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アニュアルレポート 2005 ダウンロード (PDF:3.4MB)
Tackling Issues
for Sustained
Earnings Growth
アニュアルレポート 2005
2005年3月期
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
目 次
1 コーポレート・プロフィール、企業理念 — 三綱領
2 財務ハイライト
4 株主ならびにステークホルダーの皆さまへ
15 営業の概況
16 営業グループ概要
18 新機能事業グループ
22 エネルギー事業グループ
26 金属グループ
30 機械グループ
36 化学品グループ
40 生活産業グループ
44 地域戦略
47 コーポレート・ガバナンス、内部統制、
企業の社会的責任
57 コーポレートセクション
68 財務セクション
135 コーポレートデータ
見通しに関する注意事項
このアニュアルレポートに記載されている三菱商事の将来の収益計画・戦略・理念および業績見通しなどのうち、歴史的事実でな
いものは将来に関する見通しです。これらは、現在入手可能な期待・見積り・予想・計画および当社の経営者による判断に基づいて
います。これらの期待・見積り・予想・計画は、多くの潜在的リスク・不確実な要素・仮定を含んでおり、実際の業績は、
これらの重要な
要素の変動により、当社の見込みとは大きく異なる可能性があります。従って、読者の皆さまにおかれましては、
これらの将来予測に関
する記述について全面的に依拠することは控えるようお願いします。また、当社は新しい情報・将来の出来事あるいはその他動向に関
するすべての見通しに関する注意事項を更新する責任を負うものではありません。
実際の業績に影響を与え得るリスクや不確実な要素・仮定には、上記の内容以外に、商品市況・為替レート・当社の事業領域を取
り巻く世界経済情勢・係争中および将来の訴訟の結果・調達資金や金融商品・財源の継続的な有用性などがあります。ただし、業績
に影響を与え得る要素はこれらに限定されるものではありません。
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
コーポレート・プロフィール
三菱商事は、国内および海外約 80カ国・地域に200超の拠点を持つ最大の総合商社です。私たちは、
エネルギー、金属、機械、化学品、食料や資材など、
あらゆる産業を事業領域としており、500社を超える
連結対象会社とともに、世界中のお客さまとビジネスを展開しています。
総合力を強みに事業を展開しつつ、全社をあげて「選択と集中」や新しい機能の開発を進めてきた
結果、2005年 3月期決算では1,800億円を超える過去最高の連結純利益を達成することができました。
2004年、三菱商事は第二次世界大戦後、総合商社として発足してから50周年を迎えました。次なる
100周年へ向けて、これからも私たちは常に公明正大で品格のある行動を信条に、豊かな社会の実現に
貢献することを目指し、
さらなる成長に向け全力で取り組んでいきます。
当社の沿革
企業理念 — 三綱領
∼1970
1954 年、総合商社として三菱商事
が新発足し、東京・大阪両証券取引
所に株式を上場しました。
1970年代
1970年のブルネイLNG売買契約締
結に代表される、単なる商取引にとど
まらない開発投資型ビジネスのグロー
バル展開が進展する中、1971年、英
文社名“Mitsubishi Corporation ”
の採用を決定しました。
1980年代
燃料( 2001 年にエネルギー事業に
改称)、金属、機械、食料、化学品、繊
維・資材の 6 グループ体制に加え、
1987年には情報産業グループを新
しょ き ほうこう
しょ じ こうめい
りつぎょうぼう えき
設。1989年にはロンドン証券取引所
所期奉公
処事光明
立業貿易
に上場しました。
事業を通じ、物心共に豊かな社会の
公明正大で品格のある行動を旨とし、
全世界的、宇宙的視野に立脚した
実現に努力すると同時に、
かけがえの
活動の公開性、透明性を堅持する。
事業展開を図る。
ない地球環境の維持にも貢献する。
1990年代
1996年、食料、繊維・資材グループ
の統合により生活産業グループが発
足。1998 年には佐々木幹夫(現会
長)が社長に就任、3カ年中期経営
計画『 M C 2 0 0 0 』
( 2 0 0 1 年には
(2001 年1 月、三菱グループ28社で構成される金曜会にて申し合わされた現代解釈)
「三綱領」は、三菱四代社長岩崎小彌太の訓諭をもとに、1934年に(旧)三菱商事の行動指針として
制定されました。旧三菱商事は1947年に解散しましたが、三菱商事においてもこの三綱領は企業理念
『MC2003 』)が策定されました。
2000年代
2000 年に新機能事業グループを新
設。2003 年、情報産業グループが
新機能事業グループ、機械グループと
となり、
その精神は役職員の心の中に息づいています。また三綱領は、三菱グループにおいても経営の
根本理念となっています。さまざまな分野で活躍する三菱グループ各社は、同じ伝統と理念を共有するもの
同士として、切磋琢磨を続けています。
統合。2003 年、品川オフィス竣工。
2004年、新社長小島順彦が就任し、
新たに『INNOVATION 2007』が策
定されました。
1
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
財務ハイライト
三菱商事株式会社および連結子会社
3月31日に終了した事業年度
百万円
増減率
百万米ドル
2005/2004
2005年3月期
12.9%
$160,119
2003年3月期
2004年3月期
¥13,328,721
¥15,177,010
¥17,132,704
718,580
60,735
17,112
62,019
769,381
150,119
75,266
116,020
877,763
209,799
116,048
182,369
14.1
39.8
54.2
57.2
8,203
1,961
1,085
1,704
8,099,500
938,621
8,392,833
1,224,885
9,149,938
1,504,454
9.0
22.8
85,513
14,060
¥ 39.60
37.12
8.00
599.51
¥ 74.11
68.40
12.00
782.40
¥116.49
107.58
18.00
960.85
0.8
6.3
1.4
10.7
2.1
13.4
2005年3月期
業績指標:
売上高* . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期業績:
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税引前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税引後利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
事業年度末の財政状態:
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
:
1株当たり情報(円および米ドル)
1株当たり当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後1株当たり当期純利益 . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
株主資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
57.2%
57.3
50.0
22.8
$1.09
1.01
0.17
8.98
経営指標:
ROA(%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ROE(%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
注記:米ドル金額は、便宜的に1米ドル =107円で換算しています。
* 売上高は日本の商社が通常自主的に開示する指標であり、米国会計基準における売上高または収益を意味するものではありません(連結財務諸表に対する注記 1をご参照ください)。
売上総利益
当期純利益と希薄化後1株当たり当期純利益
(10億円)
(10億円)
1000
1,000
(円)
200
182.4
877.8
200
総資産、資本合計とネット有利子負債倍率
(10億円)
(倍)
10,000
9,149.9
8,069.4 8,148.9 8,099.5
800
800
769.4
8,000
718.6
150
150
600
600
603.7
116.0
107.6
8,392.8
4.0
3.9
3.7
643.9
5.0
3.8
6,000
3.0
2.9
100
92.6
100
68.4
400
400
59.1
60.7
62.0
38.7
37.1
2.3
4,000
50
50
200
200
2.0
2,000
1.0
971.6 1,032.5 938.6
0
0
01
02
03
04
05
0
01
02
03
04
当期純利益[左軸]
−− 希薄化後1株当たり当期純利益[右軸]
05
0
0
01
02
03
総資産[左軸]
資本合計[左軸]
−
− ネット有利子負債倍率[右軸]
2
1,224.9
04
1,504.5
05
0
MITSUBISHI CORPORATION
売上総利益
当期純利益
718.6
769.4
総資産
62.0
877.8
(10億円)
116.0
8,099.5 8,392.8 9,149.9
182.4
(10億円)
(10億円)
12500
12,500
250
1,000
ANNUAL REPORT 2005
+224.7
+880.7
その他
生活産業
+774.6
800
200
+9,724.0
10000
10,000
+718.6
その他
+8,774.3
+8,368.7
生活産業
化学品
+159.2
生活産業
7500
7,500
150
600
化学品
化学品
機械
+112.2
機械
機械
5000
5,000
100
400
金属
金属
金属
2500
2,500
50
200
エネルギー
事業
エネルギー
事業
エネルギー
事業
0
–5.2
–2.9
新機能事業
調整および
消去
新機能事業
新機能事業
00
0
その他
–269.2 –381.5
–574.1
調整および
消去
調整および
消去
–50
–200
03
04
05
–43.1
–42.3
04
05
–50.2
03
-2500
–2,500
03
04
05
売上総利益
当期純利益
総資産
2005 年 3 月期の売上総利益は、過去最高の
2005年3月期の当期純利益は1,824億円となり、
2005年3月期末の総資産は9兆1,499億円と
8,778億円となりました。これは、鋼材市況の上昇
2004年3月期に引き続き過去最高業績を達成し
なり、2004年3月期末と比較して7,571億円増
により子会社であるメタルワンの総利益の大幅な
ました。これは、
エネルギー事業グループや金属
加しました。これは、
エネルギー事業グループ、金属
増加およびエネルギー事業や化学品事業の市況
グループが商品市況の高騰を背景に、大きく利益
グループで取引拡大による営業債権・棚卸資産の
が好調だったことによる当社の総利益の増加、加
を伸ばしたことに加え、
その他の4グループすべて
増加があったほか、LNG関連プロジェクトでの投資
えて、前期は持分法適用会社だった食料関連子
が前期比10%以上の増益を果たし、当期純利益
増加、
三菱自動車工業の株式取得などで投資残高
会社を子会社化したことによる増加、
および新規
の増加に貢献したことによるものです。また、
ロー
が増加したことによるものです。総資産の残高の
の食料関連子会社を買収したことなどによるもの
ソン、
三菱自動車工業の投資にかかわる減損処理
増加率が前期比9.0%にとどまっているのに対し、
です。
で有価証券損益の悪化はありましたが、賃貸用ビ
当期純利益の伸び率は57.2%となっており、
その
ルの売却などによる固定資産損益の改善、年金
の代行返上による差益の計上などでこれをまかな
結果ROAは前期の1.4%から2.1%へ0.7ポイン
ト上昇し、資産効率が高まっていると言えます。
いました。
(注)各項目の数値の詳細は、連結財務諸表に対する注記 19(セグメント情報)
をご参照ください。
3
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
株主ならびにステークホルダーの皆さまへ
2005年 3月期の三菱商事は過去最高の連結純利益 1,824億円を達成し、
『 INNOVATION 2007』の1年目として順調なスタートを切りました。しかしながら、
安定的に2,000億円以上の純益をあげることができる体質にするためには、
この好成績に安住せず、いくつかの課題を克服していく必要があると考えています。
今期以降、
これらの課題を着実にこなし、株主をはじめとする
ステークホルダーの皆さまのご期待に応える成果の創出に全力を尽くしていきます。
4
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
1. 始めに
4カ年の中期経営計画『INNOVATION 2007』の1年目
一つ目は、資源・エネルギーに加えた中核事業のさらなる
にあたる2005年 3 月期は、連結純利益が 1,824 億円と、
育成と強化です。二つ目は、一つ目の課題に関連しますが、
2004年3月期の1,160億円を57%上回る過去最高益とな
『INNOVATION 2007』で掲げた「新・産業イノベーター」
り、順調なスタートを切りました。ROE(株主資本利益率)は
のビジョンの下、次の時代の柱となる事業への取り組みです。
13%と昨年に引き続き2桁となり、
また、
ネットの有利子負債
そして三つ目は個別案件ではありますが、当面の重要な経営
は2.3倍と2004
も昨年並みに抑え、DER(有利子負債倍率)
課題である三菱自動車工業とそれに関連する自動車事業へ
年 3月期に比べ 0.6ポイント下がりました。
の取り組みです。
セグメント別でも、原油・金属資源・鉄鋼製品といった資源
『 INNOVATION 2007』では2005年 3月期、2006年 3
価格の高騰により、エネルギー事業グループや金属グルー
月期の2年間を「ホップ」期間と位置づけています。私は、
こ
プで大幅な増益となりましたが、資源価格の影響を直接には
のホップ期間の間に、
これらの課題に一つずつ取り組み、次
受けていない新機能事業、機械、化学品、生活産業の各グ
の「ステップ」期間に向けた足場固めをしっかりと行っていき
ループでも順調に利益を積み上げることができ、すべての営
たいと考えています。それでは順番に、現在の状況について
業グループで前期比 2桁 %の増益となりました。
ご説明します。
2006年3月期も、世界経済が総じて順調に推移すると予
想されること、
また集中的に経営資源を投入してきた原料炭
事業をはじめとする資源ビジネスの市況が、引き続き高水準
で推移すると予想されることなどから、連結純利益は約5割増
連結純利益の2008年3月期までの当初計画および実績と見通し
(10億円)
350
益の2,800億円と3年連続の最高益更新を見込んでいます。
280
300
2004年 7月に策定した『INNOVATION 2007』では、4
年目の2008年3月期に1,800億円の連結純利益をあげる
250
目標を立てましたが、上記のとおり2006年3月期の見通しは
200
その目標を大幅に上回る水準となっています。しかし、私は、
150
安定的に、連結純利益2,000億円の収益レベルを達成でき
100
るような経営基盤を構築するためには、いまだクリアすべき大
実績と見通し
当初計画
180
116
50
きな課題が三つあると考えています。
0
04.3
05.3
06.3
07.3
08.3
5
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2. 取り組むべき課題
課題 1
ら元気な中高年層向けまで、
さまざまな事業を取り上げるヒュー
資源・エネルギー
マンライフ事業本部を立ち上げました。
に加えた中核事業
機械グループでは三菱自動車工業との取り組みに加え、
のさらなる育成と
いすゞ自動車との事業に関しても、同社の優先株を引き受け、
強化
関係を強化し、今後の成長地域と目される新興諸国などに
おいて自動車関連事業のさらなる展開を図っています。また、
海外電力事業では、2006年の操業開始を目指し、
メキシコ
2005年3月期は資源・エネルギー価格の高騰にともすれ
では3件目のプロジェクトを始めました。
ば目を奪われがちな一年でした。しかしながらその一方で、エ
化学品グループでは、サウディ石油化学の株式追加取得
ネルギー事業や金属以外のグループでも着々と成長戦略
を行い、中東石油化学事業への取り組みを強化しました。
生活産業グループでは、2004年6月に菓子卸のサンエス
を推進しました。
新機能事業グループではREIT(不動産投資信託)事業
を子会社化し、秋には明治屋の食品卸売り事業部門と合弁
が順調に収益をあげています。また、すでに各地に配送網を
で明治屋商事を設立することに合意しました。明治屋商事は
構築していた中国の国内物流分野では、事業の一層の強化
2005年 4月から営業を開始しています。
のために日本通運と提携を行いました。さらに、医療・介護か
石油価格の推移
(ドル)
50
40
30
2006年3月期見通しの前提
『INNOVATION 2007』の前提
原油価格(ドバイスポット価格)
20
10
95*
96
* 年度平均値(1月∼12月)
** 4月現在の数値
6
97
98
99
00
01
02
03
04
05**
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
経営計画の各種前提条件と実績の数値比較表
『 INNOVATION
2007』の前提
原油価格( US$/バレル)
26.0
原料炭価格( US$/トン)
2005年
3月期実績
2006年
3月期見通し
36.5
36.0
52.0∼ 54.0
56.5
125.0
銅価格( US$/トン)
1,983
3,000
2,756
アルミ価格( US$/トン)
1,400
1,778
1,800
為替レート( ¥/ US$)
100.0
107.5
100.0
金利 (円短期金利%)
0.25%
0.09%
0.20%
また、地域戦略においては、成長著しい中国とインドの2カ
また、BU(ビジネスユニット)制とMCVA(Mitsubishi Corpo-
国を、全社をあげて重点的に取り組むべき重要な市場である
ration Value Added)は、前中期経営計画である『MC2003』
ことを明確にし、
それぞれの市場で、成長が見込まれる事業
に引き続き重要な経営管理のツールであり、BUを拡張型、
領域、有望案件を対象とし、経営資源を重点的に投入する
成長型、再構築型の三つに区分し、MCVAという共通の尺
ことにしました。中国については2005年4月に「中国担当」
度を用いた事業管理を継続していきます。なお、当社は毎年
の役員を任命し、同時に、
「中国事業戦略オフィス」を立ち上
各 BUミッションを厳しく吟味しており、2005年 4月現在、拡
げ、積極的にビジネスの拡大に取り組んでいます。また、
イン
張型は64%、成長型は21%、再構築型は14%となっていま
ドについては「インド市場政策会議」を設置し、有力企業グ
す。また、全体のBU数は統廃合によって189ユニットから149
ループとの関係強化を図りながら、成長分野への取り組みを
ユニットまで絞り込み、成長型、拡張型へ人員、資金を再配
強化しています。
置しました。この結果、黒字BUの黒字額から赤字BUの赤字
さて、
これらの戦略を推進するためには、
それを支える人材
額を差し引いたネットの黒字額は大幅な増加を見せています。
の活用・育成と、
きめ細かい事業管理手法が欠かせません。
今や当社の利益の大半は事業投資先からのものです。
従って、世界各国に展開する約 500社の連結先を経営す
る人材の育成や、外部からの人材の発掘は重要な課題で
あると考えています。
7
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
本アニュアルレポートの「営業の概況」セクションでもご
課題 2
「新・産業イノベー
ター」のビジョンの
下、次の時代の柱と
なる事 業 へ の 取り
覧いただけるとおり、当社は総合商社として、
グローバルな分
野で多種多様な業界と広範な接点があり、
その強みを活か
し、
それぞれの業界で、企画力、開発力、
コーディネーション
力を発揮し、
イノベーションを起こしてきました。現在、収益の
組み
大きな柱となっているLNGビジネスも、30年以上前に手掛け
たイノベーションの成功事例と言えます。
『 INNOVATION 2007』では「新・産業イノベーター」を
2005年4月には、新たな施策としてイノベーションセンター
目指すビジョンを掲げています。このビジョンは、市場のニー
を社内に設置しました。各営業グループが取り組むR&Dを加
ズから産業をとらえ直して新しい仕組みの提案や創出をした
速し、
グループをまたがる分野や、既存の営業グループでは
り、次世代を担う新産業の創生を支援していくことで、産業界
取り組みにくい新規分野に全社で対応するための組織が必
の発展に寄与し、お客さまとともに成長のシナリオを構築す
要と考えたことが設置の理由です。なお、
チーフ・イノベーショ
る役割を果たしていこうというものです。
ン・オフィサーには私自身が就任して、当社のイノベーション
一つの企業や事業家が単独で社会に変革をもたらすよう
をビジネスにつなげる取り組みを率先し、
『 INNOVATION
なビジネスを生み出すといったことは大変難しい時代になっ
2007』の期間中に次の時代の柱となり得る事業の立ち上げ
ています。その一方で、従来であれば接点がなかったさまざま
を目指します。
な業種が組み合わさったり、一企業の中に埋もれて眠ってい
るノウハウが外部の力と組み合わさるなどすれば、過去の延
長線上にはないイノベーションを起こすことは十分可能であ
ると考えています。
過去4年の黒字BU、赤字BUの合計金額の推移
(10億円)
300
258.1
186.6
200
159.7
141.6
100
0
–54.0
–36.9
–38.8
04.3
05.3
–76.6
–100
02.3
03.3
■ 黒字BU合計金額 ■ 赤字BU合計金額
8
MITSUBISHI CORPORATION
課題 3
三 菱自 動 車 工業と
それ に関連 する自
動 車 事 業 へ の 取り
組み
ANNUAL REPORT 2005
三菱自動車工業の2005年3月期の販売台数は「再生計
画」の予定台数を若干ながら上回りました。また、2005年 3
月には過去のリコール問題にも決別し、経営体制も刷新し
ました。2005年4月には企業再生の専門家、弁護士など主
要株主をメンバーとするモニタリング委員会が発足するなど、
再建に向けた施策が着々と打たれています。
当社は三菱自動車工業との直接取引のほか、アジア、欧
三つ目の課題は、2005年3月期の重要な経営上の意思
州を中心に世界各国で三菱自動車工業と、現地での組み立
決定となった三菱自動車工業への追加支援と自動車事業
て、販売、およびその先の販売金融、アフターサービスなど
への取り組みです。
自動車産業のバリューチェーンに広くかかわり、事業を展開
当社は2004年7月に三菱自動車工業からの要請を受け、
しています。そのため、同社の再生は当社が取り組むべき極
400億円の優先株を引き受けました。その後、同社が1970
めて重要な課題であり、2006年3月期は正念場の一年と心
年代まで遡って過去の不具合案件を精査した結果、未処理
得ています。私たち経営陣は、株主として再生計画の進捗状
のリコール案件があることが判明し、すべての調査を完了す
況を月次で厳しくモニターしていくと同時に、
ビジネスパート
るまで、新型車の販売を見合わせたため、特に日本と北米市
ナーとして計画の達成に向けて全社をあげて協力をしてい
場での販売台数が大幅に減少し、資金調達面の不安も顕
きます。
在化しました。そこで、三菱自動車工業では2005 年 1月に
私たちは、
『 INNOVATION 2007』で目標とした、
“安定
当初の計画を抜本的に見直し、新たに「三菱自動車再生
的に2,000億円の収益レベルを達成できる”経営基盤を作
計画」を策定し、必要資金調達のため、主要株主に再度の
るための必要条件であるこれらの課題に、
これからも全力で
支援要請を行いました。これを受け当社経営陣は、外部専門
取り組んでいきます。
家の協力も得て計画を精査するとともに、支援を実行しない
場合を含めた選択肢を分析・検討しました。その結果、長期
的な戦略面における自動車事業の重要性、再生計画達成
の可能性、欧州など海外での同社製品への高い評価、およ
び十分信頼に値する新経営体制などを勘案し、支援をする
ことが合理的であると判断したことから、700億円の追加増
資引き受けを実行しました。さらに、同社の資本増強策への
対応として、300億円の資本増強につながる事業用資産の
買い取りまたは増資引き受けを、2006年 3月期中に行う予
定です。
9
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
3. 株主還元策と内部留保の活用
下のグラフは当社の過去 10年にわたる純利益と配当額
好調な時にはそれに応じて株主の皆さまへの還元を厚くする
の推移を表したものです。当社は従来、安定的な配当を維持
業績連動的な考え方を取り入れることにしました。その結果、
しつつ、内部留保を活用して企業価値の最大化に努めるこ
1株当たり年間配当は2004年3月期から50%増配となる18
とを基本方針としてきました。この方針に基づき、1991年 3
円としました。
月期以降、利益の水準にかかわらず年間1株当たり8円の配
この配当方針の見直しは、将来の成長に向けた投資資金
当を株主の皆さまに還元してきました。
需要や、
ビジネスモデルの変革に伴うリスクの拡大に備えた
しかし、2004年3月期においては1,000億円台の連結純
DER(有利子負債倍率)のコントロールといったさまざまな要
利益を計上できる経営基盤を築くことができたと判断したこ
素を考慮したものです。なお、2006年3月期においても業績
とから、配当を1株当たり年間12円(うち増配が2円、記念配
に応じたより高いレベルの配当を目指し、連結純利益が現
当が2円)
としました。さらに2005年 3月期は、
ここ数年で当
状の見通しである2,800億円となった場合には、1株当たり
社の収益基盤が急速に拡大したことや、増配に対する投資
の配当金額をさらに8円増配し26円とする予定です。
家の皆さまのニーズが高まっていることなどを勘案し、収益が
当期純利益と年間1株当たり配当金の推移
(10億円)
(円)
20
182.4
18.0
200
150
15
116.0
92.6
100
12.0
60.7
44.4
62.0
10
47.8
50
33.4
0
96*
31.2
97
98
99
■ 当期純利益[左軸] −− 年間1株当たり配当金[右軸]
* 各年の3月期の数値
10
8.0
26.3
00
01
02
03
04
05
5
MITSUBISHI CORPORATION
内部留保の活用に
よる『INNOVATION
2007 』に沿った投
資計画の推進
ANNUAL REPORT 2005
2006年3月期の見通しですが、資源価格の追い風もあり、
当社の業績は『 INNOVATION 2007』の当初計画以上に
順調に推移しています。この結果、当面、営業活動に必要な
運転資金の需要も想定以上に旺盛になるものと予想してい
ます。また、有望な投資機会も引き続き多い見込みであるこ
とから、
『INNOVATION 2007』策定時に設定した4年間で
8,000億円という新規投資計画は予定通り実行していきま
内部に留保した利益は、引き続き成長のための資金とし
て活用していきます。
足元のキャッシュ・フローの状況ですが、2005年3月期は、
す。これらの営業活動、投資活動に要する資金については、
極力内部留保でまかなっていく方針です。また、現在の収益
見通しをベースにすれば、有利子負債倍率は現状の2倍台
史上最高となった連結純利益を背景に営業活動によるキャッ
前半で推移すると予想しており、不測のリスクに対する体力
シュ・フローは約 1,500億円となりました。ただし、
メタルワン
も維持しながら、営業取引の拡大と新規投資を継続すること
などの好調な事業活動を受け、運転資金需要が拡大したこ
が十分に可能であると考えています。その上で、景気や市況
とから、2004年 3月期に比べると金額は約 860億円減少し
の変動に左右されることなく2桁のROEを維持し、持続的な
ました。投資活動によるキャッシュ・フローは、サハリンLNG
成長に努め、市場価値の向上を図っていく方針です。
向けの追加投資、三菱自動車工業宛の増資引き受け、
いすゞ
自動車優先株の引き受け、海外IPP案件への出資などの支
出を行う一方、品川三菱ビル、国内物流子会社保有の固定
資産の売却などによる収入により、ネットでは約 500億円の
資金減となりました。これらの結果、
いわゆるフリー・キャッシュ・
フローは970億円の資金増加となりました。
11
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
4. 企業の社会的責任
『INNOVATION 2007』では、
「足場を固める」ための経
ここにおいて、当社の社員全員が共有している社是である
営基盤を継続的に強化していくために、
コーポレート・ガバナ
「三綱領」すなわち、
「所期奉公」
「処事光明」
「立業貿易」
ンスの強化と、内部統制の体制整備を重要課題として掲げ
が重要な役割を果たしています。
「公明正大に、豊かな社会
ています。
の実現に貢献し、世界的視野で事業を展開すべし」という趣
当社は世界中のさまざまな国において、24時間 365日、
旨の三つの言葉からなる企業理念は、70年以上も前に作ら
多様なリスクの中でビジネスを行っています。このような中、
れたものですが、現在もなお、私たちの精神的な支柱となって
法令を遵守して社会規範を尊重し、
リスクを的確にコントロー
います。
ルする、
そして財務報告を含め、正確かつ適時に経営状況を
さらに当社には1973年に制定した「行動基準」がありま
すべてのステークホルダーに報告するといった、いわゆる内
したが、2005年1月に全面的に見直しを行い、新たに「企業
部統制のプロセスについて継続的に改善を図っています。
行動指針」を制定しました。この指針は、法令を遵守した上
詳細は、47ページ以降のコーポレート・ガバナンスのセク
で、収益をあげること、
そしてさらに事業活動を通じ、新しい価
ションをご覧いただきたいと思いますが、
ここで私は、企業の
値を創造し、社会や環境への貢献をすることが、当社として
社会的責任( CSR)について強調したいと思います。
果たすべき重要な社会的責任であることを改めて明確にし
私は常々、CSRの精神なくして長期的・持続的な利益は
たものです。また、国家の安全保障にかかわってくる安全保
得られないと考えており、現場にいる一人ひとりの社員も同
障貿易管理についても、海外拠点や事業投資先なども含め
じ考え方を共有しています。そしてこれは当社がステークホル
取り組みを強化しています。なお、
この「企業行動指針」は全
ダーから期待されていることでもあると認識しています。
社員に携帯を義務づけており、いつでも参照できるようにし
ています。
コンプライアンスについては、2005年 4月に増田副社長
をチーフ・コンプライアンス・オフィサーに任命しました。増田
副社長はエネルギー事業グループCEOの職を離れ、全社的
な観点で経営を補佐し、
コンプライアンスを推進していくこと
になります。
12
MITSUBISHI CORPORATION
CSRに関するその他のアクションとしては、30年以上にわ
たり行ってきたさまざまな社会貢献活動があります。当社は「グッ
ド・コーポレートシチズンとしての自覚を持ち、地球的視野か
ANNUAL REPORT 2005
ドに今後も活動を続け、社会とともに成長する企業を目指し
ていきます。
なお、当社は、代表的なSRI(社会的責任投資)指数であ
ら社会に対し幅広い貢献活動を行う」という基本理念の下、
るDJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)、
2006年 3月期から役職員全員が年に1回はボランティア活
FTSE4Goodの指標銘柄として選ばれており、これまでの取
動を行う社内運動「 MCボランティア活動( MC Volunteer
り組みが高く評価された結果であると考えています。
Activity!)」を開始しました。
「継続」と「社員参加」をキーワー
企業行動指針
1. 企業活動の目的
我が社は、事業を通じ、企業価値の向上を図るとともに、有用なサービス・商品を安全性にも配慮して創出・
提供し、物心共に豊かな社会の実現に努める。
2. 公明正大な企業活動
我が社は、企業活動の展開に当たり、諸法規、国際的な取決め及び社内規程を遵守するとともに、社会規
範に沿った責任ある行動をとる。
3. 人権・社員の尊重
我が社は、人権を尊重し、差別を行わない。また、人材育成を通じて企業活力の維持・向上を図るとともに、
社員の人格・個性を尊重する。
4. 情報の管理・公開
我が社は、企業情報を適切に管理するとともに、
ステークホルダーを含め社会一般からの正しい理解を得、
透明性の保持を図るため、情報を適時・適切に公開する。
5. 地球環境への配慮
我が社は、地球環境に配慮しない企業は存続しえないとの認識に立ち、企業活動のあらゆる面において地
球環境の保全に努め、持続可能な発展を目指す。
6. 社会貢献活動
我が社は、社会の一員として、
より良い社会の実現に向けて積極的に社会貢献活動を行う。また、社員に
よる自発的な社会貢献活動を支援する。
以
上
〔改定履歴〕
制定:1973年 6月5 日
改定:1992 年 12月 7日、2005 年1月 1日
13
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
5. 最後に
2004年7月からスタートした中期経営計画『INNOVATION
そして「新・産業イノベーター」というビジョンの下に、当社
さらに高い
2007』は、まずは順調に滑り出しました。しかし、
の企業価値向上を図り、広く社会へ貢献し続けていくことで、
目標に向けて着実に歩みを進めるためには、好業績に慢心
株主の皆さまをはじめ、
このアニュアルレポートを読んでいた
することなく、足場をしっかりと固め、一つずつ着実に課題を
だいているすべてのステークホルダーの皆さまに、最高の成
こなしていくことが重要であると考えています。
果をお届けできると強く確信し、日々全力を尽くしていきます。
これからも三菱商事にどうぞご期待ください。
2005年 7月 30日
取締役社長
14
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
営業の概況
営業グループ概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
16
新機能事業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
18
19
19
20
21
ICT事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金融事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
物流サービス本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ヒューマンライフ事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
エネルギー事業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
天然ガス事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
石油事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
炭素・LPG事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金属グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
鉄鋼原料本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
非鉄金属本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
重電機本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
プラントプロジェクト本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
宇宙航空機本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
開発建設・産業機械事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
自動車事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
いすゞ事業本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
化学品グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
汎用化学品本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機能化学品本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
先端化学品本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
22
23
24
25
26
28
29
30
31
31
32
33
34
35
36
37
37
39
食品本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繊維本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資材本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
40
41
41
42
43
地域戦略 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
44
生活産業グループ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
食糧本部 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
15
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
営業グループ概要
2005年3月期の業績*
新機能事業グループ
売 上 高:266,286百万円
売上総利益:50,997百万円
当期純利益:12,260百万円
総 資 産:901,773百万円
総資産(10億円)
1,200
1,003
純利益(損失)
(10億円)
15
1,062
902
1,000
12
10
800
5
2
600
従 業 員:4,779名
0
400
–5
200
–7
03
エネルギー事業グループ
売 上 高:4,332,271百万円
売上総利益:74,485百万円
当期純利益:45,835百万円
総 資 産:1,140,938百万円
04
05
1,500
05
842
46
50
40
856
30
従 業 員:1,904名
04
60
1,141
1,000
03
500
31
24
20
10
03
金属グループ
売 上 高:3,441,069百万円
売上総利益:201,794百万円
当期純利益:48,239百万円
総 資 産:2,057,150百万円
04
05
2,500
03
48
50
2,000
1,707
1,498
40
31
1,500
24
1,000
20
500
10
03
機械グループ
05
60
2,057
30
従 業 員:9,441名
04
売 上 高:2,768,577百万円
売上総利益:157,941百万円
当期純利益:55,398百万円
総 資 産:2,297,571百万円
2,500
従 業 員:9,281名
1,000
2,017
04
2,165
05
2,298
03
05
55
60
50
2,000
04
42
40
1,500
30
21
20
500
10
03
化学品グループ
売 上 高:1,904,165百万円
売上総利益:75,253百万円
当期純利益:18,110百万円
総 資 産:648,330百万円
04
05
800
03
04
20
05
18
648
595
590
600
15
400
10
200
5
14
10
従 業 員:3,153名
03
生活産業グループ
売 上 高:4,449,625百万円
売上総利益:314,994百万円
当期純利益:44,864百万円
総 資 産:1,739,340百万円
04
2,000
05
1,739
1,459
03
04
50
05
45
39
1,486
40
1,500
34
30
1,000
従 業 員:19,937名
20
500
10
03
04
05
* 従業員数は2005年 3月 31日現在のデータとなります。本ページに記載されていないコーポレートスタッフの従業員数は2,886名となっています。
16
03
04
05
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
事業規模(2005年7月1日現在)
主な商品・サービス
組 織: 4本部21BU
ICT事業本部(5BU)
金融事業本部(5BU)
物流サービス本部(5BU)
ヒューマンライフ事業本部(6BU)
拠 点:国内5 海外:14拠点(12カ国)
■
組 織: 3本部24BU
天然ガス事業本部(10BU)
石油事業本部(8BU)
炭素・LPG事業本部(4BU)
グループCEO直轄(2BU)
拠 点:国内12 海外:30拠点(25カ国)
■
LNG、LPG、原油、
ガソリン、
ナフサ、灯油、軽油、重油、潤滑油、
アスファルト、
その他石油
製品、
オリマルジョン®、無煙炭、石炭コークス、石油コークス、
カーボンブラック、人造
黒鉛電極、石油・ガス探鉱開発、新エネルギー開発、省エネ対応エネルギーシステム
開発、電熱供給事業など
組 織: 2本部13BU
鉄鋼原料本部(4BU)
非鉄金属本部(6BU)
グループCEO直轄(3BU)
拠 点:国内6拠点 海外:23拠点(17カ国)
■
製鉄用原料炭、一般炭、鉄鉱石、
副原料、
ニッケル・クロムなどのステンレス原料、合金鉄、
銅・アルミなどの非鉄金属原料、非鉄金属製品、貴金属、自動車部品、銑鉄、屑鉄、普通
鋼材、鋼管、
ステンレス鋼、
その他鉄鋼製品など
組 織: 6本部36BU
重電機本部(6BU)
プラントプロジェクト本部(6BU)
宇宙航空機本部(6BU)
開発建設・産業機械事業本部(8BU)
自動車事業本部(6BU)
いすゞ事業本部(2BU)
グループCEO直轄(2BU)
拠 点:国内14 海外:49拠点(40カ国)
■
組 織: 3本部23BU
汎用化学品本部(8BU)
機能化学品本部(9BU)
先端化学品本部(4BU)
グループCEO直轄(2BU)
拠 点:国内8 海外:32拠点(27カ国)
■
組 織: 4本部32BU
食糧本部(8BU)
食品本部(8BU)
繊維本部(6BU)
資材本部(8BU)
グループCEO直轄(2BU)
拠 点:国内10拠点 海外:41拠点(29カ国)
■
ICT*関連事業(ITソリューション・マネージメント、
アウトソース事業、
ネットワークサービス・
モバイル関連事業など)
■ バイアウ
ト、ベンチャー事業育成、M&A 支援、証券化、
オペレーティングリース、資産
運用など
■ 物流事業・保険事業
■ 外食、
コンテンツ、病院向け総合ソリューション、介護サービスや地域総合ケア、人材
ビジネス、出版など
発電プラント、送変電設備、昇降機、鉄道車両、交通システム、
ガス・石油プラント、化学
プラント、製鉄機械、非鉄製造設備、
セメント機械、鉱山機械、船舶、船舶機械、廃棄処理
設備、環境設備、自動車、建設機械、工作機械、印刷機械、航空機、航空機エンジン、
航空機搭載機器材、防衛関連電子機器、宇宙関連機器など
■ 建築工事の設計・施工、
住宅の分譲・賃貸、
オフィスビル・商業施設などの開発、不動産
仲介・証券化、PFI事業、海外建設・土木プロジェクトなど
■ プロジェク
ト開発事業、電力卸売、小売事業、上下水道運営などインフラストラクチャーの
整備・運営、自動車製造販売および自動車販売金融事業、FPSO/FSO定期用船事
業、食品リサイクル事業、衛星通信事業、衛星地図情報事業、情報セキュリティ事業、航
空機リース事業など
石油化学品、肥料、無機化学品、合成樹脂・製品、電子材料、食品添加物、医療・農薬
中間体、バイオ事業、先端素材など
穀物類、穀粉類、砂糖類、油脂、畜産物、
飼料、水産物、青果物、澱粉、
ビール、
コーヒー、
飲料水、乳製品、冷凍・冷蔵食品、加工食品など
■ 繊維原料・糸・織編物、
産業繊維、光ファイバー、衣料、
ブランド事業、家具、靴、日用
雑貨、
タイヤ、住宅建材、包装資材、木材チップ、パルプ、紙、
セメント、硅砂など
* ICT = Information and Communication Technology
17
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
新機能事業グループ
《グループ CEO からの報告 》
グループ全体戦略
新機能事業グループは、2000年 4月の発足以来、総合商社で
2005年 3月期の業績について
金融事業関連の収益や、昨年株式公開を果たし順調に事業を
ある当社のビジネスの遂行に不可欠な基本機能である“ FILM ”
伸ばしている日本ケアサプライなどの医療・介護ビジネス、また、
(金融、情報、物流、マーケティング)
を複合的に駆使して、新たな
事業資産の入れ替えなどで売却益のあがった物流事業などの貢献
収益源の開拓に努めてきました。それと同時に、当社にとって新規分
野であった生活密着型市場におけるローソン事業、医療・福祉事業、
により、2005年 3月期は純利益 123億円を達成しました。
2年連続の黒字達成と3桁の利益の達成によって、試行錯誤し
コンテンツ事業などの事業を創出し、着実に拡大させてきました。
てきた当グループの草創期は終わりました。これを受け、FILM機能
資本参加から約 4 年を経たローソン事業は、当社ビジネスとの
に一層の磨きをかけ、
さらなる利益追求に“ 打って出る”段階に
さらなる相乗効果をあげていくために、2004年 10月に生活産業
突入したと私は思っています。
グループに移管しましたが、当グループとしては今後もローソンCS
カードなどFILM関連のさまざまな事業で引き続き協業していきます。
2006年 3月期の見通し
今後も“ FILM”機能のさらなる研鑽を基に、規模感ある新規事業
2006年 3月期は『 INNOVATION 2007』の“ホップ”最終年
の創出を目指すとともに、他グループの事業活動への機能提供を
の仕上げとして、継続して100億円を上回る利益の達成を目標と
行い、連結ベースの利益の最大化を追求していきます。
します。
このために、
まず当グループの体制を“ FILM ”4本部体制(金融
事業本部、ICT事業本部、物流サービス本部、ヒューマンライフ
事業本部)に変更しました。個別事業戦略の推進体制をさらに
明確化するとともに、他営業グループ、他本部と複合的に結びつけ
た付加価値型の収益創造に取り組むことも目的としています。
本部ごとの戦略としては、金融事業本部はアセットファイナンスや
企業再生支援ビジネスなどによる収益拡大、ICT事業本部は戦略
子会社であるアイ・ティ・フロンティアのITマネジメントサービス企業
としての体質強化、物流サービス本部はコアとなる事業基盤の強化
と中国での物流ネットワークの強化、
ヒューマンライフ事業本部は
これまで成長の種を撒いてきた医療・介護ビジネスのさらなる拡張
と外食・コンテンツ事業の新しい展開による収益拡大を目指します。
これらのビジネス展開の成果を、今後の“ステップ”“ジャンプ”
ステージにおけるより大きな利益につなげていきたいと考えています。
常務執行役員
新機能事業グループ CEO
新機能事業グループCEOオフィス / 新機能事業グループコントローラーオフィス
(
18
はグループ・本部に属するユニット・オフィスを表わしています。)
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
《 本部長からの報告 》
ICT事業本部
金融事業本部
ITFユニット / ICTサービス事業開発ユニット / ネットワークサービス事業ユニット /
携帯電話事業ユニット / カード事業ユニット
成長企業金融ユニット / キャピタル・マーケッツユニット / オルタナティブ投資ユニット /
金融企画ユニット / M&Aユニット
ICT事業本部長
金融事業本部長
日下 茂樹
門多 丈
ブロードバンドや携帯電話の急激な浸透に象徴されるように、情
報・通信技術( ICT)は社会に不可欠なインフラとして確実に定着
金融事業本部は、国内外での長年にわたる金融ビジネスや証券
投資の経験を活かし、金融サービス事業を展開する本部です。
しています。特に、企業におけるICTの活用は、単なる業務プロセス
具体的には、自己資金を使った証券投資運用に加え、金融スキ
効率化の段階を脱し、市場競争力強化や戦略実現のキーファクター
ルを活用して総合商社ならではの金融商品(コモディティへの投資
ともなりつつあります。このような中で、ICT事業本部は、アイ・ティ・
やナノテク事業への投資など)やソリューション(問題解決)のため
フロンティア( ITF)
をはじめとする関係会社と一体となって、顧客の
の機能(企業再生を含めた経営や財務のアドバイス)
を顧客に提供
ニーズに応じたICTソリューション(機能)の提供やいわゆるBPO(ビ
するビジネスです。顧客の中心は、低金利が続く中、運用多様化の
ジネスプロセスアウトソーシング)事業などの、企業向けの総合的な
ため新しいタイプの投資商品を求める機関投資家や金融機関、
アウトソースサービスを主な分野として取り組んでいます。また、将
そして資産の流動化や証券化などによるバランス・シートの合理化
来のユビキタス社会の到来を見据えて、
ネットワークと各種アプリケー
や資金調達を求める事業会社です。
ションを連携した新たなコア事業の構築にも取り組んでいます。
2005年3月期は顧客ニーズの高度化・複雑化や競争の一層の
激化により、ICT関連サービス事業の収益環境も決して平坦ではな
く、中核となるITFの事業環境も大変厳しいものとなりました。
しかし、
この 1年の間に本部としてフォーカスすべき事業領域の一層の選
別を進め、
また、ITFもようやく体制整備にメドがつき、2006年3月期
より新たなステージに向けて本格的に打って出る体制が整いました。
2006年3月期は、ITFをITマネージメントサービスプロバイダーと
して確実な成長軌道に乗せることを最重要課題としつつ、昨今多く
見られる、非中核業務において外部リソースを積極的に活用してい
く流れをとらえ、戦略的子会社であるビーウィズ(コンタクトセンター)
やユーフォリンク(ビジネスコンサルティング)
を基盤にITを最大限
活用したBPOサービスを積極的に推進します。さらに、ネットワンシ
当社では、商業施設特化型REIT(不動産投資信託)の日本
リテールファンド投資法人(JRF)に続く第2弾として、物流特
化型REITへの取り組みを開始しました。物流は広範な商材を
扱う商社ならではの優位性を発揮できる分野です。このREIT
をJRFと同様に当社の総力を結集した上場REITにすべく、各
営業部局の支援を得つつ、当グループの金融事業本部、物
流サービス本部、
そして機械グループの開発建設・産業機械
事業本部が一丸となって本プロジェクトに取り組んでいます。
ステムズ(ネットワークインテグレーター)などとも連携してより安心
で効率的なネットワークを実現するための新規商品の開拓や付加
価値サービスの開発を推進するとともに、海外では中国を最重点市
場と位置づけ、2003年に上海に設立したITサービス事業の子会
社 iVisionを核に新規事業開発に取り組みます。
19
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2005年 3月期は、REIT(不動産投資信託)事業が子会社の
者には、価格競争力に加え、金融や IT機能の提供などによる、
より
三菱商事UBSリアルティを核に順調に推移し、
また、戦略的提携を
高度な付加価値機能の開発・提案が求められてきています。保険
行っているアメリカのリップルウッドが組成するファンドも好業績を
分野でも、
さまざまな業界で再編が進む中、顧客企業にとっては従
上げ、
グループの利益拡大に貢献しました。
来にないリスクに晒される可能性が高まり、各種保険商品を活用し
2006年3月期は、
これまでの金融商品の提供やベンチャー企業
などへの成長資金提供に加え、
『 INNOVATION 2007』のビジョ
たソリューションへの需要が増しています。
2005年 3月期は、これまでの「選択と集中」戦略の継続・実践
ンである新・産業イノベーターの金融面での担い手として、不動産
ならびに、菱光ロジスティクスなど子会社の収益基盤再構築を通じ、
ファンドビジネス、
リース・レンタルビジネス、医療分野関連ファイナ
プロフィットセンターとして、
「商社ならではの物流事業・保険事業」
ンス、
クレジットカードなどのアセットファイナンスビジネスにさらに積
を国内・海外にて推進しました。自動車・アパレルなどの物流事業、
極的に取り組んでいきます。また、回復基調にある日本経済の中で
鉄鋼原料・食品原料向けの不定期船事業、化学品・燃料用のタン
今後ますますその重要性が高まっていくM&Aアドバイザリー業務や
クターミナル事業など、いずれも当社の商流にビルトインし、高付加
企業再生支援ビジネス、バイアウト投資も総合商社の強みを活かし
価値かつ特徴を持った物流機能を提供しています。また、物流REIT
て推進していきます。
や ICタグなど、金融や IT機能を活用した新規事業も展開中です。
保険事業では、当社を取り巻くさまざまなリスクに対する保険マネジ
物流サービス本部
メント、
ソリューション、
エンジニアリング(キャプティブ事業)
を通じた
物流ソリューション・SCMユニット / リスクエンジニアリングユニット / 物流事業ユニット /
不定期船事業ユニット / ターミナル事業ユニット
ノウハウを活かし、顧客向けサービスの開発を進めました。具体的な
動きとしては、2005年 1月にアメリカの AIGと組み、企業の再保険
子会社(キャプティブ)の運営を受託するレンタキャプティブ事業を
開始しました。
2006年3月期以降も、物流分野では、
さらなる拡大・成長のため
トランス インター
に、子会社 2社、菱光ロジスティクスとエム・シー・
ナショナルの経営統合準備を進め、特に戦略分野である「自動車・
アパレル物流」での一層の機能向上と、他分野への横展開を図り
物流サービス本部長
泉 道夫
物流サービス本部は、
グローバルな物流ネットワークと物流情報
ます。また、海外では、中国の飛躍的な物流需要の増加をにらみ、
前期に合意した日本通運との資本・業務提携の下、当社が先駆者的
に築いてきた中国国内物流事業を大きく発展・展開させていきます。
システムによる総合的なソリューションの提供や、保険を切り口とし
この他、不定期船事業は鉄鋼原料・食品原料といった当社商流へ
たリスク管理サービスなどを顧客向けに提供しています。
のビルトインを強化し、
ターミナル事業では化学品の商流と連動し、
物流分野では、中国の生産拠点と日本での店舗を直結させるア
アジアでの拠点開発を促進していきます。保険分野は、
リスクマネ
パレル SPA( Specialty store retailer of Private label Apparel)
ジメントやソリューションを通じた全社成長戦略への貢献、
キャプティブ
物流に代表されるように、荷主のボーダレス化が進んでいます。ま
事業、
レンタキャプティブ事業での機能高度化・収益拡大を進めて
た企業経営における物流の位置づけが単なる「運ぶ・預ける」から
いきます。
「サプライチェーンの最適化」に変化しており、物流サービス事業
20
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
アニメなどのコンテンツ製作販売事業を
手掛ける子会社、
ディーライツでは、小学
館・週刊少年サンデーで連載中の人気
コミック「焼きたて!! ジャぱん」をテレビ
アニメ化し、
テレビ東京系6局ネットにて
放送を開始しました。これと並行して、
関連ビジネスとして製パンメーカーへキャ
ラクターをライセンス供与しました。具体
的には、
アニメの主人公が創作するパン
を放送に合わせて実際に商品化して
ローソンやイオンの店頭で販売を行い、
ローソンでは一日に15万食を売るヒット
商品になりました。メディアと物販を組み
合わせた新しいビジネスモデルとして
各方面から注目を集めました。
日本ホスピタルサービスは、医療材料を一括購入して
全国各地のサプライセンターで管理し、病院の消費状況
に応じ必要な分のみを各部署まで配送・配置し、病院が
使用した分だけを請求するという独自の機能を提供して
います。また、契約病院の医療材料を共同で仕入れること
で病院の材料費用を削減したり、光熱費の各種削減の
提案を行うなど、病院の立場に立ったサービスは、病
院の経営効率の改革に大きく貢献しています。
ヒューマンライフ事業本部
外食サービス事業ユニット / メディア・コンテンツ事業ユニット / メディア・マーケティ
ング事業ユニット / ヘルスケア事業ユニット / ライフケア事業ユニット / ソーシャルケ
ア事業ユニット
いずれも拡大傾向にある市場の中で、医療・介護分野では介護
用品のレンタル卸、日本ケアサプライや医療材料の卸である日本
ホスピタルサービスなど、多方面での事業が着実に成長しています。
コンテンツの分野でも、100%子会社のディーライツを通じてアニメ
コンテンツの企画・製作を行ったりスタジオジブリ作品に出資するな
どして業界内でのポジショニングを形成しつつあります。
2006年3月期は「事業・人材の融合と展開、そして拡大」をテー
マに、医療面では病院PFI事業と医療関連製品流通のバリューチェー
ン構築に注力し、外食事業では中核企業であるクリエイト・レストラ
ヒューマンライフ事業本部長
田村 栄作
ヒューマンライフ事業本部は、
ヒューマンケア事業本部とコンシュー
マー事業本部の二つの本部を統合させて2005年 4月に新設され
ンツのさらなる飛躍を図ります。また、出資先で携帯向けコンテンツ
事業を展開するインデックス、TV通販を手掛けるデジタルダイレクト
など多様な消費者向けビジネスに、MCのマーケティング機能を組み
合わせるなど有機的な連携関係の強化に努めます。
た新しい本部です。生活の楽しみ系(食・コンテンツ)
から心配系(医
また、地域戦略としては、拡大する中国市場での事業開発を多角
療・介護・健康)まで、
「シームレスな生活支援のためのビジネス創
的に推し進めていきます。すでに医療・外食・携帯向けコンテンツな
造」を目指しています。具体的には外食事業、アニメーションなどの
どの分野でも合弁事業を展開していますが、規制緩和に伴う事業
コンテンツ事業、TVショップ、病院の経営支援、病院 PFI、介護レン
領域の拡大や所得上昇に伴うライフスタイルの変化を踏まえて、
タル事業、介護施設の経営、出版事業、人材派遣といった多岐に
今後、出版、
メディアなども視野に入れながら、
さらに積極的に事業
わたるサービス事業を展開しています。
投資を推進していきます。
21
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
エネルギー事業グループ
《グループ CEO からの報告 》
2005 年 3 月期の連結純利益は458 億円と過去最高となり、
『INNOVATION 2007』の1年目として最高のスタートとなりました。
これは、中国などをはじめとする世界の石油需要の増加や供給面の
リスクの増大を背景とし、原油市況が高いレベルで推移したことか
ら、天然ガス事業・石油ガス探鉱開発事業の投資利益が増大した
ことが大きな要因です。さらに、前中期経営計画の『 MC2003』の
下で、着実なポートフォリオマネジメント戦略を推進したことによる資
産の入れ替えや効率化、
ならびに石油事業や炭素・LPG事業のBU
再構築戦略が結実したものと考えています。
「価
『 INNOVATION 2007』の 2年目となる2006年 3月期は、
値向上、価値創造に絶えず挑戦し、安定供給に資するグローバル
エネルギー企業を目指して」という基本理念の下、
さらなる飛躍を目
指します。高い志を持って、すべての事業分野における価値向上、
あるいは新しい価値を創造するためにグループ一体となって挑戦し、
エネルギーの安定供給に資するグループを目指してグローバルに
発展・成長し続けていきたいと考えています。
常務執行役員
京都議定書の発効、電力ガス業界の自由化・規制緩和、地政学
エネルギー事業グループ CEO
リスクの高まりや新興経済国の需要増大に伴う原油・ガス価格の
高騰など、私たちを取り巻く環境は日夜、激しく変化しています。こ
れらの変化にいち早く対応し、変化を新たなチャンスととらえ新しい
価値を創造していくためにも、
グループのナレッジマネジメントをより
強化・推進し、
さらなる情報武装・情報共有化を進めていきます。
エネルギー事業グループCEOオフィス / エネルギー事業グループコントローラーオフィス /
石油・ガス探鉱開発事業ユニット / エネルギー事業開発ユニット
《グループ CEO直轄ユニットの報告》
石油・ガス探鉱開発事業ユニット
石油・ガス探鉱開発事業ユニットは、世界各地で石油・ガス探鉱
格高騰を背景に石油業界各社の収益の中心は上流事業へシフト
しています。
開発事業への投資を行っています。この事業は『 INNOVATION
ガボン、アンゴラ、
メキシコ湾の既存事業においては、追加開発な
2007』においても当社の中核ビジネスの一つに位置づけられて
どにより事業規模を拡大する一方、優良資産の獲得、埋蔵量の積
おり、今後の成長に向け積極的な事業展開を目指します。
み増しが事業基盤のさらなる強化・拡大のために必要であり、新規
石油の需要は中国、
インドといったアジアを中心に伸長し、世界
的にタイトな需給関係はしばらく続くと予想しています。また、原油価
(
22
はグループ・本部に属するユニット・オフィスを表わしています。)
事業についても積極的に案件追求を行っていきます。
MITSUBISHI CORPORATION
エネルギー事業開発ユニット
ANNUAL REPORT 2005
『INNOVATION 2007』でR&D型事業に位置する新エネルギー
エネルギー事業開発ユニットは、
エネルギーにかかわる新規事業
事業では、HHEG(高圧縮水素エネルギー発生装置)の開発・製造・
である新エネルギー(燃料電池、水素、木質バイオマス)や、エネル
販売会社であるH3 Energy LTD.を2004年に立ち上げました。
ギー供給(発電、
コージェネ)、
ガス販売価格の固定化など、幅広い
今後は商用機の開発を行い、燃料電池車用水素供給ステーション
分野で新規ビジネスモデルの構築に取り組んでいます。
などへ販売を行っていく予定です。また、木質バイオマス資源のエネ
電力・ガス業界の規制緩和、原油価格高騰、京都議定書発効な
ルギー利用については石炭ボイラーでの混焼が課題となっていま
ど、エネルギー業界のさまざまな変化を追い風ととらえ、個々の事業
したが、当社は混焼比率を飛躍的に高められる粉砕機を開発し、
を推進しています。
電力、一般産業向けに売り込み中です。
《 本部長からの報告 》
天然ガス事業本部
今後の需要拡大に対しては、既存プロジェクトの増設と拡張、仕
ブルネイ事業ユニット / アラスカプロジェクトユニット / マレーシア事業ユニット / オース
トラリア事業ユニット / インドネシアプロジェクトユニット / オマーンプロジェクトユニット /
サハリン事業ユニット / 新規プロジェクト開発ユニット / グローバルガスユニット / 米国
基地事業ユニット
掛りプロジェクトの早期立ち上げによって備えていきます。具体的に
は、西オーストラリアの増設、マレーシアの増量などの既存収益基
盤の強化に取り組む一方、サハリンII、
インドネシアのタングーといっ
た新規大型プロジェクトのスケジュール通りの立ち上げを目指しま
す。また、今後拡大するグローバルトレーディングへの対応では、2009
年から使用開始の契約を締結したアメリカテキサス州のフリーポー
トLNGディベロップメントの LNG 受入基地を利用し、オマーン産
LNGを再気化し、アメリカ国内の需要家向けに販売します。同じく
アメリカカリフォルニア州のロングビーチにおいても、石油メジャー
天然ガス事業本部長
のコノコフィリップスと組み、LNG受入基地の建設を計画しています。
加藤 晴二
当社は1969年にアラスカから日本に初めてLNG(液化天然ガ
ス)
を輸入して以来、数々のプロジェクトに参画し、日本向けを中心
に世界のガス産出国からLNGを供給しています。また現在も、サハ
リン、
インドネシアタングーなどの大型開発プロジェクトをはじめとし
て、天然ガスの開発やLNG船事業、LNG受入基地への参画など、
LNGバリューチェーンのあらゆる分野に事業領域を拡大しています。
LNGの需要は、中国、インドなどの新興市場の拡大や、アメリカ国
内で天然ガス生産が頭打ちとなっていることで同国内の需要がLNG
へシフトしてきていることなどにより、現在の1.5億トン(海上貿易量)
が、2010年から2015年にかけてほぼ倍増する見込みです。一方、
供給は需要の伸びに合わせ、既存プロジェクトの拡張や新規プロ
ジェクトの立ち上げが多数計画されています。また、
グローバルなLNG
当社は、2005年1月に全額出資子会社であるエムシー・
グローバルガスを通じて、
アメリカのテキサス州に建設され
るフリーポートLNG受入基地に持ち込んだLNGを再気化
する契約を締結しました。アメリカは世界最大の天然ガス
消費国ですが、
ガスの自国内生産量が伸び悩み、LNG需
要が急速に拡大している成長市場です。本契約により、
市場の成長に伴い、LNGのコモディティ化が進み、市場をまたいだ
当社は2009年1月から17年間にわたり、年間約100万
トンのLNGを輸入し、同基地にて再気化した天然ガスをア
グローバルトレーディングの機会が増大すると予想しています。
メリカの需要家に販売します。
23
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
当社のLNG関連プロジェクト
サハリンII
ロングビーチ
受入基地
オマーン
マレーシアI
ブルネイ
マレーシアII
マレーシアIII
タングー
オーストラリア
●:新規プロジェクト
●:既存プロジェクト
さらに、将来にわたり安定した収益基盤を確保するため、有望と思わ
れるプロジェクトや GTL事業(天然ガスの液体燃料)などへの参画
機会を模索し、当社の天然ガス事業の持続的発展を目指します。
その結果、世界で大きな存在感を示すプレイヤーとしての地位を確
立することが私たちの将来的な目標です。
石油事業本部
石油リテール事業ユニット / 産業燃料ユニット / 電力燃料ユニット / オリマルジョン
ユニット / 発電用石炭ユニット / 石油原料ユニット / 海外石油事業ユニット / 精製需給
ユニット
当社は、国際石油開発と共同で設立したMI Berau B.V.(当
社56%出資)
を通じ、
インドネシアにてタングーLNGプロジェク
ト
(パプア州ベラウ湾)に参画しています。同プロジェクトは
2005年3月に最終投資決定を行い、液化プラントおよび洋
上設備の建設を本格的に開始しました。2008年末より年間
760万トンのLNGの生産を開始する予定となっており、すでに
中国、
韓国およびアメリカ西海岸向けLNG販売契約を締結済
みで、現在は日本向けにLNGの販売活動を推進しています。
〈石油事業本部長Photo〉
石油事業本部長
柳井 準
原油、石油製品、ナフサなど、石油全般をさまざまな業態で幅広
く取り扱っています。取引形態は、輸入、三国間、国内取引にとどま
らず、三菱商事石油を中心に異業種と協業するなど新しい業態の
サービスステーション(SS)
を展開しているほか、最近は価格変動の
リスクマネジメント業務にまで広げています。対面業界も、一般産業
当社は原油・石油製品輸送用タンカー事業をシンガポールに
や電力会社から一般消費者まで多岐にわたっています。
移転することを決定し、2005 年 4 月に新会社 Diamond
Tanker PTE. LTD.を設立しました。現在、傭船契約の過半
数を占める海外石油会社との取引は、
そのほとんどがシンガ
ポールで成約されています。アジアの一大海運物流拠点であ
る同国において、顧客やマーケット情報へのアクセス強化、良
質な海運専門家の確保によってさらなるサービスの充実を図
ります。
24
MITSUBISHI CORPORATION
グローバルな視点で見ると、中国の需要拡大、中東を中心とする
ANNUAL REPORT 2005
2006年3月期は、石油コークス(石油精製過程における副産物
地政学リスク、投機資金の流入、原油生産余力の減少などを背景
で、主に産業用燃料として用いられる)、石炭コークス
(主に製鉄用)、
に、原油価格の高騰はしばらく続くと思われます。これを受け、国内
タールおよびタール製品(主に炭素メーカー向け)
といった戦略
では、石油需要は比較的堅調に推移することが予想される一方、厳
商品に経営資源を集中させる一方、新たなビジネスモデルである
しさを増す環境規制に対応した製油所二次装置の増強や、
サルファー
石油コークス発電事業を軌道に乗せます。さらに、炭素は古くて新
フリーガソリン・軽油の供給開始などによるさまざまな影響が出てく
しい商品であるという一面があり、従来とは違う用途での使用が期
るものと予想されます。
待されています。2005年に新設した炭素事業戦略室で新規用途
国内での石油製品需給逼迫が予想される中、国内市場におけ
開発を行い、新たなコア商品の育成にも取り組んでいきます。
る供給力を拡充しつつ、国内販売力を強化することが必要になって
きます。具体的には、有力石油会社との連携を深めて供給力を強
LPG
化するとともに、販売力強化についても、三菱商事石油で従来から
LPG(液化石油ガス)は、主に原油や天然ガスの生産時に随伴
リテール部
行っているSSの業態変革・運営力強化をさらに推進し、
ガスとして産出されるプロパン、
ブタンなどを指し、一般的にはプロパ
門の強化を図ります。また新規事業では、GTL、バイオ燃料など環境
グ
ンガスとして知られています。当社はLPGを世界各地から輸入し、
対応型新エネルギー事業の構築に取り組んでいきます。
ループ会社の三菱液化ガスに供給するとともに、世界有数のLPG
船隊を駆使した質の高いサービスを日本の顧客や韓国、中国の輸
入者へ提供しており、
アジア地域への供給の2割強を担っています。
炭素・LPG事業本部
原油価格高騰の影響でLPG価格も歴史的な高値圏にあり、
なお
炭素原料ユニット / 石油コークスユニット / LPGユニット / 波方事業ユニット
かつ原油価格の乱高下に連動しながらめまぐるしい値動きをする状
況になっています。2006年 3月期も同様の状況が続くものと見て
おり、従来以上のリスク管理体制の強化を図っていきます。
また、2005年3月に当社は、当社のLPG事業と出光ガスアンドラ
イフとの事業統合検討を発表しました。業務効率化やスケールメリッ
トの享受など、統合シナジーを最大限に活かし、消費者本位の会社
とすべく、2006年 4月からの統合、営業開始を目指し検討を進めて
炭素・LPG事業本部長
いきます。
今井 鉄郎
炭素
炭素事業は、石油や石炭から作られる炭素原料、炭素製品の
輸出入、三国間取引および国内取引を通じ、炭素業界のバリュー
チェーンの全般にかかわっており、対面業界は、石油、鉄鋼、アルミ
業界など、多岐にわたっています。
業界再編や中国をはじめとする経済新興国での旺盛な需要を受け、
鉄鋼、アルミ産業などの対面業界は再び活性化し、投資にも積極
的になっています。現在は資源需要の急激な増加によって石炭
2005年3月、当社はLPG事業統合の検討を開始することで
出光興産と合意し、2006年4月より統合会社として営業開
コークスなど炭素系原料の供給がタイトになっており、
このような状
始することを目標に具体的な協議に入ることとしました。より強
況は2006年 3月期も継続する可能性が高いと思っています。
い経営基盤を持ったLPG 事業会社を設立し、輸入・海外ト
レーディングから国内販売に至るあらゆる局面で生まれるフレ
キシビリティを活かし、
お客さまにより高いレベルのサービスを
提供していきます。
25
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
金属グループ
《グループ CEO からの報告 》
金属グループの2005年3月期の業績は、当期純利益が482億円
業績の見通しは、原料炭価格の大幅上昇によるMDPの好決算が
で2004年3月期と比べて約55%増と、2年連続で過去最高を達成し
見込まれる上、
メタルワンも引き続き好決算を予想していることから、
ました。オーストラリアMDP(Mitsubishi Development Pty., Ltd.)
