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第2部
平成13年度を中心とした障害者施策の取組
平成13年度を中心に障害者のために講じた施策を、「相互の理解と交流」
「社会へ向けた自立の基盤づくり 」「日々の暮らしの基盤づくり 」
「住みよ
い環境の基盤づくり」の四つの視点に立ってまとめている。
講じた主要な施策等は、平成13年度の
新規施策等を中心に記述。
Ⅰ
障害者施策の総合的取組
○
平成14年2月の障害者推進本部において、平成15年からの新しい「障
害者基本計画」及び「障害者プラン」の策定を進めることが了承された。
○
Ⅱ
障害者に係る欠格条項の見直しを推進。
相互の理解と交流(施策を推進する上で前提となる「心の壁」の除去の
ための啓発広報等)
1
啓発広報等
○
「障害者の日」「障害者週間」等における各種行事や学校教育にお
ける指導、さらには 、地域住民等のボランティア活動の振興等を通じ 、
障害のある人に対する国民の理解を促進。
【講じた主な施策等】
①
平成13年12月9日の「障害者の日・記念の集い」において、
「心の輪を広げる体験作文・ポスター」の内閣総理大臣表彰、
講演、歌唱等を実施。
②
平成13年度、市民活動団体の評価に関する調査や、NPOを
支援・育成する中間支援組織の現状と課題に関する調査を実施。
③
平成13年度「全国ボランティアフェスティバル」を神奈川県
で開催。
2
国際協力
機材供与等の無償資金協力、研修員の受入れや専門家派遣等の技術協
力、民間レベルにおける草の根交流等に対する支援を行っている。
【講じた主な施策等】
①
平成13年度、草の根無償資金協力によりインドにおける障害
者のための教育・職業訓練施設建設計画等65件の援助を実施。
②
平成13年度、国際協力事業団(JICA)を通じて、障害者リハビ
リテーション指導者コース等11の研修コースを実施。
③
平成13年11月から5年間の予定で、中国においてリハビリテ
ーション専門職養成プロジェクトを実施。
④
NGO事業補助金により、9か国において8団体、10事業の
障害者関連事業に対し補助金を交付。
Ⅲ
社会へ向けた自立の基盤づくり(障害のある人が社会的に自立するため
に必要な教育・育成、雇用・就業等)
1
障害のある子の教育・育成
○
学校教育においては、障害のある児童生徒等が、その能力を最大限
に伸ばし、自立し社会参加するための基盤を培うため、一人ひとりの
障害の種類、程度等に応じた教育を行っている。
○
健康診査等により障害の早期発見を図るとともに、障害の程度に応
じ適切な療育を実施するため、地域、福祉施設における体制を整備。
【講じた主な施策等】
①
国が定める盲・聾・養護学校への就学の基準について医学や科
学技術等の進歩等を踏まえて見直すとともに、就学事務について
手続の弾力化を図るため、平成14年4月に学校教育法施行令の
改正を行った。
②
平成13年度から、従来、特殊教育の対象となっていた子どもに
加え、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)等を含め、特
別な教育的支援が必要な子どもへの教育的対応等についての調査
研究協力者会議を設置して検討を行い、平成14年10月に中間報告
を取りまとた。
③
障害児通園(デイサービス)事業、短期入所(ショートステイ)
事業、訪問介護(ホームヘルプサービス)事業等を実施。
2
雇用・就労の促進施策
○
「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、民間企業、国、
地方公共団体に対し、一定の割合以上の身体障害者又は知的障害者の
雇用を義務付け。
法定雇用率(平成10年7月1日以降適用)
○
民間企業
○
国、地方公共団体
○
都道府県に置かれる
教育委員会等
一 般 の 民 間 企 業 1.8 %
(常用労働者数56人以上)
特 殊 法 人 等 2.1 %
(常用労働者数48人以上)
2.1 %
2.0 %
障害者の雇用の状況(平成13年6月1日現在)
区
分
実雇用率
区
分
実雇用率
