SBP)の形式で配布される
した。
この方法では、データベース・インスタンスの
ようになりました。SBP は Oracle Patch Set Updates
シャットダウンや、RACまたは Data Guard の構成は
(PSU) を 基 本 にしています。PSU は、推 奨 するバ
必要ありません。OPatch を使用したオンラインから
グ・フィックスと四半期ごとにリリースされるCritical
のパッチ適用では、インスタンスに関連付けられた
Patch Updates(CPU)を含むプロアクティブな集
各プロセスが安全な実行ポイントでパッチを当てる
積パッチです。
コードをチェックし、次にチェック済のコードをプロセ
ス領域にコピーします。
SAP Bundle Patch は、Current Patch Set Update
(PSU)、PSU に含まれ な い SAP 固 有 の 重 要 なシン
スナップショット・スタンバイ
グルおよびマージ・パッチ、現在の SAP 固有のオプ
物理スタンバイ・データベースをレポート・データ
ティマイザ・マージ・パッチ、README.html(SBP
ベースに簡単に変換できます。
レポートを目的として
のインストール・マニュアル)、bugs_fixed.html(SBP
物理データベースを読取り/ 書込みできるようにオー
に含まれるパッチのリスト)で構成されます。SBP
プンし、過去のポイントにフラッシュ・バックして元の
には、これまでのすべてのパッチの集 積と最 新の
物理スタンバイ・データベースに簡単に戻すことが
パッチ、さらに nes パッチが含まれています。顧客は
できます。その後、Data Guard はスタンバイ・データ
MOPatch を使用して、常に最新の SBP を 1 つインス
ベースをプライマリ・データベースと自動的に同期
トールするだけで済みます。
化します。
これにより、NetWeaver BI などの SAP アプ
リケーションのレポート読取り/ 書込みアクティビティ
に物理スタンバイ・データベースを活用できます。
アウトオブプレース・アップグレード
Oracle Database 11g Release 2(11.2.0.2)のパッ
チ・セットは、リリースの当初からOracle Database
ソフトウェアのフル・インストールです。Release 2
以前の Oracle Database のパッチ・セットは、既存
の Oracle ホームのファイルと置換するファイル・セッ
ト で し た。Oracle Database 11g Release 2 以 降、
パッチ・セットは既存のインストールと置換するフ
ル・インストールになりました。
フル・インストールは、オラクルがお薦めするパッチ・
セットの適用方法です。パッチ・セットを新しい個別
の Oracle ホームにインストールします。パッチ・アッ
プグレードをインストール後に、古い Oracle ホーム
からOracle Database を移行します。パッチ・セット
のアップグレードは、1 つのバージョンから別のバー
ジョンにアップグレードする場合と同じ手順になりま
した。オラクルは、アウトオブプレース・パッチ・セッ
トのアップグレードを推奨します。この適用方法で
は、停止時間がより短くなります。
さらに、本番稼動し
ている ORACLE_HOME にパッチを適用しないため
9
10
ORACLE EXADATA FOR SAP CUSTOMERS NOW AVAILABLE!
SAPの ERP/BW(BI)とその他のデータベースを集約し、劇的なパフォーマンス向上をもたらす
Oracle Exadata Database Machineは、極めて拡張性が高くセキュアかつ冗長性の高い、サーバー、
ストレージ、
ネットワーク、
ソフトウェアを組み合わせた完全なパッケージです。Oracle Exadata Database Machineを活用する
ことで、SAPを使用するお客様は、集約によるITコストの削減を実現し、複数の圧縮技術によりさらに大量のデータ
を管理することができ、全てのアプリケーションの性能を向上し、
リアルタイムにより良いビジネスの意思決定をおこ
なうことができるようになります。
Q: Oracle Exadata Database Machine は、なぜ SAPを
使用する企業にとって理想的な最適化ツールなので
しょうか – ユーザー企業にとって、主にどのようなメリッ
トがありますか?
A: Oracle Exadata Database Machine はソフトウェ
アとハードウェアを 1 台の特別な筐体に収納してい
ます。データベース機能とストレージ機能が全て統
合されてシステム・ラック(X2-2 および X2-8)に
収められ、すべての構成要素が協調して動作するよ
うに設 計されています。つまり、
「Hardware and Software, Engineered to Work Together」を実現
しているのです。
有」させないソリューション)
。
- 大規模なデータベースは、複数の RACノードに分散
処理可能
- Exadata は、OLTP、OLAPまたは混在した構成などの
あらゆる種類の負荷に最適
高パフォーマンス、低コストおよび完備されたソリュー
ションの 3 つのポイントを、しばしば 3 脚のイスに例え
ます。
この 3 脚は相互に関連があります。たとえば、パ
フォーマンスが高いとハードウェアの数を少なくするこ
とができ、フロア・スペース、冷房などのコストを削減
できます。導入の初日から完備されたソリューションで
あることは、設定および構成に必要な時間が最小限で
済みます。
つまりコストが削減できるということです。
Oracle Exadata Database Machine は、設置されたま
さにその日から使用できるよう、事前構成済みのシス
テムになっています。
データベースの設置・構築の際
のインテグレーションにかける作業工数、コスト、期
間を削減するとともに、データベース・システムのパ
フォーマンス向上のための作業も大幅に削減します。
Oracle Exadata Database Machine は、工場において
テストが実施され、すぐに使用できる状態で納品され
ます。
さらに、全ての Database Machine が同じ構成を
とるため、オラクルのフィールド・エンジニアおよび
サポートは、マシンの特性と操作を詳細まで理解して
います。お客様は、自社の環境のみで発生する固有の
問題を調査し解決するという必要はありません。
オラク
ル社内にある顧客構成と同じ複製環境でパフォーマン
ス・チューニングとストレス・テストを実行可能なため、
より高いパフォーマンスと品質を確保できます。
Oracle Exadata Database Machine のパワフルな(最
大 64コアおよび 2TB のメモリー搭載可能)サーバー
を使用すると、複数の小規模なデータベースを 1 台の
サーバーに集約することができ、管理性を向上し、リ
ソースの効率化を実現します。
これは、プロセッサを特
定のインスタンスに割り当てることができるOracleイ
ンスタンス・ケージングという新機能を活用すること
も可能です。
(1 つのインスタンスにプロセッサを「占
Q: Oracle Exadata は、SAP を使用する企業のみが対
象とされているのですか。
A: オラクルとSAP は、Exadata および Oracle テクノロ
ジ ー(たとえば、Oracle ASM および Oracle Linux)
の認定で合意しています。SAPを使用するすべての企
業は、Oracle Exadata Database Machine for SAP の
導入によるメリットを得ることができる潜在顧客です。
Oracle Exadata Database Machine の 導 入 により
一番メリットがあるのは、Oracle Database を使用
してサービスを提供している企業か、SAP のような、
Oracle Database を使用したデータベース・ベース
のアプリケーションを使用している企業です。
SAP の 顧 客 の 70 ~ 80 パ ー セントは、SAP 以 外
の目的にも Oracle Database を使用していると推
定されて います。こういった 顧 客 は、特 に Oracle
Exadata Database Machine のメリットを享 受 す
ることができます。
Oracle Exadata は、アプリケーションを問 わず、あ
らゆる種類の Oracle データベースの統合プラット
フォームとして使用できます。多数のデータベースが
プラットフォームを共有している場合、管理コストを
大幅に削減でき、さらに経済性が向上します。
FAQ - Oracle Exadata Database Machine X2 for SAP
関しては、そのニーズにもっとも適したハードウェア
Q: Oracle Exadata Database Machine は、市場におい
の選択を許しています。
てどういったポジションになりますか。
Q: Oracle Exadata Database Machine に代わる方法
A: 昨今の厳しい経済環境において生じる顧客固有
はありますか。
のニーズに対して、オラクルは他社とは異なる立場、
方式で最適化を支援しています。
またオラクルには、
A: Oracle Exadata Database Machine は、市場で
多くのお客様がビジネスの収益を最大化し競争を勝
他社とは全く異なるポジショニングになります。
ち抜くための課題を解決した豊富な経験があります。
繰り返しになりますが、多数の個別コンポーネントと
Oracle Exadata は、データベースを SAP アプリケー
それをインテリジェントな方法で組み合せることで、
ションで使用する場合でもNon-SAP アプリケーショ
Oracle Exadata Database Machine は、他とは異な
ンで使用する場合でも、OLTP、DWH でも複合用途
る 価 値「Hardware and Software, Engineered to
においても、共通インフラストラクチャのメリットを
Work Together」を実現します。
もたらします。また、複数のデータベースを統合す
るプラットフォームとして、データ・センターの効率
Q: Oracle Exadata Database Machine の実装にはど
性を大 幅 に改 善します。まさに、”Cloud in a box”
の程度の作業が必要ですか。
( パッケージ化されたクラウド) なのです。
A: すぐに使用できるということは、
ミッション・クリティ
Non-SAP 用 の Oracle Database と SAP 用 の
カルな環境でデータベースを使用する場合に必要と
Oracle Database を Exadata の上にに集約すると、
なる高コストなインテグレーション作業が必要ないこ
”Database farm”( デ ータベ ース・ファーム ) が 作
とを意味します。Oracle Exadata Database Machine
られます。実際、従来からの全ての SAP 顧客は、複
は、長期間に渡る高コストのプロジェクトを実行する
数の Oracle データベースで複数の SAP アプリケー
必要がなく、短期間で統合および移行できます。
ション・ソリューションを稼 動させています。その
傾向は、ここ数年継続して増加しています。顧客の
一からシステムを構築するには、数週間または数ヶ月
デ ータベ ースで SAP ECC 6.0、SCM、SRM また は
必要です。テストや検証も必要です。Oracle Exadata
NW、BW のうち何が稼動していても、すべての「SAP
Database Machine は、スキーマ構成やチューニング
用 デ ー タ ベ ー ス」を Oracle Exadata Database
を完了してから提供されます。導入に際して、この工
Machine に統合することで、メリットがもたらされ、
程が不要になるため作業時間を 6 ヶ月短縮できるこ
運用の効率性が向上します。このようなデータ統合
とも珍しくありません。
また、ストレージ、オペレーティ
とそのメリットは、SAP の IT インフラストラクチャを
ング・システムおよびデータベースの管理も容易に
使用する顧客にとって優先度の高い最適化です。
なり、ランニング・コストが削減できます。
独自の UNIX ハードウェアと比較して、標準の CPU
を搭載した Oracle Exadata Database Machine を
オラクルとサンの包括的なノウハウ、豊富な経験と確
使用することでコストを節約できます。独自の UNIX
かな知識を具現化したこの独自のソリューションは、
ハードウェアとは異なり、Exadata は新しい要件に
IT を使用して企業のビジネス要件にこたえる最適な
対して将来の互換性を維持しつつテクノロジの進化
サポートを提供します。前述しましたが、
「Hardware
の期待できるハードウェアです。
and Software, Engineered to Work Together.」です。
オラクルは、SAP のアプリケーション・サーバーに
このセットアップによって、企業はハードウェア、ソフ
11
12
トウェア、ストレージおよびネットワーク技術が統合
環境のデータベース市場で、
トップを誇っています。
さ れ た Oracle Exadata Database Machine に アク
セ スで きるだ けで なく、Oracle Exadata Database
Oracle Exadata Database Machine を使 用して、有
Machine の導入 / 実装、移行または運用に至るまで、
益で最高のデータベース・サービスを提供するに
対応するサポート・サービスを利用できます。
は、その中に組み込まれたソフトウェアが重要です。
Q: Oracle Exadata Database Machine の使用す
パフォーマンスなソフトウェア・コンポーネントが統
ることで SAP の顧客はどのようなメリットを得られ
合されている理由はそこにあります。
Database Machine に、最新のインテリジェントで高
ますか。
Oracle Database 11g Release 2 に は、Advanced
A: Oracle Database Machine は、データベースおよ
Compression、Secure Files、Advanced Security、
びデータベース・アプリケーションのために、完全に
Real Application Testing など、多くの機能が搭載さ
統合され高い可用性をもつプラットフォームとして、
れています。Oracle Real Application Clusters(RAC)
すぐに使用できるソリューションです。Exadata for
を使用すると、クラスタ化されたアクティブ - アクティ
SAP を使用すると、ユーザーは多数のシステム・デー
ブ・データベースの使用が可能になります。Oracle
タベースを組み合せ、高度に効率化された一元管理
Enterprise Manager 管理ソフトウェアは、独自のトッ
データ・プールを実装する新しいデータベース・サー
プダウン設計により、極めて低い IT 運用コストで卓越
ビスを利用できます。
したサービス品質を提供します。
Oracle Exadata Database Machine for SAP により、
ま た、Database Machine に は、Oracle Automatic
集約を開始する際や、現在すすめている集約を効率
Storage Management(ASM) を 使 用 する Oracle
良くサポートするために理想的で、その結果、IT のコ
Exadata Storage Softwareが含まれています。Oracle
ストを節約できます。
Automatic Storage Management は、Exadata のファ
イル・システムおよびボリューム・マネージャとして
Oracle データベース集約のビジネス上のメリット:
使用され、Oracle ASM は、複数のデータベースを同
Performance – 広い InfiniBand の管を使用した大
一のディスク・グループで格納および管理できる統
規模な並列グリッド処理により、サーバー間のデータ
合環境を提供します。
転送帯域が増加します。
インテリジェントなソフトウェ
アにより、ストレージ・サーバーに対してデータ集
Exadataを構成するハードウェア、つまりサーバー、ス
中型のクエリ処理の負荷をオフロードします。最新の
トレージ・サーバーおよびネットワークの全てのハー
Intel Xeonプロセッサ、DDR3メモリー、SASドライブ
ドウェアが完全に冗長化され、どのコンポーネントに
および Smart Flash Cache を使用します。
障害が発生しても、システム全体で稼動を維持します。
Complete – ハードウェア、ソフトウェアおよびネット
SAP は、SAP 環 境 か ら Oracle Exadata Database
ワーク・コンポーネントを構成済で出荷します。標準
Machine を管理(モニタリング)および制御するた
の構成と業界標準のハードウェアを使用。Oracleデー
めに、BR*Tools や Solution Manager などのユーティ
タベースおよびオプション(Oracle RAC およびパー
リティおよびツールを拡張する予定です。
ティション化など)が稼働。
詳 細 は、SAP Note 1590515 – SAP software and
OLTP のパフォーマンスについては、大幅な改善が
Oracle Exadata をご参照ください。
期待されます。現在、測定とテストを実施中です。SAP
BI/BW の場合、Smart Scans などの機能を使用して
さらに 詳 細 な 情 報 や ベ ストプ ラティス は、SDN(
いないにも関わらず、Exadata を使用した方が従来の
https://www.sdn.sap.com/irj/sdn/ora ) にあるホワイト
BW 環境よりパフォーマンスが大幅に向上します。
ペ ー パ ー ”Using SAP NetWeaver with the Oracle
Exadata Database Machine” を参照下さい。
Oracle Exadata Database Machine を 使 用 す る と、
TCOを削減すると同時に、次のメリットがあります。最
高のパフォーマンスおよびスケーラビリティ、高い配置
柔軟性、最高の可用性、大規模データベースに対する
最高のサポート、最高のデータベース・セキュリティ、
および最高の管理性と自己管理機能。
オラクルは SAP
Runs Oracle
10x Faster
*
The World’s Fastest
Database Machine
• Hardware by Sun
• Software by Oracle
* But you have to be willing to
spend 50% less on hardware.
10x faster based on comparing Oracle data warehouses
on customer systems vs. Oracle Exadata Database Machines.
Potential savings based on total hardware costs. Oracle Database
and options licenses not included. Actual results and savings may vary.
Copyright © 2010, Oracle and/or its a affiliates. All rights reserved. Oracle and Java are registered trademarks of Oracle and/or its affiliates.
14
ORACLE CLOUD FOR SAP
SAP顧客が使用できるOracle Automatic Storage Management(ASM)
とASM Cluster File System(ACFS)
Clusters(RAC) 上で実 行する SAP システムや、単
はじめに
Oracle Real Application Clusters 10g Release 2
および Oracle Database 11g Release 2 for SAP は、
SAP アプリケ ーション が 対 応 するす べ ての 認 定
プラットフォーム(HP-UX、AIX、Sun、Windows およ
び Linux)で、規模を問わず多数の SAP 顧客に実装
されています。Oracle RAC に必要な基盤の共有クラ
スタ・ファイル・システムは、プラットフォームおよび
オペレーティング・システム(HP-UX の HP Service
Guard Cluster File System、Sun の Sun QFS、Linux の
Network Appliance NFS および LinuxとWindows の
OCFS)に応じて使用されてきました。
最適なストレージ・プラットフォームになりました。
SAP顧客は、Oracle Cloud File Systemを使用して、
Oracle Database フ ァ イ ル、Oracle Clusterware
ファイル、Oracle および SAP カーネル・バイナリ、
外部ファイル、テキストファイルなどの非構造化汎
用データを含むすべてのデータを管理できます。
Automatic Storage Management(ASM)の概要
Oracle ASM は、単 一 イ ン ス タ ン ス の Oracle
Database と Oracle Real Application Clusters
構成をサポートする Oracle データベース・ファイ
Oracle Databease の Automatic Storage
Managementを補完する
「Oracle Cloud File System」
は SAP により認定されています。
これは、Oracle バー
ジョン 11.2.0.2 の Oracle 単一インスタンスとOracle
Real Application Clusters(Oracle RAC)で 認 定さ
れました。
Oracle Cloud File System には、次が含まれます。
・ Oracle Automatic Storage Management(ASM)
・ Oracle Automatic Storage Management Cluster
File System(ACFS)
・ Oracle Automatic Storage Management Dynamic
Volume Manager(ADVM)
ル のボリューム・マネージャおよびファイル・シ
ステムです。Oracle ASM は、オラクル が 推 奨する
Oracle RACと Oracle 単 一インスタンス上で実 行
する SAP のストレージ管理ソリューションで、従来
のボリューム・マネージャ、ファイル・システムお
よび RAW デバイスに代わる機能です。
ASM は、Oracle データベース・ストレージの総所
有コストを低減し、ストレージ使用率を増加すると
共に従来のファイル・システムおよびボリューム管
理ソリューションのパフォーマンスと可用性を改善
します。ASM は、従来のファイル・システムより管
理が容易で、RAW ボリュームに匹敵するパフォー
マンスを発揮します。オラクルのストレージ・グリッ
Oracle Cloud File System のこれら 3 つの主要コ
ンポ ーネントは、デ ータベ ースと汎 用ファイル の
総 合 的な基 盤 構 築のみでなく、クラスタおよび 単
一ノードのサーバー構成のインフラストラクチャも
構築できます。Oracle Grid Infrastructure は、ボ
リューム、ファイル・システムおよびクラスタ構成
の管理を簡素化し合理化します。そのため複数の
サード・パーティ製ソフトウェアのレイヤーも不要
で、簡単で、コストもかかりません。
ドの基礎を形成する Oracle Databaseと強固に統
合できます。
また、Oracle ASMはOracleデータベー
ス・ファイル の 管 理 に、サード・ パ ーティ製 のボ
リューム・マネージャやファイル・システムを必要
としません。
Oracle ASM は、ディスク・グループを使用してデー
タファイルを格納します。Oracle ASM のディスク・
グループは、Oracle ASM がユニットとして管理す
るディスクのコレクションです。Oracle ASM は、1
Oracle RACを使用するSAP 顧客は、Oracle Database
Release 10.2 ClusterwareをベースにSAPCTL(SAP
Control)を使用して、作業の複雑さの緩和とコスト
の削減を実現すると同時に、SAP サービスの可用性も
向上します。
しかもサード・パーティ製のフェイルオー
バー・ソフトウェアも必要ありません。
Oracle Database 11g(11.2.0.2)
一の Oracle Database 上で実行する SAPシステムの
以
降、Oracle
Cloud File System は、Oracle Real Application
つのディスク・グループ内に Oracle データベース・
ファイルのファイル・システム・インタフェースを
配置します。ディスク・グループに格納されたファイ
ル・コンテンツは均等に分散されるため、ホット・
スポットを解消しディスク全体のパフォーマンスを
均一に保持します。このパフォーマンスは、RAW デ
バイスのパフォーマンスに匹敵します。
Oracle Cloud for SAP
データベースがディスク・グループのファイルにア
Management ツールを使用します。Oracle ACFS に
クセス中でも、ディスク・グループからディスクの追
は、業界標準のネットワーク接続ストレージ(NAS)
加または削除ができます。ディスク・グループから
ファイル・アクセス・プロトコルであるネットワー
ディスクが 追 加または削 除されると、Oracle ASM
ク・ファイル・システム(NFS) および Common
は自動的にファイル・コンテンツを再分散します。
Internet File System(CIFS)を使用してアクセス
コンテンツの再分散に必要な停止時間も必要あり
できます。
ません。
Oracle ASM の ボリューム・ マ ネ ージャ機 能 は、
サーバーベースの柔軟なミラー化オプションを提
供します。Oracle ASM の標準および高冗長性ディ
スク・グル ープは、それぞ れ 双 方 向と三 方 向のミ
ラー 化を可 能 にします。Oracle ASM ファイル は、
RAW ディスクやサード・ パ ーティ製 のファイル・
システムなど他のストレージ管理オプションと共存
できます。この機 能により、Oracle ASM を既 存の
環境に容易に統合できます。
Oracle ASM Cluster File System(ACFS)の概要
Oracle 11g Release 2 以前の Oracle ASM は、Oracle
データベース・ファイル専用のボリューム・マネー
ジャおよびファイル・システムでした。現在、オラク
図1
ルの顧客は単一の統合ソリューションを活用するこ
とができます。これまでのように、システム・インテ
Oracle ACFS のファイル・システムは、図 1 に示す
グレータとして組織内でさまざまなベンダーの異な
ように、Oracle ASM ストレージを使用した Oracle
るソフトウェア・レイヤーを統合する複雑な作業は
ASM の 最 上 位 レ イ ヤ ー で す。Oracle ACFS は、
必要ありません。Oracle ASM、Oracle ACFS および
Oracle ASM の機能を使用して次を可能にします。
Oracle ADVM は、Oracle Database、Oracle RAC、
Clusterware および他のテクノロジーと強固に統合
・ Oracle ACFSの動的ファイル・システムサイズを変更
され、Oracle Database を実行する SAP 顧客に包括
・ Oracle ASMのディスク・グループ・ストレージへの
的で実証済のソリューションを提供します。
直接アクセスにより最大限にパフォーマンスを向上
・ Oracle ACFSを Oracle ASM のディスク・グループ・
Oracle Automatic Storage Management Cluster
ストレージに均等に分散することにより、I/O のパラ
File System は、マ ル チ プ ラットフォー ム 対 応 の
レル化を改善
スケ ーラブ ル なファイル・システムで す。Oracle
Automatic Storage Management の 機 能 を 拡 張
したストレ ージ 管 理テクノロジ ーで、Oracle デ ー
タベースの外部にある顧 客のファイルをサポート
し ま す。Oracle ACFS は、Oracle Clusterware テ
クノロジ ーと 密 接 に 連 携し、Clusterware のクラ
スタ・メン バ ーシップ の 状 態 遷 移 および Oracle
Clusterware のリソースベースの 高 可 用 性(HA)
管 理 を 直 接 共 有できます。また、Oracle のインス
トー ル、構 成、検 証 お よ び 管 理 ツ ー ル も Oracle
ACFS をサポートするように更新されています。
Oracle ACFS のアクセス や 管 理 には、ネイティブ
なオペレ ーティング・システムのファイル・シス
テム・ツール や 標 準アプリケーション・プログラ
ミング・インタフェース(API) が 使 用できます。
Oracle ACFS の設定や管理は、Oracle Enterprise
・ Oracle ASMのミラー化保護機構によるデータ信頼性
15
16
Oracle ADVM イ ン タ フェ ー ス か ら 見 て、Oracle
Automatic Storage Management Cluster File
System(Oracle ACFS) は、Oracle ASM の上 位レ
イヤーにあります。Oracle ADVM を追加することに
より、Oracle ASM はデータベースのユーザー・デー
タだけでなく、データベース以外のユーザー・デー
タの完全なストレージ・ソリューションになります。
Oracle Database 11g Release 2 ASM への SAPデー
タベースの移動
SAP 顧客は、データベースを ASM に移動できます。
Oracle ASM Dynamic Volume Manager(ADVM)
の概要
Oracle ASM Dynamic Volume Manager( Oracle
ADVM)は、クライアントにボリューム管理サービ
スと標準ディスク・デバイス・ドライバ・インタフェー
スを提供します。ファイル・システムや他のディス
クベースのアプリケーションは、ベンダー・オペレー
ティング・システム上の他のストレージ・デバイス
と同様に、Oracle ADVM のボリューム・デバイス
に I/O 要求を送信します。
Oracle ADVM のボリューム・デバイスは、Oracle
ASM の 動 的 ボリュー ムで 構 成 され ま す。Oracle
ASM の 各 デ ィス ク・ グ ル ー プ 内 で は、Oracle
ADVM のボリューム・デバイスを 1 つまたは複数
設 定 で き ま す。Oracle ADVM Driver は、Oracle
ADVMのボリューム・デバイスに対するI/O要求を、
対応する Oracle ASM の動的ボリューム内のブロッ
クと Oracle ASM ディスク・グループ内にあるディ
スク・ セットにマッピングします。Oracle ADVM
のボリューム・デバイスは、Oracle ASM Volume
Manager 機 能をエクスポートし、システムの異 常
停 止、Oracle ASM インスタンスの障 害、システム
障害などが発生した場合も、ミラー化したボリュー
ムの一貫性を維持します。
Oracle ADVM は、Oracle ASM の ボ リ ュ ー ム・
ファイルとして割り当てられた Oracle ASM のスト
レージのディスク・ドライバ・インタフェースを提
供 することで、Oracle ASM を拡 張します。Oracle
ADVM を 使 用 すると、ファイル・システムを 含 む
仮 想 ディスクを 作 成 できます。Oracle ASM の ボ
リュームに含まれるこれらのシステム・ファイルは、
Oracle データベース・ファイルだけでなく、実行可
能ファイル、レポート・ファイル、トレース・ファイル、
アラート・ログなどのアプリケーション・データ・ファ
イルをサポートします。Oracle ADVM のボリューム
は実質的に Oracle ASM のファイルのため、Oracle
ASM ファイルと同じ管理権限が必要です。
ASM は、RAC および単一インスタンス上で実行さ
れる SAP システムに最 適 なストレ ージ・プラット
フォームです。
顧客は、現在のファイル・システムを簡単に ASM/
ACFS/ADVM に 移 行 で き ま す。http://www.
oracle.com/sap、http://www.oracle.co.jp/sap、
http://www.sdn.sap.com/irj/sdn/ora、お よ び
SAP Note 1550133 に記載されたベスト・プラク
ティスを参照してください。これらのホワイト・ペー
パーを参照した移行方法は、次のように簡単に説
明することができます。
・ Oracle ASMディスク・グループ構成
・ Oracle Gridインフラストラクチャの導入
・ Oracle Database 11g Release 2 および最初のパッ
チ・セット(11.2.0.2)のインストール
・ ソース・システムとターゲット・システムの構成
・ OSプラットフォームを変更しない場合や、ソース・
システムとターゲット・システムが同一のエンディ
アンを使用している場合は、RMANで「アクティブ・
データベースから複製」してオンラインでデータ
ベースを移行
・ プラットフォームを変更する場合は、RMANで「トラ
ンスポータブル表領域」またはエクスポート/ イン
ポート、または Oracle GoldenGate をベースにした
Triple O を使用して、オフラインでデータベースを
移行(同種移行にも使用可能)
・ 移行プロセスの詳細は、前述のホワイト・ペーパー
を参照してください。
Experts Say
Exadata
“Stunning”
“A screamer”
“Performance boost
of up to 300x”
“Wiped the floor with
Netezza/Teradata”
Customer Quotes in
Piper Jaffray Report, 10/19/10
oracle.com/exadata
Individual results depend on a number of factors and actual
results may vary. 300x performance gain customer reported .
