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第7号 - 椙山女学園大学

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第7号 - 椙山女学園大学
椙
山
女
学
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学
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委
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報
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︵
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成
8
年
度
︶
椙
山
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学
園
大
学
全
学
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委
員
会
椙山女学園大学全学FD委員会活動報告書
(平成18年度)
椙山女学園大学
ファカルティ・ディベロップメント
'BDVMUZ%FWFMPQNFOU
第7号
平成19年12月
関 係 各 位
全学 FD 委員会(平成18年度)
委員長 米 田 公 則
「全学 FD 委員会活動報告書」第7号の配布について
このたび、
「全学 FD 委員会活動報告書」第7号(平成18年度)が完成いたしま
したのでお届け申し上げます。本報告書は、全学 FD 委員会を中心としつつも、全
学的な協力の下で作成し、刊行の運びとなったものです。作成にあたりましては、直
接関連する委員会の先生方はもとより、執筆をはじめ、多くの先生方にご協力をいた
だきましたことを深く感謝申し上げます。
なお、内容全体において未だ不十分な点も多々あるかと思いますが、何卒ご一読
の上、忌憚なきご意見ご批判などいただければ幸甚に存じます。
椙山女学園大学全学 FD 委員会活動報告書(平成18年度)
椙山女学園大学
ファカルティ・ディベロップメント
第7号
椙山女学園大学全学 FD 委員会活動報告書(平成18年度)
目 次
はじめに 全学 FD 委員会委員長 米田 公則
Ⅰ FD 委員会の活動
1 全学 FD 委員会の活動記録(平成18年度). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
2 学部 FD 活動報告 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
・生活科学部 FD 活動報告 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
・国際コミュニケーション学部 FD 活動報告 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
・文化情報学部 FD 活動報告 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
・現代マネジメント学部 FD 活動報告 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23
Ⅱ 大学教育の質の向上に向けて
1 シリーズ「私の授業論」. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 29
・生活科学部(高橋 勝六). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 29
・国際コミュニケーション学部(笠原 正秀). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31
・人間関係学部(音喜多 信博). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 35
・文化情報学部(福永 智子). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 38
・現代マネジメント学部(山田 健治). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 41
2 「授業についてのアンケート調査」. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 43
・実施について(米田 公則). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 43
・分析結果について(米田 公則). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 50
・資料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 66
Ⅲ 資料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 91
はじめに
全学 FD 委員会委員長 米田 公則
本学が、全学 FD 委員会として活動報告書を作成するようになって 7 年、よって本報告書が
第 7 号にあたる。また、
「学生による授業評価」が開始されて 4 年目を迎えた。当初さまざま
な意見がありなかなか順調な船出とはいかなかった「学生による授業評価」は、一定の定着を
見、今日に至っている。報告書中にその詳細は書かれているが、実施率は 9 割を超えている。
しかし、この状況を単純に評価することはできない。授業評価アンケート調査のルーティン
化が本当に FD の活動と連動しているのかを検証しなければならない。FD の目的は、いうま
でもなく、教員の教授能力の向上と教育環境の改善である。
「学生による授業評価」はそのた
めの一手段、一部分にすぎない。多くの教員は、学生による授業評価を自らの授業内容改善の
ための手段としている。しかし、教員から学生への、コミュニケーション手段の一つである
「リフレクションペーパー」の提出率を見ると、 4 割に満たない。もちろん各教員は個別に、
何らかの手段で学生とコミュニケーションを取り、改善の努力をしていると思われる。だが、
一つのコミュニケーション手段が十分に機能していないことは今後改善される必要があろう。
その点を踏まえ、今後の FD の全学的取組みをもう一度検討する時期に来ているのかもしれな
い。
本年度の授業評価アンケートは、後期のみとした。それは、前期、後期の 2 回のアンケート
実施に伴う授業への負担の大きさを考えた上でのことである。調査内容については、ある程度
定着を見、大きな変化はなかった。ただし、語学に関するアンケートの内容については、語学
担当教員の意見を反映させ、学部により、大きな修正を行った。今後も、それ以外の点でさま
ざまな改善が必要であろう。
最後になったが、まだまだ多くの問題を残している授業評価アンケート、全学 FD の活動で
あるが、教員と学生とのコミュニケーションが有効に機能し、授業改善のサイクルができ、教
育環境がよりよい方向に改善されることを願っている。
Ⅰ FD 委員会の活動
1 全学 FD 委員会の活動記録(平成18年度)
2 学部 FD 活動報告
Ⅰ.1 全学 FD 委員会の活動記録(任期 平成18年 5 月 1 日∼平成19年 4 月30日)
年 月 日
内 容
第1回
1 全学 FD 委員会活動報告書(平成17年度)について
平成18年 5 月22日(月) 2 平成18年度全学 FD 委員会委員長の選出について
3 平成18年度全学 FD 委員会活動について
4 その他
第2回
1 平成18年度後期授業アンケートの実施(案)について
平成18年 7 月 3 日(月) 2 その他
(1)リフレクションペーパーについて
(2)学部 FD 予算の配分について
第3回
1 平成18年度後期授業アンケートの実施について
平成18年11月22日(水)
2 平成19年度全学 FD 委員会活動について
3 その他
第4回
1 平成18年度後期授業アンケートの実施状況について
2 平成18年度 FD 委員会活動報告書の作成について
※平成19年 6 月13日(水)
3 平成19年度全学 FD 委員長の選出について
4 平成19年度全学 FD 委員会活動について
5 その他
※平成19年度第 1 回委員会と合同開催
−3−
Ⅰ.2 学部 FD 活動報告
平成18年度 生活科学部 FD 活動報告
江崎 秀男
1 .平成18年度生活科学部 FD 委員会委員
江崎秀男、高阪謙次、滝本成人、山下かなへ
大野秀夫(学部長・陪席)
2 .平成18年度の活動状況
1 )生活科学部 FD 委員会は、平成12年度に発足し、これまで本学部の教育改善等に努めて
きた。同時に、学部 FD ホームページ(HP)を設けることにより、教員の教育に対する
理念・目標・方針を知ることや、逆に学生からの様々な声を直接に聞くことも可能となっ
た。平成17年度の学部 FD 事業においても、HP 内の名物教授・名物授業の内容を更新し
てきたが、この HP 内には現状に即さない部分も多々見受けられる状況であった。平成18
年度の FD 事業の一つとして、この HP サイトの大掛かりな修正・更新を過去にさかの
ぼって実施した。また、アクセスシステムの改善とセキュリティ強化を図ることにした。
2 )学部 FD の啓蒙活動として、「大学授業のあり方」や「大学評価」に関する最近の書籍
を購入した。また、各教員が教材としても利用できる DVD 等を購入し、これらがより多
く利用されるように、学部教授会でその内容を紹介した。
3 )生活科学部においても、平成12年度および平成16年度に「教員を対象とした授業アン
ケート」を行い、その結果を冊子および生活科学部 FD 委員会 HP サイト(FD アンケー
ト)に公表することにより、授業改善に役立ててきた。一方では、全学 FD 委員会による
「学生による授業評価(授業アンケート)」を行うことにより、学生と教員との間の相互方
向的なコミュニケーションを図ることに努めてきた。平成18年度の後期にも、この「授業
アンケート」が実施されたが、その方法、実施時期、設問項目内容等については、これま
で学部内においてもさまざまな議論があり、時にその意義や有効性を疑問視する声も聞い
てきた。生活科学部 FD 委員会としては、この全学 FD 委員会による「授業アンケート」
をより良いものに育て上げることを目論み、まずアンケートの設問項目内容の変更・追
加・削除等について、学部教員の協力を得てアンケート調査を実施した(平成19年 1 月25
日∼ 2 月15日)
。そして、この結果をとりまとめ、学部教授会に報告した( 3 月定例教授
会)。同時に、この内容を全学 FD 委員長に報告し、次年度からの全学 FD 委員会による
「授業アンケート」調査に反映されるようお願いした。
−5−
3 .学生による授業アンケートの設問項目内容について
平成18年度の後期に実施された「授業アンケート」の調査票は、学生用アンケート調査票
(講義科目用)、学生用アンケート調査票(実験実習科目用)および教員用アンケート調査票の
3 種類であった。これら調査票の個々の設問項目について、その必要性を尋ねる(a. 必要であ
る b. 必要でない c. どちらでもよい)とともに、その内容の改訂、さらには新たな設問項
目の追加を問うこととした。ここでは、各調査票のなかで、特記に値すると思われる項目内容
について、その概要をいくつか紹介する。
1 )学生用アンケート調査票(講義科目用):項目番号 3 「この授業のレベルは、あなたに
とって適切だった」の設問内容を、
「レベルが高かった」あるいは「低かった」と具体的
に問う必要がある。項目番号 4 「この授業の進度は、あなたにとって適切だった」につい
ても同様に、
「進度が早かった」あるいは「遅かった」と聞く必要がある。項目番号10
「教員は学生の理解度に配慮した授業の進め方をしていた」の設問内容は、項目番号 9
「教員は学生が理解しやすいように授業を工夫していた」と類似している。項目番号11
「教員による解説はわかりやすかった」の設問内容は、項目番号 2 「この授業は理解しや
すかった」と同じである。これらの項目内容については、整理・削除等を要する。また、
設問項目の追加として、「教員の指導に基づいた学習方法を行ったか」(a. 行った b. 行
わなかった c. どちらともいえない)があった。さらには、講義とはその性質も異なる演
習用のアンケートの必要性を求める意見もあった。
2 )学生用アンケート調査票(実験実習科目用)
:項目番号 3 、 4 「この実験・実習のレベ
ルは、あなたにとって適切だった」、「この実験・実習の進度は、あなたにとって適切だっ
た」の設問内容については、そのレベルや進度の程度を問う必要がある。項目番号10「教
員による解説はわかりやすかった」の設問内容は、項目番号 2 「この実験・実習は理解し
やすかった」と同じである。項目番号12「わたしはこの実験・実習に欠かさず出席した」
の設問内容を必要とする割合は、 5 割以下であった。生活科学部では、毎回出席をとって
いるから、出席簿から十分に判断できるという理由からである。項目番号17、18、19のレ
ポートに関する設問項目については、このアンケート調査時期が、レポート提出前に行わ
れている問題点の指摘があった。項目番号20「他の実験・実習との関連が理解できた」の
設問内容のなかに“講義”という語句を入れる必要がある。また、設問項目の追加とし
て、実験・実習では時に危険を伴うものもあるので、安全面での設問内容を加えて欲しい
との意見もあった。
3 )教員用アンケート調査票:項目番号 8 「総合的にみて、この授業をうまく進めることが
できた」については、調査時期の問題もあり、総合的な判断は難しいという意見もあった。
また、新たな設問項目の追加として、学生のマナーについての内容が必要との意見もあった。
以上
−6−
平成18年度 国際コミュニケーション学部 FD 活動報告
塚田 守
はじめに
本学部は2006年度に改組以降 4 年目に入り、完成年度を迎えた。本報告書は、この 4 年間の
総括を目的として、学部のさまざまな側面について学生にアンケート調査を行った。調査票を
用いた調査であるが、統計分析を中心とした項目と「学生の声」を聞き取るための自由記述の
両面を重視した。統計分析は、学生の一般的な傾向をみるためのものであり、
「学生の声」の
記述は、批判や要望などを聞き取り今後の学部の将来構想のためのヒントを得ようとするもの
である。
第 1 回の報告書は、入学してきた 1 年生の「期待」
「要望」や 1 年間のキャンパス・ライフ
に対する学生の意識を中心にまとめた。第 2 回もその延長上で、 2 年目までの授業、イベント
などに対する学生の評価を中心にまとめたものであった。そして、第 3 回は、 3 年生ゼミが始
まったので、学生によるゼミの評価とゼミ担当者による方針などを中心にまとめた。以上の 3
回の報告書を踏まえ、今回の報告書を作成している。
アンケート調査の実施方法とその内容
アンケート調査の実施上、 1 年生、 3 年生、 4 年生全員を対象とした。 2 年生は全員が同時
に履修する必修科目がないので、諦めざるを得なかった。2004年度の調査は、教務課のガイダ
ンスの時に調査票を配布したために、回収率は期待ほど高くはなかった。言語 1 年=54.8%、
言語 2 年=38.2%、表現 1 年=62.5%、表現 2 年=49.7%であった。その反省を踏まえて、今回
は、 1 年生に関しては、必修科目の「国際教養演習」の授業を通して配布し回収した。また、
3 年生と 4 年生については、卒業論文準備科目のゼミで配布し回収した。その結果、それぞれ
学科、学年の回収率は完璧ではないが、下記のように学部の動向を知るには十分なものになっ
たように思われる。
各学科・学年の回収率
言語
表現
1 年生
117(86.0%)
98(81.0%)
3 年生
101(75.0%)
72(68.0%)
4 年生
91(73.4%)
104(68.0%)
−7−
アンケート調査票での項目:
1 .入学以前の本学部について意見:志願の理由、学部の魅力など
2 .学部のさまざまな特徴・行事についての意識:「学外研修」、
「講演会」
、
「国際文化フォー
ラム」、「文化・歴史の旅」などについて
3 .学部のカリキュラムについての意識:「国際教養演習」「オフィス・アワー」
「外国語教育」
4 .学部の全体的な評価
5 .今後どのような勉強をしたいか(自由記述)
6 .学部に対する評価:よかった点、要望、希望、批判など(自由記述)
7 .教務的なガイダンスについて( 3 年生、 4 年生)
8 .今まで履修した科目について( 3 年生、 4 年生、自由記述)
9 .卒業論文について( 4 年生限定)
10.就職について( 4 年生限定)
まとめと展望
第 1 章 入学以前の意識について
学生の入学動機・理由などについて尋ねたが、入学動機は、
「自分の勉強したいことがあった」
と「自分の学力にあっていたから」が重要な要因であると理解された。また、学部の魅力とし
ては、
「外国語教育」と「留学制度の豊富さ」などが主に指摘されているが、学科による差が
見られ、
「表現」にとっては、
「自己表現」
「両学科履修の可能性」などが重要な魅力としてあっ
た。さらに、入学前にどの科目群に興味を持ったかを尋ねたが、学科による差があり、「言語」
は「外国語(アドヴァンスト)科目群」と「英語コミュニケーション科目群」、
「表現」は
「ポップ・カルチャー・スタディーズ科目群」と「クリエイティブ・スタディーズ科目群」が
好まれていたようである。入学前の学生の意識を見る限り、今後学部の魅力を向上させるため
に、「言語」と「表現」のそれぞれの特徴を強調しながらも、両方の学科の科目を履修できる
ことを指摘することも重要であろう。
第 2 章 入学してから主に履修してきた科目について
主に履修してきた科目群に関して、学科ごとの特徴が明らかであった。
「言語」は「外国語
(アドヴァンスト)科目群」「英語コミュニケーション科目群」を中心に履修しているが、「表
現」はすべての科目群から万遍なく履修している傾向が見られる。次に、
「もっとも関心を
持った科目」に関しては、それぞれの担当者の魅力、教え方などが間接的に影響しているので、
科目そのものに学生が関心を持ったかについて明確に言えるわけではないが、一般的傾向とし
ては、「外国語(アドヴァンスト)」関連科目、
「ポップ」
「クリエイティブ」の関連する科目が
−8−
関心を持った科目としてリストされている。と同時に、「英語圏文化」関連、
「クラシック」関
連の科目への関心も無視できないほど多いと言える。よって、この履修パターンから、学生が
どのような科目群に関心を持ったかについての一般的傾向は読めるが、それほど決定的なこと
はいえないのではないかと思われる。
第 3 章 学部の行事について
