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News
JIKEN CENTER
自研センターニュース
8
August 2004
平成16年8月15日発行 毎月1回15日発行(通巻347号)
昭和51年5月27日 第三種郵便物認可
C
O
N
T
E
N
T
S
テクノセミナー:増える高張力鋼板の需要と
ダイクエンチ法 ・・・・・・・・・・・2
特別記事:自研センターではこうしています
ー自動車リサイクル法への対応ー ・・・・・・・4
輸入車インフォメーション:メルセデス・ベンツ Eクラスワゴン
合成樹脂部品の補給形態 ・・・・・5
リペアリポート:AFS付ヘッドランプ装着車両の
作業上の注意点について ・・・・・・・・6
「構造調査シリーズ」新刊のご案内 ・・・・・・・・7
特別記事:先進安全自動車
(ASV:Advanced Safety Vehicle)・・・・8
指数テーブルマニュアル作業項目のご案内 _ 55 _ ・・・・11
調査・研究報告:接着式ガラスの脱着作業に
ついての手順<2> ・・・・・・・12
海外情報の紹介:これからの挑戦 新しい車両技術と、
それが修理業界に与える影響<2>・・・17
輸入車指数作成プロジェクト完遂 ・・・・・・・19
リサーチング ザ スケルトン:トヨタ パッソ(10系)・
ダイハツ ブーン(M300・310系)・・・20
お客様相談室レポート:スバル レガシィBH系
センタピラー取替作業について ・・・・22
日本アウダテックス社 指数テーブル「2004年8月号」発行のご紹介 ・・・・23
「リペアインフォメーションS」休載のお知らせ・・・・・23
自研センター来訪者一覧/編集後記 ・・・・・・・24
別冊 新型車情報:ダイハツ・ブーン/トヨタ・パッソ
1 ∼□
8
・・・・・・・・・・・・・□
□
TECHNO SEMINAR
テクノセミナー
増える高張力鋼板の需要と
ダイクエンチ工法
04年3月号にも最近の高張力鋼板の種類と特性について記述してきましたが、今回は
先般新聞等にも取り上げられた「ダイクエンチ工法」の紹介と高張力鋼板の特性を合わせて
述べてみます。
(参考:日刊自動車新聞2004年6月20日付記事)
表1
1. はじめに
温暖化対策など地球環境問題を背景に自動車の大幅な
燃費改善が大きな技術的課題となって、自動車の軽量化が
従来以上に要求されています。さらに衝突時の安全対策と
しての車体の高強度化も技術的課題となっています。この
軽量化と安全対策の双方を実現するために高張力鋼板の
採用が急速に進んでいます。
9,900
完 10,000
成
車
生 8,000
産
︵
千 6,000
台
/ 4,000
年
︶
2,000
7,500
2. 鋼板の特性と車体使用部品の関係(図1、2)
9,500
7,200
7,200
鋼自
板動
量車
向
け
1,500
20%
2005年には自動車向け鋼板量のうち、ハイテン材比率が
1999年度
50%に達するのではという勢いで増加しています。
(表1)
9,500
完成車生産台数
3,600
ハ
イ
テ
ン
材
2,160
30%
2002年度
50%
2005年度
図2
q外板パネルでは軽量化を図るため、TS(Tensile
Strength:引張り強さ)340∼390Mpaが主です。
w構造部材では安全対策のための高強度化が主であり、
強度レベルはTS440∼540Mpaが主で、一部には590∼
780Mpa級も採用されており、更なる高強度化が図ら
れています。
図1
鋼板の特性(強度・伸び)
と車体使用部品の関係
60
外板パネル
50
内板パネル
引張強さ
(N/mm2)
伸 40
び
︵
% 30
︶
340-440
構造部材
490-790
シャーシ部材
20
980-1,380
バンパ
リインホースメント
*Mpa(メガパスカル)
:SI単位(国際単位系)1Mpa=
0.102kgf/mm2
数値は引張強度を表示
10
ドアインパクトビーム
0
200
400
600
800
1000
引張り強さ
(Mpa)
矢印は今後予想される強度レベル
2
自研センターニュース 2004年8月号
1200
10,000 自
動
車
8,000 向
け
6,000 鋼
板
量
4,000 ︵
千
t
2,000 /
年
︶
TECHNO SEMINAR
3. 高張力鋼板の成形
高張力鋼板は強度に優れる一方、硬くて加工しにくいの
図3
が難点でもあります。車体成形の面からは、高強度化によ
る延性の低下、それに伴う成形性の劣化、降伏強度の上
昇による面ひずみや、スプリングバックなどの形状凍結不良
の増加といった困難な技術的課題もあります。
そういった中、様々な加工技術が今も開発され続けてい
ますが、焼入れ性の良い材料は成形後に熱処理すること
により必要とする強度を得ることができます。こういった性
スプリングバックとはプレス加工後、跳ね返り、
元に戻ろうとする性質をいう。
質を利用した技術が次に紹介する「ダイクエンチ工法」であ
自動車メーカの取り組みとしては2001年、軽自動車用ド
ります。
アビームで実用化しました。
(写真1)
また昨年からトヨタ「プリウス」に採用を開始したルーフ
4. ダイクエンチ工法について(図4)
ダイクエンチ(die:金属の変形加工用の金型、quenching:
冷却する)工法とは、プレスと同時に焼入れ処理をして、通
の補強材(写真2)
では、素材の高強度化で肉厚を半減、重
量を50%削減しています。
常の鋼板を超高張力鋼板に匹敵する強度に高める特殊工
写真1 ドアインパクトビーム
法をいいます。
この「ダイクエンチ工法」では、鋼板を900℃に加熱して熱
間プレスした直後に水で急速に冷却します。こうした焼入
れ処理により、マルテンサイト組織に変態させてTS600Mpa
写真2 ルーフリインホースメント
級の鋼板をTS1500Mpa級の強さにすることが可能となる
わけです。
軽量化に効果的な超高張力鋼板を車体に採用するケー
スが増えていますが、強度が高まるほど加工が難しくなる
ため、現状では1000Mpa級鋼板が最高クラスとなっていま
す。ダイクエンチ工法はこれを上回る強度を通常の鋼板で
実現できるということになります。
図4 ダイクエンチ工法
塑性加工製品の薄板化
<ダイクエンチ工法による軽量ルーフリンフォースの開発>
加熱した板材をプレス成形と同時に急冷
し、焼入れするダイクエンチ工法を用いた軽
量ルーフリンフォースメントを開発・量産化し
ました。
今後ダイクエンチ工法で軽量化が期待される部品
