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- 1 - 別紙 諮問第510号 答 申 1 審査会の結論 「免許情報ファイリング

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- 1 - 別紙 諮問第510号 答 申 1 審査会の結論 「免許情報ファイリング
別紙
諮問第510号
答
1
申
審査会の結論
「免許情報ファイリングシステム照会結果」を開示とした決定及び「免許・不適格事
由照会結果」を一部開示とした決定は、いずれも妥当である。
2
審査請求の内容
(1)審査請求の趣旨
本件審査請求の趣旨は、東京都個人情報の保護に関する条例(平成2年東京都条例
第 113 号。以下「条例」という。)に基づき、審査請求人が行った「開示請求者に係
る『運転免許』に関わる一切の保有個人情報(参考情報:区分は原付・普通自動車。
○○県公安委員会発行。平成○年○月○日東京都公安委員会から免許停止 90 日の行
政処分を受け、江東運転免許試験場に保管されたまま失効。亡失による再交付歴○
回。)」の開示請求に対し、警視総監が平成 27 年1月 27 日付けで行った開示決定及び
一部開示決定について、それぞれその取消しを求めるというものである。
(2)審査請求の理由
審査請求書における審査請求人の主張を要約すると、以下のとおりである。
ア
本件保有個人情報開示請求書の記載内容(同請求書の1「請求に係る保有個人情
報の内容」及び4要望事項の②「保有個人情報の捜索・特定に当たっては、本書面
の記載内容の合理的解釈に意を用いるとともに、対象となるべき保有個人情報の範
囲を可及的に広く把握するよう配意願います。」)に鑑みると、対象となり得る保有
個人情報の範囲は相当程度に広いものとなるべきところ、本件における保有個人情
報の特定が妥当であるか審査を求める。
イ
一部開示決定にあっては、非開示部分の非開示妥当性について審査を求める。
- 1 -
3
審査請求に対する実施機関の説明要旨
理由説明書及び口頭による説明における実施機関の主張を要約すると、以下のとおり
である。
(1)対象保有個人情報の特定
処分庁では、特定の個人の運転免許に係る情報は全て、警察庁に設置された「運転
者管理システム」並びに警視庁に設置された「免許情報ファイリングシステム」及び
「免許マスタ」により管理している。
審査請求人の運転免許に係る保有個人情報については、上記システムにより検索を
行い、「免許情報ファイリングシステム照会結果」及び「免許・不適格事由照会結果」
を、現に保有している個人情報として特定した。
また、運転免許に係る各種申請書等の保存期間は5年、行政処分に係る行政処分書
等の保存期間は8年であるため、他に保有個人情報が記録された公文書は存在しない。
(2)非開示の理由
警察職員の職員番号は、開示請求者以外の個人に関する情報で、特定の個人を識別
することができるため、条例 16 条2号に該当するとして非開示とした。
4
審査会の判断
(1)審議の経過
年
月
日
審
議
経
過
平成27年
5月29日
諮問
平成27年
6月26日
新規概要説明(第94回第三部会)
平成27年
9月
実施機関から理由説明書収受
平成27年
9月18日
7日
実施機関から説明聴取(第96回第三部会)
- 2 -
平成27年10月30日
審議(第97回第三部会)
(2)審査会の判断
審査会は、審査請求の対象となった保有個人情報並びに実施機関及び審査請求人の
主張を具体的に検討した結果、以下のように判断する。
ア
本件対象保有個人情報及び本件非開示部分について
本件審査請求に係る開示請求は、
「開示請求者に係る『運転免許』に関わる一切の
保有個人情報(参考情報:区分は原付・普通自動車。○○県公安委員会発行。平成
○年○月○日東京都公安委員会から免許停止 90 日の行政処分を受け、江東運転免
許試験場に保管されたまま失効。亡失による再交付歴○回。)」である。
実施機関は、本件開示請求に対して、「免許情報ファイリングシステム照会結果」
(免許証番号第○○○○○○○○○○○○号に係るもの。以下「本件対象保有個人
情報1」という。)及び「免許・不適格事由照会結果」(免許証番号第○○○○○○
○○○○○○号に係るもの。以下「本件対象保有個人情報2」という。)を対象保
有個人情報として特定し、本件対象保有個人情報1については開示決定を、本件対
象保有個人情報2については警察職員の職員番号(以下「本件非開示部分」という。)
を条例 16 条2号に該当するとして非開示とする一部開示決定をそれぞれ行った。
イ
運転者管理システム、免許情報ファイリングシステム及び免許マスタについて
(ア)運転者管理システムについて
運転者管理システムは、運転免許証の交付及び更新、運転免許の取消及び停止
等運転免許事務の適正な遂行を確保することを目的として、警察庁が設置するサ
ーバと都道府県警察に設置するサーバを電子計算機に接続し、データ通信回線を
通じて運転者の情報を管理するシステムである。
警察庁サーバ等が保有する運転者管理業務に係る「運転者管理ファイル」にお
いて、個人ごとに免許、不適格事由、認知機能検査、運転免許経歴証明書等に関
する運転者データが記録されている。
実施機関の説明によると、これらのデータは、運転者管理システムにより都道
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府県警察で登録され、警察庁サーバ等で処理・保存されており、現に運転免許証
を受けている者のほか、運転免許証が失効している者であっても違反行為の有無
の要件に該当する者に関しては同種のデータが保存され、都道府県警察において、
当該システムによりこれらのデータを検索することができるとのことである。
(イ)免許情報ファイリングシステムについて
免許情報ファイリングシステムは、それまで書庫等で保存されていた各種申請
書をデータとして保存し、円滑な再交付手続及び運転免許保有者の利便性の向上
