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第93号 - 北海道大学

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第93号 - 北海道大学
2009.3.27
北海道大学保健管理センター
第 93号
大学と観光―大学は観光資源の宝庫―
企画部次長
「ほけんかんだより」への寄稿にあたって,多少
なりとも健康に関することを書こうと思いましたが,
「平成18年発行・保健管理センター年報2005」に深
夜勤務の連続と過度のストレスが原因で,脳梗塞で
倒れて健康の大切さを実感し,あわせて同僚の優し
さに涙したことを書かせて頂いたので,この度は,
大学を違った観点からみた感想を書かせて頂きます。
北海道大学は,平成18年4月に観光学高等研究
センターを設置し,翌19年4月には国立大学とし
て初の大学院(観光創造専攻)を設置しました。こ
の専攻の設置事務に多少なりとも関わった者として,
主にマスツーリズム(旅行会社や観光開発企業など
が主導の名所旧跡や景勝地を巡る観光)やニューツ
ーリズム(主に個人を中心にした他律的な体験型,
交流型観光)という視点から「大学と観光」の関係
を思いつくままに書いてみます。
全国各地に設置されている大学,高専は1214
校にのぼる。そのうち国立大学は,北は北海道から
南は沖縄まで全国87校設置されている。
何れの大学も広大な敷地を持ちキャンパスの周り
は塀や垣根で囲まれ,正門には守衛室やゲートがあ
り気軽に入ってはいけないような重々しい雰囲気で
ある。
その大学では,白衣に眼鏡,小脇に分厚い本を抱
えた学生や研究者達が歩き回っているのではと想像
しがちである。息子や娘が入学試験やオープンキャ
ンパスなどで大学へ行くときもなぜか正装してしま
う親も多いのではないだろうか。
大学の存在は,国民にとって,何となく敷居の高
い独特の雰囲気をもっている場所でもあるが,そん
な所を,のぞいてみたいと思う人も多いのではない
か。そこには,手付かずの自然,青春真っ盛りの学
生,滅多に見ることのできない実験装置などがあり,
大学のキャンパスは多くの人々に新鮮に映る場所で
はないだろうか。
平成16年度の法人化を受けて,その国立大学が
変わり始めている。一兆二千億円もの国税が投入さ
れている国立大学では,国民への説明責任が一層重
要視され,社会貢献を強く意識するようになる。そ
れと同時に公開講座,市民向けシンポジウムの開催
などキャンパスを開放し自らの大学をアピールする
という姿勢が強くなった。これら大学開放事業に多
くの市民らが参加することからも解るように,この
南
俊夫
学びたいという意識は立派な観光動機であり,学生
とのふれ合いも団塊の世代を中心に青春を蘇らせ,
大学の歴史や先人達の偉業,実験器具類,森林・海
洋生物などを研究している地方施設等々は興味をそ
そる立派な観光資源である。
それに気づき始めた大学は,JTBなどの大手旅
行会社とタイアップし,地域を巻き込んだツアーを
企画し実施しているところもあれば,本学の観光学
高等研究センターのように,JR東日本と共同研究
契約を締結し,その実証事業として「大人の休日倶
楽部(会員数百万人超 )」の会員を対象にツアーを催
行した例もある 。(余談であるが,このツアーの参加
者が北大の環境,人などに感動して,お孫さんを連
れて大学院の授業を見学にきたことがある。ツアー
実施の波及的効果として,この小さな訪問者に北大
志望の動機付けはできただろうか(笑 ))
各大学は訪問者向けのキャンパス整備もそれぞれ
工夫している。本学では法人化の前年,市民,観光
客の訪問を意識し,北大の代名詞ともなっている「エ
ルムの森」の一画にある学内最古の教室を「北大交
流プラザ」に改修し,訪問者が自由気ままに北大を
感じることのできる空間を提供している。バリアフ
リー化されたこの施設の利用者は年々増加し,今年
度は6万人を大きく超えている。更には,敷地内で
市民とのふれ合いを求めてビアガーデンを開催し,
実験農場の生産品を「おつまみ」として販売してい
る。
いずれも地域との結びつきや訪問者を意識しなが
らイメージアップを図ることで,学生募集に結びつ
けようとする大学の戦略が見え隠れするが,我が国
の将来を担う人材を育成する教育研究機関そのもの
が観光資源であり,そこにビジネスチャンスがある。
また,全国の国公私立大学は留学生が多く,外国
人にとっても母国語が通じる場所である。構内の案
内標示も英語は勿論,大学正面入り口には中国語,
韓国語,台湾語の観光者向け案内版が設置されてい
る大学もある。また,大学概要と言われる広報誌も
様々な国の言語で用意されている大学も多い。既に
大学には観光スポットとしての環境は日常の活動の
中から整っている。人の価値観が違うように観光資
源も多種多様であり,大学はアイデア次第で我が国
の観光立国に大きく貢献できると考えるところであ
る。
2009.3.27
お話しを伺うということ
保健管理センターカウンセラー・学生相談室相談員
私の仕事は、まず相談にいらした方のお話を伺う
