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1 第4回上北の元気結集協議会会議録 日 時 平成20年2月20日(水

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1 第4回上北の元気結集協議会会議録 日 時 平成20年2月20日(水
第4回上北の元気結集協議会会議録
○日
時
平成20年2月20日(水) 13:30開会
○場
所
十和田市・富士屋グランドホール2F「平安の間」
○出 席 者
別紙出席者名簿のとおり
○会議次第
1
開
会
2
挨
拶
3
プレゼンテーション
16:00閉会
「上北地域の元気づくりに向けて」
(株)電通消費者研究センター研究顧問
4
議
酒 井
均
氏
題
(1)
「上北の元気づくり推進プログラム」(案)について
(2)平成20年度当初予算(上北地域県民局関係)の概要について
(3)その他
5
閉
会
○議事の概要
1
開
会
(司会)皆様、お集まりいただきましてありがとうございます。定刻となりましたので、只今から「第
4回上北の元気結集協議会」を開催いたします。それでは開会に当たりまして北村県民局長からご
挨拶申し上げます。
2
挨
拶
(北村県民局長)第4回協議会の開催に当たり、ご挨拶を申し上げます。
皆様におかれましては、ご多忙にもかかわらず、お集まりいただきありがとうございます。
昨年5月に、皆様方の御賛同をいただき、この上北の元気結集協議会を設置し、共に上北の元気
づくりに向けた協議や取組を行って参りました。その結果、協議会としては、
「上北の元気づくり
に係る提言」と、本日さらに内容を確認いただく予定としております「上北の元気づくり推進プロ
グラム(案)
」を取りまとめるとともに、
「上北の味 食談義」を開催するなど、今後の上北の元気
づくりの端緒となることができたと考えています。
一方、県民局としましても、協議会の提言や顧問をはじめとする有識者の皆様のご助言等を踏ま
え、上北地域の重要課題である農林畜水産業の振興や東北新幹線全線開業に向けた観光振興などの
緊急かつ広域的な施策については、来年度事業として局内関係部が連携しながら具体的に取り組む
こととしております。
1
また、市町村におきましても、県の助成事業である「市町村発元気なあおもりづくり支援事業補
助金」を活用するなどし、例えば、十和田市における「セーフコミニティの推進による安心安全な
まちづくり事業」などの新たな取組が展開されていくこととなっております。
本日は、これらの具体的な事業内容についても説明させていただき、事業推進に係るご意見やご
助言等もいただきたいと考えておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
最後になりますが、昨日、顧問会議を開催し、青森大学の井上教授、北里大学の萬田教授、電通
消費研究センターの酒井研究顧問のお三方にお集まりいただき、それぞれの専門分野の視点から、
上北の元気づくりの今後の方向性などについてご意見をいただきました。そして本日は、酒井様に
当会議に御出席いただき、会議に先立って、特に、
「地域の元気づくり」を話題としてお話いただ
くこととしておりますので、大いに参考にしていただければと思います。
本日の第4回が今年度最後の会議となりますが、これまでの協議会を通じて、あるいは今後の協
議会の活動などに関するご意見などもいただきたいと考えておりますのでどうぞよろしくお願い
します。
(司会)本日は、当協議会の顧問である、㈱電通消費者研究センター研究顧問の酒井 均様にも御出
席いただき、
「地域の元気づくり」を話題として、プレゼンテーションをお願いしております。な
お、酒井様につきましては、後程改めてご紹介させていただきます。
次に、本日の進め方ですが、次第にありますように、まず、酒井様にご講演をいただき、その後、
議題の1「上北の元気づくり推進プログラム(案)
」と、議題の2「平成20年度当初予算(上北
県民局関係)の概要」を事務局から説明し、それぞれご意見等をいただきます。
なお、会長の挨拶にもありましたが、この第4回協議会が今年度の最後の会議となることから、
最後に皆様方お一人お一人からもご意見やご感想などをお話いただきたいと思いますのでよろし
くお願いいたします。会議終了時間は、16時を予定しております。また、本日の配布資料は、次
第の下段に記載のとおりですのでご確認をお願いします。
3
プレゼンテーション
(司会)それでは、早速プレゼンテーションに入りたいと思いますが、ここで、講師の酒井様をご紹
介させていただきます。
酒井様におかれましては、昭和48年に東京教育大学大学院農学研究科修士課程を終了され、同
年、(株)社会工学研究所に入社、平成9年に同研究所代表取締役所長就任。平成 14 年退任後、(株)
電通消費者研究センター研究顧問就任、また平成19年には特定非営利活動法人社会工学研究所を
設立し代表理事に就任されるなど、国土計画や地域政策、人口問題等の社会工学に関する調査・研
究を中心に大変幅広くご活躍されていらっしゃいます。
また、青森県に関しましては、青い森の特派員にご就任いただいているほか、青森総合芸術パー
ク構想や青森スポーツ振興実施プランなどの調査・研究にもご協力いただいているところです。
それでは、酒井様どうぞよろしくお願いします。
2
【*酒井氏プレゼンテーション】
○はじめに
酒井でございます。宜しくお願いします。今、ご紹介いただきましたように、私は主に週3回の
契約で、電通消費者研究センターで働いております。
お手元の資料にご紹介いただきましたように、社会工学研究所というシンクタンクに 30 年おり
まして、青森県に関しては、青森テクノポリス、リゾート開発構想、それから総合芸術パーク、ス
ポーツ振興実施プラン等のお手伝いをさせていただきました。また昨年まで 10 年近く青い森の特
派員として協力をさせていただきました。私は、これらのプロジェクトに関わってきましたが、こ
の上北地域に関してはあまり実情を知りませんので、顧問として適切ではないと思っていましたけ
れども、テクノポリスを一緒にやりました石崎部長から説得されて今この場にいる次第です。
こちらの地域との関係につきましては、私の前の会社が沖縄を除く9電力会社が株主であったと
いうエネルギー関係の縁もあります。それからトヨタのトップとの勉強会を30年近くやっていま
して、六ヶ所村で何をやったらいいかという問い合わせに対して、花卉園芸をやったらどうですか
と提案して、現在、トヨタフローリィテックがあります。そういうふうなご縁もあるのかなと思い
ながら参った次第です。
電通には週3回ほど勤務しておりまして、4つの分野を担当しております。一つは経済見通しと
か広告費の予測あるいは人口や世帯数が今後どうなっていくか。二つ目は広告代理店として、特に
スポーツを中心としたイベントの経済波及効果というものを推計しています。たとえば 2002 年の
ワールドカップとか、昨年の世界陸上大阪大会、2016 年に東京が目指している東京オリンピック、
それと去年から始まりました東京マラソン等の経済波及効果がどの程度あるのかということをや
っています。三つ目は、東京オリンピック招致、スポーツ省設置構想などのスポーツの振興、四つ
目は環境・エネルギー問題への取組みです。
私の週の残りの部分ですが、家内の実家が山口県の岩国市にありまして、
錦帯橋のすぐ近くです。
ここに月1回、1週間程度帰って滞在するという二地域居住をはじめました。
岩国の錦帯橋は、
今、
世界遺産の登録を目指しています。その登録を目指すためのプロセスを、地域のまちづくりに活か
したいということで、昨年、全国都市再生モデル調査事業に応募して採用されたこともあり、月に
1回は田舎に帰って、NPOとしてまちづくりをやっています。
本日は、こちらの地域のことをよく分かってないということもありまして、一般的に、私が地域
の振興についてどういうふうに考えているかということと、それから、昨日、顧問会議に出席させ
ていただいて、そこから学んだことなど、4つくらいの視点を話題として提供させていただければ
と思いメモをつくりましたので、それに沿って話をしたいと思っています。
お手元のレジメが私の本日の資料ですが、
「上北地域の元気づくりに向けて」というタイトルで、
6つくらいの流れで話をします。ただし、今申し上げましたように最後の6つ目の「これからはど
のようなソフト整備が必要か」という点については、こちらの地域の実情をまだよく分かっていな
かったということで、昨日、顧問会議の話を聞いて整理しましたので、本当にホヤホヤのメモとい
うことになります。
○地域振興に向けた6つの視点
まず、これからは若者だけでなく高齢者も人口流出していく。2番目は外貨の獲得だけに目を奪
3
われると、内部所得の流出そして財政赤字が大きくなる。3つ目が人口定住や経済活性化策の優先
順位は先ずは住民、次にUターンの可能性がある元住民、その次に域外の居住者に対する施策だと
いうふうに考えています。また4つ目ですが、日本の地域活性化というのはハードの整備を中心に
進められてきました。日本人は非常に仕組みを作るのが下手です。仕組みは海外から輸入するとい
っても過言ではないと思いますが、私はハード整備による経済の活性化から、ソフト整備による生
活とか暮らしの活性化の方向へ切り替えて行かなくてはならないと考えています。それから5つ目
は、これからは少子高齢化、人口減少ということもありまして、地域のコンパクトシティ化という
のは避けて通れないと考えています。その問題について、都市の本質とか都市の魅力という観点か
ら話してみたいと思います。そして最後に、4つくらいの視点で、これからどのようなソフト整備
が必要なのかということを話したいと思っています。
○これからの少子高齢化社会における人口移動パターン
お手元の資料の2ページをご覧ください。私見ですが、これからの人口移動のパターンは5つぐ
らいに分かれるのではないかと考えております。これまで人口移動と言えば 15 歳から 24 歳の進学
とか就職で移動する若者が中心でした。2007 年、昨年からは団塊の世代、私も 1947 年生まれで団
塊世代の先頭を走っていますが、こういう団塊の世代がリタイアしていく形になれば、こういう人
たちが様々な移動をする、定住ということではなく、私のように二地域居住ということもどんどん
進んでいくのではないかと思っています。そのパターンは地方にとって望ましいパターンもあれば、
そうでないのもあり、概ね5つぐらいのパターンがあると考えています。
その一つが、新聞などでよく話題になるように定年帰農とか定年帰郷ということで、故郷に帰る