学部の行事はあまり知られていないという傾向が読み取れた。今後、学生への PR 活動をさ
まざまな機会にすべきであろう。また、参加率もそれほど高いとは思えないので、学部が行う
行事に関しては、準授業扱いをしながら学生に参加を促し、学部の活発な活動を学生たちに共
有してもらいたいものである。2007年度 4 月より、学部独自のホームページを大幅に改善し、
学部の行事などに関する PR 活動を推進していく予定である。
第 4 章 学部のカリキュラムについて
1 年生に対して大学生活への導入になるはずの「国際教養演習」と「オフィス・アワー」が
本来の目的としたほどの機能を果たしていないように思われる。現存の「学生指導教員制度」
の見直しも含め、大学生活への導入レベルでの改善が必要とされるであろう。つぎに、本学部
の外国語についての学生による評価は一般的に高いが、自由記述でさまざまな不満や要望もあ
るので、そのことを配慮し、今後も語学教育の向上を目指すべきであろう。
第 5 章 教務ガイダンス、卒業論文指導、就職について
教務的なガイダンスは、だいたい有効的に働いているようである。特に、卒業論文準備科目
のゼミでの指導については満足度が高いので、今後ともそれぞれの担当教員の熱意ある丁寧な
指導が期待される。最後に、就職に関しては、全国紙の週刊誌でも高く評価されている通り、
学生のほとんどが満足しているようである。
第 6 章 総合的満足とまとめ
1 年生の段階での総合的な満足度は十分ではないが、 4 年生になる頃には84%程度の満足を
示していることが明らかになった。大学生活の最後に満足すればそれで十分ではないかという
議論もできるであろうが、 1 年生の段階から高い満足が得られるようなカリキュラム、ガイダ
ンスなどをしていくことが今後課題であろう。
−9−
平成18年度 文化情報学部 FD 活動報告
谷 口 俊 治 林 文 俊
(学部 FD 委員)
(学部長)
文化情報学部では、FD 活動としてフォーラムを以下のとおり実施した。
Ⅰ 開催概要
目 的: FD 意識の向上と具体的活動の模索
日 程: 平成18年10月31日(火)15:00∼16:45
場 所: メディア棟 B009会議室
内 容:
1 開会の辞 「第 1 回 FD フォーラムの開催趣旨」
( 2 分)
平成18年度学部 FD 委員 谷口俊治教授
2 話題提供
(1)
「他大学の FD 活動概況」(30分)
平成17年度学部 FD 委員 羽成隆司助教授
(2)
「ワークショップ形式の授業」(30分)
メディア情報専攻 亀井美穂子講師
3 討議 「文化情報学部での具体的活動の模索−講義・演習の点検と評価」(40分)
平成18年度学部 FD 委員 谷口俊治(司会)
4 閉会の辞 「文化情報学部の FD 方針」
( 3 分)
学部長 林 文俊教授
Ⅱ フォーラム抄録
1 開会の辞
「第 1 回 FD フォーラムの開催趣旨」
学部 FD 委員 谷口俊治教授
本会の趣旨は、Faculty Development に関する教員の意識を向上し、具体的に何ができるか
を模索することである。我々の仕事の中心は教育であり、以前から FD の重要性については繰
り返し指摘されてきたが、あらためてこの機会に認識を深め、一歩進んで具体的な活動につな
げていきたい。第 1 回とあるのはその後も継続して開催し、発展させていきたいと考えてい
る。今回はメディア情報専攻の羽成先生と亀井先生に講師をお願いした。今回は最初の試みで
あり、具体的な展開は見えないが、今回の試みが発端になって、今後、他の専攻の先生による
−10−
話題提供につながることを期待している。
2 話題提供
(1)「他大学の FD 活動概況」
羽成隆司助教授
初年次教育に関する自身の経験を報告する。近年学力が低下し、旧来の大学教育モデルがあ
てはまらなくなった。初年次教育は、入学生をまともな大学生にするための教育である。中堅
校以下の大学では一般的である。最初が肝心である。 1 年次からのゼミ形式は、現在は一般的
である。内容は 4 点ある。リメディアル(補習)、学習の動機付け、リテラシー、学生生活の
適応の援助である。本学ではプレゼミにあたる。この内、自身が立案したリテラシー教育に関
する具体的な計画例を紹介する。また、その実現のプロセスで用いた教員への説明資料も紹介
する。リテラシー教育の必要性を教員に理解してもらうのは困難であり、多くの紆余曲折が
あった。内容の特徴として、学生同士のグループ活動の導入があった。また、多くの困難が
あったが、共通期末課題も設定した。全体に、大学として共通、組織的な運営を心がけた。統
一的な対応の実現には、学力レベルなどについて一定の学生観を共有することが必要である。
語学力、文章力などについて、客観テストで数値的に把握することが必要であり、また、補習
が必要な能力、学力の共通基準を設定することが必要である。また、ゼミ単位教育の必要性の
認識が重要である。初年次に手厚く、学年進行と共に独り立ちさせるものである。本学部の教
育カリキュラムについては、講義がやや多い感じがする。もう少し、実習、ゼミ、ワークショッ
プ形式を増やすと良い。また学生がチーム単位で取組める授業がよい。最近の学生に欠けてい
る能力である。人間関係が希薄になっている。最も重要なのは、放任主義から積極介入型への
移行が必要である。そのためにも少人数がよい。自律性が形成された後に放任型へ移行する。
入学生はまだ大学生になっていない。これらの授業の運営について他の先生との間で綿密な情
報交換と連携が求められる。
質問: 前任校のゼミの人数は何人か。
回答: 全員担当で、約10人であった。ただ、担当教員の授業の数が多くなって大変である。
質問: ブラインドウォークとは何か。
回答: 一人が閉眼者、一人が誘導者となり、道を案内する。15分という短い時間であるが、
経験すると相性を感じたり、充実感がある。
質問: リメディアルの単位はどうするか。単位取得の公平性は同じか。
回答: 本来は所定の単位外に設定するべきである。多くが同じレベルであれば単位化して
も良い。
(2)「ワークショップ形式の授業− Vivid な授業を目指して−」
亀井美穂子講師
ワークショップ形式は広く行われており、さまざまな形式がある。個人−社会軸と学習−創
造軸で分類できる。ワークショップとは、参加者が主体的、体験的、相互作用的な学びと創造
−11−
の手法である。ワークショップ形式を重視する背景には、効率優先の行動主義的学習理論では
なく、学習者が主体的に学ぶ社会構成主義の学習理論へのパラダイム転換がある。授業設計
上、ARCS モデルなどのように、注意 A、関連性 R、自信 C、満足感 S の視点から学習意欲を
高める工夫が必要である。学会でのワークショップ研究報告(日本賞の審査過程)を紹介する。
方法を詳しく紹介する。番組評価結果の発表、プロセスの紹介、振り返りながら経緯の検討が
ある。ベテランの研究者と学生の交流が興味深い。時間の制約上、同様のことを授業でそのま
ま行うのは困難であるが、自身の取組みを紹介する。ワークシートを配布し、簡単な課題を与
える。小グループを設定して、意見交換をさせ、情報の共有化を促す。振り返り、共有化、教
員の役割(知識の提供、問いかけ、会話の促進)
、課題との関わり、その後の展開、他者との
差異の認識がポイントとなる。その実現のために有用な思考ツールとしては、ブレーンストー
ミング、KJ 法、PMI(Plus Minus Interesting)などがある。またワークショップは対面が基
本であるが、ICT も活用ができる。ワークショップは少人数が基本であるが、大人数でも可
能である。振り返り、共有は机間巡視による。学生の興味を促進するためには、身近な話題に
触れ、満足感を与え、思考ツールを活用するのがよい。大学の文脈での課題としては、授業の
最後に振り返り、まとめをすること、時には講義に重点をおくこと、ワークショップが常に最
善というわけではなく、学生の学習スタイルによっては不満が生ずる。ワークショップだけで
はなくその他の手法もあることを理解させる、飽きを生じさせないよう手法を固定化しない、
学生を引きずり込む工夫なども必要である。
質問: 学生への課題は紙を配布するのか。
回答: 配布するが、その際ストップウォッチを使って時間を設定する。隣と情報交換をさ
せる。別シートでグループ作業も課す。
質問: 大人数で可能か。
学生: 可能である。携帯電話に関する講義では、ワークシートを配らずにワークをやらせ
た。具体的なイメージを形成させる。その後にまとめを行う。
質問: 大人数だと行き届かないのではないか。
回答: 一部だけになってしまうが、机間を回って意見を拾うことが重要である。また、学
生同士は話すことを望んでおり、それは重要なことである。
。
質問: 基礎的な学問、一定の知識を付与する授業では時間が不足するのではないか。
回答: 限られた時間内で学生が理解できる知識量は限りがある。ワークショップは一つの
手法である。
3 討 議
「文化情報学部での具体的活動の模索−講義・演習の点検と評価」
意見: 他の教員の授業の様子は知る機会がない。参考になった。羽成さんの授業は自身が試
行錯誤でやってきたことと一致している。教員の授業目標と学生の能力とのバランスはどう
−12−
あるべきか考える。
意見: 自分もワークを学生にやらせている。一方的な講義だけではいけない。
意見: 語学では時間のはじめ10分間は会話、その後文法をやったりして工夫している。
意見: ○○学のような講義科目の場合、系統だった知識の習得が目標となる。自身の△△論
では、具体的な課題を与えたり、授業の最後に簡単な課題を与えたり、コメントを書かせた
りしている。語学では、少テストを課して評価の一部にしたりしている。
意見: 学生が寝ないよう、課題を与えたり、パワーポイントの資料をノートに写させたりし
て、工夫している
質問: ○○学、△△論の違いは何か。一般的な分類はあるのか。
意見: △△論などは必ずしも明確な学問領域があるとは限らないように思う。○○学はやや
はっきりしているようである。
意見: 大学の教員は教授学を学んでいない。
司会: 今日の話しの中から、①学生の FD への参加、②各教員は様々な問題を抱え、また工
夫をしている点の共有化、③授業参観の実施、④大学の教授学の見直しといったことが今後
の課題になるのではないか。
4 閉会の辞
「文化情報学部の FD 方針」
学部長 林 文俊教授
学部長: 今後も本学部の FD 活動をさらに積極的に継続していきたい。大学基準協会による
認証評価の実地視察でも大学全体における FD の他に、学部 FD 活動の重要性も指摘されてい
る。
Ⅲ 配布資料、パワーポイント
1 羽成隆司助教授
(1)他大学の FD 活動概況−初年次教育について−
1 .初年次教育の重要性
2 .ゼミ形式で行う初年次教育の主なメニュー
①リメディアル教育(英語,数学,日本語)
②学習への動機づけ
③学習の基本スキル,リテラシーの習得
④学生生活への適応(コミュニケーション,友人作り)
3 .課題の例
①リメディアル教育
漢字,ことわざ,四字熟語,英単語,手紙の書き方
−13−
②学習への動機づけ
4 年間の大学生活で何をするつもりか予定を作ってみる
授業料がいかに高いか,授業 1 回あたりの単価を計算させる
③学習の基本スキル,リテラシーの習得
ノートテイキングの練習,書評・映画評・レコード評,図書館の利用法,スピーチ(音
声表現)
,PC による情報検索・プレゼンテーション
④学生生活への適応(コミュニケーション,友人作り)
グループ単位での活動,blind walking
4 .基本スキル習得のプログラム例
5 .重要ポイント(前提となること)
①教員の学生観の整理
学生の知的レベル,適応上の特徴,生活習慣等を把握し,統一的なイメージを持つ.
②基礎学力レベルの測定
英語,数学,日本語等について,何らかの統一試験を行う. 例)TOEIC,漢字検定
③必要性の認識
1 ∼ 2 年次の各期にゼミを設ける.各期が終わるごとに内容の総括を行う.
6 .将来の検討事項と提案
①授業形式の見直し
・講義中心の授業ばかりでは限界がある.実習,演習,ワークショップ形式の授業を重
視する.
・チーム単位での取り組みができるように課題を設定する.
②介入型への転換
自由という名の放任ではなく,積極的に学生に介入する.
③少人数教育の重視
・とくに初年次こそ少人数教育が重要.教養課程は大人数,専門で少人数という旧来の
常識は古い. ・最初に大学での学習にスムースに適応させ,学年が上がるにしたがって,自主性に任
せるようにする.
④初年次教育担当者間での連携
7 .ゼミ開始時のチップス
・自己紹介の仕方をひと工夫
・授業前に,身上書で教員がゼミ生の顔と名前を覚える
・教員からのメッセージ
−14−
(2)パワーポイント
① ②
③ ④
⑤ ⑥
⑦ ⑧
−15−
⑨ ⑩
⑪ ⑫
(3)2004年度からの基礎演習(案)
1 .基礎演習の位置づけ
・人文学部開設から 4 年近くが経過し,本学学生の実態も次第に明確になってきた.実態の
一つは全般的な基礎学力不足と言える.ここで言う「全般的な基礎学力不足」とは,たんに
高校までの学習の達成度が低いということを意味しているのではない.文書を作成する,い
ろいろな本を読む,人の話を聴く,人前で意見を述べる,スケジュール通りに課題をこなす
等,大学だけでなく,社会一般で必要とされる諸能力の不足を指す.実態のもう一つは,時
間を守る,マナーを守る,他者と協力する等,やはり大学だけでなく,社会一般で必要とさ
れる常識の欠如である.以上 2 点は厳密なデータに基づく結論ではないが,現段階における
低い就職内定率や,普段の授業時の態度,授業で求めた課題の達成度などから,十分妥当な
推測であると思われる.
・上記の問題に対応するには,基礎演習のみならず本学におけるあらゆる教育の機会を利用
する必要がある.しかし,入学直後から専任教員が直接指導に当たることができる基礎演習
が,もっとも適切な機会であることは間違いない.
・そこで,今後は基礎演習を以下のように位置づけ,この認識を全教員が共有することを提
言する.
①基礎演習は,少人数教育の利点を生かして,基礎学力の向上や常識の修得をはかることが
できる最大の機会である.上述のようにここでの基礎学力や常識とは,大学だけでなく社会
−16−
一般で必要とされる諸能力を含む.
②しかし,基礎学力の向上をはかることは簡単ではない.無理矢理学習させるだけでは本学
の学生の多くはついてこない.そのような学生を授業にコミットさせるには,授業のすすめ
方を相当工夫する必要がある.
③また,学生を授業にコミットさせるには,まず個々の学生を大学生活に適応させなければ
ならない.そのためには,担当学生にたいするこれまで以上の生活指導,さらに,学生間の
コミュニケーションの促進,つまり,「友達作り」の援助も求められる.
④基礎演習の時間に,いわゆる「就職対策」的な指導を行うことはできない.しかし,基礎
学力の向上がなければ就職実績も向上しない.したがって,基礎演習は就職指導の一環でも
ある.
以上から,基礎演習は,重要な授業であり,相当な時間と手間をかけなければならないと
いう認識のもとに,これまでの基礎演習の課題および運営方法を一部変更して,次年度より
以下のように設定する.もっとも重要な変更点は,課題の内容や指導方法を基本的に統一し,
達成度を確認しながら指導の徹底をはかることである.
2 .基礎演習の課題・到達目標
・基礎的な学習スタイルを身につけることを主たる目的とし,以下 4 種類の課題を行う.こ
れらの課題は,大学での専門領域の学習に必要な技能に加えて,就職後および就職活動中に
も必要とされる一般的技能の修得と向上を目指すものである.
①文書作成:自己 PR 文,形式の決まった書類(手紙・案内文・履歴書等)
,ノート・テイ
キング,要約,説明文,批評文の作成技術を身につける.
②情報検索:図書館の利用方法,コンピュータ,インターネットを利用しての情報検索を身
につける.
③プレゼンテーション:自己 PR 等のいわゆる「スピーチ」,研究内容の口頭発表の技術,
プレゼン・ソフトの使用方法を身につける.
④コミュニケーション・協同作業:上記(1)∼(3)の課題を実施していくなかで,グルー
プ単位での活動を取り入れ,他者と協力しながらの集団作業を経験する.
・別表に示すように,基礎演習Ⅰ∼Ⅲそれぞれに上記課題のなかで実施する内容が設定され
ている.
・成果のアセスメントとして,基礎演習ⅠとⅡについては,文書作成についての「統一期末
課題」(筆記試験形式)を課す.
統一期末課題の例
基礎演習Ⅰ・ ・ ・講義の代用として VTR を見て,ノートをとり,概要を作成する等.
基礎演習Ⅱ・ ・ ・指定した文章を読み,一定時間内で要約を作成する等.
いずれも採点基準を設定して,各担当者が各ゼミ生の答案を採点する.
・基礎演習Ⅳは,専門演習に準ずるものとし,課題は各担当者がそれぞれ設定する.
−17−
3 .シラバス・授業スケジュール
・基礎演習Ⅰ,Ⅱは統一シラバスを用いる.これまでもシラバスは統一されているが,達成
目標の統一を徹底する.ただし,課題の題材や具体的なスケジュールは各担当者ごとに作成
する.
・基礎演習Ⅲは担当者それぞれでシラバスを作成する.題材の設定などは専門色を生かした
ものでよいが,別表の通り,説明文・批評文の作成,口頭発表,協同作業はとくに力を入れ
てトレーニングする.また,コース・系によるコラボレーションもよしとする.
・基礎演習Ⅳは専門演習に準じるものであるため,シラバスは,コース・系内で検討しなが
ら担当者それぞれで作成する.
4 .教科書
・基礎演習Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ共通に使用できる統一教科書を使用する.次年度は,学習技術研究会
編「大学生からのスタディ・スキルズ 知へのステップ」
(くろしお出版,1900円)を推薦
したい.
・これ以外に必要と思われる教科書・参考書等があれば,各担当者が実習費から購入する.
5 .就職指導
・基礎演習では「就職対策」的な指導を行うことは不可能であるが, 1 ∼ 2 年次から就職意
識を高めるよう,折に触れて言及する.とくに,自己 PR 文を書いたり,プレゼンテーショ
ンの練習をするのも,これらが就職活動および就職後の仕事に必要であるからということを
認識させる.
6 .社会的マナー.ルール遵守の指導
・無断欠席,遅刻等をできるだけしないように指導する.遅刻,欠席の場合は,事前または
事後ににその旨連絡させる.これらは社会的ルール遵守のトレーニングでもあり,上記 5 と
同じく,就職活動および就職後の仕事に必要であるからということを認識させる
7 .成績評価・単位認定
・各課題の達成度,出欠状況,
(および基礎演習 I,Ⅱについては統一期末課題)等を総合
して単位認定を行う.
・上記 6 との関連で,出欠を厳密にとり,出欠状況も成績に反映させる.欠席,遅刻が 5 回
に達した場合は原則として単位を認定しない.この基準は全ゼミ厳密に統一する.ただし,
特別な事情が関与している場合は各担当者が処遇を判断する.他の一般科目と同じく,
欠席・
遅刻の合計が 5 回未満でも,課題の達成度が著しく低い場合は単位を認定しない.
