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有松町並み保存地区のあらまし (PDF形式, 1.03MB)
žထɳLj̬ע܍ғſƷƋǒLJƠ ᳸ஊထɳLj̬ע܍ғ᳸ ⊡Ⅴᛖ↹ⅾ↙↺↭←ӸӞދⅥ↝ܱྵ↚Ӽↀ↕⊡ ӸӞࠊދ 町並み保存地区について ◆ 町並み保存地区とは 名古屋市では、市内に残された貴重な歴史的な町並みを保存するため、名古屋市町並み保存要綱により、 「有松」 、 「白壁・主税・橦木」 、「四間道」、「中小田井」の4地区を「町並み保存地区」に指定しています。 ◆ 伝統的建造物の指定 保存地区内において、町並みの特性を維持している古い建造物(建物・門・塀など)を「伝統的建造物」とし て指定し、歴史的な町並みを構成する重要な要素として重点的に保存・修理を図っています。 ◆ 修理基準・修景基準 各地区ごとに、 伝統的建造物を対象とした「修理基準」と、伝統的建造物以外の建造物を対象とした「修景基準」 を定めています。修理基準では、建造物の修理を行う際には伝統的な様式にならって復原・修理することなどを 定め、修景基準では、建築行為等を行う際には周囲の町並みに調和するように配慮することなどを定めています。 ◆ 建築行為等の届出を行ってください 保存地区内において、建築物や工作物の新築、増改築、除却等を行う場合は、事前に名古屋市 に相談・届出を行ってください。 ◆ 町並み保存事業補助金について 保存地区内において、修理基準や修景基準にしたがって、建造物の修理や修景を行う場合、必 要な経費の一部について、予算の範囲内において助成を行っています。 *手続等に時間を要しますので、補助金についてご検討の方は、お早めにご相談ください。 ◆ 伝統的建造物の保存・活用に関する相談について 伝統的建造物に指定された建造物については、修理や利活用に関して、現地において専門家に よる無料相談を受けることができます。(「なごや歴まちびと」派遣制度) な か お た い 歴まちくん しらかべ ちから しゅもく ○中小田井地区(西区) 約 2.8 ヘクタール 約 14.3 ヘクタール ○白壁・主税・橦木地区(東区) 町並み保存地区の位置図 ≪ 名古屋市の歴史的骨格のイメージ ≫ 木曽街道 (上街道) 街道 岩倉 至 犬山 尾張戸神社 至 垂井(中山道) 道) 道( 美 濃 道 名古屋城 甚目寺観音 善光 寺街 街 中小田井地区は岩倉やその周辺 から枇杷島の青果市場へ野菜類 を運ぶ道として賑わった岩倉街 道 沿 い に 形 成 さ れ た ま ち で す。 現在も町家や土蔵が多く残って おり、街道の歴史を身近に感じ ることができます。 竜泉寺 下街 中小田井 清須 白壁・主税・橦木地区は江戸時 代以来の武家屋敷跡の地割りを 良く残しており、門・塀と緑樹 からなる屋敷景観と戦前の優れ た近代洋風建築が建ち並ぶ美し い町並みを形成しています。 城下町 至 佐屋 万場 岩塚 佐屋 飯 街道 し け み ち 田 街 道 堀 川 荒子観音 至 飯田 熱田神宮 約 2.8 ヘクタール ○四間道地区(西区) 熱田 熱田湊 ありまつ ○有松地区(緑区) 約 19.5 ヘクタール 平針 笠寺観音 笠寺 道 海 東 鳴海 し の渡 七里 有松 至 池鯉鮒・江戸 至 桑名・京 四間道地区は慶長15年(1610)に 始まった清須越しにともなって つくられた商人町で、堀川の水 運を利用して隆盛を誇った清須 越し商人の栄華の跡である土蔵 群と町家が城下町の面影を残し ています。 氷上姉子神社 桶狭間古戦場 戦国末期の推定海岸線 城下町 大木戸 主な神社 江戸末期の推定海岸線 熱田 旧街道 四観音寺 新田開発 宿場町等 主な運河・河川 有松地区は江戸時代以来「有 松 絞」の 製 造・販 売 に よ っ て発展した東海道沿いのま ち で す。塗 籠 造 や 虫 籠 窓、 卯建などの特徴を持った商 家が現在も街道沿いに軒を 連ね、近世の町並みを今に 伝えています。 