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(平成24年6月号)発行 [PDFファイル/3MB]

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(平成24年6月号)発行 [PDFファイル/3MB]
16
平成24年
<6月号>
~福島県会津若松市にある鶴ヶ城(若松城)にて~
『福島県の復興が
一日も早く成し遂げられ、
日本の再生が
果たされるよう
支援していくことを、
ここに決議いたします。
北塩原村で開催された関東地方知事会
』-5月23日
「福島県をはじめとする被災地の復興を支援する決議」より-
「本格除染」の事業者公募を開始!!
環境省は、除染特別地域(環境省が直接除染を行
う地域、11市町村)のうち、田村市(5/11)、
楢葉町(5/25)及び川内村(6/1)分について、
本格除染の事業者の公募(入札公告)をそれぞれ開
始しました。
今年1月1日に全面施行された放射性物質汚染対
処特措法により、除染特別地域における除染等につ
いては、市町村毎に策定する「特別地域内除染実施
計画」によって進められることとされています。
今般、田村市、楢葉町及び川内村については、一時
保管場所・仮置き場の確保や除染業務の発注に必要な
情報が整ったことから、環境省が直接除染を行う地域
(田村市:約570ヘクタール、楢葉町:約1,420ヘク
タール、川内村:約258ヘクタール)について、事業
者を決定し、速やかに本格除染を開始する予定です。
なお、その他の市町村につきましても、準備が整っ
たところから、順次、事業者の公募を開始する予定で
す。
詳しくは、福島環境再生事務所のホームページをご覧ください。
http://tohoku.env.go.jp/fukushima/procure/index.html
「平成24年度除染技術実証事業」
の募集を開始(5月25日)
環境省では、昨年度に続き、今後除染作業等に活用し得る技術を発掘し、除染効果、経済性、安全性等を
確認するため、実証試験の対象となる除染技術を8月31日まで公募します。
( 予 算 額 )1件あたり上限2,100万円(税込)
(公募対象技術:15件程度)
(実施期間)契約締結後から平成25年3月29日(金)まで
■ 除染作業効率化技術
■ 土壌等除染除去物減容化技術
(提出期限)平成24年8月31日(金)17:00までに
以下の提出先まで郵送にて提案書を提出
■ 放射性物質に汚染された廃棄物の処理技術
■ 排水の回収及び処理関連技術
( 提 出 先 )〒100-8975 環境省水・大気環境局
除染チーム 技術実証事業係
■ 除去物の運搬や一時保管等関連技術
■ 除染支援等関連技術
提案書の様式など、詳細は環境省ホームページをご覧下さい。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=15268
特 集
復興に向けた取組・事業概要
福島の産業復興に向けて
(株)クレハ
~ 「ふくしま産業復興企業立地支援事業」 指定企業の取組 ~
政府及び福島県では、東日本大震災及び原子力災害で広域的に被害を受けた福島県の復興再生を促進する
ため、新規の地元での雇用などが期待される県外からの新規立地や県内での工場の新増設などを行う企業へ
の支援等を進めています。
今回、5月11日に福島県が指定した支援対象167社のうち、相双地域などに立地する企業の取組につ
いてインタビューしましたのでお知らせします。
取締役専務執行役員
いわき事業所長 須能
則和
業
種:繊維工業・化学工業他
新・増設を行う市町村:いわき市
(株)クレハいわき事業所
(参 考)
がんばろう ふくしま産業復興企業立地支援事業
平成23年度 第3次補正予算額 総額1,700億円
うち企業立地支援
約1,600億円
■事業概要
県外からの新規・復帰立地や県外への流出防止、県内での
新増設・移転を行う企業に対して、企業立地奨励を行う福島
県の取組を支援。
全国最高の補助率の設定(最高3/4、自治体の奨励制度
では、通常1/10程度)
1件あたりの最大限度額を全国最高の200億円と設定
製造業に加え、データセンターやコールセンター等も対象
用地の取得から建屋建設まで初期の工場立地経費を幅広く
支援
三田
県内移転
県外への流出防止
×
福島県
県内での工場増設
◆◇◆
計
業
種:加工製紙業