Copyright © 2010, Oracle and/or its a affiliates. All rights reserved. Oracle and Java are registered trademarks
18
SAPアプリケーションの実行を改善する完全な
インフラストラクチャ・スタックの提供
SAP アプリケーションのための完全なスタック
Oracle Sun ストレージ
オラクル の Sun ストレ ージ は、業 界 でもっともパ
フォーマンスが優れ、コスト効率が良く、管理の容
易なストレージ・ソリューションの製品群を提供し
ます。これらの製品は、オラクルのデータベース、ア
プリケーション、異種データ管理におけるパフォー
マンスの最適化と最大限のデータ保護に加え、総
所有コストの削減を実現します。
Sun Unified Storage(OpenStorage)
オラクルの Sun Unified Storageシステムは、ストレー
ジの分析および管理テクノロジーにより、革新的なス
オラクルの完全かつオープンで統合された製品戦
トレージ・アーキテクチャとファイル・システムを結
略は、顧客の IT インフラストラクチャ全体に柔軟性
合し、最高のパフォーマンスと価値を実現します。
と選 択 肢を提 供します。現 在、オラクルは、サンの
サーバー、ストレージ、オペレーティング・システム、
StorageTek テープ・ストレージ
仮 想 化テクノロジー、データベース、ミドルウェア
データの量も重要性もオンライン・リソースやバッ
および管理ツールを採用し、完全なテクノロジー・
クアップ期間が対応できないほど増大しつつある
スタックを提供できる唯一のベンダーです。このス
今、オラクルの実証済の StorageTek テープおよび
タックの各層は、単一のシステムとして連携動作す
ライブラリ・ソリューションは、その複雑さを管理し、
るように統 合されています。オラクルのオープン・
コストを抑えてサービス内容合意書どおりのサービ
アーキテクチャと複数のオペレーティング・システ
スを提供することを支援します。
ム・オプションによる、高いシステム可用性、スケー
ラビリティ、エネルギー効率、優れたパフォーマン
Sun ストレージ・ソフトウェア
スおよび低い TCO などは、顧客に他では得ること
オラクルの包括的なストレージ・ソフトウェア・ス
のできないメリットをもたらします。
イートは、デ ータの 増 大 を 効 率 的 に管 理し、スト
レージ・ハードウェアへの投資を最適化して、スト
Sunフラッシュ・ストレージ
レージ管理のコスト削減と複雑さを緩和します。
オラクルの Sun フラッシュ製品をあらゆる種類のブ
レード、ラックマウントおよびスケーラブルなサー
Sun ストレージ・ネットワーキング
バー製品で使用すると、データベース・アプリケー
優れた I/O 接続を求めるエンタープライズ顧客に、
ションのフル活用、ビジネスの応答時間の改善、生
オラクルは現在の市場でもっとも高速でコスト効率
産性の向上が実現します。
の高いホスト・バス・アダプタ、スイッチ、ディレク
タおよびルータをお薦めします。
Sun ディスク・ストレージ
オラクルの Sun ストレージ・ファイバ・チャンネル・
Oracle Sun Server
アレイは、あらゆる規模で拡張できる、ミッション・ク
オラクルが提供するミッション・クリティカルなサー
リティカルな Tier 1 ストレージを提供します。電力、
バー製 品 群は、画 期 的なパフォーマンス、簡 素 化
スペース、冷却の要件を抑制しつつ、サイトとアプリ
された管理、コスト削減効果に優れた効率性を実
ケーション固有のニーズに応じたカスタマイズで高
現します。オラクルのシステムは、Oracle Solaris、
度なアプリケーション・パフォーマンスを達成します。
Oracle Enterprise Linux、Oracle VM、その他の
主要な OS プラットフォームや仮想プラットフォーム
を高いパフォーマンスと効率で実行できるように最
適化されています。
Oracle – 完全な IT インフラストラクチャ・スタック
Sun x86 サーバー
オラクルは、アプリケーションからディスクまでが緊
密に統合された x86 クラスタ・システムを提供で
きる唯一の企業です。オラクルは、最善のコンポー
ネントを使用して、IT インフラストラクチャの導入、
管 理およびサポートを大 幅に簡 素 化すると共に、
比類のないパフォーマンスとスケーラビリティを実
現します。
Sunブレード・サーバー
オラクル の Sun Blade モジュラー・システム は、
x86 および SPARC ベースの堅牢なサーバー、スト
レ ージ、そして高 度 なネットワーキング 性 能を 統
仮想化
合し、複 雑で動 的に融 合した IT ワークロードをサ
デスクトップからデータ・センターまで、業界でもっ
ポートします。単一のシステム管理インタフェース
とも包 括 的な仮 想 化ソリューション製 品を提 供で
から制御され、バランスのとれた Sun Blade 6000
きるのは、オラクルのみです。これらの製品を使用
シャーシのアーキテクチャが、仮想化と統合に対応
すると、アプリケーションからディスクまで、ハード
した標準ベースのオープンなインフラストラクチャ
ウェアおよびソフトウェアの全スタックの仮想化と
と、エンタプライズ・クラウドの導入を実現します。
管理ができます。
Sun SPARC Enterprise サーバー
仮 想 化による統 合は、エネルギー、設 備および 人
Oracle Solaris 上 で 稼 動 す る オ ラ ク ル の Sun
件費のコストを削減できます。この他に、オラクル
SPARC Enterprise サーバ ーは、最 高レ ベル の 可
の仮想化ソリューションは、次のようなメリットがあ
用 性、スケーラビリティ、管 理 性 が 求められるミッ
ります。
ション・クリティカル なアプリケ ーション に 最 適
で す。Sun SPARC Enterprise サ ー バ ー・ ファミ
リのシステム は、同 時 ユ ー ザ ー の 多 い Web アプ
・完全に最適化、統合されたハードウェアとソフト
ウェアによる仮想化ソリューション
リケーション から複 雑 な エンタープライズ・アプ
・アプリケーションからディスクまでを統合管理
リケーションやデータ・ウェアハウスまで、あらゆ
・ソフトウェアをすばやく簡単に配置
るアプリケーション 層で最 適 なパフォーマンスを
・IT の効率性、敏捷性および柔軟性を改善
達 成できるように設 計されています。Sun SPARC
Enterprise サ ー バ ー は、複 雑 な 多 層 アプリケ ー
オラクル の 誇るサポ ート部 門 が、スタック全 体 か
ションのニーズ に対 応 することを想 定して設 計さ
ら包 括 的 な エンタープライズクラス の 仮 想 化ソ
れています。このサーバーには、次の 2 つのシリー
リューション製品を選択する顧客をバックアップし
ズ があります。同 時 ユ ーザ ー 数 の 多 いアプリケー
ます。
ション向けに Chip Multi-threading(CMT)テク
ノロジーを採用した Sun SPARC Enterprise T シ
サーバーの仮想化
リーズと、メインフレーム・クラスの処理能力と可
Oracle VM Server for x64
用性が求められる複雑な処理向けの Sun SPARC
Oracle VM は、オラクル はもちろ ん のこと、オラ
Enterprise M シリーズです。
クル 以 外 の アプリケ ーション を 完 全 に サ ポ ート
し、より効 率 的 なパフォーマンスを提 供 するサー
Sun ネットワーキング製品
バ ー 仮 想 化ソフトウェアで す。オラクル の 誇るサ
オラクルのイーサネット、InfiniBand およびファイ
ポ ート部 門 は、仮 想 化 環 境 全 体 の 企 業 規 模 のサ
バ・チャンネル製品は、高度なネットワーク機能を
ポートをシングル・ポイントで顧客に提供します。
提供し、生産性の向上、総保有コストの削減、およ
対 象 は、Oracle VM によって 認 定 され た Oracle
び新規ビジネス・サービスの実現などを根本から
Database、Fusion Middleware、アプリケ ーショ
支えます。
ンおよび Linux です。
19
20
Oracle VM Server for SPARC
広範なミッション・クリティカルなワークロードに対
Oracle VM Server for SPARC( 旧 名 Sun Logical
して、
システムの CPU、
メモリー、I/Oおよびネットワー
Domains) は、Chip Multi-threading(CMT)テク
ク・リソースを最適化します。
ノロジーにより、効率の高い企業規模の仮想化機能
を Sun SPARC Enterprise サーバ ーに提 供します。
ZFS、DTrace、予 測 的な自己 回 復(Predictive Self
Oracle VM Server for SPARCと他の仮想化テクノロ
Healing)など通じて、Oracle Solaris の確かな信頼
ジーとの違いは、CMTアーキテクチャの大規模スレッ
性に支えられた組込みフォルト・トレランス機能を
ド・スケールの利点を生かして、単一のシステムに
提供します。Oracle Solarisを使用すると、インフラス
最大 128 の仮想サーバーを作成できることです。
し
トラクチャのコストとリスクを削減しつつ、システムと
かも、追加費用なしで利用できます。
サービスの可用性が向上します。Oracle Solaris は、
もっとも完全な一連の信頼性機能を提供し、1 つの
Solaris Containers による OS 仮想化を使用すると、
プロセッサ・システムから数百のプロセッサとコアの
サーバーごとに 1 つのアプリケーションを配置する
システムまで、あらゆる規模のデータ・センターの信
モデルを維持しながら、同時にハードウェア・リソー
頼性を向上させます。
スを共有できます。Oracle Solaris 10 オペレーティ
ング・ システム の 主 要 部 分 で ある Oracle Solaris
Oracle Linux
Containers は、柔軟なソフトウェア定義による境界を
Oracle Linuxとオラクルの Unbreakable Enterprice
使用して、ソフトウェア・アプリケーションおよびサー
Kernel の組合せは、市場におけるLinux の新機軸で
ビスを分 離し、単 一インスタンスの Oracle Solaris
す。エンタープライズ・アプリケーションで最高のパ
10 OS 内に多数のプライベートな実行環境を作成で
フォーマンスと高度なスケーラビリティ、信頼性を実
きます。各環境は固有の ID を持ち、仮想化されない
現します。
ハードウェアとは分離され、あたかもそれぞれのシス
次のような特徴があります。
テムで実行されているかのように動作します。そのた
め、簡単かつ安全に統合することができます。
・高 速 – Red Hat 5と互 換 性 のあるカーネルでの
OLTP パフォーマンス・テストで、75%を超えるパ
Oracle Solaris 10 の高度な機能を使用し、複数のア
フォーマンスの向上を実現。InfiniBand のメッセー
プリケーションを安全に 1 つのシステムに統合する
ジングではスピードが 2 倍になり、ソリッド・ステー
と、使用率が向上します。最新システムの Containers
ト・ディスクへのアクセスは 137%高速化
で Solaris 8、Solaris 9、Solaris 10 のアプリケーショ
・最新 – 大規模サーバー向けに最適化、電力管理と
ンを実行すれば、電力、スペース、冷却、管理および
エネルギー効率の向上、CPU やメモリー・リソー
サポートのコストが削減できます。
スのきめ 細 か い 管 理、安 定したメインライン の
Linuxカーネル 2.6.32 から開発
デスクトップの仮想化
・高 い 信 頼 性 – Data Integrity Extensionsと T10
・Oracle Virtual Desktop Infrastructure(VDI)
Protection Information Model がサポートされ、
・Oracle Secure Global Desktop
アプリケーション稼働時間が向上
・Sun Ray
・Oracle VM Virtual Box
・オラクル製品に最適化 – オラクルのハードウェア、
データベース、ミドルウェアで実行するために開発
されテスト済。すべてのエンタープライズ・アプリ
ストレージの仮想化
ケーションに推奨
・Oracle Sun Storage Virtualization
・Oracle Automatic Storage Management
Oracle Database for SAP
・Oracle Exadata
Oracle Database 11g Release 2 Enterprise
・Oracle VM Storage Connect
Edition は、業 界 最 高 の パ フォー マン ス、ス ケ ー
ラビリティ、セキュリティおよび 信 頼 性を 提 供し、
オペレーティング・システム – Oracle Solaris
Windows、Linux および UNIX を実行するクラスタ・
Oracle Solaris は、データ・センター、開発者および
サーバーまたは単一サーバーで使用できます。
サービス・プロバイダにとって最高のエンタープラ
イズ OS です。最高のパフォーマンスとスケーラビリ
ティを提供するように設計された、Oracle Solaris の
パフォーマンスとスケーラビリティは業界随一です。
Oracle – 完全な IT インフラストラクチャ・スタック
もっとも要求の厳しいトランザクション処理、ビジネ
Oracle 10.2.0.4 以降のみに適用します。つまり、新
ス・インテリジェンスおよびコンテンツ管理アプリ
しい Oracle RAC インストールでは、この要件を満た
ケーションを簡単に管理できる包括的機能を提供し
す必要があります。既存の RAC 顧客(Oracle 9.2 お
ます。Oracle Database 11g Release 2 Enterprise
よび Oracle 10.2)は、継続してインストールのフル・
Edition には、世界最高のデータベースを拡張する
サポートを受けることができます。Oracle RAC の GA
オプションが幅広く用意されています。顧客のビジネ
ステータスは、SAP から公式の承認を受けなくても、
スを成長させ、顧客の大切なユーザーが求めるサー
本番の SAPシステムで Oracle RAC を使用できること
ビス・レベルのパフォーマンス、セキュリティおよび
も意味します。ただし、SAP Note 527843 で指定さ
可用性に対応することができます。
れた、認定済のクラスタ・コンポーネントとSAP の製
品バージョンのみで使用できます。
この Note で認定
Oracle Database 11gRelease 2 で使用する SAP
済のクラスタ・コンポーネントとSAP 製品のリストの
SAP は、SAP Kernel 6.40、7.x 以上で稼動する SAP
詳細を確認してください。
製品で Oracle Database 11g Release 2 をサポート
しています。Oracle Database 11g(単一インスタン
Oracle Exadata: Sun Oracle Database Machine
ス) および Oracle Real Application Clusters 11g
Sun Oracle Database Machineは、
データベース・ワー
for SAP は、主要なプラットフォーム、UNIX(Solaris、
クロードの種類を問わず世界最速のパフォーマンス
HP-UX お よ び AIX)、Linux お よ び Windows で 使
を発揮する、トランザクション処理アプリケーションの
用 できます。OS バ ージョン に 関 する詳 細 は、SAP
実行が可能な唯一のデータベース・マシンです。
ソフ
Note 1398634 を 参 照してくだ さい。Oracle Real
トウェア、サーバー、ストレージ、ネットワーク機能か
Application Clusters 11g の SAPリリースは、SAP 環
らなる完全なパッケージで、データ・ウェアハウスや
境の Oracle Database 11g の一般リリースと同時に
トランザクション処理、アプリケーション混合型の統
おこなわれました。Oracle RAC サポートの詳細は、
合ワークロードなど、あらゆるデータ管理に対応して
SAP Note 527843を参照してください。
リリース済の
います。また、Sun Oracle Database Machine にはオ
RAC 構成に関する重要な詳細が記載されています。
ラクルの新しい Sun FlashFire テクノロジーが搭載さ
Oracle Database 11g Release 2 は、2 層 構 造 の
の応答時間とスループットを劇的に改善します。Sun
れ、
「ホット」データをキャッシュしてトランザクション
SAP Business Intelligence-Data Mart(BI-D) 標
Oracle Database Machine を使用すると、社内のデー
準アプリケーション・ベンチマークの結果で世界記
タベース・アプリケーションをすべて統合する、デー
録を達成し、優れたパフォーマンスを実証しました。
タ格納量を最大 10 倍に増強する、データ検索処理を
最大 10 倍に高速化する、ビジネス上の意思決定を迅
SAP 顧 客 向 け の 主 な 新 機 能 に は、Advanced
速化するといったことが、アプリケーションの変更なし
Compression(表、索引、SecureFiles およびバック
でリアルタイムでおこなえるようになります。
アップ 圧 縮 )、Real Application Testing、オンライ
ンでのパッチ適用、非同期セグメントの作成、索引
オラクル の 業 界 標 準 である Sun ハ ードウェアに、
のみの列追加、サブおよびインターバル・パーティ
Oracleスマート・ストレージ・ソフトウェアを搭載し
ショニング、Direct NFS、高度なセキュリティ(表領
た Oracle Exadata Storage Servers は、業 界 最 高 の
域、SecureFile およびバックアップ暗号化)、および
データベース・ストレージ・パフォーマンスを約束
Database Vault などがあります。
します。大規模パラレル・アーキテクチャを使用した
Oracle Database 11g Release 2 お よ び Real
サーバーとストレージ間の帯域幅を飛躍的に拡大さ
Oracle Exadata Storage Servers は、データベース・
Application Clusters 11g が提供する新機能を実装
せ、従来型ストレージの制限を克服しました。
さらに、
する方法は、Oracle Services and Support for SAP
スマート・ストレージ・ソフトウェアは、負荷がかか
が提供する一連のテクニカル・ホワイト・ペーパー
る問合せ処理を、Oracle Database 11g サーバーから
と、テクニカル・スキル・ワークショップの詳細を参
オフロードし、データのより近くで問合せ処理を実行
照してください。
します。
この方法は、より高い帯域幅の接続を使用す
Oracle RAC for SAP の General Availability
くなります。
この大規模パラレル・アーキテクチャは、
2009 年 1 月 1 日 か ら、Oracle RAC は SAP シ ス テ
リニア・スケーラビリティとミッションクリティカルな
ムと併用する「General Availability(GA)」サポー
信頼性も提供します。
るデータの移動が減少し、パラレル・データ処理が速
ト・ステータスを開始しました。GA スタータスは、
21
22
ミドルウェアとシステム管理
IT 管理
Oracle Enterprise Manager 11g は、IT 組 織 の IT
セキュリティおよび Oracle ID 管理
管 理 投 資 額 に対 する 149 % の 投 資 収 益 率 の 達 成
Oracle Solaris の機能とオラクルのミドルウェア・ツー
を支援すると同時に、顧客からIT 組織に報告され
ルは共に、SAP 顧客の環境の安全な運用、ユーザー
る問題の 80%を解決します。オラクルとサンは、オ
とサービスのプロビジョニング、日常業務で発生する
ラクル の Enterprise Manager Ops Center と SAP
リスクの回避を支援します。次に例を示します。
Adaptive Computing Controller(ACC)を統合し、
SAP 顧客が Oracle Sun IT 層の SAP ランドスケープ
・厳しいアクセス・コントロー ル 要 件を 満たす –
の配置と構成をより簡単にできるようにしました。
Oracle Solaris の使用により、政府機関や金融機
関に求められる厳しい必須アクセス制御を提供
Ops Center による Sun ハードウェアの効率的管理
Oracle Enterprise Manager Ops Center は、サン
信頼できる拡張機能
の物 理 / 仮 想インフラストラクチャ(Sun Server、
・システム・セキュリティの検 証 - Oracle Solaris
Oracle Solaris オペレーティング・システム、Solaris
Secure Executionおよびファイル検証機能を使用
および SPARC 仮想化テクノロジーなど)を管理する
して、システムの整合性を検証
ための、もっとも包括的なソリューションです。また、
・適切な権限の委任 – ユーザーおよびプロセス権
限管理に必要な権限を制限してリスクを軽減
オラクル、Red Hat、SUSE からLinux オペレーティン
グ・システムを管理することもできます。
・管理が容易 – オープンな標準の Oracle Solaris
暗号化およびキー管理フレームワークを使用した
Ops Center では、充実したライフサイクル管理機能
ファイルとネットワークの暗号化
と組込み型の自動化機能によって、IT オペレーショ
・強 力 な 防 御 の 確 保 – Secure By Default ネット
ンの効率を劇的に改善できるだけでなく、システム
ワーク・プロファイル、IPフィルタ・ファイアウォー
の停止時間も短縮します。Ops Center の優れた構
ル、TCP ラッパーおよび IPsec/IKE を使用して、シ
成 / パッチ管理機能により、システムを正確かつ最
ステムを攻撃から防御
新に保ち、データ・センターのセキュリティとコンプ
ライアンスが向上します。
Oracle Identity Management
Oracle Identity Management 11g を使用すると、
法令の効率的な順守、重要なアプリケーションと機
密データの保護、および運用コストの削減が可能に
なります。ID 管理ソリューション製品の中でもっとも
完全で最高レベルのスイートを使用し、企業はファ
イアウォールの外も含めたエンタープライズ・リソー
ス全体の全ユーザー ID を管理できます。かつて Sun
の製品であった Oracle Wavesetも統合されていま
す。Oracle Waveset は、SAP BO Access Controlと
連携し、SAP 顧客にエンドツーエンドのセキュリティ
とガバナンス、リスク・ソリューションを提供します。
Oracle Solaris で稼動する SAP
SAP ON ORACLE SOLARIS
Oracle Solaris オペレーティング・システム
TCO の削減
x86 および SPARC プラットフォームでサポートする
Oracle Solaris を使 用したサーバ ー 統 合で、実 質
Oracle Solaris オペレーティング・システムは、顧
的な総所有コスト(TCO)を引き下げることができ
客が求めるパフォーマンス、安定性およびセキュリ
ます。使用するインストール固有の情報は問題の解
ティを提供します。Oracle Solaris で使用可能な多
決に直結します。オラクルには、現在のインフラスト
数のアプリケーションにより、単一の OS を企業全体
ラクチャのコストと統合されたインフラストラクチャ
で使用できます。
これは、Web 層、データ・ウェアハ
の TCO を計 算 する TCO ツール があります。たとえ
ウスのみならず、もっとも要求の厳しい技術アプリ
ばサーバー統合の場合、9 基から最大 20 基のサー
ケーションにも対応します。Solaris の旧リリースか
バーを単一のサーバーに置き換えることも可能にな
らアップグレードする場合でも、別の OS から移行す
ります。無料のオンサイト・データ・センター評価
る場合でも、Oracle Solaris 10 への移行は簡単で
をご利用ください。
す。オラクルとサン、SAP は、1993 年から世界中の
顧客に向け、スケーラブルで信頼性が高く、セキュ
TCO の比 較では、1 年 間のコストではなく、1 ~ 3
アで柔軟かつオープンなコンピューティング・イン
年間のコストを考慮します。Linux は低コストの印
フラストラクチャを提 供する努 力を積 み 重 ねてき
象がありますが、管理やライセンスにコストがかか
ました。この共同作業は成功し、サンが多くの SAP
ります。その点、Oracle Solaris の方がコストを低く
Sales and Distribution 標準アプリケーション・ベ
抑えることができます。Oracle Solaris の付加価値
ンチマークで常に世界記録を達成できるまでにな
機能である異種データの互換性を考えると、TCO で
りました。サンは、スループットのワークロードをサ
の優位性があることがわかります。SAP 配置の転換
ポートする OS 拡張技術で 15 年に渡る実績があり
期には、既存の SAP シートやライセンスなどの貴重
ます。SAP は、72 CPU の SMP サーバー、32 スレッ
な財産を継続して利用するために、サーバー統合
ドの CoolThreads サーバ ー、または x64 サーバ ー
が重要な方法になります。そのような場合に、
「 当然
のグリッドで Oracle Solaris のスケーラビリティと
Oracle Solaris である」と考える理由があります。
パフォーマンスを活用しています。Oracle Solaris
Containers を使用すると、アプリケーションを安全
に統 合し、システム・リソースの 使 用 率を最 大で
80%増加することができます。Oracle Solaris ZFS
を使用すると、ファイル・システムの仮想サイズを
動的に拡大することができます。Sun サーバーで実
行できるこれらすべての機能により、要件やビジネ
ス・プロセスの変化に応じて迅速に拡大、適用でき
る強力で効率的な環境を構築できます。
ビジネスの効率性の改善とコストの削減
企業は、より少ない予算で多くのことを実現するた
めに苦心しています。予算も削減され、メンバーの
増員もなし環境も現状のままで、新規ビジネス・サー
ビスをより早く、提供できるサービスをより多く、そ
して新しい法令の順守もあります。
23
24
Oracle Solaris のプラットフォーム互換性により、ラッ
ストレス軽減
プトップからハイエンド・サーバーまで、あらゆる種
Oracle Solaris のいくつかの利点は、簡単に数字で
類のマシンで実行できます。低コストのシステムに
表すことができます。今日の厳しい経済状況の中で、
Oracle Solarisを導入することで、高いパフォーマンス
ビジネスに必要なのはトラブルやストレスを負担の
と安定性が得られます。様々なコンピューティング・プ
ない方法で解決できるソリューションです。Oracle
ラットフォームで実行できるOracle Solaris の柔軟性
Solaris は、他に例のない実証済の安定性を提供しま
で、管理コストを大幅に引き下げることができます。
す。Oracle Solaris の TCO が低い理由は、少ない人数
で管理でき、パッチなどの管理が Linuxより簡単なた
無償の仮想化
めです。複雑な作業は必要ありません。
現在、オラクルとSAP が共にサポートする仮想化オ
プションは Oracle Solaris Container のみです(オ
柔軟性と敏捷性
ラク ル は Oracle VM と Oracle Solaris Containers
先端テクノロジーの機能が、ビジネス・プロセスやビ
で の 実 行 を サ ポ ート、SAP は VM Ware と Oracle
ジネス・ネットワークの形式変換のあり方を変える道
Solaris Containers で の 実 行 を サ ポ ート)。Oracle
を開きました。ZFS、仮想化、DTrace、ネットワーク仮
Solaris Containers を使用した無償の仮想化が企業
想化、ID 管理などの多くの機能により、Oracle Solaris
にもたらすメリットについては、ケース・スタディを
ソフトウェアはビジネス・ランドスケープを変える理
参照してください。
想的なソリューションになりました。
環境に優しい Solaris
コンプライアンスとセキュリティ
環境に優しい IT は、持続可能性、エネルギーとコスト
SAP GRC によるサポートと統合、OSレベルのセキュリ
削減、増加する法令順守を提案します。
ティとして構成された堅固な安全性は、企業にとって
重要な検討材料です。
SAP 実行をあらゆる角度からサポート
企業のデータ・センターにとって、サポート拠点が 1
低い TCO
カ所であることも魅力的な価値命題です。問題が発
ハイエンドRISC サーバーとの関連でしばしば取り上
生した場合、オラクルに連絡して問題を解決できま
げられるOracle Solaris は、Sun サーバーに搭載され
す。SAP Global Technology Partner、Solaris Lab for
ています。
コスト削減、システム管理の簡素化および
SAP およびワルドルフの Oracle Solution Center など
高サービス・レベルの維持など、厳しいビジネス要件
のオラクルの役割や SAP 認定の移行コンサルタント
と技術要件を満たす必要がある顧客にとって、Oracle
は、SAP 顧客のサポートに責任を持つオラクルの姿勢
Solaris オペレーティング・システムは理想的な選択
を表しています。
肢です。Oracle Solaris の革新的な組込み機能のみ
が、次のことを実現します。
Oracle Solaris で稼動する SAP
信頼性
・ 可用性 – Predictive Self Healing は、自動予測コン
ポーネント退避、ソフトウェア再起動および OSとア
プリケーションのライブ・アップデートにハードウェ
アとソフトウェアの回復性を提供し、エラーの可能
性を低減するサービス管理を容易にします。
・データの整合性 – 高度なファイル・システムの
Oracle Solaris ZFS は、他 に 類 の な い デ ータ整
合性、自動エラー修正、数に制限のないスナップ
ショット、ファイル圧縮を含む統合データサービス
を提供します。
・ DTrace – DTrace Analytics は、カーネルの最低レ
ベルから高レベルのアプリケーション構成に至るま
で、安全なリアル・タイムの監視を提供します。
この
機能を使用すると、本番環境のパフォーマンスを最
適化し、問題を迅速に解決できます。
パフォーマンス / スケーラビリティ
・ 最適化 – Oracle Solaris は、最新の SPARC、Intel
および AMD のプロセッサ・テクノロジ ー、高 パ
フォーマンスで柔軟なネットワーク構成、暗号化ア
クセラレーションおよびメモリー割当てに最適化さ
れています。
・ 効 率 的 な 統 合 – Oracle Solaris Containers に
組 み 込まれた、システムを問 わず 高 パフォーマ
ンスで柔 軟な仮 想 化を実 現できる機 能は、アプ
リケーション 環 境 の 効 率 的 な 統 合、再 配 置およ
び複製を可能にします。P2V 機能により、既存の
Oracle Solaris 8 および 9 のアプリケーションを
簡単かつ短時間で、オラクルの最新 Sun SPARC
サーバーに再ホスティングできます。
セキュリティ
Solaris Trusted Extensions を 含 む Oracle Solaris
のセキュリティは、ハードウェアおよびアプリケーショ
ンの互換性を保ちつつ、政府機関や金融機関に求め
られる分離性と制御性を提供します。
25
26
Oracle Solaris の拡張機能
オラクルが提供するORACLE SOLARISの拡張機能
世界最高のエンタープライズ・オペレーティング・システムのアップデートにより、SPARCおよびx86システムにミッショ
ン・クリティカルなセキュリティ、信頼性およびパフォーマンスを提供
エンタープライズ・オペレーティング・システム市場
トップのオラクルが、Oracle Solaris 10 9/10、Oracle
Solaris Cluster 3.3 および Oracle Solaris Studio12.2
を発表しました。
・ 上位 10 社の電気通信企業、公益事業および銀行の
うち10 社が Oracle Solarisを採用
・ Oracle Solaris は、オラクルの「アプリケーションか
らディスクまで」のテクノロジー・スタックの統合コ
ンポーネントとして開発され、テスト済でサポートさ
れています。主要なプラットフォームは継続してテス
トされ、Oracle Certification Environment に 加 え
て、Oracle Solaris のパッチおよびプラットフォーム
のリリースごとに、50,000 件以上のユースケースに
基づいたテストがおこなわれています。
・ Oracle Solaris 10 9/10 には、ネットワークおよび
パフォーマンスの拡張機能、仮想化機能、Oracle
Solaris ZFS へのアップデート、および最新の SPARC
および x86プロセッサをベースにしたシステムを活
用するための拡張機能が含まれています。
・ Oracle Solaris 10 9/10 のアップデートには、新機
能、インストールが簡単なフィックスおよびハード
ウェア・サポートが含まれ、11,000 以上のサード
Oracle Solaris 10 9/10 の機能は、次のとおりです。
・ Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)
のネットワークおよびデータベース最適化 Oracle
Solaris Containers には、新しく拡張された「P2V」
(物理から仮想に)機能が搭載され、顧客はシー
ムレスかつ簡単に、しかも短時間で既存の Oracle
Solaris 10 の物理システムから仮想コンテナに移行
できます。
・ Oracle VM for SPARC( 別 名 Logical Domains)
パーティ製品および顧客アプリケーションとの完全
使用して配置すると、仮想化されたSolarisインスタ
互換性が維持されています。
ンスの信頼性が向上します。
・ Oracle Solaris は、大容量のメモリーとマルチコア/
・ Oracle Solaris ZFS のオンライン・デバイス管理を
プロセッサ /スレッド・システムを最大限に生かす
使用すると、データをオンラインのままでファイル・
ように設計され、既存のシステムでも新しいシステ
ムでも業界トップのパフォーマンス、セキュリティお
よびスケーラビリティが得られます。
システム構成を変更できます。
・ 新しい Oracle Solaris ZFS は、計画外システム停止
時間の問題のリカバリに役立つツールです。オペ
・ Oracle Solaris 上 に 構 築 さ れ た Oracle Solaris
レーティング・システム、データベースおよび他の
Cluster 3.3 は、優れた拡張性と企業の要求に応え
Oracle Solaris パッチは、最高レベルの品質、信頼
る可用性、障害リカバリ・ソリューションを提供し
性および管理の合理化を実現するために検証され、
ます。
このソリューションは、Oracle Solaris Trusted
組合せが考慮されています。
Extensions により、ミッション・クリティカルなア
プリケーションとサービスに最高レベルのセキュリ
ティを提供します。
・ 公衆通信回線とストレージの接続をサポートする
InfiniBand は、オラクルの Sun サーバーおよびスト
レージ・システムと緊密に統合され、繰り返しテス
トされています。
Only Oracle Database 11g
Release 2 provides for
SAP customers
Best Performance & Scalability
Oracle
other DBs
• Fully integrated, platform independent active-active clustering solution
for both SAP and database through RAC and Clusterware/SAPCTL
• Dictionary only add column with default
• High Performance NAS Storage through Direct NFS
Best Deployment Flexibility
• Online Patching
• Real Application Testing Option
Best Availability & Reliability
• Updatable Standby Database
• Fully integrated, platform independent active-active clustering solution
for both SAP and database through RAC and Clusterware/SAPCTL
Best Support for Very Large Databases
•
•
•
•
•
•
RMAN Backup Compression
SecureFile out-of-line LOB data compression
Deferred Segments Creation
Disk-Based Bitmap Indexes
Dictionary only add column with default
High Performance NAS Storage through Direct NFS
Best Database Security
•
•
•
•
Tablespace Encryption
RMAN Backup Encryption
Data Guard Secure Network Transport
Database Vault
Best Manageability & Self-Management
• Real Application Testing Option
• Online Patching
• Automatic Workload Repository (AWR)
Oracle – the # 1 Database for Deploying SAP Applications
oracle.com/sap
[email protected]
Copyright © 2010, Oracle. All rights reserved. Oracle is a registered trademark of Oracle Corporation and/or its a affiliates.
