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「大学生の病気・ケガ2006-2011」のダウンロードはこちら
大学生の病気・ケガ
2 0 0 6 - 2 0 1 1
学生総合共済の共済金給付と
学生賠償責任保険の保険金支払実績から
報告書について
この報告書は、大学生の病気やケガについて、大学生協共済連の共済金給付や大学生協保険サービ
スが取扱う学生賠償責任保険での保険金支払の実績をもとに分析したものです。
これまでの共済金給付、および保険金支払のデータを、加入者属性だけでなく、社会や経済の動向、
大学生の生活態度や意識の変化などの視点も踏まえて分析を行ったため、病気やケガに関する大学生
特有の傾向を確認することができました。
大学生を取巻くリスクとそれに対応する大学生協の保障制度について、学生や保護者、大学関係者
の方々に関心を持っていただくとともに、自転車事故防止やメンタルヘルスなどに関する論議の端緒
としてご活用いただければ幸いです。
■分析対象
■分析担当
2006 年 4 月 1 日∼ 2011 年 3 月 31 日の共済金給付実績および保険金支払データ
学生総合共済関連データ (株)日本能率協会総合研究所
学生賠償責任保険関連データ (株)大学生協保険サービス
■注意事項
・年度は各年の 4 月 1 日∼翌年の 3 月 31 日に区切っております。
よって、事業報告書の数値とは異なります。
・各集計の「全体」には不明が含まれます。
・居住別は 2008-2011 年の 4 年間分のデータが対象となります。
よって、平均値は 2008-2011 年のものとなります。
・共済に関する報告での疾病の分類については大学生協共済連が定めるものです。
そのため医療機関等が定める分類とは一部異なります。
目 次
● 報告書について …………………………………………………………………………………1
● 学生総合共済−給付実績分析結果概要 ………………………………………………………2
● 生命共済 全体の傾向 …………………………………………………………………………3
● 病気の傾向 ………………………………………………………………………………………4
● 事故の傾向 ………………………………………………………………………………………5
● 本人死亡の傾向 …………………………………………………………………………………6
● 火災共済の傾向 …………………………………………………………………………………7
● 学生賠償責任保険−支払実績分析結果概要 …………………………………………………8
● 保険金支払の事由別実績〔6年間の推移〕 …………………………………………………9
● 保険金支払の事由別実績〔6年間の合計・平均〕 …………………………………………10
● 自転車事故での保険金支払実績〔年度別支払件数・金額、事故内容〕 …………………11
● 自転車事故での保険金支払実績〔月別、属性による事故発生状況〕 ……………………12
● 自転車事故での保険金支払実績〔事故の原因、支払金額の分布〕 ………………………13
● 自転車事故での保険金支払実績〔地域別の事故発生状況〕 ………………………………14
● 自転車事故で保険金支払を受けた学生の声 …………………………………………………15
―1―
学生総合共済 - 給付実績分析結果概要
● 加入者数ほぼ横ばいの中、給付件数は 2
年連続、給付金額は 3 年連続で増加
加入者数については 2005 年 4 月の個人情報保護法全面施行の影響で、大学合格者への DM 発送を一時中
断したことなどから 2006 年度以降、やや落ち込んだが、その後、DM 送付が可能なようにシステムを改善
したことなどが功を奏し、2010 年度からは
加入者数・給付件数・給付金額の推移
微増傾向に転じている。
その中で給付件数は 2009 年度から 2 年連
続、給付金額は 2008 年度から 3 年連続で増
加した。2006 年度から 6 年間での増加率を
みると、給付件数は 49%増であるのに対し、
給付金額は 66%の増加となっており、1 件当
たりの給付金額は 9.5 万円から 10.5 万円へと
1 万円増加となっている。
その要因としては、2008 年に新共済制度