1.49
( 1.49 )
国の機関
2.14
( 2.15 )
特
1.97
( 2.08 )
都道府県の機関
2.45
( 2.43 )
市町村の機関
2.46
( 2.44 )
都道府県の
教育委員会等
1.22
( 1.22 )
(
一般の民間企業
殊
法
人
)内は平成12年6月1日現在
○
法定雇用率の達成を目指し、未達成事業主等に対する達成指導等、
雇用率達成事業主に対する障害者雇用調整金等の支給を行っている。
○
重度身体障害者又は重度知的障害者に対する第3セクター方式によ
る重度障害者雇用企業の育成、一般の就業が困難な者に関する授産施
設等の整備や、日帰り介護(デイサービス事業)の実施等を行った。
○
障害者職業センター等における職業リハビリテーション技術の開発
及び普及、職業リハビリテーションサービスの提供等を行っている。
【講じた主な施策等】
○
ジョブコーチ(職場適応援助者)の援助技術及び養成方法の
検討のため、平成12年度及び13年度にパイロット事業を実施。
3
障害のある人の生活を豊かにするためのスポーツ、レクリエーション
及び文化活動の振興
○
障害のある人のスポーツを振興するため、障害者スポーツ支援基金
による、障害者スポーツ指導者の養成や国際大会への派遣、各障害者
スポーツ競技団体が行う全国大会の開催等への助成や、スポーツ振興
基金による、スポーツ団体への助成等を実施。
【講じた主な施策等】
①
平成14年3月にソルトレークシティ(アメリカ)で開催され
たパラリンピック冬季競技大会に過去最大の総勢76人の選手団
を派遣。
②
平成13年度は、以下の障害者スポーツ大会が開催された。
なお、平成13年度においては、身体障害者と知的障害者の全
国大会を統合して全国障害者スポーツ大会とし、その第1回大
会が宮城県において開催された。
区
分
開
世界ろう者競技大会
ジャパンパラリンピック競技大会
全国ろうあ者体育大会
Ⅳ
催
地
ローマ(イタリア)
夏季
大阪府・埼玉県・高知県
冬季
長野県・新潟県
夏季
和歌山県
冬季
山形県
日々の暮らしの基盤づくり(障害のある人が日常生活の質を確保するた
めに必要な保健・医療、福祉等)
1
生活安定のための施策
障害のある人に対する所得保障として、年金制度において障害基礎
年金や障害厚生(共済)年金を支給するとともに、特に重度の障害の
ある人を対象とする特別障害者手当を支給。
2
保健・医療施策
○
障害の予防、早期発見のため、妊産婦に対する健康診査、先天性代
謝異常等検査、乳幼児健康診査等を実施するとともに、周産期医療の
確保のため、周産期集中治療管理室等の整備や、国立大学附属病院に
おける周産母子センターの整備等を推進。
○
医療・リハビリテーションについては、身体障害を軽減もしくは除
去するための更生医療及び育成医療の給付を行うほか、国立大学附属
病院におけるリハビリテーション部等の整備、国立病院・療養所にお
ける進行性筋ジストロフィー児(者)等の入院治療を行った。
○
精神保健福祉施策としては、措置入院患者に対する医療費公費負担
や、在宅の精神障害者に対する精神科デイケア事業等を実施するとと
もに、精神保健福祉相談員による精神保健福祉相談、保健婦による訪
問指導を実施。
【講じた主な施策等】
○
3
平成14年3月、国立成育医療センターが発足。
日常生活支援のための福祉施策
○
障害のある人の地域における自立した生活を支援するため、訪問介
護員(ホームヘルパー)の派遣及び短期入所(ショートステイ)事業
を実施。
○
整備の遅れている授産施設、身体障害者療護施設及び知的障害者更
生施設の重点的整備を進めるとともに、施設の有する様々な機能を地
域に開放する観点から、施設の地域利用を推進。
【講じた主な施策等】
○
平成13年度、情報通信技術の利用機会や活用能力の格差是正
の観点から、「障害者情報バリアフリー化支援事業」を創設。
4
専門職の確保
○
社会福祉士、介護福祉士等の養成、各種リハビリテーション専門職
員の養成訓練等福祉分野における人材を養成。
○
医師、看護師を含めた医療分野の人材の育成、資質の向上のため、
リハビリテーションに関する教育を充実。
