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平成24年度

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平成24年度
平 成 2 4 年 度
藤 沢 市 オ ン ブ ズ マ ン 制 度
運 営 状 況 報 告 書
藤 沢 市 オ ン ブ ズ マ ン
目
次
1.運営状況の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
(1) 苦情申立て等の受付及び処理状況
(2) 勧告・意見表明
(3) 巡回オンブズマンの実施
(4) そ の 他
2.苦情申立ての受付及び処理状況 ・・・・・・・・・・・・・・
4
3.苦情申立ての処理事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
〔参考資料〕
1. 苦情申立ての受付及び処理に関する統計表 ・・・・・・・ 46
2. 相談・苦情等の受付総数 ・・・・・・・・・・・・・・・ 51
3. 苦情申立ての処理の流れ ・・・・・・・・・・・・・・・ 52
4. 藤沢市オンブズマン条例 ・・・・・・・・・・・・・・・ 53
1.運営状況の概要
( 1 ) 苦 情 申 立て等の受付及び処 理状況
( a ) 苦 情 申立て等の受付状況
市民から寄せられる苦情は,市長,教育委員会等に係る苦情をはじめ
として,内容的にも個別具体的な行政処分・行政指導に係る苦情から職
員 の 態度・対応に係る苦情等と多岐に亘っています。
平成24年度に藤沢市オンブズマンに寄せられた苦情申立て等の件数
は229件で,内,相談107件,他市からの問い合わせや資料請求が
80件,視察が1件,オンブズマンが面談を行ったが苦情申立てとなら
なかったものが17件ありました。最終的に,オンブズマンが受け付け
て処理することになった苦情申立ては24件であり,その内訳は以下の
と お りです。(※51頁参照)
地区別では,市内からは,片瀬,藤沢,善行,六会及び湘南台の各地
区から複数の苦情申立てが,
沼,
堂,明治,湘南大庭及び遠藤から
各1件の苦情申立てがありました。市外からの苦情申立ては3件であり,
い ず れも県内からのものでした。(※46頁参照)
行政組織別では,市民自治部,保健福祉部,計画建築部及び教育委員
会が各5件,土木部が2件,総務部及び財務部が各1件となっています。
( ※ 47頁参照)
苦情申立ての方法は,オンブズマン事務局に来訪によるものが14件,
郵送によるものが6件,電子申請によるものが3件,巡回オンブズマン
に よ るものが1件ありました。
ま た,苦情申立て件数を月平均でみると2件になります。
以上の具体的な苦情の内容については「統計表3」(※48頁)を参
照。
( b ) 苦 情申立ての処理状況
平成24年度の苦情処理件数は,平成23年度からの繰り越し分1件
を含めた25件でした。そのうち24件は年度内に処理を終了し,残り
の 1 件は翌年度に繰り越しました。
処理を終了したものの内訳は,苦情申立ての趣旨に沿ったものが7件,
苦情申立ての趣旨に沿えなかったものが8件,調査を中止・打ち切った
ものが4件,調査をしないこととしたものが5件ありました(※49頁
参 照 )。
苦情申立ての処理にかかった日数は,早いもので9日,長かったもの
で 1 6 2日,1件当たりの平均処理日数は55.2日となっています。
-1-
( 2 ) 勧 告 ・ 意見表明
平成24年度は,市民からの苦情申立てに基づいた調査の結果,行政に
対 す る 勧告・意見表明はありませんでした。
( 3 ) 巡 回 オ ンブズマンの実施
市民の利便性とオンブズマン制度の一層の周知・定着を図る必要から,
平成17年10月より,市内13ヶ所の市民センターないし公民館に毎月
1 回 オ ン ブズマンが出張する「巡回オンブズマン」を実施しました。
平 成 24年度の実施状況は次のとおりです。
オンブズマン
巡
回
地
区
予
約
来
場
苦情申立て
が面談したが
受付件数
申立てに至ら
なかったもの
長 後 市民センター
堂 市民センター
善 行 市民センター
湘 南 大庭市民センター
湘 南 台市民センター
沼 市民センター
村 岡 公民館
六 会 市民センター
片 瀬 市民センター
明 治 市民センター
御 所 見市民センター
遠 藤 市民センター
計
0
0
0
0
0
0
2
1
1
0
0
0
4
0
0
1
0
0
2
3
1
2
0
0
0
9
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
3
0
0
0
0
0
4
(4)その他
①
第 14回全国行政苦情救済・オンブズマン制度連絡会への出席
平成24年11月14日,第14回全国行政苦情救済・オンブズマン
制度連絡会(出席者:29自治体オンブズマン等(道県4,市区23,
総 務 省及び(社)全国行政相談委員連合協議会))が中央合同庁舎第2号 館
8階第一特別会議室において開催され,これに荻田オンブズマンが出席
し ま した。
-2-
同 連 絡会における議題は,以下のとおり。
(議題1)市の重点施策に位置付けられている事業に係る苦情申立て
について,オンブズマン会議に事業の妥当性・合理性等の
判断を求めら れた場合の対応について
(議題2)行政苦情に対する審査制度について,スピードアップのた
めの仕組み・工夫について
(議題3)自治体間で給付内容や条件が異なる福祉サービスに関して,
他都市並みのサービスを求める苦情について
(議題4)オンブズマン制度における,是正をもとめる「勧告」の要
件と「勧告」の現状と分析について
( 議 題5)苦情申立ての 事例公表について
( 議 題6)発意調査につ いて
②
他 市の状況
全国行政苦情救済・オンブズマン制度連絡会は,北海道,秋田県,山
梨県,沖縄県,札幌市,横浜市,川崎市,新潟市,北九州市及び熊本市
が幹事自治体となって運営されており,現在33の自治体から構成され
て い ます。
③
そ の他
オンブズマン制度の運営は,市民の理解と信頼が必要不可欠な基盤と
なります。このため,毎年度の「運営状況」や制度の「利用案内」を定
期的に広報ふじさわに掲載するなどしてPR活動に努めるとともに,各
市民センター・公民館・図書館などにオンブズマン制度のポスター・パ
ンフレットや苦情申立書用紙及び運営状況報告書等を配付して置いても
ら い ,制度の周知・定着と市民の利便性を図っています。
また,平成14年3月1日からホームページを開設し,制度の案内と運営状況を
掲載しています( URL: http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/ombuds/)。
-3-
2.苦情申立ての受付及び処理状況
〔苦情申立ての受付状況〕
1.
苦情申立て受付件数
2.
行政組織別受付件数
総
務
部
財
務
部
市
民
自
治
部
保
健
福
祉
部
計
画
建
築
部
土
教
木
育
委
合
24 件
1
1
5
5
2
5
5
24
部
員
会
計
件
件
件
件
件
件
件
件
〔苦情申立ての処理状況〕
数
24 件
平成23年度 からの繰越件数
1 件
平成24年度 受 付 件
合
計
件
25 件
数
1.苦情申立ての処理を終了したもの
24 件
( 1 )苦情申立ての趣旨に沿 ったもの
7 件
( 2 )苦情申立ての趣旨に沿 えなかったもの
8 件
( 3 )調査を中止・打ち切っ たもの
4 件
( 4 )調査をしないこととし たもの
5 件
2.苦情申立ての処理中のもの(次年度繰越)
1 件
-4-
3.苦情申立ての処理事例
<要
約>
(*印のあるものについては全文を掲載)
(1)苦情申立ての趣旨に沿ったもの
(事例~1)片瀬山市民の家協力金に関する苦情
―平成24年1月1日以降,公の施設である片瀬山市民の家におい
て,藤沢市地域市民の家条例に定める利用料金(ホールは300
円,ホール以外の施設については200円)の他に,「協力金」
と称して1室1回利用につき100円が徴収されることとなっ
た。同年3月には指定管理者である藤沢地域市民の家運営委員会
連絡協議会(以下,「指定管理者」という。)からの申し入れを
受け市民自治推進課が起案・作成した文書をもとに,協力金の徴
収は継続されることとなった。しかしながら,このような公の施
設の利用にかからしめた条例上定めのない金員の徴収は,公の施
、、、、、、、、、、、、、
設の管理に関する事項については条例で定めなければならないと
する地方自治法第244条の2第1項(条例制定主義)及び同条
例第7条第2項(利用料金)に違反している。平成25年1月8
日,オンブズマンとしては,市民自治部長(市民自治推進課)に
対し,違法な料金徴収について是正すると同時に,これまで徴収
した協力金を返還するよう申し入れた。その結果,同年1月18
日,同部長からは,「法とモラルを守る藤沢」に基づきコンプラ
イアンス遵守を第一に協力金徴収の廃止と徴収した協力金の還付
について,指定管理者に対し申し入れ,同年1月13日,片瀬山
市民の家運営委員会において,協力金徴収の廃止,協力金の還付
が決定された旨の報告があった。
(市の対応)
平成25年3月8日,オンブズマンから市民自治部長に対し報告
を求めましたところ,同部長からは,(1)同月26日,(2)同
月29日及び(3)4月26日,それぞれ文書にて報告がなされま
した。(※市からの報告内容等の詳細については18頁以下を参
照)
-5-
*
(事例~2)市内認可保育園の運営に関する苦情
―苦情申立人の子が土曜日に発熱し,月曜日に小児科を受診したと
ころインフルエンザと診断された。通園しているA保育園に電話
、、、、、、
で相談したところ,当初,同園の職員からは「診断後7日間は登
園できない。兄弟児の登園も認められない。」との説明を受けた
、、、、、、、
が,園長先生からは「発症から7日間は登園できない。」との説
明を受けた。登園できない場合について明文化してもらえるよう
要請したが聞き容れてもらえなかった。市からもきちんと指導を
してもらいたいとの苦情申立てについて調査を行った。
厚生労働省のガイドラインとは異なる独自の登園基準を定める
ことについては,認可保育園ごとに,乳幼児の数・比率や施設状
況等に違いがあることからすると,その内容が厚労省のガイドラ
インや園の特徴に照らして合理的なものであると認められる限り
においては問題ないと考えられる。ただし,認可保育園独自の登
園基準に合理性が認められない場合には,不当な保育拒絶として
認可保育園側に債務不履行責任が生じ得ることになると同時に,
そのような違法な状態にあることを指導担当課が漫然と放置して
いたこともまた問題となり得るところであるから,独自の登園基
準設定の経緯や理由について,市はできるだけ具体的に把握すべ
きであると判断した。
担当課からは,A保育園の登園基準について記載されている
「入園のしおり」を改めて全保護者に配布し周知徹底をはかるよ
う指導・確認すると同時に,兄弟児の登園基準についても明確に
するよう指導を行った旨の報告があった。オンブズマンとして
は,本件について園が課の指導に従った対応を行うかどうかにつ
き今後も引き続き見守るよう申し入れた。
(市の対応)
平成25年3月15日,オンブズマンは,こども青少年部長(保
育課)に対し,平成24年4月24日付「苦情調査の結果について
(通知)」に係るその後の市の対応について報告を依頼し,平成2
5年3月25日,同部長より以下のような報告があった。
前記通知における申し入れ内容「園が課の指導に従った対応を
行うかどうかにつき,今後も引き続き見守ること」に対するその
後の対応については,下記のとおりです。
①平成24年11月に「保育所における感染症対策ガイドライ
ン」が改訂されたことに伴い,改訂版ガイドラインを市内認
-6-
可保育所及び市内認可外保育所へ配布し,ガイドラインに基
づいた適切な対応をとるよう依頼した。(その中でインフル
エンザにかかったときの登園の目安について変更有り)
②各園の対応に差異が生じないように,平成25年1月に保護
者向け通知「インフルエンザ発症の際の登園の目安について
(お知らせ)」(※下記資料)を作成して各園に配布し,保
護者への周知を図るよう依頼した。
以
資料
-7-
上
(2)苦情申立ての趣旨に沿えなかったもの
(事例~3)市民会館の使用料半額返還について
*
―市民会館集会室の使用許可後に使用日の変更を申し出たところ,
予約の取り消しと再度の使用許可申請が必要であり,既納使用料
