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審決書2(PDF:781KB)

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審決書2(PDF:781KB)
平成20年(判)第3号ないし第6号,第8号ないし第10号
審
決
静岡市駿河区池田710番地の1
被審人
有限会社石井育種場
同代表者
代表取締役
石
井
和
広
宮城県遠田郡美里町南小牛田字町屋敷109 番 地
被審人
株式会社渡辺採種場
同代表者
代表取締役
渡
邉
頴
悦
東京都北区滝野川六丁目6番5号
被審人
株式会社日本農林社
同代表者
代表取締役
近
藤
宏
奈良県橿原市南八木町二丁目6番4号
被審人
ナント種苗株式会社
同代表者
代表取締役
高
瀬
泰
嗣
清
剛
福岡市博多区那珂五丁目9番25号
被審人
中原採種場株式会社
同代表者
代表取締役
内
村
奈良県天理市平等坊町110番地
被審人
株式会社大和農園種苗販売部
同代表者
代表取締役
吉
田
裕
永
金次郎
愛知県江南市古知野町瑞穂3番地
被審人
松永種苗株式会社
同代表者
1
代表取締役
松
被審人ら代理人弁護士
厚
谷
襄
児
同
矢
花
公
平
同
多
田
敏
明
同
犀
川
治
同
田
部
知江子
公正取引委員会は,上記被審人らに対する私的独占の禁止及び公正取引の確保に
関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第35号)附則第2条の規定に
よりなお従前の例によることとされる同法による改正前の私的独占の禁止及び公正
取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)に基づく課徴金納付命令
審判事件について,公正取引委員会の審判に関する規則(平成17年公正取引委員
会規則第8号)による改正前の公正取引委員会の審査及び審判に関する規則(以下
「規則」という。)第82条の規定により審判長審判官中出孝典,審判官秋信彦
から提出された事件記録に基づいて,同審判官らから提出された別紙審決案を調査
し,次のとおり審決する。
主
文
被審人有限会社石井育種場は金1196万円を,
被審人株式会社渡辺採種場は金907万円を,
被審人株式会社日本農林社は金631万円を,
被審人ナント種苗株式会社は金359万円を,
被審人中原採種場株式会社は金145万円を,
被審人株式会社大和農園種苗販売部は金104万円を,
被審人松永種苗株式会社は金70万円を,
それぞれ課徴金として,平成22年3月15日までに国庫に納付しなければならな
い。
理
1
由
当委員会の認定した事実,証拠,判断及び法令の適用は,いずれも別紙審決案
の理由第1ないし第5と同一であるから,これらを引用する。
2
よって,被審人らに対し,独占禁止法第54条の2第1項及び規則第87条第
1項の規定により,主文のとおり審決する。
2
平成22年1月12日
公
正
取
引
委
員
会
委員長
竹
島
一
彦
委
員
濱
崎
恭
生
委
員
後
藤
委
員
神
垣
清
水
委
員
濵
田
道
代
3
晃
別
紙
平成20年(判)第3号ないし第6号,第8号ないし第10号
審
決
案
静岡市駿河区池田710番地の1
被審人
有限会社石井育種場
同代表者
代表取締役
石
井
和
広
宮城県遠田郡美里町南小牛田字町屋敷109番地
被審人
株式会社渡辺採種場
同代表者
代表取締役
渡
邉
頴
悦
東京都北区滝野川六丁目6番5号
被審人
株式会社日本農林社
同代表者
代表取締役
近
藤
宏
奈良県橿原市南八木町二丁目6番4号
被審人
ナント種苗株式会社
同代表者
代表取締役
高
瀬
泰
嗣
清
剛
福岡市博多区那珂五丁目9番25号
被審人
中原採種場株式会社
同代表者
代表取締役
内
村
奈良県天理市平等坊町110番地
被審人
株式会社大和農園種苗販売部
同代表者
代表取締役
吉
田
裕
愛知県江南市古知野町瑞穂3番地
被審人
松永種苗株式会社
同代表者
代表取締役
松
永
金次郎
被審人ら代理人弁護士
厚
谷
襄
児
同
矢
花
公
平
同
多
田
敏
明
同
犀
川
治
同
田
部
知江子
上記被審人らに対する私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一
1
部を改正する法律(平成17年法律第35号。以下「改正法」という。)附則
第2条の規定によりなお従前の例によることとされる同法による改正前の私的
独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)
に基づく課徴金納付命令審判事件について,公正取引委員会から独占禁止法第
51条の2及び公正取引委員会の審判に関する規則(平成17年公正取引委員
会規則第8号)による改正前の公正取引委員会の審査及び審判に関する規則
(以下「規則」という。)第31条第1項の規定に基づき担当審判官に指定さ
れた本職らは,審判の結果,次のとおり審決することが適当であると考え,規
則第82条及び第83条の規定に基づいて本審決案を作成する。
主
文
被審人有限会社石井育種場は金1196万円を,
被審人株式会社渡辺採種場は金907万円を,
被審人株式会社日本農林社は金631万円を,
被審人ナント種苗株式会社は金359万円を,
被審人中原採種場株式会社は金145万円を,
被審人株式会社大和農園種苗販売部は金104万円を,
被審人松永種苗株式会社は金70万円を,
それぞれ課徴金として国庫に納付しなければならない。
理
第1
1
由
事実等
課徴金に係る違反行為
被審人ら(以下,それぞれ別紙1の当該被審人名の後の括弧書きのとお
り略称する。)は,別添平成14年(判)第61号審決書(写し。以下,
当該審決を「本案審決」という。)記載のとおり,他の事業者と共同して,
袋・缶等の容器に詰め(当該容器に詰められたものを購入する場合を含
む。),当該容器に自社の名称を表示して販売するはくさい,キャベツ及
びだいこん(葉だいこん及び二十日だいこんに属するものを除く。以下同
じ。)の交配種の種子(「小袋」と称される形態で流通するものを除
く。)のうち,各被審人ごとに別紙1記載の各野菜に係るもの(以下「各
被審人ごとの各元詰種子」という。)について,各社がその年の5月ない
2
し7月に始まる年度における販売価格を定める際の基準となる価格(以下
「基準価格」という。)を毎年決定し,各社は当該価格の前年度からの変
動に沿って,品種ごとに販売価格を定め,取引先販売業者及び需要者に販
売する旨合意することにより,公共の利益に反して,我が国における各被
審人ごとの各元詰種子の販売分野における競争を実質的に制限していたも
のであって,これは,独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限
に該当し,独占禁止法第3条の規定に違反するものであり,かつ,独占禁
止法第7条の2第1項に規定する商品の対価に係るものである。
2
課徴金の計算の基礎となる事実
(1)
被審人らは,各被審人ごとの各元詰種子の卸売業を営む者である。
(争いがない。)
(2)
被審人らが前記1記載の違反行為(以下「本件違反行為」という。)
の実行としての事業活動を行った日は,平成10年10月3日以前であ
る。また,被審人らは,平成13年10月4日以降,本件違反行為を取
りやめており,同月3日にその実行としての事業活動はなくなっている。
(本案審決によりこのように認められる。)
したがって,被審人らについては,本件違反行為の実行としての事業
活動を行った日から本件違反行為の実行としての事業活動がなくなる日
までの期間が3年を超えるため,独占禁止法第7条の2第1項の規定に
より,実行期間は,平成10年10月4日から平成13年10月3日ま
での3年間(以下「本件実行期間」という。)となる。
(3)
本件実行期間における各被審人ごとの各元詰種子に係る売上額は,改
正法附則第2条のなお従前の例によることとする規定により,私的独占
の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令の一部を改正する政令
(平成17年政令第318号)による改正前の私的独占の禁止及び公正
取引の確保に関する法律施行令第5条の規定に基づき算定すべきところ,
当該規定に基づき算定すると,それぞれ別紙1記載の各金額のとおりで
ある。(各売上額自体については争いがない。ただし,各売上額のうち
後記第2の2の各種子に係るものについては,課徴金算定の対象となる
か否かにつき争いがある。この点については,後記第4のとおり,当該
各種子に係る売上額も課徴金算定の対象となるものと判断する。)
3
課徴金額の算定
3
被審人らが国庫に納付しなければならない課徴金の額は,独占禁止法第
7条の2第1項及び第4項の規定により,
(1)
被審人石井育種場については,前記はくさいの元詰種子の売上額の1
億8621万6289円に100分の1を乗じて得られる額から1万円
未満の端数を切り捨てて算出される186万円と,前記キャベツの元詰
種子の売上額の10億1025万8356円に100分の1を乗じて得
られる額から1万円未満の端数を切り捨てて算出される1010万円を
合計した1196万円である。
(2)
被審人渡辺採種場については,前記はくさいの元詰種子の売上額の4
億937万6620円に100分の1を乗じて得られる額から1万円未
満の端数を切り捨てて算出される409万円と,前記キャベツの元詰種
子の売上額の2億3012万2952円に100分の1を乗じて得られ
る額から1万円未満の端数を切り捨てて算出される230万円と,前記
だいこんの元詰種子の売上額の2億6888万502円に100分の1
を乗じて得られる額から1万円未満の端数を切り捨てて算出される26
8万円を合計した907万円である。
(3)
被審人日本農林社については,前記はくさいの元詰種子の売上額の1
億5605万1870円に100分の1を乗じて得られる額から1万円
未満の端数を切り捨てて算出される156万円と,前記キャベツの元詰
種子の売上額の4億7533万3273円に100分の1を乗じて得ら
れる額から1万円未満の端数を切り捨てて算出される475万円を合計
した631万円である。
(4)
被審人ナント種苗については,前記だいこんの元詰種子の売上額の3
億5916万391円に100分の1を乗じて得られる額から1万円未
満の端数を切り捨てて算出される359万円である。
(5)
被審人中原採種場については,前記だいこんの元詰種子の売上額の1
億4562万8753円に100分の1を乗じて得られる額から1万円
未満の端数を切り捨てて算出される145万円である。
(6)
被審人大和農園については,前記だいこんの元詰種子の売上額の1億
402万6067円に100分の1を乗じて得られる額から1万円未満
の端数を切り捨てて算出される104万円である。
(7)
被審人松永種苗については,前記だいこんの元詰種子の売上額の70
4
53万1493円に100分の1を乗じて得られる額から1万円未満の
端数を切り捨てて算出される70万円である。
第2
争点
1
被審人らは本件違反行為の不存在を主張し得るか。
2
被審人らが本件実行期間内に販売した各被審人ごとの各元詰種子のうち,
「ペレット種子」に該当するもの(その売上額は,被審人の主張によれば,
被審人石井育種場のはくさいにつき1億3350万6998円,同被審人
のキャベツにつき3億810万9083円,被審人渡辺採種場のはくさい
につき9621万911円,同被審人のキャベツにつき1億251万52
97円,被審人日本農林社のはくさいにつき5987万8320円,同被
審人のキャベツにつき1億5232万6211円,被審人ナント種苗につ
き3545万2748円,被審人中原採種場につき165万8400円,
被審人大和農園につき341万958円,被審人松永種苗につき184万
2704円である。以下「本件各ペレット種子」という。)が,独占禁止
法第7条の2第1項所定の「当該商品」に該当するものとして課徴金算定
の対象となるか。
第3
争点2に関する双方の主張
1
被審人らの主張
(1)
通常の種子(以下「生種子」という。)とペレット種子との間に代替
性があるという理由でペレット種子を課徴金の対象とすることは,違反
行為の対象を拡大解釈するものであり,不当である。
また,仮に代替性が認められる場合に課徴金の対象となることがあり
得るとしても,そのときには,商品間の一般的な代替性ではなく,具体
的事件との関係で代替性が存在するか否かが問題となる。その際の考慮
要素たる商品の特性の相違も,それを需要者がどのように評価するかが
問題となる。需要者において現実に双方向の乗換えが生じたか否かとい
う具体的な結果の集積が,商品間の機能等の相違へとつながっていく。
(2)
ペレット種子は,種子に珪藻土等を付けて粒径を均一化したものであ
り,単価が高くなるため,それを播く際には,生種子で行われる「バラ
播き」(1か所に複数の種子を播き,生育・揃いの良い株・苗以外を間
引くという手法)ではなく「一粒播き」(1か所に1粒の種子を播く手
法)が指向されることになり,その関係で,ペレット種子については,
5
確実に発芽すること及び発芽した株・苗が生育も含めて揃いが良いこと
が求められる。それらの事情に加えて高温処理や保存・貯蔵の難しさも
あって,ペレット種子の生産においては,加工対象の選別から加工を経
て販売に至るまでの各段階での試験により販売対象が厳選されていくこ
とになり,歩留りという生種子にない追加的なコスト要因が生じる。し
かも,この歩留りは毎年異なる。また,ペレット種子の価格には加工料
も含まれるところ,これは基準価格の変動や生種子の販売価格とは別個
に定められる。
生種子とペレット種子とでは,上記のような播き方の差異により,1
粒の価値が全く異なり,両者に代替性があるとは考えられない。
また,ペレット種子であれば,播種機の利用,その後の栽培管理の省
力化,人件費の低減,少人数の農家による農業が可能となるが,生種子
では手播きとなり,間引き等の栽培管理も必要となり,少人数の農家で
は農業の遂行力に限界が生じる。需要者である農家としては,必要なと
きにだけ人員を確保するなど柔軟に人員を増減することは容易でないか
ら,作業に従事できる人員及び播種機の稼働を与件とするなら,当然ペ
レット種子を選択するのであって,毎年の播種期にペレット種子にする
か生種子にするかを選択する余地はない(すなわち不可逆的である。)。
ペレット種子が手播きも可能であるからといって,上記のような不可逆
性に変わりはない。
このように,本件違反行為の対象商品たる標準品である生種子と特殊
品であるペレット種子とでは,商品としての効用・特徴が異なり,両者
間には代替性はない。それゆえ,被審人らにおいても,ペレット種子が
本件違反行為の対象商品に含まれるとの認識はなかった。
生種子の販売は量(かさ)や袋単位で行われるところ,ペレット種子
の販売は粒単位で行われており,このことも両者が定型的に異なる商品
であることを示している。本件違反行為において定められたとされる
「基準価格」も,「袋」単位で決定されており,かかる基準価格をペレ
ット種子に当てはめることはできない。
ペレット種子の価格表価格と基準価格との連動性が仮に存在していた
としても,それが本件違反行為において意図されたものであることが証
明されるわけではない。
6
以上によれば,本件各ペレット種子については,後記2(1)の特段の事
情が存在しており,課徴金の算定対象から除外されるべきである。
2
審査官の主張
(1)
独占禁止法第7条の2第1項所定の「当該商品」とは,違反行為の対
象商品の範ちゅうに属する商品であって,かつ,当該違反行為による拘
束を受けたものをいう。違反行為の対象商品の範ちゅうに属する商品に
ついては,当該行為を行った事業者又は事業者団体が明示的又は黙示的
に当該行為の対象からあえて除外したこと,あるいは,これと同視し得
る合理的な理由によって定型的に当該行為による拘束から除外されてい
ることを示す特段の事情がない限り,上記「当該商品」に該当し,課徴
金の算定対象に含まれるものと推定すべきである。
(2)
ペレット種子と生種子とで収穫される生産物は異ならず,需要者たる
農家は,価格の高低,人件費節減効果等を総合的に比較考量して,どち
らを購入するかを選択している。標準的な商品と価格帯が異なるという
だけでは競合関係は否定されない。ペレット種子が生種子に代替するも
のとして普及するにつれ,元詰業者もそれに対応するようになっていっ
た。ペレット種子も播種機を用いずに手播きされることがあり,播種方
法においても両者に本質的な違いはない。ペレット種子の販売が見合わ
された際にその代わりとして同じ品種の生種子を購入する需要者もいる。
被審人らが「不可逆性」として主張するところは,特定の需要者が自
らの条件に応じて複数の選択肢の一方を継続的に選び続けているという
だけのことにすぎず,ここで問題とされるべき商品間の一般的な代替性
の議論とは次元を異にしている。
ペレット種子と生種子のコスト構造に違いがあるとしても,そもそも
元詰種子のコスト構造は品種ごとに区々であり,ペレット加工料等もコ
ストの一部にすぎないから,上記コスト構造の違いは,取り立ててペレ
ット種子が特殊な商品であるという根拠にはならない。
ペレット種子と生種子の単位の違いについても,それによって品種特
性が変わるわけではないから,ペレット種子と生種子の相違とは無関係
である。本件違反行為において基準価格が容量単位で設定されたのは,
元詰種子について一般に袋詰め等の容量販売が普及しており,かかる容
量に対応させるのが適例であったからであって,当該容量で販売する元
7
詰種子に限定する趣旨ではない。上記基準価格は,容量が異なっても粒
数売りであっても,各社がその動向に合わせて価格表価格を設定できる
目安としての機能を果たしていた。
実際に本件各ペレット種子の価格表価格をみても,そのほとんどが,
基準価格に定める容量(はくさい及びキャベツは20ml,だいこんは
2dl。)の生種子の価格表価格,ひいては基準価格と連動している状
況にある。
以上によれば,ペレット種子と生種子との間には代替性があり,競合
関係にあるということができ,本件各ペレット種子について,前記(1)の
特段の事情は存在しない。
第4
審判官の判断
1
争点1(本件違反行為についての不存在主張の可否)について
被審人らは,本件違反行為が存在しない旨主張する。
しかしながら,本件違反行為に関しては,公正取引委員会が,本案審決
に係る審判手続において被審人らに主張立証の機会を与えた上で,本案審
決においてその存在を認定している。したがって,本案審決を前提として
行われる本件課徴金審判手続において,被審人が重ねて本件違反行為の不
存在を主張することは許されないと解するのが相当であるから,被審人ら
の上記主張は失当であり,本件審判においては,本案審決の認定に係る本
件違反行為の存在を前提とした上で判断すべきこととなる。
2
争点2(本件各ペレット種子の「当該商品」該当性)について
(1)
独占禁止法第7条の2第1項所定の「当該商品」とは,違反行為の対
象商品の範ちゅうに属する商品であって,当該行為による拘束を受けた
ものをいうものと解される。そして,違反行為の対象商品の範ちゅうに
属する商品については,当該行為を行った事業者又は事業者団体が明示
的又は黙示的に当該行為の対象からあえて除外したこと,あるいは,こ
れと同視し得る合理的な理由によって定型的に当該行為による拘束から
除外されていることを示す特段の事情がない限り,当該行為による拘束
を受けたものと推定し,上記「当該商品」に該当するものとして課徴金
の算定対象に含めるのが相当である(公正取引委員会平成11年11月
10日審決・公正取引委員会審決集46巻119頁参照)。
(2)
本案審決において認定された本件違反行為の対象商品は,各被審人ご
8
との各元詰種子,すなわち「袋・缶等の容器に詰め(当該容器に詰めら
れたものを購入する場合を含む。),当該容器に自社の名称を表示して
販売するはくさい,キャベツ及びだいこん(葉だいこん及び二十日だい
こんに属するものを除く。)の交配種の種子(「小袋」と称される形態
で流通するものを除く。)」のうち,各被審人ごとに別紙1記載の各野
菜に係るものであるところ,被審人らの主張の全趣旨によれば,被審人
らは,本件各ペレット種子が上記の商品の範ちゅうに属するものである
こと自体は争っていないものと認められる(審第1号証,第2号証によ
っても,ペレット種子とは生種子に珪藻土等を付着させて一定の大きさ
に成型したものであり,ペレット種子を栽培した場合の生産物自体は,
生種子を栽培した場合のそれと異ならないものであると認められ,これ
によれば,本件各ペレット種子は,上記の商品の範ちゅうに属するもの
といえる。)。
なお,被審人らは,「本案審決においては容量単位で販売されている
元詰種子のみが本件違反行為の対象商品とされている」旨の主張もして
おり,その趣旨は,粒数単位で販売されているペレット種子は本件違反
行為の対象商品の範ちゅうに属さない旨の主張とも解されるが,本案審
決において本件違反行為の対象品につき,かかる限定がされていないこ
とは,本案審決の記載から明らかである(本案審決の別紙5〔本案審決
の審決案。以下「本案審決案」という。〕の5頁において,本件違反行
為の対象商品の価格表価格の設定において容量単位と粒数単位が併用さ
れていることが認定されている。)。
(3)
そこで,本件各ペレット種子について,前記(1)の特段の事情の有無を
検討する。
ア
ペレット種子に関しては,証拠(査第4号証ないし第38号証,審
第1号証,第2号証)によれば,以下のとおり認められる。
(ア) ペ レ ッ ト 種 子 は , 生 種 子 に 珪 藻 土 等 を 付 着 さ せ て 一 定 の 大 き さ に
成型したものであって,種子の栽培により得られる生産物は,ペレ
ット種子と生種子とで異ならない。
(イ)
農家からみて,ペレット種子は,生種子に比べて,価格は相当高
いものの,①機械による播種が可能であり,播種に係る労力が軽減
される点,②発芽率が高く,発芽の揃いや生育の揃いも良い点,③
9
それゆえに間引きも不要となり,その労力が軽減される点(生種子
の場合には,上記②の条件で劣るため,1か所に2,3粒播き,最
も生育状況の良い株以外を間引く,というような作業を要する。),
④生育のステージが均一化され,栽培管理に係る労力が軽減される
点,⑤手播きも生種子より行いやすい点等において優れている。
(ウ)
農 家 と し て は , 前 記 (イ)の よ う な ペ レ ッ ト 種 子 の 価 格 の 高 さ と そ れ
による労力軽減等のメリットとを比較して,ペレット種子と生種子
のどちらを使用するかを選択することとなる。
近年,農家における機械化・省力化が進んでおり,その関係で,
生種子に代えて価格の高いペレット種子を購入する農家が増えてい
る。ペレット種子には前記(イ)⑤の長所もあるため,手播きの 際 に も
ペレット種子が使用されることがある。
しかし他方,被審人らは,現在においても生種子を大々的に販売
しており,生種子がペレット種子に取って代わられたといえる状況
ではない。
(エ) 被 審 人 日 本 農 林 社 の 営 業 部 は , 平 成 2 0 年 7 月 3 日 こ ろ , 顧 客 に
対し,書面(審第2号証の添付資料3)を通じて,「スーパーCR
新理想白菜(ペレット加工済)」のうち「関東平坦地の8月まきの
作型」について発芽不良が度々観察されていること,その発芽不良
はペレット種子では観察されるが「フィルム加工種子」では観察さ
れないこと等を伝えた上で,上記品種については,ペレット種子で
の販売を見合わせ,「フィルムコート加工種子(キダネ)」での販
売のみとする,「キダネ」での注文をお願いする旨を伝えたことが
あった(なお,「キダネ」は生種子を指すものと解される。)。
イ
被審人らは,前記第3の1(2)のとおり,ペレット種子と生種 子 と の
差異を主張する。
しかしながら,前記アのとおり,ペレット種子と生種子とは,同一
の生産物を栽培するための種子であって,需要者においてそれぞれの
価格と利用上の利便等を対比して選択することができるものとして競
合的に販売に供されているものであり,したがって,その一方の価格
の変動は,それぞれの需給関係に影響を及ぼし得る関係にあるという
べきであるから,本件違反行為の参加者らが当該行為の対象からあえ
10
てペレット種子を除外するということは通常は考えにくいというべき
であり,また,本件違反行為の参加者らにそのような除外の意図があ
ったことをうかがわせる証拠も存在しない。よって,ペレット種子に
関しては,単に生種子との間に被審人ら主張のような差異があるとい
うだけでは,前記(1)の特段の事情があるということはできない。
ウ
また,証拠(査第4号証ないし第8号証,第14号証ないし第18
号証,第24号証ないし第28号証,第34号証ないし第38号証)
及び本案審決(特に,本案審決案の理由第1の6(2)〔10ないし14
頁〕及び同所で引用される表8−1ないし8−4)によれば,例えば,
被審人石井育種場,同日本農林社,同大和農園及び同松永種苗におけ
る本件各ペレット種子(ただし,取調べ済みの証拠によっては単一年
度の価格しか認定できない品種及び対応する生種子の価格を認定でき
ない品種は除く。)について,価格表価格,それらに対応する生種子
の価格表価格及び基準価格(小売価格に係るもの)を対比してその推
移をみると,別紙2(審査官の平成21年3月12日付け第4回準備
書面の別紙1,2,5,6,10及び13に基づくもの。価格表価格
が同一である品種はまとめて記載した。)のとおりであると認められ
るところ,これによれば,上記各ペレット種子の価格表価格のほとん
どが,対応する生種子の価格表価格,ひいては対応する基準価格とほ
ぼ連動しているものと認められる。
エ
被審人らは,ペレット種子の使用を前提とする態勢等を与件とすれ
ば生種子を選択する余地はなく,ペレット種子と生種子との間には需
要者にとって代替性がない等と主張する。
しかしながら,仮に「一定数の需要者において,専らペレット種子
を使用する前提で人的物的態勢を構築しているため,生種子を使用す
ることは相当のコスト増大を伴うものとなる。」というような状況が
生じているとしても,ペレット種子と生種子との間の需要者にとって
の一般的な代替性が否定されるものではないのであって,前記ア及び
イのようなペレット種子と生種子の関係等も踏まえれば,なお,本件
違反行為の参加者らが当該行為の対象からペレット種子を除外してい
たとは考えにくいという前記イの判断は左右されないというべきであ
る。
11
オ
また,被審人らは,ペレット種子のコスト要因の特殊性を指摘する。
しかしながら,異なる種類の商品間でそのコスト要因に違いがある
としても,それだけでは,そのそれぞれの商品がおよそ異質のもので
あるということはできないのであり,前記ウの事情も考慮すれば,な
お,本件違反行為の参加者らが当該行為の対象からペレット種子を除
外していたとは考えにくいという前記イの判断は左右されないという
べきである。
カ
さらに,被審人らは,ペレット種子と生種子及び基準価格の単位の
相違を指摘する。
しかしながら,そもそも本件違反行為における基準価格は,前記第
1の1のとおり,販売価格を定める際の「基準として」,その「前年
度からの変動に沿って」価格表価格を定めることができるようにする
ために設定されるものである。基準価格における等級区分も,種子の
品種数が多く価格帯も広いため,便宜上,代表的な品等のものとして
選び出されたものにすぎない(本案審決案の54頁)。基準価格と一
致しない価格表価格の品種についても,「前年度の価格表価格と近似
する基準価格又は前年度の価格表価格の上下にある基準価格の引上げ
額又は引上げ率と同程度の引上げとなるように,当年度の価格表価格
を引き上げる」ものとされていた(本案審決案の8頁)。これらの点
及び前記ウの事情を考慮すれば,本件違反行為における基準価格の単
位として,あるいは本件違反行為の典型的対象商品である生種子の販
売単位として,容量が採用されていた(粒数が採用されていなかっ
た)というだけでは,ペレット種子が本件違反行為の対象から除外さ
れていたとする根拠にはならないというべきであり,被審人らの上記
主張も当を得ない。
キ
以上によれば,前記第3の1において被審人らが主張する諸事情を
考慮しても,本件各ペレット種子に関して,前記(1)の特段の事情があ
るということはできない。その他,かかる特段の事情を認めるに足り
る証拠はない。
(4)
よって,本件各ペレット種子については,本件違反行為による拘束を
受けたものと推定すべきものであり,独占禁止法第7条の2第1項所定
の「当該商品」に該当するものとして課徴金算定対象に含めるのが相当
12
である。
第5
法令の適用
以上によれば,本件については,独占禁止法第7条の2第1項及び第4
項の規定を適用して,被審人らに対し,独占禁止法第54条の2第1項の
規定により,主文のとおり審決することが相当であると判断する。
平成21年10月23日
公正取引委員会事務総局
審判長審判官
中
出
孝
典
審判官
秋

信
彦
審判官小林渉は転任のため署名押印できない。
審判長審判官
13
中
出
孝
典
別紙1
被審人らの略称及び各野菜ごとの売上額
1
被審人有限会社石井育種場(被審人石井育種場)
(1)
はくさい
1億8621万6289円
(2)
キャベツ
10億1025万8356円
2
被審人株式会社渡辺採種場(被審人渡辺採種場)
(1)
はくさい
4億937万6620円
(2)
キャベツ
2億3012万2952円
(3)
だいこん
2億6888万502円
3
4
被審人株式会社日本農林社(被審人日本農林社)
(1)
はくさい
1億5605万1870円
(2)
キャベツ
4億7533万3273円
被審人ナント種苗株式会社(被審人ナント種苗)
だいこん
5
被審人中原採種場株式会社(被審人中原採種場)
だいこん
6
1億4562万8753円
被審人株式会社大和農園種苗販売部(被審人大和農園)
だいこん
7
3億5916万391円
1億402万6067円
被審人松永種苗株式会社(被審人松永種苗)
だいこん
7053万1493円
8,250
-
ペレット5000粒
20ml
-
5,100
20ml
ペレット5000粒
4,750
H9
価格
2,500
1,750
2,500
5,100
ペレット5000粒
20ml
容量・粒数
20ml
20ml
20ml
基準価格
50
50
100
1,850
2,600
5,300
H12
0
0
0
-
-
150
100
-
-
8,400
5,200
-
-
200
100
10,700
6,300
8,600
5,300
0
0
0
0
10,700
6,300
8,600
5,300
4,950
0
4,950
100
4,850
100
H12
価格
変動額
2,600
0
H11
価格
変動額
2,600
50
1,850
2,600
5,300
変動額 基準価格
各年度の価格表価格 「小売」 (単位=円)
1,800
2,550
5,200
変動額 基準価格
H11
H10
価格
変動額
2,550
50
50
50
100
変動額 基準価格
H10
各年度の基準価格
(注) 「明雲」については,平成9年度以外の価格の資料がないため記載省略。
黄波90
CR清雅65
CR清雅75
CRあっぱれ(H9∼11のみ掲載)
冬冴
緑雲
千寿
品種名
基準価格A
基準価格B
基準価格C
容量
H9
被審人石井育種場における本件各ペレット種子の価格表価格等の推移(はくさい)
1,850
2,600
5,300
0
0
0
0
0
10,700
6,300
8,600
5,300
4,950
H13
価格
変動額
2,600
0
0
0
0
変動額 基準価格
H13
別紙2
松波
しおさい(H9∼12のみ掲載)
寒太鼓
豊光2号(H9∼11のみ掲載)
春汐
秋蒔極早生732号
秋蒔中早生3号
しずはま1号
しずはま2号
YRきよかぜ
YRしぶき
YR泰山
順風
順風2号
麗峰1号
明秋(H9,10のみ掲載)
岳陽
はるなぎエース(H11∼13のみ掲載)
グリーンキッド
あまだま
しおさい2号
如春
豊光
秋蒔中早生
ぎんみどり(H9,10のみ掲載)
YRしぶき2号
冬駿河
早生大御所
大御所
耐寒大御所
品種名
基準価格A
基準価格B
基準価格C
H9
8,800
4,350
9,800
4,700
10,300
ペレット5000粒
20ml
ペレット5000粒
20ml
ペレット5000粒
8,000
ペレット5000粒
3,800
3,200
20ml
20ml
H9
価格
3,200
3,800
4,700
基準価格
容量・粒数
20ml
20ml
20ml
容量
200
100
200
100
200
100
200
100
3,300
3,900
4,800
H11
100
100
150
3,400
4,000
4,950
変動額 基準価格
10,500
4,800
10,000
4,450
9,000
3,900
8,200
3,300
H10
価格
400
150
400
150
300
100
200
100
変動額
10,900
4,950
10,400
4,600
9,300
4,000
8,400
3,400