グループとしては1,000億円を超える連結純利益を想定しています。
がオーストラリアドル高の影響により前期比で若干の減益となった
ものの、銅、
アルミなど金属資源の需給逼迫、価格上昇により、事業
私は、外部環境が好調である今こそ、
さらなる成長を実現するため
の施策を打つ絶好のタイミングだと考えています。この考えに基づき、
投資先の持分利益、受取配当金が増加したこと、鉄鋼製品事業分
『 INNOVATION 2007』の施策として、
タイの DIA Modern Engi-
野を分社して設立したメタルワンが、鋼材市況の上昇により前期を
を中心とする自動車部品事業を拡大させていくほ
neering(DMET)
大きく上回る好決算となったことなどが背景です。2006年3月期の
か、太陽光発電モジュールの海外販売強化といった再生可能エネ
ルギーへの取り組みも引き続き積極的に展開していく予定です。ま
た、金属資源や鋼材価格の上昇によって事業投資先が高収益を上
げている事実からも明らかですが、事業投資が引き続き重要であるこ
とは間違いありません。新しいビジネスモデルの構築や、今後の新
たな事業投資機会の創出のためにも、歴史的にかかる事業投資を
支えてきた、商社の原点である「トレーディング力のさらなる強化」と、
それを支えるための「人材育成」を重点施策としています。
常務執行役員
金属グループ CEO
金属グループCEOオフィス / 金属グループコントローラーオフィス / MDPユニット /
部品事業開発ユニット / 鉄鋼製品事業ユニット
《グループ CEO直轄ユニットの報告》
金属グループには、事業戦略単位として、鉄鋼原料本部と非鉄
MDPユニット
金属本部の他に、
グループCEO直轄組織であるMDPユニットと鉄
オーストラリアで石炭事業に携わるMDPの中核事業は、原料炭
鋼製品事業ユニットの2本部2ユニットという組織体制を構築してい
(製鉄原料用石炭)事業です。原料炭事業は、MDPと、世界最大
ます。現在の当グループの収益バランスからするとMDPユニットが
手の資源会社であるBHP Billitonが対等出資して組成したジョイ
大黒柱ですが、他の3つの組織についてもさらに規模の拡大を図り、
ントベンチャーであるBMAで行っています。BMAが取り扱う原料炭
バランス良く金属グループ全体の収益を支える構造を目指してい
は、海上交易量では世界全体の約 3割を占め、世界第一位でもあり
きます。
ます。世界の石炭市況は中国経済の伸長を背景とした全世界的な
(
26
はグループ・本部に属するユニット・オフィスを表わしています。)
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
需給逼迫を背景に2005年 3月期を通じて強含みで推移しました。
(全体最適による市場の整備
ンとして“ Metal Value Optimizer”
この傾向は2006年3月期に入っても継続しており、特に原料炭(強
と改革の推進者)
を掲げ、国内外で鉄鋼流通改革の中核事業体と
粘炭)の2006年 3月期価格については前期比2倍を超える水準で
なることを目標としています。
決着し、過去最高水準となりました。
設立 2 年目の 2005 年 3 月期は、同社の重点施策であるPMI
こうした需給環境を踏まえ、MDPでは全世界の顧客に対する安定
( POST MERGER INTEGRATION)戦略の下、国内建材部門の
供給責任を果たすために、原料炭の増産に向けた諸施策をBMAを
統合会社であるメタルワン建材を設立し、
また、国内線材・特殊鋼
通じて実行に移しています。これは短期的な需要逼迫への対応の
部門の統合会社であるメタルワン鉄鋼製品販売を設立するなど、国
みならず、中長期的な需要見通しを見据えたものであり、今後数年
内の基盤構築に注力しました。一方、海外においては特に中国に
間を掛けてより安定した生産・供給体制の確立を目指していきます。
おいて、青島、杭州でのサービスセンター設立や蘇州における油圧
また、MDPではさらなる成長と、
より安定した経営の実現に向け、
用シャベル製造会社への出資など今後の成長分野への投資も実
事業領域・地域の多様化について積極的に取り組んでいます。現
施しました。
在の事業の中心となっているオーストラリアに限らず、
その他地域で
また、設立から2年が経過し、鉄鋼製品各部門における子会社同
の事業の可能性を追求していくとともに、石炭以外の資源分野への
士の統合も行われたこともあり、バリューチェーンの深掘り、
コスト・
進出についても、ポートフォリオの最適化の観点から前向きに取り組
サービス面での競争力強化、財務基盤の充実など、
さまざまな相乗
んでいます。
効果がでてきています。
2005年 1月には、金田新社長の下で新経営体制が発足しまし
鉄鋼製品事業ユニット
た。これに伴い、
メタルワンとメタルワンのグループ各社が生み出す
鉄鋼製品分野においては、双日(旧日商岩井)
との合弁会社で
付加価値の一層の高度化・合理化を目指しながらグループのシナ
あるメタルワン(当社出資比率60%)が、拡大する鉄鋼製品市場に
ジー効果を最大限に発揮できる体制、
すなわち「連結バリューチェー
おいて好業績をあげ、2005年 3月期の売上高は2兆 2千億円、純
ンマネージメント」の確立を目的に、本部制を導入しました。メタル
となり
利益は前期比 2.1倍の 227億円(当社持分利益 136億円)
ワンは、今後とも当社の総合力を十二分に活用し、総合的なサービ
ました。同社は2003 年 1 月の設立以来、ビジョンとして“ Metal
ス・機能を提供する「鉄鋼総合商社」の構築を目指していきます。
(金属産業の成長を促す市場の創造者)、
ミッショ
Market Maker ”
当社が子会社のMDPを通じて参画するBMA(BHP Billiton
との石炭合弁事業体)
は、全世界的に逼迫した石炭需給環
メタルワンは設立後の重点施策として、設立後2年間にわたっ
てPMI戦略に基づく施策を重点的に行い、国内を中心に流通
境を踏まえ、世界最大の原料炭輸出業者としての供給責任を
果たすべく、254百万オーストラリアドル(約196億円)
を投じ
基盤を構築してきました。鉄鋼流通は鉄鋼メーカーから最終
ユーザーまで複雑な流通経路が存在していますが、
メタルワン
て、
オーストラリアのクイーンズランド州に保有するヘイポイン
ト港の年間積出能力を34百万トンから39.5百万トンに増強
設立により当社と日商岩井(現双日)の両社の販売ネット
ワークの最適化を図ることができました。
さらに、建材分野では
しました。また、
すでに発表済みの炭鉱の増産計画と合わせ、
BMAの年間生産能力を従来の48百万トンから55百万トンに
メタルワン建材を、線材・特殊鋼分野ではメタルワン鉄鋼製品
販売などを設立しました。
引き上げる決定をしました。
27
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
《 本部長からの報告 》
鉄鋼原料本部
ラグがあるため、2005年3月期を通じて市場は逼迫し、2006年3月期
原料炭事業ユニット / 一般炭事業ユニット / 鉄鉱石事業ユニット / ニッケル・合金鉄
事業ユニット
も同様の状況が続く見通しです。
このような市況を反映して、鉄鉱石・クロムの事業投資先の2005
年3月期持分利益は好調な結果となりましたが、
トレーディングにおい
ても市場のニーズをとらえて各商品分野ともに取引利益を拡大し、
2006
年3月期はこれらを上回る業績が期待できる状況となっています。
当本部の戦略は、
このような世界の需給トレンドを10年、20年先
まで見据えた投資を立案することを最大の柱としています。資源は
枯渇していくものなので、
その安定的な確保が鉄鋼メーカー、電力
鉄鋼原料本部長
衣川 潤
会社など顧客に対するサービス提供につながると考えています。
また、商社選別化の中で、
トレーディングの収益構造転換が課題
鉄鋼原料本部は、原料から製品への金属のバリューチェーンの
と考えていますが、ニッチな資源販売で価格変動リスクをとるといっ
中で、資源投資・原料調達・輸送という川上分野を事業フィールド
たことも検討し、
より付加価値の高い商社機能を発揮したいと考え
としています。当本部が扱う石炭、鉄鉱石、ニッケル・合金鉄の商品
ています。
『 INNOVATION 2007』の戦略類型で言えば、鉄鋼原
はすべて当社の戦略商品です。また、R&Dとして新製鉄法(HIsmelt)
料では既存拡張型を柱としますが、新しい地域での事業投資などに
にも取り組んでいます。世界の鉄鋼原料の需要は特にアジア市場
よる横展開、未開発資源へのアクセスによる川上ビジネスへの展開、
の伸びが著しく、
とりわけ中国の拡大は目を見張るものがあります。
そしてHIsmelt新製鉄法を例とするR&D展開を計画しています。
世界の粗鋼生産は、
これまでの8億トン規模から一挙に10億トンを
業績が好調な今こそ、次世代のための布石を打つべきだと強く認識
突破しましたが、鉄鋼原料の増産が需要を満たすまでにはタイム
しています。
当社は、南アフリカのクロム資源子会社、ハーニック・フェロ
クロムのフェロクロム
(ステンレス生産に不可欠なクロム原料)
チリのロス・コロラドス鉄鉱石プロジェクトは、同国CMPと当社
が各50% 出資したジョイントベンチャーCMH(Compania
生産能力を、現在の年間26万トンから、2005年後半には年
間42万トンとする拡張計画を決定し着工しました。今回の増
として1998年7月に操業を開始しま
Minera Huasco S.A.)
した。現在の生産量は、ペレット*が年間約450万トン、ペレッ
産は世界的なフェロクロム需要の増加に対応するもので、
ハーニックは4億5,000万ランド
(約77億円)の投資を行い、
トフィード**が約50万トンとなっています。ペレットフィードにつ
いては、2006年中に年間40万トン増産し、年間合計90万ト
最新設備の導入と生産規模の拡大により、世界第 4 位の
フェロクロム生産者としての地位を確固たるものとします。
ンとすることをプロジェクトで決定しています。
* 高品位微粉鉄鉱石に水と粘結剤を加えて直径9∼16mmの球状に
し、焼き固めたもの。高炉や直接還元鉄プラントで生産性を高めるた
めに配合される球状鉄鉱石成品(鉄分65∼66%程度含有)。
** 主にペレット生産用原料となる高品位微粉鉄鉱石(鉄分約69%
含有)。
28
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
金属資源分野の展開
●
●
●
●
●
原料炭
アルミニウム
鉄鉱石
銅
ニッケル、
クロム
Iron Ore Company of
Canada(カナダ)
大平洋金属
(日本)
モザールアルミ製錬所
(モザンビーク)
Gresik
(インドネシア)
Antamina銅亜鉛
鉱山(ペルー)
BMA
Ryowa Development
Pty., Ltd.
(オーストラリア)
ハーニック・フェロクロム
(南アフリカ)
HIsmelt
(オーストラリア)
Albras(ブラジル)
(オーストラリア)
エスコンディーダ
銅鉱山(チリ)
M.C. Inversiones
Limitada(チリ)
NOVA ERA SILICON
S/A(ブラジル)
Coal & Allied
(オーストラリア)
非鉄金属本部
ロスペランブレス
銅鉱山(チリ)
らの安定した取引利益に支えられ、100億円を超える連結純利益
ベースメタル事業ユニット / アルミ事業ユニット / 商品市場事業ユニット / 非鉄先端
材料・製品事業ユニット / 海外通信プロジェクトユニット / TOTプロジェクトユニット
を計上することができました。短期的には資源価格の大幅な下落の
可能性は低いと予測しており、資源投資からの高収益は2006年 3
月期も継続するものと考えています。
市場の寡占化により資源価格が高止まりする中で、優良案件参
画の機会を確保することはますます難しくなってきていますが、既存
案件の拡張や探鉱段階から着手していくことも含めて、今後とも優
良案件への投資を継続する方針です。また、当本部は、資源価格の
下降局面でも底堅い収益を確保できる体制を構築することを戦略の
非鉄金属本部長
小野 誠英
大きな柱の一つとしており、
そのためにトレーディング部門におきまし
ては、事業領域の見直しや領域内での選択と集中をさらに徹底する
非鉄金属本部では、
アルミ地金・銅鉱石・鉛亜鉛鉱石・銅地金に
とともに、収益力向上に必要な布石を積極的に打っていく方針です。
対する資源投資、貴金属を含む非鉄金属地金の現物取引と、
それ
2006年3月期の重点課題は、銅鉱山事業のエスコンディーダ(チ
から派生する先物取引・ファンド取引、
アルミ・銅素材を中心とした非
リ)、アルミニウム製錬事業のモザール(モザンビーク)に続く銅・
鉄製品および太陽電池関連などの先端製品取引を行っています。
アルミ資源のさらなる確保と、今後市場拡大が見込まれるファンド
2005年3月期は、当本部が新規ビジネスとして手掛けたタイでの
を中心とした商品市場分野での事業強化、選択と集中による川中・
通信インフラリース事業において事業計画の下方修正による減損
川下の非鉄商品流通分野での機能強化です。また、資源案件推
を計上したものの、資源価格の高騰による銅、アルミなどの事業投
進に必要な人材の育成およびリスク管理に重点を置いた商品取引
資先からの高収益および現物取引・先物取引・非鉄製品取引か
ノウハウの充実にも力を入れていきます。
29
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
機械グループ
《グループ CEO からの報告 》
グループ全体戦略
『INNOVATION 2007』において機械グループは、
あらゆる分野
で幅広くバリューチェーンに食い込むことで、継続的に利益を拡大
していくことを目指しています。具体的には、自動車事業、海外電力
事業、船舶運航事業、
レンタル建機事業、不動産事業、産業機械
事業等の分野における事業投資からの収益と、従来から当社が
優位性を持っている発電・重機・石油ガスなどのプラントやプロジェ
クトファイナンスビジネスからの収益を拡大することにより、景気変動
に影響されにくい安定した収益の拡大を図っています。
さらに、中核ビジネスの延長線上のR&D(+C)
ビジネスや、新エネ
ルギー、排出権などの新規事業開発など、
イノベーション施策にも
積極的に取り組んでいます。
2005年 3月期の業績について
2005年3月期は、アメリカや中国などの牽引によって世界経済
が好調であったことから、設備投資が増加しました。これに伴い、
発電案件、製鉄案件、産油国でのインフラやプラント案件などが
増加したことや、傭船料の高騰、不動産市況の回復などもあり、
2006年 3月期の見通し
2006年 3月期も、世界経済の拡大基調は続き、資源関連の需
機械グループの 2005年 3月期連結の純利益は、史上最高益を
要増加・価格高騰といった環境が継続していくものと予想していま
計上した2004年 3月期を大幅に上回る554億円となりました。
す。また、鋼材など素材価格の高騰によるコストアップは考えられま
機械グループの中核ビジネスである自動車事業では、三菱自動
車工業の再生問題はありましたが、アジア・アセアンや欧州におけ
る販売が堅調に推移したほか、いすゞ製自動車もタイを中心に販売
すが、資源・エネルギー関連のプラント案件増加によるプラス要因
を期待しています。
プ
機械グループとしては、引き続き、自動車事業、海外IPP事業、
台数を伸ばしたことで、2005年 3月期の当グループの業績に、引
ラントビジネスなどの中核ビジネスで足場を固めることに注力しつつ、
き続き大きな貢献を果たしました。
新規分野に対しても積極的に経営資源を投入し、次世代に向けた
新しい柱も育てていきたいと考えています。
機械グループCEOオフィス / 機械グループコントローラーオフィス / 機械新規事業
開発ユニット / 戦略ソリューション事業ユニット
常務執行役員
機械グループ CEO
(
30
はグループ・本部に属するユニット・オフィスを表わしています。)
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
《 本部長からの報告 》
重電機本部
近年、国内では電力会社の設備投資が抑制傾向にありますが、
重電機ユニット / 重電機輸出ユニット / 交通システムユニット / エレベーター事業
ユニット / 海外電力事業ユニット / 国内電力リテール事業ユニット
海外では中国・アセアンなどの高成長国で旺盛な設備需要があり、
発電プラント輸出取引は好調な状況が続いています。一方、海外
IPP事業においては、新規の発電所の建設に加え、既存の発電所
の買収も含めて事業規模の拡大を目指しており、2005年3月期末
時点で、アメリカ、
メキシコ、
フィリピンなどで計 400万 KW弱の発電
事業の運営を行っています。他方、環境負荷の低い公共交通イン
フラとして市場の需要が拡大している鉄道分野にも注力しました。
2006年3月期も、当本部の伝統的ビジネスである国内・海外向け
重電機本部長
片山 善朗
重電機本部は、重要な社会インフラである電力・交通分野で、
さ
の発電プラントなどの取引に引き続き注力するとともに、成長が期
待できる鉄道分野の取引拡大を目指します。また、中長期的な観点
から、海外 IPP事業を本部の中核事業に育成していくために、経営
まざまなビジネスを展開しています。国内のみならず全世界向けに、
資源を積極的に投入していきます。新規事業である国内オンサイト
発電プラントの建設や交通システム関連取引を行うとともに、
この分
発電事業では、
エネルギー事業グループと協調するなど、当社の総
野での事業投資も積極的に推進しています。海外では発電事業(IPP
合力を活かした事業として拡大を目指していきます。
事業)
を展開しており、現在世界に15の発電所を所有し電力を供給
しています。国内では、電力小売事業やオンサイト発電事業も行っ
ています。また、全世界向けにエレベーター設備の輸出を行ってお
り、主要地域での販売保守事業会社の経営にもかかわっています。
プラントプロジェクト本部
化学プラントユニット / 重機ユニット / 船舶ユニット / プロジェクト開発ユニット / 製紙・
繊維機械ユニット / 環境・水事業ユニット
プラントプロジェクト本部長
小林 健
プラントプロジェクト本部は、化学機械、ガス・石油機械(生産
Diamond Generating Corporationはアメリカで民間発電
事業を営む当社の100%子会社です。全米9カ所に総計約
200万kWの発電所持分を保有、電気の卸売りをしています。
写真は昨年買収し運営しているワイルドフラワープロジェクト
(カリフォルニア州)
です。電力危機を経験したカリフォルニア
州において、電力の安定供給のため、電力逼迫時に発電を
行う重要な発電所です。
設備を含む)、製鉄機械、
セメント製造機械、鉱山機械、港湾設備、
船舶、舶用機械、船舶運航、海洋構造物、建設機械(海外)、製紙
機械、繊維機械、
プラスチックフィルム製造機械、上下水道事業、
食品リサイクル設備、環境設備機械、海外インフラ建設など、基礎
産業分野および新規分野における設備・プラントの建設、
ファイナ
ンスのアレンジ・提供、関連事業投資などを行っています。
31
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
過去 2年の市場環境としては、中国の旺盛な設備投資・資源輸
場と設定し、新興市場・資源産出国向けにはメリハリをつけたユニッ
入拡大を背景に、船舶を含む物流手段への投資の増大、
あるいは
トごとの個別対応を行い、発展途上地域は特定部局で集中的に対
資源開発投資の増大が世界的に続いてきています。そうした中、
応を行うなど、市場特性に応じた地域戦略を展開します。
各業界で事業者として、
あるいはファイナンスのアレンジを含めた高
また、新規分野として、水事業における民営化ビジネス、京都議
機能サービスを提供することが可能な設備納入業者として当社の
定書発効に伴う温暖化ガス削減プロジェクトなど、排出権取引関連
プレゼンスが増しつつあり、
これに伴い当社のビジネスチャンスが大
ビジネスなどにも引き続き取り組んでいきます。
いに拡大してきており、今後もこの傾向が続くと見込んでいます。
2006年3月期も、船舶保有・運航事業の強化、海洋案件(FPSO・
FSO)用船事業への投資拡大など、既存ビジネスの拡張を図ります。
また、他のグループと連携し、天然ガスおよび金属資源バリューチェー
宇宙航空機本部
宇宙システムユニット / 衛星通信事業ユニット / 空間IT事業ユニット / 防衛システム
ユニット / 応用ビジネスユニット / エアラインビジネスユニット
ンの中での収益アップの可能性を追求していきます。さらに、すで
に実績があるファイナンスのノウハウおよび事業モデルを他地域・
他産業分野へ適用していくことで、横展開にも積極的に取り組んで
いきます。そして、
ブラジルや中国など実績のある数カ国を最重要市
〈宇宙航空機本部長Photo〉
宇宙航空機本部長
佐藤 達夫
宇宙航空機本部は、防衛・宇宙・民間航空機分野において、
航空機・ヘリコプター・航空機搭載システム・航空機用エンジン・
人工衛星・ロケットなどのシステム・機器の輸出入取引、航空機リース
事業、中型ロケットギャラクシーエクスプレスの開発事業などに携わっ
ています。また、衛星通信および高分解能衛星画像の配信といっ
た衛星利用サービス事業、安心・安全を提供する情報セキュリティ
当本部は、海底エネルギー資源採掘分野において浮体式海
洋石油生産・貯蔵・積出設備(FPSO)の用船サービスを展開
しており、限られた地球上の資源の有効活用に一役買ってい
事業などを事業投資先を中心に展開しています。
2005年3月期は、民間航空機と防衛の分野を中心に大きく事業
ます。写真は当社や三井海洋開発などが設立した特別目的
会社“ MODECVenture11B.V. ”にて保有し用船を行って
収益を伸ばすことができました。
しかしながら、防衛・宇宙予算の支出
オーストラリア石
いる最新のFPSOです。2005年3月以降、
油大手Santos やその他数社が保有する西オーストラリア
抑制傾向、エアライン業界の競争激化などの影響によって総じて
Mutineer-Exeter鉱区にて順調に稼動しています。
対面業界の環境は厳しく、
その中で、顧客から業務変革に向けての
新たなソリューションの提供が求められています。一方、情報セキュ
リティ事業や衛星画像サービス事業は、情報セキュリティ意識の
高まり、災害地図需要の拡大などにより市場基盤が着実に強化
されつつあります。
32
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
本部としては、引き続き、日本および欧米の有力パートナーとの
圏で開発を推進し、
「三番町パークテラス桜苑」、
「マジェスティー
提携強化を通じて、民間航空機分野および防衛分野での収益基
コート小石川・播磨坂」といった物件を販売しました。不動産証券
盤を着実に強化・拡大していくとともに、情報セキュリティ事業・衛
化業務は商業施設を中心に順調に拡大しました。産業機械分野は
星画像サービス事業をさらに伸長させていきます。また、対面業界
景気回復もあいまって北米・国内とも業績が向上し、
「レンタルのニッ
の経営効率化の動きに対応し、各社から切り出される業務の受け
ケン」も収益拡大に大きく寄与しました。
皿を提供するアウトソーシング事業を、新規ビジネスとして積極的
に推進し、新たなビジネスモデルの確立を図っていきます。
2006年 3月期は、開発建設分野では都市再生のイノベーター
として総合商社ならではの機能強化とバリューチェーンの構築に
取り組みます。大型商業施設開発、不動産証券化ビジネスの拡大、
賃貸住宅開発の展開、病院・介護施設への取り組み強化、エネル
開発建設・産業機械事業本部
産業機械ユニット / レンタル・建機事業ユニット / 事業管理ユニット / 不動産事業・
企画ユニット / 都市開発ユニット / 建設・設備ユニット / 総合開発ユニット / 住宅事業
ユニット
ギーセンター事業を含む新ビジネスモデルの構築などを重点戦略
とします。建機・レンタル事業ではフリートマネージメントなど新規事
業への取り組みの強化を図り、産業機械事業では三菱商事テクノ
スをはじめとする事業投資先を含めた業容拡大とともに、中国市場
に注力していくことで、
より一層の収益力向上を目指します。
開発建設・産業機械事業本部長
中西 良和
開発建設・産業機械事業本部の事業領域は二つあります。一つ
は開発建設分野で、国内外のオフィスビル・商業・物流・工場・医療
施設などの企画・設計・施工や住宅の分譲・賃貸住宅の開発、都
市再開発案件の企画・推進、不動産証券化ビジネスやPFI事業な
どです。二つ目は産業機械および建設機械分野で、国内外での販
社展開を中心に工作・設備・印刷・農業・食品機械などの販売事業
を行うとともに、事業投資先の「レンタルのニッケン」を中心に建設
機械のレンタル・販売事業を推進しています。
2005年 3月期は本部員全員の努力により、本部としては過去
最高益を達成できました。開発建設分野を取り巻く環境は首都圏
を中心に回復してきており、
ダイヤモンドシティとの連携により新たに
大型商業施設を3店舗開業しました。住宅事業では首都圏・関西
当社は、中国最大の鉄鋼会社である上海宝鋼集団との
不動産分野でのアライアンスとして、同集団の子会社で
ある上海宝地置業有限公司に出資し、上海市内での
住宅分譲など、
急成長する中国の不動産市場への取り組
みを始めました。国内での30年余りにわたる住宅事業を
中心とした不動産開発ノウハウを提供するとともに、不動
産証券化や随伴取引の拡大など、中国での不動産を核
とした新たなバリューチェーンの構築を目指します。
33
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
三菱自動車工業製ならびに三菱ふそうトラック・バス製車輌の海外
自動車事業本部
自動車アジア・アセアンユニット / 自動車欧州・中東・アフリカユニット / 自動車米州・
豪州ユニット / 自動車国内ユニット / ホンダ事業ユニット / ベリコード事業ユニット
における輸入・販売関連事業が中心ですが、現地組み立て事業、
販売金融事業、中古車事業など、自動車産業バリューチェーンに
おけるビジネスの拡大を図っています。
2005年3月期は、主要取引先である三菱自動車工業が経営不
安やリコール問題により日本・北米などで販売不振となりましたが、
その他の地域では健闘を続けており、特に事業展開しているアジア、
欧州地域ではおおむね堅調に推移しました。2006年 3月期は、三
菱自動車工業の再生計画が本格的に動き始めるので、
これを積極
自動車事業本部長
的に支援していきます。
白地 浩三
2006年3月期はこのほか、当社にとって重要戦略地域であるイン
自動車事業本部は、自動車関連ビジネスにおいて過去 30数年
ドネシア、中国をはじめとするアジア・アセアン地域や、欧州において
にわたり、大きな成果をあげてきました。自動車事業は21世紀も引
の販売事業、販売金融事業を核とするバリューチェーンの強化を図っ
き続き大いに成長が期待できる産業であるとの認識の下に、世界
ていき、当本部の事業展開の付加価値を一層高めていきます。
各地でグローバルに事業を展開しています。事業形態としては、
自動車事業本部のグローバル展開
�
�
쐃
�
쐇
�
�
�
�� �
�
�
쐋쐃�
쐏
●
●
●
●
●
輸入・販売
車両生産・販売
エンジン生産・販売
販売金融
その他
�
�
�
主な事業投資先
国
名
쐃 ロシア
� イギリス
� ポーランド
� ポルトガル
� 中国
� マレーシア
� ペルー
� チリ
34
正式名称
Zao Carnet 2000
The Colt Car Company Limited
MMC Car Poland Sp. z o.o.
MITSUBISHI MOTORS DE PORTUGAL, S.A.
華菱(大連)自動車販売有限公司
Mitsubishi Motors Malaysia Sdn. Bhd.
MC AUTOS DEL PERU S.A.
MMC CHILE S.A.
쐃 インドネシア
� ベトナム
P.T. KRAMA YUDHA TIGA BERLIAN MOTORS
VINA STAR MOTORS CORPORATION
쐃 インドネシア
P.T. MITSUBISHI KRAMA YUDHA MOTORS AND
MANUFACTURING
国
名
正式名称
쐃 イギリス
� ドイツ
� インドネシア
� インドネシア
� 日本
Spitalgate Dealer Services Ltd.
MKG Bank GmbH
P.T. TIGABERLIAN AUTO FINANCE(旧STB)
P.T. DIPO STAR FINANCE
쐃 インドネシア
� ベトナム
� フィリピン
� オーストラリア
P.T. BERLIAN SISTEM INFORMASI
GS BATTERY VIETNAM CO.LTD.
KANSAI PAINT PHILIPPINES, INC.
Hirotec Australia Pty, Ltd.
三菱オートクレジット・リース
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2005年3月期は、最大市場のタイにおいて22年連続商用車シェ
いすゞ事業本部
アNo.1を達成し、
また、
いすゞ自動車と共同でベネルクス、
スペイン、
アジア事業ユニット / 国際事業ユニット
ポルトガル、マレーシアに販社を立ち上げるなど、着実に拡販体制
の整備に努めました。
2006年 3月期も、タイでは一層の競争激化が予想されますが、
いすゞ自動車と連携しつつ、生産能力の増強を行うとともに商品競
争力・販売力の強化に努め、引き続き高水準の車輌販売を目指し
ていきます。また、
タイ事業で培ったノウハウを他地域にも活用しな
がら、世界各国でいすゞ製自動車の拡販を図り、いすゞ自動車との
いすゞ事業本部長
一寸木 守一
Win-Winの関係をさらに強化していく方針です。
いすゞ事業本部は、お取引先の名前を本部名としている当社で唯
一の本部で、いすゞ製自動車・部品の輸出や事業投資先を通じた
自動車製造・販売・販売金融・物流・ITなどを事業領域としています。
タイを中心に50年近くにわたり事業を発展させてきましたが、近年
は日本からの輸出だけでなく、
タイで生産するピックアップトラックを
全世界へ向けて輸出するとともに、世界各国でいすゞ自動車製の
自動車製造・販売事業を展開しています。
2005年2月に当社は、いすゞ自動車が2002年に発行した
第I種優先株式(11,750千株、額面94億円)
を購入しまし
た。これは、
「安定的な資本政策を実現させたい」いすゞ自動
車の意向と、
「同社との共同事業の安定化とさらなる展開
を図りたい」当社の意向が合致して実現したものです。今後も
いすゞ自動車との連携を深め、
いすゞ車の拡販という共通命題
に取り組んでいきます。
タイにおけるいすゞ事業のバリューチェーン
部品製造
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앸
車輌・エンジン
組立
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앸
総販売元
(マーケティング)
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앸
앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앸
車輌組立
IMCT社
앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸
タイ国内販売
TIS社
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앸
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앸
エンジン組立
IEMT社
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앸
タイ国内
ディーラー
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앶
앸
消費者
タイ国内
物流
YST社
部品
サプライヤー
TID社ほか
・
資材・鋼材
メーカー
ディーラー
アフターサービス
TISCO社
IT ictus社
ファイナンス TAS社
앶앶앸
輸出・販売
IOT社
앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸
世界76カ国
■出資先
TID
IMCT
IEMT
TIS
ictus
Thai International Die Making Co., Ltd.
Isuzu Motors Co., (Thailand) Ltd.
Isuzu Engine Manufacturing Co., (Thailand) Ltd.
Tri Petch Isuzu Sales Co., Ltd.
ictus Co., Ltd.
IOT
YST
TISCO
TAS
Isuzu Operations (Thailand) Co., Ltd.
Yarn Sayarm Transport Co., Ltd.
Tri Petch Isuzu Service Co., Ltd.
Thai Auto Sales Co., Ltd.
35
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
化学品グループ
《グループ CEO からの報告 》
グループ全体戦略
化学品グループは、ポートフォリオマネジメント戦略に基づき、
2005年 3月期の業績について
『INNOVATION 2007』の1年目である2005年3月期の業績は、
着実に再構築戦略を推し進めてきましたが、今後は、
『INNOVATION
当期純利益が181億円となり3年連続で過去最高益を更新するこ
2007 』の下、将来を見据えた前向きな拡張・成長戦略へとより
とができました。中国をはじめアジア市場の拡大による需給の逼迫
軸足を移していきます。汎用化学品本部と機能化学品本部におけ
と予想を上回る石油化学品の好市況を背景に、
グループの経営資
る中核ビジネスの強化による足場固め、先端化学品本部を中心と
源を効率的かつ効果的に活用し、
グループの総力をあげて再構築・
した食品化学・環境・バイオ・ライフサイエンス・情報電子・通信など、
拡張・成長戦略を実行しました。
将来の戦略分野への取り組みを行っていきます。
また、
マレーシアのパラキシレン製造会社AROMATICS MALAYSIA
私は、
グループ戦略を成功させる鍵は、国内外場所・連結先も含
SDN. BHD.、ベネズエラのメタノール製造・販売会社METANOL DE
めた『全員参加型のグループ経営』を推進していくことだと考えて
ORIENTE, METOR, S.A.、三菱商事プラスチックなどの国内外連
います。グループ全員のレベルアップが最大のテーマであり、年齢・
結会社が、当期も引き続き好調であったことや、サウディ石油化学
国籍・性別を問わず「高い競争力」と「創造力ある」人材の育成・
の新規連結も貢献しました。
活用を図っていく方針です。
あわせて、今後とも漏れのない経営姿勢を貫き、選択と集中によ
るポートフォリオマネジメントの推進、
コンプライアンス遵守を含めた
経営システムの強化も図っていきます。
2006年 3月期の見通し
急速な伸びを示した中国経済も今期は調整期に入ると見込んで
おり、石油化学品の需要の底堅さは期待できるものの市況は軟化
傾向となる可能性もあり、前期ほどのトレーディング収益を期待する
ことはできません。そのような中、各本部においては、当グループが
過去に培ってきた収益基盤を活かすことで収益の安定拡大を継続
させていく方針です。具体的には、汎用化学品本部においては、
取引の数量拡大や質の向上、
そして合理化・効率化を推進します。
機能化学品本部ではバリューチェーンの構築・強化を行い、先端化
学品本部を中心に成長戦略も推進していきます。さらに、資源型化
学品事業への取り組みや、中国・インドを含むアジアやアメリカなど
海外における事業投資への取り組みを積極的に行っていきます。
また『全員参加型のグループ経営』を推進するとともに、広範な
ネットワークを活用し市場ニーズの変化・流れをいち早く読み取る
『先見の明を持った国際競争力あるプレイヤーの集団』として、
さら
なる躍進を目指します。
副社長執行役員
化学品グループ CEO
化学品グループCEOオフィス / 化学品グループコントローラーオフィス / アリステック
ユニット / フェニックスユニット
(
36
はグループ・本部に属するユニット・オフィスを表わしています。)
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
《 本部長からの報告 》
汎用化学品本部
機能化学品本部
オレフィン・アロマユニット / 石化中間原料ユニット / ポリエステル原料ユニット / メタ
ノールユニット / アンモニアユニット / 肥料ユニット / 無機原料ユニット / クロール
アルカリユニット
サウディ石化ユニット / 塩化ビニールユニット / 汎用樹脂ユニット / 工業樹脂ユニット
/ PET樹脂ユニット / コーティングケミカルユニット / 機能性ポリマーユニット / 機能材
料ユニット / 電子材料ユニット
汎用化学品本部長
機能化学品本部長
清田 正昭
安田 正介
汎用化学品本部では、石油化学、天然ガス誘導品、
クロールア
機能化学品本部の担当分野は、化学産業における川中・川下分
ルカリ、無機・肥料の分野における商品のトレーディングと、
これらに
野です。取扱商品は、合成樹脂、機能性樹脂、塗料、紙パ薬剤、繊
関連する投資を行っています。
維薬剤、触媒、無機製品、電子材料など、
また対面業界は、包装資
前期の市況は、中国を中心としたアジア市場の拡大を背景に需
給が逼迫し、資源価格も高騰するなど予測を超えた好市況となりま
材、建材、自動車・OA部品、エレクトロニクス部品など、
きわめて多
岐にわたっています。
した。これに伴い、
トレーディング収益が拡大するとともに、投資関連
この多種多様な商品群・業界との取引関係の維持拡大という課
収益も増加したことで過去最高の収益をあげることができました。
題の下、当本部は「化学産業の川中(原料・樹脂)から川下(加工
今期については、マクロ感として持続的な需要の拡大を期待す
製品)
というバリューチェーン」および「需要業界別に顧客対応・品
る一方で、原油をはじめとする資源、石化市況の高止まりが中国を
揃えを強化するワンストップサプライプラットフォーム」の構築・強化
中心とするアジアの需要に与える影響も考慮し、前期に比して慎重
を基本戦略とし、
それを加速するべく2005年 4月に本部組織の再
な見方をせざるを得ないと考えています。
編を行いました。この組織再編では、樹脂・樹脂製品取引関連分社
このような中で、今期も当本部は基本方針である「取引数量の拡
である三菱商事プラスチック、塗料原料など各種溶剤取引関連分
大」と「取引の質の向上」によるトレーディングの強化・充実を推進
社である三菱商事ケミカルなどとの戦略的一体経営も視野に、本
していきます。
社の事業戦略と分社・販社の営業力を機能的に結合し、
さらなる収
そのために必要なソース、マーケット、
ロジスティクスの一層の整
益拡大に資する体制を整えました。
備を積極的に進める一方で、既存の取引・事業に対する継続的な
当本部は国内外で多数の案件に投資をしており、前期は中国に
合理化・効率化を図り、持続的な安定収益の確保を目指します。
おける無機化学品・合成樹脂プロジェクトなど、複数の新規案件に
中東の石化製品、ベネズエラのメタノール、
メキシコの塩、
インド
着手しました。研磨剤メーカーである連雲港昭菱磨料、業務用ラッ
ネシアのアンモニアやマレーシアのアロマ製品を取り扱うなど、当本
プフィルムメーカーである理研食品包装が稼動開始となったほか、
部のトレーディング・事業展開はグローバルなオペレーションを特徴
炭酸ストロンチウムの中国生産を決定しました。
にしています。今後も、世界中に張った情報網を活かし、需給バラ
ンスの変化をとらえ、独自の物流システムも絡めながら効率の良い
ビジネスを展開していきたいと考えています。
37
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
また、化学品グループ最重要案件の一つであるサウジアラビア
での石油化学事業も主管していますが、圧倒的な競争力を背景に
極めて順調に推移しており、同事業で生産するエチレンなどの原料
需要は当面底固く推移するものと見て、現在第三次増設を計画中
です。2004年末には、日本の投資会社であるサウディ石油化学の
株式買い増しを行い、持分連結を開始したため、2005年 3月期の
利益にも貢献しています。
当本部が取り扱う商品群では、原料メーカー、加工製品メーカー
とも海外進出を加速しており、当社にとって事業拡大の機会は海外
により多く存在します。特に中国は製造拠点、市場両面で最重要地
2004年9月、
リケンテクノス・中央化学との合弁会社「理研
食品包装(江蘇)有限公司」が中国江蘇省で食品業務用塩
ビラップ・フィルムの製造・販売を開始しました。生産、販売とも
順調に推移し、中国国内のイトーヨーカドー、
ウォルマート、
メトロなどに販売しています。
域であり、今期以降も、貿易・仲介取引のみならず投資案件も積極
的に進めていきます。当本部の製品・市場は規模、成長性ともに潜
在力は大きく、商権の深掘りときめ細かなフォローによる収益の持
続的拡大を目指し、本社のみならず国内外の分社・販社、海外場所
の人材強化策も引き続き推進していきます。
化学品グループのバリューチェーン
原料
汎用化学品
合成繊維・合成樹脂
スペシャリティー化学品
対面市場
紙繊維薬剤、洗剤原料
塗料・接着剤、
フロン
シリコーン製品、化粧品薬剤、触媒
化粧品
洗剤
塗料 など
ポリエステル繊維
앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸
ナフサ
パラキシレン AMSB*
原油
PET樹脂
エチレングリコール
SPDC*
ポリエチレン樹脂
天然ガス
SPDC*
앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸
メタノール METOR*
合成ゴム、特殊樹脂、
フッ素樹脂、
シリコーン樹脂
앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸
アクリル繊維
アンモニア KPI*
医薬中間体、農薬中間体
쏡
自動車
家電
医薬品
海洋資源 앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸
塩 ESSA*
塩化ビニル樹脂
塩ビ原料
앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸앶
化成肥料
リン安
鉱産資源 앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸 乾電池原料、電子材料、ELケミカル
植物
앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앶앸
糖類
デンプン(トウモロコシ・タロイモ)
金融
* 当社の投資先
AMSB:
SPDC:
METOR:
KPI:
ESSA:
AROMATICS MALAYSIA SDN.BHD.,
サウディ石油化学
METANOL DE ORIENTE, METOR, S.A.,
PT. KALTIM PARNA INDUSTRI
EXPORTADORA DE SAL, S.A. DE C.V.