については半額のみの返還となり数ヶ月後に口座に振り込まれる
との説明を受けたが納得がいかないとの苦情について調査を行っ
た。市民会館は商用施設とは異なり公共性が高く,利用に当たっ
ては公平性が重視されることから,使用許可を得ることで排他的
な利用権を得ることの対価として使用日まで相応の負担割合を一
律半額としていることについては明らかに不当であるとまでは考
えられないと判断した。また,還付にかかる期間については,還
付請求のあった日から30日以内に行うこととなっており,本件
においてもそのように手続が執り行われていることを確認した。
ただし,還付にあたっては,より早く市民に還付を行う手続も存
在していることから,会計課に対し各課にその旨周知徹底するよ
う申し入れた。
(事例~4)保険料の督促について
―苦情申立人は平成24年度国民健康保険料第1期分を既に納付し
ているにもかかわらず,市から督促状が届いた。この点について
市に苦情を伝えたところ,次回以降改善する旨の話があったの
に,第2期分についても督促状が届いた。今後,督促状が出ない
よう対応をして欲しいと考え,オンブズマンに苦情を申立てた。
担当課によれば,本件については,苦情申立人からは前年の所
得について申告がなされなかったことから減免がなされず,本来
より高額の保険料支払いの通知を受けたが,その後,来庁した苦
情申立人の娘の申告に基づき,徴収額の再計算が行われた。しか
し,再計算がなされた段階においては,時期の問題により,第1
期分の変更を行うことはできないので,第1期分のみ再計算前の
徴収額となり,再計算された徴収額から第1期分を引いた額を残
りの9期分で割って徴収することとなる旨,苦情申立人の娘に伝
えたところ(この支払い方法であれば督促状は出ない。),第1
期分をまとめて支払うのは困難であると説明され,再計算後の年
間徴収額をほぼ均等に10等分した額を第1期分の徴収額として
徴収することとなった。しかし,この場合には,第1期分につき
賦課通知の変更が出来ないため,第1期分につき,未納額が生じ
てしまう。この未納額については第2期に徴収される金額から充
-8-
*
当されることとなる。このように現実に徴収される金額を前期以
前分へと充当するという処理は年度いっぱいまで続くこととな
る。したがって,毎期,苦情申立人が適切に納付しているとして
も,現実の納付状況としては,賦課通知書と比べ,常に前期以前
分の徴収額につき未納状況が続いていることとなる。このような
場合,法令に基づき,市は督促を行わなければならないこととな
っているとのことであった。
本件に関する市によるこのような取扱いは,法令に則ったもの
であり,市の対応に問題があるとはいえないとオンブズマンは判
断した。
(事例~5)市営住宅申込み資格について
―苦情申立人は夫と離れて生活している。当時住んでいた住宅が競
売にかかり立ち退きを迫られたので市営住宅に入居したいと考え
て住宅課に相談したところ,「申込み資格はある。」との説明を
受けた。その後,平成25年1月の市営住宅入居者募集に応募し
ようとしてまちづくり協会に赴いたところ,まちづくり協会の担
当者を通じて住宅課の職員からは,「苦情申立人は結婚してお
り,夫婦を不自然に分けることはできないため,夫と別居したま
までは申込み資格はない。」「苦情申立人には従来から事情の変
更がないかぎり申込み資格は認められないと説明してきた。」
等々の説明を受けた。苦情申立人としては,このような住宅課の
説明・判断は不当であり,また,住宅課が以前の説明を後に撤回
するのは不当である,との苦情を申立てた。
苦情申立人の申込み資格については,同居しておらずに不自然
に夫婦が別居(分離)している本件のような場合には認めること
はできない旨が「藤沢市市営住宅入居者募集のしおり」に記載さ
れていること,また,このような申込み資格の制限が不合理であ
るとまではいえないことから,市の対応に問題があるとはいえな
いとオンブズマンは判断した。
担当課による苦情申立人への以前の説明内容(「申込み資格は
ある。」)の真偽については,当事者双方の説明内容に齟齬があ
ることから,オンブズマンはこの点について判断をしないことと
した。
-9-
(1)苦情申立ての趣旨に沿ったもの
事
例
~
1
苦情申立ての趣旨
対象機関:市民自治部(市民自治推進課)
片 瀬 山 市 民 の 家 協 力 金 に 関 す る 苦 情
本件苦情申立て内容は,公の施設である藤沢市地域市
民の家を運営管理する指定管理者(本件では,藤沢市地
域市民の家運営委員会連絡協議会)に対するものであ
り,市の機関に対する苦情ではないことから,直接的に
はオンブズマンの所管とはなりません。しかしながら,
指定管理者は法令上も市の監督下にあることから,オン
ブズマンは,所管課である市民自治部市民自治推進課を
通じて事情を聴く等の調査を行いました。その結果は以
下のとおりです。
1.苦情申立人の主張
(1)苦情申立ての経緯
片瀬山市民の家の利用料金については,藤沢市地域
調
査
の
結
果
市民の家条例上,ホールは300円,ホール以外の施
設については200円と全市的に決まっているにもか
かわらず,ここ1年くらい前から前記利用料金のほか
に100円を「協力金」として窓口で支払うことにな
っている。苦情申立人は,申込みに際しては,必ず毎
回「払わなければならないんですか?」と聞くことに
しており,その都度受付の人からは,「払わないこと
はできません。」といわれる。支払った際には,利用
許可書に「協力金領収」とのはんこを押してもらって
いる。
協力金について市民の家運営委員に何に使っている
のか聞いたところ,「従業員の給料を上げるため。」
とか「運営が厳しいから。」といった回答であった。
協力金をとることについては,利用している30団
体には説明をした模様であるが,一般市民には回覧で
知らされただけである。
- 10 -
(2)苦情申立ての趣旨
利用料金の他に協力金を支払わなければ施設を利用
できないのは,藤沢市地域市民の家条例に違反する。
2.市民自治部市民自治推進課の説明
平成24年12月19日及び平成25年1月8日,市
民自治推進課より以下の説明を受けた。
(1)片瀬山市民の家の運営主体等について
平成17年度より,藤沢市に現在41施設ある地
域市民の家は「藤沢市地域市民の家運営委員会連絡
調
査
( つ
の
づ
結
果
協議会(以下,「連絡協議会」という。)」を指定
き )
管理者として管理を委託しているが,実際に管理を
行っているのは各地域市民の家運営委員会である。
本件片瀬山市民の家については,実際に管理を行っ
ているのは片瀬山市民の家運営委員会(以下,「運
営委員会」という。)である。なお,委託に当たっ
ては,条例・規則の他に「藤沢市地域市民の家の管
理運営に関する基本協定書」(以下,「基本協定
書」という。),「藤沢市地域市民の家の管理運営
に関する年度協定書」(以下,「年度協定書」とい
う。),「藤沢市地域市民の家管理運営業務仕様
書」(以下,「業務仕様書」という。)を取り交わ
している。
(2)協力金をとることになった経緯
もともと片瀬地区には自治会館がなく,片瀬山市
民の家が自治会館のかわりになっていた。そして,
片瀬山市民の家が建設された当初から受付専任者が
いたが,その者に対する謝礼については市からの委
託金の一部及び片瀬山連合自治会からの支援金(寄
付)でまかなわれてきた。従って,本件協力金はあ
くまでも同会への「寄付」なので,市民の家の決算
報告書に記載はされていない。
受付専任者は,片瀬山市民の家において,基本的
には自治会の仕事をしているが,利用者から問い合
わせ等があった場合,利用方法等についてもいろい
ろと教えてあげたりはしている。
- 11 -
もともと協力金をとることとなった経緯として
は,受付専任者の週四回勤務体制を維持したいとい
う こ と と , ア ル バ イ ト 代 と し て 1 時 間 4 0 0 円 ×4
時間払っていたものをもう少し上げてあげたいとい
う思いから同会からお金を出してきたが,ここにき
て同会のお金がなくなってきてしまった。では,足
りなくなる分について寄付という形で取れないかと
の話になり,寄付であれば同会を構成する5つの自
治会すべて均等にとるとすると実際の利用状況にバ
ラツキがあることから不平等だとの声があり,最終
的に利用1回につき100円とるという現状の形に
調
査
( つ
の
づ
結
果
なった。
き )
(3)協力金徴収に関する市と指定管理者側との協議等
について
平成24年1月13日(金),片瀬市民センター
長より情報提供があり,現地を確認した。同年1月
1日から片瀬山市民の家で,利用料金の他に協力金
100円の負担をお願いする旨の掲示がなされてい
るとのことであった。この状況を受け,同日から同
年3月にかけて,指定管理者である連絡協議会,運
営委員会,片瀬山連合自治会(以下,「連合自治
会」という。)及び片瀬市民センターと複数回にわ
たる問題解決に向けた協議を行った。
その中で,市として条例にない料金を強制的に徴
収することについては不適切と判断し是正を求める
とともに,運営委員会及び連合自治会から協力金徴
収に至った経緯の説明を受けた。経緯としては利用
団体ほぼ全会一致の合意であること,強制ではなく
任意の協力金とした寄付であり,求めがあれば返還
に応じる旨を確認している。
最終的には,同年2月23日,連絡協議会事務局
長からの要請を受け,同課で,新しい張り紙(利用
者に協力金の負担をお願いする旨の文案。なお,同
文案については課長以下の簡易決裁を行ってい
る。)の文案を作成し,同月27日送付した。
同年4月以降,目立った動きはなくなっていた。
課長(今年度より同課課長)自身としては,今回の
- 12 -
苦情を通じて初めて本件問題を認識した。
本件におけるように,利用料金とは別に協力金を
とっている市民の家は片瀬山市民の家だけである。
本件市民の家利用(利用予定)許可書について
は,実際にどのようなものが出されているのかは,
課として見たことはなかった。
3.オンブズマンからの申し入れ
前記2記載のとおり市からの説明を受け,平成25年
1月8日,オンブズマンは,本件における協力金徴収の
調
査
( つ
の
づ
結
果
き )
問題点について以下のとおり指摘し,改善を行うよう申
し入れをしました。すなわち,
①
一般的に,条例に根拠のない金員を徴収すること
(本件にいう協力金の徴収)は,地方自治法第24
4条の2第1項(条例制定主義)に違反している。
②
藤沢市地域市民の家条例(以下,「条例」とい
う。)第7条第2項(利用料金)にも違反してい
る。
③
このことは,条例が改正された経緯〔平成15年
4月11日の弁護士相談結果(条例で定めていない
利用料金を徴収したことについては,法的に不当利
得に当たる。)〕からみても,条例違反は明らかで
ある。
④
平成23年12月26日付片瀬山市民の家におけ
る掲示内容(「ご利用1部屋につき1回100円」
と部屋の利用にかからしめて100円を徴収する旨
の記載があること)からみて,本件協力金は市民の
家利用の対価の一部と解釈されうる。
⑤
平成24年3月の片瀬山市民の家における掲示内
容(「1室1回使用に付100円」と部屋の利用に
かからしめて100円を徴収する旨の記載があるこ
と)からみても,本件協力金は市民の家利用の対価
の一部と解釈されうる。
⑥
「市民の家利用(利用予定)許可書・市民の家領
収書」に「協力金領収」の印を押すという運用は,
協力金の支払いを利用許可にかからしめているとみ
ることができ,支払わない場合には許可をしないと
- 13 -
いうことであれば,同法244条第2項(正当理由
なき利用拒否の禁止)に違反することになる。実
際,苦情申立人から聴取した限りでは,同人に対し
てそのような取り扱いがなされていたということで
ある。さらに,片瀬山市民の家だけがこのような取
り扱いをしているということであれば,同条第3項
(差別的取り扱いの禁止)にも抵触する可能性があ
る。
⑦
協力金の法的性質が寄付であるとの説明について
は,そもそも寄付であれば金額を明示すること自体
妥当ではなく,また,その徴収方法についても,施
調
査
( つ
の
づ
結
果
設内で徴収していることから,本件協力金は利用料
金といわざるを得ない。
き )
⑧
運用資金が不足しているということについては,
本来,指定管理者としては市民の家の利用率を上げ
るような努力をするとか,市としては利用料金につ
いて条例を改正するよう議会に提案するとか補助金
の額をあげるといった対応をすべきである(参照,
年度協定書第3条及び第4条)。ちなみに,平成2
3年度における市民の家の平均利用率は21.