H11
価格
H12
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
変動額
10,900
4,950
10,400
4,600
9,300
4,000
8,400
3,400
H12
価格
3,400
4,000
4,950
変動額 基準価格
各年度の価格表価格 「小売」 (単位=円)
変動額
100
100
100
変動額 基準価格
H10
各年度の基準価格
被審人石井育種場における本件各ペレット種子の価格表価格等の推移(キャベツ)
H13
0
0
0
0
0
0
0
0
変動額
0
0
0
10,900
4,950
10,400
4,600
9,300
4,000
8,400
3,400
H13
価格
3,400
4,000
4,950
変動額 基準価格
3,900
20ml
新理想
新理想白菜めぐみ(20mlはH12,13のみ掲載)
黄久娘80
ペレット5000粒
ミニ白菜さやか
9,200
5,300
20ml
ペレット5000粒
8,700
5,100
ペレット5000粒
20ml
300
100
100
100
100
100
100
9,500
5,400
8,800
5,200
7,100
4,000
6,500
(注) 「スーパーCR新理想」については,平成13年度以外の価格の資料がないため記載省略。
黄福65
黄苑75
黄苑80
CRあこがれ
CR黄芯119(H9∼12のみ掲載)
CR歓喜№100
7,000
6,400
ペレット5000粒
100
3,550
3,450
0
20ml
黄久娘60
黄久娘65(ペレット5000粒はH9∼12のみ掲
載)
黄久娘70(H10∼13のみ掲載)
20ml
容量・粒数
5,400
秋福
あこがれ
品種名
50
50
100
1,850
2,600
5,300
変動額 基準価格
H11
H12
0
0
0
400
100
100
100
100
100
200
150
9,900
5,500
8,900
5,300
7,200
4,100
6,700
3,700
0
0
0
0
0
0
0
0
9,900
5,500
8,900
5,300
7,200
4,100
6,700
3,700
5,500
0
5,500
100
H12
価格
変動額
2,600
0
H11
価格
変動額
2,600
50
1,850
2,600
5,300
変動額 基準価格
各年度の価格表価格 「小売」 (単位=円)
1,800
2,550
5,200
5,400
50
50
100
ペレット5000粒
1,750
2,500
5,100
変動額 基準価格
H10
価格
変動額
2,550
50
20ml
20ml
20ml
基準価格
H10
各年度の基準価格
H9
価格
2,500
基準価格A
基準価格B
基準価格C
容量
H9
被審人日本農林社における本件各ペレット種子の価格表価格等の推移(はくさい)
1,850
2,600
5,300
0
0
0
0
0
0
0
0
0
9,900
5,500
8,900
5,300
7,200
4,100
6,700
3,700
5,500
H13
価格
変動額
2,600
0
0
0
0
変動額 基準価格
H13
4,700
20ml
100
100
250
100
100
100
100
150
3,400
4,000
4,950
変動額 基準価格
H11
9,900
4,800
8,950
3,900
9,900
100
150
50
100
100
10,000
4,950
9,000
4,000
10,000
H11
価格
変動額
4,000
100
H12
0
0
0
0
0
0
0
0
10,000
4,950
9,000
4,000
10,000
H12
価格
変動額
4,000
0
3,400
4,000
4,950
変動額 基準価格
各年度の価格表価格 「小売」 (単位=円)
3,300
3,900
4,800
H10
価格
変動額
3,900
100
100
100
100
変動額 基準価格
H10
各年度の基準価格
(注) 「YCR多恵」については,生種子20mlの価格の資料がないため記載省略。
9,800
8,700
3,800
20ml
ペレット5000粒
9,800
20ml
ペレット5000粒
3,800
容量・粒数
3,200
3,800
4,700
基準価格
H9
価格
20ml
20ml
20ml
藍春ゴールド
YR早春(ペレット5000粒はH12,13のみ掲載) ペレット5000粒
輝吉
YR藍宝
YR藍寿
YR緑宝
品種名
基準価格A
基準価格B
基準価格C
容量
H9
被審人日本農林社における本件各ペレット種子の価格表価格等の推移(キャベツ)
3,400
4,000
4,950
0
0
0
0
0
10,000
4,950
9,000
4,000
10,000
H13
価格
変動額
4,000
0
0
0
0
変動額 基準価格
H13
YRあきしの大根
あきしの大根
新貴聖大根
品種名
基準価格A
基準価格B
基準価格C
-
8,500
2dl
ペレット5000粒
-
H9
価格
4,900
4,500
8,600
14,600
基準価格
ペレット5000粒
2dl
容量・粒数
2dl
2dl
2dl
容量
H9
-
300
-
100
100
200
4,700
8,900
15,100
変動額 基準価格
H11
-
8,800
-
-
100
-
-
8,900
-
H11
価格
変動額
5,100
100
H12
0
0
0
-
0
-
7,550
8,900
6,250
H12
価格
変動額
5,100
0
4,700
8,900
15,100
変動額 基準価格
各年度の価格表価格 「小売」 (単位=円)
4,600
8,800
14,900
H10
価格
変動額
5,000
100
100
200
300
変動額 基準価格
H10
各年度の基準価格
被審人大和農園における本件各ペレット種子の価格表価格等の推移(だいこん)
4,700
8,900
15,100
0
0
0
7,550
8,900
6,250
H13
価格
変動額
5,100
0
0
0
0
変動額 基準価格
H13
春 ぞみ
春のぞみ
YR夏娘総太り大根
品種名
基準価格A
基準価格B
基準価格C
-
10,600
2dl
ペレ ト5000粒
ペレット5000粒
-
2dl
ペレット5000粒
-
容量・粒数
4,500
8,600
14,600
基準価格
H9
価格
2dl
2dl
2dl
容量
H9
-
300
-
100
100
200
4,700
8,900
15,100
変動額 基準価格
H11
88,000
000
10,900
7,250
100
200
100
8 100
8,100
11,000
7,350
H11
価格
変動額
10,100
100
H12
0
0
0
0
0
0
88,100
100
11,000
7,350
H12
価格
変動額
10,100
0
4,700
8,900
15,100
変動額 基準価格
各年度の価格表価格 「小売」 (単位=円)
4,600
8,800
14,900
H10
価格
変動額
10,000
-
100
200
300
変動額 基準価格
H10
各年度の基準価格
被審人松永種苗における本件各ペレット種子の価格表価格等の推移(だいこん)
4,700
8,900
15,100
0
0
0
88,100
100
11,000
7,350
H13
価格
変動額
10,100
0
0
0
0
変動額 基準価格
H13
別
添
平成14年(判)第61号
審
決
被審人
別紙1の表1−1被審人目録記載のとおり
代理人
別紙1の表1−2代理人目録記載のとおり
公正取引委員会は,上記被審人らに対する私的独占の禁止及び公正取引の確保
に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第35号)附則第2条の規
定によりなお従前の例によることとされる同法による改正前の私的独占の禁止
及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)に基づく平成
14年(判)第61号独占禁止法違反審判事件について,公正取引委員会の審判
に関する規則(平成17年公正取引委員会規則第8号)による改正前の公正取引
委員会の審査及び審判に関する規則(以下「規則」という。)第82条の規定に
より審判官鵜瀞恵子及び同高橋省三から提出された事件記録並びに規則第84
条の規定により被審人カネコ種苗株式会社を除く被審人らから提出された異議
の申立書及び規則第86条の規定により同被審人らから聴取した陳述に基づい
て,同審判官らから提出された別紙5審決案を調査し,次のとおり審決する。
主
1
文
別紙1の表1−1被審人目録記載の19社(ただし,はくさいについては別
紙3の「被審人」欄中「はくさい」欄記載の17社,キャベツについては同「キャ
ベツ」欄記載の19社,だいこんについては同「だいこん」欄記載の17社,
かぶについては同「かぶ」欄記載の17社に限る。以下「被審人19社」とい
う。)は,それぞれ,袋等の容器に詰めた上で自社の名称を表示して国内にお
いて取引先販売業者及び需要者に販売するはくさい,キャベツ,だいこん(葉
だいこん及び二十日だいこんに属するものを除く。以下同じ。)及びかぶの交
配種の種子(「小袋」と称される形態で流通するものを除く。以下同じ。)に
関する次の合意を破棄していることを確認しなければならない。
被審人19社及び別紙2記載の13社(ただし,はくさいについては別紙3
の「被審人外」欄中「はくさい」欄記載の9社,キャベツについては同「キャ
ベツ」欄記載の9社,だいこんについては同「だいこん」欄記載の10社,か
1
ぶ に ついては 同「かぶ 」欄記載の7社に限る。以下「13社」という。) が ,
遅くとも平成10年3月19日以降(雪印種苗株式会社及び後藤種苗株式会社
にあっては平成13年3月14日以降)していた,各社が販売価格を定める際
の基準となる価格を毎年決定し,各社は当該価格の前年度からの変動に沿 って
品種ごとに販売価格を定め,取引先販売業者及び需要者に販売する旨の合 意
2
被審人19社は,次の事項を前記 はくさい,キャベツ ,だいこん 及びかぶの
交配種の種子のそれぞれの取引先販売業者及び需要者に周知徹底させなければ
ならない。この周知徹底の方法については,あらかじめ,当委員会の承認を受
けなければならない。
(1)
前項に基づいて採った措置
(2)
今後,国内において販売する前記はくさい,キャベツ,だいこん及 びかぶ
の交配種の種子の販売価格に関し,被審人19社及び13社の相互の間にお
いて,各社が販売価格を定める際の基準 となる価格を毎年決定し,各社は当
該価格の前年度からの変動に沿って品種 ごとに販売価格を定め,取引先販売
業者及び需要者に販売する旨の合意をせず,各社がその販売価格 をそれぞれ
自主的に決める旨
3
被審人19社は,今後,それぞれ ,はくさい,キャベツ,だいこん及びかぶ
の交配種の種子の販売価格に関し,他の事業者と相互にその事業活動を 拘束す
る合意をしてはならない。
4
被審人19社は,前3項に基づいて採った措置を速やかに当委員会に報告し
なければならない。
理
1
由
当委員会の認定した事実,証拠,判断及び法令の適用は,別紙 5審決案中別
紙の表11を本審決別紙4のとおり網掛 け部分を訂正するほかは,いずれも別
紙5審決案第1ないし第5と同一 であるから,これらを引用 する。
2
よって,被審人らに対し,独占禁止法第54条第2項及 び規則第87 条第1
項の規定により,主文のとおり審決する 。
平成18年11月27日
公
正
取
引
2
委
員
会
委員長
竹
島
一
彦
委
員
柴
田
愛
子
委
員
三
谷
委
員
山
田
昭
雄
委
員
濱
崎
恭
生
3
紘
別紙1
表1-1
被審人目録
本
店
の 所
在 地
被
(
審
略
称
人
)
代
表
者
京都市下京区梅小路通猪熊東入南夷町180番地
タキイ種苗株式会社
(タキイ種苗)
代表取締役 瀧井 傳一
横浜市都筑区仲町台二丁目7番1号
株式会社サカタのタネ
(サカタのタネ)
代表取締役 高橋 英夫
静岡市駿河区池田710番地の1
有限会社石井育種場
(石井育種場)
代表取締役 石井
宮城県遠田郡美里町南小牛田字町屋敷109番地
株式会社渡辺採種場
(渡辺採種場)
代表取締役 渡邉 頴悦
千葉市中央区星久喜町1203番地
株式会社みかど育種農場
(みかど育種農場)
代表取締役 越部
前橋市古市町一丁目50番地12
カネコ種苗株式会社
(カネコ種苗)
代表取締役 金子才十郎
京都市北区紫竹下緑町18番地
株式会社タカヤマシード
(タカヤマシード)
代表取締役 小野 芳晴
静岡県磐田市上万能168番2
株式会社増田採種場
(増田採種場)
代表取締役 増田 寛之
東京都北区滝野川六丁目6番5号
株式会社日本農林社
(日本農林社)
代表取締役 近藤
奈良県橿原市南八木町二丁目6番4号
ナント種苗株式会社
(ナント種苗)
代表取締役 高瀬 泰嗣
奈良県生駒郡平群町大字平等寺398番地
株式会社大和農園種苗販売部
(大和農園種苗販売部)
代表取締役 吉田
京都市下京区七条通新町西入夷之町693番地
丸種株式会社
(丸種)
代表取締役 石原 智弘
福岡市博多区那珂五丁目9番25号
中原採種場株式会社
(中原採種場)
代表取締役 内村 清剛
愛知県江南市古知野町瑞穂3番地
松永種苗株式会社
(松永種苗)
代表取締役 松永金次郎
愛知県稲沢市祖父江町祖父江高熊124番地
株式会社アサヒ農園
(アサヒ農園)
代表取締役 後藤 俊博
福岡市博多区板付六丁目7番8号
宝種苗株式会社
(宝種苗)
代表取締役 本田
功
さいたま市見沼区大字 中川1069番地
トキタ種苗株式会社
(トキタ種苗)
代表取締役 時田
勉
横浜市南区唐沢15番地
横浜植木株式会社
(横浜植木)
代表取締役 渡邊 宣昭
埼玉県久喜市大字野久喜1番地1
野原種苗株式会社
(野原種苗)
代表取締役 野原
肇
圓
宏
裕
宏
表1-2
代理人目録
被
審
人
代
理
人
タキイ種苗
弁護士
同
同
石 川
正
魚 住 泰 宏
長 澤 哲 也
サカタのタネ
弁護士
同
同
復代理人弁護士
岩 下
宮 川
佐 藤
中佐古
弁護士
同
同
同
復代理人弁護士
厚
矢
犀
田
多
弁護士
同
同
矢 花 公 平
犀 川
治
田 部 知江子
圭 一
裕 光
水 暁
和 宏
石井育種場
渡辺採種場
みかど育種農場
タカヤマシード
増田採種場
日本農林社
ナント種苗
大和農園種苗販売部
丸種
中原採種場
松永種苗
谷 襄 児
花 公 平
川
治
部 知江子
田 敏 明
アサヒ農園
宝種苗
トキタ種苗
横浜植木
野原種苗
カネコ種苗
別紙2
被審人外の13社
本
店
の 所
在 地
事
(
業
略
称
者
)
代
表
者
宇都宮市駅前通り三丁目5番1号
株式会社トーホク
(トーホク)
代表取締役 奈良
勇
東京都渋谷区南平台町15番13号
協和種苗株式会社
(協和種苗)
代表取締役 中村
實
東京都豊島区南池袋一丁目26番10号
株式会社武蔵野種苗園
(武蔵野種苗園)
代表取締役 油木 直樹
茨城県東茨城郡美野里町羽鳥256番地
株式会社柳川採種研究会
(柳川採種研究会)
代表取締役 柳澤太治麻
札幌市厚別区上野幌一条5丁目1番8号
雪印種苗株式会社
(雪印種苗)
代表取締役 菊地
庸
名古屋市中川区大当郎一丁目1003番地
株式会社野崎採種場
(野崎採種場)
代表取締役 野崎
寛
兵庫県姫路市神屋町六丁目65番地
山陽種苗株式会社
(山陽種苗)
代表取締役 古川 紀彦
千葉県野田市柳沢13番地
渡辺農事株式会社
(渡辺農事)
代表取締役 小澤 重二
愛知県西春日井郡新川町大字助七新田字東山 愛三種苗株式会社
中93番地
(愛三種苗)
代表取締役 平野 栄一
長野県松本市大字笹賀6146番地3
株式会社日本タネセンター
(日本タネセンター)
代表取締役 矢花平太郎
岐阜県安八郡安八町東結1537番地
不二種苗株式会社
(不二種苗)
代表取締役 岩田 武美
横浜市南区唐沢32番地
日東農産種苗株式会社
(日東農産種苗)
代表取締役 山口 明子
愛知県尾西市上祖父江字東本郷33番地
後藤種苗合名会社
(後藤種苗)
代 表 社 員 後藤
哲彦
(平成14年12月13日現在)
別紙3
32社の内訳(野菜の種類別)
は
タ
く
キ
さ
イ
種
い
苗
タ
ャ
キ
ベ
イ
種
ツ
苗
サ カ タ の タ ネ
サ カ タ の タ ネ
石
井
育
種
場
石
井
育
種
場
渡
辺
採
種
場
渡
辺
採
種
場
だ
タ
い
キ
こ
イ
種
ん
苗
か
タ
ぶ
キ
イ
種
苗
サ カ タ の タ ネ
サ カ タ の タ ネ
―――――――
―――――――
渡
辺
採
種
場
渡
辺
採
種
場
み か ど 育 種 農 場
み か ど 育 種 農 場
み か ど 育 種 農 場
み か ど 育 種 農 場
カ
カ
カ
カ
ネ
コ
種
苗
タ カ ヤ マ シ ー ド
―――――――
ネ
コ
種
苗
タ カ ヤ マ シ ー ド
増
田
採
種
場
ネ
コ
種
苗
ネ
コ
種
苗
タ カ ヤ マ シ ー ド
タ カ ヤ マ シ ー ド
―――――――
―――――――
被審人
日
本
農
林
社
日
本
農
林
社
日
本
農
林
社
日
本
農
林
社
ナ
ン
ト
種
苗
ナ
ン
ト
種
苗
ナ
ン
ト
種
苗
ナ
ン
ト
種
苗
大和農園種苗販売部
大和農園種苗販売部
大和農園種苗販売部
大和農園種苗販売部
丸
種
丸
種
丸
種
丸
場
中
場
中
場
中
苗
松
苗
松
苗
松
園
ア
園
ア
園
ア
苗
宝
苗
宝
苗
宝
苗
ト
苗
ト
苗
ト
木
横
浜
植
木
横
浜
植
木
横
浜
植
木
野
原
種
苗
野
原
種
苗
野
原
種
苗
中
松
ア
原
ト
横
採
永
サ
宝
種
種
ヒ
農
種
キ
タ
浜
種
植
―――――――
原
採
永
サ
種
種
ヒ
農
種
キ
タ
種
原
採
永
サ
種
種
ヒ
農
種
キ
タ
種
種
原
採
永
サ
種
種
ヒ
農
種
キ
タ
場
苗
園
苗
種
苗
ト
ー
ホ
ク
ト
ー
ホ
ク
ト
ー
ホ
ク
ト
ー
ホ
ク
協
和
種
苗
協
和
種
苗
協
和
種
苗
協
和
種
苗
武 蔵 野 種 苗 園
武 蔵 野 種 苗 園
武 蔵 野 種 苗 園
武 蔵 野 種 苗 園
―――――――
―――――――
柳 川 採 種 研 究 会
―――――――
雪
―――――――
―――――――
被審人外
野
崎
採
種
雪
場
野
印
崎
種
採
種
苗
場
山
陽
種
苗
山
陽
種
苗
渡
辺
農
事
渡
辺
農
事
愛
三
種
苗
愛
三
種
苗
―――――――
不
合
計
キ
二
種
印
種
苗
―――――――
山
陽
種
―――――――
苗
―――――――
愛
日本タネセンター
三
種
山
陽
種
苗
渡
辺
農
事
苗
―――――――
―――――――
二
苗
―――――――
不
日 東 農 産 種 苗
―――――――
日 東 農 産 種 苗
―――――――
―――――――
後
26社(被審人17社)
28社(被審人19社)
藤
種
―――――――
種
苗
苗
27社(被審人17社)
不
二
種
苗
日 東 農 産 種 苗
―――――――
24社(被審人17社)
別紙4
表11
被審人 17 社の主張する②の類型に該当する品種数と総品種数の比較
元詰業者
②の類型に該当する品種数/総品種数
野菜の
種類
はくさい
キャベツ
みかど育種農場
だいこん
かぶ
はくさい
キャベツ
トキタ種苗
だいこん
かぶ
はくさい
キャベツ
協和種苗
だいこん
かぶ
価格
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成13年度
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
2/8
2/8
2/8
1/8
0/9
0/9
0/9
0/9
1/10
1/10
1/10
1/10
1/10
0/10
0/10
1/10
6/8
6/8
6/8
6/8
0/10
0/10
0/10
0/10
0/9
0/9
0/9
0/9
0/11
0/11
0/11
0/11
大卸10袋
0/18(0/2) 0/18(0/2) 0/20(0/2) 0/22(0/2)
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
小売1袋
大卸10袋
0/18(0/2)
0/18(0/2)
0/18(0/2)
1/3
1/3
1/3
1/3
1/10
1/10
0/10
4/7
1/7
4/7
4/8 (1/1)
3/8 (1/1)
2/8 (1/1)
1/1 (1/1)
0/18(0/2) 0/20(0/2) 0/22(0/2)
0/18(0/2) 0/20(0/2) 0/22(0/2)
0/18(0/2) 0/20(0/2) 0/22(0/2)
1/3
0/3
0/3
1/3
0/3
0/3
1/3
0/3
0/3
1/3
0/3
0/3
0/8
0/9
0/9
0/8
0/9
0/9
0/8
0/9
0/9
2/6
1/7
0/8
2/6
1/7
0/8
5/6
1/7
0/8
3/11(0/2)
0/11
0/11
4/11(0/2)
0/11
0/11
4/11(0/2)
0/11
0/11
0/1 (0/1)
大卸100袋
1/1 (1/1)
0/1 (0/1)
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
1/1 (1/1)
0/7
0/7
0/7
0/7
0/17
0/17
0/17
0/17
0/4(0/6)
0/1 (0/1)
1/7
1/7
1/7
1/7
0/16
0/16
0/16
0/16
0/5(2/6)
平成10年度∼13年度合計
35/140
2/160
0/344
8/48
2/108
21/84
23/132
6/12
0/7
0/7
0/7
0/7
0/16
0/16
0/16
0/16
0/5(0/6)
1/7
0/7
1/7
0/7
0/13
0/13
0/13
0/13
0/4(0/4)
大卸100袋
0/4(0/6)
0/5(2/6)
0/5(0/6)
0/4(0/4)
農協10袋
小売1袋
0/4(0/6)
0/4(0/6)
0/5(2/6)
0/5(2/6)
0/5(0/6)
0/5(0/6)
0/4(0/4)
0/4(0/4)
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
(2/8)
(2/8)
(2/8)
(2/8)
(6/8)
(6/8)
(6/8)
(6/8)
(0/9)
(0/9)
(0/9)
(0/9)
(0/9)
(0/9)
(0/9)
(0/9)
6/112
0/248
8/160
32/136
元詰業者
種類
増田採種場
キャベツ
日本タネセンター
キャベツ
柳川採種研究会
だいこん
キャベツ
野原種苗
②の類型に該当する品種数/総品種数
野菜の
だいこん
かぶ
中原採種場
だいこん
渡辺農事
かぶ
不二種苗
だいこん
価格
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成13年度
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
6/25
6/25
6/25
6/25
0/3
0/3
0/3
0/3
0/2
0/2
0/2
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
10/29
10/29
10/29
10/29
0/3
0/3
0/3
0/3
0/2
0/2
0/2
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
2/29
2/29
2/29
2/29
0/3
0/3
0/3
0/3
0/2
0/2
0/2
1/1
1/1
1/1
1/1
0/26
0/26
0/26
0/26
3/3
3/3
3/3
3/3
0/2
0/2
0/2
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
大卸100袋
1/1
0/1
0/1
0/1
農協10袋
1/1
0/1
0/1
0/1
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
1/1
12/28
12/28
12/28
12/28
0/1
0/1
0/1
0/1
2/4
2/4
2/4
2/4
0/1
4/28
4/28
4/28
4/28
0/1
0/1
0/1
0/1
3/4
3/4
3/4
3/4
0/1
0/28
0/28
0/28
0/28
0/1
0/1
0/1
0/1
0/4
0/4
0/4
0/4
0/1
0/27
0/27
0/27
0/27
0/1(0/2)
0/1(0/2)
0/1(0/2)
0/1(0/2)
0/4
0/4
0/4
0/4
平成10年度∼13年度合計
72/436
12/48
0/24
8/16
4/12
4/16
64/444
0/24
20/64
注1 表中「大卸10袋」とは「大卸価格(10袋)」を指す。他の価格についても同様の略称を用いてい
る。
注2 各年度欄には,まず,基準価格と同一の容量の品種であって②に該当する品種数を記載し,次に( )
内に基準価格とは異なる容量の品種であって②に該当する品種数を記載している。
注3 合計欄の品種数は,同一品種であっても年度が異なるものについては1品種として計上している。
証拠: 査第407号証∼第410号証,査第417号証∼第420号証
別紙5
平成14年(判)第61号
審
決
案
被審人
別紙の表1−1被審人目録記載 のとおり
代理人
別紙の表1−2代理人目録記載 のとおり
上 記 被 審 人 らに 対 す る私 的 独 占の 禁 止 及び 公 正 取 引 の確 保 に 関す る 法 律 の 一
部を改正する法律(平成17年法律第35号)附則第2条の規定によりなお従前
の 例 に よ る こ と と さ れ る 同法 に よ る 改 正 前 の 私 的 独 占 の 禁 止 及 び 公 正 取 引の 確
保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)に基づく平成14年(判)第6
1号独占禁止法違反審判事件について,公正取引委員会から 独占禁止法第 51条
の2及び公正取引委員会の審判に関する 規則(平成17年公正取引委員会規則第
8号)による改正前の公正取引委員会の審査及び審判に関する 規則(以下「規則」
という。)第31条第1項の規 定により 担当審判官に指定された本職らは,審判
の結果,次のとおり審決することが適当 であると考え,規則第82条及び第83
条の規定により本審決案を作成する。
主
1
文
別紙の表1−1被審人目録記載の19社(ただし ,はくさいについては別
紙の表3の「被審人」欄中「はくさい」欄記載の17社,キャベツについて
は同「キャベツ」欄記載の19社,だいこんについては同「だいこん」欄記
載の17社,かぶについては同「かぶ」欄記載の17社に限る。以下「被審
人19社」という。)は,それぞれ,袋等の容器に詰めた上で自社の名称を
表示して国内において取引先販売業者及 び需要者に販売するはくさい,キャ
ベツ,だいこん(葉だいこん及び二十日 だいこんに属するものを除く。以下
同じ。)及びかぶの交配種 の種子(「小袋」と称される形態で流通するもの
を除く。以下同じ。)に関する次の合意を破棄していることを確認しなけれ
ばならない。
被審人19社及び別紙の表2記載 の13 社(ただし ,はくさいについては
別紙の表3の「被審人外」 欄中「はくさい」欄記載の9社,キャベツについ
ては同「キャベツ」欄記載 の9社,だいこんについては同「だいこん」欄記
1
載の10社,かぶについては 同「かぶ 」欄記載の7社に限る。以下「13社」
という。)が,遅くとも平成10 年3月19日以降(雪印種苗株式会社及び
後藤種苗株式会社にあっては平成 13年3月14日以降 )していた ,各社が
販売価格を定める際の基準となる 価格を毎年決定し,各社は当該価格の前年
度からの変動に沿って品種ごとに 販売価格を定め,取引先販売業者及び需要
者に販売する旨の合意
2
被審人19社は,次の事項 を前記はくさい,キャベツ,だいこん及びかぶ
の 交 配 種 の 種 子の そ れ ぞ れ の取 引 先 販 売 業 者 及 び 需 要 者に 周 知 徹 底 さ せ な
ければならない。この周知徹底の方法については,あらかじめ,公正取引委
員会の承認を受けなければならない。
(1)
前項に基づいて採った措置
(2)
今後,国内において販売する前記はくさい,キャベツ,だいこん及びか
ぶの交配種の種子の販売価格に関し,被審人19社及び13 社の相互の間
において,各社が販売価格を定める際の基準となる価格を毎年決定し ,各
社は当該価格の前年度からの変動 に沿って品種ごとに販売価格を定め,取
引先販売業者及び需要者に販売する旨の合意をせず,各社がその 販売価格
をそれぞれ自主的に決める旨
3
被審人19社は,今後,それぞれ,はくさい,キャベツ,だいこん 及びか
ぶの交配種の種子の販売価格に関し,他の事業者と相互にその事業活動を 拘
束する合意をしてはならない。
4
被審人19社は,前3項に基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会
に報告しなければならない。
理
第1
1
由
事実及び証拠
被審人等の概要
被審人19社及び13社(以下,被審人 19社及び13社を総称して「3
2社」という。)は,それぞれ,表1−1及び表2中の「本店 の所在地」欄
記載の地に本店を置き,別紙の表3記載のとおり,はくさい,キャベツ,だ
い こ ん又はかぶの 交配種 の種子を後記2(2)記載の方法により 生産し , 又 は
購 入 し,後記 2(3)記載 の方法により 包装し,包装容器 に自社の名称 を 表 示
して,卸売業者,小売業者等に販売している。(査第1号証,査第32 号証
2
3頁,査第34号証2頁)
以下 ,32 社各社 の呼 称は,表1-1の「被審人 (略称)」欄及び 表 2 の
「事業者(略称)」欄記載の略称 による 。
2
交配種の種子について
(1)
交配種
野菜の交配種は,遺伝的性質の異なる 品種同士を交配させて 親品種の優
れ た 特 性 を 受 け 継 い だ 均一 な 遺 伝 的 性 質 を 一 代 目 に 発 現 さ せ る よ う 育 種
された品種である。交配種の有する優れた特性は次の代には 失われるため,
交配種の種子の需要者(野菜栽培農家等 )は,毎年新たに種子を購入す る
必要がある。(争いがない。)
(2)
生産及び購入の方法
32社は,それぞれ,自社が販売するはくさい,キャベツ,だいこん 及
びかぶ(以下「4種類」という。)の交配種の種子を以下のアないしウの
うちいずれかの方法により,又はこれらを併用することにより生産し ,又
は購入している。
ア
自社が保有する採種場にて採種することにより生産する
イ
採種栽培農家,採種栽培農家の組合又 はアにより生産する者に対して
採種を委託することにより生産する
ウ
ア若しくはイにより生産する者又は商社 から購入する
(被審人19社は,自 社については 認めて 争わない。13社については,
査第54号証4頁,査第55号証3頁,査第56号証4頁∼5頁,査第5
7号証2頁,査第58号証1頁∼2頁,査第59号証3頁,査第6 0号証
2頁,査第 61 号証 2 頁,査第62号証1頁,査第63号証2頁∼ 3 頁 ,
査第65号証2頁,査第66号証 2頁∼3頁,査第67号証 3頁)
(3)
包装形態及び自社名称の表示
32 社は,それぞれ ,自社が販売する4種類の交配種 の種子につい て,
袋・缶等 の容器 に詰め(前記(2)ウの方法による 者にあっては 当該 容 器に
詰められたものを購入する場合を含む。),当該容器に自社の名称を表 示
して販売している。(査第12号証6頁,査第36号証4頁)
以下 ,前記 (2)の方法により 交配種 の種子を生産又 は購入し,上記 の 方
法により販売する者を「元詰業者」といい,元詰業者が上記の方法 により
販売する交配種の種子を「元詰種子」という。
3
(4)
元詰種子の販売先及び販売経路
32社は,それぞれ,元詰種子を,国内 において,需要者である 野菜栽
培農家(野菜栽培農家が共同購入を行う場合(以下「共購」という。)を
含む。)及び一般消費者に対して,直接 に,又は卸売業者,小売業者,農
業協同組合(いわゆる単位農協をいう。以下「農協」という。)若しくは
その連合会を通じて販売している。(査第32号証3頁,6頁,8 頁,査
第457号証)
(5)
元詰種子のシェアについて
平成 12 年度 (「 (5)」において ,年度とは4月1日から翌年3月 末 日
までの期間をいう。)の国内 における元詰業者のはくさい,キャベツ,だ
いこん及びかぶの元詰種子(以下「4種類の元詰種子」という。)の総 販
売金額は,それぞれ,約12億2100 万円(はくさい),約23億3 1
00万円(キャベツ),約41億2900万円(だいこん),約4億 15
00万円(かぶ)であり,これに 占める 32社(雪印種苗及び後藤種苗を
除く。)の販売金額の合計の割合は,はくさいについては98.7パーセ
ント,キャベツについては 91.5パーセント,だいこんについては 92.