をスタートしたことが考えられる。この制度
では従来より病気事故入院日額、事故通院日
額、後遺障害最大保障などを充実させている
ので、その趣旨が活かされた状況になってい
ると考えられる。
● 東日本大震災により東北地域では学生や父母・扶養者の死亡案件が増加
被災地である東北ブロックでは、震災が要因のひとつである日常生活事故による死亡の給付件数は、2006 ∼
2010 年度の平均が 13.2 件であるのに対し、2011 年は 21 件だった。月別の本人死亡による給付件数合計では、
2006 ∼ 2010 年の 3 月の平均が 19.8 件であるのに対し 38 件であった。また、扶養者事故死亡特約での給付件数
は、2006 ∼ 2010 年度の平均が 43.2 件に対し
生命共済における性別の割合
て 98 件、父母・扶養者死亡特約も、2006 ∼
2010 年度の平均が 4.8 件に対して 28 件となり、
震災により学生、父母、扶養者の死亡による
給付が増加した。
さらに、2011 年 4 月∼ 9 月に設置した「被
災された学生のための健康相談ダイヤル」
での相談記録からは、被災によるストレス
が学生の心身面に影響を及ぼしているケー
スが少なくないことがうかがえる。
● 加入者構成比と比較して給付件数・金額が少ない女性加入者
生命共済の加入者属性をみると女性は 22 万 3,948 人で全体の 37%を占めている。
これを病気・事故別に検証すると、病気では若干低い 34%、事故では 21%と加入者構成比と大きな開きが
ある。その要因としては、事故の 2/3 を占める「スポーツ事故」の発生が男性より少ないことが考えられる。
● 住居区分別で給付傾向に差は見受けられない
生命共済加入者の住居区分別構成比では、自宅
が 38%、自宅外が 62%となった。一方、給付の構
成比は、病気や事故の件数・金額とも大差なく一致
していることから、住宅区分によって、病気や事故
が増減するといった影響はほとんどないものと考え
られる。
生命共済における居住区分別の割合
給付件数割合
加入者属性
給付者・病気
給付者・事故
自宅
自宅外
自宅
自宅外
自宅
自宅外
単位:%。不明を除いて算出。
―2―
平均(2008 年-2011 年)
38.4
61.6
38.2
61.8
38.5
61.5
生命共済 全体の傾向
● 給付対象となった病気では「腫瘍(新生物)
」や「精神障害」が増加
生命共済では、病気、事故の双方において給付件数が
メンタル相談主訴とその件数
2009 年度から 2 年連続で増加した。内訳としては、2006
単位:件、%
年から事故の割合の微増傾向が続いており、2011 年度で
2010 年
2011 年
は 66%とほぼ 2/3 を占めている。
件数
割合
件数
割合
病気の内容としては、「消化器系の疾患」や「呼吸器系 身体症状
18
5.1
74
4.0
の疾患」が中心であるが、
「腫瘍(新生物)」の件数・金額が、 精神症状
161
45.4
880
47.5
いずれも 2011 年は前年度比 25%以上増加している点が注 人間関係
99
27.9
447
24.1
目される。「腫瘍(新生物)」の代表的な存在といえば「が 学業の問題(進路等含)
62
17.5
235
12.7
15
4.2
215
11.6
ん」であり、特に子宮頸がんなど女性特有の「がん」の その他
合計
355
100.0
1851
100.0
若年化が進行していることとの影響などが考えられる。
また、
「精神障害」の給付件数が 2 年連続、給付金額が
3 年連続で増加している点も見逃せない。「精神障害」は他の疾病と比較して完治までの治療が長期間に渡る
傾向があるため、
1 件当たりの給付金額が全体の 12.4 万円に対して、
41.4 万円と 3 倍強に達している。近年では、
「自分のルール」と「社会のルール」の違いをストレスに感じることに起因する、いわゆる「現代型・新型う
つ病」が若年層で増加傾向にあり、日本うつ病学会でも対応策を模索しているとのことであり、今後、さら
に「精神障害」に対する給付件数・金額が増加していくことが予想される。なお、このような状況に対しては、
2010 年より年中無休 24 時間体制でメンタルヘメルス専門の相談ダイヤルを設置し、年間 1,800 件以上の相談
