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地球温暖化対策・道路構造

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地球温暖化対策・道路構造
気候 変動 に対応 す る道 路構 造 (気 候変動対 応型道路構造 )
E3ロ ー ド
200901201現
は じめに
日本 には概 ね規員J正 しく四季変動 がある。 だが 、最近 では極度
に地球規模 で の気候変動 が起 きてい る状況 にある。
これ は、人類 の活発 な活動にもた らされ た温室効果 ガ ス による
もの と言 われ 、温室効果 ガ スの大量放 出 に伴 い台風 の大型 化や
大雨洪水 の多発化 が生 じてい る。 更 に都 市 の一部 に集 中的 に熱
が留 まる現象 が起 き、グ リラ的集 中豪雨 の原因 とも言 われ てい
る。 また 、 ある時は フ ェー ン現象 に よ り異常乾燥 を生 じさせ 、
植 生 の枯渇化 を起 こ してい る。 冬期 には寒波 の到来によ り、大
雪や 水道管 の凍結及 び アイ スバ ー ン等 の被 害 が毎年 の よ うに
多発化す ることとに な り、そ の対応 が早急 に求 め られ る事にな
る。周期性 の気候変動及 び異状 な気候変動 に対 し、 その時 々の
対処や、場所 ご との対応 となる為 、非常 に非効率的な対応 にな
ってい る事 が多 く、災害 の被害 を大 きく してい るのが現状 であ
る。 そ こで、そ の対応 の一つ として 、単純 な構造体 と再生可能
な熱源 の利用及 び温度 と湿度 の高低差 を利用す る事に よ り、気
候変動 で起 こ り うる諸 問題 を解決 出来 る こ とを見出 した。
A)大 雨、集中豪雨に対応す る道路構造
(基 本型
)
│
① 流出抑制 として透水性 の ある部材 を上部路面体 とす る。
│
② 雨水 はすみや かに透水性 上部路面体を通過 し、出来 る限 り床
│
上浸水す る事 のない様 に地域雨量に対応す る規模 の設計、施
│
工を行 う。
│
③ 上部路面体下部 を空綱化 し、その空洞部 を貯水槽 の役 目をも
たせ る。
´
④ 空洞部 の下部面を透水性部 と貯水性部 (又 は保水性 ブ ロ ック
│
を設 ける)を 交互に設 ける。
⑤ 透水性部 の雨水 は地下浸透 させ 、残水は滞水
:
(保 水性 ブ ロ ッ
1
クでも対応 できる)さ せ る。
:
⑥ オ ーバ ー フ ロー した雨水 は比較的規模 の大 きい貯水層 また
は雨水桝等へ流出 させ る事に よ り洪水対策 とす る。
│
⑦ 更 に貯水層 に貯 めた雨水 は公共用水域 (河 川等)の ピー ク流
:
量を過 ぎて流下能力 が十分 ある事 を確認後、一定水量 をポン
:
プや排水機等 で排 出す る。
③ 前記施設 は合流式下水道 の改善施設 に もな り得 るものであ
る。
2
B)気 候 変動対応 の前提条件 に つい て
こ こに 冬 の 大寒 波や 夏 の 猛 暑 の 対応 と して 前提 とな る考 え
方 を以下 に挙 げ る。
1)熱 伝 達 につい て
温度 差 の あ る物体 間 には熱 の移動 (熱 伝導 、熱対流 、熱放射 )
が 起 きる。
1)-1熱 伝導
エネ ル ギー の高 い方 か ら低 い 方 へ熱 が伝 達 され る。
│
(空 気 は熱伝 導性 が低 い )
1)-2熱 対流
加熱 され た物質 が流動す る事 で熱 が伝達 され る現象 。
│
流体 の ある部 分 が加 熱 され る とそ の部分 が膨張 し、密度 が低 く
な り浮力 の作用 で浮 き上が る。
o対 流 の発 生
温度差 が小 さい と上昇、下降 が ラ ンダ ムだが、 ある温度差 に達
:
す る と巨視 的 な秩序 を もっ た流れ のパ ター ンが 自発 的 に現れ
│
る。
3
る
放
り
よ
な
と
体
収
吸
と
が
化
変
い 廻
長 上
が が
長 量
波 る ヽ
↓ す 為 。
い 収 の い
低 吸 体 な
動
振
の
。ル 麟
。押 財 る
る
な
と
体
○ ○
物 物
温 等
低 同
1)-3-1
黒体放射 (背 景放射 )