ことです。その方の体験している状況のお話を伺い
ながら、私自身は体験していないその状況を推測し
ていきます。その状況をありありと思い浮かべるた
めに不足する情報は、私の方から質問させていただ
き補っていきます。それによってその方の主観的世
界をできるかぎり共有させていただくことになりま
す。それと同時にそこから客観的要素を抽出して客
観的現実も確認していきます。必要に応じて事実確
認もします。この作業を行う中で私が思うのは、相
談にいらした方のお話のされ方にはいくつかのパタ
ーンがあるということです。
ある方は、その状況のある部分を微細に描き出さ
れます。まるでそこにスポットが当たった様にその
部分がはっきり見えてきます。しかし、スポットか
ら外れた周辺部分は闇の中ということがあります。
微細に話された部分は、その方にとって重要で、核
心となると考えられている部分ということがわかり
ます。このような場合、スポットの範囲を広げてい
っていただけるように質問をさせていただきます。
それによって描き出された部分が、全体のどこにど
のように位置づけられたものであるのか教えていた
だくことにしています。又ある方は、俯瞰図のよう
に全体を見晴るかしたお話しから始められます。全
体像が大変よく分かり、どのような背景があるのか
が見えてきます。しかし、そのままではその方の姿
が見えません。このような場合は、ご自身がどこに
いらっしゃるのか分かるように質問をさせていただ
きます。そして、その方がご自分の周辺の様子をど
のようにご覧になっているのか質問をしながら教え
ていただきます。他にもパターンは色々ありますが、
いずれにしても背景と核心部を教えていただくよう
にしています。
話は少し変わりますが、お話を伺う場合、私は特
に気をつけていることがあります。それは、思いこ
みをできるだけ取り除くということです。その方が、
何をどのように見ているのか、又見ていないのか丹
念に耳を傾けそのまま伺っていくように心がけてい
ます。どうしても私自身の経験と知識に規定されて
しまうといえますが、新たなことを教えていただく
という気持ちで先入観を持たないようにしています。
最も注意を要するのは、私自身が、その方と似たよ
うな体験をしている場合です。どうしても私自身の
経験に引きずられそうになるので危険です。仮に同
じ状況を同時に体験していたとしても全ての人が同
じには体験していないといえます。人それぞれ目の
付け所が大抵違っていますし、その状況から得た情
報にどんな色づけをするのかもその人の経験や知識、
あるいはその時の心持ちによって大きく影響される
といえます。無垢なままで伺うことが必要だといえ
ます。でもこれはなかなか難しいことなので振り返
り続けています。
私の所にお話にいらっしゃる方は、多かれ少なか
れ某かの解決策を探していらっしゃいます。その方
の主観的世界を共有する過程そのものが解決への道
のりなのかと思います。
平成21年度(2009年度)定期健康診断日程表
月 日 曜
受付時間
対 象 学 部
4 8 水 9:00~11:00 文学部、教育学部、獣医学部
13:00~15:00
9 木
9:00~11:00
13:00~15:00
10 金
9:00~11:00
13:00~15:00
13 月 9:00~11:00
13:00~15:00
14 火 9:00~11:00
13:00~15:00
15 水
9:00~11:00
13:00~15:00
16 木
9:00~11:00
13:00~15:00
武田弘子
対 象 者
文学研究科、教育学院、教育学研究院、獣医学研究科、国際広報メディア・
観光学院、国際広報メディア研究科、メディア・コミュニケーション研究院、公共政策学教
育部
法学部、経済学研究科
法学研究科、法学専門職学位課程、経済学部、経済学専門職学位課程、
医学部(保健学科)、保健科学院
工学部(1/4)、工学研究科(1/4)、情報科学研究科(1/4)
工学部(1/4)、工学研究科(1/4)、情報科学研究科(1/4)
工学部(1/4)、工学研究科(1/4)、情報科学研究科(1/4)、歯学部
工学部(1/4)、工学研究科(1/4)、情報科学研究科(1/4)、歯学研究科
理学部、情報基盤センター、高等教育機能開発総合センター、北方生物圏
フィールド科学センター、観光学高等研究センター、総合博物館
理学院、理学研究院、理学研究科、低温科学研究所、電子科学研究所、
遺伝子病制御研究所、触媒化学研究センター、スラブ研究センター、留学
生センター
薬学部、農学部
医学研究科、薬学研究院、農学院、農学研究院、水産科学院、水産科学研
究院
医学部(医学科)、生命科学院、先端生命科学研究院
環境科学院、地球環境科学研究院
卒 年 次
修了年次
留 学 生
研 究 生
診断書等
を必要と
する学生
4ページへ続きます
2009.3.27
海外へ旅行あるいは帰省する職員及び学生の皆様へ
関係者の努力にもかかわらず、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)感染が以下の地域に拡大し、鳥から人
への感染も歯止めがかかっていません。
1.
