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11←一一一一一一一一一一一一一一薗
1
1
←
一
一
一
一
一一一一一一一一
一
一
薗
ω
(
博士論文
andidamaltosa における
酵母 C
cytochromeP450ALK遺伝子群の転写誘導機構の解析
東京大学農学生命科学研究科応用生命工学専攻
平 成 6年度入学
大友量
指導教官
高木正道
博士論文目次
序章
第 1章
C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aにおける P
450ALK遺 伝 子 群 の 誘 導 現 象
1
1 材料と方法
1
1
1
1
1
2
1
1
3
1
1
4
1
1
5
1
1
6
1
1
7
1
1
8
菌株と培地
誘導培養朋培地への誘導斉J
Iの添加
プラスミドの構築
PCR法
DNA塩 基 配 列 の 解 析 方 法
C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aの形質転換法
sガラクトシダーゼ活性測定法
rnRNAの調製方法とノーザンハイプリダイゼイ ション
7
9
1
0
1
1
1
2
1
2
1
2
1
3
1
2 結果
450は n
-アルカン
1
2
1 C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aの P
およびその誘導体によって転写レベルの誘導を受ける。
1
2
2 タイムコース実験によって明らかになった転写誘導の多様性
1
2
3 ALK2遺伝子はベルオキシソーム増殖剤によっても
著しい転写誘導を受けた。
1
6
2
0
2
4
1
3 考察
1
3
1 n アルカン添加l
によ って最初に引き起こされる転写誘導は
迅速な反応である
1
3
2 酵素活性との対応(基質特異性と誘導特異性)
1
3
3 クロフイプレ」トによる P450ALKの誘導はノーザン解析、
レポーター遺伝子による解析、及びCO
還元差スベクトルで
確認された。
1
3
4 他の酵母との誘導機構の共通性について
第 2章
3
0
3
0
3
1
3
1
P450ALK遺伝子群の転写誘導に関与する c
i
s
-配列の解析
2
1 材料と方法
内
3FDF3AV
プラスミドの構築
ノーザンハイプリダイゼイション
ゲル移動度シフトアッセイ
UV-架 橋 法
﹃U J
内 qd J
内
2
1
1
2
1
2
2
1
3
2
1
4
2
2 結果
第 3章
qJA笠A告
2
3 考察
R U Aヨ 円 /
2
2
1 ALK5プロモーターの欠失解析と ARR5の同定
2
2
2 ARR5に配列特異的に結合する蛋白質の検出
2
2
3 ALK2プロモーター領域の欠失解析
50
ALK5の転写誘導に関与する t
r
a
n
s因子のクローニングの試み
3
1 材料と方法
円 / ウ'
FhJEJr3quRJV
Q ノ QJ
菌株と培地
サザンハイプリダイゼーション
ARR5のマルチマリゼーション
C
a
n
d
i
d
amaI
to
s
aの発現ライブラリーの構築
サウスウエスタン法
AV
3
1
1
3
1
2
3
1
3
3
1
4
3
1
5
3
2 結果と考察
forb 〆
huro
第 4章
他の生物での相同機構の探索
菌体内の t
r
a
n
s因子の d
e
p
l
e
t
eの試み
サウスウエスタン法の条件検討
サウスウエスタン法によるクローニングの試み
nununU 弓L
3
2
1
3
2
2
3
2
3
3
2
4
C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aにおける
i
nv
i
t
r
o転写系の構築と t
r
a
n
s因子の単離の試み
4
-1 材 料 と 方 法
4
1
1
1
)
2
)
3
)
4
)
C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aにおける i
nv
i
t
r
o転写法
i
nv
i
t
r
o転写に用いる鋳型の合成
転写活性のある無細胞抽出液の調製法
転写活性のある酵母核抽出液の調製法
i
nv
i
t
r
o 転写法
4
1
2 ゲル移動度シフトアッセイ
4
1
3 DNAアフィニティーマトリックスを用いた
無細胞抽出液の分画
4
1
4 へパリンアガロース アフィニティーカラムを用いた
無細胞抽出液の分画
65
6
5
66
67
6
8
7
0
7
0
7
0
4
2 結果
4
2
1 i
nv
i
t
r
o転写に用いる鋳型の合成
4
2
2 転写活性のある無細胞抽出液の調製
4
2
3 転写活性のある醇ー
母核抽出液の調製と
nv
i
t
r
o転 写
それを用いた i
4
2
4 転写活性のある抽出液の分周
7
1
7
1
8
0
8
2
4
3 考察
9
4
反応系からの除去の試み
9
5
9
9
4
3
4 転写活性を持つ細胞抽出液の分画
終章
論文の内容の要旨
参考文献
謝辞
9
3
4
3
1 C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aにおける InVlt
r
o転写
4
3
2 i
nv
i
t
r
o転写を用いたアルカンによる転写誘導の解:f
i
l
・(
1
)
.i
nv
i
t
r
o転写におけるプロモーターの競合笑験
4ふ 3 i
nv
i
t
r
o転写を用いたアルカンによる転写誘導の解析 (
2
)
. . . . .ARR5を用いた ALK5特異的な転写悶子の
1
0
1
1
0
4
1
1
0
1
1
3
序章
水がその大部分を占める生体にとって環境中に存在する疎水性物質に対する
応答は死活問題である。それらは特別な受容体や輸送系を介さずに生体内に侵
入し、水に可溶な形
(このような形にな って初めて生体は物質を自 分の思うと
ころに輸送できるようになる) に代謝されない│現りは生体内に蓄積し続けるこ
とになる。このような外来疎水性物質の酸化の最初のステップを触媒し、その
解毒代謝に重要な役割を果たす酵素の代表的なものとして c
ytochromeP450(
以
450と略す)を挙げることができる。
下P
生体はまた、単に受動的に疎水性物質の侵入に対応しているだけではなく、
それを積極的に利用するシステムをも有している。ステロイドホルモンや甲状
腺ホルモン、あるいは脂溶性ビタミンといった疎水性生理活性物質のシグナル
伝達物質としての利用である。これらは疎水性であるがゆえに容易に細胞膜を
通過し、細胞内に存在する受容体と結合することできわめて低濃度で生体に刺
激を伝えることができる。 P
450のあるものはまたこのような内因性の疎水性物
質の代謝(ステロイドの生合成、脂質代謝、ビタミン Dの活性化など)にも関与
している。
P450は生物界に非常に広範に存在している酵素である。還元型で一酸化炭素
と結合して 450nm 付近に特徴的な吸収極大を示す一群のプロトヘム含有蛋白
質であり、様々な疎水性の有機化合物へのー原子酸素添加反応を触媒する。こ
0
0以上
れまでに原核微生物から高等動植物に至るまで、多くの生物から実に 5
の遺伝子が報告され、解析が為されてきた。これらの 1次構造には有意な相同
性が見られ、巨大なスーパーファミリーを形成していることが明らかにされて
いる。このことはこれら多種の P
450 が共通の祖先を持ち、 i
機々な基質に適応
する形で多様な進化を遂げてきたことを示唆するものである。と同時に
P450
の持つ機能が生物にとって非常に基本的でかつ非常に応用範囲の広いものであ
ることを意味する。
450 の基質特異性はかなり厳密な
一般に内因性疎水物質の酸化に関与する P
ものであるが、薬物酸化能をもつものの基質特異性は異常に広く、また分子間
でかなり重複している。疎水性物質からの生体防御という観点からはこの基質
特異性の広さは合目的であると考えられる。このような柔軟性が、
P450 が他
に類を見ない多様な進化を遂げたことの大きな要因であり、また結果でもある
と考えられる。
P450の研究はまた、 生体の疎水性物質 に対する応答機構に│刻しても多くの知
見をもたらした。外来の疎水性物質代謝に関与する P450 の多くはその基質に
よって転写レベルで誘導される。このような誘導機構が P450 の進化と協調す
る形で多様化してきたことがうかがえる。従って P450 の有する基質特異性の
多様性がそのまま転写誘導機構の多株性に反映されると考えられる 。つ まり
P450 は疎水性物質による転写誘導研究における材料の宝庫なのである 。T
a
b
l
e
0
1(
D
e
n
i
s
o
nM.S
.e
ta
l
.(
1
9
9
5
)
)にはそのような P
450のうち代表的なもののリス
トを示してある。
これらのうち幾つかについてはその転写誘導機構( DNA 上の機能配列とそ
こに作用して転写活性化を指示する転写因子) が解析され、明らかにされてき
)
莫を通過し
ている。これら疎水性物質の受容体は、概して細胞内に存在し細胞J
てきた疎水性物質と直接結合することで活性化され転写誘導を行う、というリ
ガンドの性質を反映した共通性を有している。そのような細胞内受容体のうち、
佃同様、スー
核内受容体と総称される 一群は近年精力的に研究が進められ、 P
パーファミリーを形成していることが明らかにされてきた。グルココルチコイ
ド、エストロゲン、甲状腺ホルモン、ビタミン A、ビタミン D 等の受容体は 2
個の Znフィンガーから構成される DNA結合ドメインと、その C 末端似Ijに位
置する αーヘリ ックスに富んだリガンド結合ドメインによって特徴づけられる
共通のドメイン構造を有する、リガンド依存的な転写因子である 。 また 一群の
ベルオキシソーム増殖剤による転写誘導に関与すると考えられる PPAR(後述)
もこの 1群に含まれる。
ホメオドメイン蛋白質や bZIP 型の転写因子が酵母から動植物に至るまで広
く分布するのに対し、これら核内受容体蛋白質はこれまでのところ刺胞動物の
j
持乳動物に至る後生動物にしか存在が確認されておらず
サンゴやヒトデからIl
(
梅闇和彦(1
9
9
5
) )、今後これらの原型にあたるものが下等兵核生物にも見いだ
されるか否か、興味深い。
ダイオキシンや PCB(
p
o
l
y
c
h
l
o
r
i
n
a
t
e
db
i
p
h
e
n
y
l
)なとをのハロゲン化芳香族炭
、h
a
l
o
g
e
n
a
t
e
da
r
o
m
a
t
i
ch
y
d
r
o
c
a
r
b
o
n
)、あるいはベンツピレン、
化水素 (HAH
メチルコラントレンといった多環芳香族化合物
(PAH、
polycyclic a
r
y
l
R(
a
r
y
lhydrocarbonr
e
c
e
p
t
o
r
)による転写誘
hydrocarbone)の受容体であるAh
導も、これらの化合物がリガンドとして結合することから始まる。当初、その
作用形式の類似性から AhR もステロイドホルモン受容体と同じフ ァミ リーを
形成すると考えられてきたが、 一次構造決定の結果、特徴的な構造として
HLH ドメインのほかに PAS ドメインをもっ、全く新しいタイプのリガンド依
存性転写因子であることが明らかとなった。
2
Table 0・1・1 P450 genes which a
r
e induced by exogenous
hydrophobiccompoundsandt
h
e
i
rs
p
e
c
i
f
i
cenzyme
s
u
b
s
t
r
a
t
e
s
I
nducer
Cyt
ochromeP
4
5
0
s
S
p
e
c
i
f
i
cP
4
5
0S
u
b
s
t
r
a
t
e
(
s
)
S
o
r
n
ePAHs
,
HAHs
,
and
PCBs
CYPIAl
CYPIA2
CYPIBl
CYP2A3
PAHs
Drugs,
s
t
e
r
o
i
d
s
PAHs
S
t
e
r
o
i
d
s
B
a
r
b
i
t
u
t
u
r
a
t
e
s
,
,
d
i
e
l
d
r
i
n,
DDT
So
r
n
ePCBs
CYP
2Al
CYP2Bl/2
CYP2Hl/2
CYP2Cl/6/7/11
CYP3Al/2
CYP6Al
CYP102/106
S
t
e
r
o
i
d
s
Drugs
,
s
t
e
r
o
i
d
s
,
PAHs
Drugs
,
s
t
e
r
o
i
d
s
,
PAHs
S
t
e
r
o
i
d
s
,
f
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ya
c
i
d
s
,
d
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u
g
s
S
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s,
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g
s,
a
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t
i
b
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o
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i
c
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P
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s
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i
c
i
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s
F
a
t
t
y
a
c
i
d
s
Peroxisome
P
r
o
l
i
f
e
r
a
t
o
r
s
CYP2Bl
CYP
4Al/2/3/6/7
CYP73
CYPI02
Drugs,
s
t
e
r
o
i
d
s
,
PAHs
F
a
t
t
y
a
c
i
d
s
F
a
t
t
y
a
c
i
d
s
F
a
t
l
ya
c
i
d
s
Dexamethasone
PCN,
AGs
CYP3Al
CYP2Bl/2
CYP2C6
S
t
e
r
o
i
d
s
,
d
r
u
g
s
,
a
n
t
i
b
i
o
t
i
c
s
s
t
e
r
o
i
d
s,
PAHs
Drugs,
S
t
e
r
o
i
d
s,
f
a
t
t
ya
c
i
d
s
,
drugs
t
IAlkane
CYP52
t
IAlkane
l
andi
t
sd
e
r
i
v
a
t
i
v
e
s
andi
t
sd
e
r
i
v
a
t
i
v
e
s
3
l
楠乳動物におけるフェノパルピタールによる転写誘導に関しては、現在のとこ
ろそのプロモーター上の機能領成がIy~ らかにされているだけであり、フェノバ
ルピタール受容体の同定には至っていない。しかし興味深いことにフェノハル
ピタールによって転写誘導される P4
5
0(P450BM3,CYP102)が原核生物である
B
a
c
i
l
/u
sm
e
g
a
t
e
r
i
u川において見いだ されており、その上流に見いだされた機能
B
a
r
b
i
eBoxと呼ばれている)は高等動物で見いだされた機能領成と配列上
配列 (
の相向性を有していた (HeJ
5.e
ta
l
.(
19
9
1
)
)0 B
.m
e
g
a
t
e
r
i
u
mにおいてはフェノ
パルピタール依存性の転写誘導に関与する因子として Bm3R1 が報告されてお
c
.
り
.(5hawG- e
ta
l
.(
1
9
9
2
)、 誘導機械としては抑制因子である Bm3R1がフエ
ノパルピタール存在下ではそのオペレーターサイトから解離するというものだっ
c
.
た (5hawG- e
ta
l
.(
1
9
9
3
)
)。この場合もやはり、フェノパルピタールはリガン
ドとして Bm3R1に直接認識されるのである。
P450BM3はまた、 ペルオキシソーム増殖斉I
J(以下 PPと略す)と総称される 一
群の化学物質 (
[
4
-c
h
l
o
r
o
-6
-(
2,
3
-x
y
l
i
d
i
n
o
)ー 2
-p
y
r
i
m
i
d
i
n
y
l
-t
h
i
o
]a
c
e
t
i
ca
c
i
d
(Wy-1
4,
6
4
3
)、m
e
t
h
y
l
-2
-[
4
-(
p
-c
h
l
o
r
o
p
h
e
n
y
l
)phenoxy]2-methylp
r
o
p
i
o
n
a
t
e
(
m
e
t
h
y
l
c
l
o
f
e
n
o
p
a
t
e
)、 2
-m
e
t
h
y
l
-2[
p
-(
1,
2
,
3
,
4
-t
e
t
r
a
h
y
d
r
o
1
-n
a
p
h
t
h
y
l
)p
h
e
n
o
x
y
]
p
r
o
p
i
o
n
i
ca
c
i
d(
n
a
f
e
n
o
p
i
n
)あるいは e
t
h
y
l αー p
-c
h
l
o
r
o
p
h
e
n
o
x
y
i
s
o
b
u
t
y
r
a
t
e
(
c
l
o
f
i
b
r
i
ca
c
i
d
)など)によっても転写レベルの誘導を受ける。これらは構造上の
c
h
i
e
s
t
lR
.H
.e
ta
l
.(
1
9
9
0
))、蓄
共通性を持たない非変異原性の発痛物質であり(5
歯類の J
I
干細胞において細胞内1
英構造や脂質代謝に大きな影響を与える事が知ら
れている。
PP による遺伝子の転写誘導には、高等動物では核内受容体の一種であるペ
.(
1
9
9
3
)、
ルオキシソーム増殖剤活性化受容体 (PPAR) (総説は Motojima K
AuwerxJ
.(
1
9
9
2
)、 GearingK
.L
.e
ta
.
l(
1
9
9
4
)を参照)が関与すると考えられて
いる。近年、 PPAR のサプメンパーが相次いで報告され、そのうちの幾っかに
ついてはチアゾリジンジオン(Le
hmannJ
.M.e
ta
l
.(
1
9
9
5
))やプロスタグランジ
ン類(FormanB
.M.
e
ta
l
.(
1
9
9
5
))が生体内において直接のリガ ンドとなってい
る事が指摘されてきた。しかし PP 自体に関してはこれらの受容体と結合する
という直接的な証拠は得られておらず(酵母で PPAR遺伝子を発現させてもこ
れらの薬剤に依存的な転写誘導が見ら れないこと( Henry K
.e
ta
l
.(
1
9
9
5
)、
Marcus5
.L
.e
ta
l.
(
1
9
9
5
))から、 PPが直接 PPARのリガンドとな っていると い
うモデルは現在ではむしろ否定的にとらえられている) 、結局これらの物質の
転写誘導機構に関しては高等動物では依然、明らかにはされていない。
4
一方 B
.m
e
g
a
t
e
r
i
u
m における P450BM-3の PPによる転写誘導機構は、フェノ
パルピタールや脂肪酸と問機、 PPが Bm3RIに直接結合することで、リプレッ
サーが DNA 結合性を失うことによるものであることが明らかにされている
(
E
n
g
l
i
s
hN.
e
ta
l
.(
1994))。
興味深いことに PP による転写誘導現象は高等組物においても見いだされて
いる(R
e
i
c
h
h
a
r
tD.
e
ta
.
l(1980)、S
a
l
a
u
nJ
P.
e
ta
l
.(1986)、 F
o
n
n
e
P
f
i
s
t
e
rR
.e
ta
l
(
1
9
8
7
) など)。しかしそれらの機構については明らかではない。これらの報告
から PP応答性は生物界全般において脂質代謝と密接な関連を持っていると推
察される。実際、酵母細胞で mousePPARα を発現させることで PPREを持つ
プ。ロモーター支配下の遺伝子は脂肪酸に応答するようになる (
MarcusS
.L
.e
ta
l
(
1
9
9
5
)
)。また P450BM-3のオペレーター配列には S
a
c
c
h
a
r
ol
l
1y
c
e
sc
e
r
e
v
i
s
i
a
eの P
o
x
Box(
F
i
l
i
p
i
t
sM.
e
ta
l
. (1993))あるいは ORE(Ein巴rhandA
.W.C
.e
ta
l
.(1992)、
EinerhandA.W.C
.e
ta
l
.(
1
9
9
3
))と呼ばれる機能配列(ペルオキシソーム関連遺
伝子のプロモーター領域に見いだされており、これらの遺伝子の脂肪酸による
転写誘導を指示する)と相向性のあることも指摘されている(E
n
g
l
i
s
hN.e
ta
l
.(
1
9
9
4
)0 F
i
g
.2
3
1参照 )
0 PPと脂肪酸とでその関与する転写誘導の機構におい
ても何らかの共通性があるのか否か、あるいはそれらの機構は生物問で共通性
があるのか否か、興味深い。
このように振り返ってみると疎水性物質による転写誘導機構の解析は、親水
性物質のそれに比べて知見の乏しいのに驚かされる。殊に高等動物以外では幾
つかの トピ ックが散在しているのみといった 印象すら受ける 。その意味におい
て P450 のように生物界全般にわたって広く存在が認められる、疎水性物質を
基質とする酵素の転写誘導機構の解析は魅力的なテーマであるといえる。前述
のように P450 の疎水性物質による誘導機構が酵素の進化と協調する形で多様
化してきたという仮説は、逆に 言えば高等真核生物で見 いだされた誘導機構の
原型にあたるものがもっと下等な生物で見いだされる可能性を示唆する。
本研究において対象とした C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aは
1
1
-
アルカン資化能を有する無
胞子酵母であり、 n-アルカンを単一炭素源として培養した場合、その資化に関
与するチトクローム P
450(
P
4
5
0ALKs)を転写レベルで誘噂する 。また か ア ル
カン培養時に小j
抱体 (
E
R
)J
)
英など細胞内膜系の顕著な発達が観祭されるが、こ
の現象は P450ALKsの大量発現によっても認められた。すなわち本菌における
このような細胞内構造の劇的変化においても
1
1
- アルカンを炭素源とすることに
450ALKsをはじめとした遺伝子の転写活性化が最初J
の重要なステ ップで
よる P
あると考えられる 。
5
生物のかアルカン応答性の転写誘導機構に関しては解析例が少なく、わずか
seudomol
1a
so
l
e
O
V
o
r
al
1Sの持つ n
-アルカン資化遺伝子群 (
a
l
kg
e
n
e
s
)の制御因
にP
子である a
!
k
S(EgginkG
.e
ta
l
.(
1
9
8
8
))について部分的な塩基配列が報告されて
いるにすぎない。ほかにもかアルカンを資化代謝できる微生物は多く知られて
いる (RadwanS
.S
.e
ta
l
.(
1
9
9
3
)参照)が、C.m
a
l
t
o
s
aのようにその初期j
酸化に関
与する遺伝子群の全貌が明らかとされている例はほかにない。 さらに本菌では
同じ遺伝子ファミリー (CYP52)に属する構造的に相関した後数の P450ALK遺
伝子が見いだされており、これらは本菌が種々の疎水性物質の代謝能を獲得す
る過程でそれに応じた多綴な進化を遂げてきた結果と考えられている 。従って
こーれら複数の遺伝子の誘導性の多機性を解析することにより、本菌における
P450 ALK の誘導機構に関しでも進化の而からの貴重な示唆が得られると期待
される。この知見は他の真核生物一般の疎水性物質への応答機構とその進化を
考える上でも有用であろうと考えられる。
a
l
t
o
s
aにおける P450ALKsの転写誘導機
以上の背景をもとに、本研究はC.m
構を明らかにし、それを 一つのモデルとして真核生物の疎水性物質に対する応
答機構を考察することを目的としている。
本論文は 4章よりなる 。第 I章ではC.m
a
l
t
o
s
aP450ALKsの転写誘導の特徴
について解析を行った。第 2~ においてはそれらのプロモーター領域の解析を
行い、 n
-アル カンによる転写誘導に重要と考えられる領域を特定し、またそこ
に配列特異的に結合する細胞内蛋白質の存在を示した。その DNA結合性蛋白
質をコードする遺伝子の単離を試みた第 3章では、クローニングの成功には至
らなかったが、この蛋白質の持つ幾つかの特性を 明らかにするこ とが出来た。
第 4章では i
nv
i
t
r
o転写系を構築し、 n
-アルカ ンによる誘導現象の i
nv
i
t
r
oで
の再構築とその生化学的解析を試みた。
本研究に用いた基本的な実験的手法に関しては本文中特に触れなかったが、
大腸菌および核酸の基本的な取り扱い
(大腸菌の形質転換、プラスミドの回収
法、核酸の精製法、核酸の定量法、核酸の電気泳動法等)に関しては成書
(SambrookJ
.
e
ta
l
.(
1
9
8
9
)、 Ausube!F
.M.e
ta
l.(
1
9
9
4
)
)を、蛋白質の基本的な
取り扱い (SDS-変性アクリルアミドゲル電気泳動、硫安沈澱、透析、蛋白質の
定量法など)に関しては成書 (
A
u
s
u
b
e
!F
.M.e
ta
l
.(
1
9
9
4
)、堀尾武一ら(19
8
1)
)を
、
転写因子研究の基本的な教科書としては成書(田村隆明編(1
9
9
3
)、 堀越正美訳
(
1
9
9
6
)
) を参照した 。その他の手法に関しては論文中のそれぞれの箇所で詳述し
た
。
6
第 1章
Candidam
a
l
t
o
s
aにおける P450ALK遺 伝 子 群 の 誘 導 現 象
当研究室ではこれまでに C仰のd
am
a
l
t
o
s
aの 作 ア ル カ ン資化能について解析
し、その初期酸化に関与する 8種の P450ALK遺伝子群(以下 ALK遺伝子群)を
単離・解析してきた(OhkumaM.e
ta
l
.(
1
9
9
1
a
)、 OhkumaM.e
ta
l
.(
1
9
9
1
b
)、
OhkumaM.e
ta
l
.(
1
9
9
5
))。これらは CYP52ファミリーに属する 一群であり、
偽遺伝子と考えられている ALK4を除いて、すべてその基質であるかアルカン
ta
l
.(
1
9
9
5
))。また、最近これ
によって転写レベルで誘導される(OhkumaM.e
ら P450ALKの基質特異性の差異についても解析がなされ、これらの P450が
か アルカン資化において基質の違いや資化の段階に応じた役割分担を行ってい
I
ta
.
l(
1
9
9
6
))。
る可能性も示唆されている(ZimmerTe
本章ではこのような背景に基づき、 ALK遺伝子群の誘導機構の解析を始める
にあたって、その誘導特異性を 1
)誘導基質
2
) 誘導│時間
3
) 他の酵母との誘
導機構の共通性の検討、の 3点から検討した。
1
1 材料と方法
1
1
1 菌株と培地
以下の菌株を用いた。
E
s
c
h
e
r
i
c
h
i
ac
o
l
iHB101
F'、s
u
p
E
4
4、h
s
d
S
2
0
(
r
B'
mB、
)
' r
e
c
A
1
3、a
r
a
1
4、p
r
o
A
2、l
a
c
Y
1、
g
a
l
K
2、x
y
l
5
mt
I1、r
p
s
L
2
0
(
S
m'
)
、 λ
一
E
s
c
h
e
r
i
c
h
i
ac
o
l
iMV1190
,
1(
l
a
c-proAB)
、t
h
i'
,s
l
l
p
E、,
1(
s
r
1
r
e
c
A)
3
0
6汀
nlO(
T
e
t'
)[
F
'、traD36、
proAB、l
ac
Iq、l
a
c
ZL
1M15]
E
s
c
h
e
r
i
c
h
i
ac
o
l
iSURE
m
c
r
k
)、,
1(
mcrCB-hsdSMR-mrr)
1
7
1、endA1、s
l
l
p
E
4
4、t
h
i
1、
e14 (
一
gyrA96、r
e
l
A
1、l
a
c、r
e
c
B、r
e
c
J、s
b
c
C、I
I
m
u
C、T
n5 (
K
a
n
')
、u
vrC
[
F
'
, proAB、l
ac
Iq、l
a
c
Z
,
1M15、T
n10(
T
e
t
'
)、Amy、Cam']
7
E
s
c
h
e
r
i
c
h
i
ac
o
l
iMC1061
hsdR、I
1
lc
r
B、
。 raD139、
企
(
日r
a
A
B
C
l
e
l
l
)
7
6
7
9、Aac
X74、galU、
galK、r
p
s
L、t
h
i
Candidal
1
la
l
t
o
s
a IAM12247(以下 IAM12247)
野性株
C
a
n
d
i
d
a11la
l
t
o
s
aCHA1(以下 CHA1 (KawaiS
.e
ta
l.