新・増設を行う市町村:南相馬市
「相馬野馬追」段ボールアート
(本社工場を訪問した野田総理)
<事業イメージ>
(左から)
桜井南相馬市長、野田総理、野﨑丸三製紙㈱社長
復興に向けたメッセージ
◆◇◆
復興に向けた取組・事業概要
当社は1923年(大正12年)に創業し、来年90
周年を迎えます。国の重要無形民俗文化 財「相馬野馬
追」の中心開催地である南相馬市(旧原町市)の誘致企
業第一号として工場を構え60年を迎えます。事業内容
は板紙(段ボール原紙であるライナーと中芯)と特殊紙
(燃えない紙等の機能紙)の製造・加工・販売を行って
います。
◆ 地元にこだわり 頑張る
昨年3月11日に発生しました東日本大震災により、
当社も被害を受けました。更に追い討ちをかけるように、
東京電力(株)福島第一原発の事故により全従業員が自宅
待機と避難所生活を余儀なくされ、工場の人影はなくな
りました。しかし同年6月には多くの皆様からのご支援
により操業再開へと漕ぎ着けました。この感謝は絶える
事はありません。一方、従業員は原発事故の収束が見え
ない中での心理的な不安を抱えながら就業しています。
そんな中、本年1月8日には野田総理大臣をはじめ政府
首脳陣と桜井南相馬市長が当社を訪れ意見交換が行われ
ました。総理から“地域産業の再生に全力を挙げる”と
の考えが示された事は、当社の大きな励みとなりました。
今回の「ふくしま産業復興企業立地補助金」の指定によ
り、更に地元にこだわり、頑張って行く所存です。
◆◇◆
復興に向けたメッセージ
復興への道をたどり始めたばかりですが、これまで育
んできた地域の皆様との絆を復興の原動力として、皆様
とともに一歩一歩前進していきたいと思います。
復興に向けた取組・事業概要
丸三製紙(株)
常務取締役
県外からの進出
いわき事業所では、高機能樹脂、炭素製品、医薬品、
家庭用ラップ「NEWクレラップ」の原料樹脂などを生
産しております。
昨年の東日本大震災からの復旧は、いわき事業所にお
いても大変な試練となりましたが、お取引先様や関係各
位のご支援と従業員の真摯な行動によって、全プラント
の早期の復旧と生産再開を果たすことができました。
◆ いわきに根をおろして-クレハの誇り
いわき事業所では、クレハが2015年度までの経営
目標として掲げる新中期経営計画に沿って、プラントの
増設など、設備投資を積極的に実施してまいります。
クレハは、いわきの地にしっかりと根をおろし、創造
力あふれる技術力と生産力を磨き、人を育み、そこから
価値ある商品をグローバルに供給してまいります。いわ
き事業所をマザー工場、各研究所を中核研究機関として
位置づけ、既存事業の強みを更に伸ばしながら、新規事
業を育成・拡大していく所存です。雇用を含め、事業を
着実に進めていくことが、クレハを育ててくれた、この
いわきの地、福島の地の復興の一助になればと思ってお
ります。大震災からの復興を目指して地域と共に歩む、
仕事を通じて地域へ貢献していく。それが私たちクレハ
の一人ひとりの誇りになると思っております。
(株)デンソー東日本
代表取締役社長
森本
有二
業
種:自動車・同付属品製造業
新・増設を行う市町村:田村市
(株)デンソー東日本
(田村市)
◆◇◆
-被害を風化させず教訓とする-
“資源をつなぐ 未来をつなぐ”を企業キーワードと
し当社の復興なくして地域の復興はないとの強い気持ち
で、全従業員一丸となり前へ向かって進んでおります。
お互い頑張りましょう。
当社は、自動車部品メーカーの国内最大手である株式
会社デンソーの東日本における主要な生産会社として誕
生し、田村西部工業団地においてカーエアコンを生産し
ています。
◆ 生産の拡大を目指し、地元経済に貢献
経済環境の激変や昨年の東日本大震災等により、生産
開始は当初計画から大幅に遅れてしまいましたが、昨年
10月から一部を稼動し、本年8月には愛知県内のデン
ソーの工場に残っていた社員全員が地元に戻り、全面稼
動ができる見込みとなりました。
東北地方は、自動車産業の集積地として今後の車両生
産の拡大が見込まれる有望な地域であり、本年予定され
ているトヨタ自動車東日本株式会社設立など自動車業界
の最近の動向は、東北復興につながるものと捉えていま
す。当社としても自動車業界の一員として、微力ではあ
りますが生産の拡大を目指し、地元経済に貢献できれば
と思います。今後、拡張を計画している工場においては、
カーエアコン以外の製品も生産することを検討しており、