1. インドネシア
インドネシア 2. ベトナム 3. エジプト 4. 中国 5. タイ 6. トルコ 7. アゼルバイジャン
7. カンボジア 9. イラク 9. パキスタン 11. ラオス人民民主共和国 12. ジブチ
12. ナイジェリア 12. ミャンマー 12. バングラデシュ
(2003-2009年の確定患者の多い順、2009年3月30日現在。WHOによる。)
やむを得ず、これらの地域に旅行または帰省する職員及び学生の方は次の点にご留意ください。
(出国前にご注意いただく事)
1.旅行あるいは帰省することを上司や指導教員に伝える。
(これらの地域にてご注意いただく事)
1.可能な限り家禽類や野鳥(鶏、七面鳥、あひる、鴨、白鳥など)との接触をさける(羽根、糞、十分
加熱してない肉や卵も含む)。
2.高病原性鳥インフルエンザ感染疑いの患者との接触をさける。
(日本帰国後にご注意いただく事)
1.帰国時あるいは帰国後1週間以内に咳や38度以上の発熱がある場合には、職場あるいは大学に来る
前に、必ずマスクをつけて医療機関を受診する。
2.医療機関を受診するときには、できるだけ夜間帯はさけ日中に受診する。
3.海外からもどった学生で、1.に該当する場合には、北海道大学保健管理センター
(706-2025) に電話連絡して医療機関受診等を打ち合わせる。同時に指導教員にもそのことを電話
で連絡する。
保健管理センター
Intermission
「早春のしぶき」
坂田
勲 氏 Isao Sakata
元北方生物圏フィールド科学センター事務長
2009.3.27
平成20年度(2008年度)定期健康診断日程表(2ページより続き)
月 日 曜
受付時間
対 象 学 部
4 17 金 9:00~11:00 法学研究科、経済学研究科、農学院、教育学院、国際広報メディア・観光
対象者
学院、公共政策学教育部
13:00~15:00
法学専門職学位課程、経済学専門職学位課程、情報科学研究科、
大 学 院
新 入 生
獣医学研究科
20 月
9:00~11:00
13:00~15:00
21 火 9:00~11:00
13:00~15:00
22 水 9:00~11:00
13:00~15:00
23 木 9:00~11:00
13:00~15:00
医学研究科、工学研究科(1/2)、保健科学院
24 金
工学部(1/2)、工学研究科
9:00~11:00
13:00~15:00
27 月 9:00~11:00
13:00~15:00
28 火 9:00~11:00
13:00~15:00
30 木 9:00~11:00
13:00~15:00
文学研究科、歯学研究科、工学研究科(1/2)
環境科学院、生命科学院
理学院
薬学部、生命科学院(薬学系)、医学部(保健学科)、環境科学院、
水産学部
文学部、教育学部、経済学研究科
文学研究科、教育学院、法学部、法学研究科、法学専門職学位課程、
経済学部
工学部(1/2)、情報科学研究科
医学部(医学科)、歯学研究科、獣医学部、国際広報メディア・観光学院
4/8~
4/21間
の対象者
以外
医学研究科、歯学部、獣医学研究科、国際広報メディア研究科
理学部、理学院、生命科学院(理学系)
農学部、農学院、生命科学院(農学系)
※水産学部(函館キャンパス)5月21日(木)~5月22日(金)
診療・健康相談と担当医師の御案内
月
武 藏
学
朝 倉
聡
鐙
邦 芳
火
小 林 隆 彦
水
武 藏
朝 倉
木
岡 田 耕 平
金
小 林 隆 彦
朝 倉
聡
鐙
邦 芳
内
科
学
精神衛生相談
聡
整形外科相談
歯 科 相 談
中 村 公 也
★受付時間:13:00~15:30 (但し、金曜日の整形外科相談の受付時間は、14:00~15:30 です)
各種相談と担当看護師の御案内
女 子 学 生 相 談
栄
養
相
談
★受付時間:13:00~15:30
火
佐藤 雅子
木
折戸 智恵子
折戸 智恵子
★栄養相談は予約制となっております。
★看護師へのご質問・お問い合わせ ℡ 011-706-3622
診療のお知らせ
休診予定等(4/1-4/30) 3/27現在
全科休診:
内科休診:4/1(水)~4/30(木)
内科受付時間変更:
精神衛生相談休診:
精神衛生相談受付時間変更:
整形外科相談休診:4/1(水)~4/30(木)
歯科相談休診:4/1(水)~4/30(木)
※休診の最新情報は当センターHPをご覧ください。
月刊 ほけかんだより
平成21年(2009)3月27日発行
編集・発行 国立大学法人北海道大学
保健管理センター
〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目
e-mail: [email protected]
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