(
19
9
1
))
h
i
s
5、a
d
e
l
Candidam
a
l
t
o
s
a CHAU1 (
以下 CHAU1(OhkumaM.e
ta
l
.(
1
9
9
3
)
)
h
i
s
5、a
d
e
l、l
l
r
a
3
C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
a DA1235-12(以下 DA1235)
h
i
s
5、a
d
e
l、l
l
r
a
3、a
l
k
l
:
:
U
R
A
3
/
a
l
k
l
:
:
H
I
S
5、L
la
l
k
2
a
l
k
3、L
la
l
k
5、
S
a
c
c
h
a
r
o
m
y
c
e
sc
e
r
e
v
i
s
i
a
e DBY747
Aゐ4
.Ta,h
i
s
3
-L
l
1
、 l
e1
l2
3、l
eI
l2
1
1
2、I
lr
a
3
5
2、t
r
p
l
2
8
9
a、g
a
l'
、c
a
n
l
、CUP'
S
a
c
c
h
a
r
ol1ly
c
e
sc
e
r
e
v
i
s
i
a
eR27-1B-7C
MATa、h
i
s
3、l
e
l
l
2、I
lr
a
3、t
r
p
l
Y
a
r
r
o
w
i
al
i
p
o
l
y
t
i
,
c日 CXU1(飯田敏也、未発表)
a
d
e
l、u
r
a
3
以下の培地を使用した。
1%B
a
c
t
o
T
r
y
p
t
o
n
e(
D
i
f
c
o
)、0.5%Y
e
a
s
tE
x
t
r
a
c
t(
D
i
f
c
o
)
LB培地
0.5%NaCl
必要に応じて ampici
l
1i
n(SIGMA)を終濃度100μg/mlで添加l
した 。
YEPD培地
2%Polypepton(和光)、 2%g
l
u
c
o
s
e(和光)
1
%Y
e
a
s
tE
x
t
r
a
c
t(
D
i
f
c
o
)
8
5D培地
0.17%Y
e
a
s
tN
i
t
r
o
g
e
nB
a
s
e
(w/
0aminoacidandammoniumsu!
f
a
t
e
)(
D
i
f
c
o
)
l
u
c
o
s
e(和光)
0.5%硫酸アンモニウム、 2%g
必要に応じて
adenin、
巴 ur
a
c
i
l、 L-histidine、 L-leucine、 し
tryptophanをそれぞれ終濃度 24μg/mlで添加した 。
誘導培養用培地
0
.
1
7% Y
e
a
s
tN
i
t
r
o
g
e
nB
a
s
e
0aminoa
c
i
dandammoni山 nsu!
f
a
t
e
)(
D
i
f
c
o
)
(w/
l
y
c
e
r
o
l(和光)
0.5%硫酸アンモニウム、 1%g
'
をそれぞれの濃度で添加した(下記参照)。
これに誘導斉J
ただしかアルカンを炭素源兼誘導斉'
J
として用いたときは特に断らな
い限り
glycerol
は除いた。必要に応じて
adenine、u
r
a
c
i
l、L
-
h
i
s
t
i
d
i
n
e、 L
l
e
u
c
i
n
e
、L
t
r
y
p
t
o
p
h
a
nをそれぞれ終濃度 24μg/mlで
添加した。
以上の培地を液体培地として用いる場合にはアンチホーム AFエマルジョン(ナ
カライ)を終濃度 0.02%で、国体培地として用いる場合には寒天を 2%に添加
した。
1
1
2 誘導培養用培地への誘導剤の添加
本主主で誘導剤として用いた物質はすべて疎水性のものである。そこで以下の要
領で液体培地に添加した。
1
) 常温で液体のもの(n
-アルカン、脂肪酸エステル、クロロアルカン)
そのまま培地に添加し、ポルテックスによって分散させた。
2
) 常温で団体のもの(脂肪酸、アルカノール)
水中で加熱溶解し、激しく撹枠しながら冷却することでエマルジョ
ンとしてから培地に加えた。
3
) ベルオキシソーム地殖剤
DM50に溶解して崎地に加えた。この際、培地中の DM50の終濃
度は 0.5%に統ーした。
9
1
1
3 プラスミドの構築
ALK プロモーターの活性を定量するためのプロモータープロープベクタpPL1、およびその誘導体 (pPL-A
,
l p
PL-A
2
、 pPL-A3、pPL-A35、pPL-A5お
悶 D
)に関しては文献 (OhkumaM e
ta
.
l(
1
9
9
5
a
)、村岡真一自
1 ら、(
よび pPL-
1
9
9
4
)
)参照。
同様のことを DAl235株中で検討するため pP
L1と同じタイプのベクターで、
Uん4
3 をマーカーとする プラスミド pPLU1 を構築した 。C.1
I
l
日/
t
o
s
aの URA3
をマーカーとする YCp型プラスミド pUTU1(
WolfK
.(
1
9
9
5
)、p
5
3
7
)を PvuI
l
に よって消化し、マーカーおよび複製配列を含む約 5kbp の断片をアガロース
I
ゲルより回収した。また、 pPL1を P
vuI
l消化し、 K
l
u
y
v
e
r
o
m
y
c
e
s/
a
c
t
i
s の LAC4
構造遺伝子を含む約 3
.
8kbp の断片をアガロースゲルより回収した 。
両者を
連結し、 H
indllIによる消化パターンから pPL1と同じ方向に /
a
c
4が挿入され
たものを pPLU1 、逆向きのものを pPLU2 とした。最後に pP しA1~5 および
pPL-REDを
5
p
h1とC
l
a1によ って消化してプロモーターおよび /
a
c
4 機造遺
p
hI
C
l
a1音1
1
{
立に挿入して
伝子の上流部分を含む断片を切り出し、 pPLU1の 5
pPLU-A1 ~ 5 および pPLU-RED とした 。
他の酵母での ALK遺伝子プロモーターの機能を検討するために、大腸菌 l
a
c
Z
をレポーター遺伝子とする 一連のプラスミドを構築した。
また、誘導レベル
を標準化するために 5
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eの CYC1遺伝子のコアプロモーター(以下 CYCl
コアプロモーター)を用いた。
大腸菌の
/
a
c オペロン全領域を pBR327 にクローニングしたプラスミド
pLAC10を鋳型とし、オリゴヌクレオチド 5二CACACAGTCGACAGCTAT
GACC
3
'及び 5
'
T
T
CGCGAAATACGGGCAGACAT
G
3
'をプライマーと
して、 PCR法により上流にお I
I部位を導入した l
a
c
Z遺伝子を取得し、平滑末
端化及び末端リン酸化の後に pUC18の 5ma1部位に挿入した 。ここから pUC
上の l
a
c
Zα と順向きに挿入されたものを選択し (pUC18LZ)、5
a
l
l
B
a
mHI部位
に挿入し、再び /
a
c
Zα と}
l
f
i向きに挿入されたものを選択した (pUC19LZ)。増
幅された配列は上流 f
!
I
Jの塩基配列を決定することによって目的のものであるこ
とを確認した。また、 pUC19LZにおいては pUC上の l
a
c
Zα と挿入された l
a
c
Z
とがインフレームで連絡している事から大腸菌
MC1061 株に導入し
IPTG
(
I
s
o
p
r
o
p
y
l
-s
ot
h
i
o
g
a
l
a
c
t
o
p
y
r
a
n
o
s
i
d
e
)及び X
g
a
l(
5
B
r
o
m
o
4
c
h
l
o
r
oふ 凶doyl
β
O-gal
a
c
t
o
s
i
d
e
)の存在下で波青色の発色を確認し、機能的に正常な日ーガラクト
シダーゼ遺伝子が得られたと判断した。
1
0
CYClコアプロモーターは S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eDBY747株の全 DNA(第3主
主)を鋳型
とし、オリゴヌク レオチド 5二AATCCTCGAGCAGATCCGC
3
'及び 5'-CTC
GAGAAGTATAGTAATTTATGC-3'をプライマーとして PCRによ って 取得
した。増幅した断片は
Xho 1 で消化後、アガロースゲルから切り山して
pB
lu
e
s
c
r
i
p
tKSM13-(STRATAGENE)の S
a
lI
X
h
o1部位に押入し、下流側の
XhoI音1
位が残っているものを選択した (pB-CY
C)。得られた断片は塩基配列を
決定して確認した。
pBS-CYCより P
s
tI
X
I
I
O1によ る消化で切り出した CYClコアプロ モーターを
pUC19LZの P
s
tI
S
a
l1部位に挿入して pCYC-LZを得た 。 pCYC-LZを MC1061
株に導入すると X
g
a
l存在下で汚い青色を呈する。これは CYCl コアプロモー
ターが大腸菌で弱い活性を有することによるものであるとされている
(
G
u
a
r
e
n
t
eし e
ta
l
.(1981))。
pBA2pHH及び pBA5pHH(第 21,'t参照)より P
s
tI
X
1
1
01消化によ って切り
出した AL
K2プロモーター及び ALK5プロモーターを pUC19LZの P
s
tI
S
a
l1部
位に挿入して pA2-LZ及び pA5-LZを得た。
pCYC-LZ、pA2-LZ
、pA5-LZか らそれぞれ Bamt
召H
i
n
d
i
l
lによる消化によ っ
てプロモーターと l
a
c
Zのユニットを切り出し、 YCp50の BamH
I
H
i
n
dI
I
I部位
に挿入して Ycp-CYCLZ、YCp-A2LZ
、YCp-A5LZを構築し、 S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eR271B-7C株に導入した 。
また pCYC-LZ、pA2-LZ、pA5-LZの SmaI部位 (
l
acZの下流)に Y
.l
i
po
l
i
t
i
c
a
の YCp型プラスミド pSU
T1(飯田敏也、未発表)から NspV、 E
c
oT
2
2
I消化に
よって 切り出した CEN、ARS及び U九日を含む断片を挿入して得られたプラ
.l
i
p
o
l
i
t
i
c
aCXU株に導入した 。
スミドを Y
なお、 DNA断片のアガロースグルからの回収については、
500bp より大き
な断片に関しては GENECLEANI
I (フナコシ)あるいは Prep-A-GeneDNA
P
u
r
i
f
i
c
a
t
i
o
nS
y
s
t
e
r
n
s(
B
i
o
R
a
d
) を用いたマトリックス吸着法で、それ以下の短
い断片に関してはウルトラフリー遠心減過ユニット (MILLIPORE) を用い、そ
れぞれ添付説明書に従って行 った。
1
1
4 PCR法
PCRによ る遺伝子の増幅には TakaRaLAPCRK
i
tV
e
r
.
2(宝酒造 )を用い、
添付説明書に従って行った。
PCR 反応におけるサーマルサイクラーは PCR
T
h
e
r
r
n
a
lCyderMPTaKaRa を用いた。 PCRの反応条件は特に断らない限り
1
1
(
9
4'
C
、 1
分)→ (
9
8'
C
、 2
0秒
、 6
5'
C
、 3分 を 3
0サイクル)→ (
7
2'
C
、 1
0分)で行つ
守 ,
。
1
15 ONA塩基配列の P
Y
I析方法
ONAの塩基配列の解析には ONA5
e
q
u
e
n
c
ing5ystemModel373A(
A
B
I
)、
ycle 5equencing K
i
t もし くは
および同社の TaqOye Primer C
Taq Oye
T
e
r
m
i
n
a
t
o
r
sC
y
c
l
eS
eq
u
e
n
c
i
n
gK
itを用いるか、または、 ONA5
e
q
u
e
n
c
e
rModel
x
c
elTMLongReadTMC
y
c
l
e5equencing
4
0
0
0(LI-COR)、および 5equiThermE
Ki~
(
E
p
i
c
e
n
t
e
rT
e
c
h
n
o
l
o
g
y
)を用いた 。いずれの場合 も添付説明書にしたがって
反応を行い、解析した 。
1
1
6 CandidamaI
t
o
s
aの形質転換法
to
s
a の形質転換には エ レクトロポーレーション法を!日い た (
WolfK
.(
C
.maI
1
9
9
5
)p
5
4
1
5
4
2
)oYEPO培地 10mlで 3
0'
C一昼夜娠滋培養した菌体を遠心分離
0
0
μ
l の氷冷
によって集菌し、氷冷した 1M ソルピトールで 2回洗浄した後、 2
1Mソルピトールまたは氷冷 1
5% グリセロ ール(8
0'
Cで凍結保存する場合)に
0μ
lに対し TE緩衝液に溶
懸濁しコンピテント細胞とした 。 コンピテント細胞 4
解した ONA1
μ
lを添加し、 B
i
o
R
a
dGeneP
u
l
s
e
rと電極 問の間隔が O.
2
cmのキュ
ベットを用い、 2000hm、25μF、1.9kVの条件でエレクトロ ポーレーションを
行 った。 形質転換した細胞を 2
0
0
μ
lの 50培地に懸濁して選択培地に塗布し、 3
0
℃
、 2昼夜静置培養して得られたコロニーを形質転換体として用いた。
1
17
s
-ガラクト シダーゼ活性測定法
ALKl,ALK2、ALK3、ALK5 の5
'上流域をレポーター遺伝子 /
a
c
4 の上流に
a
l
t
o
s
aCHA1株を、 2mlの 50培地
連結したプラスミド(後述)を導入したC.m
に l白金耳量植菌し 3
0'
C
で一昼夜振とう培養し
(
前々培養) 、ここから 1
mlを
100mlの50培地に槌菌してさらに 3
0'
C
で1
2時間振とう培養した(前培養)。
遠心分離(約 3,
000rpm、5
min、4'C)によって集菌し、滅菌水で洗浄した後、
0 量の滅l
領水に懸濁して、別に用意した誘導培養用培地 9mlに
培養液の約1/1
菌体懸濁液 1mlをI
J
Uえて 30'Cで振とう培養 (
誘導培養)し た。誘導培養後の菌
3,
000rpm、5min、4'C)・洗浄した後、
体を集菌 (
12
z
-緩衝液(下記 )lmlおよびグ
ラスピーズを適量(約 2
0
0
μ
1
) 加え、ポルテック スミキサーによって菌体を破
砕し、遠心分離(約 3
,
000rpm、4'Cで 5minの上清をさらに 1
5,
000rpm、4'Cで
20min の遠心)によって未破砕の細胞をのぞいた上消を回収し、細胞抗l
山液と
した。これを
z
-緩衝液で適当に希釈した後、
500μlに対し、 1
0
0
μ
lの ONPG(o
}
-o
g
a
l
a
c
t
o
p
y
r
a
n
o
s
i
d
e
)溶液を加えて 3
0'Cで適当な l
時間イ ンキュ
n
i
t
r
o
p
h
e
n
y
l
-I
ベートし、最後に 2
5
0
μ
l の1M炭酸ナトリウム溶液を加えて反応を停止した。
この反応により細胞抽出 i
夜中の βガラクトシダーゼ活性によって ONPG から
ONPが遊離する。 ONPG溶液を加える前に 1M炭酸ナトリウム溶液を加えて
反応を停止したものをコントロールとして、遊離した ONP量を 420nmの吸光
度差を測定することにより定量した。 一方で細胞抽出液の蛋白質波度を
B
r
a
d
f
o
r
dらの方法に基づく B
i
o
R
a
dの発色液(B
i
o
R
a
dP
r
o
t
e
i
nA
s
s
a
y
)を添付
削青アルブミンを標準として定量した。
説明書に従って用い、牛I
活性値の計算は、 1u
n
i
tを3
0'
C
で 1分間あたり 1nmol
の ONP を生ずる酵素
量とし、反応 に用いた蛋白質溶液の総蛋白質濃度 (mg/ml)で割 って、
B
自体内の
可溶性蛋白質 1mgあたりの活性値を求めた 。すなわち
[
s
-ガラクトシダーゼ活性 (
unit/mgp
r
o
t
e
i
n
)
]
=79.
8x[420nmの1
1&光度差]
/
[
総蛋白質濃度 (
m
g
/
m
l
)
]
/
[反応時間(分)]。
z
-緩衝液
0.
06MNa
、
, 0
.
0
的 1
Na,
HPO
、
, O.OOlMMgSO
,
2HPO
0.05Ms
-メルカプトエタノール
ONPGi
容i
夜
リン酸緩衝液 (
0
.
0
6
MN,
aHPO
、
, 0.
04MNa,
HPO
,)
にONPGを終濃度 4mg/mlで溶解
1
1
8 mRNAの調製方法とノーザンハイプリダイゼイション
o
tphenol法 (
S
c
h
r
n
i
t
tM.E
.e
ta
l
.(
1
9
9
0
)
)、ある
酵母からの全RNAの調製は h
いはグラスビーズ法の変法(下記)で行った。前項と同様の方法で培養した菌体
から得られた全配サA をTEN緩衝液に溶解し、ホルムアミドを含む変性アガロー
スゲルで分離した後、 HybondN+ナイロンメンプレン (Amersham) にプロッ
トし、ノーサ'ンハイブリダイゼイションを行った。それぞれの ALK 泣伝子に
特異的なプロープについては文献 (OhkumaM.e
ta
.
l(
1
9
9
5
b
)
)参照。5
6'Cでー
l
ぬハイプリダイゼーションを行 った後、2
xSSPE、1
xSSPEを含む洗浄液で順次
1
3
洗j
争し、結巣をバイオイメー ジア ナライザー (
F
u
j
iPhotoF
i
l
m
)で解析 した。
TEN緩衝液
20xSSPE
10mMT
r
i
s
H
C
lpH8.0、lOmMNaCl、1mMEDTA
3.6MNaCl、
174.1mMNa戸 PO
、
, 25.9mMNaH,
PO
,
20mMEDTA
1
0
0
xデ ンハルト溶液 2
%B
o
v
i
n
eserumalbumin 2
%p
o
l
y
v
i
n
y
lp
y
r
r
o
l
i
d
o
n
e
2%F
i
c
ol
1
4
0
0(
P
h
a
r
m
a
c
i
aB
i
o
t
e
c
h
)
ハイプリダイゼーショ ン溶液 5xSSPE
、50%formamide、5
xデンハルト溶液
0.
5
%SDS
洗浄液
適当な濃度の SSPEを含む0
.1%SDS
<グラスビーズ変法による酵母か らの全 RNAの 回 収 法 >
A) 菌体の培養と貯蔵
1
) 培養液 10mlを 3
,
000rpmで 3分間違心。
2
) 上清を捨て、液体窒素で菌体を凍結する 。
3
) 凍結菌体の重量を測定する 。
4
) RNA抽出を行うまで菌体をー7
0'Cで保存。
B
) RNAの調製
5
) 凍結菌体 100-200mgにつき 2
5
0
μ
lの LETS緩衝液、 3
0
0
μ
lの O.
lMT
r
i
s
C
l(
9のグラスビーズを加える 。
pH8.0)飽和フェノールおよび 1
6
) ボルテックスミキサーによる菌体の破砕 (
1分 x5回)。
7
) 5
0
0
μ
lの LETS緩衝液を加えて混合し、 3
,
000rpmで 5分 I
I
l
J
遠
心。
8
) 上清を新しいエッペンドルフチュープに移し、 1
5,
000rpmで 1
5分間冷却遠
心。上清に 1
/10量の 5ML
iC
lを加え、 2
0'Cで 3時間以上おいて RNAを
沈殿させる。
9
) 6
,
000rpmで 1
0分間遠心した沈殿を 5
0
0凶の水に溶解した後、 1mlのエタ
ノールを加えてドライアイス上に 5分間以上おく
14
1
0
)1
5,
0
0
0
r
p
r
nで 1
0分間違心 し
、 RNAを回 収する
LETS緩衝 液 ; O.lML
iC
l、10mMEDTA、10rnMT
r
i
s
H
C
l(pH7
.
5、
)
0.2%SDS
1
5
1
2 結果
1
2
1 C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aの P450はかアルカンおよびその誘得体によって転写レ
ベルの誘導を受ける。
F
i
g
.1
2
1に pPLA1、pPLA
2
、 p
PLA35および pPLA5を導入した CHA1株
を、グリセロールを基本炭素源とし、各種 nテトラデカン誘導体を補った培地
2
1
時間培養した菌体州出液の日ーガラクトシダーゼ活性を 示した。
で1
l
t
o
s
aにおける 主要な 4稜の P
4
5
0遺伝子
この結果が示すように、これらC.lIla
の転写はかアルカンおよびその誘導体の存在によって活性化された。誘導体に
よる転写活性化の度合いは各遺伝子によって異なっており、 ALKlおよび ALK3
ではクロロテトラデカン以外のかアルカン誘導体による転写の活性化はかア
ルカンで誘導を行った場合のそれと比較して弱かった。一方、 ALK5は か ア ル
カン誘導体においてもかアルカンと同程度の誘導性を示した。 ALK2では脂肪
酸による誘導がやや弱かった。
テトラデカンの培地への添加盆による誘導性の差異はそれほど認められなかっ
た。一般に nアルカンの様な非常に疎水性の高い物質は直接細胞膜にとけ込み、
それ自体がシグナルとなって細胞の応答を引き起こすと考えられる。
ALK 遺
.
1
%程度のアルカンが充分シグナルとして機能すると考
伝子の転写誘導には 0
えられた。
-アルカン酸化の中間代謝産物によっても比較的強く誘導される
ALK5など n
P
4
5
0遺伝子のかアルカンによる転写誘導が、他の P
4
5
0によるかアルカン酸
化の副次的な影響によるものではないことを確認するために、 主要な
4種の
P
4
5
0遺伝子 (ALKl、ALK2、ALK3、ALK5)の破壊によってかアルカン資化能
を失った株 (
D
A
1
2
3
5
)におけるプロモーター活性を検討した。結果を F
i
g
.1
2
2
に示す。この図が示すようにいずれの P
450遺伝子のプロモーターも D
A1235
株中で n
-アルカンによって強く活性化されていた。このことはかアルカンに
よる転写誘導は
かアルカンの資化とは独立した、アルカ ン自体がシグナルと
なって細胞に作用した結果であることを示している。
DA1235株に導入された (ALKプロモーター )+(LAC4)のユニ ットは pPL1
を用いて作成したものと基本的にと同じ構造をしているにも関わらず、全体的
な誘導レベルがやや高かった。この結果が導入したプラスミドの追いによるも
のではない、ということは同じ p
PLU1を用いて構築したプラスミドを CHAU1
に導入した形質転換体では誘導レベルが非常に低いという観察(データは示さ
1
6
Amprん
C-ADEl
・
圃 K.lac/is 由来の機能配列
匡書 C
.malωs
a
Eヨ E.col
i
1
由 来 の 附E
自
己9
J
由来の機能配列
F
i
g.1
・
2・1 様々な n・
アルカン誘導体による
各種
ALKプロモーターの誘導 レベ ル ( 1
2J
時間誘導)
活性測定に用いたプロモ ータープロープベクター pPL1の簡単なマップを示
した。このプラス ミ ドは pUC19 をベースに構築されており、 LAC4 上流の
pUC19のマルチクロ ーニ ングサイトに由来する 5maI、XbaI、5
a
!1
、5
5
e8
3
8
π
および 5
p
l
r 1認識部位に目的のプロモーター断片を挿入できる 。挿入した断片
の配列は M13RVプライマ ーを用いて解析できる。
なおこの C-ADElを C-URA3に置換して pPLUlとした(本文参照) 。
1
7
・E
,
e
_
TD(1"
1
o
)
画
面 TD(O.1"
1
o
)
>
'
習
:
面
~・ CI
<
.
l
!
l
圃園田園
コGly
1
-OCH3
OH
・
-COONa
・
(COONa)2
笠宮
i
up
.
.
唱
550
・
5
M
・
U
・同
4
5
0
4
。
ALKl
AL
K2
ALK3
ALK5
Promoter
F
i
g
.
1
2
・
1 (続き)
各種
様々なトアルカン誘導体による
P450ALKプロモーターの誘導レ ベル
1
2
1
時間 誘導)
pPL-A1、pP
し A2,pP
し A35(pPL-A3より高い活性を有する。第 2章考察参照)
、およびpPL-A5 を形質転換した野性保を用いてそれぞれの誘導培養開始後 12
時間後のルガラクトシダーゼ活性を測定した。凡例は G
ly,グリセロ ール(誘導
しないコントロール);TD(l%)
,1%かテトラデカン;TD
,0.
1%1
1ーテトラ
剤を添加l
C
l,1
-クロロテトラデカン,ー OCH" ミリスチ ン酸メチル,ーOH,l テトラ
デカン;デカノー )
v
; -COONa
,1
-テトラデカン酸ナトリウム
,
14
-テトラデカン 2酸 2ナトリウム
ム) ー
;(COONa)"1
1
8
(ミリスチン酸ナトリウ
PromoterA
c
t
i
v
i
t
yo
fP450ALKs
i
nt
h
eS
t
r
a
i
nDA1235-121
2
t
.
;
:
一
1.5
吉右
<
.
2
l
QI
p
SEL
沼里
P
由
H
1
2宕
.
吋
_
巳~
品回
つ
35 0.
5
0
α
コ
F
。
ALKl AL
K2 ALK3 ALK5 RED4
F
i
g
.
1
・2
・2 P
450破壊株 (DA1235・121)における
各
P450ALKプロモーターの活性
pPLU
A1- AS を導入した DA-12
3
S株の誘導培養開始直前および
11-アルカン
存在下 1
2時間誘導培養を行った場合の β ガラク トシダーゼ活性を比較した。
RED
,
pPLU-RED導入株;ヮpPLU1 (ベクター)導入株
1
9
ない) から明らかである。栄養要求性の遠いが何らかの形で転写 レベルに影響
しているのかも知れない。
1
2
2 タイムコース実験によってゆjらかになった転写誘導の多機性
pPしA1、pPL-A
2
、 pPL-A3および pPしA5を導入した CHA1株について、
それぞれ
H
テトラデカンを炭素源として経時的に日ーガラクトシダーゼ活性を
i
g
.
1
2
3に示した。
測定した結果を F
pPL-A1および pPし A2導入株では n テトラデカン添加後、約 1
1時間 で 日
ー
ガラクトシダーゼ活性が検出され、 ALKl では約 61時間後、 ALK2 では約 10 ~
1
6時間後まで日ーガラクトシダーゼ活性の増加が見られ、その後活性値は次第
に低下した。 pPL-A5導入株ではアルカン添加後約 1
0時間までと 2
4時間以降
の 2段階の活性値の増加が見られた。
pPL-A3 導入株ではアルカン添加後 24
P
1
時間以降に ーガラクト シダーゼ活性の増加が見られた 。
いずれの場合も総蛋白質濃度 (mg/ml)は時間と共に緩やかに地加していた(
データは示さない)。またコントロールとしてベクターである pPL1を形質転換
した CHA1株の
P ガラクトシダーゼ.活性値は培養期間中、低いレベルでほぼ
一定であることは別に確認した(データは示さない)。
以上の LAC4をレポーターとして朋いた系で観察された現象が
1
1
1 VlVO の状
況を反映したものである事を確認するためにホストとして用いた CHA1株をテ
トラデカンを炭素源として培養し、経時的に全 RNA を回収し、
ALKl、2、3
、5 にそれぞれ特異的なプロ }プを 用いてノーザン解析を行 った。この際 、5
c
e
r
e
v
i
s
i
a
eの ACT1遺伝子をプロープとして得られたシグナルを内部コントロー
ルとして各シグナルを標準化した。得られたシグナルをイメージアナライザー
で画像処理した結果を F
i
g
.1
2
4(
A
)に示した 。さらにそ れぞれのシグナル強度
を定量し、パックグラウンド値を差しヲ│いた後に、同様の処理をしたアクチン
のシグナル強度で割った結果をグラフ化して F
i
g
.1
2
4(
B
)に示した。
ALKlおよび ALK5 では、最も強い シグナルはアルカン培養開始後 11
時間の
サンプルで得られたのに対し、 ALK3 では培養時間が経過するにしたがって強
4
1
時間のサンプルからも 1時間のサ
いシグナルが観察された。また ALK5では 2
ンプルと同程度のシグナルが符られた。 ALK2 では培養期間全体に渡ってシグ
ナルが観察されたが 3
8
1
時間後のシグナルが最も強かった。いずれも 0時間のサ
ンプル、あるいはグルコースを炭素源として培養した菌体より調製したサンプ
2
0
ALKl
3
ALK2
2
〉
主
1
・同
>戸、
.