ダイクエンチ工法の採用により、
様々な部品の軽量化が期待できる。
ルーフリンフォース
Bピラー
リンフォース
Aピラーリンフォース
ドアビーム
軽量ルーフリンフォースメント
ねらい
ブレース
製 品
サイドレールリンフォース
インナ+リンフォース
フロントサイドメンバEXT
・SUV側面衝突安全対応
・部品の軽量化
成 果
●質量
開発事項
・ダイクエンチ工法による、
材料強度向上による薄板化
・同等強度で板厚さ▲62%
60%の軽量化
指
数
ルーフリンフォースメント
往来品
開発品
自研センターニュース 2004年8月号
3
TECHNO SEMINAR
ただ、Aピラー(フロントピラー)のように絞りの深い形状
用範囲を広げ、軽量化による燃費改善に取り組む自動車
の部品は、成型時にシワが寄りやすくなるため、品質の確
メーカーの採用が加速すると考えられます。
保が難しかったようです。
写真3 トヨタカムリ
Aピラー部
こうした中、金型の改善やプレス速度の制御、温度化を図
り、外観品質の確保につなげ、現在では絞りが深く加工が難
しい形状のAピラーに適用する手法を実現できています。
ダイクエンチ工法を利用したAピラーは、トヨタ自動車が
北米で生産する「カムリ」に採用を開始しています。
(写真3)
従来は、形状が比較的単純な車体補強部材への展開に
とどまっていましたが、ここにきて新手法の確立を機に応
特別記事
自研センターではこうしています
ー自動車リサイクル法への対応ー
2005年1月より、使用済み自動車のリサイクル及び適正処
使用済自動車に搭載されているカーエアコンからフロン
理を促進するための体制を整えることを目的とした「自動
類の回収を行う業者は、フロン類回収業者の登録が必要に
車リサイクル法(正式には使用済み自動車の再資源化等に
なります(
。エアコン整備でのフロン入れ替えは対象外です)
関する法律)」が施行されます。
3. 解体業者(都道府県知事または保健所設置市長の許可)
当社もリサーチ工場を運営している関係上、当然のこと
(2004年7月1日∼3ヶ月以内に許可申請が必要)
ながら自動車リサイクル法に対し、どのように対応していく
使用済自動車の解体および使用済み自動車から部品を
のかが当面の課題となっております。具体的には当社が現
外して、他の自動車に使用する場合には、解体業者の許
在行っている事業について「都道府県知事または保健所設
可が必要になります。
(自動車所有者の依頼を受けてカー
置市長の登録・許可」と「財団法人自動車リサイクル促進セ
ステレオ、カーナビ等の付属品の取り外しは対象外です)
ンターへの事業者登録」が必要となり、その取得に向けて
4. 破砕業者(都道府県知事または保健所設置市長の許可)
準備を進めております。
登録・許可を必要とする事業は以下の1∼4までの4事業と
思われますが、特に解体業者については、板金工場で日常的
(2004年7月1日∼3ヶ月以内に許可申請が必要)
解体自動車の破砕又はプレス・せん断(破砕前処理)
を行う業者は破砕業者の許可が必要になります。
に行われている使用済み自動車から部品を外して他の自動車
に使用する作業に影響を及ぼすところであり、その業務内容
に関連した登録・許可が必要となるため注意が必要です。
登録・許可が必要な業務内容と申請先は以下のように
所設置市長への登録・許可」を受けた後、更に「財団法人
自動車リサイクル促進センターへの事業者登録」が必要にな
なります。
ります。自動車整備事業に携わる業者の方は、今一度ご自
1. 引き取り業者(都道府県知事または保健所設置市長へ
身の事業内容を再確認していただき、その事業内容に応じ
の登録)
(随時受付)
自動車所有者から使用済自動車を引き取る業者は、引
必要な諸手続きを行う必要があります。
なお、詳しい内容に関する問合せは、自動車リサイクル
き取り業者の登録が必要になります。
システムコンタクトセンター(コールセンター)03−5673−7396
2. フロン類回収業者(都道府県知事または保健所設置市
で対応しています。
長への登録)
(随時受付)
4
以上のように、これら4業者は「都道府県知事または保健
自研センターニュース 2004年8月号
是非この機会に確認してみてください。
輸入車インフォメーション
メルセデス・ベンツEクラス ワゴン(211265C)
の合成樹脂部品の補給形態
今回はメルセデス・ベンツEクラス ワゴン(211265C)のプラスチック部品の材料と補給形態情報をお知らせします。
なお、2004年8月発行予定の「No.J-375 構造調査シリーズ」メルセデス・ベンツEクラス ワゴンにも他の情報と共に掲載され
ていますので是非ご利用ください。
※赤字は塗装済補給
9. パネリング
(ミラーカバー)
6. エアインレット
グリルカバーリング
5. フックカバー
*カラー名 アラバスタ
ホワイトのみ塗装済補給
10. ロックシリンダ・ドアハンドル
8.ドアレッジ
4. ライセンスプレートベース
*パーツカタログには反映されて
いない。
部品を発注すると、塗装済で補
給してくる。
7. フェンダレッジ
2. フロント
プロティクティブストリップ
1. フロントバンパパネリング
3. HCSエスカションカバー
12. アッパパートパネリング
13. ロアパートパネリング
番号
部品名
11. サイドモールパネリング
材料記号
材料
補給形態
1
フロントバンパパネリング
PC-PBT
ポリカーボネート-PBT樹脂
未塗装
2
フロントプロティクティブストリップ
PC-PBT
ポリカーボネート-PBT樹脂
塗装済
3
HCSエスカションカバー
PC-PBT
ポリカーボネート-PBT樹脂
未塗装
4
ライセンスプレートベース
PP-EPDM
ポリプロピレン-EPDMゴム
塗装済
5
フックカバー
PC-PBT
ポリカーボネート-PBT樹脂
カラー名 アラバスタ
ホワイトのみ
塗装済
6
エアインレットグリルカバーリング
PBT
PBT樹脂
塗装済
7
フェンダレッジ
PUR
ポリウレタン
塗装済
8
ドアレッジ
PUR
ポリウレタン
塗装済
9
パネリング(ミラーカバー)
ABS樹脂-ポリカーボネート
塗装済
10
ロックシリンダ・ドアハンドル
ポリアミド
塗装済
11
サイドモールパネリング
ポリウレタン-RRIM樹脂
塗装済
12
アッパパートパネリング
PC-PBT
ポリカーボネート-PBT樹脂
未塗装
13
ロアパートパネリング
PC-PBT
ポリカーボネート-PBT樹脂
未塗装
ABS/PC
PA-GF
PUR-RRIM