7%,片瀬山市民の家は34.6%ということであ
るが,(利用時間区分が4時間単位で1日3区分し
かないことからしても,)いずれも利用率としては
高くはないのが現状である。
⑨
また,市としては,法律上も,報告を求め実地調
査又は必要な指示が出来,最終的には指定の取り消
し,管理業務の全部又は一部の停止を命ずることも
出来ることになっており(同法244条の2第10
項及び第11項),単なる指導の域にとどまらない
対応は可能である。
⑩
従って,本件における協力金の徴収が違法である
ので何らかの対応を行うと同時に,これまで徴収し
た協力金については返還すること。また,返金に当
たっては周知を徹底すること。
4.今後の市の対応について
平成25年1月18日,オンブズマンからの前記3申
- 14 -
し入れを受けて,市民自治部長から,以下のような報告
があった。
すなわち,「連絡協議会と平成24年12月19日
から計5回にわたり協議を重ね,市として施政方針で
も示された「法とモラルを守る藤沢」に基づきコンプ
ライアンス遵守を第一に協力金徴収の廃止と徴収した
協力金の還付について申し入れを行ってきました。
その結果,平成25年1月10日には施設内に掲示
されていた協力金徴収のお知らせの撤去及び連絡協議
会事務局長の指示により,協力金徴収が廃止されてい
ます。
調
査
( つ
の
づ
結
果
また,同年1月13日(日)には連絡協議会会長を
き )
交えた運営委員会の役員会(10名中9名出席)が開
催され,協力金の廃止及び徴収した協力金の還付につ
いて確認決定がされました。
なお,今後の運営につきましては,連合自治会とし
ての支援のあり方や常駐者の配置を含め,連絡協議会
と連合自治会で協議を行っていくものとなりまし
た。」
5.オンブズマンの判断
(1)はじめに
市民の家は住民の福祉を増進する目的をもってその
利用に供する施設,法的には地方自治法上の「公の施
設」であり,公の施設の設置及びその管理に関する事
、、、、、、、、、、、、、、、、
項は,条例でこれを定めなければならないことになっ
ています(同法244条の2第1項)。このことから
すれば,本件におけるように,よしんば,利用者全会
一致の合意があったとしても,前記利用者に含まれて
いない市民の利害について考慮するときには,そのよ
うな合意には法令上何らの意味もなく,さらには,条
例で利用料金が明確に定められている以上,市議会に
おいて条例で明文をもって定めない限り,利用料金の
値上げその他利用料金以外の名目での金員徴収は不可
能であり,また,このことは国内どの地方公共団体に
おいても同じ取り扱いになります。
- 15 -
(2)本件苦情における主な問題点とその対応
本件では,平成24年1月1日以降,片瀬山市民の
家において,条例で定められた利用料金の他に,条例
に定めのない「協力金」を徴収したことが条例に違反
するのではないかとの申立てがなされています。
本苦情内容については,オンブズマンとしまして
は,先に挙げた理由のほかに,条例上,利用料金の減
免に関する規定があるのに利用料金の増額に関する規
定のないことからその反対解釈として,また,基本協
定書第7条(管理運営業務の範囲),業務仕様書第2
(委任業務の内容)には指定管理者の業務の範囲につ
調
査
( つ
の
づ
結
果
いて,利用料金の徴収の定めはあるが利用料金の設定
き )
に関する定めはないこと,本件のような協力金を寄付
として容認すると「協力金」という名のもとに利用料
金を条例で定めている意味を有名無実化する虞がある
こと,さらには,本件「協力金」を容認すると他に同
様の事例が生じる可能性があること等をも加味する
と,法令違反といわざるを得ないことから,前記3に
あるとおり,市に申し入れを行いましたところ,前記
4のとおり,市から是正を行った旨の報告がありまし
た。そして,その是正内容については,おおむね行政
として最低限必要な対応を行っていると判断できます
ので,オンブズマンとしましては,今後の市の対応に
ついて引き続き注視してまいる所存です。
(3)その他の問題点
前記(2)のとおり,本件については主たる問題で
ある協力金の取り扱いについての対応はなされました
が,その他に以下のような問題点も散見されましたの
で,オンブズマンとしましてはそれぞれの問題点につ
いて指摘等を行います。
①
平成24年2月27日市民自治推進課が連絡協議
会事務局長宛に送付した文書の取り扱いについて
平成24年2月23日,連絡協議会事務局長か
ら,「市の意向を確認する意味でも新しい張り紙に
ついて,市民自治推進課でとりあえず,文案を作っ
て欲しい。その文案を基に編集し,新たな張り紙で
周知徹底をはかろうと思う。」との申し入れがあ
- 16 -
り,これをうけ,同課では参事(課長)以下の簡易
決裁をとり(年月日不明),2月27日,協力金徴
収を認める旨の文案を送付しています。
本市では,藤沢市事務決裁規程上,「市民の家の
指定管理者に対する運営指導に関する文書」につい
ては部長決裁と定められておりますところ,前記文
書につきましては,そのような取り扱いにはなって
おりませんでした。本件においては,最終的に市か
らはオンブズマンに対し市民自治部長名文書にて報
告(前記4報告)があり,同報告に基づいて指導が
なされたとのことですのでこの点については改善が
調
査
( つ
の
づ
結
果
なされたものと判断いたします。
き )
②
地域市民の家決算報告書について
本件協力金について,市民自治推進課から提出さ
れた資料である藤沢市地域市民の家運営委委員会連
絡協議会「第八回
連絡協議会総会
藤沢市地域市民の家運営委員会
2011年度(平成23年)決算
報告他」には,「協力金」の項目はありませんし,
変更があった旨の注記もなされておりません。この
点について,同課からは,本件協力金は自治会への
寄付なので市民の家の決算報告書の中には出てこな
いとの説明がありました。
しかしながら,本件協力金については,「使用許
可」にかからしめて徴収されている実態から見て
も,市民の家の利用料金の一部として扱われるべき
性質のものと考えられることから,オンブズマンと
しましては,同課に対し,決算報告書訂正等につき
指定管理者に指導等を行うよう要請いたします。
③
片瀬山市民の家の受付専任者について
本市の市民の家には,通常,常勤者はいない扱い
となっていますが,片瀬山市民の家では開設当初か
ら受付専任者を置いているとのことです。同受付専
任者については,市からの説明によると,主に自治
会の仕事をしているが,利用者から問い合わせがあ
った場合には応対もしているとのことでした。しか
しながら,公の施設である市民の家に市民の家の管
- 17 -
理をすることを主たる目的としない者を置くこと自
体問題がないわけではありません(条例第6条第1
項及び第3項参照)。それ故,オンブズマンとしま
しては,市は指定管理者に対し,受付専任者と市民
の家管理業務との関係について,明確にするよう指
導等をすべきであると考えますので,その旨の指導
をすることを期待いたします。
以
上
平成25年3月8日,オンブズマンは,同年同月25
日を期限として,市民自治部長に対し,本件について,
同年2月1日付け「苦情調査の結果について(通知)」
に係るその後の市の対応について報告依頼を行った。
市
の
対
応
(1)平成25年3月26日,市民自治部長より,下記
のとおり報告があった。
2013年2月1日付け「苦情調査の結果につい
て(通知)」に係わるその後の市の対応について報
告書
オンブズマンより申し入れのあった内容及び指摘
された問題点につきまして,市として次のとおり対
応しましたので報告します。
①藤沢市事務決裁規程の遵守について
オンブズマンからのご指摘のとおり,平成2
4年2月27日付けで市民自治推進課が地域市
民の家運営委員会連絡協議会事務局長へ送付し
た文書の取り扱いについて,参事(課長)以下
の簡易決裁で処理を行っておりました。これ
は,「市民の家の指定管理者に対する運営指導
に関する文書」について部長決裁と定められた
藤沢市事務決裁規程上から,不適切な事務執行
でありました。この点について改め,藤沢市事
務決裁規程にのっとり事務を執行し,今後も,
職員に事務決裁規程の遵守について指示徹底を
- 18 -
してまいります。
②地域市民の家の決算報告について
指定管理者に対し,市民の家決算書訂正及び
協力金徴収一覧表の作成につきまして指導を行
いました。その結果,片瀬山市民の家運営委員
会より,平成23年度市民の家決算書及び平成
24年1月~3月の協力金徴収一覧表を聴取す
ることができました。今後,内容を精査し,さ
らなる指導を行ってまいります。
市
(
の
つ
対
づ
き
応
)
③片瀬山市民の家の受付専任者について
公の施設である市民に家に管理をすることを
主たる目的としない者を置くことを問題とする
指摘に対して,指定管理者と協議を重ねた結
果,過去からの経過を鑑み,受付専任者を置か
ないことは地域住民の理解を得るのは難しいと
判断し,今後は片瀬山市民の家の予算の範囲
で,市民の家管理業務に専任する者として常駐
させることを確認しました。
これにより,指定管理期間の継続に伴い,4
月1日より指定管理者と新たに締結する基本協
定の中で,受付専任者の常駐について明文化
し,かつ,藤沢市地域市民の家運営委員会連絡
協議会と覚書を締結することとしております。
(※実際には,受付専任者は明文化されず,従
前どおりの基本協定書が締結されることとなり
ました。)
④その他
今回の指摘事項を踏まえるとともに,地域市
民の家の管理運営全般に関して,改めて,指定
管理者である藤沢市地域市民の家運営委員会連
絡協議会に対して適切な管理運営が図られるよ
う指示するとともに,全地域市民の家運営委員
会に徹底を図ってまいります。
以
- 19 -
上
(2)平成25年3月27日,オンブズマンは,前記
(1)市民自治部長からの報告には,協力金徴収の廃
止及び徴収した協力金の返還に係るその後の経過が一
切記載されていないことから,同日午前,市民自治部
長と面談の上,追加で報告を求めたところ,同月29
日,市民自治部長より,下記のとおり報告があった。
2013年2月1日から2013年3月末に至るま
での経過について(報告)
次のとおり経過について報告いたします。
市
(
の
つ
対
づ
き
応
)
2月1日(金)
・オンブズマンより「苦情調査の結果について
(通知)」を受領する。
2月4日(月)
①藤沢市地域市民の家運営委員会連絡協議会(以
下,「連絡協議会」という。)事務局長にオン
ブズマンからの「苦情調査の結果について(通
知)」を受領したことを告げるとともに,内容
の説明を行い,その他問題点等にかかわる指摘
事項について指導及び協議を行った。
②片瀬山地域市民の家の決算報告書について,協
力金に関する明細の提出を求めたが,決算報告
書には協力金の記載がなく,あらためて,20
12年1月から2013年1月までに片瀬山市
民の家で徴収した協力金について,明細の作成
を再度依頼した。連絡協議会から還付に係わる