黒体 とは 、す べ て の波長 の放射 を完全 に吸収す る物体 ∼周 囲 の
壁 が 放射 を完 全 に透 さな い で一 定 の 温 度 に保 たれ る空 洞 の壁
に、 そ の壁 に比 べ て 非常 に小 さな孔 をあける とき、 この孔 を外
部 か ら見 る と黒体 とみ な され る。 黒体 か ら放 出 され る熱放射 を
黒体放 射 とい う。 空洞 の小孔 はそ の温度 に相 当す る黒体放射 の
放 出表面 とな る。
1)-1熱 伝 導
(条 件)
外気側、乾燥状態
冬期
夏期
-5℃ 以下
30℃ 以上
暖める
透水性 ブ ロ ック
送風側 ・ 高温度
∼熱伝導 ∼
20℃ 以 下 ← 送風
0℃ 以 上 、 ← 送風
1)-2熱 対流
高温部 (加 熱部 )
外気側
も も
送風側
A⋮
A︰
∧⋮
透水性 ブ ロ ック
L
∼熱対流 ∼
↓↓↓↓
が し ヽも
低温部 (送 風部 )
高温部 (送 風加熱部 )
1)-3熱 放射
低温部
電磁放射 (赤 外線 )
高温部
外気/All
透水性 ブ ロ ック
低温部
送風側
1)-3-1
黒体放射 (背 景放射)
魔曾
蜆 慾ゝ
黒体放射
5
2)蒸 発、替熱、気化 、過冷 kllに つい て
2)-1
蒸発
液体 の表面 か ら気化 が起 こる現象。
液体 か らの蒸発 は、沸 点以下 の温度 で起 こ り、蒸気圧 が飽和蒸
気圧 になるまで続 き、そ こで液相平衝 に達す る。 温.度 が沸点 に
達す ると、液体 内部 か らも気 化 (沸 騰 )が 起 こる。蒸発 に際 し
て 、物質 は周囲か ら替熱 (蒸 発熱又 は気 化熱 )を 吸収す る。
蒸発 は液体 の温度 が高 か った り、表面張力 が低 か った りす るほ
ど早 く進行す る。
2)-2替 熱
(転 移熱 )、 気化
物 質 の相 が変化 す る ときに必 要 とされ る熱 エ ネ ル ギー の総 量
である。 固体 か ら液体 (融 解熱 )も しくは液体 か ら気体 (蒸 発
熱、気化 熱 )に 相転移す るときには吸熱 が起 こ り逆 の相転移 の
ときには発熱 が起 こ る。
「
2)-3過 冷 去
液体 が凝 固点 (転 移点)を 過 ぎて冷却 され て も固体化せ ず、液
体 の状態 を保持す る現象。 水 であれば摂氏零度以下 で も凍結 し
ない 状態 。
第 1種 本回転移 では準安定状 態 。
2)蒸 発 、替熱 、気化 、過冷却
2)-1融 雪とヒートアイランド
冬期
夏期
外気側
30℃
-2℃ 以下 、乾燥状態
以上 、乾燥状態
(降 雪 )※ ※ ※ ※ ※ (直 接熱 交換 )
外 気側
透水性ブロック
送風側
そ
高湿度
送風
(湿 度
)
T‐
讐建量
送風
2)-1-1雪 氷 の融雪と気化 (第 種相転移 )
融解現 象
1蒸
赫
固体
(積 雪)
象
言
}現
気体
一
'
熟
,こ 1'
気体
象
現
ト ー
ヽ ︱
リ
一
華 化
日
升 ´
■
2)-1-2降 雪の気化 (直 接熱交換又は第2種 相転移)
空 中での 降雪
直 接 熱 交 換
(第
2種
相 転 移
気化現 象
気 体
)
2)Tl-3ヒ ートアイランド現象の緩和 (温 度上 昇を抑制 )
液 体
沸点
1蒸
T気
発 現 象
蒸発熱
化 現 象
気化熱
気体
│
C)大 雪対策 と埋 設物 の凍結予防及 びアイ スバ ー ン対策
,
①構 造 は A)と 同様 とし送風器 をあわせ 持 ち 、必要 に応 じて
空気 を送風できる よ うにす る。
│
② 送風す る空気 はあ らゆる建造物 で生 じた 空気 を廃棄す るも
のや地熱 を利用 した空気 の温度 (熱 )と 湿度 を貯水部所 (上
│
部路面体 下部 の空洞部 )に 送風等 に よ り送 り込 めるよ うに
:
す る。
③送風部以 下 は氷 点下 とはな らず 且つ施設空洞部 では保温状
:
態 にな る為 (水 道管等 の埋設物 に対 し)凍 結 防止 となる。
1
④ 上記対策 は以下 の条件下 で行 うもの とす る。
│
外気部 の温度 が 日平均 で氷 点下 -2℃ 程度 以下 で 乾燥状態
:
の場合 、貯水部所 (路 面下空洞部 )に 0℃ 以 上 の空気又は外
│
:
気部 の湿度 を上回 る湿度 を送 風す る事 に よ り、 アイ スバ ー