を受け付けるなどの対応を行っているが、今後、その必要性はさらに増していくものと考えられる。
● 給付対象となった事故では「スポーツ事故」がさらに増加
事故の内容としては、
「スポーツ事故」の割合が高く、給付件数では 64%、給付金額でも 58%を占めている。
性別では給付件数・金額とも男性が女性を上回っており、85%を占めている。これは加入者数の割合(生
命共済 63%)より高く、「スポーツ事故」は男性が圧倒的に多いことが判る。しかし、近年の給付金額の増
加では女性が男性を上回っている。女子学生の間でラクロスがブームとなったり、日本サッカー協会が「な
でしこビジョン」として、2015 年までに女子サッカーの競技人口を 30 万人にまで拡大することを目標とし
た活動を進めていたりするなど、ケガの発生につながりやすい身体的な接触の多いスポーツへの女性の参加
を促進する動向が目立っており、今後、女性の「スポーツ事故」がさらに増加することも考えられる。
● 年次が進むにしたがって事故も病気も給付が増加
一般的に、生活環境の変化やそれに
ともなう生活習慣の変化は、事故や病
気のリスク要因を変化させると言われ
ている。大学生活のスタートも、独り
暮らし、通学方法や食事時間・場所の
変化、生活上の自己管理領域の拡大な
ど、大きな環境変化である。
「スポー
ツ事故」で見ると、4 年生になると運
動部・サークル活動から引退するため
か、1.470 件と減少するものの、1 年生
が 1,077 件、2 年 生 が 1,538 件、3 年 生
が 1,576 件(いずれも 6 年間平均)と、
年次が進むに従って増加している。病
気については、1 年生が 1,077 件、2 年
生が 1,535 件、3 年生が 1,586 件、さら
に 4 年生となると就職活動や卒業研究
等で心身的負荷が増すためか、1,785 件
(いずれも 6 年間平均)と入学以降、卒
業まで給付が増加している。
給付件数・給付金額の推移−病気
給付件数・給付金額の推移−事故
―3―
病気の傾向
● 給付対象の病気は金額ベースでは 3 年連続で 「気胸」「双極性障害」「急性虫垂炎」の順
給付対象の病気は、件数ベースでは 2 年連続で「気胸」「急性虫垂炎」、金額ベースでは 3 年連続で「気胸」
「双極性障害」「急性虫垂炎」の順だが、この中で注目されるのはやはり「双極性障害」である。
詳しく検証すると性別では男性 43%で、加入者割合を考慮すると女性の割合が高い。また、学年では「そ
れ以上」が 46%を占めている点も目立つ。リーマンショック以降の経済不況の中で、
就職難の状況が発生し、
就職浪人を避ける意味からあえて卒業しない学生が増えていることが伝えられているが、このような社会的
な状況が、病気の発生→給付にもつながっているのではないかと考えられる。
なお、双極性障害の中でも新型・現代型うつ病は、従来からのうつ病が「自分を責める」傾向があるのに
対して、
「他人や環境のせいにする」傾向が強いという特徴を持つうつ病で、薬が効きづらく、治療法も確
立していない。学校や仕事に行く朝の身支度の時間や通学・通勤途中などに頭痛や吐き気、脱力感等の症状
が出る場合が多く、アフター5や休日には自由に活発な行動ができることから、単なる“無気力”や“怠け”
と片付けられることもあるが、ストレスが原因であるという指摘もあることから、カウンセリングなどでス
トレスを取り除く取り組みの必要性がさらに高まっていくと考える。
病気の給付件数
1位
2位
3位
病気の給付金額
2007年
8,225件
2009年
7,173件
2011年
8,201件
気胸
気胸
気胸
636件
659件
722件
急性虫垂炎
急性虫垂炎
急性虫垂炎
507件
446件
476件
胃腸炎
胃腸炎
391件
280件
歯の発育および
萌出異常
1位
2位
3位
320件
2007年
9億0,105万円
2009年
8億9,195万円
2011年
11億9,476万円
気胸
気胸
気胸
5,068.9万円
6,117.3万円
8,380.5万円
双極性障害
双極性障害
双極性障害
4,927.7万円
5,480.5万円
6,534.3万円
急性虫垂炎
急性虫垂炎
急性虫垂炎
3,722.4万円
3,744.1万円
4,591.4万円
日本人のうつ病有病率は 12% 程度と推定され、全国民の