名簿の作成作業中であるとの回答を受ける。
③片瀬山市民の家の受付専任者について
片瀬山連合自治会と連絡協議会で,今後の運営
について引き続き協議を行っていくことを確認
した。
④その他
利用者が保管する鍵の管理については,今後,
その取り扱いの協議を調整していくことを確認
した。
- 20 -
2月中~下旬頃
・連絡協議会事務局長より,還付準備が整ったの
で3月1日(金)に片瀬山市民の家運営委員及
び利用団体を招集し還付説明会を行う旨の報告
を受ける。
2月下旬
・連絡協議会事務局長が来庁。説明会で配布する
文案を提示される。文案には協力金を利用者に
お願いしなければいけなくなった経過を含め,
協力金を廃止しなければならなくなった経緯が
市
(
の
つ
対
づ
き
応
片瀬山市民の家運営委員会の視点で書かれてい
)
た。そのため文書表現についてはくれぐれも注
意すること,発信者は片瀬山連合自治会長との
連名で行ってほしい旨を伝えた。
3月4~5日頃(不明)
・連絡協議会事務局長より,説明会資料,説明会
への参加状況,説明会後の参加者の反応,今後
の周知方法(片瀬山市民の家内への掲示等)に
ついて,報告を受けた。状況として概ねの利用
団体が参加し,反対意見もなく説明会が終了し
たとの報告を受けた。
3月8日(金)
・オンブズマン事務局より,指摘した問題事項の
その後の対応経過について報告書を提出するよ
う求められる。
3月11日(月)
・指定管理者制度の担当課である市民経営推進課
と,片瀬山市民の家における一連の経過につい
て状況報告及び協定書の取り交わしについて,
並びに今後の対応等協議。
3月14日(木)
・市民経営推進課及び片瀬市民センターと上記に
- 21 -
ついて今後の対応等,協議。
3月15日(金)
・連絡協議会事務局長に対し,改めて決算報告書
の提出を求めるとともに,片瀬山市民の家にお
ける受付専任者の方向性について協議を行っ
た。
3月22日(金)
・連絡協議会事務局長より,還付に係わる協力金
徴収明細等の提出を受ける。なお,内容につい
市
(
の
つ
対
づ
き
応
て不明の部分があり,精査を行い,再度提出を
)
求めることとする。
3月26日(火)
・オンブズマンに対し,対応状況を報告するとと
もに,3月1日付けで配布された文書の問題点
について指導を受ける。同日,訂正文案作成提
出。(※26頁資料参照)
3月29日(金)
・連絡協議会会長と協議を行い,①訂正文配布に
ついて,②受付専任者について,③決算報告書
の訂正について,指示を行う。同日,片瀬山市
民の家に掲示されていた協力金還付のお知らせ
を回収し,訂正した文書を掲示する。
今後のスケジュール
・4月早々,片瀬山市民の家利用団体に対し,訂
正文を送付するとともに,周辺5町内会へ回覧
にて周知するよう片瀬市民センターに協力依
頼。
配布された文書について
・連絡協議会より配布された文書につきまして,
記載内容については,市民自治推進課として修
正指示及び伝達が不徹底であったため,オンブ
ズマンからの指導事項が充分に反映されず,齟
- 22 -
齬が生じてしまいました。また,管理運営を行
う責任と思いから一部誤解を招く表現もありま
した。担当課として修正指示の徹底及び確認作
業を充分に図るべきでした。
以
上
(3)平成25年4月26日,市民自治部長より,下記
のとおり報告があった。
市
(
の
つ
対
づ
き
応
)
2013年2月1日付け「苦情調査の結果について
(通知)」に対する3月26日付け報告書提出以降の
市の対応について(報告書)
3月26日付け報告書提出以降に,オンブズマンよ
り申し入れのあった内容及び指摘された問題点につき
まして,現時点での市としての対応を報告します。
1.訂正文の周知方法等について
オンブズマンよりご指摘いただき,市民自治推進
課で作成いたしました訂正文(※26頁資料参照)
につきましては,指定管理者及び片瀬山市民の家運
営委員会と協議の上,片瀬山市民の家掲示板2箇所
に掲示するとともに,各利用団体への送付及び片瀬
山自治会への回覧の準備を進めております。送付日
及び回覧開始日につきましては,別途ご報告いたし
ます。
2.決算報告書の修正指導について
指定管理者に対し,片瀬山市民の家運営委員会の
平成23年度及び24年度決算報告書への「協力
金」の記載に関する指導を行い,別紙2(略)のと
おり収入部分に「協力金預かり金」,支出部分に
「協力金返済」並びに「協力金返済引当金」を記載
させました。
一方,指定管理者である藤沢市地域市民の家運営
委員会連絡協議会の決算報告書につきましては,
- 23 -
「協力金」としての収支が発生しないことから,
「協力金」に関する記載はいたしません。
しかしながら,市として全41運営委員会の事業
内容に対してのモニタリングを実施する必要がある
事から,指定管理者に対して全41運営委員会の決
算報告書を提出するよう指導いたしました。今後に
つきましては,指定管理者の決算報告書と併せ全て
の運営委員会の決算報告書を確認することにより,
より効果的,効率的な施設管理と,施設の効用を最
大限発揮できるような事業運営を担保してまいりま
す。
市
(
の
つ
対
づ
き
応
)
3.受付専任者について
受付専任者の常駐につきましては,オンブズマン
のご指摘以降,指定管理者,片瀬山市民の家運営委
員会,片瀬山自治会連合会と継続した協議を実施し
ており,現在のところ,次のいずれかの手法を選択
し,管理運営を実施するような方向性を確認してお
ります。今後,早急に管理運営手法を確定し,確定
した内容を速やかにご報告いたします。
①受付専任者を置かないことの地域住民の理解を得
られなかった場合,受付専任者を「片瀬山市民の
家運営委員会委員」として市民の家管理業務に専
任する者として常駐させる。その場合には,片瀬
山市民の家の自主事業として実施する。また,受
付専任者については,「運営委員」の立場として
市民の家業務に従事する事を十分認識させるとと
もに,周知も徹底する。
②受付専任者を置かないことの地域住民の理解を得
られた場合,受付専任者を置かず,他の40市民
の家と同様の管理運営を実施する。その場合に
は,利用者サービス及び施設利用率の低下となら
ないような方策を講じるとともに,周知も徹底す
る。
4.他の地域市民の家での同様の事案について
改めて,全地域市民の家の管理運営において,同
様の事案がない事を指定管理者と連携し確認いたし
- 24 -
ました。今後につきましても,適切な管理運営がな
されるよう,指定管理者に対して,日々の運営指導
を徹底するとともに,十分なモニタリングを行い,
全地域市民の家運営委員会への徹底も図ってまいり
ます。
5.鍵の管理方法の見直しについて
オンブズマンのご指摘について,公の施設を管理
する施設管理者として,改めて事の重大性を認識
し,早急な対応を図っております。具体的には,指
定管理者と連携し,片瀬山市民の家運営委員会に対
市
(
の
つ
対
づ
き
応
して,5月13日に開催される次回の片瀬山市民の
)
家運委員会会議までに,全ての鍵の回収を指示いた
しました。今後につきましては,他の地域市民の家
と同様に,運営委員,自治会連合会役員等への貸与
として,必要最小限の鍵の個数を貸与することとい
たします。今後,回収状況及び貸与状況について,
改めてご報告いたします。
以
- 25 -
上
資料
- 26 -
(2)苦情申立ての趣旨に沿えなかったもの
事
例
~
3
苦情申立ての趣旨
対象機関:生涯学習部(文化推進課)
会計管理者(会計課)
市 民 会 館 の 使 用 料 半 額 返 還 に つ い て
上記苦情申立てについて,オンブズマンは,担当課で
ある生涯学習部文化推進課,会計管理者会計課から事情
を聴取する等の調査を行いました。その結果は以下のと
おりです。
1.苦情申立人の主張
(1)苦情申立ての経緯
苦情申立人は,市内において活動するある団体の構
成員であり,これまで何度も藤沢市民会館(以下,単
に「市民会館」という。)を利用してきた。平成24
年2月16日,苦情申立人は,本団体が市民会館の集
会室を同年7月16日に使用するための申請を行い,
同日,使用許可を受け,使用料を支払った。申請の数
調
査
の
結
果
日後,集会室の使用日を同年7月16日から同年7月
8日へと変更したい旨の申し出を行ったところ,日程
の変更はできない,予約の取消となるため使用料を口
座振り込みで半額返還する,その返還は数ヶ月先にな
るとの説明を受けた。
(2)苦情申立ての趣旨
①
藤沢市民会館条例(以下,単に「条例」とい
う。),藤沢市民会館条例施行規則(以下,単に
「施行規則」という。)に,半額のみ返還を定める
規定があるとしても,キャンセルにつき,通常の商
取引と比べて,半額分のみ返還というのは不当に高
すぎる。また,自身が行った行為は使用申請の変更
であり,取消ではないと考えているため,上記のよ
うな取扱いはおかしい。
②
返還に数ヶ月かかるというのはおかしい。
- 27 -
2.生涯学習部文化推進課の説明
(1)使用キャンセルに係る説明について
市民会館の窓口では,市民会館の使用申請をされる
方であれば誰に対しても,「藤沢市民会館使用上の注
意事項」と題する文書を渡した上で,日程変更ができ
ないことや取消の手続について,口頭で説明してい
る。
本件苦情申立人に対しても,上記の文書を渡してお
り,口頭での説明もなされていると思われるが,時間
が経過していることもあり,現時点では詳細はわから
ないと言わざるをえない。
調
査
( つ
の
づ
結
果
き )
(2)使用料半額還付を定める根拠規定について
市民会館の使用料に係る規定としては,条例,施行
規則のほかに藤沢市民会館運営規程(以下,単に「運
営規程」という。)があり,運営規程第12条第5項
において,使用年月日(以下,単に「使用日」とい
う。)の変更は認めない旨を定めており,従来からこ
のような取扱いをしてきた。なお,運営規程第12条
は平成7年に一部改正されているが,当時の運営規程
も決裁書も,市の文書保存期間との関係で保管されて
いないため,第5項が現在の内容になった経緯につい
ては,正確なことは分からない。
この点について,長く受付を担当している者による
と,過去(正確には分からないが,20年ほど前と思
われる)には使用日の変更を認めるという慣行があっ
たようであるが,このような変更を認めると,何度も
日にちを変更する市民によって,使用を希望する他の
市民の使用が妨げられる事態が生じたことがあり,こ
のような事態が継続すると市民会館全体の使用率が下
がり歳入も減るため,使用日の変更を認めないという
規定を定めたようである。
なお,使用料の額については定期的に見直している
が,半額返還制度そのものについては,市民の理解を
得ていると思われることから,今のところ見直しの必
要性は感じていない。
- 28 -
(3)利用状況について
平成23年度の月別・施設別利用状況によれば,今
回,問題となっている集会室は,大震災の関係で上半
期の使用率は低いが,年末年始は使用率が30パーセ
ントを超えている。また,大ホールの使用率も,多く