有松の町並みについて ◆ 町並みの特徴 ◆ まちの成り立ち 有松は慶長 13 年(1608)に東海道の鳴海宿と池鯉鮒(知立)宿の間に開かれた村で、尾張藩の奨励により、 知多郡阿久比村から最初の住人がやってきました。彼らが考案した「有松絞」は東海道の名物となり、村 の発展を支えました。 天明 4 年(1784)の大火によって村のほとんどが焼失しましたが、尾張藩の援助もありその後 20 年ほ どでほぼ復興しました。この大火を機に、東海道沿いの町家は防火対策として屋根を従来の萱葺から瓦葺 に改め、卯建を設け、外壁をしっくいで覆った塗籠造りとするようになり、現在見られるような町並みが 形成されました。 あ ぐ い うだつ ぬりごめ 有松の町並みは地場産業(絞の製造・販売)との関係が深く、大規模な間口と敷地を持つ豪壮な商家(絞 問屋)が多くみられ、ゆるやかに曲がった街道沿いに比較的ゆったりとした町家が連なっています。 有松の町家の最大の特色は、防火対策のために外壁をしっくいで覆った塗籠造りの様式です。有松の町 家は一般に中 2 階建ての切妻の瓦葺で、街道に面した 1 階部分には半間の土庇と格子がついています。2 階の壁と軒裏は白又は黒のしっくいの塗籠で、2 階の窓は虫籠窓となっています。 また、大正期から昭和初期に建てられた町家は、2 階部分の高さや格子のデザインが多様化していますが、 周囲の景観と調和したものが多く残っており、時代の変遷と地域の産業の変容とともに町家のデザインの 移り変わりが一つの町の中で読み取れるところにも、有松の町並みの特性があるといえます。 有松の歴史的な町並みを形成している建造物には、町家以外にも、土蔵・山車倉・門・塀などがあり、 地域の歴史を物語る重要な要素になっています。 むしこまど 東海道分間延絵図(部分) ゆるやかに曲がった街道 町家と土蔵 虫籠窓 ◆ 保存地区の区域について 天満社 天満社 イオン有松ショッピングセンター 名鉄有松駅 ) 染川 藍 ( 越川 名鉄 手 名古 屋本 線 名古屋情報専門学校 祇園寺 海 道 東 旧 至鳴海 号 線 状 2 屋 環 名 古 0 まつのね橋 有松線 都市計画道路 旧東海道を中心とし、名鉄名古屋本線と国道1号 に囲まれた約 19.5ha を「有松町並み保存地区」に 指定しています。 有松町並み保存地区には「旧東海道沿い」と「周 辺地域」の2つの区域があります。「旧東海道沿い」 は歴史的な町並みの保存を重視した整備を進めるこ とを目標としており、「周辺地域」は歴史的な町並 みとの調和を図りながら住環境の整備を進めること を目標としています。 なお、有松駅及び有松線周辺(有松土地区画整理 事業施行区域周辺)においては、別途、有松駅南地 区計画を定めています。(町並み保存地区とは別途 の協議・届出が必要です) 至知立 有松小学校 旧東海道沿い 町並み保存地区 国 道 1 周辺地域 号 100m 200m 有松中学校 地区計画区域(有松駅南地区計画) 修理・修景基準について 伝統的建造物の修理基準 構造 階数 伝統的建造物以外の建造物等の修景基準(旧東海道沿い) 屋根 塗籠造り : 木造塗籠造り 位置 ・可能な限り、現在の町並みの壁面線にそろえる。 ・やむをえず道路より後退させる場合は、伝統的な形式の塀を設置して、町並みの連続性を維持する。 ・周囲の建物に合わせる。 高さ ・2 階以下とし、可能な限り、軒高・庇の高さを現在の町並みにそろえる。 ・黒色桟瓦葺 敷地 塗籠造り以外 : 木造真壁造り 形式 ・切妻平入り(原型によっては入母屋妻入り) 2 階、中 2 階又は平屋建(原型の階数) 勾配 材量 庇 材料 ・半間の庇の出をとり、黒色 桟瓦葺とする。 庇裏 ・野地板・棰あらわし 塗籠造り : 塗籠(白又は黒のしっくい塗り) 塗籠造り以外 : 野地板・棰あらわし 軒裏 デザイン ・色彩 ・原則として、現在の町並みを形成している敷地の形状を維持する。 ・デザインは、伝統的建造物にならったものにし、町並みの景観に調和したものとする。 ・色彩は、白・黒・濃い茶色を基調にする。 ・外部の新設の木部は、原則として古色仕上とする。 屋根・庇 ・原則として、切妻・平入りとする。 ・前面に庇を設ける。 ・屋根・庇とも、黒色桟瓦葺とする。 外壁 ・樋は、黒又は濃い茶色のものとする。 ・外壁の材料は、しっくい又はこれに類するものとし、腰部分は、 板貼り・なまこ壁又はこれらに類するものとする。(やむをえな い場合は、町並みの景観に調和した材料を使用する。 ) 開口部 ・建具は、木製又は濃い茶色のサッシとする。 ・窓には、可能な限り木製格子をつける。 ・出入口は、可能な限り格子戸の形式のものにする。 壁面 門・塀 壁 塗籠造り : 塗籠(白又は黒のしっくい塗り) 塗籠造り以外 : 真 壁 構造 ・木造真壁造り 屋根 ・勾配屋根をつけ、黒色桟瓦葺とする 小壁 ・白又は黒のしっくい又は土壁塗りとする 窓 塗籠造り : 虫籠窓(窓の上下に長押を通し塗格子とする) 塗籠造り以外 : 原則として、木製の格子・手摺・雨戸など を付ける 門扉 ・木製とする ・建具は木製又は濃い茶色のサッシとする。 木部 ・外部の新設の木部は、原則として古色仕上とする 2階 1階 壁 ・真 腰 ・なまこ壁・下見板貼り・竪羽目板貼り・真壁等で、各々固 有のものとする。 窓 出入口 妻側壁 腰 ・腰なげしの下部はたて羽目板又は下見板貼りとする 壁 ・木製建具又は濃い茶色のサッシとし、原則として木製格子 をつける。 ・原則として、木製格子戸とする。(店舗等の開放形式で、や むをえない場合は可能な限り、木製格子戸に近いデザインのも のとする。 ) ・下見板貼り又は白のしっくい塗りとする。 外部土間 ・たたき・モルタル金コテ仕上・石貼り・豆砂利洗 い出し又はこれらに準ずるものとする。 外部土間 ・たたき・モルタル金コテ仕上・石貼り・豆砂利洗い出し又はこれらに類するものとする。 設備機器 ・道路等から容易に望見できる部分に露出しないようにする。 ・やむをえず露出する場合は、壁・格子等でおおうなど、建物本体に調和したものとする。 土蔵 広告物等 塀・柵 駐車場・ 未利用地 ・原則として、各々固有の様式により復原修理し又は修景する。 ・デザイン・色彩・大きさ等は、町並みの景観に調和したものとする。 ・2 階の軒より低くし、建物より前には設置しない。 ・屋上の広告塔・窓面利用の広告・ネオンサイン類・テント類等は、いずれも原則として設置しない。 ・伝統的建造物である塀の形式のもの又は伝統的な形式にならったデザインのものとする。 ・新設の駐車場は、原則として設置しない。 ・既存の駐車場等については、出入口を除いて、可能な限り、同上の塀等で修景する。 車庫 ・建物は、伝統的建造物のデザインを応用する。 ・出入口は、可能な限り、木製の板戸・格子戸又は同折りたたみ戸とする。(やむをえず鋼製シャッターを使用する場合は、 表面を黒又は濃い茶色とする。シャッターケースは、道路等から見えないようにする。 ) ・伝統的建造物にふさわしいものとする。 擁壁 設備機器 ・道路等から通常望見できる部分に露出しないよう にする。 ・原則として、擁壁が生じるような地形の変更は行わないものとする。 ・やむをえない場合は、石貼りや植栽等で表面を修景する。 生垣 ・旧東海道沿いの内、まつのね橋以東において、生垣を設ける場合は、周辺の景観に調和したものにする。 他 ・その他各部、伝統的建造物にふさわしい意匠・形 態にする。 樋 木部 広告物 ・黒若しくは濃い茶色のもの又は銅製とする。 ・外部新設の木部は、原則として古色仕上とする。 補助基準(有松地区)の概要 伝統的建造物以外の建造物等の修景基準(周辺地域) 3階以下 傾斜屋根 周辺の景観を損なわないデザイン・色彩・材料 生垣 ・町並みの歴史的な景観と調和させつつ、良好な住環境の整備を図るため、 建物は、原則として 3 階以下とし、可能な限り傾斜屋根にする。 ・生垣を設ける場合は、周辺の景観に調和したものにする。 ・建造物等のデザイン・色彩・使用材料等についても、周辺の景観を損なわ ないものとする。 