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「平成23年度 報告書」をとりまとめました。

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「平成23年度 報告書」をとりまとめました。
社団法人 建設コンサルタンツ協会 中国支部
平成 23 年度 社会貢献活動
報 告 書
活動テーマ
自
転
車
と
ま
ち
づ
く り
~ 街中での自転車の快適環境づくりに向けて ~
平成 24 年 3 月
社団法人
建 設 コンサルタンツ協 会
中国 支部 道路部会(都市計画グループ)
***
目
次
***
(頁)
第1章
活動概要
···················································
1
的
·····················································
1
2.活動内容
·····················································
2
1.目
2.1 活動の流れ
2.2 活動内容
3.活動工程
第2章
活動結果
·························································
2
···························································
2
·····················································
4
···················································
5
1.WEBサイトの更新
1.1 目的
··········································
·······························································
1.2 WEBサイトの更新内容
2.自転車マップの更新
2.1 作成概要
·············································
5
5
6
··········································· 10
··························································· 11
2.2 マップの配布について
··············································· 12
2.3 WEBサイトへの掲載
··············································· 12
2.4 マップデザイン
····················································· 12
3.ひろしま水辺風景10選
······································· 15
4.
「第6回ひろしま自転車トーク 2011」の開催
······················ 23
4.1 開催準備
··························································· 23
4.2 開催概要
··························································· 24
4.3 開催結果
··························································· 25
4.4 アンケート調査結果
第3章
おわりに
················································· 33
··················································· 44
参考資料
1.活動メンバー一覧
2.活動会議議事録
······································· 参考-1
········································· 参考-2
3.
「第6回ひろしま自転車トーク 2011」関連資料
·············· 参考-10
H23 年度 社会貢献活動
第1章
1.目
自転車とまちづくり
活 動 概 要
的
本活動「自転車とまちづくり」は、市民それぞれの立場における自転車利用のあり方や解決すべき問
題点などを把握するとともに、市民等との対話・意見交換の場としてのフォーラム(ひろしま自転車ト
ーク 2011)の開催、成果等を一般に向けて広報することにより、自転車の利用環境改善のきっかけづ
くりを目指すことを目的として、平成 18 年度から活動しており、今年度が6年目となる。
昨年度は、これまでの研究会活動の情報集約と社会への情報発信をより推進していくための「WEB
サイトの作成」、「自転車マップの更新」、「自転車利用促進に向けた私たちからの“100 の提言”の作
成」
、第5回ひろしま自転車トーク(2010 年 12 月 11 日)を開催した。
今年度は、
「WEB サイトの更新」、
「自転車マップの更新」、
「ひろしま水辺風景 10 選の作成」
、第6
回ひろしま自転車トーク(2011 年 12 月 17 日)を開催した。
本活動は、より良い“自転車とまちづくり”のきっかけとなるために、継続的な取り組みの展開を図
るものとしている。
本活動は、(社)建設コンサルタンツ協会の「中期行動計画
H16.5」に基づく社会貢献のための行
動の一環であり、社会資本整備に関わる知見と知識を提供できる専門家集団として、ボランティア活動、
各種フォーラム、著作物などを通じて、協会及び建設コンサルタントの情報発信と社会的認知度を高め
ることをねらいとしている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(社)建設コンサルタンツ協会・中期行動計画
http://www.jcca.or.jp/about/invention/plan/index.html
1
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
2.活 動 内 容
2.1
活動の流れ
本活動は、下図のフローに示すとおり、4つの活動を並行して行い、成果としての本報告をとり
まとめた。
活動その①は昨年度作成した「WEB サイトの更新」、活動その②は「自転車マップの更新」
、活
動その③は「ひろしま水辺風景 10 選の作成」
、活動その④は「第6回ひろしま自転車トーク 201
1の開催」である。
① WEBサイトの更新
③
②
自転車マップの更新
⑤
2.2
ひろしま水辺風景10選
④ 第 6 回広島自転車トーク 2011 の開催
成果とりまとめ・公表
活動内容
(1)WEBサイトの更新
昨年度に WEB サイトを作成した。この WEB サイトの公開をきっかけとして、新たな交流促進や
社会的認知度の向上、研究会メンバー個人の活躍に繋げていくことを目的として、今年度も継続的
なWEBサイトの更新を実施した。
(2)自転車マップの更新
広島市が、一層「自転車」に優しい「まちづくり」を進め、かつ高い水準で実現するためには、
ハード整備のみならず、自転車利用の促進や利用マナーの向上など、市民(利用者)の意識に働き
かけるソフト面での対策が不可欠といえる。以上の考えの動機付けの一助となりうるツールとして
「広島中心地自転車マップ」を平成19年度から継続的に作成しており、今回は4回目の更新を行
った。
2
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
(3)ひろしま水辺風景 10 選の作成
水の都広島は、自転車で美しい眺めを見ながら河岸沿いを走れるところが多くある。
そこで、今年度は実際の良好な水辺風景を各メンバーが撮影し、それを 12 月に開催するフォーラ
ムの際に参加者に投票してもらい、
『ひろしま水辺風景 10 選』を選定することとした(第4回会
議(8/30)での決定事項)
。
(4)
「第6回ひろしま自転車トーク 2011」の開催
本活動の状況を発表するとともに、“市民にも観光客にもやさしい“自転車のまち・ひろしま”
のあり方“をテーマに意見交換の場として「第6回ひろしま自転車トーク 2011」を開催した。
(5)成果のとりまとめ
以上の活動成果は、本報告書に記すとおりとりまとめた。
なお、本報告書は広島市や広島県、国土交通省へ建コン協の活動成果として提出することを検討
している。
3
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
3.活 動 工 程
活動は以下に示す工程で実施し、会議はメンバー各社の持ち回りで計 7 回実施した。
なお、具体的な作業については、メンバー内で作業を分担し実施した。
表 活動工程
H23(2011)年
4
5
H24(2012)年
6
7
8
9
10
●
●
●
●
●
11
12
(1)WEB サイトの更新
(2)自転車マップの更新
(3)ひろしま水辺風景 10 選
