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余計な改行は - ITpro

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余計な改行は - ITpro
日経パソコン 2011.1.24
仕事が速くなる即効ワザ満載
パソコン操作
最短手順 の定石
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仕事が速いと言われる人は、たいていパソコンの操作も速い。
「同じ作業をしているのに何が違うのか」と不思議に思うかも
しれない。その差は、数ある操作方法のうち「最短手順の定
石」を知っているかどうかにある。本特集では、ビジネスでよく
見かける具体的な課題を例に、効率的な操作の最適解を導き
出そう。
(田村 規雄、松元 英樹)
日経パソコン 2011.1.24
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パソコン操作
最短手順の定石
余計な改行は「置換」で一気に削除
電子メールの本文を、Word など
ば、メールソフトが自動的に改行し
換後の文字列」欄に何も指定しなけ
にコピーして使い回すことがよくあ
ている場合もある。いずれにしても、
れば、改行を“なし”の状態に置き
る。その際の悩みの種が“余計な改
これらを1つずつ選んで[Delete]キ
換え、一括削除できる(図 2)
。
行”だ。メールの本文は、1 行ずつ
ーで削除するのは面倒だ(図1)
。
とはいえ、改行を全て削除してし
右端で改行されていることが多く、
こうした改行を取り除くには、
「置
まうのは考えもの。段落を区切るた
通常の文書として流用するためには、
換」機能を使うのが定石。Word の
めの改行や、空白行を挿入するため
余計な改行を全て削除しなければ格
置換機能を使うと、改行を検索して
の改行など、そのまま残しておきた
好が悪い。この改行は、メールの送
別の文字に置き換えられる。
「検索
い改行もあるだろう。
り主が自分で入れている場合もあれ
する文字列」欄に改行を指定し、
「置
そこで、とっておきのテクニック
問題
メールの本文から、余計な改行を削除せよ
左図のようなメールの本文を、右図のように Word 文書に取り込んでください。そ
の際、余計な改行は削除して、文書として読みやすい形に整形してください。
本文をWordにコピーして、
余計な改行を取り除く
1 つ ず つ[Delete]キ ー
で消すのは面倒
図 1 メールの本文は 1 行ずつ改
行 さ れ て い る こ と が 多 い の で、
Word にコピーして貼り付けるだ
けでは余計な改行ができてしまう。
これを 1 つずつ消していくのは大
変な手間だ
通常の操作
最適解
改行を1つ選択
何度も繰り返す
「置換」機能で
改行を一括削除
大量でも
一瞬
[Delete]で削除
図 2 実は「置換」機能を使うと、改行を全て検索して一気に削除できる。しかも、ワイルドカードを
駆使すれば、段落を区切る改行などは残して、文章の途中の余計な改行だけを一括削除できる
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日経パソコン 2011.1.24
図 3 メ ー ル本文を Word に貼り付けるには、
必要な本文を選択して、Word 文書にドラッグ・
アンド・ドロップすればよい
イルドカードを駆使し、余計な改行
角の句点または改行以外の文字②改
だけを削除するのだ。ワイルドカー
行③全角スペースまたは改行以外の
ドとは、検索や置換で、任意のパタ
文字──という3 つの文字が連続す
ーンに合致する文字を表すための特
る箇所を文書内で検索する。
「検索
殊文字。Word では「^」
(ハット)に
する文字列」欄に指定した 3 つのか
続けて「11」または「13」を入力する
っこがそれぞれ①②③に相当して、
余計な改行を見抜くには
●ワイルドカードを駆使して改行を置換
1
ドラッグ
を紹介しよう。
「置換」機能の中でワ
ことで、改行を表せる。
●単に貼り付けるだけでは、余計な改行が入る