東和化成 : 東和化成工業
38
ファイナンス
マルチトール 、キシリトール
(甘味料)東和化成 *
IT産業
食品
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2004 年 10 月、純正化学と共同で、上海群力化工有限公司を
当社は、2004年8月、
アメリカのAshlandの食品添加物販売事業
中国側パートナーとし、医農薬分野を中心にファインケミカルの
受託製造を行う合弁会社、力菱ファインケミカル有限会社を江蘇省
2005年3月には機能性素材ベンチャー企業ファーマ
部門を買収し、
フーズの株式取得を実行しました。今後は、
アメリカの100%子会社
に設立しました。日欧米の医農薬メーカーは、自社製品の製造を、
信頼性が高くかつ価格競争力のある製造メーカーにアウトソース
Mitsubishi International Food Ingredients, Inc.を核として、
マルチトールなど機能性食品素材の拡販を進めていくとともに、
する流れがあり、顧客各社の要望に応え、当社では価格競争力の
ある中国に製造拠点を確保しました。2005年秋の稼動を目指して
当社グループの東和化成工業、MCフードテック、中央フーズマテ
リアルなどとのシナジーにより、国内外での食品化学分野ビジネス
有機合成のための多目的製造プラントを建設中です。
の拡大を図っていきます。
先端化学品本部
バイオの分野では、全社のバイオ戦略を統合したバイオベンチャー、
ファインケミカルユニット / 生化学製品ユニット / バイオビジネスユニット / 先端技術
事業化推進ユニット
バイオファンドへの投資に加え、有力企業間の提携や、創薬支援、
受託合成、診断事業など、従来からの開発型取引とのシナジーを
追求しながら新たな事業展開を図っています。
食品化学、
ファインケミカルの分野においては、低カロリー甘味
料マルチトールのタイにおける工場建設、中国における医農薬中間
体の受託製造会社設立など、
インド・中国・東南アジア・欧州などに
おいて、特徴ある技術を基盤とした競争力の強い生産拠点の拡充
に注力するとともに、
アメリカにおける最大の機能性食品素材販売
先端化学品本部長
池田 純
先端化学品本部は、化学品業界に関連する新規分野において、
会社の買収など、成長地域・市場における販売基盤の強化に取り
組んでいます。
新技術、新素材の分野では、土中微生物を活用するバイオ土壌
新技術の用途開発・商業化・事業化をはじめとした新産業のイノベー
浄化事業の立ち上げ、炭酸ガス削減効果の高い空調・冷蔵・冷凍
ションに取り組み、次世代へ向けた化学品グループの成長戦略を
統合システムのコンビニ店舗への導入、ナノテク素材の用途開発
担うために2004年に創設された本部です。
なども行っています。
消費者の「安全」
「健康」
「環境」意識の高まりなど市場ニーズ
このような新たな事業の構築を進めていくに当たり、社内の人材
の変化に対応しながら、バイオ、ヘルスケア、食品化学、環境、ナノ
育成に加え、国内外の当社グループ企業の知見・人材の活用、社
テク、情報電子・通信といった成長分野において、新技術と既存事
外専門家の活用により、新産業のイノベーションを可能とする総合
業のシナジーを高め、三菱商事グループとしての新たなバリューチェー
力を持った集団を目指しています。
ンの構築を進めています。
39
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
生活産業グループ
《グループ CEO からの報告 》
グループ全体戦略
生活産業グループが主として対面している国内市場は、低成長・
飽和状態と言われています。しかし、
その一方で、消費者の生活や
嗜好は絶え間なく変化し、商品やサービスに対するニーズはますま
す多様化しています。衣食住を取り巻く事業領域は、新たなライフ
スタイル、自由化や規制緩和の波、新業態やカテゴリーキラーの成
長、業界の再編や淘汰など、
めまぐるしい変化を続けています。小売
市場の規模は135兆円に及ぶといわれていますが、私はこの市場
を、巨大で懐の深い分野であると認識しています。
当グループは、
「消費者起点のバリューチェーン」という基本戦
略を掲げ、一次産品の調達から消費者へ至るまで、当社の強みとす
るバリューチェーンをさらに太く、
さらに強固にする戦略を実行して
います。商品力・流通力などの機能をさらに強化することによって、
原料から製品に至るまで、
「消費者のニーズを先取りし、消費者が
望むモノやサービスを、速やかに提供できる仕組み」を構築していき
ます。また、最終的に消費者の手にわたっていく商品を扱うグルー
プとして、
「食の安心・安全」や環境問題への取り組みなどを通じて、
消費者の信頼に応えていくことが、最も重要な使命であると考えて
おり、高い意識と誇りを持って、日々の営業活動を行っています。
野で、堅実に収益をあげることができました。また、ローソン事業に
“消費者起点”
ついては2004年下期より当グループが主管となり、
の最前線として、
グループ内のさまざまな事業との相乗効果をこれ
まで以上に追求していきます。
2006年 3月期も、今以上の実績をあげるべく、愚直に努力を積
2005年 3月期の業績と2006年 3月期の見通し
2005年3月期は、連結純利益449億円を達成し、
『INNOVATION
2007』の最初の年として順調なスタートを切ることができました。社
会構造の変化やデフレ基調の定着など厳しい経営環境下にありま
み重ねていきます。衣・食・住という消費者の基本的な生活基盤を
支えることによって社会に貢献し、
また、株主の皆さま、取引先の皆
さまといったすべてのステークホルダーの方々に評価されるグルー
プであり続けるよう、
さらなる成長に向けて躍進していきます。
したが、国内外の180余りの子会社・事業投資先を含め、地道に機
能強化を進めてきた結果、食糧・食品・繊維・資材のそれぞれの分
常務執行役員
生活産業グループCEO
生活産業グループCEOオフィス / 生活産業グループ戦略企画室 / 生活産業
グループコントローラーオフィス / 生活産業グループ監査室 / マーケティング事業
ユニット / ローソン事業ユニット
(
40
はグループ・本部に属するユニット・オフィスを表わしています。)
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
《 本部長からの報告 》
食糧本部
2005年3月期は、食の安全・安心と低価格化という相反する二つ
戦略企画室 / 穀物製品ユニット / 穀物ユニット / 砂糖ユニット / 澱粉・ビールユニット /
オイルシードユニット / 油脂ユニット / 食肉事業ユニット / 飼料ユニット
の市場ニーズがクローズアップされた一年でありました。その環境下
で、安全で価格競争力のある食糧資源を確保するため、海外の集
荷・加工拠点強化に取り組み、戦略拠点の統合とアメリカの豚肉
加工施設であるIndiana Packers Corporationの能力増強などに
取り組みました。また、国内においてはグループ原料加工メーカー
の競争力の強化を目指した一方、2005年 3月には精糖会社であ
る塩水港精糖の株式を取得し、引き続き収益を期待できる精糖分
野の事業基盤の強化にも努めました。これら施策を通じてさらなる
食糧本部長
藤井 明
成長の基盤を一歩前進させることができたと考えています。
2006年3月期は、国内外において食料バリューチェーンをさらに
食糧本部では、食の安定供給と食の安心・安全に対する消費者
太く強くする施策を進めていきます。具体的には川下分野への商品
意識の高度化・多様化などの変化に適確に応えるため、原料の生
提案力強化による商権拡大、中国・東南アジアなど食料消費の拡
産・収穫の現場から輸送・加工、製品の流通・小売までを一貫して
大が見込まれる地域での加工事業拡大のための投資、
グローバル
管理するバリューチェーン・マネージメント( VCM)の強化に取り組
なネットワークの拡充を通じた調達力の強化、対面する業界におけ
んでいます。アメリカとオーストラリアに拠点を設けて農産物の集荷
る当社およびグループ各社のシェア拡大を図っていく方針です。
を行い、小麦粉・砂糖・澱粉・植物油・飼料といった原料を加工メー
カーに供給し、
これらの工場で加工された製品をさらに川下の加工
メーカー・需要家に販売しています。また、海外においてもタイのAsia
Modified Starch(澱粉製造)などの加工拠点を持ち、食の安全・
食品本部
戦略企画室 / 鮪ユニット / 低温食品ユニット / 酪農食品ユニット / コーヒー・ココア
ユニット / 果汁・青果物ユニット / 加工食品ユニット / 飲料・缶詰ユニット / 菓子・
ペットユニット
安心に応える商品の供給を担っています。
食品本部長
木島 綱雄
食品本部では、変化が極めて早く、再編も加速している食品業界
ケンタッキーフライドチキン(KFC)事業は、当社が注力してい
る食料バリューチェーン戦略の中で川下に位置づけられる代
表的事業です。店頭に並ぶチキンやその衣、
さらにフライの油
など、
それらの多くは食糧本部のバリューチェーンから生み出さ
れたものです。チキンを例に取ると、食糧本部がアメリカなどか
らトウモロコシを輸入し、
これが飼料の主原料となり、当グルー
プの関係会社の農場で給餌・肥育された鶏が加工され、販売
会社を通じて全国の店舗に配送されています。食糧本部とグ
ループ各社は、
このような食料バリューチェーンを一貫して管
理しています。
において、多種多様な商品・ビジネスを手掛けており、原料調達・製
造・中間流通・小売の各段階における連携を強め、バリューチェー
ンの構築に努めています。特に、
グローバルな原料調達体制のさら
なる強化、生鮮品から加工食品まですべてのカテゴリーに対応した
フルライン流通体制の強化、有力コンビニエンスストアなどの小売業・
外食産業とのアライアンス強化を推進しています。事業投資先では、
食品卸の菱食や、
イギリスの食品飲料メーカーであるPrincesなどを
有しており、幅広いグローバル市場のニーズに対応しています。
41
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2005年 3月期は、鳥インフルエンザやBSEによる消費減退や、
4月から開始された消費税の総額表示による買い控えなどの影響
がありました。一方、猛暑により清涼飲料などの夏物商材が活発に
繊維本部
戦略企画室 / ブランドユニット / S.P.A.第一ユニット / S.P.A.第二ユニット / S.P.A.
第三ユニット / 百貨店S.P.A.ユニット / 機能材ユニット
動いた上、弁当・惣菜などの中食分野も好調であったことから、業績
は総じて順調に推移しました。海外では、Princesが2005年 3月期
も良好な業績で前年実績に対して増収・増益となり、利益面でも当
本部に大きな貢献をしました。
2006年 3月期も、連結経営体制をさらに強化し、新たにグルー
プに加わった菓子卸のサンエスや食品酒類卸の明治屋商事も含
繊維本部長
めバリューチェーンの充実を図ることにより、事業の拡大を目指して
矢野 雅英
いきます。
今後の重点課題は、消費者が望むモノやサービスを、速やかに提
繊維本部では繊維原料からブランド衣料・家具・履物・雑貨まで、
供できるバリューチェーンの仕組み作りを推進することだと考えてい
ライフスタイルを豊かにする幅広い商品を取り扱っており、機能子会
ます。具体的には、ローソンなどの小売業との取り組みの強化をは
社を活用して原材料の調達から生産、物流に至るまでのバリュー
じめ、
フルラインでの全国中間流通体制の構築、中食・外食分野へ
チェーンを構築し、小売企業やアパレル企業の多様なニーズに対
の取り組み強化、中国・アジア・欧州を中心としたグローバル体制
応しています。
の強化、国内外の原料・加工品の調達力および海外の加工基地
2005年3月期は、国内では百貨店や量販店の衣料品売上の減
などのものづくり機能の強化、原料の生産地から店頭までのトレー
少基調が続く一方、SPA(Specialty store retailer of Private label
サビリティの確立などを、今後もさらに積極的に推進していきます。
ショッピン
Apparel:製造小売業)企業の業績が底堅い動きを見せ、
グセンターや駅ビルといった販売チャネルの展開が際立った1年で
した。海外では、中国の個人消費の急激な拡大と欧米向け衣料品
の輸入制限枠撤廃による中国からの輸出拡大が、世界的な需給
バランスに影響を与えました。
2006年3月期も、引き続き不確実性の高い経営環境になると予
想していますが、当本部は業界の垣根や既存の商品群にとらわれ
ることなく、
「ファッション」をキーワードにしたより良いライフスタイ
ルを提案していきます。一方、日本で培った経験やノウハウを活かし、
菱食は、
食品中間流通業として「21世紀の消費と生産を結ぶ
中国における衣料品や繊維素材の販売体制の構築も積極的に推
価値ある架け橋」を基本コンセプトに、多様化する消費ニーズ
と少子高齢化などの社会環境の変化に迅速かつ的確に対応
進していく方針です。
すべく全温度帯フルライン一括流通を行う体制作りを推進して
います。2004年5月には、加工食品・酒類・菓子を取り扱う横
須賀フルライン物流センターを稼動しました。これにより、業界
最新鋭のロジスティクス機能で、小売業そして消費者の皆さま
により高度な物流サービスを提供していくことが可能になりま
した。
具体的には、国内の衣料品 SPA・アパレル企業が履物や家具、
雑貨類を取り扱うようになるなど、業際がなくなりつつある業界動向
をとらえ、衣料品のみならず消費財全般のバリューチェーンをさらに
充実させることにより成長機会を模索していきます。一方、海外市
場においては、中国などのアジアで需要拡大が見込まれる繊維素
材分野や衣料品分野の取引拡大を目指します。これらを実現して
いくためにも、当本部を支える子会社群の体制をさらに強化し、
バリュー
チェーンの拡充に努めます。
42
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
トレーディングポストは、当社100% 子会社であるライフギア
当社は2002年、
紙パルプ、
エネルギー、
輸送、
流通など、
さまざ
コーポレーションが運営するセレクトシューズショップです。現
在全国に8店舗を展開しており、欧米からの輸入紳士革靴を
まな事業分野の企業とともに、
オーストラリアのサウスオースト
ラリア州にAdelaide Blue Gum Pty., Ltd.を設立しました。
中心とした品揃えで、特に20代後半から30代の男性から好
評をいただいています。
トレーディングポストは小売事業として
同社は、現地州政府の協力も得て、広大な牧草地でユーカリ
の植林を推進しています。2012年までには10,000ha規模の
収益を確保すると同時に、靴の市場に張られたアンテナとし
て、精度の高い情報を繊維本部内に提供する機能も合わせ
植林事業となる見込みで、環境に配慮し、長期的に持続可能
な製紙用原料資源の確保に貢献することを期待しています。
持っています。
資材本部
2005年3月期は堅調なパルプ市況、アメリカを中心としたセメン
戦略企画室 / 包装事業ユニット / 紙・板紙製品ユニット / パルプユニット / チップ・
植林ユニット / 木材・建材ユニット / 窯業資材ユニット / セメントユニット / タイヤ・ゴム
資材ユニット
ト市況の活況、好調なタイヤ販売が本部収益に貢献しました。2006
年 3月期も引き続き世界的に商品市況が好調に推移していく見
通しであり、当本部も安定、継続した収益を見込んでいます。
そのような中、紙関連事業、
セメント・窯業関連事業、
タイヤ関連
事業などにおけるバリューチェーン強化、地域戦略としての中国市
場戦略、
さらにこれを推進するための人材育成が本部の中心的な
戦略となります。また、いずれの事業においても、地球環境に配慮し
ながら展開していくことが重要であることは言うまでもなく、全所属員
資材本部長
永野 哲行
がこの意識を共有しています。
事業・商品別の展開としては、
チップ、パルプといった製紙原料か
資材本部は、原材料型である製紙原料、木材・建材、
セメント・窯
ら印刷用紙、情報用紙および各種板紙などの製品に至るまで、生
業の三つの事業分野と、製品型である包装事業、紙・板紙製品、
タ
産拠点の強化と販売チャネルの拡充による事業拡大を目指してい
イヤ・ゴム資材の三つの事業分野の計 6分野をコア事業分野とし、
きます。また、セメント関連事業においては、アメリカ、中国を中心と
川上から川下まで人々の生活に欠くことのできないさまざまな生活
した生産・販売拠点の構築を推進することで、環太平洋地域の旺
関連商品を取り扱っています。例えば、窯業事業分野ではガラスの
盛なセメント需要に対応する体制を整えていきます。なお、植林事業
原材料になる硅砂事業を海外で展開しているほか、包装事業分野
は将来的な製紙原材料確保という観点のみならず、地球環境保全
ではコンビニエンスストア向け弁当容器、おにぎり包装シートなど身
の観点からも、製紙メーカーをはじめとして電力会社、流通会社など、
近にある包装資材を取り扱い、
さらに新規開発した包装資材を菓子
さまざまな事業分野の企業から賛同を得て事業展開しています。
メーカーや食品メーカーに提案するなどしています。
43
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
地域戦略
CROからの報告
『INNOVATION 2007』で掲げた中長期の成長戦略を「地域」
の観点から推進するのが、
チーフ・リージョナル・オフィサー( CRO)
としての私の役割です。具体的には、事業戦略単位で策定された各
営業グループの個別戦略と、国・地域の成長性、
さらには国内外200
以上のグローバルに展開する全社拠点ネットワーク発の情報発信
を掛け合わせ、地域ごとに異なる市場特性や有望な事業領域、有
力なパートナーの存在を踏まえた地域戦略を立案し、
これに沿って
具体的な施策を実行しています。
グローバルに展開する全社海外拠点ネットワーク
欧 州
副社長執行役員
CRO
■ 西欧:安定成長が見込める成熟市場。金属、化学
品、生活産業、機械などの中核ビジネスを強化。
■ 中・東欧:加工・生産基地、消費市場として急成長。自
動車、化学品、生活産業など西欧での中核ビジネスの
展開を図る。自動車部品、環境関連などの新規ビジネ
スを開拓・推進。
■トルコ:市場のポテンシャル大。現地有力企業と連携しつ
つ、国内および中央アジアなど周辺国ビジネスを推進。
CIS
エネルギー・鉱物資源のサプライ
ソース。エネルギー(石油・天然ガ
ス)、金属資源(アルミ・ニッケル・パ
ラジウムなど)、
プラント、自動車など
への取り組みを強化。
中 東
アフリカ
エネルギー・鉱物資源のサプライ
ソース。マグレブ、西部・南部アフリ
カでの金属・エネルギー資源への取
り組みを強化。
● 海外事務所
● 海外現地法人
44
資 源・エネルギーのサプライソー
ス。油価高騰・人口 増で開発・投
資・消費意欲が拡大。石油・天然ガ
スの取引・開発、資源型化学品の
取引・事業、自動車などの量販機
械、インフラ・プラント、現地貿易子
会社を活用しての消費市場への取
り組みなどに注力。
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
地域戦略の推進については、
『INNOVATION 2007』において
第 2は、成長著しい市場への取り組みの強化です。当社は、市場
も、次の 2点を中心に、一層強化していくことを打ち出しています。
の成長性と規模に鑑み、2006年 3月期には、重点的に取り組むべ
まず第 1に、連結経営の推進に貢献する拠点の役割・機能を強
き市場として、中国とインドを「全社支援対象地域」に選定しました。
化していくことです。拠点は、事業投資先と連携しながら、新たなビ
営業グループだけの取り組みでは不足する人的リソースや投資枠
ジネスチャンスを発掘・発信し、地域の人材を活用・育成し続ける、
などの経営資源を、全社経営の観点から機動的に再配分すること
いわばイノベーションの「生命線」です。従って、各拠点の役割を明
により、中国・インドへの取り組みにドライブを掛けていきます。
確にした上で、必要とされる機能を一層強化していきます。
北 米
世界最大のエネルギー輸入大国、消費マー
ケット、先端技術・ビジネスモデルの集積地・
発信源。事業投資先とも連携しながら各国
内・日本・メキシコ域内および中国関連ビジネ
スや、新規ビジネスを発掘・推進する。
中 国
世界経済の牽引役。国内市場も急
速に拡大中。商品売買取引、
インフ
ラ・プラント、食品内販などを推進す
るほか、新規分野への参入を図る。
三菱商事
アジア・大洋州
中国の存在感の高まり、FTA・EPAの進展、
イン
ドの台頭。好調な輸出と内需の拡大に伴い、中
期的に高成長が持続。石油・天然ガス、原料炭
などの鉱物資源、自動車、I P P 、資源型化学
品、食糧・食品などの中核事業を強化しつつ、
地場密着型ビジネスの拡大、有力企業との連
携強化により収益基盤をさらに強化。
中南米
鉱物資源・エネルギー・食糧のサプライ
ソース。関連設備やプラントを含めこれら
の分野でビジネス基盤を強化するととも
に、地場密着型ビジネスの発掘・推進、現
地有力企業とのビジネス拡大、中国関連
ビジネスの推進に取り組む。
* 海外・国内拠点の詳細はP67「ネットワーク」をご参照ください。
45
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
■中国
急速な経済発展を遂げる中国は、2004年の貿易総額が世界第
■インド
中国に匹敵する巨大市場インドは、
その持続的な高成長を背景に、
3位になるなど、世界経済における存在感を増しており、国内におい
にわかに世界の注目を集めています。当社はインド国内 8都市に全
ても沿海地方を中心にすでに大きな市場が形成されています。当社
社ベースの拠点ネットワークを展開し、
プラント、化学品を中心とする
は中国全土 14都市に全社ベースの拠点ネットワークを展開し、
商品売買取引を幅広く行っています。投資の一例としては、
インド全
化学品、機械、食品、繊維製品を中心とする商品売買取引ならびに
土に展開する唯一のコールド・チェーンである低温物流事業会社
自動車エンジン、セメント、
りんご果汁などの製造からIT、物流など
Snowman Frozen Foodsに出資しています。同社は主要11都市に
多岐にわたる分野で投資を行っています。昨今の資源高に見られ
15箇所の冷凍倉庫を保有し、保管・輸配送業務、委託販売事業を
るように、中国の経済活動は世界の資源需給や貿易動向に大きな
一手に行い、順調に業績を伸ばしています。また、当社は中長期的
影響を与えており、当社としても中国をグローバルな視点でとらえ
な視点でインドをとらえ直し、同国市場への取り組みを強化していくた
直した上で取り組むことが重要と考えています。これに伴い、2005
めに、2005年6月には「インド市場政策会議」を新設しました。今後
年4月には「中国担当」役員を新たに設置し、
「中国事業戦略オフィ
は同会議を戦略立案の中枢とし、有力企業グループとの提携関係
ス」を新設するなど、中国ビジネスの推進体制を強化しています。
を強化しながら、
インフラ、資源・エネルギー、消費財、鉄鋼、化学品
などの成長分野で、積極的にビジネスチャンスを取り込んでいきます。
46
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
コーポレート・ガバナンス、内部統制、
企業の社会的責任
コーポレート・ガバナンスおよび内部統制 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48
コンプライアンス体制 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 50
企業の社会的責任 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 51
取締役および監査役 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 54
執行役員 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 56
47
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
コーポレート・ガバナンスおよび内部統制
三菱商事は、中長期的な成長の持続を目指し、経営基盤の継続
財務報告の信頼性確保に関しては、社内各営業グループ、国内
的強化に取り組んでおり、中期経営計画『 INNOVATION 2007』
外拠点、関係会社に会計責任者を置き、当社 CFOの管轄の下で、
の中で、
コーポレート・ガバナンスの継続強化および内部統制の体
早期かつ適正な財務諸表の作成および開示に連結ベースで取り
制整備を経営の重要課題として掲げています。
組んでいます。
この信頼性をより一層高めるため、昨年より専任組織を設置し、
コーポレート・ガバナンスに対する考え方
世界で最も厳格と考えられるアメリカの「企業改革法」で求められ
当社は監査役制度を採用しています。2002年の商法改正によ
る水準の内部統制体制を構築すべく、業務フローやリスクコントロー
り「委員会等設置会社」という選択肢が加わりましたが、当社は制
ルの文書化、および整備・運用状況に関する定期的評価の実施に
度・形式にかかわらず、
より実効性のある体制を構築することが重要
取り組んでいます。
であると考えており、法定の機関・ガバナンス体制に加え、社外取締
また、2005年 6月より当社 CFOを委員長とする開示委員会を設
役の選任、執行役員制度および諮問委員会の導入などを通じてコー
置し、有価証券報告書やアニュアルレポートなどの開示書類の内
ポレート・ガバナンス体制を改善・強化しています。
容の適正性の評価を行っています。
リスク管理につきましては、事業戦略、
リーガル、情報管理、環境、
当社のコーポレート・ガバナンス体制
自然災害などのさまざまな面における業務上のリスクがあり、
それぞ
当社の取締役会は、社外取締役4名を含む17名で構成されてお
れ対応する主管部局・社内規程・管理体制を定め、
リスクコントロー
り、経営上の重要事項の決定と業務執行の監督を行っています。
ルを図っています。中でも、事業戦略リスクについては、社長室会お
2001 年に執行役員制度を導入し、取締役と執行役員の機能・責
よびその諮問機関であるポートフォリオ・マネジメント委員会などに
任の明確化を行ったほか、取締役会の諮問機関としてガバナンス
おいて、個別の事業・案件ごとに、信用・市場・事業投資にかかわる
委員会および国際諮問委員会を置くなど、取締役会における経営
各リスクや、
カントリーリスクなどのリスク類型に応じてリスクとリター
監督機能の充実を図ってきました。2004年には機動的な取締役
ンを分析・把握して管理するとともに、当社全体としての管理状況
会体制構築を目的に取締役の任期を2年から1年に短縮しました。
を定期的に把握し、適切なリスク管理と資源配分に努めています。
なお、会社の最高責任者として社長を、最高経営意思決定機関
情報セキュリティ対応もリスクマネジメントの課題として重要性を
として社長室会を置き、会社業務を執行していますが、経営上の重
増してきており、当社ではISMS(Information Security Management
要事項については、社長室会で決定後、取締役会の審議を経て決
System)委員会を設置し、2005年 4月から施行された個人情報保
定する体制としています。
護法への対応をはじめとして、
さまざまな情報セキュリティに対する体
監査役は、社外監査役 3名を含む5名の監査役が、監査役直属
の監査役室スタッフとともに、取締役会および重要会議に出席し、
制強化に継続的して取り組んでいます。
上記の内部統制の整備状況や運用状況をモニタリングする内部
国内外主要拠点を含む社内各部局との対話を行いながら、連結経
監査につきましては、約60名で構成されている監査部、約40名を数
営上重要な子会社などを中心に往査を実施しています。
える各営業グループ内部監査組織、海外拠点に設けた内部監査
組織などが管下組織の監査を連結ベースで行っています。内部監
内部統制システムなどの整備
査の結果は都度社長および監査役などに報告され、取締役会およ
当社は、
コンプライアンスを徹底し、財務報告の信頼性を確保す
び社長室会においても報告されます。また、監査部、監査役、会計
るとともに、
さまざまなリスクを管理しながら有効的かつ効率的に業務
監査人のそれぞれの間で定期的に情報交換を行い、連携強化に努
を遂行するため、内部統制システムの継続的改善に努めています。
めています。
コンプライアンス体制の整備状況につきましては、50ページを
ご参照ください。
48
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
当社のコーポレート・ガバナンスおよび内部統制の体制
株主総会
諮問
ガバナンス委員会
国際諮問委員会
選任・解任
報酬(枠)の決定
選任・解任
報酬(枠)の決定
取締役会
選任・
監督
監査役・監査役会
監査
提言
重要事項
の付議
選任・解任
会計監査人
報告
監査
会計監査
報告
【業務執行組織】
社 長
監 査
部
社長室会
業務活動の監査
コ ー ポ レ ー ト ス タ ッ フ 部 門
グループ/本部/BU
国 内・海 外 拠 点
コ ン プ ラ イ ア ン ス 委 員 会
コンプライアンス施策の立案・実施
ポートフォリオ・マネジメント委員会
全社リスク配分・リスク管理システム、
重要な投融資案件を審議し、
社長室会に意見具申・報告
ISMS委員会
情報セキュリティ施策の立案
■■ は、内部監査、監査役監査および会計監査を実施する機関を表しています。
役員報酬の内容
区
分
支払人員数
2005年 3月期支払額
摘
要
1. 2005年 3月期末現在の人員数は、取締役16名、監査役5名です。なお、支
取締役
20名
715百万円
払人員数には、2004年 6月24日に退任した取締役4名、監査役 2名を含ん
でいます。
2. 1989年 6月 29日開催の定時株主総会の決議により、取締役の報酬限度
額は月額 90百万円以内、監査役の報酬限度額は月額9百万円以内です。
監査役
7
80
3. 2005年 3月期に退任した取締役および監査役に対する退任慰労金(役
員年金を除く)の支給額は、取締役1,151百万円、監査役36百万円、
また、
退任した役員に対する役員年金の2005年3月期の支給総額は、取締役278
百万円、監査役 11百万円で、
それぞれ左記の支払額には含めていません。
合
計
27
795
4. 取締役賞与の支給額は185百万円で、左記の支払額には含めていません。
(百万円未満切り捨て)
49
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
コンプライアンス体制
員行動規範」を制定するとともにコンプライアンス・オフィサー制度
を導入したほか、2003年 4月には役職員行動規範を改訂し、全役
職員から誓約書を取りつけるなど、社内コンプライアンス体制の充
実・強化を進めてきました。
さらに、当社単体のみならず連結ベースでコンプライアンスの推
進を図っていくことが重要であるという考えに基づき、国内外の関係
会社においても当社と同等水準のコンプライアンス体制の構築・
運用ができるよう、施策の強化を図っています。
そのための具体策の一つが、2005年 2月に設置した国内子会
社役職員用のMCグループ弁護士目安箱です。当社では2001年
増田 幸央
副社長執行役員
チーフ・コンプライアンス・オフィサー
11月にコンプライアンス目安箱や弁護士目安箱などの内部通報
制度を制定していましたが、
これを新たに連結ベースまで拡充する
体制を整えました。
当社は適法かつ公正な事業活動を継続していくために、
「三綱領」
今後も、当社は連結ベースでの企業価値向上を実現するための
や「企業行動指針」の考え方を基盤とし、かねてより全社をあげて
重要施策の一つとして、当社関係会社の社員一人ひとりに至るま
法令遵守に取り組んできました。企業の法令 順守に求められる
でコンプライアンス意識が浸透・徹底するよう、実効性のあるコンプ
水準が年々高まっている中、当社は2000年9月に「三菱商事役職
ライアンス施策のさらなる充実・強化を図っていきます。
当社のコンプライアンス体制
社 長
グループCEO、
国内ブロック統括、
地域統括
指揮・監督
チーフ・コンプライアンス・オフィサー
コンプライアンス委員会
グループ・コンプライアンス・オフィサー、
国内ブロック・コンプライアンス・オフィサー、
海外地域コンプライアンス・オフィサー 二次報告
事務局:
法務部コンプライアンス統括室
(目安箱・電話相談窓口)
二次報告
社外弁護士
監査部
(目安箱・電話相談窓口) (目安箱・電話相談窓口)
二次報告
職場の上司
報告・相談
報告・相談
報告・相談
社 員
50
報告・相談
報告・相談
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
企業の社会的責任
企業の社会的責任
ンズの“ Dow Jones Sustainability Indexes( DJSI)”、モーニング
近年、
グローバル化の進展に伴い、企業の活動領域は飛躍的に
スターの“ MS-SRI ”などに組み込まれています。
拡大し、社会に与える影響が格段に大きくなったことから、社会が企
業を評価する視線は厳しさを増しており、企業の社会的責任(CSR)
に対する関心が非常に高まっています。企業はステークホルダーとの
対話を重ね、社会的責任を果たすことにより、社会における存在意義
を高めていく必要があります。当社には、前述のとおり創業以来の企
業理念である「三綱領」があります。この三綱領を事業活動や人・社
会・環境への配慮など社会的責任を果たす上での拠り所としていま
CSRへの取り組み
す。当社では、環境配慮、人権・労働問題、地域・社会貢献、
コンプラ
当社は、CSRに対する包括的な取り組みを目指し、2004年に
イアンスをCSRの要素と明確に位置づけ、社員一人ひとりが日々の
「社会貢献委員会」と「地球環境委員会」を統合、
「社会・環境委
活動において実践に努めつつ、社会に対してより良い商品やサービ
員会」を発足させ、地球環境問題や社会貢献活動を含むCSRにつ
スを安全性にも配慮しながら創出・提供し、物心豊かで弛まない成長
いての議論を行っています。その下部組織である「CSRタスクフォー
が可能な社会の実現に努めていきます。なお、当社は、
これまでのCSR
ス」では、社内啓発・実態把握・情報開示のそれぞれの重点施策に
への取り組みと情報開示における透明性を評価され、世界的な社会
ついて検討を行うとともに、社内関係部局の情報共有の場としてい
的責任投資( SRI)のインデックスであるFTSEの“ FTSE4Good ”
ます。また、2005年 1月に、従来の「行動基準」にCSRの要素を盛
(グローバルインデックスおよびジャパンインデックス)、
ダウ・ジョー
り込み、
「企業行動指針」に改定しました。
CSR推進体制
当社の環境マネジメントシステム推進体制
CSR推進体制
社 長
CSRタスクフォース
(事務局:社会・環境室)
コーポレート
担当役員
営業グループ
(新機能、エネルギー、金属、機械、
化学品、生活産業)
環境監査責任者
経営企画部
社会・
環境委員会
オフィスビル企画部
秘書部
人事総務部
EMS
環境管理責任者
社会・環境室(ISOタスクフォース)
法務部
各グループ・ブロック
環境責任者
営業各グループ・ブロック
環境推進担当者
業務部
トレジャラーオフィス
コントローラーオフィス
各部署
環境責任者
各部署
環境担当者
IR部
51
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
「母と子の自然教室」の活動
熱帯林再生実験
環境マネジメントシステム
皇居一周チャリティー・ウォーク
を続けています。その一環として、1974年から継続している東京都
日常業務における環境管理システムのツールとして1998年に
のひとり親家庭の母子を招待する「母と子の自然教室」や、1990
ISO14001の審査登録をして以来、当社は社長を最高責任者とす
年に開始した「熱帯林再生実験プロジェクト」などは高い評価をい
る推進体制を構築し、全員参加による環境マネジメントを推進して
ただいています。また、当社は世界各国の地域社会の発展に寄与
います。このシステムは、当社が取り扱うさまざまな商品と事業投資
するため、1991年から「地域貢献施策」をスタート、地域のニーズ
先の環境への影響を把握するとともに、
オフィスにおける環境負荷
に合った貢献活動を実施しています。また、昨年は世界各地で大規
を低減させることを目的としており、従業員全員が参加する、全社に
模な災害が発生しましたが、
スマトラ沖大地震の際には、当社・事業
定着したものとなっています。
投資先としての寄付を行ったほか、社員有志により、皇居一周チャ
また、当社のさまざまな連結子会社および関連会社の事業活動を
リティー・ウォークを開催しました。
通じて、当社は地球環境に影響を与えていますので、
グループ全体
の環境管理の状況を把握し、環境負荷の低減に取り組んでいます。
人を活かし人を育てる
当社にとっては、人材こそが何にも増して最大の資産です。2004
世界に広がる社会貢献活動
年 7月、当社は中期経営計画『 INNOVATION 2007』を発表しま
社会貢献活動は「企業が社会に積極的に働きかけて、
その責任
した。その基準方針の一つに「人を活かし、人を育てる」というテー
を果たそうとする活動」でありCSRのポジティブな側面です。当社は
マを掲げました。社員一人ひとりが、能力を最大限に発揮し、
その価
1973年に、
「企業は社会の一員として社会貢献事業を積極的に
値を高めていく環境を整えることが人材育成の基本方針です。
行うべきで、
そのための経費は企業が社会で存続するための社会的
その実現のため、CSRの観点からも、国内・海外を問わず社員の
経費(ソーシャル・コスト)
として、利益を得る前に負担しなければ
基本的人権と労働者としての権利への配慮を前提とした上で、
ならないという認識の下、
「社会環境室」を設立しました。以来、
人事制度の改革、人材育成プログラムの充実、社員の健康増進・
「継続」と「社員参加」をキーワードとしてさまざまな社会貢献活動
安全確保などのさまざまな施策を行っています。
52
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
持続可能な社会実現のために
当社では、持続可能な社会の実現に向けて、気候変動防止・
新エネルギーの開発など地球環境への配慮をテーマにした環境
ビジネスにも積極的に取り組んでいます。温室効果ガス排出量取
引を行うナットソースジャパンへの出資や、H3 Energy LTD.によ
る水素エネルギー開発への取り組みなどがあげられます。
また、高齢者や障害者のニーズに応えた社会性の高いビジネス
にも取り組んでいます。日本ケアサプライによる介護用品レンタル
への取り組み、日本ホスピタルサービスによる病院経営を支援す
る取り組みなどがあげられます。
次世代の高圧縮水素エネルギー発生装置(HHEG)
を
開発中
サステナビリティ・リポート
当社はこれまで「処事光明」の精神に基づき、企業活動の公開性・透明性を堅持した活動を行ってきました。当社では、2002年、
他社に先駆けて環境報告書の形式を改め、サステナビリティ・リポートを発行、今年で4年目を迎えました。詳しい内容については、
当社ホームページ「社会・環境活動」で紹介しています。
http://www.mitsubishicorp.com/jp/csr/report/index.html
目
次
ごあいさつ
Special Feature
三菱商事が考えるサステナビリティ
CHAPTER 1
サステナビリティの観点から主要事業を見る
天然ガス事業
原料事業
食糧・食品事業
CHAPTER 2
持続可能な社会実現のためのビジネス
Corporate Overview
三菱商事のビジネス概要
ステークホルダーとの関わり
CSR Policies & Management
CSRに関する基本理念
コーポレート・ガバナンスとコンプライアンス体制
CSRに関するマネジメントシステム
CSR Performance
取引先および事業投資先への環境レビュー
三菱商事グループのCSRパフォーマンス
社員との関わり
社会貢献活動
海外のCSR 活動
財務パフォーマンスと収益構造
Special Feature
マルチステークホルダー・ダイアログ 日本
マルチステークホルダー・ダイアログ ヨーロッパ
マルチステークホルダー・ダイアログ アメリカ
サステナビリティ・リポート2005
GRIガイドライン 2002年版と本報告書の対照表
53
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
取締役および監査役
取締役(17名)
佐々木 幹夫
1960年 三菱商事(株)入社
2004年 取締役会長
小島
順彦*
1965年 三菱商事(株)入社
2004年 取締役社長
2005年 チーフ・イノベーション・
増田
幸央*
1964年 三菱商事(株)入社
2002年 副社長執行役員
2005年 社長補佐
オフィサー
監査担当
資源・エネルギー担当
チーフ・コンプライアンス・
オフィサー
CIO
石橋
武*
三菱商事(株)入社
化学品グループCEO
副社長執行役員
中国担当
1964年
2001年
2004年
2005年
上野
征夫*
1968年 三菱商事(株)入社
2004年 関西支社長
2005年 副社長執行役員
関西ブロック統括兼
関西支社長
国内担当
亀崎
英敏*
1966年 三菱商事(株)入社
2002年 コーポレート担当役員
( CRO)
2004年 コーポレート担当役員
(総括、CRO)
2005年 副社長執行役員
コーポレート担当役員
(総括、経営計画、広報、
オフィスビル企画、CRO)
情報セキュリティ担当
( CISO)
井上
彪*
宮本
雅雄*
一郎*
1966年 三菱商事(株)入社
2003年 常務執行役員
2005年 機械グループCEO
1966年 三菱商事(株)入社
2003年 常務執行役員
吉村
松本
金井
尚憲*
治雄*
1968年 三菱商事(株)入社
2003年 常務執行役員
2005年 エネルギー事業グループ
CEO
1967年 三菱商事(株)入社
2004年 常務執行役員
小塚
西岡
睦実*
1969年 三菱商事(株)入社
2005年 常務執行役員
金属グループCEO
コーポレート担当役員
( CFO)
中部ブロック統括兼
中部支社長
CEO
喬**
1959年 新三菱重工業
(株)
入社
2003年 三菱重工業(株)
義邦*
1968年 三菱商事(株)入社
2005年 常務執行役員
新機能事業グループ
取締役会長
三菱商事(株)
取締役
54
水野
1970年 三菱商事(株)入社
2002年 常務執行役員
2003年 生活産業グループ
CEO
谷口
一郎**
1959年 三菱電機(株)入社
1998年 三菱商事(株)取締役
2002年 三菱電機(株)取締役
会長
MITSUBISHI CORPORATION
有馬
龍夫**
1962年 外務省入省
1997年 同省退官後、
外務省参与
堤
ANNUAL REPORT 2005
富男**
1962年 通商産業省入省
1996年 同省退官
2004年 三菱商事(株)取締役
1998年 日本国政府代表
2001年 三菱商事(株)取締役
監査役(5名)
新開
友三
1962年 三菱商事(株)入社
2001年 常任監査役(常勤)
三木
繁光***
1958年(株)三菱銀行入行
2004年(株)東京三菱銀行
取締役会長
三菱商事(株)監査役
樋口
公啓***
1960年 東京海上火災保険
(株)入社
1998年 三菱商事(株)
監査役
2003年 東京海上火災保険
(株)相談役
2004年 東京海上日動火災
保険(株)相談役
中島
茂***
藤村
潔
1979年 弁護士登録
1983年 中島経営法律事務所
1972年 三菱商事(株)
代表
1984年 弁理士登録
2004年 三菱商事(株)監査役
2003年 監査役(常勤)
入社
会社名および役職名は記載当時の表記を使用しています。
* 代表取締役を示しています。
** 商法第 188条第 2項第 7号の2に定める社外取締役の要件を満たしています。
*** 株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第 18条第1項に定める社外監査役の要件を満たしています。
55
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
執行役員(42名)
小島 順彦*
社長
チーフ・イノベーション・
オフィサー
監査担当
増田 幸央*
副社長執行役員
社長補佐
資源・エネルギー担当
チーフ・コンプライアンス・
オフィサー
吉村 尚憲*
常務執行役員
エネルギー事業グループCEO
松本 治雄*
常務執行役員
新機能事業グループCEO
金井 義邦*
常務執行役員
中部ブロック統括兼
中部支社長
CIO
石橋 武*
副社長執行役員
化学品グループCEO
中国担当
上野 征夫*
副社長執行役員
関西ブロック統括兼
関西支社長
国内担当
亀崎 英敏*
副社長執行役員
コーポレート担当役員
(総括、経営計画、広報、
オフィスビル企画、CRO)
情報セキュリティ担当( CISO)
桜井 本篤
常務執行役員
米州ブロック統括兼
米国三菱商事会社社長
井上 彪*
常務執行役員
生活産業グループCEO
宮本 雅雄*
常務執行役員
機械グループCEO
武田 勝年
常務執行役員
中国総代表兼
三菱商事(中国)有限公司社長兼
北京事務所長兼
三菱商事(中国)有限公司北京
支店長
勝村 元
常務執行役員
機械グループ COO
西澤 正俊
常務執行役員
エネルギー事業グループCOO
木島 綱雄
常務執行役員
生活産業グループ COO兼
食品本部長
小塚 睦実*
常務執行役員
金属グループ CEO
佐藤 達夫
執行役員
機械グループ
宇宙航空機本部長
三野 博
執行役員
新機能事業グループCEO
オフィス室長
藤川 純太
執行役員
関西支社副支社長
片山 善朗
執行役員
機械グループ
重電機本部長
武内 英史
執行役員
トレジャラー
加藤 晴二
執行役員
エネルギー事業グループ
天然ガス事業本部長
安田 正介
執行役員
化学品グループ
機能化学品本部長
上田 良一
執行役員
コントローラー
小宮 修
執行役員
機械グループ CEOオフィス室長
小林 健
執行役員
機械グループ
プラントプロジェクト本部長
永野 哲行
執行役員
生活産業グループ
資材本部長
小松 孝一
執行役員
イノベーションセンター長
小島 信明
執行役員
イノベーションセンター
事業開発部長
吉村 和美
執行役員
米国三菱商事会社 EVP
矢野 雅英
執行役員
生活産業グループ
繊維本部長
寺村 元伸
執行役員
ジャカルタ駐在事務所長
鍋島 英幸
執行役員
経営企画部長
伊与部 恒雄
執行役員
コーポレート担当役員
(秘書、人事総務、法務)
柳井 準
執行役員
エネルギー事業グループ
石油事業本部長
藤井 明
執行役員
生活産業グループ
食糧本部長
小野 誠英
執行役員
金属グループ
非鉄金属本部長
宮内 孝久
執行役員
化学品グループ CEOオフィス室長
衣川 潤
執行役員
金属グループ
鉄鋼原料本部長
桑原 徹郎
執行役員
クアラルンプール支店長
中原 秀人
執行役員
欧州ブロック統括兼
欧州三菱商事会社社長兼
英国三菱商事会社社長兼
オランダ三菱商事会社社長
水野 一郎*
常務執行役員
コーポレート担当役員
( CFO)
* の執行役員は取締役を兼務しています。
( 2005年 7月 1日現在)
56
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
コーポレートセクション
株主情報 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 58
主要連結子会社および関連会社 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 62
組織図 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 66
ネットワーク . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 67
57
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
株主情報
株式の状況
(1)授権株式数:普通株式25億株
(2)2005年3月末現在の発行済株式総数および株主数
2004年3月期末現在
発行済株式総数
(株)
株主数
(名)
1,567,193,508
54,322
206,000
10,976
1,567,399,508
65,298
増減
2005年3月期末現在
(注)発行済株式総数の増加は、当年度中における新株予約権の行使に伴うものです。
(3)2004年9月1日付けで、1単元の株式の数を1,000株から100株に変更しました。
大株主の状況
所有株式の状況
(千株未満切捨て)
株主名
出資比率(%)
株式数
(千株)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
138,060
8.81
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社
(信託口)
133,968
8.55
東京海上日動火災保険株式会社
93,167
5.94
明治安田生命保険相互会社
79,552
5.08
三菱重工業株式会社
48,920
3.12
株式会社東京三菱銀行
42,701
2.72
ザチェースマンハッタンバンクエヌエイロンドン
32,323
2.06
ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー505103
30,302
1.93
日本生命保険相互会社
27,679
1.77
ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー
26,891
1.72
株主数の推移
(名)
70,000
65,298
65,000
61,448
59,197
60,000
60,605
57,334
55,856
55,000
54,811
50,000
58
95.3
96.3
53,818
54,394
97.3
98.3
54,943
99.3
00.3
01.3
02.3
54,322
03.3
04.3
05.3
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
株主構成比
政府など
金融機関
2005年
3月期
証券会社 その他法人
48.3%
外国法人・個人
個人その他
30.0%
9.1%
11.9%
0.7%
0.0%
2000年
3月期
55.0%
0.2%
16.7%
18.2%
9.9%
0.0%
1995年
3月期
64.9%
19.4%
0.0%
6.7%
8.8%
0.2%
(単元)
政府など
2005年3月期
2
金融機関
証券会社
その他法人
外国法人・個人
個人その他
合計
7,572,158
104,710
1,865,911
4,702,818
1,421,727
15,667,326
2000年3月期
49
856,569
3,038
260,649
283,923
154,503
1,558,731
1995年3月期
168
1,010,992
2,625
301,457
104,618
137,551
1,557,411
(注)2005年3月期の各数値は単元(1単元の株式数は100株)
株価および株式売買高の推移
(円)
1,500
1,000
500
(千株)
0
1,500,000
1,000,000
500,000
■ 株価
■ 株式売買高
0
01.3
02.3
03.3
04.3
05.3
2001年3月期
2002年3月期
2003年3月期
2004年3月期
2005年3月期
530,555
865,133
1,234,324
1,313,535
1,493,690
最高(円)
999
1,108
1,069
1,245
1,490
最低(円)
693
722
690
678
936
売買高
(千株)
(注)株価および株式売買高は、東京証券取引所(市場第一部)の市場相場および売買高によるものです。
59
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
新株予約権の状況
(1)ストックオプション
付与年月期
2001年3月期
2003年3月期
2004年3月期
2005年3月期
新株予約権の数
256個
2002年3月期
1,060個
1,068個
1,269個
1,167個
2006年3月期
12,790個
新株予約権の目的となる
株式の種類および数
普通株式
普通株式
普通株式
普通株式
普通株式
普通株式
256,000株
1,060,000株
1,068,000株
1,269,000株
1,167,000株
1,279,000株
新株予約権の発行価額
無償
無償
無償
無償
無償
無償
権利行使時の1株当たり
払込金額(行使価額)
903円
1,002円
809円
958円
1,090円
今後開催の取締役会
で決定する。
権利行使期間
2002年6月30日から
2010年6月29日まで
2003年6月29日から 2004年6月28日から
2011年6月28日まで 2012年6月27日まで
2005年6月28日から
2013年6月27日まで
2006年6月25日から
2014年6月24日まで
2007年6月25日から
2015年6月24日まで
(注)1. 商法改正により、旧商法第280条の19に定める新株引受権が廃止され、新株予約権が創設されたことから、新株引受権は新株予約権制度に対応させて記載して
います。
2. 発行時に定めた条件により、行使価額は調整されることがあります。
3. 新株予約権の数は2005年3月末現在の残高を記載しています。
4. 2006年3月期のストックオプションは、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は100株です。
(2)株式報酬型ストックオプション
2006年3月期
3,382個
普通株式338,200株
付与年月期
新株予約権の数
新株予約権の目的となる株式の種類および数
新株予約権の発行価額
権利行使時の1株当たり払込金額(行使価額)
権利行使期間
無償
1円
2005年6月25日から2035年6月24日まで(注)
(注)対象者は、当社取締役および執行役員のいずれの地位も喪失した日の翌日から10年間に限り新株予約権を行使できます。
(3)新株予約権付社債(2011年満期円貨建転換社債型新株予約権付社債)
2002年6月17日
30,000個
普通株式126,262,626株
発行日
新株予約権の数
新株予約権の目的となる株式の種類および数
新株予約権の発行価額
権利行使時の1株当たり払込金額(転換価額)
権利行使期間
無償
1,188円
2002年7月1日から2011年6月3日まで
(注)発行時に定めた条件により、転換価額は調整されることがあります。
取締役・監査役の所有持株の状況
役 位
氏 名
持株数
(千株)
役 位
氏 名
持株数
(千株)
取締役会長
取締役社長
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
佐々木幹夫
小島 順彦
増田 幸央
石橋 武
上野 征夫
亀崎 英敏
井上 彪
宮本 雅雄
水野 一郎
吉村 尚憲
松本 治雄
84
43
40
19
23
30
32
28
14
15
30
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
常任監査役
監 査 役
監 査 役
監 査 役
監 査 役
金井 義邦
小塚 睦実
西岡 喬
谷口 一郎
有馬 龍夫
堤 富男
新開 友三
三木 繁光
樋口 公啓
中島 茂
藤村 潔
20
20
4
3
9
3
19
–
3
–
6
(注)持株数は2005年6月24日現在の数字です。千株未満を切り捨てています。
60
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
株主総会
定時株主総会は毎年6月に招集します。臨時株主総会は、
必要がある場合に随時招集します。
配当金
(1)
利益配当金支払株主確定日 3月31日
中間配当金支払株主確定日 9月30日
(2)
(3)
利益配当金および中間配当金が支払開始の日から満3年を経過しても受領されないときは、
当社はその支払の義務を免れます。
株式の取り扱い
株式の名義書換、
単元未満株式の買い取りおよび買い増しなどの株式の取り扱いについては、
当社の名義書換代理人である三菱信託銀行株式会社
にご照会ください(外国居住株主については、
日本における常任代理人を定め届け出る必要があります)。
(1)郵便物送付先/電話照会先
〒171-8508
東京都豊島区西池袋一丁目7番7号 三菱信託銀行株式会社証券代行部
フリーダイヤル:0120-707-696
(2)住所変更届等書届用紙ご請求先
フリーダイヤル:0120-86-4490
IRサイトのご紹介
投資家情報につきましては、
ホームページでも掲載しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
URL http://www.mitsubishicorp.com/jp/ir/(日本語)
http://www.mitsubishicorp.com/en/ir/(英語)
61
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
主要連結子会社および関連会社(2005年3月31日現在)
新機能事業グループ
会社名
出資比率(%)
■(株)
アプリシア
(日本)
■
ビーウィズ
(株)
(日本)
(株)
クリエイト・レストランツ
(日本)
■(株)
ディーライツ
(日本)
■(株)
アイ・ティ・フロンティア
(日本)
(株)
ローソン・シーエス・カード
(日本)
(株)
メイツ
(日本)
MC Capital Inc.(アメリカ)
■ MC Finance International B.V.
(オランダ)
■
■(株)
エム・シー
インシュランスセンター
(日本)
■
エム・シー・メディカル(株)
(日本)
■
MC Silicon Valley Inc.(アメリカ)
■
エム・シー・ターミナル(株)
(日本)
■
エム・シー・トランス インターナショナル
(株)
(日本)
メモリーテック
(株)
(日本)
■
ミレニア・ベンチャー・パートナーズ(株)
(日本)
■
三菱商事証券
(株)
(日本)
■
Mitsubishi Corporation Finance PLC(イギリス)
■
三菱商事・ユービーエス・リアルティ(株)
(日本)
三菱鉱石輸送
(株)
(日本)
(株)
エム・エス・コミュニケーションズ
(日本)
■(株)
日本ケアサプライ
(日本)
■(株)
日本ホスピタルサービス
(日本)
■
菱光ロジスティクス
(株)
(日本)
瀬戸埠頭(株)
(日本)
65.00
90.00
50.00
100.00
80.00
20.00
46.67
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
25.19
100.00
100.00
100.00
51.00
35.83
50.00
67.30
100.00
100.00
41.65
事業内容
病院ソリューション事業
コールセンター業務
多業態・マルチブランドにわたるレストラン事業の展開
アニメーション制作版権ライセンシング業務
IT総合ソリューション
クレジットカード業務
総合人材サービス業
(人材派遣、
人材紹介、
教育研修、
事務請負)
投資会社(アメリカにおけるファンド投資・貸付などを行う)
証券投資など
保険業
(保険媒介代理業、
保険サービスを含む)
医療機器材の輸出入、在宅医療事業
ベンチャーキャピタル・ベンチャービジネス向け投資
LPG・石油・化学品の受払および貯蔵
運輸に付帯するサービス業
オーディオ用CD、
CD-ROM、DVD、その他光ディスク関連商品の製造・販売
ベンチャー企業に対する投資
証券業および投資顧問業
証券投資など
投資法人資産運用業、コンサルティング業務および委託代行業務
石炭・鉄鉱石・自動車等の外航不定期船の運航および船舶貸渡業
移動体通信サービス・端末および各種通信サービスならびに通信放送事業にかかわるサービ
ス・機器全般の取り扱い
介護用具・用品のレンタル・販売
医療材料物品管理
(JITS)
サービス
倉庫業、不動産業
港湾運送事業、
倉庫業
エネルギー事業グループ
会社名
Brunei LNG Sendirian Berhad(ブルネイ)
出資比率(%)
25.00
50.00
(株)
ダイヤ昭石
(日本)
Japan Australia LNG(MIMI)Pty, Ltd.(オーストラリア) 50.00
MC BITOR Ltd.(中国)
50.00
■ エム・シー・カーボン
(株)
(日本)
100.00
■ エムシー・エネルギー
(株)
(日本)
100.00
■ エム・シー海運
(株)
(日本)
70.00
■ エム・シー・マリーン
(株)
(日本)
100.00
■ MCX New Ventures, Ltd.
(アメリカ)
100.00
■ 三菱液化ガス
(株)
(日本)
52.50
■ 三菱商事石油
(株)
(日本)
100.00
■ エムピーディーシー・ガボン
(株)
(日本)
100.00
■ 小名浜石油
(株)
(日本)
80.00
■ Petro-Diamond Inc.
(アメリカ)
100.00
■ ペトロダイヤモンドジャパン
(株)
(日本)
100.00
■ Petro-Diamond Singapore(Pte)Ltd.
(シンガポール)
100.00
■ 石油コークス工業
(株)
(日本)
100.00
62
事業内容
液化天然ガスの製造・販売業
石油製品販売業
西豪州北西大陸棚における天然ガス・コンデンセート・LPG・原油の開発販売業
オリマルジョン®販売業
炭素製品販売業
アスファルトおよび石油製品販売業
内航海上輸送業
船舶運行管理会社
アメリカにおける石油・天然ガスの探鉱・開発・生産業
LPGならびにLPG器具国内販売業
石油製品卸売業
ガボンにおける石油の探鉱・開発・生産業
石油類倉庫業、
土地・設備賃貸業、
石油輸入・販売業
石油製品販売業
石油製品販売業
原油・石油製品販売業
石油コークス加工・保管・販売業
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
金属グループ
会社名
■
朝日機材(株)
(日本)
■
アサヒステイール
(株)
(日本)
■
キャプテック
(株)
(日本)
Coilplus Holdings, Inc.(アメリカ)
■ DIA Modern Engineering
(Thailand)
Co., Ltd.(タイ)
■ Hernic Ferrochrome
(Pty)
Ltd.(南アフリカ共和国)
Iron Ore Company of Canada(カナダ)
■
■
五十鈴
(株)
(日本)
■
ジェコ
(株)
(日本)
京葉ブランキング工業(株)
(日本)
■(株)
九州スチールセンター
(日本)
■
九州製鋼(株)
(日本)
■
M.C. Aluminum America, Inc.(アメリカ)
■(株)
エム・シー・アルミ
(日本)
M.C. Aluminum(Kunshan)Co., Ltd.(中国)
■ M.C. Aluminum(Thailand) Co., Ltd.