(4)第 2 回ひろしま自転車トーク 2007 開催
①準備
②開催
③アンケート結果等の集計
(5)成果とりまとめ
会議
●
4
●
1
2
3
H23 年度 社会貢献活動
第2章
自転車とまちづくり
活 動 結 果
1.WEB サイトの更新
1.1
目的
自転車まちづくり研究会では、これまでの研究活動の情報集約と社会への情報発信をより推進し
ていくため、平成 22 年度に WEB サイトを作成した。この WEB サイトの公開をきっかけとして、
新たな交流促進や社会的認知度の向上、研究会メンバー個人の活躍に繋げていくことを目的として、
今年度も継続的なWEBサイトの更新を実施した。
【WEBサイト運営の基本方針】
・これまでの研究会活動の情報蓄積と社会への情報発信 ⇒WEB サイトを通じた情報の集約・共
有・発信
・既存のサーバーを利用してリンクを貼っていく簡易なサイトを作成 ⇒更新にムリのない形態
・できるところの情報を随時更新 ⇒フォーラム前までにベースの公開を目標、その後順次更新
・WEB サイトの公開をきっかけに新たな交流促進や社会的認知度の向上、個人の活躍に繋げたい
5
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
1.2 WEB サイトの更新内容
(1)建設コンサルタンツ協会中国支部内
(社)建設コンサルタンツ協会中国支部内に「自転車まちづくり研究会」の WEB サイトを構築し、
平成 23 年 12 月 6 日より公開して以来、順次最新情報の更新を実施している。
http://www.jcca.or.jp/kyokai/chugoku/cycle/index.html
表
メニュー
HOME
活動方針
研究会メンバー
活動報告
お問い合わせ
WEB サイトの構成と更新内容
内容
データ
・活動概要
・テキストのみ
・お知らせ(新着情報)
・各ページへのリンク
・自転車まちづくり研究会について
・テキストのみ
・メンバー名簿
・テキストのみ
①自転車まちづくり研究会報告書
①テキスト+PDF ファイル
②自転車マップの作成
②テキスト+PDF ファイル
③THT の実施
③テキスト+転遊研へのリンク
④下敷きの配布
④テキスト+PDF ファイル
・連絡先
・テキストのみ
図
自転車まちづくり研究会の WEB サイト
6
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
2)外部ブログ
自転車まちづくり研究会メンバーの私的なブログとして、お知らせ、メンバー記事を随時更新し
ていくサイトを作成し、平成 23 年 12 月 6 日より公開し、今年度は 1 週間に 2 回程度の更新を
実施した。
http://cgbicycl.blog98.fc2.com/
区分
HOME
記事
表 外部ブログの構成と更新内容
項目
内容
・プロフィール
・簡単な紹介+本家サイトへのリンク
・最新記事タイトル
・20 記事程度を最新順に
・カテゴリー
・当面「お知らせ」「メンバー記事」の 2 つ
・自転車マップ
・本家サイトへのリンク
・お知らせ
・随時投稿(担当会社が更新)
・メンバー記事(100 の提言ネタ)
・メンバー持ち回りでの投稿
図 自転車まちづくり研究会メンバーのブログ
7
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
3)Facebook ページ
自転車まちづくり研究会メンバーの私的なブログを補完する目的で、専用の Facebook ページ
を試行的に開設している。情報更新内容はブログと同程度としている。
http://www.facebook.com/cgbicycle
表
図
リレー記事ローテーション
自転車まちづくり研究会メンバーの facebook ページ
8
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
4)twitter
自転車まちづくり研究会メンバーの私的なブログを補完する目的で、専用の twitter アカウント
を試行的に取得して情報発信を行っている。情報更新内容はブログと同程度としている。
http://twitter.com/cgbicycle
図
自転車まちづくり研究会メンバーの twitter ページ
9
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
2.自転車マップの更新
広島市が、一層「自転車」に優しい「まちづくり」を進め、かつ高い水準で実現するためには、
ハード整備のみならず、自転車利用の促進や利用マナーの向上など、市民(利用者)の意識に働き
かけるソフト面での対策が不可欠といえる。以上の考えのもと、当活動において、動機付けの一助
となりうるツールとして「広島中心地自転車マップ」を平成19年度から継続的に作成しており、
今回は4回目の改訂版となる。
今回の「広島中心地自転車マップ」作成に際しては以下の点を考慮した。
・ 現在、コミュニティサイクルとして社会実験中(2011 年 3 月 11 日~2013 年 3 月の
2 ヵ年の予定)である「のりんさいくる」情報を発信して、一層の利用促進を図ることによ
り、適切な社会実験結果を得るための一助となるようにしたい。
(「コミュニティサイクル」
は、より良い自転車まちづくりを進めるための有効なツールの一つであると考え、実験後、
本格導入されることを期待している。
)
・ 駐輪場位置に加えて、のりんさいくるポート位置も表示する。
・ ピスト自転車といわれるようなブレーキの無いものが登場したり、自転車事故も増加傾向
にある中で、警察による歩道での自転車の無謀運転の取締りが強化されている。そこで、
安全で快適な自転車利用を促進するために、交通法規を簡潔に掲載する。
・ 現在、わが国では 3.11 東日本大震災からの復興に向けて取組んでいるところである。こ
こ、広島も震災とは異なるが、原爆で焼け野原になったところから見事に復興を遂げた場
所である。そこで、“復興”を共通項として、広島の復興の痕跡を巡るサインである「原
爆被災説明板」を紹介する。(広島市民も意外としらない人も多く、改めて情報発信する
ことは有効である。
)
・ 市民だけでなく、来訪者利用も視野に入れたマップとする。(以前、中心市街地部のホテ
ルから「広島中心地自転車マップ」の追加要望があった。来訪者のマップニーズは高いも
のがある。
)
10
H23 年度 社会貢献活動
2.1
自転車とまちづくり
作成概要
「広島中心地自転車マップ」の様式・サイズについては今までと同様のA2版(420mm×
594mm)とした。
2011 年度版から改訂した主な内容は以下のとおりである。
【主な改訂内容】
①
のりんさいくる情報(表面)
・ 昨年度は「自転車パンク修理の方法」や「自転車の乗り方」
「自転車の魅力」を掲載していた
が、今年度は、コミュニティサイクル「のりんさいくる」の利用・登録方法や料金情報を掲
載した。
②
駐輪場案内情報の更新(表面)
・ 駐輪場の写真や利用時間などの情報について一部修正・更新した。また、地図上に「のりん
さいくる」のポートと登録機の位置を追加プロットした。
③
原爆被災説明版の紹介(裏面)
・ 昨年度は広島市中心部にある「トレジャーポイント」をクイズ形式で掲載していたが、今年
度は、
“復興”をキーワードに、
「『復興のまち・ひろしま』・・・昔の痕跡を巡ってみよう!」
と題して、原爆被災説明板の情報を掲載した。
・ 地図の中に 45 箇所の原爆被災説明板の位置をプロットするとともに、そのうちの 10 箇所
をピックアップして写真と情報を掲載した。
④
見所スポットの変更(裏面)
・ 域外からの来訪者を意識して、おすすめ見所スポットとして紹介する写真を変更した。
・ 見所スポットは域外からの来訪者が回りやすいように、中心市街地部のみとし、比較的メジ
ャーなものを対象とした。
⑤
マップエリアの変更(裏面)
・ 昨年度はお奨めサイクリングルートとして、安佐南区までが範囲に入った地図としていたが、
今年度は、域外からの来訪者を意識して、中心市街地部のみのマップエリアに変更した。
・ 昨年度は地図に紙屋町交差点を中心とした同心円を描いて概略距離を把握できるようにし
ていたが、今年度は 1km×1kmのグリッドに変更し、中心市街地部での距離感がつかみ
やすいように工夫した。
11
H23 年度 社会貢献活動
2.2
自転車とまちづくり
マップの配布について
マップの配布数及び配布先は以下の通りで計画する。
(配布は 4 月以降を計画しており、状況に応じ
て配布先と枚数を調整する。
)
【総配布数】5,000部
【配 布 先 】官公庁、ひろしま市民交流プラザをはじめ、一般市民にも幅広く配布(一覧参照)
表
案内対象
商店街
一般市民
建コン協
配布先と配布枚数(計画)
配布先
配布枚数
中心部の商店街振興組合(6 組合)
300
広島県庁
200
広島市役所
500
中区役所
100
南区役所
100
東区役所
100
西区役所
100
警察(交通課)
200
広島市まちづくり市民交流プラザ
300
市営駐輪場(4箇所)
800 (各所に 200 ずつ)
大型店舗
600 ゆめタウン、イオン等
高校(4校)
400 (各校に 100 ずつ)
自転車店(自転車組合)
500
ホテル