約 8 人に 1 人はうつ病かうつ状態にある。新しいうつ症状は
夕暮れ時に出現することが多く、他責的で、過眠や過食が特
徴。そのうえ会社に出勤している間は憂うつで仕事が手につ
かないが、家に帰れば好きな趣味に熱中できる…といった具
合に、自分に好ましい状況下では抑うつ感が消失して行動的
になる。
特徴は新型うつ病にかかった人は、他人の言動に傷つきや
すくなること。「拒絶過敏性」と呼ぶが、新型うつ病では、
これが原因して社会機能が低下し、下り坂の人生を歩むこと
になってしまう人が少なくない。不安、焦燥感、孤独感が先
に立ち、そのやるせない気持ちを紛らわせるためにリスト
カットなどの自傷行為、買い物やギャンブル、性への依存に
も陥りやすくなるのだ。 参考:貝谷 久宣, 2008
http://www.fuanclinic.com/byouki/imidas.htm
―4―
事故の傾向
● 近年の「自転車通学」増加を背景に「自転車事故」も増加
給付対象となった事故の順位では、件数・金額とも、「【スポーツ事故】球技、サッカー・フットサル」が
トップである。
日本サッカー協会の統計によれば、日本のサッカー人口は 1979 年から 2010 年までの間に 27 万 3,887 人か
ら 90 万 0,880 人に増加しており、今後もワールドカップやオリンピックでの日本代表の活躍などを背景に増
加傾向が続くことが予想される。さらに「なでしこジャパン」の人気などを考えると、今後はさらに女性の
参加が増えることも想定され、現状では男性が 95%を占める給付対象者においても、今後、女性が増加す
ることが考えられる。安全対策の充実化や正しい指導を行える指導者の拡充などが望まれるところである。
また、
「交通事故」に目を向けると、給付件数は 2 年連続、給付金額は 3 年連続で増加している。世間の
交通事故発生件数、負傷者数は、いずれも 7 年連続で減少している(警察庁の発表)中で、「交通事故」の
給付件数・金額が増加しているのは奇異な点である。この要因は、健康志向、環境問題、リーマンショック
などを背景として、学生の「自転車通学」の増加が影響していると考えられる。通学手段「自転車」の割合
は男女ともに増加傾向で、2011 年では 52%となった。2011 年度に給付対象となった事故の件数をみると「【交
通事故】自転車運転中」が 1,302 件で、前年度の 978 件から 324 件増加している。さらに注目すべきは「
【交
通事故】自転車運転中」では、2006 年から毎年、死亡に対する給付が行われている点である。このことからも、
安全運転指導や注意喚起などの対策の必要性は大きいと考える。
事故の給付件数
1位
事故の給付金額
2007年
14,481件
2009年
13,789件
2011年
16,039件
2007年
9億8,517万円
2009年
9億4,233万円
2011年
13億0,340万円
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
1位
サッカー・フットサル サッカー・フットサル サッカー・フットサル
1,828件
1,688件
2,091件
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
1億0,549万円
3位
【交通事故】
2位
【交通事故】
978件
1億5,899万円
【交通事故】
輪(運転中)
輪(運転中)
自転車 運転中
1億0,247万円
9,570万円
1億1,251万円
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
【スポーツ事故】球技
3 位 アメリカンフットボール アメリカンフットボール アメリカンフットボール
7,295万円
7,437万円
1億0,544万円
自転車 運転中 自転車 運転中 自転車 運転中
918件
1億0,618万円
【交通事故】自動二 【交通事故】自動二
2 位 アメリカンフットボール アメリカンフットボール アメリカンフットボール
1,072件
1,170件
1,430件
【交通事故】
サッカー・フットサル サッカー・フットサル サッカー・フットサル
1,302件
交通事故に占める自転車事故の割合は 5 年連続 2 割超えで漸増!
死傷者の 4 割は若者と子ども!