(タイ)
■ MCA Metals Holding GmbH
(オーストリア)
■ MC Copper Holdings B.V.
(オランダ)
■ MC HANWA PTE. LTD.
(シンガポール)
■ M.C. Inversiones Limitada
(チリ)
■ MC Metal Service Asia(Thailand) Co., Ltd.
(タイ)
■
■
エムシー・メタルワークス
(株)
(日本)
■
エム・シー非鉄
(株)
(日本)
■
Metal One America, Inc.(アメリカ)
■(株)
メタルワン
(日本)
■
Metal One Sales Holdings, Inc.(アメリカ)
■(株)
メタルワン建材西日本
(日本)
■(株)
メタルワン建材
(日本)
■
三菱商事フューチャーズ
(株)
(日本)
■
Mitsubishi Development Pty., Ltd.(オーストラリア)
■
三菱商事軽金属販売
(株)
(日本)
Nova Era Silicon S/A(ブラジル)
■(株)
オトフジ
(日本)
■
(イギリス)
Ryowa Development Pty., Ltd.(オーストラリア)
■ Ryowa Development II Pty., Ltd.
(オーストラリア)
菱和スチール
(株)
(日本)
Shenzhen Baoling Tongli Ltd., Corp.(中国)
■ Siam MCT Telecom Ltd.
(タイ)
■
■(株)
サステック
(日本)
■
事業内容
63.49
78.10
100.00
92.00
100.00
50.98
26.18
70.00
70.00
40.41
55.29
55.00
60.00
100.00
70.00
79.42
100.00
100.00
95.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
60.00
92.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
25.50
100.00
建設機器資材の販売、賃貸
100.00
100.00
100.00
100.00
70.00
100.00
57.90
51.05
100.00
100.00
エネルギー関連商品のリスクマネジメント業
特殊鋼販売業
投資関連コンサルタント業
鋼板加工事業の統括
自動車部品の製造・販売
(タイ)
南アフリカ産フェロクロム生産販売
鉄鉱石生産販売業
鋼材
(薄板類)
の加工販売
エスコンディーダ銅鉱山
(チリ)
への投資会社
金属加工業
鋼材倉庫業・鋼板加工業
鋼材加工販売業
アルミ二次合金地金製造・販売
アルミ二次合金地金製造・販売
アルミ二次合金製造・販売
アルミ二次合金地金製造・販売
モザールアルミ製錬所(モザンビーク)
への投資会社
ロス・ペランブレス銅鉱山
(チリ)
への投資会社
ステンレス鋼材加工販売業
ロス・コロラドス鉄鉱山事業への投資会社
金属加工販売業
金属加工販売業
アルミ製品、
伸銅品、
その他金属製品の販売および金属建具・内装工事
北米における鉄鋼販売業
鉄鋼製品事業
持株会社
鋼材加工販売業
鋼材加工販売業
商品先物取引業
石炭採掘販売
アルミニウム地金および非鉄地金の販売業
フェロシリコンの製造・販売
鋼管および同付属品の販売業
PETRO-DIAMOND RISK MANAGEMENT LTD.
■
■
出資比率(%)
スズフジ・スチールサービス
(株)
(日本)
TRILAND METALS LTD.(イギリス)
■ TRILAND USA INC.
(アメリカ)
■
ボインアルミ製錬所への投資およびアルミ地金販売
ボインアルミ製錬所への投資およびアルミ地金販売
金属加工販売業
鋼板加工・販売
通信機器リース業
ステンレス鋼材加工販売業
鋼材加工販売業
ロンドン金属取引所
(LME)
ブローカー
商品先物取引業
機械グループ
会社名
(株)
ダイヤモンドシティ
(日本)
■
Diamond Generating Corporation(アメリカ)
■(株)
インフォセック
(日本)
出資比率(%)
事業内容
27.38
100.00
84.68
商業施設開発・運営
35.56
27.50
80.00
35.00
94.90
100.00
100.00
100.00
エンジン製造業
電力事業
情報セキュリティサービス
Isuzu Engine Manufacturing Co.,(Thailand)Ltd.
(タイ)
Isuzu Motors Co.,(Thailand)Ltd.(タイ)
■ Isuzu Operations
(Thailand)
Co.,Ltd.(タイ)
Isuzu Philippines Corporation(フィリピン)
■
日本スペースイメージング
(株)
(日本)
■
MAC Funding Corporation(アメリカ)
■(株)
エムシー・エアクラフト・マネジメント
(日本)
■
MC Machinery Systems, Inc.(アメリカ)
車輌組立業
自動車販売
自動車輸入製造販売およびそれに付帯する業務
衛星による地表物のデータ・画像の加工・販売
中量販品の販売金融会社
航空機リース関連サービス業
工作機械の販売・アフターサービス
63
MITSUBISHI CORPORATION
■
ANNUAL REPORT 2005
MC Realty, Inc.(アメリカ)
三菱オートクレジット・リース
(株)
(日本)
■
三菱商事テクノス
(株)
(日本)
Mitsubishi Motors de Portugal, S.A.(ポルトガル)
■ MKG Bank GmbH
(ドイツ)
■ MSK DFW, Inc.
(アメリカ)
■
エム・エス・ケー農業機械
(株)
(日本)
■(株)
レンタルのニッケン
(日本)
■
日東都市開発
(株)
(日本)
■
P.T. Dipo Star Finance(インドネシア)
P.T. Mitsubishi Kramayudha Motors
and Manufacturing(インドネシア)
宇宙通信(株)
(日本)
Spitalgate Dealer Services Ltd.(イギリス)
■ Thai Auto Sales Company Limited
(タイ)
The Colt Car Company Ltd.(イギリス)
■ Tri Petch Isuzu Sales Co., Ltd.
(タイ)
■
100.00
43.25
95.00
50.00
100.00
100.00
100.00
63.76
95.00
85.00
49.50
28.41
51.00
93.50
49.00
88.73
不動産投資事業
自動車販売金融業および各種車両賃貸業
産業機械・設備販売業
自動車輸入販売業
自動車販売金融業
不動産投資会社
農業機械・酪農施設などの販売・サービス
建設機械などの賃貸ならびに販売
商業施設の企画・建設・運営および管理
自動車販売金融業
自動車エンジン部品、板金部品の製造・販売
スーパーバードによる電気通信事業および受託放送事業
自動車販売金融業
自動車販売金融業
自動車輸入販売業
自動車輸入・製造販売ならびにこれに付帯する業務
化学品グループ
会社名
出資比率(%)
Aristech Acrylics Limited Liability Company(アメリカ) 88.00
Aromatics Malaysia Sdn. Bhd.(マレーシア)
30.00
■ 中央化成
(株)
(日本)
100.00
Exportadora de Sal, S.A. de C.V.(メキシコ)
49.00
30.00
(株)
興人
(日本)
■ MCフードテック
(株)
(日本)
100.00
32.93
明和産業(株)
(日本)
Metanol de Oriente, METOR, S.A.(ベネズエラ)
25.00
■ MITENI S.p.A.
(イタリア)
91.11
■ Mitsubishi International Food Ingredients, Inc.
(アメリカ) 100.00
■ 三菱商事アグリサービス
(株)
(日本)
100.00
■ 三菱商事ケミカル
(株)
(日本)
100.00
■ 三菱商事プラスチック
(株)
(日本)
100.00
PT. Kaltim Parna Industri(インドネシア)
50.00
21.09
サウディ石油化学
(株)
(日本)
■ 東和化成工業
(株)
(日本)
67.47
■
事業内容
アクリルシートおよび人工大理石製造・販売
パラキシレン・ベンゼン製造・販売
化学品製造・販売
製塩業
発酵製品・化成品・プラスチックフィルム・化学紙の製造・販売
調味料・日持ち向上剤ほか食品添加物・食品加工原料の開発・製造・販売
商社
メタノール製造・販売
フッ素化合物製造・販売
機能性食品素材販売
肥料国内販売
溶剤、
コーティングレジン他販売
合成樹脂原料製品の販売
アンモニア製造業
サウディアラビア石油化学合弁事業への投資ならびに製品販売
食品・食品添加物および化学品製造・販売
生活産業グループ
会社名
AGREX, Inc.(アメリカ)
■ Alpac Forest Products Inc.
(カナダ)
■ Bridgestone Sales(Thailand)Co., Ltd.
(タイ)
■ California Oils Corporation
(アメリカ)
■
コカ・コーラセントラルジャパン
(株)
(日本)
■
大日本明治製糖
(株)
(日本)
■(株)
フードサービスネットワーク
(日本)
Forestal Tierra Chilena Ltda.(チリ)
塩水港精糖
(株)
(日本)
■(株)
グリーンハウザー
(日本)
■
Indiana Packers Corporation(アメリカ)
(株)
ジヤパン・ファーム
(日本)
日本ケンタッキーフライドチキン
(株)
(日本)
(株)
ローソン
(日本)
■(株)
ライフギアコーポレーション
(日本)
(株)
マルイチ産商
(日本)
松谷化学工業
(株)
(日本)
MCC Development Corporation(アメリカ)
■(株)
エム・シー・フーズ
(日本)
■
明治屋商事
(株)
(日本)
*
■
エム・シー・ニット
(株)
(日本)
Mitsubishi Cement Corporation(アメリカ)
64
出資比率(%)
100.00
70.00
65.40
100.00
22.48
100.00
100.00
50.00
32.84
100.00
80.00
40.00
31.12
31.71
100.00
20.01
30.00
30.00
91.80
51.00
100.00
28.71
事業内容
穀物貯蔵販売
パルプ製造・販売
タイヤ販売
植物油脂搾油・精製業
清涼飲料水製造販売業
製糖業
コンビニエンスストア向け食品卸売業
ユーカリ植林および販売
精糖業
木材製品、
建材、
住宅機器の販売
豚肉処理・加工・販売業
畜産業
(ブロイラー・肉豚の生産、
処理、
加工)
飲食店
(フライドチキンレストラン)
コンビニエンスストア「ローソン」
のフランチャイズチェーン展開
履物、
鞄、
生活雑貨販売
食品卸売業
澱粉加工業
生コンクリート・骨材製造販売関連を行う投資会社
コーヒー豆および食品類販売業
食品・酒類卸売業
ニット製品販売
セメント製造・販売
MITSUBISHI CORPORATION
■
三菱商事建材
(株)
(日本)
■
三菱商事パッケージング
(株)
(日本)
100.00
88.22
21.97
39.81
40.90
100.00
50.02
100.00
16.63
80.82
100.00
89.57
日本農産工業
(株)
(日本)
日本食品化工
(株)
(日本)
日東製粉(株)
(日本)
■
Princes Limited(イギリス)
■(株)
菱食
(日本)
■
三洋食品(株)
(日本)
日清オイリオグループ(株)
(日本)
■
東洋冷蔵(株)
(日本)
■
Tredia Fashion Co., Ltd.(中国)
■(株)
サンエス
(日本)
ANNUAL REPORT 2005
建設用資機材販売
各種包装資材、
段ボール原紙、
段ボール製品、
洋紙販売
配合飼料製造販売、
畜水産物生産・加工・販売、
家畜飼育・販売
コーンスターチおよび同加工品製造
製粉業
食品飲料製造販売
食品卸売業
食品加工販売業
植物油脂製造
水産物販売
繊維製品販売
菓子卸売業
*明治屋商事は、明治屋が保有する卸部門の営業権・資産などを譲り受け、2005年4月より営業を開始、連結対象子会社としています。
コーポレートスタッフ部門
会社名
出資比率(%)
■(株)
ビジネス・トリップ・インターナショナル
(日本)
フロンティアカーボン(株)
(日本)
Fullerene International Corporation(アメリカ)
■
ヒューマンリンク
(株)
(日本)
■(株)
エム・シー・ファシリティーズ
(日本)
■
三菱商事フィナンシャルサービス
(株)
(日本)
100.00
23.26
38.78
100.00
100.00
100.00
事業内容
旅行業
炭素素材の製造/販売会社
フラーレン・カーボンナノチューブの商業化と知的財産管理
人事関連のコンサルティングおよび業務のアウトソーシングサービス
ビル・オフィスのファシリティマネジメントおよび総合ビジネスサポート
財務・経理・審査業務受託、
企業金融、
経営コンサルティング業務
現地法人
出資比率(%)
会社名
■
オーストラリア三菱商事会社
(オーストラリア)
■
香港三菱商事会社
(中国)
■
韓国三菱商事会社
(韓国)
■
台湾三菱商事会社
(台湾)
■
英国三菱商事会社
(イギリス)
■
米国三菱商事会社
(アメリカ)
■
独国三菱商事会社
(ドイツ)
■
欧州三菱商事会社
(イギリス)
■
泰MC商事会社(タイ)
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
65.80
事業内容
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
貿易業
欧州現地法人の持株会社
貿易業
(注)1. ■ は完全連結子会社、その他は持分法適用会社です。
2. 連結子会社は、議決権の過半数を所有するすべての国内および海外子会社からなっています。
関連会社は、株式所有比率が20%以上50%以下を所有する会社および20%未満であっても重要な影響力を行使し得る会社、コーポレートジョイントベンチャーからなっています。
関連会社に対する投資は、持分法を適用しています。
3. 出資比率は議決権所有割合となっています。
4. 連結対象会社数には、当社が直接連結経理処理を実施している会社のみ含めており、子会社が連結経理処理を実施している関係会社405社(2005年3月末現在)はその数から除外し
ています。
2005年3月期末連結対象会社数
グループ名
①
②
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
コーポレートスタッフ
現地法人
99
82
211
221
64
178
21
38
77
51
28
149
49
101
17
37
合計
914
509
① 子会社で連結経理処理を実施している関係会社を含む。
② 子会社で連結経理処理を実施している関係会社を含まない。
65
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
組織図(2005年4月1日現在)
新機能事業グループCEOオフィス
株主総会
新機能事業グループコントローラーオフィス
新機能事業グループ
• ICT事業本部
• 金融事業本部
• 物流サービス本部
監査役会
• ヒューマンライフ事業本部
監査役
監査役室
エネルギー事業グループCEOオフィス
エネルギー事業グループ
コントローラーオフィス
ガバナンス委員会
エネルギー事業グループ
石油・ガス探鉱開発事業ユニット
エネルギー事業開発ユニット
• 天然ガス事業本部
取締役会
• 石油事業本部
国際諮問委員会
• 炭素・LPG事業本部
金属グループCEOオフィス
取締役社長
金属グループコントローラーオフィス
MDPユニット
金属グループ
社長室会
部品事業開発ユニット
鉄鋼製品事業ユニット
イノベーション
センター
• 鉄鋼原料本部
• 非鉄金属本部
機械グループCEOオフィス
事業開発部
機械グループコントローラーオフィス
ITS事業企画部
ビジネス
クリエーション部
コーポレート
スタッフ部門
機械新規事業開発ユニット
戦略ソリューション事業ユニット
機械グループ
• 重電機本部
• プラントプロジェクト本部
• 宇宙航空機本部
監査部
• 開発建設・産業機械事業本部
CIOオフィス
• 自動車事業本部
経営企画部
• いすゞ事業本部
国際戦略研究所
化学品グループCEOオフィス
広報部
化学品グループコントローラーオフィス
オフィスビル企画部
秘書部
アリステックユニット
化学品グループ
フェニックスユニット
• 汎用化学品本部
人事総務部
• 機能化学品本部
法務部
• 先端化学品本部
業務部
生活産業グループCEOオフィス
中国事業戦略オフィス
生活産業グループコントローラーオフィス
コントローラーオフィス
生活産業グループ監査室
トレジャラーオフィス
IR部
マーケティング事業ユニット
生活産業グループ
ローソン事業ユニット
• 食糧本部
• 食品本部
• 繊維本部
• 資材本部
66
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
ネットワーク(2005年3月31日現在)
拠点数
国内: 31
海外:113(このほか、
世界各地に38の現地法人を設けており、
これらの本・支店などが77カ所あります)
海外拠点 *
国内拠点*
北中米
欧州
アフリカ
アジア
■ 海外事務所
グアテマラ
サンサルバドル
■ 海外事務所
ロンドン
ワルシャワ
イスタンブール
アンカラ
プラハ
ソフィア
オスロ
ストックホルム
■ 海外事務所
ヨハネスブルグ
ダカール
カサブランカ
アビジャン
アルジェ
チュニス
マプト
ナイロビ
ダルエスサラーム
■ 海外事務所
クアラルンプール
ビンツル
シンガポール
マニラ
カラチ
コロンボ
ダッカ
ハノイ
ホーチミン
北京
成都
重慶
広州
天津
青島
上海
大連
瀋陽
イスラマバード
ラホール
ニューデリー
バンガロール
ムンバイ
コルカタ
ヤンゴン
プノンペン
ジャカルタ
メダン
スラバヤ
バンダル・スリ・ブガワン
(ブルネイ)
シナール・ベルリアン
クアラルンプール
ベルリアン・インターニアガ
ジャカルタ
三菱商事(中国)有限公司
上海
北京
三菱商事(広州)有限公司
広州
三菱商事(天津)有限公司
天津
北京
三菱商事(青島)有限公司
青島
三菱商事(上海)有限公司
上海
南京
寧波
三菱商事(大連)有限公司
大連
香港三菱商事会社
香港
厦門
深I
台湾三菱商事会社
台北
韓国三菱商事会社
ソウル
光陽
浦項
■ 海外現地法人
インド三菱
ニューデリー
チェンナイ
ムンバイ
コルカタ
コーチ
バンガロール
バドーダラー
ハイデラバード
泰国三菱商事会社
バンコク
ハジャイ
泰国MC商事会社
バンコク
ハジャイ
オセアニア
■ 海外現地法人
米国三菱商事会社
ニューヨーク
サンフランシスコ
シアトル
シリコンバレー
ロスアンゼルス
ダラス
ヒューストン
シカゴ
ピッツバーグ
ワシントン
ボストン
アーリントン
ツーソン
カナダ三菱商事会社
バンクーバー
トロント
メキシコ三菱商事会社
メキシコシティ
パナマ三菱商事会社
パナマ
南米
■ 海外事務所
キト
ラパス
アスンシオン
■ 海外現地法人
ペルー三菱商事会社
リマ
コロンビア三菱商事会社
ボゴタ
智利三菱商事会社
サンチャゴ
ベネズエラ三菱商事会社
カラカス
プエルト・オルダス
亜国三菱商事会社
ブエノスアイレス
伯国三菱商事会社
サンパウロ
リオデジャネイロ
■ 海外現地法人
欧州三菱商事会社
ロンドン
スペイン三菱商事会社
マドリッド
英国三菱商事会社
ロンドン
仏国三菱商事会社
パリ
オランダ三菱商事会社
ロッテルダム
独国三菱商事会社
デュッセルドルフ
フランクフルト
ハンブルグ
ベルリン
イタリア三菱商事会社
ミラノ
ギリシャ三菱商事会社
アテネ
CIS
■ 海外事務所
モスコー
ユジノサハリンスク
キエフ
バクー
トビリシ
タシケント
アルマトゥイ
■ 海外現地法人
ナイジェリア三菱商事会社
アブジャ
ラゴス
エチオピア三菱商事会社
アディスアベバ
中東
■ 海外事務所
アンマン
バグダッド
トリポリ
リヤード
ジェッダ
アル・コバル
ドーハ
ドゥバイ
カイロ
ラマッラ
アブダビ
テルアビブ
マスカット
■ 海外現地法人
クエート三菱商事会社
クエート
イラン三菱商事会社
テヘラン
本店
東京
北海道ブロック
札幌
東北ブロック
仙台
中部ブロック
名古屋
新潟
富山
静岡
四日市
関西ブロック
大阪
神戸
岡山
高松
西条
高知
若狭
八幡浜
中国ブロック
広島
■ 海外事務所
ヌメア
九州ブロック
■ 海外現地法人
オーストラリア三菱商事会社
メルボルン
シドニー
パース
ブリスベン
ニュージーランド三菱商事会社
オークランド
長崎
福岡
大分
那覇
熊本
鹿児島
川内
玄海
* 本データには、プロジェクト事務所および本店の
分室は含まれていません。
www.mitsubishicorp.com/jp/network/index.html
67
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
財務セクション
財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析 . . . . . . . .
70
6年間の主要財務データ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
92
連結貸借対照表 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
94
連結損益計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
96
連結包括損益計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
97
連結資本勘定計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
98
連結キャッシュ・フロー計算書 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
99
連結財務諸表に対する注記 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 100
独立監査人の監査報告書(訳文). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 134
68
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
当社が財務報告を作成するに当たって、
その適正性を担保するための体制の基礎となっているのは当社の企
業理念です。
当社には、
企業理念として
「三綱領」
および
「企業行動指針」があり、それらに基づいて社内規程を定
め、
その遵守を全役職員に周知徹底しています。
また、
経営上重要な事項については、
会社の最高経営意志決定機
関である社長室会で協議・決定し、
取締役会に付議すべき事項については、
その議を経て決定する体制としてい
ます。
また、
業務執行状況など重要な経営情報についても、
社長室会および取締役会に報告が行われています。
業
務の手続き、
管理状況については、
監査部および個々の営業グループや海外拠点内の内部監査組織が、
関係会社
も含めて内部監査を行っており、
その結果については都度報告を受けています。
このような社内の体制を基礎として、
財務報告を作成する上でその業務分担と責任部署を明確化しており、
各
責任部署において適切な業務体制を構築の上、
社内規程に則った会計処理を行っています。
また、
2005年3月期より私が委員長となり、財務報告の内容作成に関連する部局の代表者により構成される開
示委員会を設置しました。
この委員会で2005年3月期の本レポートの財務セクションについてその開示内容に
ついて評価を行った結果、
適正な内容であることを確認しています。
また、
添付の連結財務諸表については、
監査
法人による厳正な監査が行われ、
監査法人より適正意見を表明する旨の監査報告書を受領しました。
当社の経営陣は、
上述のとおり適切な内部管理および財務報告の体制構築に責任をもって取り組んでいます。
三菱商事株式会社
常務執行役員、CF0
69
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
財政状態および経営成績についての経営陣による検討および分析
1. 業績概況
日本経済は、
IT関連製品の世界的な生産調整などの動きもあ
2005年3月期における経済環境を概観しますと、アメリカの
2004年半ば以降、輸出が減速、国内の生産も伸びが鈍化しま
り、
好景気と中国をはじめとする新興国の高成長が牽引する形で、
世
した。
また、
台風や地震による消費者マインドへの影響もあり個
界経済は引き続き緩やかな拡大基調をたどりました。
人消費は低調となりましたが、
収益の改善、
設備投資の拡大など
すなわち、
アメリカでは、
製造業を中心に低迷の続いた雇用情
2004年半ば以降個人消費が再
勢が大幅に改善したことに伴い、
企業部門の回復を受け、
雇用環境や所得水準も好転し、
国内需要
を中心に景気の緩やかな回復が続きました。
び活発化しました。
また、
ドル安の追い風を受けた輸出の増加や
このような環境下で、当社の2005年3 月期決算は、好調な商
国内消費の回復に支えられて企業の生産活動も順調に拡大し、
設
品市況を背景にエネルギー事業グループや金属グループで大
備投資も好調に推移するなど、
景気は拡大基調を維持しました。
きく収益を伸ばし、また他のグループも順調に利益をあげた結
中国では政府による金融引き締め策により、
過熱気味であった
果、6 グループですべて当期純利益は 2004 年 3 月期と比べて
インフラ投資の伸びは徐々に減速しましたが、
消費や輸出は好調
10%以上の増加となりました。このように各グループの業績が
を維持し高成長が続きました。
その他アジア諸国ではアメリカや
好調であった結果、
全社の基礎収益
(下表ご参照)
は2004年3月
中国など世界経済の拡大を受けて輸出が伸長、
国内需要も好調と
期に続き過去最高を更新し3,305億円となりました。また、連
EU諸国も期初の景気は底堅く
なり、
景気の拡大が継続しました。
2004年7月に発表し
結純利益も過去最高の1,824億円となり、
推移しましたが、
原油高やユーロ高の影響を受けて輸入が膨らん
た中期経営計画『 INNOVATION 2007 』の最終年度である
2004年半ば以降の景気は軟調となりました。
だこともあり、
2008年3月期の目標1,800億円を2 年前倒しで達成したこと
また、
このような経済環境を背景に、
原油などの一次産品に対
になります。
する需要が高まり、
国際商品市況の高止まり傾向が続きました。
基礎収益
単位:百万円
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
売上総利益ー
販売費および一般管理費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払利息
(受取利息控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 92,444 ¥101,109 ¥123,188 ¥137,959
(11,406)
(11,767)
(13,984)
(10,642)
32,468
36,178
28,145
28,117
17,010
9,293
44,878
56,464
¥192,741
(1,710)
42,402
97,095
基礎収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥130,516
¥330,528
1)売上総利益
2005年3月期の売上総利益は、2004年3月期から1,084億円
¥134,813
¥182,227
¥211,898
2)販売費および一般管理費
2005 年3 月期の販売費および一般管理費は、6,850 億円と
増加し、
過去最高の8,778億円となりました。
これは、
(14.1%)
2004年3月期より536億円(8.5%)の負担増となりました。これ
鋼材市況の上昇により子会社であるメタルワンで計上した総利
は親会社で人件費が減少したものの、
持分法適用食料関連会社の
益が大幅に増加したこと、
エネルギー事業や化学品事業の市況が
子会社化、
食料関連子会社の新規連結の影響、
ならびに厚生年金
好調だったことで親会社の総利益が増加したこと、
前期は持分法
基金の代行部分返上に伴う清算損失などの計上があり、
販管費全
適用会社だった食料関連子会社を子会社化したことによる増加、
体が増加したことによるものです。
および新規の食料関連子会社を買収したことなどによる影響が
3)貸倒引当金繰入額
あったためです。
2005年3月期の貸倒引当金繰入額は94億円となり、2004年
3月期の74億円から19億円の悪化となりました。これは2004年
3月期にあった債権回収による貸倒引当金振戻益計上の反動な
どによるものです。
70
MITSUBISHI CORPORATION
4)利息(受取利息差引後)
2005年3月期の受取利息差引後の利息は、2004年3月期より
ANNUAL REPORT 2005
10)法人税等
2005年3月期の法人税等は、税引前利益の増加に伴い2004年
89億円(83.9%)の大幅改善となり、17億円の負担となりまし
3月期比189億円の負担増となりました。実効税率は2004年3月
た。これは主に欧州自動車販売金融会社である M K G B a n k
これは配当に
期の49.9%から改善して44.7%になりましたが、
(MKG-B)
を子会社化したことによる受取利息計上額の増加によ
るものです。
5)受取配当金
2005年3月期の受取配当金は424億円となり、2004年3月期
かかわる税負担が減少したことなどによります。
11)少数株主持分
2005年3月期の少数株主持分は308億円となり、2004年3月
これは、
メタルワンなどの子会社
期から151億円増加しました。
(50.8%)
の大幅増加となりました。
これは、
銅およ
より143億円
での利益が拡大したことによるものです。
びLNGの権益保有にかかわる配当の増加があったことによるも
12)持分法による投資損益
のです。
6)有価証券損益
2005年3月期の持分法による投資損益は、2004年3月期から
406億円(72.0%)と大幅に増加して、971億円となりました。商
2005年3月期の有価証券損益は638億円の損失となり、2004
LNG、アルミ、石油化学品などの持分法適用
品市況の好調により、
年3月期の53億円の利益から大幅な悪化となりました。
一部非上
会社が利益を増やしたこと、
持分法を適用している投資ファンド
場株式の売却益の計上はあったものの、
上場有価証券の売却益は
でキャピタル・ゲインがあがったこと、
さらにサウディ石油化学
2004年3月期と比較して減少し、また三菱自動車工業の普通株
の株式買い増しにより持分法を開始したことが寄与しました。
ローソン株式取得時
式について122億円の減損を計上したこと、
全体
の暖簾につき544億円の減損を計上したことなどの影響で、
受取配当金、持分法による投資損益、
支払利息
では大きな損失となりました。
単位:10億円
7)固定資産損益
2005年3月期の固定資産損益は83億円の利益となり、2004
年3月期の184億円の損失から268億円の改善となりました。
こ
れは子会社で土地・建物などの減損の計上があったものの、
親会
社が保有していた品川の賃貸用ビルの大口の売却益の計上、子
受取配当金 . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益
(税引後). . . . . . . . . . . . .
支払利息
(受取利息控除後) . . . . . .
2003年
2004年
2005年
¥ 28.1
¥ 28.1
¥42.4
44.9
56.5
97.1
¥(10.6)
¥ (1.7)
¥(14.0)
会社での固定資産売却益の計上があり、全体では利益となった
ものです。
8)その他の損益
2005年3月期のその他の損益は412億円の利益となり、
2004年
3月期の153億円の利益からさらに改善しました。これは親会社
と子会社で、
厚生年金基金の政府への代行返上に伴う返還差益が
13)当期純利益
これらの結果、当期純利益は 2 0 0 4 年 3 月期から 6 6 3 億円
(57.2%)の大幅な増加となり、2 年連続で過去最高業績となる
1,824億円を記録しました。株主資本当期純利益率は2004年3
月期の10.7%から13.4%へと上昇しています。
計上されたことによるものです。
9)税引前利益
1株当たり当期純利益、配当金、ROE、PER
2005年3月期の税引前利益は、前記の売上総利益の増加に加
え、
利息尻、
受取配当金、
固定資産損益、
その他の損益がすべて改
2004年3月期
善したことで、
有価証券損益の悪化が打ち消され、
(39.8%)
増加して2,098億円となりました。
から597億円
1株当たり当期純利益
(希薄化後)
(円). . . . . . . .
配当金(円). . . . . . . . . . . .
ROE(%). . . . . . . . . . . . . .
PER(高)
(倍) . . . . . . . . . .
PER(低)
(倍) . . . . . . . . . .
2003年
2004年
2005年
¥32.26
8.00
6.3%
28.7
18.5
¥68.40
12.00
10.7%
16.9
9.2
¥107.58
18.00
13.4%
13.9
8.7
71
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2. 2005年3月期のセグメント別業績概況
オペレーティング・セグメント
オペレーティング・セグメント別売上総利益(2005年3月期)
(10億円)
400
1)新機能事業グループ
2005年3月期の当期純利益は、2004年3月期から98億円と大
300
123億円となりました。投資活動の成果として大口
幅に増加し、
のキャピタル・ゲインがあったことや、
物流、
ヒューマンケア、
携
200
帯電話事業などの関係会社の好業績が利益増加に寄与しました。
2000年4月にグループが発足して以来、初めて純利益
この結果、
100
が100億円を超えました。
2)エネルギー事業グループ
0
2005年3月期の当期純利益は458億円となり、2004年3月期
新機能
事業
エネルギー
事業
金属
機械
化学品
生活産業
これは市況
から152億円と約49.6%の大幅増益となりました。
が好調に推移したことで、
親会社においてLPGなどの取引総利益
が増加したことに加え、
原油価格の上昇およびこれに伴う天然ガ
ス価格の上昇や生産数量の増加などの要因により、
資源開発・生
産会社の持分利益や受取配当金が増加したことによるものです。
オペレーティング・セグメント別当期純利益(2005年3月期)
(10億円)
60
3)金属グループ
2005年3月期の当期純利益は482億円となり、2004年3月期
(55.4%)
の大幅な増加となりました。
これは銅、
ア
から172億円
40
ルミなどの金属資源需給の世界的逼迫により市況が高騰した結
果、
これらの金属資源の生産に従事している投資先の持分利益、
20
受取配当金が増加したことによるものです。
さらに、
一昨年に鉄
鋼製品事業部門を分社して設立したメタルワンが、
鋼材市況上昇
により2004年3月期を大きく上回る好決算となったことも貢献
0
しました。
新機能
事業
エネルギー
事業
金属
機械
化学品
生活産業
4)機械グループ
2005 年3月期の当期純利益は、2004年3 月期から132 億円
増加の554億円となりました。
親会社では、
プラント・ビ
(31.2%)
ジネスの受け渡しの減少があったものの、
自動車のアジア向け輸
出取引が好調で、
総利益は全体でほぼ横ばいとなりました。
一方、
品川の賃貸用ビルの売却益が計上されたことおよび、
国内の建設
オペレーティング・セグメント別総資産およびROA(2005年3月期)
(10億円)
(% )
2,500
5
2,000
4
1,500
3
1,000
2
500
1
機械レンタル事業関連子会社での売上増加、
船舶関連事業子会社
における市況高騰による収入増加、
アジアの自動車事業関連子会
社の好業績などが要因となって、
当期純利益が増加しました。
0
新機能
事業
エネルギー
事業
金属
機械
オペレーティング・セグメント別総資産[左軸]
オペレーティング・セグメント別ROA[右軸]
72
化学品
生活産業
0
MITSUBISHI CORPORATION
5)化学品グループ
ANNUAL REPORT 2005
地域別セグメント
2005年3月期の当期純利益は、2004年3月期に続いて石油化
1)日本
2004年3月期から40
学品を中心に市況が好調に推移したため、
売上高は、メタルワンの取引が好調だったことによる増収お
億円
(28.1%)
増加の181億円となりました。
親会社においては
よび市況好調に伴う石油関連や石油化学品関連取引の増加など
市況高騰の中で取引が増加したことに伴う総利益増、
マレーシア
2004年3月期に比べて1兆4,094億円(11.0%)増加し、
により、
の製造関連会社の業績が好調だったことによる持分法利益の増
14兆2,614億円となりました。売上総利益は、メタルワンの好調
加、
株式の買い増しによって持分法適用会社となったサウディ石
な取引による増益、
および新規の食料関連子会社を買収したこと
油化学の新規持分法適用の影響などが増益に貢献しました。
による影響などにより、2 0 0 4 年 3 月期に比べて 7 0 4 億円
増加し、6,366億円となりました。
(12.4%)
6)生活産業グループ
2005年3月期の当期純利益は449億円となり、2004年3月期
2)アメリカ
増加しました。親会社の総利益は食糧・食
から61億円(15.8%)
売上高は、
現地法人における資源関連取引およびエネルギー関
固
品取引の減少により2004年3月期から微減となりましたが、
2004年3月期に比べ
連子会社における取引の増加などにより、
定資産関連利益を計上したこと、ローソン事業が新機能事業グ
(17.8%)
増加し、
8,230億円となりました。売上総
て1,243億円
ループから移管されたこと、
新規買収の影響などによって食料関
利益は、
現地法人における資源関連取引およびエネルギー関連子
連子会社の持分利益が増加したことなどにより、
グループ全体で
2004年3月期に比べて81
会社における取引の増加などにより、
ローソン
は増益となりました。
なお、
当期純利益の449億円には、
億円
(19.9%)
増加し、
489億円となりました。
の投資にかかわる減損は含まれていません。
3)その他
売上高は、
アジアや欧州における自動車関連取引の増加や、
ア
2004年3月期に
ジアにおける石油関連取引の増加などにより、
連結対象会社の損益状況
単位:10億円
2003年
2004年
2005年
利益合計 . . . . . . . . . . . . . .
利益計上会社数
(社). . . . . .
¥134.2
420
¥179.8
419
¥219.5
394
損失合計 . . . . . . . . . . . . . .
損失計上会社数
(社). . . . . .
¥ (22.7)
107
¥ (14.7)
96
¥ (31.2)
115
黒字会社率
(%). . . . . . . . .
80%
81%
77%
(25.9%)
増加し、
2兆483億円となりました。
比べて4,220億円
売上総利益は、船舶関連取引の増加や食料関連子会社が買収を
行ったことなどにより、2 0 0 4 年 3 月期に比べて 2 9 8 億円
増加し、1,922億円となりました。
(18.4%)
(注)
上記解説文のうち、
売上高については、
日本の会計慣行に従って表示して
。
います
(連結財務諸表の注記1をご参照ください)
73
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
主要連結対象会社の状況(10億円以上の当社持分利益または5億円以上の当社持分損失を計上した会社)
利益計上会社
当社持分損益(億円)
グループ
国内
金属
生活産業
金属
化学品
生活産業
機械
新機能
エネルギー
新機能
機械
新機能
新機能
生活産業
機械
生活産業
機械
海外
金属
機械
金属
生活産業
コーポレート
エネルギー
化学品
機械
機械
金属
コーポレート
新機能
生活産業
機械
生活産業
機械
機械
化学品
生活産業
機械
会社名
出資比率
(%)
2005年 2004年
3月期
3月期
主な事業内容
60.00
31.71
136
64
64
57
ジェコ株式会社
サウディ石油化学株式会社
株式会社菱食
株式会社レンタルのニッケン
菱光ロジスティクス株式会社
エムピーディーシー・ガボン株式会社
株式会社エム・エス・コミュニケーションズ
株式会社ダイヤモンドシティ
株式会社日本ケアサプライ
エム・シー・トランス インターナショナル株式会社
三菱商事パッケージング株式会社
三菱商事テクノス株式会社
株式会社サンエス
三菱オートクレジット・リース株式会社
70.00
21.09
50.02
63.76
100.00
100.00
50.00
27.38
67.30
100.00
88.22
95.00
89.57
43.25
57
38
29
25
24
14
14
14
12
11
10
10
10
10
14
9
26
14
6
8
11
7
12
13
8
5
–
5
鉄鋼製品事業
コンビニエンスストア
「ローソン」
のフランチャイズ
チェーン展開
エスコンディーダ銅鉱山
(チリ)への投資会社
投資および石油・石化関連事業
食品卸売業
建設機械などの賃貸ならびに販売
倉庫業、
不動産業
ガボン国における石油の採鉱・開発・生産業
各種通信・端末機器販売
商業施設開発・運営
介護用具・用品のレンタル・販売
倉庫・運輸関連事業
各種包装資材、
段ボール原紙、
段ボール製品、
洋紙販売
産業機械・設備販売業
菓子卸売業
各種車両賃貸業および自動車販売金融業
Mitsubishi Development Pty., Ltd.(オーストラリア)
Tri Petch Isuzu Sales Co., Ltd.(タイ)
MCA Metals Holding GmbH(オーストリア)
Princes Limited(イギリス)
Mitsubishi International Corporation(アメリカ)
MCX New Ventures, Ltd.(アメリカ)
Aromatics Malaysia Sdn. Bhd.(マレーシア)
Isuzu Motors Co.,(Thailand)Ltd.(タイ)
Isuzu Operations(Thailand)Co., Ltd.(タイ)
M.C. Inversiones Limitada(チリ)
Mitsubishi Corporation(UK)PLC(イギリス)
Mitsubishi Corporation Finance PLC(イギリス)
Alpac Forest Products Inc.(カナダ)
The Colt Car Company Ltd.(イギリス)
Indiana Packers Corporation(アメリカ)
MKG BANK GmbH(ドイツ)
Thai Auto Sales Company Limited(タイ)
Metanol de Oriente, METOR, S.A.(ベネズエラ)
MCC Development Corporation(アメリカ)
ZAO Carnet 2000(ロシア)
100.00
88.73
100.00
100.00
100.00
100.00
30.00
27.50
80.00
100.00
100.00
100.00
70.00
49.00
80.00
100.00
93.50
25.00
30.00
40.00
247
89
65
37
32
28
28
25
24
22
19
18
16
15
14
12
12
12
12
10
249
92
23
34
(2)
10
9
23
16
15
15
23
13
14
12
22
3
12
7
–
石炭採掘販売
自動車輸入・製造販売ならびにこれに付帯する業務
モザールアルミ精錬所
(モザンビーク)への投資会社
食品飲料製造販売
貿易業
米国における石油・天然ガスの採鉱・開発・生産業
パラキシレン・ベンゼン製造・販売
車輌組立業
自動車販売
ロス・コロラドス鉄鉱山事業への投資会社
貿易業
証券投資など
パルプ製造・販売
自動車輸入販売業
豚肉処理・加工・販売業
自動車関連販売金融業
自動車販売金融業
メタノール製造・販売
生コンクリート・骨材製造販売関連を行う投資会社
自動車輸入販売業
会社名
出資比率
(%)
株式会社メタルワン
株式会社ローソン
損失計上会社
当社持分損益(億円)
グループ
国内
機械
機械
新機能
海外
新機能
機械
金属
新機能
エネルギー
金属
74
2005年 2004年
3月期
3月期
主な事業内容
宇宙通信株式会社
ダイヤモンドパワー株式会社
株式会社アイ・ティ・フロンティア
28.41
100.00
80.00
(11)
2 電気通信事業、受託国内放送事業
(8) (2) 電力小売事業
( 8)
5 IT総合ソリューション
MC Finance Intenational B.V.(オランダ)
Electricidad Aguila de Altamira(メキシコ)
Iron Ore Company of Canada(カナダ)
MCTI Polska SP.Zo. O(ポーランド)
Trinity Gas Resources Pty. Ltd.(オーストラリア)
Siam MCT Telecom Ltd.(タイ)
100.00
49.00
26.18
100.00
75.00
100.00
( 5)
( 7)
( 8)
( 9)
(24)
(76)
(5) 証券投資など
1 電力卸業
6 鉄鉱石生産販売業
(2) 総合物流
(2) 天然ガス開発・生産・販売業
(5) 通信機器リース業
MITSUBISHI CORPORATION
3. 2005年3月期のセグメント別の事業環境と2006年
3月期以降の見通し
1)新機能事業グループ
ANNUAL REPORT 2005
少子高齢化に伴い、
医療や介護に対しても急激に関心が高まっ
ています。
医療機関や介護施設は効率的な経営を求めており、
一
方で食や観光に対するシニアの方々のニーズも急激に高まって
新機能事業グループは、金融( Finance )、IT( Information
います。
このような社会の変化もまた、
総合商社にとっては、
社会
Technology)、物流(Logistics)、マーケティング(Marketing)のい
情勢を有機的に結びつけて新しいビジネス機会を創出していく
わゆるFILM機能を複合的に駆使したサービス型のビジネス提供
ために総合力を活かす格好の機会になります。
および、
これまで総合商社が手掛けてこなかった新たな事業領域
におけるビジネスモデル創造を目指しています。
ICT
当グループではこれらの事業環境の中で、金融事業本部、
事業本部、物流事業本部、ヒューマンライフ事業本部の4本部に
2005年3月期は、金融事業関連での戦略的提携先であるリッ
加え、
戦略子会社である三菱商事証券、
エー・アイ・キャピタル、
ア
ICT事業本
プルウッドファンドにおける日本テレコム売却益や、
イ・ティ・フロンティア、
ビーウィズ、
ユーフォリンク、
菱光ロジス
部関連でのVodafone の株式売却益が大きく寄与したことに加
ティクス、
エム・シー・トランス インターナショナル、
日本ホスピ
え、
菱光ロジスティクスやエム・エス・コミュニケーションズ、
昨
タルサービス、
日本ケアサプライ、
ディーライツ、
クリエイト・レ
年株式公開を果たした日本ケアサプライなどが順調に業績を伸
ストランツなどの各社が的確にビジネスチャンスをとらえてい
ばしたことで純利益は123億円となり、グループとして初めて
2006年3月期も継続して100億円を上回る利益の達
くことで、
100億円の大台を達成しました。
成を目標としています。
現在の当グループを取り巻く事業環境を見渡すと、
低金利の継
2)エネルギー事業グループ
続による運用難を背景により高いリターンを求める年金などの
2004年の原油市況は、中国をはじめとする世界の原油・石油
機関投資家の動きに加え、
ペイオフの解禁や郵政民営化などの動
製品の需要増加、
世界的な原油生産余力の減少、
大規模な投機資
きを受けた1,400兆円にも上る個人金融資産が本格的に動き出
金の流入および中東やロシアの供給支障への懸念などを背景に、
す可能性があります。
また、
ファンド資本主義という言葉に象徴
昨年よりもさらに高騰し、
年間を通じて高水準(年間平均1バー
される企業再生ファンドが世の中をにぎわしています。
このよう
で推移しました。
その結果、
原油価格と
レル当たり36.5米ドル)
1990年代からベンチャー投資や
な環境は当グループにとって、
リンクして変動するLNGの価格も高値圏で推移しました。
企業再生を手掛けてきた経験や、
さまざまな商品、
業界にネット
2005年の見通しとしては、OPECの積極的な増産体制、アメリ
ワークを有する総合商社としての知見を活かした新しい金融商
カの石油製品の在庫の積み上がりや、
ロシアの石油企業破綻によ
品を提供する余地が広がっていると言えます。
る供給支障懸念の沈静化といった需給バランス緩和の兆候が見
情報分野では、
企業が効率的な経営の追求を続けていることで
(2005年
られることに加え、
投機資金の流入も2005年3月期末
アウトソースの流れが加速しており、総合商社ならではのICT
(情報・通信テクノロジー)
ソリューションの提供やビジネスプロ
セスアウトソーシングなどの総合的なアウトソースサービスの
提供も拡大しています。
原油価格(ドバイスポット価格)
の推移
(米ドル/バーレル)
50
物流分野では、
特に著しい成長を見せている中国を中心とした
グローバルかつボーダレスな物流ネットワークが望まれていま
40
すが、
国際的な貿易取引に長年従事してきた総合商社は、
物流網
の構築にも大きなアドバンテージを持っています。
30
20
10
00.4
01.4
02.4
03.4
04.4
05.3
75
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
3月頃)をピークに減少傾向にあり、原油価格の下落要因は以前
に比べて増えてきています。
それにもかかわらず、
依然としてア
日本向けオーストラリア原料炭価格の推移
(米ドル/トン)
60
メリカの需要が旺盛でガソリン需要が高まる夏に向け製品供給
逼迫の懸念は消えないことや、
多少の下方修正はあるものの中国
需要は依然として堅調であることなどから原油価格は高止まり
50
しており、
さらなる中東の地政学リスクの高まりやアメリカにお
ける製油所トラブルなどによる一層の上ブレ懸念は残るものと
予想しています。
加えて、
関係専門機関による原油の予想価格に
40
ついても、
上記のような不透明な市況要因を反映してか、
その予想
価格の格差のばらつきは大きくなってきており、
確実な見通しを
30
00
立てることがますます困難な状況になりつつあります。
01
02
03
04
原油価格の見通しとして、2006年3月期は1バーレル当たり
36米ドルを見込んでいます。
当グループは、
西オーストラリア、
マレーシア、
メキシコ湾など
においてLNGや原油の上流権益あるいはLNG液化設備を保有し
ており、
上記の原油価格の変動により、
当グループの業績は影響
アルミ価格の推移
(米ドル/トン)
2,100
を受けることになりますが、原油価格1バーレル当たり1米ドル
の変化が、
主に持分法損益の変動を通して連結純利益10億円程
1,800
度の変動をもたらすと試算しています。
ただし、
この価格変動が
当グループの業績に影響を及ぼすのにはタイムラグがあるため、
1,500
この価格変動がただちに同じ期の業績に反映されるとは限りま
LNGの長期契約は一定の価格帯を設定した形で取り
せん。
また、
1,200
決められているため、
この価格帯の上下限を超える変動について
は、
この感応度と異なる場合があります。
900
00.4
01.4
02.4
03.4
04.4
05.3
01.4
02.4
03.4
04.4
05.3
3)金属グループ
金属資源事業においては、
中国経済の急成長を背景に、
2003
年後半から鉄鋼原料や非鉄金属の需給逼迫が顕著となっていま
2005年3月期にはこの需給逼迫傾向に拍車がかかり、鉄鋼原
す。
料では年間契約価格が2004年3月期と比べて20%前後の値上
げとなったほか、
非鉄金属も現物需給の逼迫に投機資金の流入が
銅価格の推移
(米ドル/ポンド)
2.0
2004年の年
加わったことで年間を通じて高値で推移しました。
間平均価格は、銅地金が2003 年のポンド当たり0.8 米ドルを
1.5
60%強上回る同1.3米ドルとなったほか、アルミ地金も2003年
のトン当たり1,433米ドルから同1,720米ドルに上昇しました。
1.0
市況の上昇を受けて、
価格上昇の増益効果がオーストラリアドル
金属資源関連の連
の切り上げによって相殺されたMDPを除き、
0.5
結子会社の持分利益は増加しました。
0
00.4
76
MITSUBISHI CORPORATION
現在、
需給の逼迫と市況の高騰を受けて、
鉱山の増産計画が相
ANNUAL REPORT 2005
重電機プラント輸出も機械グループの収益の柱の一つです。
次いでいますが、
増産効果が顕在化するまでには1∼2年のリー
2005年3月期は、2004 年3月期に引き続いて活況を呈した中
ドタイムを要することや、
鉱山の増産ペースに地金製錬の能力拡
国・タイを中心とするアジア市場向けに多数の契約が締結されま
2005年の需給状況も引き続きタイトで
張が追いつかないため、
2005年3月期は、中国の製鉄会社向けの高炉ガス焚
した。
なお、
あることが予想されます。
こうした環境の下で行われた2006年
発電設備の需要が大幅に伸びるなどアジア市場が需要の牽引
3月期積みの鉄鋼原料の価格交渉では、原料炭の中でも最も需給
となっている構造に変化はありませんでしたが、
イタリア、
アイ
2005年3月期と比べて2.2倍のト
が逼迫した強粘結炭の価格が、
ルランド、メキシコなどにおいても大型発電設備を受注しまし
鉄鉱石も2005年3月期と
ン当たり125米ドルで決着したほか、
2006年3月期も、中国・タイ・インドネシアで5∼8%台の経
た。
これを受け、
連結
比べて70%強の大幅値上げで合意されました。
済成長が見込まれており、
これら地域を中心にアジア・欧州での
主力の原料炭事業が大幅
子会社の2006年3月期の持分利益は、
大型成約を見込んでいます。
値上げとなったMDPで2005年3月期比700億円増の944億円
また、
機械グループでは、
新たな開発建設ビジネスとしてREIT
となるなど、
金属資源事業全体で800億円程度の増加を見込んで
や私募ファンドにも積極的に取り組んでいます。
日本の不動産証
います。
2004年末の
券化市場は2000年以降急速に拡大を遂げており、
鉄鋼製品事業は、中国における鉄鋼需要の急増を背景に、
J-REITが2.1兆円、私募ファンドは2.2兆円まで成長
市場規模は、
2004年に世界の粗鋼生産が初めて10億トンを突破し、鉄鋼製品
しています。
機械グループでは新機能事業グループと協力して、
2003年1月に設立されたメタ
価格も高騰するという環境の下、
2000年に運用会社「三菱商事UBSリアルティ」を設立し、2002
ルワンが2005年3月期の当期純利益として期初計画の125億円
年に商業施設特化型J-REIT
「日本リテールファンド投資法人」
を
2006年3月期も、中国
を大幅に上回る227億円を達成しました。
上場させるなど、
不動産ファンドビジネスに早期参入しました。
を中心にアジア地域の鉄鋼需要が増加することを根拠に市況が
2004年10月私募ファンドの運用会社として「ダイヤモ
さらに、
堅調に推移すると見込んでおり、メタルワンの当期純利益は
ンド・リアルティ・マネジメント」
を設立し、
今後は国内外機関投
2005年3月期並みの200億円を予想しています。
資家の参入で市場拡大が期待される私募ファンド
(商業施設・物
4)機械グループ
流倉庫・賃貸住宅)
の組成・運用事業にも取り組み、
さらなるビジ
機械グループの自動車事業では、
タイでいすゞ自動車と合弁で
行っている商用車の製造・販売ビジネスが収益の大きな柱になっ
ネスの拡充に努力していきます。
5)化学品グループ
ています。2005年3月期のタイ経済はGDP成長率が約6%と好
世界の化学品業界では、
昨年来大きな構造変化が進行していま
況が持続し、
タイ国内の乗用車・商用車の総販売台数は62万6千
す。
特に石油化学製品に関しては、
資源価格の高騰から、
供給サイ
台とアジア危機以前のピークも上回る過去最大規模となりまし
ドにあっては中東地域のコスト優位性と北米の競争力低下がま
た。
このような自動車の需要拡大を背景に、
タイ自動車事業の中
すます顕著となっており、
需要サイドにあっては中国を中心とし
核販社であるTri Petch Isuzu Sales Co., Ltd.(TIS)の販売も
たアジア市場の拡張傾向に止まる気配がありません。
このような
2005年3月期は同社からの持分法利益として89億円を
拡大し、
2005年3月期は、川上業界では需給が逼迫し、期初の
環境の下、
2006年3月期もタイ経済は好調を持続し、2005
計上しました。
予想を大きく上回る石油化学製品の値上がりと高止まりにより
年3月期と同レベルのGDP成長率が見込まれています。
またタイ
活況を呈した一方で、
それを原料とする川中・川下業界では末端
国内における自動車の総販売台数は2005 年3 月期と比較して
商品への価格転嫁が困難なことによる採算悪化から苦戦を強い
9% 程度伸びることが期待されます。しかし、一方で他自動車
られるという、
対照的な展開となりました。
メーカーの新車投入などにより、
タイ国内市場での競争は激化し
TIS社では販売台数は増加するものの販売価格は低下す
ており、
ることが見込まれています。
77
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
今後の化学品業界にあっては、
市況は回帰局面に向かうものと
力が増大しています。
このような状況下、
国内消費市場において
思われます。
現在、
業界では、
再編による企業の大型化・合理化、
大
は業界・国の垣根を越えた競争がますます激化し、
優勝劣敗が鮮
規模新増設ラッシュなどさらなる競争激化を促す要因が見られ
明となってきています。
2007年または2008年
ますが、
その影響にはタイムラグがあり、
以降になって市況に対して本格的に効いてくると思われます。
一時的あるいは突発的な要
以上から2006年3月期の市況は、
2006年3月期以降は、
国内個人消費の回復具合が注目されます
が、
市場全体がデフレ基調・低成長であることに大きな変化はな
いと考えています。
また、
「食の安心・安全」
「健康志向」
「環境保護」
因に起因する変動を除けば、
業界事情よりも資源価格動向、
政治
に対する社会の関心は一層高まってくると考えており、
社会・業
的・社会的不安定要因による地域リスク、
末端消費者トレンドな
界において信頼性を確立していくことが重要となっていきます。
どといった要因の影響が大きいと考えられます。
従って、
これら
食糧・食品分野では、
今後国内需要の大きな拡大は見込めませ
の要因が現状から大きく乖離することはないと仮定すれば、
石油
んが、
菱食や明治屋商事などを軸として、
全国規模で流通体制を
化学製品価格の大幅な下落の可能性は低く、
川上業界は高値安定
さらに強化していくとともに、
拡大傾向にある中食市場や、
組織
状態のメリットを享受していくと思われます。
一方、
川中・川下業
化の進む外食市場に対する取り組みにも注力していきます。
海外
界においても、
価格転嫁と合理化による効果から採算の回復が期
においては、
穀物や大豆などを中心に、
中国をはじめとする世界
待できるため、
業界全体では不安材料の少ない環境が当面続くと
的な食料需要は今後も高い水準で推移することが予想され、
それ
予想されます。
ただ、
昨今、
環境変化のスピードやその規模は従来
をカバーする新たなサプライソースが台頭しつつあります。
当グ
の常識では測れない場合も少なくないため、
見通しについては予
ループとしては、
グローバルレベルでの物の流れの変化に対応す
断を許しません。
べく、北米の食糧関連事業をAgrex に集約するなど各拠点を整
2005年3月期の業績は、汎用化学品分野で上述の市況を的確
備・強化しています。
にとらえトレーディング収益を大幅に拡大し、
また投資関連収益
(製造
衣料分野では、
市場でシェアを伸ばしてきたSPA型企業
も上昇したことから、
過去最高益であった2004年3月期をさら
小売業)
は、
従来の商品・サービスに加えて、
衣料品以外の生活雑
に上回る実績を上げることができました。
貨を加えた複合業態の開発に取り組んでおり、
新たな市場の創出
2006年3月期については、市況の沈静化により2005年3月期
が進んでいます。当グループとしても、
ライフギア コーポレー
ほどのトレーディング収益には及ばない可能性があるものの、
汎
ションなどとの連携により、靴、雑貨、家具を含めたクロスマー
用化学品分野では、
取引数量の拡大、
質の向上、
合理化・効率化と
チャンダイジングへの対応力を強化していきます。
いった営業力のさらなる強化、
競争力のある資源型投資の推進に
資材分野では、
アメリカの安定成長、
中国・アジアの高成長に支
努めます。
機能化学品分野では、
選択と集中のさらなる徹底とバ
えられ、
原料取引の拡大が期待されます。
特にセメント事業に関し
リューチェーンの深耕・強化などにより収益力の安定化を図り、
(Mitsubishi Cement Corporation)
ては、
アメリカ西海岸のMCC
先端化学品分野ではイノベーションを軸とした成長戦略による
や中国の煙台三菱セメントの相互補完の関係を強化し、
市場リス
将来のビジネス
(モデル)
を追求し、
当グループ全体の収益力の安
クを分散しつつ、
環太平洋地域におけるセメント・生コンクリー
定的拡大に向けた体制固めを行っていきます。
ト事業を拡大していきます。
6)生活産業グループ
当グループが対面している国内消費市場は、
市場全体に飽和感
がある一方で、
消費者の価値観・ライフスタイルの多様化に伴い、
4. 研究開発活動
当社の2005年3月期の研究開発費は約22億円でした。
この研
健康志向、
ブランドや生鮮品といった差別化された価値への要求
究開発費の中には、
親会社の事業開発部にて推進していた高圧縮
が高まるなど、
新たな成長カテゴリーや業態の変化が生じていま
の開発費用、
ナノテクノロジー
水素エネルギー発生装置
(HHEG)
す。流行の波や商品のライフサイクルはますます短くなってお
分野でのフラーレンの用途開発費用、
および連結子会社のMDP
り、
消費者の動向を敏感にとらえ、
いち早く対応できる企業が優
で計上した探鉱費用などが含まれます。
位性を確保する環境となり、
川下に近いところで需要家側の交渉
78
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
5. 流動性と資金の源泉
債を合わせた短期の市場性資金が2,581億円であるのに対して、
1)資金調達方針と流動性マネジメント
現預金、
一年以内に満期の到来する公社債、
フィーを支払って確保
当社は事業活動を支える資金調達の基本方針として、
低コスト
カバー
しているコミットメントラインが合計で8,804億円あり、
でかつ安定的に資金が確保できることを目標としています。
資金
ちなみに親会社
率は341%と十分な水準にあると考えています。
CPや社債などの直接金融と銀行借入などの
調達に当たっては、
親会
は、
円貨で3,100億円のコミットラインを国内主要銀行より、
間接金融とを機動的に選択・活用しており、
その時々のマーケッ
社と米国三菱商事は外貨で10億ドルのコミットラインを欧米主
ト状況に応じた有利手段を追求しています。
当社は資本市場での
要銀行より取得しており、
本体のみならずグループ内関係会社へ
評価も高く、
低利での資金調達が可能となっていますが、
加えて
の資金供給にも即応できる十分な流動性を確保しています。
間接金融についても、
メインバンク以外に外銀・生保・地銀などの
S&P、R&Iは2005年2月から3月にかけて総合
ムーディーズ、
金融機関とも幅広く良好な関係を維持しており、
調達コストは競
商社各社の格付けレビュー結果を公表しましたが、
当社の格付け
争的なものとなっています。
が据え置かれる一方で、
三井物産、
住友商事などの他商社の格付
2005年3月期、調達を前倒し気味に進めるという計画
当社は、
これは、
資源価格の高騰な
けは1ノッチの格上げとされました。
に基づき、
期落額を上回る長期資金を調達しました。
また、
長期資
どにより各商社の業績が好調な中、
当社については三菱自動車工
金調達手段の多様化の一環として、
従来の社債・生保借入以外に
業への追加支援が信用力判断上のマイナス要因と見なされたた
5 0 0 億円のシンジケートローンを実行しました。この結果、
めです。
2005年3月末の親会社でのグロス有利子負債残高2兆6,194億
2005年2月にムーディーズは格付けレビューの結果、当社の
のうち、
約94%が長期資金と
円
(連結ベースでは4兆1,007億円)
で据え置く
格付けをそれまでと同じ3/P-2(見通しポジティブ)
、
その平均残存期間は約5年
なっており
(連結ベースでは約87%)
2005年1月に当社が発表した1,000億円
ことを発表しました。
となっています。
現状、
長期資金の調達コストは歴史的に見ても
の三菱自動車工業への追加支援については、
それによって当社の
低い水準にありますが、
金融の量的緩和政策の終了などで上昇す
短期的業績がマイナスの影響を受けるリスクがあると指摘しな
るリスクも懸念されるため、
今後も償還のピークを迎える長期資
がらも、足元の堅調な連結ベースでの業績を維持することによ
金などの置換も含めて、
引き続き長期資金の調達を基本としてい
り、
収益や財務基盤への影響は限定的であると判断したことの結
く方針です。
果です。
しかし、
三菱自動車工業への投資は、
特定の1社に対して
また、
当社では親会社を中心に、
国内外の金融子会社、
海外現地
エクスポージャーを集中させるという日本の総合商社のビジネ
法人およびその他の子会社においてそれぞれ資金調達を行い、
事
業投資先への資金供給をするというグループファイナンスを推
進しています。
特に、
国内の連結子会社となる事業投資先につい
ては、グループファイナンスによる調達を原則化しており、
運転資本、
流動比率
(10億円)
(% )
1,200
200
900
150
600
100
300
50
2005年3月末で、原則化の対象となる事業投資先の総有利子負
債に占めるグループファイナンスの比率は約65%となっていま
す。
今後も、
グループ全体として安定的に低コストの資金が確保
できるよう、
資金の調達は親会社本店や国内外の金融子会社に集
中していく方向で考えています。
2005年3月末の流動比率は連結ベースで126%となっており、
流動性の点で当社の財務健全性は高いと考えています。また、
2005年3月末時点の親会社、米国三菱商事、Mitsubishi Corporation Financeの3社でCPおよび1年以内に償還を予定している社
0
0
01.3
02.3
03.3
04.3
05.3
運転資本[左軸]
流動比率[右軸]
79
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
スモデル特有のリスクを示しているとし、
今後の格付け向上のた
有形固定資産については、
リース案件の増加による資産増はあ
めには、
多様な事業ラインからの収益、
メインバンクからの強力
りましたが、
品川の賃貸用ビルの売却による減少があり、
全体で
なサポート、
投資決定後の強力かつ積極的なモニタリング、
投資
減少して1兆2,272億円と
は2004年3月期比510億円(4.0%)
の最大集中の限度設定などが必要であるとしています。
なりました。
当社としては、
格付け機関からの指摘も踏まえ、
三菱自動車工
一方、
負債については、
親会社・子会社での営業債務の増加や長
業の再生計画進捗のモニタリングを継続するともに、
リスクマネ
2004年3月期より4,280億円増加
期借入金の新規調達などで、
ジメントのさらなる強化、
重点事業からの一層の収益拡大に努め
、7兆4,145億円となりました。
し
(6.1%)
(12.0%)
増加して3
流動負債は2004年3月期より4,142億円
ることで、今後の格付け向上を目指していきます。
兆8,604億円となりました。
石油価格上昇・取扱数量増加で親会
社の営業債務の増加、
鉄鋼製品市況好調によるメタルワンでの営
インタレストカバレッジレシオ
単位:10億円
営業利益 . . . . . . . . . . . . . .