8 .ゼミ分け
・基礎演習Ⅰは英語テストの結果を参考に,できるだけ学力が均等に分布するように割り振
る.基礎演習Ⅱは,基礎演習Ⅰの成績や身上書の所見を参考に割り振る.いろいろな学生と
知り合う機会を提供するため,あえてゼミの希望はとらない.
・基礎演習Ⅲは,希望調査を参考にゼミ分けをする.
−18−
・基礎演習Ⅳは専門演習のゼミ分けとして扱う.
・1クラスの人数は,学生数,教員数の現状によって変化するが,20人以下を適正規模と考
える.
参考:2003年度 9 月現在の専任教員数:32名.
(若干足りない.
)
9 .個別指導
・オフィス・アワーなど,基礎演習の時間帯以外でも個別指導を行い,個々の学生の状況を
把握する.個別指導には,学習指導だけでなく生活指導,適応指導も含む.
・各学生の所見(長所・短所いずれも含む)を身上書に記載しておく.この所見をゼミ分け
の参考にする.
・遅刻・欠席が続く学生には早めに個別指導を行う.
・単位不可になることを避けるため,無断欠席が 2 回あった時点で,保護者にコンタクトを
とる.
10.英語集中クラス
・基礎演習Ⅰ∼Ⅱでは,これまで通り英語集中クラスを設ける.内容は担当者に委ねる.
11.点検
・基礎演習の内容と運営の仕方について,教授会と共通教育委員会でこまめに状況をチェッ
クし,少しずつブラッシュアップしていく.
12.教員の担当
・基礎演習Ⅰ,Ⅱ: 原則として,専任教員全員が,基礎演習ⅠまたはⅡのいずれか 1 コマ
を担当する.( 1 年生の基礎演習を春学期か秋学期のどちらか 1 つ担当することになる.
)
・基礎演習Ⅲ:原則として,専任教員全員が担当する.
・基礎演習Ⅳ: 2 年次春学期に所属コース・ゼミが決定されているので,特任教員を含め専
門演習の担当者全員が担当する.
・これまで通り,基礎演習の担当者が,受講生の指導教員となる.
13.運営
・基礎演習は,教務委員会および学務課と連携しながら,共通教育委員会で運営を取り扱
う.
追補:共通教育委員には,コース・系,学務課から 1 名以上が含まれていること.また,
1 名以上は教務委員との兼任が望ましい.
−19−
表 1 各基礎演習の課題
(4)各基礎演習の課題
−20−
2 亀井美穂子講師
(1)パワーポイント
① ②
③ ④
⑤ ⑥
−21−
⑦ ⑧
⑨ ⑩
⑪ ⑫
⑬ ⑭
−22−
平成18年度 現代マネジメント学部 FD 活動報告
佐治孝夫 澤田善次郎
現代マネジメント学部は、平成15年 4 月 生活科学部・生活社会科学科が改組され設置され
た。従って平成19年 3 月を以って完成年度を迎えた。平成18年度は、はじめての卒業生を世に
出す年であった。今後数年の卒業生の活躍如何で学部・学科の将来が問われることになる。
本学部での FD 活動は、
Ⅰ 全学 FD 委員会を中心に実施している『学生授業評価』(授業についてのアンケート調査
と教員からのコメント)など と
Ⅱ 学部 FD 委員会を中心に実施している『教育研究報告』とを二本柱として、展開してい
る。
ここでは、Ⅱ 学部 FD 活動 について『教育研究報告』の内容を中心に以下の 4 項目に区
分して報告する。
(本報告は、生活社会科学科時代(平成14年度分)を含め 5 年目を迎えている。
)
1 、学部教員の研究教育活動
現代マネジメント学部・現代マネジメント学科 専任教員の平成18年度(研究業績などは平
成16・17・18年度の過去 3 年間)の研究および教育活動の概要と、学生・父母へのメッセージ
を専任教員別にまとめ報告した。
内容としては、①氏名、②職名・学位、③担当科目、④研究テーマ、⑤研究業績[過去 3 年
間:ⓐ累計業績(著作・論文その他別)点数,ⓑ主要研究業績,ⓒ学会・社会活動]、⑥今後
3 年間の研究計画、⑦受領した研究助成金(過去 3 年間)
、⑧教育実績(あるいは教育方針)
、
および、⑨学生・父母へのメッセージ、が含まれている。
本学部の将来は、日本の大学で女性が社会科学(経営・経済・法律・政治)全般をバランス
良く学び、かつ、女性論・語学・情報処理技術などをバランス良く修得した人材は、現時点で
は少数である。学生が在学中・卒業後も理論と実践について継続的に研鑽を積みつづければ本
学部の将来は必ずオンリーワンとしての道が拓けるものと考えている。
現代マネジメント学部では、教員の構成も専門分野・所属学会・年齢など多岐に渡っている
ため、一律に数値化して判断することは、困難である。しかし、第 1 回の教育研究報告(平成
14年度)つまり、現代マネジメント学部の前身である生活社会科学科最後の入学者を迎えた年
の教育研究報告における研究活動の分析と平成18年度実績とを比較してみると以下のようにま
とめることができる。
−23−
区分
項目
第 1 回教育研究報告:
平成14年度
(下表の数値は全て教員
1人あたりを示す)
第 5 回教育研究報告:
平成18年度
(下表の数値は全て教員
1 人あたりを示す)
著書・訳書・学術論文
7.6編
9.0編
特許その他
4.1編
5.2編
11.7編
14.2編
研究助成金 内部資金 1.6件
1.9件
研究助成金 外部資金
0.4件
0.5件
研究助成金 小計
2.0件
2.4件
所属学会
4.4件
4.4件
学外委員
0.5件
1.0件
著書・学術論文他 小計
上記の一覧表から見ると、各教員の夫々が日々努力を積重ねていることが判る。特に学外委
員が倍増していることは、対社会活動が活発になっていることが推察できる。即ち、時代の要
請・社会の要請に応えつつあることがうかがえる。
2 、学部生活評価アンケート
学生が本学(本学部、本学科)での学生生活をどのように受け止めているかを継続的に調査
し、その成果を現代マネジメント学部の FD 活動の基礎的資料にすることを目的にしている。
調査の内容としては、①カリキュラム(語学,情報,その他教養科目,専門科目,履修・成
績評価に関する説明・手続きのわかりやすさ、 別に調査されている)
、②大学の環境(通常教
室,コンピューター室,視聴覚教室,学生控え室,学生相談室,セクハラ相談室,図書館,食
堂,売店,書店,チケットコーナー,トイレ,エレベーター,喫煙コーナー,各種講演会,大
学祭)
、③事務職員の窓口対応(教務課,学生課,キャリアサポート室,現代マネジメント事
務の各窓口別)、④海外研修・海外提携校(海研参加希望,費用,参加学生の反省)、⑤学部間・
他大学間との単位互換・所定の資格等による単位認定、⑥就職指導・就職対策講座、⑦イン
ターンシップ(有効・満足)、⑧奨学金(制度,満足,制度充実)
、⑨情報機器による教務事項
の伝達(サイトにも掲示,登録アドレスへの送信,各種伝達事項)、⑩学生生活等の時間の平
均値(予習,復習,授業理解,アルバイトの日数・時間)、⑪学生生活全般(満足)およびそ
れら諸項目とそれ以外の項目の自由記述、がとりあげられている。
調査結果としては、60.3% の学生が⑪学生生活全般に満足を示している。
個別の項目別には、①カリキュラムでは、ⓐ英語以外の科目設置(79.7%)、ⓑ情報科目のレ
ベル別の導入(74.5%)、ⓒ履修と成績評価についての説明の充実(44.0%)が求められている。
−24−
②大学の環境では、ⓐ学生控え室・食堂・売店・書店・エレベーター・大学祭の項目に改善が
求められている。③事務職員の窓口対応の学生満足の比率はⓐ教務課:51.9%,ⓑ学生課
55.7%,ⓒキャリアサポート室73.2%,ⓓ現代マネジメント学部事務57.8% であった。④海外研
修については、学生の半数を少し超える今後の参加希望者があるが、費用が高い(35.4%)こ
とを参加見合わせ理由にあげている。⑤学部間・他大学間の単位互換、所定の資格等による単
位認定については、83.4% の学生がそれらを望んでいる。⑥就職指導については、75.9% の学
生が満足している。就職対策の各種講座(オープンカレッジ等)については、76.2% の学生が
満足している。⑦インターンシップについては、制度を知っている学生が87.3% が有効と答え
ている。また参加学生の47.3% が大変満足と答えており満足度は高い。⑧奨学金については、
あまり知らない学生が31.7%、全然知らない学生が40.7% であり、制度を知っている学生のう
ち大変満足11.8%、制度が充実していると考えているのは9.8% であった。⑨情報機器による教
務事項の伝達については、特に休講などについてインターネットのサイト上での掲示を78.0%
が強く希望している。登録アドレスへの送信も92.2% が求めている。休講以外の各種伝達事項
の掲示も95.5% が望んでいる。⑩学生生活などについては、
予習・復習など学外の学習は少ない。
しかし、授業についていけないという感想は持っていない。
3 、講演会活動
「学部の理念の共有および醸成、理念の実現に向けて効果的な教育方法および実践を画す
る。
」ことを目的に、平成18年度の新規事業として以下の行事を開催した。
教職員向け講演会 2 回を非常勤およびその予定者である 2 名の方にお願いし開催した。
4 、その他 資料編
父母、学生、および 非常勤講師の方々に対し、以下の 8 つの事項を資料として示し関係者
相互のコミュニケーションを密にし、本学部の教育・研究活動への理解と協力を得るようにし
た。①学部の特色、②特色ある教育(履修登録制度:単位上限制,マネジメント研修プログラ
ムA・B,マネジメント実務研究A・B・C,専門書講読など特色ある科目についての教宣)、
③本学部の 「 外国語教育 」 について、④平成18年度卒業論文題目一覧、⑤現代マネジメント学
部生の就職状況について、⑥現代マネジメント学部生のキャリア形成と椙山オープンカレッジ
年度別進路先グラフ、⑦平成18年度現代マネジメント学部各種委員会名簿、⑧全学 FD 委員会
による「授業についてのアンケート調査」結果に対する教員からのコメントの閲覧方法 を示
した。
以上
−25−
Ⅱ 大学教育の質の向上に向けて
1 シリーズ「私の授業論」
2 「授業についてのアンケート調査」
Ⅱ.1 シリーズ「私の授業論」
私の授業論―授業で感じること―
生活科学部 高橋 勝六
授業の難しさ
ここ 3 年間、私の講義は化学関連の講義で、今年からは衣服の着心地に絡んで移動現象を導
入した講義が加わった。学生にとって苦手な化学式や数式が多く、敬遠されていることはよく
わかっている。講義は教師だけで行うものではない。学生の参加があって始めて成立するもの
である。学生に参加を促すが、学生にしてみれば右図の
興味がない
ような悪循環に入っているのであろう。このうちの一つ
でも「ない」を無くすれば悪循環からの脱出が期待でき
る。どの「ない」を取り除くか。聴かないの「ない」は、
分らない
聴かない
面白くもないものを聞けというのも酷な話で、自分でも
付合いで聴く講演は眠ってしまうので強くは要求できない。しかし、
「学生さん講義はテレビ
を見ているのとは違うのだから少しは我慢してよ、聴いていれば分かるようになるかもしれな
いから」とも言いたい。でもそれは通用しない時代だろうか。興味がないの「ない」はどうだ
ろうか。もともと化学や数学が嫌いで、そんな科目を勉強しなくても受験して入学できるから
この学科を選び、単位さえ取れて卒業できればよしとする学生さんに、化学式や数式に興味を
持てというのは空しいものがある。それでも分からないの「ない」が取れれば興味も湧いてく
るのでは一縷の望みをかける。講義に興味がなくておしゃべりしている学生に質問をしてみ
る。解答が出てこないので質問のレベルを10から 5 に下げてみる。さらに 2 に下げても分から
ないという。そこで、 1 から順次10まで説明していくと一応分かったと応える。授業は思うよ
うに進まないが、何も分からずに予定を消化するより、少しでも学生さんの身につくものが増
えればその方が良いと自分に言い聞かせている。ところがところがである、そう簡単にことは
運ばない、それも自分の自己満足に過ぎなかった事がすぐにわかってしまう。
何がわかっていないのか
次の週に同じような質問をするとやはり分かっていない。これを繰り返すうちにやっぱり納
得はしていないことがわかる。 1 から10への説明は、 1 がイメージできてその後の展開であっ
て、実は 0 から 1 までが有ってそこが抜けているらしいことに思いが及んだ。では 0 から 1 の
間に何があるのだろうか。小学生の低学年の時、お金の勘定は間違いなく出来るのに算数が苦
手な友達がいた。お金の勘定と算数の足し算や掛け算は同じだと思うのだが、算数になると出
来ない。今にして思うと、 1 円、りんご 1 個、アンパン 1 個いずれも算数では 1 と定義する。
アンパン 1 個は具体的であるが、 1 という数はそれを抽象化したものでイメージし難い。この
−29−
抽象化されたものがイメージできなくて算数が苦手になったのではないかと思う。小学校では
数の計算であるが、中学になると方程式になる。具体的にはわからない数を x という文字で
表す。これは未知数 x の定義で、数よりもっと抽象的な文字で表すことで一段とイメージし
にくくなる。このあたりから数学が苦手という人が出てくる。いったん数学は苦手と思った人
に、さらにいろんな量を多くの文字で表した数式を見せるとそれだけでパニックになってしま
う。それが理系嫌いということではと思う。物理には F=mα という力を定義した等式がある。
何年か前に学会誌にこの等式を証明できないかという記事が載っていた。しかし、これは定義
であるから証明できるものではない、すなわち、納得できるように説明できるものではない性
質のものである。イメージできないから証明してくれということであろうが、それは出来な
い。定義はそのまま受け入れてイメージできるように慣れなければ仕方ないことのように感じ
る。化学では例えば目には見えない酸素を化学式では O として定義する。この定義をイメー
ジできないでいる学生が多い。その結果、「ことばでの説明は分かるが、化学式が出てくると
分からないような気がする」ということになる。どうやって 0 から 1 までを身につけさせる
か。繰り返し使って慣れるしかないと思うのだが、使うことを拒否される。化学式や数式は使
わず、全てを言葉で答えてくる。化学式や数式は道具で、使うと便利なことを理解してくれな
い。否、理解しようとしないというのが真実であろう。パソコンやケイタイなどは使えないと
損をすると思っているので使えるようになる。化学式や数式は使えなくても損をするとは感じ
ないのであろう。道具の使い方は若いときほど速く覚えられる。年をとると新しい道具に取り
組むのに時間がかかるし、覚えてもすぐ忘れる。そういう点で、中学、高校で積み残したもの
は大きい、それを全て大学で習得するのは大変なことのように思われる。
学生はかわいい
学生からすると先生はわからないことを押し付ける由々しき存在で、まともに話を聴きたく
ないと思っているのかもしれない。そのことを講義中に弁当を食べたり、お化粧をしたりとい
う行動に顕わすのだろうと思う。しかし、ここで怒ってはいけない。怒られると、非が自分に
あっても自己弁護して不信感を募らせるものである。そんな学生でもその存在全て丸ごと受け
入れて、かわいいと思うことが大切と考えている。教える者と教えられる者の間には信頼関係
がなければ伝えるべきことも伝わりにくくなる。人間関係にとって信頼はもっとも大切で、信
頼を得るにはまず自分から相手を信頼する余裕を持つことで、
その余裕はどこから生まれるか、
それは赤子が母親に対するように、全てを受け入れてかわいがってくれるという絶対的な信頼
を持てるものがあるところからと考えている。男である自分には母親のような気持ちにはなか
なかなれないが、まずは学生を丸ごと受け入れてかわいいと思うところから始めないと、学生
に信頼されることはないのではと思うのである。学生諸君には他人にも心を開く余裕を持っ
て、子供をかわいがって心豊かに育てる女性になってもらいたいものである。
−30−
私の授業論
―私の授業実践から―
国際コミュニケーション学部 笠原 正秀
6 月半ばの併設校 2 年生向け大学説明会の折り、学部長から「私の授業論」執筆の依頼を打
診された。さて、何を書いたらよいものかと思案し、いろいろと考えてはみたものの、最終的
には、私自身が学生とじかに対峙する日々の授業を行うにあたって、日頃より心がけているポ
イント、あるいは自分自身の中で決め事としていることや学生との間で決め事としていること
を書くことにした。