*EPDMは、エチレンプロピレンジエン三元共重合体のことで、耐老化性、耐オゾン性、耐寒性、熱安定性に優れる合成ゴムです。エチレンプロピレン
ゴムとも言われます。
自研センターニュース 2004年8月号
5
REPAIR REPORT
リペア リポート
AFS付ヘッドランプ装着車両の作業上
の注意点について
最近、
AFS(注1)付ヘッドランプ装着車両が増加しています。
参考図
AFSは、カーブや交差点での右左折時に、ステアリング
操作に連動して操舵方向へヘッドランプが向きを変え、進
行方向を照射するヘッドライトということは、皆さんご存知
のことだと思います。
(参考図)
今回のリペアリポートはAFS装着車両の注意点について
紹介させて頂きます。
国産乗用車では、AFS装着車両は以下のようになってい
ます。
(2004年6月現在)
メーカ
AFS装着車両
トヨタ
セルシオ、クラウン、ハリアー
ニッサン
シーマ
ホンダ
エリシオン、オデッセイ、ステップワゴン
現在3メーカからAFSヘッドランプ装着車両が販売されて
おり、AFSヘッドランプに関する作業注意点は、各メーカに
より異なります。
1. AFSヘッドランプ脱着または取替え時の注意点
(1)トヨタ
どを行った場合AFSコントロールユニットの学習が必要にな
AFS付ヘッドランプの脱着または取替え作業を行った場
合、中立点記憶を行う必要があります。また、バッテリの脱
このように各メーカが発行している修理書、整備要領書、
着、ターミナルの縁切り作業を行った場合も同様の作業を行
シャシ整備編に記載されておりますので、AFSに関する作
う必要があります。
業を行った場合には、各メーカ指示に従い、中立点記憶
(2)ニッサン
(トヨタ)、中立点調整(ニッサン)、AFSコントロールユニッ
AFS付ヘッドランプの脱着または取替え時には、舵角セン
サー調整(舵角センサー中立点調整)
は発生しません。しか
し以下の作業を行った場合に、舵角センサー調整(舵角セ
ンサー中立点調整)が発生します。AFS
トの学習(ホンダ)
を必要に応じて作業を行います。
以下、ヘッドランプ取替えまたは脱着を行った場合を想定
しての作業方法について紹介します。
C/U、舵角セン
サー、ステアリング構成部品、サスペンション構成部品、タイ
2. 作業方法
ヤの脱着および取替えを行った場合は、走行前に必ず舵角
(1)トヨタ
センサー中立点調整を行う必要があります。
(3)ホンダ
ヘッドライトの取替え、ディスチャージヘッドライトユニット取
6
ります。
中立点記憶を行うには2通りの方法があります。
¡ステアリング中立点記憶方法
q自動中立点記憶
替え、AFSギヤボックスの取替え、AFSコントロールユニット
➢曲がり角、カーブ、渋滞の少ない道路を20km/h以
取替、ヘッドライトアジャスタレベリングセンサーの取替え、取
上、80km/h以下で100m以上走行すると、ステアリ
外し、リンク部分の取外し、舵角センサー取外し取替え、な
ング中立点記憶は自動で行われます。
自研センターニュース 2004年8月号
REPAIR REPORT
¡AFSコントロールユニットの学習を行うにはHDS(注4)を
w手動中立点記憶
➢車両を走行させ、ステアリングを直進状態にします。
➢シフトポジションをPまたはNにして、パーキングブレー
使用する場合と使用しない場合があります。
¡ヘッドライト取替え、AFSギヤボックス取替え
➢この場合、AFS左右及び上下スイブルを強制駆動さ
キを引きエンジン停止せず車両を動かないようにし
ます。
➢ステアリング直進状態で、AFS
せる必要があるため、HDSが必要となります。
OFFスイッチを約1
¡ディスチャージヘッドライトユニット取替え
➢この場合、ヘッドライトスイッチをONにし、点灯を確
秒間程度の間隔で8回(ON4回)押します。
➢ステアリング直進状態で、AFS
OFFスイッチを2回
(ON1回)押します。
認します。
以上のようになっており、作業によってはメーカ専用故障診
➢再度、2秒間以上(10秒以内)の間隔を開け、AFS
OFFスイッチを2回(ON1回)押します。
➢さらに、2秒以上(10秒以内)の間隔を開け、AFS
OFFスイッチを2回(ON1回)押します。
(2)ニッサン
断機が必要な場合があります。
現在、装着車種は少ないものの、今後他メーカからもAFS
ヘッドランプ装着車両が販売される可能性が高いものと思
われます。
通常のヘッドランプであれば、ヘッドランプ脱着または取
ヘッドランプ取替えまたは脱着を行っても中立点調整の
必要はありません。
替え作業後は光軸だけを調整すればヘッドランプに関する
作業は終了になりますが、AFS搭載車両はAFSに関連する
¡また、舵角センサー中立点調整を必要とする作業を
部品の脱着または取替えを行うと、光軸調整作業前に何ら
行った場合、舵角センサー中立点調整作業を行うに
かの調整作業が発生し、調整作業はメーカ専用故障診断機
は 、C O N S U L T − Ⅱ( 注 2 )が 必 要 となりま す。
が必要になる場合があると考えていただければよろしいか
(CONSULT−Ⅱ以外では調整できません)
¡VDC(注3)付車の場合、VDCに誤作動が発生する場合
あるので、必ずVDC側でのみ中立点調整を行い、AFS
側では中立点調整を行わない。AFS側で中立点調整
を行った場合、VDC側で中立点調整をやり直す必要
があります。
と思います。
なお、光軸調整については、従来のヘッドランプと同様です。
注1:AFS アダプティブ・フロントライティング・システムの略
注2:CONSULT-Ⅱ ニッサン専用故障診断装置
注3:VDC ビークル・ダイナミクス・コントロールの略。車両の横滑りを自動的
に制御するシステム
注4:HDS honda・ダイアグノスティック・システムの略.。ホンダ専用故障診断装置
〈参考資料〉
(3)ホンダ
ヘッドライト取替え、AFSギヤボックス取替え、ディ
スチャージヘッドライトユニット取替えでは、AFSコン
トロールユニット学習方法が異なります。
トヨタ
ハリアー
(ACU3#W系、MCU3#W系)修理書B巻
ニッサン
シーマ
(F50)整備要領書(追補版Ⅲ)
ホンダ
オデッセイ
(UA-RB1、RB2 LA−RB1、RB2)
シャシ整備編
ホンダ
オデッセイ安全性能
(http://www.honda.co.jp/auto-lineup/odyssey/safety/index.htmlから参考図)
「構造調査シリーズ」新刊のご案内
自研センターでは新型車について、損傷した場合の復元修
No.