7パーセント,かぶについては94.9パーセントとなっている。
32社(平成10年度及び平成11年度 については,雪印種苗及び後 藤
種苗を除く。)の販売金額の国内総販売金額に占める割合は,平成10年
度,平成11年度及び平 成13年度においても平成12年度 と大差のない
ものと考えられ,32社の4種類の元詰種子のそれぞれの種類の販売金額
の合計は,国内において販売されるそれぞれの種類の元詰種子の総販売金
額のほとんどすべて又は大部分を占めていると認められる。
(以上,査第412号証)
3
元詰種子の価格設定について
(1)
元詰業者の価格表価格
32社は,それぞれ,自社が販売する4種類の元詰種子について,毎年
5月から7月までの間の特定の日を始期 とする1年間(以下,この1年間
を「年度」という。)に適用される取引先販売業者及び需要者(以下「取
引先」という。)向けの価格を設定し,これを記載した価格表を取引先に
配布していた。
32社の前記特定の日(毎年度の新価格 の適用開始時期)は,別紙の表
4
4のとおりである。
32社は,それぞれの価格表において,別紙の表5のとおり,取引形態
に応じた価格を設定している。各社の取引形態の呼称は区々であるが ,ほ
ぼ各社とも,平成9年度から平成13年度 までの期間において ,表5の,
①
「小売(1袋)」欄記載の「小売 」等と称する需要者(共同購入を
除く野菜栽培農家及び一般消費者 をいう 。)向け価格(以下「小売価
格」という。)
②
「農協(10袋)」欄記載の「農協」等と称する農協向け価格(以
下「農協価格」という。)
③
「大卸(10袋)」欄記載 の「卸単価 10袋」等と称する小売業者
向け価格(以下「大卸価格(10 袋)」 という。)
④
「大卸(100袋)」欄記載の「卸単価100袋」等と称す る小売
業者向け価格(以下「大卸価格(100 袋)」という。)
を設定していた(②については設定していない元詰業者が5社あった。)。
このほか,表5の「共購(10袋)」欄記載の「共購」等と称する共同購
入による野菜栽培農家向け価格(以下「共購価格」という。)を設定し て
いる元詰業者も2社あった。
① な い し ④に 関 して 各 社 の価 格 表 に お け る 価 格 の 種類 は 実 質 的 に ほ ぼ
共通であると認められる。
各社の価格表にいう1袋又は1缶の容量 は,5ミリリットルに満 たない
小袋,20ミリリットル,1デシリットル ,2デシリットル ,1リットル,
5,000粒,10,000粒と様々であるが,はくさい及びキャベツに
ついては32社のすべてが20ミリリットルの容量の商品を有し,だいこ
んについては32社のすべてが2デシリットルの容量の商品 を有し,かぶ
については2デシリットルの容量 の商品 が最も多い。
(以上,査第3号証,査第251 号証∼第402号証)
以下,価格表上の「小売価格」,「農協価格」,「大卸価格(10袋)」,
「大卸価格(100袋)」 及び「共購価格」を総称して「価格表価格」と
いう。
(2)
実際の販売価格
32 社は,それぞれ ,前記(1)に述べた自社 の価格表価 格に基づ き 販 売
価格を定めて販売していた。その際,取引先との取引年数,従来の 取引金
5
額,取引数量の多寡等に応じて,価格表価格から値引き・割戻しを 行うこ
とがあった。なお,32社が小売業者又 は農協に対し,卸売業者等の中間
販売業者を経由して販売する場合 には,価格表価格の小売向 け価格又は農
協向け価格を基に,卸売業者等のマージンを差し引くこととしていた 。ま
た,年に2ないし4回の売上代金 の集金 の際に,総額から一定の値引き・
割戻しを行うことがあった。(査第11 号証26頁∼27頁,査第 32号
証6頁∼7頁,17頁∼18頁,査第34号証12頁∼13 頁,査第35
号証19頁,査第36号証 16頁∼17 頁,査第37号証8頁,査第3 8
号証19頁,査第40号証 18頁∼19 頁,査第41号証12頁,査第4
3号証15頁,査第44号証14頁,査第45号証15頁,査第46号証
7頁,査第47号証15頁,査第48号証6頁∼8頁,査第49号証6頁
∼7頁,査第50号証14頁∼15頁,査第51号証7頁,査第52号証
7頁∼9頁,査第53号証11頁∼12頁,査第54号証14頁∼15頁,
査第55号証19頁∼20頁,査第56 号証16頁∼17頁,査第5 7号
証18頁∼19頁,査第58号証7頁,査第59号証16頁∼17頁,査
第60 号証 15 頁∼1 6頁,査第61号証 17頁,査第62号証1 5 頁 ,
査第63号証8頁,査第65 号証16頁∼17頁,査第 66号証7頁 ∼8
頁,査第67号証18頁,被審人日本農林社代表取締役近藤宏(以下「日
本農林社の近藤」という。)の代表者審訊における供述[第13 回審判速
記録59頁∼60頁,6 8頁∼69頁],審第2号証の1の2頁,審 C第
2号証の3の1,同号証の3の2,審C第3号証,審C第9号証 2頁,審
C第15号証4頁)
4
社団法人日本種苗協会について
(1)
社団法人日本種苗協会(東京都文京区所在。以下「日種協」という。)
は,園芸農作物等の種苗について育種,生産又は販売を行う者を会員とし,
園芸農作物等の種苗に関する民間 の品種改良の促進,園芸農作物等の種苗
の生産の改善,優良な園芸農作物等の種苗の円滑な流通及び国際交流の発
展を図ることにより,我が国園芸農作物等の生産の振興に資し,もって国
民生活の改善に寄与することを目的として,昭和48年12月5日に設立
された社団法人である。(査第4号証)
(2)
32社は,日種協の会員 である。(被審人19社は,自社について認め
て争わない 。13 社については ,査第54 号証4頁,査第55号証5 頁 ,
6
査第56号証5頁,査第58号証4頁,査第59号証2頁,査第6 0号証
3頁,査第61号証4頁,11頁,査第62号証3頁,査第 63号証3頁 ,
査第65号証3頁,査第66号証4頁,査第67号証2頁,査第452号
証4頁)
(3)
日種協は,意思決定機関である総会及び理事会のほか,会員の専門分野
における調査,研究等の 活動を促進するために14の専門部会を設けてお
り(査第4号証),32 社は,その一つである元詰部会に所属 していた(被
審人 19 社は自社 につ いては認めて争わない。13社については 前 記(2)
に掲げた各証拠による。)。
元詰部会では,後記6に述べるとおり,遅くとも平成7年以降,毎年3月
に「元詰部会討議研究会」(以下「討議研究会」という。)が開催されて
いた。
5
32社の合意について
(1)
32社は,4種類の元詰種子 について ,遅くとも平成10年3月19日
以降(雪印種苗及び後藤種苗にあっては 平成13年3月14 日以降),以
下の内容の合意(以下「本件合意 」という。)をしていた。
ア
毎年3月に開催される日種協の討議研究会において,各社がその年の
5月ないし7月に始まる年度(以下「当年度」という。)における販売
価格を定める際の基準となる価格(以下「基準価格」という。)を 決定
すること
イ
基準価格は,はくさい,キャベツ 及びだいこんについては,普通品種 ,
中級品種及び高級品種として,それぞれ ,「A」,「B」及び「C」の
区分を設け各等級区分ごとに決定 し,かぶについては等級区分 を設けな
いで決定すること
ウ
基準価格 は,小売価格 ,共購価格 ,農協価格 ,大卸価格 (10 袋 ) ,
大卸価格(100袋)の別に決定すること(1袋の容量は,はくさい及
びキャベツは20ミリリットル,だいこん及びかぶは2デシリットル )
エ
各社は,基準価格の前年度からの変動に沿って,当年度 に自社が適用
する価格表価格(以下「当年度の価格表価格」という。)及び個別の取
引における販売価格を定めて販売 すること
オ
各社の価格表価格の設定は以下のとおりとすること
(ア) 基準価格が引き上げられた場合には,はくさい,キャベツ及びだい
7
こんについては,価格表価格と基準価格が一致する品種は引き上げら
れた基準価格どおりに,その 余の品種は,前年度の価格表価格と近似
する基準価格又は前年度の価格表価格の上下にある基準価格の引上
げ額又は引上げ率と同程度の引上 げとなるように,当年度の価格表価
格を引き上げる。かぶについては,価格表価格が基準価格と一致する
品種及びその余の一致しない品種 のいずれも,基準価格の前年度 から
の引上げ額又は引上げ率と同程度 の引上 げとなるように,当年度 の価
格表価格を引き上げる。
(イ)
(2)
基準価格が据え置かれた場合には ,価格表価格を据え置く。
32社が上記の本件合意をしてい たことは,本件合意に係る下記供述証
拠 並 び に 後 記 6 の 毎 年 度の 基 準 価 格 の 決 定 及 び 価 格 表 価 格 の 設 定の 状 況
等から認定することができる(なお,後記第4の2(1)参照 )。
(査第11号証15頁∼16頁,査第32号証5頁∼14頁,査第3 3
号証3頁∼9頁,査第34 号証3頁∼9頁,査第35号証5頁∼8 頁,9
頁∼11頁,18頁∼19頁,査第36 号証5頁∼10頁,18 頁,査第
37号証5頁∼7頁,9頁∼11頁,査第38号証3頁∼9頁,査第40
号証 8頁∼13 頁,査第41号証3頁∼6頁,査第42号証1頁∼ 4 頁 ,
査第 43 号証 5頁∼1 0頁,16頁,査第 44号証4頁∼9頁,16 頁 ,
査第45号証5頁∼9頁,16頁,査第 46号証5頁∼10 頁,19頁∼
20頁,査第47号証5頁∼9頁,16 頁∼17頁,査第48号証3頁∼
6頁,8頁∼11頁,19頁,査第49 号証4頁∼10頁,17 頁,査第
50号証6頁∼9頁,査第 51号証5頁∼7頁,11頁∼13頁,18頁
∼19 頁,査第 52 号 証5頁∼7頁,10 頁∼13頁,19頁∼2 0 頁 ,
査第 53 号証 2頁∼6 頁,査第54号証7頁∼10頁,17頁∼19 頁 ,
査第55号証6頁∼10頁,12頁∼13頁,23頁∼25頁,査第5 6
号証5頁∼10頁,14頁∼16頁,査第57号証4頁∼8頁,10頁∼
11頁,査第58号証4頁∼6頁,8頁∼10頁,17頁,査第59号証
6頁∼8頁,13頁∼21頁,査第60 号証4頁∼9頁,17頁,査 第6
1号証 4頁∼10 頁,19頁,査第62号証2頁∼6頁,8頁∼1 0頁 ,
16頁∼17頁,20頁,査第63号証 5頁∼12頁,19頁,査第 65
号証4頁∼9頁,18頁∼19頁,査第 66号証4頁∼7頁,9頁 ∼11
頁,19頁∼22頁,査第67号証7頁∼10頁,12頁∼13 頁,21
8
頁,査第448号証12頁∼13 頁)
なお,雪印種苗及び後藤種苗は,それぞれ,本件合意に加わるとの 認識
の下で,平成13年3月の討議研究会に出席したものである 。(査第 58
号証4頁∼5頁,査第67号証7頁)
6
基準価格の決定及び32社の販売価格の設定の状況
(1)
基準価格の決定
遅くとも平成7年から平成9年までの間,毎年3月に台東区上野公園内
の上野精養軒(以下「上野精養軒」という。)において,32社のうち雪
印 種 苗 及 び 後 藤 種 苗 を 除く 3 0 社 の 大 部 分 の 代 表 者 又 は 営 業 責 任 者 級 の
者(以下「代表者等」という。)が出席 して,討議研究会が開催され,4
種類の元詰種子について,作柄状況,市況等の情報交換が行われるととも
に,等級・取引形態に応じて設けられた 区分ごとに,各社の価格設定の基
準となる価格が決定されていた。(査第 13号証∼第31号証)
平成10年3月から平成13年3月までの期間においても,討議研究会
は,毎年3月に上野精養軒において,32社の大部分の代表者等が出席し
て開催された(出欠状況は別紙の表6のとおりであり,平成11年3 月の
討議研究会には,被審人中原採種場,同宝種苗及び被審人外野崎採種場が,
平成12年3月の討議研究会には,被審人増田採種場,同中原採種場,同
宝種苗及び被審人外野崎採種場が,平成 13年3月の討議研究会には ,被
審人外野崎採種場及び同山陽種苗 がそれぞれ欠席した。)。(査第91号
証,査第138号証,査第181 号証,査第204号証)
平成10年3月以降平成13年3月までに開催された討議研究会につ
いては,開催に先立ち,毎年1月又は2月ころ,元詰部会長名で元詰部会
会員宛に「元詰部会討議研究会の開催について」と題する案内状が発 出さ
れ,案内状には,開催日時,場所,議題 のほか,「討議研究会の会場にお
いてアンケート用紙を配布しその 場でとりまとめるので,例年のアンケー
トの様式を前提に,あらかじめアンケートへの回答を検討しておく」べき
ことが記載されていた。
討議研究会においては,野菜種子の作柄状況,市況等について情報交換
を行った後,基準価格の検討が行われた。まず,はくさい,キャベツ及び
だいこんの元詰種子の「A」,「B」及び「C」の各等級区分並びにかぶ
について,基準価格を引き上げるか,引き下げるか,又は据え置くかに係
9
る各元詰業者の希望についてアンケート 調査が行われ,その集計結果が発
表された。その後,基準価格をどうするかについて意見交換 が行われ,こ
れらの意見を司会が取りまとめて ,4種類の元詰種子について,小売価格
の基準価格が決定された。
引き続き,共購価格の基準価格については小売価格の基準価格の92
パーセントの10倍,農協価格の基準価格については小売価格の基準価格
の84パーセントの10倍,大卸価格(10袋)の基準価格については小
売価格の基準価格の62パーセントの10倍,大卸価格(100袋)の基
準 価 格 に つ い て は 小 売 価 格 の 基 準 価 格 の6 0 パ ー セ ン ト の 1 0 0倍 の 金
額がそれぞれ 算出 され ,これらの 金額の100 円未満 の端数を処理 し て,
基準価格が決定され,席上で発表 されていた。
(以上,証拠は後記(2)で摘示のもの)
(2)
各年度における討議研究会における基準 価格決定の状況
ア
平成10年度
討議研究会は,平成10年3月19日午前11時から開催され,表6
中「平成10年3月19日」欄に○印を付した30社(以下「ア」にお
いて「30社」と い う。)の代 表 者 等 ( 別紙の表7−1)が 出席し た。
30社は,元詰部会長であるタキイ種苗代表取締役瀧井傳一 の挨拶に
引き続き,カネコ種苗種苗部長金子昌彦 の司会の下に,野菜種子の作 柄
状況,市況等について情報交換を行った 。
引き続き,30社は,愛三種苗取締役岩山洋の司会の下に,基準価格
の検討を行った。
まず,アンケート調査の集計結果が発表され,その後,当年度の基準
価格について意見交換が行われた 。アンケート調査においては,4種 類
の元詰種子 について 「横ばい」と回答した元詰業者 が多かったも の の ,
意見交換の中で,据え置いた場合にはその後に検討される他の部会での
価 格 に も 影 響 を 及 ぼ す と し て 値 上 げ を 推し 進 め る 意 見 が 出 さ れ た こ と
から,当年度の基準価格を,4種類の元詰種子それぞれについて引き上
げることとされた。
具体的には,小売価格の基準価格について,平成9年度から,それぞ
れ,
①
はくさいのA区分及びB区分 は50 円,C区分は100 円
10
②
キャベツのA区分,B区分及 びC区分は100円
③
だいこんのA区分は100円,B区分は200円,C区分は 300
円
④
かぶは200円
引き上げることとし,別紙の表8−1の「小売価格(1袋)」欄記載の
とおり 小売価格 の基準価格 が決定された。これに 引き続き,前記 (1)の
方法により,同表の「共購価格(10袋)」欄,「農協価格(10袋 )」
欄,「大卸価格(10袋)」欄及び「大卸価格(100袋)」欄記載の
とおり,平成10年度の取引形態別の基準価格が決定された 。
(以上,査第32号証2頁,12頁∼15頁,査第34号証9頁∼ 1
2頁,査第39号証3頁∼8頁,査第40号証14頁∼18 頁,査第4
3号証11頁∼15頁,査第 44号証9頁∼13頁,査第45号証1 0
頁∼14頁,査第50号証10頁∼14 頁,査第52号証14頁∼1 8
頁,査第56号証11頁∼13頁,査第 59号証9頁∼12 頁,査第6
0号証10頁∼14頁,査第70号証,査第71号証,査第78号 証∼
第111号証,査第112号証12頁∼18頁)
イ
平成11年度
討議研究会は,平成11年3月16日午前11時から開催され,表6
中「平成11年3月16日」欄に「○」印を付した27社(以下「イ」
において「27社」という。) の代表者等(別紙の表7−2)が出 席し
た。
27社は,元詰部会長であるタキイ種苗代表取締役瀧井傳一 の挨拶に
引き続き,カネコ種苗種苗部長金子昌彦 の司会の下に,野菜種子の作 柄
状況,市況等について情報交換を行った 。
引き続き,27社は,愛三種苗取締役岩山洋の司会の下に,基準価格
の検討を行った。
まず,アンケート調査の集計結果が発表 され,その後,当年度の基準
価格について意見交換を行った 。アンケート調査においては ,4種類の
元詰種子 の各基準価格 について 「上げる」と回答した元詰業者 が多 く ,
意見交換の中でも,多くの出席者から 種子の高品質化が進んでいるため
引上げが必要であるとの意見が出されたことから,当年度の基準価格を,
4種類の元詰種子それぞれについて引き上げることとされた 。
11
具体的には,小売価格の基準価格について,平成10年度から,それ
ぞれ,
①
はくさいのA区分及びB区分は50円,C区分は100円
②
キャベツのA区分及びB区分は100円,C区分は150円
③
だいこんのA区分及びB区分は100円,C区分は200円
④
かぶは200円
引き上げることとし,別紙の表8−2の「小売価格(1袋)」欄記載の
とおり 小売価格 の基準価格 が決定された。これに 引き続き,前記(1)の
方法により,同表の「共購価格(10袋)」欄,「農協価格(10袋 )」
欄,「大卸価格(10袋)」欄及び「大卸価格(100袋)」欄記載の
とおり,平成11年度の取引形態別の基準価格が決定された 。
(以上,査第35号証12頁∼16 頁,査第36号証10頁∼16頁,
査第39号証14頁∼17頁,査第41 号証6頁∼10頁,査第52号
証13頁∼18頁,査第57 号証12頁∼16頁,査第 61号証16頁
∼17頁,査第62号証11頁∼14頁,査第66号証18頁∼19頁,
査第114号証,査第116号証,査第 119号証,査第121号 証∼
第123号証,査第126 号証∼第130号証,査第132号証,査第
133号証,査第135号証,査第137号証∼第140号証,査第1
42号証∼第156号証,査第158号証∼第167号証)
ウ
平成12年度
討議研究会は,平成12年3月15日午前11時から開催され,表6
中「平成12年3月15日」欄に「○」印を付した26社(以下「ウ」
において「26社」という。) の代表者等(別紙の表7−3)が出 席し
た。
26社は,元詰部会長であるタキイ種苗代表取締役瀧井傳一 の挨拶に
引き続き,カネコ種苗種苗部長金子昌彦 の司会の下に,野菜種子の作 柄
状況,市況等について情報交換を行った 。
引き続き,26社は,愛三種苗取締役岩山洋の司会の下に,基準価格
の検討を行った。
まず,アンケート調査の集計結果が発表 され,その後,当年度の基準
価格について意見交換が行われた 。アンケート調査では ,4種類の元 詰
種子の各基準価格について「横ばい」と回答した元詰業者が多く,意見
12
交換の中でも,青果物市場における野菜の価格低迷で値上げできる環境
にないとの意見が出されたことから,当年度の基準価格を,4種類の 元
詰種子それぞれについて,前年度のまま据え置くこととされた。そして,
別紙の表8−3の「小売価格(1袋)」欄,「共購価格(10袋)」欄 ,
「農協価格(10袋)」欄,「大卸価格 (10袋)」欄及び「大卸価 格
(100袋)」欄記載のとおり,平成 12年度の取引形態別 の基準価格
を据え置くことが決定された。
(以上,査第32号証39 頁,査第39 号証21頁∼24頁,査第1
67号証,査第169号証,査第171 号証∼第175号証,査第17
7号証,査第178号証,査第 180号証∼第185証,査第188号
証∼第191号証,査第195号証,査第198号証,査第201 号証
∼第203号証)
エ
平成13年度
討議研究会は,平成13年3月14日午前11時から開催され,表6
中「平成13年3月14日」欄に「○」印を付した30社(以下「エ」
において「30社」という。) の代表者等(別紙の表7−4)が出 席し
た。
30社は,元詰部会長であるタキイ種苗代表取締役瀧井傳一 の挨拶に
引き続き,宝種苗代表取締役本田功 の司会 の下に,野菜種子の作柄状況,
市況等について情報交換を行った 。
引き続き,30社は,愛三種苗取締役岩山洋の司会の下に,基準価格
の検討を行った。
まず,アンケート調査の集計結果が発表 され,その後,当年度の基準
価格について意見交換が行われた 。アンケート調査においては,4種 類
の元詰種子 の基準価格 について 「横ばい」と回答した元詰業者 が 多 く ,
意見交換の中でも,農薬,肥料及び資材の価格が上がっていない現状で
は,引上げの理由は見いだせ ないとの意見が出されたことから,当年度
の基準価格を,4種類の元詰種子それぞれについて,前年度のまま据 え
置くこととされた。そして,別紙の表8−4の「小売価格(1袋)」欄,
「共購価格(10袋)」欄,「農協価格(10袋)」欄,「大卸価格( 1
0袋)」欄及び「大卸価格(100袋)」欄記載のとおり,平成13年
度の取引形態別の基準価格を据え置くことが決定された。
13
(以上,査第33号証27 頁,査第39 号証24頁∼26頁,査第5
8号証11頁∼12頁,査第 67号証22頁∼23頁,査第204号 証
∼第207号証,査第208号証,査第 210号証∼第215号証,査
第219号証∼第222号証,査第225号証,査第226号証,査第
229号証∼第231号証,査第234 号証,査第239号証,査第2
40号証,査第243号証,査第 245 号証,査第249号証)
(3)
討議研究会 に欠席 した者(前記(1))は,他社の価格表 に掲載さ れ た価
格 が 討 議 研 究 会 で 決 定 した 基 準 価 格 の 変動 を 反 映 し た も の で あ る こ と を
認識 した 上で,他社 の 価格表 を確認することにより,後記(4)のとお り自
社の価格表価格を設定していた。(査第 42号証5頁∼7頁,査第 47号
証9頁∼12頁,査第50号証10頁∼11頁,査第59号証17頁 ∼1
8頁,査第60号証10頁∼11 頁)
(4)
各社の価格表価格の設定の状況
32社は,平成10年度及び平成11年度において,それぞれ自社の 販
売する4種類の元詰種子について,おおむね基準価格の引上 げ幅又は引上
げ率に沿って,当年度の価格表価格を前年度の価格表価格から引き上げて
いた。
また,32社は,平成12年度及び平成 13年度において,それぞれ自
社の販売する4種類の元詰種子について ,当年度の価格表価格を前年度の
価格表価格からおおむね据え置いていた 。
これを価格表価格中の小売価格(1袋)についてみると次のようにいう
ことができる。
①
基 準 価 格 に 定 め ら れ る 容 量 と 同 じ 容量 の 品 種 の 価 格 表 価 格 の 動 き
の向き(引上げ,据置き又は引下げ)は,基準価格と同じ動きをして
いる場合が大部分を 占める(別紙 の表9−1)。
②
基 準 価 格 に 定 め ら れ る 容 量 と 同 じ 容量 で は 価 格 表 に 掲 載 さ れ て い
ない品種の価格表価格の動きの向きも,同様に,大部分の品種につい
て基準価格と同じ動きとなっている(別紙の表9−2)。
③
中でも①の品種のうち前年度の価格表価格が基準価格と一致する
品種にあっては,ほとんどすべての品種 について,当年度の価格表価
格も基準価格と一致 している(別紙の表9−3)。
(以上,査第407号証∼第410号証 ,査第417号証∼第420号
14
証)
(5)
各社の実際の販売価格の状況
32 社の実際 の販売価 格の設定方法 は前記 3(2)のとおりであり , こ れ
により,32社は,平成10年度及び平成11年度において は,それぞれ
自 社 の 販 売 す る 4 種 類 の元 詰 種 子 に つ い て 各 販 売 価 格 を 各 基 準 価 格 の 引
上げに沿っておおむね引き上げ,また ,平成12年度及び平成13年度に
おいては,それぞれ自社の販売する4種類の元詰種子について販売価格を
前年度 の販売価格 からおおむね 据え置いていた。(前記3(2)に掲 げ る証
拠)(なお,後記第4の3(5)参照 )
7
本件合意の消滅及び再発のおそれ について
平成13年8月29日,本件 について ,公正取引委員会が独占禁止法の規
定に基づき審査を開始したところ ,同年 10月4日,32社のうち別 紙の表
10記載の26社は,静岡県熱海市所在の古屋旅館において 開催した日種協
の理事会において,同年3月14日に行った4種類の元詰種子の基準価格 の
決定を破棄するとともに,以後,元詰種子の販売価格に関する話合いを行 わ
ない旨の申合せを行った。
(査第38号証 24頁∼25頁,査第403号証,
査第404号証,査第405号証 10頁∼11頁)
上記申合せにより,同日以降 ,本件合意は事実上消滅しているものと認め
られる。
しかしながら,被審人19社は13社とともに長期間にわたって協調的関
係を維持していたこと,また ,本件合意の消滅は公正取引委員会の審査開始
(立入検査)という外部的要因に基づくものであり,被審人19社の 自発的
な意思に基づくものではなかったことを 考慮すれば,被審人19 社において
今後同様の行為を繰り返すおそれがあると認められる。
第2
争点
本件の主要な争点は,以下のとおりである。
1
2
一定の取引分野の画定
(1)
品種間競争の存否
(2)
品種間価格競争の存否
(3)
取引段階を異にする取引先を包含 することの当否
(4)
平成10年度から平成13年度までを通じた一定の取引分野 の画定
本件合意の存否
15
(1)
本件合意の認定方法
(2)
本件合意の主体
(3)
討議研究会の欠席者が存在すること
(4)
中途参加者が本件合意の当事者に含まれるか
(5)
基準価格に沿った価格設定をしていない者が本件合意の当事者に含ま
れるか
(6)
3
9種類の野菜の種子を対象とする 行為であるか
本件合意の相互拘束性
(1)
本件合意内容が抽象的であること
(2)
等級区分が不明確であること
(3)
基準価格の実効性,拘束性
(4)
基準価格と価格表価格との連動性
(5)
価格表価格と実際の販売価格との連動性
4
供述調書の信用性
5
過去の不問事件との関係
6
排除措置の必要性
第3
双方の主張
1
被審人らの主張
(1)
被審人タキイ種苗
ア
基準価格の設定の意 義
討議研究会で行われていた価値検討は,元詰業者各自が自己 の販売す
る元詰種子の適正な価格を見いだすための参考に供されるものであっ
たのであり,元詰業者は,価値検討の結果 として設定された「基準価格」
は,元詰種子の適正な価格の目安(値ごろ感)であって,それに拘束さ
れるものではないと認識していた 。
イ
過去の不問事件
昭和32年に,公正取引委員会は,日種協の前身である全国種苗業連
合会(以下「全種連」という。)による種子の価値検討について審査を
行った結果,「(全種連が)卸売部会 において蔬菜種子の卸売最低標準
価格 を決定 し,これを 実行するよう 指導はしているが ,本標準価 格 は ,
各卸売業者が価格を決める際の一応の目安にすぎず,とくに問題 とすべ
きほどの影響はない」と認めて不問に付した。
16
本件で問題とされている行為は,昭和 32年に不問とされた 行為と実
質的 に同一 であり ,日種協は,この公正取引委員会 の判断を信頼 し て,
違法であるとの認識を持たずに同様の活動を継続してきた。
また,公正取引委員会がいったん違法 でないとしたものを突然に方針