を図るために導入されたものであり、氏名、生年月日、住所等の免許証記載事項
が記録されているシステムである。
また、公安委員会の管轄区域を異にする住所変更届出及び運転免許証の再交付
申請が同時に行われる際の本人確認を迅速かつ適切に行うために、各都道府県警
察に設置されたシステムである。
(ウ)免許マスタについて
免許マスタは、他のシステムで登録されていない漢字氏名、住所等の詳細な情
報を運転免許保有者ごとに保存し、運転免許証の作成や記載事項の変更等の免許
手続に使用するシステムである。
ウ
対象保有個人情報の特定の妥当性について
審査請求人は、審査請求書において、対象保有個人情報の特定の妥当性について
審査を求める旨主張していることから、審査会は、対象保有個人情報の特定の妥当
性について以下、検討する。
本件対象保有個人情報1及び2は、特定個人の運転免許に係る情報を管理してい
る運転者管理システム、免許情報ファイリングシステム及び免許マスタを検索して
抽出された審査請求人に係る免許情報が記載された電子データである。
実施機関は、特定個人の運転免許に係る情報は、全て運転者管理システム、免許
情報ファイリングシステム、及び免許マスタにより管理しており、これらのシステ
ムにおいて審査請求人の氏名、生年月日及び性別から検索したところ、免許情報フ
ァイリングシステムから本件対象保有個人情報1を、運転者管理システムから本件
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対象保有個人情報2をそれぞれ特定したと説明する。
また、免許マスタに保存される運転免許保有者の情報は、情報を常に最新の状態
に保つために、運転免許の失効後7か月を経過すると自動的に削除されるシステム
になっており、審査請求人の運転免許が失効後7か月以上を経過していることから、
免許マスタで検索したが審査請求人に係る情報は抽出されなかったとのことであ
り、これらの実施機関の説明に不自然な点は認められない。
次に、審査会が、本件対象保有個人情報1及び2以外に審査請求人の運転免許に
関して作成・取得される可能性のある保有個人情報について実施機関に確認したと
ころ、該当するものは、行政処分書や運転免許証再交付申請書が考えられるが、そ
の保存期間は行政処分書が8年、運転免許証再交付申請書が5年であり、開示決定
及び一部開示決定の時点でいずれも存在しないとのことである。
審査会が運転免許事務に関する関係規程等を確認したところ、審査請求人の運転
免許証再交付申請書や行政処分書が作成・取得された事実は審査請求人の運転免許
経歴から推認されるものの、仮にそのような保有個人情報が作成・取得されていた
としても、当該保有個人情報が作成・取得されてから相当期間が経過し、その保存
期間も既に経過しているものと認められ、実施機関において他に対象となる保有個
人情報が作成又は取得されていることをうかがわせる特段の事情も認められない
ことから、本件対象保有個人情報1及び2を本件開示請求にかなう対象保有個人情
報とした実施機関の特定は妥当である。
エ
条例の定めについて
条例 16 条2号本文は、「開示請求者以外の個人に関する情報(事業を営む個人の
当該事業に関する情報を除く)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その
他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができるもの(他の
情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができる
こととなるものを含む。)又開示請求者以外の特定の個人を識別することはできな
いが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれ
があるもの」を非開示情報として規定している。
また、同号ただし書において、「イ
法令等の規程により又は慣行として開示請
求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報」、「ロ
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人の生命、健
康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報」、
「ハ
当該個人が公務員等・・・である場合において、当該情報がその職務の遂行
に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の
内容に係る部分」のいずれかに該当する情報については、同号本文に該当するもの
であっても開示しなければならない旨規定している。
オ
本件非開示部分の条例 16 条2号該当性について
本件非開示部分である警察職員の職員番号は、職員の様々な個人情報等を管理す
るため、職員ごとに付与されている固有の識別番号であり、開示請求者以外の個人
に関する情報で開示請求者以外の特定の個人を識別することができるものと認め
られることから、条例 16 条2号本文に該当する。
次に、同号ただし書該当性について検討すると、職員番号は、法令等の規定によ
り又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情
報とは認められないことから、同号ただし書イには該当せず、その内容及び性質か
ら同号ただし書ロ及びハのいずれにも該当しないものと認められる。
したがって、本件非開示部分は、条例 16 条2号に該当し非開示が、妥当である。
よって、「1
審査会の結論」のとおり判断する。
(答申に関与した委員の氏名)
渡辺
忠嗣、鴨木
房子、寺田
麻佑、前田
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雅英
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