=5
=
u ・
、
4】 喝d
C
I
I O
;
:
20
p
.
.
~
'
1
:
S o
l
l
.
.
.
.
.・
,4
由ロ
1
司
コ
コ
ヲ
ヶτ
1
6
0
40
ALK3
20
40
2
.
5
.~‘
沼里
司~
o
巴
ユ
0.
8
2
0
.
6
1.
5
0.
4
1
0
.
2
0
.
5
。
6
0
。
I
n
d
u
c
t
i
o
nTime(
h
r
)
F
i
g.
1
2
3 P450ALKプロモーター活 t
iのタ イムコース
(
s
-ガラクトシダー ゼ をレポーターとした解析)
横軸は誘導権養開始後の経過時 間 (
h
r
)を、縦軸は各形質転換体の F
トガラクトシ
ダーゼ活性を示す 。
2
1
6
0
I
n
d
u
c
t
i
o
nTime(
h
r
).
o 1 3 612243448
TTTTTTTT
Probe
ALK2 砂
•
.
。
事
ALK3 砂白
ALK5 砂
'
jr
・
劫
H
中 崎
ACT1 惨
F
i
g.
1
24A P450ALKプロモーター活性のタイムコース
(ノーザンハイプリダイゼーシヨンによる解析)
得られた結果をイメー ジアナライザーにより画像解析した。
上の数字は誘導培養開始後の経過時間 (
h
r
)を示す。
2
2
1
.
4
(
口
432
ι記)︿Z
0m
Uて ¥.
由
M回
目
10
2
0
却
40
ALK3
10
。
。
1
0
20
却
40
10
2
0
却
40
2
.
5
2
0
30
40
Timea
f
t
e
rcarbons
o
u
r
c
eexchange(
h
r
)
F
i
g
.
1
2
4B P450ALKプロモーター活性のタイムコース(続き)
(ノーザンハイプ リダイゼーションによる解析)
(A) (
前頁)で得られたシグナル強度をアクチンを内部コントロールとして標準化し、
グラフ化した。縦軸はシグナ J
レ強度の相対値を表す。
2
3
ル(データは示さない)では有為なシグナルは観察されなかった。
Iによっても著しい転写誘導を受
1
2
3 ALK2 遺伝子はペルオキシソーム埼殖斉J
けた。
F
i
g
.1
2
5は、それぞれ pPL-A1、pPしA2、pPL-A3、pPL-A5及 び pPL-RED
を導入したC.m
a
l
t
o
s
aCHA1株をクロフイプレートを含む誘導培地で 1
2
1
時間培
養した時の菌体抽出液の ト ガ ラクトシダーゼ活性である。この結果から少な
くとも ALK2と RED4 (NADPHP450レダクターゼをコードする (OhkurnaM.
I
e
ta
l
.(
1
9
9
5
a
)
)
o )は、クロ フイプレートによって強く誘導されることが示唆さ
れた。
この結果がVlVTl刀の現象を反映するものである事を確認するために、クロフイ
プレー ト存在下で培養した閣体から全 RNAを抽出し、 ALK:i宣伝子 rnRNAに
ついてのノーサーン解析を行った (F
i
g
.1
2
6)。また、同様に培養した菌体の CO
還元差スペクトルを測定した(F
i
g
.1
2
7
)。
F
i
g
.1
2
6では誘導培養開始後 2
1
時間以内に 主要な 4つの P450全てが先に述
べたように かテトラデカ ンにより転写レベルで誘導される事が示されている。
O5rnMのクロフイプレート存在下で培養した菌体では、まず ALK2の転写 が 2
目
時間以内に誘導され、 6時間後には ALK3のrnRN
A の増加も観察された。 ALKl
0時間以上)の培養によ ってのみ誘導さ れたが、 ALK5プロモ ーター
は長時間(4
からの転写は実験期間を通じて、非常に少なかった。
F
i
g
.
1
2
7にクロフイプレート存在下で 6時間誘導培養を行ったC.m
a
l
t
o
s
aIAM
a
l
t
o
s
aの P450はク
12247株の CO還元差スペクトルを示す。この結果からC.m
ロフイプレートの存在により単に転写レベルで誘導されるのみならず、蛋白質
1
として発現していることが明らかとなった。 P450の吸光係数を 9
1rnMc
r
n
-I と
すると (OhrnuraT
.e
ta
l.(
1
9
9
3
))誘導合成された P450盆は、ルテトラ デカンに
9
r
nmol
/g湿菌体重量、 クロフイプレートの場
よって誘導を行った場合では1.0
.
8
2
r
nr
n
o
l
/
g湿菌体重量、と計算された。
合では 0
クロフイプレートやベルオキシソーム増殖斉J
Iに含まれるそれ以外の幾つかの
疎水性薬剤j
について、培地への添加波度と ALK2 プロモーター活性の程度の関
i
g
.
1
2
8である 。 3極のベ ルオキシソ ーム増殖剤はどれも、
係をまとめたのが F
培地に O.lrnMの濃度で添加することで ALK2 プロモーターを活性化した。そ
,
6
4
3>クロフィプリン酸>ク ロフイプレートのI
}
阪であ った。
の程度は Wy-14
24
A
c
t
i
v
i
t
i
e
so
fEachALKPromotera
f
t
e
rInduced
byC
l
o
f
i
b
r
a
t
e(O.5mM)
2
55
1
a
邑ω
(520
自
主
ロ
ロ
)
kcτuu︿U
N
Z
U uZ
伺
ロ
・
巴
1
明白。
。
ALKl
AL
K2
ALK3
ALK5
RED4
Promoter
F
i
g
.
1
・2
・5 クロフィプレ}トによる
P450ALKプロモーターの活性化
(
1
)
(
s
-ガラクトシダーゼをレポーターとした解析)
pPL-Al、pPL-A2, pPL
-A3、pPL
A5および pPL-REDを導入した CHA1株を
表記の条件で 1
2 時I
l
i
j誘導培養開を行い、菌体抽出 1
夜の 0・ガラクトシダーゼ活
性を測定した。 Gl
y
c
e
r
olは誘導邦l
を含まないコントロール(ただし O
.
5
'
Y
oDMSO
を含む)。テトラデカンおよびクロフイプレ}トはそれぞれ 1%および O.5mM
で添加した。
2
5
円一一一一一
円
l
n
d
u
c
t
i
o
nTime(
h
r
)0
2
6
1
3
2
4
40 4
8
lnducer G G T C G T C G T C G T C G T C C
TTTTTTTTTTTTTTTTT
.
‘
ALK1
'惨
.
.'叫 幽 晴 輔
AL
K2 砂
ALK3 砂
事
AL
K5 惨
E
.
.
ACTI 惨
F
i
g,1
2
6 クロフイプレート存在下で培養した菌体から 抽 出した全
RNAのノーザンハイプリダイゼーションによる解析
G 、グリセロ ール培養菌体(誘導弗l
を含まないコ ン トロ ール。 O
.
5% DMSOを含
む)
0 T、作 テ トラデカ ン (1%)による誘導菌体。c
、クロ フイプ レー ト(
O.
5mM)
による誘導菌体
2
6
a
)Gly.
b)T
.
D
.
c)C
l
f
.
Abs.
0.015
0.009
0.003
ー0
.003l一一一一一
ー0
.009
ー0
.015
400
500 400
500 400
500
wavelength(nm)
F
i
g
.
1
2
7
クロフイプレー ト存在下で
IAM12247株の
6時間培養した C
.m
altosa
co還元差スベク
トル。 (縦軸は吸光度差 )
a
)グリセロール培養 (
O.
5% DMSOを含む)
b
)1%n-テトラデカンを補った誘導培地
c)O.5mMクロフイプレートを補 った誘導培地
C
.n
z
a
l
to
s
aP450ALKはクロフイプレートによって単に転写レベルで誘導される
のみならず、機能を持つ蜜白質として発現している事が明らかとなった。
27
E
里里里里ーーー圃園田ー四
2
x
1
.
5
C
o
n
c
e
n
t
r
a
t
i
o
n(mM)
F
i
g
.
1
2
8 クロフイプレート以外のペルオキシソーム増嫡剤に よっても
AL
K2の転写は誘導された。
pPL-A2を導入した CHA1株を種々の濃度の誘導刻存在下で 1
2時間培養したと
きの β ガラクトシダーゼ活性。
i
農度を示す検輸は
l
ogで示した。 1m Mクロフイプリン酸、或いは O
.
5m M及び
1
m MWy1
4,
643存在下では菌体の生育が著しく阻害されたため、活性を測定す
ることは出来なかった。
2
8
AU
且
100
.G
a岨a r a v
EA
3 4 臥 -k
10・1
噌
10・2
ULU
凶即
4
iL i
,E
A'
v
dzoo
。
J
J
ン
/
.
,
_
:
:
:
ーa
F
U
a
wqo
0
.
5
F/ι/
‘
ゆ+幹
1
なお、 Wy-14,
643は O.5rnM以上、クロフイプリン酸では lrnM(以上)の添
加により菌体の生育が著しく抑 f
l
j
l
jされ充分な蛋白質濃度の抽出液を回収する事
が出来なかった。このため、そのような条件下の β ガラクトシダーゼ活性を決
定することが出来なかった。
29
1
3 考察
1
3
1
n
- アルカン添加によって最初に引き起こされる転写誘滋は迅速な反応
である
C
.maltosaの主要な 4種の P450逃伝子 (ALKl、ALK2、ALK3及び ALK5)は
共通して基質である n-アルカンによって転写レベルで誘導される (OhkumaM.
e
ta
l
.(
1
9
9
5
))。この応答は迅速であり、誘導培養開始後 1時間後には ALKl、2
、5のmRN
A の蓄積が認められた(F
i
g
.1
2
4)。また主要な 4稜の ALK遺伝子
の破壊によって n-アルカン資化能を失った株においてもレポーター遺伝子の誘
導が見られたこと (
F
i
g
.1
2
2)からかアルカンが直接誘導シグナルとなってい
ると考えられた。更に、データには示さなかったが、高濃度シクロヘキシミド
の存在下で誘導培養を行った場合にも有意な ALK遺伝子 mRNAの蓄積が認め
られたことから、転写活性化には新規の蛋白合成を必要としないことも示唆さ
れた 。つまり、構成的に細胞内に存在する蛋白質が n
-アルカンによる刺激を受
けて転写の活性化を行っている、という機構が考えられる 。
1
3
2 酵素活性との対応(器質特異性と誘導特異性)
種々のかアルカン誘導体もまた ALK遺伝子の転写を誘導するが、そのレベ
ルは ALK 遺伝子間で大きく異なっていた。テトラデカン誘導体を用いた解析
(
F
i
g
.
1
2
1
)によれば、アルカノールや脂肪酸は ALK2及び ALK5の転写をアル
カンに匹敵するレベルで活性化したが AL灯、 ALK3の誘導にはそれ程有効では
.e
ta
l.(
19
9
6
)
)の報告によれば、 Alk2pはミ
なかった。 Zimmerら(ZimmerT
リスチン酸に対してテト ラデカンに対する場合とほぼ同等の水酸化活性を持ち
(誘導特異性と 一致)、 Alk5pは脂肪酸に対する活性がアルカンのそれに比べて
k
1
pは全般に脂肪酸
非常に高い(誘導の特異性とは 一致していない)。 一方
、 Al
k3pは少
よりもアルカンに対する活性が高いのに対し(誘導特異性と 一致)、 Al
なくともミリスチン酸に関してはアルカンよりも高い活性を有していた
(誘導
の特異性とは一致していない)。つまり、 P450ALKの基質特異性と誘導特異性
) と必ずしも 一
との問には、有意と考えられる相関があるもの (ALK1、ALK2
致していないもの (ALK3、ALK5) とが認められた。(P450ALKの基質特異性
k
5
pは、オレイン酸を良好な基質
と誘導特異性が一致しない例として、他に Al
.e
ta
.
l(
1
9
9
6
))オレイン酸自身によ っては誘導が認められ
とするが(ZimmerT
30
なかった(OhkumaM.
e
ta
l
.(
1
9
9
5
))ことが挙げられる )
0c
.maltosaにおけるア
ルカン資化のシステムは現在まだ、その進化の途上にあるのかもしれない 。
1
3
3 クロフイプレートによる P450ALKの誘導はノーザン解析、レポーター
辺元差スペクトルで確認された。
泣伝子による解析、及びCO
本主主においてC.m
a
l
t
o
s
a の主要 ALK遺伝子群がペルオキシソーム増殖斉J
Iに
よって著しく誘導されることを見いだした。この誘導は、ノーザン解析 (
Fig1
-
2
6)、及びレポーター遺伝子を用いた解析 (
F
i
g
.1
2
5
)からかアルカンによる
誘導と同様、主に転写レベルで行われていることが示唆された。ガスクロマト
グラフィーを用いて培地中のクロフイプレート濃度を追跡したところ、長時間
の培養でもその濃度にはほとんど変化が認められなかった(データは示さない)
。このことから、この場合もやはりクロフ イプレートがかアルカン同様、直接
シグナ ルとして転写誘導に関与している可能性が考えられる 。 また他のかアル
カン資化酵母においてもクロフィプレート応答機構が存在する可能性が示唆さ
れたこと(後述)、プロモーターの欠失解析によってかアルカン応答領域とク
ロフイプレート応答に関与する領域とを区分することが出来なかったこと
(
第
2章)はアルカンとクロフイプレートの応答機構に関連があることを伺わせる 。
反面、 P450ALK 分子種によりクロフイプレートへの応答の度合いは異なる
(
ALK2は最も早〈、強く応答するが、 ALK5のクロフイプレートによる誘導レベ
ルは非常に弱い。)という事実は
1
1
- アルカンによる誘導機構とは異なっている
部分がある事を示唆していると考えられる。
1
3
4 他の酵母との誘導機構の共通性について
ALK2 のペルオキシソーム増殖剤応答性という性質は、下等兵核生物の遺伝
子では、これまでに報告例がなかった(序章参照) 。そこで他の酵母における
ALK2プロモーターの機能に ついて予備的な結果ではあるが検討した 。 Cal1d
i
d
a
t
r
o
p
i
c
a
l
i
sのイソクエン酸リア ーゼの上流域 (UPR-ICL)は E
.c
o
l
iや S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
e
中でもC.t
r
o
p
i
c
a
l
i
s中と同機に酢酸による転写誘導を指示する (UmemuraK e
t
a
l
.(
1
9
9
5
)、AtomiH e
ta
l
.(
1
9
9
5
))0 ALK2のベルオキシソ ーム増殖剤応答性が
他の酵母中でも発現されれば、それらに共通するペルオキシソーム増殖剤応答
性転写因子がC. m
a
l
t
o
s
aでは使えない変異株の作成などの手法を通じて取得で
きる可能性がある。
3
1
材料と方法に記した方法で ALK プロモーター支配下に置いたレポーター遺
伝子を他の酵母(S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
e、Y l
i
p
o
l
y
t
i
c
a
)に導入してたところ、データは示さ
目
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eでは ALK5プロモーターを用いた場合、誘導斉J
Iの有無によ
ないが、 S
らず、ほほ構成的な P
ーガラクトシダーゼの発現が見られたが、 ALK2プロモー
ターでは培養条件によらず殆ど発現が認められなかった。 一方
、 Y
.l
i
p
o
l
y
t
i
c
aを
用いた場合クロフイプレートによる Aば 2プロモーターの活性化が認められた。
(クロフイプレート存在下で培養した菌体のトガラクトシダーゼ活性は非添加
.l
i
p
o
l
y
t
i
c
aはC.m
a
l
t
o
s
a
の場合の約 2倍程度(データは示さない)であった)0 Y
同様、長鎖 nーアルカンを単一炭素 j
原として資化でき、その資化に関与する P
4
5
0
もまた
H
アルカン誘導性であることが示唆されている(飯田敏也、未発表)。
このことから、 n-アルカン誘導性とベルオキシソーム増殖剤誘導性との閥にも
何らかの共通機構が関与する可能性も考えられる。
一般にクロフイプレートの培地への添加は酵母の生育に阻害的な影響を及ぼ
した。本研究で用いた O.5mM の添加では遅滞期の長期化、生育速度の低下、
および最終到達濁度の低下が認められ、その度合いは 5α~evzsraeで最も著しく、
C
. ma/
to
s
a での閲害は比較的穏やかであった 。従ってこの生育阻筈効果により
日ーガラクトシダーゼ活性が十分に発現できなかった可能性も考えられる 。
Greenspan と Germershausen(GreenspanM.D
.andGermershausen.
J1
(
1
9
7
3
) ) はこの生育阻害機構について解析し、オレイン酸や酢酸を補うことで
この阻害が回復することからピルピン酸脱水素酵素の阻害が一次的な標的であ
るとしている。今後は酢酸の存在下でのクロフイプレートの効果を検討するこ
とが有効かも知れない。
32
第 2章
P450ALK遺伝子群の転写誘導に関与する C1Sー配列の解析
前章では P450ALKの転写誘導現象に関して主に誘導斉J
Iの多様性と誘導時間
の2点について解析し、この転写誘導が少なくとも ALK1、2、5 の 3種に関し
ては非常に迅速な反応であることを明らかにした。シクロヘキシミドを用いた
実験の結果とあわせて、この転写活性化の機構としては、非誘導時にも細胞内
1
-アルカンのシグナルに直接応答している可能性が考え
に存在する転写因子が 1
られた。ところでこれらの結果はノーザン解析とレポーター遺伝子を用いた解
析によるものであるが、この 2つの結果がおおむね一致したということはこの
転写誘導が、主にそれぞれの遺伝子のプロモーター内に存在する機能配列 (
ci
s
配列)によって指示されていることを意味している。そこで本章では幾つかの
P450ALK のプロモーター領域について解析を行い、これらの転写誘導に関与
する
C1S- 配列の同定を試みた。
2
1 材料と方法
菌株と培地、 Cal
1d
i
d
am
a
l
t
o
s
aの形質転換法、
s
-ガラクト シダーゼ活性測定法、
塩基配列の解析法に関しては第 l章参照
2
1
1 プラスミドの構築
それぞれの ALKプロモーターの欠失変異体の作成のため、まず ALKプロモー
B
l
u
e
s
c
r
i
p
tKSM13-(STRATAGENE)にクローニングした 。欠失変
ター領域を p
i
g
.
2
1
1に示す。 ALK5プロモータ}に関しては ALK5遺
異体作成の手順を F
1
伝子全領域を pUTU1にクローニングしたものからプロモーター領域を含む Hil
d
l
l
l
D
r
a1の O.7
5kbp断片を切り出し、 p
B
l
u
e
s
c
r
i
p
tKSM13-のHil
1d
l
l
I
H
il
1c
l
I
部位または Hil
1d
l
l
I
E
c
oRV音1
位に挿入し、前者を pBA5p
日 f、後者を pBA5pl
也
とした。両方のプラスミドについて、 p
B
l
u
e
s
c
r
i
p
tのマルチクローニングサイト
に認識部位を持つ、
P
s
t1および E
c
oRIで消化し、 Kilo-Sequence用 Deletion
K
i
t(
宝酒造)を用い、添付説明書に従 って、欠失変異体を作成した。 以上の操
作により pBA5pHHを用いた場合にはプロモーター上流からの、 pBA5pHEの
場合には下流からの欠失変異体をそれぞれ得ることが出来る。得られた変異体
は塩基配列を決定したのち、 pBA5pHH由来(それぞれ 5pHD(N.O.)と命名)の
ものは XhoI消化・平滑末端化の後 S
p
e
Iで処理して目的の断片を切り出し、
3
3
Spe1
Sma1
P
s
t1
EcoR
I
EcoRV
H
i
n
d1
1
H
i
n
c1
Xho1
Apa1
Kpnl
p
B
l
u
e
s
c
r
i
p
t
pBA5pHH
TATABox
~
4
労
t
・ー==
-
Q
EZ活w8E E支 i
?
J
E
開
C
~
工
v
~
D
e
l
e
t
i
o
nfrom
P
s
tI
E
c
oR
Is
i
t
e
一
一
日
TATABox
z
一 一 四 ﹂O¥=UE一
帽己︿
一ca¥
0工H
=uc一工
三万c
エ
一周﹂Q ¥
F
E D U凶
一目色
同 m
E
u
a
ω
D
e
l
e
t
i
o
nf
r
o
m
-ーヤー←一
身 E 主E
Z
.
-工
工
EE
也5
市一一
一
5
H 〈¥
的
工
F
i
g
.
2
・
0
・
1 ALK5プロモ ーター欠失変具体の作成(本文参 m
¥
)
34
pPLIの SmaI
X
b
a1部位に挿入してC.maI
to
s
aCHA1株に導入し、プロモーター
活性を測定した。
pBA5pHHの上流からの欠失によって得られたもののうちで TATA配列を
含む最小のもの (5pHD7)はかアルカンによる転写誘導能を失っていることを
確認した上で、 pB
A5
p
f
王
E由来の欠失変異体を連結する上での基本プロモーター
として用いた。すなわち 5pHD7 の上流にある SmaI部位を利用して pBA5pHE
由来の欠失プロモーター断片(それぞれ 5pED(
N
.
O
.
) と命名)を述結し、
C
m
a
l
t
o
s
aCHA1株に導入し、プロモーター活性を測定した。
pBA5pHHの上流からの欠失によって得られたもののうちかアルカンによ
る転写誘導能を有する最小のもの (5pHD4)はさらに XhoI
A
p
a1部位を利用し
て、上記の方法で逆方向からの欠失変具体を作成し、 5pHD7の Sma1部位に
掃入してC.m
a
l
t
o
s
aCHA1株に導入し、プロモーター活性を測定した。
2
1
2 ノーザンハイブリダイゼイション
LAC4のプロープとして、その ORFの約 50%を含む
C/
aI
K
p
l
l1(
1
.7
3
k
b
p
)を
pPLlより切り出して用いた 。それ以外に関しては第 1章参照
2
1
3 ゲル移動度シフトアッセイ
本法は DNA-蛋白質複合体の検出および性状解析に広く用いられる最も簡便
でかつ鋭敏な手法の一つである。原理!および応用に関する総説は LaneD
.e
ta
l
(
1
9
9
2
)参照。本章では 主に B
a
n
d
S
h
i
f
tK
i
t(
P
h
a
r
m
a
c
i
aB
i
o
t
e
c
h)の添付説明書を
もとに行った。
pUC5M8x8(
次章参照)から
a
u3AI消化
り出した後、 S
1
)BamH
I
-B
g
lI
I消化により 5M8x8断片を切
2
)Xba1消化、のいづれかにより ARR5(
a
l
k
a
n
e
-
i
o
no
fALK5の略。本章結果参!照)を含む約 180bpの断片を調製
r
e
s
p
o
n
s
i
v
e陀 g
ヤ1
dCTP(Amersham)の存在下、末端を KlenowFragment(
宝酒造)で
し
、 [α3
修復することにより標識してプロープとした
(異なる制限酵素処理をしたもの
を作成したのは ARR5の両端に付随する pUC由来のリンカー配列が結果に影
0mlの誘導培地で前章に準じた方
響しないことを確認するためである)。また 1
法で 1I
時間誘導培養を行った菌体を集菌・洗浄した後、 1mlの細胞破砕用緩衝
液に懸濁してグラスピーズを用いて破砕し、遠心上清を菌体主I
J出液とした。
標識プロープと菌体拙出液を l
x結合反応用緩衝液中で混合し、釜 j
毘で 1
5分
35
問静置する事で DNA-iIl:白質複合体を形成させた。これに1/1
0設の電気泳動
用色素を添加し、 1xTBEを泳動
m緩衝液に用いた 5%非変性アクリルアミドゲ
ルで分離し、イメージアナライザーで解析した。
細胞破砕用緩衝液
100mMT
r
i
s
-C
l(pH7
.
5
)、500mM(
N
H
'
)2S0
、
,
1
m MEDTA、10%g
l
y
c
e
r
o
l、1mMPMSF、5mMDTT
1
x結合反応用緩衝液
10mMT
r
i
s
C
l(pH7
.
5
)、1
0
0m MNaCl、10%g
l
y
c
e
r
o
l
0
.
0
5
%NP-40、25ng/mlP
o
l
y(
d
I
dC
)
・P
o
l
y(
d
I
d
C
)
7mMBME、1
r
r
由
i
l
.PMSF
電気泳動用色素
5
)
、 0
.2%BromophenolB
lue、
250mMT
r
i
s
C
l(pH7.
0.2%X
y
l
e
n
ec
y
a
n
o
l、40%g
l
y
c
e
r
o
l
2
1
4 UV-架橋法
本法では DNA結合タンパク貿をその結合部位を含む内部標識したプロープ
DNAに結合させ、 UV照射により DNA-蛋白質問に共有結合を形成させた後
にプロープを分解除去することで目的の蛋白質を放射標識する。標識された
DNA結合タンパク質は、 SDS変性アクリルアミドゲルを用いて分離すること
により、その数や分子量を知ることが出来る。基本的には文献(田村隆明編、(
1
9
9
3
)
)の方法に従い、他の文献 (
A
u
s
u
b
e
lF
.M.e
ta
l
.(
1
9
9
4
)、Kn
e
a
l
eG
.G
.(
1
9
9
4
)
)
を参照して条件検討などを行った。
pUC5M8(次章参照)を BamHIで完全消化した後、 dNTP非存在下で T4
DNAp
o
l
y
m
e
r
a
s
e処理によって ARRSの下流半分の一本鎖化を行 った (
1
阿 DNA
あたり 1
u
n
i
tの酵素を用い、 37'
C
で1
0分間処理した。 TOYOBOカタログ・テ
クニカルノートによればこの条件で約 134bp が一本鎖に分解される)。その後
dATP、dGTPおよび BrdUTP(プロモデオキシウリ ジン 3リン酸、 dTTPのア
ナログとして DNAに取り込まれ、 DNA-蛋白質問の共有結合形成を促進する
2p
)をそれぞれ終濃度 O.
5m M
、[
α
_3
5
μ
C
i
/
μ
lとなるよ
]dCTP(Amersham)を1.2
うに添加し、再び二本鎖とすることによって ARR5下流半分の標識を行った。
enowf
r
a
g
m
e
n
t (宝酒造)を O
.
l
u
ni
t/
μlとなるように添加し
反応の最後には Kl
て末端の修復を行った。標識 DNAは BgII
I消化の後、約 180bpの断片をアガ
ロースゲルより回収し、プロープとして用いた。また、最初に Bg
l
I
I消化を行つ
36
て同様の処理をし、最後に BamHI消化によって断片を切り山すことで ARR5
の上流半分を標識したプロープも同時に作成した。
ゲル移動度シフト法と同じ緩衝液中で標識プロープと菌体抽出液を混合し、
エツベンドルフチュープのふたの部分に移し、サランラップで覆いをしてエッ
ペンドルフの口の部分を切り取って作成したリングで固定し、 4'Cで 253.7nm
の紫外線(東芝殺菌ランプを使用)を約 10cmの高さから 1時間 H
日射して梨織を
行った。紫外線照射後の抽出液は DNase1(SIGMA)消化によりプロープを分解
除去した後、 SDS 変性アクリルアミドゲルで分離してイメージアナライザーで
解析した。
37
2
2 結果
2
2
1 ALK5プロモーターの欠失解析と ARR5の同定
F
i
g
.2
2
1に ALK5 プロモーターの上流からの欠失の結果得られたプロモー
ター断片と、そのプロモーター活性を測定した結果をまとめた。ここに示した
4種のプロモーターはいずれも TATAボックスを含んでおり、またグリセロー
ルを炭素源として培養したときの βガラクトシダーゼ活性がどのプロモーター
でもほとんど変わらないことから、基本的なプロモーター活性は失われていな
いものと考えられた。それに対してかテトラデカンを炭素源として渚養したと
きの日ーガラクトシダーゼ活性には顕著な違いが見られた。すなわち翻訳開始
点上流 243bpまでの欠失 (5pHM)では大きな誘導レベルの低下は見られなかっ
1
9bpを欠失させることによって(すなわち翻訳開始点上流
たものの、さらに 1
124bpまでの欠失によ って)テトラデカンによる誘導はほとんとe失 われた (5pHO
7) 。そこでこの欠失プロモーター断片を以後、
ALK5の最小プロモーターと
して以後の解析に用いた 。
以上の結果から、この約 120bpの問にテトラデカンによる転写活性化に必要
な領域が含まれているものと考えられた。そこでこの領域に特に注目して
ALK5 プロモーターの下流からの欠失変異体の作成を行い、同機にテトラデカ
ンによる誘導活性を測定した。結果を F
i
g
.