変更して違法と断ずることは,行政処分の確定力ないし禁反言の原則に
反する。
ウ
基準価格設定の主体・対象
(ア) 基準価格の設定を行っていたのは 日種協 の元詰部会であって,3 2
社ではない。
(イ)
本件は,事業者団体の活動として適正 な価格の目安を決めた 事案で
あるから,その実態によって独占禁止 法第8条第1項第1号の事件か
同法第8条第1項第4号の事件にすべきかが議論されるべき事案で
あり,同法第3条は適用できない 。
審査官が引用する石油価格協定刑事事件最高裁判決(最高裁判所昭
和59 年2月24 日,以下「石油価格協定事件判決 」という 。 ) は ,
事業者団体の違法行為が認定される事案でさらに構成事業者の従業
者等の刑事責任を問えるかどうかについて判断したものである。これ
に対し,本件での問題は,ある違法行為を事業者団体の行為 とみるの
か,構成事業者の行為とみるのかの問題 であり,また,双方に違反行
為が認められる場合に排除措置との関係で独占禁止法第3条と同法
第8条の適用関係をどう考えるかの問題 であって,石油価格協定事件
判決における問題とは異なる。
本件違反行為の主役は事業者団体 であり ,事業者は事業者団体の 行
為以上に出ていないのにもかかわらず,団体を差し置いて事業者だけ
をとらえることは許されない。
(ウ)
基準価格の設定は,元詰部会によって 9種類の元詰種子を対 象とし
て行われたのにもかかわらず ,審査官は,本件合意の主体を32社に
限定し,対象商品を4種類 の元詰種子に限定しているが,これは,
32社以外の価格や他の5種類の元詰種子の価格が基準価格と大き
く乖離していたことが理由と考えられる。しかし,不当な取引制限は,
行為(合意)時点において競争が実質的に制限されると解されるので
あるから,不可分一体の行為 について ,その結果生じた競争制限効果
17
が異なるからといって,当該行為の一部に合意があり一部に合意がな
いというのは,このことを基礎づける明らかな証拠がない限り,あり
得ない。価値検討の一部を切り出してしか,不当な取引制限を論難で
きないということ自体,価値検討が不当な取引制限の対象行為とはな
り難いことを示している。
エ
基準価格の非拘束性
基準価格の概念は,以下のとおり極めて 不明確であり,基準価格の前
年 度 か ら の 変 動 幅 な る も の は 各 社 が 相 互に 販 売 価 格 を 拘 束 す る た め の
基準としては機能し得ない。
(ア) 等級区分の意義があいまいであること
「A」,「B」及び「C」の等級区分について,各ランクの定 義が
定められていたわけではなく,各品種 をどのランクに当てはめるかに
ついて統一的な基準は存しない。ランクに当てはまらない品種も多数
ある。
(イ)
等級区分への当てはめに関する相互認識 の不存在
各元詰業者が自社の元詰種子を等級区分のいずれかへ当てはめる
かについても各社の 判断に委ねられており,どの品種がどのランクに
位置づけられるかについて相互に共通の認識はない。
オ
基準価格と実売価格の非連動
審査官は,元詰種子の実売価格は「基準価格」の引上げ幅に沿ってお
おむね引き上げられ又は据え置かれていたと主張するが,以下のとおり
実売価格が基準価格と連動していたとは 認められず,審査官の主張する
本件合意による結果は発生していない。このことからも価値検討は拘束
性のないものであることが明らかである 。
(ア) 実 売 価 格 が 基 準 価 格 と 連 動 し て い た こ と を 示 す も の と し て 審 査 官
が引用する証拠は元詰業者の供述調書のみであり,その供述内容 は抽
象的で内容は不自然に共通しているなど ,信用性に疑義 がある。よっ
て,実売価格と基準 価 格 との連 動 性に つ い て の 証拠は不十分 で あ る。
(イ)
元詰業者が元詰種子を販売するに 際しては,販売先ごとに異なる値
引きや割戻しが行われており,また,これら値引きや割戻しは同じ取
引先であっても年度 によって変動 し得るものであり,基準価格の 変動
とは関連していないから,これらを加味した実売価格は基準価格とは
18
連動しない。
カ
欠席者対策についての合意の不存在
討議研究会に欠席した元詰業者に対し,何らかの方法で基準価格が伝
達されなければ欠席者の販売価格 を拘束 することができないから,本件
合意が実効性を持つためには,欠席者 が何らかの方法で基準価格を把握
するということが合意当事者間で合意されていなければならない。しか
し,タキイ種苗を含む少なくとも数社は,欠席した元詰業者が基準価格
の内容を把握するのか否かについて認識 していなかったのであり,本件
合意の実効性に疑問があり,このことからも拘束性がなかったことが示
される。
キ
競争の実質的制限がないこと
(ア) 価格競争が乏しい商品・役務 について ,供給者が相互に販売価格を
制限する行為を行ったとしても ,当該商品・役務の供給者間における
競争(いわゆるブランド間競争)が実質的 に制限されるものではなく,
不当な取引制限行為には当たらない。また,本件では,ブランド内価
格競争の存在は認められるが ,ブランド 間価格競争のない商品・役務
についてブランド内価格競争が活発に行われたからといって,ブラン
ド間価格競争が生まれるということにはならない。
(イ)
野菜栽培農家が元詰種子の購入品種を選択するに際して考慮する
のは,商品価値の高い野菜を効率的に生産することのできる 特性を有
する品種はどれであるかということであり,元詰種子の価格はほとん
ど考慮要素となっていない。
(ウ)
小売業者等の販売業者は,野菜栽培農家による品種選択を無 視して
その仕入れる品種を選択することはできないから,販売業者が仕入品
種を選択する際の考慮要素は,野菜栽培農家の品種選択における考慮
要素と同じである。
(エ) 元詰業者による元詰種子の販売分野においては,専らその品種特性
により競争が行われており,価格に係る競争はほとんど成り立ってい
ない。
(オ) 審査官は,価格競争が存在しないのであれば独占的価格設定 が行わ
れるはずであるのに,現実には行われていないのは価格競争 が存在す
るためであると 主張するが ,独占的価格設定 が行われていないの は ,
19
野菜栽培農家との信頼関係及び同一品種内での価格競争のためであ
る。
(カ) また,審査官は,新品種 の価格設定において他社の競合品種 の価格
を考慮してその比較において価格 を設定 しているから,品種間価格競
争が存在すると主張する。しかし,元詰業者は,品種の適正な価格を
見いだすための参考として,品種特性 が比較的似ている他の品種の価
格を比較の対象とすることはあるが,他の元詰業者の価格設定に対抗
して価格を設定することはほとんどない 。
(キ) 審査官は,価値検討が行われてきたこと ,販売の相手方 である小売
業者の代表たる小売部会長が同席し基準価格についての意見を徴し
ていたことをとらえ て,価格が品種選択上の考慮要素であったことを
示すと主張するが,価値検討 は,独占的商品である元詰種子 について
元詰業者が適正な価格を見いだすための参考情報を提供するための
ものとして機能していたのであり,価格が品種選択上の考慮要素とな
らないことと討議研究会において価値検討を行ってきたことは矛盾
しない。
(ク)
栽培農家へのアドバイスや農家の要望等の情報収集など自社の品
種を導入するための活動を積極的 に行ってくれた販売業者に対し,元
詰業者が,多めのリベートを提供したり通常よりも高い割引率を適用
することはあるが,他の元詰業者の価格水準を意識した行動ではない。
(ケ) 一 部 の 元 詰 業 者 が 品 種 間 価 格 競 争 を 認 識 す る 旨 の 供 述 を し て い る
が,ごく一部であり,多数の元詰業者 は品種間競争では価格 はほとん
ど考慮されていないと認識している。品種間価格競争が生じ得ること
を示す行動等の客観的事象は認められないのであって,品種間競争が
生じ得ると認識する元詰業者が存在したとしてもそれだけで品種間
競争が存在し得るとはいえない。
仮に品種間価格競争が一部に存在 したとしても,品種間における 競
争手段として極めて限られたものであり ,それが制約されたとしても
競争を実質的に制限することにはならない。
(2)
被審人サカタのタネ
ア
元詰種子の商品特性等
(ア) 元詰種子の商品特性
20
野菜の元詰種子は,同一品目 の野菜であっても,その中の個別品種
それぞれが収量性,耐病性,環境順応性から味覚の良さに至るまで
様々な点において独自の商品特性 を有しており,各品種相互間に 商品
としての代替性を認めることはできない 。
(イ)
農家の購買姿勢
農家 が野菜種子 を購入する際には,各 品 種の有する特性に着目 し ,
それぞれの栽培条件に照らして適性品種であるか否かということを
唯一の基準として購入する品種を選択している。
特に,我が国における野菜生産に大きな 地位を占める「産地」(野
菜生産出荷安定法に基づく指定を受けた「指定産地 」及び特定種類の
野菜を一定規模において生産し特定の消費地に出荷している地域と
して区画化されたいわゆる「一般産地」を指す。)においては,出荷
される野菜の品質の向上及び均一化を図るべく共同出荷が行われて
おり,その前提として,試作の実施による適性品種の選定及 び各農家
に対する栽培推奨品種等の指定が継続的・組織的に制度として行 われ
ており,地域内の各農家において種子の特性に着目した品種選択,商
品購入を行っていることが特に顕著に認められる。
(ウ)
元詰種子の生産・販売活動
上記のような野菜種子の商品特性,需要者 である農家の商品(品 種)
選択・購買姿勢に対応して,種苗業者による野菜種子の生産・販売活
動については,種子の最終需要者である野菜栽培農家の需要 に見合っ
た品質の種子を供給することが最も重要 となっている。
イ
審査官の主張する本件合意は,不当な取引制限の構成要件を満たさな
い。
(ア) 行為の共同性
a
抽象的合意に基づいて具体的な販売価格を設定することはでき
ず,本件合意の存在を前提にしても,他の競争事業者がどのような
価格設定をするのか全く予想することはできない。
b
32社の中には,取引上の立場を異にする事業者も含まれており,
利害調整,意見の一致をみることは一般的に困難である。
c
4種類の種子についてのみ利害調整を行ったとしても他の種子
で競争が起こり , 4 種類の種子に 係る調 整は無意味 な も の と な る 。
21
(イ)
競争の実質的制限
価格協定の類型のカルテルについては,競争の実質的制限は 実勢価
格に関して生じることが必要であると解されるところ,各事業者 にお
いて,本件合意に基づいて実勢価格を設定するために判断を要すると
考えられる,①基準価格の具体的金額や値上げ幅,②各品種について
「A」,「B」及び「C」の各等級区分 への当てはめ,③価格表価格
の決定,④取引先ごとの値引率等といった点について,約束や明確な
基準等は存在しない。
(ウ)
立証上の問題点
32社による共通の認識・認容の事実は,以下の理由により,供述
から認定することはできない。
a
審査官が証拠とする供述は画一化された同一内容のものであり
極めて不自然である。
b
供述は,元詰業者が9種類の野菜の種子について3月及び8 月の
元詰部会の会合において,基準価格を決定していたとの内容 である
のに,4種類の野菜の種子のみ取り出す理由がない。
c
9種類の野菜の種子に関し元詰部会において決定された基準価
格と実際の販売価格との間の乖離率を根拠として,行為の対象を 4
種類の野菜の種子に限定したのであれば ,審査官が証拠とする供 述
調書の信用性を自ら否定するものであり ,また,討議研究会におけ
る基準価格の設定を違法と評価するのと 同じことになり,本件合意
をもって違法とする審査官主張と矛盾する。
d
審査官は,毎年の実施行為の具体的内容 として,元詰業者が基準
価格を決定していた事実及び32社が販売価格の設定について斉
一的な行動を採っていた事実を指摘するが,基準価格決定の主体が
「元詰業者」であるにもかかわらず,決定された基準価格の 変動に
沿って斉一的な販売価格の設定を行っていた主体を32社に限定
する理由がない。
ウ
本件の行為主体
(ア) 基準価格の決定は元詰部会の行為 であること
審査官が主張するところの実施行為である基準価格の決定の主体
は,元詰部会であって,32社ではあり 得ない。本件合意が32社 に
22
よるものであるから基準価格の決定の主体も32社である旨の主張
は理由と結論が逆転した無意味な循環論法である。
(イ)
途中参加者
部会における基準価格の決定は実施行為にすぎないものと審査官
は主張するが,そうであるとするならば ,審査官の主張 では本件合意
の当事者か否かが部会への入会や出席を基準に決められていること
と矛盾する。
(ウ)
欠席者
審査官提出の証拠からは,出席者と欠席者との間に「意思の連絡が
人為的に形成」されたこと及び相互認識 を認めることはできず,行為
の共同性,意思の連絡の存在を認めることはできない。
エ
相互拘束・共同遂行
以下のとおり,基準価格 から実際の販売価格を算定する具体的な方法
が合意されていないので,相互拘束は認められない。
(ア) 各品種を等級区分のどのランクに当てはめるかについて,判断基準
や合意が存在しない。
(イ)
値引き・割戻しの方法が統一されておらず,値引き・割戻しの方法
が各社おおむね一定であったともいえない。各社の独自判断で値 引き
が行われており,取引先ごと,年度ごとにも多様であった。
オ
一定の取引分野
交配種の種子は,供給者 である種苗業者及び需要者である農家の双方
において,毎年,生産,販売及び購入する必要があり,種子の作 柄は毎
年異なることから,その需給関係,これに対応した価格設定 も毎年変動
している。本件合意の存在 を仮定した場合でも,具体的な販売価格(実
勢価格 )を設定 するためには ,各年度 ごとに 基準価格 の決定,「A 」 ,
「B」又は「C」の等級区分のランク 分け及び値引率の決定 が必要であ
る。
したがって,一定の取引分野 は,各年度ごとに画定されるべき事案で
あり,審査官の主張する一定の取引分野 は先例(下水道事業団事件(平
成8年5月31日東京高等裁判所判決)及び水道メーター事件(平成9
年12月24日東京高等裁判所判決))における取扱いとも整合しない。
カ
品種間の価格競争の不存在
23
(ア) 本件の対象である野菜種子は,同一品目の野菜であっても各品種の
それぞれが他の品種にはない商品特性を有しており,品種相互間 に商
品としての代替性が認められない。そうした野菜種子の商品特性から,
需要者である野菜栽培農家においても品種特性のみに着目して自己
の栽培条件に合致した最良の種子 のみを 選択して購入している。さら
に,例えばキャベツについて全国の作付面積の半数を占める 産地にお
いては,産地における適性品種(推奨品種)を選別し,当該産地内の
農家が当該推奨品種を栽培することによって全体の品種の統一が図
られている。
したがって,供給者である種苗業者による野菜種子の開発 ・販売に
ついては,需要者の商品選択・購買姿勢 に対応して専ら品種 の特性・
品質面での競争が行 われており,価格 は競争手段として機能 し得ない。
(イ)
元詰業者による価格設定
審査官は,元詰業者が品種間でも価格競争が生じ得ることを 認識し
ていたとして,①元詰業者が新品種の価格設定に当たり ,他社が販売
している類似品種の価格を参照していること,②各社が共同で価格決
定しなければ値崩れ が生じると認識していたことを主張するが,審査
官が引用する証拠からは,このような 元詰業者の認識を根拠 づけるこ
とはできない。
その他,審査官は,品種間での価格競争が生じ得ることを元詰業者
が認識していることを縷々主張するが,種苗業者のみならず ,小売業
者及び農家のいずれにおいても,購入 する品種の選択に当たって価格
を考慮していないことを明確に述べている。仮に一部の元詰業者 が価
格を考慮した販売活動を行っていたことがあるとしても,野菜種子の
販売分野において価格が競争要因として機能していないという市場
の実態に変わりはない。
なお,農家等において,品種選択を行った後の段階でより低 い価格
で購入するように努めることはあるが,これはいわゆるブランド内競
争と評価し得るものである。
(ウ)
品種間の価格競争の不存在を推認 し得る客観的事情
野菜栽培農家の生産収益に占める 種子代 の比率は極めて低く,そ の
価格を考慮して,野菜生産における最重要問題である品種の選択を行
24
うことに何ら合理性は認められない。
また,本件においては,違反行為が終了したと認定されている平成
13年8月29日の前後で価格の変動はなく,本件違反行為の不存在
が非常に強く推認される。
キ
措置の必要性
本件では,基準価格の決定が,各社の販売価格の設定に不可欠な前提
条件とされているところ,被審人各社においては,既に決定された基 準
価格を破棄するとともに,元詰種子の販売価格に関する話合 いを行わな
い旨の申合せを行ったほか,本件合意内容の中核をなす基準価格決定の
場とされてきた元詰部会を廃止しており ,もはや事業者間で価格等につ
い て 情 報 交 換 を 行 い 基 準 価 格 を 決 定 す る機 会 は 存 在 し な い こ と か ら す
れば,被審人各社において本件合意と同一ないし社会通念上同一性があ
ると考え得る行為を行うおそれがあるとは到底認められない 。
(3)
被審人17社(被審人19社のうち,タキイ種苗及びサカタ のタネを除
く17社をいう。以下同じ。)
ア
本件合意の不存在
(ア) 本件合意の主体
審査官は元詰部会の活動を通じて32社により本件合意が形成さ
れたことを主張するが,その 根拠とする 供述は,いずれも毎年の討議
研究会における基準価格の話合い,決定 に係る供述であり ,これを証
拠に32社が本件合意の主体であることを立証しようとするなら,元
詰部会という事業者団体の活動を事業者の行為として評価できるこ
とを明らかにする必要がある。
審査官は,「32社が合意をし,討議研究会における基準価格の決
定がその実施行為であるから,基準価格の決定は事業者の行為であ
る」と主張するが,審査官の引用する供述は,元詰部会の活動に関 す
るものであり,また,32社という事業者による本件合意に係る供述
は全く存在しない。
本件の審査官の主張は,事業者団体の行為を間接事実として 事業者
の本件合意を立証しようとするものであり,事業者団体の違反行為を
事業者の違反行為と評価できるかという問題とは局面が異なってお
り,審査官が引用する石油価格協定事件判決の射程範囲外である。
25
(イ)
平成10年3月18 日以前の合意 は不可能
本件合意が成立したとするなら,それは論理的に平成7年以降平成
10年3月18日以前でなければならない。審査官は,平成7年以降
平成10年度以前の 状況として,30 社の大部分の者が毎年 3月に討
議研究会を開催し基準価格を決定 していた旨主張するが,年1回 のわ
ずか3回の会合で本件合意が黙示のうちに形成されたとみることは
できない。また,討議研究会の開催は事業者団体の行為であり,事業
者が行ったものではない。したがって,平成10年3月18日以前に,
30社が事業者団体の活動を離れて事業者として基準価格の決定等
を行っていたとはいえず,平成10年3月18日以前に本件合意が成
立することはあり得ない。
討議研究会における決定を「30社の大部分の者」の行為というた
めには,当該「大部分の者」の間に,元詰部会の決定を自らの決定と
するという合意が成立している必要があるが,その事実を立証す る証
拠がない。
審査官の主張では,討議研究会に出席 していた元詰業者は不 明であ
る。審査官は,平成10 年3月18日以前に本件合意における基準価
格を決定していたとも,平成10年3月18日以前に本件合意が成立
していたとも主張しておらず ,結局,平成10年3月18日以前に本
件合意が成立していたかどうかは 不明である。
存在すると主張されている本件合意は黙示の合意であるが,黙示の
合意が形成されるのは,本来,寡占市場 においてであり,本件とは状
況が異なる。
(ウ)
平成10年3月19 日以後の合意 の不存在
審査官は,32社が遅くとも 平成13年3月19日の時点で ,「各
社が前年の基準価格からの変動に沿って販売価格を定めて販売する
こと」を認識・認容していたと主張するが,認識・認容の対象が本件
合意であるのか実施行為であるのか,主張自体あいまいである。本件
合意の存在は,供述に示される各社の「認識・認容」によっては立証
されない。その理由は以下のとおりである。
a
供述では,行為の主体が具体的に何人を指すのか不明である 。供
述から示される供述者の認識は概括的であり,かつ片面的認識に と
26
どまる。32社各社が本件合意がなされたことを相互に認識 してい
たとはいえない。
b
基準価格の決定が,黙示 の本件合意に従ってなされたとの供 述が
ない。また,討議研究会 の場での基準価格の決定という事実 が存在
するとしても,そのことから本件合意 の存在を推認することはでき
ない。供述の「この基準価格を目安として…販売することとしてお
りました」という部分は,事実としてこのようにしていたという表
現であって,こ れ か ら本件合意 の 存在を 立証す る こ と は で き な い 。
c
審査官は,供述には他社 が自社と同様 の行動を採ることについて
の認容が含まれるというが,そのような 供述は存しない。
(エ) 毎年の実施行為
討議研究会の開催は日種協の年次行事であり,事業者団体の行為を
事業者の行為に法論理として転換 することはできないから,討議研究
会の開催を根拠に32社の本件合意の存在を推認することはできな
い。したがって,「毎年の実施行為」によって本件合意の存在を立証
することはできない。
イ
本件合意があるとしても,不当な取引制限の要件を満たさない。
(ア) 本件合意の主体(前記ア(ア)と同旨 。)
(イ)
中途参加者の取扱い
雪印種苗の供述によれば,①審査官の主張する基準価格は「 目安」
にすぎない,②黙示の本件合意を知った 経緯について供述がない,③
基準価格の拘束性は供述に表れていない ,④基準価格決定の主体は団
体であるとの認識が 示されている,⑤雪印種苗が平成13年度の価格
表価格を定めるに際して用いたとされる前年度の同社の価格表価格
は前年度の基準価格を考慮したものではない。
後藤種苗の供述に関しても,ほぼ同様である。また,同社の供述中,
毎年行ってきた基準価格決定の主体について,元詰部会とする供述及
び同業者同士とする供述はあるが,中途参加の雪印種苗と後藤種苗を
除く被審人ら30社であるとの供述はない。
以上のように中途参加者を本件合意の主体として不当に認定して
しまっていること自体,本件合意が事実に根ざすものではないことを
示すものである。
27
ウ
行為
(ア) 本件合意の抽象性・不明確性
毎年の実施行為の内容が具体的であっても,これによって立証さ れ
るのは,抽象的で拘束力のない本件合意 の存在でしかない 。審査官が
違法行為と主張するのは本件合意 であるが,当該合意内容は不確定で
あるので,これを違法行為ということはできない。
基準価格ですら目安程度のものに すぎず ,これよりもさらに抽象的
な「毎年基準価格を決定する」との本件合意が,その成立時に一定の
取引分野に影響を与えることはあり得ない。
本件合意は,「対価を決定する」という要件を満たすものではない。
受注予定者決定事件では,基本合意で受注予定者を決める手順が定
まっていなくとも,個別合意において 参加者の何人かを受注予定者と
して決定すれば狙い は達成される。しかし,本件では,抽象的に毎年
基準価格を定めることが合意されたとしても,どのような手順でどの
ような内容のものが決定されるのか不明 であり,受注予定者決定事件
と同列に扱うことはできない。
(イ)
相互認識の不存在
事前の意思連絡があるというためには,それぞれの事業者が 意思の
連絡をしているのは何某と何某であるということを相互に認識して
いなければならない。審査官は,32社が,各社が基準価格の変動に
沿って 販売価格 を定めて販売することを 認識・認容していたと し て ,
その証拠として供述 を掲げているが,これらの供述は,元詰部会の決
定に係る供述である。討議研究会は本件合意の有無にかかわらず開催
されるものであるから,討議研究会での 基準価格決定は,本件合意の
立証には寄与しない。また,供述は,本件合意の主体たる元詰業者を
特定 しておらず ,供述によって 示されるのは 概括的認識 にとど ま り,
また,供述者側の片面的認識にとどまる 。
被審人には,基準価格に沿った価格表価格を設定しなければならな
いとの認識や話合いはなく,「A」,「 B」又は「C」の区分が何 を
意味するのかについては共通の認識はなかった。
(ウ)
相互拘束性の不存在
みかど育種農場,トキタ 種苗,丸種,横浜植木,山陽種苗(被審人
28
外),宝種苗,中原採種場及び増田採種場の各社の価格表価格及び販
売価格の決定方法は様々であり,いずれも審査官の主張する 基準価格
を何らの基準とせずに,各社独自 に価格 を定めている。
エ
一定の取引分野
一定の取引分野とは,売手と買手によって構成される市場である。本
件では ,売手は元詰業者であり ,買手は卸売業者 と小売業者 であ る が,
卸売段階と小売段階では取引段階 が異なるので,それらを同一の 取引分
野と画定することはできない。
オ
競争の実質的制限
本件合意は,毎年の基準価格 を決定する 旨の合意であって ,内容が確
定されていない不明確なものであるから ,競争制限効果 は生じない 。ま
た,毎年の実施行為の対市場効果は,本件合意の効果ではない。基準価
格の決定は,事業者団体において,本件合意の有無にかかわらず行われ
ていた。
審査官が間接事実として立証に利用した「毎年の実施行為」を本件合
意の拘束性や具体性を主張するに当たって再度利用していることは誤
りである。
カ
毎年の実施行為
審査官は,毎年の実施行為から本件合意 を立証するというが ,以下の
問題がある。
(ア) 被審人の価格表価格及び販売価格 は基準価格に連動していない。
a
価格表価格
(a) ① あ る 年 度 に 基 準 価 格 と 価 格 表 価 格 と が 全 く 同 一 と な っ た こ
とがある品種であるにもかかわらず,基準価格と価格表価格が異
なる年度が存在する 品種が,基準価格 に定められる容量と同 じ容
量で価格表 に掲 載されている 4,286 品種中279 品種 ( 6 .
5パーセント)存在する(以下,同一品種名であっても,小売( 1
袋),大卸(10袋)等の価格の種類 別に異なる品種として 品種
数を計上している。)。
②基準価格と異なった価格表価格 を持つ品種であって,(ⅰ)
基準価格が前年度より上がっているのに 上がっていない品種,及
び(ⅱ)基準価格が維持 されているのに価格が上下している 品種
29
が,基準価格に定められる容量と同じ容量で価格表に掲載されて
いる4,286品種中508品種(11 .9パーセント),基準
価格に定められる容量とは異なる容量で価格表に掲載されてい
る681品種中142品種(20.9パーセント)存在する。こ
れを合計すると,4,967 品種中650品種(13.1パーセ
ント)となる。
③平成10年度の対前年度変動額と平成11年度の対前年度
変動額の比率が「基準価格の平成10年度の対前年度変動率 」と
「基準価格の平成11年度の対前年度変動率」の比率と明らかに
異なるものが,基準価格 に定められる 容量と同じ容量で価格表に
掲載されている4,286 品種中555 品種(12.9パーセン
ト),基準価格に定められる容量とは 異なる容量で価格表に 掲載
されている681品種中186品種(27.3パーセント)存在
する 。これを 合計すると ,4,967 品 種 中 746 品種(1 5.