受取利息 . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払利息 . . . . . . . . . . . . . .
インタレスト
カバレッジレシオ(倍). . .
2003年
2004年
2005年
¥100.6
33.8
28.1
¥130.5
29.4
28.1
¥183.4
41.5
42.4
162.5
(47.8)
188.0
(40.0)
267.3
(43.2)
業債務の増加があったことなどによるものです。
長期借入債務は2004 年3 月期と比較してほぼ横ばいの3 兆
247億円となりました。長期借入金の短期への振替による減少が
ありましたが、
新規にシンジケートローンによる長期資金の調達
があり、2004年3月期とほぼ同水準となりました。
年金および退職給付債務は 2 0 0 4 年 3 月期より 2 8 0 億円
3.4
4.7
6.2
(注)
営業利益=売上総利益−
(販売費および一般管理費+貸倒引当金繰入額)
減少して542億円となりました。
2005年3月期に実施
(34.0%)
した厚生年金の代行部分返上による減少が主な理由です。
増
長期繰延税金負債は2004年3月期から713億円(51.9%)
2)資産および負債・資本
2005年3月期末の総資産は2004年3月期末より7,571億円
増加し9兆1,499億円となりました。
親会社・子会社にお
(9.0%)
ける取引増加に伴う営業債権の増加や、関連会社の増資引き受
け、
新規の株式取得により投資残高が増加したことなどによるも
のです。
(14.1%)
増加して4兆
流動資産は2004年3月期比6,037億円
8,737億円となりました。これは、親会社における資産売却に伴
う現金の増加、
石油価格上昇や取り扱い数量の増加による親会社
における営業債権の増加、
メタルワンにおける鉄鋼製品市況高騰
による営業債権・棚卸資産の増加などによるものです。
(8.5%)
増
投資および長期債権は2004年3月期比2,203億円
LNG関連プロジェ
加して2兆8,202億円となりました。これは、
クトでの関連会社増資引き受け、
保有株式の上場に伴う含み益の
増加、
三菱自動車工業株式取得などにより投資残高が増加したこ
とによるものです。
これは、
主に新規上場株式の含
加して2,089億円となりました。
み益計上などによるものです。
(27.3%)
増加して2,309億円となり
少数株主持分は495億円
ました。
これは子会社での利益積み上がりによる影響のほか、
新
規連結の子会社があったことなどによるものです。
資本合計は2004年3 月期比2,796億円(22.8%)増加の1 兆
5,045億円と、2004年3月期に続いてさらに増加しました。当期
純利益による増加の他、
前述の保有株式の上場に伴う未実現有価
代行返上
証券評価益が1,215億円と大幅に増加したことに加え、
に伴う年金積立不足の減少により最小年金債務調整額も51億円
改善したことで、
為替換算調整勘定が106億円悪化したものの、
資本合計では大幅な増加となりました。
また、
有利子負債総額から現金および現金同等物を控除した有
利子負債額
(ネット)は、2005年3月期末は3兆4,790億円とな
2004年3月期末と比較して418億円の減少となっています。
り、
この結果、
有利子負債額
(ネット)
を期末資本合計で除した有利子
負債倍率
(ネット)
は2004年3月期末の2.9倍から2.3倍に低下
しています。
80
MITSUBISHI CORPORATION
キャッシュ・フローの推移
有利子負債、ネット有利子負債倍率、ROIC
(10億円)
単位:10億円
短期借入金 . . . . . . . . . .
長期借入金 . . . . . . . . . .
株主資本 . . . . . . . . . . . .
ネット有利子負債倍率
(倍). . . . . . . . . . . . . .
ROIC(基礎収益)
(%). . .
ANNUAL REPORT 2005
2003年
2004年
2005年
¥ 918.8
2,994.1
938.6
¥1,025.2
2,987.2
1,224.9
¥1,115.4
2,983.7
1,504.5
3.8
3.7%
2.9
3.9%
2.3
5.9%
300
200
100
0
3)キャッシュ・フロー
2005年3月期の現金および現金同等物の期末残高は、2004年
–100
01.3
3月期末に比べ1,012億円(21.3%)増加し、5,768億円となりま
した。
これは、
主に2005年3月期の好調な営業活動による資金の
増加に伴うものです。
02.3
03.3
04.3
05.3
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フロー
2005年3月期では、営業活動により資金は1,486億円増加し
ました。
これはメタルワンにおいて、
鉄鋼製品市況の好調による
6. 戦略関連事象と見通し
取引増加を背景に運転資金負担が増加したものの、
資源関連を中
1)経営課題と今後の方針
心とした配当収入および国内食品関連子会社や海外自動車関連
当社は2004年7月に、
2005年3月期から2008年3月期の4年
子会社、
海外資源関連子会社などの営業取引収入が堅調に推移し
間を対象とした新たな中期経営計画
『INNOVATION 2007 ∼ 未
た結果、資金が増加したことなどによるものです。
来を拓く』を策定しました。
親会社が品川の
投資活動では、
資金は516億円減少しました。
賃貸用ビルや国内物流関連子会社での固定資産を売却したこと
に加え、
債券償還による収入や貸付金の回収があったものの、
三
■ビジョン
本計画では、
「新・産業イノベーター」
というビジョンを掲げて
います。
菱自動車工業の株式引き受けやサハリンIIなどの海外天然ガス
これは、
構造変革が本格化する中、
あらゆる産業にグローバル
事業への投資およびリース用航空機の取得による支出が大き
なアクセスを持ち、
市場変革の潜在力を持つ当社の強みを活かし
かったことによるものです。
て、
市場のニーズから産業をとらえ直して新しい仕組みの提案や
上記の投資活動によるキャッシュ・フローのマイナス金額は、
創出をしたり、
次世代を担う新産業の創生を支援することで、
産
営業活動によるキャッシュ・フローのプラス金額の範囲内に収
業界の発展に寄与し、
お客さまとともに成長のシナリオを構築す
まっており、
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によ
る役割を果たしていこうというビジョンです。
るキャッシュ・フローの合計額であるフリー・キャッシュ・フロー
■4カ年の計画と定量目標
2004年3月期より減少はしていますが、引き続き969
の金額は、
億円のプラスとなっています。
財務活動では、
親会社が中長期資金を新規に調達したことや、
このようなビジョンの下、
「ホップ」
「ステップ」
「ジャンプ」
のイ
「ジャ
メージで、
「ホップ」
「ステップ」
の期間をそれぞれ2年とし、
ンプ」
に至るまでの4カ年を本計画の対象期間としています。
メタルワンにおいて運転資金見合いの借り入れが増加した一方
「ホップ」
期間では、
経営基盤を固め、
将来の成長事業への取り
で、
海外船舶子会社などにおいて長期資金の返済を実施したこと
組みや人材の育成に重点をおいて経営を進めることにしており、
などにより、資金は33億円の微増となりました。
「ステップ」
期間にさらなる成長戦略を推し進め、
「ジャンプ」
期間
には連結純利益2,000億円以上を常に目指せる体質にしていく
ことを目標にしています。
81
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2005年3月期の連結純利益は、事業領域の「選択と集中」によ
してテーマ別に設置される全社横断組織のワークショップの
り経営資源の重点配分を進めてきた成果に加えて、昨今の資源
活性化も含めた当社全体のイノベーション戦略を統括・推進
2006年
相場の活況もあり、
史上最高の1,824億円となりました。
していきます。
3月期もそれを更新する2,800億円の連結純利益を見込んでい
c. 戦略地域への対応
ますが、
このような資源相場の影響を除いたとしても、
連結純利
本計画では、
経済成長が著しい中国およびインドを、
全社を
益2,000億円以上を安定的に実現できるよう成長戦略を実行し
挙げて重点的に取り組むべき戦略地域と位置づけています。
ていく方針です。
2005年4月
特に、
中国については、
取り組みを強化するため、
資源価格
なお、
「ホップ」
期間が終了する2006年3月期末には、
1日付で、全社的な中国戦略の立案・推進、および営業グループ
など各種経済環境の中長期的展望も踏まえて、
計画期間の数値目
の個別戦略への支援・協力を行う
「中国担当役員」
を任命し、
そ
標を見直す予定です。
の管下組織として
「中国事業戦略オフィス」を新設しました。
■具体的な方針
実現のために必要な諸施
本計画は以下の3点を基本方針とし、
② 人を活かし人を育てる(社員の活力とビジネス感度の向上)
人材の育成や確保、
社員の活力向上に向けて、
以下の整備と環
策を設計、実行しています。
境作りを進めています。
① 変化を捉えて未来を拓く(中長期的な成長戦略)
a. 成長を支える人材の育成と確保
② 人を活かし人を育てる(社員の活力とビジネス感度の向上)
③ 足場を固める(経営基盤の継続的強化)
ビジネス感度の高い人材の育成が重要であるという認識の
下、
当社の基本である、
お客さまのニーズに応えてビジネスを
構築する信頼感のある人材のさらなる育成に加えて、連結経
① 変化を捉えて未来を拓く(中長期的な成長戦略)
では中長期的な成長戦略として、
下記
『INNOVATION 2007』
の方針を掲げています。
a. 中核ビジネスの徹底強化
今後も成長が期待され、当社の強みが発揮できる、天然ガ
IPP事業、資源型化学品、食糧、
ス、
石油資源、
金属資源、
自動車、
食品、
金融事業、
医療・介護関連事業などに経営資源を重点的
に投下しています。
また、
これらの成長戦略を支援するために、
財務経理、
金融、
営を支える事業投資先経営者やCFO人材の確保や育成に、長
期的視点から取り組んでいます。
b. 社員の活力向上に向けた人事制度の整備
社員のモチベーションを高め、
最大限に活力を高められる
よう、
評価制度や研修制度など人事制度の整備に継続的に取
り組んでいます。
③足場を固める
(経営基盤の継続的強化)
成長戦略を推進し、
連結経営を充実化するために、
経営基盤の
さらなる強化に取り組んでいます。
企業再生、事業戦略提案といったコーポレート機能を強化す
a. 事業領域の「選択と集中」を進めるために導入したビジネスユ
るとともに、
内外に広がる拠点ネットワークについても連結
制やMCVA、
およびバランスシート管理といった
ニット
(BU)
経営下での事業投資の増加に対応できるよう機能を進化さ
経営の基本的枠組みを継続し、ポートフォリオマネージメン
せ、
各拠点からの情報発信を充実させてビジネスチャンスの
トの一層の推進を図っています。
拡大を目指しています。
b. 連結経営情報をより正確に、かつより早期に把握し、適切な経
b. 将来の戦略分野への対応
営判断を可能とする体制整備や、ITを活用した経営システム
2005年4月
次世代を担う新しい成長分野を取り込むため、
の再構築を行っています。
その成果の一つとして、
この2005
1日付で「チーフ・イノベーション・オフィサー」を任命し、その
年3月期決算より、
従来日程を2週間ほど早期化し、
翌月末の決
管下に
「イノベーションセンター」
を新設しました。
算公表を実現しました。
「イノベーションセンター」
は従来から取り組んでいる全社
c. 内部統制体制については、コンプライアンスを徹底し、適正な
的な開発に加えて、
各営業グループにおける新しいビジネス
財務報告を行い、
かつあらゆるリスクを系統立てて把握・管理
への取り組みや、複数のグループをまたがる分野への対応と
し、
業務を効率的に遂行できるようにするため、
連結ベースで
の体制の一層の強化と継続的な改善を図っています。
82
MITSUBISHI CORPORATION
■ステークホルダーについて
本計画では、
「株主・債権者」
「お客さま・パートナー」
「従業員」
ANNUAL REPORT 2005
2004年10月に当社は、明治屋との間で食品・酒類卸売り
また、
業を行う新会社を設立することで合意しました。
新会社の資本金
の三者を中心とした
「ステークホルダー・トライアングル」
という
当社が51%、
明治屋が49%を出資し、
また、
明治屋
は50億円で、
考え方を示しており、
すべてのステークホルダーに評価される
が保有する卸部門の営業権・資産などを譲り受け、新会社は
企業を目指して経営の舵取りを進めていくことを基本方針とし
2005年4月より「明治屋商事」として営業を開始しています。新
ています。
会社は明治屋が持つ歴史・商権・機能・人材を受け継ぎ、
当社の情
2)利益配分に関する基本方針
報力・信用力・資本を新たに活用することで、
顧客満足につながる
当社は従来、
株主に対する安定的な配当を維持しながら、
内部
留保を活用して企業価値の最大化を図ることで株主の期待に応
高いレベルのサービスを提供する食品・酒類総合中間流通業を目
指します。
えていくことを基本方針としていました。2004年3 月期には、
2005年3月期にサウディ石油化学の株式を
化学品分野では、
1,000億円台の連結純利益を計上できる経営基盤を築くことが
追加取得して、
持分法適用会社としました。
サウディ石油化学は、
できたことを新たに勘案し、1株当たり普通配当を従来の8円か
サウディ基礎産業公社と合弁で設立した石油化学品の製造・販売
ら10円に引き上げるとともに、特別配当2円を加えて12円の配
の日本側投資会社であ
会社であるSHARQ(在サウジアラビア)
当を実施しました。
SHARQ
り、
現状、
当社は同社の株式21.09%を保有しています。
2005年3月期は、連結純利益が過去最高益の1,824億円とな
はサウジ産の天然ガスを原料としてエチレン、
エチレングリコー
り、
さらに2006年3月期の連結純利益は3年連続で最高益の更新
ル、
ポリエチレンなどの石油化学品を生産しており、
原料供給地
内部留保の活用によ
となる2,800億円を見込んでいることから、
に近いという優位点を持っています。当社はサウディ石油化学
る企業価値の最大化を引き続き基本方針としつつ、2005年3月
を、
化学品グループの中期戦略の一つである
「資源立地型化学品」
期より各期の連結業績に応じて株主への直接的な利益還元を行
分野の一翼を担う会社と位置づけています。
う業績連動的な配当の考え方を取り入れることにしました。
4)2006年3月期の見通し
2005年3月期の1株当たりの配当は、従来の見通
これに伴い、
2006年3月期の連結売上高は、親会社の石油関連取引が減少
(5割)
引き上げて18円で実施しました。
しである12円から6円
するものの、
食品関連子会社の新規連結の影響や、
原料炭価格の
2006年3月期の1株当たりの配当金額は、連結純利益が
なお、
高騰による金属の資源関連子会社の取引額増加などにより、
2005年3月
現状の見通しである2,800億円となった場合には、
2005年3月期とほぼ同額の17兆5,000億円を予想しています。
(約4割)
増加の26円とする予定です。
期配当からさらに8円
3)主たるM&A活動
売上総利益につきましては、
原料炭価格の高騰により金属の資
源関連子会社の総利益が大幅に増加することに加え、
食品関連子
2004年に当社は菓子卸最大手サンエスからの経営支援要請
2005年3月期を1,222億円
会社の新規連結の影響などにより、
に基づき、
同社の株式を90%超取得して連結子会社としました。
また営業利益につきましても、
同
上回る1兆円を見込んでおり、
同社は菓子中
サンエスとは1970年代前半から取引関係があり、
様に大幅増加を見込んでいます。
間流通における当社の重要取引先です。
サンエスは2004年3月
当期純利益は、
営業利益の増加に加え2005年3月期に計上し
末に財務運用の失敗から自己資本が著しく減少したため、
同社の
たローソン宛出資にかかわる暖簾減損処理などの反動などから、
第三者割当増資引き受けによる経営支援の要請を当社に依頼し
2005年3月期を976億円上回る2,800億円を予想しています。
てきました。
当社はサンエスとの過去33年間にわたる取引上の
なお、
業績見通しの算出に際しては、
為替レートは100円/米
関係と、
同社を傘下におくことで菓子中間流通力の強化を図ると
金利
(TIBOR)
は0.20%を
ドル、原油価格は36.0米ドル/BBL、
いう戦略上の観点を考慮し、
出資を決定しました。
今後の食品フ
前提としています。
ルライン化戦略の中で、
加工食品流通の菱食と並んで、
同社を菓
子卸ビジネスの核に据えて育成していく方針です。
83
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
主要通貨の為替レート推移
主要取引国・地域の名目GDP成長率
(%)
(円)
150
20
100
10
50
0
0
–10
00.4
米ドル
ユーロ
01.4
02.4
03.4
04.4
05.3
00
豪ドル
元
日本
アメリカ
中国
01
02
03
04
ブラジル
インド
アジア8カ国・地域(シンガポール、タイ、インドネシア、
フィリピン、マレーシア、香港、韓国、
台湾)
(参考)前提条件の推移
為替レート
原油価格
金利
(TIBOR)
2006年3月期(予想)
2005年3月期(実績)
増減
100.0円/米ドル
36.0米ドル/BBL
0.20%
107.5円/米ドル
36.5米ドル/BBL
0.09%
▲7.5円/米ドル
▲0.5米ドル/BBL
+0.11%
(注意事項)
本アニュアルレポートにおける業績予想や将来の予測などに関する記述は、
現時点で入手された情報に基づき合理的と判断した予想であり、
潜在的なリスクや不
確実性その他の要因が内包されています。
従いまして、
実際の業績は、
見通しと大きく異なる結果となる可能性があります。
7. 事業等のリスク
1)世界マクロ経済環境の変化によるリスク
タイ、
インドネシアでは、
当社は日本の自動車メーカーと協同
で自動車の組立工場、
販売会社、販売金融会社を設立し、
広範な
当社はグローバルにビジネスを展開しており、
当社の業績も世
自動車事業を展開しています。自動車の販売数量はこれらの国
界のいくつかの国々の景気動向と連関しています。
日本の景気動
の内需に連関するため、
タイ、
インドネシア両国の経済動向は当
向が重要なことは言うまでもありませんが、
海外における事業に
社の自動車事業から得られる収益に大きく影響を与えることに
注力した結果、
日本の景気が当社業績に与える影響は、
近年相対
なります。
的に小さくなってきています。
一方、
貿易相手国の中心であり、
事
2)市場リスク
業投資も数多く行っているアジア諸国の景気動向の当社業績へ
a. 商品市況リスク
の影響は大きくなってきています。
当社では商取引や、
資源エネルギーの権益を保有して生産物を
中国はプラント、
建設機械用部品、
鉄鋼製品、
鉄鋼原料、
化学品
販売すること、
事業投資先の工業製品の製造・販売をすることな
などの主要輸出先であり、
中国経済の動向は当社の業績に直接的
どの活動においてさまざまな商品価格変動リスクを負っていま
LNG・原油などのエネルギー資源、原
に影響を及ぼすのに加え、
す。
当社の業績に大きな影響を与える商品分野として次のような
料炭・銅・アルミなどの金属資源などの価格は中国の需要動向で
ものがあげられます。
大きく左右され、
その点で当社の資源ビジネスも影響を受けると
いうことが言えます。
84
MITSUBISHI CORPORATION
(エネルギー資源)
当社は西オーストラリア、
マレーシア、
ブルネイなどにおいて
ANNUAL REPORT 2005
(石油化学製品)
当社はナフサや天然ガスを原料として製造される石油化学製
LNGや原油の上流権益あるいはLNG液化設備を保有しており、
品の貿易取引を広範に行っています。
石油化学製品はこれら原料
LNGや原油の価格変動はそれらの事業の業績に大きな影響を与
市況ならびに需給バランスなどの要因から、
製品ごとに固有の市
えます。
況を形成しており、
その変動は当該取引から得られる収益に影響
LNGの価格は基本的に原油価格にリンクしており、1バーレル
を及ぼします。
当社の純利益は主
当たりの原油価格が1米ドル変動することで、
また、
マレーシアやベネズエラではパラキシレン、
ベンゼン、
メ
に持分法投資損益の変動を通してLNG・原油合わせて10億円程
タノールなど石油化学品の製造・販売会社に出資しており、
これ
LNGや原油の価格変動が当社の業績に影
度変動します。
ただし、
らの会社の業績も市況の影響を受け、
当社の持分法投資損益に影
響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、
価格変動がただちに
響を与えます。
業績に反映されるとは限りません。
b. 為替リスク
(金属資源)
当社はオーストラリアの100%子会社Mitsubishi Develop-
ment(以下、MDP )を通じて、鉄鋼原料となる原料炭を中心に
当社は貿易取引において為替リスクを負うことがありますが、
先物予約などを通じてヘッジしており、
当社の経営に大きな影響
を及ぼすようなリスクは負っていません。
石炭価
年間25∼26百万トンの石炭を生産し販売していますが、
ただし、海外における事業からの受取配当金や海外連結子会
格の変動はMDPの収益変動を通じて当社の連結業績に影響を与
社・持分法適用会社の持分損益の連結純利益に占める割合が比較
えることになります。石炭の販売については、大半が年間契約
的高いことから、
外国通貨に対して円高が進むと連結純利益にマ
ベースになっており、
年一回の需要家との交渉によって決定され
イナスのインパクトを与えます。米ドル・円のレートが1円変動
た価格が、
むこう1年間の船積みに適用されることになっていま
すると、連結純利益に約12億円の変動をもたらします。
2006年3月期についてはすでにMDPが販売する石
す。従って、
また、
当社の海外事業への投資については、
円高が進行すると
炭の価格は基本的に決まっているため、
年度内での市況変動が当
為替換算調整勘定を通じて自己資本が減少するリスクがありま
社業績に及ぼすインパクトは小さいと言えます。
石炭の年間契約
す。
このため、
大口の新規投資については為替リスクのヘッジを
価格の変動が当社の連結純利益に及ぼす影響を、2006年3月期
原則とするなど、
外貨建てのエクスポージャーが拡大しないよう
MDPの販売する石
のMDPの業績見込みをベースに試算すると、
施策を実行しています。
約20億円の変動
炭の輸出平均価格でトン当たり1ドルの変化は、
c. 株価リスク
MDPの業績は石炭の価格以
をもたらすこととなります。
ただし、
取引先や関連会社を中心に約
当社は2005年3月期末時点で、
外に豪ドル・米ドル・円の為替レートや生産コスト、
および販売数
1兆1,300億円の市場性のある株式を保有しており、株価変動の
量などの変動によっても大きく影響を受けるため、
上記の感応度
リスクを負っています。
同時点での市場価格により評価すると約
のみで単純に決定されるものではありません。
5,500億円の含み益となっていますが、株価の動向次第で含み益
銅・アルミニウムについても、
生産者としての価格変動リスク
は減少するリスクがあります。
を負っています。
銅については1トン当たりの価格が100米ドル
また、
株価の下落は年金資産の目減りを通じて年金の積立不足
アルミニウムについては
変動すると持分損益で4.5億円の変動、
を増加させ、
ひいては年金費用を増大させるリスクがあります。
1トン当たりの価格が100米ドル変動すると持分損益で10億円
このため、
年金資産の運用に当たり、
いわゆる絶対利回り追求型
の変動をもたらすと試算されます
(上記の持分損益への影響額の
の手法
(市場インデックスの変動に影響されず、
一定のリターン
試算は、当社の連結対象会社の 2005 年 3 月期の業績に基づき
をあげることを目標とする運用手法)
を採り入れた運用方針に変
行っています)
。
更しています。
85
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
d. 金利リスク
4)カントリーリスク
(短期借入金お
当社の2005年3月期末時点の有利子負債総額
当社では海外の会社との取引や出資に関連して、
当該会社が所
よび長期借入債務(1年以内の期限到来分を含む)から債務の時
在している国の政治・経済情勢に起因した代金回収や事業遂行の
一部を除
価評価の影響を除いた金額)は約4兆1,000億円あり、
遅延・不能などが発生するカントリーリスクを負っています。
カ
いて変動金利となっています。
しかし、
このうちの相当部分は金
ントリーリスクについては、
保険を付保するなど第三者へのヘッ
利の変動により影響を受ける営業債権・貸付金などと見合ってお
ジを原則とし、
案件の内容に応じて適切なリスクヘッジを講じて
り、
金利の変動リスクは相殺されています。
また、
純粋に金利の変
います。
このリスクを管理するために、
カントリーリスク委員会
動リスクにさらされている部分についても、
見合いの資産となっ
を設置し、
本委員会の下に後述のカントリーリスク対策制度によ
ている投資有価証券や固定資産からもたらされる取引利益、
配当
る管理を実施しています。
金などの収益は景気変動と相関性が高いため、
景気回復の局面に
カントリーリスク対策制度では、国ごとの信用度(国別レー
おいて金利が上昇し支払利息が増加しても、
見合いの資産から得
ティング)
およびカントリーリスク管理上の裸リスクマネー
(出
られる収益も増加し相殺されるため、
金利の変動リスクは小さい
資、
融資、
保証および貿易債権額からヘッジ額を控除した額の合
と考えられます。
現状、単体ベースで円金利(短期)
が1%上昇す
区分ごとに
計)
に基づき取引対象国を6つの管理区分に分類し、
しか
ることによる支払利息の増加は約80億円と試算されます。
裸リスクによる枠を設定することでリスクの積み上がりをコン
し一方で、
金利の上昇には、
年金債務残高を計算する割引率の引
トロールしています。
この区分ごとに定めた権限体系に基づい
き上げによる残高の減少を通じて年金費用の減少をもたらすと
て、取引部局は必要な社内承認手続をとります。
また、国別レー
いう効果もあります。
ティングごとに個別案件の推進に当たり最低限確保しなければ
なお、
当社は資金調達政策の立案や金利変動リスクの管理のた
ならないリターンを取り決め、
これを下回る案件は原則として認
ALM委員会を設置して金利などの市場動向を注視し、機動
めに、
められません。
さらに、
カントリーリスク委員会は、
定期的に国ご
的に市場リスク対応を行う体制を固めています。
との全社リスク状況の把握および国別レーティングの見直しを
3)信用リスク
行い、
社長以下当社トップマネージメントで構成される社長室会
当社ではさまざまな営業取引を行うことによって、
取引先の信
に報告しています。
用悪化や経営破綻などによる損失が発生する信用リスクを負っ
2005年3月期末での当社の取引主要国におけるリ
ちなみに、
ています。
当社では当該リスクを管理するために取引先ごとに信
スクマネーは次のようになっています。インドネシア、タイ、韓
用限度額・成約限度額を定め、
また後述の社内格付け制度を導入
国、
マレーシア、
中国、
香港、
フィリピンのアジア7カ国・地域に対
しており、
社内格付けと与信額により定めた社内規定に基づき、
する出資・融資・保証の総額は5,091億円(貿易保険などでヘッ
与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの取り付けを行
、
貿易債権額は2,712億円であ
ジされていない額は4,329億円)
うことによりリスクヘッジを講じています。
り、
メキシコ、
ブラジルの中南米2カ国に対しての出資・融資・保
社内格付け制度は、
取引先の財務状況に基づき、
定性的な面も考
(貿易保険などによりヘッジされていない金
証の総額は937億円
同制度
慮に入れて1から10までの格付け設定を行うものであり、
、
貿易債権額は166億円です。
また、
ロシアに対し
額は888億円)
の下、
信用限度手続き、
リスク量の把握および低格付け取引先に対
(貿易保険などによって
ての出資・融資・保証の総額は1,785億円
して債権回収不能に備えた総括引当金の設定を行っています。
で、貿易債権額は0億円
ヘッジされていない金額は1,773億円)
また、
取引部局から独立した全社スタッフ部門の組織が毎年定
となっています。
期的に全社ベースで取引先の総見直しを実施し、
会社経営に大き
5)事業投資リスク
な影響を与える取引先については重点管理先と指定して全社レ
ベルでの管理を行っています。
当社は、
株式・持分を取得して当該企業の経営に参画し、
事業の
拡大やキャピタル・ゲイン獲得などを目指す事業投資活動を行っ
2003年3月期が
ちなみに過去3年間の貸倒引当金繰入額は、
ていますが、
この事業投資に関連して投下資金の回収不能、
撤退
225億円、2004年3月期が74億円、2005年3月期は94億円と
の場合に追加損失が発生するリスクおよび、
計画した投資採算が
なっています。
確保できないなどのリスクを負っています。
事業投資リスクの管
86
MITSUBISHI CORPORATION
理については、
まず新規の事業投資を行う場合には、
投資のリス
ANNUAL REPORT 2005
8. 重要な会計上の見積もり
クを定量的に把握し、
リスクの度合いに応じて社内で定めた最低
財務諸表の作成に当たり、
経営者は、
決算日における資産およ
期待収益率を上回っているか否かを評価し、選別を行っていま
び負債の報告金額、
偶発資産および負債の開示、
報告期間におけ
す。
投資実行後は、
事業投資先ごとに毎年定期的に
「経営計画書」
る収益および費用の報告金額に影響を与えるような見積もりを
を策定し、
投資目的の確実な達成のための管理を行っています。
行う必要があります。
当社の経営者は、
債権、
投資、
長期性資産、
棚
また、
会社経営に大きな影響を与える事業投資先は、
重点管理先
卸資産、
収益の認識、
法人税、
資金調達業務、
事業再構築に伴う費
と指定して全社レベルでの管理を行っています。
さらに、
事業投
用、
退職給付制度、
偶発事象および訴訟などについて見積もりお
資先の業績について一定の基準を設け、
投資先がその基準をクリ
よび判断を行っており、
これらを継続的に検証しています。
これ
アできずに企図していた投資採算が上がっていないと判断され
らの見積もりおよび判断は、
過去の経験やその時点の状況として
る場合は、
早期の持分売却・清算による撤退を促す
「EXITルール」
妥当と考えられるさまざまな要素に基づき行っており、
他の情報
を採用し、効率的な資産の入れ替えを行っています。
源からは得られない資産および負債の帳簿価額について当社の
6)三菱自動車工業への支援
判断の基礎となっています。
ただし、
前提条件や事業環境などに
当社は、
三菱重工業、
東京三菱銀行とともに、2005年1月に発
表された
「三菱自動車再生計画」
の評価を行いました。
延べ150名
変化が見られた場合には、
見積もりと将来の実績が異なることも
あります。
の外部専門家による三菱自動車工業に対する詳細なデューデリ
当社における重要な会計上の見積もりは以下のとおりです。
以
ジェンスの内容も踏まえ検討を行った結果、
同社の要請に応じて
下の項目は、
不確定要素が極めて多い時点で、
見積もりを行う目
3 社で第三者割当増資を引き受け、総額2,740 億円の増資のう
的から前提条件を決定する必要があり、
また、
当期使用すること
ち、
同社が2005年3月に発行した普通株式と第2回G種優先株式
が可能であった他の仮定に基づいた場合などには財政状態また
を引き受け、
それぞれ513億円と187億円の払込を行いました。
は経営成績に対して重大な影響を与え得ることから、
当社は以下
この結果、
同社に対するリスクエクスポージャーは2005年3月
の項目を重要と判断しています。
末で約1,600億円となっています。
1)債権の評価
また、
同社の300億円の資本増強につながる事業用資産の買い
当社の売上債権、
受取手形および貸付金の残高は多額であるた
取り、
または増資引き受けを2006年3月期中に行うことを予定
め、
債権の評価は会計上の見積もりにおいて重要なものとなって
しています。
います。
なお、
当社は三菱自動車工業とは、
直接取引だけでなく、
アジア
当社は、
顧客の評価を継続して行っており、
支払実績および信
での販売会社事業、
欧州での販売金融事業など、
世界各国で協力
用情報の査定に基づく現在の顧客の与信能力に基づき、
個々の与
関係にあり、
主に現地での販売会社およびその先の川下バリュー
信限度枠を調整しています。
当社は、
顧客の支払および回収状況
チェーン分野での事業を展開しています。
このような取引にかか
を常にモニタリングしており、
回収が問題視される債権の内容、
わる営業債権、
共同事業への出資などに、
上記の三菱自動車工業本
過去の貸倒実績、
回収の趨勢、
債権残高に対する損失発生の潜在
体へのリスクエクスポージャーを合わせると、
当社の三菱自動車
性の評価、
格付機関による評価およびその他の情報に基づき、
そ
工業関連でのリスクエクスポージャーは 2005 年 3 月末で約
れぞれの顧客に対して与信枠と貸倒引当金を設定しています。
ま
2,900億円となっています。
た当社は、
特定の顧客に対して、
貸倒引当金の見積もりをより適
(注意事項)
切に行うべく、その財政状態や与信の状況、債権の回収状況を
本アニュアルレポートにおける業績予想や将来の予測などに関する記述は、
現
個々にモニタリングしています。
さらに、
長期債権の評価につい
時点で入手された情報に基づき合理的と判断した予想であり、
潜在的なリスク
ては割引キャッシュ・フロー法に基づく評価を実施しており、
評
や不確実性その他の要因が内包されています。
従いまして、
実際の業績は、
見通
価に当たっては将来の返済計画予想および割引率などの前提条
しと大きく異なる結果となる可能性があります。
件を使用しています。
87
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2004年3月期末では、貸倒引当金は2003年3月期末比156
2003年、2004年および2005年3月期において、当社は、上記
億円(8.5%)減少し1,670億円となりました。2005年3月期末
に関する見積もりおよび判断の下、
主に売却可能有価証券、
関連
には、機械グループの一部の特定顧客に対して債権の回収と切
会社に対する投資およびその他の投資の一部について評価減を
り捨てを実施したことから、
貸倒引当金は2004年3月期と比べ
390億円および849億円を、連
実施しており、
それぞれ701億円、
て96 億円(5.7% )減少し、1,574 億円となりました。貸倒引当
結損益計算書上、
有価証券損益に計上しています。
2004年3月期末お
金の全債権
(長期短期合計)
に占める割合は、
2005年3月期において、31.7%保有の持分法投資で
当社は、
それぞれ4.8%、4.2%となって
よび2005年3月期末において、
544億円の暖簾の減損処理を実
あるローソン宛の投資について、
います。
施しました。
ローソンに対する投資の公正価額については、
当社
経営者は、債権の評価に当たり行っている見積もりは合理的
による将来のキャッシュ・フロー予測、
加重平均資本コスト、
ロー
であり、
貸倒引当金は十分に計上され、
債権が回収可能な額とし
ソン株の市場取引価格を基にして独立した鑑定人が割引キャッ
て計上されていると判断しています。
ただし、
これらの評価には
シュ・フロー分析法を用いて算出していますが、
投資簿価と市場
経営者としても管理不能な不確実性を含んでおり、予測不能な
取引価格との間の乖離が長期間にわたり発生していることを勘
前提条件の変化などにより債権の評価に関する見積もりが変化
2004年12月末に減損処理を実施しました。この減損損失
案し、
した場合には、将来当社が追加で貸倒引当金を設定する可能性
はローソンに対する投資の帳簿価格と2005年12月末の市場価
もあります。
格との差額です。
2)投資の評価
当社の投資は負債証券および持分証券で構成されており、
原価
経営者は、
投資の公正価値およびその下落が一時的か否かの評
価は合理的であると判断しています。
ただしこれらの評価には、
法または持分法で会計処理しています。
投資の評価は、
時価の変
経営者としても管理不能な不確実性を含んでいるため、
予測不能
動の影響を受けやすい中で経営者に回復可能性の判断を要求す
な前提条件の変化などにより投資の評価に関する見積もりが変
ることに加え、
当社の投資残高は重要性が高く多額の減損損失が
化した場合には、
結果として将来当社が追加で評価減を実施する
発生する可能性があるため、
会計上の見積もりにおいて重要なも
可能性もあります。
のとなっています。
3)長期性資産の減損
投資の減損判定については、
価値の下落が一時的か否かを検討
当社は、
保有しかつ使用する長期性資産および売却による処分
しています。
その際には、
公正価値が投資の帳簿価額を下回って
予定の長期性資産の帳簿価額について、
帳簿価額を回収できない
いる期間および下落の程度、
公正価値の回復が充分見込まれる期
ことを示すような事業環境の変化や事象が発生した場合には、
減
間まで投資を保有し続ける意思と能力が当社にあるかなどを基
損の有無の判定のため再評価しています。
継続使用の長期性資産
に、
時価が帳簿価額を上回るまで回復可能かどうかを検討してい
については、
帳簿価額と当該資産にかかわる割引前の将来見積
ます。
具体的には、
売却可能有価証券については市場価格を、
持分
キャッシュ・フロー総額を比較することにより、
その回収可能性
法により会計処理された投資およびその他の投資については、
こ
を検討しています。
また、
売却による処分予定の長期性資産は、
帳
れに加えて、
発行企業の財政状態、
経営成績、
経営環境、
事業計画
簿価額と、
売却費用控除後の公正価値のいずれか低い額により評
およびこれらを基にした将来の見積キャッシュ・フローなどの
価しており、
減価償却の対象とはしていません。
売却以外の方法
要素を考慮しています。
による処分予定の長期性資産は、
継続使用の長期性資産として取
投資価値に一時的でない下落が認められた場合、
投資の公正価
値と帳簿価額の差額について評価減を実施しています。
り扱っています。
当該資産の帳簿価額が将来見積キャッシュ・フローを上回る場
合には、
その資産の公正価値と帳簿価額の差額を減損損失として
認識しています。
88
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
長期性資産の公正価値は、
主に第三者による鑑定評価または割
長期期待収益率は、
投資方針、
運用収益の過去の実績、
資産の配
引キャッシュ・フロー法に基づき見積もっています。
これらの評
分およびこれらの将来見通しを考慮の上決定しています。
当社は
価には、
将来の市場の成長度合、
収益と費用の予想、
資産の予想使
2004年3月期において、これを2.2%として退職給付費用を計算
用期間、割引率等などの前提条件を使用しています。
2005年3月期には、国内株式市況の回復などを背景
しましたが、
2003年、2004年および2005年3月期において、当社は、上記
に関する見積もりおよび判断の下、
保有する長期性資産について
として運用収益が上向いたことから、
これを0.9ポイント引き上
3.1%として退職給付費用を計算しました。
げ、
減損損失を認識しています。これらは2003年、2004年および
米国会計基準上、実績と前提条件との差異については、累積
2005年3月期において、それぞれ93億円、190億円および290
され、将来の期間にわたって償却することになるため、通常将
億円となっており、
連結損益計算書上、
固定資産損益に計上して
来に認識される退職給付債務および費用に影響を及ぼすこと
います。
になります。
2005年3月期において、主に事業環境の悪化に伴う収
当社は、
経営者は、
年金数理計算上使用される前提条件と方法は適切で
益性の低下を受けて、
減損の兆候が認められた事業用通信設備、
あると判断しています。
ただし、
前提条件と実際の結果が異なる
賃貸業用倉庫、
土地および建物に対して再評価を実施し、
これら
場合、
または前提条件の変更がある場合には、
当社の退職給付債
に対して減損損失を認識しました。
務および費用に影響を与えることもあります。
経営者は、
減損の事実の有無に関する判断および、
割引キャッ
5)収益の認識
シュ・フローや公正価値の見積もりに関する評価は合理的である
当社は、
多種多様な商品取引およびこれに伴う販売先または仕
と判断しています。
ただし、
これらの見積もりには経営者として
入先に対してのファイナンスや、
国際的なプロジェクト案件の構
も管理不能な不確実性を含んでいるため、
予測不能な前提条件の
築などに取り組んでいます。
鉄鋼原料、
非鉄金属、
石油およびガス
変化などにより長期性資産の評価に関する見積もりが変化した
製品、
機械、
情報技術およびエレクトロニクス、
化学品、
食品およ
場合には、
結果として将来当社が追加で減損損失を認識する可能
び一般消費財など幅広い製品について、
輸出入、
国内外での製造、
性もあります。
販売、
マーケティング、
流通業務などを行うほか、
コンサルティン
4)年金債務
グ、
情報技術サービス、
技術支援、
輸送や物流といったサービス業
従業員の退職給付債務および費用は、年金数理人が計算に用
務も行っています。
収益の認識方法については、
いくつもの会計
いる前提条件に影響を受けます。特に割引率と長期期待収益率
指針が複雑に絡み合っていることから、
最も適切な会計方針を決
は、退職給付債務および費用を決定する上で重要な前提条件で
定するに当たっては難しい判断を行う必要がありますが、
当社で
あり、当社では、少なくとも年に一度、または重要な前提条件に
は、
収益が実現または実現可能となり、
かつ稼得された時点、
すな
大きな影響を与える事象が発生した場合には、これらを再評価
契約に関する説得力のある証拠があり、
(ii)
顧客に対する
わち
(i)
しています。
販売価
商品の引き渡しあるいは役務の提供が完了しており、
(iii)
割引率は、測定日時点における、従業員への給付が実行され
対価の回収が合
格が確定または確定し得る状況にあり、
かつ
(iv)
るまでの予想平均期間に応じた優良債券の利回りに基づき決
理的に確保された時に収益を認識しています。
具体的な認識基準
定しています。当社は、2004年3月期において、これを0.9ポイ
は次のとおりです。
2005年3月期末には、期末
ント引き上げ2.9%に設定しました。
• 商品販売および製造業などによる収益
における長期金利水準の下落を受け、これを 0.5ポイント引き
下げ2.4%に設定しました。
当社は、
商品販売、
製造業およびその他の事業において収益を
得ています。
製造業およびその他の事業は、
主として連結子会社
で行われています。
89
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
商品販売
デリバティブおよびヘッジ活動に関する会
基準書第133号は、
当社は、
自らが契約当事者となり在庫を保有し、
商品の売値と
計処理および開示を規定するものであり、
すべてのデリバティブ
買値の差額を損益として計上するさまざまな商取引を行うこと
を公正価値により貸借対照表上、
資産または負債として計上する
により収益を得ています。
ことを要求するとともに、
ヘッジ関係の指定と有効性に関する基
製造業
準を定めています。
製造業には、
電化製品、
金属、
機械、
化学品、
一般消費財など、
多
岐にわたる製品の製造や、資源開発が含まれています。
商品販売および製造業にかかわる収益は、
顧客と合意した受け
当社は、
市場価格のないデリバ
基準書133号の適用に当たり、
ティブまたはヘッジ対象について公正価値を見積もる際には、
前
提条件を置く必要があります。
渡しに関する条件を充足した時点で認識しています。
受渡に関す
当社は、
デリバティブの契約日において、
ヘッジ会計の要件を
る条件は、
通常、
顧客に商品が引き渡された時点、
倉荷証券が交付
満たす限り、
当該デリバティブを公正価値ヘッジまたはキャッ
された時点、
または試運転が完了してそれ以降の義務がなくなり
シュ・フローヘッジとしてヘッジ指定しています。
公正価値ヘッ
契約に関する顧客の最終受入が確実となった時点に充足したと
ジとして指定したデリバティブの公正価値の変動額は損益計上
見なしています。長期の建設工事に関しては、その契約内容に
し、
ヘッジ対象の資産、
負債および確定契約の公正価値の変動額
よって、完成までに要する原価および当該長期契約の進捗度合
による損益と相殺しています。
キャッシュ・フローヘッジとして
を合理的に把握できる場合には工事進行基準により、
そうでない
指定したデリバティブには、
変動金利付負債を固定金利付負債に
場合には工事完成基準により、
収益を計上しています。
変換する金利スワップや、
特定の債務に対する円ベースのキャッ
その他の事業
シュ・フローの変動を軽減する通貨スワップ契約などが含まれて
その他の事業には、
サービス関連事業およびリース事業が含ま
いますが、
その公正価値の変動額は、
ヘッジ対象取引が実行され
れています。
サービス関連事業には、
金融、
物流、
情報通信、
技術支
損益に計上されるまで
「累積その他の包括損益」
として繰り延べ
援などさまざまな役務の提供が含まれています。
また、
当社は、
オ
ています。
フィスビル、
航空機、
その他の事業用資産などのリース事業にも
7)新会計基準
携わっています。
2004年11月、審議会は基準書第151号「棚卸資産の原価-ARB
サービス関連事業にかかわる収益は、
契約上の役務が顧客に提
意見書第43号第4章の改訂」
を公表しました。
基準書第151号は、
供された時点で計上しています。
リース事業にかかわる収益は、
ARB意見書第43号第4章「棚卸資産の価格」を改訂することによ
当該リース期間にわたって定額法により計上しています。
り、
遊休設備費用、
輸送費、
運搬費および無駄となった材料費
(仕
• 売買取引にかかわる差損益および手数料
損)
にかかわる異常な金額の会計処理を明確にしています。
特に
当社は、
契約当事者あるいは代理人として関与するさまざまな
遊休設備費用、
過度の仕損、
倍加運賃、
再運搬
基準書第151号は、
商取引に関する手数料収益を得ています。
これは、
商取引におい
「異常」
の要件を満たすか
費用などの項目をARB意見書第43号の
て顧客の商品売買のサポートを行い、
その対価として手数料を得
否かにかかわらず、
当期費用として認識することを規定していま
ているものです。
売買取引にかかわる差損益および手数料は、
冒
固定製造間接費を加工費に按分す
す。
さらに、
基準書第151号は、
頭記載の条件を充足した時点で認識しています。
る場合、
生産設備の通常の操業度を基に行うことを規定していま
6)デリバティブ
す。
基準書第151号は、2005年6月15日より後に開始する事業
当社では、
主として金利変動リスクや為替変動リスクの軽減、
年度より適用されます。
当社は、
基準書第151号を2006年4月1
商品や取引契約の相場変動リスクの回避を目的としてデリバ
日より適用開始する予定です。
当社は、
基準書第151号の適用が
ティブ取引を利用していますが、
これらについては財務会計基準
将来の連結財務諸表に与える影響を判定するため、
現在基準書第
「派生商品およびヘッジ活
審議会基準書
(以下
「基準書」
)
第133号
151号を検討中です。
動に関する会計処理」
(基準書第138号および基準書第149号に
)
に基づき処理しています。
より一部改訂、
以下
「基準書第133号」
90
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2004年12月、審議会は基準書第123号(2004年改訂)
「株式
2005年3月、発生問題専門委員会はEITF第04-6号「鉱山業に
「株
に基づく支払」
を公表しました。
本基準書は、
基準書第123号
おける生産時に発生した剥土費用に関する会計処理」について
APB意見書第25号「従業
式に基づく報酬の会計処理」
を改訂し、
EITF第04-6号は、生産時に発生した剥土費
合意に達しました。
員に発行する株式の会計処理」
を廃止するもので、
株式に基づく
用は変動生産費であり、棚卸資産へ配賦すること、すなわち、将
支払いを所定の権利行使期間にわたって費用計上することを規
来における潜在的な利益は考慮するべきではなく、発生した期
定しています。
限定的な例外を除き、
報酬費用は、
権利付与日の公
間の活動に関連するものである旨を規定しています。EITF 第
正価値に基づき算定されます。
また負債見合いで計上される報酬
04-6号は、2005年12月15日より後に開始される事業年度から
については、
その後決済日までの各会計期間において再測定され
EITF第04-6号を2006年4月1日より適
適用されます。当社は、
ます。
当社は、
本基準書の適用が連結財務諸表に与える影響を検
EITF第04-6号の適用が将来の連
用開始する予定です。当社は、
討していますが、
重要な影響はないと考えています。
結財務諸表に与える影響を判定するため、
現在EITF第04-6号を
2004年12月、審議会は基準書第153号「非貨幣資産の交換APB意見書第29号の改訂」を公表しました。基準書第153号は、
検討中です。
2005年4月、審議会はFSP第19-1号「休止井(Suspend Well)
APB意見書第29号「非貨幣取引の会計処理」の第21(b)項におけ
FSP第19-1号は、基
コストに関する会計処理」
を公表しました。
る類似の事業用資産の非貨幣交換取引に関する公正価値による
「石油・ガス会社の財務会計および報告」
を改訂する
準書第19号
測定の例外規定を削除し、
経済的実質のない交換取引に関する例
FSP第
もので、
成功成果法を使用している会社に適用されます。
外規定に置き換えています。基準書第153号は、2005年6月15
19-1号は、試掘井費用を1年超継続して資産化する場合の要件を
日より後に開始する会計期間以降の交換取引に適用され、
早期適
規定しており、
また試掘完了後1年経過後に資産化された費用な
用も認められています。
当社は、
基準書第153号を2005年7月1
どを追加開示することを要請しています。FSP 第 19-1 号は、
日より適用開始する予定です。
2005年4月4日から後に開始する会計期間より適用されます。当
2005年3月、審議会は解釈指針第47号「条件付資産除却債務
FSP第19-1号を2005年7月1日より適用開始する予定で
社は、
基準書第143
の会計処理」
を公表しました。
解釈指針第47号は、
FSP第19-1号の適用が将来の連結財務諸表に与える
す。
当社は、
号
「資産除却債務に関する会計処理」
で規定されている条件付資
影響を判定するため、現在FSP第19-1号を検討中です。
産除却債務にかかわる会計処理を明確化するものです。
条件付
2005年5月、審議会は基準書第154号「会計上の変更および誤
資産除却債務は、時期や方法が将来の事象により決定される債
を公表
謬の訂正-APB意見書第20号および基準書第3号の置換」
務であり、解釈指針第47号では、それらが不確実のため必要な
会社が任意に会計方針を変更した
しました。
基準書第154号は、
情報が不足し、その債務の公正価値を合理的に見積もることが
場合の会計処理および開示に関する要求を変更しています。従
できない場合の事例を示し、またそれらを合理的に見積もるこ
APB意見書第20号は大部分の会計方針の変更について、累積
来、
とができる十分な情報がある場合を明確にしています。
解釈指
的影響額を変更年度の損益に含めることを要求していましたが、
2005年12月15日より後に終了する事業年度末よ
針第47号は、
原則として過年度への遡及適用を要求してい
基準書第154号は、
り適用されます。
当社は、
解釈指針第47号を2006年3月31日よ
ます。
また、
従来会計方針の変更として処理していた減価償却方
り適用開始する予定です。当社は、解釈指針第 47号の適用が将
法の変更については、
会計上の見積もりの変更として処理する必
来の連結財務諸表に与える影響を判定するため、現在解釈指針
2005年12月15日より後に開
要があります。
基準書第154号は、
第47号を検討中です。
2006年4月1日より
始する事業年度より適用されます。
当社は、
基準書第154号を適用開始する予定です。
91
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
6年間の主要財務データ
三菱商事株式会社および連結子会社
3月31日に終了した事業年度
2000年
修正再表示後*5
2001年
修正再表示後*5
¥13,112,801
¥13,995,298
¥
575,058
26,302
¥ 3,020,626
603,716
92,605
26,302
92,605
¥ 8,098,194
168,996
2,794,438
906,459
¥ 8,069,384
289,386
2,798,152
971,551
¥16.78
16.78
¥59.09
59.09
.....................................