Other names may be trademarks of their respective owners.
28
最新のORACLE SOLARIS 11の機能の配置が
ORACLE EXADATAでも可能になりました
オラクルによるOracle Solaris 11 Expressのリリース
オラクルは Oracle Solaris 11 Express がまもなくリ
Oracle Solaris 11 では、オラクルや他のハードウェ
リースされ、オラクルが今後もOracle Solaris の研究
ア・メーカーが提供する SPARC および x86 システム
開発を継続することを発表しました。Oracle Solaris
(1,000 以上のシステム)で実行可能なサードパー
11 Express は、Oracle Solaris に高度な機能を提供し
ティや顧客による開発アプリケーション(11,000
ます。
この機能は、5 年の開発を経て、使いやすく、イ
以上のアプリケーション)とのバイナリ互換性を、こ
ンストールが簡単なパッケージになりました。顧客は、
れまでと同様に保証しています。
Oracle Solaris の最新機能を即座に使用して新しいア
プリケーションを配置できます。
Oracle Solaris 11 Express の 主 要 機 能は、次 の
新しい可用性機能により、計画停止時間を最大 50%
とおりです。
削減できます。従来のパッチ適用やメンテナンスによ
・ ネットワーク仮想化およびリソース管理機能によ
る再起動が必要なくなり、システム起動時間が十秒単
り、スループットの改善、アプリケーションの高速
位で大幅に短縮されます。
化、およびネットワークの負荷の低減と複雑さの
緩和が実現します。
Oracle Solaris 11 Express では、完全な組込み型
・ オラクルとサン の 共 同 設 計 による機 能 向 上 に
の Oracle Solaris 仮想化機能にネットワーク仮想化
よ り、メ モ リ ー 管 理 や I/O 改 善 な ど、Oracle
およびリソース管理機能が追加され、最小のオー
Database 11gと Java ベースのアプリケーション
バーヘッドで最高のパフォーマンスの仮想化環境を
のパフォーマンスが向上しました。ZFS は、ファイ
実現します。
ルおよびブロックの複製禁止、暗号化およびプロ
Oracle Solaris 11 Express は、Oracle Exadata X2-2
ビジョニングの機能を拡張します。
および X2-8 Database Machinesでも使用可能です。
・ 最新のセキュリティ基準を実装することで、今日
My Oracle Support テレメトリを Oracle Solaris の徹
の仮 想 化 やクラウドによる異 機 種 環境にも対応
底した障害管理アーキテクチャと統合することで、顧
し、セキュリティ機能を拡張します。
客はプロアクティブな事前サポートを受けられるた
・ メンテナンス作業を減らし、メンテナンスに伴う再
め、既知の問題によるサービス停止を削減できます。
起動の回数をさらに削減します。Fast Reboot を
Oracle Solaris は最高のエンタープライズ・オペレー
使用すると、今まで分単位の時間が必要だったシ
ティング・システムで、SPARCとx86 のどちらのシステ
ステムやデータベースのリカバリが秒単位で完了
ムにもミッションクリティカルな可用性、セキュリティ、
できます。
パフォーマンスを提供します。
・エッジサーバーのパッチ適用やアップグレード /
インストール機能のリスクを軽減し、日常的なシ
ステム管理作業を大幅に簡素化するように設計さ
れました。
・ 近い将来、数万のハードウェア・スレッド、数百テ
ラバイトのシステム・メモリー、数百ギガビットの
I/O 規模に拡大すると予想されるハードウェアに
対応する最大のパフォーマンスと拡張。
・組込み型のスナップショット機能により、システム
のブート・イメージのバックアップが常に保持さ
れ、再起動するだけで簡単に古いバージョンに戻
すことができます。
Oracle Solaris 11 Express
追加ファクト
Oracle Solaris 11 Express は、顧 客とパートナに
サン・フランシスコで開催されたOracle OpenWorld
対して、最新の Oracle Solaris 11 テクノロジーへの
2010 で、オラクルの取締役副社長 John Fowler 氏
早期アクセスを提供します。
は、基調プレゼンテーションで主要なテクノロジー
の新機軸を披露し、ハードウェアとソフトウェアの連
携の重要性を説明しました。
オラクルのコーポレート・チーフ・アーキテクト、
Edward Screven氏は、Fowler氏とのディスカッショ
ンで、Oracle Linux オペレーティング・システム向
オラクルの完全でオープンな統合ソリューションは、
け に 最 適 化され た Linux カー ネ ル、Unbreakable
現代的なデータ・センターの運用を容易にし、より
Enterprise Kernel について議論を交わしました。
高いパフォーマンス、可用性、セキュリティおよび管
Screven 氏は、新しい SPARC T3 サーバー向けの高
理性を提供します。
度な仮想化機能である Oracle VM for SPARC 2.0
を含め、デスクトップからデータセンターまでをカ
プレ ゼンテーション の 中で、Fowler 氏 は、SPARC
バーする、もっとも完全でオープンに統合された仮
に対するオラクルの姿勢に改めて言 及し、業 界 初
想化ソリューション「Oracle Virtualization」につい
の 16 コアの SPARC T3 プロセッサと高度に最適化
て説明しました。
されたシステム・パフォーマンス、効率性およびス
ケーラビリティを提供するSPARC T3システムをミッ
ま た、Fowler 氏 は、次 世 代 の Sun ZFS Storage
ション・クリティカルなアプリケーションを実行する
Appliance 製品ファミリを発表しました。
この最高レ
顧客に紹介しました。また、新しい SPARC T3 サー
ベルの統合ストレージは、Oracle Database やアプ
バー・ファミリを実行したベンチマーク結果で、8
リケーションの配置、Oracle アプリケーション・デー
つの世界記録を樹立したことも発表しました。
タの統合や保護に最適なソリューションです。
オラクル は、今 後も Oracle Solaris オ ペレ ー ティ
ング・システム へ の 投 資を 増 強 するとし、Oracle
Solaris 11 Expressも発表しました。
29
30
オラクルと富士通が SPARC Enterprise を拡張
オラクルと富士通が新しいプロセッサでSPARC Enterprise
Mシリーズ・サーバーを拡張
ミッションクリティカルなコンピューティングに、
より高いパフォーマンスと投資保護を提供
オラクルは、ハードウェア、オペレーティング・シス
テムおよび Oracle アプリケーションを最適化し、最
高のシステム・パフォーマンスを提供します。
Oracle Solaris を使用する SPARC Enterprise M シ
リーズ・サーバーは、次のような常時接続のアプリ
ケーションに、ミッション・クリティカルな信頼性、
可用性、サービス可能性(RAS)を提供します。
Dynamic Domains および Solaris Containers を使
用した、予測的自己回復、コンポーネントの冗長性
ミッション・クリティカル なコンピューティングの
分野で 20 年以上に渡るパートナシップとリーダー
シップを築いてきた、オラクルと富士通は、新しい
プロセッサ SPARC64 VII+ の 搭 載 により強 化され
た SPARC Enterprise M シリーズ・サーバー製 品
ファミリを発表しました。また、オラクルと富士通は
共同で設計した筐体の Oracle and Fujitsu SPARC
Enterprise M シリーズ・サーバーも発表しました。
このサーバーには、両社のロゴが付いています。
オ ラ ク ル と 富 士 通 が 共 同 で 設 計 し た SPAR C
Enterprise M シリーズ・サーバーは、パフォーマン
スが改善され、管理性が向上した上、ミッション・ク
リティカルなコンピューティングに最大の投資保護
を提供します。
Oracle Solarisを搭載したSPARC Enterprise Mシリー
ズ・サーバーは、最高の信頼性とスケーラビリティを
提供し、ミッション・クリティカルな SAPアプリケーショ
ンを実行する顧客に綿密に設計されたパフォーマン
ス最適化機能を提供します。
また、SAP 以外のアプリ
ケーションを稼動する顧客にとっても、パフォーマン
スが改善されたSPARC Enterprise Mシリーズ・サー
バーはメリットがあるはずです。
新しい SPARC64 VII+ プロセッサは、メモリー・ア
クセスが速く、演算能力が向上しています。
最大 3.0GHz のクロック・スピードとこれまでの 2 倍
(12MB)の L2 キャッシュ・サイズが、パフォーマ
ンスを 20%以上向上させました。 (1)
SPARC ハ ードウェアと Oracle Solaris の 共 同 設 計
が実現した、最高のパフォーマンスです。
とホットスワップ、メモリーのミラー化と障害抑制。
サーバーの信頼性とパフォーマンスを向上させる、
拡張性のあるハードウェアの組合せ、オペレーティ
ング・システムとアプリケーション・テスト。
SPARC Enterprise M シリーズ・サーバーは、シス
テム内プロセッサとシステム・ボードを簡単にアッ
プグレードして、ハードウェアとソフトウェアに対す
る顧客の投資を無駄にしません。顧客は、この方法
を使用して単一サーバーの何世代ものプロセッサ
すべてを最高速度で実行できます。
最 近 発 表 さ れ た Oracle Enterprise Manager 11g
OpsCenter には、次のような新しい SPARC Enterprise
Mシリーズ専用の管理機能が含まれています。
統合ハードウェアおよびソフトウェア・スタック全体
を簡単に管理する機能。
Dynamic Domains および Solaris Containers を 作
成、管理、プロビジョニング、構成する機能。
この機能
により、SPARC Enterprise Mシリーズ・サーバーが
より強固に統合されたプラットフォームになります。
オラクルと富士通の包括的な SPARC Solaris サー
バー製品ファミリのSPARC Enterprise Mシリーズ・
サーバーは、シングルソケットの M3000 から64 ソ
ケットの M9000 までのラインナップがあります。こ
の発表の最後には、オラクルと富士通のSPARCサー
バーの全 製 品 がレビューされ、今 後も両 社による
SPARC アーキテクチャへの投資が、継続されること
を強く印象づけました。
32
ORACLE DATABASE 11g RELEASE 2による
SAPのストレージ最適化
概要
スクに格納されるデータ表現のキー属性によって、
実際のお客様のデータを用いて、Oracle Database
他のデータベースと比較してかなり小さなサイズに
11g Release 2 の圧縮および容量の最適化技術で
なります(後述の「ストレージ効率」を参照)。
した
圧縮したところ、SAP システム全体のサイズが、R/3
がって、特に SAP 環境の Oracle データベースは、他
(ECC6.0)で 4.7TB から1.9TB、BW(7.0)で 1.4TB
のベンダーのデータベースより、データ・ストレー
から0.5TB に、CRM(7.0)で 0.9TB から0.3TB に
ジ 効 率 が 高くなります。現 在、オラクル は Oracle
削減されました。
Database 11g Release 2 の圧 縮 技 術で業 界の主
導権を握りました。
ここでは、常 に肥 大 する SAP デ ータベ ースのスト
レ ージ・ボリュームを制 御 するため、デ ータベー
ストレージ効率
ス 管 理 者 が 使 用 で き る Oracle Database 11g
Oracle デ ータベースの 内 部 的 なデ ータの 格 納 方
Release 2 の 機 能と、これらの 機 能 が SAP 環 境 の
法 は、圧 縮 の 適 用 前でも十 分 な 効 果 があります。
データベースにもたらすメリットを数字を示して説
Oracle のストレージ構造は、効率を重視し、各デー
明します。
タ型 に 最 小 限 必 要 な 領 域 の み 使 用します。数 値
データは可変長で Oracle に NUMBER データ型とし
近年、急激に増大するデータ・ボリュームは、コス
て格納されます。つまり、Oracle は NUMBER データ
ト、パフォーマンス、スケーラビリティおよび 管 理
型の格納に最小限必要な領域のみ使用します。他
性の面で、企業の IT インフラストラクチャにとって
のデータベースの場合、多くが数値データを固定長
重 い 課 題となっています。この 課 題を解 決 するに
形式のDECIMALデータ型で格納します。DECIMAL
は、IT システムにより効率的な方法を導入し、デー
(16,2)デ ータ型 は、他 のデ ータベースでは 実 際
タを効 率 的に保 存・ 管 理する必 要 があります。あ
の数値の桁とは関係なく16 桁必要とします。
らゆる種 類 のアプリケーション がストレ ージ・ボ
リュームの大 幅な増 加の原 因になりますが、その
VARCHAR を使用する可変長の文字データを格納
中でももっとも短期間で増大するのが、エンタープ
する場 合、他 のデ ータベ ースは Oracle Database
ライズ・アプリケーションです。
より大きいオーバーヘッドが発生しがちです。一部
のデータベースは、実 際のデータのサイズとは別
ビジネスのストレージ・ボリュームは増大するばか
に、VARCHAR データの情報のために追加で 4 バイ
りで、より高速にアプリケーションや解析を実行し
ト使用します。たとえば、他のデータベースで文字列
たいという要求が高まっています。多くの顧客は、オ
「DB」を含む 1 つの VARCHAR(10) フィールドを格
ラクルの Advanced Compression Option(ACO)
納するには、合計 2+4=6 バイトが必要になります。
が提供する機能を使用して、2 倍から3 倍に圧縮し
Oracle Databese でこのようなデ ータを 格 納 する
たアプリケーションのデータ全体をメモリーに読み
場合、実際のデータ・サイズで異なりますが、オー
込み、インメモリでデータベースを実行しています。
バーヘッドは最小 1 バイトです。前述した文字列を
この方法で、アプリケーションのパフォーマンスが
Oracle Databese に格 納する場 合、追 加で使 用す
飛躍的に向上します。また、データベースが肥大化
るのは 1 バイトです。従って、必 要なストレ ージは
するにつれ、バックアップにも時間がかかるようにな
2+1=3 バイトになります。
ります。オラクルの Advanced Compressin Option
は、バックアップタスクの時間を短縮させ、ストレー
ジ効率に加えパフォーマンスの改善というメリット
をもたらします。
Oracle Database 11g より以前のバージョンでも、
すでにオラクルは顧客データのストレージ効率で世
界のトップでした。オラクルのデータベースは、ディ
SAP のストレージ最適化
オラクルの効率的な内部ストレージ構造が実際の
Oracle Advanced Compression
データに与える影響を理解するには、圧縮を使用し
Oracle Database 11g の Advanced Compression
ない場合でも、オラクルと他のデータベースでは、
Option では、顧客がリソースを最大限に活用しつ
データを内部に格納する方法に大きな違いがある
つ、ストレージのコストを削減できる圧縮機能の包
ことを覚えておくことが重要です。他のデータベース
括 的なセットが 導 入されました。これにより、IT 管
と比較し、基本的にオラクルはストレージ効率が高
理 者 はリレ ーショナル・デ ータ(OLTP 表 圧 縮 )、
いため、圧縮(暗黙的)なしの初期状態でも、必要
非 構 造 化デ ータ(SecureFiles 圧 縮および 重 複 除
なストレージ・スペースが少なくて済みます。この
外)、ネットワーク(Data Guard Redo Transport)、
差は表構造によって大きく変動します。実際の設定
またはバックアップ・データ(RMAN および Data
で同一のデータセットを格納する場合、他のデータ
Pump)など、すべての種類のデータを圧縮してデー
ベースでは Oracle Database より40 ~ 50%も多く
タベース・ストレージ・フットプリント全体を大幅
の容量を必要とします。
に削減することができます。
索引圧縮とビットマップ圧縮
圧縮の具体的な一番の利点は、コスト削減だと言
索引圧縮は、Enterprise Edition の機能の 1 つで、
わ れます が、Advanced Compression Option に
追加オプションやライセンスは必要ありません。索
含まれる革新的なテクノロジーは、メモリーやネッ
引圧縮は、主要な列の値を索引または索引編成表
トワーク帯域幅を含め、IT インフラストラクチャの
に圧縮するため、繰り返される値のストレージを削
いくつ かのコンポーネントのリソース要 件 や 技 術
減できます。Oracle Database 10.2.0.2 以降、SAP
コストを削 減するように設 計されています。次に、
は索引のディスク領域を節約しデータベース全体の
Advanced Compression の 各 機 能 につ いて説 明
サイズを削減するために、索引圧縮の使用を認定し
し、SAP 環境に実装した場合のメリットを例を使用
ました。顧客の経験から、主要な索引を圧縮すると、
して説明します。
必要なディスク領域を最大 75%削減できる(圧縮
されていない索引の使用率と比較)ことが実証され
ています。具体的な例を示します。
索引「GLPCA~1」のサイズが 18GB から4.5GB に縮
小しました。データベースの完全な再編成後でも索
引圧縮の効果があり、データベース全体でさらに最
大 20%の合計ディスク領域が削減できます。
SAP BW では、ビットマップ索引を使用してデータ
ベースのスター・スキーマやスノー・フレーク・ス
キーマをモデル化しています。
ビットマップ索引を使
用すると、オラクルでは SAP BW レポートに効率の
高いスター型変換テクノロジーが使用できます。
ビッ
トマップ索引は、定義に従って圧縮され、個別に圧
縮を実行する必要はありません。ビットマップ索引
は、各キー値に行 ID ではなくビットマップ(または
ビット・ベクトル)を使用します。
ビットマップ表現
はストレージ効率が非常に良いため、ビットマップ
索引は他の索引タイプより大幅に領域を節約できま
す。特に、データのカーディナリティが低から中程度
の場合に有益で、パフォーマンスも大きく改善され
ます。各値が数百回、数千回繰り返される列の場合、
一般に、
ビットマップ索引のサイズは通常の B ツリー
索引のサイズの 25%以下になります。
33
34
OLTP 表圧縮
Securefiles が重要である理由を次に説明します。
オラクル の OLTP 表 圧 縮 で は、OLTP アプリケ ー
ションで動作するために特別に設計された独自の
・SAPアプリケーションの CRM、Portalおよび Pl は、
圧縮アルゴリズムが使用されます。このアルゴリズ
ドキュメント、契約書、ワークフロー情報などの格
ムは、データベース・ブロック内 や 複 数の列 間の
納に、LOB データ型を多く使用するため、SAP ア
重複値を排除することによって動作します。ある環
プリケーションにとって非常に重要です。
境で達成できる圧縮率は、圧縮するデータの性質、
・SAP 環境の LOBと比較すると、アクセス時間が極め
特にデータのカーディナリティによって異なります。
て高速であるため、Basicfiles や、より大きな LOB の
通常、OLTP 表圧縮機能を使用すると、顧客はスト
LONGデータのパフォーマンスが向上します。
レージ領域の消費を 2 倍から4 倍の削減が期待で
・Basicfiles に対 する Oracle RAC のスケーラビリ
きます。つまり、非圧縮のデータの場合、圧縮データ
ティの向上は、特に Oracle RAC を使用している
の 2 ~ 4 倍の領域を使用するということです。
場合、SAPクラスタ表のトランザクション・スルー
プットを改善します。
OLTP 表 圧 縮 の 利 点 は、ディスク上 のストレ ージ
・圧縮および暗号化の前提条件
領域の節約にとどまりません。圧縮されたブロック
・すべての SAP 製 品で使 用 するには、次 のように
を 解 凍 せ ず に直 接デ ータを 読 取りできることも、
しま す。SAP ERP の SAP クラ ス タ 表 など、多 く
Oracle の重要な利点の 1 つです。従って、圧縮デー
の SAP 表で使 用されている LONG および LONG
タにアクセスする際にパフォーマンスが大きく低下
RAW を置換します。
することはありません。実 際、多くの 場 合、Oracle
Database ではアクセスに必要なブロック数が減る
Advanced Compression には、SecureFiles で利 用で
ため、I/O の削減によってパフォーマンスは向上し
きる2 つのストレージ最適化機能があります。1 つ目
ます。さらに、メモリーの追加を必要とせずより多く
は SecureFiles Deduplication で、SecureFiles デ ー
のデータを保存することにより、バッファ・キャッシュ
タの重複コピーを除外するインテリジェントなテクノ
の効率が向上します。
ロジーです。Database は、SecureFiles LOB のコピー
を 1 つのみ格納し、重複コピーは最初のコピーの参
SecureFiles 圧縮と重複除外
照に置き換えます。たとえば、コンテンツ管理アプリ
Oracle Database 11g Release 1 から導 入された
ケーションで、10 人のユーザーが同一の 1MB のド
SecureFiles は、ドキュメント、スプレッドシートお
キュメントをシステムに保存したとします。SecureFiles
よび XML ファイルなど、半構造化および非構造化
Deduplicationを使用しない場合、システムは 10 人の
データの格納で両方の利点を活用できるアーキテ
ユーザー対し、このファイルのコピーを 1 つずつ保存
クチャです。SecureFiles は、Oracle Database の利
するため、10MB のストレージが必要になります。
アプ
点を損なうことなく、従来のファイル・システムに匹
リケーションが SecureFiles を重複除外で使用した場
敵する高いパフォーマンスでファイル・データを操
合、システムは 1MB の添付ファイルを 1 回のみ保存し
作できるように設計されています。SecureFiles は、
ます。
これで、ストレージ要件を 90%節約できます。
ANSI 標準 LOB データ型のスーパーセットとして設
計され、SecureFiles の旧バージョンである既存の
2 番目の機能は、業界標準の圧縮アルゴリズムを使用
BasicFile の LOB から簡単に移行できます。
したSecureFiles圧縮で、SecureFilesデータのストレー
ジ要件をさらに抑えて最小限にします。SecureFiles 圧
縮で、ドキュメントや XMLファイルなど一般的なファ
イルを圧縮すると、サイズが 2 倍から3 倍小さくなり
ます。組込み型のインテリジェントな SecureFiles 圧縮
は、圧縮しても効果がないデータは自動的に圧縮しま
せん。たとえば、サード・パーティ製のツールを使用
して圧縮されたドキュメントなどが該当します。圧縮に
は、3 つのレベル(LOW、MEDIUM および HIGH)が
あり、ユーザーは環境に応じて、ストレージの節約と
圧縮によるCPU のオーバーヘッドに適したレベルを
選択できます。SecureFiles 圧縮は、データベース内に
非構造化データを格納するアプリケーションにとって
は、大きなストレージの節約になります。
SAP のストレージ最適化
バックアップ圧縮
も短縮される場合があります。Oracle Database 11g
Oracle Advanced Compression には、データベース
Release 2 以降、Oracle Data Guard 構成で REDO 同
内に格納されたデータの圧縮だけではなく、バック
期転送(SYNC)または REDO 非同期転送(ASYNC)
アップ・データを圧縮する機能もあります。Recovery
を使用している場合、REDOデータを圧縮形式で転送
Manager(RMAN)とData Pump が、Oracle Database
できるようになりました。
内に格納されたデータのバックアップに使用される、
もっとも一般的なツールです。RMAN は、データベー
Advanced Compressionで得られるSAP のメリット
ス・データをブロックごとにバックアップするため、物
オラクル は、さまざまな 顧 客 の SAP デ ータを 使 用
理バックアップとも呼ばれ、データベース、表領域ま
して、SAP 環境でどれだけの領域を削減できるか、
たはブロック・レベルのリカバリ実行に使用されます。
Advanced Compression 機 能 をテストしました。そ
Data Pump は、1 つまたは複数の表のデータをフラッ
の 結 果、OLTP 表 圧 縮、索 引 圧 縮、RMAN 圧 縮 およ
ト・ファイルにオフロードする論理バックアップの実
び Data Pump 圧 縮 など の 機 能 で、領 域 を 大 幅 に
行に使 用されます。Oracle Advanced Compression
削 減 することが できました。次 の 表 に、Advanced
には、この 2 つのツールが生成したバックアップ・デー
Compression for SAP の優れた効果を概説します。
タを圧縮する機能があります。
Oracle Advanced Compression には、バックアップ・
データのストレージ要件を大幅に軽減できるRMAN
圧縮テクノロジーが組み込まれています。RMAN は
Oracle Databaseと密接に統合された RMAN を使用
すると、バックアップ・データベースはディスクまたは
テープに書き込む前に圧縮され、リカバリ前に解凍
する必要はありません。
これにより、ストレージのコス
トを大幅に削減できます。同様に、Data Pump により
生成されたデータおよびメタデータのエクスポートで
は、Advanced Compression による圧縮を実行できま
す。Data Pump 圧縮はインライン・オペレーションで
す。
ダンプ・ファイルのサイズを削減してディスク領域
SAP 環境における圧縮の実装の概要
を大幅に節約します。
しかし、Data Pump 圧縮は、オ
ストレージの最適化に使用する圧縮テクノロジー
ペレーティング・システムやファイル・システムの圧
を SAP 環 境に実 装するには、Oracle Database 11g