とかあるいは自然回帰で農業をやりたいという人たちがいるということです。もう一つは、医療・
福祉移民で、いわゆる医療・福祉が充実した地域へ移住するということです。例えば北海道の伊達
市はそういう分野で非常に進んでいるということで、住宅を販売すれば、本州からも沢山の人が移
住してくるという話がよく新聞に出ています。というふうに、医療とか福祉の充実している地域に
移住するパターンもある。さらにもう一つは食べ物の美味しいところ、暖かいところという意味で、
青森にとってはちょっと残念ですけども、沖縄県には中高年の移住者が増えてきています。石垣島
に行きましても、沖縄には無い名前の方が非常に増えたという話しを聞きます。
そして4つ目は、大都市と地方という広域間の移動ではなく、少子高齢化で核家族化が進んでい
るということもあって、夫婦のみの世帯、高齢者の単独世帯が増えてきて、広い郊外の家から都心
の文化的なイベントも楽しめるようなところに移っていく。これは地価が下がったということもあ
って、そういうところで生活ができるようになってきた。
5つ目は、青森にとって厳しいものですが、今までは長男は親の扶養とか家業の継承のために U
ターンして帰ってくるパターンが多かったのですが、これからは逆に、子供のいるところへ親が土
地と家を処分して出て行くパターンが結構あると思っています。私の身近にもそういう人たちをよ
く拝見するものですから、これからは高齢者も移動するということで、青森にとっては大きな危惧
と思います。
○地域経済の捉え方
3ページから6ページまでは、私が地域経済をどう見ているかという点の考えですが、先ず経済
の自立ということをどういうふうに見るのか。国からの補助金なしでもやっていける不交付団体は
4
経済的に自立していると思いますが、そうではなく、
国連ではどういう定義をしているかというと、
経済自立を「富・天然資源・経済的活動に対する所有・使用・処分を含む経済的独立の強化」とい
うふうに定義しています。だから、経済的に豊かであっても、地域内に大手の企業が資本参加して
きて、大きな工場を持って企業城下町なんていうところに関しては、その事業がうまくいかなかっ
た場合も含めて考えますと、経済的自立とは捉えがたいという意味です。経済的自立というのは、
その地域の中の資産が地域の中の人たちで所有・処分できるということでなければ、経済的自立と
は言えないわけです。
地域経済が発展するということは、大きく分けて二つあります。一つは、今まで他の地域から買
っていた物を自分の地域の中で生産して賄っていく。今の言葉で言えば「地産地消」という言葉に
なると思います。経済用語では移入代替と言っています。もう一つは移出代替で、これは移出して
いるものをさらに高付加価値化して収入を上げていくということです。こういうことが基本ではな
いかと思います。
もう一つは、この地域には集積がありませんが、発展していく地域というのは中央政府の出先機
関があったり、あるいは企業の本社があるとか、あるいは大学・大手の研究機関が存在するとか、
そういうところには機関の費用が発生しますし、本社経費が落ちてくる、大学の運営費、そこにい
る学生に仕送金が送られてきてそこに需要が発生する。需要を作ったり、雇用を生んだりという形
になります。特に大学とか研究機関が立地しているということになれば、その地域の技術革新にも
寄与しますし、文化・社会面での向上にも寄与していく。中枢管理機能あるいは都市機能の集積と
言われるものは、地域発展のための重要な要素になるということです。
次に5ページを割愛して、
6ページをご覧ください。ちょっと見慣れない表を入れてありますが、
実は地域というのはどういうところと取引をしているのか。ここでいう地域とは、地域の家計、ロ
ーカルな自治体、ローカルな企業が地域の主体を構成しています。他の地域も同じような構成です。
そういう地域間で、財とサービスの移出・移入をしている。ここの地域は残念ながら、他の地域か
ら買ってくる方が多いということで移入超過です。財貨サービスには域外の人が入ってきて消費す
る観光消費とか、あるいは商品を買うことも財貨サービスの移出移入取引に含まれますが、これが
非常に厳しい状況にあります。
この地域収支をバランス良くするために、今までどうしてきたかというと、中央政府から経常移
転というか、地方交付税とか固定資本形成とかあるいは国庫支出金によってお金をもらいそれで地
域収支のバランスをとっていました。もっと昔は卸売業のトランスファー、鉄道のトランスファー
というのがありました。卸売業のトランスファーというのは米価価格の逆ざやを利用していたもの
で、今は無くなりましたが。国鉄もJRになり、国が補填する赤字路線がなくなりました。
今は地方分権化の流れの中で、地方に回す財源を減らして、地方に税源を移譲するという形にな
っています。地方に税源を移譲するのは、多分、消費税を増やしていく形になると思いますけれど
も、そうすると税源の少ない地域にとっては、非常に厳しい状況におかれることが予想されます。
そういう意味で、他の地域から購入する物をできるだけ自分の地域で作って、それを自分のところ
で消費していくという仕組みを作っていかないと非常に厳しいということが、経済の仕組みとして
分かります。
○上北地域の元気づくりに向けて∼最も大事な顧客は外ではなく内にいる
7ページは、前回の協議会用に私が自分の考えをメモとして整理したものですが、皆様にも配ら
5
れていて既に読んでいる方もいらっしゃると思いますのでポイントだけお話します。
先ず、地域の中でそれぞれが生き甲斐に繋がるライフスタイルを持っていただきたいということ
です。それぞれが自分なりの生活文化を持つことが大事です。これが研ぎ澄まされてきますと、他
の地域に移住したい、行ってみたいということが不要になってくると思います。そういう意味で観
光振興というのは、外部の人間ではなくて地域に住んでいる人をお客と見て、それを満足させるよ
うなサービスとか魅力を作っていくことが大事です。具体化するには、住民自らが地域から出て行
った出身者を巻き込みながら、地域にあるヒト・コト・モノ、資源を再発見、再発掘する、それを
磨いていって、それを元にして他の地域と交流していく。また外部にはサポーターとかファンクラ
ブとかの応援団を作るという仕組みを仕掛けていかないとなかなか難しいと思います。先ず、住民
を満足させるようなサービスとか都市の魅力とかを作って行く方が大事だと思います。
○都市の中心核とコンパクトシティ
これからの都市を考える時に、コンパクトシティは避けて通れません。コンパクトシティにはど
ういう意義があるのかといえば、5つぐらいありまして、その1つは財政制約のもとで、行政需要
をできるだけ抑制するということです。コンパクトなエリアにして、その中だけに行政サービスを
供給していく。行政サービスを分散させないということが必要になってくると思います。2番目は、
中心市街地の活性化、経済交流の拡大、雇用の創出とそれによる人口流出の抑制ということがあり
ます。それから、3番目は、住宅ストックや土地の有効利用を図っていく必要があります。4番目
は高齢者社会になっていきますと高齢者等交通弱者への配慮が当然必要になってくるということ
です。5番目は、正に今日的な課題で、分散型電源の導入によるコージェネの推進とか、工場の排
熱、ゴミとか下水排熱とか、未利用エネルギーを利用していくという形でのエネルギー有効活用、
それから、自動車交通の抑制により二酸化炭素を削減していくということが意義であり、大きな目
的ではないかと思っています。
地方圏については、特に集落に住んでいらっしゃる方を中心市街地に居住してもらうなど協力い
ただくには、中心市街地に公営住宅を造って、安くして住んでいただき、そのかわり行政サービス
はこの地域だけでしか供給しませんよということをご理解いただく必要があります。しかし、行政
のサービスを多少受けられなくても、差し支えなければ二地域居住、従来の住居にお住みになって
も構わないという形で進めていくことが重要ではないかと思っています。
コンパクトシティの一番重要なポイントは、やはり都市の魅力、都市の本質です。これがどこに
あるのかといった時に私が一番参考にしているのは、ルイス・マンフォードという人が書いた「歴
史の都市 明日の都市」という凄く厚い、新潮社から出ている本です。彼の著書を読んでいて、
「な
るほど」と思っている学者も多いと思いますが、彼のいう都市の本質とは、情報の創造、貯蔵、加
工、流通、発信であり、これが中心核に存在する必要があるということです。
だからエジプトなど、古い時代から都市の中心には何があったかということですが、彼の言って
いるのをみると、神殿だとか、あるいは大聖堂とか大寺院とかがある。そこにはどのような情報が
流れるかというと、神託で今年はこういう年になるぞという神のお告げがあり、それをみんなが神
のお告げを聞いて今年はこういう形で生きていけばいいだろうという情報力があって生活のリズ
ムが作られます。
それから、2番目は、昔でいう宮殿、今の市庁舎、国会議事堂など、地域の法制度、ルール、そ
ういった情報が創られる場所がやはりポイントになります。それから、3番目に、これが非常に重
6
要で、市場とか広場、これはドイツではマルクトプラッツアと言って市場広場という形で言ってい
ますけど、この市場では、
物をお互いが交換することによってモノの価値、価格が決まってきます。
それから、ヨーロッパの都市は、廻っていただくといろいろ解りますが、オープンカフェで、誰が
何処でお酒を飲んでいて飯を食っているかがすぐ分かるんですね。そういう意味でひとつの街の真
ん中はオープンにし、サロン的に開かれているんで、どういう人と誰がどこにいるのかが直ぐ分か
る構造になっています。これが私は非常に重要なのでないかと思っています。
2年前にドイツでワールドカップがありまして、ゲームは3試合しか見なかったんですけれども、
3週間ぐらいヨーロッパにおりまして、20ぐらいの都市で話題になっている街を隈無くどういう
構造になっているのかと思いながら歩いてみましたが、だいたいそういう構造になっていました。
こういうものの他に4番目として、これはエジプトには無くて、ギリシャの時代から出てくるの
ですが、都市化してくると人々の中での軋轢が加わるなどストレスが貯まってきて、精神のカタル
シスが要るということで、劇場あるいはコロシアムが生まれてきます。そういった精神浄化のよう
な集客機能のある施設をやはり都市の真ん中に持つ必要があったわけです。
しかし、このような施設を郊外に造るとなると後から大変な問題となってきます。例えばワール
ドカップの宮城県のスタジアムなどは、現在ほとんど使われていません。したがって、こういう集