の月において80パーセントの使用率を超えている。
集会室と大ホールでは使用率の割合に大きな差がある
が,この差が使用料の半額還付可能な期限(大ホール
は使用日の60日前まで,集会室は10日前まで)の
違いに対応していると考えてもらって良い。
調
査
( つ
の
づ
結
果
き )
(4)半額還付に関する苦情への対応について
過去にも,今回の苦情申立てと同種の苦情が数回程
度寄せられたことはあるが,事前に変更や取消につい
ては説明したことを伝え,理解してもらっていると考
えているが,今回の件について,受付担当者がもう少
し丁寧に説明するなど,苦情申立人に対するより適切
な対応方法はあったかと思う。
(5)還付時期について
本件使用料の半額還付までの経緯としては,苦情申
立人が平成24年2月16日に使用許可申請を行い,
苦情申立人と同じ団体に所属するA氏が同月24日に
取りやめ届出書を,また同年3月9日にA氏あての口
座振込依頼書を提出した。これを受け,同月13日,
還付に必要となる書類一式を,文化推進課から会計課
に対して送付した。その後,会計課からA氏に対して
振込がなされたのは同年4月6日である。文化推進課
としては迅速に処理しているつもりであるが,会計課
への送付から実際の振込に時間がかかっているのは,
支払い希望日が指定されていない振込手続については
正当な請求がなされてから30日間までの振込を目処
とするという会計課の方針による。
- 29 -
3.会計管理者会計課の説明
(1)還付金の返還制度について
市では,過誤納金還付の支払期限を正当な請求日か
ら30日以内としている。これは,藤沢市契約規則
(以下,「契約規則」という。)第93条第3項に,
契約金の支払時期は正当な請求書の提出があった日か
ら起算して30日以内であると定められていることを
根拠としている。この契約規則は,政府契約の支払い
遅延防止等に関する法律第6条を根拠とするものであ
る。なお,過誤納金の支払いは許可に係る事柄であっ
て契約とは異なるものであり,また大蔵省理財局長名
調
査
( つ
の
づ
結
果
で各省庁官房会計課長宛に通達された「政府契約の支
き )
払い遅延防止等に関する法律の運用方針」(昭和25
年4月7日)においても,還付金の支払いなどは本法
律の対象外とされているが,藤沢市財務規則(以下,
単に「財務規則」という。)第57条第3項には,払
戻し手続につき支出の手続の例によると定められ,支
払期限について定めているのは契約規則第93条第3
項であるため,還付金の支払い期限についても30日
を期限としている。
(2)実際の処理の流れについて
過誤納金還付に係る処理の流れとしては,まず,各
課から会計課に電子システムを通じて過誤納金還付命
令書を送付してもらう。その際,当該命令書の起案日
は請求書の日付となる。支払日については,特段の事
情がない限り,会計課で審査した上で,起案日(請求
書の日付)から30日以内の日付とする。実際の運用
においては,各課から送られてくる過誤納金還付命令
書における支払希望日の欄については,空欄であるこ
とが多い。空欄で送付する場合は30日以内の支払い
となることは周知されており,各課においてそのこと
は認識されているはずである。
支払日につき,日付が入力されていれば,それにし
たがって処理することとなる。
(3)還付金の支払いを急ぐ場合について
会計課としては,還付金の支払いはあくまでも様々
- 30 -
ある支払いの一部であり,還付だけを常に優先すると
いうことは難しいと考えている。ただし,各課が市民
に応対する中で,出来る限り早く還付を行いたいとい
うことであれば,各課から過誤納金還付命令書を送付
するタイミングで会計課に相談してもらえれば,こち
らとしても出来る限り早く振込を行うよう努力してい
るが,会計課は年間9万件ほどの支払いを担当してお
り,これを一次審査(4人),二次審査(2人)が担
当している。すべての支払いに付き,支払期日を早め
て欲しいという要望がくるようであれば,会計課業務
がパンクしてしまうおそれもあるが,その場合には実
調
査
( つ
の
づ
結
果
き )
際に請求の上がってきた順に処理していくしかなく,
現状の処理もそのようにしている。
(4)上記手段の周知方法について
毎年4月に行われる予算担当者主任会議において,
配付資料(「財務会計のお願い」)中で,また口頭
で,特別に急ぎの支払いも会計課において受け付ける
旨,またその際には会計課に相談してもらいたい旨,
説明している。
(5)資金前渡について
なお,上記のような処理の流れのほか,財務規則第
57条第2項が定めているように,還付の手段として
は資金前渡というものもあり,過誤納金還付手続の原
則はこちらになる。同項には「第43条第2項各号に
掲げる歳入の過誤納金の払戻し」とあり,今回のよう
な市民会館使用料の返還の場合は,第43条第2項第
7号にあたると考えている。ただ,実際には口座払が
行われることが多い。担当課が市民に対して素早い支
払いをしたい場合は,資金前渡を用いたり,会計課へ
の相談をして欲しい。
4.オンブズマンからの申し入れとその回答
上記説明を受け,オンブズマンから会計課に対し以下
のような申し入れを行った。過誤納金の還付につき,原
則は請求日から30日以内の支払いということである
- 31 -
が,より早く市民に還付を行う手続も存在するというこ
となので,必要に応じてそちらも利用して欲しいという
ことを4月の予算担当者主任会議において会計課から各
課に周知徹底して欲しい。この申し入れに対し,会計課
から了承の返事を得た。
5.オンブズマンの判断
(1)使用日変更の場合の使用料半額還付制度について
条例及び施行規則は,既納の使用料は原則としてこ
れを還付しないものとし,例外的に還付する場合を規
調
査
( つ
の
づ
結
果
き )
定しています。
既納使用料の原則不還付は,利用希望者がひとたび
使用許可を得ると,その後使用を取りやめるまでの間
は,他の利用希望者の利用が排除される状況になるこ
とから,その対価として,使用料を納付した申請人に
負担を求めることにあると考えられます。
もっとも,いかなる場合においても還付を一切認め
ないとすると,申請者に過剰な負担を強いることにも
なる一方,取りやめ後は(別の利用希望者が実際に現
れれば)市が改めて使用料を得られる状況に戻ること
から,取りやめの原因や時期に応じて,一定の使用料
を還付するものと考えられます。
また,使用許可後の使用日の変更については,運営
規程第12条第5項にこれを認めないとされているこ
とから,施行規則第8条の「使用の取りやめ」とな
り,施行規則第11条により,集会室使用日の10日
前までであれば半額還付されることになります。
本件では,使用取りやめ後に上記各規定に従って既
納使用料が半額還付されていますので,市の対応に特
段の問題があったとはオンブズマンは考えませんが,
苦情申立人において上記各規定の不当性などを主張し
ていますので,これらの点につきオンブズマンの判断
を以下に示します。
(2)使用日変更を認めない点について
文化推進課の説明によると,過去には使用日の変更
を認める慣行もあったようですが,それにより使用を
- 32 -
希望する他の市民の使用が妨げられる弊害が生じたこ
とから,使用日の変更を認めないようになったとのこ
とです。
すでに使用許可を得ている利用希望者の便宜を考え
ると,使用日の変更を認めるべきであるとの苦情申立
人の主張にも理があるように思われますが,前項で述
べたように使用許可には他の希望者の使用を排除する
排他的な効力があることからすると,使用日の変更を
認めることにより,使用日以外の日についても事実上
排他的な効力を認めるのと同様の状況を生じさせるこ
とにもなりかねず,日付を指定した上で使用を許可し
調
査
( つ
の
づ
結
果
ている意味が無くなります。また,実際に弊害が生じ
き )
たために運営規程中の規定が制定されたという経緯も
併せて考えると,使用日の変更を認めないとしている
こともやむを得ないとオンブズマンは考えます。この
ように使用日の変更が認められていないとしても,通
常は使用許可の申請をする時点で使用日が確定してい
るものであることからすると,多くの申請者は使用許
可取得後に日程変更することを通常予定していないと
いえますので,申請者に特段の不利益を強いることに
はならないといえましょう。
使用日の変更が認められないことについては,使用
申請受付時に口頭で説明しているほか,必ず文書を交
付して注意を促しているとのことですので,申請者に
対する制度周知も十分に行われていると考えます。
もっとも,苦情申立人から聴取した限りでは十分な
口頭説明を受けていないように思われる状況も伺われ
ましたので,文化推進課としては,各申請者の市民会
館利用頻度の高低にかかわらず,すべての申請者に対
して同じように,これまで以上に丁寧な説明を行うよ
う,受付担当に指導していただきたいと思います。
(3)半額還付について
苦情申立人は,使用日の約5ヶ月前に半額の使用料
を取るのは一般常識に照らしておかしいと主張してい
ます。
たしかに,実質的キャンセル料が半額であると考え
れば,民間の貸し室業者などと比べると,キャンセル
- 33 -
のタイミングにかかわらず,キャンセルのために必要
な金額が最低でも使用料の半額であるのは高いと考え
ることもできるかもしれません。
しかしながら,市民会館は企業経営による商業施設
と異なり,市民の福祉の増進及び芸術文化の向上に資
することを目的として設置されている極めて公共性の
高い施設であり,広く公平に利用希望者に提供される
べきものであることからすると,上述のとおり,使用
許可を得ることで排他的な利用権を得ることの対価と
して,使用日まで相応の負担を求めることには十分な
理由があります。問題はその負担割合を一律半額と定
調
査
( つ
の
づ
結
果
めている点ですが,ひとたび使用許可を得られればそ
き )
の後は一律に排他的利用権を確保していることからす
ると,これについても明らかに不当であるとまでは考
えられません。
(4)還付にかかる期間について
苦情申立人は,還付までに数ヶ月もかかるのはおか
しいと主張していますが,オンブズマンの調査では,
本件の還付請求者が請求書と口座振込依頼書を提出し
た日から実際に還付されるまでの期間が30日以内で
あったことを確認しました。
会計課によると,使用料還付は財務規則第57条の
過誤納金還付手続となり,その払戻し期限は契約規則
第93条第3項により30日以内となるとして,それ
に従った処理をしているとのことです。本件では,過
誤納金還付命令書が文化推進課から会計課に回された
際,支払希望日の指定が特になされていなかったこと
から,通常の処理として30日以内に支払ったとのこ
とでした。
上記の処理自体はオンブズマンとしてもやむを得な
いものと考えますが,財務規則によると過誤納金還付
手続の原則は資金前渡の方法によるとされていること
も踏まえ,オンブズマンから会計課に対し,より早く
市民に還付を行う手続も存在すること,また,必要に
応じ会計課に適宜相談していただくよう各課に周知徹