縮ユーティリティとは異なり、圧縮されたダンプ・ファ
Release 2 をアップグレードする必要があります。次に
イルをインポート前に解凍する必要がありません。
オラクルのアップグレードの基本的な実装ガイドライ
ンを説明します。
ネットワーク圧縮
Oracle Data Guard は、1 つまたは複数のスタンバイ・
データベースを作成、管理、監視するソフトウェア・イ
ンフラストラクチャを自動化して、企業データを故障、
障害、エラー、破損などから保護します。Data Guard
は、REDOデータ(トランザクションのリカバリに必要
な情報)を使用し、プライマリ・データベースとスタ
ンバイ・データベースを同期させます。
プライマリ・
データベースでトランザクションが発生すると、REDO
データが生成されローカル REDOログ・ファイルに書
き込まれます。
REDO データは、Data Guard REDO 転送サービスを
使 用してスタンバイ側 に転 送されます。Advanced
Compression を使 用すると、REDO データは圧 縮さ
れた形式で転送されるため、使用するネットワーク帯
域幅を効率よく軽減でき、REDO データの転送時間
35
36
1. 索引圧縮から開始
すると、領域を節約できるだけでなく、SAPインストー
・ R/3 環境のすべてのデータベース・アクセスで、
ル中に空のオブジェクトに領域を割り当てないため、
R/3 のパフォーマンスがもっとも改善されるのは、
SAPシステムのインストールが高速化します。
どのよう
索引ベースの、特に索引範囲のスキャンです。
な SAP 環境でも同様に動作します。一般的に、SAP の
・ データベース全体で最大 20%のディスク容量を削
減できます。
インストールでは多くの表が作成されますが、ほとん
どが空の表です。
2.OLTP 表圧縮の実装
・ 多くのデータをバッファ・キャッシュに保持すると、
ディスクI/O が低減し、レポート問合せとOLTP の実
行が高速化されます。
データ・ディクショナリ表に対する問合せも高速化さ
れます。SAP の組込みの領域管理プロセスは、Oracle
のデータ・ディクショナリ表を頻繁に問合せします。多
・大幅にディスク容量を節約できます。
くの SAP 実装では、作成された表の最大 70%にデー
3.SecureFiles 圧縮の実装
タが 移 入されません。このため、Deferred Segment
・CRMまたはXIなどのSAPアプリケーションは大量の
Creation により、SAP 顧客は領域を節約し、インストー
(非圧縮)データを LOB で格納するため、この圧
ル時間を短縮し、データ・ディクショナリ表の問合せ
縮機能は非常に重要です。
のパフォーマンスを改善できます。
4.RMAN バックアップ圧縮
・データベース表と索引がすでに圧縮されている場合
でも、さらにディスク容量が節約できます。
Dictionary Only-Add Column
DEFAULT 値および NOT NULL 制約を持つ新しい列
を追加する場合、Oracle Database 11g 以前のバー
SAP R/3およびBW表 -- 圧縮結果の例
ジョンでは、表を排他ロックしてから、デフォルト値を
すべての既存のレコードに格納する必要がありまし
た。Oracle Database 11g では、この同じ操作に対し
てデータベースがリソース使用率とストレージ要件を
最適化します。
特に、列のデフォルト値が、データ・ディクショナリの
NOT NULLとして指定された列に保持されます。
この
新しい機能を使用すると、DEFAULT 値とNOT NULL
制約を持つ新しい列を追加する場合、必要なメタデー
タのみがデータ・ディクショナリに保存されます。既存
のレコードすべてに、デフォルト値を物理的に格納す
る必要がなくなりました。
SAP BW アプリケーションでもSAP アップグレードで
SAP 圧縮 /ストレージ用追加機能
も一般的に、この方法で列を追加します。通常、ディク
Deferred Segment Creation(非同期セグメントの作成)
ショナリのみ追加列では、次が実行されます。
Oracle Database 11g Release 2 で は、Deferred
Segment Creationという新機能が、パーティション化
されていないヒープ構成表で利用できるようになりま
した(11.2.0.2 では、この機能をパーティション化さ
れたオブジェクト(表、索引)にも使用できます)。名
前が示すように、これらの表のセグメントは、表に最初
の行が追加されるまで作成されません。
また、LOB セ
グメント、およびその表に関連付けられた任意の索引
は、最初の行が挿入されるまで作成されません。
非同期セグメントの作成の主な利点は、表に対する領
域の割当てを先延ばしできることです。自動的に作成
されたアプリケーション表でも、データが移入されて
いなければ領域が割り当てられないため、その領域
を節約できます。Deferred Segment Creation を使用
・ 1秒以下でスキーマ変更でき、領域を使用しません。
表または追加した列のサイズは問いません。
・ この機能は、すべてのサイズの表にメリットがありま
すが、この方法で大きい表に列を追加する場合は、
特に高速になります。
・ディスク領域の使用率を大幅に削減できます。
SAP のストレージ最適化
・ SAP BWでキューブ変更を使用して列を追加するプ
ロセスが、20 倍も高速になりました。キューブ変更
SAP 圧縮 /ストレージの他の利点
オラクルは、様々な顧客の SAP データを使用して、
は、SAP BWレポートで追加のキーデータが必要に
SAP 環境でどれだけの領域を削減できるか、Oracle
なると、BW ユーザーによって頻繁に開始されます。
の Database の追加機能をテストしました。次の表に、
・ SAPアップグレードでは、表への列の追加で、同様
のパフォーマンス改善が見られます。
ストレージで期待できる機能のメリットを簡単に説明
します。
Unicodeキャラクタ・セット
結論
オラクルは、ディスク上でマルチバイト・キャラクタ・
顧客データを使用して、SAP 環境での各機能の実装
セットに可 変 長 表 現を使 用します。SAP は、Oracle
前と実装後のストレージ消費量を比較し、その結果を
Database for SAP Unicode システム 内では、UTF-8
数値で示して説明しました。実際の顧客データのテス
キャラクタ・セットを使用します。可変長表現は、他の
トでは、Oracle Database 11g Release 2 の圧縮およ
ベンダーのデータベースと比較した場合に、領域節約
び容量の最適化機能により、SAPシステム全体のサイ
の面で大きなメリットがあります。他のベンダーのデー
ズが、R/3(ECC6.0)で 4.7TB から1.9TB、BW(7.0)
タベースは、SAP Unicodeシステムに固定2バイトキャ
で 1.4TB から 0.5TB、CRM(7.0) で 0.9TB から 0.3
ラクタ・セットを使用するとされています。SAP 対応
TB、それぞれ削減されました。
のUnicodeシステムで可変長のUTF-8キャラクタ・セッ
トを使用した場合、他のデータベースの固定マルチバ
企業が経験するデータ・ボリュームの急激な肥大は、
イト表現と比較すると、ディスク容量の約 40%を節約
大きな問題です。企業は、ボトム・ラインに影響を与
できます。
えずに、変化するビジネス・ランドスケープに迅速に
適応する必要があります。IT マネージャは、コストを制
次 に示 す SAP の Unicode 対 応 のため に、これ から
御するために、既存のインフラストラクチャを効率的
Unicode は非常に重要になります。
に管理しつつ、
アプリケーションのパフォーマンスを高
・ 今後の新しい SAP バージョンは、Unicode のみにな
く維持する必要があります。
ります。
・ すべての Java ベースの SAP 製品が Unicode 対応に
なります。
37
38
SAPアプリケーションで使用可能な
ORACLE DATABASEのセキュリティ
概要
の 2 つのトピックはデータベースに対して過小評価
IT の意思決定の重要な要素が、パフォーマンスと高
で、このトピックはデータベースに対して過大評価
可用性であることは今でも変わりはありません。
しか
です。
したがって、ここでは 1と2 のトピックでオラク
し、この 10 年間に、セキュリティもこの重要な要素に
ルのセキュリティ関連製品で何ができるかを示し、3
加わりました。データの盗難やインサイダーの脅威と
のトピックではオラクル製品が役に立つ場合と、他
いったことは、決して目新しい問題ではありませんが、
のツールを使用した方が良い場合を説明します(図
機密情報への不正アクセスという懸念は深まる一方
1 参照)。
です。
データの盗難は、財務的損失や対外的な損失に
計り知れない影響を与えます。同時に、サーベンス・
オクスリー法(SOX)
、EU データ保護指令、医療保険
の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)
、
クレジット業界データセキュリティスタンダード(PCIDSS)や、様々な漏えい公開法などの法令へのコンプ
ライアンスでは、機密データへのアクセスの管理が強
く求められています。
法令が要求する共通のテーマには、強力にしかも実
証できる方法で機密データへのアクセスを管理する
ほかに、職務の分掌があります。法的な要求事項は、
図1: SAPとOracleのセキュリティ。緑色の領域は、
オラクルのセキュリティ製品
および機能で保護されているレルム。白色の領域は、SAPのセキュリティ機能
で保護されている領域、サード・パーティ製品も併用の可能性がある。
ほとんどが実際の手続きについての要求ですが、そ
の要求事項を達成するためには不正アクセスやデー
次 の セクション で は、Oracle Advanced Securityと
タ改ざんなどに関連するリスクを軽減する技術的ソ
Oracle Database Vault の機能を概説し、機能別の目
リューションが必要です。
的を説明します。次に、これらの製品をそれぞれ詳細
に説明します。
ここでは、SAP 環境のデータベース・セキュリティで、
もっとも一般的な 3 つの誤解について説明します。
・ SAP環境では、
ネットワーク・レベルやアプリケーショ
ン・レベルのセキュリティを強化する方法はたくさ
んありますが、データベース・レベルでは、ほとんど
方法がありません。
この 誤 解 を 解くた め に、SAP シス テムで Oracle
Database 10gまたは Oracle Database 11gを使用
している場合のデータベース・レベルのセキュリ
ティ対策について説明します。
・ 「セキュリティ」イコール「暗号化」です。
これだけであれば、オラクルが 2 種類のセキュリ
ティ関連製品を SAP 顧客に提供している意味があ
りません。ここで は、Oracle Advanced Securityと
Oracle Database Vault の 2 つの製品と、その主な
違いについて説明します。
・ データベース・セキュリティは、アプリケーションの
セキュリティ問題も解決できます。
これは、明らかに前述の誤解とは異なります。最初
SAP アプリケーションで使用可能な Oracle Database のセキュリティ
総合的な理解
使用例 2:
SAPアプリケーションで作成し、Oracle データベース
データベース・ファイルのコピーを盗み、ファイルを
に格納されたデータを保護したいとします。
どんな方
直接読み取ることが可能であるとします(図3参照)。
法を使用しますか。
どのような脅威があり、どのような
対策を採ることができますか。3 つの使用例を想定で
きます。
これらは、データベース内のデータにアクセス
する3 種類の方法で定義されます。
使用例 1:
ユーザーがデータベース内のデータを読取りまたは
更新する場合、通常は SAP のアプリケーションが提供
するインタフェースを使用します(図 2 参照)。
図3: データベース・ファイルのコピーを使用してデータ・アクセスを試行。
Oracle Advanced Security(Transparent Data Encryptionおよびバックアッ
プ・セット暗号化)により、
これらの不正なアクセスを防止。
もちろん、これらのファイルはシンプルなテキスト・
ファイルではないため、SAP のデータ・モデルとオ
ラクルのデータ・ストレージ・アルゴリズムに関す
る知 識 が 必 要です。その点で難しいとは言えます
が、不可能ではありません。
図2: SAPアプリケーション使用の通常のデータ・アクセス。SAPのユーザーお
よび権限管理によるアクセス制御。
ここで暗号化を使用します。データ暗号化は、デー
タをプレーン・テキストではなく、暗号化した形式
で保存します。このため、データ・ファイル内の情
オラクルの観点では、これはもっとも簡単なケースで
報 が 判 読 不 能になり、直 接データ・ファイルを読
す。つまり、データにアクセスできるユーザーとアクセ
むことができません。
スできないユーザーを区別すれば済むからです。
デー
タのどの部分に特定のユーザーがアクセスできるよう
使用例 3:
にすべきでしょうか。
このユーザーがデータに対して
デ ータを入 手 する「不 正」な 方 法 は 他 にもありま
実行できる操作は何でしょうか。
これらは、SAP のユー
す。権 限 付 与されたデ ータベース・ ユ ーザ ー、た
ザーおよび権限管理に答えがあります。
これは、次を
とえばデ ータベース管 理 者 は DBA ツールを使 用
意味します。正当なデータ・アクセスは、SAPシステム
し、SAP のセキュリティ・チェックをバイパスして
自体が管理します。SAP の機能を使用して、ユーザー
直接データベースに接続することができます(図
と権限を定義する必要があります。
どのユーザーも悪
4 参照)。
意がなければ、オラクルが追加できることも追加が必
要なこともほとんどありません。
見方を変えれば、次のような法則が成り立ちます。
オラクルのセキュリティ製品および機能は、SAP ア
プリケーションをバイパスするデータ・アクセスを
防止するために必要で、SAP 以外のツールを使用
したデータベースへのアクセスは、潜 在 的な不 正
アクセスのリスクを含んでいます。
図4: SQL文とデータベース・ツールを使用してデータ・アクセスを試行。
Oracle Database Vaultは、
このような潜在的な不正アクセスを防止。
39
40
この使用例を検討する際に理解しておく必要があ
この 方 法 は、Oracle Database Vault で 実 現でき
るのは、この例では暗号化が役に立たないというこ
ます。従 来 からの 不 完 全 な 権 限 管 理 方 法 に か わ
とです。適切な権限が付与されたアカウントを使用
る、新しいより柔軟な権限管理方法です。すべての
して Oracle Database に 接 続し、適 切 な SELECT
暗黙的な権限を解除し、アクセス権限を明示的に
文を 作 成し、デ ータベ ースに送 信 すると、Oracle
Database はこの ユ ーザ ー に結 果 セットを 送 信し
ます。ディスク上でデ ータが 暗 号 化されている場
合、Oracle Database は 復 号 すら実 行してしまい
ます。これは、このユーザーから送信された要求を
Oracle Database が完全に有効な要求であると見
なすからです。
ここで、Oracle Database がこのような 動 作 をし
た理由を理解しておく必要があります。データベー
ス・ユーザーには、オブジェクト権限とシステム権
限を付 与できます。データベースには様々な種 類
のオブジェクトがありますが、データベースを利用
するユーザーも、データを盗もうとする人も、興味
があるのは表のみです。説明を簡単にするために、
ここからデータベースの「オブジェクト」を単に「表」
と呼ぶことにします。表の「オブジェクト権限」は、
その表内のデータへのアクセスが許可されている
ことを意 味します。一 方で、システム権 限 は、デ ー
タベース構 造の操 作 が 許 可されています。データ
ベースのディスク領 域の追 加(または開 放) や、
表 の 新 規 作 成(または 既 存 の 表を削 除 ) ができ
ます。従 来 のデ ータベ ース(Oracle Database を
含む)では、明示的に適切なシステム権限のセッ
トが付与されると、暗黙的にすべての表のオブジェ
クト権 限も付 与されます。これまで、この方 法に対
する疑問も問題も発生しませんでした。最近、この
方 法に企 業 が 疑 問を感じ始めました。データベー
ス構 造の管 理をおこなうデータベース管 理 者 が、
データベース内のすべてのデータを読取り(ある
いは変更) 可能であることは、本当に必要で望ま
しいことでしょうか。
3 番目に理 解する必 要 があるのは、3 の使 用 例の
場合、新しい権限管理方法がデータベースに必要
だということです。この方法では、システム権限とオ
ブジェクト権 限 は 継 続して提 供 する必 要 がありま
すが、暗黙的に付与されるオブジェクト権限の使用
を中止します。つまり、通常のデータベース・ユー
ザーはオブジェクト権限のみを必要とし、ほとんど
の場合、データベース管理者に必要なのはシステ
ム権限のみです。データベース管理者がデータに
アクセスしなければならない 場 合は、必 要なオブ
ジェクト権限のみを明示的に付与します。
定義する方法と、従来のユーザー(権限またはユー
ザー)のロールの相関関係とまったく切り離したア
クセス権限を有効にする環境を提供します。これに
より、顧客は職務分離やダブルチェック方針などの
概念を実装し適用できます。
SAP のアプリケーションでアクセスするすべての
データは SAP が処理します。従ってオラクルにでき
ること、実行しなければならないことは多くありま
せん。反対に、他の手段でデータベースのデータに
アクセスするユ ーザ ーに対して SAP ができること
は多くありませんが、オラクルにはできることがた
くさんあります。データの保護にオラクルのセキュ
リティ製品が大変役に立ちます。暗号化は、データ
ベース・ファイルを直 接 読 み 取ることを防 止しま
す。Database Vault は、標準のデータベース・ツー
ルを使用したデータへのアクセスを防止します。
SAP 用 Oracle Advanced Security
前述のセクションでは、オラクルが SAP 顧客に 2 つ
のセキュリティ関連製品を提供する理由を説明し
ました。このセクションでは、暗 号 化につ いて詳し
く説 明します。Oracle は、暗 号 化 機 能を 1 つ の み
ではなく、複 数 の 暗 号 化 機 能 のセットを提 供して
います。Oracle Advanced Securityと呼ばれるこ
のセットは、Oracle Database 11g および Oracle
Database 10g のオプションです。
ネットワークの暗号化
前述のセクションでは、説明を簡単にするために、
データベースに格納されたデータのみを対象にし
ました。
しかし、データベースに格納される前(後)
のデ ータは、転 送 のためにネットワーク上 に存 在
します。悪 意 の あるユ ー ザ ー は、デ ータベ ース・
ファイルのデータを読み込もうとするだけでなく、
転 送 中 のデ ータを傍 受しようとします。このため、
Oracle Advanced Security が提供する最初のテ
クノロジーのセットは、ネットワーク暗号化の機能
です。
SAP アプリケーションで使用可能な Oracle Database のセキュリティ
ここで、ネットワーク暗 号 化を説 明します。Oracle
ヘッドで表全体または表領域全体を暗号化できま
は、Oracle Database サーバーと Oracle Database
す。多くの表で構成される SAP のデータ・モデルの
クライアント・マシンとの間でやり取りされるデータ
場合、Oracle で SAP を使用する顧客は、列暗号化
を暗号化します。SAP 環境では、ユーザーが Oracle
の実装より簡単に、表領域暗号化を実装できます。
Database サーバーに直接接続することはありませ
ん。ユーザーが SAP のアプリケーション・サーバー・
名 前 が 示 すように、TDE はアプリケーション に対
インスタンスに接続すると、SAP のアプリケーショ
して透 過 的であるため、アプリケーションを 変 更
ン・サーバーが Oracle Database サーバーに接続
する必 要 が ありません。バ ージョン 7.20 以 降 は、
します。
この場合、アプリケーション・サーバー・イ
BRSPACE を使用して、表領域レベルで暗号化属性
ンスタンスは Oracleクライアントです。そのため、ア
を設定できます。BRSPACE は、暗号化キーを保存す
プリケーション・サーバーとデータベース・サーバー
るウォレットの管理にも使用できます。詳細は、SAP
との 間で やり取りされるデ ータは す べて、Oracle
Note 1430669(「BR*Tools support for Oracle
のネットワーク暗号化によって暗号化されますが、
11g encryption」)および 974876(Transparent
ユーザー・デバイスとアプリケーション・サーバー・
Data Encryption for SAP)を参照してください。
インスタンスとの間でやり取りされるデータは暗号
化されません。
バックアップ暗号化
特に本番データベースで列暗号化を使用する場合
悪意のあるユーザーは、転送中のデータを読み取
は、データベース・バックアップのセキュリティ・レ
るだけでなく、データを傍受し改ざんしようとしま
ベルを強化してください。一般的に本番データベー
す。したがって、Oracle Advanced Security はネッ
スに比べ、データベース・ファイルのバックアップ
トワーク暗号化に加え、暗号化チェックサムにより
の方が盗まれやすいからです。したがって、Oracle
データの整合性をサポートします。
Advanced Security の最後のテクノロジーのセット
は、バックアップ暗号化の機能です。
暗号化と暗号化チェックサムは共に、アプリケーショ
ンに対し完全に透過的です。システム管理者は両方
デ ータベース・ファイル の みを暗 号 化した場 合、
の領域で複数のアルゴリズムから選択できます。詳
本番データベース・ファイルで暗号化された列の
細は、SAP Note 973450 を参照してください。
みがバックアップ・コピーで暗号化されます。しか
し、Oracle の Recovery Manager(RMAN) と
Transparent Data Encryption(TDE)
Transparent Data Encryption は、本番データベー
スを構成するファイル内のデータを透過的に暗号
化します(バックアップ・ファイルとは対照的、次
の項で説明)。主な実装方法には、列暗号化と表領
域暗号化の 2 種類があります。
列 暗 号 化 は、Oracle Database 10g で 導 入 さ れ、
SAP は Oracle Database 10g と Oracle Database
11g の両方でサポートしています。基本的に列暗号
化では、もっとも機密性の高いデータのみを保護し
ます。社会保障番号や給与などの情報を含む列をい
くつか選択し暗号化します。
このミニマリズムの方法
は、セキュリティ要件を満たしつつ、CPU 負荷の各パ
フォーマンス条件とバランスさせることができます。
表領域暗号化は、Oracle Database 11g の機能で
す。採用された新しいアルゴリズムが、データ暗号
化実行時の CPU オーバーヘッドの大幅な低減を可
能にしました。列暗号化のように暗号化する情報を
制限する必要はありません。最小の CPU オーバー
Advanced Security を併用すると、すべてのバック
アップ・セット、つまりすべてのデータを暗号化で
きます。
バックアップ暗号化は、列暗号化と同様に、Oracle
Database 10g と Oracle Database 11g の 両 方 で
使用できます。詳細は、SAP Note 1324684 を参照
してください。
Oracle Database Vault for SAP
Oracle Database Vault は、Oracle Database 11g
と Oracle Database 10g の 機 能と 性 能 を 拡 張 す
るオプションです。Oracle Database Vault 10gと
11g は共に、すべての SAP アプリケーションでの使
用を SAP が認定しています。2 つのバージョンの違
い(大半がインストールと管理の部分)の詳細は、
SAP Note 1355140 を参照してください。
41
42
アクセス制御コンポーネント
・ルール・セットはルールの組合せです。通常、ルー
前述のように、Oracle Database Vault は柔軟なア
ルはANDまたはORで組み合せることができます。
クセス・ポリシーを定義し、インサイダーの脅威か
アクセス が 許 可されるの は、
( a) 平 日、OR(b)
らデータを保護するように設計されています。アクセ
土日の場合、AND IP アドレスによりユーザーが
ス制御コンポーネントは、アクセス・ポリシーの構
企業ネットワーク内にいることが示される場合で
築に使用します。
コンポーネントには、2 つのグルー
す。
レルムと、このレルムに割り当てられたルール
プがあります。レルムは、それ自体で 1 つのグルー
が、前述したアクセス・ポリシーまたはセキュリ
プを構成する概念で、すべての基礎になります。
ティ・ポリシーという最小の形式です。– 一部のド
キュメントではマルチファクタ認証という言い方も
・1 つ のレルムは、基 本 的 にデ ータベース・オブ
していますが、まったく同じ機能です。アクセス・
ジェクトのコンテナです。前 述 のセクションでは
ポリシーを作成する場合に、1 つの係数(つまり、
説 明を簡 単にするために、表のみを対 象として
1 つのルール)のみに制限されるのではなく、必
他 の すべてのオブジェクトは 考 慮しませんでし
要な限り多くの係数を組み合せて、試行されるア
た。データベースには多くの表が含まれますが、
クセスの許可を決定します。
表ごとに複雑なセキュリティ・ポリシーを定義す
ると非常に煩雑になります。また、1 つのポリシー
・コマンド・ルールは、特殊なルールです。名前が
がすべての表に適切である保証はありません。こ
示すように、特殊なコマンドをアクセス許可の条
れが、Oracle Database Vault がレルムという概
件にしたル ールです。ALTER TABLE は、平日で
念をサポートする理 由です。つまり、同 一のアク
あれば許可されますが、土日は許可されません。
セス・ポリシーを適用する表のグループがレル
ムです。実装の最初の手順では、1 つのレルムま
・保護アプリケーション・ロールは、特定のルール・
たは複数のレルムを作成し、次の手順で各表を
セットの評価に従って、データベース・システム
適切なレルムに割り当てます。
側で有効または無効が決定されるデータベース・
ロールです(つまり、PL/SQL プロシージャ)。
2 番目のグループは、ファクタ、ID、ルール、ルール・
セット、コマンド・ルールおよび保護アプリケーショ
管理および監視
