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2010年度版 - 室蘭工業大学

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2010年度版 - 室蘭工業大学
かぎろひ
年報
2010
N
E
W
S
写真:センターから見た東西南北の景色。背景は白鳥大橋。
目
次
40 年の思い出 ····················································· 松田 悟 ··· 1
室蘭工業大学における情報セキュリティ講習について ·················· 石坂 徹 ··· 4
ネットワークシステム導入顛末記 ···································· 髙木 稔 ··· 9
2009年度業務報告 ························································· 13
1 利用状況 ····························································· 13
2 公開講座・講習会等報告 ··············································· 22
3 行事 ································································· 25
4 「広報」の総目次 ····················································· 26
5 2009年度 学外発表物 ············································· 27
資 料 ······································································· 44
1 センターの沿革 ······················································· 44
2 センター紹介 ························································· 46
3 情報メディア教育システム/学内ネットワーク構成図 ····················· 48
4 情報メディア教育システム概要 ········································· 49
5 建物案内図 ··························································· 53
6 パンフレット ························································· 55
8 運営組織 ····························································· 56
9 スタッフ集合写真 ····················································· 56
編集後記 ·························································· ·········· 57
40 年の思い出
情報メディア教育センター
松田 悟
70 年 12 月に電子計算機室へ異動になって初めてコ
ンピューター(FACOM 231)に対面した。今思うと大
して広くもない部屋に窮屈そうに置かれていた。集積
回路はずっと先のことで、メモリーは磁気コア、周辺
装置には未だ真空管やリレーが使われていた。処理速
度が低いため、利用者である教員・大学院生から次々
持ち込まれる計算依頼に処理が追いつかず、四六時中
稼働させていた。入力媒体である紙テープへの鑽孔(さ
んこう)サービスを行ったので、紙テープに穿たれた
穴の組み合せで文字(穴の組み合せでアルファベット、
数字、記号を表す。半角のみ。
)として読むことができる
磁気コアメモリー
ようになり、利用者からは感心してもらえた。プログラ
ム言語としては科学技術計算用の ALGOL が使われたが、これは説明書が無くても理解しやすい言語だ
った。また FACOM231 には 10 進演算の機能があったので、(今では目にすることはないが)
「数表」
のチェックに使われたことがある。また事務にも一時使用され、担当者が必死になって取り組んでいる
姿を今も覚えている。
71 年にミニコン HITAC-10 が入ることになり、7~8月の約2ヶ月間愛知県まで勉強に行った。小
牧飛行場に降りたときの蒸し風呂のような暑さに比べ、瀬戸市に近い田園地帯だったので多尐は過ごし
やすかった。戻って来ると、HITAC-10 が私達の居室に鎮座していた。HITAC-10 付属のプログラムを
読み、アセンブリー言語を知った。HITAC-10 は準備期間を経て翌年からデーターステーションとして
稼働した。利用者がプログラムやデーターをオフラインのカード穿孔機(せんこうき)で作り、それを
カードリーダーから入力させ専用線を使って北海道大学大型計算機センター(現情報基盤センター)へ
送信した。床にカードを落とすことが度々あり、落下対策のためカードには順番が分かるようマジック
で印が付けられていた。
電子計算機室は、73 年に南キャンパスの古い建物の3階へ移り、74 年に情報処理教育センター(73
年設置)と一緒になって廃止された。秋に情報処理教育センターの建物がすぐ隣に完成したが、オイル
ショックにぶつかったため期待していた出来ではなかった(その後何回かの改修工事を経て現在の建物
になっている。
)
。数年後に両方の建物が渡り廊下で繋がった。渡り廊下は、夏は暑くて冬は寒く、雀の
迷い込むことが何度かあった。
74 年に教育用コンピューターの1号機 MELCOM9100/30F が入った。システムが安定するまで時間
を要した。当時としては画期的な CRT 端末が入ったのだが、長時間使うと眼精疲労が相当なもので、
周りの色彩が違って見えたりピントの合わないことがよくあった。X-Y プロッターが入り、0.1mm 刻
みでペンが動くのを見て、アナログとデジタルの違いに納得したものだ。未だ磁気ディスクの容量が尐
なく、学生は作成・更新したプログラムやデーターを作業の終わりに自分のカセットテープ(オーディ
1
オ用ではない。
)に保存していた。そして尐しでも早く作業を始めようと、カセットテープからプログ
ラムとデーターを読み込ませるため、毎朝学生が玄関前に並び一寸した行列を作っていた。
75 年に研究用コンピューターとして FACOM 230-28 が入り、データーステーションも担うことにな
った。3つあるフレームはバッチ処理、リモートバッチ(データーステーション)、システムで使われ
た。78 年に教育用コンピューターが MELCOM COSMO700Ⅱへリプレースされた。磁気ディスクの容
量が増え、これでカセットテープに保存する必要がなくなった。
82 年に教育用と研究用が FACOM M-170F へリプレースされた際に、講義室が渡り廊下で繋がった
隣の建物に移った。その後教育用は、88 年に FACOM M-380、そして 95 年に Fujitsu M780/10 へ更新
され講義室が北キャンパスに移った。M780/10 は発熱量が多く、水冷式で室内の空調の他に床下空調を
併用した。M780/10 と共に初めて UNIX マシンが入ったが、それまでのブラックボックス的な汎用機
との違いに戸惑った。またこの時から端末が DOS/V パソコン(Windows3.1)になったので、PC の再
起ち上げ時に磁気ディスクの内容を元に戻す仕掛けが必要になった。
97 年に情報処理教育センターから情報メディア教育センターへ改組になり、翌年(98 年)に導入し
た AP3000 を初めとする教育用システムから全面的に UNIX 系サーバーと Windows サーバーへ切り替
わった。
今年(10 年)の春に更新された現システムではサーバーが1つのラックに収まり随分とコンパクトに
なった。しかし騒音は以前にも増して大きくなり、他の部屋へ移動しなければ電話で話すことができな
い。図体で存在感がなくなった分、音でアピールしていると感じる。端末(Windows7)はシンクライ
アントになったが、なかなか慣れずソフトの更新等の作業に未だ気を遣っている。
コンピューターとセンターに関わることを思いつくまま書いたが、80 年代後半あたりからどういうわ
けか記憶に残っていることが尐なくて随分端折ってしまった。
公開講座にも関わったので、そちらについても触れたい。
情報メディア教育センターでは、98 年より市民向け公開講座を開講しており、私は 01 年より講師を
担当した(2回だけ除く。
)。
講師を担当するようになったきっかけは、01 年の「パソコン入門コース」において数名が”超”初心
者だったため、2日目から私が別メニューで教えたことによる。この時は受講生の反応を見ながら、翌
日の講習時間までに別テキストを用意する毎日だった。そして次回の 02 年夏期講座から新たに”超”
初心者向けの「パソコン初心者コース」が設定された。どこからどこまで教えれば良いのか分からず毎
回が試行錯誤だった。基本的にパソコンの基礎知識、マウス操作、文字入力、Word 入門とした。
08 年から 10 年まではフォトレタッチを教えた。フォトレタッチについては講習会が近くでなかなか
無く、私自身色んな本を読み経験して分ったものだ。教える内容はデジタル画像(ビットマップ画像)
の基礎知識、色に関する基礎知識、フォトレタッチ、画像合成などとした。08 年は Adobe Photoshop、
09 年からはフリーソフトの GIMP を使って教えた。08 年は土日の2日間で朝から夕方まで開講したた
め、終わってからも暫く疲れがとれず、サポートしてくれた同僚からも不評だった。そのため 09 年か
らは平日の夜に変更した。
テキストには、基本的な操作や知識など、必要と思われることを出来るだけ盛り込むようにした。2
ヶ月も前から改訂に取り組むこともあったが、決定版ができず、どんどんページ数が増える一方だった。
2
教えたい内容が変わる、説明を詳しくする、図を増やすなどが主な理由だが、講義で説明することは全
てテキストに記載するよう求める受講生が尐なからずいた。
公開講座の最終日にアンケートをとっている。
「習ったときは分かったつもりになるが・・・」と言うの
は大方の実感と思われる。
「公開講座期間中にマスターすることは無理なので、テキスト等を読みパソ
コンに触るように」と話して来た。これは私が幾つかのセミナーを受けての実感でもある。また講習中
に受講生から「?」マークが出ていると感じることがあり、そんなときは翌日に行う前日の復習が有効
と思われた。講座の後で自分のパソコンを持参したり、手紙などで相談や質問を受けたこともある。講
座の後でお礼の葉書やファックス、メールを何度か受けた。嬉しいものであり励みにもなった。
私にとって今回が最後の公開講座である。講師を担当して教えることの難しさも実感した。講師をや
って分ったことも尐なくない。ストレスに弱くて公開講座のたびにお腹の調子を悪くし、不眠にも悩ま
された。それでも良い思い出になった。
2010 年フォトレタッチ入門
3
室蘭工業大学における情報セキュリティ講習について
情報メディア教育センター
石坂
徹
1.はじめに
本学の情報セキュリティの根幹「国立大学法人室蘭工業大学情報セキュリティポリシー」は平成20
年3月に制定された。このポリシーに従って情報及び情報システムの利用、管理、運用が行われるが、
具体的な内容は記載されていない。実際の管理運用に関する規程は1年後の平成21年に施行され、
その中で情報セキュリティについての講習(教育)を行うことが定められている。平成21年3月、
本学で初めてこの規程に基づいた情報セキュリティ講習が開催された。本稿では、情報メディア教育
センター(以下、本センター)が主体となって実施した情報セキュリティ教育について述べる。
2.教職員向け教育
2.1 講習計画
「情報システム運用及び管理規程」において、職務に応じた講習の受講を定めている。その中の「基
礎講習」は、新たに大学の情報システムを利用することとなった者に対する講習である。この節では
基礎講習を中心として、計画、テキスト作成及び講習の実施について述べる。
基礎講習の対象者は、学長以下全教職員である。この講習を計画するにあたり、
「全員が情報セキュ
リティに対する意識を持つ」ということを第一のゴールとした。まず、講習を効果的に行うためには
講習用テキストは必要不可欠である。また、全員への講習を行うためには、十分な受講機会を設ける
必要があり、これには講師手配、教室確保など事務局企画・評価室と本センターが連携した管理運営
部局としての活動がスムーズに行われる必要がある。さらに、受講を徹底するため、未受講者へのペ
ナルティも必要である。
講習時間は、各職員の職務への影響、理解度等を考慮して1時間程度とした。
2.2 講習用テキストの作成
規程としては、講習の具体的な講
習内容は定められていない。そこで,
「高等教育機関の情報セキュリテ
ィ対策のためのサンプル規程集」
(国立情報学研究所,2007)にある
「A3301一般利用者向けテキスト」
をベースとして、さらに本学に固有
の制約、事例等を含んだ冊子を作成
した(図1)
。内容としては、情報機
器やセキュリティに対する知識を与
えることよりも、本学の情報セキュ
リティ維持のために受講者自身が
図1: 講習用テキスト(抜粋)
4
「行うべきこと」または「行ってはならないこと」を理
表1:開催日と受講者数
解させることを主眼とした。さらに必要に応じて図解等
を用いて理解のしやすさに努めた。冊子は実際の講習時
開催
第1期
間1時間を考慮して、A4版21ページで構成した。
2.3 講習会の実施
基礎講習は前述の通り全教職員を対象として開催し
第2期
た。対象となる教職員は約400名であった。講師は
本センターの教員及び技術職員が分担し、3月末まで
に18回開催した。第1期(第1回)は年度末という
ことも有り、できるだけ多くの教職員に受講させるこ
とを目的として、多くの人員を収容できる事務局大会
議室で開催した。
この回では受講者が多かったためか、
第3期
質問、意見等が少なかったことが反省点として挙げら
れ、第2回目以降は、40名を限度とした少人数での
開講(図2)を行い、受講も予約制とした。講習は講習
用テキストの内容だけでなく、学内へ配達されるウィ
第4期
ルスメールの状況(スパム対策サーバの紹介など)や
現在流行しているウィルスの情報、アプリケーション
ソフトのアップデートの方法など、時事的、具体的な
情報提供が行われ、
また、
質疑応答が活発に行われた。
第5期
日付
受講者数
第1回
H21.3.26
119
第2回
H21.6.9
31
第3回
H21.6.11
24
第4回
H21.6.15
16
第5回
H21.6.24
30
第6回
H21.6.24
23
第7回
H21.6.25
17
第8回
H21.6.29
19
第9回
H21.9.4
12
第 10 回
H21.9.9
6
第 11 回
H21.9.16
30
第 12 回
H21.9.29
20
第 13 回
H21.11.30
14
第 14 回
H21.12.9
7
第 15 回
H21.12.17
7
第 16 回
H22.1.15
8
第 17 回
H22.2.1
3
第 18 回
H22.2.26
2
2.4 全対象者受講に向けて
本規程では着任後三ヶ月以内に受講することが定め
られているため、6月に第2期(第2回から第8回)
として開催し全教職員の受講を目指したが、累積受講
率は7割に満たなかった。そこで、授業のない9月に
第3期(第9回から第12回)の開講を行った。
第3期基礎講習を行うにあたり、管理運営部局では
未受講者に対するペナルティの検討を行った。具体的
な内容としては、利用者の申請に基づいて発行してい
る IP アドレスの利用停止、メール等のアカウントの
図2:基礎講習の様子(第2回講習会)
利用停止である。第9回以降の開催の通知文書にこの
ペナルティ付与の可能性についての記載を行ったが、第12回までの開催においても、未だ全対象者
受講に至らなかった。ペナルティの付与は情報基盤委員会で承認されたため、第4期(第13回から
第15回)としてペナルティの発動を前提とした警告を与えた上で講習会への参加通知を行ったとこ
ろ多くの対象者が参加し、未受講者は数名を残すのみとなった。この未受講者への対応として、再度
警告と参加通知を行い、受講の意思が見られなかった対象者2名には実際に IP アドレスの停止のペ
ナルティを発動した。その後、ペナルティ対象者へはセンターから説得を行い直接日程等の調整を行
5
い、第18回を以て本学全教職員の受講が完了した。図3に平成21年度全18回の受講者数と累積
人数を示す。
受講者数(人)
120
累積人数(人)
400
350
100
全対象者受講
300
受 80
講
者
数 60
累
250 積
人
200 数
150
40
100
20
50
第18回
第17回
第16回
第15回
第14回
第13回
第12回
第11回
第9回
第10回
第8回
第7回
第6回
第5回
第4回
第3回
第2回
0
第1回
0
図3:受講者数と累積人数
2.5 非常駐教職員向けビデオ教材
大学構成員としては非常勤講師、外部研究員、特任教授などが含まれ、学内に常時勤務していない
教職員への対応を行う必要がある。非常勤の場合、開講日、時間に来学できることは少なく受講でき
ない場合が多い。さらに、受講時間内を勤務時間と見な
す必要が有り、通勤時間を含めた勤務手当拠出の問題等
が発生している。これに対してはビデオ教材を作成し、
テキストと併せて対象者に送付することで基礎講習受講
とみなした。
ビデオ教材は、13分程のナレーション付スライドの
映像を DVD メディア(図4)で配布することとした。
スライド部分およびナレーション原稿は本センターが作
成し、音声は学外のナレータに依頼した。作成した DVD
は26名の対象者に郵送された。
図4:ビデオ教材 DVD
3.学生向け教育
3.1 情報メディア基礎
学生もまた、大学の構成員であり基礎講習の対象となるが、全学生に対して講習を行うことは時間
や場所的な制約があり困難である。そこで、1年次に開講されている情報基礎科目である「情報メデ
ィア基礎」の受講を以って基礎講習とみなすこととした。
「情報メディア基礎」では PC、ネットワー
クの利用についての講義・演習を行っているが、その中の3週は情報倫理系の講義を以前から行って
いた。その講義の補助教材として基礎講習テキストを配布した。
6
表2:情報メディア基礎における「情報倫理系」単元
情報の獲得
著作権,肖像権
情報セキュリティ
ウィルス,スパイウェア,フィッシング,など
電子メールとマナー
メールのマナー,プライバシーなど
また、2年次以上の在学生については、事務局学生課を通してテキストを配布した。
3.2留学生向け講習
本学には約100名の外国人留学生が在学している。過去に PC やネットワークの利用に対する環
境や風習の違いからと思われるインシデントが数件発生していたため、留学生に対する講習が必要と
考えられた。学部学生に対しては、上記の「情報メディア基礎」を受講するため対象外として、対象
者60名に対する講習が行われた。講習会は国際交流センターの協力のもと、通訳を介した複数言語
で開催された。
表3:留学生向け講習会
開催日
言語
平成21年3月31日
受講者
中国語
10名
〃
5月15日
英語
20名
〃
5月27日
中国語
10名
〃
5月29日
韓国語
5名
合計(受講率)
45名(75%)
また、対象者が多い中国語、英語に対してテキストを翻訳し、外国語版テキストを作製した(図5)。
このテキストは平成22年度の留学生向け講習会で使用された。
図5:英語版及び中国版テキスト(表紙)
4.システム管理者向け講習
各部局でネットワークサービスや研究室でのサーバ運用は、インシデントの直接原因となりやすく、
さらに被害が大きいと考えられ、この講習はサーバを運用しているすべての部局・研究室で受講必須
7
として開講された。対象者は申請を行っている教職員だけではなく、実際の管理を行っている人(学
生を含む)とした。この講習のためのテキスト(図6)はセキュリティポリシーを遵守するための手
順を含んだものとなっており、システムを運用するための情報管理やメール及びウェブサーバの必須
管理項目が実例とともに記載されている。
この講習会は3回開催され、受講率は91%であった(表4)。
表4:システム管理者向け講習会
開催日
平成21年2月9日
受講者
10名
〃
3月8日
20名
〃
3月30日
10名
合計(受講率)
61名(91%)
図6:システム管理者向けテキスト(表紙)
5.おわりに
本学における情報セキュリティ教育について述べた。
基礎講習は新規採用、異動者が対象であるが、
講習で用いたテキストには受講後でも利用できるように、本学で情報システムを利用する上で必要な
ことが記載されている。また、システム管理者向けテキストも同様に、マニュアル的なものを目指し
て作成された。これらのテキストは PC やインターネット環境の変化に合わせて適宜、改訂を行う必
要がある。現在は平成22年3月の「情報メディア教育システム」の入れ替えに伴い改訂された第2
版が使用されている。
これら講習は今後、年度替わりなど新規対象者に対して継続して行うこととなっている。平成22
年度に入り、
「基礎講習」
、
「留学生向け講習」及び「システム管理者向け講習」がそれぞれ数回開催さ
れた。
また、規程には全構成員が年に1度必須の「定期講習」が定められているが、これについては未だ
開催されていない。平成22年9月現在、ネットワークを介した講習が計画されており、コンテンツ
を作成中である。
8
ネットワークシステム導入顛末記
情報メディア教育センター
技術室 高木 稔
1
はじめに
本学では、2010 年 3 月 1 日の情報メディア教育センターの教育システム(レンタル)及び本学ネットワー
クシステム(買い取り:大学予算)の同時更新に向けて、情報メディア教育センターが更新作業を担当しま
した。
新しいネットワークシステムでは、申請を受けて単純に IP アドレスを発行していた方式を改め、次の新た
な方式を採用しました。