最初に、本稿全体の視点を理解していただくために、2007年度、私が担当している科目を紹
介しておきたい。
《国際コミュニケーション学部》
1 年生ゼミ科目:国際教養演習 B
学科専門科目:異文化適応論、言語コミュニケーション論、非言語コミュニケーション論、
通訳(英語)A・B
卒論ゼミ科目:異文化コミュニケーション研究Ⅰ A・B( 3 年生)
異文化コミュニケーション研究Ⅱ A・B( 4 年生)
通年科目:卒業論文指導
《人間関係学部》
専門発展科目:コミュニケーション論
所属学部である国際コミュニケーション学部で 6 コマ、兼担している人間関係学部で0.5
コマの計6.5コマの授業を持っている。これらをご覧いただいてもわかるように、ほとんどが
学部・学科の専門科目であるため、本稿では学部・学科の専門科目の授業に焦点を当て、私が
考える専門科目の役割と目的、実際に行っている授業スタイル、そしてどう評価しているか、
その評価方法について、私の実践を紹介しようと思う。
専門科目の役割と目的
私は、学部・学科に配置されている専門科目の役割は、最終的には卒業研究論文(いわゆる
卒論)を作り上げていくために必要な、その分野における専門用語を正確に理解し自分で使え
るようになり、研究のフレームワークとしての理論をしっかりと理解し、自分の卒業研究の中
で上手に使えるように学ばせる、あるいは知識として理解させることが目的ではないかと考え
ている。
−31−
卒論の中で、その分野のある 1 点について知的議論を展開するためには、その切り方、ある
いは切り口とでもいうべきものを知らずして、なぜ議論ができようかと常々思っている。私
は、このことを理解させるために、よくゼミで次のような話をする。
1 台丸ごとのホールケーキを「好きなように切って食べなさい」と言って、何もわからない
子供に与えれば、でたらめなナイフの入れ方をしてズタズタのケーキが残るだけだが、大人に
同じことを言って渡せば、普通は、ホールケーキ全体に対して、縦から、横から、斜めからと
ナイフを入れ、各ケーキのサイズが均等になるように切り分けて食べるはずである。それは、
そうすることがいちばんきれいに、かつ均等にケーキを切り分ける方法であることを知ってい
るからである。
専門科目の重要な役割は、このケーキの切り方を教えることと同じではないだろうか。そし
て、実際に自分で卒論を書く段になった時に、そのテーマ・主題(主論:Thesis)を決め、ど
うそのケーキにナイフを入れたらよいのか、その考え方の手がかり・足がかりになるのが、専
門科目で得られたその分野に関する知識ではないだろうか。
卒論準備科目であるゼミにおいては、授業において 1 テーマについて議論するということも
あり得るかとは思うが、その前提として、専門科目でしっかりとその分野の専門用語を理解し、
使いこなせ、ある程度、その分野で重要とされている理論についての知識があるという状態で
なければ、いくら議論させてみても、それは単なる学生の主観だけに基づいた何の理論的裏付
けも客観的証拠もない、いわゆる‘雑談’ということになってしまいやしないかと思ってい
る。つまりそれは、でたらめにナイフを入れられ、グチャグチャになったケーキの残骸が残る
のと同じことではないだろうか。
私は、そういうものを卒業研究論文としてゼミ生には残させたくないので、私のゼミに来る
可能性のある学生、あるいはすでに私のゼミに来ている学生が履修している専門科目では、最
低限のその分野に関する知識を身につけさせることを主眼においた授業を展開している。
授業スタイル
専門科目の場合、多くの場合は講義形式で授業を進めているが、まれに受講者が20人以上30
人未満程度の場合( 1 限目に配置した場合、まれにそういうケースがある)は、学生にテキス
トの分担箇所を決めさせ、自分たちで勉強し、発表させ、受講者全員で問題を考えるようなゼ
ミ的授業を展開する場合もある。しかし、こういうことができるのは非常にまれであり、多く
の場合、講義形式がとられる。
講義形式で授業を行う際、90分間、授業に集中させるというのはなかなか難しい。そこで、
私自身の中で一つの目安としているのが、50人というラインである。受講者が30人以上50人未
満程度の場合は、プリントによる講義内容のレジュメと関連資料プリントおよび板書で、多く
の学生が授業に集中し、講義を聴きながら、あるいは板書を見ながらノートや配布資料等にい
ろいろと書き込んでいる姿を見ることができる。しかし、50人を超えるとその授業手法で、受
−32−
講者の多くを授業に集中させるのは至難の業である。そこで私は、受講者が50人を超えるよう
な場合は、以下のような方法で授業を行っている。
たとえば、本年度、人間関係学部で担当していた「コミュニケーション論」の場合、受講者
数が120名ほどであった。その人数を知って私がまず思ったのは、15回全授業をパワーポイン
トでやろうということであった。各回の講義内容の根幹部分の説明にパワーポイントを用い、
その内容を補強するような関連事項については、随時プリントを配布したり、内容や分量の面
でプリントが使えない場合は、書画カメラに書籍の一部や資料の一部を大きく映して見せたり
した。
パワーポイントによるスライドショーや書画カメラに画像を映し出すことで、学生たちの視
覚を刺激し「見せる(魅せる)授業」を目指した。また、プリントによるレジュメ等がないた
め、学生たちにとっては、手元に文字として残るものがない。そのため、真剣にスライドの 1
枚 1 枚や、書画カメラに映し出された資料をノートに書き写している姿が見られた。2007年度
前期を終え振り返ってみると、時に私語がうるさいと感じられる回もなかったわけではないが、
15回概ね、こちらの意図する形で授業を展開することができたのではないかと思っている。
所属学部の授業でも同様のことが言える。本年度の「言語コミュニケーション論」は、受講
者数が70名弱という人数であったため、授業を進める中核としてパワーポイントを用いた。ま
た、補助的資料の提示にあたってはプリントの配布も行ったが、授業で取り扱った内容に関連
するコミュニケーションの現場を見せたいという意図から、DVD あるいは VTR を見せるこ
とで、より学生の気持ちを授業内容に引き付け、この分野への興味関心を喚起することができ
たように思う。この授業も15回、概ねこちらの意図する形で展開することができたと思う。
評価体系
‘なぜ私は A の評価をもらったのか?’
‘なぜ B なのか?’
‘なぜ C?’
‘なぜ D(不合格)?’学
生自身が、自分につけられた評価に納得できる、そんな姿勢で私は評価体系を決めている。そ
の基本線は以下のとおりである。
「出席状況」
、
「小テストもしくは中間テスト」
、
「学期末テス
ト」のそれぞれを100点中の 1/3 ずつで評価している。具体的には、出席点として20-30点、小
テストを 4 ∼ 5 回実施もしくは中間テストとして20-30点、学期末テスト30-35点、残りをレ
ポートの10点というのが基本形である。
出席点は、 5 回の欠席で持ち点が 0 点=失格となるように、欠席 1 回あたりの減点を決めて
いる。また、学期中に 1 回のみの欠席はノーカウントとし、 2 回以上の欠席から減点対象とな
るようにしている。小テストは、通常、各項目(章)の区切れ目ごと 5 点の 1 問 1 答形式の問
題を実施し、知識の定着を狙っている。中間テストの場合は、学期末テストと同様の構成を
とっているので、後に譲る。学期末テストは、 1 ) 1 問 1 答形式(小テストからの既出問題半
分)、 2 )専門用語簡易説明(小テストで既出の問題の応用)、 3 )事例分析他、という構成で
実施している。もちろんであるが、小テストあるいは中間テスト・学期末テスト等は、採点後
−33−
すべて学生に返却している。そのため、学期末テストは14回目の授業時に実施し、15回目の授
業は「答案返却日」と位置付けている。その時、
同時に、
出席記録に間違いはないか本人がチェッ
クする機会を設けている。
最後にレポートであるが、これはレポートと称するには少々大げさかもしれないが、各科目
が持つ独自のキーワードをもとに、新聞や雑誌等からの切り抜きに400字程度のコメント(自
分の意見・感想・分析等)をつけて提出させている。これは基本的に、評価するために提出さ
せるものではなく、せっかくその科目を半期履修したのであるから、せめてその学期の間くら
い、その分野に関連する社会の出来事に対して、ピピッと反応するアンテナを持ってもらいた
いという趣旨のものである。
これらの点数配分を見てもわかるように、授業にきちんと出席し、出すべきもの(レポート)
をきちんと出しさえすれば、それだけで40点の貯金はできるわけである。あと残りの20点分を、
小テストあるいは学期末テストから稼ぎ出せばよいのであるが、上述のように、学期末テスト
に関して、まったく初めて見るという問題は半分程度であり、小テストあるいは中間テストを
しっかりと勉強し直しておけば、ある程度の得点は望める形になっている。これだけの好条件
にもかかわらず、合格点(60点以上)に達しないというのは“余程のこと”ということがわかっ
ていただけるのではないだろうか。
以上のような、極めて簡潔明瞭な評価体系で学生に評価をつけているため、学期終了と同時
に学生本人が、自分で自分自身の評価がわかるようになっている。そして万が一、学生が自分
の計算と与えられた評価が合わない場合、「遠慮なく私に、あるいは教務課に言ってきなさい」
と宣言している。それくらい、いつ誰に見られても恥ずかしくない、困らない形で評価し、そ
れらをすべて記録(Excel で処理)に残しているのである。
本稿では、私が日々、専門科目の授業で実践している授業手法と評価体系、そしてその基本
的な考え方の一端を紹介させていただいた。私個人のレベルで言えば、毎日の授業準備に膨大
な時間を必要とするため、大変なことこの上ないのではあるが、これまでのところ、非常に有
効かつ効果的に機能していると感じている。各授業を終えた後、授業内容に関する質問やコメ
ントをくれる学生が必ず何人かいるので、そういったことにも手ごたえを感じている。
ただ、よく言われることではあるが、授業が教員の自己満足の世界で完結していてはいけな
いと常々思っている。『第 4 回国際コミュニケーション学部自己点検(2006年度)報告書』の
「学部への要望」( 1 年生)の項目の中に、学生からの声として「授業内容をもっと工夫してほ
しい。教授の自己マン授業が多すぎる。」という記述がみられ、改めて、
「学生が主役」、
「学生
にわかる授業」
、「学生のニーズに合った授業」、
「学生が知的に楽しみながら参加できる授業」
‥‥‥、そういった授業を心がける必要性を強く感じた次第である。
これからも学生のために、声をからして、汗をかいて、工夫を凝らした授業をしていこうと
思っている。
( 7 月31日脱稿)
−34−
私の授業論
人間関係学部 音喜多 信博
私の専門は哲学・倫理学であるが、人間関係学部においておもに教えているのは「生命倫理
学(バイオエシックス)
」という分野である。簡単に言うと、医療現場における倫理である。
人間関係学部の学生のなかには、社会福祉士や臨床心理士として将来医療の現場に出ていく学
生もいる。そのような専門職に就かなくとも、医療の問題は人生のいくつかの局面において、
すべての人が遭遇する問題である。その点において多くの学生に興味をもってもらえると考
え、この分野を授業の主たるテーマとしているのである。
生命倫理学関連の授業に限って言えば、学生の評価はけっこう高い(と思う)し、受講生の
態度はかなり真剣である。
(ただし、私自身が担当している哲学史をあつかっている授業のほう
は、あまり人気がない。
)具体的な内容としては、 1 年生には、
「終末期医療」
「安楽死・尊厳死」
「 脳 死 臓 器 移 植 」 など の テ ー マ で、 2 年 生 以 上 に は、
「生殖補助医療」
「人工妊娠中絶」
「出生前診断」などのテーマで授業をおこなっている。とくに生殖の問題に関する学生たちの反
応は真剣そのものである。こういった重いテーマに関する授業は大変難しい。私自身がどうした
らよいのか戸惑うような問題ばかりである。何気ない一言が、学生を傷つけてしまうこともある。
こういった問題を考えるにあたっては、各人の生命観や死生観が深く関わってくるので、教
員(私)の意見が絶対であるわけではない。私の考えは話すが、それを押しつけることのない
ようにしている。哲学の目標は、各人が自立した思考の主体となることである。
ところで、こういった問題について確固とした意見をもたせようにも、学生には早すぎると
思われる向きもあろう。親御さんも健在で、大きな病気やけがをしたことのない学生がほとん
どである。しかし、私はいますぐ結果を求めてはいない。問題の存在について知り、普段は気
づかない自分の生命観や死生観を言葉にしてみる作業が大切である。学生たちが人生経験を積
めば、また考えも変わってくるであろうが、それはそれでよい。いざ将来自分が問題に向き
合ったときに、一度考えたことがあるかないかでは大きな違いがあると思われる。実利的な観
点から言えば、制度や法律など、何をどこで調べればよいのか、ということを知っておくこと
も重要であろう。(たとえば、脳死や終末期の治療停止などについて。
)
要するに、思想やものの考え方に関連する教育においては、いますぐ目に見える結果を求め
てはならない。教育は、未来への投資なのである。
(昨今のご時世では、なかなか評価されな
いことであるが。)
これだけ深刻な話題なので、おおかたの学生は真面目に聞いてくれているのであるが、どん
なにがんばっても一定数はやる気のない学生がいる。私は、本学に赴任する前に、予備校で教
えていた経験があるので、話術にはそれなりの自信があった。しかし、 3 年くらい本学で授業
−35−
をやってみて分かったことであるが、こちらがいくら授業を工夫しても一定数の学生は私語を
する。その理由はいろいろあろう。授業が理解できない、真剣な問題にむきあうことへの抵抗
感や照れ、などなど。しかし、私は理由をあれこれ詮索することには意味がないと思っている。
教室でのルールを守らなければ、それは公共の場で他人に迷惑をかけていることであり、それ
に対しては理由のいかんに関わらず毅然とした態度で臨むしかない。それが、
「大人」のとる
べき対応である。
しかしながら、単に私語をする学生を怒鳴りつけているだけでは効果がないことが分かって
きた。
本学の学生はひとりひとり向き合うとけっこう真面目で素直である。
ゼミ形式の授業をやっ
てみるとよく分かる。要は、大人数の講義においても、彼女たちのそのようなところをできる限
り引き出すようにすべきなのである。そのためにおこなっていることは、以下のとおりである。
1 )要点はすべて板書する。
本学の学生は、あまり自分でノートをとる習慣や技術をもたないようなので、要点を整理し
て、かなりの量の板書をしている。倫理学の授業とはいえ、どうしても最低限の医療技術の説
明はしなければならない。これは口で言っただけではなかなか理解してもらえないので、あと
から見直して分かるようにていねいに板書している。
(さらに言えば、板書を写している間は
私語ができないという効果もある。
)幸か不幸か、私はパワーポイントなるものを使えない。
たぶん、パワーポイントで提示しただけでは、学生はノートをとらないであろうし、教員の話
は右から左に抜けていくであろう。やや古典的な考えかもしれないが、手で書いて覚える、こ
とをさせている。ただし、学生にとっては、書きながら聞くということが難しいので、ノート
をとる時間と話を聞く時間はなるべくかぶらないように工夫している。
2 )毎回授業後に、小さなペーパーに意見や質問を書かせ、それを出席点とする。
授業を終わった後に意見を書かなければいけないと思えば、少しは真面目に聞くものであ
る。私は毎回すべてのペーパーに目を通し、必要があれば、次回の授業において、名前を伏せ
た形で意見例のプリントをつくって配布している。これを続けるには労力が要るが、慣れれば
それほど苦でもなくなる。他の学生の意見を紹介することについては、受講者の評判がいい。
学生の意見を紹介したら、対等の立場で私の意見を述べることを忘れない。また、このペー
パーを私が読むことによって、学生の理解度が分かる。授業の難易度は適切か、学生がどこを
誤解しているのか、自分の説明のいたらなかったところはどこか、などといったことを把握す
ることができ、次回の授業で補足的な説明ができる。この作業は、なかなか自分からは質問を