客施設は、最初お金が多少かかってもやはり都心の真ん中に置くということが大切ではないかと思
います。
長嶋監督の主治医で、今はオシム監督のリハビリを担当している主治医の方とお話ししているの
は、これから都市の真ん中に必要な機能は何だろうかということです。
日本ではこのような機能を持つ寺院とか神殿というものが都市の真ん中にはありません。日本の
場合は、ニュータウンを造る時に、最初にショッピングセンターを中心に持ってきますが、ヨーロ
ッパでは、そういうことはありません。まず、教会が中心にきます。そういう意味で残念ながら日
本では、そういう風な一番大事な要素が無いわけですが、これからの高齢社会を考えた時には、リ
ハビリテーション病院といいますか、いわゆる病院ですけどもこれをもっとオープンにした形で病
院機能だけではなくて、職業的にも教育的にも再出発できる、広い意味でリハビリできるような機
能を中心に集め、しかも地域に開かれた形にするということが大事なのではないかと思っています。
健康医療都市構想と言っているんですけれども、この医者は、愛媛県生まれ、愛媛大学医学部出
身ですので、まず第1号モデルは松山につくりたいと言っています。でも、松山は 1500 くらいベ
ッドが余分にあってそこにはすぐ病院はつくれない状況にあります。現在、経済産業省とか国土交
通省から他の都市でやってくれないかというふうな話がありますが、本人は3年くらいは松山で頑
張ってみたいと言っているんですが、まだ実現に至りません。
こういう都市の中の中枢、中核のところにどういうふうな機能をもってくるか、やはりサロン的
なあるいはオープンな施設で、みんなが求める情報があって集まりやすいところにする必要がある
のではないか、これは私が今回、都市の在り方として皆さんにお伝えしたかったことです。
○今後の地域づくりに必要となるソフト整備の考え方
それから10ページ目は、私の街づくりについての考え方みたいなものを書いてありますので、
これはまた後ほど読んでいただければと思います。それで、余り時間がございませんので、最後に
4点程話題提供させていただきいと思っております。
7
(食品に関する環境意識の高まりに対する対応)
その1つ目は、農産品を含めて食品に関する環境意識の高まりに対する対応が、これから凄く必
要になってくるということです。食品の大きな要素としては、基本的には3つありまして、まず健
康によいということで、栄養という意味ではプラス面もありますけども、毒素を排出するというデ
トックスのマイナス効用も当然あるわけで、まず健康によいということ。
2つ目は安心安全ということ、
これは言うまでもございません。
それから3番目は美味しさです。
これは客観的な評価が難しいわけですが、大切な要素です。
そしていろんなものに言えますが、環境面での配慮というものがこれからは非常に重要になって
くると思います。例えば、アメリカのスーパーマーケットでは、その店の半径 200 ㎞以遠の商品は
取り扱っていませんということがもうキャッチフレーズになっています。アメリカの商品に関する
ある情報によると、1つの商品を原材料から含めて考えると 2,400 ㎞ぐらい移動してきているらし
いんですね。
それで、できるだけ移動させないような、この移動させないということは、移動に伴うCO2の
排出を抑制するということで、フードマイレージという概念が使われています。これは、フード、
いわゆる食品を運んでくる距離がどれくらいあるかという概念のことを言います。そこでフードマ
イレージの高い商品は置かないということが言われるようになっています。
このフードマイレージの高い商品というのは、結局は化石燃料に換算してCO2をどれだけ排出
するかということになりますから、これから青森の中で作っていく食品というのは、出来るだけ再
生エネルギー、あるいは原子力とか、そういうCO2を出さないエネルギーで作っていくというこ
とが大切であるし、輸送する時には、鉄道あるいはエタノール車とか電気自動車とか、そういうハ
イブリット車などで、できるだけ輸送に関してもCO2を排出しないということが重要です。
そして、おそらく商品のラベルにも製造時にどれだけCO2を排出したか、あるいは輸送時にど
れだけCO2を排出したかを記載することが義務付けられるということが十分あり得るのではな
いかと思っています。そういう意味で、これからは、食品の環境への配慮がおそらく非常に必要に
なるのではないかと思っています。
今年開催されるG8では、地球温暖化防止が最大のテーマですけども、2010 年から日本でも排
出権取引がはじまるようです。東京とか京都府とか広島市では、家庭で皆さんが努力してCO2排
出を削減し、それを企業に買ってもらうという仕組みを作ろうという動きがあります。それから、
三井住友銀行が、新エネを導入した住宅を建てた時とか、あるいは省エネの住宅を建てた時のロー
ンを、これは三井住友銀行が海外から買ってきた排出権取引を政府に寄贈するんですけれども、そ
の一部をそれぞれのローン利用者に、あたかも排出権取引をしたような形の商品として提供すると
いう動きが出てきました。このような意味でも、これから人々の環境への関心が非常に高まり、行
動に出てきますので、その対応が必要になってくるのではないかと思います。
(地域全体での健康への取り組み)
2つめ目は、企業に健康会計というものが導入されるようになります。経済産業省と厚生労働省
が、定期検診などの健康管理への投資とその効果を定量的に把握できるように企業に健康会計を導
入するよう働きかけ始めようとしています。そして、こういう取り組みをしているいろいろな企業
を認定して表彰するような形になると、社会的責任投資の対象になったり、あるいは企業のリクル
ート面でも有利になってくるということで、認定を受けるためにはやはり非常に努力をするし、そ
8
のためには健康への配慮とか、あるいは福利厚生でスポーツを推進するとか、そういった形での動
きが出てくると思います。
この健康会計についても、いずれ地域版がでてくる可能性があるんじゃないかと私は思っていま
す。青森県にとって、医療費の増大は財政を圧迫するだけでなく、医薬品とか医療機器とか医療器
材といったものを製造する企業が地域に集積している訳ではありませんので、そういったものはす
べて県外から買ってこなければならない。ということは、地域にとっては所得が流出し、経済的に
はやはりロスなんですね。だから住民の健康の維持増進を図って、そういった経済的ロスを無くし
ていくということが、住民の健康だけではなく、その地域自体が健康になるために必要なんだとい
うふうに認識いただきたいと思います。
来年度事業の一つに、健康観光プログラムというようなことがありますが、そういう意味では、
まずは県外の人を対象とするのではなくて、県民からまず募ってやっていくということが大切であ
るし、その時に大事なのはそれを指導していただくとか監修していただく人として、やはり非常に
知名度が高くて権威ある人にやっていただく必要があるのではないかと思います。仮に、私が候補
をあげるとしたら、慶応大学の大西先生というスポーツ医学センターの副所長で2006トリノ五
輪の統括スポーツドクターをされた方がいらっしゃいます。この大西教授は、今、青森市のヘルシ
ーシティ構想に非常に関心を持っていて、何か協力できないかと言ってらっしゃるということを間
接的に聞いております。それから田中喜代治さんという筑波大学の運動生理学の先生で中高年層の
健康運動プログラムに取り組んでいる方もいらっしゃいますので、こういう方に来ていただいて一
緒にやっていくということが必要ではないかと思います。
(夢の実現支援)
それから3番目の視点は、夢の実現支援ということで、女性と子供についてちょっとお話しした
いと思います。今回のプログラムの中に、元気な女性の起業家づくりというのがございます。これ
に関連してお話すると、
「WWB JAPAN」
、ウーマンズ・ワールド・バンク・ジャパン、女性
のための世界銀行日本支部という組織があります。
ここでは、女性の起業を目指す人の夢を大事にし、実現することを応援しており、起業支援スク
ールというのを開催して、資金調達、付加価値の付け方、商品の売り方、あるいは企業会計の知識
を特訓しています。最後に卒業試験がありますが、その時に公開起業オークションということで、
それぞれプレゼンテーションを行った女性の起業家を目指す人に対して、プレゼンテーションの企
画内容が良ければ、
「金」
「人」
「物」を書いてある3つの札をそれぞれ上げて応札するということ
をしています。
「金」の札を上げれば資金を提供します、
「人」を上げたら人材を派遣します、
「物」
は資材を供給しますというような公開オークションになっているわけです。そういうところと提携
し勉強しながらやっていくということもあるのではないかと思っています。
それから、子供の夢の一つの定番は、スポーツ選手になりたいということではいかと思うんです
ね。日本のスポーツは、おそらく麻生太郎さんが総理になったらガラッと様子が変わります。今、
自民党の中で、毎週火曜日の午後にスポーツ立国調査会とスポーツ振興法改正会議が隔週で開催さ
れ、麻生さんを中心にスポーツ省の設置とスポーツ振興法の改正が議論されています。
文化芸術は、その振興基本法において国が責任を持って振興することが明記されていることから、
スポーツの振興も同じように国が責任を持つべきだという議論がなされています。それからイギリ
スとかフランスは、2012 年夏季オリンピックの招聘の時にはブレア首相やシラク大統領が自ら招
9
致演説をしています。要するに、スポーツの世界においても自分の国のプレゼンスをどのようにあ
げるかということが国家の目標になっています。そういう意味で、これからはスポーツ省とかスポ
ーツ庁というのが大きな話題になっていくと思います。
これから子どもの夢の一つを実現するには、スポーツクラブをきちんと作って、そのスポーツク
ラブのトップは、やはり日本のトップリーグに入っていくようなチームを持った方がいいのではな
いかと思います。隣県の花巻では、フットサルのチームを持っていまして、それはFリーグに入っ
ています。これくらいのものであれば、年間予算は2億円から3億円あればチームを運営できるよ
うです。
そういう意味で思い切って、この地域の中で、学校のグランドとか体育館とかそういったものを
教育財産から切り離して、地域のNPOとかスポーツクラブが運営できるような形をとってみては
どうかと思います。これは学校教育法や地方教育行政の組織及び運営に関する法律を変えていくと
いうことですから、構造改革特区にならない限りできないんですが、そういうことをやってみては
どうでしょうか。スポーツ振興法でも、学校施設を有効活用して地域のスポーツ活動を振興するよ