ン状 態 の凍結路面 や積雪 を防止 す るものである。
:
‐
度差 の あ る空気 間 に熱
これ は、外気部 と送 風部 にお いて湿、
の移 動 が起き、い わ ゆ る熱伝 達 (熱 伝導、熱対流、熱放射 )
が起 きてい る と思われ更に送風 によ り空洞 内で内圧 がかか
り温度 (温 熱 )と 湿度 (水 蒸気 )が 外気 に向か うとともに、
│
湿度 が高い程 、 毛管現象 とも相 ま つて路面体 を通過 して空
気 が もれ出 し上 向流 とな る。
そ の時点 で空 気 の熱及 び湿 度 (水 蒸気 )が 雪 と直接接触す
る事 によ り直接熱 交換 を行 うもの と推測 できる。
したが って熱伝達 と供 に外気 部 と送風 部 の湿度 の差 が大 き
い程 「気化 Jす る状 態 が 多 くな り、複雑 な要素 が複合的 に
作用 して融雪水 が生 じない どころか 路面 上部 には 、水気 も
ない 乾燥状態 になるもの と推測 され る。 したが つて 、路面
上 部 が乾燥状 態 となる事 か らアイ スバー ン とはな らない事
が理角
準で きる。
また 、積雪状 態 の ときに外気部 が 日平均 で 0℃ 前後 (-2℃
∼ +2℃ )で 送風側 も同程度 の場合 では 、見 た 目には融雪が
ほ とん ど起 こつてお らず この場合 で もアイ スバー ン にはな
っ てい ない。 む しろ送 風側 の温度及び湿度 が低 い と残 雪 が
部分 的に凍 って い る場合 が見受 け られ るが 、 しか し外気部
の温度及 び湿度 の上 昇や 日照等 によ り、す ぐに融 雪 へ と進
み融雪水 が生 じる。
9
D)ヒ ー トアイ ラン ド現象 の対応
① 構造 は A)と 同様 とす る。
② 送風す る空気及び条件 は C)一 ① 、② と同様 とす る。
③ 上記対策 は以下 の条件 下 で行 うもの とす る。
外気部 の温度が 日平均 で 30℃ 以 上で乾燥状 態 の場合、貯水部所
(路 面下 空洞部)に 20℃ 以下 の 空気又 は外気部 の湿度 を上回る
湿度 を送風す る事 に よ り路面 上部 の温度 を下げるもの で ある。
これ は熱伝 達 に よ り温.度 を下 げ る効果 と送 風 に よ り空洞 内 で
内圧 がかか り温度 (冷 熱 )と 湿度 (水 蒸気 )が 外気 に向か うと
ともに湿度 が高 い程 、毛管現 象 とも相 ま って上部路面体 を通過
して空気 が もれ だ し上 向流 となる。
そ の もれ 出た湿度 (水 蒸気 )が 蒸発 (気 化 )す る時点 で 、上部
路面体 とそ の周 囲 を冷 去目させ る効果 をもた らす。
したが って 、熱伝 達 と供 に蒸発 (気 化 )す る状態 とな り複数 の
要素 が複 合 的 に作用 し冷却効果 が起 きる事 か ら ヒー トアイ ラ
ン ド現象 の対策 となる。
使用す る空気や水蒸気 には次 の よ うなもの がある。
10
① 建造物等の換気 により捨てた空気
(湿 度)や 地中熱 (冷 え
た空気)等 を送風 して使用。
② 空洞 内下部 に帯水 させた水や比較的大きな貯水層 の近 く
にある空気を送風 し、少 しで も湿度をあげるよ うにする。
③ 下水処理場 よ り処理水や空気 を空洞部分 に流 し込みや送
風 して利用す る。
④ その他湿度 の高い空気になるものであれば複合的 に利用
す る。
11
E)上 部路面材や透水性舗装 の欠′
点とそ の対策
①透 水性舗 装 (排 水性舗装 )等 ではよ く見 られ る通 り、 目詰 ま
りに大変弱 く透水性 の機能 を悪化 させ 、清掃管 理 を十分な対
策 を とる必 要 がある。
したがって透水性 (排 水性 )施 設 には 目詰ま り対策 が最 も重
要 で ある。
特 に粘性 土 の泥水 には、特 に対応す る必要がある。
そ の対応策 として雨水 、融雪水、水道水等 で洗浄 がで きる施
設 が望 ま しい。
②透 水性 ブ ロ ックは、 空 隙等 が大 きい程、耐荷重 に弱 く、通常
市販 の 30c m× 30c m×
6cm(透 水性能 1× 10 2cm/Sec)
規格 ブ ロ ックの強度 は曲げ強度 が 0.5N/m
m2程 度 で ある