してこない学生たちとの間接的なコミュニケーションであり、形式的な授業評価アンケートよ
りもよほど自分の授業改善に役立つ。
(といっても、苦労してアンケートを考案してくださっ
ている FD 委員の先生方に文句を言っているわけではけっしてありません。念のため。)
3 )決まりを守らない学生に対する対応を一貫させる。
7 年前にこの大学に赴任したときは、私は出席などどうでもいいと思っていたし、出席した
−36−
くなければ出席しないで、テストだけ受けてパスしてもらえばそれでよいと考えていた。つま
り、やる気のある学生だけ出席してもらえばよいと思っていた。
(私の受けてきた大学教育が
そうであったので。)ところが、いまの学生は居場所がないからなのか、払った授業料分は授
業を受ける権利があるという殊勝な意識からなのか、とにかく授業には出て来る。授業に来て
おしゃべりをする。これに対して私は、 1 時間に 2 回注意されたら退出してもらうことにして
いる。退出を拒む場合は、その場で名前を聞いて単位失格とする。このことを、最初の時間に
授業予定とともにプリントに書いて提示し、徹底的に強調する。
4 )映像資料を適切に使う。
受講する学生は、もちろん医療技術については素人なので、映像資料は欠かせない。ときに
臓器移植や生殖技術など若干気持ちが悪い映像も見る。テレビ番組として放映されたものなの
で、大した映像ではないのだが、何人かの学生は気分が悪くなって退出することもある。その
ため、医務室の先生には毎年お世話になっている。(
「またあの怪しい先生の授業か」と思われ
ているかもしれない。アカハラにならないよう、映像資料についてはシラバスや最初の授業に
おいて予告している。)しかし、評判はよい。昨今の学生は言葉を介してのイマジネーション
の力に乏しい人が多く、具体的なものを提示しないと理解が及ばないことが多い。映像に頼り
すぎることはよくないが、適切に提示すれば効果は大きい。
5 )毎回の授業に一話完結型のストーリーをもたせる。
「時間がきたので残りは来週に」といって流れが切れないように、 1 時間の授業でひとつの
テーマが完結するようにしている。 1 週間たてば、おおかたの学生は前の週の内容を忘れてし
まう。授業の最初には、前回の授業に対する受講者の意見紹介を含めて、必ず簡単な復習をし
て、授業の内容に連続性をもたせる。授業に限らずどんな場面でもそうなのだが、聞き手に興
味をもって話をきいてもらうためには、ストーリーの仕立てが重要である。
以上が、
私が本学での 7 年間の試行錯誤のなかから定着させてきた自分なりのやり方である。
といっても、そんなに目新しいことではないであろうし、異論もあるであろう。これで毎回授
業がうまくいっているというわけではなく、いまでも試行錯誤の連続である。ここにあげたこ
とは、ほとんどは私語をさせないためのテクニックのようなものであり、読んでくださる方々
にとってあまり面白いものではないことも承知のうえで、何かご批判などいただければ幸いと
書かせていただいた。もっと大局的な、私自身の教育理念や学問観のようなものもないではな
いが、紙幅の都合上、割愛させていただく。
この大学に赴任してきたとき、アカデミズムのなかでぬくぬくと生きてきた自分がいかに一
般社会からズレているか、学生たちに思い知らされた。私は、 7 年たった今でも(というか 7
年たってますます)学生とはまったくシンクロできていない「オヤジ」のままである。しかし、
いまはこの「ズレ」を楽しむくらいの余裕ができてきた。若い人たちに、この世の中には自分
とはまったく異なる価値観をもった人間が存在するということを身をもって示しておくこと
は、けっこう大切な「授業」ではないかと、最近では腹をくくっているのである。
−37−
私の授業論
文化情報学部 福永 智子
私は、司書課程・司書教諭課程の科目群を中心に、文化情報学部の専門科目と卒業研究を担
当しています。学生時代は文学部でフランス文学を専攻し、大学院では進路を変更して、図書
館情報学という学問分野に身を置いていました。基本的には自分の研究分野を中心に授業内容
を構成していますが、自分が学生時代から学んできたことを、現在の教育の場でどのように再
現できるのか、毎年が試行錯誤のうちに過ぎていきます。
仏文科にいた大学時代は、とにかく読書をしていました。自由な学風の大学で、文学部のな
かでも仏文科はおそらくもっとも自由な雰囲気で、先生方の授業の時間は少なく、徒弟的な教
育そのものでありました。学生たちは言われなくとも自ら学ぶのが当たり前で、私も限りない
自由時間には、読書のほかに授業の準備として日仏会館でフランス語を学んだり、ラテン語や
ドイツ語を学んだりしていました。
学生時代に印象に残っていることは、本物体験の重要さです。当時の教授のエピソードとし
て、ある物語を何十年間も誤解しておられた話を印象深く記憶しています。先生がフランス滞
在中に、現地の小劇場でその物語に出会い、病気の夫を持つ妻と医者という 3 人の登場人物の
間に、恋愛上の三角関係が存在することを、役者の演出から発見されたのでした。たしかにま
じめな日本人にとっては想像しにくい内容でありますが、テキストを読む場合、そうした日本
人的発想から自由になることがいかに難しいかを悟りました。処方箋としては、原書のテキス
トのみならず可能な限り現地でフランス文化に触れるしかありません。
そのほかにも仏文の先生方はよく、これは○○の初版なのだとか、誰某はプレイヤード版で
本を出したなどと書籍や出版のことをよく話されていました。図書館情報学に身を置いた大学
院時代には、手袋をはめて初期印刷本などの貴重資料を見せていただき、羊皮紙や牛皮紙など
の印刷紙や活字に触れたことがとても印象に残っています。カリグラフィによる写本の実習も
楽しいものでした。授業では日本点字図書館はじめ特長ある図書館を数多く訪れ、国立情報学
研究所で総合目録データベースのシステム開発者からお話を伺ったり、とにかく実物に触れ、
図書館を訪れ、人に会うことを可能にしていただき、今思えば本当に恵まれた環境であったと
思います。
それが可能であったのは、何と言っても授業のほぼすべてが少人数であったことが重要な要
件です。大学でも 3 年次からの授業は教官 1 名に学生 5 ∼ 6 名、多くて20名という人数でし
た。一方、現在の大学教育の現場では、大教室における講義が通常のこととなり、私も例に漏
れず授業は大教室の講義が中心で、受講者が100名を下回ることは少なくなりました。このよ
うな状況の中で本物体験の重要さを学生たちに伝えようとしても、実践できることは限られて
きますが、たとえば地元の市町村立図書館の見学を授業に取り入れるとか、教科書に掲載され
−38−
た資料にはできるだけ実物を用意し回覧するとか、図書館利用者と図書館員とのコミュニケー
ションをワークショップとして実施してみるなど、なんとか方法を模索し試行錯誤で取り組ん
でいます。
さて、現在の私の担当科目は、具体的には以下のようになっています。
Ⅰ.文化情報学部の科目
(A)通常の文化情報学部専門科目
①データベース論、②データ検索論、③④卒業研究
(B)文化情報学部専門科目であるが、司書課程科目として読み替えられる科目
⑤社会システム論 2 、⑥情報サービス概説
Ⅱ.司書課程の科目
(C)通常の司書課程の科目
⑦資料組織演習A、⑧資料組織演習B、⑨児童サービス・資料論、
⑩レファレンスサービス演習
(D)司書課程の科目であるが、司書教諭課程の科目として読み替えられる科目
⑪資料組織概説
Ⅲ.司書教諭課程の資格専門科目(E)
⑫学習指導と学校図書館
平成12年度に文化情報学部が開設されてから、担当科目数の関係から私は基幹演習・基礎演
習・プレゼミなどの演習を一度も経験したことがなく、実質的な演習形式の授業は卒業研究だ
けであります。上記のうち、文化情報学部の学生のみ受講している科目は(A)の科目であり、
(B)∼(E)の 8 科目は、他学部生も受講しています。司書課程・司書教諭課程は平成16年度
から、生活科学部を除く全学部に開放することが決定し、具体的には文化情報学部に加えて、
現代マネジメント学部、国際コミュニケーション学部、人間関係学部の学生が課程履修をして
います。今年度入学生より教育学部の学生も受講することになっているので、今後は合計 5 学
部の学生を対象として、授業を行うことになります。そのような事情でとにかくどの授業も履
修者が多く、⑦資料組織演習 A と⑧資料組織演習 B も演習とは名ばかりで、100∼150名の履
修者を相手に、メディア棟001教室で授業を開講しています。
⑩レファレンスサービス演習は、図書館法施行規則上の科目のねらいから、どこの大学でも
実際の図書館資料やデータベースを使った演習が基本になっています。本学でも大学図書館を
フィールドとして演習を行っていますが、図書館資料が足りない、レファレンス資料室の座席
が足りない、他の利用者に迷惑がかかるなどの理由から、今年度よりクラスを 2 分割しました。
それでも資料は十分に足りているとはいえず、来年度からは教育学部の学生も受講しますの
で、授業の方法をさらに工夫して乗り切らなければなりません。
(A)の科目群は、文化情報学部の学生だけが対象ですが、毎年それなりに多くの学生が受
講しています。①データベース論は、今年度メディア棟324・325教室を合わせて使用し、教室
定員の96名が受講しました。PubMed(米国医学図書館医学情報データベース)の成立過程と、
医学の専門家のみならず医療を受ける市民のためのデータベースとして生まれ変わったその具
体的な内容を実体験することや、特許データベース(IPDL)を使って特許分類を勉強するこ
−39−
となどが、授業内容の中心です。データ検索論(旧カリ:情報検索論)は今年度からはオムニ
バス科目になりますが、昨年度まで毎年150名程度の学生が受講していました。また、(B)⑤
社会システム論 2 は、今年度、新カリキュラムの移行措置の関係で受講者が270名を超えてし
まったため、特例措置として今年度のみクラスを 2 分割して対応しました。
受講者が多いと授業の運営全般がたいへんなのですが、もっとも心を砕いていることは何か
というと、すべての授業で同じ内容を絶対に取り扱わないということです。たとえば、文化情
報学部に在籍し司書課程を履修している学生のケースでは、司書資格を取得するために、⑤社
会システム論 2 、⑥情報サービス概説、⑦資料組織演習A、⑧資料組織演習B、⑨児童サービ
ス・資料論、⑩レファレンスサービス演習、⑪資料組織概説の 7 科目を履修します。さらに文
化情報学部の専門科目を自由選択し、
(A)の①データベース論、②データ検索論の 2 科目を
合わせ、計 9 科目を履修していることが珍しくありません。まったく同じ学生に、 9 種類の授
業内容を用意するということは、本当に大変なことであります。このような学生は、たとえば
(A)群の①データベース論や②データ検索論の授業で、司書課程の授業と重なる部分を発見
したときは、授業が終わると必ずと言っていいくらい教卓まで話をしにやってきて、「先生、
今日の授業の中身は、司書課程で去年ちょっと勉強したよ∼」などと意見を言います。司書課
程の学生が仮に退屈そうにしていても、文化情報学部の普通の学生にとって必要な内容であれ
ば講義するべきなのかもしれませんが、司書課程の学生がごく少数ならまだしも、それなりの
数がいてはやはり配慮しないわけにいきません。結果的に、まったく違う授業内容を 1 人の学
生に 9 種類用意するということが、私の椙山での教育の現実的なノルマとなっています。しか
もどの授業科目も内容が毎年新しくなる分野であり、授業の準備には本当にエネルギーを使っ
ております。
このような授業実践を日々重ねる中で、図書館政策や読書推進政策、出版流通や書物文化な
どの分野、著作権や公貸権などの動向に興味をもって、卒業研究を志す学生が現れてきてくれ
ることは、非常に喜ばしいことであります。基幹演習などのゼミをまったく担当していないの
で、私の卒業研究には学生が来るのだろうかと当初心配でしたが、今のところ特に問題はない
ようです。
−40−
私の授業論
現代マネジメント学部 山田 健治
「最近の学生は勉強しない」と私もときどき愚痴をいうが、私も大学時代には授業はサボり
放題、試験の前のみ一夜漬けの勉強であった。しかし、本は濫読した記憶がある。
本当によく勉強に集中したと思えるのは、36歳のときに米国の大学院の修士課程に学生とし
て学んだ 9 ヵ月間である。耳が聞こえずディスカッションには参加できなかったが、このこと
はよい経験になっている。今も、学生に講義するときに、役立っている。
椙山での私の授業
受講者数が70名程度と少ない専門科目である「国際経済論 A」では、取り上げる授業内容
が外国為替なので、説明する、練習問題を解く、解答をするというパターンで授業をしている。
説明だけでなく、問題を解くことの重要性はアメリカでたっぷりと経験させられた。もっと
も、問題を解くことは宿題となっていたが、椙山ではできる限り授業時間中にそれをこなした
い。とにかく手を動かさないと口が動きがちである。
日常生活にあまり関係ないものは、理解しにくいものである。たとえば、為替の「先物為替」
である。新聞やニュースでは「直物為替相場」はよくでるが、先物はでてこない。商品先物の
話は、最近では原油やトウモロコシが値上がりしているので耳にはしているようだ。
予習もしなくて授業に出席してその場でなんとなく分かったような気分になってもらう、い
わゆる「お値打ち授業」方式では、教える内容をできる限り少なく、抽象性をできる限り排除
して、繰り返し、体を動かして体感することが必要になる。
経済学には数学はいらないというのではなく、数式やグラフで自由に説明できればどれだけ
便利かと思うが、数式にはアレルギーでグラフもノンである。したがって数字で説明すること
が多くなる。
米国の教科書のページ数が多くて、練習問題も多くあり、しっかりと読ませるのに、日本で
は薄くて、内容が精選され、人間の体で言えば骨格のみの教科書となりがちである。
本来ならば米国の教科書のようなものがふさわしい。もっとも、その前提は、予習をするこ
と、宿題をやること、TA がきちんと配置されていること、アルバイトよりも勉強に投入する
時間が多いこと、落第を容認すること、落第をしても他の大学に吸収してもらえることなど、
競争的な仕組みが機能する条件があることだ。
お値打ち授業の功罪
私が、あまりにもお値打ち授業をすれば、その結果は体系的な分析がないツールの道具箱を
提供することになるのではと、危惧するものである。コンピュータのエクセルで解くような問
−41−
題ばかりやると、道具箱には電動のこぎりや電動かんなしかないので、普通のかんなやのこぎ
りがさび付いて、使えなくなるということにならないか。応用ができなくなるのではないか。
道具の使い方を覚えるのが大学だとすれば、材料と道具と設計図をわたして、画一的な犬小屋
を作る訓練をしているだけでは、自分で犬小屋が作れなくなることにはならないか。
大学では、“how”ではなくて“why”を教えることだ。100人にひとり優秀な人間がでれば
よい、などなどと先人の教えも多い。きっちりと経済学の基礎を習得してもらいたいという気
持ちは強いが、経済学の本を見れば虫唾が走るという経験のみが刷り込まれることは避けた
い。
資格試験の過去問を見ても、授業を聴いていて練習を少しすれば解答できるものは多い。そ
の意味では、授業は大事である。
悩める老羊
椙山の私の授業では、経済社会という地図に各人が点を打ち込むことである。卒業してから
必要になれば、点と点を結んで線とし、線と線を集めて面にする作業を各人でやってゆくこと
になるのではないか。
いろいろ悩みながら、今日もダイエットされた教材と教科書で飽食時代に生きるわがまま
いっぱいの学生さんに、本日のランチのダイエットサラダにはどのドレッシングがいいのか
なーとためいきをつきながら、ゴマドレ、イタリアン、しそ味、あるいはファブリーズかなー
とちょいちょいと授業中に振りかけております。
何かよいやり方があればお教えください。私は、いまだに迷える老羊(未年生まれ)です。
もっとも、 1 年生によれば、70歳以上でないと老人とは思わないので地下鉄では席を譲ると失
礼なんですということでした。
−42−
Ⅱ.2「授業についてのアンケート調査」
「授業についてのアンケート調査」の実施について
全学FD委員会委員長 米田 公則
1.