ン・ロールの概念で構成されます。これらは、レル
これまで説明したアクセス制御コンポーネントは概
ムのアクセス・ポリシーの作成に使用する構成要
念に過ぎません。実際に使用する、つまり、アクセス
素です。
制御ポリシーを作成するには、専用のツールが必要
です。Oracle Database Vault には、レルムおよび
・ファクタは、データ・アクセス(または、試行する
ルール・セットを管理する管理コンソール、Oracle
データ・アクセス)の属性で、データベース・サー
Database Vault Administrator( DVA)があります。
バーにより自動的に決定されます。ファクタには、
このアプリケーションの使いやすいインタフェース
IP アドレス、曜日、時間などがあります。
を使用して、セキュリティ・マネージャはアクセス制
御ポリシーを構成できます。DVA は SAP 環境でも使
・ファクタにはちょっとした問題があります。ほとん
どの場合、値(IP アドレス、アクセス時間)の幅
用されています。SAP は追加または代替の管理ツー
ルを提供していません。
が広すぎて、ファクタだけではあまり意味がありま
せん。
これらの値にIDで意味付けをします。ほとん
DVA は、アクセス制御ポリシーを実装した場合の動
どの場合、少数の取り得る値を定義します。たとえ
作を監視します(ポリシーの効果とユーザーの動
ば、IP アドレスは、データ・センター、企業ネット
作)。このため、Oracle Database Vault には、監査
ワーク内、企業ネットワーク外など、ユーザーの作
機能が搭載され、さまざまな特性(特定のレルム、
業場所を特定できます。曜日は、平日か土日かを
係数、ルール・セット)に基づ いて、成功した試行
示します。アクセス時間は、通常の勤務時間内か
も失敗した試行も共に追跡できます。
さらに、Oracle
勤務時間外かを示します。
Database Vault には事前定義済のレポートが用意
され、アクセス・ポリシーの整合性とセキュリティを
・ID は、ル ールの作 成に使 用できます。たとえば、
妨害する試行を確認できます。また、追加レポート
企業ネットワーク内のユーザーで、平日の通常の
を作成するための使いやすいインタフェースも用意
勤務時間内(午前 8 時から午後 6 時の間)で、そ
されています。
のレルム内の表へのアクセスを許可する、という
のがルールです。
SAP アプリケーションで使用可能な Oracle Database のセキュリティ
ポリシー実装レベル
オ ラク ル の Database Vault は、ツ ー ル・ ボ ック
アプリケーション固有の
スで す。このツー ル には、事 前 定 義 済 のレ ルムと
ポリシー拡張(顧客)
ロール が 用 意されています が、これらはシステム
アプリケーション固有の
表(Oracle Database のデータ・ディクショナリや
デフォルト・ポリシー(オラクル)
Database Vault に必要な表など)に使用するレル
Database Vault の
ムとごく一般的(基本的)なロール(データベー
アクセス制御コンポーネント(オラクル)
ス管理者とセキュリティ管理者の区別など)で構成
されます。
したがって、この事前定義済コンポーネン
トで Database Vault を動作させ使用することはで
図5: Oracle Database Vault – セキュリティ・ポリシーの実装レベル
きますが、アプリケーション・データを保護すること
はできません。
これは、オラクルが企業のアプリケー
ションやデータを知ることができないからです。オラ
クルが提供できるのはツール・ボックスのみで、決
Oracle Database Vault for SAP
定したセキュリティ要件を具体的にアクセス制御ポ
Oracle Database Vault for SAP で実際に可能なこ
リシーにするのはユーザーです。
とは何でしょうか。アプリケーション固有のセキュリ
ティ要件とは何でしょうか。いくつか例を示します。
顧客が自社製アプリケーションを使用している場合
は、オラクルによる事前定義があってもまったく効果
・専用のSAPレルムを作成し、SAPデータを含むデー
がありません。
しかし、多数の企業が特定の標準アプ
タベース・オブジェクトを、このレルムに割り当て
リケーションを使用している場合、企業間のセキュリ
る必要があります。
また、特定のデータベース・ユー
ティ要件はある程度同じであるはずです。原因がア
ザーが SAP により提供されたアプリケーションを使
プリケーションの設計であるならば、オラクルが分析
用して接続できないようにします。
した要件で基本的なセキュリティ・ポリシーを実装
・し か し、より 特 別 な 側 面 も あ りま す。Oracle
することは理にかなっています。オラクルは、こうし
Database 上 で 実 行される一 般 的 な SAP アプリ
たことを実際に経験しています。
この方法でオラクル
ケーションでは、データベースの管理に管理ツー
は、たくさんの顧客のアプリケーション固有の基本
ルの BR*Tools ファミリを使 用します。このため、
的なセキュリティ・ポリシーの実装に費やす時間を
Oracle Database Vault をインストールおよびア
節約しました。また、基本的な実装の一部を忘れて
クティブ化した後でも、SAP 固有のセキュリティ・
いた顧客を守ることもできました。現在、オラクルは
ポリシーですべての BR*Tools 操作が可能で、予
事前定義されたアプリケーション固有の Database
Vault の ポリシ ー・グ ル ープ を 提 供して い ます。
想通りに動作する必要があります。
・一般に、SAP システムでは SAP Support をリモー
Oracle Database Vault for SAP は、このポリシーの
ト接続で実行する必要があります。
このため、SAP
1 つです。
サポートの 専 用デ ータベース・ ユ ーザ ーには、
SAP 固有のセキュリティ・ポリシーを作成する必
Oracle Database Vault for SAP を 使 用 するに 当
要があります。このアカウントは(デフォルトで)
たって、次の 3 つのレ ベルに分 けて考える必 要 が
無効にできますが、必要に応じていつでも有効に
あるでしょう。ツー ル・ ボックスのまま、Database
できます。当然のことながら、アカウントの有効化
Valut を使用する第 1 のレベル。SAP アプリケーショ
と無効化を監査することが必要になります。
ンの基本要件が網羅された事前定義済のアクセス
・SAP システムでは、一般的に顧客が ABAP や Java
制御ポリシーを使用する第 2 のレベル。最後に、事
スタックを使用できます。
したがって、SAP 固有の
前定義済のポリシーがすべての要件を満たさない
セキュリティ・ポリシーで、ABAPと Java スタック
場合、ユーザーが事前定義済のポリシーを変更ま
を使用したデータ・アクセスを区別できなければ
たは拡張して使用する第 3 のレベル。
なりません。
詳細とベスト・プラクティスについては、SAP Note
1502374 を参照してください。
43
44
ORACLEのUNBREAKABLE ENTERPRISE KERNELを使用したORACLE LINUX
Oracle Linuxの一環として、Oracleの新しいUnbreakable Enterprise Kernelは、Linuxのアップストリーム開発
からデータ・センターに至るまで最新のイノベーションと向上を実現します。
高速、最新、高い信頼性
主な機能:
・ 2.6.32をベースにした最新カーネ
ル、サーバー配置用にOracleが最
適化
・クラスタ化ボリューム用のOCFS2
1.6を含む
・OFED 1.5.1を含む
・高度なNUMAサポート
・ パフォーマンス・カウンタを含む新
しい診断およびトレース用ツール
・ アプリケーションからディスクま
で完全なデータ整合性チェック
・ハードウェア障害管理
主なメリット:
・オラクルによるテストおよび推奨
・ 簡単なインストール – オペレー
ティング・システムの再インストー
ルが不要
・ 既存のアプリケーションを変更な
しで実行可能
・ 最高のパフォーマンス、大規模シ
ステムに最適
・ メモリーおよびCPUリソースを詳
細に制御
・電力管理の改善
・アプリケーション稼動時間の改善
高速、最新、高い信頼性の Linuxカーネル
Oracle Linux 5 上に簡単にインストール
Oracle の Unbreakable Enterprise Kernel は、アッ
Unbreakable Enterprise Kernel は、Unbreakable
プストリーム開発からRed Hat Enterprise Linux 5
Linux Networkとpublic yum サーバーから提供さ
または Oracle Linux 5 を実行する顧客に至るまで、
れます。そのため、簡単かつ短時間で Oracle Linux
最新の技術を提供します。
5 上にインストールできます。
Unbreakable Enterprise Kernelは、安定版2.6.32
Unbreakable Enterprise Kernel をインストールす
カーネルをベースに、オラクルのデータベース、ミ
るには、新しい Oracle Linux 5 の最新チャネルを
ドルウェアおよびハードウェアのエンジニアリング・
Unbreakable Linux Network(ULN) に登 録、ま
チームと共同で開発された最適化機能を搭載し、要
たは public-yum サーバーから自由にダウンロード
求がもっとも厳しいエンタープライズ・ワークロー
します。Unbreakable Enterprise Kernel は、x86-
ドに安定性と最適なパフォーマンスを提供します。
64 サーバーで使用できます。
ま た、Oracle Linux に は、Red Hat Enterprise
Linux ソースから直接コンパイルされた Red Hat 互
既存のアプリケーションを変更なしで実行可能
換カーネルが含まれています。
Oracle Linux は Red Hat Enterprise Linuxと完全
な互換性(ソースとバイナリの両方)があり、Red
Unbreakable Linux サ ポ ート・ プ ログ ラ ム に よ
Hat Enterprise Linuxと同じソース・コードをベー
り、オラクル は 継 続して Red Hat 互 換カーネルを
スにした同じバージョン・レベルの同一パッケー
サ ポ ートしま す。Red Hat Compatible Kernel を
ジ・ セットが 含 ま れ て い ま す。Oracle Linux は、
使 用した厳 密 な RHEL 互 換、または Unbreakable
edelivery.oracle.com/linux から無 償 の DVD をダ
Enterprise Kernel を使用したエンタープライズ・
ウンロードでき、自由にインストール、使用および再
ソフトウェアの実行に最適化されたシステム。顧客
配布できます。
は起動時にどちらかを選択できます。
Unbreakable Enterprise Kernel は、オペレーティ
ング・システムを再インストールする必 要 がない
ため、既 存 のアプリケーションを変 更 せずに実 行
できます。glibc の変 更は必 要ありません。つまり、
・問題解決の短期化
userspace アプリケーションが使用するアプリケー
・サイレントなデータ破損を回避
ション・バイナリ・インタフェースを変更する必要
がありません。
Oracle Linux
最高のパフォーマンス
SAP の認定済
Unbreakable Enterprise Kernel は、パフォーマン
Oracle Linux 5(アップデート5 以降)は、SAP に
スを念 頭に開 発およびテストされ、社 内のベンチ
よりOracle Database 11g Release 2 で実行する、
マーク・テストで標 準の Enterprise Linux 5 カー
SAP NetWeaver 7.0X ベ ースの X86_64 プラット
ネル(2.6.18- 194)との比較で大幅なパフォーマ
フォームのすべての Unicode 版 SAP 製品で認定さ
ンスの向上が認められました。
れています。
Unbreakable Enterprise Kernel に は、仮 想 メ モ
オラクルによるテストおよび推奨
リーのパフォーマンス、ネットワークおよびディスク
オラクル は Unbreakable Enterprise Kernel の み
の I/O パフォーマンス、および大規模 NUMA(不均
を 使 用 し て、Fusion Middleware お よ び Oracle
一メモリー・アクセス)システムの改善を目的とし
Database を含むオラクルソフトウェアの構築とテス
た拡張機能とバグ・フィックスが含まれています。
トを おこなって い ます。Unbreakable Enterprise
Kernel は、Oracle Exadata および Oracle Exalogic
・ 最 新 InfiniBand ソフトウェア・スタック、OFED
1.5.1
・ 高 速、低 遅 延ネットワーク用 に改 善された RDS
(Reliable Datagram ソケット)スタック
・ 受信パケット操作機能の搭載により、特に高負荷
時にネットワーク全体のパフォーマンスが向上
にも搭載されています。オラクルは、すべての Linux
ベ ース の オラクル デプ ロイメントの み で は なく、
あ ら ゆ る Linux デ プ ロ イ メント で Unbreakable
Enterprise Kernel を使用することを推奨していま
す。向上したパフォーマンス、信頼性およびスケーラ
ビリティからの大きなメリットがあります。
・ 非同期書戻しパフォーマンスの改善
・ ソリッド・ステート・ディスク(SSD)など、高速
ストレージのスケーラビリティを改善
・ 大規模 NUMA システムの高度なサポート
Linuxのアップストリーム開発による最新イノベーション
Unbreakable Enterprise Kernel には、大規模システ
ムのパフォーマンス向上に加え、データ・センターで
実行されるLinux 関連の多数の新機能があります。
・ メモリー、CPU およびデバイスの詳細な管理を可
能にするタスク・コントロール・グループ
・ システム・クラッシュを回避し、アプリケーション
実行時間を向上させるハードウェア障害管理
・ システム・アイドル時の電力消費を抑える電源管
理機能
・ 破損データへの書込みを回避するデータ整合性
機能
・ OCFS2 1.6、Oracle のクラスタ化ファイル・シス
テムの最新リリース
・ 管理者が迅速にあらゆるコマンドの長期遅延を発
見できる Latencytop のサポート
・ Fallocate() システム呼出しによる、大型ファイル
の予約済領域の迅速な呼出し
連絡先
Oracle Linux の詳細は、次のサイトを参照してくだ
さい。oracle.com/sap
45
46
VM
ORACLE VM
サーバーの仮想化と管理
・ 高速な VM プロビジョニングおよびクローニング
オラクル認定済の仮想化ソリュー
次世代型サーバーの仮想化および管理ソリューションの
ション:
Oracle VMは無償です。エンタープライズ・アプリケーショ
– OCFS2 のスパース・ファイルのサポートにより、
・ライセンス・コストなしで完全な
サーバーの仮想化と管理を実現
ンの配置、管理、サポートを容易にします。オラクル環境
仮想マシンのプロビジョニングとクローニングが
でもオラクル以外の環境でも、ワールドワイドに手ごろな
大幅に高速化されました。より詳細にデータ割当
・VMTemplatesによる高速なアプリ
ケーション配置
価格のエンタープライズ品質のサポートを受けることが
てが制御でき、パフォーマンスおよびストレージ
・最高の価格/パフォーマンスを得
ることができる最新の低オーバー
ヘッド・アーキテクチャ
・セキュアなライブ移行、VMの高可
用性、P2VおよびV2V変換、Web
サービス、APIおよび他の高度な
機能
できます。Oracle VM は、完全に認定済のプラットフォー
の効率性を改善できます。
ムへのエンタープライス・アプリケーションの配置およ
・ Oracle VM Manager のコマンド・ライン・イン
び運用を支援し、運用コストとサポート・コストを削減す
タフェース(CLI)と Web サービス API– Oracle
ると同時に、IT の効率性と敏捷性を改善します。
VM Manager により、サード・パーティ製品を統
合できます。
企業サーバー・ワークロードの仮想化プラットフォーム
・ セキュアなライブ VM 移行 – セキュアな SSLリン
急速に肥大するデータ・センターでは、増加する運
クを介して、実行中の VM を中断せずに他のサー
用コスト、能率の悪いリソース使用率、およびスペー
バーに短時間で移行できます。計画メンテナンス
スの確保などの問題に直面しています。
しかし、どの
やリソースの拡張に伴うサービス停止が完全にな
ようなソリューションであっても、ビジネスの柔軟性
くなります。
に応じて成長し、価格 / パフォーマンス要件を満た
・ 高可用性 – 予定外の障害が発生したサーバーま
し、アプリケーションを容易に配置、管理およびサ
たは個別の VM を、サーバー・プールの他のサー
ポートできることが必要です。
バーの VM で確実かつ自動的に再起動できます。
新しいサーバー・プール・マスターの自動フェイ
Oracle VM は、以下を提供します。
ルオーバー機能により、仮想化管理のあらゆるシ
・ 最高のパフォーマンス – Xen® hypervisor による低
ングル・ポイント障害を排除しました。
オーバーヘッドのアーキテクチャは、もっとも厳しい
・ 自動または手動によるサーバー・プール負荷分
パフォーマンス要件に応じて増加するワークロード
散 – ゲストVM は、起動時に自動的にプール内で、
にスケーラブルなパフォーマンスを提供します。
もっとも多くのリソースを使用できるサーバーに
・ 最新ハードウェアのサポート – Intel® Xeon® およ
び AMD® Opteron® 製プロセッサの新しいハード
ウェア機能の採用で、高いパフォーマンスとより効
率的な電源管理が実現します。
・ Oracle VM テンプレートによる高速なソフトウェア
置かれます。または、ユーザー指定のサーバーの
サブセット内で起動することもできます。
・ 物理から仮想 / 仮想から物理へのマシン変換 –
既存の Linux または Windows の物理サーバーま
たは VMDK または VHD 仮想マシンを、短時間で
配置 – 事前インストールされたOracle エンタープラ
Oracle VM 仮想マシンに変換でき、ライセンス・
イズ・アプリケーション、または他のソフトウェアが
コストが削減できます。
含まれた事前定義済の仮想マシンをダウンロード
・ 仮想 CPU のスケジュール設定プロパティおよび VM
およびインポートし、数週間後ではなく数時間後に
ごとのキャップ – IT/ビジネスの優先順位に応じて、
起動および実行できます。
複数の VM 間で CUP へのアクセスを制御します。
Oracle VM
・ 仮想マシンの I/Oリソース管理 – 仮想ネットワー
ク・インタフェースごとに帯域幅キャップと仮想
ディスクの優先順位を設定できます。
・ ブロック・デバイスを共有仮想ディスクとしてイン
ポート–ブロック・デバイスを VM に割り当てると、
Oracle Real Application Cluster(RAC)など、
アプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上
します。
・ O racle Solaris、Linux および Windows のサポー
ト– Oracle Solaris、Linux および Windows のゲ
Oracle VM は、次のゲスト・オペレーティング・シス
スト・オペレーティング・システムを Oracle VM
テム(32-bitと64-bit の両方)をサポートしています。
上で実行できます。
・ 本 番環境でのテストに基づ いた公式認定 – 本番
環境で、高機能のエンタープライズ・ワークロー
ドの使用でサポートできないものはありません。
・ 仮 想化および管理 : ライセンス・コストとライセン
・ 擬似仮想化(PV、
「明示的仮想化」)とハードウェ
ア仮想化カーネル :
・ Enterprise Linux 4 および 5( オラクルまた は
Red Hat®)
ス・キーが不要 – リソース・プールをブラウザベー
・ハードウェア仮想化カーネルのみ(ハードウェア
スで一元管理できる Oracle VM Managerも含ま
で仮想化をサポート – Intel VT または AMD-V が
れています。
・ 手ごろな価格のフルスタック・エンタープライズ
クラス・サポート– オラクルが仮想化環境全体と
ワークロードをワールドワイドにサポートします。
必要):
・ Oracle Solaris 10(OS に PVドライバを含む)
・ Red Hat Enterprise Linux 3(32-bit PVドライ
バも使用可能)
・ Microsoft® Windows® Server 2008 R2、
統合されたサーバー仮想化と管理
W i n d o w s S e r v e r 2 0 0 8、W i n d o w s S e r v e r
Webブラウザベースの統合管理コンソール、Oracle
2003、Windows 7、Windows Vista お よ び
VM Manager で構成されるOracle VM は、使いやす
く機能の豊富なグラフィカル・インタフェースを備え
Windows XP
・ Microsoft Windows 2000
ています。このインタフェースは、86x ベースおよび
x86_64 ベースのシステムで企業全体にわたって稼
サポートするゲスト・オペレーティング・システムの構
動する仮想サーバー・プールの作成と管理を目的と
成の詳細は、
各製品のドキュメントを参照してください。
しています。
約 1 分で、単一の CDまたはネットワークから物理的な
ユ ーザーは同 一の物 理サーバー上に仮 想マシン
ベアメタル・サーバーにOracle VM Serverをインストー
(VM)を作成し管理できます。独自の仮想 CPU、ネッ
ルでき、ゲストの仮想マシンをホスティングする環境が
トワーク・インタフェース、ストレージおよびオペレー
整います。
仮想マシンは、Oracle VM Serverのコマンド
ティング・システムを持つ、各 VM は独立して動作で
ラインから作成、構成および管理できます。
また、同梱
きます。
のOracle VM Managerソフトウェアを使用すると、ブラ
ウザから数百のサーバーを一元管理できます。
47
48
VMの高度な管理
ゲストVM の作成と構成は、第一歩にすぎません。
・Oracle VM Manager は、Oracle データベースを
Oracle VM に含まれる管理ソリューションの Oracle
管理リポジトリとして使用します。管理サーバー
VM Manager の高度な機能を使用すると、リソー
にも別のサーバーにもインストールできます。管
ス・プール間の負荷分散や、サーバー停止時間に
理リポジトリとしてサポートしているのは、Oracle
関連したサービスの停止を自動的に低減またはなく
Database Express Edition(XE)、Standard
すことができます。
Edition(SE)、Enterprise Edition(EE)、お よ
び Real Application Clusters(RAC)です。
・ システム要件の詳細は、製品ドキュメントを参照し
てください。
オラクルの認定済およびサポート対象の仮想化環境
オラクルは、本番環境で Oracle VM の様々な製品
をテストし、あらゆる面で 信 頼でき合 理 化された
サポートを確実に提供します。新しいオラクルの製
品リリースは、すべてデフォルトで認定されていま
す。製品バージョンごとの認定情報は、My Oracle
Support Web サ イト の Support Note 464754.1
を参照してください。
Oracle VMサポート:すべてのスタック – 世界中どこでも
1 回のコールで
オラクル の 世 界 水 準 の サポ ート部 門 が 提 供 する
Oracle VM Managerのインタフェース
Oracle VM Premier Support には、次が含まれます。
・登録者ネットワークの Unbreakable Linux Network
Oracle Enterprise Manager に導入された Oracle
でパッチ、修正およびアップデートにアクセス
VM Management Pack は、仮想マシンとオペレー
・24 時間 365 日のグローバルなサポート
ティング・システム、および仮想マシンで稼動する
Oracle VM ソフトウェアは、無償でダウンロード
ソフトウェアを単一の製品から管理する包括的管
できます。Oracle VM のサポートは、Oracle VM
理ソリューション で す。Oracle VM Management
Store で購入できます。
Pack は、仮 想インフラストラクチャと物 理インフ
ラストラクチャの 両 方 に、詳 細 なヘルスおよび パ
Oracle VM サポートの価格は、システム単位で計算
フォーマンス統合モニタリング、構成管理、ライフサ
されます。詳細は、Oracle の価格ガイドを参照して
イクル自動化の機能を提供し、高い効率性で運用で
ください。
きます。
システム要件
Oracle VM のインストールには、静的 IP アドレスが
割り当てられた 2 つのシステムが必要です。1 つに
は Oracle VM Server をインストールし、もう1 つに
は Oracle VM Manager をインストールします。
・ Oracle VM Server は、PAE(物理アドレス拡張)
をサポートする x86 または x86_64 プロセッサの
サーバー・ハードウェアに直接インストールでき
ます。ホスト・オペレーティング・システムは必要
ありません。
・ Oracle VM Manager は、Linux 上 で 稼 動 す る
Java ベースの管理サーバーです。
Database Vault
The only database
that prevents your IT staff
from seeing your data.
Without Oracle’s Database Vault,
your staff can see:
Your financial results
Your customer list
Your employees’ salaries
Only Oracle has a Database Vault
oracle.com/security
or call 1.800.ORACLE.1
Copyright © 2009, Oracle. All rights reserved. Oracle is a registered trademark of Oracle Corporation and/or its a affiliates.
Other names may be trademarks of their respective owners.