う記されていますし、実際にそれがなかなか上手く使われていないということになれば、そういっ
た思い切ったやり方もあるのではないかと思います。
(志金循環)
4つ目は、地産地消の展開ということで、食品だけではなくて水とかエネルギーも含みます。水
もミネラルウォーターを買う時代になりましたし、エネルギー、それからエンターテイメント、ス
ポーツイベントとかコンサートというものをもできるだけこの地域の中でうまく回していくとい
う形にする。私が一番ここで申し上げたいのは、金融の資金循環をこの地域の中でいっぱいやって
いく必要があるのではないかということです。
それで、資金の「し」という言葉は「こころざし」という意味です。地域の「こころざし」のあ
るお金を「こころざし」のある人が使うという意味での「志金循環」であり、最近出てきている市
民バンクとか金融NPOというのが中心主体になります。
今までの金融というのは経済リターンというものを求めていましたが、そうではなくて環境とか
福祉、あるいは健康とか、そういったものの社会的リターンを大事にする時代になってきたと思う
んですね。それで、この「こころざし」のあるお金について、田中優さんという未来バンク事業組
合の理事長をされている方が非常に面白いことをおっしゃっています。少し紹介しますと、我々み
んなはお金を預けていることに非常に無頓着だと指摘しています。そういう意味でちょっと笑い話
ですが、
「農業の自由化に反対している農協に預金すると、農協はお金を余らせているので農林中
金にプールする。そして農林中金は世界銀行債を世界一買っています。その世界銀行は農業の自由
化を進めているところですから、農業の自由化に反対する農協に預金すると、もれなく農業の自由
化がプレゼントされます。
」というふうな事例を出して、預けるお金の使い途に関心を持つことが
大事だと警告されています。
実は私は、地域振興策の最後の切り札は地域金融政策ではないかと思っています。
例えば日本は、
PFIという民間の力を借りて社会資本を整備すること、PPPという公共と民間の連携で質の高
い公共サービスを低価格で提供すること、あるいは独立行政法人制度で国立病院とか国立大学など
の運営の効率化を図ろうとしています。これらは、みんなイギリスの仕組みを輸入してきたもので
す。
10
そのイギリスのブレア首相は、クリントン大統領が完成させた非営利金融活性化政策というのを
丸ごとアメリカから輸入しているんですね。それは、地域再投資法という民間の営利の金融機関と
非営利の金融機関とを結んで、非営利の金融機関がビジネスとして非常に難しい医療とか福祉とか
環境とか、あるいは低所得者向けの住宅ローンとか、そういったものを応援しています。クリント
ン大統領が何をやったかというと、一つは銀行に格付けをして、地域のニーズに応えない銀行の格
付けを下げる、そして悪い格付けになると企業の買収や店舗の増設、あるいは移転を許可しないな
どいろいろな義務付けや制限を設けました。
しかも、クリントン大統領は、ファンドを設けて直接地域の非営利の金融機関を応援し、応援を
受けた金融機関は知名度とか認知度が高まり、社会的評価が高まってくるということで、いろんな
財団から寄付をもらったり、あるいは営利の金融機関から低利の融資を受けたりしています。低利
の融資をする金融機関もそれだけ格付けが上がるわけです。そういうふうに営利の金融機関と非営
利の金融機関を結びつけるような仕組みが出てきて、これがもう欧米では中心的な、これからの地
域の活性化策として動いてきています。
我々の中でも、こういうふうな金融の機能を、市民バンクとか金融NPOとかいろいろな地域で
芽生えているものを少し勉強してそれなりに備えて行くといったことが必要なのではないかと思
います。少し時間が超過しましたけれど、どうもありがとうございました。
(司会)酒井顧問どうもありがとうございました。それでは、只今のプレゼン内容に関するご質問を
受けたいと思います。また、せっかくの機会でございますので、遠慮無くどうぞ。
(下山会員)質問と言うよりも感想になりますが、今の最後のお話は非常になるほどと思いました。
地元の信用金庫としては、ここから集めた資金をここに還元していくということで、まさに先生
のお話ししていらっしゃることではないのかなと思っております。しかし規模が小さいので、どう
しても大手と比較しますと調達コストが高くなるため、やはりお客様にはちょっと高い金利で運用
するしかないという、これが弱い点ではないかと思っています。非常に良いお話しを聞くことが出
来ました。ありがとうございました。
(司会)酒井様どうもありがとうございました。それでは、次に議事に入りますが、この後の議事進
行は北村会長に引き継ぎます。なお、酒井顧問におかれましては、この後引き続き会議にも御参加
いただきますが、帰りの電車の都合で途中退席となりますので、あらかじめ皆様にお知らせしてお
きます。
4−(1)「上北の元気づくり推進プログラム」
(案)について
(議長)それでは、議事に入ります。議題の1「上北の元気づくり推進プログラム(案)
」について、
事務局説明してください。
(事務局)元気推進プログラム案について説明させていただきます。資料2をご覧ください。
御承知いただいておりますとおり、このプログラム案は、提言内容の実現に向けた実施案という
ことで、提言書で示した個別の提言内容に対して、それぞれ実施時期、実施主体、実施内容を整理
11
したものであり、このプログラムと提言書を一体のものとして、県、市町村及び各種関係団体等が
連携し、それぞれにおいて具体的な取組に繋げていくことを目指すものです。
11月に開催した第3回協議会で既に、プログラム内容については概ね了承いただけたものと思
いますので、修正箇所の2箇所を中心にご説明いたします。
まず第1点ですが、協議会終了後にいただいたご意見の中に、
「推進プログラムの実現に当たっ
て、地域県民局が県の出先機関としての施策を遂行するだけではなく、広域連携の推進や公的支援
制度等の情報提供などコーディネーターとしての役割を担う必要がある」とのプログラムの運営等
に関する重要なご提案がありましたことから、このご意見などを踏まえてP1の「
(1)基本的考
え方」の「③実施案」の県の役割に関する部分を一部修正加筆しております。
具体的にはP2をご覧ください。県の役割、取り組み内容として、各種県事業のうち上北地域が
事業対象となるものについては、上北地域県民局が関係課等と連携しながら取り組むこと。県民局
としても、上北地域の特定課題に係る緊急性や広域性を有する事業については重点事業として取り
組んでいくこと。県民局においては、本プログラムの実現に当たり、市町村及び関係団体等との広
域連携の推進に努めるほか、国、県及び関係機関等の各種関係事業や支援事業等に関する情報提供
等も積極的に行っていくことの3点に整理しました。
また、市町村及び関係団体等においては、単独あるいは広域での特定課題に係る緊急性や地域
性を有する事業を中心に、県の「支援事業」や国等の各種支援制度を活用するなどして事業化を図
ることを想定しております
次に第2点として、提言書で示した施策提言の体系(3つのテーマと10の提言の柱、提言推進
の方向)と推進プログラム中の重点的に取り組むべき事項との関係をわかりやすく示すため、P2
に「
(2)施策提言の体系と推進プログラムによる取り組み」の記載を追記するとともに、P3に
別図を掲載しました。
なお、このプログラムに関係する県事業、県民局事業、市町村事業の具体的な内容については、
次の案件の「平成20年度当初予算」のところで詳細に説明させていただきます。以上です。
(議長)只今事務局から説明がありましたが、これについて、何かご質問やご意見はございませんか。
特にないようですので、「プログラム(案)
」について、以上のとおりとします。
4−(2)
平成20年度当初予算の概要について
(議長)それでは、次に議題の2「平成20年度当初予算の概要」について事務局から報告します。
(事務局)それでは資料の3−1、平成20年度当初予算案の概要をご覧ください。上北地域県民局
が主体となって実施する事業をご紹介いたします。まず1ページ目ですが、「上北元気農村企業家
育成事業」で予算額 600 万円です。現状と課題について簡単に申しあげますと、情報発信やこだわ
りメニューが不足し、ブランド化された産品がないことなどから、これらの課題を解決し今ある強
みを伸ばすために、資料の中程に記載しています関連事業を実施するものです。
1つ目としては、農家レストランの開設や運営講座の開催事業です。これは開設方法や独自メニ
ューづくり、店舗の演出等について専門家や先進事例をもとにした講習会を行うものです。それか
ら2つ目が、
「上北産直施設魅力向上モデル事業」です。内容は地産地消の推進と、観光客等をタ
12
ーゲットにした新たな店作りや商品作りなどについて、専門家による調査や助言等を行うものです。
3つ目が上北食の健康プレミアム便発信事業です。これは短角牛やガーリックポーク、黒ニンニク
などのこだわりの地元食材を活用したプレミアム便モデルの開発や産直やネット販売等のセミナ
ーを開催するとともに、マーケティングとして宿泊者や消費者を対象としたアンケート調査を実施
するものです。またこれらの事業をより効果的に実施するために産直従業者等の資格取得を推進す
るための事業や少量他品種の野菜の産地化をめざす上北元気オーダーメイド野菜産地育成事業な
ども併せて行います。そして6番目になりますが、起業ネットワークづくりのための基本推進会議
を開催します。以上の事業の実施により、右側に目指す成果として記載している上北の食の発信と
雇用の創出等の実現を図るものです。以上が上北元気農村企業家育成事業です。
続きまして、2ページ目の「飼料危機脱出対策事業」です。現状については中程の表のとおり、
主要輸入穀物価格の推移が平成 18 年 5 月と 19 年 10 月を比べるとほぼ2倍程度になっており、今
もなお上がり続けている状況です。こういった状況を打開するために具体的な推進方策として、F
C対策推進協議会を設置します。これは県・市町村、JA、北里大学、食品加工業者、飼料プラン
トの業者さんたちに入ってもらい、畜産を核とした地域農業の振興構想を策定するものです。この
中において飼料用稲による飼料危機対策を行うものですが、まずは①のところにあります飼料用稲
の栽培実験ほを設置し収量性やコストの調査分析を行うものです。また②として飼料用稲の給与試
験を実施することとしています。また、中程の右下にある営農関連事業ですけども、エコフィード、
これは液状になった飼料ですが、地域の未利用資源を利用してできないかどうかということを検証