400
10社
300
中国支部
100
計
2.3
中心市街地部
5,000
WEBサイトへの掲載
例年同様、改訂した「広島中心地自転車マップ」をWEBサイトに掲載し、広く一般に向けて情報発
信を行うこととする。
具体的には、建設コンサルタンツ協会中国支部(http://www.jcca.or.jp/kyokai/chugoku/)
・活動報告・
自転車まちづくり研究会のサイトにマップ(PDFファイル)を掲載する。
2.4
マップデザイン
今年度作成、配布する「広島中心地自転車マップ」デザイン(表・裏)は次ページより示す。
(なお、
ここに掲載するマップデザインは 2 月末時点のものであり、最終印刷段階においては軽微に変更してい
る場合がある。最終版のマップは印刷後、各建コン協中国支部会員に配布予定。
)
12
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
13
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
14
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
3.ひろしま水辺風景 10 選
水の都広島は、自転車で美しい眺めを見ながら河岸沿いを走れるところが多くある。
そこで、今までは河岸沿い等のお奨めサイクリングルートとして「広島中心地自転車マップ」で
紹介していたが、今年度は実際の良好な水辺風景を各メンバーが撮影し、それを 12 月に開催する
フォーラムの際に参加者に投票してもらい、
『ひろしま水辺風景 10 選』を選定することとした(第
4回会議(8/30)での決定事項)
。なお、選定結果は、後日、(社)建設コンサルタンツ協会中国支
部内の「自転車まちづくり研究会」の WEB サイトに公表する。
http://www.jcca.or.jp/kyokai/chugoku/cycle/index.html
水辺写真撮影に際してのルール等は以下のとおりとした。
○
撮影期間は 9/1(月)~11/10(木)
○
水辺、河川沿いの風景を対象として撮影する。
○
写真撮影の対象エリアは「広島中心地自転車マップ」の範囲内とする。
○
写真は単なる水辺風景ではなく、自転車を写し込むこととする。
(写し込む自転車は「のりんさいくる」であればBEST、自車でもOK)
○
写真撮影位置を確認しておくこと。
各メンバーにより撮影された写真は全 41 点集まった。
次ページから水辺写真と撮影位置を掲載する。
15
H23 年度 社会貢献活動
16
自転車とまちづくり
H23 年度 社会貢献活動
17
自転車とまちづくり
H23 年度 社会貢献活動
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自転車とまちづくり
H23 年度 社会貢献活動
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自転車とまちづくり
H23 年度 社会貢献活動
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自転車とまちづくり
H23 年度 社会貢献活動
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自転車とまちづくり
H23 年度 社会貢献活動
安佐南区・安佐北区
自転車とまちづくり
広島市中心部
安佐南区
22
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
4.
「第6回ひろしま自転車トーク 2011」の開催
平成 18 年度からスタートした「ひろしま自転車トーク」も今回で第 6 回を数える。
「ひろしま自転車トーク」の第 1 回から第 5 回までのテーマは、以下のとおりである。
第 1 回:
“自転車利用に関する問題点や課題の抽出”
第 2 回:
“具体的な利用環境づくりの方向性を探る”
第 3 回:
“自転車の楽しみ方、自転車の素晴らしさ・美しさ・かっこよさ等を知る”
第 4 回:
“エコ”
第 5 回:
“広島をもっと自転車の利用しやすいまちにするために”
今回は、“市民にも観光客にもやさしい“自転車のまち・ひろしま”のあり方“をテーマに意見
交換の場として開催した。
4.1
開催準備
開催案内は、一般市民(公共施設、駐輪場)や商店街、大学、官公庁、本活動に参加している建
コン協会員各社などに対し、3,000部を配布した。
配布概要と案内チラシは以下に示すとおりである。
表
配布先と配布枚数
配布先
一般市民
枚数
駐輪場(西新天地・袋町・袋町小地下・大手町)
400
広島市まちづくり市民交流プラザ
400
中国・地域づくり交流会
400
商店街
広島市中央部商店街振興組合連合会
100
官公庁
広島県庁(道路整備課・住宅課・環境政策課)
150
広島市役所(道路企画課他)
200
広島市(中・西・東・南)区役所
200
国土交通省
環境省
中国地方整備局
50
中国四国地方事務所
50
大学
広島工業大学、広島大学、近畿大学、広島国際学院大学など
その他
TSS(テレビ新広島)
50
ウエストグリーンネット
50
そごう
建コン協
広島店
200
100
環ッハッハ(吉島公民館)
50
城北高校(自転車部)
50
その他関係者
150
活動メンバー各社
400
計
23
3,000
H23 年度 社会貢献活動
[表面]
[裏面]
図
4.2
自転車とまちづくり
案内チラシ
開催概要
「第6回ひろしま自転車トーク2011」のプログラム等は以下のとおりである。
■ 開催日時:平成23年12月17日(土)13:30~16:30
■ 場
所:広島市まちづくり市民交流プラザ(6階
マルチメディアスタジオ)
■ プログラム:
① 基調講演「自転車ネットワーク計画の展開について」
山中 英生 氏(徳島大学大学院 教授〈地域連携推進室長〉
)
② 活動報告
金子 俊之 氏 (建設コンサルタンツ協会中国支部)
③ 自転車トーク(パネルディスカッション)・・・〈○:パネリスト、※:コーディネーター〉
○ 加藤 慈然 氏(尾道観光協会 理事)
○ 三代目春駒 氏(コピーライター・ナレーター・武術家)
○ 平尾 順平 氏(ひろしまジン大学 学長)
○ 吉田 智志 氏(えたじま観光ボランティアの会)
※ 山中 英生 氏(徳島大学大学院 教授〈地域連携推進室長〉
)
24
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
第一部では、まず、徳島大学大学院の山中英生教授に「自転車ネットワーク計画の展開について」
と題して基調講演を頂いた。次に、本部会を代表して金子俊之氏が活動報告を行った。
第二部では、徳島大学大学院の山中英生教授をコーディネーターとし、4名のパネリストを迎え、
ディスカッションを行った。
また、自転車トークに参加しての感想・意見等を把握するため、参加者に対し、アンケート調査
を行った。
4.3
開催結果
「第6回ひろしま自転車トーク2011」には72名の参加(受付した人の数)があった。次ペ
ージより概要を示す。
25
H23 年度 社会貢献活動
開会挨拶(建設コンサルタンツ協会中国支部
自転車とまちづくり
髙田 禮榮 氏)
・建設コンサルタンツ協会中国支部道路部会を代表
して第 6 回広島自転車トーク 2011 の開会の挨
拶。
・平成 18 年からスタートし、今回が 6 回目。
・平成 18 年当時、自転車は便利なのに市民権がな
かった。
・今や自転車がファッションツールとなっている一
方で、悪者的な捉えかたをされることも。
・広島市での 2011 年 3 月 16 日から 2 年間のコ
ミュニティサイクル社会実験。
・広島でも自転車がまち中の便利なツールとして、観光客にもシェアされている状況。
・今日のテーマは、市民にも観光客にもやさしい“自転車のまち・ひろしま”のあり方。
(1)第1部:基調講演及び建コン協活動報告
■【基調講演】
「自転車ネットワーク計画の展開について」
山中 英生 氏(徳島大学大学院 教授〈地域連携推進室長〉
)
・まちを楽しい空間にしていくこと、まちの誇りと
しての自転車を使っていくこと、を考えてみたい。
・交通戦略パッケージとは、魅力あるまちをつくる
(生活の質 QOL の向上)という大きな目標を持
って戦略をつないでいくということ。
・街の魅力=シビック・プライド
・ロンドンのサイクリング・レボリューションは、
カラーリング等で自転車のイメージを植えつけて
いこうという戦略である。
・ドイツでは、長距離自転車観光(ツーリズム)を
今後どうやって浸透・発展させていくかが議論となっている。
・サンフランシスコのベイブリッジを自転車で渡るというのが観光客の支持を受けている。
・しまなみ海道は世界的に有名な場所、メッカになりつつある。
・バルセルナではまち中の自転車ツアーが提供されており、特に夜のツアーが好評である。
・自転車をこれからつかいたい国からすると、日本の道路空間は「お年寄りや女性が自転車を気楽に使
っている」
「どこでも走ってよい」ため素晴らしい国ととらえられている。
・日本での交通分担率はトップクラスであるが、乗っている長さは短く、速度も遅く、マナーが悪い。
・自転車が尊敬されないので、それほど活用できない現状にある。