「授業についてのアンケート調査」の実施について
平成18年度の「授業についてのアンケート調査」は、以下の資料のとおり、本格実施期間と
して12月の第一週に行われた。
前年度と大きく変化した点は、昨年度まで前期、後期の 2 回実施していたアンケート調査を
後期のみにした点である。その他基本的な枠組みは変わっていない。
受講学生数10名未満の授業、オムニバス形式の授業は除外をした。資料にあるとおり、全体
としては 9 割を超える実施率で、定着をしているといえよう。
今後の課題としては、オムニバス形式の授業に対するアンケート実施の進め方をどうするか
である。オムニバス形式の授業は必修科目を多く含んでおり、受講者数も多い。今後の重要な
改善点の一つであろう。
●本実施期間:12月 4 日(月)
∼12月 9 日(土)
●予備期間: 11月27日(月)∼12月 2 日(土)
12月11日(月)∼12月16日(土)
●実施対象科目数(学部別は別紙①)
年度
講義科目
演習科目
外国語科目
実験・実習科目
計
H18前期
515
190
220
53
978
H17後期
512
182
216
63
973
H17前期
550
187
219
58
1014
H16後期
505
171
218
70
964
H16前期
518
197
232
68
1015
−43−
●実施科目数と返却率(マークシート回収分)
(学部別は別紙②)
年度
講義科目
演習科目
外国語科目
実験・実習科目
計
H18後期
489
95.0%
153
80.5%
214
97.3%
46
86.8%
902
92.2%
H17後期
472
92.2%
167
91.8%
205
94.9%
52
82.5%
896
92.1%
H17前期
491
89.3%
166
88.8%
216
98.6%
40
69.0%
913
90.0%
H16後期
461
91.3%
162
94.7%
205
94.0%
64
91.4%
892
92.5%
H16前期
501
96.7%
193
98.0%
224
96.6%
60
88.2%
978
96.4%
●実施教員数(全学部の実人数。ただし、兼担と非常勤の場合は重複カウント)
年度
専任教員
兼担
非常勤
計
H18後期
140/143名
95.4%
29/31名
93.5%
226/233名
97.0%
394/407名
96.8%
専任(含む兼担)
非常勤
計
H17後期
145名
229名
374名
H17前期
137名
222名
359名
H16後期
146名
227名
373名
H16前期
152名
226名
378名
●実施教員数(学部別の実人数。ただし、兼担と非常勤の場合は重複カウント)
年度
学部
専任
兼担
非常勤
計
生 活
28/28名
100%
4/5名
80%
45/45名
100%
77/78名
98.7%
国コミ
27/28名
96.4%
10/11名
90.9%
77/79名
97.5%
114/118名
96.6%
人 間
35/35名
100%
4/4名
100%
53/57名
93.0%
92/96名
95.8%
文 情
27/28名
96.4%
3/3名
100%
32/33名
97.0%
62/64名
96.9%
現マネ
23/24名
95.8%
8/8名
100%
19/19名
100%
50/51名
98.0%
計
140/143名
97.9%
29/31名
93.5%
226/233名
97.0%
395/407名
97.1%
H18後期
−44−
学 部
生活科学部
専任教員
125
63
188
実施科目数
108
63
171
86.4%
100.0%
91.0%
133
141
274
105
136
241
78.9%
96.5%
88.0%
実施予定科目数
141
79
220
実施科目数
131
74
205
92.9%
93.7%
93.2%
実施予定科目数
108
54
162
実施科目数
104
53
157
96.3%
98.1%
96.9%
実施予定科目数
109
25
134
実施科目数
103
25
128
94.5%
100.0%
95.5%
実施予定科目数
616
362
978
実施科目数
551
351
902
89.4%
97.0%
92.2%
実施予定科目数
国際コミュニケーション学部 実施科目数
実施率
実施率
文化情報学部
実施率
現代マネジメント学部
実施率
合 計
合 計
実施予定科目数
実施率
人間関係学部
非常勤
実施率
−45−
2 .「授業についてのアンケート調査」結果を踏まえた授業評価について(リフレクション・
ペーパーについて)
リフレクション・ペーパーの提出状況については、資料であるとおり、全体として35.9%と
低い状況である。しかも、専任の提出状況は32.9%で、非常勤教員よりも低い。過去の提出数
を見ると年々提出数が減っていることがわかる。提出数が低迷している理由として考えられる
のは、第一に、提出時期が教員の成績評価の時期と重なり、多忙な時期に提出を求められると
いうことにある。この点は今後検討される必要があろう。第二は、教員側が提出の意義を今ひ
とつ理解していないことが考えられる。今後は、リフレクション・ペーパーの意義を教員が再
認識し、内容も含め改善されることが必要であろう。
●提出教員数及び提出率(全体の実人数。ただし、兼担と非常勤の場合、重複カウント)
年度
専任
兼担
非常勤
計
H18後期
46/140名
32.9%
6 /29名
20.7%
90/226名
39.8%
142/395名
35.9%
年度
専任
非常勤
計
H17後期
50名
110名
160名
H17前期
48名
133名
181名
H16後期
66名
104名
170名
H16前期
73名
128名
201名
●提出教員数及び提出率(学部別の実人数。ただし、兼担と非常勤の場合、重複カウント)
年度
学部
専任
兼担
非常勤
計
生 活
6 /28名
21.4%
1/4名
25%
12/45名
26.7%
19/77名
24.7%
国コミ
7 /27名
25.9%
3 /10名
30.0%
37/77名
48.1%
47/114名
41.2%
人 間
12/35名
48.0%
0/4名
0%
21/53名
39.6%
33/92名
35.9%
文 情
11/27名
40.7%
0/3名
0%
12/32名
37.5%
23/62名
37.1%
現マネ
10/23名
43.5%
2/8名
25.0%
8 /19名
42.1%
20/50名
40.0%
計
46/140名
32.9%
6 /29名
20.7%
90/226名
39.8%
142/395名
35.9%
H18後期
−46−
年度
H17後期
学部
専任
非常勤
計
生 活
6名
11名
17名
国コミ
7名
38名
45名
人 間
15名
25名
40名
文 情
14名
21名
35名
現マネ
8名
15名
23名
計
H17前期
50名
6名
30名
36名
国コミ
9名
44名
53名
人 間
16名
25名
41名
文 情
11名
19名
30名
現マネ
6名
15名
21名
48名
133名
181名
生 活
18名
21名
39名
国コミ
13名
33名
46名
人 間
16名
26名
42名
文 情
12名
18名
30名
現マネ
7名
6名
13名
計
H16前期
160名
生 活
計
H16後期
110名
66名
104名
170名
生 活
23名
29名
52名
国コミ
12名
47名
59名
人 間
17名
26名
43名
文 情
15名
22名
37名
現マネ
6名
4名
10名
計
73名
128名
201名
「授業についてのアンケート調査」実施に関する意見書提出状況について
提出枚数(複数枚提出の場合あり)
年度
総提出枚数
H18後期
94枚
H17後期
114枚
H17前期
116枚
H16後期
143枚
H16前期
162枚
H15後期
186枚
*意見書は無記名提出につき、学部別のデータは作成不可能。
−47−
別紙①
授業アンケート実施状況について(学部別)
実施対象科目数
年度
学部
専/非
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
生 活
国コミ
人 間
H18後期
文 情
現マネ
合計
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
生 活
国コミ
人 間
H17後期
文 情
現マネ
合計
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
生 活
国コミ
人 間
H17前期
文 情
現マネ
合計
国コミ
人 間
H16後期
文 情
現マネ
合計
国コミ
人 間
H16前期
文 情
現マネ
合計
外国語
3
17
33
74
15
22
16
22
15
3
実験実習
35
7
2
0
4
5
0
0
0
0
小計
125
63
133
141
141
79
108
54
109
25
学部計
515
190
220
53
978
978
63
47
60
65
83
33
57
25
48
31
6
4
39
12
46
12
20
7
36
0
3
18
34
63
15
22
20
27
14
0
36
11
2
0
6
5
3
0
0
0
108
80
135
140
150
72
100
59
98
31
512
182
216
63
973
89
43
92
73
80
34
51
34
31
23
91
43
84
62
84
38
44
22
27
10
505
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
生 活
演習
21
5
42
1
42
13
21
6
39
0
550
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
生 活
講義
66
34
56
66
80
39
71
26
55
22
96
57
78
68
82
35
54
26
16
6
518
12
4
11
0
61
10
51
1
37
0
187
13
5
24
18
50
10
22
6
23
0
171
26
6
13
2
65
7
51
0
27
0
197
−48−
3
18
29
60
16
22
24
29
16
2
219
33
7
2
0
6
4
4
0
1
1
58
2
21
32
61
15
22
23
26
13
3
218
232
1014
40
13
2
1
7
5
2
0
0
0
70
4
23
33
63
14
21
25
32
13
4
146
82
142
142
156
75
91
54
63
13
964
32
12
3
1
7
6
5
0
1
1
68
137
72
134
133
163
70
130
64
85
26
158
98
127
134
168
69
135
58
57
11
1015
188
274
220
162
134
188
275
222
159
129
973
209
267
233
194
111
1014
228
284
231
145
76
964
256
261
237
193
68
1015
別紙②
授業アンケート実施状況について(学部別)
実施科目数
年度
学部
生 活
国コミ
人 間
H18後期
文 情
現マネ
専/非
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
合計
生 活
国コミ
人 間
H17後期
文 情
現マネ
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
合計
生 活
国コミ
人 間
H17前期
文 情
現マネ
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
合計
生 活
国コミ
人 間
H16後期
文 情
現マネ
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
合計
生 活
国コミ
人 間
H16前期
文 情
現マネ
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
専 任
非常勤
合計
講義
62
34
49
64
75
38
67
25
53
22
演習
12
5
26
1
37
10
21
6
35
0
外国語
3
17
30
71
15
22
16
22
15
3
実験実習
31
7
0
0
4
4
0
0
0
0
小計
108
63
105
136
131
74
104
53
103
25
学部計
実施率
171
90.96%
241
87.96%
205
93.18%
157
96.32%
128
95.52%
489
153
214
46
902
902
92.22%
57
33
57
62
80
33
50
25
46
29
6
4
30
12
40
12
20
7
36
0
3
17
32
57
15
22
20
27
12
0
28
11
1
0
6
5
1
0
0
0
94
65
120
131
141
72
91
59
94
29
159
84.57%
251
91.12%
213
95.94%
150
94.33%
123
95.34%
472
167
205
52
896
896
92.10%
180
86.10%
239
89.51%
215
92.27%
176
90.72%
103
92.79%
913
90.03%
200
87.71%
264
92.95%
214
92.64%
139
95.86%
75
98.68%
892
92.50%
233
91.01%
256
98.08%
235
99.15%
189
97.92%
65
95.58%
978
96.40%
81
40
72
71
69
33
44
33
28
20
491
84
34
71
60
85
30
44
19
25
9
461
92
53
77
67
81
34
53
24
15
5
501
8
4
9
0
55
10
44
1
35
0
166
3
16
27
60
16
22
24
30
16
2
216
14
3
20
18
44
10
22
6
25
0
162
2
15
29
62
15
18
21
27
13
3
205
23
5
13
2
65
7
51
0
27
0
193
2
21
32
62
14
21
25
31
13
3
224
−49−
21
7
0
0
6
4
0
0
1
1
40
34
14
3
1
7
5
0
0
0
0
64
28
9
3
0
7
6
5
0
1
1
60
113
67
108
131
146
69
112
64
80
23
913
134
66
123
141
151
63
87
52
63
12
892
145
88
125
131
167
68
134
55
56
9
978
「授業についてのアンケート調査」 分析結果
1 .学生の満足度の分析
1 . 1 .学生の総合満足度と回答者数(の関係)
図1
1
1 は、全学部学生の総合満足度を見たものである。全体としては、「その通りであ
る」37%、
「どちらかといえばその通りである」45.9%と、肯定的に捉えた学生が全体として
は82.9%にのぼっている。しかし、否定的な回答も16%以上ある。また、回答数19名以下の授
業(演習、実習を中心にしていると思われる)では、満足が高く、60人以上の授業では、満足
度が低下している。
学部別に見ると、全体的傾向としては同様であるが、国際コミュニケーション学部において、
満足度の高い学生が多いのに対し、文化情報学部、現代マネジメント学部では、満足度の高い
学生の比率が相対的に低い。しかし、文化情報学部では、19人以下の授業では生活科学部に次
いで、満足度が高いことがわかる。
(図 1
1
1)
総合満足度と回答数(全学部)
その通りである
3.3%
全体
37.0%
45.9%
13.1%
0.7%
5.0%
60 以上
28.5%
48.0%
17.9%
0.6%
どちらかといえば
その通りである
0.8%
どちらかといえば
そうではない
2.7%
40∼60
34.1%
49.3%
13.1%
2.7%
20∼39
40.3%
19 以下
55.3%
0%
(図 1
45.1%
1
20%
11.0%
1.3%
6.2% 0.5%
36.7%
40%
60%
0.9%
80%
そうではない
無効回答
100%
2)
総合満足度と回答数(生活科学部)
全体
60 以上
その通りである
3.8%
32.0%
48.4%
46.6%
22.0%
15.1%
23.3%
0.7%
7.4% 0.6%
2.3%
40∼60
34.0%
50.7%
20∼39
34.3%
49.3%
12.2%
0.7%
2.8%
65.9%
19 以下
0%
20%
12.7%
28.0%
40%
60%
−50−
80%
0.9%
1.9%
3.9% 0.3%
100%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
そうではない
無効回答
(図 1
1
3)
総合満足度と回答数(国際コミュニケーション学部)
全体
49.0%
60 以上
2.7%
8.9%
0.9%
38.6%
34.7%
41.8%
14.6%
7.7%
1.2%
どちらかといえば
その通りである
0.8%
どちらかといえば
そうではない
2.7%
40∼60
42.7%
40.4%
13.4%
3.0%
20∼39
47.7%
19 以下
58.2%
0%
(図 1
39.5%
1
20%
8.7%
40%
60%
1.1%
0.9%
5.0% 0.5%
35.5%
80%
その通りである
そうではない
無効回答
100%
4)
総合満足度と回答数(人間関係学部)
その通りである
2.5%
全体
42.1%
60 以上
41.2%
43.2%
11.4%
0.8%
3.2%
42.3%
12.7%
0.6%
どちらかといえば
その通りである
1.1%
どちらかといえば
そうではない
1.7%
36.0%
40∼60
47.9%
13.3%
2.5%
41.9%
20∼39
49.6%
19 以下
0%
(図 1
44.0%
1
10.6%
1.1%
8.2%
0.7%
40.4%
20%
40%
60%
1.0%
80%
そうではない
無効回答
100%
5)
総合満足度と回答数(文化情報学部)
その通りである
3.9%
全体
49.3%
30.3%
15.8%
0.7%
4.5%
60 以上
53.2%
22.4%
19.2%
0.7%
どちらかといえば
その通りである
0.9%
どちらかといえば
そうではない
4.7%
40 ∼60
50.4%
29.7%
14.3%
3.1%
20 ∼39
19 以下
0%
47.8%
34.4%
61.9%
20%
14.0%
30.7%
40%
60%
−51−
80%
0.8%
1.4%
5.7% 0.3%
100%
そうではない
無効回答
(図 1
1
6)
総合満足度と回答数(現代マネジメント学部)
その通りである
3.6%
全体
31.5%
60 以上
50.5%
24.9%
14.0%
51.5%
18.0%
0.4%
5.4% 0.3%
2.9%
40∼60
28.0%
53.8%
34.9%
20∼39
51.1%
45.7%
19 以下
0%
14.9%
11.4%
43.5%
20%
40%
60%
7.8%
80%
0.4%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
2.0%
0.6%
そうではない
2.4%
0.6%
無効回答
100%
1 . 2 .授業形態ごとの出席率
図1
2
1 は、全学部における授業形態別の出席率である。実験実習、語学、演習の順に出
席率が高く、 8 割を超えている。講義の出席率はやや低いが 7 割近い。
図1
2
2 から 1
2
5 は、授業形態別の学部別の出席率の比較である。演習では、現代マ
ネジメント学部、文化情報学部が 8 割を超えており、国際コミュニケーション学部が75.7%で
最も低い。語学の出席率は、生活科学部が最も高く、人間関係学部が最も低い。講義形式の授
業では、生活科学部のみ 8 割近い出席率であるが、国際コミュニケーション学部は、 6 割をわ
ずかに超えた出席率となっている。
(図 1
2
1)
授業形態と出席率(全学部)
100.0%
80.0%
80.8%
出席率
89.2%
84.4%
69.5%
60.0%
40.0%
20.0%
0.0%
演習
語学
講義
−52−
実験実習
(図 1
2
2)
出席率
出席率と学部(演習)
87.4%
現代マネジメント学部
84.1%
文化情報学部
79.4%
人間関係学部
75.7%
国際コミュニケーション学部
78.0%
生活科学部
0%
(図 1
2
20%
40%
60%
80%
100%
3)
出席率と学部(語学)
出席率
86.1%
現代マネジメント学部
84.6%
文化情報学部
79.1%
人間関係学部
85.0%
国際コミュニケーション学部
89.9%
生活科学部
0%
(図 1
2
20%
40%
60%
80%
100%
4)
出席率と学部(講義)
出席率
現代マネジメント学部
69.8%
文化情報学部
70.1%
66.9%
人間関係学部
60.7%
国際コミュニケーション学部
79.7%
生活科学部
0%
20%
40%
−53−
60%
80%
100%
(図 1
2
5)
出席率と学部(実験演習)
出席率
87.3%
人間関係学部
89.5%
生活科学部
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1 . 3 .授業形態ごとの学生の総合満足度
図1
3
1 は、全学部における授業形態別の満足度であるが、最も満足度の高い形式は、演
習形式で、
「その通りである」が53.8%、「どちらかといえばその通りである」37.7%、合計
81.5%が満足をしている。それについで満足度の高い授業形態は、
「外国語」
「実験・実習」の
形式である。
学部別で見ると、演習形式では大きな差はないが、文化情報学部、人間関係学部での満足度
が高いことがわかる。それに対して、外国語では、学部間の差が目立ち、国際コミュニケー
ション学部では「その通り」と回答しているものが55.7%にのぼるのに対して、人間関係学部
では、28.3%と27ポイントも差がある。講義においても同様に差が目立ち、国際コミュニケー
ション学部では「その通り」と回答しているものが45.6%であるのに対して、文化情報学部で
は24.6%と21ポイントの差が出ている。
(図 1
3
1)
全学的な満足度(授業形態別)
実験・実習
1.6%
7.5%
1.4%
46.5%
43.1%
3.9%
講義
47.2%
33.0%
44.5%
外国語
演習
15.2%
1.8%
9.4%
0.8%
43.6%
53.8%
0.7%
2.4%
5.8% 0.3%
37.7%
その通りである
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
そうではない
無効回答
0%
20%
40%
60%
−54−
80%
100%
(図 1
3
2)
演習と総合満足度(学部別)
現代マネジメント学部
文化情報学部
0%
(図 1
3
20%
3.4%
0.6%
10.2%
38.7%
47.2%
生活科学部
4.9%
0.2%
4.7%
40.5%
49.6%
40%
60%
80%
その通りである
どちらかといえば
その通りである
1.3%
4.4% 0.4%
36.7%
57.2%
国際コミュニケーション学部
1.0%
4.8%
34.7%
59.5%
人間関係学部
2.6%
6.7%
0.5%
39.2%
51.0%
どちらかといえば
そうではない
そうではない
無効回答
100%
3)
外国語と総合満足度(学部別)
現代マネジメント学部
43.4%
文化情報学部
42.5%
0.9%
8.2% 0.7%
46.8%
1.8%
0.9%
9.4%
45.4%
その通りである
どちらかといえば
その通りである
3.0%