0パーセント)となる。
④等級区分ごとの基準価格に対する価格表価格の位置から想
定される価格表価格の変動幅の範囲を超える変動幅となってい
る品種が,基準価格に定められる容量 と同じ容量で価格表に 掲載
されている品種に限定(②に該当する品種 を除く。)しても,4,
286品種中802 品種(18.7パーセント)存在する。
以上をまとめると ,①ないし ④のいずれかに該当する品種,す
なわち,基準価格とは全く異なる動きをしている品種が,基準価
格に定められる容量 と同じ容量で価格表 に掲載されている4,2
86品種中1,307品種(30.5パーセント),基準価格に
定められる容量とは異なる容量で価格表に掲載されている68
1品種中292品種(42.9パーセント),総計4,967品
種のうち1,599品種(32.2パーセント)に上り,審査官
が主張するような基準価格の変動に沿った価格表価格の変動は
なく,したがって,基準価格の変動に沿って価格表価格を変 動さ
せる合意もなかったことは明らかである 。
(b) 各社の価格表価格の動きを10社について個別にみても,全部
又は多くの品種で基準価格とは全く異なる動きをしている。
30
審査官は,「基準価格の前年比変動額・変動率」を「前年度に
おいて基準価格と一致する品種の平均変動額・変動率」及び「前
年度において基準価格と一致しない品種 の平均変動額・変動率」
と比較しているが,平均値を比較することに決定的な意味はない。
その上,審査官の比較方法によっても ,価格表価格が基準価格
とは異なる動きをしている品種がある。審査官は,これらの品種
の存在を正しく評価 していない。
b
販売価格
(a) 値引きの時点
審査官は,32 社すべてが価格表価格で取引先に販売し ,事後
に値引き・割戻 しを行うとしているが ,販売時に値引きした 価格
で販売している取引 も存在している。
(b) 相互認識の欠如
32社は,それぞれ取引先ごとに割引率や割戻率を定めている
が,それは各社独自の営業秘密であって相互にその率を認識 して
いるわけではない。
(c) 率の変動
同じ取引先でも値引率・割戻率は年度 ごとやそれより短い期 間
で見直しがされ,固定的 でない。また値引率・割引率は,同じ取
引先でも品種ごとに 異なっている 場合がある。
(d) 相対交渉による値引 き・割戻し
値引率や割戻率は年度内でも不動 のものではない。販売時や集
金時等において取引先と値引交渉がなされ最終的な販売価格が
定まる場合もある。当該品種 の価格競争激化の影響を受け ,年度
内でも,ある地域については 値引率・割戻率を変更する場合もあ
る。価格表価格が上がっても ,値引率 が相対の交渉等により定め
られることにより実際の販売価格は前年と同じ又は値下げにな
る場合もある。
(e) 販売先・取引形態
基準価格 は,取引形態 に よ っ て価格に差 が設けられてい る が ,
これを無視して取引 している元詰業者もある。
(イ)
審査官が主張する本件合意及び実施行為 の内容からして,討議研究
31
会の欠席者を違反行為者とすることは適当でなく,また ,討議研究会
に出席しながら違反行為者と認定しなかった者がいることは不当で
ある。
a
欠席者
審査官は,欠席者が討議研究会において決定された基準価格 の動
向を把握し,前年度からの基準価格の変動に沿って当年度の 販売価
格を決定していたこと及び出席者 もこれを認識・認容していたこと
が認められることを理由に,欠席した 元詰業者も本件合意の 当事者
としている。欠席者が被審人 とされたのは,出席者が作成した価格
表を入手し,討議研究会の決定を知ったが故である。しかし,欠席
者は本件合意の存在 を認識していなければ,たとえ ,討議研究会で
の基準価格の決定があることを知っていても,違法の認識とはいえ
ない。また,元詰業者が作成する価格表 は公知の事実であって,欠
席者がこれを参照することは正常 な情報収集であり,これをとらえ
て不当な取引制限の成立に与したとすることはできない。
また,欠席者の個別的な事情は以下のとおりである。
(a) 増田採種場
自社の価格表価格設定に際して,基準価格を参考にしていない。
現に,基準価格の変動と価格表価格の変動は一致していない 。
(b) 中原採種場
基準価格に関心はなく,基準価格を見ずに価格表価格を設定し
ている。
(c) 宝種苗
産地において推奨品種に選定されているものは,他社の価格表
や販売価格等を気にすることなく ,価格 を決定している 。その他
については,他社の同等品種の販売価格等を参考にしながら 決定
している。討議研究会への出席の有無にかかわらず,基準価格を
全く参考にせずに同社の価格表価格を決定している。
(d) 山陽種苗
基準価格ではなく大手メーカー3社(サカタのタネ,タキイ種
苗など)の価格表を参考に,それらと 自社の品種との競争力の強
弱を勘案して決定している。実際にも ,基準価格の変動と同 社の
32
価格表価格の変動が一致しない場合が多数存在している。
b
渡辺農事の取扱いの 不当性
審査官の主張によれば,渡辺農事は,平成10年3月19日 の時
点で本件合意を認識 していることになるから,この時点で違反が 成
立しており,だいこんについて渡辺農事の違反が認定されてしかる
べきである。しかしながら,審査官は,だいこんについて渡辺農事
が本件合意に基づいて価格付けをしていないことを理由に違反行
為者から除外している。本件合意に基づく価格設定をしたかどうか
は違反成立とは無関係であるはずであるのに,同社を違反行為者か
ら除外しているのは不当である 。これは ,本件合意の存在の立証が
不十分であることの証左である。
キ
既往の違反行為に対 する排除措置
(ア) 区分機東京高裁判決への依拠
審査官は,株式会社東芝及び日本電気株式会社による審決取消請求
訴訟に係る東京高等裁判所判決(平成16年4月23日判決,以下「区
分機東京高裁判決」という。)に依拠して,「特に必要がある」と 認
めて排除措置を命ずべき場合についての 考え方を提示しているが,他
の独占禁止法違反審判事件において,審査官が,同判決 は確定してい
ないのでこれに依拠することはできない旨主張していることと矛盾
し不当である。
(イ)
再発のおそれ
審査官 は,本件 と同様の違反行為 が再発 する蓋然性 の根拠と し て,
①本件における違反行為の誘因が依然存在していること,②価格設定
において共同歩調をとる必要があること ,及び③指標として決定して
きた 基準価格 の意義・機能を主張する。しかし ,①及び②につ い て,
本件に特異なものでなく,カルテル一般 に通じるものであるので,こ
れらの事由を基にして既往の違反行為に関し排除措置を命じるのは
「特に必要 があると認めると き」との文理に反する。③につい て は,
既に元詰部会が廃止されており基準価格を決定する機会が閉ざされ
ている。
また,審査官は,違反行為再発 の蓋然性 の根拠として,本件違反行
為前の事情にも言及しつつ違反行為が長年継続してきたことを挙げ
33
るが,本件違反行為よりも前の行為を再発の蓋然性の根拠とするのは
誤りである。
さらに,独占禁止法第54条第2項の規定は,違反行為 がなくなっ
た事由を問うていないにもかかわらず,違反行為終了の経緯 を理由と
して違反行為の繰り返しの禁止措置を命じるのは,同項が排除措置の
補完であるとの性格 を消滅させることになる。
本件のような寡占市場ではない市場における多数事業者の黙示の
合意は稀有な事例であって,再発 の可能性はあり得ない。
2
審査官の主張
(1)
一定の取引分野の画定
ア
品種間競争の存否
元詰種子の各品種は,当初 から特定の圃場,野菜栽培農家,農協向け
に限定して開発されているわけではない 。したがって ,ある圃場 におけ
る栽培条件に適した元詰種子は,品種 の開発の契機が元詰業者等の開発
によると特定の野菜栽培農家や農協からの委託に基づく場合であると
を問わず,同様の栽培条件の下にある 他の圃場においても同様の形質を
発揮できる。
このことは,同一の品種 が複数の指定産地において主要品種 に採用さ
れていたこと,また,農協がある品種 の種子を指定品種等に採用する場
合に,他の地域で既に栽培されている 品種を導入することがあることか
らも明らかである。
また,農協では,より適切な品種を指定品種等とするため,試作を 継
続して行っており,しばしば,品種の入替えを行っている。
したがって,元詰種子の品種間には代替性があり,品種間競争が存在
するのであって,元詰業者は,よりよい品質の種子を得るために新品種
の開発・供給に注力しているのであるから,各元詰業者 が販売する個 別
品種相互の間の代替性や競争関係が全くないかのような主張は誤りで
ある。
イ
品種間価格競争の存 否
32社は,直接の取引先のほとんどすべてを占める販売業者等に対し
て,基準価格に基づいて設定した価格表価格等を基準として 元詰種子を
販売しているのであって,本件違反行為 の成否は,元詰業者と直接の 取
34
引先との間の元詰種子の取引分野において競争の実質的制限が成立す
るかどうかによるのであるから,全国 の出荷量や収穫量に占める共同出
荷や指定産地のウェイトが大きく,最終需要家である野菜栽培農家が元
詰 種 子 の 品 種 選 択 に 当 た っ て 価 格 を 考 慮し て い な い な ど と い う 被 審 人
らの主張は,論ずる意味がない。
最終需要家である野菜栽培農家が元詰種子の品種選択に当たって価
格を考慮しないなどという被審人 らの主張は,農家の価格交渉の 圧力が
弱いこと等を示すことにはなるにしても ,元詰業者間に価格競争 が存在
しないことを示すことにはならない。
また,元詰業者は,品種間でも 価格競争 が生じ得ることを認識し,そ
れに対応した行動を採っている 。このことは,被審人らが価値検討な ど
と称して基準価格の決定を行ってきたことにも顕著に現れているが,そ
れだけでなく,被審人らが ,新たな品種を開発して商品化する際の価格
設定に当たり,他の元詰業者が販売している既存の類似品種 の価格を参
照しながら価格を決定していること,元詰業者が,共同 で価格決定を し
なければ値崩れが生じると認識していたことから明らかである。
さらに,元詰業者が,品種の競合を認識 して,他社の価格水準を考 慮
していることは,元詰業者の供述 などから明らかである。
そして,何よりも元詰業者自身が,元詰業者が基準価格を決定する行
為が品種間での価格競争が生じ得ることの表れであることを認識して
いることが,供述から認められる 。
なお,被審人らは,元詰種子にはブランド内価格競争しかなく,これ
はブランド間価格競争にはつながらない 旨主張する。しかしながら ,元
詰業者は,新たな品種の元詰種子を商品化する際の価格設定 に当たって,
当該新商品の需要を確保するためには,既存の類似品種と比べて高すぎ
る価格は付けられないと認識しており,元詰業者は,他の競合品種に 比
べ て 品 質 の 差 に 見 合 っ た 価 格 よ り も 高 い価 格 を 付 け た 種 子 を 販 売 す る
ことはできない。すなわち,販売業者間 のブランド内競争によって,既
存品種の価格が引き下げられると,元詰業者は,新たな品種はもとより,
他の競合品種の価格もそれとの見合いで 引き下げざるを得ず,ブランド
内競争は品種間の価格競争につながることになるのである。
また,被審人らは,毎年,基準価格の水準について検討・決定す る討
35
議研究会に小売部会長を同席させ,同人から小売業界を代表 する立場で
の意見を徴した上で,基準価格を決定していた。仮に,被審人らが主張
するように,元詰種子の取引 において ,価格が品種選択上の考慮要素に
ならないのであれば,元詰業者が基準価格について検討 ・決定する場 で
販売業界の意見を徴する必要はないはずであり,販売業者側からも,価
格についての意見ではなく,品種選択上の考慮要素である品質について
の意見しか出てこないはずである 。このことからしても ,品種間に価 格
競争がないという被審人の主張が誤りであることは明らかである。
ウ
取引段階を異にする取引先を包含 することの当否
需要者,小売業者,卸売業者及 び農協は,いずれも元詰業者が直接販
売する相手方である点で等しい立場に並んでいる。
その中で,取引段階,販売経路 に応じて 設定されていた共購価格,農
協価格,大卸価格(10袋)及び大卸価格(100袋)に係る基準価格
は,討議研究会で決定された小売価格 の基準価格に一定率を乗じる形で
機械的に算出されていたこと ,アンケートも取引段階別 ,販売経路別に
は取られていないことからすると,少なくとも毎年決定される基準価格
が取引段階別,販売経路別に異なっていることについては ,中間業者 の
利ざや分の確保やいわゆるボリューム・ディスカウントを図るために小
売 価 格 の 基 準 価 格 よ り あ る 程 度 値 を 下 げる 必 要 性 を 反 映 し て そ の 差 異
が設けられたととらえるのが合理的であり,かかる価格体系は,取引段
階 や 販 売 経 路 の 異 な る も の を 代 替 性 が 認め ら れ な い よ う な 全 く 異 な る
商品と位置づけて構築されたものとは評価できない。また,このような
価格体系の下で,本件においては,取引単位,取引条件等の差異に 着目
した,特定の取引段階又は販売経路の需要者向けの合意は形成されてい
ない。したがって,基準価格の差異の存在自体をもって一定 の取引分野
を「取引段階別,販売経路別」に画定するのは適当ではない 。
(2)
平成10年度から平成13年度までを通じた一定の取引分野 の画定
一定の取引分野を判断するに当たっては ,取引の対象・地域・態様等に
応じて,違反者のした共同行為が対象 としている取引及びそれにより影響
を受ける 範囲 を検討 し ,その競争が実質的 に制限される 範囲を画定 し て,
一定の取引分野を決定するのが相当である(社会保険庁発注シール談合事
件,平成5年12月14日東京高等裁判所判決・公正取引委員会審決集4
36
0巻793頁∼794頁)。
本件合意は,基準価格を毎年決定し,当該基準価格の前年の基準価格か
ら の 変 動 に 沿 っ て 販 売 価 格 を 定 め て 販 売す る と い う よ う に 元 詰 業 者 の 継
続的な取引を前提とし,期間の限定がな いものであり,現に,毎年続け ら
れてきた。毎年の基準価格の決定及びその変動に基づく販売価格の決定は,
本件合意を継続して実施するに当たり,基準価格を設定する 間隔を1年ご
ととしていたにすぎないのである。すなわち,32社は,共同行為の対 象
を単年度ではなく,毎年発売する(4種類それぞれの)元詰種子の 販売と
とらえていたのである。したがって,本件における一定の取引分野は,年
度ごとではなく,平成10年度から平成13年度までを通した4種類それ
ぞれの元詰種子の販売分野と画定 される 。
なお,元詰種子の需要者は,前年度から継続して販売されている品種の
種子はその特性が同じであることを前提 に,当年度に販売される 新しい品
種を含めた品種の間で種子の選択 をするのであるから,各年度の品種の間
で代替性がないとする主張には根拠がない。
本件合意は,基準価格を毎年決定し,当該基準価格の前年度 からの変動
に沿って販売価格を定めて販売することを内容とするものであって,被審
人 サ カ タ の タ ネ が 掲 げ る各 事 件 の よ う に年 度 ご と の 合 意 を 違 反 行 為 と し
てとらえた事件とは事案が異なり ,これらを先例として ,整合性の有 無を
論じることに意味がない。
(3)
本件合意について
ア
本件合意の形成過程
審査官は,平成10年3月19日以前 における本件合意の形成過程に
ついて論じるものではないが,本件合意の存在については後記のとおり
立証がなされている。
イ
本件合意の推認方法
32社の共通の認識・認容と毎年の実施行為を合わせてみる ことによ
り,32社による本件合意が立証 される 。
(ア) 32社による共通の認識・認容
供述から,32社が元詰部会において 4種類の元詰種子の基準価格
を決定することにとどまらず,各社が基準価格の変動に沿って販売価
格を定めることを共通に認識 ・認容していたことが明らかであり,こ
37
れは毎年基準価格を 決定し,当該基準価格の前年度からの変動に沿っ
て自社の販売価格を設定して販売 することの認識のみならず,同業他
社が自社と同様の行動を採ることについての認容をも含むものであ
る。
(イ)
毎年の実施行為
32社が,毎年,基準価格を決定し,その変動を基に自社の 販売価
格を設定して販売していた事実,すなわち元詰業者が毎年継続して情
報交換,意見交換の会合を行っており,そこで交換された情報,意見
の内容を踏まえて4種類の元詰種子について各社が販売価格を定め
る際の基準となる価格である基準価格を決定していた事実及び32
社が決定された基準価格の変動に沿ってそれぞれの販売価格をおお
むね引き上げ,又は維持 していたという斉一的な行動が採られていた
事実があり,これらは「共通 の認識・認容 」に即した事実であるので,
本件においては,ある一方の社の対価引上げ又は維持を他社 が単に認
識,認容するにとどまらず ,相互に他の事業者の対価の引上 げ又は維
持行為を認識し,暗黙のうちに認容する 「意思の連絡」が32社間に
成立していたと認められる。
(ウ)
基準価格の決定が討議研究会で行われたこと
毎年の基準価格の決定行為は,元詰部会の活動の一環として 行われ
たものでもあるが , 同時に,32社が行っていたものでもある の で ,
本件合意の存在を基礎づける間接事実とみることに不合理はない。
事業者団体の会合の場においてなされた 意思決定は,当該団体の 統
制的意思を形成し,構成事業者を従わせるものであると同時 に,その
実態において,当該決定 に参加した事業者間の相互の共同意思の形成
によるものと評価することも可能 な場合 があり,そのような場合 には,
当該決定の主体とみることのできる事業者に対して独占禁止法第3
条を適用することが可能になる 。石油価格協定事件判決にいう,「事
業者団体によって行われた行為が同時に当該事業者団体を構成する
各事業者の従業者等によって行われたと 観念しうる事情 」とは,事業
者団体における会合の場においてなされた意思決定が,同時に,その
実態において,当該決定 に参加した事業者間の相互の共同意思の形成
によるものと評価することも可能な事情を示すものであると解すべ
38
きである。そして,本件においては,毎年基準価格を決定し,当該基
準価格の前年度からの変動に沿って販売価格を定めるという合意の
下,基準価格を決定しているのであり ,本件合意が32社の間の相互
の共同意思の形成によるものと評価し得るから,その実施行為である
基準価格決定の主体も事業者と評価できる。
さらに,討議研究会では ,自社の経営上の必要性から値上げ を主張
する出席者がいたこと,また,元詰業者各社は,値上げができる経 済
環境にあるときには,できる限り値上 げしたい又は企業として適正な
価格で販売したいといった自社の利益のことを考え,基準価格ひいて
は販売価格を決めてきたことからも,本件が「事業者団体を構成する
各事業者の従業者等によりその業務に関して行われたと観念しうる
事情のあるとき」に 該当することは明らかである。
32社は,基準価格の決定を自社の販売価格を定めるためのものと
認識 しているのだから ,単に討議研究会 に参加しているだけでな く ,
32社の業務に関して行っているという認識でいたことは疑う余地
がない。
平成10年度から平成13年度における討議研究会の出席者が3
2社と一致 しない 事実は,かかる 評価を妨げるものではない 。 ま た,
討議研究会で挨拶・司会を行った者の肩書きが何であれ ,被審人らを
始めとする32社が一堂に会する会合で基準価格が決定されていた
ことに変わりはなく,また ,32社の代表者等以外の者が参加してい
るからといって基準価格の決定が事業者間の行為でなくなるという
結論は導かれない。
ウ
討議研究会の欠席者 が存在すること
32社の間では,討議研究会 を欠席した 者が,出席した 他社から会合
で決まった 基準価格 を教わる,基準価格 をメモした一覧表 を入手す る,
討 議 研 究 会 に 出 席 し た 本 件 合 意 参 加 者 の価 格 表 を 確 認 す る と い っ た 方
法により基準価格の動向を把握した上で,基準価格の前年度からの変動
に沿って自社の販売価格を決定することとしていたことについて,相互
に認識していた状況が認められる 。
討議研究会に欠席したことのある 5社(被審人増田採種場 ,同中原採
種場,同宝種苗,被審人外野崎採種場及 び同山陽種苗)も本件合意内容
39
を認識・認容していた。
上記5社のいずれも,平成10年の討議研究会には出席しており,討
議研究会を欠席した年度においても,討議研究会に出席した 元詰業者の
作成した価格表に掲載された価格が討議研究会で決定した基準価格の
変動を反映したものであることを 認識した上で,その価格表を確 認する
ことにより,それぞれ,4種類 の元詰種子について,自社の価格表価格
等を引き上げ又は据え置き,基準価格 の前年度からの変動に沿って販売
価格を定めて販売していた。このように ,元詰業者は,討議研究会に欠
席しても 他社 の価格表価格 から基準価格 を知ることができたのであ り ,
欠 席 者 が 自 社 の 販 売 価 格 を 基 準 価 格 の 変動 に 沿 っ て 定 め る 上 で 何 ら 差
し支えはなかった。
討議研究会に欠席した者が,独自の企業行動として他社の価格表を入
手して独自に自社の販売価格を決定しているとの主張,出席者と の間で
相互の意思の連絡がないとする主張は事実に反する。
エ
中途参加者が本件合意の当事者に含まれるか
雪印種苗及び後藤種苗は,各社が基準価格の前年の基準価格 からの変
動に沿って販売価格を定めて販売 するという本件合意の内容 を認識・認
容していた。
オ
基準価格の変動に沿った価格設定をしていない者が合意の当事者に
含まれるか
本件合意の内容について,証拠上,他社 と共通の認識・認容を有し て
いると認められない者は,本件合意の当事者として認められない。さ ら
に,本件合意の内容が,基準価格の決定 にとどまらず,基準価格の 変動
に沿って販売価格を定めることである以上,基準価格を決める討議研究
会に出席していたとしても,本件合意 に基づいて販売価格を定めている
と認められなければ,本件合意の当事者 であるとは認め難い。
カ
9種類の野菜の種子を対象とする 行為であるか
本件審判対象は4種類の元詰種子の販売分野における独占禁止法違
反行為の成否であるから,これに含まれない別の元詰種子について違反
行為が認められたかどうかは,本件の成否とは無関係である 。
(4)
本件合意の相互拘束性
ア
本件合意が抽象的であること
40
本件では,基準価格が据え置かれた場合に自社の販売価格を据え置く
ことはもちろん,基準価格が引き上げられた場合においても 自社の販売
価格 をいくら 引き上げたらよいか 分からない 事態が生じることは な く ,
現に生じていない。
したがって,32社各社にとって本件合意は,単に「毎年販売価格を
定めて販売すること」を合意 したという 抽象的なものではなく,毎年基
準価格を決定し,決定された基準価格 の変動に沿って販売価格を定める
こととする点で,規範性を有するとともに,具体的で実行可能なもので
あった。
4種類の元詰種子について,種類ごとに ,32社が基準価格を毎年決
定し,各社は当該基準価格の前年の基準価格からの変動に沿って各社の
4 種 類 の 元 詰 種 子 の 品 種 ご と の 販 売 価 格を 定 め て 販 売 す る 旨 の 合 意 が
いったん成立すれば,32 社は,かかる 合意を実施すべく,毎年決定さ
れる基準価格に従って自社の販売価格を改定するという行動 を採り,自
主的な判断に基づく価格設定の努力を行わないこととなる 。つまり ,本
件合意によって,合意参加者 は互いに ,各社が自由かつ自主的な判断に
基 づ い て 自 己 の 販 売 価 格 を 決 定 す る 行 動を 制 約 す る こ と に な る の で あ
る。
イ
等級区分が不明確であること
「A」,「B」及び「C」の区分 は,各社が,品質等の違いを反映し
た価格差のある多数の品種の販売価格を定める際に,価格水準の 高いも
のから低いものまでをカバーできるよう 位置づけられた基準 である。元
詰業者の間では,それぞれの種類の元詰種子ごとに品種の特性に応じて,
類似・同種品種の範囲について大体共通 したイメージがある 。このこと
は,品種改良により耐病性に優れた品種など付加価値が異なる新たな品
種が開発された場合には,当該品種の開発コスト・採種 コストを反映し
た 新 た な 価 格 帯 に 対 応 さ せ る 新 区 分 が 設け ら れ て い た 経 緯 か ら 明 ら か
である。このために,討議研究会において基準価格が決定され,前年度
からの 変動 が決まれば ,32社は,自社が販売する元詰種子 のど れ が,
基 準 価 格 の ど の 区 分 の 変 動 に 沿 っ て 価 格を 定 め る べ き も の で あ る か に
ついて分かるのである。
ウ
基準価格の実効性,拘束性
41
本件合意 は,単なる値ごろ感のすり 合わせにとどまるものではな く ,
販売価格に係る相互拘束を目指したものである。
エ
基準価格と価格表価格との連動性
(ア) 基 準 価 格 の 変 動 と 価 格 表 価 格 の 変 動 に 連 動 性 が あ る こ と は 明 ら か
である。32社は,いずれも販売価格 を基準価格の前年度からの変動
に沿って設定している旨供述している。
(イ)
本件合意は,ある年度の販売価格は,「当該年度の基準価格 」の「前
年度の基準価格」からの「変動 に沿って 」定めるという内容の合意で
あり,当該合意に基づいて販売価格が定められていたか否かについて
は,ある年度における価格表価格が当該年度の基準価格の前年度の基
準価格 からの 変動 に沿って定められているか 否かをみるべきで あ る 。
具体的には,「前年度において基準価格と一致する品種の平均変動額
と平均変動率」及び「前年度において 基準価格と一致しない 品種の平
均変動額と平均変動率」を比較すること により,基準価格と価格表価
格との連動性は明らかである。
(ウ)
基準価格と価格表価格との連動性 を変動額・変動率の平均値によっ
てみることは ,4種類の野菜の元詰種子 のそれぞれを 全体的 にみ て,
本件合意の実効性,ひいては実質的な競争の制限の成否を判断しよう
とするという観点からは適切なものであり,各品種を価格帯別に 7段
階に分類した上で各階層の平均を求めることにより,平均値は実 際の
価格変動を十分に反映している。
オ
価格表価格等と実売価格との連動性
価格表価格等は,取引先との 単なる価格交渉の出発点ではなく,各社
が取引先に自社交配種をいくらで販売するかという対外的な意思の表
れであり,実売価格がこれと無関係に定まることはない。各社は,販売
時においては 価格表価格等 どおりの 価格で販売することが 通常で あ り,
その後,値引きや割戻しを行う場合であっても,販売状況等により事 前
に決めた一定の率を適用したり ,品種別 にではなく,全体の販売額に 応
じて割戻しをするなどしているので,かかる修正を含めて考えても,販
売価格 は,価格表価格 等 の変動に沿って変動する仕組みになってい る 。
したがって,「販売価格(実売価格)」 の具体的算定方法についての合
意を伴わなくとも,販売価格の変動を基準価格の変動に沿ったものとす
42
る旨の合意がある以上,販売価格についての合意とみるに何ら妨げはな
い。
(5)
過去の不問事件との関係
そもそも,独占禁止法違反の認識の有無 は,違反行為の存在及び措置の
要否を左右しない。
付言するならば,被審人らは,平成6年において,既に自らの活動 が独
占 禁 止 法 に 抵 触 す る お そ れ が あ る と 認 識し つ つ 本 件 行 為 に 臨 ん で い た 事
実が認められ,被審人タキイ種苗 の主張 は事実に反する。
なお,昭和32年の事案は,基準価格 の決定方法及び販売価格との連動
関係という事実において,本件とは異なることから,当時の不問措置 が本
件にも維持されるべきとの理由はない。
(6)
排除措置の必要性
区分機東京高裁判決の判示内容から,独占禁止法第54条第 2項に基づ
き,公正取引委員会が「特に必要がある 」と認めて排除措置を命ずべき場
合とは,違反行為と同一ないし社会通念上同一性があると考え得る行為が
将来繰 り返されるおそ れがある 場合や,違反行為 の結果が残存して お り,
競争秩序の回復が不十分である場合が該当する。
本件では,以下の理由から,被審人らが 再び基準価格を定め,その変動
に沿って販売価格を定めて販売する蓋然性が認められる。
被審人らは,販売価格は種子 の価値を表すものであって ,種子の価値を
高めたいという共通の認識を持っており ,販売価格の決定においては ,競
合 す る 他 社 の 交 配 種 の 価格 を 考 慮 要 素 と し て い る 事 情 に 変 化 は な い こ と
から,本件違反行為の誘因は引き続き存在している。
被審人らは,各社単独では元詰種子の販売価格を引き上げることは難し
く,各社が協調的に販売価格を決定する 必要があった。
被審人 らは ,自己 の販 売価格について 引上げや据置きを決定する た め,
指標として基準価格を必要としていた。
また,被審人らの間には長期間にわたって維持・確立された協調関係が
あり,かつ違反行為が終 了した経緯から自発的な再発防止措置を期待する
ことが困難であるので,本件違反行為 と同一ないし社会通念上同一性があ
ると考え得る行為を将来繰り返すおそれがあることから,被審人 19社に
対し,独占禁止法第54条第2項に基づく措置を命じる必要 がある。
43
第4
審判官の判断
1
一定の取引分野の画定
(1)
品種間競争の存否
被審人サカタのタネは,野菜 の元詰種子 の各品種は,他の品種にない独
自の商品特性を有しており,品種相互間に商品としての代替性を認めるこ
とができないので,品種間には競争が存在しない旨主張する 。
確かに,いわゆる産地においては,農協 が主体となって,必要な特 性を
備 え て い る か ど う か と い う 観 点 か ら 繰 り返 し 試 作 し て い る こ と が 認 め ら
れるが,試作の対象とする品種は元詰業者からの情報提供や他産地におけ
る使用例等により選ばれること(柏市農業協同組合経済部指導販売課長長
妻英樹(以下「長妻」という。)の参考人審訊における供述[第16回審
判速記録66頁],ちばみどり農業協同組合営農指導担当課長宮内貴志(以
下「宮内」という。)の参考人審訊における供述[第17回審判速記録4
6頁]),試作の結果選択される 推奨品種は一つに限られないこと(里浦
農業協同組合代表理事組合長戸井豊治(以下「戸井」という。)の参考人
審訊における供述[第16回審判速記録 37頁],長妻の参考人審訊に お
ける供述[同59頁]),また,新しい品種が採用され従来 の品種が推奨
品種から外れることがあること(長野八ヶ岳農業協同組合農業部指導野菜
課課長油井信隆(以下「油井」という。)の参考人審訊における供述[第
17回審判速記録5頁])が認められるのであり,これによれば,需要者
は土壌や作型への適性について多くの品種を比較検討し,相対的 にふさわ
しい品種を選択しているのであって,元詰種子に関して品種間に競争が存
在しないとする被審人の主張は採用できない。
(2)
品種間価格競争の存否
ア
被審人タキイ種苗及び被審人サカタのタネは,産地における農家の品
種選択に特に明らかなとおり,需要者 の品種選択に当たっての考慮要素
は品種の特性のみであって,価格によって品種を選択することはないの
で,元詰業者の間に価格をめぐる 競争は存在しない旨主張する。
確かに,産地において推奨品種の指定を行っている農協は,推奨品種