自転車乗用中の年齢層別
死傷者数の割合(平成 23 年)
自転車事故件数・死傷者数の推移
(件・人)
(%)
21.0
200,000
65歳以上
15歳以下 18.3%
17.4%
60∼64歳
死傷者数
6.0%
14万
50∼59歳
16∼24歳
3,738人
8.5%
22.0%
40∼49歳
10.3%
180,000
20.0
160,000
19.0
140,000
120,000
18.0
100,000
17.0
80,000
60,000
16.0
40,000
30∼39歳
11.3%
25∼29歳
6.3%
15.0
20,000
0
平成13年 14年
出典:( 財 ) 日本損害保険協会
―5―
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
自転車乗用中事故件数
自転車乗用中事故死傷者数
自転車事故件数構成率
自転車事故死傷者数構成率
23年
14.0
本人死亡の傾向
● 本人死亡の半数以上を占める自殺への対策拡充が望まれる
本人死亡の原因の中でトップとなった「自殺」については、2008 年度以降、減少傾向にあったが、2011
年度では 3 年ぶりの増加となってしまった。その要因は定かではないが、学年別で「4 年生」
「それ以上」の
割合が高いことなどから、近年の就職難や社会に出ることへの不安などが影響していることも考えられる。
その他、「男性」の、「北海道ブロック」「中四ブロック」の割合が高いことが特徴として挙がる。
2006 年の自殺対策基本法施行を受け、警視庁は翌 2007 年から自殺原因を遺書や生前のメモなどから詳し
く分析している。それによると、2011 年は大学生など 150 人が就職活動の悩みで自殺しており、2007 年から 2.5
倍に増加。リーマンショックによる就職率の低下を機に自殺者が増加していることから、この面からも対策
を講じていく必要がある。
加えて注目されるのは、
「精神障害」
による死亡も毎年発生していること。
「自殺」
の要因はさまざまであるが、
最終的には精神的に追い詰められての行動であることを考えると、
「精神障害」と「自殺」は同列に論じていっ
た方が良いと考える。疾病や突発的な事故による死亡をなくすことは難しいが、
「自殺」や「精神障害」によ
る死亡は、メンタルケアの充実化や周囲のサポートによってなくしていくことも可能である。2010 年から実
施しているメンタルヘルス専門の相談ダイヤルの活用など、さらに踏み込んだ対策が必要である。
また、
「交通事故」は給付件数が多い「自転車事故」と大きく関連している。( 財 ) 日本損害保険協会によると、
「自転車事故」は自動車との事故が全体の 85%と非常に高い割合を占め、それによる死亡率が高いことから、
組織的・継続的な安全運転啓発や危険予知活動などの対策を早急に講じていく必要がある。
本人死亡の原因
2007 年
原因
自殺者属性と加入者属性の比較
2009 年
件数 割合
原因
2006-2011
自殺者属性
平均①
2011 年
件数 割合
原因
件数 割合
1
自殺
91 46.7 自殺
91 48.4 自殺
96 51.6
2
腫瘍(新生物)
22 11.3 交通事故
24 12.8 日常生活の事故
21 11.3
3
交通事故
21 10.8 精神障害
19 10.1 交通事故
18
9.7
4
循環器系の障害
( 疾患 )
17
8.7 腫瘍(新生物)
18
9.6 腫瘍(新生物)
17
9.1
5
日常生活の事故
14
7.2 日常生活の事故
11
5.9
循環器系の障害
( 疾患 )
12
6.5
6
精神障害
14
7.2
循環器系の障害
( 疾患 )
7
3.7 精神障害
11
5.9
7
その他
16
8.2 その他
9.6 その他
11
5.9
195 100.0
合計
18
合計
188 100.0
合計
186 100.0
注:単位=件、%
①−②
加入者属性②
男性
女性
80.9
19.1
63.4
36.6
17.5
-17.5
1年生
2年生
3年生
4年生
それ以上
8.4
13.1
16.6
34.2
30.9
22.0
22.2
21.8
22.1
11.8
-13.6
-9.1
-5.2
12.1
19.1
北海道ブロック
東北ブロック
東京ブロック
東海ブロック
北陸ブロック
京滋奈良ブロック
大阪和歌山ブロック
神戸ブロック
中四ブロック
九州ブロック
7.2
7.2
36.4
8.4
2.3
9.6
6.4
4.1
11.3
10.3
4.6
6.9
36.2
9.2
2.1
10.1
6.0
5.1
9.3
10.5
2.6
0.3
0.2
-0.8
0.2
-0.5
