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2月号(PDF:196KB)

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2月号(PDF:196KB)
PT. JAPAN ASIA CONSULTANTS
Intiland Tower Lt. 12 Jl. Jend. Sudirman Kav. 32, Jakarta 10220
TEL +62 21 5702071 FAX +62 21 5708074
DATE : JAKARTA 20 February 2015
黒田和孝 編集
JAC レポート / ジャカルタ NOW
PT. JAPAN ASIA CONSULTANTS が、現地ジャカルタ発のフレッシュな経済・経営情報をお伝え致します。
昨日 2/19 は IMLEK NEW YEAR 2566 (中国歴 2565 年正月)で休日でした。春に向かっているのか、厳しく比較的寒
かった雨季も少しずつ暖かくなっている気がします。毎年2月初旬は大きな洪水があるのですが、2/9-10 は
ひと夜中ふる雨で洪水になり、小職のアパート周辺の道は警察が閉鎖し、とりあえず道を逆走して通れる道を
探し出社するしかない状態でした。インドネシア国民の為に、政府が洪水対策を少しずつでも進めてくれることを
期待しています。
Ⅰ.FTA & EPA (経済連携協定&自由貿易協定)
FTA (FREE TRADE AGREEMENT 経済連携協定) とは関税をなくし、より自由な貿易を進める協定です。
EPA (ECONOMIC PARTNERSHIP AGREEMENT 自由貿易協定)とはFTA を基礎とし、より幅広い分野を対象
して、経済上の連携を強化する協定となります。インドネシアは主には下記 がございます。
(1) ATIGA (ASEAN Trade in Goods Agreement) 財務大臣規定 208/PMK.011/2012 <Form D>
(2) ACFTA (ASEAN - China Free Trade Area) 財務大臣規定 117/PMK.011/2012 <Form E>
(3) IJEPA (Indonesia - Japan Economic Partnership Agreement)
財務大臣規定PMK 209/PMK.011/2012
<FORM IJEPA>
(4) AKFTA (ASEAN Korea Free Trade Agreement) 財務大臣規定 118/PMK.011/2012 <FORM AK>
(5) AIFTA (ASEAN India Free Trade Agreement) 財務大臣規定PMK 221/PMK.011/2012 <FORM AI>
(6) IPPTA (Indonesia Pakistan Preferential Trade Agreement) 財務大臣規定 PMK 26/PMK.0112013
インドネシアで輸入の際、上記協定を生かし、関税を下げることが、コスト下げ、競争力を上げることに、
少しですが貢献できる方法の一つになります。
継続輸入の貨物で、一度 FTA を利用されたことがある会社は、継続利用されていることも多いかと存じます
が、実務の面では。ご利用できていない会社も多くあるのが現状ではないでしょうか。理由は、輸入の準備
が前広ではなく時間がない。貿易実務に慣れになれていないので、過程が不明瞭等でわからない為等々。
ご利用されたことのない会社も、昨今、日本でも TPP が話題に上がっている通り、益々避けられない時代に
なっていますので、是非 TRY をお勧めします。基本的システムは同じの為、1度実施できれば、全体的
流れが把握でき、実務面での負担は慣れて、軽くなってくるかと存じます。
ではまず、どういったところから始めるか日本を例に下記解説致します。
<主な流れ>
1) SHIPPER (輸出者)を確定し、SHIPPER にEPA 利用の旨を連絡し、EPA SHIPER 登録済か確認。
本、登録先は日本商工会議所になります。一般原産地証明は各地方の商工会議所が独自に発行しています
が、EPA となると特定原産地証明となり、各協定に基づいたフォームで、日本商工会議所が、
発行機関となります。ご注意願います。
日本商工会議所 原産地企業登録 ホームページ http://www.jcci.or.jp/gensanchi/registration.html
2) SHIPPER 経由で製造会社に、輸出貨物が日本商工会議所の原産地証明登録済(もしくは実績があるか)
かを、確認依頼をします。細かな仕様は別として既存品で、型式があるものは一度登録すると