を決定するに当たり,品種の特性に着目 しており,その 価格にはほとん
ど関心を払っていない状況が認められる(油井の参考人審訊における供
述[第17回審判速記録19頁])。
44
しかし,農協は,産地の農家が当該推奨品種がどのような価格であっ
ても購入すると考えているわけではなく(宮内の参考人審訊における供
述[第17回審判速記録69頁∼70 頁]),比較対照をした他の品種
あ る い は 前 年 度 の 単 価 と 価 格 は そ う 大 きく 変 わ ら な い と の 認 識 の 下 で
品種選択を行っている (戸井の参考人審訊における供述[第16 回審判
速記録30頁],油井の参考人審訊における供述[第17回審判速記録
35頁]) と認められる。
さらに,産地においても ,同一品種に関する小売店同士の価格競争は
行われており(被審人カネコ 種苗常務取締役(平成10 年から平成1 3
年までの間は同社の種苗部長 )金子昌彦 の参考人審訊における供述[ 第
11回審判速記録3頁,18頁]),この競争によりある品種の価格が
低 下 す る こ と と な れ ば 上 記 の 品 種 間 の 価格 バ ラ ン ス か ら 同 様 の 特 性 を
有する他の品種の価格にも影響が及ぶことがあり得る。
また,被審人らの代表者等 は,本件行為 の動機として,各社が同じ よ
うな価格で取引先に販売することによって流通段階での値崩れを防ぐ
旨の供述をしており(査第33号証31 頁∼32頁,査第34号証2 5
頁,査第37号証21頁,査第 38号証 22頁∼23頁,査第43 号証
22頁,査第44号証19 頁,査第45 号証22頁,査第46号証23
頁,査第49号証23頁,査第 51号証 24頁∼25頁,査第52 号証
24頁,査第53号証15 頁),これは 正に潜在的に価格競争が存在す
るとの元詰業者の認識を示しているものと認められる。
したがって,需要者とりわけ産地における品種選択において 品種間価
格競争が顕在化していないとしても,元詰種子の品種間価格競争が存在
しないということはできず,この点に関する被審人らの主張 は採用でき
ない。
イ
被審人サカタのタネ は,「流通段階での 値崩れを防ぐ」といった抽象
的な供述内容から,品種間の価格競争の存在を認めることはできないと
主張するが,仮に,品種間の価格競争がないのであれば,各社が同じよ
う な 価 格 で 取 引 先 に 販 売す る こ と に よ っ て 流 通 段 階 での 値 崩 れ を 防 ぐ
必要は全くないのであるから ,被審人サカタのタネの主張は当たらない。
また,元詰業者は,その価格設定に当たっては,品種の価値に見合っ
た価格を設定することを重視しており,具体的には新品種について同様
45
の特性を有する競合品種の価格を意識して販売価格を定めている(審A
第5号証4頁,審B第5号証6頁)。これらは新品種の価格設定の方法
ではあるが,品種間に 価格競争がないとすれば採り得ない行動 である。。
また,元詰業者は,既存品種と非常に品質が似た品種を安い価格で販
売されることが他社にシェアを奪われる要因となり得るとの認識を
持っており,他社と競合する 既存の品種 の売上げを維持するために,他
社の類似品種の価格動向を考慮している(被審人増田採種場総務経理部
長増田秀美(以下「増田採種場の増田」という。)の参考人審訊におけ
る供述[第13回審判速記録9頁∼10頁])ほか,自社の新品種を野
菜栽培農家や農協に採用してもらうに当たり,自社の生産する元詰種子
を取り扱う販売業者に,他の元詰業者 の提示価格より安い価格を提示す
ることなどによって,試験栽培の対象 に選ばれるよう野菜栽培農家や農
協に売り込むことに注力させるようにし (同前),販売業者に対する値
引 率 を 大 き く す る こ と に よ り 自 社 の 種 子を 多 く 取 り 扱 っ て も ら お う と
したり(被審人みかど育種農場代表取締役越部圓の代表者審訊における
供述[同45頁]),あるいは,他の元詰業者の競合品種の売り込みが
予 想 さ れ る 販 売 業 者 に 対 し て は 値 引 率 を大 き く し て 対 抗 し よ う と す る
(審C第4号証4頁)など の事実が認められる。このように,元詰業者
が 価 格 競 争 の 存 在 を 認 識 し て い た こ と を示 す 証 拠 は 他 に も 多 数 存 在 し
(審C第6号証2頁,審C第13号証の1の4頁,審C第15号証3頁,
審C第17号証2頁,審D第1号証3頁),一部の被審人らによる例外
的な認識とはいえない。
したがって,元詰種子の取引において 品種間の価格競争の余地がない,
又は品種間価格競争が一部に存在するとしても極めて限られたもので
あるとの被審人タキイ種苗及び被審人サカタのタネの主張は理由がな
い。
(3)
取引段階を異にする取引先を包含 することの当否
被審人17社は,元詰業者の取引先には 卸売業者と小売業者 があり,取
引段階が異なるので,これらを包含した一定の取引分野を画定することは
できないと主張する。
しかしながら,一定の取引分野は,競争制限効果の及ぶ場であって,単
一の取引段階についてのみ画定されるべきものではない。本件においては,
46
元詰業者の販売先がいくつかの取引段階 に分類され得るとしても,元詰業
者は,最終的には需要者に販売されることを前提として取引形態ごとの価
格設定をしている実態にあるので あるから,直接の取引先の取引段階が異
なるとしても,元詰業者が最終的には 需要者向けとして販売 する分野とし
て一つの一定の取引分野を画定することができる。
なお ,前記 第1の3(1),3(2)及び5(1)のとおり ,基準価格及 び 価 格
表 価 格 は 取 引 形 態 ご と に小 売 業 者 の 販 売す る 価 格 又 は 卸 売 業 者 の販 売 す
る価格として設定され,取引段階の異なる価格を含むところ ,元詰業者が
卸売業者 に販売 する 場合は当該価格 から卸売業者 のマージン (小売 価 格,
農協価格等にあっては小売業者のマージン分を含む。)を除いた 価格を基
に販売価格を定めているのであって,本件合意の影響は一体 として各取引
段階の販売価格に及んでいると認められる。
(4)
平成10年度から平成13年度までを通じた一定の取引分野 の画定
被審人サカタのタネは,供給者及び需要者において毎年新しい種子を取
引する必要があること,毎年の販売価格は毎年異なる作柄に左右されるこ
と,本件合意の存在を仮定した場合でも ,具体的な販売価格を設定するた
めには,各年度ごとに基準価格の決定,等級区分のランク分け,値引率の
決定が必要であることの諸事情が認められるので,一定の取引分野は各年
度ごとに画定されるべき事案である旨主張する。
交配種の種子が基本的に毎年度取引される商品であることは被審人主
張のとおりであるが,年度ごとに販売価格を設定するのは ,時々の需給関
係を価格に反映させる必要があるからに すぎず,それ故に年度を超えた長
期 に わ た り 継 続 す る 取 引 市 場 の 存 在 が 否定 さ れ る こ と に は な ら な い の で
あって,毎年新たな競争関係が一から形成されることにはならない。
本件においては,元詰種子についての 元詰業者とその取引先 との間の取
引が毎年度繰り返されていたのであり,また,本件行為 は平成10年 度か
ら平成13年度までの間行われていたのであるから,当該期間を通じた一
個の一定の取引分野を画定することができる。
(5)
以上のとおりであるから,本件においては,4種類の元詰種子のそれぞ
れごとに,前記(3)の取引段階及び同(4)の期間を通じた一定 の取引分野を
画定することができる。
2
本件合意の存否
47
(1)
本件合意の認定方法
本件合意が遅くとも平成10年3月19 日以降存在していたことは,前
記第1の5(2)のとおり,本件合意 に関する 各社代表者等 の供述証 拠と ,
そ の 供 述 内 容 等 を 裏 付 ける 形 で 基 準 価 格の 決 定 等 の 行 為 が 平 成 1 0 年 3
月 1 9 日 か ら 平 成 1 3 年1 0 月 4 日 ま で の 間 行 わ れ て い た こ と か ら 認 定
することができる。
ア
供述証拠に基づく認 定
被審人17社は,供述からは 実施行為を認識・認容していることしか
認定 できず ,本件合意 を認定することはできないと 主張するととも に ,
①供述から認定できる各社の行為主体に係る認識は概括的,片面的であ
り,32社各社が32社によって本件合意がなされたことを 相互に認識
していたとはいえない,②「この基準価格を目安として…販売すること
としておりました」という供述は,事実としてこのようにしていたとい
う表現 であって ,これから 本件合意 の存在を立証することはでき な い ,
③同業他社が自社と同様の行動を採ることについて認容していたこと
が認められるような供述は存在しないと 主張する。
しかし,32社の代表者等の供述は,共通して,「我々元詰業者」す
なわち「自己及び他の元詰業者」の行為として述べているものであるか
ら,これにより ,各社の認識の共通性 ,相互性 が認められ るので あ り ,
片面的認識にすぎないとの指摘は当たらない。また ,同業他社が自社と
同様の行動を採ることを認容していたことも明らかである。
また,各社代表者等の供述における「基準とする価格について話し
合って決めており,…各社はこの基準販売価格を目安として 自社交配種
の販売価格を設定したうえで販売 することとしておりました 」とか「各
元詰業者の販売の基準となる価格を前年価格からの値上げ率や値上げ
幅を決める形で決め,この基準販売価格を目安として販売することに
なっておりました」等の表現 から,32社が将来にわたって 毎年3月に
基準価格を決定し,基準価格に沿った 価格で販売することが 元詰業者の
間で相互に認識されていたことが 認定できるので,毎年の実施行為にと
どまらない継続的な合意が存在していたことが認められる。
イ
本件合意の形成過程
被審人17社は,審査官 の主張によれば平成7年以降のわずか3回の
48
会合で本件合意が黙示のうちに形成されたことになるがそのようなこ
とはあり得ないと主張する。
しかしながら,被審人17社の主張によっても,あり得べき本件合意
の形成過程がすべて否定されるわけではない。そして ,本件合意 が形成
された時点は特定できないものの,前記第1の5(2)及び後記(2)のとお
り,32社の代表者等の供述及び平成 10年3月19日以降 における3
2社の行為から,遅くとも平成10年3月19日以降本件合意が存在し
ていたことを認定することができるので ,被審人17社の主張に は理由
がない。
(2)
本件合意の主体
被審人タキイ種苗及び被審人サカタのタネは,基準価格の決定の 主体は
元詰部会であって,32社ではなく,32社を主体とする違反行為は認め
られない旨を主張する。また,被審人17社は,毎年3月の基準価格の決
定 は 事 業 者 団 体 の 会 合 で あ る 討 議 研 究 会に お い て 行 わ れ て い た の で あ っ
て,事業者間の合意が成立することはあり得ず,基準価格の決定から 32
社の事業者による本件合意を推認 することもできないと主張 する。
しかし,32社が本件合意の主体であることは,基準価格決定の主体に
係る事実関係からではなく,32社の代表者等の供述から導かれる。すな
わち,32社の代表者等は,行為の主体 として「我々元詰業者」等と 供述
しており,本件合意の当事者は「元詰業者」であると認識していたものと
解されるので,本件合意の主体は元詰業者たる者であると認められるので
あり,そして,基準価格を決定する場は討議研究会であることが併せて供
述されているから,これらを 総合すれば「討議研究会に出席すべき元詰業
者」(すなわち32社)が本件合意の主体であるとの概括的 な認識が32
社にあったと認めることができるというべきである。
基準価格の決定の場が討議研究会 であったことや,討議研究会に 32社
以外の者が在席していたことは,32 社による本件合意の内容と矛盾する
ものではなく,本件合意の存在を裏付ける上で何ら妨げにならない。のみ
ならず,本件において,基準価格の決定 は,これを事業者団体の行為とし
て評価し得るとしても,同時 に,32 社が本件合意を各年度 ごとに実行す
る手段として行った行為と評価すること ができる。
(3)
討議研究会の欠席者が存在すること
49
ア
前記第 1の6(3)のとおり ,32社の中には,平成11年度以降 の 討
議研究会に欠席した者がいるが,これらの者は,欠席した 年度にあって
は,他社の価格表を確認 することにより,基準価格について認識をして,
これにより自社の価格表価格を設定していた。
イ
被審人サカタのタネ は,審査官提出の証拠からは,①討議研究会にお
ける議論の内容・結果等を欠席者に通知・連絡する具体的な方法の存在
を認めることはできず,②会合 の内容が実際に欠席者に通知・連絡され
たか否かについての確認も行われておらず,③出席者においては欠席者
が確かに 会合 の内容を理解していることを 認識しているわけではなく,
④ 出 席 者 は 欠 席 者 が 会 合の 内 容 を確 認 し得 た で あ ろ う こ と を 推 測し て
いるにすぎないので,出席者 と欠席者との 間に意思の連絡が人為的に形
成されたこと及び相互認識を認めることはできず,本件 において不当な
取引制限の成立要件である行為の共同性,意思の連絡の存在を認めるこ
とは不可能であると主張する。
確かに,討議研究会を欠席した者が当年度の基準価格の内容を知る方
法について,32社すべてが認識していたわけではない。しかし,一部
の者は,欠席しても基準価格 を知ることは容易であり,欠席者は何ら か
の方法で基準価格を知って同調するであろうとの認識を有していた(査
第11号証17頁,査第36号証11頁∼12頁,査第62号証 10頁)
のであり,その他の者も欠席者が基準価格を知る方法について無関心で
あっただけであって,欠席者は本件合意に基づいた行動を採らないとの
認識を有していたとは考えられない。したがって,欠席者が存在し,出
席 者 の 全 員 が 欠 席 者 へ の 連 絡 に 係 る 認 識を 持 た な か っ た こ と を も っ て
32社の間の意思連絡がないとする被審人サカタのタネの主張には理
由がない。
ウ
被審人17社は,欠席者 が基準価格を知っていても本件合意 の存在を
認識していなければ,違法な認識 とはいえないと主張する。
しかしながら,欠席者を含め32社が本件合意をしていたと 認められ
ることは,前記第1の5(2)及び前記(2)のとおりであるので ,上記主張
は理由がない。
また,被審人17社は,元詰業者が公表された他社の価格表 を参照し
て 自 ら の 価 格 を 決 定 す る こ と は 何 ら 非 難す べ き こ と で は な い と も 主 張
50
するが,欠席者も本件合意の当事者と認められる以上,その行為の一 部
を取り出して合法性を論じることには意味がなく,理由がない。
エ
さらに,被審人17社は,欠席したことのある元詰業者が基準価格と
は無関係に自らの価格を決定していることを,個別の元詰業者の価格決
定プロセスを挙げて主張し,これに沿う陳述書を提出する。
しかし,32社のうち討議研究会に欠席 した事業者は,他社の価格表
により基準価格を知り,これに基づいて自らの価格表価格を決定してい
たことは 前記 第1の6(3)のとおりであり,討議研究会 で決定し た基 準
価格に基づいて自らの価格を決定 していることに変わりはない。
また,欠席者を含む元詰業者 の価格設定 が,基準価格の変動と連動し
ていたことについては,後記3(4)に述べる。
オ
なお,被審人タキイ種苗は,本件合意が実効性を持つためには,欠席
者が何らかの方法で基準価格を把握するということが合意当事者間で
合意されていなければならないにもかかわらず,タキイ種苗を含 む少な
くとも数社は,欠席した 元詰業者が基準価格の内容を把握するのか否か
について認識していなかったのであり,本件合意には実効性 ,拘束性が
なかったと主張するが,前記イに述べたところと同様の理由 により,採
用できない。
(4)
中途参加者が本件合意の当事者に含まれるか
被審人サカタのタネは,雪印種苗及び後藤種苗について ,元詰部会に 加
入 し た 事 実 や 討 議 研 究 会に 出 席 し た 事 実を 根 拠 に 本 件 合 意 の 主 体で あ る
と認定することは,本件合意を違反行為とすることと矛盾する等と主張す
る。
しかし ,前記第 1の5 (2)のとおり ,上記2社について ,元詰部 会へ の
加 入 や 討 議 研 究 会 へ の 出席 の 事 実 の み に よ っ て 本 件 合 意 の 主 体 で あ る こ
とを認定するものではないのであるから ,その主張は当たらない。
また,被審人17社は,上記2社の代表者等が本件合意を知った経緯に
ついて供述がないと主張するが,上記 2社を本件合意の当事者と認定する
上で合意を知った経緯が明らかである必要はない。また ,上記2社が平成
1 3 年 度 の 価 格 表 価 格 を定 め る に 際 し て用 い た 前 年 度 の 自 社 の 価 格 表 価
格が前年度の基準価格を考慮したものではないとも主張するが,平成12
年度の価格表価格が基準価格を考慮したものであるか否かは,上記2社が
51
平 成 1 3 年 度 の 基 準 価 格の 決 定 以 降 に お い て 本 件 合 意 の 当 事 者 で あ る か
否かとは関係ない。さらに,被審人17 社は,上記2社の代表者等 の供述
を基に,基準価格決定 の主体及び基準価格 の拘束性 について 主張す る が,
これらの争点については当該箇所(前記 2(2),後記3(3))に述べるとお
りである。
(5)
基準価格の変動に沿った価格設定をしていない者が本件合意の当事者
に含まれるか
被審人17社は,だいこんについて被審人外渡辺農事が基準価格の変動
に 沿 っ て 販 売 価 格 を 定 め て い な い こ と は違 反 行 為 の 成 立 と は 無 関 係 で あ
るはずであるのに,同社を違反行為者 から除外しているのは 不当であると
主張する。
しかし ,本件 合意 は,前記第 1の5(1)のとおり,基準価格 を基 に 各 社
の販売価格を定めることを内容とするものであるから,販売価格 の定め方
が本件合意の成否と無関係とはいえない 上,だいこんについて被審人外渡
辺農事が本件合意の主体であるかどうかは,32社による本件合意の認定
に影響を及ぼすものではないから ,その 主張は理由がない。
(6)
9種類の野菜の種子を対象とする 行為であるか
32社の代表者等は,元詰業者が秋蒔 き種子である本件4種類の元詰種
子のほか,春蒔き種子(トマト,ナス,キュウリ,スイカ及びメロンの5
種類の元詰種子)について,毎年3月と8月に開催される元詰部会におい
て基準価格を定め,これに基づいて価格を設定していた旨の供述をしてい
るところ,被審人タキイ種苗は,基準価格の決定は,これら9種類 の元詰
種子を対象として行われたのであり,不当な取引制限は,行為(合意)時
点において競争が実質的に制限されるものと解されるのであ るから,不可
分一体の行為について,その結果生じた競争制限効果が異なるからといっ
て,当該行為の一部に合意があり一部に合意がないというのは,このこと
を基礎づける明らかな証拠がない 限りあり得ないと主張する 。また ,被審
人サカタのタネは,これら9種類の野菜の元詰種子ではなく 4種類の元詰
種子のみについて合意を認定することはできない旨主張する 。
しかし,上記5種類の春蒔き種子については,毎年8月の元詰部会で 基
準価格が話し合われている(査第36号証6頁)上,これら5種類の野 菜
の 元 詰 種 子 と 本 件 4 種 類の 元 詰 種 子 と で は 取 引 当 事 者 に 一 定 の 相 違 が あ
52
ることが認められる(査第36号証11 頁,日本農林社 の近藤の代表者審
訊における供述[第13回審判速記録54頁],増田採種場の増田の参 考
人審訊における供述[第13回審判速記録22頁])のであるから,これ
を別異の商品群と考えることができる。また,本件は,4種類の元詰種子
のそれぞれの販売分野ごとに一定 の取引分野を画定しているのであり,こ
れ以外の野菜の元詰種子とは一定 の取引分野を異にするから,他の野菜の
元詰種子に係る違反行為の有無は,本件違反行為の成否に影響しない。
3
本件合意の相互拘束性
(1)
本件合意が抽象的であること
被審人 サカタ のタネ 及び被審人 17社は,「毎年,基準価格 を決 定し ,
それに基づき販売価格を設定する 」との 本件合意は抽象的であり,現 実に
基準価格の決定が行われない限り,元詰業者としては具体的 な販売価格を
設定 することはできず ,相互の価格設定を予測することもできない か ら ,
独占禁止法第2条第6項の要件に該当しないと主張する。
しかしながら ,第2条第6項の「相互にその 事業活動 を拘束し」 と は,
本 来 自 由 で あ る べ き 各 事 業 者 の 事 業 活 動を 相 互 に 制 約 す る こ と を い う の
であって,具体的な販売価格を定めない限り事業活動の拘束 に当たらない
とは解されない。
本件においては,毎年基準価格を決定し,各社がそれに 基づき販売価格
を定める旨を合意していたのであり,これは,本来各社 が自由に行うべき
価格設定について各社を相互に拘束するものであるから,事業活動の拘束
に該当する。
(2)
等級区分が不明確であること
被審人タキイ種苗は,はくさい ,キャベツ 又はだいこんについて,
「A」,
「B」及び「C」の等級区分が抽象的であるため,具体的にどの 品種がど
の等級区分に対応するかを特定することが困難であり,実際にも ,32社
間 で 品 種 と 等 級 区 分 の 対 応 関 係 に つ い て共 通 の 認 識 は 存 在 し な い と 主 張
する。被審人サカタのタネは,各社の品種がどの等級区分に該当するかと
いう点について32社が合意していたとの主張がないので,相互拘束性が
ないと主張する。被審人17 社も,等級区分が何を意味するのか共通の認
識がなかったことを理由の一つとして,本件では相互認識が存在しなかっ
たと主張する。
53
確かに ,等級区分 の定義について 各社の理解は必ずしも 同一では な く,
また,他社のどの品種がどの等級区分 に属するか具体的には 知らなかった
元詰業者が多いと認められるが ,はくさい,キャベツ及びだいこんのそれ
ぞれについて,「A」,「B」及び「C」の順に後者の方が耐病性等の点
から高級な品種であり,この序列に応じて相対的に高い価格 が付されると
いう点においては,32社のいずれの理解も共通である(査第11号 証4
頁∼15頁,査第32号証9頁∼10頁,査第34号証7頁∼8頁)。
そもそも,等級区分が設けら れている理由は,種子の品種数が多く価 格
帯も広いため,基準価格を検討・決定する便宜上,代表的な品等のものと
して選び出されたものであり ,各社は自社 の各品種について「A」,「 B」
又は「C」のいずれか近いものの動向 に合わせて価格表価格 を設定するこ
ととしていると認められる(査第32号証8頁∼9頁,査第34号証 6頁
∼7頁)。そして,前年度の自社の各品種の価格表価格と各基準価格の相
対的上下関係は自社にとっては自明であるので,32社にとって ,価格表
価 格 の 設 定 に 当 た っ て 自社 の 各 品 種 に つ い て 参 照 す べ き 等 級 区 分 が 不 明
であるということはなかった。
したがって,現実に各社が,相互に,他社のどの品種がどの 等級区分に
属するかを具体的に知らなかったとしても,本件合意の相互拘束性の認定
は妨げられない。
(3)
基準価格の実効性,拘束性
ア
被審人17社は,基準価格と価格表価格との関係について審査官が引
用する供述調書(査第46 号証,査第50号証,査第51号証)の内容
を否定し,各社の具体的な価格設定方法及 び基準価格とは異なる価格設
定の例を挙げ,各社の価格設定は基準価格 とは無関係に行われたもので
あると主張し,これに沿う陳述書 を多数提出している。
イ
しかし,被審人各社は,基準価格と自社及び同業他社の価格 設定は大
体同様のものとなると考えていたと認められる(査第11号証22頁 ∼
23頁,査第33号証31頁∼32頁,査第34号証25頁,査第35
号証18頁∼19頁,査第36号証24 頁,査第37号証 21頁,査第
38号証4頁,22頁∼23頁,査第40号証25頁∼26 頁,査第4
1号証12頁∼13頁,査第43号証22頁∼23頁,査第44号証1
9頁,査第45号証21頁∼22 頁,査第46号証23頁,査第47号
54
証17頁∼18頁,査第 48号証17頁∼18頁,査第49号証2 3頁,
査第50号証19頁∼20頁,査第51 号証24頁,査第 52号証24
頁,査第53号証15頁∼16頁)。
ウ
また,32社は,毎年度,基準価格を検討するに当たり,討議研究会
において,まずアンケートによって出席元詰業者の意向を確認し,その
上で,据え置くか引き上げるかについてさらに議論を行いながら基準価
格を決定していたことは,下記の各年度の討議研究会の議事進行の記録
を 示 す 書 証 及び 決 定 さ れ た 基 準 価 格 の 各社 の メ モ に 係る 書 証 に よ り 優
に認められるのであって,下記書証のうち 供述調書の内容もこれと整合
的である(当該供述調書の信用性については後記4に述べる。)。そし
て,この基準価格は,単なる情報提供や予測ではなく,各社の意見を収
斂させるプロセスを経て決定されたものであって,アンケートや席上で
述べた意見とは異なる結論となった事業者も,決定された基準価格を 各
自メモしており,決定された 基準価格が各社の合意事項であって各社の
価 格 表 価 格 の設 定 に 影 響す べ き も の と の認 識 を 有 し て い た と 認 め ら れ
る。
(以上 ,第1の6(2)に摘示した証拠のほか ,各年度 の討議研 究 会 の
議事進行の記録を示す書証として,査第 78号証,査第79号証,査第
83号証,査第84号証,査第91号証 ,査第94号証,査第102号
証,査第107号証,査第110号証,査第112号証添付資料3∼5
枚目[以上,平成10年度 ],査第112号証添付資料13∼15枚目,
査第 119 号証 ,査第123 号証,査第126 号証,査第127号 証,
査第 129 号証 ,査第133 号証,査第143 号証,査第147 号 証,
査第152号証,査第162号証,査第165号証,査第166号証[ 以
上,平成11年度],査第167号証,査第173号証,査第174号
証,査第177号証,査第178号証,査第181号証,査第186号
証,査第190号証,査第 191号証,査第199号証[以上,平 成1
2年度],査第207号証,査第209 号証,査第217号証,査 第2
18号証,査第224号証,査第228 号証,査第231号証,査第2
32号証,査第235号証,査第237 号証,査第238号証,査第2
44号証,査第246号証∼第248 号証[以上,平成13年度]。決
定された基準価格の各社のメモに係る書証として,査第 80号証,査第
55
82号証,査第83号証,査第86号証,査第88号証,査第90号証,
査第92号証,査第93号証,査第95 号証,査第96号証,査第9 8
号証,査第100号証,査第 101号証 ,査第103号証,査第104
号証,査第106号証∼第108号証,査第111号証[以上,平成1
0年度],査第116号証,査第 122 号証,査第126号証∼第12
8号証,査第130号証,査第132号証,査第135号証,査第1 3
7号証,査第139号証,査第140号証,査第142号証,査第1 4
4号証,査第145号証,査第 150号証,査第153号証∼第156
号証,査第159号証∼第163号証,査第166号証[以上,平成1
1年度],査第177号証,査第 180 号証,査第182号証∼ 第18
5号証,査第189号証,査第 195号証,査第201号証∼第203
号証,査第206号証[以上,平成12 年度],査第213号証,査 第
219号証,査第222号証,査第223号証,査第225号証,査 第
226号証,査第228号証,査第229号証,査第236号証,査 第
241号証,査第243号証 ,査第247 号証,査第249 号証[以上,
平成13年度]。)
そして,32社は,基準価格が決定されたこと及びその内容 を知った
上で自社の価格表価格を設定していると 認められるので ,その際 ,必ず
しも基準価格の変動どおりの価格設定をしない品種が一部あるとして
も,32社が基準価格と無関係な価格設定を行っていたとは 認められな
い。
エ
被審人 17 社は,特に8社(被審人 みかど 育種農場 ,同トキタ種 苗,
同丸種,同横浜植木,同山陽種苗,同宝種苗,同中原採種場,同増田採
種場及び被審人外山陽種苗)について ,基準価格とは無関係 に自社の価
格表価格を決定していたと主張し,これら各社の価格表価格決定のプロ
セスについて記載した陳述書を提出している。
しかし,被審人17社に属する元詰業者 が,討議研究会において,各
社が基準価格をどうするかについて,自社の販売価格との連動を前提と
する発言をしていることが明らかである(平成10年度 において ,被審
人渡辺採種場,同中原採種場,同丸種,同増田採種場,同みかど 育種農
場,同タカヤマシード及び同アサヒ農園(査第78号証),平成11年
度において,被審人渡辺採種場,同みかど育種農場,同石井育種場,同
56
増田採種場,同松永種苗,同アサヒ農園 ,同ナント種苗及び同タカヤマ
シード (査第 129 号 証,査第133 号証),平成12年度にお い て,
被審人タカヤマシード,同石井育種場,同松永種苗,同トキタ種 苗,同
丸種,同みかど育種農場,同野原種苗及び同アサヒ農園(査第173号
証),平成13年度において,被審人丸種,同中原採種場,同石井育種
場,同トキタ種苗,同タカヤマシード及び同ナント種苗(査第246号
証))。
討議研究会における発言の有無が明らかではないカネコ種苗,日本農
林社,大和農園種苗販売部,宝種苗及び横浜植木についても,上記 ウの
とおり,決定された基準価格 についての メモが存在し,自社の価格設定
とは無関係のものと認識しつつ討議研究会に出席していたものとは認
められない。
また,被審人サカタのタネの担当者は,価格表価格の設定に当たって
基準価格を全然無視することはできないとの認識を有していたこと,前
年度において基準価格と同じ価格表価格である品種については基準価
格のままに価格表に価格を記載していたことを明確に自認している(審
B第5号証1頁,6頁,被審人サカタ のタネ卸部部長であった葛城優の
参考人審訊における供述[第12 回審判速記録41頁])。
以上から,32社ないしその一部の社が自社の価格表価格を基準価格
とは無関係に設定していたとの主張は採用できない。
オ
また,被審人17社は,被審人増田採種場及び被審人中原採種場の代
表取締役の供述調書(査第40号証,査第41号証及び査第 47号証)
について,供述者は価格表価格を決定 する上で何らの役割を果たしてい
ない者又は自社の価格表価格決定方法を理解していない者であり,供述
を得る対象者を誤ったものであることを 主張する。
しかしながら,これらの者は,少なくとも平成10年3月及 び平成1
3年3月の討議研究会に出席しており,かつ代表者として自社の価格表
価格について決定する最終的な権限を有する者であるので,その 供述調
書には証明力が認められる。
(4)
基準価格と価格表価格との連動性
ア
被審人17社は,査第407号証ないし査第410号証及び査第41
7 号 証 な い し 査 第 4 2 0 号 証 に お い て 観察 さ れ る 各 年 度 の 品 種 ご と の