50
SAPとOracleデータベースをグローバルに統合レスキュー サービス利用による効率的なスキル習得により目標期
日での本番稼動に成功「短期間でのERPおよびDB統合作業を実現でき、Advanced Compressionオプションの
効果によりデータ量を約60%削減できました。」
Oracle Database 11g R2 におけるOracle レスキュー・サービス for SAP の活用
シャープ株式会社
http://www.sharp.co.jp
液 晶テレビの 主 力ブランド「アクオス」を 生 産 す
拠 点 にお いて S A P のビッグバン 導 入を 次々と展
る世 界 大 手 の 総 合 家 電メーカーであるシャープ
開し、現 在 はほぼ 導 入を完了している。国 内でも
株 式 会 社 ( 以 下、シャープ ) は、グロー バ ル に
1 9 9 7 年 ご ろ から拠 点 ごとに ホ ストシス テム を
そ れ ぞ れ 配 置して い た SA P およ び O r a c le デ ー
置き換える形で、S A P および O r a c l e デ ータベ ー
タベースを地 域 毎にシングル・インスタンス構 成
スの 導 入 を 進 めてきた。デ ータベ ースに O r a c l e
業種:
として 1 つに集 約・統 合することを計 画。
「O r a c le
を 選 択してきた 理 由 につ いて 原 氏 は 次 のように
エレクトロニクス機器(AV・通信機
器、健康・環境機器、情報機器)電子
部品(液晶、太陽電池、その他電子
デバイス)
レ ス キ ュ ー・ サ ー ビ ス」を 利 用 し、
「SA P E R P
語る。
従業員:
22,000人(連結:55,000人)
6.0」および「Or a cl e Da ta ba se 1 1 g」への統 合
を 実 施した。この 一 連 のシステム 構 築 につ いて、
スタンダ ードは SA P だという判 断 に至りました。
参 事 の 原 真 二 氏と、エスアイソリューションズ 株
また、デ ータベ ース は 高 信 頼 性 やグ ロー バ ル サ
式 会 社 ※ ( 以 下、エスアイソリューションズ ) 第
ポート力の点 から、O r a c le 製 品を選 びました。」
オラクル製品:
二サービス事 業 部ソリューション技 術 部グル ープ
Oracle Database 11.2
Advanced Compression
Partitoning
リーダーの玉 島 隆 氏にお話を伺った。
主なメリット:
管理の最適化、コスト削減、大幅
なデータベース・サイズの削減、パ
フォーマンスの改善、バックアップ
時間の短縮など将来の成長を可能
にする構成でスペースを削減
「 いくつ か の 製 品 を 評 価した 中 で、グ ロ ー バ ル
同 社 IT システム 推 進 センター 第 一 I T 推 進 部 副
各 拠 点 に 導 入してい た S A P および DB の 集 約・
統合を実施
※ エスアイソリューションズ 株 式 会 社 は、シャー
地 域 毎にインスタンスを 1 つに統 合する(シング
プ の 生 産・ 販 売 会 社 を 中 心 にグ ロ ー バ ル に
ル ・ インスタンス 化 する)タイミングで、いくつ
S AP を導 入した多くの実 績 があり、そこで培 わ
れた基 幹 業 務 の 構 築を 支 援 するテンプレ ート
かの懸 念 点 が 浮 上してきたと玉 島 氏は話す。
「 各 個 別 にそ れ ぞ れ インスタンスを 立てていて、
や ハイテク産 業 にお けるビジ ネス課 題 解 決 に
単 独で使えていたものを統 合するわけですから、
寄 与するソリューションを提 供できます
デ ータベ ース が 非 常 に 巨 大 なもの になりますの
SAP:
で、ストレ ージ が いくらあっても足りませんし、そ
ERP ECC 6.0
1990 年代中ごろの早い段階で SAP および Oracle
インフラストラクチャ:
Database を導入
ました。このデ ータベースの 巨 大 化を抑える方 法
Windows 2008ジを使用
Or acl e L i nu x は Re d H a t E n te r pr i se Li n ux と
と、大 規 模 な デ ータベ ースでも効 率 的 にデ ータ
れ によるパフォー マンス の 悪 化も気 に なって い
完 全な互 換 性(ソースとバイナリの両 方)があり、
にアクセス する 事 で パフォー マンス 向 上 が でき
Re d H at E nt e r p r i s e L i n ux と同じソース・コー
る方 法 がない か 検 討をしました。これらの 課 題を
ドを ベ ース にした 同じバ ージョン・レ ベ ル の 同
解 決するためには、
『O r a c le D a ta base 11g』の
一パッケージ ・セットが 含まれています。O r a c le
A d v a n c e d C o m pr e ssi o n 機 能 ※ によるデ ータ圧
L i nu x は、e de l i ve r y.or a c le . c o m /li n ux か ら 無
縮とパ ーティショニング 機 能 によるデ ータベース
エスアイソリューションズ株式会社
償の DV D をダウンロードでき、自由にインストー
の論 理 分 割 が 最 適と判 断したのです。」
http://www.si-sol.com
ル、使 用および 再 配 布できます。
※ A d v a n c e d C o m pr e ssi o n オプ ション は 通 常
業種:
情報システムの開発、運用、保守に
かかわるコンサルティング、システ
ム企画・開発等のトータルソリュー
ションの提供
1 9 1 2 年 の 創 業 以 来、ラジ オ、テレビ、太 陽 電 池
有 償です が、SA P にバンドルされるライセンスで
の 量 産 化、世 界 初 の 電 卓 や 液 晶 ディスプレイの
は無 償で利 用できます。
商 品 化 など、自ら需 要を 創 造 する「オンリーワン
企 業」として 国 内 外 から高 い 評 価 を 受 けて いる
今 回 の S A P お よ び デ ー タ ベ ース の 集 約 ・ 統 合
シャープ。
「お 客 様の目線でのモノづくり」を徹 底
に お い て、
「O r a c l e D a t a b a s e 1 1 g」を 選 択し
し、エレクトロニクス技 術を 通じてユ ーザ ー の 新
た 理 由 は ほ か にもある。システム 運 用 に お ける
しいライフスタイル を 提 案してきた日 本 有 数 の
コ スト のうち 約 半 分 が ストレ ー ジ 関 連 で 占 め
企 業である。
ら れ て い た シ ャ ー プ にと っ て、T C O 削 減 は 大
き な 課 題 だ っ た。つ ま り、
「O r a c l e D a t a b a s e
そ の シャープ で は、1 9 9 4 年 ご ろ から海 外 の 各
1 1 g 」による デ ー タ 圧 縮 は、パ フォー マン ス お
Oracle Database 11g R2 における Oracle レスキュー・サービス for SAP の活用
よ び T C O の 観 点 から重 要 な 鍵とな った。また、
本 番 サ ービス イン でした の で、自 分 たちだ けで
統 合 によりデ ー タ ベ ー ス の 負 荷 が 増 加 す るこ
導 入 ・ 手 順 を 確 認して本 番 へ 適 用 するというの
と が 懸 念 さ れ た が、事 業 を 世 界 展 開 して い る
は 間 に 合 いませ ん。そ の た め、工 数 削 減 や 期 間
シャープ で は 2 4 時 間 止 まらな い シス テム が 求
短 縮 の 目 的 で『O r a c le レスキュー・ サ ービス』
めら れ る。そ の 意 味 で、将 来 的 に O r a c l e R e a l
を利 用 することを考えました。実 は 以 前『O r a c le
A p p l i c a t i o n C l u s t e r s ( R AC ) の 利 用 を 視 野
D a ta G ua r d』の 導 入を 検 討したときに、同 様 の
に 入 れ る 必 要 が あり、そ れ を 実 現 で き る の も
サービスを利 用したのですが、非 常によくサポー
「 O r a c l e D a t a b a s e 1 1 g 」だ けであった。
トしていただきましたし、短 時 間でスキル 習 得も
できました。また、こちらの 検 証 の 工 数も非 常 に
短期間導入の実現に向けて「Oracle レスキュー・
短 縮できましたので、そうした実 績 から今 回も採
サービス」を利用
用 い たしました。オラクル のスタッフが 期 待 通り
今 回 の プ ロ ジェクト に お い て、2011 年 1 月 の
にすぐ 動 いてくれますし、行き詰まったときは 新
本 番 サ ー ビ ス イン は 必 須 条 件 だ った。し か し、
しい 別の手 順も教えてくれたお か げで、当 社の検
シ ャ ー プ が 抱 えて い た 課 題 を 解 決 す る パ ー
証の手間は本当に省けました。シャープに合わせ
ティショニング 機 能と、デ ータ圧 縮 機 能を 備える
た 手 順 を 提 供してもらいました ので、こちらとし
「Orac le D atabase 11g」のリリース が、2010
ては 非 常 にスムーズ に進 行できましたし、2 0 1 1
年 の 6 月末 だったことから、シャープ のシステム
年 1 月の 本 番 稼 動 にも間 に 合 わ せることが でき
導 入 に 尽 力して い た エ ス アイソリュー ション ズ
ました。」
は、半 年という短 期 間で 大 規 模 なプロジェクトを
成 功 に導くことが 求 められ た。そこで 利 用したの
効 率 良くスキルを習 得し、デ ータ量 の 約 60 % 削
が、
「Or acle レス キュー・ サ ービス」だった。こ
減に成 功
の判断について、玉島氏はこう述 懐する。
シャープ で は、今 回 実 施した デ ータ 圧 縮 によっ
「『Oracle Database 11g』が 6 月 末 にリリース
て、対 象となるデ ータの 約 6 割を削 減 することが
され た の を 受 けて、7 月 から作 業 開 始、1 月には
できている。また、エスアイソリューションズ の 立
51
52
場 からしても、
「Or acl e レスキュー・ サ ービス」
によって効 率 良く習 得したスキルを、今 後の外 販
事 業 に 活 用 できる事 はアドバ ンテ ージ の ひとつ
になるという。
このように大きな 効 果を 得ることができた両 社。
将 来 的な展 望につ いてお 2 人に伺った。
データ量の増加に伴う、ディス
「これ からはデ ータベ ースをすべて圧 縮 すること
ク領域の圧迫、パフォーマンス
を 必 須 にした いと思 います。T C O 削 減、ディスク
への影響など、データベース運
スペ ース、高 価 なストレ ージ を 使っているので、
用に関する悩みはSAPシステム
容 量 が 減るだ けでも大きな 効 果 が 出ます。そうし
においても同様です。
た 面 でも今 後 は 圧 縮 を 必 ず やって いこうと考 え
Oracle レスキュー・サービス
ています。日 本 オラクル には、引き続き今 回 のよ
for SAPでは、SAP 常駐サポー
うなご 提 案を 継 続していただきたいと思 います。
トのエンジニアが、お 客 様 の
次 は、Or a cl e E x a da t a fo r SA P なども含 めて、
ご要望に応じたパーティション
80 %くらい デ ータ量 が 圧 縮できるような 提 案 を
化、表および索引圧縮の手法
期 待しております。」
(原 氏)
作成や、対象選定のためのガイ
「 原 副 参 事 が おっしゃるように、今 後 は ERP に限
ドラインを提示し、導入を支援
らず 他 のデ ータベースも圧 縮をおこなっていくこ
いたします。
とになります。特 に SAP BW の 圧 縮 を 実 現し、ス
SAPシステムでの運用管理方
キル習得ができれば、外販への展開の機会はもっ
法、Oracle 新機能の導入にご
と増えるのではないかと思います。」
(玉島氏)
興味、お悩みのお客様にぜひ
お試しいただきたいサービス
です。
― カスタマーサービス統括 - アド
バンストカスタマーサービス統
括本部 都島 崇
日本オラクル株式会社
レスキューサービス担当
都島 崇
エスアイソリューションズ
株式会社
第二サービス事業部
ソリューション技術部
グループリーダー
玉島 隆氏
シャープ株式会社
ITシステム推進センター
第一 IT 推進部
副参事
原 真二氏
ポーランドの RWE の Oracle Partitioning for SAP
「弊社の課金システムに配置したOracle Partitioningにより、システムが長期的に安定し、システム・パフォーマン
スが400%も劇的に改善されました。オラクル・テクノロジーは、他のシステム・アップグレードに投資するより、はる
かにコスト効率がよく、成功を約束してくれます。」
– JAROSLAW GROMADZINSKI、RWE ITインフラストラク
チャ開発およびサポート担当、ポーランド
ポーランドのRWEのOracle partitioning for SAP
RWE Polskaの課金システムにおける安定性とパフォー
・ Oracle Partitioningと共に、パラレル I/O 操作を
マンスの改善
実装しました。処理速度が 12 倍速くなり、顧客の
RWE は、ヨーロッパをリードする電気およびガス会社
電気およびガスの課金に関する問題を短時間で
です。70,000 人以上の従業員を雇用し、16 百万件
処理できるようにしました。
に電気、約 8 百万件にガスを供給しています。RWE
・ レ ポ ート実 行 の 平 均 時 間 を 数 時 間 から数 分 に
Polska は、ポーランドの RWE 開発を支援し、国内の
短縮しました。収支決算レポートなどの主要なレ
約 900,000 件の顧客に電気を供給しています。
ポートを対象にレポート実行のパフォーマンスが
400%改善されました。
課題
・ひと月 60 ギガ バイトの 電 気 およびガスの 課 金
データがシステムに及ぼす負荷を解消し、公共料
金の SAP 課金システムの性能を改善したい。
・課金データベースへのアクセス時間を短縮し、肥
大する顧客データベースが原因で発生する課金
システムの停止時間を排除したい。
・巨大なミッション・クリティカルなデータベース・
オブジェクトの管理を簡素し合理化したい。
・サーバーの追加は負担の増加だけで期待できる
ものがないという技術的分析から、ハードウェア
投資以外の方法でデータベースの応答を改善し
たい。
ソリューション
・Oracle Partitioning を 使 用して、Oracle Database
の主要な表を 11 ~ 12 個の小さいフラグメントに
分割しました。各パーティションのデータ・ボリュー
ムを小さなサイズにして、電気、ガスおよび他の公
共サービスの顧客課金データをより高速に計算で
きるようにしました。
RWE Polska SA
ワルシャワ、
ポーランド
www.rwe.pl
・ 作 成に時間がかかるため中断することが多かっ
た、いくつかの重要な請求書などを業務内容別に
業種:
分割して再開しました。
公共事業
・ ストレージ使用率を最適化し、ストレージのライ
フサイクルを 10 倍に延長することで、ディスク・
システムの読取り数を削減しました。
・ 企 業の月次決算を高速化し、長期のビジネス価値
を実現しました。
年間収益:
650億米ドル
従業員:
1,600名
オラクル製品およびサービス:
Oracle Database
Oracle Partitioning
53
54
「Oracle Database 11gとAdvanced Compression機能の選択は正しい選択でした。確かな投資の価値がありま
した。データベース・ボリュームを60%削減し、応答時間を56%短縮できました。システムが改善され、得られたメ
リットは明らかです。Database VaultやNetwork Compressionなど、11gの他の機能を実装することもすでに計
画しています。」
― T. G. DHANDAPANI、グループCIO、TVS Motor
Company
ORACLE DATABASE 11gによる大幅な改善を享受するTVS MOTOR COMPANY
RTVS Motor Company
http://www.tvsmotor.in
業種:
二輪車、オートバイ、ベルト駆動自
動変則スクーター、モペッドの製造
会社(生産能力は年2.5百万台)
従業員:
7,800人(インド、
インドネシア)
オラクル製品:
概要
10 年 以 上 に渡って、大きな 成 功を 収 めた成 長 路
・ 7800 人の従業員 - インドに3 拠点、インドネシアに
線 を 進 める TVS Motor は、インドに本 社 を 置き、
1 拠点
Oracle Database と 共 に SAP アプリケ ー ション・
・インドの二輪車業界で第 3 位の製造業者
ランドスケープ を 主 流 に使 用してきました。実 質
・収益 15 億米ドル
的にすべての ERP ECC 6.0 モジュールを使 用し、
・ 品質に関するDeming Prize 獲得 – 二輪車製造業
Netweaver Business Warehouse(7.01) と
界で世界初、二輪車製造会社で唯一の受賞
Process Integration(PI 7.0) を、3 つ の SAP 以
・47 か国以上に輸出
外のアプリケーションと中央アプリケーション・ラ
・インドで第 2 位の規模を誇る三輪バイクの製造業者
ンドスケープのリンクとして使用していました。この
システム環境で、600 人以上のユーザーが作業し、
TVS Motor Company は、インドの 二 輪 車 製 造 業
ハードウェア・コンポーネントは HP システム(HP-
で 3 番 目 の 規 模を 誇る世 界ランキングで 上 位 10
UX 11.31 および EVA-4400 ストレージ・ユニット
社の会社です。年収は 10 億米ドル以上(2008 ~
採用の rx6660 サーバー)で構成されていました。
Oracle Database Release 11.2.0.1 for
SAP。
Oracle Database 10g
(10.2.04)
のAdvanced Compressionの導入
前のデータサイズ: 2.5 TB
グ仕様の二輪車まで、様々な二輪車を製造し、南イ
主なメリット:
ンドのホスールとマイソール、北インドのヒマーチャ
Dhandapani 氏は、次のように述べています。
「 私た
管理の最適化、コスト削減、大幅
なデータベース・サイズの削減、パ
フォーマンスの改善、バックアップ
時間の短縮など将来の成長を可能
にする構成でスペースを削減
ル・プラデシュ、インドネシアに 1 拠点の合計 4 カ
ちは、SAP の使用により増加を続けコストのかかる
SAP:
ERP ECC 6.04(FI CO、MM、PP、
Q M、H C M / H R、P M、S M、P L M、
Netweaver BW 7.01、PI(7.0)、すべ
てのモジュールが有効
2009 年)。現在、この企業はモペッドからレーシン
所に工場があります。
TVS Motor Company のグループ CIO である T. G.
データ肥 大の対 策として、効 果 的なツールを探し
ていました。常に増加し続けるデータベースとスト
TVS Motor Company( 従 業 員 7,800 人 ) は、年
レージ・ユニットは、ストレージのコスト、パフォー
250 万台の生産能力を有し、47 か国以上に製品を
マンス、データベースの稼働時間、さらにリストア時
輸出しています。収益 40 億米ドルの TVS Group の
間までも圧迫していました。」
主要企業で、世界中で 40,000 人の従業員を雇用し
ています。
昨 年 12 月 から、TVS Motor は SAP に お い て 最 新
の Oracle Database 11g の 使 用 を 開 始しました。
インフラストラクチャ:
高いデータ肥大率、最適化が必要ないくつかのポイント
Oracle Database 11g は理想的なソリューションで
HP rx6600サーバー、HP-UX 11.31、
EVA 4400ストレージを使用
TVSMotor Company の 好 調 な ビ ジ ネ ス に 伴 っ
あることが分かりました。Advanced Compression 機
て、デ ータ・ ボリュームも並 は ず れ たスピードで
能によって著しい改善を手にすることができました。
肥 大 化しています。他の企 業と同 様に TVS Motor
Company も、コストを圧迫するデータの肥大を解
決するソリューションが必要でした。
TVS Motor Company における Oracle Advanced Compression
問題の解決方法 :
55
Database 11g の Advanced Compression を 使
OracleのAdvanced Compression
用して、デ ータベ ースの サイズ(10g から 11g へ
TVS Motor Company は、ストレ ー ジ お よ び デ ー
のアップグレード中に 2.3TB 前後に増加)は、60
タベ ース の 管 理 最 適 化 を 実 装 を 目 的 に、Oracle
パーセント削減され、0.8TB になりました。しかも、
Database 11gおよびOracle Advanced Compression
それだ けではありません。応 答 時 間も、56 パ ーセ
に移行しました。成長著しいこの企業で働くIT チーム
ントと 大 幅 に 改 善 され ました。11g の Advanced
には、次の 3 つの選択肢がありました。
Compression を使用する前のデータベースの応答
時間は 550ms でしたが、現在は 240ms です。
最初の案は、大幅にストレージ・システムを拡張す
ることでした。
しかし、この実装は極めてコストが高
バックアップ時間も9 時間から3 時間に短縮されま
く、比較的時間もかかります。
し た。Advanced Compression を Oracle DB 上 で
稼動する SAP Netweaver BW にも使用し、良好な
2 番目の案は、データのアーカイブ化を使用し、徐々
結果が得られました。
に実装することでした。
しかし、実装に長期間かかる
上に、期待するほどスペースは節約できません。
定着した他の Oracle Database 11g の機能
さ ら に、T V S M o t o r C o m p a n y は、A d v a n c e d
3 番目の案は、Oracle Database version 10g から11g
Compression の他に、Real Application Testing
に移行し、データベースの Advanced Compression 機
(RAT) や Secure Files な ど、Oracle Database 11g
能を広範囲に適用して、これらの機能を同時に複数使
の新しい機能も使用しています。本番環境と同じ条件
用することでメリットを生む方法でした。
でテストと最適化の変更をおこなうRAT は、本番で使
用する前にワークロードに与える影響を評価します。
「私たちは、Oracle Database 10g で索引圧縮を使
たとえば、バージョン 10g から11g にアップグレード
用してい たため、Oracle Database 11g を 使 用し
する際に使用します。Secure Files は、ラージ・オブ
たテストで、持続的な最適化が大きなメリットであ
ジェクト(LOB)を格納するための新しいデータ型で
ることを理解するのに時間は掛かりませんでした。
す。LOBテクノロジーとは異なり、この形式で保存され
Oracle デ ー タ ベ ー ス を Oracle Database 11g に
たデータは、パフォーマンスが高く、管理が容易です。
アップグレードすることをすぐに決定しました。」と
Secure Files は、Advanced Compression などのデー
Dhandapani 氏は述べています。
タベース・オプションと共に利用できます。
まず、システムを10g から11g(10.2.04 から11.2.01)
TVS Motor Company の CIO で あ る Dhandapani
にアップグレードしました。
このプロセスは順調で、短時
氏は、こう締めくくりました。
「Oracle Database 11g
「私たちは、SAPの使用により
増加を続けコストのかかるデー
タ肥大の対策として、効果的な
ツールを探していました。常に
増加し続けるデータベースとス
トレージ・ユニットは、ストレー
ジのコスト、パフォーマンス、
データベースの稼動時間、
さら
にリストア時間までも圧迫して
いました。」
― T.G. Dhandapani、
グループCIO、
間で完了することができました(準備段階の作業 /テス
と Advanced Compression を 使 用したことで、ス
トの 6 時間を含まない)
。次にAdvanced Compression
ペースが大幅に節約でき、コスト削減になりました。
を追加し、BRToolsを使用して構成、設定、圧縮を開始
ディスク全体の領域管理にも有益で、将来への確か
しました。
圧縮作業にかかった時間は18 時間です。
な足がかりになりました。」
感動的で明白な結果
TVS Motor Company は、結果に満足でした。
「Oracle
Database 11g とAdvanced Compression 機 能 の 選
択は正しい選択で、確かな投資の価値がありまし
た。システムが改善され、得られたメリットは明らか
です。Database Vault や Network Compression
など、11g の他の機能を実装することもすでに計画
しています。」
実 装 前 後 の 値 の 変 化 は 大 きく、一 部 の 最 適 化
で は 大 き な 効 果 が ありました。たとえば、Oracle
TVS Motor Company
56
SAPシステムでのOracle Databaseの圧縮
バックグラウンド:
• PRDシステムのデータベース・サイズは非常に大きく、約2.3TB
• PRDおよびDRロケーションのストレージの空き容量が不十分で、
将来のDB肥大に対応できない
結果:
メリット:
DBサイズが1.5TB縮小 ‒ 60%の削減
2,5
• DBサイズが2.3TBから0.8TBに減少
PRDのデータベース・サイズ
• バックアップ時間が9時間から3時間に短縮
圧縮前
• DBの応答時間が550msから240msに短縮
2
業務上の課題:
• ストレージのコストが高い(600万ルピー)
• DBの応答時間が長い(550ms)
• DBのアップデート時間が長い(570ms)
1,5
• DBのアップデート応答時間が570msから
220msに短縮
2,3
• DBサーバーのCPU負荷は、圧縮後も同じ
(60%)
圧縮後
1
0,8
0,5
• 追加のアーカイブ・ログ生成なし
• リストア時間が長い(15時間)
• SAP Noteを参照し、すべての作業を企業内
のチームで実行したため、投資の発生ゼロ
BR*Toolsを使用してDBを圧縮
DBのアップデート時間が61%短縮
610
• DVおよびネットワーク圧縮を計画中
利用可能なオプション:
• 600万ルピーのコストでストレージをアップグレードする方法:
コストが高く実装に時間がかかる
• アクセスが少ないデータをアーカイブ化する方法:
410
• SAP BIシステムも同様の方法で圧縮。
スペー
スを6倍も削減
570
210
220
10
実装時間に比例して、
スペースの節約が期待できない
• Oracle Database 11gの機能を使用してデータベースを
圧縮する方法: このソリューションを選択
DBの応答時間が56%短縮
700
600
実装した作業:
500
• Oracleのバージョンを10gから11gにアップグレード
(Advanced Compressionの前提条件)
400
• PRDデータベースの圧縮
300
データベース応答時間
圧縮前
550
200
100
圧縮後
240
TVS Motor CompanyのSAPシステムで使用した
Oracle Database 11g Advanced Compression機能
項目
名前、左から:Suesh Tatikonda、Hari Sastri、
TG Dhandapani(グループCIO)
、KN Swaminathan(GM-IT)
、
Suresh T and Balaji S。
Oracle Advanced
Compression
使用前
Oracle Advanced
Compression
使用後
削減率
データベース・サイズ
2.5 TB
0.8 TB
60 %
データベース
応答時間
550 ms
240 ms
56 %
データベース・
アップデート応答時間
570 ms
220 ms
61 %
バックアップ時間
9 hr
3 hr
65 %
Eastman Kodak Company における Oracle ACS for SAP
「エンタープライズ・ソリューションとしてSAPを稼動するグローバル・ビジネスのサポートには大きな課題がありま
す。Oracle Advanced Customer Servicesは、
このことをよく理解しています。彼らは、最高のパフォーマンスのた
めに当社の優秀なDBAと一緒に作業をしてくれました。私たちは、常にOracleの能力を活用でき、決して失望する
ことはありません。現代のビジネスは常に変化しています。4つのメジャー・リリースの間、当社には様々な課題があ
りましたが、
これらをすべて乗り越えてきました。」
– KARENSCHUH、シニアITアーキテクト、Worldwide
Information Systems –
Global Operations、Eastman Kodak Company
会社全体の複雑なERPシステムを最小限の停止時間で最適化した
EASTMAN KODAK COMPANY
Eastman Kodak Company(Kodak) は、写 真 か
・ O racle Database の信頼性と、障害リカバリの包
らグラフィック通信に至るまで、世界中の市場に画
括的スタンバイ機能を使用して、Kodak がサービ
像化技術製品とサービスを提供しています。同社に
ス内容合意書どおりのサービスを提供できるよう
は、3 つのビジネス・セグメントがあります。
にしました。
・ O racle のフェイルオーバー機能を使用し、Kodak
コンシューマ・デジタル画像化グループ(Consumer
の新しい 2 つのデータ・センターの移転と同時に、
Digital Imaging Group; CDG)、フ ィ ル ム、DTP
必要な新しい支社の統合を可能にして、停止時間
およ び エンター テ インメント・グ ル ープ(Film,
Pho t o finishing, and E nt e r t a i nm e nt G r ou p ;
の目標値を維持しました。
EASTMAN KODAK
COMPANY
Rochester, NY
www.kodak.com
・ 3 つの主要データベースのアップグレードでは、
FPEG)、グ ラ フィッ ク 通 信 グ ル ー プ(Graphic
Oracle Advanced Customer Services のガイダ
業種:
Communications Group; GCG)です。
ンスを活用して、システム全体のアップグレード
日用品
に伴う煩雑さとリスクを最小限に押さえ、期日まで
年間収益:
課題
にプロジェクトを完了しました。追加の予算は発生
・Oracle Database で稼動する複雑で企業全体に
しませんでした。
またがる SAP 実装のパフォーマンス、可用性およ
び信頼性を改善し、増大する要求を応える。
・データベース管理者(DBA)のオンサイト・トレー
76億米ドル
従業員:
20,300人
オラクル社の製品およびサービス:
ニングを実施し、企業内チームに最新の知識を教
・Oracle Database
育する。
・Oracle Advanced Customer
ソリューション
・ O racle Advanced Customer Servicesと協力し、
約 10 人の Kodak DBA に SAP 環境のデータベー
ス・サービスに関するワークショップを実施し、IT
スタッフの知識と効率を向上させました。
・ K odak DBA を本番システムにログイン可能にし、
実装が必要な変更、監視する対象、および不適切
なコードの特定方法などをリアルタイムで確認し
ました。
・ 複 雑な実装の管理方法を支援しました。毎年シス
テムに追加される多数のユーザーなどの変更管
理計画を設定し、変動する容量の要件に対応でき
るようにしました。
・ SAPデータベースのパッチ適用計画を作成しました。
Services
・Oracle Sun Server
57
58
SOLARIS
SAPメインフレームの移行、EDPのケーススタディ
企業
課題
EDP(Energias de Portugal) は、ポ ルトガ ル で
最初の方法は簡単でしたが、もっとも費用が高く、現
もっとも大規模な会社の 1 つであると同時に、ヨー
実問題を先送りするだけでした。2 番目の方法は利
ロッパで発電、電気の供給および輸出入を業務とす
点が多くありますが、いくつかの障害がありました。
る大手企業です。スペイン、米国、アフリカ、ラテン・
・EDP は、給与、請求書発行、無休の顧客サービス
アメリカ(主にブラジル)では大きな存在です。
(コール・センター)をすべてIS-Uで処理していた
ため、停止時間を最小限にしなければなりません。
2007 年、EDP は電力の 39%を再生可能な資源で
・すべての環境内を調査した結果、データのサイズ
発電していることを発表しました。
また、2013 年に、
は 40TB 以 上、IS-U Production デ ー タ は 14TB
この比率を 75%に引き上げることを目標にしていま
でした。IS-U の最初の SAP アンロード実行に 13
す。この目標の達成の第一歩として、EDP は米国企
日以上かかり、許容範囲を超えた停止時間になり
業の Horizon Wind Energy を買収しました。現在、
ました。
再生可能エネルギーでは風力発電の比率がもっと
も高く、EDP は風力発電では世界第 4 位です。
・IS-U の SAP バージョンは 4.6C で表分割をサポー
トしていないため、SAP ツールのみでの移行は不
可能でした。
2008 年初頭、EDP は IT システムの将来について重
標 準 SAP ツー ル R3Load/Migmon で の 移 行 が
要な決定を迫られていました。その時点で、EDP は
不可能であるため、他の 2 つの代替方法が分析
主要ビジネスをメインフレーム環境内の ERP システ
ムで実行していました。
されました。
・一番大きな表から一番古いデータを一時表にコ
ピーすると、最終的に移行時間を減らすことは可
・ 3 ノードの Parallel Sysplex、6400 MIPS
・ D B2 v7 for SAP
・ 4 0 TB のデータベース
・ 5 台の IBM P561、16コア AIX
能ですが、本番システムの変更は必須で、アプリ
ケーションの変更に大きく依存します。
・小さい表には SAP ツールを使用し、もっとも大き
な 8 つの表には開発した特殊ツールを使用して
処理するハイブリッド移行方法を選択します。
これ
しかし、これらのシステム運用は厳しい局面に立た
が最高の代替方法であると思われました。
されていました。
2008 年 7 月末日、年末までに UNIX/Oracle に移行
・ 最 大の表の成長率が DB/2 v7 のパーティション・
サイズ制限で使えなくなる寸前でした。
・処理能力は、平均で 90%以上の使用率でした。
・新しい施設を用意するスペースがありませんでした。
することが決定されました。ダイレクト・パス・アン
ロード/ ロード・ツール、名前付きパイプ、ネットワー
ク集計、およびこの移行を高速化する他の同様の
方法を使用して、移行方法が準備されました。許容
できる最長停止時間は週末 3 日を含む合計 5 日で
EDP は、2 種類の解決方法を検討しました。
す。12 月 5 日金曜日、西ヨーロッパ時間で 18:00 に
移行が開始されました。
・現在のメインフレーム・テクノロジーを使用し続
け、既存の装置を新しい、より高い性能のマシン
と交換し、データベースを段階的に DB2 v8、DB2
v9 にアップグレードする方法。
・UNIX/Oracle テクノロジーに移行する方法。
Oracle Database へのメインフレーム移行
移行
結果
新しい環境の構成は、次のとおりです。
7 つすべての SAP システム(本番、品質および開発)
は、3.5 か月で移行が完了し、すべての重要行程を
・ 2 ノード・クラスタ、Sun Microsystems M8000、
32コアの本番 DB サーバー
予定通り予算内で終了しました。次のサービスが著
しく改善されました。
・ 4 台 の Sun Microsystems T5240、16 コアの 本
番アプリケーション・サーバー
・ ダイアログ全体の応答時間が 35%短縮
・ 2 ノード・クラスタ、Sun Microsystems M5000、
24コアの品質 DB サーバー
・ デ ータベースの応答時間が 1/3 に短縮
・IS-U バッチが 3 時間に短縮
・ 2 台 の Sun Microsystems T5240、16 コアの 本
・ 1 分当りに作成される請求書の数が 7 倍に増加
番アプリケーション・サーバー
移 行 チ ー ム は、B M C U n l o a d P l u s と O r a c l e
SQL*Loader を使用して、もっとも大きな 8 つの表を
移行しました。各パーティションは、ダイレクト・パス
でパラレルにアンロードされました。アンロードが完
了すると、FTP で UNIX の名前付きパイプに転送さ
れ、直ちに SQL*Loader のダイレクト・パスで Oracle
データベースにロードされました。表のロードが完了
すると、それらの表の索引が直ちに生成されました。
Unload Table
BMC DBUnload
Part 1
Part 2
...