セキュリティ強化のため機器の MAC 認証を採用する

IP アドレスの割り当ては DHCP を利用し、固定 MAC アドレス=固定 IP アドレスとなる方式を採用
する。
実際の移行作業では、新旧システム交替に向けた業者(これまでのF社からC社に切り替わった)との調
整・打合せに加えて、全学の接続機器の再調査、新機器の不良もあり、新システムへのスムーズな移行とい
う意味では、センター準備作業の増大もあり、学内へ少なからぬ混乱や迷惑を掛ける結果となりました。
本稿は、システム移行作業のうち、ネットワークシステムの移行に絞って、その準備・経過に表れた反省
点を振り返り、なるべく今後に教訓として残そうとするものです。
なお、新システムの導入コンセプトについては、2009 年度年報「情報メディア教育システムの更新につい
て」
、新システムの詳細は、本年報「資料」をご参照下さい。
2
準備
2.1 IP アドレスグループ割り当て検討
旧システムでは基本的には学科単位にグループ(IP アドレスをマスク値で表すことが可能なネットワーク
単位)の割り当てを行ってきました。
新システムでは教員組織としての学科が改組再編(2009 年 4 月)されたこともあり、教員個人単位に割り
当てることとしました(本部系、センター系の場合は所属教員を含めて部局単位)
。
ただし、このやり方では下記の点で課題が残されました。

複数の教員で「研究室」を構成する場合、同一グループにすることが困難。
(⇒当面一教員のグル
ープで利用)

教員個人に関わらない、教員組織(領域)
・教育組織(学部課程、大学院課程)に対するグループ
も必要。
(⇒独自グループ枠確保)

旧システムで発行した具体的な IP アドレスが種々の理由で変更できない。
(⇒割り当て予定のな
い範疇で当面の IP アドレス割り当てを行う)
2.2 接続調査
はじめに触れたように新システムでは申請に MAC アドレスが必要であり、これが正しくなければ接続でき
ません。普段意識しないこともあり、この MAC アドレスを調べる方法が分からない方は、存外おります。簡
9
単な説明書も配布しますが、センター側で可能な限り旧システムのネットワーク管理装置を利用して MAC ア
ドレスを自動取得することとしました。その結果、旧システムでの IP アドレス発行数の約5割の機器の MAC
アドレスを取得し、その内容を生かした希望調査票を作成し準備しました。
2.3 経過
■1月13日、移行作業に向けた最初の案内を WebCampus(学内専用メールシステム)で配布しました。主な
内容は次の通りです。

IP アドレスの割り当ての新ルールについて

VPN 接続及び無線 LAN 接続の変更について

停止期間などのスケジュール
■1月28日、新 IP アドレスグループと調査票を印刷し学内郵便で配布しました。

利用できる IP アドレスグループの範囲

現在管理簿に登録されている接続機器と、判明している MAC アドレス

PC 等接続機器の設定方法

MAC アドレスの調べ方
■2月12日、移行作業に向けた第2弾の案内を WebCampus で配布しました。

停止期間の再通知

IP アドレスグループ割り当てについての補足
■2月18日、移行作業に向けた第3弾の案内を WebCampus で配布しました。

新システム運転開始時のトラブル対応案内
■最初の案内(1月13日)以後、移行日時が迫ってくるに従い、接続申請/問い合わせが多くなり、他の
準備もあって対応窓口である技術室では新システムに対するデータ準備が追いつかない状態になりました。
主な質問・相談は下記のような内容です。

旧 IP アドレスの継続を希望

調査票に自分の管理ではないものがあり分からない(以前は学科ごとでグループなので申請者=
機器管理者でないもが含まれている。また、変更・削除申請がないのでこちらの管理簿が実体と
食い違っているものもある)

センター事務終了時刻後は臨時や急な機器の接続に対応してもらえないので不便との苦情

MAC アドレスの調査ができない(特にプリンターなど)

MAC アドレス内容間違い/意味不明で再調査(内蔵無線 LAN、IPv6 などを申請)

Windows 利用者が MAC アドレスを MacOS 利用者のみと勘違いし、調査に回答しない。

各センター所属教員との関係調整(所属か独自は各センターにより異なる)
■2月19日午後10時、旧システム運転停止しました。
新システムのためのデータ準備は日付を超えて完成
■2月21日、システムの DHCP 装置故障発生、応急対策及び学内対応を検討しました。

各室(スイッチ装置ポート)へ VLAN を指定し MAC 認証なしで自動 IP アドレス取得できるよう準
備

翌日運転開始への対応協議
10
■2月22日午前8時、新システムの運転を開始しました。

朝一番で、事務局等職場に赴き臨時設定を要請

緊急対応に備え、学内要所に技術職員分散待機/対応

教員2名が技術室(緊急連絡先)で窓口対応
■2月23日、IP アドレス設定トラブルの回避/正常化を受け、現状のお知らせを WebCampus で配布しまし
た。
2.4 現状と新たな課題
旧システムでは、セキュリティ対策上、部屋毎の設置許可 IP アドレスを決め、機器が部屋を移動する際は
新たに申請を要しました。新システム移行後は MAC 認証の導入により基本的に機器が部屋および建屋を移動
しても特に申請が不要となりました。また、大部屋で研究室が混在するケースがありますが、以前は1つに
統一せざるを得なかったVLAN もハブを介して混在が可能になりました。
これらは利用する側にとって、
また、
管理する側にとっても大きなメリットとなっています。
しかし、新たに次の課題を抱えており、この点での改善が必要となっております。

通常は機器のネットワークケーブル取り外し(ダウン)により、スイッチ側と接続 IP アドレスを
関連付ける情報がクリアされますが、ハブを介することによりハブ自体をダウンさせなければこ
の情報はクリアされません。その結果、このような状態の機器を移動して他のスイッチに所属す
る部屋で接続しても、すぐに切り替わらないことが分かりました。その場合、コマンドによる強
制的なクリアが必要です。また、機器を移動しなくても、機器の所属 VLAN を変更した場合にも同
じ現象が発生します。

接続申請の際 MAC アドレスが必要となったため、機器が納入されて初めて分かる場合がほとんど
であり、申請と使用希望タイミングがほぼ同時である場合が増え、登録を急かされるケースも多
くなりました。
3
教訓
3.1 機器初期不良対応
稼働直前になって機器の不具合が発生することは、特に大きな方式変更を伴う場合に重大な混乱を引き起
こします。そのためには、以下の対応を原則とする必要があります。

納入側へ納入機器の事前正常確認を求めること

受入側でも極力事前正常確認を行うこと

もしもの場合の納入側対応を事前に打ち合わせておくこと
3.2 準備作業・利用者対応
移行当初機器不良の問題もあり、申請されたネットワーク機器の MAC 認証システムへの登録は、申請をセ
ンターで受けて IP アドレスを割り振り、納入業者がシステムに登録するという分担にせざるを得ませんでし
た。しかし、介在する手間と受け渡しの拙さもあり、データミスなどで接続ができないなどの問題が起きま
した。また、システム更新のため同時進行しなければならない準備作業はざっと示しても下記の通り数多く
あり、確認が疎かになった感は否めません。
11

ユーザ認証方式の変更準備とユーザ通知・対応

ネットワーク回線・機器敷設対応

教育システム端末設定・設置対応

教室設備設定・設置対応

各種サーバ設定・設置対応

ウィルス対策ソフトの全学的な入れ替え対応

VPN 方式入れ替え対応

無線 LAN システム入れ替え対応
これらに加えて寄せられる利用者からの質問等に対する電話対応しなければならず、事前にこうした点で
の準備不足を痛感しました。そうした意味で次の点を教訓としなければなりません。

ある程度予想される質問について電話で対応するため専任者を配置する(学生アルバイトなど臨
時的な雇用も検討する)

ネットワーク機器のデータ整理対応については、極力電子的自動的なデータの受け渡しができる
ツールを準備する。ツールの準備が間に合わない場合でも、前項と同様専任者の配置を行う
4
おわりに
ネットワーク機器の接続方式の変更に伴うシステム更新の経過を振り返りました。システム更新の度に、
いつも早目早目の準備に掛かろうと意識はするのですが、なんとなく忙しくしているうちに過ぎてしまうと
いうのがこれまでの正直なところです。それでは拙いということを実感させたのが今回のシステム更新であ
ったと思います。今回の教訓を今後のシステム更新に生かせるかどうかは、単純に言えることではありませ
んが、心構えだけは整理できたと思います。
最後に締めくくりとするには相応しくはありませんが、仕様書の問題で私なりの教訓を付け加えて終わり
たいと思います。はじめに述べた通り、今回のシステム更新は C 社が納入業者として決まりました。仕様書
は特定の納入業者を前提とするものではありませんが、たまたま納入業者が F 社で続いたこともあり、仕様
書の内容に正確さを欠いた表現があったことは否めません(以心伝心を期待する、納入後問題があれば別方
法で補ってくれると期待する)
。その意味では、納入業者の問題ではなく自戒を込めて次の点を教訓としなけ
ればなりません。