再度する必要はないです。製造者殿に、SHIPPER が企業登録番号を連絡し、1度許可をもらうと
継続の場合、ON-LINE 作業だけで申請が可能となります。
未登録の場合
SHIPPER 自身は、原産地証明を証明するのは難しいので、貨物の製造者の会社に依頼して、
日本商工会議所にお問い合わせ後、少し理解が難しい為、原産地性が判定できるお近くの地方局を、
一度訪問されてされることをお勧めします。
3) 上記 1) 2) が問題ない場合、念の為、過去の原産地証明の実績を、守秘義務事項等を消して
コピーをもらって、確認をされればより確実性は増します。本、貿易の理解の為と、
EPA フォーム書式ではなく、商工会議所殿一般原産地証明等と勘違いを避ける再確認にもなります。
尚、EPA のフォームは、コピー利用防止用紙の為、コピースキャンは黒くなり非常に見づらいです。
4)
船積み>ON-LINE 申請>原産地証明書受領、輸入者へ送付>通関局へ提出 という流れになります。
SHIPPER の方は日本でご起用予定の乙仲殿、また、日本商工会議所殿と事前に確認作業を行いながら、
また、インドネシア側では輸入者は、インドネシア側の乙仲様と船積み書類と、通関作業を事前に
確認しながら、是非、特定原産地証明を発行、EPA & FTA の利用を是非 TRY してみてくさい。
Ⅱ.インドネシア税務 個人所得税
個人所得をどのように申告納税すべきか
個人所得税をどのように申告・納税すべきかについて考察したいと思います。
最も望ましいのは赴任したインドネシア法人にて(正直に)すべての給与額・賞与額・会社負担保険額を
申告納税する方策です。日本の親会社にとっても子会社に出向させた派遣員の給料は、前回御説明した「受益者
負担の原則」から、日本では税法的には一部の例外を除き費用化することはできません。 日本の会社が支払った
場合には「贈与的」な取り扱いとなる(費用化できない)筈です。とすると最もすっきりするのはインドネシア
法人がすべて負担する事であり、実はインドネシアと日本の両面から考えると最も節税にもなる事とも思えます。
実際の給与・賞与をインドネシア法人が支給されるべき個人の銀行口座(日本の口座でもかまわない)に直接振り
込み完結する方法が最も判りやすい方法です。日本で支払われなければならない健康保険や厚生年金等の振り込み
がある場合にもインドネシアの法人が個人口座や日本親会社に送金し、そこから健康保険組合、厚生年金口座に
振り込まれるというのが理論的に最もシンプルです。
しかしながら、インドネシアより直接日本の指定された口座に振り込むというのは、銀行送金手続き、費用、
時期等の問題も有り煩雑になり この部分を日本の親会社に代行してもらうというのが一般的です。 この場合、
日本の親会社より日本の家族向けに(単身赴任の場合)支給される金額や、賞与やあるいは健康保険や厚生年金に
払われる個人負担分があったとしたら、それらは日本(親会社)が費用化するのではなく、
「立替金」処理し、
その金額をDEBIT NOTE(請求書)等を使いインドネシア法人宛に請求します。インドネシア法人側と
してはそれらの日本より請求されたDEBIT NOTE金額(NET金額)をインドネシア法人にて支給した
給料額
(NET金額)
に加算してNET金額を計算し、
そのNET金額を基に総支給額(GROSS)を計算(GROSS UP)
する事となります。
グロスアップ計算・
(A)方式
計算例としては、インドネシア直接給料支給額(US$2,500/月)、住宅アパート代(US$1,000/月)と一時的に支払わ
れる給料関連代は US$3,500/月となります。日本より日本法人が日本の留守宅口座への振り込み、社内預金額、
健康保険、厚生年金等請求額が DEBIT NOTE によって¥200,000 円振り替えられてきました。 とすると、
インドネシア法人が当月度源泉すべき個人源泉所得税額は(厳密に計算していないが、仮に年収ルピア換算ベース
で計算して累進課税分を考慮し25%と想定すると)
、
(US$3,500+ (¥200,000=US$1,850)=US$ 5,350 / (100%-25%=75%)= US$ 7,133 GROSS
US$ 7,133 x 25 % = US$ 1,783 (PPH21)
となります。上記の計算のように正味支給(NET)されている金額(US$5,350)というのが個人が受け取る金額と解釈
され そこからGROSS UP計算されて総支給額を算定し、PPH21の税率を(実際には年収ルピアベース
に換算して計算)掛算することとなります。このGROSS UP計算しなければならないというのは個人所得税
における重要なポイントです。よく勘違いされるのは US$1,783 と US$5,350 を比較して、インドネシアの税率は