2
2
2にまとめて示す。
まず上流からの欠失によりテトラデカンによる顕著な転写誘導が見られた最
小のプロモーター断片 (5pHM)の下流からの欠失を行い、 TATAボックスを除
いて 5pHs7の上流に連結したところ、テトラデカンによる転写誘導は有意な
レベルに回復した。そこでこの断片 (5pHM8)に対応する ALK5プロモーター
3
8
AL
K5Promoter
::IT~TAt?ê
'LAC4
〉
;h
7
3
9
KH
.
t→{H
出
圃 Tetrade叩 肥
・
1
pPL1
(
V
e
c
t
o
r
)
口 Glycerol
。
0
.
5
1
s
G
a
l
a
c
t
o
s
i
d
a
s
eA
c
t
i
v
i
t
y
(
u
n
i
t
s/mgp
r
o
t
e
i
n
)
F
i
g
.
2
・2
・1 A
LK5プロモーター領域の欠失解析
(
1
)
(
5
'ー側か らの欠失 )
左側に欠失によって得られたプロモーター断片を右側にその誘導条件下、及び
ーガラクトシダーゼ活性を示す(誘導権発は 12時間行っ
非誘導条件下における R
た)。左側の欠失部位を示す数値は、 ALK5観訳開始点を +1とした塩基数を示
2
4
b
pから下流を ALK5の最少プロモーター
す。この結果から、制訳開始点上流 1
として同定した。
3
9
1
.5
川同
円
一
一
-740
8
r
・-
F
3
8
3
o
T
e
t
r
a
d
e
c
a
n
e
口 Glycerol
0
.
2
0
.
4
0
.
6
β心 a
l
a
c
t
o
s
i
d
a
s
eA
c
t
i
v
i
t
y
(
u
n
i
t
sImgp
r
o
t
e
i
n
)
Fig.2・
2・
2 ALK5プロモーター領域の欠失解析
(
2
)
(
3
'・
側 からの 欠失 )
図の構成は Fi
g.
2
-2
1 と同じ。この結果から 、靭訳開始点上流 1
2
2bp- 2
43bp
の領域を ARR5として同定した。
4
0
内の領域に n アルカンによる転写誘導に必要な配列が含まれていると結論 し、
ARR5(
a
l
k
a
n
e
r
e
s
p
o
n
s
i
v
e陀 g
i
o
no
fAL
κ
5
) と命名した。この領域付近の庖基配
i
g
.
2
2
3参照。 この領域の特徴的な配列として CGGを含む 2つの反復配
列は F
列が見いだされた。そこでこの配列に注目し、
ALK5 プロモーター 全体の下流
からの欠失変異体の転写誘導活性について検討した 。最も下流のダイレクトリ
ピートを欠失させた場合 (
5pE
t
;1
2
)には、そうでないもの (5pEt
;
7
) に比べ、誘
導時の
P
ーガラクトシダーゼ活性が約半分に低下し、
ARR5 を完全に欠失させ
t;S)それはさらに半分に低下した 。 しかし、この場合にもテトラ
ることで (5pE
デカンによる転写誘導は完全 には失われなか った。上流のイ ンパーテイツドリ
ピートの欠失によっては誘滋はほとんど変化しなか った
( 5pEt
;
9 の活性を
5pEt
;
1
2と比較)。
上の活性値はすべてかアルカン誘導培養開始後 1
2時間後のものである 。前
章で A
LK5プロモーターが n
-アルカンによる誘導により 2段階の転写誘導を指
示することが見いだされたことを考慮し、既に作成した幾つかの変異プロモー
ターについて、その活性をタイムコースで追跡することを試みた 。すなわちそ
れぞれ対応するプラスミドを含む形質転換体を n-テトラデカンを炭素源として
培養し、経時的に回収した全 RNAを
LAC4遺伝子をプロープに用いたノーザ
ACT1 を
ンハイプリダイゼーシヨンで解析した 。最終的に得られたシグナルを
プロープとして得られたシグナルで標準化した結果を F
i
g
.
2
2
4に示す。
ALK5プロモーターとして最も長い領域を含む 5pH断片では既に前章で指摘
したとおり培養期間を通じて 2回にわたる転写活性の増加が認められた 。 また
H
l
'
i
7では全培養期間を通じて mRNA量
先に最小プロモーターとして用いた 5p
は低いレベルで一定していた 。 ARR5の下流のダイレクトリピート配列を欠失
t
;1
2
) では全体的な誘導レベルが半分以下に低下し
させた内部欠失変異体 (5pE
ていた。このことからこの配列の重要性が示唆される。しかし依然としてかア
ルカン応答性を有しており、誘導培養開始直後の転写活性化の後いったん転写
量が減少した後、緩やかに上昇する傾向が認められた。この傾向は 5pH
l
'
i7 に
ARR5全領域を連結したもの (5pHM8)においても同様であった 。 ARR5(また
はその 一部) はアルカン培養後期における転写活性化にも関与している可能性
が考えられる。
41
7
]
,
)
t
¥
!
;
IT
T
(
'
.
¥
< H(,
IU,
.
えi
r
j
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、
,
(l
t 寸¥
J
f
l
'
h,.
¥
i
i~\Ji;;\
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1
t.~
'1'"
1;I;TKUG
l
.
bG
T
T
A
I,汀¥
T
TT
T
¥
C
T
T
C
J
¥
1
.G
¥
¥
T
¥
T
T
¥
I
.
fA
A
C
C
f
¥
G.
I
.
I
.
II
.
G
A
l
.A
A
G
¥
G
T
631
TGATTTCTTT GAACAAGTGC AAGTCTGGGC TTAGACGTTT ATTTTTGTTT TTGTTGAG
T
G
571
脅お
511
GTAATACATA TTCTTCGTAT CTATGAAGAT TTTTCACACG CGGATAGJA
AT
T
G
T
CGCTTCTTTA AGTAACTGAT TT
ACCCAACA AGTACATGGT AATACAAACT CTCACTCACT 451
AGACTTCGCT TCTAGTTGCT TCAAATTAGA CGGTTATA
A
T GTATGCCAAG GTTTTGTGTA 391
368
竺竺SfGTGATTAACCTT T長可ETmACTcmMTATωCG ATGTAATCTG
331
383
ATCTATGAAC GTGATAAGTA A
C
AT
TA
CTTA G
TCATTAAGT ATGGCCAATT CAGTTATACA 271
守
243
厄
TATTAGTAATGCTCCACATC CA
T
TGTA JATATmmmAATATCACATTCATTTA 211
竺竺正己2単TA令 市 市GCTATTGTACAGC竺竺f GATTATGTACAG
C
…
202
-一「
CCGCATTATC I TA T A~ACAG
TATA Box
-1
24
-1
51
-163
←て百玉 -107
A
TTCAAAATA A
TC
TAGA
TCT CTTTTTTTTG CT
TCCTTTTA 31
Xba1
"
;
ー
_
_
_
J
白
.
e
:
1
1
I
TTTCTTTTTA AATAAGATTA AACTAAAAAT A
T
G
+1
F
i
g.2
・2
3 ALK
5プロモ ー ター領域の塩基配列
数字は翻訳開始点からの塩基数を 示す。図中赤字で示 した領域が ARR5に相当
する部分。今回作成 し
、 活性を測定した欠失変異体の範囲を鍵で示 した。 また
注目している反復配列については色付きの矢印で示 した。
42
0.6
,
.
、、
.
;
:
t,
O.
4
〈
5pH
5pHo48
--e・ー 5
p
EO1
2
-ー争ー 5pHo7
-4トー
¥
ー争ー
U
5
:0.2
︿ZNE
凶
"-'
ー
・
ー
唱
、 ‘.
.
.
.
_
.
‘
噌
ー
ー
・
・ , ー
-nu
n
u
10
20
Time
30
40
(hr)
F
i
g.
2
・
2
・
4 ALK5欠失変異プロモーターの活性のタイムコース
それぞれのプラスミドを導入した CHAl株を 1
% か テトラデカンを炭素源とし
て培養し、そこから回収した金 問可A を LAC4 をプロープとしたノ}ザンハイ
プリダイゼーションにより解析した。グラフは LAC4 をプロープとして得られ
たシグナ J
レを ACT
1のシグナルにより標準化 した結果を示す。
4
3
2
2
2 ARR5に配列特異的に結合する蛋白質の検出
プロモーター内の機能領域は、そこに配列特異的に結合する蛋白によって認
識され、機能を持つと考えられる。そこで今回 ALK5の
C1S-- エレメ
ン トとし
て同定された ARR5に結合する蛋白質の存在をゲル移動度 シフ トア ツセイによ
i
g
.
2
2
5にその結果の一例を示す。グラスピーズ法で回収した細
り検討した。 F
胞抽出液中には n- テトラデカンによる誘導の有無によらず、
ARR5 に結合し
てプロープの移動度をシフトさせる蛋白質の存在が確認された。この結合は非
0倍の波度で添加す
標識のプロープ DNAを反応液中に標識プロープ DNAの 2
る事により、著しく阻害された。しかし同濃度の超音波処理により断片化した
ウシ胸腺 DNA を競合 DNA として加えても顕著な阻害は観察されず、この
DNA-蛋白質相互作用は塩基配列特異的であることが示唆された。
5pH
ム4
8による転写誘導活性のタイムコース実験(前節)より ARR5が n-ァ
ルカン埼養後期の誘導にも関与している可能性が示唆された。そこで、前培養
を行わず、培養初期からかテトラデカンを単一炭素源として培養した菌体から
の抽出液について同様の検討を行ったところ、複数の非常に大きなシフトバン
2
0倍量の
ドが出現し、少なくともそのうち一つについては配列特異的である (
ウシ胸腺 DNA によって阻害されない)ことが示唆された。つまりこの領域は
アルカンを炭素源とした培養が進むにつれ、異なる蛋白質 (複合体)と相互作
様することによって、転写誘導に関わっていると考えられる。
ゲル移動度シフト法により存在の確認された蛋白質の数や分子量について情
報を得るために
u
v
-架橋法による解析を試みた。結果を Fig.2-2-6に示す (2つ
のパネルは異なる濃度のアクリルアミド (A7
.5%、B15%)を用いて解析した結
果を示す)。ここから少なくとも 3種の異なる分子量の蛋白質が、 ARR5の下
流域を中心に結合していることが示唆された(図中マで示した)。最も強いシ
グナルとして検出されたのは約 27kDaの蛋白質であった。これは 1アミノ酸の
平均分子量を 1
1
3とすれば約 2
4
0ア ミノ酸 (
7
2
0塩基対)に相 当する比較的小さ
な蛋白質である。またこれによりかなり弱いシグナルとして約
57kDa 及び
72kDaの蛋白質も検出された(それぞれ約 5
0
0アミノ酸 1
,
5
0
0塩基対、及び 6
4
0
アミノ酸 1
,
9
2
0塩基対に相当)。これらはいずれも ARR5の下流を標識したプ
ロープ DNA を用いた実験では検出されず、配列特異的な結合であると考えら
れたことから、ゲル移動度シフト法で検出された DNA-蛋白質複合体中に含ま
れていると考えられた。
44
Lysat
e GI
c
.2hr
ー TD2hr
TD7
0
h
r
Compet
i
t
o
r- C U - - C U - C U
l
'
.
T T T T T T T T T T
S
h
i
f
tBand砂
凶
S
h
i
f
tBand砂凶
F
r
e
eProbe
F
i
g
.
2
・2
・5 全細胞抽出液を用いたゲル移動度シフトア ッセイ
反応条件は材料と方法参照。 プ ロー プは
6426 を標織し、 1レーン あたり
O.
5ng/μlの濃度で用いた 。 コンペテイタ ーは
、 1レー ンあたり 1
0
n
g
/
μ
l
(プロ ー
プ DNAの 2
0
j
音量)を用いた 。 ヘコンペテイタ ー を含まないコントロ ー J
レ C、
ColdT
a
r
g
e
t(未練織の プ ロープ DNA);U、u
n
r
e
l
a
t
e
dDNA(超音 波処理した ウ
シ胸腺 DNA)
細胞抽出液は O
.
5mg/mlの濃度で用いた。 G
l
c刀1<、グルコー ス を炭 素 i
原と し
て 2時間の本培養を行 った箇体の抽出液;TD2
h
r、 11- テト ラデカ ンを炭素源 と
して 2時間の本培養を行 った菌体の抽出液;T
D.70hr、Fトテト ラデ カ ンにより
7
0時間培養した蘭体の抽出液(この暗養では前培養は行わず、 o/nカルチャ ー
を誘導培養用主的tl!に 1
/
1∞量、接種した 。)
写真の左側にフリ ープ ロープ、及びシフトバンドの位置を 併 で示 した 。
4
5
A(
げ
75
,
問吸
B (15係 Acr巾
A
c
r
η
y
加 n
i
山
deGel
)
,
.
_.
.
.
(
ol
'
Ig
i
n)
3'
/ー¥
~
(
kDa)
95ー争炉
⋮雪
山
↓
)
5
'
,
.
.
、
mideG
e
l
)
5'
3
'
コ
く
コ
〈
29
20,S
Fig,2
2
・
6 n-テト ラデカン誘導菌体抽出液の
uv
・クロスリンク法による解析
A
.7
,
5%アクリルア ミドゲ lレ B,15%アクリルアミドゲル
5
'は B
g
lUサイトを用いて上流側から、 3
'は BamH1サイトを用い て下流側か
ら標識したプロープを用いている。写真の左側に分子量マーカーのバンドの位
置を示した。また、写真の右側には検出されたバンドの位置を 4 で示した。
4
6
3
く
2
2
3 ALK2プロモーター領域の欠失解析
F
i
g
.
2
27に ALK2プロモーターを上流から順次欠失させた変異体のプロモー
ター活性を、 LAC4をレポーター遺伝子として用いた系(前章参!!¥l)で定量化し
i
g
.2
2
8 に ALK2プロモーター領域の配列を示した 。 こ
た結果を示す。また F
の結果、誘導時の ALK2 プロモーター活性は翻訳開始点上流 625bp-398bpと
89bp-138bpの 2つの領域に依存している可能性が示唆された 。興味深い
同1
e
r
e
v
i
s
i
a
eの Pox-Boxや B
.m
e
g
a
t
e
r
i
u
mP450BM-3
ことに、この 2つの領減は、 S
.c
のオペレーター配列と相向性のある
α五を含む反復配列を含んでいた。また、
翻訳開始点上流 1
38bp迄の欠失により誘導培養l
待のトガラクトシダーゼ活性
P
L
l導入株のそれとほぼ同等のレベルに低下しており、
は、ベクターに用いた p
この欠失プロモーター断片は l
l
.z;写誘導能を失っていると判断した。(グリセロー
ル培養菌体との見かけ上の活性値の差は、疎水性物質存在下で培養したことに
よる菌体抽出液の白濁等が主要な原因であり、有意なものではないと考えてい
る)。そこで次にこの翻訳開始点上流 1
38bp迄の欠失プロモーター断片の上流
に転写活性に関与すると考えられた領域を連結する事で転写誘導の回復を試み
た。しかし、試みた複数の構築物において有意な誘導活性の回復を認めること
は出来なかった。なお、 一連の解析で
1
1
-テトラデカンによる活性化領域とク
ロフイプレートによる活性化領域とを区別する事は出来なかった。第一章 でプ
ロモーターによる反応性の遠いから両者の応答配列は異なる可能性を示唆した
が、仮にそうだとしても非常に近傍に存在する可能性が高いと考えられた。
47
D
e
l
a
t
i
o
nAnalysiso
fALK2PtomoterRegion
ALK2promoterr
e
g
i
o
n
c
:
=
{pp-mp
一
一
~コ
周囲圃
926
625
•
625585
園圃園圃
625
398
匝
ー
ー
函
届
ー
厨ー』
匝由
ー
「
戸
コ
圃
•
。
0
.
5
日
-galactosldaseactivfty
{
※に対する相対値 }
F
i
g
.
2
・
2・7 ALK2プ ロ モ ー タ ー の 欠 失 解 析
図の構成は F
i
g
.2-2.1 と同じ。~ガラクトシダーゼ活性は、 926bp のプロモー
ターを導入した CHAJ株をクロフイプレート存在下で培養した際の値(図中※
で示した)を基準とした相対値で示している。なお 2つの内部欠失変異プロモー
ターについてはクロフイプレートを誘導条件下の菌体の活性値しか決定してい
ない。
4
8
※
926
---~AAGCTT
G
GA
CCGAAGTT
G
A
TG
CT
TC
G AAAAAGAAATCAAATCCTTGGGTGGTAAAT
931
TTGCTGAAAACTTCAAGACTTACGCTGACC A
A
GCT
A
C
T
G
C TGAAGTTAAA GCTGCTGGAC
871
C
AGAAATCTA ATTTGGTTAATGTTTTTTTGTCACCTCCCA TATAGTTATTTATTCAAATA
8
1
1
TTAAGTACATTAAAAAAAAAAGGAACAAAA AATTTTAACA TTTAATACAT ATTCACATTA
7
5
1
TTGTCATGATTTAATACACTACTTATATAT ATATTGCGTC TTTGGAATGATGATGTTTCA
631
625
U
¥
五
百五TTTCCTGTTTGTGGGGGTATGCAAGTATCGG丘ψ
T
C
A
A
C
4
丘緋 CAA 叩
J竺千TATCTCAATTAωTGCCTTTCACTGGTTGAAGAGAAAGTGTGTCATTGAAGTA
引
1
585
TAATTTTTTT ATTCGTCTTTTTTACTAATG GTTTACTTGTAAAGAAAACG CAACATAAAA
398
4
5
1
附川
AATTAT川 叩
G
叩T
附A
刈G
砧
刷A
舵
刷
似
CA
叩附
A
A
舵C
印
附
GTT
398
GATAATTGGGGGGTAGTTGG AAAAAAAAAATGGCGGGGTC AGGTTAATAC GAGAATGAGA
3
3
1
AAAAGAAGTG ATATGGAAAA TGAATGTTTA ACTCCCGTTG CTGTCTCATA AACTCCGAAG
2
7
1
TCATATGTGGTATGAGCTGA AACAAGCATAATTATGATTACAAGTCGTAC ATGTGCTTTT ・2
11
189
TTTTTTGTTT TCAATTTGAA
-138
J
G
T
百
石T以盟cgCAATACAAAATTATTTT誹 TCCG 15
1
_昼間. -
字 型 GTTCC而高石TGTGATAAATC TCAACAA並宣盆hATTCCATAACCC 9
1
TGAATAATTTTTTTTTTAAG TCCTTGGTTTCTTTTTTTAG AAAAAAAGGTGAATCAGTAA
3
1
AATTTTTGTT ATTTATCATTTTAACTCACA A
T
G
F
i
g
.2
2
8 ALK2 プロモーター領域の塩基配列
数字は翻訳開始 点か らの塩基数を 示す。今回作成 し
、 活性を測定 した 欠失変異
体の範囲 を鍵 で示した 。 また注目している反復配列については色 付 きの矢印で
示した。
4
9
2
3 考察
本章では主に
ALK5、ALK2 についてプロモーター領域の欠失解析を行い
A
L
K
5についてはかアルカンによる誘導に必要な領域 ARR5を同定した。本領
域は翻訳開始点上流 1
1
2
b
pから 2
4
3
b
p迄のプロモーター内で比較的下流に位置
しており、特徴的な配列としては CGGモチーフを含む 2つの反復配列を含ん
でいた (
F
i
g
.2
2
3
)0F
i
g
.2
3
1にこれまで報告のあった CGGモチーフを 一覧に
まとめた。
この領域内の機能配列を決定するために、 3
' 側からの欠失変異体を作成し最
I
小プロモーターに連結して誘導活性を検討したが、欠失に従って徐々に誘導能
- アルカ
が低下する傾向にあり、 1つのエレメントの同定には至らなかった。 n
ンによる転写誘導には複数の
C1
Sーエ レメントが関与しており、それらの相互作
用によって全体の活性化が行われている可能性が考えられる。実際
ALKlプロ
モーターの欠失解析でも欠失に従って誘導レベルが徐々に低下する結果が得ら
れており、複数の機能配列の関与が示唆されている(大熊盛也 (
1
9
9
0
))。注意
'ー側からの欠失解析の際にさほど重要でないと考えられた翻
すべき点として、 5
訳開始点上流 3
6
8
b
pから更に上流にも CGGモチーフを含む反復配列が認めら
れた (
F
i
g
.
2
2
2、F
i
g
.2
3
1
)0 ARR5を 完全に欠失させた変異プロモーター (
5
p
E
d
.5
) においても弱いながら n-テトラデカンによる転写活性化が認められた原
因として、この上流の反復配列が内部欠失により TATA近傍に位置したため、
機能を持つようになった可能性も考えられる。この可能性について検討するに
は、欠失ではなく塩基置換による変異プロモーターの活性を検討する必要があ
るだろう。
ゲル移動度シフトアッセイ、および
u
v
-架橋法により
ARR5 を配列特異的
に認識して結合する蛋白質の存在が示唆された。データは示さなかったが、今
回用いたゲル移動度シフト法の条件では細胞内の存在量やプロープ
DNA との
親和性について、培養条件による有意な差異は認められなかった。しかしこの
ことはこの蛋白質が n-アルカン応答性の転写因子であるということを否定する
根拠にはならない。既に第 l準で述べたようにC.m
a
l
t
o
s
a P450の か ア ル カ ン
による初期の転写誘導には新規の蛋白質合成は必要ないと考えられるからであ
る。転写誘導の機構としては修飾による転写因子の核への移動、あるいはかア
ルカン応答性転写因子の基本転写因子への親和性の変化といったことが考えら
れる。
50
刻
、 cerc'!'!""i
!
l
!
'
,
、
Pりや Bo~ '
a1oreffereda
sORFl
genes; t
a
t
t
yacidresponciblel
(pero'(i~omal
CTAl
aaaaaggaLc
.
.
(
.
.ct tt a d ç,~ aa~ t a dd ctL Gaaaatccccac
POXl
aaggaattCGGtc atta む g ~~ taa tagCCGttggggta
a
c
t
c
tCGGcggt
ιa比t
gc
caat
t
t
t
t
ac
t
cc
a!
'CGGggau
;aacatc
FOX2
FOX3
aagggaaaCGGgga taa t~ g t~ tta aca CCG cagc
b
)B.
megaterium Bm3Rlbindings
i
t
e
,
1f
a
t
t
yacid,
peroxisomeprolif
e
ratorresponsi
b
l
e
)
(
phenobarb
it
a
aattgtagCGGaatg但 c
g
t
t
cat
t
cc
at
tt
t
t
g
aaaa
BM-3
c
)C.maltosaALK2operator
(n-alkane,peroxisomeproliferatorresponsible)
ALK2
gcaagtat CG 皇巴~ a CG主巴亀t caaaatt
ALK2
t
t
t
t
at
t
tCCGc
aat
ac
屯1a
a
t
t
at
t
,
.
t
t
tt
a
tCCGc
t
t
tCCGt
t
c
c
t
t
t
d
)OtherALKgenes fromC.lllaltosa(
n
-alkaneresponsible)
ALK1
社a
gtctaCGGc
t
at
g呈戸tgttggatatac
ALK1
aat aC(主旦~ t
gtgctttgtaacatgcagggg州説己主主
主均
ALK1
aaaac(
主旦旦主与agcat主主主主主与cattgttaacta
ALK3
c
t
c
c
t
c
t
a
a
a尊旦旦旦旦E等主旦包.Qgtgcaataaag
ALK5
仕t
tcacacg
ALK5
acagaatCGGt
tt
t
g!
t'
!
.
aa
tac
tCCGc
t
a
t
t
g
t
a
c
ALK5
aaaaggCGGagaaa¥
,
!cga~GGa a aaa t! t
a
t
t
F
i
g
.
2
・
3
1
c
t
巴 虫出 単出 g箪旦延 CGcttctttaagtaaactgat
ORE相同配列の比較
これまでに報告された ORE 配列及びその相同配列と ALK プロモーター上流
の ORE類似反復配列を示した.
5
1
u
v
-架橋法によって同定された主要な DNA結合タンパク質の分子量は約 27
kDaであった 。こ れは真核生物の転写悶子としては比較的小さなもの であると
0kDa前後に複数のシグナルが得られたが、これら
考えられる。このほかに 6
の蛋白質が直接 DNA と結合しているのかについては議論を要する。ゲル移動
度シフト法で観察されたシフトバンドは 3
0kDa足らずの蛋白質が単独で結合
した結果としてはいささか移動度の変化が大きいと思われた。これらの弱いシ
グナルは、あるいは DNA蛋白質複合体中で DNAの近傍に位置した蛋白質が
副次的に標識された結果である可能性も考えられる。
ALK2 プロモーターの欠失解析の結果からもやはりプロモーター中の
CGG
反復配列を含む領域がその転写誘導に関与ーしている可能性が示唆された (
F
i
g
.
2
-
2
6および F
i
g
.2
3
1 )。しかし 、この領域に注目して作製した内部欠失変異体
ではクロフイプレートによる効果的な転写活性 化は 認められなかった。欠失さ
38bpの聞に基本的な転写レベルの上昇に必要な
せた翻訳開始点上流 398bp-1
配列があるのかもしれない。或いは ALK5の所で考察したように
C1S-
エレメン
トと基本転写エレメント(TATAボックス)との距離が重要である可能性も考
えられる。
5
2
第 3章
ALK5の転写誘導に関与する t
r
al1s因子のクローニングの試み
これまで第 1章では P
4
5
0ALK逃伝子群の転写誘導現象に│期して解析し、そ
の特異性について考察した。また第 2章では Aば 5を中心に、そのプロモーター
領域の解析を行い、
1
1
-アルカンによる転写誘導に重要と考えられる領域の縮小
化を行った。また、この領域を配列特異的に認識している蛋白質の存在を示し、
転写誘導への関与の可能性を示唆した。本主主ではこのような ALK5の転写因子
)他の生物との相向性を利用した方法
をコードする遺伝子のクローニングを 1
2
).細胞内に存在する転写因子の結合領域を持つ DNAを多コピー導入し、転写
因子を枯渇させることによる形質の変化を利用する方法 (
il
1v
i
v
o
) 3
)転写因子
i
l
lv
i
t
r
o
)の 3点から検討した。
の特異性の高い DNA結合能を利用する方法 (
まず ALK 遺伝子の転写誘導に既知の転写因子の同族体が関与している可能
性について検討した。最近 S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eの Pox-Boxに結合してペルオキシソー
ム関連遺伝子の転写誘導を司る転写因子
Pip2 の構造遺伝子が単離された
(
R
o
t
t
e
n
s
t
e
i
n
e
rH.e
ta
l
.(
1
9
9
6
)
)
0 ALKi:宣伝子の転写が脂肪酸によっても誘導され
必o
x類似の配
ること(第 l章)、及び ALKプロモーター領域には共通して Pox
列が見られ、転写誘導に関与している可能性が示唆された事(第2章)から P
i
p
2
の同族体が ALK 遺伝子群の転写誘導に関与している可能性が考えられ、これ
はS
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eの P
I
P
2遺伝子をプロープとしたサザン解析によってクローニン
l
b
i
c
al
1s
からは S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eとの近縁性を利用し
グできると期待された。実際C.a
て多くの遺伝子が単離されており(SudberyP
.