車 名
型 式
理の立場から見た車両構造、部品の補修形態、指数項目と
その作業範囲、ボデー寸法図など諸データを掲載した「構造
ダイムラー クライスラー
J-375
調査シリーズ」を発刊しておりますが、今月は右記新刊をご
メルセデス・ベンツ
211265
Eクラス ワゴン
案内しますので、ぜひご利用ください。定価は2,160円です
(税込み、送料別)
。
お申し込みは自研センター総務企画部までお願いします。
TEL
047-328-9111
FAX
047-327-6737
自研センターニュース 2004年8月号
7
特別記事
先進安全自動車
(ASV
(ASV:
:Advanced
Advanced Safety
Safety Vehicle)
Vehicle)
1. はじめに
(2)先進安全自動車計画
車社会を取り巻く環境は自動車保有台数の増加、運転
先進安全自動車(ASV)
とは、エレクトロニクス技術など
免許証保有者の増加、国民所得水準の上昇や余暇時間の
の新技術により自動車を高知能化して、安全性を格段に高
増大によるレジャー指向の進展、高速道路網の整備による
めるとともに、高度道路交通システム
(ITS)技術の自動車と
高速走行の機会の増大や広域化、生活様式の変化による
しての受け皿(スマートカー)
となるものです。
夜間走行の増大、高齢者ドライバの増加、物流ニーズの多
様化、高速化等、様々に変化しています。
ASV技術は、車両周辺の交通環境や路面の状況などの
情報を各種センサや情報通信装置を用いて収集し、収集
車社会の環境変化はドライバの運転負荷も増大させてい
した情報を基にドライバの安全運転を支援するものです。
ます。今後もドライバの運転負荷が増えることにより、ドライ
また、衝突事故による被害を軽減するもの、事故発生後
バの認知・判断ミスなどのヒューマン・エラーが要因となる
交通事故の増加が予想されます。
ドライバの運転を支援し、運転負荷を軽減する安全技術
に災害の拡大を防止するものです。
これにより、自動車の安全性を格段に向上させ、毎年1万
人近い交通事故死者数を大幅に削減することとしています。
の研究・開発、促進をはじめ、交通の円滑化や事故の拡大
さらに、事故の減少や交通需要が適正化されることなど
防止、車の高知能化により可能となる道路交通の高度化が
による交通の円滑化、運転による疲労の軽減、各種ITSサー
必要とされている今、21世紀初頭の実用化を目指して国土
ビスなどが得られるという自動車の利便性の向上といった効
交通省(旧運輸省)が中心となって推進しているプロジェクト
果が期待できます。
「先進安全自動車(ASV)推進検討会」があります。
この検討会は、修理性に関する内容が含まれてものでは
(3)研究開発項目
q予防安全技術
ありませんが、自動車産業に関わる我々にとって近未来に
通常走行時における運転者の危険状態、走行環境の
は実現するであろうASVを知ることも大切ではないかと考
危険状態を各種センサにより検知し運転者に警報する
えました。
こと、運転者の負担を軽減することなどにより事故の未
今回はこのプロジェクトについてお話したいと思います。
然防止を図ります。
w事故回避技術
2. ASVについて
(1)先進安全自動車推進検討会
学識経験者、自動車・二輪車メーカ13社、関連団体、研
究機関および関係省庁を委員とする「先進安全自動車
(ASV)推進検討会(座長:井口雅一 東京大学名誉教授)
」
より検知し、運転者が対応できないときには、自動制動、
自動操舵などの自動操作により事故を回避します。
e全自動運転技術
走行環境の状況などをインフラからの情報、あるいは
(事務局:国土交通省 自動車交通局)において、将来に
各種センサにより検知し、加速、制動、操舵などを自動
向けた安全自動車技術の研究、開発の推進を図るもので
的に制御し、運転者に頼らずに自動運転を行います。
ある。第1期は1991年∼1995年、第2期は1996年∼2000年
r衝突安全技術
でコンセプトの設定から実証試験の実験までに至り、2004
年現在は第3期に入っています。
8
危険状態、走行環境の危険状況などを各種センサに
自研センターニュース 2004年8月号
衝突による乗員、歩行者の被害を軽減します。
t災害拡大防止技術
乗用車
シートベルトプリテンショナ
ドライバ状態センサ
路車間通信/車々間通信システム
撥水ウィンドシールド
後方監視カメラ
ナビゲーションシステム
ヘッドアップディスプレイ
表示灯火システム
エアバック
操舵角センサ
車両位置センサ
火災検知センサ
後方障害物センサ
車速センサ・加速度センサ
インサイドドアロック解除装置
操舵制御装置
空気圧センサ
衝突検知センサ
側方障害物センサ
安全対応自動車電話
歩行者保護及び突き倒し
防止前部構造
周辺視認性向上カメラ
制動制御装置
前方障害物センサ
路面センサ
車間距離センサ
ドライブレコーダ
スロットル制御装置
磁気センサ
トラック・バス
後方車間距離センサ
路車間通信/車々間通信システム
電子制御エアサスペンション
撥水ウィンドシールド
シートベルトプリテンショナ
ヘッドアップディスプレイ
後部潜り込み
防止構造
エアバック
安全対応自動車電話
衝突時、横転時の衝撃吸収構造
高度デジタルタコグラフ/
ドライブレコ−ダ
荷重センサ
ドライバ状態センサ
ヨーレートセンサ
ドライブ・バイ・ワイヤ
車速センサ
歩行者等被害軽減サイドガード
車体回り障害物検知センサ
加速度センサ
衝突検知センサ
ブレーキ温度センサ
操舵制御装置
視認性向上灯火
多重衝突防止ブレーキ
火災警報・消火装置
路面センサ
前方車間距離センサ
タイヤ空気圧センサ
疲労軽減変速装置
前部潜り込み防止構造
自研センターニュース 2004年8月号
9
二輪車
前方視界向上ヘルメットシールド
衝撃吸収性能向上ヘルメット
車々間通信システム
乗車姿勢向上システム
エアバック
視認性・被視認性向上灯火
転倒時電源・燃料供給停止システム
耐久性向上タイヤ・チューブ
サイドスタンド未格納防止センサ
Driver Support System)
衝突後の災害、多重衝突による災害防止を防ぎ、また
衝 突 安 全 技 術:SRSフロントエアバッグ
乗員の敏速な救出を容易にします。
y車両基盤技術
(SRS:Supplemental Restraint System
乗員保護補助装置)
自動応答システム、高度GPSなどの横断的に必要とな
SRSサイドエアバッグ
る技術などにより安全性の向上を図ります。
SRSカーテンシールドエアバッグ
3. ITSとASVの関係
SRSニーエアバッグ
[高度道路交通システム(ITS:Intelligent
Transport
ロードリミッタ 付 プリテンショナ
Systems)の全体構想]
シートベルト
アクティブヘッドレスト
最先端のエレクトロニクス技術を用いて人と道路と車両
とを一体のシステムとして構築することにより、ナビゲーショ
災害拡大防止技術:ヘルプネットシステム
(トヨタ)
ETCシステム
ンシステムの高度化、有料道路などの自動料金収受システ
ムの確立、安全運転の支援、交通管理の最適化、道路管
理の効率化を図るもので、安全・快適で効率的な移動に必
5. おわりに
要な情報を迅速、正確かつわかりやすく利用者に提供す
最後になりましたがASV関連技術は、開発中のものが多
ることなどにより道路交通の安全性、輸送効率、快適性の
く、市販車に導入されたときに、メーカ資料等などで確認
飛躍的向上、環境保全を実現するものです。
し、理解することが重要です。
今後も更なる自動車先進技術の発展、動向を見守り、本
4. ASV応用例
紙でご紹介していきます。
予 防 安 全 技 術:AFSシステム