5
福祉機器の研究開発・普及、事業者の標準化
○
福祉用具産業の健全な発展を支援するため、研究開発の推進、標準
化や評価基盤の整備等産業の基盤整備を推進。
○
経済産業省や国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所に
おいて研究開発を実施。また、NEDOや(財)テクノエイド協会等に
おいても研究開発に対する助成等を実施。
○
福祉用具の公的給付として、補装具(義肢、装具、車いす等)と日常
生活用具(浴槽、特殊便器、点字タイプライター等)の給付等を実施。
○
情報バリアフリー型通信・放送システムなど、障害のある人等のた
めの情報通信システムの実用化に資する研究開発を実施。
【講じた主な施策等】
①
平成13年度から、障害のある方などが自由に市街地を移動で
きるように支援するためのシステムの研究開発を開始し、平成
13年度は、研究のためのインフラを整備した。
②
平成13年、「視覚障害者誘導用ブロック等の突起の形状・寸法
及びその配列」等についてJIS(日本工業規格)を制定。
Ⅴ
住みよい環境の基盤づくり(障害のある人が仕事や日常の外出等を自由
にできるようにするために必要なまちづくり、住宅確保、移動・交通、情
報提供、防犯・防災対策等)
1
○
障害のある人の住みよいまちづくりのための施策
障害のある人が自立して生活し、積極的に社会参加できるよう、ま
ち全体を障害のある人にとって利用しやすいものへと変えていくた
め、計画的な福祉のまちづくりや幅の広い歩道やエレベーター等の整
備、障害のある人等の利用に配慮した建築物の整備等を図っている。
○
平成12年11月に施行された高齢者、身体障害者等の公共交通機関を
利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法)に
基づき「移動の円滑化の促進に関する基本方針」を策定し、バリアフ
リー化を総合的かつ計画的に推進。
○
農山漁村地域において広幅員の歩道の整備等を実施。
○
共生のまち推進事業の活用等により、地方公共団体が行うユニバー
サルデザインによるまちづくりに対して支援。
○
都市計画における総合的な福祉のまちづくりの取組として、障害の
ある人に配慮した道路、公園等の都市施設の整備や土地区画整理事業
や市街地再開発事業などの面的な都市整備を着実に進めるとともに、
中心市街地等における社会福祉施設の適正かつ計画的な立地を推進。
○
建築物を障害のある人等に配慮したものとなるよう、官庁施設のバ
リアフリー化を進めるとともに民間建築物については融資等により誘
導。
【講じた主な施策等】
○
平成13年度から、市街地再開発事業等において、ユニバーサ
ルデザインに配慮した共同便所を補助対象に追加するなど補助
を拡充。
○
平成13年度を初年度とする第八期住宅建設五箇年計画において、身
体機能の低下や障害が生じた場合にも、そのまま住み続けることがで
きる住宅の供給等を図ることとした。
○
設計、設備の面で障害のある人に配慮した住宅の供給を行うほか、
公営住宅、公団賃貸住宅において障害者世帯に対する募集時の当選率
の優遇等を実施。また、公営住宅等の建替や市街地再開発事業等にお
いて住宅と社会福祉施設等との合築・併設を推進。
○
住宅金融公庫等は、障害のある人等に配慮した住宅等について、最
優遇金利の適用しているほか、障害のある人等が 同 居 す る 比 較 的 規 模
の大きな住宅については融資額を増額。
○
公園の園路の幅員と勾配の工夫、縁石の切下げ、手すりの設置、ゆ
ったりトイレの整備等障害のある人の利用に配慮した公園施設を整備
したほか、有料国営公園の身体に障害のある人等に対する入園料金等
の免除を実施。また、障害のある人等に配慮した堤防・護岸の緩傾斜
化等の河川・海岸整備、港湾緑地におけるスロープ等の設置を行った。
○
障害のある人が安全かつ身体的負担の少ない方法で公共交通機関を
利用して移動できるよう公共交通機関のバリアフリー化を推進 。また、
平成13年8月、交通バリアフリー法に定められた旅客施設を対象に、