E
.(
1
9
9
4
)
)、我々の研究室におい
ても S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eの u
r
a
3変異を相補することを指標としてC.l11u
l
t
o
s
aU九 日 の
ta
.
l(
1
9
9
3
))
。 また、ベルオキシソーム噌殖
単離が為されている(OhkumaM.e
唯一明らかにされている高等動物の例では
剤応答機構について、真核生物では l
核内受容体の一種である PPARが重要な役割を担っていると考えられている(
序章参照)。そこで PPARの同族体が酵母に存在する可能性についても検討し
・
日
、
。
T
次に配列特異的 DNA結合タンパク質の存在が示唆されたことと、 i
nv
i
t
r
oに
おける競合実験により、比較的低い (
2
0倍程度の)競合 DNAによってゲルシフ
トの阻害が観察されたこととから、同機のことを i
l
1v
i
v
oで行えば ALK遺伝子
の誘導レベルの低下という形質の変化として検出できるのではないかと考え、
検 討 し た (F
i
g
.3
0
1にその概念図を示した)。実際に結合配列を多コピーで
導入するによって細胞内で転写制御因子が枯渇し、形質が変化する例が報告さ
5
3
。
。
A
ARR5BindingP
r
o
l
e
i
n
t
j
倭
B
a
s
a
lTrans
c
r
i
p
t
i
on
a
lFado
r
J t J M
晶
ム
ー川崎。耐
ー_JA“ι
Fig.3・0・1 ARR5に結合する転写因子クローニングのス トラテジー
(多コピーの
(
1
)
ARR5による細胞内因子の枯渇)
n
7)
レカン非存在下(非誘導条件下)では転写の活性化は起こらない (
A)が
、
nーアJ
レカン存在下では
ARR5結合因子が か アルカンをリガンドとして ARR
5
に結合し、その下流のプロモータ ーからの転写を活性化する (
B)。 しかし、
C
) を細胞内に噂入することで ARR5結合因子はプロモー
多コピ ーの ARR5 (
ター上流の ARR5 と結合することができなくなり、その結果 A悶~5 に依存する
転写の活性化は起こらなくなる (
0) と期待される 。この転写誘導能の欠損は
ARR5結合因子の大量発現によって回復す ると考えら れる。
5
4
れている (Shaw
,G-c
.e
ta
l
.(1992)、 V
i
r
o
l
l
eM
J
.e
ta
l
.(1994))。もしこの方法が
てまく行けば、その形質変化を多コピーで1!
I
J
f
!
i
j
l
するような DNA 断片は、多コ
i
s
-element)によって枯渇した転写因子をコード
ヒーで導入された結合配列 (c
している可能性が考えられる。このことはC. m
a
l
t
o
s
aが 不完全2倍体菌 である
が放に変異株の取得が難しいという点を考慮に入れれば、変異遺伝子の相補に
代わる遺伝子の単離方法として、有望なのではないかと考えた。
最後に機能検定は後回しにして特異的結合配列を認識する蛋白質を直接ライ
プラリーから単離する方法としてこれまで
MBP-1、O
c
t
1、O
c
t
2、I
R
F
1、
CREB、E
t
s
l、NF-Elなど多くの転写因子の単離に成果を上げている (SinghH
、(
1
9
9
3
))、サウスウエスタン法についても検討した。
5
5
3
1 材料と方法
3
1
1 菌株と培地
第 l章で触れたもの以外に以下の菌株を用いた。
λファージベクター (
λ
E
x
C
e
l
l(
P
h
a
r
m
a
c
i
aB
i
o
t
e
c
h
))の宿主として
E
s
c
h
e
r
i
c
h
i
ac
o
l
iNM522
s
u
p
E
,t
h
i
,L
l
(
l
a
cproAB),L
l
h
s
d
5(
r,1
1
1)
,
[F
'
,p
roAB,
l
ac[q,
l
a
c
Z
L
lM151
λファージベクター (
λ
E
x
C
e
l
l
)からプラスミド (
p
E
x
C
e
l
l
)の放出用として
E
s
c
h
e
r
i
c
h
i
ac
o
l
iNP66
t
h
r
,l
e
u,
p
r
o
,t
h
i
,b
i
o,c[J57i
l
1r
x
i
ダ
,,
L
l
Hl,
l
a
c
ZdM1
5,C1
l
1
'
,/
p]N13中
(8
0r
e
p
r
e
s
s
o
r
,pACYC184r
e
p
l
i
c
o
n
)/
p
X
i
s(
x
i
s
+
,
s
t
r
'
,
s
p
e
c
',
pSC101r
e
p
l
i
c
o
n
)
また第 l章で触れたもの以外に以下の培地を月1
いた。
NZYCM培地
1
% NZamine,
TypeA(利光)、 0.
5
%Y
e
a
s
tE
x
t
r
a
c
t(
D
i
f
c
o
)
.
1
%Casami
0.5%NaCl、 0
2xYT培地
1
.6%B
a
c
t
o
T
r
y
p
t
o
n
e(
D
i
f
c
o
)、1
%Y
e
a
s
tE
x
t
r
a
c
t(
D
i
f
c
o
)
0.5%NaCl
M9最少培地
1
xM9s
a
l
t
s、0
.
4
%g
l
u
c
o
s
e、1μg/mlt
h
i
a
m
i
n
e
(
5
xM9s
a
l
t
s 6
.
4
%Na2HPO.・7
H
,
o、1.5%悶
f
,PO.、
0.25%NaC
l
、 0
.
5
%NH.C
l
)
これらに必要に応じて S
p
e
c
t
i
n
o
m
y
c
i
n(SIGMA)(終濃度 50μg/ml)
C
h
l
o
r
a
m
p
h
e
n
i
c
o
l(SIGMA) (終濃度 30μg/ml)を添加した。
56
3
1
2 サザンハイプリダイゼーション
脚 か ら の 全 DNAの 酬 は P
h
i
l
i
p
p
s
e
nらの方法 (
P
h
i
l
i
p
附
1P
.e
ta
l仰
切
に従って行った。回収した全 DNA を制限酵素消化の後、アがロースゲル電気
泳動で分離し、 Hybond
仙(Am
e
r
s
h
a
r
n)上に添付説明書に従って固定した?
5αr
e
v
i
sUleP
I
P
2遺伝子は、 5
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eDBY747
株
.会 DNAを鋳型とし 5・
-AAG
GGTGAAATGGATGATGATGCGG
3
',5'-GTCGACACTCTACCGTAT
TAGGCGC
3
'をプライマ ーとして PCR法により取得した。 PCRの条例ニにつ
いては第 1章参照。増幅された 3
.
5kbpの DNA断片は、アガロースゲルか ら
1
la1部位に挿入し、塩基配
回収後、末端平滑化、リン酸化を経て pUC18の 51
列を確認した。ここからお1
1消化によって 3
.
5kbpの断片を回収し、 Random
P
r
i
m
e
rL
a
b
e
l
l
i
n
gK
i
tV
e
r
.
2(宝酒造)を用いて添付説明書に従って標識し、サザ
ン解析のプロープとした。
I
s
s
e
m
a
n
n1
・e
ta
l
.(
1
9
9
0
)
)は加藤茂明博士(東大分生研)
マウス PPARαcDNA(
B
g
l
l
l消化によ って 0
.
2
k
b
p
のご好意により供与していただいた。ここから KpnI
の DNA結合領域を、またおcI
B
g
lI
l消化によって 0
.
5
k
b
pのリガンド結合領
域をそれぞれ切り出し、前述の方法で標識してサザン解析のプロープとして用
いた。
3
1・3 ARR5のマルチ マリゼーション
pUC119の P
s
t1
部位に B
g
l
l
l部位を持つオリゴヌクレオチド 5
'
CAGATCTG-3'
を 2本鎖にして挿入し、 pUC119P/Bとした。この H
inc
II音1位に 5plM4
8断片
d48 とした 。
を末端平滑化の後挿入し、 pUC5
ここから E
c
oR
I
B
g
lI
Iおよび
BamH
I
H
i
ndI
l
I消化によって切り出した 5p
lM4
8断片を pUC119のE
c
oR
I
H
i
n
dIlI部位に挿入して pUC5d48x2を得た (
F
i
g
.
3
1
1
)。以下、同様の手順を繰り
返すことで 5plM4
8 断片を 8 コピー順向きに連結した断片を持つプラスミド
(pUC5M8x8)を得た 。これらのプラスミドから、並列した c
i
s
-エレメ ントを
含む断片を BamH
I
B
g
lI
I消化によって切り出し、
URA3をマーカーとする
C
.m
a
l
t
o
s
aの YRp型プラスミド pBTH30Aの BamHI部位に挿入して得 られた
プラスミド (pBTH-5M8x1、pBTH-5d48x2、pBTH-5M8x4、pBTH-5M8x8) を
C
.m
a
l
t
o
s
aCHAU1に導入した。
57
一一可
=uミミ
﹄
v
'
51 L
附
,
s
8S. ~
L.UQ)ミヘ
寸三万亡﹄ミ
ε
=
乏ヱ=て
﹁ζ
£←
ーナー「一r--T
最初の単量体から 二量体を作成する手順を示した 。最後に得られた こ量化
c
oRl• B
a
l
l
lHI.B
g
l1
1及ひ'
H
i
l
ldI
l
l
に
ARR5('②)は材料の単量体 ARR5(①)と E
ついての制限地図が一致する 。従ってこの二量化 ARR5 を用いて同様の手順を
踏むことで四畳体化した ARR5 を作成することができる 。 さらに以下、同機の
手順で任意の多量化 A則~5 が得られる 。 またこのようにして多量化した ARR5
からは XbaIまたは 5
a
l
l3AI(BamHl/B
g
l
l
l部{立を消化できる)消化により単
量体ARR5を含む断片を切り出すことが可能である 。
5
8
寸=一万 ζミ
γ 一句岳民
寸=一℃丈可ミ
ァ=もぬ
T 一町内叫﹄べ
王
¥E
a
E 句匂
T- 町内叫﹄べ
ε
T
工
一
②﹁一区S
TI-vT一一
﹂
ES
工
一
﹁=一℃ Sミ
L
u
﹁一区。u
F
i
g
.
3・1
・
1 ARR5のマルチマー 化の方法
3
1
4 C
a
n
d
i
d
a
.maI
t
o
s
aの発現ライ ブラ リーの構築
C
. maI
to
s
a全 DNA を S
a
u 3AI で部分消化した後、 シヨ糖密度勾自己遠心法
(SambrookJ
.
e
ta
l
・(
19
8
9
)
) によ って 0
.
5~ 4kbpの断片を回収した。EcoRIメチ
ラーゼ叫により断片中の E川部位を保護した後、 3種の合成リンカー(合
5
'
G
A
TCCAGM n
K
,
e
C
TG
3
'
)、BEBL3(
5・
成オリコヌクレオチド BEBL2(
GATCCACA
園盛田園rGTG-3')、BEBL4(5'-GATCCCACA閣 酒 田
町
7
G
G
3
'
) をそれぞれ二械 化 し て 用 い た。 こ れ ら は い ず れ ほ お 万 台
対合末端となり、中央部に E
c
o悶部位(反転文字で示した)を生ずるよ与に
かつベク?ーと連結した際にリンカー中にインフレームのストップコドー三
じないょっにデザインした)を連結した。 E
c
oRIで完全消化した後 S
i
z
e
S
e
p
T
M
400SpunColumn(
P
h
a
r
m
a
c
i
aB
i
o
t
e
c
h
)を 2回通すことで過剰のリンカ ーを除去
IE
c
oRI/CIP(
P
h
a
r
m
a
c
i
aB
i
o
t
e
c
h
)と連結した。こ れとは別に 、 c
し
、 λExCel
maI
t
o
卸 会 DNAを E
c
oRIと対合末端を生ずる四塩基認識制限酵素 T
s
p5
0
9
1で
部分消化して λExCeI と連結したものも作成した。これらは GIGAPACK1
1
(STRA
TAGENE)を用いて i
nv
i
t
r
oノfツケ」ジを行った後、得られたファー ジ粒
子のカ価を測定した。また、 λExCeIの添付説明書に従ってライブラリーを E
c
o
l
iNP66中で p
E
x
C
e
I
Iに変換し、任意の 1
0~ 2
0クロ ーンについてプラスミド
を回収し、制限酵素処理によ って挿入断片を切り 出して平均挿入断片長を計算
した。得ら れたライブラリーは E.c
o
l
iNM522株に感染させ、常法により増幅
してスクリーニングに用いた 。
3
1
5 サウスウエスタン法
1
9
9
3
)、村松正賓ら (
1
9
9
6
)
)を参考におこなった。
文献(田村隆明編 (
59
3
2 結果と考察
3
2
-1 他の生物での相問機構の探索
a
l
t
o
s
aの全 DNAを月jいたサザン解析ではプロープとして S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eP
I
P
2
C
.m
および mouseP
PARα(DNA結合領域および リガンド結合領域)のいずれを プ
ロープとして用いた場合にも有意なシグナルを認めることは出来なか った。文
9
9
6
)によれば今回用いた最も緩やかな条件 (
5
6'Cで一昼夜ハ
献(太田美智男、 1
イプリダイゼーションを行った後、 2xSSCを含む洗浄液で 5分間 4回、室温で
洗待)では2O"1c。程度の相向性を有する遺伝子をも検出できることが期待される 。
従って以上の結果よりC.m
a
l
t
o
s
aは P
I
P
2および PPARα に塩基配列で有意な相
向性のある遺伝子を持っていないと考えられた。
3
2
2 菌体内の t
r
a
n
s因子の depleteの試み
pBTH30A、pBTH-5M8x1、pBTH-5M8x2、pBTH-5M8x4 および
pBTH-
5M8x8 を pPLA5(
第 l章)とともに形質転換した CHAU1株 の ト ガ ラ ク ト シ
ダーゼ活性および nーアルカン資化性について検討したが、導入したプラスミド
聞で有意と考えられる差異を見いだすことはできなかった 。
nv
i
t
r
o転写系におい
第 4章で詳しく述べるがこの断片による転写の阻害は i
ても認められなかった。この配列は TATA配列を含んでおらず、目的の転写活
性化因子(複合体)が TATA配列を下流に持つ ARR5 により優先的に結合する
ことが原因であると推察される(第 4章参照)。
3
2
3 サウスーウエスタン法の条件検討
まず、メンプラン上に固定化した DNA結合性の蛋白質を放射標識した DNA
断片で検出するための条件について検討した 。プ ロープには 5M8x8断片 (pUC
5M8x8から BamHI-B
g
I1
1消化により切り出した)をランダムプライマー標識し
て用いた。メンプランは Hybond-Cニトロセルロースメンプラン(Amersham)
を用い、蛋白質の固定には、SC&
PAGEで分離したものをエレクトロプロッティ
ングする方法と、蛋白質溶液を直接スポットする方法とを試みた。
エレクトロプロッテイングしたサンプルからは有意なシグナルは検出されな
かった(データは示さない)。 一方、スポットアッセイにおいてはC.m
a
l
t
o
s
aの
6
0
A
・
Re
n
a
t
u
r
e
N
a
t
u
r
Cluc
TD
‘
'
•
.
.
Gluc
TD
.
.
B
F
i
g.
3
・2
1 全抽出液のスポットアッセイ
A メンプレン上に固定化した DNA結合蛋白質の、標識 DNAプロープによる
検出条件の検討
nat
u陀
、 抽出液をスポットしたメンプレンをそのままハイプリダイゼーション
に用いた(非変性 )
。
r
e
n
a
t
u
re、主
l
J
t
l
:
l
液 をスポッ トし たメンプ レンを塩酸 グアニジンを用いて変性、
再生操作の後、ハイプリダイゼーションを行った。
g
l
uc
、グルコース培養菌体の抽出液
TD、n テ トラデカン誘導菌体の抽出液,
BSA、 ウシ血清アルプミン水溶液
B 再生条件の検討
-テ トラデカン誘導菌体より抽出したものである。
スポッ トした細胞抽出液は全て n
Nat
u
r
e,非変性;Renat
u
r
e,塩酸グアニジン変性後、再生;O
.
lm MMg,O.
l
m M塩
化マグネシウムを添加 したバッファーで再生;l
m MMg,lmM温化 7 グネシウ
lmM 塩化亜鉛を添加 したパッ
ムを添加 したパッファーで再生 O.lmMZn,O.
ファーで再生;
lm MZn,l
m M塩化亜鉛 を添加 したノてッファーで再生;O.
l
m MCa
,
O.
lmM塩化カ ルシウムを添加 したパツ 7 7ーで再生;lmMCa,lmM塩化 カル
したパップァーで再生
シウ ムを添加l
6
1
菌体抽出液をスポッ トした箇所に有意なシグナ ルが認められた (
Fi
g
.3
2
1A)。
このシグナ ルは対照として牛血 清ア ルブミン溶液をスポッ トした箇所には認め
られなかった。また、グルコース培養菌体からの抽出液とテトラデカン猪養菌
体からの 抽出液との 両方にシグナ ルが観察さ れたが、テ トラデカン培養菌体抽
出液のシグナルがグルコース培養菌体のそれと 比較して約2
倍の強さであった 。
同様に菌体抽出液をスポッ トしたメンプランを 6M塩酸グアニジンで変性処理
した後、徐々にグアニジン波度を低下させることで蛋白質の再生を試みたとこ
ろ、元のものの
1/10 以下程度の強度のシグナルしか得られなか った。SD
ら
PAGE からエレクトロプロッテイングしたメンプランで有意なシグナルが得ら
れなかった原因の ーっとして 、 この塩酸グアニジン法による目的蛋白質の再生
効率の低きが考えられた。そこで再生に用いる緩衝液に種々の 二価イオンを補
うことで再生効率を上昇させることができない か検討した。その結果、
Fi
g
.
3-
2
2 B に示すように 、亜鉛イオンを補うことで部分的に効率が上昇することを
見いだした。マグネシウムイオンおよびカルシウ ムイ オンでは有意な差異は認
められなかった。この結果から、目的とする蛋白質が DNA結合能を発揮する
上で亜鉛イオンを要求することが示唆された。しかし 、スポッ トアッセイにお
いてシグナル強度を完全に回復するような再生条件を見いだすことはできなかっ
た。そこで以下のスクリーニングにおいては蛋白質の変性は行わず、大腸菌中
で発現させた DNA結合蛋白質を直接スクリーニングすることを試みた 。
3
2
4 サウスウエスタン法によるクローニングの試み
上記 した方法で S
a
u3AI消化のもの か らは平均挿入断片長 1
.
l5kbp、ライブ
p5
0
9
1消化のものからは平均挿入断片長
ラリーサイズ 5.
0x105クローンの 、Ts
2.
69kbpライプラ リーサイズ 2
.
2x1
06 クローンのライプラリーを得ることがで
きた。文献 (AusubelF
.M.
e
ta
l.
(
1
9
9
4)
)によれば、C.m
a
l
t
o
s
aのゲノムサイズを
約 20Mbp と仮定した場合に、全 DNAの 99.
9% をカバーするクローン数は平
5
均挿入断片長 1
.
15kbpのライブラ リーの場合 1
.2x10
クローン 、平均挿入断片
長 2.69kbpのライブラリーの場合 5
.1
x1
0
'クローンと計算される。これに発現
2通 り)と読み枠 (3通り )を考慮して、
ライブラ リーであることから挿入方向 (
S
a
u3AI消化によ るラ イプラ リーで は 7
.
2
x
1
05 クロー ンを 、Ts
p5
0
9
1消化の もの
5
から は 3
.
1
x
1
0
クローンをそ れぞれスク リー ニングすれば充分であると考えら
れた (
S
a
u3AI消化のラ イブラ リーでのライブラ リーサイズ は 5.
0x1ぴ クローン
62
であり、 9
9.9%カバーの必要クローン数に満たないがゲノムの 99%をカバーす
る(推計 4.
8
x
1
05 クローン)には十分である)。本方法においては 9
.
5cmx
1
3
.
5
cmの角プレートを用いれば 5
x
1
0
'程度を 一度にスクリーニングすることが可能
9
9
3
)、すなわち数をこなせることが最も大きな利点の 一
である(田村隆明編、 1
つであると考えられるので 、クローン間による増幅効率の差異も考慮して、各々
5
から 1
0
x
1
0
クローンをスクリーニングに供した。しかし、最終的に 二次スクリー
ニングで陽性と判断されるクローンを得ることはできなかった 。
一般にサウスウエスタン法において DNA結合蛋白質遺伝子 DNAのクロー
ニングができない原因として考えられることは、
(
1
) ヘテロダイマーのような
複合体を形成することによって DNA結合能が発揮される可能性、
(
2
)復合体
を形成するわけではないが DNA結合能の発現にリン酸化や糖鎖の付J
!
lIなどの
1
9
9
3
)
)。前章で ARR5を特
修飾が必要である場合、が挙げられる(凹村隆明編 (
異的に認識して結合する主な蛋白質はゲル移動度シフトアッセイにおいても
u
v
-架橋法においても 一本のバンドを与えることを述べたが、ゲル移動度シフ
トアッセイ
(これは非変性 アク リルアミドゲルを用いているので蛋白複合体は
解離しない) で検出されたバンドの移動度が比較的小さなものであったことか
ら、これが複数の蛋白質の複合体である可能性は充分考えられる。
u
v
-架橋法
(
S
D
S変性ゲルを使用)では主要な 一本のバンド以外に複数の弱いシグナルが認
められたが、これらは DNA とは直接結合しないものの DNA結合タンパク質
と複合体を形成することによりプロープ DNA の近傍に存在することで副次的
に標識された可能性が考えられる 。 またこれに加えてC. ma
I
to
s
aはC.a
l
b
i
c
a
n
s
CUG コドンをセリンに翻訳するという
S
u
g
i
y
a
m
aH
.e
ta
l
.(
1
9
9
5
)。従って CUGコドン(C
.m
a
l
t
o
s
aにおい
特性を持つ (
同様、通常ロイシンとして翻訳される
ては比較的希なコドンではあるがj が目的とする転写因子の DNA 結合領域に
含まれるなど DNA結合能の発現に影響するとすれば、大腸菌中で発現させる
ことを利用している本方法ではクローニングすることはできないと考えられる。
本主主でのスクリーニングにはC.m
a
l
t
o
s
a全 DNAを制限酵素処理して構築した
a
l
t
o
s
aにおいて、イントロンを
ゲノムライプラリーを用いている。これはC. m
fK、 1
9
9
5
)、
持つ遺伝子が希であること(これまでに 3種の報告例がある (Wol
仮にあったとしても 一つの機能領域 (DNA結合領域)がイントロンによって分
断されているとは考えにくいこと、を前提としている。またライブラリー構築
に用いた制限酵素処理 DNA断片は 0
.
5~ 4k
b
pと比較的小さいサイズのもの
を用いたが、これは前章の
uv
白架橋法の結果検出された主要な蛋白質が 27kDa
(推定約 2
4
0アミノ酸、 7
2
0塩基対)と、比較的小さなものであったこと、およ
6
3
び本方法により目的とする転写因子の DNA結合領域(を中心とする領域)を日ー
ガラクトシダーゼとの融合タンパク質として発現させようという目的に基づい
てのことである。この場合、目的とする DNA 結合領域がアミノ末端近くに存
在する場合には、それがカルボキシル末端に存在する場合と比較してスクリー
ニングするべきクローン数が多くなる可能性も考えらる。目的とする転写因子
は非誘導状態でも発現していると考えられるため
(
転写条件の検討を必要とし
ない) cD
NA ライブラリーを構築するのがより確実な方法であったのかも知れ
ない。
6
4
第 4章
Candidam
a
l
t
o
s
aにおける i
nv
i
t
r
o転写系の構築と t
r
a
n
s因子
の単離の試み
前章で転写活性化に関与する因子をコードする遺伝子の単離を試みたが、成
功を見なかったことを踏まえて、本章ではこの因子を生化学的手段で解析・分
離する事を試みた。
この場合 2つの手法の検討が必要であると考えられる。 一つには転写因子の
nv
i
t
r
o再構築系で評価する手段(i
nv
i
t
r
o転写法)の検討であり、もう 一
活性を i
つは分離精製方法の検討である。前者に関しては、 S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eにおける幾つか
の報告を参考にして行った。後者に関しては
1
)酵母核の単離、
2
)アフイニ
ティークロマトグラフィー(DNAアフイニティークロマ トグラフィ ー お よ び
F
a
r
o
o
q
u
iA.(
1
9
8
0
)
)、
へパリンアガロースアフイニーティクロマ トグラフィ ー (
の 2つについて検討を行った。
4
1 材料と方法
4
1
1 C
a
n
d
i
d
amaI
t
o
s
aにおける i
nv
i
t
r
o転写法
C
a
n
d
i
d
amaI
to
s
aにおける i
nv
i
t
r
o転写は、基本的には Woontnerら (Woonter
M.
andJ
a
e
h
n
i
n
gJ
.A.(
1
9
9
0
)、 WoonterM.e
ta
l
.(
1
9
9
1
)
)の S
a
c
c
h
a
r
o
m
y
c
e
sc
e
r
e
v
i
s
i
a
e
における報告を元に条件を検討・改良して行った。本法は G- フリーカセット
法と呼ばれる手法で、プロモーターの下流に連結したグアニンを含まない配列
u
n
o
f
f法による i
nv
i
t
r
o転写産物
を GTP非存在下で転写させる。現在までに R
が確認されていない酵母の系において、最も 一般的に用いられている方法の 一
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
e や動物細胞のみならず、
つであるといえる。また S
C
.u
t
i
l
i
s (
Pa悦u
r
a
j
a
nM.e
ta
l
.(
1
9
9
4
))や N
e
ct
r
i
ah
a
e
m
a
t
o
c
o
c
c
a (RuanY
.andS
t
r
a
n
e
yD
.C.(
1
9
9
4
)
) の細胞抽出液を用い ての成功例も報告されている。最終的なプロトコル
を以下に示す。
1
) i
nv
i
t
r
o転写に用いる鋳型の合成
鋳型の合成は当初、 Ruanと S
t
r
a
e
yの方法 (RuanY
.andS
t
r
a
n
e
yD
.C
.(
1
9
9
4
)
)
に従い、 p
B
l
u
e
s
c
r
i
p
t上にクローン化したプロモーターの下流に直接合成する方
6
5
法を試みたが、うまく行かなかった。これは PhageT7gp6e
x
o
n
u
c
l
e
a
s
eの活性
e
r
m
i
n
a
ld
e
o
x
y
n
u
c
l
e
o
t
i
d
e
を調製するのが困難であったためと考えられた。また t
t
r
a
n
s
f
e
r
a
s
e(
T
d
T
)の活性が通常使われるカコジル酸と塩化コバルトを用いた緩
衝液中では不安定である可能性も考えられた。そこで合成オリゴヌクレオチド
t
1n
lACTCA-3'(反転文字はアニーリングした│祭に EcoRV部位
刊 GG[
i
t
i
J
'
となる部位を示す。ここに目的のプロモーター断片を挿入した。
F
i
g
.4
2
1参
照)をプライマーとして、 dA
TP:
dCTP:
dTTP=
1:
2:1の存在下 (dGTPの非存
在下)、 TdTの反応緩衝液として 1
xOnePhorAll
b
u
f
f
e
r(OPAb
u
f
f
e
r
)(
P
h
a
r
m
a
c
i
a
B
i
o
t
e
c
h
)を用いて伸長反応を行 った (この dNTP比は鋳型中に TATA様配列が
生。じるのを極力防ぐためと鋳型配列の GC含量が 50%程度となることを期待し
て決定した)。この酵素による伸長反応産物の塩基数は dNTP濃度に依存する
ので、 dATP漉度として 50mM.100mM.200mMの 3段階の反応系を作り 、
それぞれの反応生成物を等量ずつ混合して以下の処理に用いた。合成した 一本
鎖 DNAは cDNA合成の要領で二本鎖化した、すなわち C を含まない 6塩基
宝酒造)を用
のランダムプライマーとアニーリングした後、KlenowFragment(
o
l
y
n
u
c
l
e
o
t
i
d
ek
i
n
a
s
e(宝酒造)を用いて末端をリン酸
いて反対鎖を合成し、 T4p
化した。得られた G フリ ーカセッ トは pUC19の SmaI部位にクローニングし、
E
c
oRV-E
c
oR1消化または E
c
oRV-S
a
l1消化によって挿入断片長と挿入方向を
判断し、適当なものを選択した後、塩基配列を決定した。最後に合成プライマー
c
oRV 部位に目的のプロモーター領域を挿入して以下の実験
中に導入された E
に用いた。
2) 転写活性のある無細胞抽出液の調製法
YEPD培地で 30"c一晩娠盗培養したC.m
a
l
t
o
s
alAM1
2
2
4
7株を 0
.