必要・十分な仕様書内容および表現に努力する(特にスイッチの性能は通信速度の仕様だけでは
決められない、特に数量的な見通しを条件とした内容が重要)
。

技術審査で十分な精査を行う(大丈夫だろうでは済まない。技術審査は納入機器の性能を見極め
る最後の砦)
。
12
2009 年度 業務報告
1 利用状況
1.1 登録者数
身
分
登録者数
学部生、履修登録
2,891
大学院生、研究生
577
教職員(※)
356
(※再雇用、特任教授、非常勤講師、研究員、名誉教授を除く)
1.2 実習室利用状況
【前 期】
学
科
学年
科 目 名
担当教員
刀川眞、石田純一、
受講者数
情報電子工学系学科
1年
情報メディア基礎
建築社会基盤系学科
1年
情報メディア基礎
応用理化学系学科
1年
情報メディア基礎
機械航空創造系学科
1年
情報メディア基礎
夜間主全学科
1年
情報メディア基礎
機械システム工学科
3年
機械設計製図 II
風間俊治
30
機械システム設計学特論
風間俊治
30
機械創造工学系専攻
早坂成人、石坂徹
刀川眞、石田純一、
早坂成人、石坂徹
刀川眞、石田純一、
早坂成人、石坂徹
刀川眞、石田純一、
早坂成人、石坂徹
刀川眞、石田純一、
早坂成人、石坂徹
192
112
143
155
52
機械システム工学コース
1年
機械システム工学科
4年
プレゼンテーション技法
花島直彦
25
機械システム工学科
4年
機械情報設計法
花島直彦
25
機械航空創造系学科
1年
フレッシュマンセミナー
湯浅友典
20
機械システム工学科
3年
機械システム工学実験
境昌宏
10
1年
飛行力学特論 A
溝端一秀
14
電気電子工学科
2年
プログラミング II
加野裕
50
電気電子工学科
2年
プログラミング II
電気電子工学科
3年
計算機工学 II
大鎌広
夜間主全学科
4年
数値計算法
川口秀樹
情報工学科
2年
英語 C
航空宇宙システム工学専
攻
大鎌広、加野裕、
秋山龍一
ハグリーエリックトーマ
ス
13
110
115
35
50
建設システム工学科
3年
英語コミュニケーション演習
ハグリーエリックトーマス
50
材料物性工学科
2年
英語 C
ハグリーエリックトーマス
50
応用化学科
3年
英語コミュニケーション演習
ハグリーエリックトーマス
50
大学院
1年
英語プレゼンテーション
ハグリーエリックトーマス
20
機械航空創造系学科
1年
英語 A
ハグリーエリックトーマス
30
建築社会基盤系学科
1年
英語 A
ハグリーエリックトーマス
30
情報工学科
3年
英語コミュニケーション演習
ハグリーエリックトーマス
50
研究室ゼミナール
成田幸仁
13
研究室
建設システム工学科
2年
測量学実習
吉田英樹
60
建設システム工学科
4年
構造設計演習
菅田紀之
20
建築社会基盤系専攻
1年
鋼構造学特論
小室雅人
12
応用化学科
2年
化学情報演習
藤本敏行
110
材料物性応用物理コース
3年
プレゼンテーション技法
矢野隆治
60
材料物性工学科
2年
プレゼンテーション技法
駒崎慎一
60
材料物性工学科
3年
複合材料学
岸本弘立
84
応用化学科
3年
知的財産所有権論
鈴木雍宏
100
大学院
2年
MOT 知的財産戦略
鈴木雍宏
25
情報工学科
3年
情報教育法
石川高行
10
フォト&ビデオ デジタル編集入門
早坂成人、松田悟
11
市民公開講座
3次元 CAD と3次元造型機によ
市民公開講座
るデジタルものづくり入門
サークル
サークル活動
教師のための
免許法認定講座
Excelによる事務の効率化
室蘭市立港南中学校
パソコン部パソコン実習
風間俊治、石田純一、
早坂成人、石坂徹、
5
山森英明
MPC
40
早坂成人
17
早坂成人
8
【後 期】
学
科
学年
科 目 名
担当教員
受講者数
大学院
MC1
マルチメディア特論
石田純一
10
機械システム工学科
3年
機械情報工学実験
風間俊治
15
機械システム工学科
3年
機械情報演習
風間俊治
30
夜間主機械
3年
機械システム設計学
風間俊治
20
機械航空創造系学科
1年
コース分属希望調査
14
風間俊治、齊當建一、
齋藤務、寺本孝司
160
機械システム工学科
2年
機械設計製図I
戸倉郁夫
25
機械システム工学科
3年
確立・統計
湯浅友典
130
機械システム工学科
2年
機械製図2
花島直彦
110
機械システム工学科
3年
システム制御工学
花島直彦
30
機械システム工学科
3年
航空宇宙工学実験
齋藤務、溝端一秀
15
夜間主機械
3年
機械工学実験
境昌宏
10
電気電子工学科
2年
英語コミュニケーション演習
ハグリーエリックトーマス
25
建設システム工学科
2年
英語コミュニケーション演習II
ハグリーエリックトーマス
25
全学科
3年
英語コミュニケーション演習II
ハグリーエリックトーマス
25
応用化学科
3年
英語コミュニケーション演習
ハグリーエリックトーマス
25
夜間主電気
2年
工学演習
大鎌広
12
情報電子工学専攻
1年
計算機工学特論
大鎌広
40
電気電子工学科
2年
工学演習I
大鎌広
111
電気電子工学科
3年
デジタル信号処理
加野裕
30
材料科学A演習
桑野壽
50
90
材料物性工学科
応用化学科
3年
生物工学実験
遠山忠
機械システム工学科
4年
知的所有権
鈴木雍宏
医療講習
全教職員
インフルエンザ講習
佐々木春喜
IT ワンポイントレッスン
全教職員
IT ワンポイントレッスン
全教職員
IT ワンポイントレッスン
全教職員
Web ページの更新・修正
若杉清仁
8
室蘭市立水元小学校
4年
パソコン実習(E メール)
早坂成人
43
室蘭市立水元小学校
5年
パソコン実習(名刺作り)
早坂成人
47
大学開放推進事業
光のおもしろ実験と天体望遠鏡作り
松田悟
12
サークル
プログラミング講座
MPC
30
アクセシビリティを考慮した WEB
サイト構築
EXCEL によるデータ処理のワン
ポイント
15
100
4
佐藤之紀
15
髙木稔
24
1.3 実習室使用状況
【前 期】
【後 期】
[昼間コース]
①8:45~9:30 ②9:40~10:15 ③10:25~11:10④11:10~11:55⑤12:55~13:40
⑥13:40~14:25⑦14:35~15:20⑧15:20~16:05⑨16:15~17:00⑩17:00~17:45
[夜間主コース]
①17:00~17:45②17:45~18:30③18:40~19:25④19:25~20:10⑤20:15~21:00⑥21:00~
21:45
16
2000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
17
10月 11月 12月
1月
2月
2月
1405
1月
7
1
1
36
1
881
1500
1412
1501
2月
100
13
2832
80
4
102
3
973
1月
51
11
10月 11月 12月
5112
4817
108
3
109
7
10月 11月 12月
191
37
6000
4908
9月
226
37
4000
8月
234
36
8000
6010
7月
9月
256
74
6月
2
0
8
818
1000
8月
768
37
9
14000
7月
28
16
3539
4000
208
2544
6月
2470
5月
3
1721
3000
188
175
159
8690
7182
7188
6522
4137
3253
1580
144
25
69
11
280
52
361
56
348
60
369
82
815
56
9
100
191
639
49
594
460
520
53
5000
88
51
回
5月
11552
4月
11075
0
2
4月
8703
17993
15380
12468
10219
20000
411
38
10000
355
57
0
392
1443
12000
1407
15000
352
46
123
2000
7
時
間
10000
9798
時
間
290
55
1.4 利用統計グラフ
【パソコン(Windows)使用時間】
学部生
大学院生
3月
教職員
3月
【パソコン(Windows)使用時間──夜間利用分】
学部生
大学院生
教職員
3月
【パソコン(Windows)使用回数】
学部生
大学院生
教職員
1000
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
18
10月 11月 12月
1月
2月
2月
3
4,017
1月
35
11
30
9
424
936
1000
1187
2月
416
6,302
78
23
1015
1053
1601
1月
77
0
10月 11月 12月
7,066
79
20
80
20
85
54
398
1500
376
57
35
1038
3
57
2
1
20
1
44
3
49
1
61
4
60
9
29
0
7
22
16
123
10月 11月 12月
0
2000
9月
7,764
8月
28
4
0
9月
41
0
7,060
7月
8月
34
0
6000
4,590
8000
1832
125
466
806
751
1155
1182
1215
1153
1500
61
0
6月
130
29
1791
108
7月
712
4000
5月
6月
57
0
7000
4
1000
152
30
500
7,662
4月
5月
107
181
4月
3,036
9000
8,076
2000
1777
1758
2475
3061
3500
69
0
5000
2036
3000
218
0
枚
81
14
500
129
27
2500
2160
0
6,255
人
2000
100
0
130
41
回
3516
2500
101
0
【パソコン(Windows)使用回数──夜間利用分】
学部生
大学院生
教職員
3月
【パソコン(Windows)利用者数】
学部生
大学院生
教職員
3月
【プリンタ出力枚数(モノクロ)
】
学部生
大学院生
3000
教職員
3月
150
100
50
4月
5月
6月
7月
8月
9月
19
10月 11月 12月
214.00
1月
1月
364.68
341.66
913
841
862
1,322
946
786
409
569
805
4,388
4500
2月
2月
2月
0
14
0
19
0
17
0
8
0
3
0
11
0
8
0
29
0
670
626
5000
94.48
48.61
90.63
59.35
332.69
320.01
1月
45.00
19.00
342.00
10月 11月 12月
89.80
58.22
88.01
60.18
308.32
303.52
10月 11月 12月
100.00
64.00
321.00
87.17
59.19
85.07
57.14
400
97.00
62.00
358.00
9月
385.00
284.01
273.92
262.42
9月
72.00
350
83.76
55.57
82.71
52.45
78.23
50.52
1
0
2
0
2000
12.00
155.00
400
8月
349.00
7月
8月
92.00
44.00
450
428.00
6月
7月
86.00
59.00
5月
244.00
234.60
6月
11.00
200
5月
123.00
250
75.97
46.29
227.69
1500
31.00
300
208.00
4月
77.00
51.00
050
76.17
45.51
250
M
B 200
196.00
4月
115.00
100
217
39
0
1000
33.00
150
289.55
300
76.37
43.81
350
239.00
0
94.00
500
3.00
【プリンタ出力枚数(カラー)
】
4000
3500
3000
枚 2500
学部生
大学院生
教職員
3月
【ファイル使用量】
学部生
大学院生
0
3月
教職員
000
3月
【VPN(IPSec)接続回数】
学部生
大学院生
教職員
200
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
20
10月 11月 12月
1月
1400
1214
8
9
13
15
14
13
22
25
26
28
27
5278
6047
9935
3384
1103
7110
9484
4157
27268
19037
18562
53343
55522
52172
43834
37980
57243
48871
39692
37091
37086
38334
30925
25659
25245
25184
25506
27553
21785
9123
15792
6555
2月
2月
2月
93
4
5
23
28
30
30
0
1月
10
849
1月
35
17
10月 11月 12月
910
885
865
5
16
24
10月 11月 12月
17
66
10
51
6
42
9月
975
7
15
16
17
25
9月
2
18
882
8月
45
7月
8月
1
6
7
15
788
6月
7月
117
5月
6月
32
800
5月
776
4月
873
20
17
1394
70000
63
24
時
間
5
10
7
30
29
4月
1
0
1000
985
5
21
60000
2
34
人
2
25
765
10000
150
ト 50000
ラ
フ 40000
ィ
ッ
ク 30000
数
20000
4
【VPN(IPSec)接続トラフィック数】
学部生
大学院生
教職員
3月
【VPN(IPSec)接続実利用者】
35
学部生
大学院生
教職員
0
3月
【VPN(PPTP)接続時間】
1200
学部生
600
大学院生
400
教職員
3月
1197
1122
991
1030
1156
977
859
1000
963
904
986
1200
回
1244
1400
1194
【VPN(PPTP)接続回数】
800
学部生
600
大学院生
教職員
4月
5月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
1月
2月
41
48
29
32
30
51
20
62
42
5
13
50
108
3
7
43
6月
4
5
3
0
3
10
11
13
200
53
400
3月
31
27
28
26
28
30
30
29
26
30
28
29
35
31
【VPN(PPTP)接続実利用者】
25
20
学部生
15
大学院生
教職員
6
6
6
6
6
5
3
4
3
2
2
3
3
3
1
2
3
3
3
3
5
5
5
6
10
2
人
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
21
1月
2月
3月
2 公開講座・講習会等報告
2.1 公開講座
講座名
フォト&ビデオ デジタル編集入門
コース名
フォト編集入門コース/ビデオ編集入門コース
講師
早坂成人(助教)、松田悟(技術職員)
開催日
9月1日~10日
対象
市民一般(高校生以上)
受講者数
11名(フォト:7名、ビデオ:4名)
フォト編集入門コー
ス
2.2 公開講座
講座名
3次元 CAD と3次元造型機によるデジタルもの
づくり入門
講師
風間俊治(教授)
、石田純一(准教授)
、早坂成人
(助教)
、石坂徹(助教)
、山森英明(技術職員)
開催日
8月24日~27日
対象
市民一般(高校生以上)
受講者数
5名
ビデオ編集入門コース
2.3 IT ワンポイントレッスン
講座名
効果的な WEB サイトの作り方/
アクセシビリティを考慮した WEB サイト構築
講師
佐藤之紀(技術職員)
開催日
11月25日
対象
本学教職員
受講者数
15名
IT ワンポイントレッスン
「効果的な~」
2.4 IT ワンポイントレッスン
講座名
EXCEL によるデータ処理のワンポイント
講師
髙木 稔(技術職員)
開催日
12月21日
対象
本学教職員
受講者数
24名
IT ワンポイントレッスン
「EXCEL~」
22
2.5 IT ワンポイントレッスン
講座名
Web ページの更新・修正
講師
若杉清仁(技術職員)
開催日
2月4日
対象
本学教職員
受講者数
8名
IT ワンポイントレッスン
「Web ページ~」
2.6 大学開放推進事業
講座名
光のおもしろ実験と天体望遠鏡作り
講師
松田 悟(技術職員)
開催日
10月3日
対象
小学校5年生~中学校1年生
受講者数
12名
光のおもしろ実験と
天体望遠鏡作り
2.7 地域の児童・生徒向け研修等
講習会名
パソコン実習(名刺作り)
講師
早坂成人(助教)
開催日
12月 9日
対象
水元小学校5年生
受講者数
47名
名刺作り
2.8 地域の児童・生徒向け研修等
講習会名
パソコン実習(E メール)
講師
早坂成人(助教)
開催日
12月 16日
対象
水元小学校4年生
受講者数
43名
E メール
2.9 地域の児童・生徒向け研修等
講習会名
パソコン実習
講師
早坂成人(助教)
開催日
9月 5日
対象
室蘭市立港南中学校パソコン部
受講者数
8名
港南中学校パソコン実習
23