が最 も強度 が ある場合 で も 3.ON/m m2で ぁる、但 し融雪用公
共道路用透水性 ブ ロ ック としては、融雪可能 で空 隙率 が大き
く、透水性 として 5×
m m2
10‐
lc m/sec程 度 とし曲げ強度 3,ON/
以上にす る必要 がある。これ は技術的にも製法的にも
特別 な製 品 となる もので ある。
12
C02削 減量 の算出
「未利用熱・都市
融雪システムの使用エネルギー削減量の計算結果を現行 の融雪方法から
エ
排熱の空気を利用した融雪システム」の技術に移行した場合の ネルギー削減量を算出する。
○通常 ロードヒィーティングのエネエルギー使用量
既存エネルギーの使用量 (鳳 /年 )は 、一般住宅のアプローチ及び駐車場を想定して、
〔 EI冨
量 250w/n l]讐 1電 宵月1ゞ11難 桑尋 日運車
雇炉轟
]
とすると、、、
250w× 20ド ×4ヶ 月 ×30日 ×8時 間=4,800,000wh/年 =4,800kwh/年 となる。
ここで、原油換算率 (消 費電力kwh)00942と すると、、、、、
○
︲
k
と
る
と
す
<
1
1
使 使 o・
腫腿 鏃
原油換算量 4,800kwh/年 X00942=452日 /年 となる。
018kwh X 4ヶ 月 X30日 ×24時 間 =518kwh/年
となる。
ここで、原油換算率 (消 費電力kwh)00942と すると、、、、、
原油換算量 518kwh/年 X00942=49kl/年
となる。
○下水熱のエネルギー 肖1減 量及び削減年
よつて エネルギー削減量 (kl/年 )は 、、、、、
452kl/年 - 49kl/年 = 403kl/年
ゆえに 下水道排熱利用のエネルギー削減率 は (%)は 、、、、、
403kl/年 ■452kl/年 =.・ .392%と なる。
○地 中熱利用エネルギー使用量
さらにまた、地 中熱利用のエネルギー使用量(kl/年 )で は、前項 同様に想定し、
〔
]:冨 雇髭 肇≦電力量
0.34レ
│:薦 嘱 胃 2蒲
麦 轟害 /日 運
とすると、、、
│〕
○地 中熱知様のエネルギー肖1減 量及び肖1減 率
0.34kwh X 4ヶ 月 X30日 ×24時 間 =979kwh/年 となる。
ここで、原油換算率 (消 費電力kwh)00942と すると、、、、、
原油換算量 979kwh/年 ×00942=92kl/年
となり、
よって エネルギー削減量 (kl/年 )は 、、、、、
452kl/年 - 92kl/年 = 360kl/年
ゆえに 地中熱利用注 )参 照 のエネルギー削減率 は (%)は 、、、、、
∴360kl/年 +452kl/年 =796%
したがって、下水排熱及び、地中熱エネルギー削減量 (二 酸化炭素削減量 )は 、
従来方式と比較して、肖1減 率 39∼ 80%の 結果 が得られた。
注 )地 中熱 利用 については以下の とおりとする
口径 200mmの 塩 ビ管を地 下 (深 さ)約 2.Om程 度で、延長 は住 署敷 地 70坪 程度を想 定 し、
L=70.00を 布設する。
片方 から外 気を吸 引し、管 内において空気だけで熱交換させ て、もう片方の 出 日か ら
排 出させた空気を利用する。
その空気熱 は、以下のとおりである。但 し、土 質や深さ又 は、熱 交換 日数等 によって │よ 、
温度が変わ るので使 用 時 に注意 を要する。
冬期 (12月 ∼ 3月
夏期 (3月
)
)
外気温
外気温
3°
C∼ -5° Cに 対 し、
+32° Cに 対 し、
吐き出し温度
+8° C∼ +2°
吐き出し温度
+19° C
C
aご
こ
1)君 。
9
3
5
5
ζくL ↓
雛 紗
贈 健
F
帥 3
割 境
環
匿一
國 艤
o粛まItt eneFgy
活力J省 エネ
餞P対 応
Pr輩
nd
灘
雪害鮪止
膠 F対 応
自
胃
鰤 嶽
3璽
璽 ―ドと機
一
ecology
economy
生態環境
節約経済
PreventiOn of
Heat
暑熱防止
preventiOn of
heavy raln
豪雨災害FPt止
Reduce
Reuse
Recycle
発生抑制
再使用
再生使用
気候変動対応型道路
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