0
1% Y
e
a
s
t
/
1
0
0量植菌し 5時間振盤培養した(誘導をかける
E
x
t
r
a
c
tを補った誘導培地に 1
場合には本培養開始後 4 時間後に誘導剤を添加)。遠心により菌体を回収した
後、氷冷した蒸留水で一回洗浄し、得られた菌体ペレットを液体釜索で凍結し
9の凍結菌体に対し 1ml
た。以下の操作は氷上もしくは低温室でおこなった。 1
の緩衝液 A に懸濁し、完全に解凍した後、
フレンチプレスを用いて 2
0,
0
0
0p
s
i
、2 回の条件で細胞を破砕した。得られた細胞破砕懸濁液を氷冷した緩衝液 A
で 2倍に希釈した後、クボタ遠心機スイングロータ-R
S-4を用いて 2
,
0
0
0rpm
8,
0
0
0rpm9
0分間で順次
3分間の後、目立超遠心機ロ ー タ -RP50Tを用いて 4
2
2
.
4mgの硫酸アンモニウム、
遠心し上清を回収した。この上清 1mlに対し 3
66
および加えた 1
9の硫酸アンモニウムに対し 10μlの 1M水酸化カリウムを加え
て硫安沈殿を行い、目立超遠心機ローター RP45Tを用いて 3
8,
2
0
0rpmで 1時
9あたり 50μlの氷冷
間超遠心して沈澱を回収した。得られた沈澱は元の菌体 1
した緩衝液 B に溶解し、プロテアーゼ阻害剤溶液の代わりに 1mMPM5Fを添
0,
0
0
0のセル
加した緩衝液 Bに対して 2時間以上 3回、透析した(分画分子量 1
1
1
1
/
1
¥液を目立超遠心機ローター RP65Tを用いて
ロース膜を用いた)。得られた 1
4
0
,
0
0
0rpm3
0分間超遠心し、上清を小分けして液体窒素で凍結し、 8
0'cで保
存して以下の実験に用いた。
r
i
s
A
c
e
t
a
t
e(
p
H
7
.
9
)、0.5M(NH
ム50.,10m MMg50.,
緩衝液 A 0.2MT
20%(
v/
v
)g
l
y
c
e
r
o
l
使用直前にジチオスレイトール(終演度 1m
ルOおよびプロテアー
ゼ阻害剤溶液を添加1
)
0m MHEPE5-KOH(pH7
.
5、
) 20%(
v
/
v
)g
l
y
c
e
r
o
l、 1
0m MEGTA
緩衝液 B 2
l
OmMMg50.
、1
0m MZn(OCOCH
,
J
;
使用直前にジチオスレイトール(終渡度 5
mM)およびプロテアー
1溶液を添加
ゼ阻害斉J
1
0
0
xプロテアーゼ阻害剤溶液
100mMPM5F
,200mMベンズアミジン塩酸塩, 200μMベプスタチ
ン A,60μMロイペプチン, 0.2mg/mlキモスタチン,
(エタノール溶液)
3
) 転写活性のある酵母核抽出液の調製法
凍結菌体の作成は前項に同じ。 1
9の凍結菌体に対し 1mlの H M緩衝液を加
えて完全に解凍した後、
フレンチプレスを用いて 2
0,
0
0
0p
s
i、2 回の条件で細
0
胞を破砕した。これを液体窒素で再び凍結した後、同量の 1% ノニデットド4
を含む H M緩衝液を加え、 4'Cでローテーターを用いて穏やかに撹鉾しながら
/100加えて、さ
完全に解凍し、サイトカラシン B(lmg/mlの DM50溶液)を 1
らに 1
0分間撹排した。得られた抽出液から目立遠心機 RPR20口}ターを用い
(
1
)7
,
000rpmで 5分間遠心し、上清と緩く沈澱とな ったものを
て、分別遠心法 (
2
)6
,
500rpmで 5分間遠心し、上清と緩く沈澱とな ったものを回収、(
3
)
回収、 (
67
6
,
000rpmで 5分間遠心し、上ii'fを回収)により未破壊の細胞を除いた後、目 立
6
,
500rpm、3
0分間の高速遠心によ って核を
超遠心機 RP45Tローターを用いて 1
ペレツトとして分離した。得られた粗核画分は再び氷冷した HM 緩衝液(ノ ニ
デツト P
4
0 を含まない)に懸濁して、前述の分画遠心および高速遠心を 行い、
沈澱を精製核とした。得られた核ペレットは氷冷した日4
緩衝液で洗悔した後、
氷冷した緩衝液 B にj
管:溺し、1/5
1
誌の 3M硫酸アンモニウム(水際化カリウム
であらかじめ pH7に調製)を加え、 4'Cでローテーターを用いて穏やかに撹排
することによって核を破壊した後、 BeckmanTLA45ローターを用いて 4
5,
0
0
0
0分間の超遠心によって得られた上清を核抽出液とした。得られた抽出
rpm、 3
液。
はプロテアーゼ阻害剤溶液の代わりに 1mMPMSFを添加した緩衝液 B に対
して 2時間以上 3回、透析した(分画分子量 1
0
瓜刃のセルロース膜を用いた)後、
BeckmanTLA45ローターを用いて 4
5,
000rpmで 3
0分間超遠心し、上清を小
分けして液体窒素で凍結し、 8
0'cで保存して以下の実験に用いた。
H M緩衝液 (
W
i
n
t
e
r
s
b
e
r
g
e
rU.
e
ta
l
.(
1
9
7
3
)
)
)
2
1MS
o
r
b
i
t
o
l、7%F
i
c
o
l
l4
0
0(
P
h
a
r
m
a
c
i
aB
i
o
t
e
c
h
)、O.5mMCa(OCOCH
3
0mMリン酸カリウム (
p
H
6
.
5
)、
、2
mMに添加
使用直前に PMSFを終漁度 1
4) i
nv
i
t
r
o 転写法
1
) 無細胞抽出液(又はそれを緩衝液 Bで適宜希釈したもの)12μlに0.5M
ジチオスレイトール 0
.
2μ
lおよびリボヌクレアーゼインヒピター(宝
酒造、もしくは和光 )0.
3μlを添加し氷上でインキュペー卜しておく。
2
) 5xIVTC緩 衝 液 体lに鋳型プラスミドを適当量(通常 1mg/mlを1
μ
1
)
および 1%ノニデットド4
01
.25μlを添加し蒸留水で 1
1
.
5
μ
!とする。
氷上でインキユペートしておいた抽出液 (
1
2
.
5
μ
1
)を加え(総量 2
5
μ
1
)
を室温 (
2
5'C)で 3
0分間静置。
3
) 6xNTP混合液 5μlを加え、さらに室温で 1
1
時間静置。 (
3・
-O-MeGTP
濃度は抽出液のパッチごとに検討 )
4
) 0
.
3
2山 l
i
t
/
μ
lの RNaseT1(
S
I
G
恥1A)を含むT1緩衝液 1
2
0
μ を添加し、
6
8
37'
c2
0分間静置。
5
) 反応停止緩衝液 25μ!と 2mg/mlプロテイナーゼ K (和光)2
5
μ
lを添
加し 3
7'
C3
0分間静也。
6
) 反応生成物を 1MT
r
i
s
H
C
l(pH8
.
0
)で飽和したフェノール・クロロホ
ルム・イソアミルアルコール (
2
5
:
2
4
:
1
)2
0
0
μlで 2回抽出し、 3 M酢酸
ナトリウム(酢酸で pHを 5
.3に調製 )
1
0凶とエタノール 5
0
0
μ
lを加え、
8
0'Cに 1時間以上静置。
7
) 1
5,
000rpm、1
5分間冷却遠心して反応生成物を沈澱させ、上消を完全
にのぞき、 1
0
μ
l のホルムアミドサンプル緩衝液に溶解した後 95'
C3
分間静置して RNAを変性させる。氷上で急冷した後、 8.3M尿素を含
む 6%変性アクリルアミドゲルで分離。ゲルを乾燥した後、転写反応
生成物のシグナルをイメージアナライザーで解析。
5xIVTC緩衝液 2
1
0m MHEPES-KOH(pH7.
5
)
、 30%g
l
y
c
e
r
o
l、
290mM CH
COOK、50mMMg(OCOC
同)
2、5mMEGTA、
3
3.75%PEG4000
6xNTP混合液
12mMATP、12mMCTP、0
.2m
MUTP、1mM3
'
O
M
eGTP
(以上 P
harmaciaB
i
o
t
e
c
h
)、0
.
0
6
u
n
i
tクレアチンホスホキナー
ゼ
、 200mMホスホクレアチン(以上 S
I
GMA)、
0
.
4
μC
i/
μ
l
[
α
.
_32p
]UTP(SP6/T7g
r
a
d
e
)(Amersham)
T1緩衝液
反応停止緩衝液
r
i
s
-C
l(pH7.
5
、
) 300mMNaC
l
、 5m MEDTA
1
0m MT
0.8mg/ml酵母 tRNA、4%SDS
ホルムアミドサンプル緩衝液
80%formamide(
d
e
i
o
ni
s
e
d
)、0
.
1% BromophenolB
l
u
e
、
0.1%X
y
l
e
n
eCyanolFF、1xTBE
6
9
4
1
2 ゲル移動度シフトアッセイ
nv
i
t
r
o 転写が確認された緩衝液条例でゲル移動度シフトアッセイを再
今回 i
検討した。
1
xパインデイング緩衝液で適宜希釈した細胞抽出液 2
μ
lを1
0
xパインデイン
グ緩衝液 0
.
8
μ
l、50%グリセロール 2
μ
l、1%ノニデツト P4
00.
5
μ
l、 1mg/m!p
o
l
y
(
d
I
dC)p
o
l
y(
d
I
dC
)0
.
5
μ
l、[
α
3
'
P]dCTPで末端標識した 6426プロープ 1
μ
l
(第
3章参照)および蒸留水 3
.
2
μ
l と混合して室混で 3
0分間静置した。以降の解析
方法は第 2章参照。
1
xパインデイング緩衝液 50mMHEPES-KOH(pH7
.
5
)、70mMC同 COOK、
10mMMg(OCOCH
山
、 4mMMgSO.、5mMEGTA
4
1
3 DNAアフィニティーマトリ ックスを用いた無細胞抽出液の分画
DNAアフイニティーマトリ ックスはニッポンジーン社の EASYANCHOR
BamHI-Nを用い、添付説明書に従って
8
x6426(
第 3章参照)を固定して作成
0
した。無細胞抽出液 1m! に DNA を固定化したマトリックスをゲル体積で 1
μ
l懸濁し、氷上で 30分間イ ンキュベー トした後、 5
,
000rpm、2分間の冷却遠
心でマトリックスを沈澱させた 。上清を完全に取り除き、氷冷した 1
x パイン
デイング緩衝液 5
0
0
μ
lで三回洗浄した後、より高濃度の酢酸カリウムを含む 1
x
パインデイング緩衝液3)凶で順次洗浄してI:NAに結合した蛋白質を浴出した。
4
-1
4 へパリンアガロース
アフィニティーカラムを用いた
無細胞抽出液の分画
へパリンアガロースカラムは H
iTrapHeparin1m!(
P
h
a
r
m
a
c
i
a6
i
o
t
e
c
h
)を用
いた。ペリスタポンプを用いて緩衝液 B でカラムを平衡化した後、シリンジを
用いて 1mlの抽出液をロードした。 10ml以上の緩衝液 Bで非吸着函分を洗い
流した後、より高濃度の酢酸カリウムを含む緩衝液 B で順次溶山した。使用後
のカラムは 0.5M盗化ナトリウムを含む O
.lM トリ ス塩酸 (
p
H
8
.
5
)および 0.5M
境化ナトリウムを含む O
.
lM 酢酸ナトリウム (pH4.5)で交互に洗浄した後、 0
.1%
アジ化ナトリウムを含む 20%エタノールを満たして 4'Cで保存した。
70
4
2 結果
4
2
1 i
nv
i
t
r
o転写に用いる鋳型の合成
F
i
g
.4
2
1 に合成し、塩基配列を決定した G-フリー配列の幾つかを示す。
Ruanと S
t
r
a
n
e
yの報告よればI
F
Jいる鋳型 DNAの配列によって i
nv
i
t
r
o転写の
効率は大きく影響を受ける (
RuanY
.andS
t
r
a
n
e
yD
.C
.(
1
9
9
4
)
)。そこでそれぞ
れの EcoRV部位に ALK5のプロモーター領域を TATA配列直下流の B
g
l
l
l苦1位
を用いて連結 (TATA配列下流の G 塩基を出来るだけ除くため、切り出したプ
eenNuc
Je
a
s
eを用いた平滑末端化の後、 E
c
oRV部位に挿
ロ.モーターは MungB
入した)したものを用いて S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eの無細胞抽出 i
夜中で実際に転写反応を行
い (
ALK5 プロモーターは S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
e 中で構成的に発現している。第 1章参照)
効率的に転写反応が進むことを確認して、以下の実験に用いることとした。
F
i
g
.
4
2
2にS
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eの抽出液を用いて i
nv
i
t
r
o転写を行った結果を示す。
GF5、GF8 を鋳型に用いた場合にはそれぞれ合理的な位置に特異的転写の結果
と考えられるバンドを検出することが出来た(図中矢印で示した)0 GF7 を鋳
型に用いた場合には特異的転写の結果と考えられるバンド以外に、それより短
い約 1
20b の転写産物が確認された。何らかの原因で転写反応が途中で止まっ
てしまった結果と考えられる。 GF5と GF8では前者の方が長い配列を含んでお
り、また転写反応で得られるシグナルも強かった。 GF5は E
c
oRV切断部位か
ら4
0bpの位置に TATAボックスに類似の配列を含んでおり (
F
i
g.
4
2
1
)、i
nv
i
t
r
o
転写反応への影響が懸念されたが、仮にここが転写開始を指示する配列として
00b より短い転写産物が観察されるはずであり、そのよう
機能を持つならば 2
なバンドが観察されなかったことからこの配列は機能を持たないと判断した。
GF5はまた、鋳型配列の末端に制限酵素 (MunI)認識音1位を生じており (
F
i
g
.
4
2
1
)、鋳型となる部分のみを切り出すことができるという点でも 今後の応用に
有利であると考え、以後の解析にコントロールとして用いることとした。
a
l
t
o
s
aの細胞抽出液を調製して同様の実験を行ったが、有
なお、同時にC. m
意な転写が認められなかったので、以下、反応条件の検討を行った。
4
2
2 転写活性のある無細胞抽出液の調製
a
l
t
o
s
aの抽出液を用いて i
nv
i
t
r
o転写を行った結果を F
i
g
.
4
2
3に示す。
C
.m
より早いステージで回収した菌体から調製した比較的高濃度の刷出液を用い
7
1
GF7
GF8
GF5
ATATC ~
ATAT凶
21
38
41
51
CTCACTCTCC CCCTCTTCTT TCCTAACTCT CCCCTTACAT
CTCAACCATT CCCCTTCCCC CCTCCTCTCA CCTCCTAAAT
CTCACTCCAC 刊 ACCTCCCC CACATCCAAT CCTCCCWATAI
Ecol
'
f
i
61
71
81
91
181
CCTACTCCCA CTCTCTCCTA TCACCCCCCC ACCTCCCCAT CCCCTCCTTA
CTAACCTCCC CTCCATATCT CCCCATCTTC ACCTCCTCCC TCCTCACATT
TCCTTCCCAT CATCCCCCCA CACATTCTCC CCATTCATCC AAATTACTCC
15f
I
J
111
121
131
141
CCACCCCCCA CATCCCCCTT TCCTCCTCCT ACCCCATCCC CCCCCTCCTC
TCCCTCTCCA ACCATCTTTC CCTTATCGCA TATTCTTTCT TTACTTCATA
ATCCCTATCC CTCTCCCCTC TCTCCTCCCC CCACCTCTTC CCCCCTCAAT
161
171
181
191
2
1
1
1
CAATTTTATC CCCCCAC---ー一一一一一一一一一 一
一
一
一
一
一
一
一
一
一 ー一一一一一一一一一
CAACATTCAC CTCTCATCCC ACCAC--ー
一
一 一一一一一一一一一一 一一一一一一一一ーATCCCTCTCC TTTTCCATCC CTACCCCTCC CCACCTCAAA TTCCTACCCC
211
221
231
241
251
ー
一
一
一
一
一
一
一
一
一 一一一一一一ーー一ー ー -GGGATCC TCTAGAGTCG ACCTGC・・ーー
一
一
一
ー
一
一
一
一
一
ー 一一一ーー一一ー一一 ー
一
一
一GGATCC TCTAGAGTCG ACCT.
CATACCACTT ATTCTTqtAA TTGtGGATCC TCTA附 TCG ACCTGC
MunI
F
i
g
.4
-2
1 合成した G・フリー 配列 の塩基配列
合成し塩基 配列を決定したもののうち実際に転写反応に用いた 3種を示す。
G- フリーカてット中の注目すべき配列(制限酵素認識部位、及び TATA ボッ
クス機配列) は四角で図 っ た (本文参照)
。
72
UV
∞ 九回
ov
ト 日同
同 V
m
hO
-v
(base)
5
0
0惨
・
4
0
0,
.
3
0
0砂
2二一
:
:
=
4時一
ー
特I!"
..
一一一一
1
0
0
F
i
g
.4
22S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
e抽出 液に よる i
l
lv
i
t
r
o転写
プロモーターは全て ALK5 プロモーター。分子量マーカーには核酸分子量マー
カー l00bpラダー (NEB)をリン酸化により末端ラベルして用いた。なお、本実
験は標識した
CTPを用いている 。
73
Glc
(ーーーー'¥(
Template
α-Amanitin
TD
、
ー++-+干
一一+一一 +
(
b
a
s
e
)
i
i
it
3
0
0惨
2
0
0砂
1
0
0砂
F
i
g
.
4
・
2・3 C
.m
a
l
t
o
s
a抽出 液を用いた i
nv
i
t
r
o転写
鋳型には GF5 を ALK5プロモーターに連結して使用した。 日ーアマ ニチンには
終濃度 l~g/ml で添加した 。 Glc (グルコース屠養菌体抽出液)及び TD(nーテ
トラデカン誘導菌体の抽出液)は総蛋白質として約 30μgを 1 レーンの反応に用
いた 。 なお、本実験には標識ヌクレオチドとして CT
Pを用いている 。
7
4
ることで、鋳型プラスミド依存的な約 2
00b の転写産物の生成を確認できた 。
この転写反応は 1
0
μ
g
/
r
n
lの αーアマニチン (SIGMA)の存在で阻害されたがその
有効濃度は 一般に知られているより高かった (RNA ポリメラーゼ I
I は通常
1
μ
g
/
r
n
lの α
ーアマニチンで完全に阻害される)。
F
i
g
.4
2
2および Fig.4・2
3の実験では標識ヌクレオチドとして [
α
:
_
3
2
p
]CTP
を用いた。これは鋳型として C 残基を多く含む配列を用いていることから標識
CTP を用いることでより高感度で転写産物を検出できると考えたためである
(RuanYandS
t
r
a
n
e
yD
.C
.(
1
9
9
4
) 参照)。しかしその結果 tRNA-シチジルトラ
00b 以下の非特異シグナルが非
ンスフエラーゼ活性に由来すると考えられる 1
常に強くなる結果を得た。さらにこの酵素の活性が培養条例ニによって著しく異
なる(テトラデカン誘導菌体で強い。 F
i
g
.4
2
3参照)ことから、実験結果の定
量的な評価に影響を与えると考えられた。そこでこの実験以後の反応では標識
3
2
α
_p
]UTPを用いることとした(SwadogoM.e
ta
l
.(
1
9
8
5
)
ヌクレオチドとして [
および F
i
g
.
4
2
3脚注参!l¥l)。
F
i
g
.
4
2
4にC.m
a
l
t
o
s
aの細胞抽出液を用いた z
nv
i
t
r
o転写の反応条件につい
て検討した結果の l例を示した。鋳型としては ALK5プロモーター下流に連結
した GF5 を用いた(以後、特に断らない場合にはこの鋳型を標準として用いて
いる)。この実験の結果から明らかになったことを列挙する。
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
e抽出液を
i
) 細胞抽出液濃度、および鋳型 DNA濃度への依存性が S
用いた既報の場合より高い。すなわち、どちらを減らしても転写活性は著
しく減少した。また、鋳型プラスミド濃度を上げることで転写産物量が著
しく増加した。
i
i
) 未標識の UTP濃度は 3
0μMが最適であった(データは示さない)0 50μM
では標識 UTPの取り込みに若干の阻害が見られ、 1
0
0
μMではほとんど阻
害された。
i
i
i
) 反応中の ATP再生産系に関してはホスホエノールピルビン酸 (
P
E
P
)を用
いる場合 1
0rnMで添加したが、この量を増やしても転写 f
まにはほとんど影
nvi
tl'O転写に阻害的であった。
響がなかった。 50rnMではむしろ i
i
v
)
Z
a
b
e
t
t
aと B
o
a
r
n(
1
9
9
6
)はプレインキユベーシヨン時に 10μMATP(また
7
5
旬
ω
ゼヱ之 ω
N
-凶Vb
一
,
,
¥2100 +
同
V L帯 量
212+v 'J‘棒
点
OU︿)ロN
/21N+V
de
¥2HgH+V 事1 t
・
v
7
Fa
'
品
fs
E 百口的+V 骨 三議
・
V 4 胃 ・内
﹃、×山
LH︿r
‘
・
fEv
L-
目白山
+v
t
ED20υ ﹁EEDDTV e
f2
HV--帯雨﹁主
i
w- t
話
z
t
a
Ju
zrm・--A'd申
}E14ぜ AW
44
・
た
品
並
--μ・
崎
,‘
.
、
・ ---d1he
炉
、 ・‘め
﹄F
,
‘
q
7
6
骨
•••••
υ
n
、
しる
。
内向凶
・
・
、芝同
22品目 ω'H凶自由・DVI
畠亨高
3
0
0t
>
••
1
0
0
1
1
3
2jk L
•
6
元畠
a
'nu
2レーン自がコン トロール反応 (鋳型 DNAlμg、総蛋白質3!ltg
)
oCo
l
d
左から
SE4fN
阿国自
‘
2
ωじ E523υ v守町
(
22
ω有志 v NV F'
ω
E
(
b
a
s
e
)
5
0
0惨
4
0
0砂
F
i
g.4・24 C
.m
a
l
t
o
s
aの i
l
lv
i
t
r
o転写反応条件 の検討
UTP、PEP(ホスホエノ ーJレピ ル ビン酸 )、ATP及び酢酸亜鉛はプレインキユ
Pを用いて
ベー ト時に添加した。 なお、本実験に は標識ヌク レオチドとして CT
-
はそのアナログ)を添加することで転写開始複合体の形成が促進され、 i
nv
i
t
r
o
転写を著しく充進すると報告している (Coda-Zabet
t
aF
. and Boam D
.S
(
1
9
9
6
)
)が、検討した限りでは目立った効果は見られなか った(データは 示さ
ない)。添加濃度を上げて再検討したが、やはり転写産物の地加はなかった 。
v
) プレインキユベーション時に 10μMZn(OCOCH
F
i
g.
4
2
4
)や 0
.
0
5% ノ
)
2 (
3
4
0(
F
i
g
.
4
2
1
1、F
i
g.4
2
1
2など)を添加する事で転写反応が促進
ニデット P
I
された。 Zn(OCOCH
しでも転写産物量が
2 の場合には 10μM以上添加l
3)
それ以上増えることはなかったが、 ノニデツト P
4
0の場合には 0.5%の添
加l
ではさらに転写反応が促進された (
F
i
g
.
4
2
1
1
)。
以上の条件検討をもとに
lnv
i
t
r
oでの
n アルカンによる転写誘導の再現を試
みた。すなわち、グルコース培養菌体およびかアルカン誘導菌体からそれぞれ
調製した抽出液中で
ALK5プロモーターおよび CYClコアプロモーターからの
転写量を検討したが、いずれの反応条件下においても有意と認められる転写産
F
i
g
.
4
2
5F
i
g
.
4
2
1
1を参照)。
物量の差は確認されなかった (
そこで、 2種のプロモーターを同 一反応中で競合させることを試みた 。この
とき長さの異なる G- フリーカセットを用いればそれぞれのプロモーターから
i
g
.
4
2
2で用いた A
LK5プロモーター下流に
の転写産物を区別できると考え、 F
GF8を連結したもの (
A
5
G
F
8
)を CYC-GF5と競合させた。また対照として A5GF8と A5GF5の競合実験もおこなった。 F
i
g
.
4
2
5にその結果を示す。用い
た 3種の鋳型を単独で転写させた場合、それぞれの転写量に抽出液による有意
な差は見られない。 A5-GF8を CYC-GF5を競合させた場合には、グリセロール
培養菌体の抽出液では CYC-GF5 の転写が優先的に行われるのに対して、テト
ラデカン誘導菌体の抽出液中では両方の鋳型が同様に転写された。 一方
、
A5-
GF8と A5-GF5の競合ではどちらの抽出液においても両方の鋳型からの転写反
応産物が認められたことから、グリセロール培養菌体抽出液における CYC-GF5
の鋳型としての優先性は G- フリーカセットの配列の違いに起因するものでは
ない、つまりかアルカンによる誘導によって、転写の際の
の選択性が上昇した結果であると考えられた。
77
ALK5プロモーター
+
一
一 v
++-v
一+-v
一++v
TD
一+v
EAFrrr
AAm
+
一
一 v
++-v
一+-v
一++v
+V
一
一G G G
G
l
y
.
Fig.4
・
2
-5 プロモーターの選択性
鋳型プラスミドは、+では全て 1μg添加した。
菌体抽出液は総蛋白質として 1反応あたり 30μEを用いた。写真の右側にそれ
ぞれの鋳型の転写産物の位置を示した。中央のレーンは分子量マーカー。 Glc,
グルコース培養菌体抽出液 ;TD
,テトラデカン誘導菌体納出液
(
A
)全体図
(
8
)Glcの 5 レーンの拡大図(次頁)
図(次頁)
78
(c)T
.Dの 5 レーンの拡大
B
ASGFS ASGF8 CYCGFS
ー
ー
+ +
+
+
ー
+ + ー +
ー
ー
τ .
t
"tr~
込
諸
島 ,
可
v
ぜ
身
~-
.