.....................................
.....................................
16.78
16.78
8.00
59.09
59.09
8.00
株式:
期末発行済株式数*4 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,567,176
1,567,172
......................................
......................................
¥102.73
110.02
¥125.54
111.65
......................................
......................................
124.45
101.53
125.54
104.19
業績指標:
売上高*1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期業績:
収益*2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計原則変更による累積影響額前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計原則変更による累積影響額*3 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
事業年度末の財政状態:
総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
運転資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債務
(1年内返済分を除く). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1株当たり情報:
会計原則変更による累積影響額前利益:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計原則変更による累積影響額*3:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1株当たり当期純利益*3:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
米ドルとの交換レート:
(米国ニューヨーク連邦銀行による)
期末 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期中平均 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
変動範囲:
安値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
高値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
.....................................
.....................................
.....................................
.....................................
(注)米ドル金額は、便宜的に1米ドル=107円で換算しています。
*1 売上高は日本の商社が通常自主的に開示する指標であり、米国会計基準における売上高または収益を意味するものではありません(連結財務諸表に対する注記1
をご参照ください)。
*2 EITF第99-19号「契約当事者における収益の総額表示と代理人における収益の純額表示」に基づく収益は、2001年3月31日終了の事業年度より開示しています。
連結財務諸表に対する注記1をご参照ください。
*3 連結財務諸表に対する注記2hをご参照ください。
*4 当社が保有する自己株式は含んでいません。
*5「持分法による普通株式投資等の会計処理」に基づき、過年度に遡及して持分法を適用した場合の持分損益を反映すべく、過年度の連結財務諸表を修正してい
ます(連結財務諸表に対する注記5をご参照ください)。
92
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2002年
修正再表示後*5
2003年
修正再表示後*5
2004年
修正再表示後*5
2005年
2005年
¥13,230,675
¥13,328,721
¥15,177,010
¥17,132,704
$160,119
¥ 3,142,597
643,922
60,702
¥ 3,491,124
769,381
116,020
¥ 4,145,884
877,763
182,369
$ 38,747
8,203
1,704
60,702
¥ 3,321,168
718,580
53,919
8,100
62,019
116,020
182,369
1,704
¥ 8,148,902
694,282
3,238,871
1,032,499
¥ 8,099,500
648,694
3,085,016
938,621
¥ 8,392,833
823,803
3,026,170
1,224,885
¥ 9,149,938
1,013,286
3,024,709
1,504,454
$ 85,513
9,470
28,268
14,060
単位:円
¥38.74
38.74
単位:米ドル
¥34.42
32.26
¥74.11
68.40
¥116.49
107.58
$1.09
1.01
39.60
37.12
8.00
74.11
68.40
12.00
116.49
107.58
18.00
1.09
1.01
0.17
1,565,647
1,565,557
1,565,749
¥132.70
125.64
¥118.07
121.10
¥104.18
112.75
¥107.22
107.28
134.77
115.89
133.40
115.71
120.55
104.18
114.30
102.26
5.18
4.86
38.74
38.74
8.00
単位:千株
1,566,553
単位:円
93
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
連結貸借対照表
三菱商事株式会社および連結子会社
2004年および2005年3月31日現在
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2004年
資産の部
流動資産:
現金および現金同等物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
定期預金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
短期運用資産(注記4) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業債権
(注記21)
:
受取手形および短期貸付金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売掛金および未収入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社に対する債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金(注記6) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
棚卸資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前渡金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
短期繰延税金資産
(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動資産
(注記14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
修正再表示後
(注記2f、
5)
2005年
2005年
¥ 475,670
15,942
188,593
¥ 576,826
43,253
277,974
$ 5,391
404
2,598
516,147
1,988,181
218,381
(57,599)
558,966
200,742
59,415
105,537
534,550
2,260,887
252,252
(62,521)
667,968
139,987
56,289
126,240
4,996
21,130
2,357
(584)
6,243
1,308
526
1,180
4,269,975
4,873,705
45,549
821,529
1,204,459
683,299
(109,387)
835,079
1,390,221
689,833
(94,903)
7,804
12,993
6,447
(887)
投資および長期債権合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,599,900
2,820,230
26,357
有形固定資産ー減価償却累計額控除後
(注記7、21) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,278,181
1,227,161
11,469
その他の資産
(注記9、
13、14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
244,777
228,842
2,138
資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥8,392,833
¥9,149,938
$85,513
流動資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資および長期債権:
関連会社に対する投資および長期債権
(注記5) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資(注記4) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期貸付金および長期営業債権
(注記21). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金
(注記6). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
94
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2004年
修正再表示後
(注記5)
2005年
2005年
¥ 525,150
503,212
¥ 545,124
561,484
$ 5,095
5,248
232,528
1,604,999
60,441
179,734
53,037
88,963
198,108
240,260
1,853,299
124,459
128,585
58,354
100,107
248,747
2,245
17,321
1,163
1,202
545
936
2,324
流動負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,446,172
3,860,419
36,079
固定負債:
長期借入債務(1年内期限到来分を除く)
(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金および退職給付債務
(注記14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期繰延税金負債
(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の固定負債
(注記15、
21). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,026,170
82,133
137,526
294,498
3,024,709
54,182
208,873
266,359
28,268
506
1,952
2,490
固定負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3,540,327
3,554,123
33,216
負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
6,986,499
7,414,542
69,295
少数株主持分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
181,449
230,942
2,158
126,617
179,506
126,705
179,632
1,184
1,679
36,077
979,163
37,173
1,138,509
347
10,641
負債および資本の部
流動負債:
短期借入金
(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1年以内に期限の到来する長期借入債務(注記12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業債務:
支払手形 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
買掛金および未払金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社に対する債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前受金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払費用
(注記14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動負債
(注記13、
15). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
契約残高および偶発債務(注記24)
資本
(注記13、
16、17、25)
:
資本金ー普通株式:授権株式数2,500,000,000株、
発行済株式総数2004年3月末ー1,567,193,508株、
2005年3月末ー1,567,399,508株;
2004年3月末(自己株式控除後)ー1,565,557,009株
2005年3月末(自己株式控除後)ー1,565,749,445株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本剰余金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利益剰余金:
利益準備金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の利益剰余金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
累積その他の包括損益:
未実現有価証券評価益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現デリバティブ評価損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
最小年金債務調整額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
為替換算調整勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
156,826
(174)
(43,672)
(208,645)
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(95,665)
自己株式ー取得価額:
2004年3月末ー1,636,499株
2005年3月末ー1,650,063株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(813)
278,288
2,883
(38,542)
(219,264)
23,365
(930)
2,601
27
(360)
(2,050)
218
(9)
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1,224,885
1,504,454
14,060
負債および資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥8,392,833
¥9,149,938
$85,513
95
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
連結損益計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2003年、2004年および2005年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2003年
修正再表示後
(注記1、
5)
2004年
修正再表示後
(注記1、
5)
2005年
2005年
¥2,831,634
489,534
¥2,951,626
539,498
¥3,518,120
627,764
$32,880
5,867
収益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売上高
(注記1 、
5 、19)
:
2003年ー13,328,721百万円;
2004年ー15,177,010百万円;
2005年ー17,132,704百万円ー160,119百万米ドル
商品販売および製造業等による収益に係る原価 . . . . . . . . . . . . . . .
3,321,168
3,491,124
4,145,884
38,747
2,602,588
2,721,743
3,268,121
30,544
売上総利益(注記19). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
718,580
769,381
877,763
8,203
595,392
22,549
631,422
7,436
685,022
9,376
6,402
88
13,984
(28,145)
43,155
5,573
10,642
(28,117)
(5,258)
18,428
(15,291)
1,710
(42,402)
63,757
(8,328)
(38,534)
(2,637)
収益
(注記1、2n)
:
商品販売および製造業等による収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売買取引に係る差損益および手数料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の収益・費用:
販売費および一般管理費
(注記14). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金繰入額
(注記6). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払利息
(受取利息控除後:受取利息金額
2003年ー33,835百万円;
2004年ー29,373百万円;
2005年ー41,479百万円ー388百万米ドル) . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券損益(注記3、
4、5). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産損益(注記7、
9). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
厚生年金基金代行返上部分に係る返還差額
(注記14). . . . . . . . . . .
その他の損益ー純額(注記10、
20、24). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5,337
16
(396)
596
(78)
(360)
(26)
その他の収益・費用合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
657,845
619,262
667,964
6,242
税引前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
60,735
150,119
209,799
1,961
法人税等
(注記13)
:
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
56,268
(12,645)
86,863
(12,010)
97,313
(3,562)
909
(33)
43,623
74,853
93,751
876
税引後利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
少数株主持分利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益
(注記5). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
17,112
(8,071)
44,878
75,266
(15,710)
56,464
116,048
(30,774)
97,095
1,085
(288)
907
会計原則変更による累積影響額前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計原則変更による累積影響額
(注記2h) . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
53,919
8,100
116,020
182,369
1,704
62,019
¥ 116,020
¥ 182,369
$ 1,704
法人税等合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
単位:米ドル
(注記1)
単位:円
:
1株当たり利益(注記2t、18)
会計原則変更による累積影響額前利益:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計原則変更による累積影響額:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
96
......
......
¥34.42
32.26
......
......
5.18
4.86
......
......
39.60
37.12
¥74.11
68.40
¥116.49
107.58
$1.09
1.01
74.11
68.40
116.49
107.58
1.09
1.01
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
連結包括損益計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2003年、2004年および2005年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2003年
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
修正再表示後
(注記5)
2004年
修正再表示後
(注記5)
2005年
2005年
¥ 62,019
¥116,020
¥182,369
$ 1,704
その他の包括損益:
未実現有価証券評価損益
(注記4)
:
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(64,043)
19,413
203,741
(35,771)
208,834
(3,937)
1,952
(37)
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(44,630)
20,114
167,970
(65,889)
204,897
(83,435)
1,915
(780)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(24,516)
102,081
121,462
1,135
未実現デリバティブ評価損益
(注記10)
:
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(10,801)
5,033
4,611
8,146
8,426
(4,246)
79
(40)
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(5,768)
1,913
12,757
(2,931)
4,180
(1,123)
39
(10)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(3,855)
9,826
3,057
29
最小年金債務調整額(注記14) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(120,063)
50,560
179,033
(74,579)
9,097
(3,967)
85
(37)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(69,503)
104,454
5,130
48
為替換算調整勘定:
期中発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益への組替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(34,949)
(73)
(34,717)
1,215
(12,475)
485
(117)
5
期中変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果(注記13). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(35,022)
(9,820)
(33,502)
(43)
(11,990)
1,371
(112)
13
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(44,842)
(33,545)
(10,619)
(99)
その他包括損益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(142,716)
182,816
119,030
1,113
包括損益合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ (80,697)
¥298,836
¥301,399
$ 2,817
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
97
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
連結資本勘定計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2003年、2004年および2005年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2003年
2004年
修正再表示後
(注記5)
2005年
2005年
¥ 126,609
¥ 126,617
$ 1,183
8
88
1
¥ 126,609
¥ 126,617
¥ 126,705
$ 1,184
¥ 179,491
¥ 179,491
9
6
¥ 179,506
87
39
$ 1,678
1
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 179,491
¥ 179,506
¥ 179,632
$ 1,679
利益準備金:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の利益剰余金からの振替額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 35,524
26
¥
35,550
527
¥
36,077
1,096
$
337
10
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 35,550
¥
36,077
¥
37,173
$
347
その他の利益剰余金:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 826,744
62,019
¥ 876,201
116,020
¥ 979,163
182,369
$ 9,152
1,704
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
888,763
992,221
1,161,532
10,856
処分額:
現金配当支払額
(1株当たり)
:
(2003年ー8.0円;
2004年ー8.0円;
2005年ー14.0円ー0.13米ドル). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利益準備金への繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,536
26
12,531
527
21,927
1,096
205
10
修正再表示後
(注記5)
資本金ー普通株式:
期首残高ー発行済株式総数
2003年、2004年ー1,567,175,508株
2005年ー1,567,193,508株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ストックオプション行使に伴う新株発行ー
発行済株式総数期中増加
2004年ー18,000株、
2005年ー206,000株(注記22). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期末残高ー発行済株式総数
2003年ー1,567,175,508株、
2004年ー1,567,193,508株、
2005年ー1,567,399,508株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
資本剰余金:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ストックオプション行使に伴う新株発行(注記22). . . . . . . . . . . . . .
自己株式処分差益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 126,609
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
12,562
13,058
23,023
215
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 876,201
¥ 979,163
¥1,138,509
$10,641
累積その他の包括損益
(税効果後)
:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期その他の包括損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(135,765)
(142,716)
¥ (278,481)
182,816
¥
(95,665)
119,030
$
(895)
1,113
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(278,481)
¥
(95,665)
¥
23,365
$
218
自己株式:
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取得ー純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(104)
(645)
¥
(749)
(64)
¥
(813)
(117)
$
(8)
(1)
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(749)
¥
(813)
¥
(930)
$
(9)
資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 938,621
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
98
¥1,224,885
¥1,504,454
$14,060
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
連結キャッシュ・フロー計算書
三菱商事株式会社および連結子会社
2003年、2004年および2005年3月31日に終了した事業年度
単位:百万
米ドル
(注記1)
単位:百万円
2003年
営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業活動によるキャッシュ・フローへの当期純利益の調整:
減価償却費等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸倒引当金繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職給付費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
固定資産損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益(受取配当金控除後) . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
厚生年金基金代行部分返上に係る返還差額 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計原則変更による累積影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
営業活動に係る資産・負債の増減:
短期運用資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取手形および売掛金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
棚卸資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払手形および買掛金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前渡金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引前受金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未収入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未払費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の固定負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
修正再表示後
(注記5)
2004年
修正再表示後
(注記5)
2005年
2005年
¥ 62,019
¥ 116,020
¥ 182,369
$ 1,704
103,094
22,549
48,643
43,155
5,573
(22,793)
(12,645)
119,638
7,436
45,049
(5,258)
18,428
(24,364)
(12,010)
125,224
9,376
52,841
63,757
(8,328)
(37,535)
(3,562)
(38,534)
1,170
88
494
596
(78)
(351)
(33)
(360)
(23,706)
(11,069)
(39,468)
16,989
(35,903)
48,023
16,943
546
(17,029)
26,768
10,119
1,900
(24,662)
(18,105)
(328,149)
(120,225)
228,232
48,913
(50,038)
5,289
40,753
(6,206)
(27,828)
48,318
(14,295)
(3,689)
(169)
(3,067)
(1,124)
2,133
457
(468)
50
381
(58)
(260)
452
(134)
(34)
(8,100)
(4,942)
115,342
3,097
(116,593)
(9,276)
9,662
40,513
(8,506)
(19,910)
8,777
9,136
(16,348)
17,834
270,281
234,390
148,578
1,389
投資活動によるキャッシュ・フロー:
有形固定資産等の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産等の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社への投資および貸付による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社への投資の売却および貸付金の回収による収入 . . . . . . . . . .
売却可能有価証券の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券の売却および償還による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . .
満期保有目的債券の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
満期保有目的債券の償還による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸付金の実行による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
貸付金の回収による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
定期預金の増減 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(171,481)
37,709
(128,691)
59,948
(54,298)
128,613
(41,316)
105,609
(45,819)
37,428
(74,686)
141,175
(18,579)
(159,022)
27,717
(132,068)
75,656
(118,856)
232,641
(162,398)
220,788
(132,667)
59,350
(272,326)
327,994
(1,518)
2,064
(1,240)
555
(2,545)
3,065
(53,901)
14,598
(62,852)
98,014
15,254
(114,765)
31,881
(257,307)
273,281
(25,468)
(1,073)
298
(2,405)
2,554
(238)
投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(24,388)
(62,819)
(51,637)
(483)
財務活動によるキャッシュ・フロー:
短期借入金の増減
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務による調達
(社債発行費用控除後). . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務の返済 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
配当金の支払 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
自己株式の取得
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ストックオプション行使に伴う新株発行による収入 . . . . . . . . . . . . . .
(171,319)
418,241
(516,422)
(12,536)
(645)
財務活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(282,681)
(55,528)
549,188
(516,213)
(12,531)
(58)
17
(35,125)
8,571
686,389
(669,837)
(21,927)
(78)
175
3,293
80
6,415
(6,260)
(205)
(1)
2
31
現金および現金同等物に係る為替変動の影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . .
(9,659)
(9,556)
現金および現金同等物の純増減額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物の期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(46,447)
395,227
営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現金および現金同等物の期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 348,780
922
8
126,890
348,780
101,156
475,670
945
4,446
¥ 475,670
¥ 576,826
$ 5,391
連結財務諸表に対する注記をご参照ください。
99
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
連結財務諸表に対する注記
三菱商事株式会社および連結子会社
2003年、2004年および2005年3月31日に終了した事業年度
1. 事業内容および連結財務諸表の基本事項
事業内容ー三菱商事株式会社(以下、
「当社」
)
および国内外の連結子会
ます。
海外連結子会社は、
それぞれ所在国の会計基準に基づき、
会計帳
社
(以下、
まとめて
「連結会社」
)
は、
多種多様な商品取引およびこれに伴
簿を保持し財務諸表を作成しています。
そのため、
当連結財務諸表の作
う販売先または仕入先に対してのファイナンスや、
国際的なプロジェ
成にあたっては、
米国において一般に公正妥当と認められた会計基準
クト案件の構築などに取り組んでいます。
この他にも投融資、
原材料や
に準拠するべく、
一定の調整または組替を加えています。
これらの調整
設備の調達支援、
新技術の発掘と事業化、
商品の物流・マーケティング
または組替事項は、法定帳簿には記帳されていません。
に関するサービスの提供など、
幅広い事業を展開しています。
2004年3月31日終了の事業年度の連結財務諸表を公表後、当社お
連結会社の主たる事業は、
取引に係る各種サービスの提供です。
具体
よび連結子会社の連結損益計算書における収益表示をEITF第99-19
的には、
輸出業者のための海外市場の開拓や、
輸入業者に対する原材料
号
「契約当事者における収益の総額表示と代理人における収益の純額
調達のサポートなど、
輸出入、
外国間、
国内取引における販売先と仕入
表示」
に従い詳細に検討し見直した結果、
2005年3月31日終了の事業
先を繋ぐ仲介者として事業を行っています。
通常、
連結会社は、
商品の
年度より特定の収益取引とその対応する原価とを総額表示していま
輸送や代金回収業務に係るリスクを負って、一連の取引すべてに関
す。
その結果、
「商品販売および製造業等による収益」、
「売買取引に係
わっており、
取引サービス、
市場分析、
与信管理、
ファイナンス、
ロジス
る差損益および手数料」
について、
2005年3月31日終了の事業年度の
ティックスなどの包括的なサービスにより、
顧客の取引支援を図って
表示形式に合わせて、
2004年3月31日終了の事業年度の連結損益計
います。
算書上のそれらの金額も修正再表示しています。
この見直しによる売
このような事業を通じて、
連結会社は、
商品やサービスの流通、
技術導
入の推進、
投融資、
プロジェクト案件の構築、
市場の開発、
資源開発など、
上総利益、
当期純利益、自己資本への影響はありません。
当連結損益計算書上の
「売上高」
は、
日本の商社が通常自主的に開示
さまざまな役割を果たしています。
また、
デリバティブやその他のヘッ
する指標であり、
連結会社が契約当事者または代理人として関与した
ジ手段を用いて、
顧客の市場リスク回避のサポートも行っています。
取引高または売買契約の取引金額の合計額を表すものです。
「売上高」
連結財務諸表の基本事項ー当連結財務諸表は当社の所在地であり、
主
2005年
たる活動の拠点である日本の通貨
(円)
により行っています。
3月31日終了の事業年度に係る米ドル金額は、
日本国外の本レポートの
利用者の便宜のため2005年3月31日現在の円相場1米ドル=107円
で換算しています。
これらが米ドル建てで表示されているからといっ
て、
上記あるいはその他のレートで円金額が米ドルに換金できるとい
うことを意味するものではありません。
当社および国内の連結子会社は、
国内において一般に公正妥当と認
められた会計基準に基づき、
会計帳簿を保持し財務諸表を作成してい
は、
連結会社の役割が仲介人としてのみの関与に限定されている取引
の契約額は含まれていません。
この
「売上高」
は、
米国会計基準における
「収益」
を意味するものではなく、
米国会計基準における
「収益」
と同等
またはその代用となるものではありません。
しかし、
発生問題専門委員
会は、
EITF第99-19号の結論の中で、
「報告された収益についてその取
引額を自主的に開示することは、
財務諸表利用者にとって有用ともい
える」
と述べています。
経営者は、
「売上高」
の情報は財務諸表利用者に
とって有用であると考えています。
2005年3月31日終了の事業年度の表示方法に合わせ、2004年3月
31日終了の事業年度の連結財務諸表を一部組替表示しています。
2. 重要な会計方針の要約
当連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計方針の要約は以
下のとおりです。
a. 連結の基本方針ならびに子会社、関連会社に対する投資の会計処理
当連結財務諸表は、
当社および当社が直接・間接に議決権の過半数を
20%以上50%以下の議決権を所有する会社、20%未満であっても重
要な影響力を行使しうる会社、
コーポレートジョイントベンチャー)
に
対する投資は持分法を適用しています。
連結会社間の重要な内部取引
ならびに債権債務は、
相殺消去しています。
所有する国内外の子会社の各勘定を連結したものです。
また、
連結会社
当連結財務諸表の作成にあたり、
一部の連結子会社については連結
は、
米国基準会計審議会解釈指針
(Financial Accounting Standards
決算日前3カ月以内に終了する会計年度の財務諸表を用いています。
Board Interpretation、以下「解釈指針」)第46号「変動持分事業体の連
これら子会社の大部分は12月31日を決算日としています。
これは、
こ
結」
および2003年12月に発行されたその改訂版に基づき、
連結会社が
れらの子会社が3月末までの財務報告をすることが実務上困難なため
主たる受益者となる変動持分事業体についても連結をしています
(注
です。
これら子会社の決算日と連結決算日との間に、
当連結財務諸表を
記23「変動持分事業体の連結」をご参照ください)
。関連会社(当社が
修正または開示すべき重要な事項はありません。
100
MITSUBISHI CORPORATION
連結子会社あるいは持分法適用会社が、
第三者割当増資により、
連結
ANNUAL REPORT 2005
f. 有形固定資産
会社の当該会社に対する1株当たりの持分額を超える、
あるいは下回
有形固定資産は、
取得原価で表示しています。
鉱業権以外の有形固定
る価格で株式を発行することがあります。
このような取引による連結
資産の減価償却は、
当該資産の見積耐用年数
(主として建物は10年か
会社の持分の増減額は、
株式の発行が行われた会計年度の損益として
ら50年、
機械および装置は5年から20年、
航空機および船舶は12年か
計上しています。
ら24年の期間)
に基づき、
主として当社および国内子会社は定率法、
海
b. 外貨換算
外貨建財務諸表の項目は、
基準書第52号
「外貨換算」
に基づき換算し
ています。
当基準に基づき、
海外子会社および関連会社の資産および負
債は、
それぞれの決算日の為替レートにより、
収益および費用は、
期中
平均レートにより円貨に換算しています。
換算により生じる為替換算
調整勘定については、
税効果後の金額を
「累積その他の包括損益」
に計
外子会社は定額法を用いて、
それぞれ算出しています。
鉱業権の減価償
却は、見積埋蔵量に基づき、生産高比例法を用いて算出しています。
リース資産の改良に伴う費用は、
見積耐用年数または当該資産のリー
ス期間のいずれか短い期間で償却しています。
多額の改良費および追
加投資は取得原価で資産計上していますが、
維持修繕費および少額の
改良に要した支出については発生時に費用処理しています。
上しています。
また、
外貨建債権債務は、
決算日の為替レートで円貨に
連結会社は、2005年3月31日終了の事業年度からEITF第04-2号
換算し、
その結果生じる換算損益は連結損益計算書の
「その他の損益ー
「鉱業権に関する有形資産または無形資産への区分方法、
および関連す
純額」に計上しています。
c. 短期運用資産およびその他の投資
すべての債券および市場性ある株式は、
基準書第115号に基づき、
売買目的有価証券
(公正価値で評価し、
未実現評価損益は当期の損益と
して認識)
または売却可能有価証券
(公正価値で評価し、
未実現評価損
益は損益に含めず、
税効果後の金額を
「累積その他の包括損益」
に計上)
に分類しています。
この分類の妥当性については、
基準書第115号に基
づき、決算日毎に再検討しています。
連結会社は、
2004年3月31日終了の事業年度において、ポートフォ
リオの信用リスク管理方法の変更により、
満期保有目的債券の保有意
図を変更し、
すべて売却可能有価証券へと保有目的区分の変更を行い
ました。
変更の結果、
2005年3月31日終了の事業年度の期首より2年
る諸問題について」
、
および本合意に伴う基準書第141号
「企業結合」
お
「営業権およびその他の無形固定資産」
を修正する旨の審
よび第142号
議会職員意見書
(FASB Staff Position、
以下
「FSP」
)
第141-1号および
当FSPは、
鉱業権について、
基準書第19号
第142-1号を適用しました。
「石油・ガス産出会社の財務会計および報告」
の対象となるものを除き、
有形固定資産に区分することを要求しています。
連結会社は、
従来無形固定資産として分類し連結貸借対照表の
「その
他の資産」
に計上していた鉱業権のうち当FSPの対象となるものにつ
いて、
2004年3月31日終了の事業年度の期首に遡及して有形固定資
2004年3月31日終了の事業年度の連結財
産として表示するために、
務諸表を組替えています。
この結果、
2004年3月31日終了の事業年度
末の連結貸借対照表に与える影響は以下のとおりです。
単位:百万円
間、
新たに取得する有価証券は売買目的有価証券または売却可能有価
組替表示前
証券に分類されます。
売却した有価証券の原価は、
移動平均法によっています。
連結会社は、
売却可能有価証券について定期的に減損の有無を検討
しています。
各々の投資の公正価値が投資原価を下回り、
その下落が一
時的なものではないと判断された場合には、
公正価値と投資原価の差
額について、
減損損失を認識しています。
また連結会社は、
市場性ある
株式についてSAB第59号に基づき、
公正価値の下落が一時的であるか
否かを判断しています。
時価の下落が一時的でないと判断される場合
には、その期において減損損失を認識しています。
d. 貸倒引当金
貸倒引当金は、
主として過去における貸倒実績および債権の期末残
高に対する貸倒見積高に基づき必要額を計上しています。
有形固定資産 . . . .
その他の資産 . . . .
¥1,168,838
354,120
調整額
組替表示後
¥ 109,343 ¥1,278,181
(109,343)
244,777
g. 長期性資産の減損
連結会社は、
基準書第144号
「長期性資産の減損または処分に関する
会計処理」
に基づき、
長期性資産の帳簿価額が回収できない可能性を示
す事象や状況の変化が生じた場合に、
その減損の有無を検討していま
す。
継続使用の長期性資産については、
帳簿価額と当該資産に係る割引
前の将来見積キャッシュ・フロー総額を比較することにより、
その回収
可能性を検討しており、
当該資産の帳簿価額が将来見積キャッシュ・フ
ローを上回る場合には、
その資産の公正価値と帳簿価額の差額を減損
損失として認識しています。また、売却による処分予定の長期性資産
は、
帳簿価額と、
公正価値から処分費用を控除した価額のいずれか低い
貸付金に関しては、
契約条件に従って全額回収できない可能性があ
額により評価しており、
減価償却の対象とはしていません。
売却以外の
る場合に、引当を行っています。
引当額は、
将来の見積キャッシュ・フ
方法による処分予定の長期性資産は、
継続使用の長期性資産として取
ローを実効利率で割り引いた現在価値、
または当該貸付金の市場価額
り扱っています。
あるいは担保物件の公正価値に基づき算出しています。
h. 営業権およびその他の無形固定資産
e. 棚卸資産
2001年7月1日以降の企業結合は、基準書第141号に基づき、パー
棚卸資産は、
主として商品および原材料からなり、
移動平均法または
チェス法により会計処理しています。
営業権
(持分法を適用している関
個別法に基づく原価、
あるいは直近の再調達原価に基づく時価のいず
連会社投資に係る暖簾を含む)
および耐用年数の確定できない無形固
れか低い額により評価しています。
定資産は、
基準書第142号に基づき、
2002年4月1日より、償却を停止
すると共に少なくとも年1回減損の判定を行っています。償却対象と
101
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
なるその他の無形固定資産は、
耐用年数にわたって償却すると共に、
基
ついては、
付与日から権利確定日までの期間にわたって報酬費用を計
準書第144号に基づき、減損の判定を行っています。
上しています。
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年
基準書第141号の経過
連結会社は、
基準書第142号の適用と同時に、
規定に従って貸方営業権を一括償却しました。
その償却額は8,636百
2003年3月31日終了の事業年度の損益計算書上、
「会計
万円であり、
原則変更による累積影響額」
に含め表示しています。
また、
連結会社は、
度においては、
権利行使価格が権利付与日の株式市場の終値を上回っ
ていたため、株式に基づく報酬費用は認識していません。
n. 収益認識基準
連結会社は、
収益が実現または実現可能となり、かつ稼得された時
基準適用に伴う減損判定を行った結果、
営業権の減損損失536百万円
契約に関する説得力のある証拠があり、
(ii)
顧客に対す
点、
すなわち
(i)
を計上いたしました。
その金額も、
2003年3月31日終了の事業年度の
る商品の引き渡しあるいは役務の提供が完了しており、
(iii)
販売価格が
「会計原則変更による累積影響額」
に含めて表示しています。
i. 石油・ガスの探鉱および開発
対価の回収が合理的に確保
確定または確定し得る状況にあり、
かつ
(iv)
された時に収益認識しています。
具体的な認識基準は次のとおりです。
石油・ガスの探鉱および開発費用は、
成功成果法に基づき会計処理し
商品販売および製造業等による収益ー連結会社は、商品販売、製造業
ています。
利権鉱区取得費用、
試掘井および開発井の掘削・建設費用は、
およびその他の事業において収益を得ています。
製造業およびその他
資産に計上し、
生産高比例法により償却しています。
試掘井にかかる費
の事業は、
主として連結子会社で行われています。
用は、
事業性がないことが判明した時点で、
地質調査費用などのその他
の探鉱費用は、
発生時点で費用化しています。
確認利権鉱区は、
企業環
境の変化や経済事象の発生により帳簿価額の回収可能性が損なわれた
と推定される場合に、
未確認利権鉱区は、
少なくとも会計年度ごとに減
商品販売ー連結会社は、
自らが契約当事者となり在庫を保有し、
商品の売値と買値の差額を損益として計上するさまざまな商取
引を行うことにより収益を得ています。
損の要否の検討を行い、
それぞれ減損が発生している場合には減損損
製造業ー製造業には、
電化製品、
金属、
機械、
化学品、
一般消費財
失を認識しています。
など、
多岐にわたる製品の製造や、
資源開発が含まれています。
商品販売および製造業に係る収益は、
顧客と合意した受渡
j. 従業員退職金および年金制度
連結会社は、
確定給付型年金制度および退職一時金制度のいずれか
に関する条件を充足した時点で認識しています。
受渡に関す
または両方を採用しています。年金費用は、年金数理計算に基づき算
る条件は、
通常、
顧客に商品が引き渡された時点、
倉荷証券が
定しています。
退職一時金制度に係る費用は、原則として確定給付債
交付された時点、
または試運転が完了してそれ以降の義務が
務(貸借対照表日における自己都合期末要支給額)に基づき計上して
なくなり契約に関する顧客の最終受入が確実となった時点
います。
に充足したと見なしています。
長期の建設工事に関しては、
k.資産の除却債務
連結会社は、
2003年4月1日より基準書第143号「資産の除却債務に
関する会計処理」
の適用を開始しました。
当基準書は、
資産の除却債務
について、
その発生時に公正価値で負債として認識すると共に、
関連す
その契約内容によって、
完成までに要する原価および当該長
期契約の進捗度合を合理的に把握できる場合には工事進行
基準により、
そうでない場合には工事完成基準により、
収益
を計上しています。
る長期性資産を増加させることを要求しています。
また、
これにより認
その他の事業ーその他の事業には、サービス関連事業および
識した負債は毎期現在価値に調整されると共に、
資産はその経済的耐
リース事業が含まれています。
サービス関連事業には、
金融、
物
用年数にわたって減価償却することになります。
当基準書の適用が連
流、
情報通信、
技術支援などさまざまな役務の提供が含まれてい
結会社の財務状態および経営成績に与えた影響は軽微でした
(注記15
ます。
また、
連結会社は、
オフィスビル、
航空機、
その他事業用資
「資産の除却債務」をご参照ください)
。
産などのリース事業にも携わっています。
サービス関連事業に係る収益は、
契約上の役務が顧客に提
l. 撤退または処分活動に関連する費用
2003年1月1日以降開始された撤退または処分活動については、基
供された時点で計上しています。
リース事業に係る収益は、
準書第146号
「撤退または処分活動に関する費用の会計処理」
に基づき
当該リース期間にわたって定額法により計上しています。
会計処理しています。当基準書は、撤退または処分活動に関する費用
売買取引に係る差損益および手数料ー連結会社は、
契約当事者あるい
を、
撤退計画の決定時ではなく負債の発生時に認識することを要求す
は代理人として関与するさまざまな商取引に関する手数料収益を得て
るもので、
当該関連費用にかかる負債はその発生時に公正価値で認識
います。
これは、
商取引において顧客の商品売買のサポートを行い、
そ
することを要求しています。
の対価として手数料を得ているものです。
売買取引に係る差損益およ
m. 株式に基づく報酬制度
び手数料は、冒頭記載の条件を充足した時点で認識しています。
連結会社は、
APB第25号「従業員に発行した株式の会計処理」および
これに関連する解釈指針に基づき、
本源的価値法を用いて株式に基づ
o. 広告宣伝費
広告宣伝費は発生した時点で費用として計上しています。
2003年、
く報酬制度の会計処理を行っています。
従って、
権利付与日の株式市場
2004年および2005年3月31日終了の事業年度の広告宣伝費は、そ
終値が権利行使価格を上回る場合には、
その差額を報酬制度に伴う費
れぞれ4,887百万円、
4,664百万円および5,736百万円(54百万米ド
用として認識しています。
付与日と権利確定日が異なるオプションに
ル)です。
102
MITSUBISHI CORPORATION
p. 研究開発費
研究開発費は発生した時点で費用として計上しています。
2003年、
ANNUAL REPORT 2005
しています。
キャッシュ・フローヘッジとして指定したデリバティブの
公正価値の変動額は、
ヘッジ対象取引が実行され損益に計上されるま
2004年および2005年3月31日終了の事業年度の研究開発費は、そ
で
「累積その他の包括損益」
として繰り延べています。
ヘッジ指定され
れぞれ3,240百万円、
3,206百万円および2,226百万円(21百万米ド
ないデリバティブや、
トレーディング目的のデリバティブの公正価値
ル)です。
の変動額は、
損益に計上しています
(注記10
「デリバティブ取引および
q. 法人税等
法人税等は、
連結損益計算書上の税引前利益に基づき算出していま
ヘッジ活動」をご参照ください)
。
s. 連結財務諸表作成にあたっての見積りの使用
す。
会計上と税務上の資産負債の差額に係る一時差異および税務上の
連結財務諸表を一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作
繰越欠損金に対する税効果は、
将来、
当該一時差異が課税所得に影響を
成する際には、
報告金額に影響を与えるような見積りまたは前提を用
与えると見込まれる期間に対応する法定税率を用いて算出していま
いる必要があります。見積りに内在する不確実性により、
実績が見積
す。
繰延税金資産のうち、
将来の実現が見込めないと判断される部分に
りと異なる場合があります。
当連結財務諸表における重要な見積りに
対しては評価性引当金を設定しています。
は、貸倒引当金の設定、投資の評価、長期性資産の評価、
年金および資
r. デリバティブ
連結会社は、
主として金利変動リスクや為替変動リスクの軽減、
商品
や取引契約の相場変動リスクの回避を目的として、
デリバティブ取引
を利用しており、
基準書第133号に基づき処理しています。
基準書第133号は、
デリバティブおよびヘッジ活動に関する会計処
理および開示を規定するものであり、
すべてのデリバティブを貸借対
照表上公正価値により資産または負債として計上することを要求する
と共に、
ヘッジ関係の指定と有効性に関する基準を定めています。
連結会社は、
通常、
デリバティブの契約日において、
ヘッジ会計の要
件を満たす限り、当該デリバティブを公正価値ヘッジまたはキャッ
シュ・フローヘッジとしてヘッジ指定しています。
公正価値ヘッジとし
て指定したデリバティブの公正価値の変動額は、
損益計上し、
ヘッジ対
産の除却債務などがあります。
t. 1株当たり利益
1株当たり利益は、当期純利益を各算定期間における発行済普通株
式の加重平均株式数で除して算出しています。
潜在株式調整後1株当
たり利益は、
潜在的普通株式であるストックオプションや転換社債型
新株予約権付社債の希薄化効果の影響を勘案して算出しています
(注
記18
「1株当たり利益」
参照)
。
u. 現金および現金同等物
連結キャッシュ・フロー計算書における現金同等物とは、
換金が容易
で、
かつ価値変動リスクが僅少な流動性の高い投資であり、
短期の定期
預金を含んでいます。
キャッシュ・フローに関する補足情報は以下のとおりです。
象の資産、
負債および確定契約の公正価値の変動額による損益と相殺
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
年間支払額:
利息(資産計上額を除く) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥54,917
45,084
¥41,639
68,275
¥46,547
91,193
$435
852
キャッシュ・フローを伴わない投資および財務活動:
投資先の企業統合および再編に伴う株式の交換:
取得した株式の公正価額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
交換に供した株式の原価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
市場性ある株式の従業員退職給付信託への拠出 . . . . . . . . . . . . . .