●まずはドラッグ操作でコピー
「^11」が改行を表す。
「!」は「〜以
外」を表す記号で、
「
[ ]
(
」大かっこ)
で囲んで複数の文字を指定可能。例
具体的に見ていこう。まずはメー
えば「
[!AB]
」と指定すれば、
「A ま
ルの本文を Word に取り込む。ここ
たは B 以外の文字(A でもなく B で
ではメールソフトの「Windows Live
もない文字)
」が表せる。
メール」から本文をドラッグして、
なぜ、このような文字の組み合わ
Word 文書に貼り付けた(図 3)
。
せを検索するのかというと、句点(。
)
置換の画面は、
「ホーム」タブ右端
の後ろに続く改行は、段落を区切る
の「編集」欄で「置換」を選ぶ方法で
ための改行と考えられるので除外し、
も開けるが(Word 2007/2010 の場
それ以外の改行だけを削除対象とす
合)
、
[Ctrl]キーを押しながら[H]
るためだ。また改行の後ろに続く全
キーを押すと瞬時に開ける(図 4)
。
角スペースは、次の段落の行頭にあ
2
図 4 置換機能を利用するた
めに、
[Ctrl]キーを押しなが
ら[H]キーを押す(①)。置
換の画面が開いたら、
「 オプ
ション」ボタンを押す(②)
[Ctrl]
+
[H]
クリック
2
(
[!。^11]
(
)^11)
(
[! ^11]
)
¥1¥3
3
4
チェック
1
図 5 「ワイルドカードを使用す
る」にチェックして(①)、
「検索
する文字列」欄と「置換後の文字
列」欄に図のように入力(②③)。
「すべて置換」ボタンを押す(④)
。
これで余計な改行を削除できる
全角の句点
検索する文字列
全角スペース
(
[!。^11]
(
)^11)
(
[! ^11]
)
1
置換後の文字列
クリック
句点
改行
以外の文字
2
改行
1
上記
全角スペース
改行
以外の文字
上記①②③の組み合わせを検
索し、該当する部分で①と③
だけ残す(②の改行を削除する)
¥1¥3
上記
3
3
図 6 このように指定して置換することで、
「句点(。
)の後ろにある改行」
「次の文字が全角スペース」
「前
後に改行が連続」という 3 つの場合を除く改行を全て削除できる。記号や数字は半角で入力すること
「オプション」ボタンを押して詳細を
る字下げと考えられるので、この改
表示し、
「ワイルドカードを使用す
行も段落区切りとして除外する。さ
る」欄にチェック(図 5)
。
「検索する
らに改行の前後に別の改行が連続し
文字列」欄と「置換後の文字列」欄
ている場合、空白行を作るための改
には、図 6 のように入力しよう。
行として、やはり除外したい。つま
指定したワイルドカードの意味は
り、上記①②③の組み合わせを検索
っこ(図 6 ①)に合致する文字と、3
だけで、余計な改行を全て検索でき
こうだ。段落を区切るための改行や
すれば、段落区切りなど削除したく
番目のかっこ(同③)に合致する文
るわけではない。また、タイトルや
空白行を設けるための改行など、必
ない改行を除外して、余計な改行だ
字はそのまま残し、2 番目のかっこ
箇条書きを区切る改行のように、句
要な改行は残すために、
「検索する
けを探せるのだ。
「置換後の文字列」 (同②)に合致する余計な改行だけを
点で終わっていないが残しておきた
文字列」欄には 3 つの文字の組み合
欄に指定した「¥1¥3」は、
「検索す
削除するという意味である。
い改行まで削除してしまうなど、完
わせを指定している。すなわち①全
る文字列」欄に指定した 1 番目のか
もちろん、この 3 つの組み合わせ
璧な指定方法とは言えない。しかし、
行区切り改行
(
[Shift]
+
[Enter]
)
^11
段落区切り改行
(
[Enter]
)
^13
図 7 Word に は 改 行 が 2 種 類 あ り、
メールソフトによって貼り付けたとき
の改行の種類が異なる。改行マークの
形を見て使い分けよう。
「^」
(ハット)
は[Back space]キーの 2 つ左にあ
る[へ]のキーで入力する
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