Part n
Load Table
sqlldr
ftp
ftp
Part 1
Part 2
ftp
...
ftp
Part n
・ オンライン・フル・バックアップ(およびリストア)
が以前の半分の時間で完了
・ 停 止時間なしでバックアップを実行
・ 以 前の 90%以上だった 6400 MIPS 3ノードのメ
インフレーム・クラスタが、新しい環境で平均処
理使用率が 10%未満
・ 直 接のインフラストラクチャのコストが 20 分の 1
に削減
残 りす べ て の 表 は、標 準 の SAP R3load お よ び
Migmon プロセスを使用して移行しました。中間の
手順のリストと、移行にかかった合計時間は、次の
とおりです。
12 月 9 日の火曜日、その週の最初の平日午前 8:00
から、システムは少数の制限付きユーザーが使用で
きるようになりました。翌日の水曜日午前 8:00 から、
すべてのユーザーが新しい環境のシステムにフル・
アクセスできるようになりました。
Before:
After:
59
60
「Oracle Index Key Compressionのデータベース最適化機能は、私たちの予想をはるかに超える成果を出しまし
た。合計索引サイズが2.8TBから875GB前後に削減され、大幅にディスク容量を節約できました。データベースの
合計ボリュームは、26.6%に縮小しました。」
– G L E N N C A D M A N、S A Pテクニカル・マ ネ ージャ、
National Foods
オーストラリアのNATIONAL FOODSにおける
ORACLE INDEX KEY COMPRESSION FOR SAP:予想を上回る成果
業種:
知名度の高いブランドの牛乳およ
び乳製品飲料、ジュース、乳製品、
チーズおよび大豆を製造する食品
および飲料製造会社
従業員:
4,0 0 0人(オーストラリア、ニュー
ジーランド、マレーシアおよびシン
ガポール)
Oracle製品:
プロファイル :National Foods
最適化に焦点
オーストラリアのメルボルンに本社がある National
長年、National Foods にとって情報技術は日常業
Foods は、食品および飲料製造企業の最大手です。
務に欠かせない要素でした。近年、企業のほぼすべ
2009 年度の収益は 35.6 億米ドル、牛乳および乳
ての部門で IT 使用率が増加し、この傾向は現在も
製品飲料、ジュース、乳製品、チーズおよび大豆な
続いています。知名度が高いオーストラリアの食品
どで知名度の高いブランド製品を製造しています。
製造会社を買収したことも、その一因です。
National Foods は、オーストラリア最大の食品およ
び 飲 料 製 造 会 社 Lion Nathan National Foods の
グループ企業です。
N a t i o n a l F o o d s は 、S A P E R P E C C 6 . 0 、
Netweaver BI および SCM などのコア・アプリケー
ションを確立したユーザーで、これらのソリューショ
Oracle Database 10.2.04、SAP
E CC 、索引キー圧 縮 前のサイズ:
7.6TB
を就労しています。雇用もさることながら、この企業
に、これらのソリューションに関連するITインフ
主なメリット:
はオーストラリアとニュージーランドの経済に大きく
ラストラクチャも確実に膨み、その結果、サーバー
データベース・サイズが26.6%、索
引サイズが70%の大幅な削減、3か
月の高速オンライン実装、バック
アップ・ボリュームの削減、バック
アップ・テープ数の削減
貢献しています。National Foods は、地域の原材料
容 量(HP Superdome)とストレ ージ・システム
供給や小売経済の重要な部分を担うことで、地域産
は、両方とも増大し続けています。アプリケーション
業の大きな柱にもなっています。
環 境 ECC 6.0 お よ び Oracle Database(Release
オーストラリアでは、国内市場全体にサービスを提
データ・ボリュームも急速に肥大し、7.6TB 以上に
供し、オーストラリアの 1,000 件 以 上 の 農 家 から
なりました。
また、1,700 人以上のユーザーがアプリ
SAP:
現在、National Foods には 4,000 人以上の従業員
ンで使用する機能の数も増加し続けています。同時
10.2.04)で使用するデータベース管理システムの
SAP ERP ECC 6.0、Netweaver BI
7.0、SCM 5.0およびその他、1,700
人のNamed User
23 億リットルの牛乳を購入し、全乳、フレーバー、
ケーション・ソリューションを集中的に使用してい
および加工済の新鮮な牛乳や UHT 牛乳を製造し
ます。
インフラストラクチャ:
ています。また、この 企 業 は 人 気 の 高 い 一 連 のブ
HP Sup erdome(HP- UX)、HP
XP24000ストレージ・システム
ロック・チーズ や 特 製チーズも製 造し、大 豆 飲 料
「アプリケーション環境と、関連する IT インフラス
市場でも突出しています。今後数年間で、National
トラクチャには巨額のコストがかかります。私たち
Foods はベスト・プラクティスの 市 場 投 資をおこ
は、IT の 効 率 性 を 改 善し、最 適 化 の 効 果 が ある
ない、将 来 性の高 いコア・ブランドを展 開して増
ツールまたはテクノロジーを常に探しています。」
収を図る予定です。
と、National Foods の SAP 担当チームの 1 人であ
る Glenn Cadman 氏は述べています。約 5 か月前、
拡大業務で求めていたデータベースの機能を見つ
けました。Oracle Index Key Compressionという
機能です。
「Oracle Key Compression は、様々な
メリットをもたらしてくれました」と Cadman 氏は述
べています。
オーストラリアの National Foods における索引キー圧縮
即時のメリット
61
将来を視野に入れた大幅な削減
オラクルとの 定 期ミー ディング で、SAP を 使 用 す
National Foods は、Oracle Index Key Compression
るデータベース最 適 化の成功 例が取り上げられ、
による達成目標を大いに楽しみました。
「オラクルの
Oracle Index Key Compression を 使 用 す る 案
データベース最適化機能は、私たちの予想をはる
が 浮 上しました。Index Key Compression による
かに上 回っていました。2.8TB から 875GB に索 引
最 適 化 は、National Foods が 直 面 する 問 題 を 解
の合計サイズの削減で、大幅なディスク容量の節約
決できる可 能 性 がありました。Oracle Index Key
になります。データベースのボリュームは、26.6%に
Compression を使 用 すると、索 引ブロック内 の 各
縮小しました。」
索引を短縮し、索引とディスク領域を最大 75%も削
減できます。また、このツールは I/O 時間の最適化、
また、別の面でも大きな効果がありました。Oracle
「Oracle Index Key Compression
アップデートおよびバックアップ、データベースのス
Index Key Compression を選択したことで、業務用
によって得られる最適化は、
まさ
リム化など、ビジネス・ユーザーの側にも多くのメ
コピーや障害リカバリ用バックアップなど、バックアッ
に私たちが探していた機能で、
リットがあります。
プ・ボリュームも同時に削減できました。National
National Foodsが推し進める合
Foodsでは、バックアップをテープに保存しています。
理化に最適です。
」
Cadman 氏は、こう説明しました。
「Oracle Index Key
当然のことならが保存するテープも減ったことは言う
Compression による最適化は、まさに私たちが探し
までもありません。
ていた機能で、National Foods が推し進める合理化
のSAPテクニカル・マネージャ
に最適でした。」しばらくの間、パイプラインの役割を
National Foods は、すでに次の圧縮による最適化
果たしていたアーカイブ化プロジェクトでさえも、緊
プロジェクトを計画しています。これは、2011 年に
急にディスク領域を節約する必要がありました。
配 布 予 定 の Oracle Database 11g Release 2 for
SAP へのアップグレードと同時におこなわれます。
Oracle Index Key Compression の実装と展開は、
問題なく進行しました。National Foods は、Oracle
Oracle Database 11g には、Advanced Compression
Index Key Compression を使用したデータベース
という一連の追加圧縮機能があり、これには OLTP
最 適 化プロジェクトの長 期 間を予 想していました
圧 縮、SecureFiles 圧 縮、RMAN 圧 縮、Data Guard
が、最 初 に Oracle Index Key Compression を 使
ネットワーク圧縮、および Data Pump 圧縮などが含
用する案が浮上したときから、ツールを初めて本番
まれます。
これらの機能は、データベース圧縮をウェ
使用するまでたった 3 か月しかかかりませんでした。
アハウス・アプリケーションのみではなく、複雑な
ワークロードのアプリケーションや OLTP アプリケー
最 初 の 段 階 は、サイズ が 10GB 以 上 の 索 引 を 大
ションにも使用できます。Advanced Compression
き い 方 から 20 個 特 定 することでした。これらの
は、SecureFiles 圧縮の形式で、一般的なコンテン
索 引 は、テ スト・ シ ス テ ム で Oracle Index Key
ツ 管 理 や XML アプリケーション などの 非 構 造 化
Compression を 使 用 し て 圧 縮 さ れ、圧 縮 前 後
データも効率的にサポートしています。
の 状 況 が 分 析されました。
「 差 は 歴 然でした。」と
Cadman 氏は述べています。
「 オラクルの圧縮機能
は、これらの 大きな 索 引 を 40 ~ 90 % 縮 小し、巨
大 な 索 引 の 1 つ で ある VBOX~0 は、1.35TB から
400MB になりました。
これには感心しました。」
このテストの後に、より多くの索引が最適化され、パ
フォーマンス・テストが実行されました。テストの
結果、オーストラリアの巨大食品企業は、最終的に
Oracle Index Key Compression の展 開を開 始す
ることができました。
― Glenn Cadman、National Food
62
CARL ZEISSにおけるORACLEから
ORACLEへのオンライン移行
SAPプラットフォームの移行を1度の週末で完了
Carl Zeissは、世界トップ・クラスの光学およびオプ
OracleからOracleへのオンライン移行(Triple-O)
トエレクトロニクス企業の1つで、24,000人以上の
は、大規模システムの移行を実行するための新し
従業員が働いています。
このような世界規模の先進
い技術です。
このプロセスの採用で、Carl Zeissは1
企業にとって、ITインフラストラクチャは非常に重要
回の週末で著しい可用性の制限もなく、
グローバル
です。同社がSiemens IT Solutions and Services
ERPシステムを移行できました。
へのアウトソーシングを決定したときに、主な懸案
事項の1つは最適なSAP移行プロセスでした。
Carl Zeissは、主要SAPプラットフォームの停止時
間により、たった1 度、週 末に業 務を停 止しました
(EMEA、USAおよびAPAC)。移行後のシステムで
も、安定性と信頼性は維持されなければなりません。
Oracleは、
これらの懸案事項に最新の「Triple-O」オ
ンライン移行テクノロジーで対応しました。
プロジェクト
Carl Zeissは、SAP Net- Weaver 7.0およびOracle
Database 10g Release 2(10.2.04)でSAP ECC
6.0を使用しています。
この記事で取り上げた最大の
プラットフォームは、2.5TBのデータベースをベース
にしています。この巨大なデータベースの移行に従
来のSAP LOADを使用すると、データの転送だけで
約40時間かかることになります。データ転送完了後
に必要なインタフェース適用や他のフォローアップ
作業を加えると、1回の週末で移行するのは実現不
可能です。
この移行プロジェクトには、いくつかの課題がありま
した。
・インタフェースの適用と修正を含め、データベース
を1回の週末で移行する
・ 多 数のインタフェース(200以上)
・ E MEA、USA、APACを同時にサポート
実装
このプロジェクトは7月に開始され、実際の切替えは
8月中旬に実行されました。
C a r l Z e i s sの要 件を満たすために、S i e m e n s I T
Solutions and Servicesは、移行にOracle Triple-O
を使 用しました。これは、S A Pをサポートする様々
な システム・プ ラットフォー ム( U N I X 、L i n u x 、
Windows)で使用できます。
Triple-Oは、次の2つのコンポーネントで構成され
ます。
・O2O
ソース・データベースからターゲット・データベー
スへの移行は、指定された時間に開始されます。
最初に新しいデータベースと古いデータベースが
完全に同期されます。これは移行のスタート地点
としてステータスされます。移行の差分データは
非常に小さい差分データとして常に同期するよう
に動作します。
・新しいターゲット・データベースに対する、最終更
新は、Triple-Oコンポーネントを使用してオンライ
ンで開始されます。このため、Triple-OはO2O移
行中にソース・データベースで発生したすべての
変更を記録できます。
Carl Zeiss における Oracle オンライン移行
O2Oで移行が完了し、計画どおり移行のIT操作が
終了すると、記録されたデータベースの変更でター
Siemensからの引用
ゲット・データベースが更新されます。
この作業の推
Triple-O(OracleからOracleへのオンライン移行)
定時間は30分程度です。そのため、インタフェース
は、革新的なO2Oの次期開発製品です。Triple-Oに
適用、修正、テストおよび稼動開始の決定まで、十分
よって、
ウィークデーが始まる前の週末の数時間で、
な時間が残ります。
我々はこのプロジェクトの移行を完了させることが
できました。
SAPのターゲット・システムが作成され、ソース・シ
ステムがターゲットに切り替えられたあと、移行中
に予想された基本的なSAPレベルの修正と、インタ
フェース適用が開始されます。
移行を成功させるには、Carl Zeissの専門家の支援
を得て、実際のプロセスを2回テストする必要があ
りました。1回目のテストは新しいターゲット・システ
ムへのテスト移行の一部として、もう1回は、新しい
テスト管理システムのテストです。
予定通り金曜日に実際の移行が開始されたときは、
プロジェクトに参加した全員が完全に準備を完了し
ていました。最終登録日時は、午後9時です。システ
ムの電源が落とされました。すぐに電源が再投入さ
れ、テストが開始されました。
30分で同期化が完了しました。次に、APAC、USAお
よびEMEAの各地域で、必要な財務チェックとコン
プライアンス・チェック、およびユーザー受入れテス
トが開始されました。
土曜日の午前零時前に、チームは本番への切り替え
を完了しました。
技術プラットフォーム: Oracle Triple-O
新しい オンライン 移 行 テクノロジ ー の「 O r a c l e
Triple-O」は、データ・センターのすべてのホストに
繰返し要件がある場合に推奨します。
・大規模なOracleデータベース環境を新しいシステ
ム・プラットフォームに短期間で移行する場合
・データベース環境の再編成
・データベースのアップグレード
・RAC実装
・新しく、より高性能なシステム・プラットフォームの
インストール
・新しいストレージ・ソリューションの実現
Oracle Triple-Oは、ソース・システムからターゲッ
ト・システムにデータを転送するための効率の良い
機能で、データ同期化にはGolden Gateを使用しま
す。Oracleの移行は、いつでも中断でき、実際の本
番プラットフォームは、まったく制限されることがあ
りません。
Oracle Triple-Oは、SAPが認定する機能です。
詳細は、SAP Note 1508271、またはwww.oracle.
com/sapを参照してください。
63
64
O R A C L E R E A L A P P L I C A T I O N C L U S T E R S( R A C )F O R S A PとI B M P O W E R
SYSTEMS:
無休運用に適した選択
Bauerfeind AG
www.bauerfeind.com
Bauerfeind AGは、医療補助具を製造するドイツ
管理とSAPの操作は、IBM GPFS(グローバル・パラレ
のトップ企業です。Bauerfeind AGでは、現状、SAP
ル・ファイル・システム)の使用で大幅に簡素化され
ERPやSAP CRMなどの本番システムで2.8TB、SAP
ました。構築されたBauerfeind AGのインフラストラ
NetWeaver BWシステムで2.6TBのデータ・ボリュー
クチャでは、GPFSは、AIXオペレーティング・システム
ムを管理する必要があります。SAP環境に統合された
で実行するSAP環境に必要なクラスタ化ファイル・シ
他のシステム用に、
さらに0.5TB要求されています。
ステムです。GPFSは、Oracle 10.2.04 RACノードで
同一のデータベース表に同時にアクセスできるよう
2002年、この企業はSAP Business Suiteをベー
にします。また、GPFSは個別のPowerサーバーまた
スにした企業全体を一元管理する現代的な業務管
はLPARにあるSAPシステムを高速かつ柔軟にプロビ
理戦略の設計に着手し、5年のソリューションの実
ジョニングできます。
このランドスケープから、VMSベ
装プログラムをスタートさせました。このプロジェク
ンチマークで実証済みの、極めて高いコストパフォー
ト期間中に、Brain ASやMAS 90などのレガシー・
マンスを得ることができます。
システムの交 換、全 面 的なネットワーク・インフラ
の入替え、新しい一元管理ストレージ・ソリューショ
24時間体制で顧客が得るメリット
ン の 構 築 が 必 要でした。構 築 するソリューション
B a u e r f e i n d AG にとって、業 務アプリケーション
は、成長を続ける企業のニーズに応じて拡張でき
を2 4 時 間 継 続して使 用できることが重 要でした。
なければなりません。
Bauerfeind AGの海外支社は9つのタイムゾーンに
またがり、休みなくどこかのユーザーがSAPシステム
プロジェクト開始の早い段階でBauerfeind AGは、
にアクセスしています。そのため、計画停止の時間枠
Unix OSを搭載したIBM Power Systemsサーバー
は非常に限られています。
この要素は、プロジェクト
で、Oracle Real Application Clusters(RAC)に複数
のスタートから、プラットフォームの選択やアーキテ
ノードのアクティブ/アクティブ構成を設定し、SAP環
クチャに大きな影響を与えました。
境のデータベースを実行することを決定しました。
レガシーシステムに代わりにSAP Business Suiteを
S A P E R Pシステムの 同 時 接 続 ユ ーザ ー は、合 計
全社的に配置し、新しいIBM Power SystemsとIBM
500~600人(ライセンス付与された1,100のSAP
System StorageでSAP環境を柔軟に動的な方法で
ユーザーの約50%)です。さらに、SAP CRMやSAP
管理できるようにします。
NetWeaver BWなど、他のSAPアプリケーションを使
用する特別なユーザーも大勢います。インフラストラ
クチャの合計負荷を増加させる別の重要な要素は、
約2,000のB2B同時ユーザーです。Bauerfeind AG
は、プロフェッショナル・ユーザー(医療機器、薬剤お
よび医療関係者)をオンラインでSAP eCommerceシ
ステムに統合し、24時間以内の配達もおこなう、迅速
で効率的な発注システムを提供しています。
Bauerfeind AG の SAP on RAC
管理作業と運用コストの削減、
より少ない周辺機器、
ネットワークの複雑さを大幅な軽減によって、企業
の成長に伴い増加する新規のSAPユーザーをシー
ムレスに統合できます。Oracle Real Application
Clustersは、データベース・サーバーに高い可用性を
提供します。SAPアプリケーション・サーバーが障害
を検出すると、GPFSは迅速に再プロビジョニングを
開始します。PowerVM仮想化により、高い平均のシ
ステム使用率が得られると同時に、一定の応答時間
が維持できます。
ITチームは、高度に標準化されたSAP環境とITインフ
ラストラクチャにより、従業員数を増加せずに、
さらに
多くのシステムとユーザーの対応ができます。また、
容易に機能が拡張でき、会社の成長に合せて調整で
きる柔軟で動的なインフラとして、Bauerfeind AGは
SAPのグローバル展開のもう1つの前提条件として、
サーバー仮想化を指定しました。
SAP Business Suiteの仮想化パラメータ
SAP環境は、VPN接続を介し、
ドイツの本社のユー
ザーだけでなく、世界中の支社がリモートで使用し
ています。
これらのVPNは、複数の異なるプロバイダ
可用性要件の対応
が提供する完全に冗長なWANネットワークで接続
可用性要件に対応するため、Bauerfeind AGはデー
され、WANに障害が発生した場合は、ISDNダイアル
タベース・レベルのクラスタ・ソリューションを選択
アップ接続も使用できます。
しました。
これは、Oracle Real Application Clusters
(RAC)
と接続されたOracle Clusterwareで実現さ
Bauerfeind AGは、SAP Dispatcherを使用して、ログ
れました。基礎のトポロジは、シングル・ポイント障
オン時にブレード上のダイアログ・インスタンス間で
害ごとに完全な冗長性を持たせるように設計され
初期ロードバランシングを管理しています。Oracle
ました。
クラスタ・ノードは障害リカバリの理由から、
RACのデータベース・ノードの容量を効率的に使用
Bauerfeind AG敷地内の2つの別な場所に分散され
するように、SAPユーザーは主に使用するアプリケー
ました。
さらに、3番目の「選抜データ・センター」があ
ションに従い、ログオン・グループにグループ分けさ
り、
ここにはタイブレーカ・ノードとして専用サーバー
れます。次に、
これらのグループはRACノードの2つの
とディスクが設置されました。
うちどちらかの表に初期アクセスします。
IBM Power 570サーバー上で実行される大規模
なSAP本番システムのデータベースは、アクティブ/
アクティブ型のクラスタ構成です。Oracle RACを使
用する1つの理由は、ノードを追加してワークロー
ドの増加に対応できる、水平拡張のためです。2つ
のデータベース・ノードのうち1つに障害が発生し
ても、もう一方にすべてのワークロードを切り替えら
れるため、データベース・サーバーのスループット
の50パーセントが維持され、障害が発生したノード
の修理が完了するまで、システムがオンラインに保
たれます。SAP Central Services for ABAPシステム
(ASCS)も、Oracle SAPCTLユーティリティを使用
して生存するノードに移され、シングル・ポイント障
害を排除します。
65
66
Oracle Advanced Security Option (ASO) for SAP
Bauerfeind AGについて
Bauerfeind AGは、サポータ、整形器具、圧縮ストッキ
ングおよび矯正用シューズなどの医療補助器具を専
門に製造する会社です。
本社はドイツのツォイレンローダにあり、従業員数は
約2,000人です。Bauerfeind AGでは、製造工場の他
に、科学者、開業医および小売業者が新製品の研究
および開発に携わるBauerfeind Innovation Centre
と、同社の製品のトレーニングをおこなうBauerfeind
Academyを運営しています。
1984年から、Bauerfeind AGはヨーロッパ、米国およ
びアジアに支社を展開しました。企業のオーナーで
あるProfessor Bauerfeind氏は、将来のビジネス要
件に適応するために、企業の組織構造を刷新する必
要を感じました。
このリニューアル戦略の中心は、共
同出資会社の合併と同時に、一元管理を推進する概
念でした。
ビジネス・プロセスは再編成され、企業全
水平拡張と垂直拡張を組み合せたSAPランドスケープ
これは、極めて反応の速いクラスタで、いわゆる
「スプ
リットブレイン」を排除するために重要です。スプリッ
トブレインは、2つのアクティブなデータ・センター間
のネットワーク接続またはハートビートが中断される
と発生します。
この状況では、
クラスタ・ソフトウェア
が、他のノードで完全な故障が発生したと判断する
ため、独立したGPFSノードとRACノードそれぞれが、
SAPシステム全体の占有を試行します。このため、2
つのユーザー・グループがそれぞれノードAとノード
Bでアクティブのまま、同じSAPインスタンスを実行す
るという状況が発生します。
2つのユーザー・グループのトランザクションは、SAP
データベースで不整合の原因になります。これはや
がてデータ破損となり、ビジネス・プロセスを正しく
管理できなくなります。
この状況を回避するために、
タイブレーカ・ノードが使用されます。最初にこのディ
スクにアクセスおよび予約したクラスタ・サイトがプ
ライマリになり、データの再同期の間、
プライマリとし
て稼動します。
体で一貫性のある標準化された企業姿勢が確立され
ました。
Only Oracle Database 11g
Release 2 provides for
SAP customers
Oracle
other DBs
Fully integrated, platform independent active-active
clustering solution for both SAP and database through
RAC and Clusterware/SAPCTL
Enhanced Add COLUMN Functionality
High Performance NAS Storage through Direct NFS
Online Patching
Real Application Testing Option
Updatable Standby Database
RMAN Backup Compression, RMAN Backup Encryption
SecureFile out-of-line LOB data compression
Deferred Segments Creations
Disk-Based Bitmap Indexes
Tablespace Encryption
Data Guard Secure Network Transport
Database Vault
Automatic Workload Repository (AWR)
Oracle – the # 1 Database for Deploying SAP Applications
oracle.com/sap
[email protected]
Copyright © 2010, Oracle. All rights reserved. Oracle is a registered trademark of Oracle Corporation and/or its a affiliates.