6,940
11,824
33,449
1,979
2,420
10,177
9,951
95
93
2005年
企業の買収に係るキャッシュ・フローを伴わない投資および財務活動については、注記3「企業の買収」をご参照ください。
v. 新会計基準
2004年11月、審議会は基準書第151号「棚卸資産の原価ーARB第43
号第4章の改訂」
を公表しました。
基準書第151号は、
ARB第43号第4章
「棚卸資産の価格」
を改訂することにより、
遊休設備費用、
輸送費、
運搬
費および無駄となった材料費
(仕損)
に係る異常な金額の会計処理を明
確にしています。
特に基準書第151号は、
遊休設備費用、
過度の仕損、
倍
加運賃、
再運搬費用などの項目をARB第43号の
「異常」
の要件を満たす
か否かにかかわらず、
当期費用として認識することを規定しています。
さらに、
基準書第151号は、
固定製造間接費を加工費に按分する場合、
生産設備の通常の操業度をもとに行うことを規定しています。
基準書
第151号は、
2005年6月15日より後に開始する会計年度より適用され
ます。
連結会社は、
基準書第151号を2006年4月1日より適用開始する
予定です。
連結会社は、
基準書第151号の適用が将来の連結財務諸表に
与える影響を判定するため、
現在基準書第151号を検討中です。
2004年12月、審議会は基準書第123号(2004年改訂)
「株式に基づ
く支払」
を公表しました。
本基準書は、
基準書第123号
「株式に基づく報
酬の会計処理」
を改訂し、
APB第25号「従業員に発行する株式の会計処
理」
を廃止するもので、
株式に基づく支払いを所定の権利行使期間にわ
たって費用計上することを規定しています。
限定的な例外を除き、
報酬
費用は、
権利付与日の公正価値に基づき算定されます。
また負債見合い
で計上される報酬については、
その後決済日までの各会計期間におい
て再測定されます。
連結会社は、
本基準書の適用が連結財務諸表に与え
る影響を検討していますが、
重要な影響はないと考えています。
103
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2004年12月、審議会は基準書第153号「非貨幣資産の交換ーAPB第
される連結会計年度から適用されます。
連結会社は、
EITF第04-6号を
29号の改訂」を公表しました。基準書第153号は、APB第29号「非貨幣
2006年4月1日より適用開始する予定です。連結会社は、EITF第04-6
取引の会計処理」
の第21
(b)
項における類似の事業用資産の非貨幣交
号の適用が将来の連結財務諸表に与える影響を判定するため、現在
換取引に関する公正価値による測定に関する例外規定を削除し、
経済
EITF第04-6号を検討中です。
的実質のない交換取引に関する例外規定に置き換えています。
基準書
第153号は、2005年6月15日より後に開始する連結会計期間以降の
交換取引に適用され、
早期適用も認められています。
連結会社は、
基準
書第153号を2005年7月1日より適用開始する予定です。
2005年4月、審議会はFSP第19-1号「休止井(Suspend Well)コスト
に関する会計処理」
を公表しました。
FSP第19-1号は、基準書第19号
「石油・ガス会社の財務会計および報告」
を改訂するもので、
成功成果法
を使用している会社に適用されます。
FSP第19-1号は、試掘井費用を
2005年3月、審議会は解釈指針第47号「条件付資産除却債務の会計
1年超継続して資産化する場合の要件を規定しており、また試掘完了
処理」
を公表しました。
解釈指針第47号は、
基準書第143号で規定され
後1年経過後に資産化された費用などを追加情報として開示すること
ている条件付資産除却債務に係る会計処理を明確化するものです。
条
FSP第19-1号は、2005年4月4日から後に開始す
を要請しています。
件付資産除却債務は、
時期や方法が将来の事象により決定される債務
る会計期間より適用されます。
連結会社は、
FSP第19-1号を2005年7
それらが不確実のため必要な情報が不
であり、
解釈指針第47号では、
月1日より適用開始する予定です。
連結会社は、
FSP第19-1号の適用が
足し、その債務の公正価値を合理的に見積ることができない場合の
将来の連結財務諸表に与える影響を判定するため、
現在FSP第19-1号
事例を示し、またそれらを合理的に見積ることができる十分な情報
を検討中です。
がある場合を明確にしています。
解釈指針第47号は、
2005年12月15
日より後に終了する会計年度末より適用されます。
連結会社は、
解釈指
連結会社は、
針第47号を2006年3月31日より適用開始する予定です。
解釈指針第47号の適用が将来の連結財務諸表に与える影響を判定す
るため、
現在解釈指針第47号を検討中です。
2005年5月、審議会は基準書第154号「会計上の変更および誤謬の
訂正ーAPB第20号および基準書第3号の置換」
を公表しました。
基準書
第154号は、
会社が任意に会計方針を変更した場合の会計処理および
APB第20号は大部分の会
開示に関する要求を変更しています。
従来、
計方針の変更について、
累積的影響額を変更年度の損益に含めること
2005年3月、発生問題専門委員会はEITF第04-6号「鉱山業における
を要求していましたが、
基準書第154号は、
原則として過年度への遡及
生産時に発生した剥土費用に関する会計処理」
について合意に達しま
適用を要求しています。
また、
従来会計方針の変更として処理していた
した。
EITF第04-6号は、生産時に発生した剥土費用は変動生産費であ
減価償却方法の変更については、
会計上の見積りの変更として処理す
り、
棚卸資産へ配賦すること、
すなわち、
将来における潜在的な利益は
る必要があります。基準書第154号は、
2005年12月15日より後に開
考慮するべきではなく、
発生した期間の活動に関連するものである旨
2006年4月1日より基
始する会計年度より適用されます。
連結会社は、
を規定しています。
EITF第04-6号は、2005年12月15日より後に開始
準書第154号を適用開始する予定です。
3. 企業の買収
MKG Bankー連結会社は2003年11月、自動車販売金融事業を当社欧
メタルワンー2003年1月、
当社と日商岩井株式会社
(現社名:双日株式
州自動車事業の中核事業の一つとして育成、
拡大するため、
欧州にて自
会社、
以下
「日商岩井」
)
は、
お互いの鉄鋼製品事業を統合、
株式会社メタ
動車販売金融事業を営む在ドイツMKG Bank
(以下
「MKG-B社」
)
の持
ルワン
(以下
「メタルワン」
)
を設立しました。
その結果、
メタルワンに対
分55%を追加取得しました。
追加取得以前は、
連結会社はMKG-B社の
する当社の持分は60%となりました。
メタルワンは、
当社から分離し
持分 4 5 % を保有し持分法を適用していました。追加取得の結果、
た資産および負債は帳簿価額で記帳し、
日商岩井から分離した資産お
MKG-B社は連結会社の100%子会社となり、MKG-B社の業績は取得
よび負債にパーチェス法を適用し、
公正価額で記帳しています。
これら
日より連結会社の業績に連結されています。
また株式売買契約には、
今
の取引は、
連結会社が保有していた鉄鋼製品事業に対する持分の40%
後数年間のドイツ市場における車両卸売台数に応じて追加支払を行う
の売却、
および日商岩井が保有していた鉄鋼製品事業に対する持分の
条項が含まれています。
60%の取得として会計処理しています。当社と日商岩井は異なる顧客
連結会社は取得日に資産205,210百万円を取得する一方、
負債182,687
百万円を引き受けました。
また、
資産および負債に加えて、
無形固定資
産を18,360百万円、
繰延税金負債を6,687百万円、
また流動負債を1,003
百万円計上しており、無形固定資産は8年定額償却を行っています。
取得した無形固定資産は、
欧州における三菱自動車工業
(以下
「MMC」
)
製車両の顧客に対するファイナンスサービスを優先的に実施する権利
層を基盤としていることから、連結会社は当該企業結合を通じて、ス
ケールメリットの享受、
費用削減のみならず、
サービス機能の強化や新
規市場および顧客の獲得が可能となります。
なお、
メタルワンは、
東京
に本社を置き、
アジア、
米州、
欧州、
アフリカ、
中東地域において営業を
行っています。
この一部売却取引の結果、
統合日に連結会社は資産285,081百万円
によるものです。
流動負債は取得コストを超えた取得純資産に相当し、
を取得する一方、
負債225,081百万円を引き受け、
また2003年3月31
追加支払条項に基づいて追加のコストが発生した場合に相殺されます。
日終了の事業年度において税引前2,083百万円の損失を
「有価証券損
益」
に計上しています。
連結会社は、
過半数保有株主として統合日より
メタルワンを連結しています。
104
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
4. 短期運用資産およびその他の投資
債券および市場性ある株式ー基準書第115号に基づき、
連結会社が保
2004年および2005年3月31日終了の事業年度における売買目的
有するすべての債券
(主に社債やコマーシャル・ペーパー)
および市場
有価証券および売却可能有価証券に分類された有価証券に関する情報
性ある株式は、
売買目的有価証券に分類される一部を除き、売却可能
は以下のとおりです。
有価証券に分類されています。
単位:百万円
2004年3月31日現在
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取得原価
未実現評価益
未実現評価損
公正価値
¥ 68,664
¥306,689
383,421
¥308,933
3,656
取得原価
未実現評価益
¥(2,013)
(809)
613,609
386,268
単位:百万円
2005年3月31日現在
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現評価損
公正価値
¥108,029
¥386,167
282,870
¥511,792
5,832
取得原価
未実現評価益
¥(1,529)
(192)
896,430
288,510
単位:百万米ドル
2005年3月31日現在
売買目的有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却可能有価証券:
株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未実現評価損
公正価値
$1,010
$3,609
2,644
$4,783
54
$(14)
(2)
8,378
2,696
2005年3月31日終了の事業年度における売却可能有価証券に分類された債券の貸借対照表価額の期日別内訳は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
1年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1年超5年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
5年超10年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
10年超 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥169,646
95,708
18,257
4,899
$1,585
894
171
46
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥288,510
$2,696
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における売却可能有価証券の売却収入額、売却益および売却損の総額は以下のと
おりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
2005年
売却収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥128,613
¥232,641
¥327,994
$3,065
売却益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売却損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
6,300
(2,906)
¥ 38,450
(1,132)
¥ 18,698
(1,346)
$ 175
(13)
売却損益
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
3,394
¥ 37,318
¥ 17,352
$ 162
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度の当期純
2003年、2004年および2005年年3月31日終了の事業年度におい
利益には、
売買目的有価証券の未実現評価損益の変動により、
それぞれ
て、
売却可能有価証券に分類された市場性ある株式のうち、
時価の下
1,039百万円、81百万円の損失および1,718百万円(16百万米ドル)の
落が一時的ではないと判断し、
連結損益計算書上に計上した評価損は
利益が含まれています。
それぞれ40,802百万円、
1,720百万円および12,408百万円(116百
万米ドル)
です。
105
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2004年および2005年3月31日終了の事業年度において、EITF第03-1号「投資の一時的でない減損の意味と特定の投資への適用」に基づき、
一時的な下落と判断される未実現評価損を有する投資の総未実現評価損および公正価値を、
投資分類および未実現評価損が継続している期間
別に集計すると以下のとおりです。
単位:百万円
下落期間12カ月未満
2004年3月31日現在
下落期間12カ月以上
合計
公正価値
未実現評価損
公正価値
未実現評価損
公正価値
未実現評価損
市場性ある株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥26,327
65,752
¥(1,364)
(572)
¥ 2,342
40,517
¥(649)
(237)
¥ 28,669
106,269
¥(2,013)
(809)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥92,079
¥(1,936)
¥42,859
¥(886)
¥134,938
¥(2,822)
単位:百万円
下落期間12カ月未満
2005年3月31日現在
下落期間12カ月以上
公正価値
未実現評価損
合計
公正価値
未実現評価損
公正価値
未実現評価損
市場性ある株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 6,726
22,222
¥ (958)
(174)
¥1,727
1,072
¥(571)
(18)
¥ 8,453
23,294
¥(1,529)
(192)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥28,948
¥(1,132)
¥2,799
¥(589)
¥31,747
¥(1,721)
単位:百万米ドル
下落期間12カ月未満
2005年3月31日現在
公正価値
未実現評価損
下落期間12カ月以上
公正価値
未実現評価損
合計
公正価値
未実現評価損
市場性ある株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$ 63
208
$ (9)
(2)
$16
10
$(5)
$ 79
218
$(14)
(2)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$271
$(11)
$26
$(5)
$297
$(16)
市場性ある株式ー市場性ある株式の未実現評価損は、主に約100社の
2003年3月、当社は売却可能有価証券および上場している関連会社
顧客および仕入先の普通株式で生じており、
主として日本の株式市況
株式を当社の従業員拠出型年金制度および従業員非拠出型年金制度の
全般の下落により生じているものです。
個々の投資の公正価値は投資
ために設定した従業員退職給付信託に拠出しました。
これらの有価証
簿価からおおよそ1%から41%の下落となっています。
当社は、
これら
券の拠出時における公正価値は33,449百万円であり、
2003年3月31
の投資を公正価値の回復を合理的に見込める期間にわたり、
保有する
日終了の事業年度において、
退職給付信託設定益18,002百万円を計
能力および意思を保有していることと、
相当な株式市況全般の回復か
上しました。
ら、
2005年3月31日終了の事業年度において、これらの投資について
は、
一時的でない下落による減損ではないと判断しています。
債券および市場性ある株式以外の投資ー
「その他の投資」
は、
市場性の
ない非関連会社、
すなわち顧客、
仕入先および金融機関に対する投資か
債券ー債券の未実現評価損は、2005年3月31日終了の事業年度中の
らなり、
優先株式を含んでおり、
2004年および2005年3月31日終了
市況全般の回復の結果、
2005年3月31日時点において192百万円(2百
の事業年度末の残高はそれぞれ269,657百万円および313,524百万
万米ドル)
となっています。
未実現評価損は約10銘柄の社債で生じて
円
(2,930百万米ドル)
です。
また
「その他の投資」
には、
差入保証金や長
おり、
個々の投資の公正価値は投資簿価からおおよそ0.1%から2%の
期の定期預金なども含んでおり、
2004年および2005年3月31日終了
下落となっています。
未実現評価損は、
主に金利の上昇およびクレジッ
の事業年度末の残高はそれぞれ54,854百万円および61,702百万円
トスプレッドの拡大により生じているものです。
社債のクレジットスプ
レッドはわずかに拡大していますが、
当社は継続的な評価により、
現在
のところ、
これらの投資が償還期限に全額償還されると考えています。
当社は、
これらの投資を公正価値の回復が合理的に見込める償還日ま
での期間にわたり、
保有する能力および意思を保有していることから、
2005年3月31日終了の事業年度末において、一時的でない下落によ
る減損ではないと判断しています。
(577百万米ドル)です。
市場性のない非関連会社に対する投資は公正価値を容易に入手する
ことが困難なため、取得原価で計上しています
(「原価法投資」
)。
しか
し、
公正価値に重要な影響を及ぼす事象の発生や状況の変化が見られ、
公正価値が下落したと評価され、
その下落が一時的でないと判断され
た場合は、
見積公正価値まで評価減を行っております。
2005年3月31
日終了の事業年度末で減損の判定を実施しなかった原価法投資の残高
当社の投資先で、
取得株式の公正価値と帳簿価額との差額に基づき
は、
306,028百万円(2,860百万米ドル)です。減損の判定を実施しな
株式交換損益の認識が必要となる企業結合が行われたことにより、
かったのは、
公正価値に重要な影響を及ぼす事象の発生や状況の変化
2004年および2005年3月31日終了の事業年度において、それぞれ株
が見られず、かつ公正価値を見積ることが実務上困難なためです。
式交換損441百万円および株式交換益395百万円
(4百万米ドル)
を計
上しました。
2003年3月31日終了の事業年度で、親会社が株式交換益
あるいは株式交換損を計上した企業結合はありませんでした。
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度末に計上
された原価法投資の評価損は29,327百万円、37,290百万円および
17,319百万円(162百万米ドル)です。2004年3月31日終了の事業年
度に計上された評価損には、
当社が持分11.6%を保有していたパワー
ドコムへの投資に対する評価損20,437百万円が含まれます。
106
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
5. 関連会社に対する投資および長期債権
関連会社の事業は主として製造、
資源開発およびサービスの各分野
にわたっており、
主に連結会社の取引に購入者または供給者として参
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末における関連会
社に対する投資および長期債権の残高は以下のとおりです。
加しています。
その営業地域は主として日本、
アジア、
オセアニア、
ヨー
ロッパおよび北米です。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2005年
投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥748,813
72,716
¥777,541
57,538
$7,267
537
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥821,529
¥835,079
$7,804
上記の関連会社に対する投資額には、暖簾残高が含まれています。
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末における暖簾残高
(509百万米ドル)
の暖簾
業年度の第3四半期において54,439百万円
の減損処理を行いました。
この減損損失はローソンに対する投資の帳
は、
それぞれ144,280百万円および92,219百万円
(862百万米ドル)
簿価格と2004年12月末の市場取引価格との差額で、
連結損益計算書
となっています。
の
「有価証券損益」
に計上されています。
また関連会社に対する投資額には、
市場性ある株式が含まれていま
当社は2005年3月31日終了の事業年度に、サウディアラビアでの
す。
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末における市場性
石油化学合弁事業における日本側投資会社であるサウディ石油化学株
ある株式の簿価は、
それぞれ255,249百万円および205,733百万円
2005
式会社
(以下、
「サウディ石油化学」
)
の持分を追加取得しました。
(1,923百万米ドル)
です。
また、
これらの市場価額の総額についてはそ
年3月31日終了の事業年度以前より当社はサウディ石油化学の持分を
263,216百万円および242,971百万円(2,271百万米ドル)で
れぞれ、
保有しており、
当該投資を原価法で会計処理していました。
追加取得の
す。このうち、
連結会社が31.7%を保有し持分法を適用している株式
結果、
当社はサウディ石油化学に対する出資比率は21.09%となり、
当
会社ローソン
(以下、
「ローソン」
)
の株式に関しては、
帳簿価額がそれぞ
社はサウディ石油化学に対する重要な影響力を行使し得ることとなっ
れ171,796百万円および123,406百万円
(1,153百万米ドル)
です。
ま
たため、
2005年3月31日終了の事業年度において当該投資に対して
た、
市場価額については、
それぞれ129,273百万円および127,653百
APB第18号「持分法による
持分法を適用しています。
持分法の適用は、
万円
(1,193百万米ドル)となっています。
普通株式投資の会計処理」
に従って要求される子会社の段階的取得の
ローソンに対する投資の公正価額については、当社による将来の
キャッシュ・フロー予測、
加重平均資本コスト、
ローソン株の市場取引
価格を基にして独立した鑑定人が割引キャッシュ・フロー分析法を用
いて算出しておりますが、
投資簿価と市場取引価格との間の乖離が長
会計処理と同様に行っています。
その適用に伴い、
サウディ石油化学に
対する投資、
経営成績および利益剰余金を過年度に遡って修正再表示
しています。
なお、
2003年および2004年3月31日終了の事業年度の
修正再表示前および修正再表示後の金額は次のとおりです。
期間にわたり発生していることを勘案し、2005年3月31日終了の事
2003年
関連会社に対する投資および長期債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期繰延税金負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利益剰余金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
為替換算調整勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法による投資損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1株当たり利益:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
潜在株式調整後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結会社は、
Tangguh LNGプロジェクトとよばれるインドネシアで
2004年
修正再表示前
修正再表示後
修正再表示前
¥ 712,774
1,189,107
415,200
¥ 720,134
1,184,229
414,281
¥ 814,293
1,209,337
872,939
(173,401)
(28,244)
44,506
62,265
39.76
37.26
876,201
(175,100)
(28,145)
44,878
62,019
39.60
37.12
136,422
975,251
(205,987)
(28,216)
55,530
115,370
73.69
68.01
修正再表示後
¥ 821,529
1,204,459
137,526
979,163
(208,645)
(28,117)
56,464
116,020
74.11
68.40
績に連結していました。
2004年3月31日終了の事業年度において、連
のLNG事業に参画しているMI Berau B.V.(以下「MI Berau社」
、
オラ
結会社は、
インペックス社と合弁契約書
(以下
「株主間協定書」
)
を取り
ンダの企業)
の株式を56%保有しており、
国際石油開発株式会社
(以下
交わし、
MI Berau社の経営上の重要事項の決定に関しては連結会社に
「インペックス社」
)
が少数株主として株式を44%保有しています。
MI
加えて、
インペックス社の同意を必要とする旨を規定しました。
株主間
Berau社の業績は連結会社の2002年3月31日終了の事業年度より業
協定書にて付与された権利により、
インペックス社はMI Berau社に対
107
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
して、
重要な影響力を行使し得ることとなり、
連結会社は、
単独での支
得株式9.2%の株式交換損失4,745百万円を
「有価証券損益」
に計上し
配権を行使する立場にはなくなりました。
それに伴い、
EITF第96-16
ています。
この損失は、
取得株式の公正価値と子会社持分の帳簿価額と
号
「少数株主が拒否権などの実質的参加権を有している場合の子会社
の差額に基づくものです。
この取引の結果、
連結会社は当該投資先へ重
に関する会計処理」
に従い、
連結会社はMI Berau社の業績を連結する
要な影響力を行使し得ることになったため、
当該取引日より持分法を
ことを取り止め、2003年7月1日より持分法を適用しています。
適用しています。
2002年4月、当社の原価法投資先である会社が、当社が持分60%を
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における、
保有する連結子会社を株式交換により取得しました。
当該企業結合に
持分法を適用している関連会社の要約財務情報は以下のとおりです。
伴い、
2003年3月31日終了の事業年度において、子会社への持分と取
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2005年
流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥2,324,257
2,219,546
1,807,873
¥1,800,780
2,492,608
966,476
$16,830
23,295
9,033
資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥6,351,676
¥5,259,864
$49,158
.
.
.
.
¥2,511,599
1,848,922
22,698
1,968,457
¥1,718,811
1,123,972
10,075
2,407,006
$16,064
10,505
94
22,495
負債および資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥6,351,676
¥5,259,864
$49,158
流動負債 . . . .
固定負債 . . . .
少数株主持分
資本勘定 . . . .
.................................
.................................
.................................
.................................
.
.
.
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.
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
2005年
売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥4,514,512
¥5,013,324
¥4,611,073
$43,094
売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 976,993
¥1,114,093
¥1,143,004
$10,682
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 126,174
¥ 180,137
¥ 275,505
$ 2,575
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における、
また、
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度にお
連結会社の関連会社に対する売上高は、それぞれ810,304 百万円、
ける関連会社からの受取配当金は、
それぞれ22,085百万円、32,100
916,135百万円および926,101百万円(8,655百万米ドル)となって
百万円および59,560百万円(556百万米ドル)です。
います。また、連結会社が関連会社から購入した額は、それぞれ
780,988百万円、915,449百万円および1,125,680百万円(10,520
百万米ドル)となっています。
6. 貸倒引当金
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における貸倒引当金の推移は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
2005年
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥168,910
¥182,591
¥166,986
$1,561
貸倒引当金繰入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
22,549
7,436
9,376
88
取崩額:
切捨 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
回収 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(14,585)
186
(33,672)
4,079
(26,945)
5,980
(252)
56
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
(14,399)
(29,593)
(20,965)
(196)
...........................................
5,531
6,552
2,027
18
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥182,591
¥166,986
¥157,424
$1,471
(注)
その他
(注)
「その他」
には、
主に新規連結、連結除外および為替変動の影響が含まれています。
108
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
基準書第114号
「貸付金の減損に対する債権者の会計」
で規定されて
減損債権にかかる受取利息は、
原則として現金主義により計上して
いる、
減損が生じていると判断される貸付金の合計残高
(1年超の売掛
おり、
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度に計上
金を含む)
は、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末におい
した金額は僅少です。
て、
それぞれ155,407百万円および143,007百万円
(1,337百万米ド
ル)
であり、
これに対する貸倒引当金はそれぞれ126,526百万円および
117,946百万円(1,102百万米ドル)です。
7. 有形固定資産
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末の有形固定資産の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
販売用不動産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
土地 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
建物
(リース資産の改造費などを含む) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械および装置 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
航空機および船舶 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
鉱業権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
建設仮勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却累計額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産ー減価償却累計額控除 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年3月31日終了の事業年度より、2004年3月31日終了の事業
¥
44,114
315,804
575,822
564,823
360,165
128,744
9,709
1,999,181
(721,000)
¥1,278,181
2005年
¥
66,240
257,922
510,170
564,289
393,824
142,821
37,448
1,972,714
(745,553)
¥1,227,161
2005年
$
619
2,410
4,768
5,274
3,681
1,335
350
18,437
(6,968)
$11,469
く連結子会社が保有する土地・建物に対する減損が含まれており、
年度まで
「その他の資産」
に含めて表示していた鉱業権を有形固定資産
2004年3月31日終了の事業年度においては当社が保有する賃貸業用
の新たな区分として追加しています
(注記2fご参照)
。
また、
販売用不動
ビルや、
連結子会社が保有する施設、
土地、
航空機に対する減損などが
産と、
航空機および船舶を有形固定資産の新たな区分として追加して
含まれています。
2005年3月31日終了の事業年度における減損は、主
おり、
2004年3月31日終了の事業年度の数値は、これらの変更に合わ
に事業環境の悪化に伴う収益性の低下や、
連結子会社の経営方針の変
せて組替えて表示しています。
更に関連しています。
また、
2004年3月31日終了の事業年度における
2003年、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度における減
102,982百万円および102,794
価償却費は、
それぞれ87,404百万円、
減損は、
主に事業環境の悪化に伴う収益性の低下や、
日本における土地
の価値下落に関連しています。
百万円
(961百万米ドル)
です。
2005年3月31日終了の事業年度における長期性資産の減損には、
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における
減損額のセグメント別の内訳は以下のとおりです。
主に連結子会社が保有する通信事業関連設備、
賃貸用倉庫・土地、
同じ
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
セグメント
新機能事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
エネルギー事業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
金属 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
機械 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
化学品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生活産業 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他(注) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
¥
¥2,768
6,536
¥9,304
2005年
2005年
17
6,660
2,473
7,703
37
1,981
81
¥10,124
9,380
6,324
2,135
50
1,015
10
$ 95
88
59
20
¥18,952
¥29,038
$271
9
(注)
「その他」
は、
特定の事業セグメントに割り振ることのできない共用資産の減損を表しています。
これらの金額は連結損益計算書の
「固定資産損益」
に含まれており、
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度において
当該資産の帳簿価格と見積公正価値との差額として算定しています。
資産化された支払利息は、
それぞれ1,439百万円、
1,848百万円および
見積公正価値は主に第三者による鑑定評価または割引キャッシュ・フ
1,696百万円(16百万米ドル)です。
ロー法に基づき算定しています。
109
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
8. 担保差入資産
2005年3月31日終了の事業年度末における短期借入金、長期債務および取引保証などに対する担保差入資産は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
受取手形、
貸付金および売掛金(短期および長期). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資有価証券(貸借対照表計上額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産(減価償却累計額控除後) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 76,031
5,380
166,970
18,083
$ 711
50
1,560
169
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥266,464
$2,490
単位:百万円
単位:百万
米ドル
短期借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期借入債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
取引保証など . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 15,421
219,900
31,143
$ 144
2,055
291
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥266,464
$2,490
上記の担保差入資産を見合債務の種類別に分類すると以下のとおりです。
連結会社は、
輸入金融の方法として、
通常は、
銀行にトラスト・レシー
ト
(輸入担保荷物保管証)
を差し入れ、
その銀行に対して輸入商品また
は売上債権およびその売却代金に対する担保権を付与しています。
輸
入業務が量的に膨大であることから、
手形を期日に決済するにあたり、
個々に当該手形とその売却代金との関連付けは行っていません。
従っ
て、
これらトラスト・レシートの対象となっている資産総額を確定する
ことは実務上困難です。
また貸付銀行の中には、
当該注記に記載された担保差入資産の他に
担保差入
(あるいは追加担保差入)
を設定する権利を要求するものがあ
ります。
これらについては、
注記12をご参照ください。
9. 営業権およびその他の無形固定資産
連結会社は基準書第142号に従い、
営業権および耐用年数を確定で
その他の無形固定資産
きない無形固定資産については償却を行っていません。
また、
連結会社
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末におけるその他
は償却対象の無形固定資産については耐用年数にわたって償却を行っ
の無形固定資産の帳簿価額、
償却累計額の主な資産種類別の内訳は以
ています。
下のとおりです。
なお、
その他の無形固定資産は貸借対照表上の
「その
他の資産」
に含まれています。
単位:百万円
2004年3月31日現在
取得原価
償却累計額
帳簿価額
償却対象の無形固定資産:
ソフトウエア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
製造・販売・サービス実施権、および商標権 . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 54,531
40,747
7,334
¥(28,660)
(8,294)
(3,346)
¥25,871
32,453
3,988
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥102,612
¥(40,300)
¥62,312
耐用年数が確定できない無形固定資産:
借地権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 3,159
4,812
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 7,971
110
MITSUBISHI CORPORATION
単位:百万円
2005年3月31日現在
ANNUAL REPORT 2005
単位:百万米ドル
取得原価
償却累計額
帳簿価額
取得原価
償却累計額
帳簿価額
償却対象の無形固定資産:
ソフトウエア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
製造・販売・サービス実施権、および商標権 . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 53,518
39,037
9,980
¥(27,992)
(14,916)
(4,085)
¥25,526
24,121
5,895
$500
365
93
$(262)
(139)
(38)
$238
226
55
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥102,535
¥(46,993)
¥55,542
$958
$(439)
$519
耐用年数が確定できない無形固定資産:
借地権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
顧客関係 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 1,421
3,453
3,834
$ 13
32
36
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 8,708
$ 81
2003年、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度に取得した
2003年、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度に取得した
償却対象の無形固定資産は、
それぞれ合計で30,651百万円、
32,498百
耐用年数を確定できない無形固定資産は、
それぞれ合計で3,963百万
万円および14,598百万円
(136百万米ドル)
です。
2003年3月31日終
円、
650百万円および3,773百万円(35百万米ドル)です。2005年3月
了の事業年度に取得した主なものは、
アジア自動車事業における自動
31日終了の事業年度に取得した主なものは、卸売事業に係る顧客関係
ソフトウエア10,726百万
車の製造および販売実施権17,728百万円、
3,453百万円(32百万米ドル)です。
円です。
2004年3月31日終了の事業年度に取得した主なものは、欧州
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における
自動車事業におけるファイナンスサービス実施権18,360百万円、
ソフ
無形固定資産償却費は、合計で12,400百万円,14,518百万円および
トウエア11,926百万円です。
2005年3月31日終了の事業年度に取得
17,166百万円(160百万米ドル)です。
した主なものは、アジア自動車事業における製造および販売実施権
2005年3月 31日終了の事業年度末において、翌5年間の見積償却
2,182百万円(20百万米ドル)、ソフトウエア9,967百万円(93百万米
費は以下のとおりです。
ドル)
です。
ファイナンスサービス実施権、
製造・販売およびサービス実
施権およびソフトウエアの加重平均償却年数は、
それぞれ8年、
および
5年です。
3月31日に終了する事業年度:
2006年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
単位:百万円
単位:百万
米ドル
¥14,436
12,089
9,726
6,522
4,315
$135
113
91
61
40
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度において
しています。
また、
公正価値の見積りには割引将来キャッシュ・フロー
これらの無形固定資産について減損テストを行いました。その結果、
を使用しています。なお、当該減損損失は固定資産損益に含めて表示
2003年および2004年3月31日終了の事業年度においては減損は発
しています。
生していないとの判断に至りましたが、
2005年3月31日終了の事業年
営業権
度においては5,987百万円(56百万米ドル)の減損が発生しました。
営業権は2004年および2005年3月31日終了の事業年度末の連結
2005年3月31日終了の事業年度に発生した減損のうち主なものは
貸借対照表の「その他の資産」に含まれています。
サービス実施の公正価値が下落したことにより発生したサービス実
2004年および2005年3月31日終了の事業年度における報告セグ
施の減損4,922百万円(46百万米ドル)であり、機械グループで発生
メント別の営業権の推移は以下のとおりです。
2004年3月31日に終了する事業年度
単位:百万円
セグメント
期首残高
.
.
.
.
.
.
¥ 1,702
7,880
3,149
5,663
9,905
435
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥28,734
新機能事業 . . .
金属 . . . . . . . .
機械 . . . . . . . .
化学品 . . . . . .
生活産業 . . . . .
その他 . . . . . .
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
取得
その他
¥
期末残高
1,965
449
(23)
(188)
(148)
(1,389)
(213)
(252)
¥ 1,679
8,739
3,237
4,274
11,657
632
¥3,697
¥(2,213)
¥30,218
¥1,047
236
111
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
エネルギー事業グループについては、2004年3月31日終了の事業年度においては営業権の残高はありません。
2005年3月31日終了の事業年度
単位:百万円
セグメント
単位:百万米ドル
期首残高
取得
その他
.
.
.
.
.
.
.
¥ 1,679
¥ 383
276
143
¥(1,343)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥30,218
新機能事業 . . . . . . . . .
エネルギー事業 . . . . . .
金属 . . . . . . . . . . . . . .
機械 . . . . . . . . . . . . . .
化学品 . . . . . . . . . . . .
生活産業 . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . .
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
8,739
3,237
4,274
11,657
632
期末残高
期首残高
取得
その他
$ 16
$ 4
3
1
$(13)
211
2,353
1,010
(429)
(1,797)
(18)
(504)
(203)
719
276
8,453
1,440
4,467
13,506
1,439
¥4,376
¥(4,294)
¥30,300
$282
¥
82
29
40
109
6
期末残高
2
22
9
(5)
(2)
7
3
79
13
42
126
13
$41
$(40)
$283
(4)
(16)
$
(注)
「その他」
には、
売却および為替換算調整額が含まれています。
営業権については減損テストを実施しました。
2003年3月31日終
741百万円の減損損失を計上しています(新基
了の事業年度において、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度において、営業権に
ついての年次減損テストを行った結果、減損は認識していません。
準適用に伴う536百万円の損失を含む)
。
10. デリバティブ取引およびヘッジ活動
リスク管理全般ー連結会社は、
通常の営業活動において、
金利変動、
為
為替変動リスクの管理ー連結会社は、
グローバルに企業活動を行って
替変動、
商品相場および株価変動などの市場リスクに晒されています。
おり、
各社が拠点とする現地通貨以外による売買取引、
ファイナンス、
これらのリスクを管理するため、
連結会社は、
原則として、
リスクの純
投資に伴う為替変動リスクに晒されています。
連結会社は、
ナチュラ
額を把握して、
ナチュラルヘッジを有効に活用しています。
さらに、
取
ルヘッジを有効に利用して資産や負債、
未認識の確定契約に対する為
引相手先に関するリスク管理方針に則ってさまざまなデリバティブ取
替リスクを相殺すること、および非機能通貨のキャッシュ・フローの
引を締結し、特定リスクの軽減を図っています。
経済価値を保全するべく為替予約などの契約を利用することにより、
連結会社の利用しているデリバティブ取引は、
主に金利スワップ、
為
替予約、
通貨スワップ、
商品先物取引です。
これらヘッジ手段の公正価
値の変動は、
その一部もしくは全部が、
対応するヘッジ対象取引の公正
価値の変動またはキャッシュ・フローの変動によって相殺されます。
実
務上可能な場合には常に、
ヘッジ会計の適用要件を満たすべく特定リ
為替変動リスクを管理しています。
これら外貨建契約が基準書第133
号の下ではヘッジ手段として指定されていない場合であっても、
連結
会社は、
これらの取引が為替変動による影響を有効に相殺していると
判断しています。ヘッジ対象となる主な通貨は、
米ドル、ユーロ、
豪ド
ルです。
スクに対してヘッジ指定を行っています。
こうした状況下、
連結会社
商品相場変動リスクの管理ー連結会社は、
売買取引およびその他の営
は、
ヘッジの開始時および継続期間中にわたって、
ヘッジ手段のデリバ
業活動において、
さまざまな商品の相場変動リスクに晒されています。
ティブ取引がヘッジ対象取引の公正価値の変動またはキャッシュ・フ
連結会社は、
リスク管理方針に基づき、
商品相場のリスクをヘッジする
ローの変動と高い相殺関係があるかどうかに関する有効性評価を実施
べく商品先物、
商品先渡、
商品オプション、
商品スワップを利用してい
しています。
デリバティブ取引に関してヘッジとしての有効性が認め
ます。
これらの契約は、
キャッシュ・フローヘッジとしてヘッジ指定さ
られないと判断した場合は、
そのデリバティブに対するヘッジ会計の
れた一部の取引を除き、
基準書第133号におけるヘッジ指定はしてい
適用を中止しています。
ません。
連結会社は、
デリバティブ取引にかかる信用リスクを最小限に抑え
株価変動リスクの管理ー連結会社は、
売却可能有価証券に分類された
るために、
取引相手先を信用度の高い主要な国際金融機関に限定する
市場性ある株式を保有しています。
これらの株式は、
株価の変動による
とともに、
特定の取引相手先への集中を抑え、
また相手先の信用状況を
市場リスクに晒されています。
連結会社は、
株式の公正価値に影響を与
常時把握しています。
える株価変動リスクを管理するために、
株式先渡契約を主とするデリ
金利変動リスクの管理ー連結会社のファイナンス、
投資活動、
資金管理
などの業務は、
金利変動に伴う市場リスクに晒されています。
これらの
バティブを利用しています。
多くの場合、
連結会社は、
株価の下落リス
クをヘッジするために、
先渡契約の売建ポジションをとっています。
リスクを管理するために、
連結会社は金利スワップ契約を締結してい
公正価値ヘッジー公正価値ヘッジとして指定されるデリバティブは、
ます。
金利スワップは、
多くの場合、
固定金利付資産・負債を変動金利付
主として固定金利付資産・負債を変動金利付資産・負債に変換する金
資産・負債に変換するために、
また一部の変動金利付資産・負債を固定
利スワップ、
および、
売却可能有価証券に分類された市場性ある株式
金利付資産・負債に変換するために利用しています。
固定金利付および
の株価変動リスクを管理するための株式先渡契約です。
ヘッジ対象の
変動金利付の資産・負債の割合を維持することによって、
資産負債に関
資産・負債およびヘッジ手段であるデリバティブ取引の公正価値の変
するキャッシュ・フローの全体の価値を管理しています。
動は、
「その他の損益ー純額」
として計上しています。
2003年、2004年
112
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
および2005年3月31日終了の事業年度において、公正価値ヘッジと
年3月31日に終了する事業年度において、
「累積その他の包括損益」
に
して指定されたデリバティブ取引のうち、損益に計上した公正価値
含まれているデリバティブの純利益のうち約4,800百万円
(45百万米
ヘッジの非有効部分の金額は、
それぞれ612百万円の損失、
44百万円
ドル)
(税効果後)は、翌事業年度中に損益に振替えられる見込です。
の利益および113百万円
(1百万米ドル)
の利益となっています。
また、
2005年3月31日終了の事業年度において、発生が見込まれなくなった
当該期間において、確定契約に対する公正価値ヘッジのうち、
ヘッジ
予定取引に対するキャッシュ・フローヘッジ取引はありません。
会計の要件を満たさなくなった結果損益計上したものはありません。
在外事業体に対する純投資のヘッジー当社は、在外事業体に対する純
キャッシュ・フローヘッジーキャッシュ・フローヘッジとして指定した
投資の為替変動リスクを回避するべく、
為替予約を利用しています。
デリバティブは、
主として変動金利付負債を固定金利付負債に変換す
ヘッジ手段であるデリバティブ取引の公正価値の変動は、
「累積その
る金利スワップ、および特定の債務に係る機能通貨ベースのキャッ
他の包括損益」に含まれる為替換算調整勘定に計上されています。
シュ・フローの変動を減殺する通貨スワップです。
また、9カ月を超え
2005年3 月31日終了の事業年度において為替換算調整勘定に含ま
ない商品スワップおよび先物契約も利用しており、
キャッシュ・フロー
れたヘッジ手段であるデリバティブの純損益の金額に重要性はあり
ヘッジとして指定しています。現在の未決済となっている契約は、
ません。
2005年までの予定取引をヘッジしています。これらのキャッシュ・フ
ローヘッジのうち、
非有効部分の金額および有効性評価から除外され
た金額は、2003年3月31日終了の事業年度においては107百万円の
利益であり、
「その他の損益−純額」
として計上しています。
2004年お
よび2005年3月31日終了の事業年度において非有効部分の金額およ
び有効性評価から除外された金額はありません。
「累積その他の包括損
益」
に計上されたデリバティブ関連の損益は、
対応するヘッジ対象取引
が連結損益計算書で認識された時点で損益に振替えています。2005
ヘッジ活動以外に用いられるデリバティブ取引ー当社および一部の
子会社は、
トレーディング活動の一環として金融デリバティブ契約を
締結しています。連結会社は、トレーディングを目的とするデリバ
ティブ取引とリスク管理目的で利用するデリバティブ取引とを明確
に区分しています。また、
連結会社は、内部統制上の方針として、
デリ
バティブ取引に伴う潜在的な損失を最小化するため厳格なポジショ
ンの限度枠を設定し、
その準拠状況をみるために定期的にポジション
を監視しています。
11. 金融商品の公正価値
連結会社は、
通常業務としてさまざまな金融商品を取り扱っていま
短期運用資産およびその他の投資ー「短期運用資産」および「そ
す。
通常の営業活動において世界各地でさまざまな業界に属する多数
の他の投資」
に含まれる市場性ある有価証券の公正価値は、
市場
の顧客と取引を行っており、
これら取引に伴う債権や保証の種類も多
価格に基づいています。
有価証券の保有目的区分毎の公正価値
岐にわたっています。
そのため、
特定の地域や取引先に対して重要な信
は、
注記4に記載しています。
また
「その他の投資」
には、
市場性の
用リスクの集中は生じないと経営者は判断しています。
取引先の債務
ない非関連会社、
すなわち顧客、
仕入先および金融機関に対する
不履行時に生じる金融商品の信用リスクは、
信用リスク管理方針に則
投資からなり、
優先株式、
差入保証金および長期の定期預金など
り、
与信限度の承認、
設定および定期的な信用調査を通じて管理してい
も含まれています。
長期の定期預金などの公正価値は、
将来の見
ます。
また、
連結会社は、
必要に応じて取引先に対し担保などの提供を
積キャッシュ・フローの現在価値に基づき算定していますが、
残
要求しています。
りの非関連会社に対する市場性のない投資は、
容易に価値を算
金融商品の見積公正価値は、
利用可能な市場情報または評価手法に
基づき算定しています。
ただし、
市場データから公正価値を導き出すに
定できない約1,000件に及ぶ取引先に対する小口の投資である
ため、その公正価値を見積ることは実務上困難です。
は主観的な判断が必要とされることから、
見積額は必ずしも実現され
長期貸付金および長期営業債権ならびに関連会社に対する債
る額ではなく、
また実際の市場での交換価値を示すものでもありませ
権ーこれらの金融商品の公正価値は、内包するリスクに見合う
ん。
また、
異なった前提条件や算出方法を使用して公正価値を算出した
利率を適用して、
将来の見積キャッシュ・フローを割引くことに
場合には、
算出結果が大きく異なることもあります。
より算定しています。
金融商品の見積公正価値の算定にあたり使用した算定方法および前
提条件は以下のとおりです。
短期運用資産以外の短期金融資産および負債ー現金および現金
同等物、
定期預金、
営業債権債務および短期借入金は、
比較的短
長期債務ー長期債務の公正価値は、連結会社が新たに同一残存
期間の借入を同様の条件の下で行う場合に適用される利率を使
用して、
将来の見積キャッシュ・フローを割引くことにより算定
しています。
期間で満期が到来するため、
これらの公正価値は帳簿価額とほ
デリバティブーデリバティブの公正価値は、
ブローカーから入
ぼ同額です。
手した気配値または連結会社にとって利用可能な情報に基づく
適切な評価方法により算定しています。
113
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末における、基準書
帳簿価額および見積公正価値は以下のとおりです。
従い、
金融商品とし
第107号
「金融商品の公正価値の開示」
に基づき評価された金融商品の
て分類されないものに関しては表に含めていません。
単位:百万円
単位:百万米ドル
2004年
金融資産:
短期運用資産以外の短期金融資産
(貸倒引当金控除後). . . . . . . . . . . . . . . . .
短期運用資産およびその他の投資:
公正価値の見積が可能なもの . . . . . . . . .
公正価値の見積が実務上困難なもの . . . . .
長期貸付金および長期営業債権
ならびに関連会社に対する債権
(貸倒引当金控除後). . . . . . . . . . . . . . . . .
デリバティブ資産
(「その他の流動資産」および
「その他の資産」に含む) . . . . . . . . . . . . . .
金融負債:
短期金融負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債務
(1年内の期限到来分および
「その他の固定負債」
に含まれる
長期営業債務を含む). . . . . . . . . . . . . . . .
デリバティブ負債
(「その他の流動負債」および
「その他の固定負債」
に含む). . . . . . . . . . .
2005年
2005年
帳簿価額
公正価値
帳簿価額
公正価値
帳簿価額
公正価値
¥3,156,722
¥3,156,722
¥3,605,247
¥3,605,247
$33,694
$33,694
1,075,570
317,482
1,075,570
1,301,995
366,200
1,301,995
12,168
3,423
12,168
591,070
600,087
585,704
609,571
5,474
5,697
91,308
91,308
85,805
85,805
802
802
2,565,000
2,565,000
2,921,603
2,921,603
27,305
27,305
3,721,987
3,687,812
3,756,305
3,741,838
35,106
34,970
54,436
54,436
53,301
53,301
498
498
12. 短期借入金および長期借入債務
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末の短期借入金の内訳は以下のとおりです。
2004年
単位:百万円
銀行借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
コマーシャル・ペーパー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥494,705
30,445
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥525,150
2005年
金利率
1.5%
0.8
単位:百万円
¥534,841
10,283
¥545,124
2005年
金利率
1.5%
4.8
単位:百万
米ドル
$4,999
96
$5,095
利率は、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末の借入金残高を基準とした加重平均利率で表示しています。担保を差し入れてい
をご参照ください。
る短期借入金については注記8「担保差入資産」
114
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末の長期借入債務の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
担保付長期借入債務(注記8参照)
:
民間銀行および保険会社
最終返済期限2034年、
年利率主として1%∼2.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
政府系金融機関
最終返済期限2022年、
年利率主として2%∼2.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
民間銀行およびその他金融機関
(外貨建)
最終返済期限2025年、
年利率主として2%∼7.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
政府系金融機関(外貨建)
最終返済期限2016年、
年利率主として5%∼6.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2005年∼2009年満期、固定利率0.4%∼1.675%). . . . . . . . . . . . . .
米ドル建社債
(2021年満期、固定利率6.09%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
無担保長期借入債務:
銀行および保険会社
最終返済期限2020年、
年利率主として0%∼2.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
政府系金融機関
最終返済期限2018年、
年利率主として1%∼1.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
政府系金融機関(外貨建)
最終返済期限2019年、
年利率主として2%∼3.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
銀行およびその他金融機関(外貨建)
最終返済期限2016年、
年利率主として2%∼3.9% . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2015年満期、変動利率 2005年3月31日終了の事業年度末現在1.916%). . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2010年満期、可変固定利率1.5%). . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2013年満期、可変固定利率1.3%). . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2013年満期、可変固定利率1.23%). . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2013年満期、可変固定利率0.7%). . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2013年満期、可変固定利率0.6%). . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2014年満期、可変固定利率1.04%). . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2015年満期、可変固定利率0.9%). . . . . . . . . . . . . . . .
円建期限前償還条項付社債
(2015年満期、
固定利率1.2%、
変動利率への変更条件付). .
円建期限繰延条項付社債
(2009年満期、変動利率、2005年3月31日終了の事業年度末現在0.37%) . . . . . . .
円建普通社債
(2007∼2010年満期、変動利率、
2005年3月31日終了の事業年度末現在0.35%∼2.92%). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2013∼2014年満期、変動利率、
2005年3月31日終了の事業年度末現在0.84%∼2.46%). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2015∼2016年満期、変動利率、
2005年3月31日終了の事業年度末現在2.26%∼2.609%). . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2004年満期、固定利率0.89%∼1.04%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2006年満期、固定利率2%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2007∼2008年満期、固定利率0.6%∼2.125%). . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2009年満期、固定利率2.08%∼2.58%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2010∼2019年満期、固定利率2.07%∼3.18%). . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2008∼2009年満期、固定利率0.35%∼0.72%). . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2012∼2015年満期、固定利率0.91%∼1.27%). . . . . . . . . . . . . . .
円建普通社債
(2013∼2014年満期、固定利率1.5%∼2.1%、
変動利率への変更条件付). .
円建普通社債
(2016∼2017年満期、固定金利2%∼2.65%、
変動利率への変更条件付). . . . . . . .
米ドル建社債
(2005年満期、固定利率3.6%). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
泰バーツ建社債
(2008年満期、固定利率3.35%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円・米ドル・リバースデュアルカレンシー社債
(2009年満期、固定利率3%). . . . . . . .
円建新株予約権付社債(2011年満期、ゼロクーポン). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円・豪ドル・デュアルカレンシー社債
(2007年満期、固定利率3.17%). . . . . . . . . . . .
円建ミディアム・ターム・ノート
(2004年3月31日終了の事業年度末2004∼2019年満期、年利率0%∼5.65%、
2005年3月31日終了の事業年度末2005∼2019年満期、年利率0%∼5.43%). . .
米ドル建ミディアム・ターム・ノート
(2004年3月31日終了の事業年度末2004∼2005年満期、年利率1.42%∼7.1%、
2005年3月31日終了の事業年度末2005∼2009年満期、年利率2.7%∼7.1%) . .
円建コマーシャル・ペーパー(平均利率0.015%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
加算:プレミアム未償却残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
加算:基準書第133号による公正価値への修正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
差引1年内期限到来分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
1年内期限到来分に関する公正価値への修正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期債務
(一年内期限到来分控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
43,966
2005年
¥
30,824
2005年
$
288
59,763
44,519
416
104,697
47,397
443
35,016
243,442
31,310
3,600
11,046
168,696
292
34
103
1,576
1,394,306
1,495,901
13,981
136,878
152,164
1,422
124,144
102,843
961
385,213
403,778
3,774
10,000
10,000
10,000
10,000
14,000
10,000
15,000
10,000
93
93
93
93
131
93
140
93
35,000
35,000
327
57,000
59,100
552
40,000
65,000
608
20,000
20,000
20,000
60,200
120,000
117,000
35,000
57,000
25,000
35,000
327
20,000
61,500
120,000
117,000
35,000
57,000
187
575
1,122
1,094
327
533
15,000
150,000
2,528
30,000
13,081
8,037
15,000
150,000
3,043
281
122
75
140
1,402
29
142,481
139,994
1,308
10,000
10,000
10,000
14,000
10,000
15,000
10,000
10,000
13,423
22,733
158,000
3,239,906
3,483,348
2,987
43,047
3,529,382
(500,678)
(2,534)
¥3,026,170
29,414
150,000
3,386,855
3,555,551
2,571
28,071
3,586,193
(563,106)
1,622
¥3,024,709
275
1,402
31,653
33,229
24
263
33,516
(5,263)
15
$28,268
115
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2002年6月17日、当社は総額150,000百万円の2011年満期円貨建
を償還することができます。
当社は当社債を3,750百万円のプレミア
転換社債型新株予約権付社債を発行し、
149,910百万円を調達しまし
ム付で発行しましたが、
本プレミアムは、
社債の一部として負債に計上
た。
当社債の所有者は、
2002年7月1日以降の権利行使期間において、
し、
社債の期間にわたり償却することで毎期利益認識しています。一
1株当たり転換価額1,188円で当社債を当社普通株式に転換すること
方、
当社は当社債に関する発行費用として3,750百万円を支払いまし
が可能です
(ただし、
所定の事由が生じた場合には転換価額は適宜調整
たが、
本社債発行費用は
「その他の資産」
に計上し、
社債の期間にわたり
されます)
。
また当社は、
所定の償還条件に基づき、
2004年6月17日か
支払利息として毎期費用認識しています。
ら2005年6月16日までの期間においては額面金額の106%
(2005年
6月17日から2006年6月16日までの期間においては105%)で当社債
2005年3月31日終了の事業年度末における長期債務の契約上の返
済年度別内訳は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
2006年3月31日まで(流動負債に含む) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年4月1日以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 563,106
326,420
317,241
288,790
562,687
1,497,307
$ 5,263
3,050
2,965
2,699
5,259
13,993
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥3,555,551
$33,229
連結会社は、
金利および為替の変動に起因する市場リスクを軽減す
2001年10月7日、当社は2009年10月に契約満期を迎える上記の
る目的から、
短期借入金および長期借入債務の一部に対し金利スワッ
長期未使用融資与信枠、合計210,000百万円を、
コマーシャル・ペー
プおよび通貨スワップ契約を締結しています。
2005年3月31日終了
パーのために全枠使用することとしました。
当該与信枠に対応するコ
の事業年度末において、
銀行借入金984,862百万円
(9,204百万米ド
マーシャル・ペーパーの残高は、
2004年3月31日終了の事業年度末に
ミディアム・ターム・
ル)、社債691,639百万円(6,464百万米ドル)、
2005年3月31日終了の事業年度末において
おいて158,000百万円、
ノート144,261百万円
(1,348百万米ドル)
に対して金利スワップお
150,000 百万円(1,402 百万米ドル)です。このコマーシャル・ペー
よび通貨スワップ契約を締結しており、
これらのスワップ契約締結後
パーは、
当社の運転資金およびその他一般資金需要に充当すべく発行
の実効金利率は、
主として3カ月物LIBOR
(London Interbank Offered
しているものであり、
また、
当社が、
本融資与信枠を背景にしたコマー
Rate)に基づいています。
シャル・ペーパーの継続発行によりこれらを長期的に借り替える意図
連結会社は、
さまざまな銀行との間で融資与信枠を設定しており、
そ
の設定額には、
2005年3月31日終了の事業年度末において、当社が保
有している円建協調融資枠310,000百万円
(2,897百万米ドル)
、
当社
および米国連結子会社が保有している米ドル建外貨協調融資枠1,000
と能力を有していることから、
2004年および2005年3月31日終了の
事業年度末において、
当該コマーシャル・ペーパーの残高を長期借入債
務として計上しています。
大部分の長短銀行借入は銀行取引約定に基づき行われていますが、
百万米ドル、および国内連結子会社が保有している円建協調融資枠
この約定には、
国内における慣行上、
銀行は一定の条件下において借手
185,000百万円(1,729百万米ドル)が含まれています。当社、国内連
に対して担保
(または追加担保)
もしくは保証人を要求することができ
結子会社および米国連結子会社は、
これらの協調融資枠設定の対価と
る旨の規定が含まれています。
さらに、
担保が借手の特定債務に対して
して銀行に対し手数料を支払っていますが、
2003年、2004年および
差し入れられた場合でも、
銀行は当該担保を借手の全債務に対して供
2005年3月31日終了の事業年度については支払金額に重要性はあり
されたものとして取り扱うことができる旨の規定が含まれています。
ません。
なお、
協調融資枠設定に係る手数料には、
当社の信用格付に基
一部の長期借入契約には、
銀行から請求があった場合、
借手は配当金お
づき決定されるものがあります。
国内連結子会社は上記の円建協調融
よびその他の利益処分案を株主総会前に提出し、
予めその承認を受け
資枠の保有にあたり、
一定の財務制限の維持を求められています。
るとの条項が付されています。
また、
一部の借入契約の債務不履行条項
上記の協調融資枠や当座借越契約を含む未使用融資与信枠は、
2004年3月31日終了の事業年度末において短期1,112,833百万円お
よび長期223,500百万円、
2005年3月31日終了の事業年度末におい
て短期925,971百万円
(8,654百万米ドル)
および長期239,150百万
円
(2,235百万米ドル)となっています。
には、
借手の動産に関して銀行に所定の優先権を認めているものがあ
ります。
主として政府系金融機関との間で締結された借入契約には、
貸
手は、
借手の期間損益の増加、
あるいは増資または社債発行による調達
資金をもって借入金の期前弁済が可能と判断した時には、
借手に対し
返済期限以前の借入残高圧縮を要求しうる旨の条項が付されているも
2004年および2005年3月31日終了の事業年度中にお
のもあります。
いて、
連結会社は上記の要求を受けたことはなく、
また今後も受けるこ
とはないと判断しています。
116
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
13. 法人税等
日本における法人税等は、
法人税、
事業税および住民税から構成され
残高を修正した結果、
2003年3月31日終了の事業年度において税金費
ており、
これら日本における税金の法定税率を基礎として算出した法
用が増加しています。
また、
海外子会社に対しては、
その所在国におけ
定実効税率は、
2003年および2004年3月31日終了の事業年度におい
る法人所得税が課せられています。
て42%、
2005年3月31日終了の事業年度においては41%です。2004
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度の法定実
年4月1日以降開始年度より法定実効税率が42%から41%に変更され
効税率と連結財務諸表上の実効税率の差異要因は以下のとおりです。
ました。
変更後の税率を反映すべく繰延税金資産および繰延税金負債
2003年
2004年
2005年
法定実効税率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税務上の損金不算入額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税効果を認識しない子会社の当期損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
当期に認識した子会社の過年度損失の税効果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
低税率諸国にある海外子会社の当期利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
持分法投資に係る税効果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
受取配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税率変更の影響 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
42.0%
6.0
12.8
(0.2)
(9.8)
8.8
9.7
3.1
(0.6)
42.0%
2.7
2.7
(1.8)
(6.0)
4.5
4.0
0.5
1.3
41.0%
1.8
2.6
(2.0)
(5.2)
4.3
2.3
実効税率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
71.8%
49.9%
44.7%
なお、
「関連会社に対する投資」
に係る税効果を、
2005年3月31日終
(0.1)
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度に認識さ
了の事業年度から「繰延税金」
に含めて表示しています。これに伴い、
れた法人税等の総額は、
次の各科目に計上しています。
2004年3月31日終了の事業年度に係る連結損益計算書を組み替えて
再表示しています。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
2005年
法人税等 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他の包括損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 43,623
(62,767)
¥ 74,853
143,442
¥ 93,751
87,154
$ 876
814
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥(19,144)
¥218,295
¥180,905
$1,690
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末における繰延税金資産および負債の主な構成項目は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
繰延税金資産:
貸倒引当金 . . . . . . . . . .
退職給与および年金債務
固定資産減損 . . . . . . . . .
繰越欠損金 . . . . . . . . . .
未払費用等 . . . . . . . . . .
.................
.................
.................
.................
.................
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2004年
2005年
¥ 43,236
47,659
17,590
27,514
53,191
¥ 43,387
38,175
14,009
26,283
65,594
2005年
$
405
357
131
246
613
189,190
(33,384)
187,448
(37,509)
1,752
(351)
繰延税金資産
(評価性引当金控除後). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
155,806
149,939
1,401
繰延税金負債:
減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有価証券およびその他の投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
有形固定資産および無形固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
25,633
92,186
65,673
34,576
25,679
167,714
62,323
39,058
240
1,567
583
365
繰延税金負債(総額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
218,068
294,774
2,755
繰延税金資産(総額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
評価性引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金負債(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ (62,262)
¥(144,835)
$(1,354)
117
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
月31日終了の事業年度において4,125百万円
(39百万米ドル)
増加し
評価性引当金は、
将来税務上減算される一時差異および繰越欠損金
について認識した繰延税金資産のうち、
実現が不確実と判断される部
ています。
分に対して設定したものであり、
2003年および2004年3月31日終了
2004年および2005年3月31日
繰延税金資産および負債
(純額)
は、
の事業年度において53百万円、
3,571百万円減少しており、2005年3
終了の事業年度の連結貸借対照表上、
以下の各科目に計上しています。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
.
.
.
.
¥ 59,415
19,293
(3,444)
(137,526)
¥ 56,289
12,658
(4,909)
(208,873)
$
繰延税金負債(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ (62,262)
¥(144,835)
$(1,354)
流動資産ー短期繰延税金資産
その他の資産 . . . . . . . . . . .
流動負債ーその他の流動負債
固定負債ー長期繰延税金負債
.
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2005年
526
118
(46)
(1,952)
当社では、
連結子会社の未分配利益のうち現時点において配当する
2005年3月31日終了の事業年度末において、連結会社の有する税
ことが予定されていないもの、
ならびに配当された場合に現行の国内
であり、
こ
務上の繰越欠損金は総額75,580百万円(706百万米ドル)
税法において追加課税の対象とならないものについては、
繰延税金負
れらは将来発生する課税所得を減額するために使用することが可能で
債を認識していません。
2005年3月31日終了の事業年度末において、
す。
2005年3月31日終了の事業年度末における失効期限別の繰越欠
連結財務諸表上、
繰延税金負債を認識していない子会社の未分配利益
損金額は以下のとおりです。
は505,424百万円
(4,724百万米ドル)
です。
なお、
海外子会社の未分配
利益のうち認識していない繰延税金負債の算出は実務的に困難です。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
失効期限:
2006年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年4月1日から2015年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2015年4月1日から2020年3月31日まで . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2020年4月1日以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 6,367
3,317
9,605
11,593
3,898
17,077
917
22,806
$ 59
31
90
108
36
160
9
213
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥75,580
$706
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における税引前利益の内訳は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万米ドル
当社および
国内子会社
海外子会社
合計
2003年3月31日終了の事業年度 . . . . . . . . . . . .
¥ (16,859)
¥77,594
¥ 60,735
2004年3月31日終了の事業年度 . . . . . . . . . . . .
¥ 63,245
¥86,874
¥150,119
2005年3月31日終了の事業年度 . . . . . . . . . . . .
¥116,324
¥93,475
¥209,799
118
当社および
国内子会社
$1,087
海外子会社
合計
$874
$1,961
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における法人税等の内訳は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万米ドル
当社および
国内子会社
当社および
国内子会社
海外子会社
合計
海外子会社
¥ 30,751
(11,431)
¥25,517
(1,214)
¥ 56,268
(12,645)
¥ 19,320
¥24,303
¥ 43,623
¥ 56,142
(9,863)
¥30,721
(2,147)
¥ 86,863
(12,010)
¥ 46,279
¥28,574
¥ 74,853
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 62,180
202
¥35,133
(3,764)
¥ 97,313
(3,562)
$581
2
$328
(35)
$909
(33)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 62,382
¥31,369
¥ 93,751
$583
$293
$876
合計
2003年3月31日終了の事業年度:
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年3月31日終了の事業年度:
当期税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
繰延税金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2005年3月31日終了の事業年度:
14. 年金および退職給付債務
当社および一部の連結子会社は、
役員を除くほぼ全従業員を対象と
日本の確定給付企業年金法の施行により、
厚生年金基金制度の代行
した従業員拠出型や従業員非拠出型の確定給付型年金制度を設定して
部分について、
将来分給付義務の免除および過去分給付債務の返上が
います。
また、
一部の連結子会社および関連会社は、
ほぼ全従業員を対
可能となりました。
確定給付企業年金法に従い、
当社、
一部の国内子会
象とする従業員拠出型の確定給付型多数事業主年金制度
(ダイヤ連合
社、
およびダイヤ連合厚生年金基金制度は、
それぞれ厚生労働大臣から
厚生年金基金制度)
に加入しています。
また、
年金制度に加え、
多くの国
将来分返上および過去分返上の認可を受け、
2005年3月31日終了の
内の連結子会社は、
役員を除く従業員を対象とする非積立型退職一時
事業年度に代行部分の年金資産を国に返還しました。
代行返上に伴い、
金制度を設定しています。この制度は、
定年退職または早期退職の際
当社および一部の国内子会社の厚生年金基金制度に加算部分は、
日本
に、
対象者に対し退職時の給与水準や勤続年数などに応じた退職一時
の確定給付企業年金法に基づく企業年金制度となりました。
金を支給するものです。
これらの制度における給付額は、
従業員の給与水準や勤続年数など
に基づき算定されます。
上記従業員拠出型の確定給付型年金制度は、
日本の厚生年金保険法
に基づくものであり、
会社および従業員の拠出からなる国の年金制度
の一部を会社が代行する部分
(以下、
代行部分)
と、
会社が独自に設定し
た従業員非拠出型の確定給付型年金制度を引継いだ部分
(以下、
加算部
分)
により構成されます。
これらの年金制度は、
会社側および従業員側
の代表者からなる理事会により、
代行部分および加算部分を一体とし
て管理、運営されており、年金資産への拠出も会社と従業員の双方で
行っておりますが、
制度としての給付債務を全うできるよう拠出を行
う義務は会社側にあります。
連結会社は、
ETF第03-2号に従い、加算部分を含む全体の制度から
の代行部分の一連の分離行為について、
給付債務および関連する年金
資産の代行部分の政府への移転が完了した時点において、
段階的に実
施される単一の清算取引の完了として処理しています。
連結会社は、
代
行部分に対応する未認識の年金数理上の純損失の一括認識額25,648
百万円
(240百万米ドル)
を清算損失として、
代行部分にかかる予測給
を過年
付債務と累積給付債務との差額2,848百万円(27百万米ドル)
度給与上昇分積立額の一括償却額
(利益)
として、
2005年3月31日終
了の事業年度に計上しています。
また、
過去分の給付債務が移管された
時点における清算された累積給付債務と国への返還額との差額金
38,534百万円(360百万米ドル)を「厚生年金基金代行部分返上に係
る返還差額」として計上しています。
連結会社の年金制度では、主に3月31日を測定日としています。
119
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度において、連結会社の年金制度および連結子会社の退職一時金制度に係る期間純年
金費用は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利息費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の期待運用収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
数理計算上の差異の償却費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
過去勤務債務の償却費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会計基準移行時差異の償却費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
清算/制度解散に係る損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
代行部分返還による清算損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
過年度給与上昇分積立額の一括償却額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥12,952
12,603
(7,427)
12,833
(88)
145
3,657
¥15,662
9,963
(4,528)
22,552
(13)
153
1,027
¥11,312
12,126
(7,224)
8,395
(147)
$106
113
(68)
79
(1)
3,429
25,648
(2,848)
32
240
(27)
期間純年金費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥34,675
¥44,816
¥50,691
2005年
$474
2004年および2005年3月31日終了の事業年度における、連結会社の給付債務および年金資産の変動、年金制度の財政状況および連結貸借
対照表計上額の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
給付債務の変動:
期首予測給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
利息費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
従業員拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
制度改定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職給付支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職一時金の支払および清算、制度解散 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
代行部分返還による予測給付債務の清算 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
新規連結および連結除外の影響 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
為替換算調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期末予測給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の変動:
期首年金資産公正価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産運用損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
会社拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
従業員拠出額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職給付支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
退職一時金の支払および清算 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
代行部分返還による国への年金資産の返上 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
新規連結および連結除外の影響 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
為替換算調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
期末年金資産公正価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金制度の財政状況と連結貸借対照表に計上した純額との調整:
年度末時点の財政状況 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未認識数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
未認識過去勤務債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結貸借対照表に計上した純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結貸借対照表計上額の内訳:
前払年金費用(
「その他の流動資産」
および
「その他の資産」
に含む).