底していただきたい旨申し入れたのに対し,会計課も
これを了承しましたので,オンブズマンとしてはこれ
- 34 -
を見守ることといたします。
なお,本件では,使用申請手続は苦情申立人が行っ
ていますが,取りやめ届は苦情申立人と同じ団体に所
属する別の市民から提出されていることから,実際に
取りやめ手続を行った市民が還付期日についてどのよ
調
査
の
( つ
づ
結
果
うな希望を出していたのか必ずしも明らかではありま
き )
せんが,オンブズマンから文化推進課に対し,還付時
期や方法につき,これまで以上に市民の理解を得やす
い説明を心がけていただくよう,申し入れいたしま
す。また,必要に応じ,会計課に事前相談するなど,
これまで以上に還付を受ける市民の立場に立った処理
を心がけていただくよう併せて申し入れいたします。
以
事
例
~ 4
苦情申立ての趣旨
上
対象機関:保健福祉部(保険年金課)
保 険 料 の 督 促 に つ い て
上記苦情申立てについて,オンブズマンは,担当課で
ある保健福祉部保険年金課から事情を聴取する等の調査
を行いました。その結果は以下のとおりです。
調
査
の
結
果
1.苦情申立人の主張
(1)苦情申立ての経緯
苦情申立人は,平成24年度分の国民健康保険料第
1期納付を期日内に既に済ませているにもかかわら
ず,平成24年8月20日付けで市から督促状が届い
たため,同月21日あるいは22日に保険年金課に対
して問い合わせを行ったところ,「保険料を10期で
割るはずなのに,12期で割ってしまった。」といっ
た要領を得ない説明を受けた。しかし,本督促状につ
いては破棄してよい旨,次回以降は改善する旨の説明
を受けたため,その時点ではよしとすることとした。
- 35 -
しかし第2期についても,保険料を納付しているにも
かかわらず,再び督促状が届いた。この点につき,同
年9月24日に保険年金課に対して問い合わせを行っ
たところ,前回とは別の担当者から,システム上の都
合のため,どうしても督促状が出てしまうとの説明を
受けた。
(2)苦情申立ての趣旨
システム上の都合で督促状が出てしまうという説明
それ自体は仕方ないと考えているが,そうであれば,
最初に問い合わせした際の説明に納得がいかない。ま
調
査
( つ
の
づ
結
果
た,即座にシステムを変更せよとは言わないが,一
き )
年,二年を目処にシステムの改善をして欲しい。それ
が無理だというのであれば,督促状が出ざるを得ない
システムについて最初の問い合わせの段階でしっかり
と説明をして欲しい。
2.保健福祉部保険年金課の説明
(1)督促状の送付について
平成24年6月19日,苦情申立人の娘であるA氏
が市役所に来訪され,前年度に比べ国民健康保険料が
高いという話を伝えられた。この点については,確定
申告がなされていないため,そのような額が出るとい
う説明を行い,確定申告の代わりとなる簡易申告をし
てもらった。その結果として,申告前は本年度の国民
健康保険料徴収額につき142,440円であり,こ
れを10期で割り,各期14,240円(第1期分で
ある6月分のみ14,280円)ずつ支払ってもらう
こととなっていたが,申告の結果,再計算され,本年
度の徴収額につき42,720円となった。この額で
あれば,通常,各期4,270円(6月分のみ4,2
90円)ずつ支払ってもらうこととなる。しかし手続
きがなされた6月19日の段階においては,既に国民
健康保険料賦課通知書(6月13日に発送)が出さ
れ,第1期分である6月分の変更を行うことはできな
いので,第1期分である6月分のみ従前と同様,1
4,280円が徴収額となり,残りの9期を3,16
- 36 -
0円ずつ(10期で42,720円となる)徴収する
こととなる旨,A氏に伝えたところ(この支払い方法
であれば督促状は出ない。),第1期分をまとめて1
4,280円も支払うのは困難である旨,A氏から伝
えられたため,毎回4,270円(初回分である6月
分のみ4,290円)ずつ徴収するということとし
た。しかし,この場合には,第1期分である6月分に
つき賦課通知の変更が出来ないため,賦課通知書にお
いて示されている,本来支払われるべき徴収額として
は,第1期分は14,280円となり,残りの9期は
それぞれ3,160円となる。そのため,実際に毎回
調
査
( つ
の
づ
結
果
徴収される4,270円はそれぞれ前期までの,本来
き )
支払われるべき徴収額を充当していくこととなる(苦
情申立人の領収書が分納という形になっているのはそ
のためである。)。この徴収額の充当は,年度いっぱ
いまで続くこととなる。
したがって,毎回,苦情申立人が4,270円ずつ
適切に支払っているとしても,現実の納付状況として
は,賦課通知書と比べ,常に前月分以前の徴収額につ
き未納状況が続いていることとなる。このような場
合,地方自治法第231条の3第1項,国民健康保険
法第79条,藤沢市財務規則第55条,藤沢市国民健
康保険条例第20条の各規定に従い,督促を行わなけ
ればならない。督促状は,それぞれの期の納期限(原
則としては納期の末日)までに支払われていなかった
ものにつき,当期の督促として翌月の(原則として
は)20日にそれぞれ発送する。本件苦情申立人が行
っているような分割支払いの場合に,督促状が出ざる
を得ないことについては,A氏に説明を行っている。
なお,差額(前月までの未納分)をすべて支払って
もらえれば,以後,督促状はでないこととなるが,そ
もそもこのような支払いが困難であることが,毎月
4,270円の分割支払いを行っていることの前提で
あるため,このことに関する説明は特にしていない。
(2)苦情申立人とのやりとりについて
苦情申立人が言うように苦情申立人との最初の電話
のやりとりの際に,「年間の保険料を本来10期で割
- 37 -
るはずなのに,12期で割ってしまった。」といった
説明はしていない。また,前記(1)で説明した理由
から,保険年金課が約束したとされる「翌月からの改
善」については,未納付分の支払いがなされない限
り,対応することはできないため,そのような発言は
していないが,しかし,苦情申立人においてそのよう
に受け止められたとすれば,それは申し訳ないと考え
ている。
3.オンブズマンからの申し入れとその回答
調
査
( つ
の
づ
結
果
オンブズマンから保険年金課に対して,以下の申し入
き )
れを行った。市民の立場からすれば,毎回,国民健康保
険料を納付しているにもかかわらず,督促状が来るとい
うことは理解しにくいと思われる。したがって,今後,
同様のケースが生じた場合,一般人にも理解しやすいよ
う,説明の工夫をして欲しい。この申し入れに対し,保
険年金課から了承の返事を得た。
4.オンブズマンの判断
(1)毎回,督促状が送付される理由について
苦情申立人は,督促状が送られてくる納得のいく説
明を求めています。
この点について,まず,苦情申立人において,苦情
申立人に督促状が送付されることとなった理由につい
て,保険年金課からの説明を踏まえて,オンブズマン
なりに,出来る限り平易に説明すると,以下のように
なります(なお,以下では表記上の便宜のため,アラ
ビア数字に変えて漢数字を用いている箇所がありま
す。)。
仮に,保険年金課で計算した某氏の年間徴収額50
万円が某氏からの申告に基づいて修正された結果,年
間の徴収額が14万円になったとします。
市では国民健康保険料を10期に分けて徴収するた
め,修正前の徴収額であれば,毎期5万円ずつを,修
正後の徴収額であれば,毎期1万4千円ずつを納付す
ることとなりますが,本件苦情申立てのように,第1
- 38 -
期分の徴収額を変更することが,納付期限の関係から
不可能なタイミングであった場合,事情は少し複雑と
なります。
年間徴収額である14万円について,まず,第1期
分の徴収額である5万円を納付し,次に,第2期分か
ら第10期分までを,即ち,年間徴収額14万円から
第1期分5万円を引いた差額である9万円を,出来る
限り均等になるように納付することにすれば,毎期1
万円ずつ納付するということになります。この場合
は,第1期分につき,未納分は発生せず,第2期分以
降も当然未納分は発生しませんから督促状は送付され
調
査
( つ
の
づ
結
果
き )
ません。
これに対し,第1期分の徴収額である5万円を全
額・一括して納付することが困難であり,毎回,均等
に1万4千円ずつ納付することを想定した場合(か
つ,第1期分の徴収額がすでに変更不可能である場
合)には若干の問題が発生します。
つまり,本来ならば,第1期分に納付すべき金額は
5万円のはずですが,実際には1万4千円しか納付し
ていないため,第1回目に現実に納付される1万4千
円については,第1期分5万円のうちの1万4千円に
充当されますが,なお,第1期分3万6千円の未納が
生じます。
第2回目に納付した1万4千円については,前記第
1期分未納額3万6千円の一部に充当されますが,な
お,第1期分2万2千円が未納分として残るばかり
か,第2期分1万円も未納ということになります。
第3回目に納付した1万4千円については,前記第
1期分未納額2万2千円の一部に充当されますが,
尚,第1期分8千円が未納分として残るばかりか,第
2期分,第3期分各1万円も未納ということになりま
す。
第4回目に納付した1万4千円については,前記第
1期分未納額8千円及び第2期分1万円の一部である
6千円に充当されますが,なお,第2期分4千円,第
3期分,第4期分各1万円が未納ということになりま
す。
かように,未納状態が年度の終了するまで続くた
- 39 -
め,毎月督促状が送付されることになります。
以上,各期分が完納されるまでを計算式を使って表
わすと次のようになります。
第 1 期分
5 万円-1 万 4 千円〔第1回目の納付金額
から充当(以下,①という。以下,丸数字
は実際に保険料が支払われた回の順序を示
す 。 ) 〕 - 1 万 4 千 円 (② )- 1 万 4 千 円 (③ )
- 8 千 円 (④ )= 0
調
査
( つ
の
づ
第 2 期分
1 万 円 - 6 千 円 (④ )- 4 千 円 (⑤ )= 0
第 3 期分
1 万 円 - 1 万 円 (⑤ )= 0
果
第 4 期分
1 万 円 - 1 万 円 (⑥ )= 0
き )
第 5 期分
1 万 円 - 4 千 円 (⑥ )- 6 千 円 (⑦ )= 0
第 6 期分
1 万 円 - 8 千 円 (⑦ )- 2 千 円 (⑧ )= 0
第 7 期分
1 万 円 - 1 万 円 (⑧ )= 0
第 8 期分
1 万 円 - 2 千 円 (⑧ )- 8 千 円 (⑨ )= 0
第 9 期分
1 万 円 - 6 千 円 (⑨ )- 4 千 円 (⑩ )= 0
結
第 10 期 分 1 万 円 - 1 万 円 (⑩ )= 0
以上の計算式から,滞納状態が解消されるのは,第
10 期 分 に な っ て と い う こ と が 分 か り ま す 。
(2)苦情申立人に対する最初の保険年金課の対応につ
いて
まず,苦情申立人は,平成24年8月21,22日