し、転作田の有効利用や飼料自給率向上等を目指すものです。
続きまして、3枚目の「光輝け地域の宝
日本短角種振興対策事業」です。この現状と課題とし
て、
脆弱な生産基盤が挙げられますが、
平成3年度に飼育牛が 9000 頭あったのが 18 年度には 1,000
頭程になり大幅に減少しています。一方、良質赤身肉に対する需要が増加しており、出荷頭数年間
260 頭に対して、実際の注文数が 340 頭で、需要に対して賄いきれない状況になっています。こう
いう状況を踏まえて、戦略の1つ目として青森短角牛繁殖メス牛の頭数拡大を図るために、生産拡
大優良繁殖メス牛を導入するに農家に対して4分の1程度を支援するものです。それから戦略の2
つ目として、首都圏や関西をターゲットにしたこだわり短角牛の販売拡大を行うこととしておりま
す。また、下の方の将来ビジョンのスケジュールのところにも書いていますが、短角牛に関して有
機畜産物 JAS 規格の取得を目指すこととしています。まだ国内の畜産物ではこういった規格を取得
した例がないため、これによってブランド化や付加価値の向上を図ることができると考えられます。
続いて、4枚目の「上北の健康観光ツアー推進事業」です。まず、事業の趣旨ですが、これは七
戸駅開業に向けて、観光関係者や保健医療関係者及び行政が連携して健康や癒しに結びつく地域資
源、たとえば温泉、食事、森林浴、ウォーキング等を活用した観光サービス体制づくりと旅行商品
化を図るものです。そして事業内容としては、平成 20 年度に、健康観光ツアー推進検討委員会を
設置して各種検討を行うとともに、資源及び施設やモニターツアーを実施します。また、21 年度
には、健康観光プログラムによる旅行商品化を図ることなどを目的に旅行エージェント等の現地招
待や健康観光フォーラムを開催するなどし、七戸駅の利用促進や地域振興を図るものです。
それから、最後の5ページ目ですが、
「VIEW上北推進事業」です。これは観光客の上北地域
での周遊が少ないと新幹線の開業の温度差も大きいということと下北縦貫道路の一部開通により
まして、はまなすラインの通行量減少、といった課題もございます。一方国交省においては、日本
風景街道と申しまして風景が良く、地域一体となって取組が見られるところを街道として認定して
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おりますので、上北地域でそういったところがないかと申しますと、たとえば小坂から野辺地町ま
での牛の道であるとか、七戸駅から十和田湖へ向かう牧場の松並木、これもフロー図の右下になり
ます。それから横浜町から六ヶ所村への風力発電、また風車街道と申し上げても良いようなところ
かと思われますので、それが左下の絵でございます。こういった可能性がございます。そういった
状況を踏まえまして事業の内容ですが、地域団体や企業、農業者、住民、県市町村等が手を取り合
いスクラムを組んで、また専門家や旅行雑誌業者の専門家等の支援を得ながら VIEW 上北推進協議
会を開催し、景観資源の抽出や景観作りに係る検討、活動指針の作成を行います。また併せて並行
在来線関連の駅周辺の資源発掘、その活用のための方策を検討しそれで出された活動指針に基づい
て、その下の県・市町村の役割、地域の役割に基づきまして各々が個別具体の事業を実施するもの
でございます。以上が県で実施する主な内容でございます。
最後に6ページですが、これは県の関係部局が直接実施する事業のうち、上北地域で実施する事
業などの当県民局に関連する事業を整理したものです。
これに記載しているものが全てというわけではなく、主なものとして掲げています。例えば、一
番上から順に、青い森鉄道の利活用をはかるためのアクションサポート事業費、長芋の輸出拡大を
図るための生産体制や収集化体制の確立に係る事業費、3つ目として奥入瀬渓流エコーツーリズム
プロジェクトチーム事業費、これは持続可能な車輌規制の実施、手法の検討、地域の機運醸成、合
意形成に向けたニーズ調査等を行うものです。それから上北横断道路助成応援隊事業費というのは、
上北横断道路の建設促進をはかるための助成と人材育成や国への要望に関するものです。それから、
十和田湖奥入瀬水利用検証事業ですが、これは冬期間の放流等について、環境への影響や観光面で
の効果を検証して、冬期放流の実施方法等を検討するものです。それから、イーターで本県にやっ
て来る国際的な研究者のお子様方に対する教育環境の整備に要する経費、十和田工業高校で体育館
の冷却システムを開発をするためのハイテク・ローテクによるクールアイランド創造チャレンジ事
業といったことを実施することとしています。以上が県の実施する事業です。
続いて、市町村の主な取り組みについて簡単に説明しますので、資料3−2をご覧ください。提
言を踏まえた市町村における主な取り組み内容ですが、提言の柱として掲げている農畜水産物のフ
ァンづくりについては、新規事業を中心に説明しますが、まずは、ホッキ貝の普及宣伝事業は、三
沢市が実施するもので、ホッキ貝を新メニューとして三沢市内の飲食店でメニュー化してさらに情
報発信を行っていくものです。それから2つ目は、メープルふれあい広場整備事業で、これは道の
駅ろくのへメープルふれあい広場で、特産品や観光の情報発信や、朝市を開催するためのイベント
広場の整備を行うものです。それから1ページの一番下が、グリーンツーリズム振興対策事業で、
今年も台湾から修学旅行生が来ましたが、十和田市がグリーンツーリズム推進による観光や農業の
振興を図るために、台湾やアジア地域からの修学旅行を誘致するものです。それから2ページ目の
3つ目が観光史跡ガイドマップ作成事業ですが、野辺地町がボランティアガイドの充実やガイドマ
ップの作成を行うものです。その次の次にある七戸町観光ガイド育成事業も、同様に観光ガイドの
育成を図るものです。それから、3ページ目の右上に記載しているつつじロード植栽事業ですが、
これは東八甲田カントリー旅行村の天王神社をツツジの拠点とし、新幹線七戸駅から続くアクセス
ロードに山ツツジを植栽し観光振興を図るものです。
また健康、安心・安全な地域づくりでは、十和田市がセーフコミュニティの推進による安心安全
なまちづくり事業を実施することとしており、これは、自殺・転倒・交通事故・災害等を行政や市
民団体、医療機関が連携して防止し、安全安全なまちづくりコミュニティを推進するというもので
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す。あと野辺地町では、救急教育用の機材を整備することとしています。以上が提言を踏まえて、
県及び市町村が 20 年度に取り組むこととしている事業です。
(議長)只今の事務局説明に対して、何かご質問やご意見はございますか。
(小笠原会員)東北町の小笠原と言います。道の駅の産直や農家レストランで頑張っております。私
達の農家レストランは、町から場所を借りまして平成 11 年からやっております。昨年、県民局が
地産地消を目指した農家レストランの運営講座というものを4回ほど開催し、私達の農家レストラ
ンの仲間もみんなで勉強しました。最後の4回目の時に、企画書を作成しこれからの夢や計画を各
組織の代表が、参加者の前で発表しました。私達の農家レストランは小川原湖の側にあるので、い
ずれはイベントやちょっとしたコンサートなども開きたいという意見を発表しました。その後、や
はりそういう研修に参加したお陰もあってか年明けに具体的な企画が出来まして、1月末に農家レ
ストラン開設10年目を迎えたこともあり、いつもお世話になっている皆さんに感謝の気持ちを込
めてミニコンサートを開催することができました。
20 年度の事業で、上北地域の農家レストランなどの女性の起業家を育成したり応援するという
説明を聞いて凄く感動しました。とてもワクワクしています。今、皆さんの前で感謝の気持ちを述
べることが出来ました。本当にありがとうございました。以上です。
(宮会員)道の駅よこはまの宮です。道の駅よこはまに関わることではありませんが、青い森の元気
牛ということで、資料3−1の3ページになりますが、実は菜の花トラストで菜種油を絞っていま
して、その搾油の菜種カスを飼料に使えないかということで分析していただいたところ、まだ結果
は出ていませんが、非常に程度が高いということでした。横浜町の七戸畜協で飼育している牛は、
全て有機による非常に良い肉で、伊勢丹にまるまる一頭出しているというくらい高い評価を得てい
るということを聞いていますので、是非強力に進めていただき、青い森の元気牛のブランド化を確
立していただければと思います。
(石崎地域連携部長)県民局の事業の中で VIEW 上北推進事業をご紹介申し上げました。資料3−1
の後ろから2枚目でございます。その中で、県・市町村の役割のところ、緑色の囲みの中にあると
ころに活駅に関する機運醸成とあります。これは、駅というのは、いわゆる鉄道を利用しない方で
もその駅の裏とか駅前とか、駅から100mという形で、その地域にとってあまりサイズは大きく
ありませんがランドスケープとしての役割を果たしてきたし、これからもそういう役割があるのだ
ろうと思います。それで並行在来線ということだけではなくて大湊線も上北管内の十和田観光電鉄
も、できれば廃線となった南部縦貫鉄道のゆかりも含めて地域が、駅あるいは鉄路に思いを馳せて、
それを資源として外部に向かって発信していきたいと思いますので、会員の皆様にも是非この活駅
については、ご助力いただければと思いますので、よろしくお願いします。
(佐藤会員)こんにちは、佐藤でございます。前回と前々回は欠席してしまいましたが、今回のいろ
いろなプログラムを見ていると民間も一緒になってしっかりやって行かないといけない非常に感
じましたし、私も民間側としても是非一緒にできるものはやっていきたい。逆に協力できるものが
あって巡り巡って自社の利益になればいいなという思いを強くしたご説明だったと思います。その
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一貫として昨年、秋の大収穫祭を開催させていただきましたが、前回の議事録を拝見させていただ
いたところ、私がいないにもかかわらずその話が出ていただいたようで、多少なりとも地域の元気
づくりや活性化のスタートをきれたのではないかと思っております。自分たちの古牧温泉自体も元
気になるきっかけとなりましたし、こんなにたくさん集まってくれるんだということで、初日が1
700人でしたが、2日目も来てくれる人がいましたし、テレビでも報道していただいて2日目は
なんと4500人も来場者がありました。ということで、出展の方々もまだ手探り状態ですし、ス