生産の拡大に沿って新たに地元で雇用していきたいと考
えています。
◆◇◆
デンソー東日本で
製造されたカーエアコン
復興に向けたメッセージ
◆◇◆
自動車産業は裾野が広い産業と言われています。当社
は、皆様のお力を得て、この東北の地で一生懸命事業を
成長させ、東日本大震災からの復興、そして東北全体の
経済の更なる成長に少しでも貢献していきたいと考えて
います。
東京電力(株)福島第一原子力発電所
4号機原子炉建屋の健全性につい
ての情報を公表しました(5月30日)
政府・東京電力中長期対策会議・運営会議は5月17日、東京電力(株)福島第一原子力発電所4号機原子炉建屋の健全性について、
これまでに実施した各種の確認結果を取りまとめ公表しましたが、その後、事業者が行った定期的な点検結果をアップデートしま
した。
4号機原子炉は、水素爆発により建屋の上部が損傷しており、また、使用済燃料プールに多数の使用済燃料が貯蔵されているこ
ともあり、建屋の健全性について心配する声があったことから、あらためてこれまでの情報や確認した内容をとりまとめたものです。
■燃料等の状況
■建屋が傾いていないことを確認
原子炉内0体、使用済燃料プール内1,535体
※震災発生時は定期検査中でした。
■余震に対する耐震性を確認
➊ 水素爆発による損傷を考慮した解析モデルを用い
て評価を行った結果、震災と同程度の地震(震度6
強)が発生しても原子炉建屋全体が十分な耐震安全
性を有していることを確認しました。
❷ 建屋の損傷や水が高温になった影響を考慮した解
析モデルにより、使用済燃料プールの壁や床の部材
の強度が十分であることを確認しました。
※使用済燃料プールからの水漏れや周辺の壁の損傷
は確認されていません。
なお、東京電力(株)福島第一原子力発電所各号機の
現状の原子炉建屋の耐震安全性については、原子力安
全・保安院が本年2月16日に取りまとめた中間報告
書においても、耐震安全性が確保できないおそれのあ
る箇所は無かったと評価しています。
■使用済燃料プールの底部を補強
使用済燃料プールの壁や床の強度が十分であること
は確認しているものの、さらに、鋼製支柱の設置後、
コンクリート壁を構築して、耐震余裕度を20%以上
向上させました。
水面が常に水平であることを利用して、5階床面と
「原子炉ウェル(原子炉につながる水の入ったプー
ル)」及び「使用済燃料プール」の水面との距離をそ
れぞれ4隅(合計8箇所)で測定、ほぼ測定値が同じ
であることから、床面と水面は平行であり、建屋が傾
いていないことを確認しました。
■定期的な点検結果
5月25日、東京電力が公表した、定期的な点検結
果によると、建屋全体が傾いていないこと等が改めて
確認されました。
一方、外壁面の局所的な膨らみが確認されるなど、
耐震安全性に直ちに影響があるとは考えられないもの
の、より詳細な原子炉建屋の状況が明らかになってき
たことを受け、耐震安全性の評価を再度実施すること
などについて、原子力安全・保安院が同日に指示文書
を発出しました。
このほか、政府による視察確認などを写真や図を用
いて解説しているほか、4月17日に工事に着手した
燃料取り出し用カバーなどについても説明しています。
今後もコンクリートの強度確認、目視点検、建屋が
傾いていないことの確認を定期的に行ってまいります。
政府による視察確認
平成24年4月23日に中塚副大臣ほか政府関係者、平成24年5月26日に細野大臣、柳澤副大臣及び園田
政務官ほか政府関係者が4号機原子炉建屋を視察し、建屋の健全性を確認しました。
2階における使
用済燃料プール
底部に設置した
支持構造物によ
る補強の状況の
確認の様子。
(4月23日)
5階における使
用済燃料プール
水面と床面の水
平度を測定する
方法の確認の様
子。
(5月26日)
詳しくは、経済産業省のホームページをご覧ください。
[4号機原子炉建屋の健全性]
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/20120516_01.html
[建築物・構造に関する意見聴取会報告書] http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120216003/20120216003.html
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