2.10 免許法認定公開講座
講習会名
教師のためのExcelによる事務の効率化
講師
早坂成人(助教)
開催日
8月 2日
対象
教員免許状取得希望者
受講者数
17名
2.11 学内講習
講習会名
インフルエンザ講習
講師
佐々木春喜(教授)
開催日
10月 14日
対象
全教職員
受講者数
4名
公開講座「フォト&ビデオ デジタル編集入門」ポスター
24
3 行
事
~4 月 8 日
夜間開館休止
5 月 15 日
セキュリティ講習会(留学生)
5 月 27 日
セキュリティ講習会(留学生)
5 月 29 日
セキュリティ講習会(留学生)
6月9日
セキュリティ講習会(教職員)
6 月 11 日
セキュリティ講習会(教職員)
6 月 15 日
セキュリティ講習会(教職員)
6 月 24 日
セキュリティ講習会(教職員)
6 月 24 日
セキュリティ講習会(教職員)
6 月 25 日
セキュリティ講習会(教職員)
6 月 29 日
セキュリティ講習会(教職員)
8月1日
オープンキャンパス
8 月 7 日~9 月 30 日
夜間開館休止
8 月 7 日~19 日
実習室移転
8 月 14 日~17 日
閉館
9 月 1 日~10 日
公開講座「フォト&ビデオ デジタル編集入門」
9月5日
港南中学校パソコン部 PC 実習
9 月 12 日
停電のためネットワーク、情報メディア教育システム停止
9 月 21 日~23 日
ネットワーク機器移設のため一部のネットワーク停止
9 月 30 日
プロファイル削除
10 月 3 日
大学開放推進事業「光のおもしろ実験と天体望遠鏡作り」
10 月 6 日
一般教員向け PC 講習・見学
11 月 25 日
第 2 回ITワンポイントレッスン(効果的な~サイト構築)
11 月 30 日
セキュリティ講習会(教職員対象)
12 月 9 日
水元小学校5年生パソコン実習(名刺作り)
12 月 16 日
水元小学校4年生パソコン実習(E メール)
12 月 17 日
セキュリティ講習会(教職員)
12 月 21 日
第 3 回ITワンポイントレッスン「EXCEL~ワンポイント」
12 月 25 日
夜間開館休止
12 月 28 日~1 月 4 日
閉館
1 月 5 日~6 日
夜間開館休止
1 月 15 日
セキュリティ講習会(教職員)
2月4日
第 4 回ITワンポイントレッスン「Web ページの更新・修正」
2月9日
セキュリティ講習会(管理者向け)
2 月 20 日~21 日
ネットワーク含む全サービス停止(新旧のネットワーク切替え)
3月 8日
セキュリティ講習会(管理者向け)
3 月 11 日
CampusEsper&Moodle 講習会(教職員対象)
3 月 18 日
教室連携講習会(教職員対象)
3 月 30 日
セキュリティ講習会(管理者向け)
25
4 「広報」の総目次
No.145(2009 年 4 月)
日誌
1.PC が使用可能になるまでの時間を短縮する方
法について
利用実績
No.152(2009 年 11 月)
2.プロファイル削除について
アプリケーションソフトの更新について
3.セキュリティ講習会の報告
予定
日誌・予定
利用実績
利用実績
No.153(2009 年 12 月)
No.146(2009 年 5 月)
1. 年末年始の閉館および夜間開館休止につい
1.PC が使用可能になるまでの時間を短縮する方
法について(再掲)
て
2. S201/S301 実習室の利用期限および実習室
2.アプリケーションソフトの更新について
の移転について
利用実績
3.アプリケーションソフトの更新について
No.147(2009 年 6 月)
日誌・予定
セキュリティ講習会の報告
利用実績
日誌・予定
No.154(2010 年 1 月)
利用実績
1.教育システムおよびネットワークの更新に
No.148(2009 年 7 月)
ついて
1.セキュリティ講習会の報告
2.プリペイドカードの使用期限について(重
2.C 棟改修工事に伴うセンター実習室の移転に
ついて
要)
3.アカウントおよびパスワードの変更につ
3.夜間開館休止および閉館のお知らせ
いて
日誌・予定
4.システム更新スケジュール
利用実績
日誌・予定
No.149(2009 年 8 月)
利用実績
1.C 棟改修工事に伴うセンター実習室の移転に No.155(2010 年 2 月)
ついて
1.2 月 19 日をもってプロファイルやデスクト
2.夜間開館休止および閉館のお知らせ
ップ削除されます
3.夜間開館のお知らせ
2.プリペイドカードの使用期限について
日誌・予定
3.アカウントおよびパスワードの通知につ
利用実績
いて
No.150(2009 年 9 月)
日誌・予定
1.プロファイルを 9 月 30 日に初期化します
利用実績
2.計画停電とネットワーク停止について
No.156(2010 年 3 月)
3.C 棟改修工事に伴うセンター実習室の仮移転
について
1.夜間開館再開のお知らせ
2.アカウントおよびパスワードの変更につ
4.夜間開館開催のお知らせ
いて
日誌・予定
3.印刷の試用期間について
利用実績
4.プリペイドカードの残りについて
No.151(2009 年 10 月)
日誌・予定
アプリケーションソフトの更新について
利用実績
26
2009 年度 学外公表物
目次(発表順)
[1] 早坂成人 ,石坂徹 ,石田純一 ,刀川眞 ,教室間連携システムの評価と要
件の検討 , 2009PC カンファレンス , 2009-8.
[2] 若杉 清人 , スパムメール対策サーバについて報告, 第 21 回情報処理セン
ター等担当者技術研究会 , 2009-9.
[3] 石坂 徹 , 高木 稔 , 早坂 成人 ,石田 純一 , 刀川 眞 ,単科大学におけ
る情報セキュリティ維持・向上活動について , 平成 21 年度情報教育研究集
会 , 2009-11.
[4] 早坂 成人 , 石坂 徹 , 石田 純一 , 刀川 眞 , 大学入学時の情報スキル
習得認識と演習成績の分析 -表計算ソフトを題材にして-, 情報処理学
会第 72 回全国大会, 2010-3.
[5] 石坂 徹 , 高木 稔 , 早坂 成人 ,石田 純一 , 刀川 眞 , 小規模大学に
おける教職員向け情報セキュリティ教育の実践 , 大学情報システム環境研
究 13, 31-36, 2010-03
27
教室間連携システムの評価と要件の検討
室蘭工業大学 早坂成人,石坂徹,石田純一,刀川眞
{hayasaka,ishizaka,ishida,tachikaw}@mmm.muroran-it.ac.jp
1.はじめに
ムを活用し,教員 1 人で授業を実施している。さ
本学では情報教育として 1 年生に情報リテラシ
らに演習のサポートのため,それぞれの教室には
ー科目を開講しており,多人数への大規模な教育
TA を 2 名ずつ配置して演習時の対応を行っている。
を実施している。しかし,2 年生以降ではコース制
成績評価は,13 週でレポートかテストを実施し,
となるため,中規模や小規模での教育が中心とな
その採点結果を用いている。なお,課題内容の提
り,大規模な PC 教室だけで必要となる教室数を構
示,レポートの提出やテストの実施は,授業支援
成することは非効率的となる。このため,本学で
システム(LMS)を利用している。
は中規模と小規模な PC 教室を構築し,必要に応じ
3.2
評価方法
て各 PC 教室を連携して授業が行えるシステムを
主教室と副教室のそれぞれで,受講した被験者
構築している。2009 年の学部改組後は,授業の実
の成績比較を行って測定する。授業の初回に,CIEC
施単位である学科の定員が増えたため,これまで
で実施しているアンケート(北海道版)[1]を行い,
の 2 教室連携に対し,3 教室での連携で実施してい
被験者がこれまでに学習してきた内容と習得して
る。さらに 2010 年には,この教室間連携システム
いる内容について調査している。この調査結果で
を含め,PC や各種サーバを合わせた教育用コンピ
は,学習済みの内容と本科目内容とでは重複して
ュータシステムの更新を予定している。今回改め
いる部分はあるものの,習得済みと回答する被験
て教室間連携システムの有効性を評価し,また教
者の割合は,最も多いものでも「表計算ソフトの
室間連携システムとして必要となる要件をまとめ,
操作」の 32%でしかない。学習経験のある内容で
受講者増に伴う情報リテラシー教育の授業成立の
あっても,大学生活で活用が出来るだけの知識を
可能性を確認したので報告する。
習得しているとは思えない。
2.評価対象の教室
評価を厳密に行うのであれば,受講前後の知
評価対象とする PC 教室は,60 人定員の 2 教室
識・能力の伸び率を測定することが望ましい。こ
と 30 人定員の 1 教室である。この 3 教室では,単
れには事前に被験者の知識を確認するプレテスト
独で演習が実施できるほか,授業を配信する教室
などを実施し,その結果と受講後に行ったテスト
(以下,主教室)と,授業を受信する教室(以下,
やレポート結果の上昇分を比較するべきかもしれ
副教室)で,教室間連携を利用した演習が実施で
ない。しかし,先の調査で情報活用能力や PC スキ
きる。主教室でスクリーンに投影している映像と
ルが未だ十分では無いことが明らかであった。こ
スピーカから拡声されている音声が副教室へ配信
のため,単に講義受講後の成績のみを比較するだ
される仕組みとなっている。副教室数は受講者数
けで,十分に授業の効果を測定できると判断した。
に合わせ,1 教室ないし 2 教室を選択することで,
3.3
2 教室または 3 教室での連携が可能になる。
評価内容
各学生の受講教室は指定していないため,学生
3.評価概要
は授業ごとに教室を入れ替わる可能性がある。こ
3.1
のため各成績がどの教室で受講したものか判断す
対象授業の概要
この報告で評価対象とした授業は,著者らが担
るため,PC の利用ログから各学生の受講した教室
当している「情報メディア基礎」である。本科目
を採取し,テストとレポートごとに教室を抽出し
の講義は,145 分の授業を 15 回で実施し,数回を
て集計し直した成績を利用した。テストは,前回
除き授業の前半にその週の演習ポイントを説明し,
または当日の授業内容の範囲を授業の終了間際に
後半に演習を行う形態で実施している。評価に活
確認テストとして 4 回(後期に実施した 2 学科の
用した成績データは,2008 年度に受講した 1 年生
み 3 回)実施している。レポートは,1 週間かけて
5 学科の 563 名分である。各講義の受講者数は約
作成する本レポートを 4 回,授業時間内に提出す
110 名であり,2 教室を使用した教室間連携システ
るミニレポートを 8 回実施している。本レポート
28
は,他教室で受講した学生から教授を受ける可能
副教室側の成績が特に良く有意差も示された。だ
性があることや,授業時間に説明を聞いていない
がいずれの場合も副教室側の理解力が劣ることに
受講生でも復習が可能であることを考慮し,教室
はならないと考えられ,概ね教育の質の低下を招
間連携システムを利用した教授方法を適性に評価
くことなく,教室間連携での講義が行われている
できるように,授業時間に提出するミニレポート
と思われる。その理由として,1 つ目に教授中の教
のみを対象とすることにした。
員の映像を撮影し配信したことである。特に授業
4.評価結果
開始時の副教室では,教員の映像と音声が配信さ
教室ごとに集計したテストとミニレポート採点
れ出すと私語をやめる傾向があった。2 つ目に,副
結果の平均点と,教室間の点差および Wilcoxon 順
教室の全景を撮影し,主教室へ配信する仕組みで
位和検定を実施した p 値を Table 1 と Table 2 に示
ある。常時,副教室側の全景を表示しているモニ
す。各回のテストとミニレポートをそれぞれ T1~
タがあると,他教室の進行状況やトラブル発生な
T4,R1~R8 として示している。網掛けは,上回っ
どの状況を確認しながら説明を行うことができる。
ている教室側の点数を示している。
3 つ目に,全受講者の画面を素早くモニタリングす
テスト(Table 1)は,全て 100 点満点である。
る機能である。説明中に短時間で終わる操作をさ
実施した 4 回の全てで副教室側が上回っていた。
せたときには,複数の教室を巡回することなく演
特に T1 では点差が 4.8 と大きく,有意水準 1%に
習操作を確認することが可能になる。また演習中
おいて,両教室の成績に有意差が見られた。
は授業に無関係な操作の監視も行える。最後に,
ミニレポート(Table 2)は,全て 20 点満点であ
システムの要件とは異なるが,副教室側に TA を配
る。8 回のうちで,主教室側の平均点が上回った回
置することである。これにより授業時間中のトラ
数は 3 回,副教室側の平均点が上回った回数は 3
ブル発生時にも中断することなく授業を進めるこ
回,同点であったのが 2 回である。トータルの平
とができ,演習時の質疑対応にも迅速な対応が可
均点でも副教室がやや上回っていた。また R2 では
能となった。
有意水準 1%において有意な差が現れていた。
6.おわりに
5.考察
教室間連携システムは 2008 年度分の評価結果か
当初,評価の実施前は,教員が説明を行ってい
ら,2 教室での連携は有効に機能していると思われ,
る主教室側の成績が良いと予想していた。演習時
2009 年度から実施している 3 教室間連携も十分に
間中は両教室を同様に巡回していても,説明時間
機能していると考えられる。また,2010 年からは
中の副教室側は,遠隔授業を受けている雰囲気に
4 教室での連携を予定しているが,これも十分に可
あり,微妙なニュアンスなどの伝わり方に違いが
能であると判断し,教室設備の調達を開始したと
出ると考えたためである。しかし,テストとミニ
ころである。最後に一部のテストとミニレポート
レポートの両成績とも,副教室側が上回っていた。
の結果で,副教室側の成績が良く有意差も示され
また一部のテストとミニレポートの採点結果では,
たが,2009 年度の成績も同様の傾向にあるか,評
価を行ってみたいと考える。
Table 1 テスト採点結果(100点満点)
T1
T2
T3
T4
平均
主教室
77.7
65.3
43.1
70.3
64.1
参考文献
副教室
82.5
66.9
44.4
73.2
66.7
[1] 森夏節ほか,「北海道における情報教育の共通
点 差
4.8
1.6
1.3
2.9
2.6
基盤形成に向けた調査 2007」,2007PC カンフ
0.214
0.329
0.116
p値
0.005 **
ァレンス講演論文集,2007,pp.409-412.
網掛けは,上回っている教室側の点数を示す **:1%水準で有意差あり
Table 2 ミニレポート採点結果(20点満点)
R1
R2
R3
R4
R5
R6
R7
R8
平均
主教室
18.0
16.8
18.6
19.4
19.0
19.1
17.8
16.7
17.6
副教室
18.0
18.3
18.5
19.4
18.9
19.0
18.0
17.0
17.8
0.2
点 差
p値
0.0
0.863
1.5
0.000 **
0.1
0.0
0.1
0.1
0.2
0.3
0.991
0.911
0.440
0.951
0.082
0.395
網掛けは,上回っている教室側の点数を示す **:1%水準で有意差あり
29
スパムメール対策サーバについて報告
1
若杉 清仁*
1
* 室蘭工業大学技術部
1. はじめに
近年、不誠実な商法や出会い系サイト等の広告目的の電子メールが、無差別かつ大量に送信されている。それに伴い、
ネットワーク回線の混雑、メールサーバの負荷、ディスク領域の圧迫等のインフラ的負荷と受信メールの増加によるメー
ルの内容確認が煩雑化等のユーザの負荷が高くなり、スパムメールが業務にも支障をきたすようになってきた。室蘭工業
大学も例外ではなく、スパムメールが大量に送りつけられ、学内利用者からスパムメールの対策要望が高くなり、2006
年 4 月にスパム対策としてバラクーダネットワーク社製 Barracuda Spam Firewall(現 Barracuda Spam & Virus Firewall(以下
Barracuda という))を導入し運用している。今回は、導入前後のメール件数の推移や運用の諸問題点について報告する。
2. スパムメール対策サーバ導入以前の状況
スパムメール対策(以下スパム対策という)実施以前のメールの流れは、ウィルスメール対策(以下ウィルス対策とい
う)サーバを経由して学内の各メールサーバに配送する経路で、ウィルスだけを検知し除去していた。しかし、スパムメ
ールが増え、さらには短時間に大量にメールが送信されることがあってウィルス対策サーバが高負荷になりメール配送に
時間がかかることが多くなった。このため、短時間に大量のメールを送信してくる IP アドレスをファイアウォールで止
め、ウィルス対策サーバのフィルタリング機能を使用し、これまでに本学に届いたスパムメールを送信してくるメールア
ドレスやスパムメールの本文で使用されている特殊なキーワードを抜き出してフィルタを作成することによりスパム対