・走行距離が増えれば死者数は減ってくる!?
・自転車に乗る人は顕著に発病率が低い!?
・自動車を持ってない人の 3 割が自転車を使用している。
26
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
・自転車のトリップを多くすることで、健康、環境、混雑に効果がある。
・楽しめて、安心できるという、生活の質としての自転車空間の創造が不可欠である。
・日本ではこれから自転車の数を維持していくのか、増やすのかといった基本的な戦略がまず必要。
・歩道は、道路毎にうまく使い分けて共存していくやり方を考えざるを得ない。現地で空間デザインの
情報をどう伝えていくのかが現実的である。
・福山市では道路区分を自転車の速度と歩行者・自転車の交通量で 4 つの区分に分類する取組みが行わ
れている。
・国総研の調査では、車道を逆走する自転車が一番危なく、次に歩道を逆走してかつ建物の横から交差
点にすり抜けていく自転車が危険といった結果もある。車道を順走している自転車は事故がおこって
いなかった。
・歩道が危険、車道が危険というのは、必ずしもどちらとも言い難く、事故の種類によって異なり、
「車
道が大変危険です」というほど危険ではないということが現実に言われているところである。
・フランスでは、はっきり「自転車が増えれば事故は減る。決して恐れることはない」と自信を持って
言っている。
・自転車は車道の左側を走らせようということが実験的にあちこちで行われている。
・歩道もとりあえず通れて、早く走れるレーンの方に、できるだけ車道を使いながら順次車道に移して
いこうという長期的な戦略が望ましいのではないか。
・奈良県では、ママチャリ乗りをミドルユーザーに、ミドルユーザーをハイユーザーに引き上げて、宿
泊者数の増加を狙った観光施策が実施されている。乗り捨てレンタサイクル、サイクルイベントで、
良い道路に誘導するようなネットワークづくりからはじめ、車道を走ることを基本とする走行空間の
ガイドラインが作成されている。
・自転車の目の高さの 150cm のポスト型サインを付けたり、注意喚起のサインの開発等を通じ、自転
車が安心して走れるようなまちづくりを目指している。
・また、広域レンタサイクルや大規模駐車場にサイクリング・ステーションを置いたパーク&サイクル
実験が行われ、電動アシストを貸し出すと相当遠くまで行ってくれる結果が得られた。広域連携サイ
クリングマップ(京都の嵯峨野~奈良の飛鳥まで約 90km)が引く手あまたの状況にある。
・奈良県が災害協定を結んでいるコンビニ等に自転車の休憩や修理の場所を登録する制度であるサイク
ルスポットの取組みも実施されている。
・奈良の自転車の取り組みは、
「マーケッティング志向」
「走りやすい道を選ぶ」
「地域の担い手育成」
「サ
インやネーミングなどのイメージビルディング」といった特徴を有している。
・フランスのバイヨンヌという町から続く 30km ぐらいの自転車道では、フランスの統一マークであ
るグリーンの同一マークがつながっている。このマークを追っかけて走行すれば良いということを示
している。
・ロンドンのイメージカラーはブルー。サイクル・スーパー・ハイウェイは、長距離の自転車通勤を推
奨することで、ロンドンの混雑緩和や健康維持に結びつけようという戦略である。
・オランダのイメージカラーは、最近このベンガラ色に統一された。
・小さな石が道に埋まっている自転車には辛いまちブルッセルも、所にも構わずマークが付いている。
まち中の道では歩行者が一番でその次が自転車でその次は公共交通でその次が自動車であり、上位の
27
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
ものが見えたら止まらなくてはならないという基本原則の街路交通法に変えた先進的な国。
・サンフランシスコでは、車道の中を自転車が共有することを重視。自転車ブールバールは、自転車が
ど真ん中を走っても良い道のことである。
・福山のカラーの連続レーンでは矢印マークを入れることで逆走する自転車は殆どなく、また様々な自
転車のルールが分かるようなサインの提案をしている。
・統一カラーにより自転車の存在を自動車に見せ、様々な配慮があり、安全感を確保できるようなイメ
ージ戦略が非常に重要であるといえる。
■【建コン協活動報告】
「自転車まちづくり研究会活動報告」
金子 俊之 氏
(建設コンサルタンツ協会中国支部)
・自転車マップを今年は観光客にも使ってもらえるように更新中である。
・twitter/face book も試行中である。
・自転車と水辺の入った広島らしい写真を、順次、マップや HP 等で公開を予定している。
・随時発信中の情報へのアクセスのお願いしたい。
(2)第2部:自転車トーク
話題提供と意見交換
【話題提供】
■加藤 慈然 氏(尾道観光協会 理事)
・しまなみ海道は、今、本当に自転車で賑わっている。
・向島のサイクリングロードでは、ブルーラインという路面サインが引かれており、尾道の渡船乗り場
までの距離なども表示されている。
・尾道観光協会では 4 年前からサイクリング事業に取り組んでいる。人と自転車も橋を渡れる特徴、生
活道路として整備された道路空間を活用して、国交省の社会実験に応募した。
・まちづくりナビプロジェクト(地域コンテンツを QR コードなどを通じて、多言語で音声ガイドなど
を発信する実験)結果として、顔と顔が見える関係の大切さに気付いた。
・しまなみ海道自転車活用の社会実験では、島の人々や地域の魅力に繋がるような工夫を実施した。
(既
存航路への自転車乗り入れのクーポン券発行、モニターツアー、案内サインと立ち寄り拠点への駐輪
場、給水所整備、トイレ等の整備(サイクルオアシス)など)
・子供たちや高齢者の命を守るマナーの向上、交通安全を促進し、安心安全のまちづくりを目指す。
・日経新聞のおすすめサイクリングコース、なんでもランキング平成 22 年 8 月 28 日付で、専門家た
ちによる人気投票で第一位に選ばれた。
・外国人観光客向けの自転車で島々を楽しむツアーやクルージング、レモン足湯などの取組みも実施。
・平和都市広島を自転車マナーのまちとして世界にアピールすべく、広島市はもうちょっとマナーを頑
張ってもらいたい。
・今年前半には道交法基準の緩和により、広島県でもタンデム自転車、二人乗り自転車を乗れるように
なった。現在、バリアフリーについても調査中であり、自転車人口の裾野を広げる努力も実施中。
・空、人、柄の間に入るものは「間」であり、人と自転車の間など、今後様々な「間」についての課題
が問われてくるのではないか。
28
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
・
「心」=マナー向上が、まちづくりの近道ではないか。
■三代目春駒 氏(コピーライター・ナレーター・武術家)
・私は、文章表現全般に関わる仕事であるコピーライター、ナレーター、マンツーマン指導制の道場を
持つ武術家、ミュージシャン。
・中学から自転車小旅行愛好家。今も輪行という、自転車をたたんでその場で組み立てて走るというの
をやっており、お勧めである。
・父親が競輪選手を 58 歳までやっていた。父方も母方も祖父は自転車屋でした。
・自転車で移動する方が、非常にリラックスしたいい気分で、アイデアが沢山出る。
・自転車が市民権を得るために、分かってくれない人にはどういう風に伝えれば良いか、分かる人には
より分り易くするにはどうすれば良いかという視点で今日はお話ししたい。
■平尾 順平 氏(ひろしまジン大学 学長)
・ひろしまジン大学は、文科省指定の大学ではなく、社会教育、まちづくりというのに主眼をおいて活
動する任意団体。2012 年 2 月に NPO 法人になる予定。
・2,30 代が全体の 8 割。約 1200 名登録。授業を全県で展開。女性が 6 割。7 割以上が社会人。サ
ラリーマンの生涯学習の場。
・今回の参加のきっかけは、髙田さんを先生にお迎えした「ひろしまのまちを自転車と写真と川のまち
という切り口」の授業である。
・繋がるきっかけづくり、地元を知り、体験し、共有する場づくり、市民力をあげて県民力をあげるこ
とで、行政主導だけではなく、市民が考えなおしていく、動かしていく土壌づくりを行いたい。
・学生に授業の度にアンケートや感想等、企業の CSR とか社会貢献 PR・マーケッティングに貢献し、
スポンサーになってもらうことで成り立っている。
・自転車に対する知識、ルールに関する社会教育を担うということで貢献できる!?
■吉田 智志 氏(えたじま観光ボランティアの会)
・自転車通学の高校時代まで広島市に居住。江田島に居住して 10 年。
・江田島で有名なのは「もっくん廊下」の海上自衛隊の幹部を養成する学校。
・江田島市の観光に関して、自転車、ハイキング、農作業体験、かき焼き等をやっている。
・江田島は宇品港からフェリーでわずか 30 分。自然が凄く綺麗。自転車は大変走り易い。その他、船
を解体する場所、グルメスポット、蕎麦屋の自作サイクルスタンド、温泉。
・江田島のサイクリングマップは、耐水ペーパー仕様、サイクル仕様の大きさ、フェリー時刻表の記載
など、サイクリストのことを考えた出来となっている。
・江田島内には 16 箇所ほどのサイクルスタンドがある。