人間関係学部
51.9%
28.3%
0%
3
20%
1.3%
9.6%
0.7%
48.5%
39.9%
生活科学部
40%
60%
0.7%
1.5%
6.1% 0.8%
35.9%
55.7%
国際コミュニケーション学部
(図 1
16.1%
80%
どちらかといえば
そうではない
そうではない
無効回答
100%
4)
講義と総合満足度(学部別)
その通りである
4.1%
現代マネジメント学部
27.3%
52.5%
15.8%
0.4%
4.7%
文化情報学部
24.6%
人間関係学部
51.6%
41.8%
国際コミュニケーション学部
18.3%
2.5%
11.9%
0.7%
43.1%
45.6%
0.8%
3.0%
10.8%
0.9%
39.7%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
そうではない
4.9%
生活科学部
27.2%
0%
49.1%
20%
40%
18.2%
60%
−55−
80%
0.6%
100%
無効回答
(図 1
3
5)
実験・実習と総合満足度(学部別)
2.0%
人間関係学部
55.1%
4.9%
34.0%
その通りである
4.0%
どちらかといえば
その通りである
1.5%
生活科学部
41.2%
48.4%
8.0%
1.0%
どちらかといえば
そうではない
そうではない
0%
20%
40%
60%
80%
100%
無効回答
1 . 4 .授業形態における学生の総合満足度と各項目の相関
表1
4
1 は、授業形態における総合満足度と学生に対する質問項目との相関関係である。
授業形態が異なってもほぼ同様の傾向があり、相対的に高い相関関係を示しているものは、項
目 2 「この授業は理解しやすかった」
、項目 7 「この授業を通して、もっと勉強したいという
意欲がわいた」、項目10「教員は学生の理解度に配慮した授業の進め方をしていた」、項目11
「教員による解説はわかりやすかった」、などが0.6以上の相関関係(一部には0.7という高い相
関関係を示している)があった。これらの項目は、その授業がよく理解できた、という授業に
とって最も重要な要素で学生が満足をすることが総合的な満足度を高めるという当然の結果と
言うこともできよう。
そのために、教員の解説がわかりやすいことが重要な要素であり、そのために教員も学生へ
の配慮をした授業をしているかどうかを、学生が敏感に感じ取っていることがわかる。
(表 1
4
1)
授業形態における総合満足度と各項目との相関関係(全学部)
項目1
項目2
項目3
項目4
項目5
項目6
項目7
項目8
項目9
項目10
演習
0.55
0.69
0.61
0.62
0.66
0.64
0.67
0.59
0.66
0.68
外国語
0.52
0.66
0.58
0.59
0.62
0.60
0.63
0.54
0.65
0.65
講義
0.56
0.72
0.65
0.65
0.68
0.67
0.69
0.57
0.69
0.70
実験実習
0.58
0.63
0.60
0.62
0.62
0.65
0.58
0.59
0.60
0.62
−56−
項目11
項目12
項目13
項目14
項目15
項目16
項目17
項目18
項目19
項目20
項目21
0.69
0.45
0.22
0.57
0.45
0.42
0.62
○
0.56
0.57
0.65
0.68
0.44
0.20
0.58
0.41
0.39
0.55
○
0.61
0.55
0.54
0.75
0.43
0.22
0.63
0.46
0.39
0.60
○
-
-
-
0.31
0.21
0.59
0.35
0.33
0.49
0.41
0.42
0.32
0.58
○
項目22
項目23
項目24
項目25
項目26
項目27
項目28
項目29
0.59
−
−
−
−
−
−
−
0.49
0.51
0.51
0.52
0.35
0.36
0.50
0.50
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
(注)項目内容については、資料内のアンケート調査票を参照のこと。
1 . 5 .学生の出席率と総合満足度
出席率と総合満足度との関係を見ると、全学的には80%以上の出席をしているものでは、
「その通り」と回答したものが39.5%であるのに対して、出席率40%未満では28%に低下して
いる。学部別に見ると全体としては、出席率が高いほど、満足度が高いという相関関係がある
ことがわかるが、人間関係学部と現代マネジメント学部では、それとは異なる結果が出ている。
(図 1
5
1)
出席率と総合満足度(全学部)
3.3%
37.0%
全体
45.9%
39.5%
80%以上
13.1%
0.7%
3.1%
12.3%
0.6%
44.5%
3.2%
60%以上 80%未満
36.8%
47.0%
12.1%
0.9%
4.2%
28.7%
40%以上 60%未満
48.0%
18.6%
その通りである
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
0.6%
そうではない
0.5%
無効回答
4.9%
28.0%
40%未満
0%
20%
47.0%
40%
19.6%
60%
−57−
80%
100%
(図 1
5
2)
出席率と総合満足度(生活科学部)
3.8%
全体
32.0%
48.4%
15.1%
0.7%
3.7%
80%以上
34.0%
47.8%
13.9%
0.6%
どちらかといえば
その通りである
1.0%
どちらかといえば
そうではない
0.0%
そうではない
2.5%
無効回答
3.9%
60%以上 80%未満
26.5%
51.1%
17.5%
40%以上 60%未満
27.2%
49.9%
19.1%
その通りである
3.8%
5.0%
20.0%
40%未満
0%
(図 1
5
52.5%
20%
40%
20.0%
60%
80%
100%
3)
出席率と総合満足度(国際コミュニケーション学部)
全体
49.0%
38.6%
57.8%
80%以上
60%以上 80%未満
8.9%
1.0%
5.8% 0.7%
34.6%
46.6%
2.7%
0.9%
41.5%
7.7%
3.0%
1.2%
5.5%
43.0%
40%以上 60%未満
35.7%
15.4%
0.5%
0%
(図 1
5
49.5%
20%
40%
18.5%
60%
80%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
そうではない
無効回答
2.9%
28.6%
40%未満
その通りである
0.5%
100%
4)
出席率と総合満足度(人間関係学部)
全体
42.1%
80%以上
60%以上 80%未満
40%以上 60%未満
48.6%
38.5%
41.8%
44.0%
28.8%
40%未満
0%
43.2%
50.5%
31.3%
40%
2.5%
0.8%
その通りである
9.8%
2.6%
0.5%
どちらかといえば
その通りである
10.9%
2.4%
1.0%
どちらかといえば
そうではない
2.7%
0.6%
そうではない
0.0%
0.0%
2.1%
無効回答
17.3%
66.7%
20%
11.4%
60%
−58−
80%
100%
(図 1
5
5)
出席率と総合満足度(文化情報学部)
3.9%
30.3%
全体
49.3%
15.8%
0.7%
3.8%
34.3%
80%以上
46.4%
14.9%
0.6%
どちらかといえば
その通りである
0.9%
どちらかといえば
そうではない
0.9%
そうではない
0.0%
無効回答
4.1%
60%以上 80%未満
29.2%
51.4%
14.4%
その通りである
3.2%
40%以上 60%未満
18.2%
54.5%
40%未満 9.3%
54.7%
0%
(図 1
5
23.3%
20%
24.0%
40%
60%
12.0%
80%
100%
6)
出席率と総合満足度(現代マネジメント学部)
その通りである
3.6%
全体
31.5%
80%以上
50.5%
35.2%
60%以上 80%未満
48.1%
53.4%
29.8%
40%以上 60%未満
22.6%
40%未満
52.0%
20%
58.6%
40%
60%
80%
0.4%
13.2%
3.1%
0.4%
13.2%
3.3%
0.4%
18.8%
34.5%
0%
14.0%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
6.0% 0.6%
そうではない
0.0%
6.9% 0.0%
無効回答
100%
2 .教員の授業に対する態度の分析
2 . 1 .教員アンケートと教員の総合満足度の相関
表2
1 は、「教員の総合満足度と教員の各項目との相関関係」を見たものであるが、最も強
い項目を順に並べると「受講者は授業の内容を理解できたと思う」
(0.65)「授業はシラバスに
沿って計画通りにできた」
(0.56)
「受講者の理解度に配慮した工夫をした」
(0.54)
「受講者は
熱心に授業に取り組んでいた」
(0.49)の順になっており、受講者の理解度を配慮しながら、
内容を吟味し、計画的に取り組んだ授業ほど、総合的な満足度が高いことがわかる。
−59−
(表 2
1)
総合満足度と各項目との相関関係
設問文
相関係数
3.受講者は熱心に授業に取り組んでいた。
0.49
4.学生による積極的な発言があった。
0.37
5.このクラスでは、私語はほとんどなかった。
0.33
6.このクラスの教室サイズは適切だった。
0.35
7.授業はシラバスにそって計画通りにできた。
0.56
8.受講者は授業の内容を理解できたと思う。
0.65
9.受講者の理解度に配慮した工夫をした。
0.54
2 . 2 .授業に対する評価ならびに授業形態との関係
図2
2
1 から 2
2
8 は、教員に対する各項目の授業形態別の評価である。
「受講者は熱
心に授業に取り組んでいた」に対し、
「その通り」と評価したものでは、演習形式が最も多く
49%、次いで実験実習の45.5%である。逆に講義では「その通り」との評価は27.7%にとど
まっている。
図2
2
2 は、
「学生の積極的発言」については、演習、実験実習では上記と同様それぞれ
31.4%、31.8%であるの対して、講義では8.9%にとどまっている。
図2
2
3 は、
「私語の有無」についてであるが、これは異なる傾向を見せ、実験実習で私
語が多く、演習形式では「その通り」と回答したものが42.5%にのぼっている。
図2
2
4 の「クラスのサイズ」については、演習、外国語、実験実習、講義の順になって
いる。気になる点として、講義において「そうではない」
(=授業のサイズが大きすぎると言
うことであろう)と回答したものが、6.4%あり、適正規模への改善が必要な部分があると思
われる。
図2
2
5 の「シラバス通りの計画的授業」については、
「その通り」
「どちらかといえばそ
の通り」との回答をあわせるといずれの授業形態においても、 9 割以上のものが計画的な授業
に取り組んでいることがわかる。しかし、「その通り」という回答のみを見ると、実験実習形
式では、63.6%に上るのに対し、講義形式では31.2%にとどまり、その差32ポイントなってい
る。
図2
2
6 の「理解度の認知」に関しては、全体としては9割前後、肯定的に捉えているが、
講義形式において「その通り」と回答したものが15.5%にとどまり、
「どちらかといえばそう
ではない」の回答も、13.8%に上り、授業の内容が十分理解されたと確信を持てていない部分
があることが伺える。
図2
2
7 の「理解度のための工夫」については、外国語や実験実習では、「その通り」と
−60−
回答したものがそれぞれ61.7%、54.5%にのぼるのに対し、講義、演習では「その通り」と回
答したものがそれぞれ30.8%、34%にとどまっている。
図2
2
8 の「総合的に見て、この授業はうまく進めることができた」については、 9 割前
後のものが肯定的に回答しているが、ここでも講義形式で「その通り」と回答したものが
18.7%にとどまっている。
(図 2
2
1)
受講者は熱心に授業に取り組んでいた
その通りである
実験実習
52.3%
45.5%
27.7%
講義
0.4%
9.6%
0.6%
61.7%
33.2%
外国語
2.3%
0.5%
11.2%
55.1%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
そうではない
49.0%
演習
0%
(図 2
2
20%
43.8%
40%
60%
6.5% 0.7%
80%
無効回答
100%
2)
学生による積極的な発言があった
その通りである
実験実習
講義
43.2%
31.8%
29.9%
8.9%
22.7%
47.0%
2.3%
どちらかといえば
その通りである
14.1%
どちらかといえば
そうではない
外国語
39.8%
24.0%
26.0%
10.2%
そうではない
2.0%
演習
0%
(図 2
2
45.1%
31.4%
20%
40%
20.9%
60%
0.7%
80%
無効回答
100%
3)
このクラスでは、私語はほとんどなかった
その通りである
実験実習
54.5%
11.4%
講義
20.5%
38.5%
27.0%
11.4%
25.8%
2.3%
7.9%
0.8%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
外国語
46.9%
28.1%
18.9%
6.1%
そうではない
演習
46.4%
42.5%
0%
20%
40%
60%
−61−
7.8% 3.3%
80%
100%
無効回答
(図 2
2
4)
このクラスの教室サイズは適切だった
その通りである
実験実習
25.0%
45.5%
講義
29.5%
40.7%
35.8%
16.6%
6.4% 0.4%
1.5%
外国語
34.2%
54.6%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
9.7%
そうではない
演習
(図 2
2
26.1%
60.1%
0%
20%
2.0%
11.1%
0.7%
40%
60%
80%
無効回答
100%
5)
授業はシラバスにそって計画通りにできた
その通りである
実験実習
31.8%
63.6%
講義
0.6%
8.5% 0.2%
59.5%
31.2%
4.5%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
外国語
46.9%
43.9%
9.2%
そうではない
演習
(図 2
2
54.2%
35.3%
0%
20%
0.7%
9.8%
40%
60%
80%
無効回答
100%
6)
受講者は授業の内容を理解できたと思う
その通りである
講義
4.5%
68.2%
27.3%
実験実習
70.7%
15.5%
どちらかといえば
その通りである
13.8%
どちらかといえば
そうではない
外国語
54.0%
33.3%
11.1%
1.5%
そうではない
演習
61.7%
28.6%
0%
20%
40%
60%
−62−
9.1%
80%
0.6%
100%
無効回答
(図 2
2
7)
受講者の理解度に配慮した工夫をした
その通りである
実験実習
54.5%
講義
45.5%
30.8%
5.4% 0.4%
63.4%
2.0%
外国語
36.2%
61.7%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
そうではない
3.9%
34.0%
演習
0%
(図 2
2
20%
62.1%
40%
60%
無効回答
80%
100%
8)
総合的にみて、この授業をうまく進めることができた
その通りである
実験実習
36.4%
59.1%
18.7%
講義
0.4%
11.9%
0.2%
68.8%
38.8%
外国語
4.5%
50.5%
10.7%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
そうではない
28.8%
演習
60.1%
11.1%
無効回答
0%
20%
40%
60%
80%
100%
3 .教員アンケートと学生アンケートの相関関係の分析
図3
2 は、授業の理解に関して、教員の回答とそれに対応した学生の回答との授業形式別
の比較である。まずいえることは、いずれの授業形式においても教員よりも学生の評価が高い
ことがわかる。演習では学生の50%に対し教員の28.8%(21ポイント差)、外国語では学生の
45.9%に対して教員の33.7%(12ポイント差)
、講義では学生の33.7%に対して教員の15.4%(17
ポイント差)といずれも10ポイント以上の差がある。
しかし、同時に注目しなければならない点は、否定的な回答の部分であり、講義では「そう
ではない」「どちらかといえばそうではない」という教員の回答が14.3%であるのに対して、
学生の回答は合計22.6%のものが否定的に見ている。
これは、実験実習にもいえる傾向であり、講義よりも否定的回答数は少ないが、教員と学生
との差は、講義形式よりも多くなっている。
図3
3 は、授業の工夫についてであるが、これは授業形式によって異なる結果となった。
演習や講義では、教員よりも学生の方が肯定的に回答をしているが、外国語や実験実習では逆
−63−
に、教員よりも学生の方が否定的に回答している。つまり、教員側の工夫が十分学生側に伝
わっていないと言うことであろう。しかし、外国語は形式自体の比較では、学生に最も肯定的
に捉えられていることは見逃してはならない。
図3
4 は、教員と学生との総合的満足度についてであるが、いずれも授業形式においても
教員よりも学生の満足度は高い。形式別の満足度の高さは、学生では演習、外国語、実験実習、
講義の順になっているが、教員は外国語、実験実習、演習、講義の順になっており、いずれも
講義が最下位である。また否定的な意見も同様の傾向が見られ、講義に対する学生の満足度が
相対的に低いことが伺われ、今後いっそうの改善が必要であろう。
(図 3
1)
総合的にみて、この授業はうまく進めることができた
全体
0.2%
11.1% 0.1%
62.7%
25.9%
実験実習
59.1%
36.4%
38.8%
外国語
0.4%
11.9%
0.2%
50.5%
28.8%
演習
4.5%
68.8%
18.7%
講義
その通りである
10.7%
60.1%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
そうではない
11.1%
無効回答
0%
(図 3
20%
40%
60%
80%
100%
2)
「受講者は授業の内容を理解できたと思う(教員)」×
「教員による解説はわかりやすかった(学生)」
演習(教員)
28.8%
62.1%
9.2%
その通りである
2.3%
50.0%
演習(学生)
33.7%
外国語(教員)
9.1%
11.2%
54.6%
45.9%
外国語(学生)
講義(教員)
38.6%
39.6%
15.4%
2.1%
0.2%
12.3%
70.3%
0.5%
13.7%
0.6%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
4.7%
講義(学生)
実験実習(教員)
実験実習(学生)
0%
33.7%
43.5%
27.3%
47.5%
40%
60%
−64−
0.2%
そうではない
4.5%
68.2%
36.4%
20%
17.9%
13.6%
80%
2.3%
0.2%
100%
無効回答
(図 3
3)
「受講者の理解度に配慮した工夫をした(教員)」×
「教員は学生が理解しやすいように授業を工夫していた(学生)」
演習(教員)
34.0%
演習(学生)
62.1%
51.3%
61.7%
外国語(学生)
その通りである
36.2%
51.9%
43.4%
20%
どちらかといえば
そうではない
45.5%
43.0%
0%
3.3%
0.1%
15.9%
54.5%
実験実習(学生)
どちらかといえば
その通りである
5.4% 0.4%
63.4%
37.2%
実験実習(教員)
1.3%
8.2% 0.2%
38.3%
30.8%
講義(学生)
(図 3
1.4%
8.2% 0.0%
39.0%
2.0%
外国語(教員)
講義(教員)
3.9%
1.7%
10.2%
0.2%
45.0%
40%
60%
80%
100%
そうではない
無効回答
4)
「総合的にみて、この授業はうまく進めることができた(教員)」×
「総合的に見て、この授業(実験・実習)に満足だった(学生)」
演習(教員)
28.8%
60.1%
演習(学生)
53.8%
外国語(教員)
講義(教員)
2.4%
5.8% 0.3%
37.7%
38.8%
外国語(学生)
11.1%
50.5%
44.5%
10.7%
43.6%
18.7%
1.8%
0.8%
9.4%
68.8%
11.9%
0.4%
0.2%
3.9%
講義(学生)
実験実習(教員)
実験実習(学生)
0%
33.0%
47.2%
36.4%
20%
15.2%
46.5%
40%
60%
−65−
0.7%
どちらかといえば
その通りである
どちらかといえば
そうではない
4.5%
59.1%
43.1%
その通りである
7.5%
80%
1.6%
1.4%
100%
そうではない
無効回答
「授業についてのアンケート調査」にかかわる資料
1 .平成18年度後期 授業アンケートの実施要領
2 .アンケート調査(講義科目用)・英訳版
3 .アンケート調査(演習科目等用)・英訳版
4 .アンケート調査(語学科目用)・英訳版
5 .アンケート調査(実験・実習科目用)
6 .アンケート調査(国際コミュニケーション学部専用語学)・英語版
7 .教員用アンケート調査票・英訳版
8 .「授業についてのアンケート調査」結果に関するご依頼
9 .平成18年度後期「授業についてのアンケート調査」結果を踏まえた授業評価(様式 1 )
10.「授業についてのアンケート調査」実施に関する意見書(様式 2 )
−66−
平成18年度後期 授業アンケートの実施要領
授業アンケートについて
授業アンケートは、平成14年の試行期を経て、15年度後期に、全学 FD 委員会が
主体となって初めて全学一斉に実施されました。その後、本年度後期も続けて実施
することとなりました。今回、これまでの結果の分析と評価を踏まえてよりよい方
向への調整を考慮したうえで、基本的には前回と同じ形式で実施します。御協力を
お願い致します。
1 授業アンケート調査実施の説明
大学においても認証評価制度が導入され、すでに多くの大学で「学生による授業
評価アンケート調査」が行われています。本学でも、平成14年、試行的に、専任教
員が選択した 1 科目について調査がなされました。そこでの分析結果にもとづいて、
平成15年後期から全学一斉の調査が始まりました。そこでは、 4 つの授業タイプに
応じた調査票と教員用の調査項目が作成され、原則として、専任、非常勤を問わず、
すべての科目について実施されました。
授業科目の性質によって調査票を分けることで、より適切なデータ収集が可能に
なることを目指し、さらに同時に教員用の調査を行うことで、教員の認識と学生に
よる印象の違いを考慮できるようにしました。こうした点の妥当性評価については
全学 FD 委員会の報告書に記載されています。
学生による授業評価アンケート調査の意味については、全学 FD 委員会でもさま
ざまな議論があり、また今後も検討していく必要がありますが、15年度後期以降の
実施の目的は、授業が学生にどのように受け止められているかの全体的傾向を理解
し、教員に対して授業改善のヒントを提供するところにあります。
2 アンケート調査実施に関するお願い
こうした全学的調査は、先生方のご協力と事務職員の意欲的な協同作業がなけれ
ば実施できるものではありません。そこで、先生方には、 1 )授業時間内に対象科
目に関しての調査を実施し、 2 )調査実施後、アンケート調査結果を見て「リフレ