タッフも手探り状態、来るお客様も手探り状態の中で6000名近くも来てくれて、その方々が地
元にこんな良いものがあったのかと話をしてくれて、喜んでいただけたのが何より嬉しいことでし
た。収支上は250万円の赤字でしたが、大きな宣伝広告費だと思っていますし、実は県民局のア
ドバイスもあって、今年はむつ小川原財団の補助金の申請をしながら地域のイベントとしてもっと
大きくやろうと準備をしていますので、是非こちらのメンバーの方々もご協力いただければと思っ
ています。
2つ目は、7月に私どものバイキングレストラン、
「のれそれ食堂」というバイキングレストラ
ンですが、まだ今一つのところがあるため、それを大きく改装する予定でして、230席ぐらいの
バイキングレストランにして、名前は、
「のれそれ食堂」から「あずまし屋」にしようかと思って
いるんですが、コンセプト的には地産地消ということで、地元の食材をなるべく使いましょう、青
森の地酒が一番揃っているレストランにしましょうということで、今日は、村井社長もご出席です
が、桃川さんに「青森らしい展示物とかお酒はないだろうか」とご相談させていただいたり、農家
の皆さんに、地元らしい野菜、しかも、ひん曲がった野菜でも丸くないトマトでもそのような物が
手にはいるようなルートとか商品についてご相談してなるべくそれらの顔が見えるようなレスト
ランにしようと思っており、近いうちにご相談に伺いますのでよろしくお願いします。
(上野会員)情報提供ですけれども、お手元にお配りしたJR東日本の大人の休日クラブのペーパー
は、前回の協議会でも話題になりましたが、吉永小百合さんが十和田湖でフィッシングを楽しんで
いるJR東日本のCMのカットでして、このCMを個人的に欲しいと思ってJR東日本に問い合わ
せたところ個人はダメなんだけれど観光関係の方でしたらお譲りできますよということでした。そ
こで本日ご欠席ですが森田さんに連絡をして、十和田湖休屋の観光関係者が使用するということで、
CMのダビングテープを入手することができました。このJR東日本の大人の休日クラブを少し調
べてみたのですが、趣味の会講座とか趣味の会サークルなどがあり、スケッチ講座や誰でもとれる
旅の写真講座など、それこそ奥入瀬渓流とか十和田湖で実際体験ができるというようなメニューが
たくさん揃っていました。上北の健康観光ツアー推進事業の中でもこういうJR東日本が提案して
いるものとリンクする形でこちらの環境を整えると相乗効果が期待できるのではないかと思いま
すので、是非そちらのご検討いただきたいと思います。
(澤頭会員)少し勉強不足なので教えていただきたいんですけれども、資料の3−1の一番最後のペ
ージに国際研究拠点の教育環境整備事業費ということでITERの計画ということでございます。
従って、今後、新幹線が七戸の駅となりますと一番最短の距離が七戸の駅から六ヶ所村ということ
になると私は考えております。ITERについては、エネルギー関係でいろんな研究機関ができる
とこういうことが報じられているわけですが、将来的に人口がどれくらいの規模になるのか、研究
機関がどれくらい設置されるのか、そしてまた居住する人口がどれくらいになってくるのか、その
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辺の見通しをわかる範囲で教えていただきたいと思います。
(事務局)手元に数字がないので後日調べてお知らせいたします。
ちなみに、この事業費は、外国人のご子息のための学校を整備するのではなくて、インターナシ
ョナルスクールに運営を委託して実施するもので、9,870万円と多額になっていますが、これ
は国の電源地域対策交付金で全額負担することにより実施するものです。
(石崎地域連携部長)むつ小川原地域については、新しく計画が策定され、その中に教育的なフレー
ムも示されていたと思います。その通りになるかということと、目標値ということもあるわけです
が、仮にコンパクトなガイダンスがあれば、後日会員の皆様に情報提供したいと思います。それか
ら、本日の資料で「計上の主なるもの」というタイトルの資料がりますが、これは、青森県の20
年度予算をまとめたものですので、皆様の日頃の活動などで、これは使えそうだなというものがあ
りましたら、県民局にお問い合わせいただければ、詳細な内容を確認してお知らせすることができ
ると思いますので、時々ながめていただければと思います。よろしくお願いいたします。
(佐藤会員)予算の概要としていろいろ書かれている事業内容で、新しい観光の魅力を育てていきま
しょう、農家レストランを作りましょう、ブランド牛を飼育していきましょう、健康観光ツアーに
取り組みましょうと、いづれも素晴らしい取り組みだと思いますが、非常に弱いなあと思っている
のが、例えば健康観光ツアーでも招致するのが旅行エージェントになっている点です。確かに旅行
商品を造成するのは、旅行エージェントですが、私どもは基本的に、今日も報道の方がいらっしゃ
っていますが、テレビ局であるとか新聞であるとか雑誌であるとか、そういったマスメディアとの
連携や関係を構築していき、そこに魅力をどんどん発信していく方が最終的に広がりを見せて旅行
会社も取り上げるという図式で、メディアをどう使うか、メディアにどう情報を発信するかを重視
しています。資料ではそこのところがやや弱く書かれているのでもっとしっかりやられたら良いの
ではないかと思っています。恐らくこういった言い方をしたら大変失礼ですが、ここがこれまで弱
かった分野だったと思うわけで、観光事業を見ていても観光キャンペーンで東京に押しかけて行っ
て旅行業者を訪問するけれでも、向こうも面倒臭いということで結局何にも結びついていない。そ
れよりも先程の吉永小百合さんの十和田湖のCMとか、テレビ番組で取り上げていただく方がよっ
ぽど効果が高いので、メディア対策というのをそれぞれの項目にもっと入れた方が、牛を売るにし
ても重要かなと感じた次第です。
(長崎地域支援室長)貴重なご意見ありがとうございました。正にご指摘のとおりで、エージェント
頼みだけでは全然広がっていかないということは重々承知しておりました。健康観光ツアーにつき
ましても実は健康観光を実際に研究している民間の調査会社がありまして、そこも実はいろんな雑
誌やらメディアを使って情報発信も行っております。ですから決してエージェント頼みだけではな
く、佐藤さんからお話がありましたように、メディアを十分活用した中で広がりを持たせて取り組
んでいきたいと思います。
(議長)メディアの活用については、昨日の顧問会議でも、随分協議がなされましたので、酒井顧問
の方からコメントをいただきたいと思いますが。
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(酒井顧問)私も、佐藤会員のおっしゃる通りだと思います。やはりメディアとか、あるいは放送作
家とか雑誌編集局長とか、そういう方々を巻き込んだような形でプロジェクトを組んで取り組んで
行けば良いのではないかなと思います。できるだけテレビなどのメディアを活用してやっていくと
いうことが非常に重要だと思います。
(大山会員)資料3−1の2ページの飼料危機ということで十和田市の水田については、畜産の所得
の2番目ということで農家の主要な所得になっています。確かに昨今、エネルギー代替ということ
で世界的に大豆・麦が非常に高騰していることから、畜産農家によればエサ代が莫大に高くなると
いう流れにあります。国の減反政策も今年から十和田市は 0.8%減反率が増えるということで農協
が各組合を通じていろいろ説明をしています。新たに減反をする方には、1反歩5万円ということ
で2年、3年目は1万円、4年、5年はゼロと、5年間は田んぼに米を植えることができない代わ
りに手厚い助成があります。1年目は1反歩を新規で減反すると5万円が3月に現金で入るという
ことで、十和田の方でも思ったよりは減反が多くなりそうな状況です。そこで先程の飼料用の稲の
話ですが、転作の飼料用米は減反の米とみなすのか、その辺を確認したいと思います。また、飼料
用稲の取り組みにあたって、いろんな品種を植えて試験をするということですし、それを短角牛や
養鶏に与えて試験を実施するということですが、どこでどのようにその試験をやるのか確認したい
と思います。
(丸井地域農林水産部長)お答えさせて頂きます。飼料稲での取り組みですが、私どもの考え方とし
ましては、入口は畜産の飼料対策で入っていきます。しかし。中に入れば全て水田利用全であると
いう意識で取り組んでいるところです。基本的な考え方としては、米を取り巻く状況が厳しくなっ
ていますが、この稲生川水系に広がった水田というのは、やはり守り伝えたいし、食料の自給自足
を考えればやはり水田の機能は絶対維持されていくべきです。そういうことで、飼料稲は極めて大
きな地域農業の実績になると考えています。従って、畜産に関する今後の対策として、全ての稲作
をどうするかあるいは水田をどうするかということと絡ませながら、この取り組みを大事に大きく
していきたいと思っております。
ご質問のあった減反上の扱いについては、新規需要米は、先程5年間継続というお話しをしてい
ましたけれども、ここの飼料米、あるいはホイールクロップサイレージについては3年間継続とい
うで取り組めば対象になりますので、何とか積極的に取り組んでいただければと思います。食用米
は5年間の約束ですが、飼料米は3年間の約束というルールになっております。それから、具体的
な取り組みについてですが、かなり前から市町村や、農協の方々にご協力をいただきながら詰めて
います。それで、今回予算に組み立てている実証ほは管内4市町村の概ね16ヶ所ぐらいで、品種
は、青森県が育生開発した161号、157号、211号や国の方で開発しているものとかを色々
な栽培技術、移植栽培するやつとか、肥料のやり方を変えたりとかしながら、4市町村で16カ所
ぐらいの実証ほをつくって品種、技術、
あるいは収穫だとかかなり広範なデータを一気に集計して、
良いようであれば一気に広げていきたいという形でかなり踏み込んでやるということで、市町村と
もだいたい打合せが終わっていますので、4月早々走り出したいと考えております。
また、先程短角牛のお話が出ましたけども、ちょっと手前味噌になるんですが有機の取り組みに
つきましては、15年度から県独自の取り組みとしてやっています。ご案内のとおり国が有機の畜
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産物の法律を作ったのは、平成17年の10月だと記憶していますので、そういう意味ではかなり
先取りして取り組んでいます。正直言って日本でもトップレベルで走ってきており、現場の方々に