57
価格表価格の動きについて,基準価格 と連動していないとする事例を挙
げて 4つの 類型 (第3の1(3)カ(ア)a(a)に掲げる①ないし ④)に分 け ,
4つの類型のいずれかに当たる年度のある品種が,基準価格に定 められ
る容量と同じ容量で価格表に掲載 されている4,286 品種中1 ,30
7品種(30.5パーセント),基準価格に定められる容量 とは異なる
容量で価格表に掲載されている681品種中292品種(②又は ③に該
当する品種のみ計上)(42.9パーセント),総計4,967品種中
1,599品種(32.2パーセント)に上ること等から,本件合意が
存在しなかった旨主張する。
イ
しかし,まず,被審人17社の上記集計 では,平成10年度から平 成
13年度までの4回の価格表価格設定において①ないし④に当てはま
ることが1回でもあれば,基準価格と連動していない品種に該当するも
のとして処理しており,仮にこれらの 品種の価格が他の年度 において①
ないし④に該当しなくとも,その部分 は集計に表れていないこととなる。
ウ
ところで,被審人17社は,査第407号証ないし査第410号証に
基づく「基準価格に定められる容量と同じ容量で価格表に掲載されてい
る品種」の総数(4,286)と,査第417号証ないし査第420号
証に基づく「基準価格に定められる容量と異なる容量で価格表に掲載さ
れている品種」の総数(681)を合計してこれらの総計(4,967)
とする等の処理を行っている 。しかし ,価格表には同一の品種名の下に
複数の異なる容量の価格が掲載されている場合があるところ,査 第40
7号証ないし査第410号証においては ,基準価格に定められる 容量と
同じ容量の価格が価格表に掲載されている場合の当該価格のみが記載
され,基準価格に定められる容量とは 異なる容量の価格は記載されてい
ない 。これに 対し,査第417 号証ないし 査第420 号証におい て は,
基準価格に定められる容量と異なる容量 での価格がすべて記載され,そ
れぞれ1品種として数えられているので ,基準価格に定める容量と同じ
容量で価格表に掲載されている品種と比較して,品種数が見かけ 上多く
なる。したがって,これらを単純に合計 して,①ないし④の該当品種数
1,599を総計品種数4,967で除して得られた数値(32.2パ ー
セント)は,査第407号証ないし査第410号証に記載されていない
容量の品種を加えた全体における①ないし④に該当する品種の割合よ
58
り大きい可能性がある。
以上のとおり,被審人17社の上記主張のうち品種数を合計 して論じ
ている部分は数値処理上の問題があるので,以下 ,基準価格に定 められ
る容量と同じ容量で価格表に掲載されている品種と基準価格に定めら
れる容量と異なる容量で価格表に掲載されている品種を分けて判断す
る。
エ
基準価格に定められる容量と同じ容量で価格表に掲載されている品
種については,被審人17社の連動性の評価を前提としても ,違反行為
期間を通じて,基準価格に連動した価格設定が4,286品種中1,3
07品種(30.5%)以外の69.5パーセントの品種について行わ
れていることになる。
また,被審人17社の連動性の評価について検討すると,まず,①の
類型については,基準価格とは異なる 価格から基準価格と同額となった
場合や基準価格とはわずかに価格 が異なる場合を含むので,これらのす
べてにおいて基準価格と価格表価格の連動性がないとはいえない。③の
類型については,本件においては基準価格の平成10年度の対前年度変
動 額 と 平 成 1 1 年 度 の 対 前 年 度 変 動 額 の比 較 を 考 慮 し て 価 格 表 価 格 を
設定することを合意内容に含むものとしているのではないから,この点
をとらえて連動性を否定することは適切 でない。④の類型も,結局,価
格 表 価 格 の 引 上 げ 幅 が 近 傍 の 基 準 価 格 から 想 定 さ れ る 引 上 げ 幅 と 異 な
るということであり,もともと基準価格と異なる価格である 品種の価格
表価格が,基準価格が引き上げられたときに引き上げられた 事例である
ことを考えると,必ずしも連動性 がないとはいえない。
オ
被審人17社は,基準価格に定められる容量と異なる容量で価格表に
掲載されている品種については,681 品種中292品種(42.9パー
セント)が②又は③に該当しており,基準価格と連動していないと主張
するが,上記エにも述べたとおり,③の類型に該当することを理由に連
動性を否定することは適切でなく,連動性に疑問があるのは ,681品
種中②に該当する142品種(20.9パーセント)にすぎない。
カ
上記イないしオのとおりであるので,各社の価格表価格の変動と基準
価格との連動性は否定されず,被審人17社の主張は理由がない。
キ
基準価格とは全く異なる動きをしているとして被審人17社が価格
59
表価格の動きを個別に分析した10社(延べ21品種)について,特に
②の類型(基準価格が引き上げられたときに価格表価格が据置き又は引
き 下 げ ら れ て い る も の 及 び 基 準 価 格 が 据え 置 か れ た と き に 価 格 表 価 格
が引き上げ又は引き下げられているもの )に該当する品種数(同一品種
名であっても各年度ごとに1品種 として 計上)をみると ,別紙の表11
のとおりであり,特に基準価格が引き上げられた年度に価格表価格を引
き上げていない品種の割合が大きい元詰業者が存在する。この点につい
ては,各社がその品種の相対的競争力を勘案しながら価格表価格を検討,
決定していることを示す(審C第6号証 ,審C第9号証,増田採種場の
増田の参考人審訊における供述[第13 回審判速記録11頁])ものと
考えられる。
一般に,いわゆる価格カルテルにより供給側の歩調がそろい ,競争者
の価格行動を予測できる場合であっても ,各事業者の個別の商品 の価格
設定については,当該個別の商品に係る競争力や需要側の動向等を無視
しては定められないから,事業者によっては,一部の商品について合 意
に沿った価格引上げを打ち出すことができないこともあり得るのであ
り,カルテル当事者のうち一部の事業者がカルテルの対象商品の一部の
商品についてそのような行動を採ったからといって,それにより 当該カ
ルテルに係る合意 の 成 立や相 互 拘 束 性 が 否定される こ と に は な ら な い 。
本件において,32社がおおむね基準価格の引上げ幅又は引上げ率に
沿って価格表価格を引き上げ,又は基準価格の据置きに応じて価格表価
格を据え置いていたことは,前記第1の6(4)に認定したとおりであり,
別紙の表11にみられるように32社のうちの一部に基準価格の変動
と 異 な る 向 き の 動 き を 示 す 品 種 数 が 多 い事 業 者 が 存 在 す る か ら と い っ
て,本件合意の存在及びその相互拘束性が否定されるものということは
できず,また,個別の事業者 についてみても,各年度を通じ,又は各 品
種を通じてみると,基準価格の動きを 無視した価格表価格の設定をして
いるものと評価すべき者は存しないと認められる。
(5)
価格表価格と実際の販売価格との 連動性
被審人サカタのタネは,基準価格から 実際の販売価格を設定 するための
具 体 的 方 法 に つ い て 合 意が な け れ ば 事 業 活 動 の 相 互 拘 束 は 認 め ら れ な い
と主張する。
60
また,被審人17社は,実際の販売価格 は,価格表価格から取引先 ごと
に異なる値引き・割戻しが行われているのであり,その 率は同じ取引先で
あっても年度,品種等によって変動し得るものであり,値引き・割戻し の
水準 に関する 相互認識 もなく ,基準価格の変動とは関連していないか ら ,
実際の販売価格は基準価格とは連動しない旨主張する。
確かに,価格表価格からの値引き・割戻しの率や適用の有無 について3
2社の間で何らかの合意があった 事実は認められない。
しかし ,32 社は,前記第 1の3(2)のとおり,価格表価格 に基 づ き実
際の販売価格を設定し,値引 き・割戻 しも価格表価格を基に行っていたと
認められるのであるから,値引き・割戻 しの内容・方法について共通の認
識がなかったとしても,実際の販売価格の動きは価格表価格 の動きと連動
するということができる。
また,価格表価格を個別の取引に適用するに際しては,需要動向等に 応
じ取引先販売業者又は需要者と価格交渉 が行われるのであるから,必ずし
も価格表価格の変動を反映した販売価格 が実現するとは限らないのは,む
しろ当然である。
ちなみに,証拠によれば,ある品種について取引先ごとに固定的な率が
あらかじめ定められており,販売量の変動がない限り前年度 と同じ率が適
用され,これに加えて集金時の交渉で最終的な値引率が決まる(審C 第2
号証の1の2頁,日本農林社 の近藤の代表者審訊における供述[第1 3回
審判速記録68頁∼69頁]),最大5パーセントの範囲内 で担当営業部
員の権限で値引きを行う(審C第9号証 2頁),取引先を4つのグループ
に分けて,グループ別に,野菜 の種類ごとに値引率を設定する(審C第1
5号証4頁),取引先ごとに決まっている値引率で算出された価格で販売
する(ただし,値引率を大きく 見直す取引先が年に数社発生 する,審C第
3号証)など,値引きの 内容について 前年度との連続性が存在する実態が
認められるので,価格表価格の変動は実際の販売価格の変動 に反映される
ものと評価することができる。一部の品種や一部の取引先との関係におい
て年度により値引率が変動しているとしても,上記の判断を左右 するもの
とはいえず,被審人らの主張は理由がない。
4
供述調書の信用性
被審人タキイ種苗は,実 際の販売価格 が基準価格と連動していたことを示
61
す も の と し て 審 査 官 が 引 用 する 元 詰 業 者の 供 述 調 書 は 抽 象 的 で 内 容 が 不 自
然に共通しているなど,信用性に疑義があると主張する。
被審人サカタのタネは,32社による共通の認識・認容,基準価格と価 格
表価格・実際の販売価格との 連動性,共同で価格決定しなければ値崩れが生
じるとの元詰業者の認識に関し,審査官 が証拠として掲げる 供述は,その内
容が不自然に画一的であり信用できないと主張し,これに沿う陳述書が多数
提出されている。
被審人17社は,基準価格と価格表価格との連動関係に関する被審人丸種
の代表取締役の供述について,供述者 が調書に記載してほしかったことが 全
く書かれず,供述者が表現したことではないことが多数含まれる旨主張す る。
しかし,いずれの供述調書についても ,調書作成者が供述者 に対し読み聞
かせをし,又は閲読させた上で,供述者が誤りのない旨申し立てて署名押印
したものである。一部の供述者は,訂正を申し立てても審査官 が受け入れず,
不満ながらも署名押印をしたと述べるが ,これらの者は署名押印 すれば相応
の 不 利 益 を 受 ける 可 能 性 が あ る こ と を 十 分 認 識 し 得 る 状況 に あ っ た の に も
かかわらず署名押印をしているのであり ,審査官が署名押印を強要したこと
を示す証拠はないので,被審人らの主張 は理由がない。
供述調書は,審査官が必要と認めるときに,供述人の供述を録取して作成
するものであって,供述のすべてを供述者の表現のままに記録するものでは
ない。また,同一の事象について複数の者から供述を録取した場合に,結果
的 に 調 書 の 内 容 及 び 表 現 が 同じ よ う な も の と な る こ と は特 段 不 自 然 な こ と
ではないというべきであって,そのことによって供述調書の信用性が損な わ
れるものではない。
5
不当な取引制限の該当性
前記第1及び前記1ないし4によれば,32社は,本件合意により,4 種
類 の 元 詰 種 子 の各 販 売 分 野 に お け る 競 争を 実 質 的 に 制 限し て い た も の と 認
められ,これは独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当す
る。なお,被審人らのその余の主張・立証に照らしても違反行為の認定を 妨
げる事情はないと認められる。
6
過去の不問事件との関係
被 審 人 タ キ イ 種 苗 は , 公 正 取 引 委 員 会 は, 日 種 協 の 前 身 で あ る 全 種 連 が
行っていた行為について,昭和32年に不問としたことがあり,本件は当該
62
行 為 と 実 質 的 に同 一 で あ る か ら , 本 件 を違 法 と す る の は 突 然 の 方 針 変 更 で
あって行政法理上許されない等と主張する。
しかし,昭和32年の不問事件は,本件とは異なる違反被疑行為について
事 件 処理 をしたものであって ,禁反言 の原則の適用等 を論じるまでも な く,
本件における判断がこれにより左右されることはあり得ない 。すなわち,同
事件については,全種連が卸売部会において蔬菜種子の卸売最低標準価格 を
決定し,これを実行するよう指導していたが,当該標準価格は,各卸売業者
が価格を決める際の一応の目安にすぎず ,特に問題とすべきほどの影響はな
いと判断したものである(昭和32年度公正取引委員会年次報告209頁)
ところ,不問の理由は当該行為の事実関係に基づくものであって,種 子の基
準価格の設定一般についての判断 を示したものではない。
たとえ,同事件の不問決定により被審人らにおいて本件行為 が許されるも
のと認識していたとしても,当該認識 によって被審人らの行為の独占禁止法
上の評価を左右するものではない 。
7
排除措置の必要性
(1)
前記第1の7の認定のとおり ,本件違反行為は既に終了しているが,被
審 人 1 9 社 に お い て 今 後 同 様 の 行 為 を 繰り 返 す お そ れ が あ る と 認め ら れ
るので,被審人らに対し排除措置 を命ずる必要性があると認められる。
(2)
区分機東京高裁判決への依拠
被審人17社は,審査官が,区分機東京高裁判決に依拠して,「審 決の
時点で既に違反行為がなくなっている場合において,独占禁止法 第54条
第2項に基づき,公正取引委員会が『特に必要がある』と認めて排除措置
を命ずべき場合とは,違反行為と同一 ないし社会通念上同一性があると考
え得る行為が将来繰り返されるおそれがある場合や,違反行為の結果が残
存しており,競争秩序の回復 が不十分である場合が該当する 」との考 え方
を提示していることは,当該判決は確定していないのでこれに依拠するこ
とはできない旨の,他の独占禁止法違反審判事件における審査官の主張と
矛盾し不当である旨主張する。
しかしながら ,上記 (1)の判断は,上記判決 の確定,未確定 とは 何 ら か
かわりがない。
(3)
本件と同様の違反行為の再発の蓋然性
被審人サカタのタネは,被審人各社において既に決定された 基準価格を
63
破棄するとともに,以後,元詰種子の販売価格に関する話合 いを行わない
旨の申合せを行い,しかも,基準価格決定の場とされてきた 元詰部会を廃
止しており基準価格を決定する機会は存在しないから,本件合意 と同一な
い し 社 会 通 念 上 同 一 性 が あ る と 考 え 得 る行 為 を 行 う お そ れ が あ る と は 到
底認められないと主張する。
被審人17社も,審査官が主張する①本件における違反行為 の誘因が依
然存在していること,② 価格設定において共同歩調をとる必要があること
は,本件に特異なものでなく,カルテル 一般に通じるものであるので,こ
れらの事由を基にして既往の違反行為に関し排除措置を命じるのは「特に
必要があると認めるとき」との文理に反すると主張し,加えて,既に元 詰
部 会 が 廃 止 さ れ て お り 基 準 価 格 を 決 定 する 機 会 が 閉 ざ さ れ て い る こ と を
主張する。
しかし,カルテルの誘惑のみによって 再発のおそれがあることが根拠づ
けられるわけではないものの ,本件においては前記第1の7のとおり ,本
件と同様の違反行為が再発するおそれが 認められ,これを否定するに足る
市場状況の変化は認められない。そして ,被審人らが主張するような,行
為当事者間の申合せや元詰部会の廃止が行われたとしても,これによって,
今後同様の行為が行われる可能性 が一切封じられるわけではない。
したがって,被審人らの主張は理由がない。
(4)
行為の継続期間
被審人17社は,本件違反行為よりも 前の期間を違反行為の再発の蓋然
性の根拠とするのは誤りであると 主張する。
しかしながら,被審人らは遅くとも平成10年3月から平成 13年10
月までの3年余にわたって違反行為を継続していたのであり,このことを
もって,長期間違反行為を行ってきたというに足り,この間,競争を回 避
す る こ と に よ っ て 利 益 を得 る こ と を 志 向す る 被 審 人 個 々 の 事 業 者 の 意 識
と,事業者間の協調的な関係 が形成されてきたものと認められる。これに
加えて,違反行為と認定こそされていないが,元詰業者間における協調的
な 関 係 は 違 反 行 為 前 に も存 在 し て き た こ と が 認 め ら れ る こ と も 考 慮 す れ
ば,違反行為がいったん終了 しても,上記の意識と協調的関係が容易に解
消されるものではないことは優に認められるというべきであって,このこ
とは違反行為再発の蓋然性を肯定 する根拠となる。
64
(5)
違反行為終了の経緯
被審人17社は,違反行為終了の経緯 が自主的なものでなく 公正取引委
員会の立入検査を契機とするものであることを理由として再発防止の措
置を命じることは不当であると主張するが,違反行為者間における競争回
避の意識や違反行為者間に生じた競争回避の行動を共同して行うことに
ついての親和的関係が解消されたかどうかを判断する上で,違反行為終了
の経緯は重要な考 慮 要 因 であって ,被 審 人17社の主張は採 用できな い。
(6)
黙示の合意であること
被審人17社は,本件のような寡占市場ではない市場における多数事業
者の黙示の合意は稀有な事例であって,再発の可能性はあり 得ないとも主
張する。しかし,非寡占市場における 黙示の合意には再発可能性がないと
する被審人17社の見解は採用できない 。
第5
法令の適用
以上に判断したとおり,被審人19社及 び13社は,共同して,4種類の
元詰種子について,基準価格を毎年決定 し,各社は当該基準価格の前年度か
らの変動に沿って,品種ごとに販売価格 を定め,取引先販売業者及び需要者
に販売する旨合意することにより ,公共 の利益に反して ,我が国における4
種 類 の 元 詰 種 子 の 各 販 売 分 野に お け る 競争 を 実 質 的 に 制限 し て い た も の で
あって,これは,独占禁止法第2条第 6項に規定する不当な取引制限に該 当
し,独占禁止法第3条の規定に違反するものである。
また,本件違反行為は既に終了しているが,被審人19社において,今 後
同様の行為を繰り返すおそれがあると認めることができる。
よって ,被審人 19 社 に対し,独占禁止法第54条第2項の規定に よ り,
主文のとおり審決することが相当 であると判断する。
平成18年9月7日
公正取引委員会事務総局
審判官
65
鵜
瀞
恵
子
審判官
高
橋
省
三
審判長審判官中山顕裕は転任につき署名押印することができない。
審判官
66
鵜
瀞
恵
子
別紙
表1-1
被審人目録
本
店
の 所
在
地
被
(
審
略
称
人
)
代
表
者
京都市下京区梅小路通猪熊東入南夷町180番地
タキイ種苗株式会社
(タキイ種苗)
代表取締役 瀧井
傳一
横浜市都筑区仲町台二丁目7番1号
株式会社サカタのタネ
(サカタのタネ)
代表取締役 高橋
英夫
静岡市駿河区池田710番地の1
有限会社石井育種場
(石井育種場)
代表取締役 石井
肇
宮城県遠田郡美里町南小牛田字町屋敷109番地
株式会社渡辺採種場
(渡辺採種場)
代表取締役 渡邉
頴悦
千葉市中央区星久喜町1203番地
株式会社みかど育種農場
(みかど育種農場)
代表取締役 越部
圓
前橋市古市町一丁目50番地12
カネコ種苗株式会社
(カネコ種苗)
代表取締役 金子才十郎
京都市北区紫竹下緑町18番地
株式会社タカヤマシード
(タカヤマシード)
代表取締役 小野
芳晴
静岡県磐田市上万能168番2
株式会社増田採種場
(増田採種場)
代表取締役 増田
寛之
東京都北区滝野川六丁目6番5号
株式会社日本農林社
(日本農林社)
代表取締役 近藤
宏
奈良県橿原市南八木町二丁目6番4号
ナント種苗株式会社
(ナント種苗)
代表取締役 高瀬
泰嗣
奈良県生駒郡平群町大字平等寺398番地
株式会社大和農園種苗販売部
(大和農園種苗販売部)
代表取締役 吉田
裕
京都市下京区七条通新町西入夷之町693番地
丸種株式会社
(丸種)
代表取締役 石原
智弘
福岡市博多区那珂五丁目9番25号
中原採種場株式会社
(中原採種場)
代表取締役 内村
清剛
愛知県江南市古知野町瑞穂3番地
松永種苗株式会社
(松永種苗)
代表取締役 松永金次郎
愛知県稲沢市祖父江町祖父江高熊124番地
株式会社アサヒ農園
(アサヒ農園)
代表取締役 後藤
俊博
福岡市博多区板付六丁目7番8号
宝種苗株式会社
(宝種苗)
代表取締役 本田
功
さいたま市見沼区大字 中川1069番地
トキタ種苗株式会社
(トキタ種苗)
代表取締役 時田
勉
横浜市南区唐沢15番地
横浜植木株式会社
(横浜植木)
代表取締役 渡邊
宣昭
埼玉県久喜市大字野久喜1番地1
野原種苗株式会社
(野原種苗)
代表取締役 野原
宏
表1-2
代理人目録
被
審
人
代
理
人
タキイ種苗
弁護士
同
同
石
魚
長
川
住
澤
正
泰 宏
哲 也
サカタのタネ
弁護士
同
同
復代理人弁護士
岩 下 圭
宮 川 裕
佐 藤 水
中佐古 和
弁護士
同
同
同
復代理人弁護士
厚
矢
犀
田
多
谷 襄 児
花 公 平
川
治
部 知江子
田 敏 明
弁護士
同
同
矢
犀
田
花 公 平
川
治
部 知江子
一
光
暁
宏
石井育種場
渡辺採種場
みかど育種農場
タカヤマシード
増田採種場
日本農林社
ナント種苗
大和農園種苗販売部
丸種
中原採種場
松永種苗
アサヒ農園
宝種苗
トキタ種苗
横浜植木
野原種苗
カネコ種苗
表2
被審人外の13社
本
店
の 所
在 地
事
(
業
略
称
者
)
代
表
者
宇都宮市駅前通り三丁目5番1号
株式会社トーホク
(トーホク)
代表取締役 奈良
勇
東京都渋谷区南平台町15番13号
協和種苗株式会社
(協和種苗)
代表取締役 中村
實
東京都豊島区南池袋一丁目26番10号
株式会社武蔵野種苗園
(武蔵野種苗園)
代表取締役 油木 直樹
茨城県東茨城郡美野里町羽鳥256番地
株式会社柳川採種研究会
(柳川採種研究会)
代表取締役 柳澤太治麻
札幌市厚別区上野幌一条5丁目1番8号
雪印種苗株式会社
(雪印種苗)
代表取締役 菊地
庸
名古屋市中川区大当郎一丁目1003番地
株式会社野崎採種場
(野崎採種場)
代表取締役 野崎
寛
兵庫県姫路市神屋町六丁目65番地
山陽種苗株式会社
(山陽種苗)
代表取締役 古川 紀彦
千葉県野田市柳沢13番地
渡辺農事株式会社
(渡辺農事)
代表取締役 小澤 重二
愛知県西春日井郡新川町大字助七新田字東山 愛三種苗株式会社
中93番地
(愛三種苗)
代表取締役 平野 栄一
長野県松本市大字笹賀6146番地3
株式会社日本タネセンター
(日本タネセンター)
代表取締役 矢花平太郎
岐阜県安八郡安八町東結1537番地
不二種苗株式会社
(不二種苗)
代表取締役 岩田 武美
横浜市南区唐沢32番地
日東農産種苗株式会社
(日東農産種苗)
代表取締役 山口 明子
愛知県尾西市上祖父江字東本郷33番地
後藤種苗合名会社
(後藤種苗)
代 表 社 員 後藤
哲彦
(平成14年12月13日現在)
表3
32社の内訳(野菜の種類別)
は
タ
く
キ
さ
イ
種
い
苗
タ
ャ
キ
ベ
イ
種
ツ
苗
サ カ タ の タ ネ
サ カ タ の タ ネ
石
井
育
種
場
石
井
育
種
場
渡
辺
採
種
場
渡
辺
採
種
場
だ
タ
い
キ
こ
イ
種
ん
苗
か
タ
ぶ
キ
イ
種
苗
サ カ タ の タ ネ
サ カ タ の タ ネ
―――――――
―――――――
渡
辺
採
種
場
渡
辺
採
種
場
み か ど 育 種 農 場
み か ど 育 種 農 場
み か ど 育 種 農 場
み か ど 育 種 農 場
カ
カ
カ
カ
ネ
コ
種
苗
タ カ ヤ マ シ ー ド
―――――――
ネ
コ
種
苗
タ カ ヤ マ シ ー ド
増
田
採
種
場
ネ
コ
種
苗
ネ
コ
種
苗
タ カ ヤ マ シ ー ド
タ カ ヤ マ シ ー ド
―――――――
―――――――
被審人
日
本
農
林
社
日
本
農
林
社
日
本
農
林
社
日
本
農
林
社
ナ
ン
ト
種
苗
ナ
ン
ト
種
苗
ナ
ン
ト
種
苗
ナ
ン
ト
種
苗
大和農園種苗販売部
大和農園種苗販売部
大和農園種苗販売部
大和農園種苗販売部
丸
種
丸
種
丸
種
丸
場
中
場
中
場
中
苗
松
苗
松
苗
松
園
ア
園
ア
園
ア
苗
宝
苗
宝
苗
宝
苗
ト
苗
ト
苗
ト
木
横
浜
植
木
横
浜
植
木
横
浜
植
木
野
原
種
苗
野
原
種
苗
野
原
種
苗
中
松
ア
原
ト
横
採
永
サ
宝
種
種
ヒ
農
種
キ
タ
浜
種
植
―――――――
原
採
永
サ
種
種
ヒ
農
種
キ
タ
種
原
採
永
サ
種
種
ヒ
農
種
キ
タ
種
種
原
採
永
サ
種
種
ヒ
農
種
キ
タ
場
苗
園
苗
種
苗
ト
ー
ホ
ク
ト
ー
ホ
ク
ト
ー
ホ
ク
ト
ー
ホ
ク
協
和
種
苗
協
和
種
苗
協
和
種
苗
協
和
種
苗
武 蔵 野 種 苗 園
武 蔵 野 種 苗 園
武 蔵 野 種 苗 園
武 蔵 野 種 苗 園
―――――――
―――――――
柳 川 採 種 研 究 会
―――――――
雪
―――――――
―――――――
被審人外
野
崎
採
種
雪
場
野
印
崎
種
採
種
苗
場
山
陽
種
苗
山
陽
種
苗
渡
辺
農
事
渡
辺
農
事
愛
三
種
苗
愛
三
種
苗
―――――――
不
合
計
キ
二
種
印
種
苗
―――――――
山
陽
種
―――――――
苗
―――――――
愛
日本タネセンター
三
種
山
陽
種
苗
渡
辺
農
事
苗
―――――――
―――――――
二
苗
―――――――
不
日 東 農 産 種 苗
―――――――
日 東 農 産 種 苗
―――――――
―――――――
後
26社(被審人17社)
28社(被審人19社)
藤
種
―――――――
種
苗
苗
27社(被審人17社)
不
二
種
苗
日 東 農 産 種 苗
―――――――
24社(被審人17社)
表4
被審人
19社
新価格適用開始時期(査第 3号証 )
事 業 者
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成13年度
タキイ種苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
サカタのタネ
平成10年 6 月15日
平成11年 6 月14日
平成12年 6 月12日
平成13年 6 月11日
石井育種場
平成10年 5 月 1 日
平成11年 5 月 1 日
平成12年 5 月 1 日
平成13年 5 月 1 日
渡辺採種場
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
みかど育種農場
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
カネコ種苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
タカヤマシード
平成10年 6 月
平成11年 6 月
平成12年 6 月
平成13年 6 月
増田採種場
平成10年 6 月24日
平成11年 6 月26日
平成12年 6 月26日
平成13年 6 月21日
日本農林社
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
ナント種苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
大和農園種苗販売部
平成10年 6 月15日
平成11年 6 月15日
平成12年 6 月15日
平成13年 6 月15日
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
中 原 採 種 場
不明
不明
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
松 永 種 苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
ア サ ヒ 農 園
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
ト キ タ 種 苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
横 浜 植 木
平成10年 7 月 1 日
平成11年 7 月 1 日
平成12年 7 月 1 日
平成13年 7 月 1 日
野 原 種 苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
ト ー ホ ク
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
協 和 種 苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
武蔵野種苗園
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
柳川採種研究会
平成10年 5 月 1 日
平成11年 5 月 1 日
平成12年 5 月 1 日
平成13年 5 月 1 日
雪 印 種 苗
平成10年 7 月 1 日
平成11年 7 月 1 日
平成12年 7 月 1 日
平成13年 7 月 1 日
野崎採種場
平成10年 5 月 1 日
平成11年 5 月 1 日
平成12年 5 月 1 日
平成13年 5 月 1 日
山 陽 種 苗
不明
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
渡 辺 農 事
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
愛 三 種 苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
日本タネセンター
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
不 二 種 苗
平成10年 6 月
平成11年 6 月
平成12年 6 月
平成13年 6 月
日東農産種苗
平成10年 6 月
平成11年 6 月
平成12年 6 月
平成13年 6 月
後 藤 種 苗
平成10年 6 月 1 日
平成11年 6 月 1 日
平成12年 6 月 1 日
平成13年 6 月 1 日
丸
宝
被審人
外の
13社
種
種
苗
表5
各社の価格表における価格の種類
取 引 先 形 態
(取引単位)
小売
共購
農協
大卸
大卸
(1袋 )
(10袋 )
(10袋 )
(10袋)
(100袋)
事 業 者
(被審人19社)
小売標準価格1袋
(缶)
サ カ タ の タ ネ 標準小売
共購
石 井 育 種 場 小売
参考小売価格
渡 辺 採 種 場
農協標準単価10
袋(缶)
標準農協
農協卸
参考農協価格
卸単価10袋(缶)
農協価格
10袋(缶・個)単価
中 原 採 種 場 小売価格
標準小売価格1袋
(缶)(平成10年
松
永
種
苗 度まで)