(Adaptive Front−
Lighting System)
事 故 回 避 技 術:HIDSシステム
(HONDA Intelligent
10
自研センターニュース 2004年8月号
(出典:国土交通省 先進安全自動車推進検討会資料)
指数テーブル マニュアル作業項目の解説
−55−
今回は指数テーブルマニュアル(2003年10月発行)を
基本に、ボデー系の作業項目『B200
フロントドアまた
はリヤドア脱着』について解説します。
(図1)
リヤドア:
(センタピラー側でヒンジおよび配線の縁切
り等が必要な場合に脱着する部品)
・センタピラー
・スカッフプレート
1.前提条件作業および作業内容
*立付調整
*フロントドアはフロントフェンダが取付いた状態
*水密テスト
補足
で行う作業。
*フロントドアはヒンジをピラー側に残し、リヤドアはヒ
ンジがドアに取付いた状態で脱着を行う作業
*フロントドア・リヤドアの脱着取替指数における、ド
アヒンジの取扱いについて
2.指数に含まれる主な作業
前提条件で説明している構造以外にヒンジがピ
*主体部品に直接取り付けられている部品
・ドアトリム
(ドアパネル内で配線の縁切り等が必要
ン式でそのピンを抜けばドアの脱着が可能なもの
は、ヒンジピンを抜きドアを取外す作業としている。
この様な車種はその旨指数テーブルに表示してい
な場合に脱着する部品)
ます。
*関連して行う必要のある部品
フロントドア:
(フロントピラー側で配線の縁切り等が
*立付調整とは他の外板パネルおよび骨格部位が正
必要な場合に脱着する部品)
規の寸法位置に復元されている状態で隣接パネル
・フロントピラートリム
とのチリ(隙間、段差等)
を合わせる作業
・スカッフプレート
図1
B200
フロントドアまたはリヤドア脱着
1枚
前提条件および作業内容
*フロントドアはフロントフェンダが取付いた状態で行う作業
*フロントドアはヒンジをピラー側に残し、リヤドアはヒンジがドアに取付いた
状態で脱着を行う作業
指数に含まれる主な作業
*主体部品に直接取り付けられている部品
・ドアトリム
(ドアパネル内で配線の縁切り等が必要な場合に脱着する部品)
*関連して行う必要のある部品
フロントドア:
(フロントピラー側で配線の縁切り等が必要な場合に脱着す
る部品)
・フロントピラートリム ・スカッププレート
リヤドア:
(センタピラー側でヒンジおよび配線の縁切り等が必要な場合に
脱着する部品)
・センタピラートリム ・スカッフプレート
*立付調整
*水密テスト
自研センターニュース 2004年8月号
11
調査・研究報告
接着式ガラスの脱着作業についての手順<2>
前月号の基礎知識を基に、今月号では「フロントウィンドウシールドガラス」の脱着作業についての手順をご紹介致します。
フロントウィンドウシールドガラス
フロントウィンドウシールド
ガラス脱作業
写真1
1. ガラス周辺付属品の取外し
作業上、必要な部品を取外します。
(写真1)
例)
(車種により異なります)
ヘッドライニング
サンバイザー
¡フロントワイパーアーム
¡カウルトップカバー
¡フロントピラーガーニシュ・・・・・・etc
ヘッドライニング破損防止策として
¡サンバイザー
¡一部ヘッドライニング
写真2
を取外し、ピアノ線作業スペースを確保します。
2. ガラスモールディングの取外し
(1)接着式・再使用不可の場合
ガラスモールディング
モールディング端部(写真2)
からプライヤー等を使用し、車両
上方に引き上げるようにして取外します。
接着式のモールディングは、ガラス取付け接着剤と同時にボ
デーに取付いているため、無理に引き上げるとガラスを破損さ
せる可能性があります。また、モールディング切断の際はカッター
などで、ガラスを傷付けないように注意します。
(2)脱着式が可能(再使用可能)の場合
スクリューやクリップ等で取付けられたモールディングは破損さ
せずに取外せ再使用が可能です。
(写真3)
12
自研センターニュース 2004年8月号
ガラスモールディング
写真3
調査・研究報告
写真4
3. 接着剤の切り込み
ピアノ線による接着剤を切断しやすくするため、ガラス
端からはみ出した接着剤にカッターで切り込みを入れます。
(写真4)
4. ピアノ線の通し
接着剤を切断するためにピアノ線を通します。ガラス下
側中央部にエンジンルーム側からピアノ線を通します。
室内側に貫通したピアノ線がインストルメントパネル内側に
写真5
入り込まないように下敷きなどを差込んでおきます。
(写真5)
また、構造によりこの部位では作業ができない車両もあ
るので、次に例を記載します。
(写真6、7)
写真6
写真7
ピアノ線
下敷き
(ガラス側面 フロントピラー室内側から)
(ガラス上部 室内側から)
し、局部的な負荷によって破損させる可能性があるた
5. ピアノ線による接着剤の切断
め、注意が必要です。
(1)ガラス下部
ピアノ線の両端を手や専用工具に巻き、中央から車
両左端まで接着剤を切断していきます。
(写真8の→印
方向にピアノ線を手前に引くように切断する)
ピアノ線によってインストルメントパネルを損傷さ
せないように下敷きを差込んだ状態で作業します。
(3)ガラス上部
側面(左側)の接着剤を切断した後、体勢を入れ替え、ガ
ラス上部の接着剤を、ピアノ線を押すようにして切断します。
ここでもコーナー部分では、局部的な負荷によるガラ
スの破損に注意します。(写真10)
この車両(多くの車種)には○印付近にガラス位置決め
(2)ガラス側面(左側)
下部と同様の作業要領で接着剤を切断します(
。写真9)
クリップが取付いていますが、通常は樹脂製であるため、
ガラスコーナー部分ではピアノ線がガラスと接触
ピアノ線を交互に引いて(押して)摩擦熱により切断します。
写真8
写真9
写真10
クリップ位置
下敷き
ピアノ線切断方向
自研センターニュース 2004年8月号
13
また、クリップによってガラスの位置が固定されている車両
も多いため、切断した時、ガラスの落下による破損を防ぐ
必要があります。
(粘着テープによる仮止め等)
さらに体勢を入れ替え(車両反対側に移動)、接着剤を
引き切ります。
(写真11)
(4)ガラス側面(右側)
ピアノ線を再度下部中央に戻し(入れ直し)右側におい
ても左側と同様の作業をおこないます。
(写真12)
以上で、フロントウィンドウシールドガラスの脱作業は完
了です。
写真11
写真12
フロントウィンドウシールド
ガラス着作業
1. ガラス側 接着剤の清掃
カッター等を使用してガラス側に残った接着剤を除去し、
替位置が不明にならないように、事前に位置をマーキング
清掃します。
(写真13)
ガラスにプリントされているセラミック部を傷付けないよ
(写真14)
しておくと作業効率が向上します。
(図1)
また、メーカーの修理書にも位置情報は掲載されています。
うに注意します。
写真13
脱作業時にクリップが破損した場合は取替えますが、取
写真14
図1
9mm
14
自研センターニュース 2004年8月号
調査・研究報告
2. ボデー側 接着剤の清掃
3. 位置あわせ
カッター等を使用してボデー側に残った接着剤を切り取
接着剤の清掃後、取付け作業効率を向上させるため位
置あわせをおこないます。
(写真16)
ります。
塗膜面が露出しない程度に接着剤を1∼2mm程度残し、
ガラス取付け位置をあらかじめ決めておくために、取付
平滑に切り取ります。
(塗膜露出の場合プライマー処理が必
け作業前に仮付けをおこない、ボデーとガラスにマーキン
要となります)
(写真15)
グしておきます。
写真15
写真16
合せマーク
4. クリップの取付け
【ボデー側】