・以前は道路が悪く、パンクするところもあったが、現在では舗装が進んでいる。
・せとうちサイクルパスを見せればフェリーの自転車料金が無料。土日は宇品の窓口で、平日は宇品の
旅客券協会で販売しており 3 日間有効。
・今年度 5 月からレンタル自転車の貸出を開始している。4 箇所で 32 台用意し、1 日 500 円。電動
29
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
自転車は 1000 円。時間は無制限で 9 時から 17 時の間乗り捨てできる。
・スマートフォンを活用した音声による観光案内システムも運用中であり。1 月 7 日まで無料。1 月 8
日以降は 500 円。
・子供たちが江田島に住んでよかったなというようなまちになってもらいたい。自転車のオリンピック
選手が出たらなおさら良いと思っている。
【意見交換】
■1 問目:広島の道は自転車にやさしいと思いますでしょうか?
⇒会場の回答は NO が非常に多い(約 7 割)
。
(山中氏)人と自転車の関係、自転車とまちづくりの関係についてお願いします。
(春駒氏)今、住んでいるところは高校が密集していて、朝、危険を感じる事が多い。道路が狭い場所
や通勤通学時間によって、走っても良い所がドライバーにも、歩行者にも、自転車に乗っている人に
も分かる視覚的な住み分けの工夫が必要。
(平尾氏)視覚的に分り易いというのは必要。駐輪場不足の解消が必要。
(山中氏)停めやすさも重要。
(加藤氏)訪問者にとって広島市のまち中に持ち込みがウェルカムなのかどうかわからない。また、の
りんサイクルの申し込みの敷居を低くすべきではないか。例えば旅行商品とセットのカードなど。お
財布携帯を持ってなくても利用しやすい環境づくりが必要。
(吉田氏)歩道の段差が走り難い、車道を走ると車から邪魔者扱いされるといったイメージが広島市内
にはある。平和大通りのイルミネーションが始まる前に、いきなり「車道を走ってください」という
看板に従って車道を走るのは無理がある。
(山中氏)警察としては、
「歩道は走る所ではない、通行であって走行ではない」
「通行してはダメとい
う歩道では基本は降りてください」ということです。現場状況が色々で、非常に難しい問題です。
■2 問目:日頃、まち中に自転車で散策に出かけることは多いでしょうか?
⇒半分 YES、半分 NO。
(山中氏)子供たちが自転車を買ってもらって、自転車に乗ることが楽しくて、あちこち行けるのが楽
しくて、彼らの活動空間というのが一気に広がってくる。自転車散歩は、そういうすごい力を持って
いる。乗っているのが面白いというのをどうやって増やして行けば良いかについてお願いします。
(加藤氏)自転車は五感をくすぐる。川縁の景観、ゆっくり走れば自転車も ok という環境づくり、休
憩施設の設置等、広島の自転車文化をアピールするにはリバーサイクリングの充実が必要ではないか。
ある意味、川が一つの地上サインになると思うので、川までとりあえずたどり着くとまた元のルート
に戻れるという一つの指標として、サインを考えることも出来るのではないか。
(山中氏)川縁のルートをすごいスピードで走ると問題があるので、ゆったりと走ってもらう仕掛けを
考えなければいけないと思います。
(春駒氏)広島市は市民を水辺から遠ざけている。広島は自転車で行ける所が多い。緩急色々付けた「走
り方」
、ここはどれぐらいのスピードで走った方が良いなどというようなアドバイスをマップに盛り込
めばよいのではないか。宮島まで行く遊覧船に自転車が乗せられたら面白い。
30
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
(山中氏)サンフランシスコのベイブリッジを渡って帰って来る時のフェリーでは、担ぎ方から、前と
はこれぐらい開けろとか、指示があって、というくらい苦労してちゃんと船を自転車に使っている。
工夫次第で、船って何とでもなるのだと見ていました。
(春駒氏)朝の交通ルールでも、こういう風に走りましょうという凄いド派手な格好をしたお手本(お
巡りさんでも良い)が要所にいたりしたりすると面白い。
(山中氏)海外には自転車の交通警察がいる。自転車のお巡りさんもちゃんと自転車のユーザーにしま
しょうという話も今色々な所で出ています。
(平尾氏)「広島は人も車も自転車もマナーがしっかりしてるよね」というのが一つのブランドになっ
ていくことが出来れば非常によいと思う。観光客という面でも「自転車といえば広島」と出てくるよ
うなまちになるのではないか。
(山中氏)是非、市民全体の思いに変えていくような仕掛けをお願いします。
(吉田氏)特に自転車初心者の方に楽しんでもらうには、行って帰るだけではなく、周遊できる楽しい
コース設定が欠かせないのではないか。
■3 問目:自転車で観光する方を見かけることは多いでしょうか?
⇒若干 NO の方が多い。
(山中氏)観光客にとっての自転車のまちにするにはという提言があればお願いします。
(加藤氏)瀬戸内海への最初の着地点である平和都市広島で瀬戸内海の魅力を大いにアピールして頂き
たい。ツイッターやフェースブック等での情報発信も大事なのではないか。
(春駒氏)ユーチューブとかユーストリーム等映像配信。例えば、夕日サイクリストの吉田さんが日没
までに夕日に向かって一生懸命漕いで、最後に日没と同時に好きな女性の名を叫んで終わる。外国人
にそういう役割をやってもらっても面白い。
(平尾氏)出発する前にこれを見たいとか、こういう気持ちを一緒に味わいたいとかというのを事前に
どれだけ見せられるかなというのが非常に大事。例えばマーケッティングにより欧米観光客に絞り込
み、来た人のために整備しようというおもてなしの心を持つことが出来れば、満足を与えられる。ソ
フトに関してはひろしまジン大学に任せて頂ければという最後に売り込みです。
(吉田氏)外国人はヘルメットをかぶっていないのが不思議だと思う。ヘルメットをかぶって車道を走
るイメージへ変わる必要がある。
(山中氏)人とのつながりをきっかけにして、自転車好きの人が増え、普通の人達にはわからないサイ
クリストの楽しみへと、そういうのを続けて行って本当の自転車の楽しみを伝えていくことも非常に
大切だと思います。
■会場からの質問:人と人との間を抜けていく感じが楽しい。自転車に優しくないまちだから感じられ
る。危ないのですが、ちゃんと整備されたら嫌なのです。この気持をどうすれば良いですか?
(山中氏)お話いただいたような日本の文化を少しずつ変えていきたい、という思いで道路をつくる側
は進めています。楽しみと罪悪感は非常に重要です。是非、罪悪感を残して頂きながら、楽しんで頂
ければと思います。
31
H23 年度 社会貢献活動
(広島市地域温暖化対策地域協議会からの告知
自転車とまちづくり
6 月の土曜日、まちづくり交流プラザ予定、自転車都
市ヒロシマを考えるフォーラム)
閉会挨拶(建設コンサルタンツ協会中国支部
長谷山 弘志 氏)
・山中先生には 4 回目のご登場で、日本全国の自転車行政の先端の話を毎回していただいています。
・自転車ネットワークづくりの基準が整備されていく中で、コンセプトを持って広島の自転車文化とい
うものを進めて行くべきというお話でした。
・今回は、観光ということをテーマに少し展開をして頂きました。
・尾道の加藤さん、江田島の吉田さんの観光の実態のお話は、広島の観光と自転車とまちづくりの参考
になりました。
・春駒さんには素晴らしいトークの中で色んなストーリーを作って頂きました。
・ジン大学の平尾さんには、今後も全体をコーディネートして頂くお立場で広島の自転車と観光という
所で関わって頂けないかという気がします。
・やはり根っこになるのは何と言っても安全で快適な自転車の走行空間が如何に連続して整備されて行
くかです。観光で来られた方が広島は自転車で走り易かったと言ってくれるようなまちになれば、研
究会を続けて来た甲斐があったと思いますし、これからもどんな展開が出来るのかわかりませんけれ
ども、これからも続けていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。
・今日は本当に長い時間ではございましたけれども、皆さん、ありがとうございました。
32
H23 年度 社会貢献活動
4.4
自転車とまちづくり
参加者へのアンケート調査結果
「第6回ひろしま自転車トーク2011」の参加者に対して、フォーラムの感想や自転車利用に
関するご意見などをうかがった。
4.4.1 アンケート調査票
参加者に配布したアンケート調査票は以下のとおりである。
33
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
数
収
4.4.2 アンケート調査結果
(1)回収結果
参 加 者 数
回
72名
収
回
41票
率
56.9%
(2)アンケート結果
(Q1)本日のトーク全体を通してのご感想について、該当する番号に○をつけてください。また、
その理由を教えてください。
無回答
悪かった
選
択
肢
回答数
非常に良かった
良かった
2.4 4.9
普通
9
7.3
非常に
良かった
26
22.0
普通
3
悪かった
1
良かった
非常に悪かった
0
63.4
無
回
答
2
(%)
[Q1の選択理由:自由記述]

