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概要版
地域活性化総合特別区域指定申請書(概要版)
1.指定を申請する地域活性化総合特別区域の名称
球磨焼酎(地理的表示の産地指定ブランド)による産業活性化総合特区
2.総合特別区域について
(1)区域
① 指定申請に係る区域の範囲
ⅰ)総合特区として見込む区域の範囲
錦町、人吉市、あさぎり町、多良木町、湯前町、水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村の区域
ⅱ)区域設定の根拠
この10市町村は、四方を九州山地の深い山々に囲まれた典型的な盆地に位置し、鎌倉時代に相良氏が
この地を統治してから800年以上もの間、歴史的文化や風習、産業において密接な関係を保ってきた。
また、
「球磨焼酎」は、この地域で製造された米焼酎だけが名乗ることのできる産地指定ブランドであるこ
とから、事業を実施する上でこの10市町村は一つの区域として考える。
(2)目標及び政策課題等
② 指定申請に係る区域における地域の活性化に関する目標及びその達成のために取り組むべき政策課題
ⅰ)総合特区により実現を図る目標
ア)定性的な目標
人吉球磨の自然や風土、そして先人達の技が生み出した伝統産業である「球磨焼酎」と、その酒造技
術を生かした新たな産業を創出し拡大させることにより、その原料となる農産物の需要を増大させ、衰
退しつつある農業の活性化を図る。また、良質な水資源を守るため、自然環境保全活動や林業の活性化
を図り、地域と産業が一体となった新しい地域振興を目指し、外部に頼らない自給自足が可能な地域づ
くりを目標とする。
イ)評価指数及び数値目標
評価指数(1)球磨焼酎の製造量拡大
数値目標(1)H22 16,200 キロリットル → H28 26,000 キロリットル
評価指数(2)耕作放棄地の解消
数値目標(2)H22 890ha → H28 500ha
評価指数(3)農業法人等の増加
数値目標(3)H22 58 団体 → H28 100 団体
評価指数(4)農業生産力の向上(焼酎用原料米作付けの増加)
数値目標(4)H22 455t → H28 3,100t
評価指数(5)林業就業者の増加
数値目標(5)H22 591 人 → H28 700 人
評価指数(6)観光客入り込み客数の増加
数値目標(6)H22 2,947,113 人 → H28 3,200,000 人
ウ)数値目標の設定の考え方
数値目標の達成に寄与する事業としては、商品開発販売促進事業、農林業活性化及び森林保全事業を
想定しており、現時点で想定する事業の寄与度は高いと考えられる。
ⅱ)包括的・戦略的な政策課題と解決策
ア)政策課題と対象とする政策分野
・球磨焼酎産業の消費拡大 ◇対象とする政策分野 p)農水産業・食品産業
・農業生産力の向上及び耕作放棄地の解消 ◇対象とする政策分野 p)農水産業・食品産業
r)中山間地活性化
・森林・自然環境の保全
◇対象とする政策分野 q)森林・林業再生
イ)解決策
・多種多様な消費者ニーズに対応できる焼酎産業を構築し、国内の消費拡大、そして海外への販路拡大
を目指す。また、蒸留技術を生かし、植物等の香りを抽出するなど美容と健康に効果のある商品の開発
や、焼酎粕を利用した飼料などを開発し他産業への転換も図る。
・人吉球磨の美しい自然、美味しい水、良質な米から作り出されるという「球磨焼酎」のイメージアッ
プを図り、特産品としての価値を上げる。
・農業生産組織の強化や、企業等の農業参入を推進することで、農地の集積やコスト縮減による生産性
の向上を図り、農産物の価格の変動にも対応できる農業経営を実施する。
・契約栽培により、原料米生産を計画的且つ効率的な作付けを実施し、耕作放棄地にはリキュール類の
原料となる農産物の作付けを実施する。
・林業就労者の担い手育成や、森林施業の集約化による効率的な間伐の実施、有害鳥獣対策の広域的な
組織化、里山の再生や住民よる植栽など自然環境保全活動を推進する。
・Co2 排出削減を積極的に取り組むため、小水力発電などの再生可能エネルギーを推進する。
ⅲ)取組の実現を支える地域資源等の概要
①地域の歴史や文化
・鎌倉時代に相良氏が、この地を統治してから800年以上もの歴史の中で、他の地域にはない独
自の文化圏を築き上げ、その中でも球磨焼酎は、人々の生活の中に深く浸透し、独自の作法や習慣
が根強く残っている。
・球磨焼酎は、地名を冠することを世界的に認められている数少ないブランドである。
②地理的条件
・四方を九州山地の深い山々に囲まれた典型的な盆地となっており、その中央を日本三大急流の一
つ球磨川が流れている。その球磨川を中心とした豊かな水田地帯が存在し、良質な米が生産されて
いる。
・人吉球磨の自然や地形が生んだ伏流水は、全国でもめずらしい純粋無垢な美味しい水である。
③地域独自の技術の存在
・豊臣秀吉に従軍した相良氏が、焼酎を造る朝鮮人技術者を連れ帰ったという歴史もあり、その蒸
留技術は古く、現在では28蔵元が200を超える銘柄の焼酎を製造している。
(3)事業
③目標を達成するために実施し又はその実施を促進しようとする事業の内容