ユニバーサルデザインの考え方に配慮した「公共交通機関旅客施設の
移動円滑化整備ガイドライン」を策定。
○
公共交通ターミナルにおけるエレベーター・エスカレーター等の設
置や障害のある人の利用しやすい車両の導入を推進するため、税制や
補助・融資制度による支援等を講じている。
○
車いす利用者や高齢者など様々な人が安心して通行できるよう、ユ
ニバーサルデザインの概念を導入したガイドラインを策定し、幅の広
い歩道等を整備するとともに、既設の歩道等の段差・傾斜・勾配の改
善や立体横断施設へのエレベーター・エスカレーター等の設置等によ
りバリアフリー化を推進。
○
住居系地区等におけるコミュニティ・ゾーンの整備、障害のある人
等の利用に配慮した信号機等の設置、わかりやすい案内標識の整備、
サービスエリア等への障害者用トイレの設置等を行うとともに、携帯
情報端末を通じて安全な歩行に必要な情報を提供するPICS(歩行
者等支援情報通信システム)等、最先端の情報技術を用いたITSの
研究開発の推進。
○
「オムニバスタウン構想」を推進し、障害のある人等の交通弱者に
配慮したノンステップバス、リフト付きバス等の導入を促進。
【講じた主な施策等】
①
平成13年 、「公共交通機関の車両等に関するモデルデザイン」
を策定し、対象車両に旅客船等を追加。
②
平成13年度には、スロープ付タクシー及び低床式路面電車に
ついて税制による支援を講じた。
③
道路交通法の改正(平成13年6月20日公布)において、警察官
等による身体障害のある歩行者等の保護、身体障害者標識を表
示している普通自動車に対する幅寄せなどの禁止が規定された。
④
平成12年度にトイレ、観光案内所、休憩施設等の観光地のバ
リアフリー化を実施し、平成13年度にバリアフリー観光空間整
備費補助制度を創設。
2
障害のある人が安心して生活を送るための施策
○
情報の収集や情報伝達に大きな社会的不利のある視・聴覚に障害の
ある人等が、迅速かつ的確に情報を収集し、情報伝達手段を確保で
きるようにするため、点訳奉仕員、朗読奉仕員、手話奉仕員等の派
遣事業や福祉事務所への手話通訳の設置など、各種施策を進めると
ともに、字幕放送等放送事業者の積極的な取組を支援。
○
視覚障害者の情報取得を支援するため、新聞情報等を対象とした点
字情報ネットワークを構築し、テープ・点字書籍等による食生活関連
情報の提供等を行うとともに、国政選挙において、点字による候補者
名簿等の備付け、政見放送への手話通訳の導入等、障害のある人の投
票への配慮を行った。
○
郵便事業において障害者用各種郵便物に対する郵便料金の減免等、
郵便貯金事業においては「郵便貯金の取扱内容の点字通知」や「点字
表示のあるATMの設置」等、簡易保険事業においては点字による印字
や点字の読み取りが出来る「点字情報総合装置」の配備、「加入者福
祉施設内の点字表示」等各種サービスを実施。
○
障害のある人の防犯対策として、FAX110番の導入やFAXネッ
トワークの構築、手話のできる警察官の交番等への配置等を行った。
また、警察部内では、手話講習会や障害のある人に対する応接、介護
に関する講習会を開催するなど、職員の研修やボランティア活動への
参加を支援している。
○
障害のある人の防災対策として、地方公共団体による防災まちづく
り事業や緊急防災基盤整備事業により支援等を行っている。
○
障害のある人等に対する土砂災害対策等を重点的に実施するととも
に、洪水ハザードマップ等によるきめ細かな災害関連情報の提供を推
進。
【講じた主な施策等】
①
平成13年4月、新たな住宅防火基本方針を策定 。消防機関等が 、
訪問介護員(ホームヘルパー)など福祉関係者等と連携し、訪
問診断などの防火指導の推進等、それぞれの役割に応じた防火
対策を推進。
②
土砂災害特別警戒区域における災害弱者関連施設等の開発行
為を許可制とする「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止
対策の推進に関する法律」を平成13年4月に施行。
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