【ガラス側】
「1. ガラス側 接着剤の清掃」の作業においてマーキング
した位置(また、メーカー修理書記載の基準位置)
にクリップ
車種により様々な構造、形状があるため、メーカー修理
書を参考にして作業をおこないます。
(写真18)
を貼り付けます。
(写真17)
写真17
写真18
クリップ
クリップ
5. プライマーの塗布
接着剤の密着性を向上させるために、ボデー側、ガラス
側それぞれ専用のプライマーを塗布します。
(写真19)
旧接着剤が均一に残っている場合、プライマーの塗布は
必要ありません。
(ガラス側・ボデー側共通)
クリップ
クリップ
6. ダムの貼り付け
接着剤が室内側にはみ出さないようにボデー側にダムを
貼り付けます。
(写真20)
通常(新車では)
ガラス側にダムが取付いていますが、着
作業時にはガラス側貼り付けによる、位置ズレを防止する
ためあらかじめボデー側に貼り付けます。
写真19
写真20
ガラス用プライマー 壁面用プライマー
ダム
自研センターニュース 2004年8月号
15
塗布して作業をおこないます。
7. 接着剤の塗布
接着剤をボデー側に塗布します。(写真21)
接着剤の塗布方法は、ガラス側に塗布する方法と、ボ
デー側に塗布する方法がありますが、ガラス側に塗布し
接着剤の塗布は、その継ぎ目から雨漏れする危険性を
避けるため、ボデー側のガラス取付け部下面から全周に
かけて一気に塗布します。(写真22)
た場合、取付け時にズレが発生した際ヘッドライニング
シーラーガンノズルはメーカーの修理書などを参考に
等を汚してしまう恐れがあります。よってこの手順書の
して先端をカットしておくことで、接着剤の高さ、幅を
フロントウィンドウ取付け作業ではボデー側に接着剤を
一定に塗布することが可能です。
(写真23)
写真21
接着剤
写真22
写真23
ダム
加工前
8. ガラスの取付け
写真24
写真25
写真26
写真27
加工後
吸着盤を使用して、ガラスを取付けます。
「3.位置あわせ」でおこなったマーキン
グ位置に合わせながら確実にクリップを
ボデー側にはめ込みます。
(2人作業)
(写
真24)
ボデーに乗せてから左右上下の隙間を
確認し、均一にします。
9. ガラスモールディングの取付け
モールディングをボデーとガラスの隙間
にはめ込みます。
(写真25)
ガラスを車両にセットした際、必要以上
に接着剤がはみ出していたら、マイナスド
ライバ等ですくい取ります。
接着式(樹脂製)のガラスモールディング
は、取付け前にある程度加熱により形状
を整えておくと、
(写真26)作業効率ととも
に、仕上がり品質も向上します。
車種によってはガラスをボデーにセットする前に、ガラス
雨漏れがないことを確認し、ガラス周辺付属品を取付け、
フロントウィンドウシールドガラスの取付け作業が完了となり
ます。
自体にモールを取付けておくタイプもあるのでメーカーの修
理書などを参考にして、作業をおこないます。
10. 雨漏れ検査
接着剤の硬化時間(メーカー指定 約半日∼一日)経過
した後、雨漏れ検査をします。
(写真27)
16
自研センターニュース 2004年8月号
以上で、今回のフロントウィンドウシールドガラスの取付け
作業のご紹介は終了します。
次号では「リヤウィンドウガラス」の脱着作業の手順につ
いてご紹介します。
海外情報の紹介
これからの挑戦
新しい車両技術と、それが修理業界に与える影響
<2>
RCARニュースレター2004年3月号に掲載された、英国のMIRRC(サッチャム)の戦略的開発
担当取締役Kenneth Roberts氏による題記論文を前月号に引き続きご紹介します。
Kenneth Roberts氏プロフィール
現在、イギリスの自動車保険修理研究センター
(サッチャム)の戦略的開発担当取締役。
ヨーロッパ保険業界技術委員会におけるイギリス
のメンバーで、ここ10年間はRCAR運営委員会の議
長を務めている。
2004年10月にサッチャムを引退の予定。
− 現代車両の安全性の側面 −
迅速に作動することを保証するために、規定に従って
作業することが重要です。
エアバッグおよび補助拘束装置(SRS)
(写真1)
現在世界で生産される車の殆ど全てに運転席エア
バックが搭載され、また、大抵助手席エアバッグも搭載
されています。
防盗性
ヨーロッパの全ての車両には、法律によってエンジンイ
モビライザーが装備されています。また多くの車にはイモ
サイドエアバッグ、後席エアバッグおよびAピラーやB
ビライザーを保護するための警報が装備されています。
ピラーによる傷害から頭部を保護するためのカーテン
世界の他の多くの国々においても、車両盗難から消
エアバッグを搭載した車も多くあります。歩行者を保護
費者を守ることを目的とした同様な法律があります。
するために車外用エアバッグを搭載することになるだろ
1990年代にヨーロッパ、特にイギリスで許しがたいレベ
うという話もあります。
ルの盗難が発生したため、車両のセキュリティレベルが
衝突中に乗員を確実に拘束するために、現代のシー
大きく改善されました。
トベルトは殆ど例外なくグラッバー(ベルト・クランプ)
と
現在はキーレスエントリーに対する要求が高まって来
プリテンショナーを備えています。これらの装置の大部
ています。そのキーレスエントリーでは、クレジットカー
分は電子制御ユニット
(ECU)
とマイクロコンピュータによ
ド型のトランスポンダーによって乗車が容易になると同
って作動するパイロ技術に頼っています。これらによっ
時に、ダッシュボードには昔式のスターターボタンが再び
て車両の電子システムは益々複雑化しています。
見られるようになりました。
従ってこのような装備の車両の修理に関わる人達は、
現代の防盗装置は複雑なエレクトロニクスを有してい
修理作業中に避けるべき危険なエアバッグの展開を確
るため、システムを完全に理解していないと確実な修理
実に防止し、また修理後にシステムが期待通り適切かつ
を行うことができません。
自研センターニュース 2004年8月号
17
写真1
写真2
NCAP安全テスト:
(写真2)
現代の車両の安全性を決定するために、NCAP(新車
写真3
が硬くなってきていることが分かっています。その理由
については後ほど考察します。
評価プログラム)テストが広く使われています。この種の
サッチャムと他の幾つかの研究機関は、ヘッドレスト
テストが非常に増えてきたことにより、ディフォーマブルバ
が不適切あるいは間違って調節されることに加えて、車
リアへの64km/hオフセット衝突中に発生する非常に大
両構造が硬くなったことにより鞭打ち症による保険請求
きな力を効率よく処理するために、自動車メーカーの新
が増加傾向となったことを知っています。
しい革新的な設計、生産工程および材料の導入が促進
されました。
星の数によって乗員保護性能と歩行者保護性能が示
されます。また現在では幾つかの車両が、歩行者保護
性能について4つ星満点の内の3つ星を達成しています。
サッチャムおよび他の幾つかの研究機関が実施した
テストによれば、自動車メーカーはシートとヘッドレスト
を現代の車両の新しい硬さとねじり剛性のレベルに合
わせたものとする必要があります。
今までに実施したテストによって、多くの自動車メーカー
4つ星は、今後は多くの自動車メーカーが精力的に追求
はもっと有効なヘッドレストを採用する必要性があることを
する目標となるでしょう。
確信しています。
乗員保護性能では多数の車両が最高の5つ星を達成
そして現在ほとんど全てのモデルチェンジの際に、従
しています。しかし歩行者保護の面では、特別なエネル
来よりも有効なヘッドレストの採用が行われています。し