パネリストの選択が良かったと思う。

楽しい、興味ある活動環境を開けた。

分かりやすく、面白かった。

自転車対策を仕事でやっているのですね。毎回やる気にさせてくれるイベントです。素晴ら
しいです。

現在の様々な取組みの紹介をしていただき、非常にイメージが広がった。

自転車の利用の方法の選択の幅が広がった。
(自身の中で)

切串からのレンタル自転車があれば、広島からの客(ツーリスト)も増えると思う。

自転車に対してのパネリストさんのお話が分かりやすかった。

色んな分野のパネリストの話が聞けた。

他地域での取組みなどが分かって興味深かったです。

色々なアイディアが面白かった。

多くの視点からの意見が聞けた。

自転車に乗ってはいませんが、乗っている人との間で、考え方、とらえ方に大きなギャップ
が無いことの確認ができました。
34
H23 年度 社会貢献活動

自転車とまちづくり
パネルディスカッションにおいて、色々な立場から自転車に対する意見が聞かれ、参考にな
った。

講演もためになったし、自転車トークも個性豊かなパネリストさん達の面白い話で時が経つ
のも忘れてしまいました。手作り感があってなぜか親しみやすいです。ありがとうございま
す。

自転車の楽しみ方、また走る時の難しさなど改めて考えさせられました。

自転車道の整備についての考えを知ることができた。

吉田さんの話が興味深かった。

山中先生の講演とパネルディスカッションのつながりが良かった。もちろんそれぞれの話
も!

海外の実施状況を知ることができた。また、国内「奈良の実施」
。とても素晴らしかった。

全広島でとらえるより、広島市でとらえてくれると嬉しい。市(ミニマム)→県全域に展開
してゆけばと思います。モデル都市指標である利点を利用して広げていってほしい。

色々な意見・考えを聞くことができた。もっと踏み込んだ話を期待していたので少し物足り
ないです。

結論が見えてこなかった。ただ話を聞いているという感じ。

なぜ広島市役所は来てないのか。なんと 99 年からモデル都市なのに、今まで何をやってた
のか市の HP で返答を。
(Q2)本日のトークに参加する前と参加した後で、自転車に対する意識(気持ち)に変化がありま
したか。該当する番号に○をつけてください。
変化があった方は、どのような変化かを、変化がなかった方は、なぜ変化がなかったのかを
お聞かせください。
選
択
肢
無回答
回答数
変化があった
25
変化がなかった
12
9.8
無
回
答
変化が
なかった
29.3
4
変化があった
61.0
(%)
35
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
[Q2の「変化があった」と回答した人の理由:自由記述]

自転車で観光するという発想があまりなかった。

観光にも目を向けて対策をとる必要があると感じた。

観光で行くことを強く考えるようになった。

これからの自転車への考え方に観光の視点から考えることができた。

自転車乗りとしてのプライド。

マナー(心)を良くしないと。

マナー、ソフト対策の重要性。

マナーについて、もっと考えなくては・・と思います。中・高校で、ルール教育したほうが
いいなと思うようになりました。

自転車のマナー向上について、日頃より色々考えているが、ヒントを得られたような気がす
る。

トークセッションは専門家ではなく一般の方々でアイデア等、いろいろな示唆に富んでいた。

自転車に乗って走りたいと思った。

やる気になります。ホント。

毎日の通勤や、休日の走行時に、
「ここはこういうものがあれば?」等イメージできる。

江田島、しまなみ、市内散策等に自転車を利用してみたいと思った。

江田島へ行ってみたい。
(島を自転車で走りたくなった)

やっぱり自転車は楽しんで乗ってほしい。そのためには色んなルールなどをもう一度見直し、
道路改善も必要だと思う。

情報発信という意味で自分自身からも何かできないかと考えるようになりました。

奈良の事例は大変分かりやすく、旅してみたいと思いました。

江田島をもう一度(10 年前ママチャリでまわりました)まわりたいと思いました。

現在自転車には乗っていませんが、乗ってみたいなと思いました。

以前は楽しみで自転車に乗っていたのですが、最近はご無沙汰にしていたのでまた走りたく
なりました。

もっと利用するような仕組みができれば楽しい町になることを知った。

しまなみ海道-ブルーライン

道路空間の構成が変えられるのでは、と思う気持ちが以前より高まりました。

現在も少し活動しているけれど、もっと前向きにやらねば。
36
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
[Q2の「変化がなかった」と回答した人の理由:自由記述]

参加方法及び自分に何ができるのかがいまいち理解できにくい。

今までも自転車に関してはいろいろ考えてき、実行しているので・・・。

日頃コンサルタント協会関係者は一体どれだけ自転車活用しているのか、乗っているように
はとても思えない。どうもイベントのためのイベントにしか見えない。

環境整備がちっとも進まない。

現在の自分より上の意識の意見が無かったため。

私も、少年時代からの自転車乗り(趣味)で、同感するばかりで、意識が変化するような話
はありませんでした。

自分の考え方をますます深化させようという気持ちになった。(これも一種の変化でしょう
か)
(Q3)本日のトークで特に印象に残った自転車の話や、あなたの日頃の自転車利用に関するお考え、
ご意見、アイデアなどがありましたら教えてください。
[Q3の回答:自由記述]

通勤でしか利用していないので、自転車での遠出も検討してみたい。

市内の駐輪場整備の話。

江田島を自転車で走ってみたい。

奈良県の取組みが面白かった。

マナーアップと放置自転車への市民意識の向上は、訪問者を受け入れる側としての基本であ
ると思う。

色んな分野とのコラボレーションの可能性がある。

国道はともかく、県道、市道はすぐにでもインフラ対策ができるのでは!?国交省に期待し
ます。

自転車をシェアするということをマスコミで取り上げるべきでは!?マスコミはたたくこ
とばかり。プラス面をしっかりやるべき。

派手な自転車マン、いいですな。

方向性(矢印?)のある走行レーン表示。

各地区の熱い試みの状況をうかがえて楽しかったです。

「通行」が 7.5 ㎞/h 以下、
「走行」が 7.5 ㎞/h 超という事、初めて聞きました。

郊外の団地(高台)に住んでおり、自転車ユーザーでないため、自分には自転車は関係ない
と思っていたが、レンタサイクル等で楽しめるということを知り、利用してみたいと思った。

市内(郊外)の路線バスでも自転車を積めればよいと思う。

車道を走る時、大型トラックなどが来た時、危険を感じるので、車幅を広くしてほしい!

広島市の自転車ルールやマナーが悪い。
37
H23 年度 社会貢献活動

自転車とまちづくり
逆走防止についてもっと力を入れてほしい。以前国道2号線を老女が老人車を押して歩いて
いた所、逆走した女子高生(比治山学園)が三列横帯で走って来て、道を譲るわけでもなく
そのまま過ぎ去ってしまった。学校とこの会を主催するみなさんは、どう思われますか?