補 伝統的建造物 助 対 象 補助率 a.外観を修理基準により修理するのに要する経費。なお、その保存上、構造耐力 7/10 以内 上主要な部分の修理が必要と認められる場合は、その経費を含ませることができる。 b.修理工事のうち、町並みの特性と調和しない外観の部分を修理基準により復原、 8/10 以内 改修するのに要する経費 限度額 500 万円 c.修理工事に伴い、その保存上必要と認められる内部の改造に要する経費 5/10 以内 100 万円 d.建造物の保存のために、特に必要な防災設備の設置に要する経費。ただし、消 火器類は除く。 5/10 以内 30 万円 伝 統 的 建 造 物 以 外 の a.新築・増築・改築・移転・修理・色彩の変更で、修景基準により外観を修景す るのに要する経費。 建 造 物 等 (旧 東 海 道 b.修理工事のうち、町並みの特性と調和しない外観の部分を修景基準により改修 に面する建造物等) するのに要する経費。なお、この場合、構造耐力上主要な部分の修理が特に必要と 認められる場合は、その経費を含ませることができる。 6/10 以内 300 万円 7/10 以内 周辺地域における門塀で、外観を修景基準により修景するのに要する経費。 6/10 以内 100 万円 修景上必要な生垣・植栽等に要する経費 5/10 以内 50 万円 ※上記の各項目において、建造物等の補助対象部分は、その外観とし、原則として旧東海道から見える部分とする。 届出・補助金について ◆ 届出の対象となる行為 町並み保存地区内において下記の現状変更行為を行う際は、事前に名古屋市に届出を行ってください。 (1)建築物その他工作物の新築、増築、改築、移転又は除却 (2)建築物その他工作物の外観を変更することとなる修繕、模様替え又は色彩若しくは材質の変更 (3)宅地の造成、その他の土地の形質の変更 (4)木竹の伐採、土石類の採取又は水面の埋立て ◆ 手続きの流れ … 補助金の交付を受けない場合 ⇒ 届出のみ + … 補助金の交付を受ける場合 ⇒ 届出 + 補助金交付申請 事前相談(建物の修理や修景に関する相談、建築計画の相談等) ※修理・修景基準への適合状況の確認等を行います ※伝統的建造物に指定された建物等については、専門家による技術的支援(無料相談)を受けることも可能です 現状変更行為届出書の提出 ※添付書類 ①関係部分の設計図 … 案内図、配置図、平面図、立面図(着彩)等 補助金交付申請書の提出 ※添付書類 ①関係部分の設計図 … 案内図、配置図、平面図、立面図(着彩)等 ②現況写真 ③工事費内訳書(見積書の写し) ④関係権利者の同意書(必要な場合) 補助金交付決定通知 修理・修景工事等の実施 届出、申請内容を変更する場合 実績報告書の提出 ※添付書類 ①関係部分の設計図 … 案内図、配置図、平面図、立面図(着彩)等 ②完成写真 ③収支決算書 ④工事費内訳書(領収書・請求書の写し) 工事等の完了検査 補助金交付対象の工事等は年度内に完了することが必要です ※ ②現況写真 請求書の提出 補助金の支払(振込) ※補助金については、年度毎に予算の範囲内での対応となります。手続きに時間を要しますので、補助金についてご検討の方は、 お早めにご相談ください。 (工事実施の前年度のできるだけ早い時期にご相談ください) ※補助金交付申請者と補助金振込先は同一名義となるようにしてください。 名古屋市 住宅都市局 歴史まちづくり推進室 Tel : 052−972−2782 問い合わせ先 2012 年 3 月 〒460-8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号(名古屋市役所西庁舎) Fax : 052-972-4485 E-mail : [email protected] 町並み保存地区の詳しい内容や届出・申請様式については、名古屋市公式ウェブサイトに掲載しています。 䛣䛾䝟䞁䝣䝺䝑䝖䛿ྂ⣬䝟䝹䝥䜢ྵ䜐⏕⣬䜢⏝䛧䛶䛔䜎䛩䚹