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第4部 社員食堂における野菜・果物等の利用状況調査(PDF:210KB)

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第4部 社員食堂における野菜・果物等の利用状況調査(PDF:210KB)
第4部
社員食堂における
野菜・果物等利用状況の調査結果
社員食堂における野菜・果物等利用状況の調査結果
はじめに
九州の農業生産において、野菜及び果実は重要な位置を占めている。一方、野菜・果物
については、ビタミン、ミネラル、食物繊維等の重要な供給源として位置づけられている
ことから、近年その摂取の重要性が再認識されている。
このような中、一部の企業・団体の中では、従業員の健康管理の一環で社員食堂におい
て、野菜・果物を活用したヘルシーメニューの提供やサラダバーの設置を行う等の取組が
みられている。
このため、管内の企業・団体における社員食堂での野菜・果物の摂取拡大に向けた取組
等について、7企業・団体において調査を行った。
調査結果
1 企業・団体の概要
平均従業員数は2,058名で平均年齢は約38歳。
2
食堂の概要
a 経営形態
全て外部委託
b 食事を提供する際の栄養や健康に関する方針の有無(外部委託も含む)
全て整備されている
c 座席数
社員食堂の座席数は平均472席
d 1日の利用人数
1日平均1,009名
e 食材の使用量「食材、使用量」
米
野菜
19,246 kg
16,889 kg
年間使用量
19.1 kg
平 成 19年 年 間 使 用 量
19,278 kg
食
材
年間使用量
果物
肉
魚
210 kg
12,743 kg
5,110 kg
16.7 kg
0.2 kg
12.6 kg
5.1 kg
16,618 kg
197 kg
11,574 kg
5,198 kg
110.1%
98.3%
平 成 22年 1 人 当 た り
増減率
使用量割合
99.8%
101.6%
106.6%
野菜及び果物の年間使用量は、3年前と比べ、1企業が増加し2企業が減少と
なったが、1企業が大幅に増加したため、平均して増加となった。
- 43 -
f
野菜や果物の購入量又は金額の増減について(3年程前と比較して)
野菜の購入量
減少
14%
減少
0%
野菜の購入金額
増加
29%
不明
0%
増加
43%
変化なし
57%
変化なし
57%
野菜について、地産地消の推進や野菜を多く使った献立の導入により、3年前
と比べ増加となった。
果実の購入金額
果実の購入量
不明
14%
減少
14%
減少
0%
増加
29%
不明
14%
増加
43%
変化なし
43%
変化なし
43%
果実について、地産地消の推進やデザートを導入する企業があるものの、果実
類の価格面や献立に要望がないことから使用がほとんど無い企業もあった。
3
野菜・果実の摂取拡大について
a
食堂で、野菜や果物の摂取を図る上で、工夫し取組んでいること
・カロリーの組合せ例を紹介、地産地消推奨デーの実施、野菜サラダに地産地
消品をできるだけ使用している。
・季節野菜を使用したメニュー展開をしており、旬の野菜を美味しく食べて頂
けるよう心がけている。
・食べやすいようにカットしたり、旬の食材を提供。食事バランスガイド表示
のコマやカロリー表示(400~500キロカロリー)等栄養面の表示をしている。
・小鉢でサラダの提供を行い、一部の食堂ではサラダバーでも提供している。
また、小鉢の種類を増やし野菜をできるだけ摂取していただけるように取組
んでいる。
・肉又は魚と野菜を組み合わせたバランスのとれたメニューを提供している。
単価を350円から300円に下げ、単品メニューを増やし、玄米食や減塩(通常の
1/2)メニューの提供も行っている。
- 44 -
地域との交流を通じ、地場農産物利用の取組状況
b
地場農産物の利用への取組については、全ての企業で取組が行われていた。
具体的には、JAとのタイアップイベントの開催や副産物から製造されたた
い肥の無償配布、地元業者との年間契約取引等が行われている。
食生活改善などに向けた取組状況
c
食生活改善などに向けた取組状況
食生活改善に向けた取組について
は、7割の企業で行われていた。
ヘルシーメニューの提供、減塩メ
ニューの提供、献立にカロリー表示、
健康コーナーの設置等の取組が行わ
れていた。
取組なし
14%
関心はある
14%
計画がある
0%
取組あり
72%
食堂での野菜・果実の摂取量を増やすことや地場農産物や国産農産物を使用する
に当たっての今後の課題
d
・出来るだけ、旬の野菜・果物を取り入れたいがコストの面で厳しい。特に、単価
の高くなる特殊野菜や果物をメニューに加えることは困難となっている。
・客層として20代から30代の肉体労働される方が多いため、肉類や揚げ物類など高
カロリーの食事が好まれる傾向が強い中で、野菜の摂取拡大のため、メニュー内
容の見直し検討が必要。
4
まとめ
野菜・果物の使用量や購入量については、在籍人数や食堂利用者の増減があるもの
の、平均してやや増加している傾向がみられた。購入金額については、購入量の増加
に伴い増加している。
要因としては、食生活改善などの取り組み(ヘルシーメニューの提供、減塩メニュ
ーの提供、献立にカロリー表示など)によって、社員の健康への関心が高まり、野菜
や果物を多く使った献立の要望などによるものと考えられる。
野菜や果物の利用については、各企業独自の取組により、地産地消としてJAとタ
イアップして積極的に利用したり、地場産の野菜を年間契約するなど、いろいろな工
夫がなされている。また、旬の野菜を利用したメニュー提供などを展開しており、旬
の野菜を美味しく食べる工夫が行われている。
今後は、地場産や旬の野菜・果物等を安価で安定的に確保することが重要であり、
また、利便性のある加工品の利用によるコスト削減が課題である。
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