Other names may be trademarks of their respective owners.
68
ORACLE ADVANCED CUSTOMER SERVICES FOR SAP
SAP環境向けのデータベース・サービス
Oracle Support for SAP
データベースの最新バージョンを認定すれば、より
顧客中心のSAPとのパートナシップを強力にしてい
早いスピード、スケーラビリティ、ITコストの削減が
るのは、SAPの要求に応える常勤のオンサイトのテ
実現します。Oracle Advanced Customer Services
クニカル・スタッフです。これらの「エキスパート・セ
は、顧客がこのテクノロジーをSAPアプリケーション
ンター」は、SAPによるOracleの開発レベルのサポー
に適用し、その活用を支援する専門知識と認証を
トために待機し、重要な問題のサポートから「本番
提供します。さらに、Database Vault、DataGuard、
ダウン」などのシステム停止状態まで、さまざまな状
PartitioningおよびRACなどのオラクルデータベー
況に対して迅速な支援を提供します。センターは、
スの機能を配置し活用するオンサイト支援で、SAPア
ヴァルドルフ、東京およびパロアルトの3カ所にありま
プリケーションの要件に適したシステムの構成と設
す。SAP顧客に対しても広い範囲の事前対応サポー
定ができます。SAP環境向けのAdvanced Customer
トを提供します。サポートには、増加するデータ・ボ
Services Database Servicesは、すべてオラクルの
リュームの管理、パフォーマンスの最適化、高可用
エキスパートによって提供されます。
このエキスパー
性ソリューションの設定、SAPシステムとOracleデー
トたちは、全体的なシステムのパフォーマンス、安定
タベース間のデータ交換などが含まれます。SAPと
性およびリカバリ可能性を実現するOracleテクノロ
Oracleを統合したサポート・モデルは、20年以上に
ジーを、最大限に利用するスキルがあります。
渡る密接な共同作業によって築かれ、迅速な対応と
将来を見越したサービスを提供します。
顧客のビジネスにカスタマイズされたOracle with
SAPのエキスパート・ガイド
Advanced Customer Servicesによる
SAP環境のデータベース・サービスは、3つのレベル
Oracle Direct Customer Support
の年間サービスを提供しますが、
これは、顧客固有の
多くの 顧 客 は 、S A P の 統 合 サ ポ ートの 他 に 直 接
要件を満たすための契約やワークショップと組み合
Oracle Supportを利用して、SAP-Oracle構成環境
せることができます。
の 中でより高 い パフォーマンスとR O Iを達 成して
います。これらのサービスは、OracleのAdvanced
Advanced Support Assistance – 単一の連絡先を通
Customer Services(ACS)組織からご利用いただけ
じたサービス要求の支援と対応。Service Delivery
ます。Advanced Customer Servicesのエキスパート
Manager( SDM)により、適任のスタッフと組織が必
は、世界中の顧客に行き届いたサービスを直接提供
要な行動計画に割り当てられ、より効率的かつ効果
して、すべてのOracleシステムのパフォーマンスを最
的に問題を解決します。
大に引き出し生産性を向上させます。
Business Critical Assistance – サービス要求の解答を、
「 S A P は 、O r a c l eとの 連 携 によって、質 の 高 い サ
プロアクティブなアドバイス、個別の運用およびプロ
ポートを提供します。しかし、私たちの共通の顧客
ジェクトにカスタマイズした支援と組み合せます。担
の多くは、Oracleの性能を最大限に活用するため
当のSDMは、お客様の企業のバックグラウンド機能
に、データベース環 境 に対するより高レ ベルのサ
とIT目標を開発するエンジニアのチームをコーディ
ポートを求めています。私たちの年間サービスは、
ネイトし、各プロジェクトを成功に導きます。
サポートを次のレベルに押し上げます。」
とOracle
Advanced Customer Servicesの副社長であるLarry
Abramson氏は説明します。
このサービスは、年 間 の 運 用サポート、A s s i s t e d
Services Engagements、オンサイトのテクニカル・ス
キル・ワークショップという3つのレベルで提供され
ます。Oracle Database 11gのように、SAPがOracle
Oracle Advanced Customer Service(ACS)for SAP
Solution Support Center – もっとも包括的なサービス
これらのテクニカル・スキル・ワークショップは、顧客
を提供します。サービスは、使用の環境、運用および
の固有の状況や目標に合せて内容を変更/追加し
プロジェクトをよく理解したエンジニアのチームが担
て、より役立つ価値あるワークショップにすることが
当します。
この専門的なエンジニアのチームは、重要
できます。テクニカル・スキル・ワークショップは、顧客
なサービス要求と評価、
また根本原因の分析など、一
の要望を盛り込んだ内容で、スケジュールにも要望
連のプロアクティブ・サービスの支援を提供します。
こ
を反映します。
のサービスは直通のアクセス・ホットラインから利用
できます。
多くの顧客は、データベースのアップグレード、移行、
Oracleデータベースの機能の利用に、OracleとSAP
Oracle/SAP指向のワークショップとエンゲージメント
の深い経験と専門知識が必要であることを認識して
顧客が安心して、SAP環境のOracleデータベースの
います。
最適化を任せることができるスタッフをトレーニン
グするワークショップが作られています。SAPアプリ
顧客にとって、もっとも関心のある一般的なテーマ
ケーションとOracleデータベースの相互運用の知
は、次のとおりです。
識を持つ専門家が担当します。Oracle Advanced
Customer Servicesは、SAPとの長い技術的なパート
・データベースのヘルス・チェック
ナシップから得た情報を使用して、次のテクニカル・
・データベースのパーティショニング
スキル・ワークショップを提供します。
・SAP ERP管理概要
・概要の再検討と証明
・Fundamentals of Oracle database for SAP ERP
(レベルI)
・Oracle Advanced Performance Tuning for SAP
ERP(レベルII)
・Oracle Expert for SAP(レベルIII)
・Oracle Database 11g for SAP Business Suite
Technical Skills Workshop
・Orac l e Dat abase Admi ni s trat i on for SAP
Business Intelligence
・ホット・スタンバイ/Data Guardの実装
・バックアップ/リストア/リカバリ
・RACセットアップ支援
・H W 移 行「 O 2 O 」/ O r a c l e(プロバイダとしての
Oracle Advanced Customer Services)
・H W 移 行 支 援「O 2 O」パッケージ(支 援としての
Advanced Customer Services)
・データベース移行支援
・データベース再編成
・Oracle Real Application Clusters for SAP
・SAP ERP ABAP Tuning with Oracle database
Platform
SAP環境のAdvanced Customer Services Databese
Servicesを利用すると、オラクルの分野ごとのエキス
パート、ITプロフェッショナル、開発者と親交を深め
実績のある一連のワークショップに加え、新しいワー
ながら、Oracle環境の価値を最大にすることができ
クショップOracle Security for SAP ERP Customers
ます。
をご要望にお応えして提供することになりました。
このワークショップでは、Oracleデータベースの機能
データベースのヘルス・チェック/パフォーマンス分析
を活用した、データベース・レベルのデプロイメント
すべてのSAP顧客にとって、パフォーマンスはSAPシ
の保護に焦点を当てます。顧客はこのワークショッ
ステムの導入と運用を成功させる重要なポイントで
プから、より効率的な外部および内部のコンプライ
す。Oracleの熟練したスタッフは、Oracleデータベー
アンスとセキュリティ要 件に対 応する方 法を学 習
スの詳細な知識があるだけでなく、SAP環境におけ
します、主な内容は、次のとおりです。データベース
るOracleの複雑さについても熟知しています。配置
ユーザー・セキュリティ、監査、ネットワーク・セキュリ
開始時とアプリケーションのライフサイクル全体に
ティ、Transparent Data EncryptionおよびOracle
渡って定期的にデータベースのヘルスチェックを実
Database Vault。
施することで、適切な構成と最適なパフォーマンスの
ための調整を確保できます。
69
70
高可用性/バックアップ概要
O2Oトランジション・サービス
SAPシステムの可用性が低下すると、間違いなく大き
O2O(Oracle-To-Oracle)
トランジション・サービス・
な問題(物流や財務)が発生します。
ミッション・クリ
セットは、Oracle Supportとドイツのワルドルフにあ
ティカルな環境で不意の停止時間が発生する危険性
るSolution Center SAPによって作成され、増加す
を極力なくすために、IT組織は、
フェイルオーバーや
る顧客の可用性に対応します。
このサービス・セット
リカバリ可能性をプロアクティブに計画する必要が
を使用すると、
トラブルなしにハードウェアの移行を
あります。Oracleのデータベース製品は、ハードウェ
実行し、本番環境に悪影響を与えずにデータベース
ア・クラスタ、
ミラー化テクノロジー、スタンバイ・デー
の一部または全部を再編成できます。この方法は、
タベース、RACおよびData Guardなど、他とは異なる
Oracle 8.1.7以上がインストールされたすべてのオ
手法を使用できます。Oracle Advanced Customer
ペレーティング・システムをサポートし、ハードウェア
Servicesは、
これらのさまざまな手法を適用した場合
に依存しません。
の包括的なメリットとデメリットをアドバイスし、選択
されたソリューションの実装を支援します。
異機種データベース移行
O2Oサービス・セットは、より迅速で信頼性の高い
SAP向けのOracle RACの対応
方 法によるハードウェア・プラットフォームの交換
「Real Application Clusters」
(RAC)オプションを使
サービスをOracle顧客に提供します。2TBを超える
用すると、データベース・インスタンスを複数のサー
巨大なSAPシステムでも、1回の週末で移行できま
バーやノードに分散できます。これにより、Oracle
す(スループットが非常に高く、平均のデータ負荷
データベース・システムの高可用性に新しい可能性
が500GB/h以上)。以前は実行不可能であったシス
が提供され、システム・リソースのディメンションやス
テムも、現在は戦略的選択の対象にすることができ
ケーラビリティをより柔軟にすることができます。
ます。
この方法で移行したシステムは、移行完了後、
Oracle Advanced Customer Servicesは、SAP環境
SAPが完全にサポートします。
でRACを使用するための計画、テクニカル・ワーク
ショップ、および実装を支援するプロフェッショナル・
データベース再編成
サービスを提供します。
このサービス・セットは、データベース再編成にも使
SAP向けのデータベース移行サービス
リスク」戦略としても推奨します。再編成は、データ
すべてのSAP ERP実装の多くは、Oracleデータベー
ベース全体、
または各表領域を対象に実行できます。
用できます。
この方法は本番環境の包括的な「ゼロ・
スで実行されています。Oracle Advanced Customer
Services for SAPグループは、データベース移行に対
しSAPから認定されています。SAP Business Suiteイ
ンストールのOracle以外のデータベースからOracle
への移行を希望する企業を支援しています。Oracle
の移行サービスで高い評価を受けている点は、DBA
の観点から変更を良く理解していることです。Oracle
Advanced Customer Servicesは、顧客のスタッフに
よる移行計画の実行と新しいデータベース操作の習
得を支援します。
極めて迅速にSAPシステム用データベースを再編成お
よびトランジションするO2Oトランジション・サービス
オラクルは、SAP ERPおよびSAP BWの市場で最
高のデータベース・プロバイダです。オラクルは、顧
客が選択できる多彩なサービス・プログラム作成し
ました。このプログラムは、Oracle DBを使用する
SAP顧客に最高のサポートを提供します。このプロ
グラムには、
「異機種データベース移行」や「データ
ベース再編成」などの領域の特殊サービスを含め
ることができます。
Oracle Advanced Customer Service(ACS)for SAP
O2O機能の概要
特殊機能
Oracle Database for SAP Support Servicesチーム
・ ファイル・システム・レイアウトの最適化
がグローバルに提供するO2Oサービスは、世界各地
・ 既 存 のシステムを 長 期 に渡り最 新 状 態 に更 新
の400件を超えるSAPおよびSAP以外の移行に使用
(LMTS、ASSM)
されています。最初の開発から、多くの機能が追加さ
・ 完全なデータベース再編成
れました。
より広い範囲の各種データベース・システ
・ データベース・サイズの最小化
ムや構成、様々な移行使用例(WLANを使用した移
・ 本番環境の「ゼロ・リスク」戦略
行)もサポートできるようになりました。O2Oの主な
・ システム可用性の最大化
機能は次のとおりです。
・ 500GB/h以上の変換速度が可能
・ す べてのUNIX、LinuxおよびWindowsオペレー
Oracle to Oracle ONLINE(Triple-O)
ティング・システムで実行可能。異機種データベー
ワルドルフ(ドイツ)のOracle Support and Service
ス間の移行も可能
Team for SAPは、次の移行が可能な新しいオンライ
・ 自動化されたスケジュール・ソフトウェアで移行が
ン移行プロセスを開発しました。
容易
・ S APスキーマ名を含めたデータベース・ユーザー
名の変更
・ SAPの単一表領域レイアウトへの移行
・ オペレーティング・システム
・ ハードウェア・プラットフォーム
・ またはデータベース・リリース
・ 各 表領域レイアウト作成、
レガシー・データベース
の場合も可能
・ 選 択した表および索引を個別のの表領域に移動
(Input-Fileにより定義)
・ 選 択したデータベース・ユーザーを移行から除外
SAPシステムの停止時間はわずか数分です。
このACS
オンライン・データベース・トランザクション・プロセ
スは、
「 Triple-O」
と呼ばれ、Oracle GoldenGateを
ベースにしています。
(Input-Fileで定義)
・ 選 択した表のみの表構造がコピー可能。サイズを
削減したデータベースのコピーの作成
・ デフォルトで再開可能なトランザクション(24時間
のジョブ凍結)
Oracle GoldenGateは、異機種環境のデータをレプリ
ケーション可能にする包括的ソフトウェア・パッケー
ジです。この製品セットを使用すると、高可用性ソ
リューション、
リアルタイムのデータ統合、
トランザク
・ 任 意の順序ですべてのオプションの組合せが可
ションにより変更されたデータの取得、データ・レプリ
能。
ターゲット・システムの必要な表領域のサイズ
ケーション、変換、および業務系エンタープライズ・シ
を自動的に計算。
ステムと分析系エンタープライズ・システムとの比較
・ 巨大な表にはパラレル・コピー方式を使用
検証を実現できます。
・ 外部スクリプトをインポートし、
カスタマイズした移
行スクリプトを作成可能(パーティション化)
・ 列「MANDT」に基づ いた簡素なリスト・パーティ
Oracle to Oracle Online(Triple O)は、移行に必要
な停止時間を大幅に削減します。
ション化が可能
・ IOTサポート
O2Oオンライン移行では、次を実行できます。
・ 拡 張パーティション化のサポート
(サブ・パーティ
ション化、
グローバル、
グローバル・パーティション
およびローカル索引)
・ L O Bまた は L O N G R A W デ ータ型 を 持 つ 表 の
DataPumpエクスポート/インポートをサポート
・ 移行中の表ソートをサポート
・ O Sレベルでクロス・プラットフォーム移行を実行で
きます。任意のサイズのOracleデータベース上の
SAP ERP、SAP BW、CRMおよびXIがサポートする
すべてのオペレーティング・システム間でシステム
を移行できます。
・ ターゲット・システムの索引圧縮(10g)
・ Oracle Database 11gの表圧縮
・ ソース・システムとターゲット・システムの各表の行
カウントに基づいた拡張移行チェック
ソース・システムとターゲット・システムは、UNIX、
LinuxおよびWindowsのいずれの組合せでもサポー
トされます。
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Oracle Advanced Customer Service(ACS)for SAP
・ 移 行中にデータベースをアップグレードできます。
このリリースから、移行中にOracle 11.2への直接
のSAP Release 4.6C(SAP Note 742243を参照)か
らサポートされています。
アップグレードが可能になりました。
Oracle Database 11g
次の場合に役立ちます。
O r a c l e D a t a b a s e 1 1 g に は 、A d v a n c e d
・データベース再編成
Compression、DirectNFS、SecurefilesおよびOnline
・ データベースのアップグレード
Patchingなどの新機能と拡張機能が追加されていま
・ RAC実装
す。迅速な配置への要望や期待がこのビルドを可能
ハードウェアの新規実装
にしました。
さらに、Database VaultのサポートもSAP
・ 新しいストレージ・システム
から認定されています。
新しいデータベース機能の実装
・ 表圧縮(Advanced Compression)
Advanced Customer Servicesは、SAPのサポート要
・ 索引圧縮
件を満たしながら、SAPユーザーが効率良く円滑に
・ パーティション化
Oracle Database 11gにアップグレードするための
・Automatic Storage Management - ASM
アドバイスと支援を提供します。ITスタッフがOracle
・ TDE/セキュリティ
Database 11gの多くの機能を理解し、配置が簡単に
できるように支援するテクニカル・ワークショップも
このソリューションはSAP認定済で、入手可能です。
開発中です。
Oracle Support and Services for SAPチームは、い
つでも支援する用意があります。
Oracle Advanced Customer Servicesは、SAPとの
継続的なサポートとパートナシップを通じ、または
詳細は、SAP Note: 150827を参照してください。
顧客のIT組織からの直接の申し込みなどの方法で、
SAP顧客向けのOracle Partitioning
スを提供します。詳細は次にお問合せください。
Oracle Partitioningは、Oracle Database 10g
[email protected]
SAPアプリケーションの操作に熟練した個別サービ
E n t e r p r i s e E d i t i o n のオプションです( O r a c l e
D a t a b a s e 1 1 g 認 証 にも付 属します )。O r a c l e
連絡先:
Partitioningの技術を簡単に説明すると、データベー
EMEA:
ス内の表および索引を、より小さい部分に分割しま
Michael Weick
す。オラクルは、値の範囲で表を「パーティション化」
[email protected]
できるため、たとえば2010年1月1日から2010年1
Oracle Support for SAP Customers
月31日までのデータは、このデータ独自のパーティ
Altrottstr. 31
ションに常駐します。オラクルは、値リストで表をパー
69190 Walldorf
ティショニングできるため、たとえば、北アメリカの
データとヨーロッパのデータを、それぞれ別のパー
USA:
ティションにすることができます。大規模データベー
Oracle Corporation
スの管理には、パーティション機能が不可欠です。
Derek Oats
Nashua, NH, 03062
パーティショニングは、一貫したパフォーマンスを維
[email protected]
持しつつ、非常に大きなデータセットに合せてデータ
ベースを増減できる機能です。そのためにハードウェ
日本、APAC、ANZ:
ア・リソースや管理作業が極端に増加することはあり
Oracle Japan
ません。Oracle Partitioningは、
コア・データベース・
Eisuke Sekiguchi
エンジンに組み込まれ、オラクルの管理ツールがサ
[email protected]
ポートします。
SAPアプリケーションからは、パーティショニングは完
全に透過的です。
このため、パーティション機能の使
用に必要なアプリケーションやSQL文の変更はあり
ません。Partitioning for SAPは、SAP Kernel 6.20
For Oracle Solaris and latest DB Notes please see: service.sap.com
Note Number
Note Title
Oracle DB related Notes for SAP
DB Version
Overview: Feature Support
105047
Support for Oracle Functions in the SAP Environments
720886
Oracle Database 10g Integration into the SAP Environment
Oracle DB 10g
828268
Oracle Database 10g – New Functions
Oracle DB 10g
1398634
Oracle Database 11g Integration in SAP Environment
Oracle DB 11g
1426979
SecureFiles – The New Way to Store LOB Data
Oracle DB 11g
1430669
BR*Tools support for Oracle 11g
Oracle DB 11g
1431800
Oracle 11.2 Central Technical Note
Oracle DB 11g
1434131
Oracle Database 11.2 for SAP versions
Oracle DB 11g
All DB Versions
Overview: License & Maintenance information
581312
Oracle Database Licensing Restrictions
All DB Versions
740897
Oracle License Scope & Required Oracle Options
All DB Versions
1028068
Required Oracle Options for DBA Cockpit
All DB Versions
1339724
Oracle 10.2 Extended Support
1575609
Future HPUX Itanium Support for Oracle Database
Oracle DB 10g
All DB Versions
DB Option: Compression
701235
Usage of Oracle Compression and BW
Oracle DB 10g
1109743
Use of Index Key Compression for Oracle Databases
All DB Versions
1289494
FAQ Oracle Compression
All DB Versions
1431296
LOB Conversion and Table Compression with BRSPACE 7.20
1436352
Advanced Compression for SAP Systems
1464156
Support for Index Compression in BRSPACE 7.20
All DB Versions
742243
General Table Partitioning
All DB Versions
859841
Deinstallation of Oracle Partitioning Option (SAP BW)
All DB Versions
Partitioning Engine for Oracle
All DB Versions
Oracle DB 11g
Oracle DB 11g
DB Option: Partitioning
1333328
DB Option: Real Application Clusters (RAC)
527843
1550133
Oracle RAC Support in the SAP Environment
Automatic Storage Management (ASM)
All DB Versions
Oracle DB 11g
DB Option: Real Application Testing (RAT)
1426980
DB Option: Security
The Real Application Testing Option
—
Oracle DB 11g
974876
Advanced Security – Network Encryption
All DB Versions
973450
Advanced Security – Transparent Data Encryption
All DB Versions
974876
Advanced Security – Backup Encryption
All DB Versions
1324684
Using Oracle Database Vault in an SAP Environment
All DB Versions
1355140
Database Vault for SAP Policy Scripts
DB Administration: Tools
Oracle Enterprise Manager Database Control
1502374
386413
Oracle Enterprise Manager (OEM) in the SAP Environment
Oracle DB 11g
All DB Versions
All DB Versions
DB Administration: Backup & Recovery
937492
Oracle Flashback FAQ
All DB Versions
966117
Oracle Flashback Database Technology
All DB Versions
OS Platforms: General
1565179
SAP Software and Oracle Linux
Oracle DB 11g
1567511
Oracle Linux 5.x SAP installation and upgrade
Oracle DB 11g
171356
1508271
SAP Software on Linux
Oracle to Oracle Online Migration (“Triple O”)
Oracle DB 11g
All DB Versions
OS Platforms: Virtualization
1002461
Support of IBM Dynamic LPAR and Micropartitioning
All DB Versions
1173954
Support of Oracle for VMware
All DB Versions
1426182
Support of Oracle Database for XEN and KVM
All DB Versions
Technical Details: Installation, Upgrade, Patches
1431751
Quick Reference for ADRCI and ADR
Oracle DB 11g
1431793
Upgrade Scripts
Oracle DB 11g
1431794
Instant Client
Oracle DB 11g
1431795
Patches/Patch Collections
Oracle DB 11g
1431796
Troubleshooting the Software Installation
Oracle DB 11g
1431797
Troubleshooting the Database Upgrade
Oracle DB 11g
1431798
Database Parameter Settings
Oracle DB 11g
1431799
Current Patch Set
Oracle DB 11g
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本冊子は、2011年Oracle Corporation, Oracle for SAP Global Technology Center発行
「Oracle for SAP Technology Update No.20」
を一部翻訳、再構成したものです。
本カタログの情報は、
2011年8月現在のものです。実際の製品とは内容が異なる場合があります。
*OracleとJavaは、
Oracle Corporationおよびその子会社、
関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。
文中の社名、
商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
日本オラクル株式会社
〒107- 0 0 6 1 東 京 都 港 区 北青山2 -5 -8オラクル青山センター
oracle.com/jp
お問い合わせ窓口
TEL
URL
0120-155-096
oracle.com/jp/direct
代理店名
Copyright © 2011, Oracle. All rights reserved.
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