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NITEからの話題(仮題)

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NITEからの話題(仮題)
現場での水質計の校正
- pH計と導電率(伝導度)計 -
三興コントロール(株)
校正技術部 田村純
2012-03-02 by TMR.
校正が要求される主な分野
~弊社のサービス対象産業での~
pH,導電率計の校正に関して
・製剤産業(FDA、ICH、WHO-GMP)
・高機能食品産業(HACCP)
・農業プラント
・化学(中間体)プラント
トレーサビリティの確保できた標準物質(液)での校正要求
製剤分野
~バイオ(リアクタ)プロセス~
温度
N2ガス、O2ガス 、空気
pH
DO
DCO2
福岡大学より
バイオリアクタ模式図
攪拌装置
フィードポンプ
媒体
空気
反応槽
計測制御システム
センサプローブ
サーマルジャケット
曝気装置
排出ライン
Wikipediaより
制御と管理 -1
~pHの計測制御~
クローズド・ループ
オープン・ループ
調節計による目標(数)値の分解能
例えば
調節計の場合
1/100台の桁で制御するのか?
1/10台の桁で制御するのか?
pH計の絶対値と不確かさ
「シンスキー著:非線形調節計の不感帯とゲイン」より
顧客説明チャート
~標準値、偏差、不確かさと許容値の関係(私見)~
④要求許容値(幅)
③不確かさ
②偏差
①、②、③と④の相互
の位置関係を考える
校正値
①標準値
産業分野の導電率計測例
~電気導電率(伝導度)計の利用分野~
分野 対象
海水
1
自然 地下水
○
備考
標準海水電気伝導値は15℃時表示
汽水域の把握
比抵抗
○
地質成分の把握等
地震発生メカニズムの指標
地質学
土壌・岩石等の含水率研究等の時使用
肥料測定
0.0-0.2mS/cm:肥料少ない
土:水=1:5(日本)の割合で、土壌の肥料適量値の把握(主 0.2-0.5mS/cm:肥料適量
0.5-1.0mS/cm:肥料少し多い
に窒素量)
1.0mS/cm以上:肥料過多
※土壌の性状により混合の割合は変わります
※土壌・作物等により数値は変わります
塩分濃度
○
漁業
○
‰
養殖等の生産における環境管理・調整
水族館における水質管理
○
導電率
原料管理・品質管理・純水管理
注射用水・精製水等の管理
局方改正(第16局)に伴う導電率計の導入
○
比抵抗
健康管理
骨・内蔵・血液・皮膚等の測定
インク
比抵抗
地質学
地震
農業
洗剤
○
T&C推奨製品 押出工程管理
粘性サンプルの導電率測定
○
T&C推奨製品 押出工程管理
粘性サンプルの導電率測定
○
T&C推奨製品 品質管理
導電率測定/ユーザ検量線による%、mg/ℓ等による管理
○
T&C推奨製品 添加剤量の調整
適正添加量の把握
○
T&C推奨製品 調合管理・色取り換え時の配管管理
化学
○
メッキ
○
セメント
○
金属
濃度換算
比抵抗
製造時の原料・調合過程・製品管理等に利用
補充若しくは交換再生の制御
品質管理
塩分含有濃度の把握
品質管理
金属固有の指標抵抗率を目安に材料管理
ボイラー
○
導電率
ボイラー管理
工業用水
○
比抵抗
供給水・純水・超純水などの管理
食品分野
○
電気伝導度 サニタリー管理
○
工場排水
浄水場
生活
○
排水管理
警報
対象サンプルの濃度・温度・導電率から検量性を作成し濃度換算
塗装の際の色の取り換え時の配管管理
調合管理
劣化管理
飲料水(ジュース等)管理
3
補足
塩分濃度
○
化粧品
産業
○
目的
土壌
医薬
2
測定方法
電気伝導度
その他
○
‰
対象サンプルの濃度・温度・導電率から検量性を作成し濃度換算
純水・超純水等の場合は比抵抗測定が多い
配管洗浄後の洗浄残渣確認のために測定
添加前の純水管理・添加後の製品管理
トマトジュース等においては塩分濃度管理として使用しているところあり
重金属等の処理コントロール
重金属等の流出管理
油分検知
電気伝導度差による検知
○
海水検知
取水口における海水給水防止対策
○
重金属監視
取水口における重金属給水防止監視
添加塩素の調整
薬液濃度計としての導電率計の利用
添加濃度はポーラログラフ法/比色計による濃度管理:上水試験法
公害防止法及び総量規制などによる管理
○
濃度換算
○
濃度換算
添加塩素の調整
薬液濃度計としての導電率計の利用
再生センター
○
重金属監視
排水中のイオン物質の監視
産業廃棄物処理場
○
シート破断などによる流出監視
pH計とともに使用されることが多い
株式会社 ティ・アンド・シー・テクニカル 殿提供
主にCaClの流出を検知するが、pH濃度によりCaClのイオン化傾向が
変わるため
超純水と純水の規格・基準例
分析化学・バイオ関係
・JIS K0557:用水・排水の試験に用いる水
・JIS K 0102:工場排水試験方法
・日本薬局方第16改訂
・ISO 3696-1987:分析実験用水-仕様および試験方法
・ASTM D 5196-06:バイオメディカル用水の規格
・ASTM D 1193-06:試薬用水の標準仕様
耐候試験用純水の規格
・JIS(耐候性試験機本体、・・・・・・・・)
・JASO、ISO、・・・・・・
臨床検査ラボでの純水
・CLSI C3-A4
校正対象機器
~弊社で使用中の導電率計~
ハンドヘルド
ラボ
プロセス
pH計と導電率計の校正
pHに関し弊社の主な顧客に於いては
既にJCSSロゴ付きの標準液での校正、
トレーサビリティについての認識は高い
ただ残念なことに導電率(伝導度)に関して
は上記の顧客でも校正、トレーサビリティ
についての認識は低い、JISは???