ギー吸収材、ポップアップ式ボンネットあるいは新しいス
かしながら不十分な修理や不適切な修理が行われた場
クープ式バンパーシステムなどの導入により、車両前部
合には、車両の鞭打ち症防止性能が維持されない可能
の設計は遥かに複雑なものとなるでしょう。これらの特
性があります。
色ある構造を修復する際に、修理業者は歩行者保護の
ための設計要素が修理後も確実に維持されることに大
− 損傷性と修理性 −:
(表1)
きな注意を払う必要があるでしょう。
保険契約の内容に基づいて、保険業者は引き続き保
前述したように現代の車両は以前に比べて硬くなって
険契約者に事故損傷後の車両の確実な復元に対する
きています。サッチャムやその他の研究機関が行った研
責任を持つことになるでしょう。また保険業者は新しい
究によって、このことは明確になっています。
監視システムと査定人の完全な契約遵守義務を必要と
するでしょう。
1,000kgムービングバリアによる15km/h・40%オフセ
ット後面衝突テストによって発生する衝撃波形を1983年
ボロン鋼のような新しい材料については、自動車メー
型車とそれと似たような構造の最新型車を比べた場合、
カーが要求する今までなかった特殊な取扱い方法や結
後者は前者に対し加速度の最大値は170%大きくなり、
合方法によって修理は非常に難しくなるでしょう。
継続時間は25%短くなっています。
硬さが増大する傾向は様々な理由によって生じまし
鞭打ち症の研究:
(写真3)
サッチャムの調査結果によって一般的に車両の構造
18
自研センターニュース 2004年8月号
た。オフセット・ディフォーマブルバリア・テスト
(NCAP)、
騒音・振動・ハーシュネス
(NVH)対策、乗り心地と操縦
表1
現在自動車メーカーはフロントエンドモジュールやリ
アエンドモジュールを、特に小型の都市内用あるいは通
勤用の車に好んで採用しています。この傾向は衝突特
性を精度高く制御するためにより大型のツーリング用の
車に波及するでしょう。その結果修理作業は従来に比
べてコスト効率が高く、また短時間となるでしょう。
保険業者と修理業者はこの傾向が進むのに従って、
モジュールユニットの高コストと修理時間の短縮化を認
めざるを得なくなるでしょう。そしてこの傾向によって自
動車メーカーのエンジニアが車の設計に盛り込んだエ
性、保険業界による損傷性と修理性の15km/hテストな
ネルギー吸収特性と乗員保護特性を維持するために、
どにおいて、自動車メーカーは良い成績をとる必要があ
修理業者が正しい修理方法を確実に守ることの重要性
ることにより、この傾向は促進されています。
が強調されることになるでしょう。
従って都市部での衝突で発生する損傷のレベルは、
かつては構造にまで及ぶものが多かったのですが、今
日では構造よりも外板・外装に関するものが多い傾向と
次回、9月号は、最終回「将来の電子システム」につい
て掲載します。
なっています。
輸入車指数作成プロジェクト完遂
03年1月に発足した輸入車指数作成プロジェクトはお蔭
なお、指数作成と共に「構造調査シリーズ」も既に12車
さまで順調に進捗し、04年6月末で当初目標の15車種の
種については発行済みで、残りの3車種についても近々発
指数作成を無事完了しました。
刊予定です。
これにより輸入車指数は02年以前作成済みの13車種と
このシリーズは特に損傷特性や修理手順等の留意点に
ついて実車写真を用い解説し、また実測寸法図(参考値)
合わせて28車種になります。
また、今回作成した15車種の輸入車指数は03年に国内
等も掲載しております。
販売された輸入車全体の約65%をカバーしており、特にメ
自研センターでは今後も輸入車の主要車種については
ルセデスベンツ、フォルクスワーゲンについては主要車種を
指数を作成していく予定ですので構造調査シリーズと合わ
ほぼ網羅しています。
せてご活用ください。
<指数・構造調査シリーズ作成車種一覧表(03.1∼04.06)
>
メーカー
1
ダイムラー・クライスラー
2
車 種(型式)
指数完成日
構造調査シリーズ完成日
(予定)
ベンツEクラス(211065C)
03年 6月
03年 8月
〃
ベンツEクラスワゴン(211265C)
04年 6月
(04年 8月)
3
〃
ベンツCクラススポーツクーペ(203745)
03年 7月
03年 9月
4
〃
ベンツVクラス(638230)
03年11月
04年 1月
5
〃
ベンツSクラス(220067)
04年 3月
04年 6月
6
フォルクスワーゲン
パサートワゴン(3BAZX)
03年 6月
03年11月
7
〃
パサート
(3BAZX)
03年 7月
03年12月
8
〃
ルポ(6XBBY)
04年 3月
04年 5月
9
アウディ
A4(8EALT)
04年 1月
04年 3月
A4アバント
(8EAMBF)
04年 4月
04年 7月
ボルボV70(SB5244W)
03年11月
04年 2月
プジョー206(T14)
04年 2月
04年 4月
(04年 9月)
10
〃
11
ボルボ
12
プジョー
13
〃
14
BMW
15
〃
プジョー307(T5RFN)
04年 5月
318i(E46)
04年 1月
04年 3月
MINI(RA16)
04年 6月
(04年10月)
フォルクスワーゲンパサート
メルセデスベンツEクラスワゴン
プジョー307
自研センターニュース 2004年8月号
19
Researching The Skeletons
リサーチング ザ スケルトンズ
トヨタ パッソ(10系)
・
ダイハツ ブーン(M300・310系)
この「Researching The Skeletons」は外部から確認する
が設定されています。フロントサイドメンバフロント内部には
ことができないフロントサイドメンバおよびリヤサイドメンバ
「リインホースメント」が左右共に3ヶ所配置されています。
内側のリインホースメント等の位置や板厚を分かりやすく
前部からの衝突時のエネルギをフロントサイドメンバフロン
紹介していくもので、データは実際に自研センターで調査し
トからフロントサイドメンバリヤへと効率良く分散し、乗員
た内容を転記したものです。
保護のための空間を確保するボデー構造となっています。
今回はトヨタ パッソ
(10系)
・ダイハツ ブーン(M300・310
フロントサイドメンバのカット位置はボデー修理書に記載
されているカット位置です。
系)
を取り上げます。
フロントサイドメンバフロント前端部にはクラッシュビード
フロントサイドメンバ
左外側
t=1.4
t=1.4
右外側
t=1.4
t=1.4
左内側
右内側
カット位置
カット位置
クラッシュビード部
20
自研センターニュース 2004年8月号
t=1.4
クラッシュビード部
t=1.4
Researching The Skeletons
リヤ
正面(ボデーロワーバックパネル取付状態)
正面(ボデーロワーバックパネル取外し状態)
リヤフロアサイドメンバリヤ位置
リヤフロアサイドメンバリヤ位置
上側(リヤフロアパン取付状態)
上側(リヤフロアパン取外し状態)
t=1.4
t=1.6
t=1.4
t=1.0
t=1.0 t=1.0
t=1.0
t=2.0
下側
自研センターニュース 2004年8月号
21
Customer Relations Department REPORT
お客様相談室レポート
スバル レガシィ BH系
センタピラー取替作業について
スバル レガシィ
(BH系)
のセンタピラー取替作業の作業範囲について教えてください。
Q
センタピラー内部にはリインホースメントが複雑に配置されています。切継ぎ作業をどのように
行えばよいのでしょうか?