は最初、無農薬も化学肥料も使わないエサを使うということで始めましたので、本当に泣きたくな
るような場面を何度も体験してもらっています。今振りかえれば、よくあの寒い中でのトウモロコ
シの収穫や、雑草との戦いなど本当に大変な場面が多々ありましたが、そこを乗り越えて、新宿の
伊勢丹がテーマ商品で扱ってくれるレベルまで来ました。
ただ先程の酒井先生のプレゼンでもご提案いただいたように、中央で云々ではなく足下できちん
と評価をいただいて、美味しく食べてもらうような仕組みも構築していきたいと頑張っていますし、
青森元気牛にも飼料米を給与して、また新しい付加価値を付けていきたいということも考えていま
す。
(宮会員)私どもの菜の花プラザでもこの短角牛を取り扱わせていただくようにお願いしていますの
で、早ければ春先頃から入ってくるのではないかと思っています。ただ残念ながら頭数が少ないと
聞いていますので、物が入ってから特別メニューという形で提供したいと考えています。地域内で
いろいろと使っていくことで盛り上がってくるのかなとは思っております。
(佐藤会員)短角牛は奥入瀬渓流グランドホテルでも使っていまして、TVの旅行番組「旅のかおり」
のプロデューサーから火がついて、
「おもいっきりテレビ」でも取り上げられるなど非常に評判が
高いです。黒毛和種との違いや地元で飼育していることなどを説明すれば、もの凄く喜んで美味し
いと言って食べていただけますので、ますます情報発信していきたいと思っております。
4−(3)その他
(議長)それでは、次に「その他」ということで、皆様から御提言や情報提供等について何かござい
ませんか。
(村井会員)情報提供ということになりますけども、コンパクトシティについてですね、つい2週間
前に面白い経験というか、計画を聞いてまいりました。アメリカの話です。八戸の姉妹都市で恐縮
なんですが、フェデラルウェイというシアトルとタコマの間にある人口10万弱位の都市なんです
けれども、ここが急速にコンパクトシティを進めるということでした。実はここはおいらせ町とか
三沢市みたいにたっぷりとスペースをもった都市ですが、なんでこんな都市がコンパクト化を進め
なきゃいけないかということでいろいろ質問してみたところ、実は300億円位を投入して中心を
再開発するということでした。再開発といっても都市機能がおかしくなっているわけではないんで
す。これは先程酒井先生がおっしゃられた環境への配慮、あるいは地元の金融の廻り方とか、更に
安心・安全を目的としてコンパクト化するということでした。その中身は酒井先生からご説明のあ
ったことなのですが、実はこの都市はかなり急ピッチで人口が増えていまして、非常に環境の良い
都市であることから人が集まって来ているようです。そして人口が集まってくることにより郊外に
どんどん広がっていくと、要するに投資が散らばってしまうし、安心・安全という意味からも犯罪
が広がって取り締まりが難しくなる、ということで中心部のショッピングセンターを全部、地上一
階と二階に収容してその上に更に大きなアパートを、コンドミニアムといいますか、そういうもの
を作って、特に高齢化した方々を吸収していくということを考えての投資だそうです。それから周
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辺に非常に良い住宅地等があるんですが、ここの地価を上げないようにするための一つの手段でも
あるそうで、ある程度安定した地価で、周囲のいわば中産階級以上の方々に住んでもらうようにし
ているそうですし、そういった意味から経済成長といったものを考えています。実は、この都市は
シアトルで働いている、たとえばボーイングとかそういった会社の高級技術者などをターゲットと
して住宅都市の整備や、世界を相手にした企業のオフィスを誘致していく、という大きな目標を設
定しコンパクトシティ化を進めていくということでした。
それともう1つは、これも酒井先生がおっしゃいましたが、スポーツ関係を強化していくという
ことで、大きな室内プールを作りまして、これはかなり前からあるんですけどもここを会場として
いわゆるワールドカップクラスの水泳大会を誘致していくという構想をもって進んでおり、その為
の投資でもあるということでした。それでその300億円をかけて4つの高層ビルを中心に造っち
ゃうと言うことで、その資金をどうするんだと聞いたら、実はナショナル、アメリカ全米でも建設
コンペをやって、いわば大手の建設会社等に建設をさせて、同時にその大きな会社、中小企業でも
良いんですが、そこのオフィスを誘致してくる。こういう構想でコンパクトシティ化を田園地帯に
おいて進めているということでした。我々の上十三地域はコンパクトシティ化する必要がないと思
われる地域ではありますけども、地域づくりという点で大いに参考にすべきものがあるんじゃない
かなと思いました。以上ご報告申し上げます。
(伊藤会員)三沢市観光協会の伊藤と申します。私ども三沢市の観光協会は、東北町、六ヶ所村、地
元三沢市の行政、観光団体等で構成している小川原湖広域観光協議会を設置・運営しています。具
体的には3年連続東京に出向きまして、30万円というお金を使いまして長芋やシジミなどの地元
で採れる、いわゆる特産品の無料配付キャンンペーンをやりまして、どうぞお出で下さいという誘
客キャンペーンなるものをやってまいりました。奥入瀬観光の佐藤さんに言わせると奥入瀬の物は
何も効果がないということでしたが、全くそのとおりでありまして、今年度は、行くのはやめて、
逆にエージェントを呼ぼうということで旅行業社10社∼15社くらいを目途にこちらに無料招
待して、古牧温泉に一泊してもらい、美味しい物を食べてもらうということを計画しているところ
です。まだ決定していませんが、近隣の名所や観光地をバスを借り切って案内しようという計画で
す。しかし、なかなか実現しても、効果はどうなのか見えないわけであります。間もなく七戸駅が
開通しますが、青森駅までの新幹線を利用してこられた方にどのようなサービスやもてなしをして、
どこへ連れて行けばいいのかということで、関係市町村や区域を周りましたけれども、地元として
ここがお薦めのスポットだと断言できるようなものを見つけられないというふう現状です。
そこで、酒井先生にお尋ねしますが、青森県は非常に観光客を誘致するっていうのが下手なのか、
先程話されたようにマスメディアに訴える力が弱くて、青森県は観光で遅れていると考えればいい
のか、あるいは1年間通して3分の1くらいは寒くて暗い冬という季節が、どうしても観光という
ものに対して一歩遅れをとるということなのか、先生の目から見た青森県の観光事業のランク付け
についてお感じになったことをお聞きしたいと思います。
(酒井顧問)どういうふうに答えたらいいのか難しいんですが、私の生まれと育ちは大阪で、まあ非
常に暖かいです。以前テクノポリスをやっている時や、リゾート開発をやっている時も、相当青森
県に滞在して、テクノポリスの時は延3週間も滞在してヒアリングさせていただいたりしているん
ですけれども、やはりどうでしょうか、東京から青森までの間には、例えば、長野とか、軽井沢、
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那須といった観光地も幾つかありますし、東京から来れば当然近いところに行ってしまうという形
もあると思います。そういう意味で東京からのアクセスの問題が大きいのではないでしょうか。こ
れが近かったら、また違った形になっていたのではないかなというふうに思います。東北新幹線が
開業してどういう方向になるかまだ見えませんが、心理的な時間距離といったことが解消されれば
おそらく展開が期待されるのではないかなと思います。
(竹ケ原会員)県の方の地域づくり推進ネットワーク協議会に参加しておりますけれども、それとは
別にNPO活動もしております竹ヶ原と申します。最初に、昨年、十和田市で4日間、ふるさと名
物秋祭りというものを地産地消ということで十和田市、七戸町、東北町、六戸町の地域の皆さんと
一緒にやりました。参加者は生産者が約150人、住民が約12,000人ぐらいでした。
酒井先生の参考資料にありましたように、まずは自分たちが楽しまなきゃいけないんじゃないか
なと思っています。この上北の元気結集協議会という名前のとおり上北の元気っていうのは、やは
り住んでいる人が元気にならないと、ここでいくら話し合ってもなかなか元気が伝わらないんじゃ
ないかなと思っていますので、そういった意味からも日頃、ここにお集まりの方々の活動というも
のを通じて、今こういうふうに同じ方向を向いてこうやって元気つくってやっていこうよという形
になれればいいなあと思います。
また、お陰様で1年間かけて総務省の外郭団体の財団法人地域活性化センターのリーダー養成塾
で勉強させていただきまして先月無事卒業できました。その中での取り組みで見てきた私の感想文
が、活性化センターで出している雑誌の中に載っています。そういう全国の地域を見て、やはりこ
この地域は元気だなと感じる地域というのは、やはりそこに住んでいる人が元気ということではな
いのかなと思っています。地産地消だけではなくていろんな事業がありますけども、そういった部
分でも確かこんな話をしていたなということを、いろんな方にいろんな情報を伝えればいいなと思
っています。
(小笠原会員)今、上北の元気ということが出ました。私達女性農業者が元気でなければ上北の元気
がないということで、悔しい思いをしたことをちょっと話させてもらいます。昨年ですが私達女性
農業者20名が、上北を宣伝しよう、青森県を宣伝しようということで地元の野菜11種類を宅急
便で横浜街の中華街の遼朱飯店というところに送りました。箱に20人分もごぼう、ニンジン、ジ
ャガイモ等々11種類も送って、中華街でも有名なそこの料理屋さんで作ってもらってそれを食べ
てきました。そこまでは良かったんです。全国でもこいうケースは初めてだということで、そこの
お店の人にもいろんな形の料理を作ってもらって、新幹線も来るし、青森県を先に宣伝すれば青森
県にも人が来るんじゃないかとそういった考えで行ったんですけれども、その後の私達が力不足で、
今ここで皆さんのお話を聞いて、その後どうすれば良かったかということを考えました。そこで宣
伝した後に、どうすれば次に繋がるかということまで出来なかったことがとても残念です。今日こ
こに来て、皆さんの意見を聞きながら、ますます上北は女性が元気でなければいけないし、先程メ
ディアの話とかも出ましたが、もっと積極的に取り組まなければならないと思いました。
(事務局)本日が、今年度最後の会議となることから、この元気結集協議会の来年度の運営について