0.4
-1.0
2.0
-0.2
注:単位=%。性別は不明を除いて計算
「①−②」がプラスは加入者属性と比較して自殺者属性が高い
就職活動による 10 ∼ 20 代の自殺者の推移
08年9月
リーマンショック
(人)
160
140
120
大学生の
就職率
5人
4人
7人
2011年
学生・生徒等計
専修学校生等
大学生
高校生
2010年
学生・生徒等計
専修学校生等
大学生
学生・生徒等計
2009年
2人
高校生
―6―
専修学校生等
11
大学生
10
学生・生徒等計
09
2008年
出典:警察庁
「自殺概要」
0
高校生
08
専修学校生等
2007年
大学生
2007年
20
0
学生・生徒等計
(%)
23人
10人
2人 3人
高校生
90
専修学校生等
91
学生
40
92
0
52人
41人
33人
27人
22人
16人
13人
3人
大学生
60
93
高校生
∼ 歳代
20
80
96
94
( )10
100
97
95
︵左目盛り︶
各年4/1現在
右目盛り
53人
46人
火災共済の傾向
● 給付件数・金額とも前年度より減少
2011 年度では、給付件数は前年度比 91%、給付金額は同 93%で、いずれも前年度より減少した。
内訳としては、2011 年は給排水器具からの水漏れや失火などの「家財」が 23%、借家での同様の被害に対
応する「借家人賠償」が 60%、「盗難」が 18%で、前年度と比較すると「借家人賠償」の比率が 7 ポイント
増加している。加入者属性の割合と比較して男性の割合が若干高いことや、4 年生・それ以上の割合が高い
ことを考えると、
「1 人暮らしに慣れた男子学生が、
つい、うっかりして」水漏れや失火などを引き起こすといっ
たケースが発生していることなどが考えられる。
火災の給付件数
1位
2位
3位
火災の給付金額
2007年
900件
2009年
776件
2011年
804件
2007 年
1 億 9,011 万円
【借家人賠償】
【借家人賠償】給排水
【借家人賠償】
【借家人賠償】
凍結による破裂 器具からの水漏れ 凍結による破裂
1位
失火
2009 年
1 億 1,924 万円
2011 年
1 億 3,567 万円
【借家人賠償】給排水
【借家人賠償】給排水
器具からの水漏れ 器具からの水漏れ
175件
178件
249件
3,943.8万円
3,717.0万円
4,486.8万円
【借家人賠償】給排水
【借家人賠償】
【借家人賠償】給排水
【借家人賠償】給排水
【借家人賠償】
【借家人賠償】
器具からの水漏れ 凍結による破裂 器具からの水漏れ
2位
器具からの水漏れ
失火
凍結による破裂
169件
165件
193件
3,637.3万円
1,691.4万円
2,276.2万円
【盗難】
【盗難】
【盗難】
【家財】
【借家人賠償】
【借家人賠償】
窓壊し
窓壊し
窓壊し
失火
凍結による破裂
失火
98件
95件
68件
2,568.3万円
1,450.5万円
2,075.4万円
3位
給付件数・給付金額の推移−火災
―7―
学生賠償責任保険 - 支払実績分析結果概要
● 支払件数・金額ともに増加傾向
2006 年度から 2011 年度で、支払件数は 1,219 件から 1,650 件に、さらに支払金額に至っては 28,742 万円か
ら 51,216 万円に大幅に増加。
特徴としては、件数・金額の 95%以上が「日常生活中の事故」によるものであること、また、支払の件数
で約 50%、金額で約 64%を自転車事故が占めていることが特徴である。尚、件数の上位 3 位は、上から順
に「自転車事故」、「水もれ事故」、「スキー・スノーボード事故」となっている。
● 自転車事故件数が大幅に増加、全国では 1
日に 2 件の割合で発生
2011 年度の自転車事故での支払件数は 2006 年度の 568 件に対して 822 件と 1.4 倍に増加、全国では 1 日あ
たり 2 件以上発生している。
支払金額では、支払件数、とりわけ対人賠償につながる対人事故と対人対物事故の増加、および平均支払額
の増加によって、2006 年の 16,696 万円に対し、2011 年度は 38,026 万円と、2.3 倍に増加した。地域別件数
では東京地域(関東・甲信越)が 1 位、次いで京滋奈良地域となっており、金額も同様の順位。
● 自転車事故の原因は前方不注意と信号無視・一時停止無視が突出
国の事故対策の論議などでは、日本の道路事情と共に自転車利用者のマナーの低下、遵法意識の希薄さが事
故の要因として指摘されているが、支払実績(事例)からも、事故が前方不注意や信号無視・一時停止無視
などが主要因となっていることが多いことが明らかになった。