A
はじめに指数は下のようになっています。
B230 片側センタピラー
(Assy)取替
5.70
片側
センタピラー上部およびアウタサイドシルコンプリートでのカット作業
リヤドア、フロントシートおよびサイドスポイラ
(サイドシルガーニッシュ)
取外し状態
(含)センタインナピラーコンプリート上部半裁、
必要範囲のトリムおよび付属品の脱着または取替
[作業上のポイント]
センタインナピラーCOMP
qセンタインナピラーCOMP(およびリインホースメント部)
をカッ
ブレース
ブラケット
トすることにより、ルーフトリムパネルの取外し作業が不要に
センタアウタ
ピラーCOMP
なります。
wセンタアウタピラーCOMP(リインホースメント部)
は三重構造
となっており、切り継ぎ作業の可能な範囲は限定されます。
(アウタ部)
指数では実際の作業を想定しながら、センタアウタピラー
COMP(リインホースメント部)のカット位置を特定しました。
基準位置より110mmの位置より下側ではカット作業はでき
ません。
(リインホースメント部)
アウタサイドシルCOMP
[作業方法]
(取外し)
写真1
q基準位置より230mmの位置で粗切りをします(写真1)
。
写真2
wセンタアウタピラーCOMP(アウタ部)
は短冊状に切り継ぎを
基準位置
行いますので、あらかじめ基準位置から40mmの位置でカッ
40mm
トしておきます(写真2)。
230mm
eセンタアウタピラーCOMP(リインホースメント部)
は三重構造
になっています(写真3)
。内部には直径15mm程度の棒状の
リインホース
(イ)
とV字型のリインホース
(ロ)が配置されて
いますので、
(イ)
(ロ)のリインホースを避けるように基準位
置から110mmの位置でセンタアウタピラーCOMP(リインホ
22
自研センターニュース 2004年8月号
粗切
Customer Relations Department REPORT
写真3
写真4
写真5
(イ)
130mm
(ロ)
190mm
センタアウタピラーCOMP
(リインホースメント部)
A'
A
110mm
A
A'
wセンタアウタピラーCOMP(リインホースメント部)
を突合
ースメント部)
をカットします(写真4)。
※これより下部<A―A´>でカットすると、
(イ)
(ロ)のリ
インホースと干渉してしまい、溶接作業が出来ません。
tセンタインナピラーCOMPも二重構造となっていますので
わせ溶接します。
eセンタアウタピラーCOMP(アウタ部)は短冊状のパネル
で2箇所の突合わせ溶接とします。
オフセットさせてカットします。センタインナピラーCOMP
は基準位置から130mm、センタインナピラーCOMP(リイ
ンホースメント部)
は上部から190mmの位置でカットしま
す(写真5)
。
[おわりに]
最近の自動車はキャビンを強固にする構造が進んでいま
す。今回の車両のように、部分的には六重構造となる部位も
あり、作業方法を誤まると作業に時間がかかるだけでなく、
(取付け)
本来の強度を保てない場合もあります。間違った修理は重大
qセンタインナピラーCOMP(およびリインホースメント部)
の2箇所を突合わせ溶接します。
な事故につながる場合もありますので、各パネルの構造、補
給形態をよく理解してから作業にかかることが必要です。
日本アウダテックス社
指数テーブル「2004年8月号」発行のご紹介
●2004年8月号 国産車・指数テーブル(2メーカー・2車種)
メーカー名
車 名
型 式
※ 「2004年8月号」のみの単独販売は行っておりません。
¡国産車セット<商品番号:2004 価格:¥18,000> トヨタ
パッソ
10系
¡輸入車セット<商品番号:3004 価格:¥6,500> ホンダ
エレメント
YH2系
¡国産車・輸入車セット<商品番号:4004 価格:¥22,000>
●2004年8月号 国産車・指数テーブル(3メーカー・3車種)
メーカー名
車 名
型 式
ダイムスラー・クライスラー
メルセデス・ベンツEクラスワゴン
211265C
アウディ
A4 Avant
8EAMBF
プジョー
プジョー307
T5RFN
※ バックナンバー「2002年版」は、完売しましたので、
「2003
年版」のみとなります。 なお、在庫がなくなり次第販売を
終了させていただきますのでご了承ください。
※ ご購入の際のご不明な点は、下記にお問い合わせください。
◆「指数テーブル」のご注文およびお問い合わせ◆
《ご注意》2004年度版より、指数テーブルを「国産車」セット、
「輸入車」セット、「国産車・輸入車」セットと別けて取り扱う
ようになりました。
日本アウダテックス株式会社
TEL:03-5351-1900(代)
FAX:03-5350-6305
●編集室から …………………「リペアインフォメーションS」は、今月号は休載します。
自研センターニュース 2004年8月号
23
http://jikencenter.co.jp/
自研センター来訪者一覧
6月16日(水)
月刊自動車新聞社首都圏版編集部 篠原記者
江東産業株式会社 青木社長 他1名
23日(水)
7月 1 日(木)
(株)スピーディ 佐山専務 他4名
全国トラック交通共済協同組合連合会 坂下企画部長
8 日(木)
トヨタカローラ東海(株) 大場氏
9 日(金)
日産自動車株式会社第1車両開発部安全推進 茶谷氏
●編集後記●
暑い。本当に暑い。先月の20日から22日に掛けて、関東地方でも40℃を超え、最低気温が30℃を下回らな
かったと言うから驚きです。正に熱帯夜だったことはご記憶に新しいところです。聞くところによると、最低気温
が30℃を下回らなかった場合を何と呼称するかと言えば、熱帯夜を上回る暑さで<超熱帯夜>と言うらしい。
但し正式に認められているかどうかまで承知しておりません。
毎年夏が来ると思うことですが、地球温暖化の影響を受けてどうも日本の気候、いや世界の気候が少しずつ
おかしくなってきていると思わざるを得ないのであります。四季の変遷をみても、桜の開花は年々早くなり、あのジ
メジメした梅雨も長続きせず局地的集中豪雨を各地にもたらし、最も暑いのは8月であるはずが7月に記録的な暑
さ。そして残暑といわれる時期は秋風が吹く。どうも季節も世の中のスピードに負けまいとして、年々早くなってい
るようです。また真偽の程は確かではありませんが、ウォータフロントの再開発が進み超高層ビルが海岸沿いに林
立した結果、海風が遮られ練馬区周辺や埼玉県あたりがより気温が高くなっているとの話もあります。
いずれにしてもこの暑さは当分続くのではないでしょうか。昨年は発電所の休止もあって電力供給が心配さ
れましたが、今年はそのようなことはなさそうですので一応一安心といったところです。但しクーラーをガンガン
効かせビール片手にアテネオリンピックを観過ぎて、寝不足に二日酔いで体調を崩さぬようご注意ください。つ
いでに1カ月後の電気代の請求書に驚かないようにしましょう。
自研センターニュース 2004.8(通巻347号)平成16年8月15日発行 昭和51年5月27日 第三種郵便物認可 定価336円(消費税込み、送料別途)
C 発行所/株式会社自研センター 〒272-0001 千葉県市川市二俣678-28 Tel(047)328-9111(代表) Fax(047)327-6737
発行人/鈴木 稔 編集人/八束重宣 ⃝
※乱丁、落丁の場合はお取り替えいたします。
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は予め、発行人あて、書面で許諾を求めてください。
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