江田島の吉田さんのお話はとても面白かったです。生の(現場の)声が聞けたように思いま
した。

山中氏はいつも分かりやすく素晴らしい。吉田氏は素晴らしい。広島市と安芸太田町は大規
模自転車道(中区~三段峡)を早く作ってくれ。中国5県の県都で大規模道が無いのは広島
市だけ。何年経っても何も良くならない。

今回出た色々な提案をこの場だけにせず、メディアを活用したアピールができるといいと思
います。特に広島市内での自転車利用が他の広島地域に比べて、難しいように思えます。

広島市脱温暖化地域対策協議会のエコチャリWGでも、「自転車都市ひろしま」を目指した
活動を続けています。市への提言を受け入れられるように、目に見える「提言」に協力して
やって行きたいですね。

自転車に乗ることによって、いいアイデアが浮かんでくる。

警察庁より自転車の車道走行の通達が出されたが、これを機会に自転車のルールやマナーに
ついての教育・啓発活動に力を入れるべきと考えている。

自転車と歩行者に関する話ばかりだったが、車との関係を考えないと先に進まない。ルール
とマナーが混同されている。意識してしっかり使い分けて下さい。

サイン(ピストグラム)の整備。

レンタルの手続きの簡素化。

毎日通勤に自転車を使うが、暗黙のルールがあると思います。たまにルール違反の人もいま
すが。南区の駅~高校への道は時間帯によっては車道一車線専用にしてほしいです。

「福山市は自転車利用率を上げたい」とハッキリ言っていることがオドロキでした。(感心
した)

広島市の利用率が意外と高いこと。

江田島のサイクルパスの件。

自転車がどこを走ればよいのか。(車道か歩道か)自転車が走ってもよいレーンを色分けす
るのは自転車に乗っている人だけではなく、歩行者にとってもよく分かって、危険が少なく
なると思いました。

観光客が楽しむためには、市民が自転車に親しんでいないと伝えられない―平尾さんのこと
ば

山中先生からの道路交通法の優先順位の話は我国にもぜひ取り入れてほしい。①歩行者②自
転車③公共機関④自動車

歩道、自転車レーンへの駐輪対策の強化。(即撤去など)

高齢(73 歳)なので時々しか自転車に乗らないけれど、楽しいイベントには参加したい。江
田島も楽しそう。2011 年 11 月南区の「宝さがし」イベントに参加した。
38
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
(Q4)今後もこのような機会があれば参加してみたいですか。該当する番号に丸をつけてください。
選
択
肢
参加したい
回
参加したくない
37
参加したくない
無
無回答
回答数
答
7.3
2.4
1
3
参加したい
90.2
(%)
(Q5)その他、本日のトークに関して、何かご意見があればご自由にお記入ください。また、“今
後、自転車利用促進に向けてこのような活動をしたらどうか”といったアイデアやアドバイ
スがありましたらお願いいたします。
[Q5の回答:自由記述]

コーディネーターは広島の人がやらないと。(平和大通りのドリミネーションの話とかがわ
からないと。)

パネリストの人数は4人がいいのか。

マイクが聞き取りづらかったです。

昨年のように、個々に机のある部屋でお願いしたい。
(メモがとりくにい)

パネリストの方々がそれぞれユニークで良かった。ありがとうございました。

ひろしま=広島市なのか広島県なのかハッキリしてほしい。

聴講者も参加する形は良かったが、その結果とトークの関連性が分かりにくかった。

自転車社会と趣味とは別個に論議するほうが、まとまりがあるのでは?

資料作成、準備等ご苦労様でした。皆さんのパワーに脱帽です。

山中先生のレクチャーはとても興味深かった。時間を長くしてもっとゆっくり話してほしか
った。特にデータのある画面は理解するのにイライラした。

トークだけでなく、実際に走るイベントを。吉田氏はぜひ自転車トラック競技を始めて下さ
い。まずは1km、4kmタイムトライアル。

自転車用スマホアプリは今後増えそうな気がしますね。

ママチャリの方がよくつけている傘の固定具は違反になりませんか?違反にならなければ
幅の狭い縦長の傘等をセットすれば、観光地などコンスタントな需要を期待できると思いま
す。
(山中先生から奈良・京都etcに提案?)
39
H23 年度 社会貢献活動

自転車とまちづくり
郊外から市内へ出るバスや電車に自転車を載せることができれば、市内散策にも自転車が利
用できるのではないだろうか。

のりんサイクルを利用する方法が敷居が高いと聞き驚いた。もっと気軽に利用できるよう当
局に働きかけるべきではないか。

逆走禁止のお話がありましたが、日本(奈良県)でも実施されていますか。

楽しいコースを作る。サイクリングをしていて楽しめるようにする。初めてサイクリングを
する人が興味がわくように?

広島市内を初めて自転車で走りましたが、あまりの乗りにくさにビックリした。歩行者優先
(というか歩行者用通路)なのである意味仕方ないと思いますが、意識の低さに困惑気味で
す。

自転車には必ず保険をかけてほしい。

ルールとマナー、自転車と自動車の共存についての意識づけが大切だと思います。また、市
や警察なども含めて皆を巻き込んで理解してもらい、取り組んでいければいいなと思います。