● 自転車事故での支払件数は男性が 6
割で、学年別では 1 年生、月別では 5 月が最多
事故発生場所の割合は「通学中」と「大学構内」が 8%であるのに対し、「日常生活中」が 92%と殆どが日
常生活での自転車使用時に発生。支払件数では男性が 6 割、学年別件数では 1 年生がもっとも多く、学年が
上がるに従って減少。また月別では 5 月がもっとも多いことから、新入生が学校に慣れた頃の気の緩みが原
因のひとつと推測される。
● 半数以上が「示談交渉サービス」を利用
事故発生時は気が動転しており、示談交渉の経験がある学生は殆どいないので、学生賠償責任保険には本人
に代わって保険会社が被害者との示談交渉を行う「示談交渉サービス」の特則を設けている。把握できる範
囲では 60%以上がこのサービスを利用している。
※本報告書に掲載しています学生賠償責任保険金支払金額等の一部データにつきましては、集計方法の違いにより、
(株)
大学生協保険サービスが過去に公表した内容と若干異なります。
(分析結果に影響を与えるレベルの差異ではありません。)
―8―
保険金支払の事由別実績〔6年間の推移〕
―9―
保険金支払の事由別実績〔6年間の合計・平均〕
― 10 ―
自転車事故での保険金支払実績〔年度別支払件数・金額、事故内容〕
― 11 ―
自転車事故での保険金支払実績〔月別
自転車事故での保険金支払実績〔月
別、属性による事故発生状況〕
― 12 ―
自転車事故での保険金支払実績〔事故の原因、支払金額の分布〕
― 13 ―
自転車事故での保険金支払実績〔地域別の事故発生状況〕
― 14 ―
大学生協では、予防提案活動、およびサービス内容や制度改善のため、学生賠償責任保険で保険金の支払
を受けた学生に対して任意でアンケートを実施しています。これらの声は、その中から、自転車運転中の事
故に関する特徴的な事例を抜粋したものです。
■2011年5月(19歳・男性)
スピードの出し過ぎが原因
走行中、信号を見誤って交差点へ進入。青信号の歩道を渡っていた自転車に接触して相手を負傷させ
てしまった。
相手が高齢の方でしたので、頭を打って脳障害が出て、これからの生活に支障がでてしまうのではないかと
いうことが不安でした。授業に遅れることよりも、大事な集会に遅れることよりも人の命が大事です。事故を
起こしてからどれだけ悔やんでも相手の命はもどりません。相手にもみなさんと同じように家族や大切な人が
います。事故を起こしてからでは遅いのです。軽々しい気持ちで運転しないでください。自転車も凶器になる
ことがあります。
■2011年7月(21歳・男性)
スピードの出しすぎと前方不注意が原因
自転車専用道路を走行して通学中、交差点で一時停止のタクシーに接触し、ペダルを擦り付けて損傷
してしまった。
とにかく示談交渉サービスがありがたかったです。大学に入学した時点で、この保険の他にも、もう1つ保
険に入ることになりましたが、そちらの方はこのサービスがなく、初めて「事件」を起こした上に、プロ相手
に交渉するというのは、あの精神状態では不可能だったため本当に感謝しています。
■2011年9月(20歳・女性)
二列走行と前方不注意が原因
歩道を友だちと二列になって自転車走行中、後ろを振返ったところ、前方から来た自転車とぶつかっ
てしまい、ケガを負わせてしまった。
とにかく相手の方のケガの様子やお金のことが心配でしたが、窓口の事故対応がとても丁寧で、どんなにさ
さいな心配事も素直に話すことができ、とても心強かったです。
自転車は一列で走行しましょう。
■2011年12月(21歳・女性) 「傘さし運転」による前方不注意が原因
雪の中、傘をさしながら走行。前方に停車している車に気付かずぶつかってしまった。
悪天候で心理的にも急いでおり、不注意が重なってしまいました。物損事故だったので、一体いくらの賠償
になるのだろう、相手にも迷惑をかけてしまったと不安でしたが、保険会社には迅速な対応をしていただき助
かりました。
悪天候の時は無理して自転車に乗るべきではないと痛感しました。
■ 学生総合共済について
お問い合わせ先
■ 学生賠償責任保険について
全国大学生協共済生活協同組合連合会
株式会社 大学生協保険サービス
企画部
企画管理課
TEL 03-5307-1174・FAX 03-5307-7409
http://kyosai.univcoop.or.jp/
TEL 03-5307-1159・FAX 03-5307-1191
http://hoken.univcoop.or.jp/
AR-2012 2012.12.14.2000
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