φ,
,
C AS-GFS _
ー
+ +
+ + ー
ー
ー
ー
v司片手
ー
+
+ +
AS-GF8 CYC-GFS
可
1
GF8砂
~!
安'
古
車
F
i
g.4
2
・5 プロモータ}の選択性(続き)
(
8
)Glcの 5 レーンの拡大図(次頁)
7
9
(
c
)T.Dの 5レー ンの拡大図
ι2-3 転写活性のある酵母核抽山液の調製とそれを用いた i
nv
i
t
r
o転写
l
1v
i
t
r
o転写で、誘導条件下での ALKプロモ ーターか
全細胞抽出液を用いた i
らの転写の上昇がわずかであった原因として、 細胞質にはもともと活性 をもっ
形でアルカンによる転写誘導に関与する因子が存在し、アルカンによる刺激に
よってこの因子が核内へ移動することが ALK5の転写誘導に重要である可能性
を考えた。つまり非誘導菌体では目的の転写因子は細胞質に存在するため
ALK5 プロモーターからの転写は起こらないが、細胞抽出液 ではその様な転写
l
1v
i
v
oの場合と異なり転写が起こるようになった
因子の局在性は失われるため i
と考えられる。もしこの仮定が正しければ非誘導菌体の核抽出液を用いた
1
1
1
v
i
t
r
o転写では ALK5プロモーターからの転写は CYCl コアプロモーターからの
転写と 比べて著しく弱いもしくは誘導培養を行った菌体の核刷出液では
ALK5
プロモーターからの転写が CYCl コアプロモータ ーからの転写と比べて著しく
強いことが期待される。そこでC.m
a
l
t
o
s
aの核を単離する事を試みた 。
酵母核の単離方法についてはこれまでに幾っか報告例がある(田村隆明編、(
1
9
9
3
)、LohrD
.(
1
9
8
8
)、LueN F
.e
ta
l
.(
1
9
9
1
)、A
r
i
s.
JP.andBlobelG.(1991)
田
総説は Zi
n
s
e
rE
.e
ta
l
.(
19
9
5
)を参照)が、いずれの方法も、酵母細胞のスフエロ
プラスト化が最初の重要なステップであり、その後炭素源と窒素源を加えてイ
ンキユベートする事によりスフエロプラスト化の聞に低下する転写活性を回復
させるステップを必要とする。しかし、本研究で誘導剤として用いているかア
ルカンは非常に疎水性であるため誘導培養には激しい振滋が必須であることか
-アルカン培養菌体から既存の方法で充分な転写活性のある核を調製する
ら
、 n
ことは難しいと考えた。
(実際にこれら幾つかの方法を用い て試みたが、有意な転'.9:活性は検出されな
かった。また試みに ALK 遺伝子の転写を誘導した細胞をスフエロプラスト化
し、その過程における ALK の転写をノーザンハイプリダイゼーシヨンにより
F
i
g
.
4
・2
6
)全体的な転写活性はスフエロプラスト化の間に検出
追跡したところ (
限界以下までに減少し、以後
1
1
- テトラデカンを添加(シャーレに薄く広げた細
胞懸濁液にエマルジョン化したアルカンを加えてスフエロプラストの溶菌が最
小限となるように振麗し、アルカ ンの 泊滴を拡散させた 。) しでも回復する事
はできなかった。)
そこでスフエロプラスト化を行わずに核を単離する事を検討した
(
本章、材
料と方法の項参照)。全細胞抽出液の調製の際にフレンチプレスを用いたが、
8
0
12345678
TTTTTTTT
可
也
.
.
. .
ALK5 砂
ACTl砂
ALK2 惨
F
i
g
.
4
2
6 スフエロプラスト 化 による転写の停止
左記の手順でスフエロプラスト化を
行い、そこから回収した菌体の全
RNAを抽出して ALK5、ALK
2、及び
ACT
lのプロープ(第一章)を用いて
ノーザン解析を行った。左の図中、
四角囲みの数字は上の写真のレーン
の番号と対応している。
雫と→日
可
E + 125
8
1
_ _ _ _ _ _ J 司 圃 圃 圃 圃 圃 ・ ・ ・E ・ E
・
a
これによって得られる抽出液の粘度は用いる緩衝液のイオン強度によって異な
り、核の破砕効率の差を反映していると考えられた
(低イオン強度の緩衝液を
夜中に放出されないため、
用いると核が充分に破壊されず染色体 DNA が抽出i
低粘度の抽 出液が得られる )。また、界而活性斉J
I ノニデツト P
-40は細胞膜を可
hrD.(
19
88)など)。そこで浸透圧安定化斉J
I
溶化するが核膜には作用しない (Lo
(1Mソルピトール)存在下で細胞を破壊し 、凍結融解(Schle
n
s
t
e
d
tG
.e
ta
l
.
(
1
9
9
3
)
)
およびノニデツ トP
40処理によって細胞膜を破壊し、さらにサイトカラシン B
処理よって細胞骨格を破壊(Kal
i
n
i
chJ
.
F
.e
ta
l
.
(
1
9
8
9
))すれば核を細胞質成分か
ら分離できると考えた。このようにして得られた酵母核は F
i
c
ol 400 を用いた
分別遠心法(LohrD.(
1
9
8
8
))により集めることが出来ると期待される。以上の
考察に基づき、本章材料と方法の項に記した方法に従って核の単維を行い、
DAPIを用いた蛍光顕微鏡観察に より核の単離を確認した (
データは示さない)
。ここから調製した抽出液は全細胞州出 液より高い DNA/蛋白質比を示し(す
なわち A28fJ/ A瑚あるいは A四 /A2曲値 (
吸光度比)が低い)、有効に核が単離で
きていると考えられた。調製した核抽出液の SDS
- 変性アクリルアミドによる
i
g.
427に示す。
電気泳動パタンを F
Fi
g
.
4
2
8
)。しかし、
この方法で調製した核抽出液は転写活性を有していた (
ルテトラデカン誘導菌体より調製した核抽出液において ALK5プロモーターか
らの転写産物量は、 CYCl コアプロモーターからの転写産物量を標準としたと
き、グリセロール培養菌体核抽出液のものより増加しておらず、 CYCl コアプ
ロモーターとの競合実験においても全細胞抽出 液を用いた時との有意な差を認
める事はできなかった。従って、現段階では冒頭 に書いた仮説、つまり転写因
子の核への移行がアルカンによる転写誘導における l
唯一重要なステップである
とは考えにくいと結論した。
424 転写活性のある抽出液の分画
Fi
g
.4
2
9(
A) に会菌体抗l
山液のゲル移動度シフ トアッセイを i
nv
i
t
r
o転写で
活性が認められた緩衝液条件で再検討した結果を示す。主要なバンドとして
F
i
g
.2
2
4で認められたものと同じと考えられるシフ トバンドが得られた。これ
により、この蛋白質 DNA 複合体は転写が行わ れている条件下でも形成されて
g
.42
-9(
8
)にFi
g
.42
-9(
A
)で得られた競合実験の結果か
いると考えられる。 Fi
ら各バンドを定量して片対数グラフにプロッ トした結果を示した。この結果得
82
G
F
N
kDa
175
- 83
- 62
- 47.
5
- 32.
5
- 25
亀
- 16.
5
•
- 6.
5
F
i
g
.4
-2
・7 スブエロプラスト化を行わずに調製した骸抽出液
の SDS-PAGE
鍋出法については本文参照.
G,凍結菌体をパッファ ー Bに懸濁してグラスビーズ法により破砕
して得た全細胞抽出液
F,フレンチプレスを用いて細胞を破砕した後にグラスビーズ法で
他出して得た全細胞抽出液
N,核鏑出液
‘は震聖母の核蛋白質である 8防 出a
r
i
n(分子量 38kD
a
)と推定され
るバンドを‘ .はヒスト ンと推{されるバンドを示す.
(
5.
αTevlSzae から調製された骸摘出液の S
0
5
トPAGEのパターン
(
A
r
isa
n
dB
l
o
b
e
l(
1
9
9
1
)との比較による.)
83
h
GFS惨
,
ー
可
GFS砂
GF8.
.
.
.
Fig.4
・
2・
8 核抽出液を用いた
φ
i
l
lv
i
t
o
r
o転写
(
A
)グルコ ース培養
(
8
)テトラデカン培養
i
g
.
4
2
5
.参照
図の構成は F
8
4
+--v
+
++-v
-+-v
ASGFS AS-GF8 CYCGFS
.
z
γJ
'
.
g
ad
み
GF8砂
B
+--v
可
F
++-v
+
-+-v
AS-GFS ASGF8 CYC-GFS
一
++v
A
一
A-MCCNV
山一尚宏V
N
s
-v
'
a
-
山
一
r
-
、
p
t-
n
U一 三 一
V
﹁ SCNV
MM
n
-
D
一
mv
回一同-
MNV
r
E
﹄
“
m
u-ζ-v
一
AU
白﹁
υv
。
﹂
言
。
S
h
i
f
tband~
S
h
i
f
tband砂
W~ ~
F
r
e
eProbe砂
F
i
g
.
4
2
・9
(A) 転写反応条件におけるゲルシフトアッセイと、その競合
阻害
ColdT
a
I
g
e
lDNAとして B
4
2
日断片を、 u
n
r
e
l
a
l
e
dDNAとして超音波処理した
ウシ胸腺 DNAを用いた。写真左側にシフ トバンドの位置を示す。
8
5
y = ー
5.
2
*
L
n
(
x
) + 114.74
= ー12*
LOG (
x
) + 114.
74
100
= 0.6404
〉
、
+-J
u
C
ω
.B42B
さ 50
y = ー16.
5脅
しn
(
x
) + 114.54
同E O
ω
一
= 3B*LOG (
x
) + 114.54
R2 = 0.9821
。
10
100
1000
Competitor c
o
n
c
e
n
t
r
a
t
i
o
n
Fig.4
・
2・9(
8
) 転写反応条件におけるゲ ルシフ トアッセイと、その競合
阻害
A(
前頁)の各ノTンドを定量し、パックグラウンド値を差し 5
1
いた後、片対数グ
ラフにプロットした。回帰計算で得られた近似曲線、近似式、及び
した。
8
6
R'
l
直
lを併記
-ー~
られた回帰式からこのおi
山 液 中 の ARR5結合蛋白質は B42Bに対してはウシ胸
腺 DNAと比較して約 2
0
0
0倍の親和性を持つと計算される 。
I
Wして i
nv
i
t
r
oi
伝写に与える影響を検
このシフトバンドを与える蛋白質を N
討することを試みた。 F
i
g
.4
2
1
0に DNAアフイニティ ーマ トリックスを用い
て分画した結果(このときは溶山には 2.0M酢 酸 カ リ ウ ム 溶 出 緩 衝 液 の み を 用
いている。以後の解析からこのゲルシフト活性は1.0M 酢酸カリウムで溶出さ
F
i
g
.
4
2
1
3
)
)。この分画によりもとのおb
W
i
夜中のバンドシ
れることを確認した (
フト活性は完全に消失し、 2.0M酢 酸 カ リ ウ ム 溶 出 画 分 に こ の 活 性 を 濃 縮 す る
こ とができた。
I
この分画の結果得られた薗分を用いて i
nv
i
t
r
o転写について検討した結果を
F
i
g
.
4
21
1に示す。 DNAアフイニティーによって、 ARR5結合性の蛋白'Etを枯
句
nv
i
t
r
o転写活性は (CYC-GF5を鋳型に用いた場合も A5-GF5
渇させた画分では i
を鋳型とした場合と同様に)ほほ完全に消失しており (DEPl-3
)、この画分に
お1出された画分を加えても活性を回復させることはできなか った (DEP3+ B
P
)
一 方 ARR5結合性蛋白質を枯渇させる前の画分 (
C
o
n
t
r
o
l
)に分画した結合性
蛋白質を加えることにより、転写効率の向上が認められることを見いだした
(
C
o
n
t
r
o
l
+
B
P
)。この活性上昇は A5-GF5 を鋳型とした場合に顕著であると考え
F
i
g
.4
2
1
1
) 、反応系に加える画分を濃縮して再検討した結果では
られたが (
CYCGF5 を鋳型に用いた場合においても有意な転写効率の向上が認められた
(
F
i
g
.4
2
1
2
)。
F
i
g.
4
2
1
3に、ヘパリンーアガロースアフィニティーカラムを用いて王子園し
た結果を示す。予想外の結果としてこれまで 1種類のシフトバンドと考えてい
たものが 0.4M酢酸カリウム溶出面分と1.0M酢酸カリウム溶出画分とに分離さ
れた。
F
i
g
.
4
21
4ではそれぞれの画分について改めてゲル移動度 シフ トの競合
実験を行った。その結果 O
.
4M 酢酸カリウム溶出画分のシフトバンドの結合特
異性が 1
.0M 酢酸カリウム浴出画分のそれと比べてきわめて高いことを確認し
た。これらの画分の i
nv
i
t
r
o転写に与える影響に関しては現在のところ明らか
ではない。
8
7
V
E N}dv凶
(
E=J4V
v
百ZEu--
,
E tGZV
回目
)
=
.
“
祝日寺
(
1町主 J〆
{
MV
EMOV
Eu
h
cv
z
v
EEMV
高官£。
E言。
一
uv
A)
Shi
f
lsand~
S
h
i
f
lsand~
日間I'r
obe~
Fr
e
eI
'r
obe~
F
i
g.
4・2・10 DNAアフィニテイレジンを用いた
DNA結 合 蛋 白 の 分 画
Cont
r
o
lは分画を行う1li
J
の主J
J
W液によるゲ Jレシフト 。 DEPl- 3は 7 7イニティ
抽出操作を 1、2、3 回行った抽出液のゲルシフト。レジンに吸着した賓白質は
2.0M!
、
.
ja
Clを含む溶出バッファーで抽出した後、脱息してゲル移動度シフト法
により解析した。
8
8
、、.晶.固+柄拘同同白V
Ve
一包同白
24-sEV
V
士
一、 、
,
H
説得 , J
.
肉﹃箇+明白幽同白VO KT
bJ
v
該
e事
l -E
l
同
aV F
因。v
E
-ω
一・内回+
-錨抱骨 骨
、
因。v
f - o aω
一・
話-
J議
.
4
m
F5
秀静溢
'
では NP-40の添加効果に ついて再検討した。
i
nvitro転写反応の
F
i
g.
4
2
・1
1 アフイニティー抽出した画分による
一位同白
・ 主ニ
ヰ
av 急事
‘,巾
同白VJJ
議
azf
V
4
を
白ら
・・
事
y i'
J
2+-Easv
1及川急
?1
一包同
一
-E
4
2
事事
353
h J
1
J
d
i
i
r
SW
z
恒酔“民
﹄
刑制別別
8
9
v
h
同
v﹄h
し
t
r -。
bguv
悪事 ,
bfa--注・湿 V
e
g
zv
r
議
門
司
﹁
・
育会Kγ 盆 縛
h
F
h
FF '
1
0
0.
.
z
gEV
fd
3噂 i 占 字書絡事盤整
5
3 EV嘉脳 wzi 事変旬、
戸
一
主
主E-Y
むむ﹁
f 2-zzv
F
d
(
b
a
田)
活性化 (
1
)
トテトラデカン培養菌体の抽出液に DNAアフイニティーにより分画した画分
で結合蛋白質を枯渇させた抽出液の i
nv
i
t
r
o転写活性は著しく低下しており、こ
を加える事で i
n凹 t
r
o転写活性能の向上が見られた。 一方 DNA7 7イニティー
a
n
e1-4
れに分画した画分を添加しでも転写活性能の回復は見られなか った。 l
CYCJp
romoter
ALK5promoter
一一++
-+ー+Binding
O
.
5%/NI
'4
0
l'削 e
l
n
•• ••
4
・
"
三
番
一一++
一+ー+
・.
・.
.
=院
事 ..
F
i
g
.
4
2
・
1
2 アフイニティー抽出した画分による
i
nv
i
t
r
o転写反応の
2
)
活性化 (
F
i
g
.4
2
1
1 で用いた抽出画分を限外減過によって濃縮して反応系に添加したと
ころ CYC
1コアプロモ ーター からの転写も著しく促進された。
9
0
同
塁。 .
NV
刷
局
マ
.
。V
E0. V
E
N
.
ev
uv
)H同V
V
(刊
(同) '同同
-。﹄包囲。
凶
S
h
i
f
tBand砂
S
h
i白 Band.
.
.
.
Fr
e
ePr
o
b
e砂
F
i
g.
4
・
21
3 へパリンアガロースアフィニティーカラムによる
司
DNA結
合蛋白質の分画
"
C
o
nt
r
ol
"レーンにロードした抽出液をへパリンアガロース、 77ィニテイカラ
ムで分画した。 FT
. は葉通り画分。その後カラムに吸着した蛋白質を順次高波
度の酢酸カリウムを含むパ ップアーで洗浄したところ O.
4
M 及び1.0M の蘭分で
溶出を確認した。(この間に溶出の見られない画分が存在する事は別に篠認し
ている。 )
9
1
U
-MOC同
vl
岡。 N
﹁岡寸
一
V
NVJ
汁
‘九
﹁ MOC}[V f
一岡寸
械盤
NVA
2 VFW材組
﹁岡。
一
同
。
同
。
c一
1M
U
v
﹁ 岡 。 。 同-
VP¥ム
NV -
一 岡 亭-M画
一岡守
一
岡
。
c
O
.
4
M
S
h
i
f
tBand惨
Sh
i
f
tBand砂
F
r
e
eP
r
o
b
e砂
F
i
g
.
4
・
2・1
4 ヘパリンカラムによって分離した画分のゲル移動度シフト
アッセイ競合阻害実験
C、C
o
l
dT
a
r
g
e
tDNA(
8
4
2
8
);
U、u
n
r
e
l
a
t
e
dDNA(ウシ胸腺 DNA)。
O
.4M溶出面分のそれと比較して、非常に強い配列特異性を示した。
9
2
4
3 考察
本章ではC.m
a
l
t
o
s
aの i
l
1v
i
t
r
o転写系を用いて
1
1
- アルカンによる転写誘導に
ついて生化学的な解析を行うことを試みた。その過程において本菌の i
l
1 v
i
t
r
o
転写条件について検討を行い、その特性を明らかにした。また
1
1
-アルカン培養
条件下の菌体からの核の調製法の開発を行った。この方法は酵母核の調製法に
おいてザイモリアーゼによる細胞壁の破壊を行わない最初J
の報告である 。
4
3
1 Cal
1d
i
d
am
a
l
t
o
s
aにおける ;
1v
;
t
r
o転写
i
l
1v
i
t
r
o転写における ALK5プロモーターからの転写は以下のような特徴を持っ
ていた。
i
) 細胞抽出液濃度、および鋳型 DNA濃度への依存性が高く、異なる抽出液や
鋳型を用いた複数の実験結果を定量的に比較するのは難しいと考えられる。
(定性的なデータを取る べきである )
i
i
) 標識ヌクレオチドとして CTP を用いた場合、鋳型に依存しない放射活性の
取り込みが認められ、この取り込み活性 (tRNA シチジルトランスフエラー
ゼに由来すると考えられる)は培養条件によって異なった。故に標識ヌクレ
オチドとしては UTPを用いるべきである。
i
i
i
)プレインキユベ}ション時 (NTPmix添加前)の亜鉛イオンおよびノニデ ツ
4
0の存在が転写を促進する。亜鉛イオンに関しては前章で SDSで変性
トP
させた蛋白質の再生を試みた際に再生効率を上昇させることを見いだしてお
り、おそらく
DNA 結合能の発揮に亜鉛イオンが必要なのだと考えている
(Z
,
n-CyS2型の DNA結合領域を持つ可能性を考えている 。実際 GAl
A
、 P
IP2
、PPR1、LEU2、PUT3など多くの酵母の転写因子がこの型の DNA結合領
巴i
nR
.andH
a
r
r
i
s
o
nS
.D
.(
1
9
9
4
)、MarmosteinR
.e
ta
l
域を持つ (Marmost
(
1
9
9
2
)、R
o
t
t
e
n
s
t
e
i
n
e
rH.e
ta
l
.(
1
9
9
6
)
)。 ノニデット P
4
0に関してはその作用
l
1v
i
t
r
o転写においては界面活性剤の存在は潜在的に
は不明である。(一般に i
害で あると考えられている (
L
o
h
rD
.(
19
8
8
)
)。
反応溶液中での蛋白質の凝
集を防止し、転写に必要な因子の回転を補助する効果があるのあるのかも知
93
E写
里 里 里 雪円
れない。
時間に関しては S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eでの条件を使用
なお、反応の際の温度条件や反応 1
しており詳しい検討は加えていないが、 30 'cで反応を行った際にも転写産物
が認められることを確認しており、今後検討すべき点と考える。また、
1
1
-アル
カンがリガンドとなって転写因子に結合しているという仮定の下に、使用する
緩衝液をアルカンで飽和させて細胞抽出液の調製の際のリガンドの拡散を防止
することを試みたが効果は認められなかった。疎水性物質によって転写活性化
された状態をそのまま再現するための条件についても今後さらに検討していく
必妥があると考えられる。
4ふ 2 i
l
1v
i
t
r
o転写を用いたかアルカンによる転写誘導の解析 (
1
)
.i
l
1v
i
t
r
o転写におけるプロモーターの競合実験
本研究ではかアルカン誘導による転写誘導を i
l
1v
i
t
r
o転写で評価するために
二つの対照を用いている。一つはC.m
a
l
t
o
s
a内でかアルカンによる転写誘導を
e
r
e
v
i
s
i
a
eCYCl コアプロモーターの転写活性を基準とした ALK5プ
受けない S
.c
ロモーターの転写活性の評価であり、もう 一つはグルコース
(あるいはグリセ
ロール) を炭素源として培養した菌体抽出液とテトラデカンによって誘導;培養
を行った菌体から調製した抽出液との転写活性の比較である。これは前節で述
べたように細胞抽出液の転写活性はロットによりかなり異なっており、単純に
同じ鋳型からの転写産物量を異なる抽出液を用いて比較することは危険である
と考えられたからである。
しかしながら鋳型となるプラスミドをそれぞれ単独で用いた実験においては、
抽出液の差による有意な転写活性の差を検出することはできなかった。この原
因として考えられるのは i
l
1v
i
t
r
oと i
l
1v
i
v
oでの転写条件の追いである。一般に
i
l
1v
i
t
r
o転写では転写産物を効果的に検出するために過剰設の鋳型を添加し、い
l
1v
i
v
oにおける転写活性の差を必
わば"強制的に"転写を行わせる。このため i
ずしも正確に再現できるとは限らないと考えられる。本研究ではこの可能性を
考慮して同じ濃度で添加した 2種類の鋳型の競合実験を試みており、その結果
有意と考えられるプロモーターの選択性の差を検出することに成功した (
F
i
g.
4
2
5
) 。この結果は、単独のプロモーターとして は反応液中に過剰に存在するこ
とによって転写されてしまうような場合
(この場合非誘導条件の菌体からの抽
出液における ALK5プロモーター)でも、それより強く転写されるプロモーター
9
4
-F
圃 圃 圃 圃 圃圃
圃 圃E
(この場合 CYCI コアプロモーター)が同等のレベルで反応液中に存在すること
で弱いプロモーターからの転写が抑制されたと解釈できる。このような競合実
験において注意すべきなのは、検出された転写量比の差が鋳型とした G フリー
カセット配列の違いによるものではないということを証明する必要がある点で
ある。本研究ではこの点を同じ ALK5 プロモーターの下流に異なる G- フリー
カセット (GF5および GF8) を連結した場合には前記したような優先的転写が見
られなかったことを挙げてこの問題をクリアする事を試みている。しかし本文
中で触れたとおり GF5より GF8の方が鋳型としては転写されやすいため、 GF8
のシグナルを検出するためには長時間の露光を必要とするといった問題点があっ
たp やはり同じ配列の鋳型を用いて競合実験を行うのが理想であろう。その意
味で GF5が制限酵素で切り出し可能な構造になっている (
F
i
g.