ⅰ)行おうとする事業の内容
ア)事業内容
<商品開発販売促進事業>
・女性や若年層向けの商品や、美容と健康に効果のある商品など、国内外の様々な消費者ニーズに対応
した新しい商品開発と効果的な販売戦略を行う。
・東北被災地鬼復興祈念プロジェクトの「鬼に金棒人形」や、人吉球磨地方の特産品や工芸品と球磨焼
酎とを組み合わせた商品開発を行う。
・人吉球磨の観光地や球磨川ラフティングに訪れた観光客に対し、球磨焼酎の歴史や作法といった魅力
をPRし、全国的に球磨焼酎文化を継承していく。
・人吉球磨の美しい自然が生み出す純粋無垢で美味しい水の存在を、国内外へと広くPRしていく。
<農林業活性化及び森林保全事業>
・耕作放棄地に焼酎用原料米や、リキュール類の農産物の作付けを増やし農地の有効利用を図る。
・集落営農や企業による新規農業参入を促進し、焼酎用原料米(多収穫米)の品種改良など生産効率
を向上させ価格の変動にも対応出来る農業経営を促進する。
・焼酎粕の再利用や、木材の有効利用など、地域内で循環型させる産業構造を構築する。
・林業従事者の担い手育成支援や林道整備等、効率的な森林施業が行える環境整備を行う。
・有害鳥獣被害対策として、広域的な組織化を推進する。
・里山の再生や、地域ボランティアによる植栽など自然環境を保全する運動を推進する。
・砂防ダム等を利用した小水力発電を行い、環境に配慮した事業を展開する。
イ)想定している事業実施主体
球磨焼酎酒造会社/日本、木の文化と地域づくり委員会/農林業団体/錦町、人吉市、あさぎり町、
多良木町、湯前町、水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村 等
ウ)当該事業の先駆性
・球磨焼酎の伝統の技術と新しい酒造技術が融合し、様々な農産物等から新しい商品が開発され、国
内外の消費者に受け入れられれば球磨焼酎産業の活性化となる。
・地域全体で取り組むことで原料調達から商品製造販売までの計画的な産業管理システムの構築がで
きる。
・一つの産業(球磨焼酎)が、地域全体の農林業を牽引し、自然環境に配慮した事業を行うことで新
たな農村地域のモデルケースとなる。
エ)関係者の合意の状況
協議会及び、個別訪問による事業説明の中で合意を得ている。
オ)その他当該事業の熟度を示す事項
・既に地域特産の農産物や乳製品を使用したリキュール類の商品開発や、美容等に関連した新しい商
品も考案され、商品化を目指している酒造会社もある。
・平成19年度からJAPANブランド育成支援事業により、国内外の市場調査等を行っており、そ
れに基づき商品開発や販売戦略等を実施している。
・一部の地域では、酒造会社と農家が契約し、助成金などを利用して焼酎用原料米を生産し事業を展
開している。また、耕作放棄地の解消のため、芋などの農産物を栽培し焼酎の原料としている。
3.新たな規制の特例措置等の提案について
・複数の酒類製造免許の取得に関する規制緩和
・球磨焼酎の光量に関する規制緩和
・農地法及び農業振興地域の整備に関する規制緩和
・酒税法第23条関係の蒸留酒類の基本税率の軽減
・租税特別措置法に係る酒税軽減措置の延長
・商品開発及び販路拡大に係る調査研究に対する財政支援
・焼酎原料米流通に対する財政支援
・有害鳥獣駆除の捕獲に関する規制緩和
・小水力発電施設建設に伴う砂防指定地内行為の規制緩和
・小水力発電に伴う水利使用に関する許認可事務の簡素化
・小水力発電施設建設等に対する財政支援
球磨焼酎による産業活性化総合特区
球磨焼酎産業の消費拡大
国内・海外への消費拡大
・多種多様な消費者ニーズに対
応した商品開発
・スコッチ、コニャック等と肩を並
べる世界的ブランドへ
~球磨焼酎が地域を支え、地域も球磨焼酎を支える仕組みづくり~
目標
若者のアルコール離れの解消
球磨焼酎という伝統産業を発展させること
で、衰退しつつある農林業を牽引し、自然
環境にも配慮した新しい人吉球磨の産業
構造を確立し、地域活性化を促進させ外
部に頼らず自給自足ができる強い地域を
目指す
森林・自然環境の保全
飲みやすいリキュール類の
開発や、産学官で美容や健
康に効果のある商品の開発
球磨焼酎と人吉球磨地方の伝統文化の継承
製造量の増加
良
質
な
水
の
確
保
林業の再生・有害鳥獣の駆除
効率的な間伐等の実施、広域的な有害鳥獣
駆除の組織化
地域住民による環境保全活動の推進
里山再生や、住民による植樹など自然環境
を保全する活動を推進
再生可能エネルギーの推進
Co2排出削減等の取り組みとして、小水力発電等を推進し、
焼酎製造・農業施設等の動力源とする。
原
材
料
の
確
保
産地指定ブランドである球磨
焼酎と、地方の歴史、伝統文
化、物語などを広く伝えていく
農業生産性の向上
・耕作放棄地の解消
生産組織の強化・企業等の農業参入の推進
・農地の集積や焼酎用米の品種改良、コスト縮減など
農産物の生産性の向上を促進
・企業等から農業への労働力を確保
耕作放棄地の解消
耕作放棄地に、焼酎用米や、リキュール等
の原料となる農産物の作付けを推進
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