策を実施した。しかし、このフィルタの内容修正を行うには、日々変わる送信アドレスの情報や利用者に届いたスパムメ
ールを転送してもらわなければならず、さらに正規のメールが不通にならないよう十分注意して更新するため、1 日の作
業に 2 時間以上もかかり、毎日この作業を行うこと自体が困難となりつつあった。あわせて利用者から転送されたスパム
メールを確認するにも時間がかかりさらに困難を深めた。スパム対策サーバが導入される前の 2006 年 3 月のメール総受
信量は約 66 万通、その内ウィルス対策サーバでウィルスメールを約 2 千通検知、フィルタリング機能で約 7 万通をブロ
ックしていた。また、スパムではない正規なメールは約 14 万通(対策サーバ導入後のデータから推測)で、差し引きす
ると約 45 万通のスパムメールが通過してしまい、総メール数の 10%しかブロックしていなかった。
3. 導入したスパムメール対策サーバの紹介
スパム対策サーバは、運用・保守の容易さ及び、価格を基準に Barracuda を導入することになった。特徴としては、ス
パム対策用に特化したサービスを行う機器一体型(アプライアンス)製品で、スパム定義ファイル(ブラックリスト)での
フィルタリング、短時間での大量のメール送信をしてくる IP アドレスを排除するレートコントロール、メールの内容を
点数化しその点数によってメールをブロックするスパムスコアリング等の機能がある。最初にスパムメールを除去するた
めに、メールの流れはスパム対策サーバからウィルス対策サーバを経由し学内各メールサーバへの経路とした。
4. スパムメール対策実施後の現状
2006 年 4 月 9 日に稼働を開始し、統計情報が取れなかった 4 日間を除く 17 日間のメール受信の割合は、総受信メール
約 32 万通、スパムと認識されたメール約 23 万通、ウィルス対策サーバへ配送されたものが約 9 万通で総メール数の約
72%をブロックしていた。翌月の 5 月の状況は、総受信メール約 67 万通、スパムと認識されたメール約 52 万通、ウィル
ス対策サーバへ配送されたものが約 15 万通で総メール数の約 77%をブロックした。2009 年 3 月の状況では、総受信メー
30
ル約 176 万通、スパムと認識されたメール約 161 万通、ウィルス対策サーバへ配送されたものが約 15 万通で総メール数
の約 91%をブロックしている。これはスパムメールの検知率が上がったこともあるようだが、スパムメールが増加して
いるためだと考えられる。またその中で、ウィルスメールに着目すると、ウィルス対策サーバで Barracuda 導入前のウィ
ルスの検出が 2~4 千件あったが、2009 年 3 月から 5 月の間では 3 月に約 600 件検出したものの 4 月 90 件、5 月 30 件と減
尐した。これは、ウィルスメールとして認識する前に通常のメールとして Barracuda がメールのチェックをして、ウィル
スメールをスパムメールとして先にブロックしている結果だと推測される。また、2009 年 6 月 2 日から 7 月 17 日まで、
Barracuda 上でウィルスメール対策機能を使用したところ、
7110 件検知したがウィルス対策サーバには 1 件の検知もなく、
Barracuda のウィルスメール対策機能は十分に機能しているようである。ウィルスの検知件数が多く前文で書いている結
果にそぐわないように見えるが、6 月は世界的な時事(国際的な有名人の死)があったため、それに便乗したウィルスメ
ールが多かったと推測される。スパム対策サーバ導入後(図参照)
、総メール受信数は 2006 年 7 月の 61 万通から 2007
年 11 月の 341 万通まで大幅な増減はあるが、学内へ配送されるメールは 15 万~20 万通と増減は尐なく、総メール受信数
の増減はスパムメールの受信数に影響されていると認識できる。また、総受信数の 90%がスパムメールという結果で、
スパム対策サーバの効果が十分に現れた結果となった。2008 年 11 月にスパムメールが減尐したが、ネットの情報による
とアメリカの大手 ISP がスパムメールやマルウェアを配信していた業者からの接続を遮断したためと言われているが、図
万通
からその後をみると増加の傾向にあり、これからもスパム対策サーバは必要不可欠なサービスだと考えられる。
400
350
300
250
200
150
100
50
0
学内へ配送される メール
総受信メール
ブロックメール
図スパムメールの抑止経過
5. 運用上の問題点と今後の課題
運用上の問題点として、Barracuda はアプライアンス製品であるため機器自体の突然のダウンに対して、なす術がなく
代替機が到着するまでスパム対策が復旧しないことである。Barracuda を導入して約 3 年半経過したが、本体を 2 回交換
している。1 度目はすぐには停止状態にならなかったので事なきを得たが、2 度目は再起動をしたあとで起動できなくな
り、メールのバックアップ・調査・土日をはさんでの対応で、5 日間停止したままだった。この時には、スパム対策をあ
きらめ対策以前のメール配送の経路とした。学内利用者からは、スパムメールが沢山届くようになったと、問い合わせが
相次いだ。問題を解消するには、ホットスタンバイ方式が理想だが、Barracuda はホットスタンバイ方式には対応してお
らず、コールドスタンバイ方式を行うにはライセンスをもう一つ取得する必要があり予算的に現状では措置ができていな
い。また、Barracuda では毎時自動で独自の最新ブラックリストをダウンロードし使用しているが、このブラックリスト
が本当に正しいのか疑問もある。実際にブラックリストに載った IP アドレスを他のブラックリスト(RBL.JP)で検索した
ところ該当しないものもある。RBL.JP や他社製品のブラックリストも含めリストが正しいのかは実際に分からないが、
それを利用せざるを得ないのが現状である。このブラックリストの正当性保証がスパム対策サーバの課題であると思う。
31
単科大学における情報セキュリティ維持・向上活動について
石坂 徹, 早坂 成人,
石田 純一, 刀川 眞
室蘭工業大学 工学部附属情報メディア教育センター
{ishizaka, hayasaka, ishida, tachikaw}@mmm.muroran-it.ac.jp
概要:学内の情報セキュリティを維持するため,セキュリティポリシー策定は今や不可欠
なものである.しかしながら,ポリシー及び関連規程の策定だけでは充分ではなく,教育・
啓蒙活動を充分に行う必要がある.本稿では室蘭工業大学における活動を報告し,単科大
学における情報セキュリティ維持・向上のための方策を検討する.
キーワード: 情報セキュリティ,教職員教育
報セキュリティポリシーが策定されている
1.はじめに
大学における教育・研究活動を行うにあた
と仮定しても,十分とは言えない.2006 年
り PC,ネットワークの利用はなくてはなら
10 月,国立情報学研究所および電子情報通信
ないものとなっている.これらを安全に利用
学会は各大学における情報セキュリティポ
し,安定した運用を行うためには全学生・教
リシー策定を支援するため,「高等教育機関
職員への教育が不可欠である.多くの大学で
の情報セキュリティ対策のためのサンプル
は情報リテラシ科目が開講され,その一部ま
規程集」(以下,サンプル規程集)を公表し
たは全部の単元で情報セキュリティに関す
た[2].サンプル規程集では,仮想の A 大学と
る教育が行われていると思われる.しかしな
して,文学部と理学部からなる在学生 2000
がら,全学の情報セキュリティ維持・向上の
名の国立大学法人をモデルとしている.ここ
ためには,教員,職員を含む全ての大学構成
では,全学の情報システムの最終決定機関と
員への教育が必要である.そのための下地と
して「全学情報システム運用委員会」が設け
なる情報セキュリティポリシーの策定が多
られている.さらに部局内での決定機関とし
くの大学で行われている.本研究では,室蘭
て,各部局に「情報システム運用委員会」が
工業大学(以下,本学という)における情報
設けられている.部局としては学部,事務局,
セキュリティポリシーの策定とそれに基づ
センター等共同利用施設が相当する.
いた大学構成員への教育活動について報告
2.2 本学の構成
する.
本学でも,サンプル規程集に基づいて情報
セキュリティポリシーの策定を行い,「情報
2.情報セキュリティポリシー
システム運用基本方針」をはじめとするいく
2.1 サンプル規程集
つかの規程を定め,運用を開始した[3].本学
政府統計によると,
2007 年 5 月 1 日現在,
は工学部のみの単科大学であり,ほかに,事
情報セキュリティポリシーの確立を問題点
務局,センター等が設置されている.在学生
として挙げている大学は 25.8% となってい
は約3300人である.表1にサンプル規程集の
る[1].しかし,ほとんどの大学が学内 LAN
モデルA大学と本学の比較を示す.本学の学
およびインターネットへの接続を行ってい
部構成はA大学よりもシンプルだが,学生数
ることを勘案すると,残り 74.2%の大学で情
はA大学よりも多い.ほとんどの教員は大学
32
表1 モデル大学と本学との比較
A大学
全学情報システムの意思決定機関としては,
情報セキュリティポリシー策定以前から設
本学
学部
文学部,理学部
工学部
置されている「情報基盤委員会」にポリシー
学生数
2000名
約3300名
運用のための機能を持たせている.委員は各
部局
学部,事務局,
学科,事務局
部局の「部局セキュリティ責任者」及び情報
図書館,各セン
課・室,図書館, メディア教育センター教員である.この部局
ター等
各センター等
セキュリティ責任者は,サンプル規程集にお
決定機
全学情報システ
情報基盤委員会
ける「部局総括責任者」と「部局技術責任者」
関
ム運用委員会
管理運
情報メディアセ
(委員長はCIO) を兼ねた職務となっている.また,管理運営
部局は情報メディア教育センターと事務局
情報メディア教
営部局
ンター
育センター及び
企画・評価室の一部が合同で協議する検討機
事務局企画・評
関となっている.
価室
院工学研究科に属しており,これを単一の部
3.教育の実施
局として考えた場合にセンター規模と比較
3.1 講習テキスト
して,かなり大きな組織となってしまう.こ
まず,管理運営部局では,全学的なセキュ
れでは部局の情報システムのセキュリティ
リティ維持・向上のため,大学の全構成員へ
を維持・管理するには責任者の負担が大きく
の教育を目標とした.構成員のうち教職員に
なりすぎる.そこで,本学では部局の定義を
対しては強制力を持たせるため,規程として
教員の所属の最小単位である”領域”として,
講習の受講を定めた.規程の検討は情報基盤
責任者の負荷分散を図った.同様に,事務局
委員会によって行われ,講習会の実施が同時
においても,全体を一つの部局とせず,各
に承認された.これはサンプル規程集に記載
課・室を部局とした.
されている基礎講習と同等のものである.
講習のためのテキスト(図1)は,サンプ
図1:講習用テキスト(抜粋)
33
ル規程集をベースとして本学固有の約束事
たためか,質問,意見等が尐なかったことが
や事例を含んだものを冊子として作成した.
反省点として挙げられ,第2回目以降は,4
冊子は実際の講習時間を1時間程度と想定
0名を限度とした尐人数での開講を行い,受
して,A4 版21ページで構成した.
講も予約制とした.規程として着任後3ヶ月
3.2 教職員への教育
以内に受講することが定められているため,
基礎講習は規程の一つ「年度講習計画」に
第2回から第8回まで(第2期)で全教職員
定められている講習であり,新たに大学の情
の受講を目指したが,累積受講率は7割に満
報システムを利用することとなった者に対
たなかった.そこで,授業のない9月に第9
する講習である.この基礎講習を学長以下全
回から第12回(第3期)の開講を行った.
教職員を対象として開催した.対象となる教
職員は第 1 回目の2009年3月26日時点
で372名であった.第2回目以降は年度が
変わったことから人員の移動等が有り,対象
者は402名となっている.講習は情報メデ
ィア教育センターの教職員が担当し,9月末
までに12回開催された.表2に開催日付と
受講者数を示す.
図2:尐人数での講習
表2: 講習会開催日と参加者
開催日
受講者数
受講率
累計(%)
3.3 学生への教育
学生も大学の構成員の一部であるため,本
来は教職員同様の講習会の受講が必要であ
第1回
3/26
119
31.99
第2回
6/9
31
37.31
第3回
6/11
24
43.28
第4回
6/15
16
47.26
第5回
6/24
30
54.73
第6回
6/24
23
60.45
第7回
6/25
17
64.68
第8回
6/29
19
69.40
第9回
9/4
12
72.39
第 10 回
9/9
6
73.88
第 11 回
9/16
26
80.35
である(表3).また,2年次以上の学生に
第 12 回
9/29
8(予定)
82.34
対してもほとんどの学生が情報メディア基
る.しかしながら,同じ形態で講習を行うに
は教室,授業スケジュールの都合上不可能で
あった.そこで,情報メディア教育センター
で開講している1年次の科目「情報メディア
基礎」の受講を以て基礎講習の受講と見なし
た.この科目は2009年度の学科改組・カ
リキュラム変更により,全学科で開講される
科目となった.科目の単元としては,15週
の内3週が「情報倫理」の内容で,情報倫理
デジタルビデオ小品集3[4]を使用した講義
第1回(第1期)は年度末ということも有
礎または各学科で開講した情報リテラシ科
り,できるだけ多くの教職員に受講させるこ
目を受講しているため,これを基礎講習と見
とを目的として,多くの人員を収容できる会
なした.さらに全学生に対して,講習会で用
議室で開催した.この回では受講者が多かっ
いたテキストを配付した.留学生に対しては,
34
表3:情報メディア基礎の単元
単元名
一週目
二週目
三週目
四週目
五週目
常時勤務していない場合が多いことが考え
られる.これにより,通知が届いていない,
内容
ガイダンス
情報倫理1 - ・ 文献検索
情報の獲得
・ 著作物の引用と
利用
・ 著作物の私的使
用
・ 肖像権
など
情報倫理2 - ・ コンピュータウ
情報セキュリ
ィルス・スパイ
ティ
ウェア
・ フィッシング詐
欺
・ 架空請求
など
情報倫理3 - ・ メールのマナー
電子メールと ・ HTML メール
マナー
・ プライバシー
など
プログラミン
:
グの基礎
規程等が周知されていないなどによって受
講しないケースがある.また,非常勤の場合,
開講日,時間に来学できることは尐なく受講
できない場合が多い.さらに,受講時間内を
勤務時間と見なす必要が有り,通勤時間を含
めた勤務手当拠出の問題等が発生している.
これに対しては e-Learning コンテンツの作
成・運用による解決を検討している.
4.おわりに
室蘭工業大学における情報セキュリティ
教育の事例を紹介した.基礎講習は情報シス
テム利用者全員が受講することを目的とし
て開講されたが,未だ達成できていない.し
かしながら,非常勤職員等の受講問題を解決
することにより達成は可能であると考えて
テキストを配付するだけでなく,教職員と同
様に尐人数での講習を行った.講習は中国語, いる.
また,留学生向けに中国語版,英語版の講
韓国語,英語の各言語に対応した学生を対象
として,通訳を介して行われた.参加者は全
習用テキストの作成を検討している.さらに,
留学生100名中40名であった.但し,1
本学では情報セキュリティ管理者及びシス
年次「情報メディア基礎」受講者は対象外と
テム管理者の運用及び講習のためのマニュ
した.
アルを作成中である.これによって大学情報
3.4 全対象者受講に向けて
システムの安定した運用を期待している.
第3期基礎講習を行うにあたり,管理運営
参考文献
[1] http://www.e-stat.go.jp
った.具体的な内容としては,IP アドレスの
[2] http://www.nii.ac.jp/csi/sp/
利用停止,アカウントの利用停止である.第
[3]石坂 徹,早坂 成人,石田 純一,刀川 眞:
単科大学における情報セキュリティポリ
9回以降の開催の通知文書にこのペナルテ
シーの策定と運用 ,情報処理学会第 71
ィについての記載を行ったが,第12回まで
回全国大会,Vol.4,pp.449-450,2009
の開催においても,受講率は8割程度であり,
[4]中村 純,岡部 成玄,布施 泉,村田 育
まだ充分に受講必要性の認識が浸透してい
也,辰己 丈夫,上原 哲太郎,中西 通雄,
深田 昭三,多川 孝央,山之上 卓:情
るとは言えない.
報倫理デジタルビデオ小品集3,放送大
これには,大学構成員としては非常勤講師,
学学園,2007
外部研究員,特任教授などが含まれ,学内に
部局では規程としてペナルティの検討を行
35
大学入学時の情報スキル習得認識と演習成績の分析
-表計算ソフトを題材にして-
早坂 成人
石坂 徹
石田 純一
刀川 眞
室蘭工業大学 情報メディア教育センター