年金および退職給付債務(
「その他の流動負債」
を含む(注)). . . . .
無形固定資産
(「その他の資産」に含む). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
累積その他の包括損益(税効果考慮前). . . . . . . . . . . . . . . . . . .
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
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.
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.
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.
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.
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.
.
.
.
.
.
.
.
連結貸借対照表に計上した純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2005年
¥527,838
15,662
9,963
1,896
87
(67,859)
(16,008)
(3,655)
¥465,654
11,312
12,126
958
(1,530)
11,211
(14,795)
(2,828)
(96,913)
(1,537)
(289)
$4,352
106
113
9
(14)
104
(138)
(26)
(903)
(14)
(3)
465,654
383,669
3,586
309,519
91,561
17,726
1,896
(13,602)
(3,608)
401,329
(1,122)
21,336
958
(12,535)
(3,973)
(55,231)
(1,270)
(181)
3,751
(10)
199
9
(117)
(37)
(516)
(12)
(2)
401,329
349,311
3,265
(64,325)
124,079
482
(34,358)
106,644
(197)
(1,143)
(1,127)
(1,317)
(846)
¥ 60,236
¥ 72,089
$ 674
¥ 33,273
(64,198)
2,064
89,097
¥ 33,750
(42,260)
1,825
78,774
$ 315
(395)
17
737
¥ 60,236
¥ 72,089
$ 674
(注)2005年3月31日終了の事業年度末における残高には「その他の流動負債」
で計上している2,989百万円
(28百万米ドル)
を含みます。
120
(321)
997
(2)
MITSUBISHI CORPORATION
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末において、連結会
社の累積給付債務はそれぞれ444,109百万円および365,119百万円
(3,412百万米ドル)です。
ANNUAL REPORT 2005
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末において、累積給
付債務が年金資産を超過する年金制度の予測給付債務、
累積給付債務、
年金資産の公正価値の合計額は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
予測給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
累積給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年金資産の公正価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
2005年
¥422,448
403,118
341,681
¥338,298
323,694
286,017
$3,162
3,025
2,673
年金資産
連結会社の確定給付型年金制度において、
年金資産の大部分は当社の制度によるものです。
2004年および2005年3月31日終了の事業年度
末において、当社の資産カテゴリー別の年金資産の内訳は以下のとおりです。
資産配分
2004年
2005年
オルタナティブ投資 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
現預金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
56%
11
22
11
55%
3
28
14
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
100%
100%
資産カテゴリー:
持分証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
負債証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
投資方針
当社の確定給付型年金制度に係る投資方針は、
持分証券、
負債証券、
オルタナティブ投資などさまざまな資産を、
各々のリスク・リターンお
よびそれらの相関関係を加味した上で、
効率的なポートフォリオに構
成し、
将来の給付義務を全うできる水準の収益を安定的に確保するこ
とにあります。
当方針に基づき構築されたポートフォリオの中で、
当社はオルタナ
ティブ投資への配分比率を高めてきていますが、
これは、
オルタナティ
ブ投資がリスクを抑えながら安定的なリターンを実現するのに適した
運用であり、
かつその他の資産との相関も低く、
ポートフォリオ全体の
効率性に寄与するものと判断しているからです。
なお、
各資産の運用を実行する際にも、
当社は戦略・ファンドマネー
ジャーに係わるリスク分散に留意し、
各資産の運用面でも効率性を追
求することとしています。
前提条件
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末において、退職給
付債務の測定上使用した前提条件
(加重平均値)
は以下のとおりです。
2004年
割引率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
昇給率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2.9%
2.4
2005年
2.4%
2.4
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度において、期間純年金費用の計算上使用した前提条件(加重平均値)は以下のとお
りです。
2003年
割引率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
昇給率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期期待運用収益率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
連結会社は、
投資方針、
運用収益の過去の実績、
資産の配分、
およびこ
れらの将来見通しを考慮の上、
長期期待収益率を決定しています。
拠出金
連結会社は、
年金制度の積立にあたり、
税務上損金算入できる範囲で
拠出することを基本方針としていますが、
拠出額は過去の役務提供に
3.0%
2.6
3.1
2004年
2.0%
2.4
2.2
2005年
2.9%
2.4
3.1
2003年3月に当社は、市場性ある
しています。
注記4に記載のとおり、
株式を、
当社の従業員拠出型年金制度および従業員非拠出型年金制度
のために設定した従業員退職給付信託に拠出しました。
連結会社は、
2006年3月31日に終了する事業年度において、
約25,000
百万円
(234百万米ドル)
の拠出を見込んでいます。
対する給付に加え、
将来の役務提供に対する給付を賄うことをも志向
121
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
予想将来給付額
予想将来給付額は、以下のとおりです。
単位:百万円
3月31日に終了する事業年度:
2006年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年∼2015年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
早期退職制度
¥ 17,016
21,375
19,648
20,580
19,677
103,092
単位:百万
米ドル
$159
200
184
192
184
963
2004年3月31日終了の事業
価値で計上しています。
この未払金額は、
当社は従業員に対して早期退職制度を有しています。
従来当制度で
2005年3月31日終了の事業年度末に
年度末において23,810百万円、
は、
満50歳以上かつ勤続15年以上の従業員が定年退職年齢である60
おいて19,783百万円(185百万米ドル)
であり、
連結貸借対照表上は
歳以前に退職した際に、
通常の退職金に加算して特別加給金を支給し
これらをその支払時期により
「未払費用」
および
「年金および退職給付
ていましたが、
1998年11月の制度改定により、2000年4月2日以降の
債務」
に計上しています。
また、
当制度関連費用は、
2003年および2004
応募者については特別加給金の支給が廃止されることになりました。
年3 月31日終了の事業年度において13,968百万円および233百万
ただし、
制度改定時の海外駐在員および事務職掌については、
例外的に
円、
2005年3月31日終了の事業年度において2,150百万円(20百万米
2003年4月1日を応募期限としたため、2003年3月31日終了の事業
ドル)
であり、
連結損益計算書上はこれらを
「販売費および一般管理費」
年度において当制度の利用者が多数に上ることとなりました。
当制度
に計上しています。
関連費用の未払金額は、
予想される将来キャッシュ・フローの割引現在
15. 資産の除却債務
連結会社は基準書第143号に基づき、
主に設備の除却、
土地の埋立、
廃坑に関連する資産除却債務を計上しています。
連結会社の資産除却債務は、
石炭、
石油、
ガスの採掘設備などを通常
使用する際に生じる法的義務に関連するものであり、
連結貸借対照表
上
「その他の流動負債」
および
「その他の固定負債」
に計上しています。
また、
連結会社は、
関連する長期性資産の帳簿価額を増加させることに
より資産除却費用を資産化し、
これらについて、
関連する資産の使用開
始時点から累積された減価償却費を認識しています。
2004年および2005年3月31日終了の事業年度における除却債務
残高の推移は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
増価費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
新規発生額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他(注) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 9,179
790
(500)
627
1,283
¥11,379
617
(660)
1,201
708
$106
6
(6)
11
7
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥11,379
¥13,245
$124
2005年
(注)
「その他」
には、
主に為替変動、および新規連結の影響が含まれています。
上記の他、
当社は恒久的な使用を予定している施設の閉鎖およびオ
フィスの移転などにかかる債務を有していますが、
債務の清算時期の
見積りを行うにあたり十分な情報が得られないため、
資産除却債務の
公正価値を見積ることができず、負債として認識していません。
16. 資本金および資本剰余金
日本では商法
(以下「商法」
)に従って企業活動を行うこととなって
います。
商法ではすべての株式は無額面として会計処理され、
新株発行価額
の2分の1以上を資本金に組入れることが規定されています。
122
商法では株主総会決議により自己株式を取得し、
その後は取得した
自己株式を取締役会決議に基づき処分することが可能です。
ただし、
自
己株式の取得額は、
配当可能利益に株主総会で決議された資本金、
資本
準備金、
および利益準備金の取崩し額を加えた金額の範囲内とされて
います。
MITSUBISHI CORPORATION
商法は、
取締役会決議により資本準備金を資本金に組入れることを
認めています。
さらに、
商法では取締役会決議により、
株式分割により
ANNUAL REPORT 2005
通常、
本形態による株式の交付が株主資本の部に影響を与えることは
ありません。
対価を伴わずに既存株主に対し株式を発行することを認めています。
17. 利益剰余金および配当金
利益準備金ー商法では、
各事業年度に現金配当など、
利益処分として支
連結財務諸表への修正額は、
商法上の配当利益の算定に影響はありま
資本準備金と利益準備金の
出する金額の少なくとも10分の1以上を、
せん。
商法では、
上記の利益処分に伴う利益準備金の積立ての他、
配当
合計が資本金の4分の1に達するまで利益準備金として積立てること
可能利益の算定にあたり一定の制限条項を設けています。
になっています。
資本準備金および利益準備金の合計額で資本金の4
分の1を超えた部分に関しては、株主総会決議により配当に充当する
事ができます。
また、
積立てられた利益準備金は取締役会決議により資
本金に組入れることが可能となっています。
その他の利益剰余金および配当金ー2005年3月31日現在、商法上の
(3,333百万米ドル)
です。
これは、
日
配当可能利益は356,661百万円
本で一般に認められた会計原則に準拠して記帳された会計帳簿上の利
益剰余金の額に基づき算定されるものであり、
米国会計基準に則った
また、
株主総会決議により、
配当可能利益の全部または一部を資本金
に組入れることが可能です。
配当は、
事業年度終了後開催される株主総会において決議されます。
また、
商法上定められた限度内において、
取締役会決議により中間配当
を行うことも可能です。
連結資本勘定計算書の現金配当支払額および利益準備金への繰入額
は、
各事業年度中の支払額および繰入額を表示しています。
18. 1株当たり利益
1株当たり利益および潜在株式調整後1株当たり利益の調整計算は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
分子:
会計原則変更による累積影響前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響:
円建新株予約権付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響考慮後の
会計原則変更による累積影響額前利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥53,919
(191)
2004年
¥116,020
(277)
2005年
2005年
¥182,369
$1,704
(246)
(2)
¥53,728
¥115,743
¥182,123
$1,702
当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響:
円建新株予約権付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥62,019
¥116,020
¥182,369
$1,704
希薄化効果のある証券の影響考慮後の当期純利益 . . . . . . . . . . . .
¥61,828
(191)
(277)
¥115,743
(246)
¥182,123
(2)
$1,702
単位:千株
分母:
加重平均普通株式数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響:
ストックオプション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
円建新株予約権付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
希薄化効果のある証券の影響考慮後の加重平均株式数 . . . . . . . . .
2003年
2004年
2005年
1,566,148
1,565,603
1,565,593
99,626
347
126,263
993
126,263
1,665,774
1,692,213
1,692,849
123
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
単位:円
会計原則変更による累積影響前1株当たり利益:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
潜在株式調整後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
単位:米ドル
2003年
2004年
2005年
¥34.42
32.26
¥74.11
68.40
¥116.49
107.58
$1.09
1.01
39.60
37.12
74.11
68.40
116.49
107.58
1.09
1.01
2005年
1株当たり利益:
基本的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
潜在株式調整後 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
19. セグメント情報
基準書第131号
「企業のセグメントおよび関連情報に関する開示」
で
は、
企業のオペレーティング・セグメントに関する情報の開示を規定し
ています。
オペレーティング・セグメントは、
企業の最高経営意思決定
者が経営資源の配分や業績評価を行うにあたり通常使用しており、
財
務情報が入手可能な企業の構成単位、
として定義されています。
オペレーティング・セグメントは商品および提供するサービスの性
質に基づき決定されています。連結会社の報告セグメントは以下の6
グループにより構成されています。
生活産業ー食料、繊維、
木材および資材に関わる事業分野において、
投
資および取引業務に携わっています。
経営者は管理上、
米国会計基準に基づく当期純利益を主要な指標と
して、
いくつかの要素に基づき各セグメントの業績評価を行っていま
す。
また、
内部での経営意思決定を目的として、
当社独自の経営管理手
法を取入れています。
当社は、
2005年3月31日終了の事業年度より、業績評価の主要な指
2004年3月
標を米国会計基準に基づく当期純利益に変更しています。
新機能事業ー新規事業分野に属する企業の発掘や投資、新ビジネスモ
31日終了の事業年度までは、業績評価の主要な指標は日本会計基準に
デルの開発を担う他、
金融・情報・物流・マーケティングに関する技術を
基づく当期純利益であったため、
米国会計基準への調整および組替は
通じて他グループの支援を行っています。
「調整・消去」
に含めていました。
エネルギー事業ー石油・ガスのプロジェクト開発および投資を担う
2005年3月31日終了の事業年度において、業績評価の主要な指標
他、原油、石油製品、LPG、LNG、炭素製品などの取引業務に携わって
を日本の会計基準から米国会計基準に基づく当期純利益へ変更したこ
います。
とによる影響額は以下のとおりです。
金属ー主に鉄鋼、
アルミ、
銅といった金属および非鉄金属などの資源開
新機能事業は1,380百万円増加、
エネルギー事業は2,270百万円減
少、
金属グループは175百万円増加、
機械グループは796百万円増加、
発、
製造、マーケティング、取引業務に携わっています。
機械ー発電、船舶、自動車、航空機、建設機械、産業機械など多岐にわた
る事業分野において、企画、開発、建設プロジェクトのコーディネー
ションなどに携わっています。
また、
不動産開発やレンタル事業などに
も取り組んでいます。
化学品グループは361百万円減少、
生活産業グループは1,705百万円
増加、その他は6,906百万円減少、となっています。
なお、
セグメント間の内部取引における価額は、
外部顧客との取引価
額に準じています。
化学品ー化学品関連プロジェクトの発掘や投資を担う他、
化学合成繊
維の原料となる基礎化学製品や、
石油化学製品、
無機化学品、
化学肥料、
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における
連結会社のオペレーティング・セグメント情報は以下のとおりです。
スペシャリティケミカルなどの取引業務に携わっています。
単位:百万円
2003年
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
計
その他(注1)
調整・消去(注2)
連結金額
(注3)
売上高 :
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . .
セグメント間の
内部売上高 . . . . . . .
¥ 264,704 ¥3,267,853
計 ...........
¥ 272,880 ¥3,309,615
¥1,746,611 ¥2,500,257 ¥1,446,877 ¥4,172,487
¥13,448,727 ¥ 51,735
¥
¥ 121,561 ¥ 139,430 ¥
64,922 ¥ 282,490
23,929
21,214
10,479
34,129
1,498,040
2,016,515
595,230
1,459,156
16,654
31,653
5,113
15,883
24,728
63,795
7,210
20,434
¥
売上総利益 . . . . . . . . . .
当期純利益(損失). . . . .
総資産 . . . . . . . . . . . . .
減価償却費 . . . . . . . . . .
資本的支出 . . . . . . . . . .
124
8,176
41,762
44,450 ¥
54,658
(7,339)
23,955
1,002,651
841,601
11,387
9,305
11,313
9,062
¥1,740,961 ¥2,487,275 ¥1,443,903 ¥4,167,057
5,650
12,982
2,974
¥13,371,753 ¥ 48,243
5,430
76,974
3,492
¥ (91,275) ¥13,328,721
(80,466)
¥(171,741) ¥13,328,721
707,511 ¥ 8,695 ¥
2,374 ¥
718,580
106,367
(11,302)
(33,046)
62,019
7,413,193 955,544
(269,237)
8,099,500
89,995
12,008
1,091
103,094
136,542
4,644
141,186
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
単位:百万円
2004年
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
その他(注1)
計
調整・消去(注2)
連結金額
(注3)
売上高 :
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . .
セグメント間の
内部売上高 . . . . . . .
¥ 240,793 ¥3,648,217
計 ...........
¥ 247,667 ¥3,693,724
¥2,894,094 ¥2,736,399 ¥1,557,895 ¥4,201,120
¥15,330,899 ¥ 24,987
¥
¥ 156,949 ¥ 150,885 ¥
67,990 ¥ 275,742
31,045
42,224
14,140
38,744
1,706,543
2,164,671
589,646
1,486,181
20,493
36,361
5,221
16,641
15,562
77,975
3,323
14,835
¥
売上総利益 . . . . . . . . . .
当期純利益(損失). . . . .
総資産 . . . . . . . . . . . . .
減価償却費 . . . . . . . . . .
資本的支出 . . . . . . . . . .
6,874
45,507
50,385 ¥
67,097
2,425
30,643
1,061,965
855,771
8,640
11,280
4,112
8,070
¥2,889,823 ¥2,731,247 ¥1,555,043 ¥4,196,461
4,271
5,152
2,852
¥15,261,584 ¥ 22,622
4,659
69,315
¥(107,196) ¥15,177,010
2,365
(71,680)
¥(178,876) ¥15,177,010
769,048 ¥ 5,576 ¥ (5,243) ¥
769,381
159,221
(23,188)
(20,013)
116,020
7,864,777 909,601
(381,545)
8,392,833
98,636
17,404
3,598
119,638
123,877
11,970
135,847
単位:百万円
2005年
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
その他(注1)
計
調整・消去(注2)
連結金額
(注3)
売上高 :
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . . .
セグメント間の
内部売上高 . . . . . . . .
¥245,649 ¥4,321,350
計 ............
¥266,286 ¥4,332,271
¥3,441,069 ¥2,768,577 ¥1,904,165 ¥4,449,625
売上総利益 . . . . . . . . . . .
当期純利益(損失). . . . . .
総資産 . . . . . . . . . . . . . .
暖簾減損額 . . . . . . . . . . .
減価償却費 . . . . . . . . . . .
資本的支出 . . . . . . . . . . .
¥ 50,997 ¥
74,485
12,260
45,835
901,773
1,140,938
¥ 201,794 ¥ 157,941 ¥
75,253 ¥ 314,994 ¥
875,464 ¥ 5,175 ¥ (2,876) ¥
877,763
48,239
55,398
18,110
44,864(注4)
224,706
(25,794)
(16,543)(注5) 182,369
2,057,150
2,297,571
648,330
1,739,340
8,785,102 938,950
(574,114)
9,149,938
54,439(注6)
54,439
54,439
28,967
37,544
3,648
15,489
105,232
19,992
125,224
36,445
72,051
5,342
18,863
142,129
7,773
149,902
20,637
7,259
5,970
10,921
12,325
3,458
¥3,435,300 ¥2,765,204 ¥1,899,716 ¥4,444,158
5,769
3,373
4,449
¥17,111,377 ¥ 21,944
5,467
50,616
4,561
¥17,161,993 ¥ 26,505
¥
(617) ¥17,132,704
(55,177)
¥ (55,794) ¥17,132,704
単位:百万米ドル
2005年
新機能事業
エネルギー事業
金属
機械
化学品
生活産業
計
その他(注1)
$40,386
$32,106
$25,843
$17,754
$41,534
$159,919
$ 205
調整・消去(注2)
売上高(注3)
:
外部顧客に対する
売上高 . . . . . . . . . . .
セグメント間の
内部売上高 . . . . . . .
$2,296
193
102
54
31
42
51
473
43
(516)
計 ...........
$2,489
$40,488
$32,160
$25,874
$17,796
$41,585
$160,392
$ 248
$ (521)
売上総利益 . . . . . . . . . .
当期純利益(損失). . . . .
総資産 . . . . . . . . . . . . .
暖簾減損額 . . . . . . . . . .
減価償却費 . . . . . . . . . .
資本的支出 . . . . . . . . . .
$ 477
115
8,428
$
696
428
10,663
$ 1,886
451
19,226
$ 1,476
518
21,473
$
$
$
$
115
32
270
341
351
673
$ 2,944
419(注4)
16,255
509(注6)
145
176
68
56
703
169
6,059
34
50
8,182
2,100
82,104
509
983
1,328
48
(241)
8,775
187
73
$
(5)
連結金額
$160,119
$160,119
(27)
$ 8,203
(155)(注5)
1,704
(5,366)
85,513
509
1,170
1,401
(注)1.「その他」
は、
主に当社および関連会社に対するサービスおよび業務支援などを行うコーポレート部門を表しています。また当欄には、
各オペレーティング・セグメント
に配賦できない、
財務・人事関連の営業活動による収益および費用も含まれています。
総資産のうち
「その他」
に含めた全社資産は、
主に財務・投資活動に係る現金・預金
および有価証券により構成されており、
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度末はそれぞれ955,544百万円、909,601百万円および938,950百万円
(8,775百万米ドル)
を計上しました。
2.「調整・消去」には、2005年3月31日終了の事業年度は各オペレーティング・セグメントに配賦できない収益および費用やセグメント間の内部取引消去が、2004年3月
31日終了の事業年度はこれらに加えて米国会計基準適用による調整および組替が含まれています。
3. 売上高については、日本の投資家の便宜を考慮して、日本の会計慣行に従い表示しています。なお、売上高は、連結会社が契約当事者または代理人などとして行った取引
額の合計となっています
(注記1をご参照ください)
。
4. 生活産業グループのオペレーティング・セグメント情報の当期純利益は44,864百万円(419百万米ドル)と表示されていますが、暖簾減損額△54,439百万円(509百万
米ドル)および税効果22,320百万円
(209百万米ドル)
は含まれておりません
(注記5をご参照ください)
。
5. 各オペレーティング・セグメント情報の当期純利益の合計と連結当期純利益を一致させるため、暖簾減損額および税効果の合計△32,119百万円(300百万米ドル)は「調
整・消去」
に含めています
(注記5をご参照ください)
。
6.「暖簾減損額」は、生活産業グループのオペレーティング・セグメント情報における「減価償却費」以外の重要な非キャッシュ項目として開示されています。
125
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
【地域別情報】
地域別の売上高は、
収益の発生原因となる資産の所在する地域により区分しています。
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業
年度における売上高および売上総利益、長期性資産は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
2005年
(注1)
売上高 :
日本 . . . . . . . . . . . .
アメリカ . . . . . . . . .
タイ . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . .
.
.
.
.
¥11,424,676
629,653
298,065
976,327
¥12,852,049
698,651
380,680
1,245,630
¥14,261,414
822,980
445,466
1,602,844
$133,284
7,692
4,163
14,980
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥13,328,721
¥15,177,010
¥17,132,704
$160,119
¥
510,119
36,993
51,607
119,861
¥
566,182
40,815
39,642
122,742
¥
636,609
48,929
44,471
147,754
$
5,950
457
416
1,380
¥
718,580
¥
769,381
¥
877,763
$
8,203
¥
653,017
164,062
43,313
62,916
301,154
¥
680,080
187,073
46,814
59,188
260,889
¥
581,611
198,620
62,295
61,026
257,760
$
5,436
1,856
582
570
2,409
.
.
.
.
.
.
.
.
.
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.
.
.
売上総利益:
日本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
アメリカ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
オーストラリア . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期性資産(注2)
:
日本 . . . . . . . .
オーストラリア
アメリカ . . . . .
カナダ . . . . . . .
その他 . . . . . . .
....................................
....................................
....................................
....................................
....................................
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 1,224,462
¥ 1,234,044
¥ 1,161,312
$ 10,853
(注)1. 売上高については、
日本の投資家の便宜を考慮して、
日本の会計慣行に従い表示しています。
なお、
売上高は連結会社が契約当事者または代理人などとして行った取引
額の合計となっています
(注記1をご参照ください)
。
2. 2005年3月31日終了の事業年度より、2004年3月31日終了の事業年度まで「長期性資産」に含めていなかった鉱業権を「長期性資産」として表示しています。2004年
3月31日終了の事業年度の数値は、この変更に合わせて組替再表示をしています(注記2fをご参照ください)。
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度において、連結会社のいずれのセグメントにおいても、単一の顧客として連結売上
高の10%を超過する取引先はありません。
20. その他の損益ー純額
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における「その他の損益ー純額」の内訳は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
為替差損益
(純額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
訴訟関連損失(注記24) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
長期購入契約引当金(注記24) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
売掛金および貸付金売却損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
PCB処理費用引当(注) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
米国子会社事務所引越に伴うリース解約費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥2,187
2,115
1,008
275
¥(11,590)
92
328
(2,058)
¥(10,197)
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥5,337
(248)
(2,063)
¥(15,291)
1,527
3,959
2,074
¥ (2,637)
2005年
$(95)
14
37
18
$(26)
(注)当社は、
「ポリ塩化ビフェニル
(PCB)
廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」
により、
2016年7月までにPCB廃棄物を処理することが義務付けられており、2005
年3月31日終了の事業年度中に当該処理に係る費用を合理的に見積ることが可能となったため、
2005年3月31日終了の事業年度に引当を行ったものです。
126
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
21. リース取引
賃貸人としてのリース取引
連結会社は、
車輌、
小売業およびサービス業用の機器、
その他の産業
用機械および装置を賃貸していますが、
これらには基準書第13号
「リー
直接金融リースの純投資額は、
連結貸借対照表の
「営業債権」
および
2004年および2005
「長期貸付金および長期営業債権」
に含まれており、
年3月31日終了の事業年度末における残高は以下のとおりです。
スの会計処理」
における直接金融リースに該当するものが含まれます。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2004年
2005年
2005年
直接金融リースの総投資額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
差引:未実現リース利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥133,659
(29,581)
¥126,607
(22,689)
$1,183
(212)
純投資額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥104,078
¥103,918
$ 971
また、
連結会社は、
航空機、
船舶およびその他の産業用機械をオペレー
ティングリースの形態で賃貸しています。
これらオペレーティングリー
スに関し、
2005年3月31日終了の事業年度におけるリース資産の取得
原価および減価償却累計額は、
それぞれ444,338百万円
(4,153百万米
(1,401百万米ドル)
となっています。
ドル)
および149,906百万円
2005年3月31日終了の事業年度末における、年度別将来の最低受
取リース料は以下のとおりです。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
直接金融
リース
オペレーティング
リース
合計
合計
2006年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 38,236
30,871
20,733
10,947
6,249
19,571
¥ 33,590
26,696
23,975
19,278
17,330
44,803
¥ 71,826
57,567
44,708
30,225
23,579
64,374
$ 671
538
418
283
220
602
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥126,607
¥165,672
¥292,279
$2,732
賃借人としてのリース取引
また、
オフィスビルなどをオペレーティングリースの形態で賃借し
連結会社は、
2005年3月31日終了の事業年度において、品川三菱ビ
ています。
上記セール・アンド・リースバック取引を含むこれらのリー
ルを110,178百万円
(1,030百万米ドル)
で売却し、
その一部をおよそ
ス料合計額は、
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年
4年半の期間でリースバックしています。このリース取引は、オペレー
度において、
それぞれ27,633百万円、
27,922百万円および26,754百
ティングリースとして会計処理されています。
将来の最低支払リース
万円
(250百万米ドル)です。
料の現在価値に相当する売却益を繰り延べており、
リース料の支払に
に応じて取り崩しています。
2005年3月31日終了の事業年度末において、解約不能なリース契
約に基づき発生する将来の最低支払リース料は以下のとおりです。
単位:百万円
単位:百万
米ドル
2006年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2008年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2009年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2010年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2011年以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 21,398
12,297
10,036
8,404
7,029
44,683
$200
115
94
79
66
417
合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥103,847
$971
127
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
22. 株式に基づく報酬制度
当社は、
当社取締役
(社外取締役は除く)
、
執行役員および従業員のう
ち理事の職にある者に対してストックオプション制度を導入していま
プションは権利付与日より23カ月間の据置期間の後、
権利が確定し、
確定と同時に権利行使可能となります。
権利行使期間は8年間となっ
す。本制度では、権利付与日の東京証券取引所の終値、または付与日
ています。
2005年3月31日終了の事業年度末における、当社のストッ
1カ月前の平均終値のいずれか高い方を基に算出された権利行使価格
クオプションの概要は以下のとおりです。
で当社の普通株式を購入する権利が与えられます。
当社のストックオ
権利付与日
2000年8月7日
2001年8月1日
2002年8月15日
2003年8月15日
2004年8月13日
加重平均権利行使価格
権利行使期間
当初付与数
(数)
円
米ドル
2002年6月30日から2010年6月29日まで
2003年6月29日から2011年6月28日まで
2004年6月28日から2012年6月27日まで
2005年6月28日から2013年6月27日まで
2006年6月25日から2014年6月24日まで
313,000
1,091,000
1,204,000
1,269,000
1,167,000
¥ 903
1,002
809
958
1,090
$ 8.4
9.4
7.6
9.0
10.2
基準書第123号
「株式を基礎とした報酬の会計処理」
に基づき、
当社
のストックオプション制度による報償を付与日の公正価値で費用認識
すると仮定した場合、
連結会社の当期純利益、
1株当たり利益および潜
在株式調整後1株当たり利益は以下に示す想定値のように減少します。
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
当期純利益:
報告数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
差引:公正価値法によるストックオプション費用合計(注) . . . . . . . . . .
想定数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥62,019
354
61,665
2004年
¥116,020
419
115,601
2005年
2005年
¥182,369
467
181,902
$1,704
4
1,700
単位:円
単位:米ドル
2003年
2004年
2005年
報告数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
想定数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥39.60
39.37
¥74.11
73.84
¥116.49
116.19
$1.09
1.09
潜在株式調整後1株当たり利益:
報告数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
想定数値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
37.12
36.90
68.40
68.15
107.58
107.31
1.01
1.00
2005年
1株当たり利益:
(注)
ストックオプション費用は、
日本の税務上損金経理処理がなされないため、税効果を考慮しない金額で表示しています。
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度において、
当社のストックオプション制度に基づき発行されたストックオプショ
ストックオプションの公正価値は、
以下の前提条件の下で二項式オ
プション価格モデルを使用して算出しています。
ンの加重平均公正価値は、
それぞれ319円、
376円、および415円(3.88
米ドル)
です。
リスクフリー利子率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
見積ボラティリティ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
見積配当率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
見積権利行使期間 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
128
2003年
2004年
2005年
0.89%
35.83%
0.99%
9.92年
1.07%
35.56%
1.04%
9.89年
1.65%
36.23%
1.65%
9.58年
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
2003年、2004年および2005年3月31日終了の事業年度における当社のストックオプションの付与状況は以下のとおりです。
加重平均行使価格
株式数
単位:円
1,404,000
1,204,000
¥ 980
809
$ 9.2
7.6
2,608,000
1,269,000
(18,000)
901
958
958
8.4
9.0
9.0
3,859,000
1,167,000
(206,000)
919
1,090
851
8.6
10.2
8.0
2005年3月31日終了の事業年度末行使残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
4,820,000
¥ 964
$ 9.0
2005年3月31日終了の事業年度末行使可能残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2,384,000
¥ 905
$ 8.5
2002年3月31日終了の事業年度期首未行使残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
付与数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2003年3月31日終了の事業年度期首未行使残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
付与数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
行使数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年3月31日終了の事業年度期首未行使残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
付与数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
行使数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
単位:米ドル
2005年3月31日終了の事業年度末における当社ストックオプションの未行使残高および権利行使可能残高に関する情報は以下のとおりです。
未行使残高
権利行使可能残高
株式数
加重平均
残存年数
年数
単位:円
¥ 903
1,002
809
958
1,090
256,000
1,060,000
1,068,000
1,269,000
1,167,000
5.25
6.25
7.25
8.25
9.25
¥809 ∼ ¥1,090
4,820,000
7.67
権利行使価格の範囲
単位:円
加重平均
権利行使価格
株式数
加重平均
権利行使価格
¥ 903
1,002
809
958
1,090
256,000
1,060,000
1,068,000
¥ 903
1,002
809
¥ 964
2,384,000
¥ 905
単位:円
未行使残高
権利行使可能の範囲
株式数
権利行使可能残高
加重平均
残存年数
加重平均
権利行使価格
年数
単位:米ドル
単位:米ドル
株式数
加重平均
権利行使価格
単位:米ドル
$ 8.4
9.4
7.6
9.0
10.2
256,000
1,060,000
1,068,000
1,269,000
1,167,000
5.25
6.25
7.25
8.25
9.25
$ 8.4
9.4
7.6
9.0
10.2
256,000
1,060,000
1,068,000
$8.4
9.4
7.6
$7.6 ∼ $10.2
4,820,000
7.67
$ 9.0
2,384,000
$8.5
23. 変動持分事業体の連結
注記2aに記載のとおり、
連結会社は2004年3月31日終了の事業年
これらの不動産関連取引において変動持分事業体を使用することに
度より、
解釈指針第46号
(2003年改訂)
「変動持分事業体の連結」
の適
より、
第三者によるノン・リコースローンを組成し、
当該不動産取引に
用を開始しています。
連結会社が主たる受益者と推定されることから
かかる連結会社のリスクを限定しています。
連結した変動持分事業体に関する情報、
および連結会社が主たる受益
者とは推定されないことから連結を行わなかったものの、
重要な変動
持分を有している事業体に関する内容は以下のとおりです。
連結した変動持分事業体
また、
アジアでの自動車事業に係わる事業体については、
2004年3月
31日終了の事業年度までは連結会社が主たる受益者とは推定されませ
んでしたが、
2005年3月31日終了の事業年度において関与の方法を変
更したことから、
連結会社が主たる受益者として推定されることとな
連結会社は、変動持分事業体を経由し、
不動産に付加価値をつける
り連結を行っています。
2004年および2005年3月31日終了の事業年
ための管理および開発を行った上で将来的に売却することを目的と
度において、
連結会社はこれらの変動持分事業体に対して議決権のな
して、不動産あるいは不動産の権益を取得しています。
い持分投資額は、
それぞれ10,289百万円および16,098百万円
(150百
万米ドル)
であり、
また、
これらの事業体の総資産はそれぞれ18,996百
万円および71,836百万円
(671百万米ドル)
となっています。
129
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
連結されなかった変動持分事業体
けるその規模は総資産でそれぞれ125,329百万円および150,788百万
連結会社が主たる受益者ではなく、
連結をしていない変動持分事業体
円
(1,409百万米ドル)
です。
また、
2004年および2005年3月31日終了
についても、
投資、
保証、
または貸付という形態により重要な変動持分を
の事業年度における連結会社がこれらの変動持分事業体への関与から
保有しているものがあります。
これらの変動持分事業体はさまざまな活
被る可能性のある最大損失額はそれぞれ約27,000 百万円および約
動を行っており、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度にお
9,000百万円(84百万米ドル)です。
24. 契約債務および偶発債務
長期契約
連結会社は、
通常の営業活動を行うにあたり、
非鉄金属、
原油、
化学品
損失補償
連結会社は、
事業売却や譲渡の過程において、
環境や税務などに関す
などのさまざまな商品に関して、
固定価格または市況に合わせて調整可
る偶発損失を補償する契約を締結することがあります。
補償の性質上、
能な基本価格に基づく多額の長期買付契約を締結しています。
また、
当
これらの契約に基づく連結会社の最大負担額を予想することはできま
該契約の大部分については、
見合となる商品販売契約を締結していま
せん。
これらの契約による連結会社の補償義務については、
一部すでに
す。
2005年3月31日終了の事業年度末における長期買付契約残高は
請求行為を受けているものを除いて、
大方は発生可能性が低くかつ見
3,108,659百万円(29,053百万米ドル)であり、契約上の受渡は2028
積不能であるため、負債は計上していません。
年までの期間にわたっています。
さらに、
連結会社は、
貸付契約、
投資契約、
および設備代金延払いなど
の長期の資金供与契約を締結しています。2005年3月31日終了の事
業年度末における総額は、
16,194百万円(151百万米ドル)です。
また、
すでに請求行為を受け、
2004年および2005年3月31日終了
の事業年度末に負債計上を行った額は、それぞれ246 百万円および
112百万円(1百万米ドル)です。
訴訟
この他、
当社は、
三菱自動車工業の資本増強策への対応として、
同社
当社および米国連結子会社は、
米国およびカナダにおいて人造黒鉛
の300億円
(280百万米ドル)
の資本増強につながる事業用資本の買取
電極取引に係る価格談合に関連して米国およびカナダの黒鉛電極需
りまたは増資引受けを2006年3月31日に終了する事業年度中に行う
要家から、
損害賠償を求める複数の民事訴訟を提起されています。こ
予定です。
残る3件は現在係争中
れらの訴訟のうち6件は当事者間で和解に至り、
保証
連結会社は、
保証の提供によって、
債務を引き受けることとなるさま
ざまな契約の当事者となっています。
そうした保証は関連会社や顧客
や取引先に対して提供するものです。
信用保証
連結会社は、
主に信用状
(Stand by letter of credit)
や取引履行保証
の形態により、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末におい
て、
顧客や取引先に対して、
それぞれ244,614百万円および233,537百
万円
(2,183百万米ドル)
、
関連会社に対して、
それぞれ111,469百万円
および115,867百万円
(1,083百万米ドル)
の信用保証を行っています。
これらの信用保証は、
顧客や取引先、
および関連会社による第三者との
取引または第三者からの資金調達を可能にすることを目的としていま
す。
多くの保証契約は10年以内に満期を迎えるものであり、
残りの信用
保証も2030年までに満期となります。
仮に被保証者である顧客や取引
先、
または関連会社が取引契約または借入契約に基づく義務の履行を
怠った場合には、
連結会社が被保証者に代わって債務を履行する必要が
あります。
これらの保証契約の中には、
連結会社が被保証先より再保証
または担保資産の提供を受けているものもあります。
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末における、再保証
または担保資産により担保されている残高の合計額は、それぞれ
12,026百万円および9,490百万円(89百万米ドル)です。
です。
これらの訴訟に関連して、
当社は2003年および2004年3月31
日終了の事業年度において訴訟関連損失
(連結損益計算書上の
「その
他の損益ー純額」
に含む)
としてそれぞれ2,115百万円および92百万
2005年3月31日終了の事業年度においては
円を費用計上しており、
費用に計上したものはありません。これら係争中の3件の民事訴訟に
関しては、2005年3月31日終了の事業年度末において訴訟の結果を
予測することはできません。
また、
当社および米国連結子会社は、
1991年から株式が売却された
1995年1月まで当社が50%を出資していたUCAR International Inc.
(現社名:グラフテック・インターナショナル社、
以下
「UCAR社」
)
から、
米国で提訴されています。
UCAR社は、1995年1月の当社の株式売却
時における当社宛の支払いがデラウェア州会社法に違反するとして、
支払金額406百万米ドルの返還およびその利払いを請求しています。
UCAR社はまた、忠実義務違反の教唆・幇助および不当利得による訴額
を定めない損害賠償ならびにその利払いを請求しています。
2000年
6月9日、当社および米国連結子会社は、請求内容が明らかにされてい
ないことを理由に訴え却下の申し立てを行い、
2005年3月31日に至
るまでの間に米国連邦地方裁判所および同控訴裁判所は共に却下の決
定を下しています。
しかしながら、
同3月31日の時点においては、
本訴
訟はいまだ確定的に終了しておらず、
2005年3月31日終了の事業年
度末時点で訴訟の結果を予測することはできません。
この他、
連結会社は種々の係争中の事件がありますが、
経営者および
また、
2004年および2005年3月31日終了の事業年度末における上
当社の法律顧問の見解によれば、
これらの事件が最終的に解決され、
仮
記の信用保証に係る負債計上額は、
それぞれ2,201百万円および476
に連結会社が債務を負うことになったとしても、
その額が財政状態お
百万円(4百万米ドル)です。
よび経営成績に重要な影響を及ぼすことはありません。
130
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
25. 後発事象
2005年6 月24 日開催の通常株主総会において、配当金の支払、ス
トックオプションの付与が決議されました。
配当ー2005年6月24日開催の株主総会において、
2005年3月31日現
在の株主に対し、1株当たり12円(0.11米ドル)、
総額18,796百万円
(176百万米ドル)の現金配当を行うことが決議されました。
ストックオプション ー2005 年6 月24 日開催の株主総会において、
2007年6月25日から2015年6月24日を権利行使期間とするストッ
クオプションを、
1,279,000株を限度として、当社取締役(社外取締役
は除く)
、
執行役員および理事の職にある者に対して付与することが決
議されました。
また、
普通株式338,200株を上限として2005年6月25日から2035年
6月24日を権利行使期間、行使価格を1円とした株式報酬型ストック
オプションを当社取締役
(社外取締役は除く)
および執行役員に対し付
与することが決議されました。
石油およびガスについての補足情報(非監査事項)
当社の石油およびガスの探査・開発・生産活動は、
連結子会社および
2005年3月31日終了の事業年度における子会社および持分法適用会
持分法適用会社を通じて、
環太平洋圏、
アメリカおよびアフリカの海上
社の当社持分に関する補足情報は、
基準書69号
「石油およびガスの生
または沿岸において行われています。
以下の2003年、
2004年および
産活動に関する開示」
の規定に基づいて作成されています。
表1ー石油・ガス生産活動に関連して資産計上された原価
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
未確認利権鉱区 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
確認利権鉱区 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却、
減耗償却、
償却の累計額および評価引当金 . . . . . . . . . . . . . . .
¥
372
5,219
2004年
¥
206
8,600
5,591
(68)
2005年
¥
8,806
(1,474)
資産計上された原価の純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 5,523
¥
7,332
持分法適用会社の資産計上した原価のうち
当社および連結子会社持分(注1) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥91,199
¥167,172
1,151
13,618
2005年
$
14,769
(6,785)
¥
7,984
¥189,831
11
127
138
(63)
$
75
$1,774
表2ー石油・ガスの利権鉱区の取得、
探査、
開発に関連して発生した原価
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
¥
2005年
2005年
¥
244
301
4,593
$
¥ 2,391
5,008
45
97
3,847
2
3
43
小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 7,399
¥ 3,989
¥
5,138
$
48
持分法適用会社の利権鉱区の取得、
探査、
開発に関連して
発生した原価のうち当社および連結子会社持分(注1) . . . . . . . . . . . . . .
¥18,011
¥81,399
¥107,897
未確認利権鉱区の取得 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
探査費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
開発費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
$1,008
131
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
表3ー石油・ガス産出活動の経営成果
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
収益:
第三者への売却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
関連会社への売却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
費用:
産出原価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
探査費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
減価償却、減耗償却、
償却および評価引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税金費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2005年
187
¥ 3,496
¥11,566
7,046
$108
66
75
2,391
71
268
97
1,515
8,980
128
4,759
2,535
84
1
44
24
¥
2005年
石油・ガス産出活動の経営成果(共通経費および利息費用を除く). . . . . .
¥ (2,350)
¥ 1,616
¥ 2,210
$ 21
持分法適用会社の産出活動の経営成果のうち
当社および連結子会社持分(注2) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥11,862
¥14,734
¥20,234
$189
表4ー埋蔵量の量的情報
米国会計基準に則り、
確認済みガス埋蔵量は、
厳密な販売契約に関す
2005年3月31
期待される全体量の、ごく一部となっています。また、
る量のみに制約されています。
そのため、
各年度末時点の天然ガス埋蔵
日時点の確認済み石油埋蔵量のごく一部に関しては、
簡便法をもって
量は、
長期の販売契約とそれに基づく開発継続の決定により将来的に
計算しています。
原油および天然ガソリン
(百万バーレル)
2003年
既開発および未開発確認埋蔵量:
期首 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
過去の見積り量の修正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
拡張および発見 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
購入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
生産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2004年
2
2
2005年
2
12
7
天然ガス
(10億立方フィート)
2003年
2004年
2005年
(1)
21
(8)
11
6
(3)
27
2
11
14
(8)
22
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2
2
21
21
27
46
既開発確認埋蔵量:
期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2
2
14
21
27
20
持分法適用会社の埋蔵量に対する当社および
連結子会社の期末現在の比例持分ー期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
90
129
89
1,173
1,429
2,312
表5ー石油・ガスの確認埋蔵量に関する標準化された測定方法による将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値および当期における変動
米国会計基準に則り、確認埋蔵量に関する将来の純キャッシュ・フ
確定した販売契約の量のみに制約されています。
また、
各年度末時点の
ローの割引現在価値について標準化された測定方法は、
各年度末時点
天然ガスの埋蔵量は、
長期の販売契約見込みとそれに基づく開発継続
の価格、
費用、
現時点の実効税率、
および年率10%の割引計数に基づく
が決定している全体量の一部にすぎません。
そして確認埋蔵量の見積
ものです。
天然ガス事業に関する将来の純キャッシュ・フローの割引現
りは、
新たな販売契約の締結に伴い、
長期的に変更となる可能性があり
在価値について標準化された測定方法では、
統合的生産分与契約に基
ます。
よって、
ここに記載した情報は、
当社の将来キャッシュ・フロー見
づく資産の開発および運用のための決定済み費用をすべて含みます。
積りや確認埋蔵量の価値に対する経営陣の見通しを示すものではあり
一方収益は、
表4
「埋蔵量の量的情報」
に記載のとおり、
すでに確認済み
ません。
の埋蔵量の見積りのみに対して算出されます。
確認済みガス埋蔵量は、
132
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
(1)標準化された測定方法による将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
2004年
2005年
2005年
.
.
.
.
¥ 13,330
(842)
(2,475)
(459)
¥17,442
(910)
(1,286)
(3,037)
¥109,522
(32,211)
(12,560)
(18,430)
$1,023
(301)
(117)
(172)
割引前の将来の純キャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
年率10%での割引計算による影響額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
9,554
(2,016)
12,209
(3,004)
46,321
(12,996)
433
(122)
将来キャッシュ・インフロー
将来の産出原価 . . . . . . . . .
将来の開発費用 . . . . . . . . .
将来の税金費用 . . . . . . . . .
.
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.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
標準化された測定方法による将来の
純キャッシュ・フローの割引現在価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
7,538
¥ 9,205
¥ 33,325
$ 311
持分法適用会社の標準化された測定方法による
将来の純キャッシュ・フローの割引現在価値のうち
当社および連結子会社持分(注2) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥160,105
¥38,912
¥116,042
$1,085
(2)当期変動の詳細
単位:百万
米ドル
単位:百万円
2003年
4月1日時点の割引現在価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
産出された石油・ガスの販売または移転
(産出原価控除後) . . . . . . . . . .
発生した開発費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
埋蔵量の購入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
販売価格、
開発費および産出原価の変動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
拡張および発見、
産出技術の改良
(関連費用差引後) . . . . . . . . . . . . . . .
過去見積り量の修正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
ディスカウント
(10%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
税金の変動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
外国為替レートの変動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥
(39)
3月31日時点の割引現在価値 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
¥ 7,538
(1,972)
9,769
(220)
2004年
2005年
¥ 7,538
(2,980)
3,551
1,698
3,455
4,625
(6,553)
674
(1,999)
(804)
¥ 9,205
10,076
(1,881)
6,241
2,771
20,819
(1,316)
(916)
(11,423)
(251)
$ 86
94
(18)
58
26
195
(12)
(9)
(107)
(2)
¥ 9,205
¥ 33,325
$ 311
2005年
(注)1. 天然ガス事業にはLNG生産関連費用を含みます。
2. 天然ガス事業にはLNG生産関連の収益および費用を含みます。
133
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
独立監査人の監査報告書(訳文)
MS Shibaura Building
13-23, Shibaura 4-chome
Minato-ku, Tokyo 108-8530
Japan
Tel: +81 (3) 3457 7321
Fax: +81 (3) 3457 1694
www.deloitte.com/jp
三菱商事株式会社の取締役会および株主各位
ならびに2005
私どもは添付の三菱商事株式会社および子会社の2004年および2005年3月31日現在の連結貸借対照表、
年3月31日をもって終了した3年間の各事業年度の連結損益計算書、
連結包括損益計算書、
連結資本勘定計算書および連結
キャッシュ・フロー計算書
(すべて日本円表示)
について監査を行った。
これらの連結財務諸表は、
会社の経営者の責任で作成
されている。
私どもの責任は、
実施した監査に基づき、
これらの連結財務諸表に対する意見を表明することにある。
私どもは、
米国において一般に公正妥当と認められた監査基準に準拠して監査を実施した。
これらの基準は、
財務諸表に重
要な記載誤りが無いかどうかについて合理的な確証を得るため、私どもが監査を計画し実施することを要求している。
監査
は状況に適した監査手続を計画するための基礎としての財務報告に関する内部統制の検討を含んでいるが、
それは財務報告
に関する内部統制の有効性に対する意見を表明することを目的とするものではない。
よって、
私どもは内部統制の有効性に
対する意見は表明しない。
監査は、
財務諸表上の金額および開示の基礎となる証拠の試査による検証、
経営者が採用した会計
方針および実施した会計上の重要な見積りの検討ならびに財務諸表全体の表示についての評価を含んでいる。
私どもは、
私
どもの監査が監査意見に対する合理的な基礎を提供していると確信している。
私どもの意見では、
上記の連結財務諸表は、
すべての重要な点において、
三菱商事株式会社および子会社の2004年および
2005年3月31日現在の連結財政状態ならびに2005年3月31日をもって終了した3年間の各事業年度の連結経営成績およ
び連結キャッシュ・フローの状況を、
米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して適正に表示している。
2002年4月1日より、三菱商事株式会社および子会社は、財務会計基準審議
連結財務諸表に対する注記2.hに記載の通り、
会基準書第141号および第142号に準拠し、
営業権およびその他の無形固定資産の会計処理方法を変更した。
2003年および2004年3月31日終了の事業年度における連結損益計算書を修
連結財務諸表に対する注記1に記載の通り、
正再表示している。
2005年3月31日をもって終了した事業年度の連結財務諸表に含まれる日本円金額の米ドル金額へ
私どもの監査はまた、
この米ドル金額は海外の読
の換算も含むが、
私どもの意見では、
これらの換算は注記1に記載の方法に従ってなされている。
者の便宜のためのみに表示されている。
Deloitte Touche Tohmatsu
2005年5月13日(注記25については2005年6月24日)
(注)
本監査報告書は、
Mitsubishi Corporation Annual Report 2005に掲載されている“Independent Auditors’ Report”を和文に翻訳したものである。
134
MITSUBISHI CORPORATION
ANNUAL REPORT 2005
コーポレートデータ(2005年3月31日現在)
社名:三菱商事株式会社
設立年月日:1950年4月1日
資本金:¥126,705,087,734
発行済株式総数:1,567,399,508株
本店所在地:
丸の内オフィス
(エネルギー事業グループ、化学品グループ、
コーポレートスタッフ)
〒100-8086
東京都千代田区丸の内ニ丁目6番3号
電話:03-3210-2121(代表)
連絡先:
三菱商事株式会社 IR部
〒100-8086
東京都千代田区丸の内ニ丁目6番3号
電話:03-3210-8685
ファクシミリ:03-3210-8583
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品川オフィス
(新機能事業グループ、金属グループ、
機械グループ、生活産業グループ)
〒108-8228
東京都港区港南ニ丁目16番3号
従業員数:
単独: 6,001名
連結:51,381名
独立監査法人:
監査法人トーマツ
株主数:65,298名
上場証券取引所:
東京、
大阪、名古屋、ロンドン
株式名義書換代理人:
三菱信託銀行株式会社
〒171-8508
東京都豊島区西池袋一丁目7番7号
三菱信託銀行株式会社証券代行部
電話:03-5391-1900(代表)
ADR:
比率:1ADR=2普通株
(店頭取引)
上場市場:OTC
シンボル:MSBHY
CUSIP番号:606769305
ADR名義書換代理人:
The Bank of New York
101 Barclay Street,
New York, NY 10286, U.S.A.
電話:
(212)815-2042
フリーダイヤル
(米国内)
:888-269-2377
(888-BNY-ADRS)
このアニュアルレポートは、再生紙にアロマフリータイプ大豆油インクを使用して印刷されています。
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三菱商事株式会社 アニュアルレポート 2005
www.mitsubishicorp.com
Printed in Japan
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