制御と管理 -2
~導電率(≒水の純度)の計測制御~
オープン・ループ
クローズド・ループ
プロセス導電率計の設置方法
電極の設置は2方式:ダイレクト・マウント方式
とサンプリング方式
現場での校正には工夫が必要
安定した標準の場の確保と
配管関係からのコンタミを考慮
プロセス導電率(値)の信頼性の検証
単体校正
:いわゆる引き取り校正の場合
導電率計のみを校正する、カタログ仕様
の確認か?
工場から一歩でも外へ出たら・・・・・・?
ループ校正:導電率電極から計測・制御システムまでの
信号系を全て接続したまま校正する
導電率の計測系としての検証が可能
+
生産時間と導電率計の校正時間との
バランスから生産現場での出張校正が主体
不確かさ(誤差)の外的要因
生産現場の導電率計
校正での導電率計
設置環境
校正方法・手段
プロセス条件
校正条件
管理精度
不確かさ
カタログ表記精度ではプロセス
現象を測定していない場合が
ほとんどのはず
標準器の不確かを利用する
には校正条件が重要
導電率計の計測と校正の仕様の違い
計測の場合
校正の場合
・再現性
・繰り返し性
・感受性
・数種の標準
物質(液)
・動的測定
・静的測定
・長期安定性
・短期安定性
導電率計の校正
~ 校正と適格性~
電極
導電率計の校正
:電気標準による適格性
表示器 :電気標準による適格性
電極+表示器の組み合わせ :
標準液による方法、標準器による方法
校正の特性式
~電極と表示器~
1) 既にメーカや学術文献等であきらかで、誰もが
認める計測に関する計測機器の特性式の存在
2) 上記がダメなら自らが特性式を決定する
最小二乗法などの利用
本来はメーカが公開すべきもの
C・Pに深く関与する
導電率計の標準
~海外の標準機関の例~
κ=
ΔL
A・ΔR
A :有効断面積
DFMのHPから
PTBのHPから
導電率計の校正システム例
~flow-thru system~
MILLIPORE/PTB資料より
確保したい導電率計の標準
・純水領域(10~100μS/cm)の標準物質
液恒温循環方式に拠る
・交流(50~10000Hz)抵抗標準
表示器の適格性
・LCRメータ(標準)
・温度標準(15~60℃)
電極(&表示器)の適格性
液温の管理
導電率計用標準物質(液)の例
~海外供給メーカの例~
HAMILTONホームページより
これからの弊社の取り組み
・標準供給機関から合理的に低導電率標準値の供給を受ける
方法と手段の確立と展開
・社内において10~100μS/cmで国際的に整合した受託校正
システムの構築
・出張校正においてOn-site、In-situでの実利的な校正方法の
SOP化と高信頼性化
2つの校正方法
~ 比較と絶対 ~
Dip-fill. method
導電率計(電極+表示器)
Flow-thru. method
Std.MTL.
管理精度の必要性
製品品質
プロセスの管理値
(数値化)
(生産工程)
信頼性のある
信頼性のある
校正データ
校正データ
導電率計の
管理精度(不確かさ)
校正システムの安定性
標準物質の
管理精度(不確かさ)
導電率計に対するメーカとユーザの思い
ユーザーは自社の製品の品質
に合わせたオーダーメード的な
使い方を望んでいる。
VS
メーカーは設計基準、カタログ仕様
の確認の為に工場内で出荷検査を
行う。
製品はあくまでレディメードでの提供
ハンドヘルド導電率計の仕様例
~某メーカの例~
●
2012-02-26確認
もうJISでは??
望むこと(私見)
~導電率の計測&校正に関して~
・ユーザ
→ 校正は導電率計のカタログ仕様の確認なのか?
それとも生産管理の履歴データが必要なのか?
重要管理値(CP.)を決めて下さい。
・メーカ
→ 実液標準での出荷検査とアフターサービス
の充実、信頼性の高い国際標準の確保。
アフターサービスと出張校正の切り分けは?
・校正機関→ 科学的で合理的(C/P)な校正方法の採用、
依頼者への啓蒙。
・N M I
→ ?!
ご静聴ありがとうございました、今後とも宜しくお願い致します。
三興コントロール㈱ 田村 純
044-599-6047
[email protected]
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