1. はじめに
績に優劣が付きやすい表計算ソフトの演習成績
初等中等教育において情報関連の内容や科目
を分析対象とした.
が組み込まれたことにより,大学における情報リ
演習は 2 週で実施しており,表計算ソフトには
テラシー教育の在り方について,多くの報告がさ
Excel を使用している.1 週目は例題に基づいて
れている[1][2].
室蘭工業大学においても高等学校
操作説明を行い,2 週目は課題の制作を行って,
の教科「情報」必修化に当たり,この受講者の入
授業時間中に完成しなければ翌週までの宿題と
学に際して,2006年からアンケートを実施して調
している.内容は数式や関数を活用して表集計を
査を開始した.当初は,科目内容の見直しだけに
行い,集計内容に応じて数種類のグラフを作成し,
焦点を当てたため,高等学校までの利用経験のみ
データの可視化を行うものである.
を調査していた.翌年からは調査項目を見直し,
単に学習してきた内容ばかりではなく,受講生が
3. アンケート内容と習得認識
現在活用できる項目についても調査を行ってい
3.1 アンケート内容
る.本研究では,表計算ソフトに焦点を絞り,大
主な調査内容は,次のとおりである.
学入学時の情報スキル習得認識と入学直後の演
①卒業高校の都道府県,学科
習成績について分析したので報告する.
②高等学校で受講した科目,学年
③PCやインターネットの利用経験
2. 分析対象と課題内容
④入学前までに学習した内容
調査対象は,著者らが担当している情報リテラ
⑤現在活用できる内容
シー科目「情報メディア基礎」の 2009 年度の受
⑥さらに大学で詳しく学びたい内容
講生で,全 1 年生の 654 名である.科目内容は情
上記⑤の調査内容の一項目が「表計算ソフトの
報倫理関連,プログラミング,オフィスソフト,
操作」についてである.
マルチメディア制作の 4 テーマである.各週では
3.2 教科「情報」の履修状況と習得認識
ミニテストかレポートのいずれかを課しており,
習得認識が高くかつ本科目の出題方法により,成
前節②の「高等学校で受講した科目」の調査結
果では,29%の学生が不明と回答していた.この
ため受験時に提出する各受講生の調査書で,実際
An Analysis of Entrant Level College Students'
Information Technology Skill Recognition and its
Affect on Post Entry Performance at College
Level.
- The Use of Spread Sheets as a Case Study Narihito Hayasaka, Tohru Ishizaka, Jun-ichi
Ishida, Makoto Tachikawa
Center for Multimedia Aided Education, Muroran
Institute of Technology
に履修してきた科目(以下,実履修科目)を全て
調査した.この結果を図1に示す.実履修科目で
は半数以上の受講生が情報Aを履修していた.
また表計算ソフトの操作についての習得認識
は,活用できると認識している学生(以下,習得
済学生)と,まだ活用できないと考えている学生
36
(以下,未習得学生)の比率は, 33%と67%であ
ストは,予習を前提に自学自習が出来るように充
った.
実した内容としている.また演習時間は受講生30
名当たり1名のTAを配置して,演習中の質疑に素
外側:アンケート結果
その他
内側:実履修科目
早く対応できる体制を整えている.
不明 3%
未履修
情報A
29%
情報C2%
情報A42%
31%
情報B 52%
未履修
その他
12%
2% 2%
情報C 情報B
18%
7%
次に学生の受講態度が考えられる.入学直後の
1年前期の科目であるため受講態度が真面目であ
り,科目の後半は遅刻,欠席者が多尐増える傾向
にあるが科目中盤の演習であったことと,実質的
に必修科目であるため受講生の学習意欲が高い
ことが考えられる.
図1
アンケート結果と実履修科目
このほかでは,出題形式の要因も考えられる.
1つの課題内に多くの設問を盛り込み,さらに多
4. 成績の比較結果
くの関数を使用して課題を完成させる内容であ
成績の比較に当たり,それぞれの受講生数が異
るため,各ステップで利用する関数等を明示して
なるため,5点刻みの人数構成比を図2に示す.平
いる.このため受講生からすると取り組みやすい
均点では習得済学生が1.5のみ上回っていたが,両
問題形式と考えることも出来る.この点について
成績の分布には大きな差は無く,同じ傾向にある
は,設問の区切り方や出題方法について今後工夫
*
と思える .さらに実履修科目ごとに習得認識別で
が必要と思われる.
成績比較を行った結果,平均点差が最大で情報A
の1.9であった.また最尐は情報Cの1.2で,実履修
6. おわりに
科目ごとによる点差も大きくは無い.
習得認識別の演習成績の分布には大きな差は
現れなかった.しかし高等学校での履修内容は各
%
30.00
25.00
20.00
15.00
10.00
5.00
0.00
校ともまちまちであること,また現在の調査方法
は,調査項目によっては学生の主観的な回答とな
習得済
る点や,記憶が曖昧で正確性に欠ける傾向が強い
点がある.今後は,学習前にプレテストや課題を
100
95
90
85
80
75
70
65
60
60未満
未習得
与えて実力を計るなどの検討を行い,客観的なデ
ータも活用した分析が必要と思われる.
図2
習得認識別成績の分布
参考文献
[1] 田中 規久雄,高等学校教科「情報」に対応す
5. 考察
成績に差が出なかった要因について考察する.
る大学情報リテラシー科目内容の検討,信学技
報, ET,Vol.106,No.249,pp23-28,2006.
第一に学習環境である.講義で利用しているテキ
[2] 中山 幹夫,高校教科「情報」の効果と情報教
育 -情報教育の黎明期から発展期へ-,コンピ
*
Wilcoxon 順位和検定を実施してみたところ有意
確率 p=0.035 となり,有意水準 5%において平均点
に有意差が見られた.しかしクラスごとに再検定し
たところ 6 クラス中の 5 クラスで有意差が無かった
ため,この結果を分析には使用しないことにした.
ュータ&エデュケーション,Vol.24,pp83-89,
2008.
37
小規模大学における教職員向け情報セキュリティ教育の実践
Practice of Information Security Education for All Employees in
Small-Scale University
石坂
徹*,
髙木 稔*,
早坂
成人*, 石田
純一*,
刀川
眞*
Tohru ISHIZAKA, Minoru TAKAGI, Narihito HAYASAKA, Jun-ichi ISHIDA,
and Makoto TACHIKAWA
室蘭工業大学*
Muroran Institute of Technology
学内の情報セキュリティを維持するため,セキュリティポリシー策定は今や不可欠なも
のである.しかしながら,ポリシー及び関連規程の策定だけでは充分ではなく,教育・
啓蒙活動を併せて行う必要がある.本稿では室蘭工業大学におけるセキュリティポリシ
ーの策定及びそれに基づいた教育活動を報告し,小規模大学における情報セキュリティ
維持・向上のための方策を検討する.
キーワード: 情報セキュリティ,教職員教育
Recently, security policy is indispensable in order to keep information security in
university. However, it is necessary not only to set a security policy and related rules
but also to educate for all users. In this paper, we report establishment of a security
policy and practice education for employees in Muroran Institute of Technology.
Furthermore, we examine about keep and improvement of information security in
small-scale university.
Keywords: Information security, Education for Employee
している」の合計は,全業種の比率が 71%な
1.はじめに
大学における教育・研究活動やその他の業
のに対して,国立,私立大学(短大含む)の
務を行うにあたり PC,ネットワークの利用
業種「教育」では 44%にとどまっている.ま
はなくてはならないものとなっている.情報
た,設問「情報セキュリティ教育の実施状況」
セキュリティポリシーは,これらを安全に利
の「実施している」,
「計画している」の合計
用し安定した運用を行うための考え方,基準
は,全業種の比率 49%に対して,業種「教育」
等をまとめたものである.警察庁により 2009
では 31%と低い水準となっている.さらに,
年 1 月 5 日から 1 月 21 日に調査された「不
設問「情報セキュリティ教育の対象者」では,
正アクセス行為対策等の実態調査」 (1)による
一般の正社員への教育は全業種 65%に対し,
と,設問「情報セキュリティポリシーの策定
業種「教育」では 46%となっている.学生・
状況」で「策定してある」及び「策定を計画
生徒へ教育を行っている比率も 46%である
が,多くの大学では情報リテラシ科目が開講
され,その一部または全部の単元で情報セキ
* 情報メディア教育センター
ュリティに関する教育が行われていると思わ
〒050-8585 北海道室蘭市水元町 27-1
れる.しかしながら,全学の情報セキュリテ
Center for Multimedia Aided Education
ィ維持・向上のためには,教員,職員を含む
27-1, Mizumoto-cho, Muroran, Hokkaido,
全ての大学構成員への教育が必要である.本
050-8585 Japan
38
稿では,室蘭工業大学(以下,本学)におけ
そこで,情報基盤委員会の下,サンプル規程
る情報セキュリティポリシーの策定とそれに
集に基づいて情報セキュリティポリシーの策
基づいた教職員への教育活動について報告す
定を行い,
「情報システム運用基本方針」をは
る.
じめとするいくつかの規程を定め,運用を開
始した(4).この規程等の草案は情報メディア
2.情報セキュリティポリシーの策
定
教育センター(以下,本センター)によって
検討された.
2.1 サンプル規程集
草案の作成にあたり,まず,本センターの
国立情報学研究所および電子情報通信学会
教職員によりサンプル規程集を精査し,本学
は各大学における情報セキュリティポリシー
の実情に合わせた体系に修正していく作業が
策定を支援するため,
「高等教育機関の情報セ
進められた.サンプル規程集は解説を含み約
キュリティ対策のためのサンプル規程集」
(以
600ページと膨大で,この作業過程で,
「すべ
下,サンプル規程集)を 2007 年 10 月に公表
て規程・基準等を策定できるか」,「責任者等
した(2).これは 2005 年に内閣官房情報セキ
の対象者はすべての規定を把握できるか」と
ュリティセンターにより制定された「政府機
いう懸念が生じた.そこで,情報セキュリテ
関の情報セキュリティ対策のための統一基準」
ィポリシー策定の目標を「実効的な規程集を
(3)に基づいて,大学向けに編纂されたもので
策定する」こととして,セキュリティ維持の
ある.
ための組織を見直しコンパクト化した.
サンプル規程集では,
仮想の A 大学として,
表2にサンプル規程集のモデルA大学と本
文学部と理学部からなる在学生 2000 名の国
学の比較を示す.本学は工学部のみの単科大
立大学法人をモデルとしている.ここでは,
学であり,ほかに,事務局,センター等が設
全学の情報システムの最終決定機関として
置されている.在学生は約3300人である.本
「全学情報システム運用委員会」が設けられ
学の学部構成はA大学よりもシンプルだが,
ている.部局としては学部,事務局,センタ
学生数はA大学よりも多い.
ー等共同利用施設が相当する.さらに部局内
ほとんどの教員は大学院工学研究科に属し
での決定機関として,各部局に「情報システ
ており,これを単一の部局として考えた場合
ム運用委員会」が設けられている.
にセンター等と比較して,かなり大きな組織
表2 モデル大学と本学との比較
2.2 本学の構成
A大学
本学では,情報セキュリティポリシー施行
本学
以前の2006年に情報化総括責任者(CIO)及び
学部
学生数
文学部,理学部
2000名
工学部
約3300名
決定機関である情報基盤委員会が設置されて
部局
全学決定
機関
学部,事務局,
図書館,各セン
ター等
全学情報システ
ム運用委員会
領域,事務局課・
室,図書館,各セ
ンター等
情報基盤委員会
管理運営
部局
情報メディアセ
ンター
部局セキ
ュリティ
管理者
部局決定
機関
部局総括責任者
部局技術責任者
部局技術担当者
部局セキュリ
ティ委員会
本センター及び
事務局企画・評価
室
部局セキュリ
ティ責任者,
部局技術担当者
なし(領域会議)
いる.表1に情報基盤委員会の構成を示す.
表1 情報基盤委員会の構成
委員長
1名
領域†長
4名
センター長等
8名
††
本センター
事務局
専任教員
3名
3名
†:学科を横断して教員の専門性により
所属する組織
††:情報メディア教育センター
39
となってしまう.これでは部局の情報システ
うことを第一のゴールとした.このとき,ゴ
ムのセキュリティを維持・管理する責任者の
ールへ到達するためのアクションとして,図
負担が大きくなりすぎると考えられる.そこ
1のような流れが考えられた.まず,講習を
で,部局の定義をもう一つ下の単位である“領
効果的に行うためには講習用テキストは必要
域“とすることにより,構成員の人数を減らし,
不可欠である.また,全員への講習を行うた
責任者の負荷分散を図った.同様に,事務局
めには,十分な受講機会を設ける必要があり,
においても,全体を一つの部局とせず,各課・
これには講師手配,教室確保など事務局企
室を部局とした.また,管理運営部局は本セ
画・評価室と本センターが連携した管理運営
ンターと事務局企画・評価室が合同で協議す
部局としての活動がスムーズに行われる必要
る検討機関とした.
がある.さらに,受講を徹底するため,未受
部局セキュリティ責任者は各領域長,セン
講者へのペナルティも必要である.
ター長,課長等が兼務する.本学では,サン
講習時間は,各職員の職務への影響,理解
プル規程集における「部局技術責任者」を設
度等を考慮して1時間程度とした.
けていないが,これは組織内における体制の
複雑化を避けるためである.部局セキュリテ
ィ責任者は,
「部局総括責任者」と「部局技術
責任者」を兼ねた職務とした.ただし,部局
技術責任者の職務をすべて部局セキュリティ
責任者だけで行うには負荷が大きいため,本
学では技術担当者の職務を部局セキュリティ
責任者の職務の分掌という形で規定した.
この組織形態に基づき,本学のセキュリテ
ィポリシーとして「情報セキュリティポリシ
図1 講習目的達成のためのアクションフロー
ー」
,
「情報システム運用基本方針」及び「情
報システム運用及び管理規程」を定め施行し
た.
3.2
講習用テキストの作成
本規程としては,講習の具体的な内容を定
3.教育の実施計画
めていない.我々はサンプル規程集にある
3.1 講習計画