小売標準価格(平成
11年度以降)
小売参考1袋(缶)
(平成9年度)
小売参考価格1袋
(缶・個)(平成1
ア サ ヒ 農 園
3年度)
農協価格
農協価格1袋
(缶)(平成10
年度まで)
JA標準単価(平
成11年度以降)
農協参考10袋
(缶)(平成9年
度)
10袋(缶)卸
卸 売 価 格( 10 袋
(缶))(平成10年
度まで)
卸単価10袋(平成1
1年度以降)
卸10袋(缶)(平成
9年度)
10袋(缶・コ)(平
成10年度ないし12
年度)
卸売単価10袋(缶)
(平成13年度)
宝
種
苗 小売
ト キ タ 種 苗 小売
農協
10袋
卸売10(袋・缶)
タ キ イ 種 苗
み か ど 育 種 農 場 小売標準単価
カ ネ コ 種 苗 小売(参)
タ カ ヤ マ シ ー ド 小売1袋(缶)
小売単価1袋(缶)
増 田 採 種 場
日 本 農 林 社 標準小売価格
ナ ン ト 種 苗 参考小売
小売標準価格1袋
(平成9年度)
小売単価1袋(平成
10年度及び11年
大和農園種苗販売部
度)
標準小売価格1袋
(平成12年度及び
13年度)
小売価格
丸
種
共購単価
10袋(缶)
卸単価100袋(缶)
10袋(缶・ビン)
100袋(缶・ビン)
大卸10袋単価
大卸100袋単価
大卸価格1袋(缶)単 大卸価格1袋(缶)単
価10袋(缶)
価100袋(缶)
農協標準単価
10袋(缶)単価
100袋(缶)単価
10袋
100袋
農協10袋(缶) 卸10袋(缶)
卸100袋(缶)
農協単価10袋 卸単価10袋(缶)
卸単価100袋(缶)
(缶)
農協単価
卸単価(10袋,100袋の区別なし)
参考農協
10袋卸値
100袋卸値
農協卸単価10袋 卸単価10袋
卸単価100袋
100袋(缶・個)単
価
100袋(缶)卸
卸売価格(100袋
(缶))(平成10年
度まで)
卸単価100袋(平成
11年度以降)
卸100袋(缶)(平
成9年度)
100袋(缶・コ)
(平成10年度ないし
12年度)
卸 売 単 価1 0 0 袋
(缶)(平成13年
度)
100袋
卸売100(袋・缶)
取 引 先 形 態
共購
(取引単位)
小売
農協
大卸
大卸
(10袋 )
(10袋)
(100袋)
(10
(1袋 )
袋)
事 業 者
参考小売価格(平成
9年度,平成11年
度)
参考小売(平成10
横
浜
植
木
年度)
小売参考価格(平成
12年度及び13年
度)
野
原
種
苗 小売1袋
(被審人外の13社)
ト
ー
ホ
ク 参考価格1袋
協
和
種
苗 参考小売
小売標準価格1袋
(缶)(平成9年度
及び10年度)
武 蔵 野 種 苗 園 標準小売1袋(缶)
(平成11年度以
降)
柳 川 採 種 研 究 会 標準小売価格
雪
印
種
苗 標準小売価格
野 崎 採 種 場 小売標準単価
小売1袋(缶)(平
成9年度ないし平成
山
陽
種
苗 12年度)
小売(平成13年
度)
小売価格(平成12
年度を除く)
渡
辺
農
事
標準小売1袋缶単価
(平成12年度)
小売値・小売(平成
愛
三
種
苗 10年度以降)
日本タネセンター
小売標準1袋(缶)
小売標準1袋(缶)
(平成9年度)
不
二
種
苗 小売標準単価1袋
(缶)(平成10年
度以降)
小売単価1袋(缶)
日 東 農 産 種 苗
後
藤
注
種
苗
標準小売単価(平成
12年度)
農協参考価格(平成1 10袋(缶)(平成9 100袋(缶)(平成
2年度及び13年度) 年度,平成11年度な 9年度,平成11年度
いし13年度)
ないし13年度)
卸単価10袋(缶) 卸単価100袋(缶)
(平成10年度)
(平成10年度)
農協10袋
卸10袋
卸100袋
農協10袋
参考農協
農協卸標準価格1袋
(缶)(平成9年度及
び10年度)
標準農協1袋(缶)
(平成11年度以降)
卸10袋
卸10袋/缶
大卸・標準価格(単
価)10袋(缶)(平
成9年度及び10年
度)
標 準 卸 単 価 10 袋
(缶)(平成11年度
以降)
10袋(缶)
標準卸価格10袋
卸20ml単価10袋
卸10袋(缶)(平成
9年度ないし平成12
年度)
10卸(平成13年
度)
10袋缶単価(平成1
2年度を除く)
標準卸10袋缶単価
(平成12年度)
10袋(缶)・大卸価
格10袋(平成10年
度以降)
20ml 絵袋詰10袋
(缶)
卸10袋(缶)(平成
9年度)
卸 標 準 単 価 10 袋
(缶)(平成10年度
以降)
大卸単価10袋(缶)
卸100袋
卸100袋/缶
大卸・標準価格(単
価)100袋(缶)
(平成9年度及び10
年度)
標準卸単価100袋
(缶)(平成11年度
以降)
100袋(缶)
標準卸価格100袋
卸20ml単価100袋
卸100袋(缶)(平
成9年度ないし平成1
2年度)
100卸(平成13年
度)
100袋缶単価(平成
12年度を除く)
標準卸100袋缶単価
(平成12年度)
100袋(缶)・大卸
価格100袋(平成1
0年度以降)
20ml 絵袋詰100袋
(缶)
卸100袋(缶)(平
成9年度)
卸標準単価100袋
(缶)(平成10年度
以降)
大 卸 単 価1 0 0 袋
(缶)
卸単価100袋(缶)
標準農協卸価格
農協卸単価
N10袋(平成9年度
ないし平成12年度)
農協(平成13年度)
農協価格(平成12年
度を除く)
標準単協10袋缶単価
(平成12年度)
JA
農協標準1袋(缶)
(平成9年度)
農協標準単価10袋
(缶)(平成10年度
以降)
農協単価10袋(缶)
卸単価10袋(缶)
平 成 9 年 度 な い し 平 成 1 3 年 度 ( 雪 印 種 苗 及 び 後 藤 種 苗 に あ っ て は 平 成 1 2 年 度 及び
平成1 3年度 )を 通じて 価格表 に記 載さ れ て い る価格 の種類 については ,年度 を特 定し
ていない。
表6
32社の討議研究会への出欠状況
開催年月日
事
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年
3月19日
3月16日
3月15日
3月14日
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
○
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
○
○
○
×
○
○
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
○
○
○
○
○
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
○
○
○
○
○
○
計30社
計27社
計26社
業 者
(被審人19社)
タキイ種苗
サカタのタネ
石井育種場
渡辺採種場
みかど育種農場
カネコ種苗
タカヤマシード
増田採種場
日本農林社
ナント種苗
大和農園種苗販売部
丸種
中原採種場
松永種苗
アサヒ農園
宝種苗
トキタ種苗
横浜植木
野原種苗
(被審人外の13社)
トーホク
協和種苗
武蔵野種苗園
柳川採種研究会
雪印種苗
野崎採種場
山陽種苗
渡辺農事
愛三種苗
日本タネセンター
不二種苗
日東農産種苗
後藤種苗
出
席
会 社
計30社
注1
「○」は出席,「×」は欠席を示す。
注2
雪印種苗及び後藤種苗は,平成13年3月14日開催の討議研究会から出席している。
表7-1
討議研究会出席者(平成10年3月19日)
事
業
者
( 被 審 人 )
タ キ イ 種
役
職
氏
名
事
業
者
(被審人外)
役
職
氏
名
代表取締役社長
瀧井 傳一
ト
ー
ホ
ク 取締役卸部長
小黒 三郎
常務取締役
伊藤
繁治
協
和
種
苗 取締役種苗部長
中村 實
取締役国内営業本部
渡辺
副本部長兼資材部長
誠
苗
サ カ タ の タ ネ
文夫
武 蔵 野 種 苗 園
油木
柳 川 採 種 研 究 会 代表取締役社長
柳澤太治麻
石 井 育 種 場 総務部長
佐藤
渡 辺 採 種 場 代表取締役社長
渡邉 頴悦
野 崎 採 種 場
野崎
代表取締役会長
越部平八郎
山
陽
種
苗 常務取締役
古川 五郎
代表取締役社長
池田 直樹
渡
辺
農
事 代表取締役社長
小澤 重二
金子
昌彦
愛
三
種
苗 取締役
岩山
タ カ ヤ マ シ ー ド 代表取締役
小野
芳晴
日 本 タ ネ セ ン タ ー 代表取締役社長
矢花平太郎
増 田 採 種 場 代表取締役
増田
省治
不
岩田 武美
日 本 農 林 社 代表取締役社長
近藤
宏
ナ ン ト 種
森井 康雄
みかど育種農場
カ ネ コ 種
苗 種苗部長
苗 代表取締役社長
大和農園種苗販売部 販売部長
濱田三紀夫
丸
種 代表取締役
石原
祥光
中 原 採 種 場 専務取締役
内村
清剛
松
苗
岡田 庄蔵
ア サ ヒ 農
園 代表取締役
後藤
俊博
宝
苗 代表取締役社長
本田
功
永
種
種
ト キ タ 種
苗
横
浜
植
木 取締役種苗部長
渡辺
充
野
原
種
苗 代表取締役社長
野原
宏
二
種
苗 専務取締役
日 東 農 産 種 苗 常務取締役
洋
丸茂
計11社
出席
計19社
注 「出席」とあるのは,出席しているが出席者の氏名及び役職が不明の場合である。出席者の役職が不明の
場合は空欄とし,出席者氏名の名が不明の場合には姓のみ記した(以下,表7−4まで同じ。)。
表7-2
討議研究会出席者(平成11年3月16日)
事
業
者
( 被 審 人 )
タ キ イ 種
役
職
事
業
者
(被審人外)
氏
名
役
職
氏
名
代表取締役社長
瀧井
傳一
ト
ー
ホ
ク 取締役卸部長
小黒 三郎
常務取締役
伊藤 繁治
協
和
種
苗 取締役種苗部長
中村
代表取締役社長
金子善一郎
武 蔵 野 種 苗 園
苗
サ カ タ の タ ネ 取締役国内営業本
部副本部長兼資材 渡辺
部長
誠
柳川採種研究会
實
油木
会長
宮本啓次郎
石 井 育 種 場 専務取締役
石井 直己
山
陽
種
苗
渡 辺 採 種 場 代表取締役社長
渡邉
頴悦
渡
辺
農
事
代表取締役社長
小澤 重二
み か ど 育 種 農 場 代表取締役社長
池田
直樹
愛
三
種
苗
取締役
岩山
カ ネ コ 種
金子 昌彦
日本タネセンター
代表取締役社長
矢花平太郎
小野 芳晴
不
専務取締役
岩田
武美
営業部部長
持田
芳雄
苗 種苗部長
タ カ ヤ マ シ ー ド 代表取締役
増 田 採 種 場
出席
長島 誠一
ナ ン ト 種
苗 代表取締役社長
森井
康雄
代表取締役
吉田
裕
取締役
販売開発部長
濱田三紀夫
丸
松
種
永
種
出席
苗 代表取締役
松永金次郎
ア サ ヒ 農
園 代表取締役
後藤 俊博
ト キ タ 種
苗
米良
利治
横
浜
植
木
菊池
和男
野
原
種
苗 専務取締役
安田
満
計17社
種
苗
日 東 農 産 種 苗
日 本 農 林 社 営業部長
大和農園種苗販売部
二
是川
計10社
和雄
洋
表7-3
討議研究会出席者(平成12年3月15日)
事
業
者
( 被 審 人 )
役
職
氏
名
事
業
者
(被審人外)
役
職
氏
名
代表取締役社長
瀧井 傳一
ト
ー
ホ
ク
卸部部長
大熊 一廣
常務取締役
伊藤
協
和
種
苗
取締役種苗部長
中村
代表取締役社長
高橋 英夫
武 蔵 野 種 苗 園
専務取締役
大野 盛司
卸部長
葛城
優
柳川採種研究会
会長
宮本啓次郎
石 井 育 種 場 総務部
佐藤
文夫
山
陽
種
苗
代表取締役
古川 五郎
渡 辺 採 種 場 代表取締役社長
渡邉 頴悦
渡
辺
農
事
代表取締役社長
小澤 重二
み か ど 育 種 農 場 専務取締役
越部
圓
愛
三
種
苗
取締役
岩山
カ ネ コ 種
金子
昌彦
代表取締役社長
矢花平太郎
小野
芳晴
タ キ イ 種
苗
繁治
實
サ カ タ の タ ネ
苗 種苗部長
洋
日本タネセンター
タ カ ヤ マ シ ー ド 代表取締役
日 本 農 林 社
ナ ン ト 種
苗
大和農園種苗販売部
丸
出席
不
梅本
取締役
販売開発部長
濱田三紀夫
種 代表取締役
石原
苗 代表取締役
松永金次郎
ア サ ヒ 農
園 代表取締役
後藤
俊博
ト キ タ 種
苗 代表取締役社長
時田
勉
横
浜
植
木
菊池
和男
野
原
種
苗 代表取締役社長
野原
宏
松
永
種
計16社
古田
祥光
二
種
苗
専務取締役
岩田 武美
日 東 農 産 種 苗
営業部部長
持田 芳雄
計10社
表7-4
討議研究会出席者(平成13年3月14日)
事
業
者
( 被 審 人 )
タ キ イ 種
役
職
氏
名
事
業
者
(被審人外)
役
職
氏
名
代表取締役社長
瀧井 傳一
ト
ー
ホ
ク
卸部部長
大熊
一廣
取締役生産部長
初田 和雄
協
和
種
苗
種苗本部長
杉浦
茂樹
代表取締役社長
高橋 英夫
武 蔵 野 種 苗 園
代表取締役社長
油木 直樹
卸部長
葛城
柳川採種研究会
代表取締役社長
柳澤太治麻
種苗部長
小林
苗
サ カ タ の タ ネ
石 井 育 種 場 専務取締役
優
石井 直己
雪
代表取締役社長
印
種
正勝
苗
岩見田慎二
渡邉 頴悦
渡 辺 採 種 場
銀山
良司
渡
辺
農
事
代表取締役社長
小澤 重二
み か ど 育 種 農 場 代表取締役
越部
圓
愛
三
種
苗
取締役
岩山
カ ネ コ 種
金子 昌彦
日本タネセンター
代表取締役社長
矢花平太郎
タ カ ヤ マ シ ー ド 専務取締役
小野 康夫
不
苗
専務取締役
岩田
武美
増 田 採 種 場 代表取締役
増田 省治
日 東 農 産 種 苗
営業部部長
持田
芳雄
日 本 農 林 社 営業部長
長島 誠一
後
代表社員
後藤
哲彦
ナ ン ト 種
高瀬
苗 種苗部長
苗
大和農園種苗販売部
丸
取締役
販売開発部長
種 代表取締役
泰嗣
濱田三紀夫
石原 祥光
中 原 採 種 場 代表取締役社長
内村 清剛
松
苗 代表取締役
松永金次郎
ア サ ヒ 農
園 代表取締役
後藤 俊博
宝
苗 代表取締役社長
本田
功
ト キ タ 種
苗 代表取締役社長
時田
勉
横
浜
植
木
菊池
和男
野
原
種
苗 代表取締役社長
野原
宏
永
種
種
計19社
二
藤
種
種
苗
計11社
洋
表7−1ないし表7−4の証拠:査第11号証添付資料1枚目,査第32号証12頁,同添付資料2枚目,
31枚目,査第33号証2頁,査第35号証2頁,同添付資料1枚目,3枚目,4枚目,5枚目,査第36号
証添付資料3枚目,査第37号証2頁,5頁,8頁,査第40号証2頁,査第41号証2頁,査第43号証1
1頁,同添付資料1枚目,査第44号証2頁,査第45号証1頁∼2頁,10頁,査第46号証1頁,査第4
7号証2頁,9頁,同添付資料1枚目,査第48号証1頁,査第49号証1頁,査第50号証2頁,査第51
号証1頁,査第52号証1頁∼2頁,査第53号証7頁,同添付資料2枚目,査第54号証1頁∼2頁,同添
付資料1枚目,査第55号証2頁,5頁,査第56号証2頁,査第57号証1頁,13頁,査第58号証4頁,
査第59号証2頁,査第60号証1頁∼2頁,査第61号証添付資料1枚目,査第63号証1頁∼2頁,査第
65号証1頁,査第66号証2頁,12頁,21頁,査第67号証1頁,査第68号証2頁∼3頁,査第83
号証1枚目∼4枚目,査第91号証,査第94号証,査第97号証,査第107号証1枚目,5枚目∼9枚目,
査第120号証,査第123号証2枚目,査第127号証,査第129号証,査第131号証,査第138号
証,査第142号証,査第146号証,査第149号証,査第158号証,査第164号証,査第174号証,
査第178号証,査第179号証,査第181号証,査第188号証2枚目,査第190号証,査第198号
証,査第199号証3枚目,査第203号証,査第232号証3枚目,査第247号証4枚目,査第250号
証2頁,6頁,13頁,第11回審判速記録3頁
表8-1
平成10年3月19日の討議研究会で決定された基準価格
価格
区 分
A
B
C
A
B
C
A
B
C
はくさい
キャベツ
だいこん
か
表8-2
ぶ
共購価格
(10袋)
16,600 円
23,500 円
47,800 円
30,400 円
35,900 円
44,200 円
42,300 円
81,000 円
137,100 円
91,100 円
農協価格
(10袋)
15,100 円
21,400 円
43,700 円
27,700 円
32,800 円
40,300 円
38,600 円
73,900 円
125,200 円
83,200 円
大卸価格
大卸価格
(10袋) (100袋)
11,200 円
108,000 円
15,800 円
153,000 円
32,200 円
312,000 円
20,500 円
198,000 円
円
24,200
234,000 円
29,800 円
288,000 円
28,500 円
276,000 円
54,600 円
528,000 円
92,400 円
894,000 円
61,400 円
594,000 円
平成11年3月16日の討議研究会で決定された基準価格
価格
区 分
A
B
C
A
B
C
A
B
C
はくさい
キャベツ
だいこん
か
表8-3
小売価格
(1袋)
1,800 円
2,550 円
5,200 円
3,300 円
3,900 円
4,800 円
4,600 円
8,800 円
14,900 円
9,900 円
ぶ
小売価格
(1袋)
1,850 円
2,600 円
5,300 円
3,400 円
4,000 円
4,950 円
4,700 円
8,900 円
15,100 円
10,100 円
共購価格
(10袋)
17,000 円
23,900 円
48,800 円
31,300 円
36,800 円
45,500 円
43,200 円
81,900 円
138,900 円
92,900 円
農協価格
(10袋)
15,500 円
21,800 円
44,500 円
28,600 円
33,600 円
41,600 円
39,500 円
74,800 円
126,800 円
84,800 円
大卸価格
大卸価格
(10袋) (100袋)
11,500 円
111,000 円
16,100 円
156,000 円
32,900 円
318,000 円
21,100 円
204,000 円
24,800 円
240,000 円
30,700 円
297,000 円
29,100 円
282,000 円
55,200 円
534,000 円
93,600 円
906,000 円
62,600 円
606,000 円
平成12年3月15日の討議研究会で決定された基準価格
価格
区 分
A
B
C
A
B
C
A
B
C
はくさい
キャベツ
だいこん
か
ぶ
小売価格
(1袋)
1,850 円
2,600 円
5,300 円
3,400 円
4,000 円
4,950 円
4,700 円
8,900 円
15,100 円
10,100 円
共購価格
(10袋)
17,000 円
23,900 円
48,800 円
31,300 円
36,800 円
45,500 円
43,200 円
81,900 円
138,900 円
92,900 円
農協価格
(10袋)
15,500 円
21,800 円
44,500 円
28,600 円
33,600 円
41,600 円
39,500 円
74,800 円
126,800 円
84,800 円
大卸価格
大卸価格
(10袋) (100袋)
11,500 円
111,000 円
16,100 円
156,000 円
32,900 円
318,000 円
21,100 円
204,000 円
24,800 円
240,000 円
30,700 円
297,000 円
29,100 円
282,000 円
55,200 円
534,000 円
93,600 円
906,000 円
62,600 円
606,000 円
表8-4
平成13年3月14日の討議研究会で決定された基準価格
価格
区 分
A
B
C
A
B
C
A
B
C
はくさい
キャベツ
だいこん
か
ぶ
小売価格
(1袋)
1,850 円
2,600 円
5,300 円
3,400 円
4,000 円
4,950 円
4,700 円
8,900 円
15,100 円
10,100 円
共購価格
(10袋)
17,000 円
23,900 円
48,800 円
31,300 円
36,800 円
45,500 円
43,200 円
81,900 円
138,900 円
92,900 円
農協価格
(10袋)
15,500 円
21,800 円
44,500 円
28,600 円
33,600 円
41,600 円
39,500 円
74,800 円
126,800 円
84,800 円
大卸価格
大卸価格
(10袋) (100袋)
11,500 円
111,000 円
16,100 円
156,000 円
32,900 円
318,000 円
21,100 円
204,000 円
24,800 円
240,000 円
30,700 円
297,000 円
29,100 円
282,000 円
55,200 円
534,000 円
93,600 円
906,000 円
62,600 円
606,000 円
表9−1 価格表価格の動き1(小売価格(1袋),基準価格に定められる容量と同
じ容量で当年度及び前年度の価格表に掲載されている品種(当該容量に係る
価格のみ))
品種数合計
はくさい
うち 価格を引き上げた品種の数
小売価格
価格を据置いた品種の数
(1袋)
価格を引き下げた品種の数
品種数合計
キャベツ
うち 価格を引き上げた品種の数
小売価格
価格を据置いた品種の数
(1袋)
価格を引き下げた品種の数
品種数合計
だいこん
うち 価格を引き上げた品種の数
小売価格
価格を据置いた品種の数
(1袋)
価格を引き下げた品種の数
品種数合計
かぶ
うち 価格を引き上げた品種の数
小売価格
価格を据置いた品種の数
(1袋)
価格を引き下げた品種の数
証拠:査第407号証∼第410号証
表9−2
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成13年度
268
261
7
0
305
293
10
2
240
211
29
0
38
34
4
0
287
282
5
0
310
289
21
0
265
244
20
1
42
41
1
0
283
6
277
0
323
5
315
3
267
2
265
0
40
0
40
0
292
0
292
0
319
7
312
0
296
3
292
1
44
0
44
0
価格表価格の動き2(小売価格(1袋),基準価格に定められる容量とは異
なる容量でのみ当年度及び前年度の価格表に掲載されている品種(同一品種名
であっても異なる容量の商品は異なる品種として計上))
平成10年度
品種数合計
うち 価格を引き上げた品種の数
価格を据置いた品種の数
価格を引き下げた品種の数
品種数合計
キャベツ
うち 価格を引き上げた品種の数
小売価格
価格を据置いた品種の数
(1袋)
価格を引き下げた品種の数
品種数合計
だいこん
うち 価格を引き上げた品種の数
小売価格
価格を据置いた品種の数
(1袋)
価格を引き下げた品種の数
品種数合計
かぶ
うち 価格を引き上げた品種の数
小売価格
価格を据置いた品種の数
(1袋)
価格を引き下げた品種の数
証拠:査第417号証∼第420号証
はくさい
小売価格
(1袋)
2
1
1
0
6
3
3
0
31
26
5
0
72
69
1
2
平成11年度
平成12年度
平成13年度
3
2
1
0
6
3
3
0
47
34
13
0
74
66
8
0
4
0
4
0
9
0
9
0
42
0
42
0
84
0
84
0
4
0
4
0
10
0
10
0
44
0
44
0
85
2
83
0
表9−3
はくさい
小売価格
(1袋)
キャベツ
小売価格
(1袋)
価格表価格の動き3(小売価格(1 袋),表9−1の品種のうち前年度にお
いて基準価格と価格表価格が一致するもの)
前年度において価格表価格が基準
価格と一致する品種の数
うち 当年度においても基準価格
と一致する品種の数
前年度において価格表価格が基準
価格と一致する品種の数
うち 当年度においても基準価格
と一致する品種の数
だいこん 前年度において価格表価格が基準
小売価格 価格と一致する品種の数
(1袋)
うち 当年度においても基準価格
と一致する品種の数
かぶ
前年度において価格表価格が基準
小売価格 価格と一致する品種の数
(1袋)
うち 当年度においても基準価格
と一致する品種の数
証拠:査第407号証∼第410号証
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成13年度
192
204
195
201
191
203
195
201
212
248
256
246
212
245
250
246
50
60
57
59
50
59
57
58
15
13
12
11
13
13
12
11
表10
平成13年10月4日開催の日種協理事会への出席状況
32社のうち日種協理事会に出席した26社
事
業
者
(被 審 人)
タ キ イ 種
事
業
者
(被審人外)
苗
ト
ー
ホ
ク
サ カ タ の タ ネ
協
和
種
苗
渡 辺 採 種 場
武 蔵 野 種 苗 園
みかど育種農場
柳川採種研究会
カ ネ コ 種
苗
雪
印
種
苗
タカヤマシード
山
陽
種
苗
日 本 農 林 社
渡
辺
農
事
大和農園種苗販売部
愛
三
種
苗
丸
不
二
種
苗
種
中 原 採 種 場
松
永
種
苗
ア サ ヒ 農
園
宝
苗
種
ト キ タ 種
苗
横
浜
植
木
野
原
種
苗
計16社
日 東 農 産 種 苗
計10社
表11
被審人 17 社の主張する②の類型に該当する品種数と総品種数の比較
元詰業者
種類
はくさい
キャベツ
みかど育種農場
だいこん
かぶ
はくさい
キャベツ
トキタ種苗
だいこん
かぶ
はくさい
協和種苗
②の類型に該当する品種数/総品種数
野菜の
キャベツ
価格
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成13年度
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
2/8
2/8
2/8
1/8
0/9
0/9
0/9
0/9
1/10
1/10
1/10
1/10
1/10
0/10
0/10
1/10
6/8
6/8
6/8
6/8
0/10
0/10
0/10
0/10
0/8
0/8
0/8
0/8
0/11
0/11
0/11
0/11
大卸10袋
0/18(0/2) 0/18(0/2) 0/20(0/2) 0/22(0/2)
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
小売1袋
大卸10袋
0/18(0/2)
0/18(0/2)
0/18(0/2)
1/3
1/3
1/3
1/3
1/10
1/10
1/10
4/7
1/7
4/7
4/8 (1/1)
3/8 (1/1)
2/8 (1/1)
1/1 (1/1)
0/18(0/2) 0/20(0/2) 0/22(0/2)
0/18(0/2) 0/20(0/2) 0/22(0/2)
0/18(0/2) 0/20(0/2) 0/22(0/2)
1/3
0/3
0/3
1/3
0/3
0/3
1/3
0/3
0/3
1/3
0/3
0/3
0/8
0/9
0/9
0/8
0/9
0/9
0/8
0/9
0/9
2/6
1/7
0/8
2/6
1/7
0/8
5/6
1/7
0/8
3/11(0/2)
0/11
0/11
4/11(0/2)
0/11
0/11
4/11(0/2)
0/11
0/11
0/1 (0/1)
平成10年度∼13年度合計
35/136
2/160
0/344
8/48
3/108
21/84
23/132
6/12
大卸100袋
1/1 (1/1)
0/1 (0/1)
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
1/1 (1/1)
0/7
0/7
0/7
0/7
0/17
0/17
0/17
0/17
0/4(0/6)
0/1 (0/1)
1/7
1/7
1/7
1/7
0/16
0/16
0/16
0/16
0/5(2/6)
0/7
0/7
0/7
0/7
0/16
0/16
0/16
0/16
0/5(0/6)
1/7
0/7
1/7
0/7
0/13
0/13
0/13
0/13
0/4(0/4)
大卸100袋
0/4(0/6)
0/5(2/6)
0/5(0/6)
0/4(0/4)
だいこん
農協10袋
小売1袋
0/4(0/6)
0/4(0/6)
0/5(2/6)
0/5(2/6)
0/5(0/6)
0/5(0/6)
0/4(0/4)
0/4(0/4)
大卸10袋
(2/8)
(6/8)
(0/9)
(0/9)
かぶ
大卸100袋
(2/8)
(6/8)
(0/9)
(0/9)
農協10袋
(2/8)
(6/8)
(0/9)
(0/9)
6/112
0/248
8/160
24/102
元詰業者
種類
増田採種場
キャベツ
日本タネセンター
キャベツ
柳川採種研究会
だいこん
キャベツ
野原種苗
②の類型に該当する品種数/総品種数
野菜の
だいこん
かぶ
中原採種場
だいこん
渡辺農事
かぶ
不二種苗
だいこん
価格
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成13年度
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
6/25
6/25
6/25
6/25
0/3
0/3
0/3
0/3
0/2
0/2
0/2
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
1/1
10/29
10/29
10/29
10/29
0/3
0/3
0/3
0/3
0/2
0/2
0/2
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/29
2/29
2/29
0/29
0/3
0/3
0/3
0/3
0/2
0/2
0/2
1/1
1/1
1/1
1/1
0/26
0/26
0/26
0/26
3/3
3/3
3/3
3/3
0/2
0/2
0/2
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
0/1
大卸100袋
1/1
0/1
0/1
0/1
農協10袋
1/1
0/1
0/1
0/1
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
大卸10袋
大卸100袋
農協10袋
小売1袋
1/1
12/28
12/28
12/28
12/28
0/1
0/1
0/1
0/1
2/4
2/4
2/4
2/4
0/1
4/28
4/28
4/28
4/28
0/1
0/1
0/1
0/1
3/4
3/4
3/4
3/4
0/1
0/28
0/28
0/28
0/28
0/1
0/1
0/1
0/1
0/4
0/4
0/4
0/4
0/1
0/27
0/27
0/27
0/27
0/1(0/2)
0/1(0/2)
0/1(0/2)
0/1(0/2)
0/4
0/4
0/4
0/4
平成10年度∼13年度合計
68/436
12/48
0/24
8/16
4/12
4/16
64/444
0/24
20/64
注1 表中「大卸10袋」とは「大卸価格(10袋)」を指す。他の価格についても同様の略称を用いてい
る。
注2 各年度欄には,まず,基準価格と同一の容量の品種であって②に該当する品種数を記載し,次に( )
内に基準価格とは異なる容量の品種であって②に該当する品種数を記載している。
注3 合計欄の品種数は,同一品種であっても年度が異なるものについては1品種として計上している。
証拠: 査第407号証∼第410号証,査第417号証∼第420号証
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