頃,保険年金課に対して問い合わせを行ったところ,
「保険料を10期で割るはずなのに,12期で割って
しまった。」といった要領を得ない説明を受けた点を
問題にしていますが,他方,保険年金課は,そのよう
な説明をしていないと言っております。
また,苦情申立人は,前記同日,保険年金課が「翌
月から改善」すると約束した点を問題にしています
が,保険年金課は「そのような発言をしていない。」
と言っております。
このように,双方の主張について事実関係に食い違
いがある場合,オンブズマンが事実を認定する場合に
は,当事者からの任意の聴き取りに基づいて心証を形
成する他ないので,苦情申立人の説明と担当課の説明
のいずれが事実であったのかという点について判断す
- 40 -
ることができません。この点なにとぞご了解下さい。
また,本件苦情申立てに関しましては,国民健康保
険料につき,苦情申立人の娘であるA氏が保険年金課
に相談のために赴いたことが最初のやりとりと考えら
れますが,その際にどのような説明がなされたのか,
という点につきましても,オンブズマンとしては保険
年金課からの聴き取り以上のものを明らかとすること
は困難であることもご了解下さい。
これらの理由からして,保険年金課が苦情申立人に
対して行った説明が問題のないものであったかどうか
という点につき, オンブズマンは判断をすることはで
調
査
( つ
の
づ
結
果
き )
きません。苦情申立人におかれましては,この点,な
にとぞご了承下さい。
なお,苦情申立人は,保険年金課の担当者に,督促
状を破棄してよいと言われ,今回届いた督促状も破棄
してよいかについて打診しておりますが,保険年金課
が督促状を破棄してよいと言ったか否かは兎も角,苦
情申立人に対しては,分割納付が認められた以上,完
済すれば滞納はなくなりますので,その意味では,督
促状は,あまり意味のないものといえますので,特
段,破棄してよいのか否かについて,心を悩ます必要
はないと考えます。
(3)改善の可否について
苦情申立人は,督促状が来ないように改善してほし
いと要望しております。
しかし,前記2(1)記載の保険年金課の説明のと
おり,毎回,苦情申立人が4,270円ずつ適切に支
払っているとしても,賦課通知書が送付され,変更で
きない状態にあるので,常に前月分以前の徴収額につ
き,賦課通知書と比べて,未納状況が続いていること
となりますが,このような場合,地方自治法第231
条の3第1項,国民健康保険法第79条,藤沢市財務
規則第55条,藤沢市国民健康保険条例第20条の各
規定に従い,督促を行わなければならず,その場合,
督促状は,それぞれの期の納期限(原則としては納期
の末日)までに支払われていなかったものにつき,当
期の督促として翌月の(原則としては)20日にそれ
- 41 -
ぞれ発送しなければならない関係から,苦情申立人が
行った分割支払いの場合には,督促状が出ざるを得な
いことになります。
したがって,保険年金課が法令に基づいて,督促状
を送付している以上,オンブズマンとしても保険年金
課の処置はやむをえないものと考えます。
(4)再発防止方法について
前記4(1)で述べたように,例えば,賦課通知書
を送付した時期の関係から,既に賦課通知のなされた
第1期の徴収額を変更することができないタイミング
調
査
( つ
の
づ
結
果
であった場合であっても,元々予定されていた徴収額
き )
を第1期分の徴収額を一括して納付すれば,未納分は
発生しないために,督促状は送付されません。これに
対し,第1期分の徴収額を全額・一括して納付するこ
とが困難で全期に渡り分割納付を選択した場合には,
それぞれの分割納付金については,前期以前に滞納が
ある場合には,それぞれの滞納分に充当されるため
に,前期までの滞納が解消されない限り,督促状は送
付されることになります。したがって,督促状が送付
されるのを防止するためには前期以前に既に発生して
いる滞納分を全額納付する必要があります。
このことを,保険年金課は丁寧に説明する必要があ
ったと思われますが,既に述べたように,保険年金課
が具体的にどのような説明を行ったのか,という点に
ついて,オンブズマンとしては判断することはできま
せん。
しかし,期限内に一定額の納付を行っているにもか
かわらず,毎回,督促状が送付されるという事態は,
通常,市民としては理解が困難なものであろうと推察
されます。実際,専門調査員を介して苦情申立人から
の聴き取りを行った限り,みずからになぜ督促状が送
られてくるのか,という点につき,苦情申立人が正確
に理解しているとは言えないようにオンブズマンには
思えます。また,今後,本件苦情申立てと類似した事
例が生じる可能性もあるかと推測されます。したがい
まして,本件苦情申立てにつき,オンブズマンが調査
した限り,保険年金課の対応に特段の問題があったと
- 42 -
は考えませんが,今後,同様の事例が生じた際,督促
状が送付されなければならない理由につき,市民がよ
り正確に認識することができるように,(例えば文書
などを用いて)よりわかりやすく説明をしていただけ
ますよう,オンブズマンとしてあらためて申し入れを
させていただきます。
なお,苦情申立人におかれましては,確定申告を行
うなど必要な手続きを取られることにより,次年度以
降の混乱を避けることが可能となるかと思われますの
で, 確認の上,必要な手続などを取っていただきます
ようお願いいたします。
調
査
( つ
の
づ
結
果
以
き )
- 43 -
上
- 44 -
【 参 考 資 料 】
1.苦情申立ての受付及び処理に関する統計表
2.相談・苦情等の受付総数
3.苦情申立ての処理の流れ
4.藤沢市オンブズマン条例
- 45 -
1.苦情申立ての受付及び処理に関する統計表
☆統計表1…・月別地区別苦情申立て受付状況
(件)
24年
25年
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合 計
片
瀬
1
沼
1
1
岡
藤
沢
明
治
善
行
六
1
1
1
1
1
1
1
3
3
3
1
1
1
2
2
2
1
1
6
1
1
1
1
1
1
会
5
湘 南 台
遠
藤
長
後
1
女
1
1
湘南大庭
男
3
1
1
本人 代理 合 計
3
1
1
申 立 人 性 別 等 別
3
堂
村
本人・代理人別
1
申 立 方 法 別
法人 諸団体 合 計
2
3
ファク
来訪 郵送 シミリ 巡回 電子 合 計
2
1
1
3
1
1
1
1
1
1
1
3
3
3
1
1
1
1
2
2
2
2
1
1
1
1
1
6
6
5
2
2
2
2
2
2
2
1
1
1
1
1
1
1
21
21
21
15
21
13
5
2
1
6
5
1
6
御 所 見
市内件数
県
内
県
外
1
2
市外件数
内外合計
1
2
4
3
5
1
2
3
6
1
2
21
1
1
1
3
3
3
3
3
1
1
1
3
1
1
1
3
3
3
3
3
1
1
1
3
1
24
24
24
18
24
14
6
3
24
5
3
6
1
2
3
- 46 -
6
1
☆ 「統計表2」…・地区別組織別苦情申立て受付状況
(件)
経 営
区 分
片
総 計 構成比 市長室 総務部
瀬
堂
村
岡
藤
沢
明
治
善
行
湘南大庭
六
内
会
湘 南 台
遠
藤
長
後
こども
財務部
企画部
沼
市
市 民 保 健
計 画 まちづくり
環境部 経済部
自治部 福祉部 青少年部
3
12.5 %
1
4.2 %
1
4.2 %
3
12.5 %
1
1
4.2 %
1
2
8.3 %
1
4.2 %
6
25.0 %
2
8.3 %
1
4.2 %
3
12.5 %
市 民
土木部
建築部 推進部
2
病 院
消 防
教 育
選 挙
管 理 その他
本 部 委員会 委員会
1
1
1
1
1
1
1
1
2
4
2
1
御 所 見
市県
内
外県
外
24
100%
1
1
1
1
1
5
5
5
2
5
4.2 %
4.2 %
20.8 %
20.8 %
20.8 %
8.3 %
20.8 %
- 47 -
☆ 「統計表3」…・・組織別内容別苦情申立て受付状況
総 計
構成比
(%)
1
4.2%
津波発生時の被害対策(1)
財 務 部
1
4.2%
固定資産の評価誤り(1)
市民自治部
5
20.8%
市民窓口センター職員対応(1),市民相談情報センター対応(1),湘南台市
民センター対応(1),市民の家協力金(1),地域経営会議(1)
保健福祉部
5
20.8%
保険年金課電話対応(1),介護保険課・障がい福祉課の不作為(1),保険
料の督促(1),生活保護申請(1),地域移行支援不支給決定通知書不交付
(1)
5
20.8%
採択請願の諾否(1),藤沢市特定開発事業等に係る手続及び基準に関す
る条例違反(1),開発業務課職員対応(1),建築指導(1),市営住宅申込み
資格(1)
2
8.3%
道路新設許可(1),下水道業務課対応(1)
5
20.8%
市民会館のキャンセル料(1),小学校・市教委の対応(3),学務保健課対応
(1)
24
100.0%
区 分
市
長
内 容 (件 数)
室
総 務 部
経営企画部
こども青少年部
環 境 部
経 済 部
計画建築部
まちづくり推進部
土 木 部
市 民 病 院
消 防 本 部
教育委員会
選挙管理委員会
そ の 他
合 計
- 48 -
☆「統計表4」……組織別苦情申立て処理状況
(件)
経 営
総計 構成比
市長室
総務部
計 画
まちづくり
建築部
推進部
環境部 経済部
自治部 福祉部 青少年部
1
5
4
1
(1)
3
1
1
(1)
市 民
消 防
病 院
本 部
土木部
5
2
教 育
選 挙
管 理 その他
委員会 委員会
5
24
(1)
7
(1)
96%
(4%)
28%
(4%)
7
(1)
8
28%
(4%)
32%
4
16%
3
1
①調査を中止したもの
2
8%
1
1
②調査を打ち切ったもの
2
4%
2
1
4%
1
5
20%
1
1
1
1
1
5
20%
1
1
1
1
1
5
20%
1
1
1
1
1
1
4%
5
2
5
20%
8%
20%
(1)苦情申立ての趣旨に沿ったもの
1
こども
財務部
企画部
1 処理を終了したもの
市 民 保 健
2
①勧告したもの
②意見表明したもの
③苦情申立ての趣旨に沿ったもの
(2)苦情申立ての趣旨に沿えなかったもの
(3)調査を中止・打ち切ったもの
内,苦情申立ての取り下げによるもの
(4)調査しないこととしたもの
1
3
1
1
2
1
(1)
2
2
2
① 所管外としたもの
市の機関の業務執行及び職員の行為でないもの
判決・裁決等により権利関係が確定済のもの
裁判所等において係争中のもの
議会に関するもの
職員の自己の勤務内容に関するもの
オンブズマンの行為に関するもの
②その他のもの
苦情申立人自身の利害を有しないもの
原因の事実のあった日から1年を経過済のもの
虚偽その他正当な理由がないもの
調査することが相当でないもの
2 処理中のもの
総
計
25
(1)
100%
(4%)