33%にもなるのですか?と言われる方も多いようですが、勘違いです。
また個人所得税ガイドラインで表示されている金額はGROSS金額ですので、この場合US$7,133が
ガイドライン金額と比較されるべき給与水準となります。この金額はまだガイドラインより低いですか?。
それでも本当に正直に全世界所得を申告納税しているのであれば気にする必要はありません。
さて、このように仮に日本親会社で支給されている金額があったとしても、すべてインドネシア法人にて完結し
ているのが最もシンプルで判りやすい方式です。この方式を名称「
(A)方式」としましょう。 よく、すべての
日本人給料をインドネシア法人が負担したらインドネシア法人の赤字が止まらないので日本の法人が援助したい
という声を聞きます。
この場合、上記の日本での立替金分¥200,000 はとりあえずDEBIT NOTEで請求しインドネシア法人は
「給料」と仕訳処理しPPH21を計算します。一方、日本親会社がこの金額を合意の上で面倒見るというのであ
れば同時に CREDIT NOTE(即ち請求書のマイナス)も発行し、インドネシア法人はその¥200,000 を
「雑収入」として営業外収入とします。とすれば納税すべきPPH21は脱税する事なく、すべて親会社で支給さ
れている分もインドネシア法人にて完結します。これでも「
(A)方式」です。
この(A)方式を採用すれば会社が源泉したPPH21=個人所得確定申告額となり最も望ましい方式です。
複雑な(B)方式
一方、どうしてもインドネシア法人にて、日本親会社が支払っている給与分を負担させる訳にはいかないという
ケースも考えられます。例えばインドネシア側パートナーよりも役員DIRECTORが派遣され、その
DIRECTORと日本側DIRECTORとの給料水準を同等にしなければならない約束をしている等という
場合には(A)方式を採用する訳にはいきません。それでも全世界所得をインドネシアにて申告納税しなければ
ならない状況は同様ですので、その場合には日本で支給されるべき¥200,000 を別枠にて納付します。この方法を
「
(B)方式」とします。
「
(B)方式」は複雑な手続きを踏まなければならずお勧めしていませんが、上記のような理由となると
やむを得ず(B)方式を採用しなければなりません。
まず税務番号取得手続き後、日本にて支給される分は源泉しようがないので当該年度の予納を開始します。仮に
10月の給料からインドネシアに赴任したとしたら、10月分の給料¥200,000 の1年目の予納額を11月15日
までに個人税務番号所属の税務局口座に納付します。1年目は10%税率でいいこととなっていますので
¥200,000/90%x10%= ¥22,222(ルピア換算)を予納することとなります。この予納金額は翌年 3 月15日
(2 月分)まで続くこととなります。12 月末で個人所得税の確定申告納税を行わなければなりません。
まず確定納付額(この場合は 3 ケ月分)は翌年 3 月 31 日以前までに行うこととなりますが、その確定納付額は
累進課税のポーションはインドネシア給料分 PPH21(US$3,500 NET)で使ってしまいますので(賞与等を支給し
5億ルピアまでの累進課税率は PPH21 で使用したと仮定)
、¥200,000 分はすべて最高税率の30%が適用される
事となります。10月~12月の3ケ月分を10%グロスアップ(¥22,222)から30%グロスアップ(¥85,714 x 3)
に計算を修正し差額分を 3 月31日以前に確定納付する事となります。4 月15日予納付分からは30%グロス
アップされた金額(¥200,000/70%x30%=¥85,714)にて新年度の予納額が変更されます。
また、確定申告額が正しい事を証明する為に日本親会社からの給料証明書(CERTIFICATE)も添付されなければな
りません。すべての金額計算は税務レートを適用しルピア金額にて換算しなければなりません。とすると、仮に
円ベースで給料額が増加したとしてもルピアレートによっては予納金額と比較し減収となり還付申請しなければ
ならない事態ともなりかねません。個人給与など還付処理などできますか?。非常に難しい状況です。さらには、
これらの納付処理は所属インドネシア法人以外の口座から納付されないとなりません(インドネシア法人口座を
使うとさらに複雑な問題/再 GROSS 計算が発生してしまいます)
。日本人御自分の口座から納税するような面倒
なことをしなければなりません。
(B)方式は複雑でお勧めできない方式であります。
以上
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