「A3301 一般利用者向けテキスト」をベース
「情報システム運用及び管理規程」におい
として,さらに本学に固有の制約,事例等を
て,職務に応じた講習の受講を定めている.
含んだ冊子を作成した.内容としては,情報
その中の「基礎講習」は,新たに大学の情報
機器やセキュリティに対する知識を与えるこ
システムを利用することとなった者に対する
とよりも,本学の情報セキュリティ維持のた
講習である.この節では基礎講習を中心とし
めに受講者自身が「行うべきこと」または「行
て,計画,テキスト作成及び講習の実施につ
ってはならないこと」を理解させることを主
いて述べる.
眼とした.さらに必要に応じて図解等を用い
基礎講習の対象者は,学長以下全教職員で
て理解のしやすさに努めた.図2にテキスト
ある.この講習を計画するにあたり,
「全員が
の抜粋を示す.冊子は実際の講習時間1時間
情報セキュリティに対する意識を持つ」とい
を考慮して,A4 版21ページで構成した.
40
3.3 基礎講習の実施
図2 講習用テキスト(抜粋)
アプリケーションソフトのアップデートの方
基礎講習は前述の通り全教職員を対象とし
法など,時事的,
具体的な情報提供が行われ,
て開催した.対象となる教職員は第 1 回目の
また,質疑応答が活発に行われた.
2009 年 3 月 26 日時点で 372 名であった.第
2回目以降は年度が変わったことから人員の
移動等が有り,
対象者は 402 名となっている.
講習は本センターの専任教員及び技術職員が
分担し,9 月末までに 12 回開催した.図3に
開催回毎の受講者数と累積受講率を示す.累
積受講率は,その回までの累積受講者数÷全
対象者数×100(%)である.
第1期(第1回)は年度末ということも有
図4 尐人数での講習
り,できるだけ多くの教職員に受講させるこ
とを目的として,多くの人員を収容できる会
3.4
議室で開催した.この回では受講者が多かっ
本規程では着任後三ヶ月以内に受講するこ
たためか,質問,意見等が尐なかったことが
とが定めているため,6 月に第2期(第2回
反省点として挙げられ,第2回目以降は,40
から第8回)として開催し全教職員の受講を
名を限度とした尐人数での開講(図4)を行
目指したが,累積受講率は7割に満たなかっ
い,受講も予約制とした.講習は講習用テキ
た.そこで,授業のない 9 月に第3期(第9
ストの内容だけでなく,学内へ配達されるウ
回から第12回)の開講を行った.
ィルスメールの状況(スパム対策サーバの紹
第3期基礎講習を行うにあたり,管理運営
介など)
や現在流行しているウィルスの情報,
人
第1期
受講者数(人)
部局では未受講者に対するペナルティの検討
を行った.具体的な内容としては,利用者の
%
申請に基づいて発行している IP アドレスの
第2期
第3期
累積受講率(%)
150
100
50
0
全対象者受講に向けて
利用停止,メール等のアカウントの利用停止
100
50
0
である.第9回以降の開催の通知文書にこの
ペナルティ付与の可能性についての記載を行
ったが,第12回までの開催においても,累
積受講率は 90%を超えず,未だ全対象者受講
図3 受講者数と累積受講率
に至っていない.その後,ペナルティの付与
41
は情報基盤委員会で承認されたため,今後開
検出報告数
催される講習を受講しない者に対して行使す
検出クライアント数
3/26 第1回
る予定である.
基礎講習開催
400
200
0
さらに,大学構成員としては非常勤講師,
外部研究員,特任教授などが含まれ,学内に
常時勤務していない教職員への対応を行う必
要がある.非常勤の場合,開講日,時間に来
学できることは尐なく受講できない場合が多
図5 ウィルス検出報告
い.さらに,受講時間内を勤務時間と見なす
のような報告数の突出した部分が出現してお
必要が有り,通勤時間を含めた勤務手当拠出
らず,ウィルスに対して適切に対処している
の問題等が発生している.これに対しては
と推測される.
WBT(Web Based Training)コンテンツの作
また,図6は利用者に起因したセキュリテ
成・運用による解決を検討し,準備を行って
ィインシデントの年毎の集計結果である.本
いる.
学では 2001 年 9 月にファイアウォールを導
入し,サーバの設置を申請制とした.それ以
4.効果の検証
来サーバについてのインシデントは尐なくな
本学ではクライアントサーバ型のウィルス
った.なお,2008 年に発生しているインシデ
対策ソフトウェアを導入し,全学にクライア
ントは BOT 型ウィルス感染であり,能動的
ントを配布している.サーバは複数台で構成
なインシデントではない.2009 年にはこれら
され,分散してクライアントを管理している.
のインシデントは発生していない.
その中のデータ把握が可能な1台のウィルス
図5,6に示した二つの集計結果では,利
検出報告結果を図5に示す.検出報告数は実
用者に対する講習会を行った以後は,明らか
際のクライアントからの報告数である.また,
にウィルス感染,インシデントともに発生は
検出クライアント数は検出報告の中で同一
尐なくなっている.これらの結果から,講習
PC,同一ウィルス名の重複を除いた数値であ
によって利用者の情報セキュリティに対する
る.検出報告数は感染を表すものではなく,
意識が向上し,一定の効果があったと考える.
単純にクライアントによる“検知”
数である.
例えば,USB メモリにウィルスを含んだファ
20
イルが保存されていて,それを PC に挿入し
15
た場合,リアルタイム検出により“検知”され
10
サーバに報告される.このとき,直ちに USB
対外(一般利用
者起因)
セキュリティ
ポリシー策定
及び 基礎
講習会開催
5
メモリを抜く,駆除作業を行うなど適切な処
0
置を行えば,それ以上の報告は行われない.
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09
逆に他のファイルやレジストリなどへの“感
図6 対外インシデント
染”した場合,その分だけ報告数が増えるこ
とになる.図5では 2008/11 と 2009/3 に大
5.おわりに
量の検出報告がなされている.これは,PC
にウィルスが侵入し,適切な対処を行わず感
サンプル規程集に基づき,本学の規模にあ
染した状態のまま使用し続けたことにより,
わせてコンパクト化した情報セキュリティ維
PC の動作中,頻繁にサーバへの報告を行っ
持組織を構成し,より実効的なポリシーおよ
たためである.第1回基礎講習開催以降はこ
び規程を策定した.これにより,教職員への
42
情報セキュリティ教育を部局に任せず,管理
理 学 会 第 71 回 全 国 大 会 , Vol.4 ,
運営組織により全学規模の講習を行うことが
pp.449-450,2009
できるようになった.しかしながら,基礎講
習は情報システム利用者全員が受講すること
を目的として開講されたが,未だ達成できて
いない.これに対してはペナルティ付与によ
著者略歴
る強制及び非常勤職員等の受講問題を解決す
ることにより達成は可能であると考えている.
石坂 徹 1997 年室蘭
1節で述べたように全学的なセキュリティ
工業大学大学院工学研
維持向上のためには全構成員に対する教育が
究科博士後期課程単位
不可欠であるが,これには学生も含まれるの
取得退学.同年同大学
が当然と考えられる.本学では学生に対する
情報メディア教育セン
教育は1年次に開講される情報リテラシ科目
ター助手.2007 年同大
で扱っており,教職員への基礎講習と同等と
学情報メディア教育セ
考えられる上,講習用テキストを全学生に配
ンター助教.教育支援システムに関する研究
布している.
また,
留学生向けには中国語版,
に従事.情報処理学会等に所属.
英語版の講習用テキストの作成を検討してい
髙木 稔 1974 年北海道函館東高校卒業.
る.さらに,本学では情報セキュリティ管理
同年室蘭工業大学情報処理教育センター技官.
者及びシステム管理者の運用及び講習のため
1997 年同大学情報メディア教育センター技
のマニュアルを作成中である.特にインシデ
官.2004 年同大学情報メディア教育センター
ントの直接原因となりやすい,サーバのシス
技術職員.
テム管理者向けの講習は,早急な開催が必要
早坂
1985 年室蘭工業大学情報処
成人
であると考えられ,現在開催に向けて準備が
理教育センター技官.1992 年同大学第二部電
進められている.これによって大学情報シス
気工学科卒業. 2004 年同大学情報メディア
テムのさらなる安定した運用が期待できる.
教育センター助手.2007 年同大学情報メディ
ア教育センター助教.情報処理学会等に所属.
参考文献
石田
(1) 警察庁:不正アクセス行為対策等の実態
1973 年室蘭工業大学大学院
純一
工学研究科修士課程終了.1974 年同大学情報
調査:
処理教育センター助手.1997 年同大学情報メ
http://www.npa.go.jp/cyber/research/h2
ディア教育センター助手.2003 年同大学情報
0/H20countermeasures.pdf (2009/11)
メディア教育センター助教授.2007 年同大学
(2) 国立大学法人等における情報セキュリテ
情報メディア教育センター准教授.情報処理
ィポリシー策定について:
学会等に所属.
http://www.nii.ac.jp/csi/sp/ (2009/11)
刀川
(3) 政府機関の情報セキュリティ対策のため
眞
1974 年上智大学理工学部電気
電子工学科卒業.同年日本電信電話公社入社.
の統一基準:
2002 年東京工業大学社会理工学研究科博士
http://www.nisc.go.jp/active/general/kij
後期課程終了.2006 年室蘭工業大学情報メデ
un01.html
ィア教育センター教授.2007 年 4 月から情
(4) 石坂 徹,髙木 稔,早坂 成人,石田 純
報メディア教育センター長,博士(工学).情
一,刀川 眞:単科大学における情報セキ
報処理学会,日本社会情報学会等に所属.文
ュリティポリシーの策定と運用 ,情報処
部科学省科学技術政策研究所客員研究官.
43
資
料
1 センターの沿革
1966年 4月
室蘭工業大学電子計算機室発足
初代室長に吉田正夫教授選出(1970年4月まで2期4年間)
研究用電子計算機システムFACOM231設置
1970年 4月
室長に北村正一教授選出(1979年3月まで2期4年間)
1972年 4月
電子計算機室にデータステーション併設
データステーション・システム HITAC-10設置
1972年 7月
情報処理教育センター設置のための調査会発足
1972年12月
情報処理教育センター設置準備委員会発足
1973年 4月
室蘭工業大学工学部附属情報処理教育センター設置(4月12日)
1973年 7月
教育用電子計算機システムにMELCOM 9100/30F導入決定
1974年 3月
情報処理教育センター規則等制定(業務室と教育室の2室制、電子計算機室廃止)
初代センター長に北村正一教授選出(1980年4月まで3期6年間)
1974年10月
情報処理教育センターの建物完成活動開始(10月8日)
1975年10月
研究用電子計算機システムをFACOM230-28に更新
1978年10月
教育用電子計算機システムをMELCOM COSMO700Ⅱに更新
1979年 3月
運営方法の変更(業務室、教育室、端末室の3室制)
1980年 5月
センター長に奥田教海教授選出(1984年4月まで2期4年間)
1982年10月
教育用電子計算機システムをFACOM M-170Fに更新
1982年12月
研究用電子計算機システムをFACOM M-170Fに更新
1984年 5月
センター長に松岡健一教授選出(1988年4月まで2期4年間)
1985年 4月
運営方法の変更(室制度を廃止し、センター専任教職員のみによる運営)
1986年 4月
教育用電子計算機システムの一部機器を入れかえ
1988年 3月
教育用電子計算機システムをFACOM M-380に更新
1988年 5月
センター長に大築和夫教授選出(1990年4月まで1期2年間)
1989年 8月
教育用電子計算機システムの一部機器を入れかえ
1990年 4月
端末の一部入れかえによる増強
1990年 5月
センター長に松岡健一教授選出(1992年4月まで1期2年間)
1991年 9月
教育用電子計算機システムの一部機器を入れかえ
1992年 5月
センター長に松田敏彦教授選出(1996年4月まで2期4年)
1994年 4月
情報ネットワークシステム運用開始
1995年 3月
教育用電子計算機システムをM-780、S-4/20に更新
1996年 5月
センター長に杉岡一郎教授選出
1997年 2月
情報メディア教育センター設置準備委員会発足
1997年 3月
情報メディア教育センター規則等制定(システム運用管理室、教育・研究開発室、広報
室及びネットワーク管理室の4室制)
44
1997年 4月
室蘭工業大学工学部附属情報メディア教育センター設置(4月1日)
教育用電子計算機システムを情報メディア教育センターに移管
初代センター長に杉岡一郎教授選出
1998年 2月
情報メディア教育システム(AP3000等のサーバ群、マルチメディア端末、マルチメディ
ア教育支援システム等)に更新
2001年 9月
2002年 2月
新学内ネットワーク運用開始
情報メディア教育システム(PrimePower等のサーバ群、マルチメディア端末、マルチ
メディア教育支援システム等)を更新
2003年 4月
センター長に三品博達教授選出(2004年3月まで)
2003年 7月
情報メディア教育センター規則改定(データベース管理室新設により5室制)
2004年 4月
センター長に田頭孝介教授
2005年 4月
情報メディア教育センター規則改定(データベース管理室外れて4室制)
2006年 3月
情報メディア教育システム(PRIMERGY等のサーバ群、PC、マルチメディア教育支援
システム等)を更新
2007年 4月
センター長に刀川眞教授
2007年 8月~
2008年 2月 センターの建物改修工事のため仮移転
2010 年 3 月
情報メディア教育システムおよび学内ネットワークシステムを全更新
情報メディア教育センター棟(J棟)
平成 22 年 5 月 19 日 11 時 50 分 撮影
(KDDI-CA CA004)
45
2 センター紹介
室蘭工業大学工学部附属情報メディア教育センター(以後「センター」と記します。)は、1973 年に全
国の国立大学で初めて設置された情報処理教育センターを改組して、1997 年 4 月 1 日に全国の国立大学で
初めて設置されました。
センターの目的は、マルチメディア技術を積極的に利用し、情報基礎教育、情報処理入門教育、情報処
理専門教育等の実施及び工学専門教育、副専門教育等をマルチメディア化して創造性豊かな技術者及び研
究者を育成することです。さらに公開講座等の実施や地域に有益な情報の提供を行い地域社会の情報化に
貢献します。
主機室には、情報メディア教育システムと学内
ネットワークシステムのサーバやネットワーク接
続機器が設置されています。
主機室
第1端末室(J101)には、PC が 48 台設置されており、自
学自習等で自由に利用することができます。
第 2 端末室(J205)には、PC が 36 台(教員用除く)設置
され、自学自習等で利用する他に授業を行うこともできま
す。C 棟実習室との合併授業も可能です。
第一端末室)
図書館には、PC が情報作成室(I204)に 18 台、パソコン
コーナーに 24 台が設置されています。
開館時間内であれば、
自由に利用することができます。
図書館パソコンコーナー
マルチメディア開発室1(J202)には、ビデオ編集に特化した端末が 6 台設置されています。また媒体変