事務局から若干お知らせさせていただきます。
最初に、昨年5月の協議会設置以来約10ヶ月にわたり、この協議会を開催・運営し、皆様と共
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に上北の元気づくりに取り組んでくることができましたことに対し、事務局として心からお礼申し
上げます。この1年間の活動を通して、当協議会としては、
「上北の元気づくりに係る提言」と「上
北の元気づくり推進プログラム」を取りまとめることができ、これらを受けて、県や市町村、関係
団体等においては、平成20年度事業として、提言等を踏まえた具体的な取組に着手することとし
ております。また、県においては、20年度新たに県の総合計画を策定することとしており、6県
民局単位の地域計画も併せて策定することとしていることから、これの協議・検討も必要と考えて
おります。
会員の皆様には、2ヶ年の任期で御就任いただいておりますので、20年度においても引き続き、
協議会の運営やそれぞれの所属する団体や組織における日々の活動等を通じて、上北の元気づくり
に一緒に取り組んでいただきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
なお、具体的には、例えば、元気推進プログラムの見直しや新たな提言に関する協議検討、県民
局が実施を予定している「農村起業家育成事業」や「健康観光ツアー推進事業」
、
「VIEW上北推
進事業」等の個別具体の事業推進、県の総合計画策定に基づく上北地域の地域計画の策定に係る協
議検討、広域連携や産学官連携の推進等に関する協議検討、昨年実施した「食談義」のような独自
の情報発信イベントの開催等を予定していますが、できるだけ皆さんの負担とならないように効率
良く効果的に、インタビューや会議を開催するなどしていきたいと考えております。
また、この元気結集協議会の賛同者をさらに増やし、輪を広げていくためにも、いろいろな分野
や団体、地域で頑張っていらっしゃる方々を互いに御紹介していきたいとも考えておりますので併
せてよろしくお願いします。
(議長)事務局から来年度の運営について報告がありましたが、
引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、今年度最後の会議開催ということで、折角の機会ですので是非皆さんから、新年度に向
けた豊富などを一言ずつお願いしたいと思います。ご発言されていない方を中心にお話しいただけ
ればと思います。よろしくお願い致します。
(山本会員)農産物加工指導センターの山本です。黒ニンニクについては、皆さんにいろいろ指導し
て、たくさん商品化されて逆に増えすぎて困っているんじゃないかなと思っています。また、それ
を使った加工品に取り組んで来年度はお持ちしたいと思います。長芋については、千枚漬け、ショ
ートにするなど長芋の加工品も来年できるかなといったところまで来ています。また、鶏を使った
加工品ということで鶏を使った醤油、みそは油が多くてうまくいきませんが、醤油はうまくいきそ
うですし、しかもそれが高血圧予防も含むのではないかということで、来年はなんとかそれを商品
化させたいですし、それに取り組むことによって上北の地域での加工品が出来れば全国発信出来る
かなと思っています。
(田中幹会員)出席が悪くて、大変ご迷惑をお掛けしたんじゃないかなと思っています。来年は、出
席率を良くして勉強しながら皆さんと協力できることは協力していきたいと思っていますので、よ
ろしくお願い致します。
(十和田商工会議所・米田氏)十和田商工会議所の米田と申します。本来ですと専務の桜田が出席す
るところですが、本日は代理出席させていただきました。実は、昨日十和田市の素材活用試食会と
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いうことで、6時から会議所の5階におきまして約30数名に集まっていただいて試食会をやりま
した。商品として提供していただいたのが、商工会議所女性会の「なべこだんご」
、十和田青果さ
んの「十和田美人ごぼう」
、それから会議所の1階テナントに入っている千の花さんからメニュー
を5品ほど出していただきました。試食後に参加者から書いてもらったアンケートを参考に、素材
を活用していきたいと思っております。
それと、皆さん既にご存知と思いますが、十和田市観光協会と十和田湖観光協会、十和田市物産
協会の3団体が4月1日に合併し、一つの団体として始動していくことになります。
(小林会員)食生活改善推進委員会からの代表として参加させていただいていますが、消費者として
の意見をここで述べさせていただきたいと思います。土作りという言葉が凄く出てきているんです
が、物を作るときは水が大切だと思います。水と環境についてはどのように考えているのかなとい
うことです。水に困るということはこの地域ではほとんどありません。八甲田の水などとてもおい
しくいただいています。土作りをいくらやっても水が良くなければ美味しい物ができないと思いま
すので、この美味しい水が汚染される前に、青森県でそこを取り組んでいただけたらいいと思いま
す。
食生活改善推進委員会などの団体は、国のバランスガイドで動いていますので、業者の皆さんも
いろんな商品を考えるときにこのバランスガイドを参考にしてみてはどうでしょうか。観光客の楽
しみである食べ物を健康面からも考えて美味しく作って欲しいと思います。消費者の立場から述べ
させていただきましたが、私なりに団体活動の中で活かしていけたらと思っています。
(日本原燃・川野氏)日本原燃の川野と申します。今日は代理できています。日本原燃も昨年から地
域の商工団体と一緒に「六景楽市」という地域ブランドを作って発信していこうという事業を行っ
ています。これは県民局でいうところのブランド化という部分と重複するところだと思います。地
域のブランドを公募し、2月には8品目の認定式を行ないました。この商品の主力商品は全国電力
会社さんのギフトカタログに載せていただいております。今年の活動としては、カタログに載せる
のもそうなんですが、3月、4月には春夏に向けてのブランド商品の公募を行いまして、地域ブラ
ンド商品を増やしていこうと商工会とも話しているところです。昨年同様今年もいろんなイベント
に参加して、地域ブランドを広めようと思っていますので、イベントを開催の時にはお声を掛けて
いただけたらと思っています。
(岩瀬会員)皆様のお話しを伺っておりまして、現在ある地域資源を有効に使って地域の活性化に繋
げようという気運が高まっていると感じています。私どもの試験場でも、県の動きと呼応して平成
20 年度から取り組もうとしていることがありますのでご紹介します。
一つはナガイモについてです。これまでも健康な土づくりと良品生産のための技術開発に取り組
んで参りましたが、国内向け流通の安定化を図り、さらに販路の拡大を図るために輸出向けの生
産・流通に取り組む予定です。これまで台湾やアメリカ向けの輸出に力を入れ実績も上がってきて
いますが、新たにカナダ等の他地域にも販路を拡大しようと、付随する諸問題解決のための研究に
着手しようと準備していいます。
もう一つは「夏秋イチゴ」という産品です。上北地域だけでなく全県的な取組ですが、特に上北
地域や下北地域は夏が涼しく夏秋イチゴの栽培には適しています。夏秋イチゴの生産は北海道が日
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本一で、本県は第2位と健闘しています。県では「夏秋イチゴ」日本一飛躍産地育成事業を平成
20 年度から開始し、当試験場でも高設栽培での夏秋どり技術を開発することにしています。ナガ
イモと同様に流通・販売も検討しながらの取り組みです。気象条件に恵まれ、栽培経験と実績のあ
る担い手がいますので、そのような方々を元気づけながら、さらに地域に新たな担い手が育つよう
頑張っていきます。
さらに、上北地域で全面ロケを行った映画「三農馬術部」が先週クランクアップしたと報じられ
ました。上映に先立って、これを一つのメディアとして、地域からの情報発信に活用してはどうか
と、映画ファンの一人として考えています。
(五十嵐会員)六ヶ所村酪友会の会員の五十嵐です。自分は酪農家で生産者で勉強のためにと思って
出席させていただいています。酪農の話をさせていただきますと、飼料などの高騰でなかなか前に
進めない状態です。私はまず健康な牛を作ることだと思って頑張っています。ちょっとギャップを
感じました。ここで検討されていることはもうすでにやっていることなんですね。稲わらサイレー
ジ、エコフィードとか。短角牛も少ないのですが、全国的に和牛も少なく和牛に対する助成がある。
牛乳が水よりも安くて出荷が制限されていますので、乳牛のホルンスタインに和牛を掛け合わせる
と和牛と同じ牛が出来る。だから、短角牛も同じ方法で出来るんじゃないですかね。また、長芋な
どは、生産者だけでなくJAなんかとも一緒になって協議した方が丸く進んでいくんじゃないかな
と思いました。
(丸井地域農林水産部長)小笠原さんにお答えさせていただきますが、元気農村起業家育成事業は、
小笠原さん達が積み重ねてきたものをさらに膨らませて広げていこうという事業内容になってお
り、一緒に頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。
それから、資料5の「計上の主なもの」の54ページに「青森まるごと売り込みたい決め手君キ
ャラバンが行く」という事業が記載されていますが、これは各県民局単位でキャラバンをつくって
大都市圏等で売り込みをやろうという取り組みですので、これらを組み合わせながら小笠原さん達
の経験を生かして頑張りたいと思います。
それから、五十嵐さんのご質問の件ですが、大分前から動いているTMRセンターとかではなく
て、今回の場合は飼料の高価格時代が到来するんじゃないかということで、それに対して青森県と
して、稲作等も含めて水田なり、稲作そしてトータルで見た地域農業振興と絡ませながら取り組ん
でいくというものです。
またFCについても、先程、宮会員がおっしゃった菜種カスだとか、私達が忘れかけていたもの
やもう一度探し当てて、使える物はきちんと回していこうという発想で取り組んでいきたいと思っ
ていますので、ご理解いただきたいと思います。
(議長)長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。
(司会)以上をもちまして、第4回協議会を終了致します。
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