42
1
) ことは有利
であると考えられる。今後は GF5を 2コピーまたは 3 コピー順向きに連結した
ものを異なるプロモーターの下流に連結して競合実験を行うことで、より明確
な結果を得ることができであろう。
4
3
3
i
nv
i
t
r
o転写を用いたかアルカンによる転写誘導の解析 (
2
)
....ARR5を用いた ALK5特異的な転写因子の反応系からの除去
の試み
本研究においてかアルカン誘導条件下の特異的転写を再現する方法としても
う一つ行ったのが、転写活性のある抽出液からかアルカンによる転写に特異的
な因子を取り除くことによりかアルカン特異的な転写のみを減少させようとい
う試みである。これには 2つの異なる方法を取った。一つは転写反応系に ARR5
を含む DNA断片を過剰量添加することで ALK5プロモーターの転写を抑制す
る方法であり、もう 一つ は ARR5を含む DNA断片を固定化したマトリックス
によって ARR5結合性の蛋白質を反応系から完全に除去する方法である 。特に
後者では、それによって ALK5 プロモーターに特異的な転写活性の低下が認め
られた場合、その活性を回復するような画分を分離することで目的とする転写
因子の精製の指標とできることが期待された。また、そのような ARR5結合性
因子を除去した抽出液で他の A
LKプロモーターの転写活性を検討すれば、
ALK
遺伝子群の転写誘導に関与する転写因子の異同についても議論することが可能
である。
ところが予想に反し、これらの方法によって ALK5特異的な転写量の変化は
認められなかった。すなわち B42B断片の反応系への添加によっては CYCI コ
9
5
E-
アプロモーターおよび ALK5 プロモーターからの転写量にはどちらも有意な減
少が認められず、逆に固定化した ARR5を用いた場合には(抽出液のゲルシフ
トの活性の消失と l
呼応して)両方の鋳型からの転写が著しく減少した (ALK5プ
ロモーターからの転写はほぼ完全に消失した)。
多コピーの ARR5が共存する環境でも ALK5プロモーターからの転写量はほ
とんど影響を受けない、という実験結果は同様のことを z
nV1VO で検討した結果
(
第 3章参照)と一致する。しかし仮にこの結果から AR
悶結合性の因子が ALK5
の転写になんら影響を及ぼさないと結論すれば、固定化 ARR5 を用いてこの因
子を除去したときの転写活性の低下を説明できない。また逆に固定 化した
A尽R5を用いて細胞抽出液を処理した際に CYCl プロモ ーターからの転写も消
失したこと、そこから溶出した画分を(多量に ) i
nv
i
t
r
o転写系に加えることで
CYCl プロモーターからの転写が増強されたことから、 ARR5結合性の因子は
プロモーターの特異性には関係なく転写反応全般の活性化に関与する、という
可能性がある。しかし、 CYClコアプロモーター領域と ARR5には有意な配列
上の相向性が見られないこと、 ARR5結合性因子は配列特異的に DNAに結合
していると考えられることなどからこの可能性は低いと考えられる。
この一見矛盾する 2 つの結果を説明する仮説としては、目的の転写因子が(
少なくとも n
-アルカン培養菌体の州出液中では)TBPなどの基本転写因子と既
に会合していて、その結果 TATAボックスの近傍にある ARR5に対しては単独
で存在する ARR5に対するよりも高い親和性を持つ、という可能性が挙げられ
る (F
i
g
.4
3
1)。そのため 、
1
) 独立した ARR5への因子の結合を阻害できる程度の競合 DNAの去では
nv
i
v
oおよ
ARR5を持つプロモーターへの因子の結合を阻害できない (i
びi
nv
i
t
r
oでの転写を競合阻害するために必要な ARR5の量はゲル移動
度シフトアッセイで競合阻害できる量よりも多くなる)
2
)
ARR5を持つプロモーターが高波皮で反応系に存在しない場合、その結
合因子は単独の ARR5 にも効果的に結合しうる(ゲル移動度シフトアツ
セイで検出可能) 。放に固定化した ARR5によ ってこの因子を濃縮する
ことが可能である (ARR固定化した DNAアフイニティーマトリックス
による ARR5結合因子の濃縮の可能性)。ただしこの場合に ARR5と会
合している基本転写因子も一緒に反応系から除かれてしまう可能性があ
る (DNA アフイニティ ーマ トリックスで処理した t
l
l,出液では ALK5プロ
9
6
モーターのみならず CYCl コアプロモーターからの転写も減少してしま
う
)
。
3
) 固定化 ARR5に吸着した、 ARR5結合因子と基本転写因子との複合体は
i
容出の際に高い塩濃度で処理することによって解離する(その結果 ARR5
結合因子との会合を介して 二次的に固定化 ARR5 に吸着していた基本転
写因子は ARR5 結合因子が溶 出されるよりも低い趨濃度で溶出される)
。従ってゲル移動度シフトアッセイの活性を指標に分離した溶出画分に
は (ARR5結合因子のみが濃縮されているため)基本転写因子を除かれた
れh
出液の転写活性を回復することができない。
4
) 逆に充分な量の基本転写因子を元来持っている抽出液に浴出国分 (ARR5
結合因子が濃縮されている)を加えることでまず ARR5依存的なプロモー
) で述べた基本転写因子
ターからの転写の促進が認められる。この際、 3
の解離が不完全であれば浴出画分を大量に加えることで ARR5 に依存し
ないプロモーターからの転写量も上昇することが観察されるであろう。
以上の仮説を証明するためには、 ARR5の下流に TATA配列を連結したもの
をゲル移動度シフトアツセイの競合 DNA として用いる、
DNA アフィニ
ティーによる分画の際に低い塩濃度で浴出してくる画分の転写刺激活性につい
て検討する、といった実験が必要であろう。また、もしこの仮説が正しければ
DNAアフィニティーによって分画精製を試みる際には非特異 DNAとして p
o
l
y
(dA-dT)poly(dA-dT)を用いることが有効かも知れない。この仮説では ARR5
結合性の転写因子が n- アルカン培養菌体の抽出液中では TBP などの基本転写
因子と会合している、という仮定をおいている。もしこの段階(ARR5結合因
子と基本転写因子の結合)がかアルカンからのシグナルによって制御されてい
る(例えばかアルカンがリガンドとして結合した ARR5結合因子は基本転写因
子に対する親和性が高い)とすればこの ARR5結合因子の精製を行う際には非
誘導条件下の菌体の抽出液を分離源とする方がよいという可能性も考えられる。
9
7
(A)
ARR5B
i
n
d
i
n
g
P
r
o
t
e
i
n
B
a
s
a
lT
r
a
n
s
c
r
i
p
t
i
o
n
a
l
・
阪コ Faclor(s)
f_小ー
"
・
・
・
ARR5
(
B
)
ARR5+TATA
-a?
→・Q_
i
・
・
・
ト
ー
→aci-
F
i
g
.
4
3・1
DNAアフイ ニ テ ィ ー マ ト リ ッ ク ス を 用 い た 分 画 結 果 よ り
推定されるモデル
1
)ARR5結合因子は基本転写因子と会合しているため、単独で存在する ARR5(
b
) よりも
c
)に対してより強いアフィニティーで結合する(太い
近傍に TATABox を持つ ARR5(
矢印で示した)。
2
)従って単独で存在する ARR5(
a
) と結合タンパク質と の会合を競合阻害できる量の非標
識プロープ DNA を加えても TATABox近傍にある ARR5(
b
)への会合を阻害できない
場合がある。
3
) DNAア 7 イニティ ーによって ARR5結合性の因子の単離を試みた場合に、条件によ っ
てはこれらと会合している基本転写因子もレジンに吸着する。これらは溶出温濃度を順
次上げるに従って、まず二次的に l
吸着した基本転写因子が解離して溶出液中に回収され
(
a
)、その後 ARR5結合図子(をより多く含む画分)が溶出きれる (
b
)0 (
b
)のi
l
i
f出函分
によって ARR5依存的な転写はより強〈活性化されると期待される。
9
8
E .
里里里里ーーー里里里~
4
3
4 転写活性を持つ細胞抽出液の分画
本章では転写活性をもっ抽出 i
夜の分画法として 3種の方法を試みた。すなわ
ち1
)核の分離
2)DNAアフイニティーマ トリックスによる分画
3
)へパリン
ーアガロースアフイニティークロマトグラフィーによる分画である。
前述したように、核の分離に関してここで述べた方法はザイモリアーゼによ
る細胞壁の分解を行わない調製法の初めての例である。従って 一時的な転写活
nv
i
t
r
o転写で解析する場合など、ほかの酵母でも有効に応用でき
性の上昇を i
る!可能性がある。ただし、 一般には i
nv
i
t
r
o転写に阻害的であると考えられる
界面活性剤(ノニデツト P-40)を分離の過程で用いているといった問題点がある。
40による i
nvi
t
r
o転写の活性
他の酵母での応用を考える場合にはノニデツト P-
化がC. ma
l
to
s
a特異的であるのか否かの検討が必要であろう。またフレンチプ
レスと凍結融解を組み合わせた細胞の破壊方法は必ずしも効率的ではなく、ま
た分画遠心法による核の分離の際にもある程度のロスが予想、されるため、大量
の菌体を効率的に処理する必要がある場合
(例えば転写因子精製の第一段階と
して核の単離を行う場合) に、この方法が適当であるか否かは検討しなくては
いけない課題の一つである。
DNA アフィニティーマトリックスを用いた分画では検出される ARR5結合
蛋白質の大部分を 1M酢酸カリウム溶出画分に回収することに成功した。しか
しこの画分の SDS-PAGEによる解析(データは示していない)では依然多くの
バンドが検出され、精製には至っていない。本章の実験では ARR5結合蛋白質
を除いた抽出液の
In vi
tr
o 転写活性を測定することを目的の ーっとしていたた
め、抽出の際に非特異 DNA を加えることを省いている。今後精製を目的とす
る場合にはまず抽出の際に加える非特異 DNA の量と質を検討することで精製
効率が格段に上昇することが期待される。
最後に試みたへパリンアガロースアフイニティークロマトグラフィーによる
分画では予想外の結果として、それまで一つの画分として考えていた ARR5結
合性の蛋白質が溶出塩波度の異なる 2つの画分に分かれるという興味深い結果
を得た。これらは 2つの画分の問に蛋白質が溶出されない画分があること、お
よびこれら 2つの岡分に含まれる ARR5結合蛋白質は結合の際の配列特異性が
異なることから 、別種のものである可能性が高 い。あるいは一種の ARR5結合
蛋白質が リガンドとの結合状態、あるいは修飾状態の違いから 2つの困分に分
かれた可能性も考えられる。本章では n-アルカン誘導菌体の抽出液についての
99
分画を検討したが、ほかの培養条件でもこの 2種の画分が検出されるか否かは
早急に検討する必要があると考える。またこれらの画分の i
l
1v
i
t
r
o転写に対す
る影響についても解析が待たれる。
1
0
0
里 事 璽 里 里 里 里 哩 里 里 堅固
終章
1
1
-アルカン資化能を有する無j
泡子酵母
Cal1d
i
d
alIla
l
t
o
s
aは
1
1
-アルカンやその
誘導体を単一炭素源として培養した場合、その資化に関与するチトクローム
P450(
P
4
5
0ALKs)を転写レベルで誘導された。また 1
1-アルカン培養 l
時に小胞体
(
E
R
) 膜など細胞内膜系の顕著な発達が観察されるが、この現象は P450ALKs
の大量発現によっても認められた (OhkumaM.e
ta
l.(
1
9
9
5
c
)。すなわち本菌に
おける劇的な細胞内構造の変化においても
1
1-アルカンを炭素源とすることによ
る P450ALKs をはじめとした泣伝子の転写活性化が最初の重要なステップで
あると考えられる。本研究ではC.m
a
l
t
o
s
aにおける P450ALKsの転写誘導機構
を明らかにすることを目的とした。
まず第 1:
章 ではノーザン解析、レポーター遺伝子を用いた解析によって、主
要な ALK遺伝子の転写は非常に迅速に誘導されることを隊認した。この転写誘
導には新規の蛋白質合成を必要としないこと、 4種の主要な P450 遺伝子の破
壊によってかアルカン資化能を失った株においてもレポーター遺伝子の発現が
誘導されることなどから、
1
1
-アルカンが低分子リガンドとして転写悶子に作用
し、直接転写誘導に関わっている可能性が考えられた。さらに ALK3、ALK5で
は かアルカンを炭素源とした培養の後期に 2次的な誘導が起こることを見いだ
した 。
またかアルカ ンによる誘導とは別に、動物細胞においである種のチ トクロー
ム P450 の誘導合成やペルオキシソームの増殖を引き起こすことが知られてい
る疎水性薬剤であるクロフイプレートの存在下で
c
.m日ltosaを培養することに
よって も P450 のスペクトルが上昇することを見いだした 。ノーザン解析の結
果から、 ALK2、ALK3 の 2種の遺伝子の転写がクロフイプレート、 Wy-14
,
643
などのペルオキシソーム増殖剤によ って活性化される事を確認した 。ガスク ロ
マトグラフィーによる解析から、添加l
したクロフイプレートは培養中に代謝分
解されないことが示唆されたため、この場合もやはりクロフイプレートが直接
のシグナル物質となって転写誘導に関与していると考えられる。しかし ALKl
ではクロフイプレートによる誘導培養後期にのみ転写が見られ、また ALK5 は
クロフイプレートによってはほとんど誘導されなかった事から作アルカンによ
る転写誘導とは異なる機構が関与しているであろうことが示唆された。
第 2主主では ALK 遺伝子のプロモータ ー領域を解析し、アルカンやクロフイ
プレー トによる転写誘導に必要な c
i
sのエレメントの同定を行った。 ALK5プロ
モーター領域の欠失解析によりかアルカンによる直接の転写誘導に必要な領域
1
0
1
約 130bp(ARR5) を同定した。この領域を含む DNA断片をプロープとしたゲ
ル移動度シフトアッセイにより、この領域に配列特異的に結合する蛋白質の存
在を示した。この蛋白質は非誘導条件下、あるいはグルコースによって
ALK
遺伝子群の転写をJ!
l
l
f
f
1lJした菌体内にも認められた。同じ DNA 断片をプロープ
として用いた u
v
-クロスリンク実験からはこれらの蛋白質が ARR5 の下流約
60bpに配列特異的に結合していることが示唆された。
一方 ALK2 プロモーター領域の欠失解析によりクロフイプレートによる転写
誘導に必要な領域を約 250bpに縮小化した。この領域内にはかアルカンによる
転写誘導活性も含まれていた。この領域内の特徴的な配列として、他の
ALK
遺伝子のプロモーター領域にも共通に見られ、また S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
eにおいて脂肪酸
によるベルオキシソーム関連遺伝子の転写誘導のシスエレメントとして同定さ
れている Pox-Box (または ORE(
O
l
e
a
t
eResponsiveE
l
e
m
e
n
t
)
)に類似した CCG
を含むリピート配列が見いだされた。
第 3章ではこれらの転写誘導に関与する転写因子のクローニングを試みた。
しかし試みた 3種の方法ではいずれも最終的なクローニングには成功しなかっ
たが、その過程でこの転写因子の性質を示唆するいくつかの結果を得ることが
できた。
第 4主主ではC.ma
I
t
o
s
aの i
nv
i
t
r
o転写系を構築し、転写誘導に関与する因子
I
to
s
aの無細胞抽出液 を用い、
を生化学的に解析することを試みた。まずC.ma
AKL5プロモーターおよび S
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
e由来の CYCl コアプロモーターからの転
写を行わせる事に成功した。それぞれのプロモーターを単独で用いた系では誘
導時・非誘導時の細胞抽出液で転写産物量に有意な差はなかったが、両方のプ
ロモーターを同時に加えた系では、グリセロール培養の抽出液では CYCl コア
プロモーターからの転写しか確認できなかったのに対し、ルアルカン培養菌体
からの抽出液では両方の転写産物を確認する事が出来た。このことからかアル
カン培養菌体の抽出液ではグリセロール培養の抽出液と比べて ALK5 プロモー
ターの選択性が上昇していることが考えられる。
この i
nv
i
t
r
o転写系に競合 DNAとして ALK5の c
i
s配列を含む断片を加えて
も ALK5 プロモーターからの転写を抑制することは出来なかった。これは第
3章で同様のことを試みた i
nv
i
v
oでの結果と同じであった。しかし ALK5 プ
・ロモータ ーの
C
1
S 配列を固定化した
DNA アフイニティーカラムで細胞抽出液
を処理することによって、ゲルシフトのバンドの消失と同時に ALK5 プロモー
ターからの転写だけではなく、
CYCl コアプロモーターからの転写も完全に消
失する事が確認された。このアフイニティーカラムから高塩濃度のバッファー
1
0
2
を用いて溶出した画分は ARR5をプロープとしたゲル移動度シフトアツセイに
おいて元の細胞抽出液と同じシフトバンドを与えた。またこの画分を
ln
v
i
t
r
o
転写系に加えることによってプロモーターの種類に関わらず転写産物量を約 2
倍に上昇させることが出来た。この c
i
s 配列に結合すると考えられる転写因子
は細胞抽出液中ですでに基本転写因子と複合体を形成していたものと考えられ
る
。 n-アルカン培養菌体からの抽出液をへパリンアガロースアフイニティーカ
ラムによって分画することも試みた。ゲル移動度シフトアツセイを指標として
酢酸カリウムのステップグラジエントにより抽出液を分画したところ、 O.3M
および O.7M の 2つの浴出国分で活性が確認された。これらの函分はゲルシフ
ト.の競合実験から、先に同定した ARR5に対するアフイニティーが異なる事が
示され、 ALK5の転写誘導に関して異なる活性を持つことが期待された。
以上の解析により目的の転写因子について
1) アルカンによる誘導の有無に関わらず常に菌体内(核内)に存在する
2) アルカンによる刺激によって修飾を受け基本転写因子との親和性が増すこ
とが転写誘導に必要と考えられる。
3) DNA結合活性の発揮に亜鉛イオ ンを必要とする
4) S
a
c
c
h
a
r
o
m
y
c
e
sc
e
r
e
v
i
s
i
a
eの Pl
P2およびマウス PPARα といった関連が予想
された他の転写因子とは相向性が低い。
5) 複数の蛋白質の複合体であると考えられる。
といった性質が予測される。
、ALK2の 2つの泣伝子を中心にC.m
a
l
t
o
s
aの有する、 n
以上のように ALK5
アルカン応答性、ベルオキシソーム地殖剤応答性の機構に│期して解析し、この
誘導に関与するプロモーター上の機能領域を明らかに出来た。また転写因子の
単離には至らなかったが、その特殊性・新奇性を示すことが出来た。最後に、
本研究で構築した i
nv
i
t
r
o 転写による解析系は不完全菌であるため遺伝学的手
法が充分活用できない本菌において、その特徴的な転写誘導現象を生化学的に
解析していく上で有用であると考えられる。
1
0
3
論文の内容の要旨
応用生命工学専攻
平成 6年 度 情 士 課 程 入 学
氏 名 大 友 量
指導教官
高木正道
論文題目
醇母
C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
a
における
cytochromeP450ALK遺伝子群の転写誘導機慌の解析
n
アルカン資化能を有する無胞子酵母 C
a
n
d
i
d
am
a
l
t
o
s
aはn
-アルカン
やその誘導体を単一炭素源として培養した場合、その資化に関与するチトク
ローム P450(P450ALKs)を転写レベルで誘導する。この誘導はグルコー
-アルカン培養時に小飽体 (ER)膜など細
スの共存により抑制される。また n
胞内膜系の顕著な発達が観察されるが、この現象は P450ALKsの大量発現
によっても認められた。すなわち本菌におけるこのような細胞内情造の劇的
-アルカンを炭素源とすることによる P450ALKs をはじ
変化においても n
めとした遺伝子の転写活性化が最初の重要なステップであると考えられる 。
現在まで他の生物も含めて n
-アルカン応答性の転写因子については報告例
がない。本研究はC.m
a
l
t
o
s
a における P450ALKsの転写誘導機織を明ら
かにし、それを一つのモデルとして真核生物の疎水性物質に対する応答機構
を考察することを目的とした。
1
n
-アルカンによる転写誘導とその
Cβ ー配列に関する解析
ノーザン解析、レポーター遺伝子を用いた解析によって、これまでに単離
、ALK5の 3種は n
アルカ
された 8種の ALK遺伝子のうち ALK7、ALK2
ンを単一炭素源として含む培地に移した後、 2時間以内という比較的早い時
期に転写レベルが最大に達することを確認した。この転写誘導には新規の蛋
白質合成を必要としないこと、 4種の主要な P450遺伝子の破壊によって
n
-アルカン資化能を失った株においてもレポーター遺伝子の発現が誘導され
ることなどから、 n
-アルカンが低分子リガンドとして転写因子に作用し、直
接転写誘導に関わっている可能性が考えられた。さらに ALK3、ALK5では
1
0
4
n
-アルカンを炭素源とした培獲の後期!こ 2次的な誘導が起こることを見いだ
した。
こALK5 プロモーター領域の欠失解析により n
-アルカンによる直接の
次l
或約 1
3
0
b
p(
A
R
R
5と命名)を同定した。この領織を含
転写誘導に必要な領i
むD
NA断片をプロープとしたゲル移動度シフトアッセイにより、この領岐
に配列特異的に結合する蛋白質の存在を見いだした。この蛋白質は非誘導条
件下、あるいはグルコースによって ALK遺伝子群の転写を抑制した菌体内
にも認められた。閉じ D
NA断片をプロープとして用いた u
v
-クロスリンク
R
R
5の下流約 6
0
b
p
fこ配列特異的に結合し
実験からはこれらの蛋白質が A
NA結合
ていることが示唆された。そこでサウスウエスタン法によりこの D
タンパク質をコードする遺伝子のクローニングを試みた。すなわち大腸菌の
x
C
e
l
lを用いて構築したC.m
a
l
t
o
s
aのゲノムライブラリー
発現ベクタール E
において、日ーガラクトシダーゼとの融合タンパク質として発現していること
が期待された目的とする転写因子の D
NA結合領域を、放射ラベルした
ARR5をプロープとしてスクリーニングすることを読みた。しかし条件を変
00万クローンをスクリーニングしたにも関わらず、ポ
えながら最終的に約 2
ジティプなクローンを得ることは出来なかった。
c
.m
a
l
t
o
s
a は一般には口イシンとして翻訳される CUGコドンをセリン
として翻訳するという特殊性を有する。このため大腸菌や s
.c
e
r
e
v
i
s
i
a
e 内
a
l
t
o
s
a の蛋白質が本来の活性を持たない可能性は十分に考
で発現したC.m
えられる。またサウスウエスタン法では複数の蛋白質の相互作用によって初
NA結合活性を獲得するような蛋白質は原理的に単敵できない。 u
v
めて D
クロスリンク実験では主要な一本のバンド以外に幾つかの弱いシグナルが確
NA結合活
認されている。これらの蛋白貨の相互作用が目的の転写因子の D
性に大きな影響を与えているのかも知れない。
2 ペルオキシソーム増殖剤による転写誘導
r
トアルカンによる誘導とは別に、動物細胞においである種のチトクローム
P450の誘導合成やペルオキシソームの治殖を引き起こすことが知られてい
a
l
t
o
s
a を鳩養するこ
る疎水性薬剤であるク口フィプレートの存在下でC.m
とによっても P
450のスペクトルが上昇することを見いだした。ノーザン解
、ALK3 の 2穫の遺伝子の転写がク口フィプレート、
析の結果から、 ALK2
Wy-14,
6
4
3などのペルオキシソーム増殖剤によって活性化される事を確認
した.ガスクロマトグラフィーによる解析から、添加したク口フィプレート
は繕養中に代謝分解されないことが示唆されたため、この場合もやはりク口
フィプレートが直接のシグナル物質となって転写誘導に関与していると考え
られる。しかし ALK7 ではクロフィプレートによる誘導培養後期にのみ転写
が見られ、また ALK5 はクロフィプレートによってはほとんど誘導されな
-アルカンによる転写誘導とは異なる機構が関与しているで
かった事から n
1
0
5
-・・・・・・・・・圃園~
あろうことが示唆された.
動物細胞ではペルオキシソーム増殖剤による転写の誘導には核内受容体の
r
o
l
i
f
e
r
a
t
o
rActivatedReceptor)が
一つである PPAR(PeroxisomeP
関与していることが明らかにされている。そこで同様の機備が酵母でも働い
ている可能性を考え、マウス PPAR α遺伝子の DNA結合領域およびリガン
ド結合領織をプロープとしてC.maltosa全 DNAに対するサザン解析を行っ
たが有意なシグナルは認められなかった.
ALK2のクロフィプレートによる転写誘導は下等真核生物におけるペルオ
キシソーム増殖剤応答遺伝子の初めての例である。そこで ALK2 プロモー
ターの下流にレポーター遺伝子として大腸菌由来の LacZ 遺伝子を連結し、
他の酵母に導入してクロフィプレートによる転写誘導を検討した。その結果、
a
r
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c
a においてクロ
やはり n-アルカン資化能を有する酵母 Y
フィプレートによる やガラクトシダーゼ活性の上昇を確認.した。下等真核
生物におけるペルオキシソーム増殖剤応答機備には何らかの共通性があるの
かも知れない。しかし Saccharomycesc
e
r
e
v
i
s
i
a
e では培養条件による転
写活性の変化は認められなかった。
次に ALK2プロモーター領織の欠失解析によりクロフィプレートによる転
或内には n
-アルカン
写誘導に必要な領爆を約 2S0bpに縮小化した。 この領i
或内の特徴的な配列として、他
による転写誘導活性も含まれていた。この領 i
.c
e
r
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の ALK 遺伝子のプロモーター領繊にも共通に見られ、また S
において脂肪酸によるペルオキシソーム関連遺伝子の転写誘導のシスエレメ
O
l
e
a
t
eResponsiveElement)に類似
ン卜として同定されている ORE (
した CCGを含むリピート配列が見いだされた。最近、この配列に結合してペ
i
p
2をコードする遺
ルオキシソーム関連遺伝子の転写誘導を行う転写因子 P
においてこの類似体が
伝子がクローニングされたことから、 C
.maltosa
n
-アルカンやその誘導体、またはペルオキシソーム増殖剤による転写誘導に
IP2 遺伝子ををヲロー
関与している可能性を考え、 PCRによって増幅した P
プとしてC.maltosa 全 DNAに対するサザン解析を行った。しかし検討し
た最も温和な条件下においても有意なシグナルは認められなかった事から、
本菌における疎水性物質による転写誘導にはこれとは別種の転写因子が関与
していると考えられた。
3
C
.maltosa の i
nv
i
t
r
o 転写系を用いた解析
以上述べたような状況を背景として、 C
.maltosa の 的 v
i
t
r
o 転写系を
矯築し、転写誘導に関与する因子を生化学的に解析することを試みた。まず
C
.maltosa
の無細胞抽出液を用い、 AKL5 プロモーターおよび S
.
c
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r
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v
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i
a
e 由来の CYC7 コアプロモーターからの転写を行わせる事に成功
した。それぞれのプロモーターを単独で用いた系では誘導時・非誘導時の細
胞抽出液で転写産物量に有意な差はなかったが、両方のプロモーターを同時
1
0
6
に加えた系では、グリセロール培養の抽出液では C
YC7 コアプロモーター
アルカン培養菌体からの抽出
からの転写しか確認できなかったのに対し、 n
アルカン指
;伎では両方の転写産物を確認する事が出来た。このことから n
LK5プロモーター
養菌体の抽出液ではク‘リセロール培養の抽出液と比べて A
の選択性が上昇していることが考えられる.単独のプロモーターを用いた系
ではおそらく大量のプロモーター DNAを用いているためこの選択性の差が
検出できなかったものと考えられる。
nv
i
t
r
o 転写系に競合 DNAとして ALK5の c
β 配列を含む断片を
この i
LK5 プロモーターからの転写を抑制することは出来なかった。
加えても A
i
v
o での結果と閉じであった。しかし ALK5 プロモーターの
これはれ v
c
i
s配列を固定化した DNAアフィニティーカラムで細胞抽出液を処理する
ことによって、ゲルシフトのバンドの消失と呼応して A
LK5プロモーターか
YC7 コアプロモーターからの転写も完全に消失す
らの転写だけではなく、 C
る事が確認された。このアフィニティーカラムから高塩濃度のバッファーを
用いて溶出した画分は ARR5をプロープとしたゲル移動度シフトアッセイに
おいて元の細胞抽出漉と同じシフトバンドを与えた。またこの画分を川
v
i
t
r
o 転写系に加えることによってプロモーターの種類に関わらず転写産物
i
s配列に結合すると考えられ
量を約 2倍に上昇させることが出来た。この c
る転写因子は細胞抽出液中ですでに基本転写因子と復合体を形成していたも
のと考えられる。
n
-アルカン培養菌体からの抽出液をへパリンアガロースアフィニティーカ
ラムによって分画することも試みた。ゲル移動度シフトアッセイを指標とし
て酢酸カリウムのステップグラジェントにより抽出液を分画したところ、
O
.
3
Mおよび O.
7Mの 2つの溶出画分で活性が確認された.これらの画分は
ゲルシフトの競合実験から、先に同定した ARR5に対するアフィニティーが
LK5の転写誘導に関して異なる活性を持つことが期待
異なる事が示され、 A
される。
I
4 まとめ
LK5
、A
LK2の 2つの遺伝子を中心にC.m
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a の有す
以上のように A
る
、 n
-アルカン応答性、ペルオキシソーム培殖剤応答性の機構に関して解析
し、この誘導に関与するプロモーター上の機能領域を明らかに出来た。また
転写因子の単離には至らなかったが、その特殊性・新奇性を示すことが出来
nv
i
t
r
o 転写による解析系は不完全菌であ
た.最後に、本研究で情築した i
るため遺伝学的手法が充分活用できない本箇において、その特徴的な転写誘
導現象を生化学的に解析していく上で有用であると考えられる。
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謝辞
本研究を行う場を提供して下さり、折に触れご指導、ご教示下さいました高
木正道教授に心より感謝申し上げます。また、多くの貴重なご指導、ご助言 を
頂きました太田明徳島)
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樹受、担問内裕之先生、永田裕二先生に感謝申し上げます。
本研究の先行研究者であり、多くのご助言 を頂きました大熊盛也博士、村岡
真一郎氏に感謝申し上げます。核内レセプターファミリーについてご教示いた
だき、マウス PPARαcDNAを供与していただきました加藤茂明博士に感謝申し
上げます。
本研究は東京大学農学部細胞遺伝学研究室で行われたものであり、研究室の
皆様に多くのご支援、ご協力を頂きました。折に触れ 1ヒ時激励してくれた武藤
英俊氏、 Y
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a の取り扱いについてご助言いただいた飯山敏也氏、
本研究の共同研究者として論文作成に多大なご協力を]頁きました矢野淳子女史
を始めとした本研究室の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございま
した。
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