クション・ペーパー」をお書きいただき、 3 )アンケート調査実施を踏まえて、調
査の意義や調査項目などについての御意見を全学 FD 委員会に御提出いただきたく
−67−
存じます。
3 実施要項
実施期間および連絡事項:
後期に関しては、平成18年12月 4 日(月)∼12月 9 日(土)の週に行います。大変、
慌ただしい日程で恐縮ですが、試行段階からの経緯や先生方からの要望を鑑みて、
試験直前週の混乱を避けるためです。
(授業の都合等により、実施期間前後 1 週間
の11月27日(月)∼12月 2 日(土)及び12月11日(月)∼12月16日(土)にて実施さ
れてもかまいません。
)
なお、今回実施いたしますアンケートの集計結果につきましては、平成19年 1 月
中旬頃お手元へお届けする予定をしておりますので、実施されましたアンケート用
紙は、12月19日(火)までに必ず各学部事務室にご提出いただきますようお願いい
たします。
また、今回につきましても、前回同様、教員による独自の設問項目欄(最大 3 問)
を設けてあります 。 必要に応じて、事前に追加項目をご検討ください 。 この追加項
目については、アンケート実施の際、板書するなり口頭で指示するなり、先生方に
お任せいたします 。
作業の流れ:
1 調査表の配布:対象科目ごとに封入された調査用袋を、11月27日(月)∼12月
2 日(土)までに各学部事務室でお受け取りください。
2 実施科目や実施方法などについての御質問は、教務課または人間関係学部事務
室教務係までお尋ねください。
3 対象科目ごとの調査用袋に同封されているのは、
1 )学生用アンケート用紙(受講登録者数プラス予備の枚数、A4用紙に調査
項目とマークシートが印刷されています)
2 )教員用アンケート用紙(A4用紙に調査項目とマークシートが印刷されて
います)
教室での実施手順:以下の手順での実施をお願いします。
1 受講生には、アンケート実施について以下のようにご説明ください。
「これから、授業アンケートを実施します。この調査は授業改善のために行うもの
−68−
で、その他の目的には使用されませんので、協力してください。なお、誰がどのよ
うな回答をしたかは特定できないように十分な配慮をして実施しますので、思うと
ころを率直に記入してください。マークシートはコンピュータで統計的に処理され
ます。自由記述は、私(授業担当者)が直接読んで、今後の授業改善のための参考
にしますので、率直な意見をできるだけ書いてください。回答時間は15分から20分
です。」
2 アンケート用紙を配布してください。
3 配布したアンケート用紙の回答方法について、御確認ください。
( 1 )シート
を折ったり丸めたりしない、
( 2 )鉛筆かシャープペンシルを用いる、( 3 )項目ご
とに必ず回答欄をひとつ塗りつぶす、など。また自由記述欄があることに触れ、そ
ちらにも回答するように伝えてください。 適当な筆記具を持っていない学生には、
予備としてお渡ししてある鉛筆を貸し出してください。
4 教員による独自の設問項目欄を設けてあります。必要に応じて、ご自身で作成
した項目を追加してください。なお、この追加項目については、板書するなり口頭
で提示するなり、先生方にお任せ致します。
5 学生がアンケートに回答している間は、回答者の匿名性が保たれるよう、十分
に御配慮ください。 教室内の巡回なども御遠慮ください。また、この間に、教員
用アンケート用紙にご記入ください。
6 学生の記入が終了したところで、アンケート用紙を回収してください。その場
で、回答済み用紙、および教員用アンケート用紙 を配布された時と同じ封筒に封入
し、確実に封をして糊付けしたうえで、未使用のアンケート用紙とともに、各学部
事務室 までご提出ください。
7 データ処理後、調査結果とともにアンケート用紙をお返ししますので、ご自身
で管理し、自由記述欄についてお読みください。なお、自由記述欄は調査結果と合
わせて「リフレクション・ペーパー」をお書きいただくときの資料としてお使いく
ださい。
8 集計結果とアンケート用紙は、授業期間中に先生方に返却する予定をしており
ます。受講生への直接のフィードバックや、結果の利用をお考えの先生方は、個人
−69−
の判断でご利用ください。
9 「リフレクション・ペーパー」については改めてお知らせ致します。
−70−
−71−
A Translation Version
Student Evaluation Sheet (Lecture)
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(Lecture Classes)
1.
I am interested in the content of the class.
2.
It is easy to understand this class.
3.
The level of the class is appropriate for you.
4.
The proceeding speed of the class is appropriate for you.
5.
Each class is well integrated.
6.
You have broadened your perspective through the class.
7.
You have been academically stimulated through this class.
8.
The instructor of the class teaches you with enthusiasm.
9.
The instructor makes an effort for students to understand the class.
10. The instructor conducts his/her teaching by considering students’ level of understanding.
11. The instructor’s explanation is easy to understand.
12. The instructor begins and ends his/her class appropriately.
13. I attend this class regularly.
14. I participate in this class with enthusiasm.
15. The number of the enrolled students in this class is appropriate.
16. The classroom and facilities are appropriate.
17. The other students in the class seem to participate seriously.
18. Overall, I am satisfied with this class.
Any Comments
−72−
−73−
A Translation Version
Student Evaluation Sheet (Seminar)
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15. The number of the enrolled students in this class is appropriate.
16. The classroom and facilities are appropriate.
17. The other students in the class seem to participate seriously.
18. Overall, I am satisfied with this class.
−74−
If the following questions are applicable to your class, please answer them.
19. It is good to be given an opportunity to present what you have studied.
20. It is designed to make the class atmosphere for students to discuss easily.
21. The assignments of the class are appropriate.
22. It is good to learn research methods such as data collection and report writing.
Any Comments
−75−
−76−
A Translation Version
Student Evaluation Sheet (Languages)
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15. The number of the enrolled students in this class is appropriate.
16. The classroom and facilities are appropriate.
17. The other students in the class seem to participate seriously.
18. Overall, I am satisfied with this class.
−77−
English Class Only
19. You have liked English better than in your high school days.
20. I have found fun in reading in English in this class.
21. I have experienced a sense of “usefulness” of English in this class.
22. I have improved my reading since the entrance to Sugiyama.
23. I have improved my writing since the entrance to Sugiyama.
24. I have improved my speaking since the entrance to Sugiyama.
25. I have improved my listening since the entrance to Sugiyama.
Other Foreign Languages
26. It is good to learn foreign languages other than English.
27. It is good to learn the cultures of foreign countries other than those of the English speaking
countries.
28. I have found fun in learning foreign languages.
29. I have been stimulated to learn foreign languages through this class.
Any Comments
−78−
−79−
−80−
A Translation Version
Student Evaluation Sheet ( Languages )
For the School of Cross −
Cultural Studies
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9.
The instructor makes an effort for students to understand the class.
10. The instructor conducts his/her teaching by considering students’ level of understanding.
11. The instructor’s explanation is easy to understand.
12. The instructor begins and ends his/her class appropriately.
13. I attend this class regularly.
14. I participate in this class with enthusiasm.
15. The number of the enrolled students in this class is appropriate.
16. The classroom and facilities are appropriate.
17. The other students in the class seem to participate seriously.
18. Overall, I am satisfied with this class.
−81−
English Class Only
19. You have liked English better than in your high school days.
20. This class builds on what I’ve already learned.
21. I’ve been introduced to useful ways to learn in this class.
22. Participation in this class has helped me improve my English.
23. The curriculum of this class has been appropriately challenging.
24. I felt comfortable asking my teacher questions.
25. I would recommend this class to others.
Other Foreign Languages
26. It is good to learn foreign languages other than English.
27. It is good to learn the cultures of foreign countries other than those of the English speaking
countries.
28. I have found fun in learning foreign languages.
29. I have been stimulated to learn foreign languages through this class.
Any Comments
−82−
−83−
A Translation Version
「教員用アンケート調査表(英語版)」
This questionnaire is designed to improve the quality of education at Sugiyama in general. The
responses by students will be analyzed statistically. Would you collect the students’answer sheets
and submit to the respective office and the answer sheets will return to you after they are
processed through the computerized system so that you will be able to read the students’
opinions (hand writings) in the Jiyukijutsuran (or Free Opinion section at the bottom of the
answer sheet). We hope that you will use their “free opinions” as a means of “listening to” their
voice.
This questionnaire form is for Instructors (a translation version). Would read this translation
version and follow specific question numbers and mark an appropriate number for each question
in the Japanese Answer Sheet.
1.
Mark the type of your class
① lectures
② foreign languages (including seminars in foreign languages)
③ seminars
④ experiments or laboratory class
2.
Mark an appropriate number for either full-time or part-time
① full-time
② part-time
Mark an appropriate number from 1 (I agree) 2 (more or less agree) 3 (more or less disagree) to
4 (I disagree)
3.
Students in this class participate in the class seriously.
4.
There were a lot of views and opinions expressed by students in this class.
5.
There were few irrelevant chats by students in this class.
6.
The classroom size was appropriate for this class.
7.
I could follow my syllabus as I planned at the beginning.
8.
I believe that students could understand the content of this class.
9.
I have made a conscious effort to take students’ level of understanding into consideration.
10. In general, I have successfully done with this class.
−84−
平成19年 1 月
各 位
椙山女学園大学
全学 FD 委員会
「授業についてのアンケート調査」結果に関するご依頼
平成18年度後期分の「授業についてのアンケート調査」にご協力いただきまして、
ありがとうございました。授業に対する学生の意見が、今後の授業改善に役立つこ
とを期待すると同時に、意見を寄せた学生に対する教員側のフィードバックもまた
重要なコミュニケーション手段になると期待されます。
平成15年度後期調査分より、教員によるリフレクション・ペーパーの学生への公
開を、授業改善を目指す方策のひとつとして取り入れました。今回もまたアンケー
ト結果を踏まえての、先生方の授業に対する自己点検・授業評価を、リフレクショ
ン・ペーパーという形式でお書きいただき、学生にフィードバックしたいと考えて
おります。
つきましては、同封の「授業についてのアンケート調査」(自由記述を含む)結
果をご覧いただき、以下の項目に言及して、当該授業についての自己点検・授業評
価を、A 4 用紙で 1 ページ(別紙様式 1 )にまとめ、各学部事務室へ平成19年 2 月
2 日(金)までに提出いただきますようお願い申し上げます。
1 ) 結果としてよかった点
2 ) 改善されるべき点
3 ) 今後の改善点、その他
記述の形式は自由としますが、
1 ) 数値による結果や、学生の自由記述内容などを引用して、できるだけ具体
的にお書き下さい。
2 ) お書きいただいた A 4 用紙はそのまま PDF 化されますので、できるだけ
プリントアウトしていただくか、手書きの場合には黒のインクまたはボー
ルペンではっきりお書き下さい。
3 ) 複数科目についてアンケートを実施された場合は、すべての科目について
述べられても、 1 科目に限定されて述べられても、どちらでも結構ですが、
いずれの場合も所定の用紙1枚以内でお書き下さい。ただし、複数の科目
−85−
それぞれにご意見があって用紙が不足する場合は、同書式であれば、用紙
を追加されても結構です。
別紙様式 1 により提出された自己点検・授業評価は、完成原稿として PDF 化され、
椙山女学園大学全学 FD 委員会活動報告書として冊子の形式で、また学生に対する
フィードバックとして、学内のパソコン限定で web 公開される予定ですので、ご
協力のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、事前のご案内にありましたように、リフレクション・ペーパー執筆は義務
ではありません。改めまして先生方のご協力をお願いする次第です。
今回、全学的 FD 活動の一環として実施された「授業についてのアンケート調
査」は、その意義や方法などについて継続的に検討し総括していく必要がありま
す。そこで、毎度のお願いとなってまことに恐縮ですが、 1 )調査実施の是非につ
いて、 2 )アンケート調査項目について、 3 )実施時期や方法についてなど、ご意
見のある方は、「授業についてのアンケート調査」実施に関する意見書(別紙様式
2 )に、具体的にお書きいただき、リフレクション・ペーパーとあわせて学部事務
室まで提出いただきますようお願いいたします。
−86−
様式 1
平成18年度後期「授業についてのアンケート調査」結果を踏まえた授業評価
学部名 教員名 担当科目名
−87−
様式 2
「授業についてのアンケート調査」実施に関する意見書
1)
「調査」実施の是非について
2 )アンケート調査項目について
3 )調査時期について
4 )その他
−88−
Ⅲ 資料
平成18年度全学 FD 委員会委員
所 属
生
活
科
学
部
国 際コミュニケーション学 部・文 学 部
人
間
関
係
学
部
文
化
情
報
学
部
現代マネジメント学部
職 位
氏 名
選出区分
教 授
大 野 秀 夫
学 部 長
教 授
加 藤 昌 彦
学部委員
教 授
北 岡 崇
学 部 長
教 授
塚 田 守
学部委員
教 授
田 中 節 雄
学 部 長
教 授
山 中 市 衛
学部委員
教 授
林 文 俊
学 部 長
教 授
*米 田 公 則
学部委員
教 授
山 田 健 治
学 部 長
教 授
澤 田 善次郎
学部委員
*印は委員長、学部委員の任期は 1 年(H18. 5. 1∼19. 4. 30)
平成18年度各学部 FD 委員会委員
所 属
生
活
科
学
委 員
部
江 崎 秀 男
山 下 かなへ
滝 本 成 人
高 阪 謙 次
(大 野 秀 夫)
国 際コミュニケーション学 部・文 学 部
北 岡 崇
小 川 雅 魚
人
間
関
係
学
部
山 中 市 衛
中 西 由 里
文
化
情
報
学
部
林 文 俊
谷 口 俊 治
現代マネジメント学部
佐 治 孝 夫
澤 田 善次郎
−91−
椙山女学園大学全学 FD 委員会活動報告書(平成18年度)
椙山女学園大学ファカルティ・ディベロップメント
第7号
平成19年12月発行
編 集 椙山女学園大学全学 FD 委員会
(委員長 米 田 公 則)
発 行 椙山女学園大学
〒464−8662 名古屋市千種区星が丘元町17−3
TEL〈052〉781−1186(代)
FAX〈052〉781−4466
印刷 株式会社荒川印刷
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