自転車散策の前に、通学、通勤に対する整備が必要だと思います。

江田島を走ってみたくなりました。

奈良の取組みなど、具体的な形を示していくと自転車についてのイメージが変わってくる。
広島はしまなみ、島嶋部での取組みがだんだんと見えてきているので、さらに風を吹かせて、
広島市内でも河岸緑地をうまく使うルートづくり、PR、それをサポートする仕組みを作っ
たらよい。
40
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
(Q6)回答者の属性
(性別)
選
択
肢
無回答
回答数
31
女性
9
2.4
男性
無
回
答
女性
22.0
1
男性
75.6
(%)
(年齢)
選
択
肢
無回答
回答数
70歳以上
20 歳代
1
30 歳代
12
40 歳代
11
50 歳代
13
2.4
4.9
70 歳以上
1
答
2.4
29.3
50歳代
2
回
2.4
30歳代
60 歳代
無
20歳代
60歳代
31.7
40歳代
1
26.8
(%)
(住所)
選
択
肢
回答数
無回答
4.9
市内
25
市外
14
市外
2
34.1
無
回
答
市内
61.0
(%)
[市外]
大阪市・倉敷市・庄原市・三原市・尾道市・福山市・東広島市・廿日市市
41
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
(職業)
選
択
肢
回答数
会社員
20
公務員
10
無回答
0
家事業(主婦等)
0
自営業
1
学生
0
無職
1
その他
5
回
答
12.2
無職
パート・アルバイト
無
9.8
その他
自営業
2.4
2.4
会社員
48.8
公務員
24.4
(%)
4
(主な交通手段)
選
択
肢
徒歩
無回答
回答数
その他
マイカー
2
12
バス
13
2.4
7.3 2.4 4.9
自転車
電車・アストラム
9
マイカー
3
その他
1
無
回
答
徒歩
自転車
電車・アストラム
29.3
22.0
バス
1
31.7
(%)
(このトークを何で知ったか)
選
択
チラシ
肢
無回答
回答数
2.4
4
19
その他
17
9.8
知人に聞いた
無
回
答
チラシ
その他
1
41.5
知人に聞いた
46.3
(%)
42
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
(昨年度の参加経験)
選
択
肢
回答数
無回答
14
参加していない
25
4.9
参加した
無
回
答
参加した
34.1
2
参加していない
61.0
(%)
43
H23 年度 社会貢献活動
第3章
自転車とまちづくり
おわりに
「自転車とまちづくり」、街中での自転車の快適環境づくりに向けてどのような社会貢献ができるの
か。そのようなテーマを掲げて、自転車まちづくり研究会の活動がスタートしたのは、平成 18(2006)
年4月のことであった。
私自身、当時は、片道 1 時間を超える典型的なマイカー通勤者であった。標高 300mを超える廿日市
市(旧佐伯町)の片田舎に住む私にとっては、自転車通勤などはとても考えられなかった。しかし、こ
の活動を通して、日々の暮らしの中に自転車を取り入れることへの想いが募り、やや強引ではあったが、
念願の自転車通勤を実現するに至った。自宅からマイカーで約 20 分、JRで約 10 分、そして自転車で
約 25 分という所要時間であり、マイカー通勤とほぼ同じ所要時間である。そして、肥満気味であった
体重も、3カ月を経過した頃から減り始め、今では標準体重を維持することが出来ている。私だけでは
なく、同じ活動をしているメンバーの多くも、様々な形で意識・行動の変化が起こったのではないかと
思う。
私達が進めてきた自転車まちづくり研究会の活動も6年を経過した。これまでの取組みを振り返り、
少しだけ整理してみたい。
1.街中での自転車の快適環境づくりに向けた課題を探る
初年度の研究会活動は、広島市の中心市街地において、市民のそれぞれの立場における自転車利用の
あり方や解決すべき問題点などを把握するとともに、街中における自転車の快適環境づくりに向けた課
題を探ることを目的とし、大きくは以下のような 3 つのことに取り組んだ。
①現地踏査と既存調査資料のレビューによる現状と課題の整理
② 一般市民と商店主へのアンケート調査
③「ひろしま自転車トーク 2007」の開催/テーマ:
「自転車利用に関する問題点や課題の抽出」
そして、初年度の活動を通して得られた結果から、自転車の問題と課題は、以下のように集約された。
(1)自転車の駐輪について
放置自転車の問題は、自転車を議論する際に最初に出てくる話題である。自転車は、「戸口から戸口
まで」を可能とする自由度の高い交通手段として捉えられており、自動車のように駐車場を担保として
利用するという感覚は低い。そのため自転車の利用特性に合わせた駐車場の確保が求められる。しかし
ながら、利用者のニーズを全て満たす駐輪場の確保は現実的には難しい。解決するためには、自転車利
用者側と駐輪場整備側の立場や意識をうまくすり合わせていくことが課題となる。
(2)自転車の走行空間について
広島市中心部では、自転車ばかりでなく歩行者と自転車の通行量が多く、道路整備の基準からすれば、
それぞれの分離が必要なレベルにある。しかし、道路幅員は 10m以下がほとんどであり、現状の道路交
通機能の変更なしでは、それぞれを分離した整備は難しい。したがって、現行の道路空間の中で、自転
車、自動車、歩行者が共存できる手法を検討することが必要になる。都心エリア内には駐車場が多く立
地し、業務車両の出入りも多い。このような自動車交通需要を抑制しながら、歩行者と自転車とが共存
できる手法、あるいは自転車交通需要も抑制するような手法について、市民、企業、商店街、行政間で
のコンセンサスを得ながら探っていくことが課題である。
44
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
(3)自転車利用のルールづくりについて
アンケート調査結果によると、市民は中心部での自転車利用には肯定的であるが、それにはマナー向
上を重要な条件と考えており、そのためには「法律での取り締まり」や「監視員の配置」が必要とする
意見が多い。しかし都心部での快適な利用環境を創出するために新たな規制で対応することへの市民の
反発も予想され、自転車の利用促進どころではなくなる可能性もある。駐輪場や走行空間の整備と連動
して、自転車利用の基本的なルールづくりが重要な課題となる。
2.街中での自転車の快適環境づくりに向けた継続的な活動
1年目の活動を通して整理された課題に対して、2年目以降の活動として以下の様な事を継続的に行
って来た。
(1)広報ツールづくり
私達が目指す自転車利用促進を一人でも多くの方々に理解していただくためにという、想いを込めて
広島市中心部の自転車マップづくりを行った。2年目の活動として作成した初版以来、今年で3度の改
訂を行い、2012 年版が最新版である。印刷部数は、いずれの版も 5,000 部であり、官公庁をはじめ、
市民が立ち寄る拠点に配布させていただいた。様々な機関からの問い合わせも多く、ご好評を頂いた。
今年度は、域外からの来訪者、観光客向けの情報に重きを置いたマップの更新を行った。また、広島市
が主体となって取り組んでいる、コミュニティサイクルの社会実験「のりんさいくる」などの情報も盛
り込まれた。自転車マップ以外にも、活動4年目には、下敷きを媒体とした小学生向けの利用マナー教
材を 3,000 部作成し、主に広島市中区・東区の小学4年生を対象に配布させていただいた。
(2)自転車イベントの開催
「Bike
is
Good!(たくさんの人に自転車の良さをわかってもらいたい)
」をキャッチフレーズに、
みんなで共有できる自転車遊びを模索・実践している「自転車遊び総合研究所」と連携して開催する「ト
レジャー・ハント・ツーリング(THT)」は、私達の活動に大きな勢いを与えてくれた。
(3) 自転車トークの継続開催
平成 18 年度からスタートした「ひろしま自転車トーク」も、今年で第6回を数えた。この自転車ト
ークは、私達の活動の大きな柱となっているのであるが、毎年の活動の締めくくりであるとともに、次
なる活動のテーマを見いだす重要な機会でもあった。
改めて、第1回から第6回までの開催テーマを振り返ると以下のとおりである。
第1回:自転車利用に関する問題点や課題の抽出
第2回:具体的な利用環境づくりの方向性を探る
第3回:自転車の楽しみ方、自転車のすばらしさ・美しさ・かっこよさ等を知る
第4回:環境に優しく乗って楽しい自転車の普及に向けて
第5回:広島をもっと自転車を利用しやすいまちにするためには
第6回:市民にも観光客にもやさしい「自転車のまち・ひろしま」のあり方
講演者とパネリストは、様々な立場の方々にお願いし、学識経験者、行政、商店街振興組合、メディ
ア、まちづくり活動団体、自転車店経営者、自転車ツーキニスト、自転車施策先進地等、延べ 28 名の
方々にご登場いただいた。また、自転車トークへの参加者は、延べ 539 名であり、用意した会場の席が
ほぼ埋め尽くされた状態であった。
45
H23 年度 社会貢献活動
自転車とまちづくり
私達は、自転車利用空間の整備や利用者マナーについての大きな課題に、正面から取り組むことより
も、やや側面的に、自転車の良さを伝えながら、市民と行政、そして自転車に関わる各種団体が、対立
するのではなく、共に手を携え、より自転車の利用しやすい広島のまちの実現に向かって進んでいくた
めに、ポジティブに自転車利用の輪を広げる活動を選択してきたように思う。
(4) 提言書づくり
この「提言書」は、私達メンバーがこれまでの活動を通して経験したことや感じたこと、日頃の生活
の中で思い付いたアイデアなどを出し合い、自転車道整備に関するもの、駐輪場に関するアイデア、安
全対策、放置自転車対策、自転車に対する意識、レンタサイクルのアイデア、自転車の魅力再発見、自
転車イベント、広島スタイルなど様々内容がとりまとめられている。また、自転車の利用しやすい広島
のまちの実現を願うとともに、平和都市広島ならではの自転車文化づくりに向けた率直な想いとアイデ
アが満載されている。
(5) ウェブサイトの構築
本研究会の活動趣旨を踏まえ、これまでの研究会活動の情報集約と社会への情報発信をより推進して
いくために、自転車まちづくり研究会専用のウェブサイトを作成した。ウェブサイトのコンテンツとし
ては、自転車マップ、自転車イベント情報、フォーラム情報、小学生向けマナー教材、私たちからの 100
の提言、活動報告書などである。そして、このウェブサイトの公開をきっかけとして、新たな交流促進
や社会的認知度の向上、研究会メンバーの個々の活躍に繋がっていくことが期待される。
本活動をスタートさせた平成 18 年度当時とは打って変わって、現在の自転車ブームの追い風は、ま
だまだ加速し続けている。しかし、私達が本当に望む「広島らしい自転車文化づくり」に近づきつつあ
るという実感が、なかなか湧いてこないのである。こつこつとこれまでの施策を続ける自転車行政は、
とても大切なことであるが、自転車利用の増加のスピードにハード整備が追い付かない実態に対するも
どかしさを感じつつ、自分たちの活動の無力さを感じるメンバーも少なからず居るようにも感じた。
そのような状況の中で、今年度は、「広島自転車スタイル」と「観光とまちづくり」というキーワー
ドでの活動にメンバーの期待感が広がっていったようにも感じた。環境に優しく健康づくりに役立ち、
経済的で時間短縮にもなり、地域の魅力を再発見できて、災害時にはタフな移動手段、そしておしゃれ
でかっこいい乗り物という様々な自転車の優位性に加えて、これまであまり関わりのなかった産業界や
自転車を利用しない市民にも関心を持っていただけるきっかけがあるのではないかと思うのである。
最後に、電車、バス、リバークルーズなどの公共交通と連携し、平和都市そして水の都としての広島
らしさ・資源をうまく活用しながら、山中教授が提案された「自転車によるシビック・プライド戦略」
の考え方に基づく、観光と自転車を結び付けた広島らしい自転車のまちづくりが進んでいくことを切に
願うもとともに、これまで私達の活動を支えていただいた多くの方々に感謝の意を表したい。
(社)建設コンサルタンツ協会中国支部
長谷山 弘志(株式会社 荒谷建設コンサルタント)
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