換用の機器、アナウンスブースも設置しています。
46
教育・研究1号館 C 棟に設置された実習室(C306/C307/C309/C310)には、学生用 PC が合計で 188
台設置されており、教室連携機能により例えば C310 実習室(学生用PC62 台)を主教室にして、C309 実
習室(同 62 台)や C307 実習室(同 32 台)などとの合併授業を行うことができるほか、第 2 端末室(J205・
36 台)も含めた合併授業が可能である。合併授業での最大 PC 利用可能台数は、224 台です。
C310 実習室
C309 実習室
J205 実習室
また 17 時以降は教育・研究1号館 C 棟実習室で夜間開館を行っています。
入出力室(J102)と教育・研究1号館 C 棟 C308 出力室、図書館パソコンコーナーにネットワークプリン
ターが設置されています。印刷するには、学生証が必要です。その際、事前に大学生協で電子マネーとし
て学生証に入金していなければ、印刷させることができません。
学内にはネットワークが敷設されており、研究室等の各部屋にイーサネットケーブルが引き込まれてい
ます。
無線 LAN のアクセスポイントが全講義室を含む 80 箇所に設置されていますので、食堂や休憩所などの
学生が集まる場所では、ノートパソコン等のモバイル端末を学内ネットワークに接続することができます。
学外からは、VPN 接続により学内ネットワークに接続することができます。なお Web メールにより学
外のどこからでも E メールの送受信ができます。
学内からインターネットへは、SINET(学術情報ネットワーク)を介して接続されますが、この SINET
ノードと本学の SINET ルータは専用回線(NTT ビジネスイーサ 100Mbps)で接続されています。
47
3 情報メディア教育システム/学内ネットワーク構成図
DELL OptiPlex 760
48
4 情報メディア教育システム概要
4.1 PC
4.1.1 DELL OptiPlex 760(Microsoft Windows7 Professional、Ubuntu 9(VMware))
(1)設置場所:第一/第二端末室、実習室、図書館、ものづくり基盤センター
(2)ハードウェア
CPU
主記憶容量
ハードディスク
CD/DVD 装置
その他
Core2 Quad Q9650
3GB
約 500GB
コンボドライブ(CD-ROM、DVD-ROM&CD-R/RW)
21.5 インチワイド液晶ディスプレイ、5ボタンレーザー方式マウス、ヘッドセッ
ト、USB カメラ
(3)ソフトウェア
Windows7
Professional
Ubuntu9
Microsoft Office Professional 2007、OpenOffice(以上オフィスソフト)
、
Internet Explorer(ブラウザ)
、
Adobe Flash Player(Flash 再生)
、
Cortna 3D Viewer
(VRML)
、 Thunderbird(メーラ)
、ホームページビルダー14(Web ページ編集)
、
FileZilla(ファイル転送)
、TeraTerm(仮想端末)
、Skype(インターネット電話)
、
Visual Studio 2008 Professional Edition(プログラム開発環境)、Intel Visual
Fortran Compiler 11、 Renesas H8SX,H8S,H8 ファミリ用 C/C++コンパイラパッ
ケージ(マイコンプログラム開発)
、 Eclipse Classic、Microchip MPLAB IDE、
Quartus II Web Edition (以上統合開発環境)
、gnuplot(グラフツール)
、Scilab
(数値計算)
、JavaJDK(Java 開発用キット)
、 Abaqus Student Edition(有限要
素 法 )、 Adobe Photoshop CS4 Extended 、 GIMP( 以 上 画 像 編 集 ) 、 Adobe
Illustrator(ベクトルグラフィック)、 CutePDF Writer(PDF 作成)、AutoCAD
2010(3D CAD)、Jw_cad(2D CAD)、Shade 11 Professional(CG)、SONAR 8 Studio
Edtion(DTM)、Audacity(サウンド編集)、Lame、Adobe Premiere Pro CS4(ビデオ
編集)、 Symyx Draw(化学構造式描画)、Multisim/Ultiboard、BSch3V(以上回路図)、
EmEditor Free、Real Player、Windows Media Player、Microsoft Expression
Encoder、QuickTime Player、Lhaplus(圧縮・展開)、VMware Player(仮想マシン)、
H8Write、PicoScope Education、LEGO MINDSTORM Edu NXT
Firefox(ブラウザ)、Adobe Flash Player(Flash 再生)、OpenOffice(オフィス)、emacs、
gedit、ImageMagick(画像表示・処理)、gnome-terminal、libgtk
※一部のソフトは契約ライセンスの関係で同時利用数に制限があります。
4.1.2 ビデオ編集用 PC (DELL OptiPlex 760)
(1)設置場所:マルチメディア開発室1
(2)ハードウェア
CPU
主記憶容量
ハードディスク
CD/DVD 装置
その他
Core2 Quad Q9650
3GB
約 500GB
ブルーレイ DVD マルチドライブ
17inch カラー液晶ディスプレイ、JIS キーボード、光学式 USB マウス、マイク
付きヘッドセット、CCD カメラ
(3)ソフトウェア
Windows 7
Professional
4.1.1と同じで下記のソフトが追加
Adobe Premier (ビデオ編集)、SONIC Record now!
49
4.1.3 媒体変換用 PC (DELL OptiPlex 760)
(1)設置場所:入出力室、C308 出力室
(2)ハードウェア
CPU
主記憶容量
ハードディスク
CD/DVD 装置
スキャナ
その他
Core2 Duo E8500
1GB
約 500GB
コンボドライブ(CD-ROM、DVD-ROM&CD-R/RW、ブルーレイ)
A4 版スキャナ
21.5 インチワイド液晶ディスプレイ、5ボタンレーザー方式マウス、ヘッドセッ
ト
(3)ソフトウェア
Windows 7
Professional
Internet Explorer(ブラウザ)
、WinDVD(DVD 閲覧)
、DVD MovieWriter 7 BD
Version(DVD 記録)、Nero Express Essentials(マルチメディア統合)、InCD
Essentials(ライティングソフト)
、EPSON Scan(スキャンソフト)、EPSON Event
Manager(スキャナーユーティリティー)
、EPSON Copy Utility(同)
、読ん de!!
ココ パーソナル Ver.4(OCR)
、ArcSoft MediaImpression(メディアファイル管理)
、
Adobe Flash Player(Flash 再生)、Windows Media Player、Adobe Reader、
VirusScan Enterprise(ウィルス対策)
4.1.4 Web 閲覧用 PC (DELL OptiPlex 360)
(1)設置場所:学生支援センター、キャリアサポートセンター
(2)ハードウェア
CPU
主記憶容量
ハードディスク
CD/DVD 装置
その他
Celeron 450
1GB
約 160GB
コンボドライブ(CD-ROM、DVD-ROM&CD-R/RW)
19 インチワイド液晶ディスプレイ、5ボタンレーザー方式マウス、ヘッドセット
(3)ソフトウェア
Windows 7
Professional
Internet Explorer(ブラウザ)、WinDVD(DVD 閲覧)
、DVD MovieWriter 7 BD
Version(DVD 記録)
、Nero Express Essentials(マルチメディア統合)
、InCD
Essentials(ライティングソフト)
、EPSON Scan(スキャンソフト)、EPSON Event
Manager(スキャナーユーティリティー)
、EPSON Copy Utility(同)
、読ん de!!
ココ パーソナル Ver.4(OCR)
、ArcSoft MediaImpression(メディアファイル管
理)
、Adobe Flash Player(Flash 再生)
、Windows Media Player、
Adobe Reader 、VirusScan Enterprise(ウィルス対策)
4.2 サーバ
(1)ブレードシステム(HP BladeSystem c7000)
1.端末統合管理サーバ
OS
ハードディスク容量
Windows Server 2003
250GB
2.統合認証サーバ
OS
ハードディスク容量
RedHat Enterprise Linux(LDAP サーバ)
Windows 2008 Server(LDAP Manager サーバ)
50GB
50
3.ActiveDirectory サーバ(x2)
OS
ハードディスク容量
Windows Server 2008
50GB
4.公式サイト用WWWサーバ
OS
ハードディスク容量
RedHat Enterprise Linux
50GB
5.公式サイト用リバース Proxy サーバ
OS
ハードディスク容量
RedHat Enterprise Linux
50GB
6.一般利用者用WWWサーバ(x2)
OS
ハードディスク容量
RedHat Enterprise Linux
50GB
7.SingleSignOn 認証サーバ
OS
ハードディスク容量
RedHat Enterprise Linux
50GB
8.プリント管理サーバ
OS
ハードディスク容量
Windows Server 2008
50GB
9.アプリケーション配信サーバ
OS
ハードディスク容量
Windows Server 2008
50GB
10.ウィルス対策サーバ
OS
ハードディスク容量
Windows Server 2008
100GB
11.メールスプールサーバ
OS
ハードディスク容量
Red Hat Enterprise Linux
50GB
12.Web メールサーバ(x2)
OS
ハードディスク容量
Red Hat Enterprise Linux
50GB
13. e-Learning サーバ(Moodle サーバー)
OS
ハードディスク容量
Red Hat Enterprise Linux
50GB
14. ライセンス管理サーバ
OS
ハードディスク容量
Windows Server 2003
50GB
15. ログ管理サーバ
OS
ハードディスク容量
Red Hat Enterprise Linux
50GB
16.Radius サーバ
OS
ハードディスク容量
Windows Server 2008
50GB
(2)ファイルサーバー
機器型名
容量
NetApp FAS3140A
実効容量 14TB
51
(3)メールゲートウェイサーバー
機器型名
想定ユーザー数
Barracuda Spam & Virus Firewall 600
10000
(4)透過型 Proxy サーバー
機器型名
容量
BlueCoat ProxySG SG510-10
2x320GB
(5)DNSサーバー
機器型名
DNS 問い合わせ性能
Infoblox-250
3000
(7)VPNサーバー
機器型名
標準同時接続数
Firepass 4110
1000
4.3 プリンタ
機器型名
印刷方式
印刷速度
印字密度
RICOH IPSiO SP C820(×9)
半導体レーザー+乾式 2 成分電子写真方式
50 枚/分(A4 横送り・フルカラー)
1200dpi×1200dpi
チキウ岬(地球岬)とチキウ岬灯台
52
5 建物案内図
5.1 センター内
第一端末室、第二端末室にオープン利用のPCが設置されています。またマルチメディア開発室1
にはビデオ編集用の PC が設置されています。
【正面玄関】自動ドア。
右側に見えるのはスロープ
【1階ホール】エレベータ、男女
トイレ、身障者用トイレ設置
53
5.2 センター外
講義・授業用PCが教育・研究1号館C棟に C306/C307/C309/C310 実習室が設置されています。
17 時以降は実習室で夜間開館を行っています。
図書館の情報作成室とマルチメディア学習室そしてパソコンコーナーにオープン利用PCを設置し
ています。
54
6 パンフレット
平成 22 年(2010 年)7 月発行のパンフレットです。
裏表紙
表紙
本文
55
7 運営組織
身
分
氏
名
室 番 号
センター長
教
授
刀 川
眞
J301
准
授
石 田
純 一
J304
教
石 坂
徹
J307
〃
早 坂
成 人
J303
技 術 職 員
松 田
悟
J108
〃
髙 木
稔
〃
〃
佐 藤
之 紀
〃
〃
若 杉
清 仁
〃
事務補佐員
根 本
弘 美
J306
教
助
備 考
技術室
8 スタッフ集合写真(2010.9.2 撮影)
56
事務室
編集後記
「かぎろひ」は創刊より 13 号を数えるまでになりましたが、今回、大幅な変更を行いました。
その根幹は想定読者層の変更です。これまでは主として学内教職員や他校の類似機関、センター訪
問者などとしてはいたものの、いま一つはっきりしませんでした。また刊行に際して、われわれ自
身の稼動もさることながら、学内に寄稿してもらったり印刷したりと相応の負荷がかかっていまし
たが、それに見合う効果があったかも不確かでした。ちなみにこのことは「かぎろひ」に限ったこ
とでなく、他校類似機関の刊行物にも当てはまるのではないかと感じます。
そこで今回、主たる想定読者を “将来のわれわれ”(将来の当センター従事者)と明確に設
定し、その次の読者として類似機関などセンター外を据えました。つまり将来に残す記録であり、
いわば封印しないタイムカプセルです。そこでコンテンツとしては、退職や異動でセンターを離れ
る人の言葉、その年の大きな出来事や苦労談、所属者の集合写真などを加えることにしました。そ
の一方で、負担の大きい寄稿依頼は止め、物理メディアもこれまでの印刷でなくプリントアウトで
きるよう pdf 形式に対応可能な電子ファイルにしました。
この変更の良否の判定は“将来のわれわれ”に委ねざるを得ません。しかもそれは、センタ
ー要員が大きく入れ替わるか、あるいは各自の記憶が薄れる数年以上先の話です。しかし刊行に際
して誠意を持ってあたったことは自負できます。ここでの誠意とは真面というよりむしろ、読み手、
すなわち将来のわれわれに役立つことを深く考えることを意味します。少なくともこの誠意は通じ
ることを、願わくばコンテンツが有効に機能することを期待するものです。
(刀川 眞)
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か ぎ ろ ひ
2010年度 年報
2010 年 9 月 発行
編集・発行
室蘭工業大学工学部附属情報メディア教育センター
チーム
(刀川 眞、石坂 徹、佐藤之紀)
Center for Multimedia Aided Education
〒050-8585 室蘭市水元町27番1号
Tel (0143)46-5900
Fax (0143)46-5899
E-mail [email protected]
表紙写真 刀川 眞
デザイン 佐藤之紀
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