※ 〈注〉~上段:当該年度の総計,下段():上段数字のうち前年度からの繰越分
1
1
1
5
5
4%
4%
20%
20%
- 49 -
1
(1)
4%
(4%)
☆「統計表5」……苦情申立て処理日数の状況
(件)
件数
1 処理を終了したもの
構成比
24
(1)
7
(1)
96%
(4%)
28%
(4%)
7
(1)
8
28%
(4%)
32%
4
①調査を中止したもの
②調査を打ち切ったもの
(1)苦情申立ての趣旨に沿ったもの
31日以上
60日以内
30日以内 5
61日以上
90日以内
13
(1)
5
(1)
91日以上
120日以内
2
121日以上
150日以内
3
151日以上
180日以内
181日以上
1
2
①勧告したもの
②意見表明したもの
③苦情申立ての趣旨に沿ったもの
(2)苦情申立ての趣旨に沿えなかったもの
(3)調査を中止・打ち切ったもの
内,苦情申立ての取り下げによるもの
(4)調査しないこととしたもの
1
5
(1)
5
2
1
16%
1
1
1
2
8%
1
2
8%
1
1
4%
1
5
20%
3
2
5
20%
3
2
5
20%
3
2
1
4%
5
13
(1)
54.2 %
(4.2 %)
1
1
1
1
① 所管外としたもの
市の機関の業務執行及び職員の行為でないもの
判決・裁決等により権利関係が確定済のもの
裁判所等において係争中のもの
議会に関するもの
職員の自己の勤務内容に関するもの
オンブズマンの行為に関するもの
②その他のもの
苦情申立人自身の利害を有しないもの
原因の事実のあった日から1年を経過済のもの
虚偽その他正当な理由がないもの
調査することが相当でないもの
2 処理中のもの
総 計
25
(1)
100%
(4.2 %)
※ 〈注〉~上段:当該年度の総計,下段():上段数字のうち前年度からの繰越分
20.8 %
- 50 -
2
3
1
8.3 %
12.5 %
4.2 %
2.相談・苦情等の受付総数
年 度
相談・苦情等
平成8 平成9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19 平成20 平成21 平成22 平成23 平成24
年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度
計
相談・苦情等の受付総数
125
235
190
205
196
181
189
120
118
158
183
258
249
256
211
246
229
3,349
52
128
93
96
130
92
98
57
47
64
81
137
113
140
105
132
107
1,672
1
2
3
5
11
7
14
8
13
8
12
17
101
37
30
31
22
34
33
45
45
27
23
24
24
539
1
4
相 談
オンブズマンが面談したが
苦情申立てに至らなかったもの
-
1
5
苦 情 申 立 て
16
42
38
49
19
発 意 調 査
1
6
視 察
7
7
5
9
6
4
3
1
1
3
5
1
1
1
0
2
1
57
50
58
54
51
41
46
52
28
43
46
57
61
82
75
74
76
80
974
他市等からの問い合わせ
- 51 -
-
3.苦情申立ての処理の流れ
苦情申立人
苦情申立書
受
付
・
形
式
審
査
オンブズマン
市の機関
受 付
§10(苦情の申立て)
§11(申立手続)
規§6(申立書(第1号様式))
補正
行政手続条例§6類推
苦情について調査を
しない旨の通知書
規§8(第2号様式)
形式審査
条例12条1項
各号該当事由あり
§12-1(調査しない苦情)
§2但書(所管外事項)
§12-2(調査しない旨の通知)
調査実施通知書
調査の開始
調
査
§13-1(調査の通知)
§14(調査の方法)
苦情調査中止・打切り
通知書
規§10(第5号様式)
調
査
終
了
苦情調査結果
通知書
調査中止・打切り
通知書
条例12条1項
各号該当事由あり
§12-1(調査しない苦情)
§2但書(所管外事項)
§13-3(中止・打切り通知)
規§10(第6号様式)
苦情調査の結果に
ついて(通知)
調査終了
規§12(第8号様式)
苦情申立てに係る勧告・
意見表明をした
旨の通知書
勧
告
・
意
見
表
明
§5(市の機関の責務) 規§9(第4号様式)
規§14-1(第10号様式)
苦情申立てに係る是正
等措置報告通知書
勧
必要があると認めるとき
原因が制度そのものに
起因すると認めるとき
告
意見表明
§17(勧告・
意見の尊重)
§16(勧告・意見表明)
§18-1(勧告に対する報告要求)
§18-3(申立人への通知)
是正等措置報告書
§18-3(申立人への報告)
規§13(第9号様式)
(60日以内)
§18-2(オンブズマンへの
報告)
規§14-2(第11号様式)
苦情申立てに係る意見
表明に対する報告
通知書
意見表明に対する
報告書
様式なし
公
表
勧告・是正等措置
報告書の内容を公表
§19(公表)
規§15(公表方法)
- 52 -
(§18-2(オンブズマンへの報告))
4.藤沢市オンブズマン条例
制定 平成6.12.20条例第29号
改正 平成8. 5.23条例第 2 号
目 次
第1章 総 則(第1条~第3条)
第2章 責 務(第4条~第6条)
第3章 オンブズマンの組織等(第7条~第9条)
第4章 苦情の申立て及び処理等(第10条~第19条)
第5章 補 則(第20条~第22条)
附 則
第1章 総 則
(目的及び設置)
第1条 この条例は,市民の市政に関する苦情を公正かつ中立的な立場で簡易迅速に処理し,並びに行政
の非違の是正等の勧告及び制度の改善を求めるための意見表明をすることにより,市民の権利利益の擁
護を図り,もつて開かれた市政の一層の進展と市政に対する市民の信頼の向上に資することを目的とし
て,本市に藤沢市オンブズマン(以下「オンブズマン」という。)を置く。
(所管事項)
第2条 オンブズマンの所管する事項は,市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員
の行為とする。ただし,次に掲げる事項については,オンブズマンの所管事項としない。
(1) 判決,裁決等により確定した権利関係に関する事項
(2) 裁判所等において係争中の事項
(3) 議会に関する事項
(4) 職員の自己の勤務内容に関する事項
(5) オンブズマンの行為に関する事項
- 53 -
(オンブズマンの職務)
第3条 オンブズマンの職務は,次のとおりとする。
(1) 市政に関する苦情の申立ての内容を調査し,及び苦情を簡易迅速に処理すること。
(2) 自己の発意に基づき,事案を取り上げて調査すること。
(3) 申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)について,
市の機関に対し,非違の是正又は改善の措置(以下「是正等の措置」という。)を講ずるよう勧告す
ること。
(4) 苦情等の原因が制度そのものに起因すると認めるときは,当該制度の改善を求めるための意見を表
明すること。
(5) 勧告,意見表明等の内容を公表すること。
第2章 責 務
(オンブズマンの責務)
第4条 オンブズマンは,市民の権利利益を擁護するため,公平かつ適切にその職務を遂行しなければな
らない。
2 オンブズマンは,その職務の遂行に当たつては,市の機関と有機的な連携を図り,相互の職務の円滑
な遂行に努めなければならない。
3 オンブズマンは,その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
4 オンブズマンは,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も,同様とする。
(市の機関の責務)
第5条 市の機関は,オンブズマンの職務の遂行に関し,その独立性を尊重しなければならない。
2 市の機関は,オンブズマンの職務の遂行に関し,積極的な協力援助に努めなければならない。
(市民の責務)
第6条 市民は,この条例の目的を達成するため,この制度の適正かつ円滑な運営に努めなければならな
い。
- 54 -
第3章 オンブズマンの組織等
(オンブズマンの組織等)
第7条 オンブズマンの定数は,2人とし,そのうち1人を代表オンブズマンとする。
2 オンブズマンは,人格が高潔で社会的信望が厚く,かつ,地方行政に関し優れた識見を有する者のう
ちから,市長が議会の同意を得て委嘱する。
3 オンブズマンの任期は,3年とし,1期に限り再任することができる。
4 オンブズマンは,別に定めるところにより相当額の報酬を受ける。
(兼職等の禁止)
第8条 オンブズマンは,衆議院議員若しくは参議院議員,地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政
党その他の政治的団体の役員と兼ねることができない。
2 オンブズマンは,本市と特別な利害関係にある企業その他の団体の役員と兼ねることができない。
(解 嘱)
第9条 市長は,オンブズマンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認める場合又は職務上の義務
違反その他オンブズマンとしてふさわしくない行為があると認める場合は,議会の同意を得て解嘱する
ことができる。
第4章 苦情の申立て及び処理等
(苦情の申立て)
第10条 何人も,オンブズマンに対し,市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員
の行為について苦情の申立てをすることができる。
(苦情の申立て手続)
第11条 前条の規定による苦情の申立ては,次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならな
い。ただし,書面によることができない場合は,口頭により申立てをすることができる。
(1) 苦情を申し立てようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあつては,名称,事務所又は事
業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 苦情の申立ての趣旨及び理由並びに苦情の申立ての原因となった事実のあった年月日
(3) 前2号に掲げるもののほか,規則で定める事項
2 苦情の申立ては,代理人により行うことができる。
- 55 -
(苦情の調査等)
第12条 オンブズマンは,苦情の申立てが次の各号のいずれかに該当すると認める場合は,当該苦情を
調査しない。
(1) 第2条ただし書きの規定に該当するとき。
(2) 苦情を申し立てた者(以下「苦情申立人」という。)が,苦情の申立ての原因となった事実につい
て苦情申立人自身の利害を有しないとき。
(3) 苦情の内容が,苦情の申立ての原因となつた事実のあつた日から1年を経過しているとき。ただし,
正当な理由があるときは,この限りでない。
(4) 虚偽その他正当な理由がないと認められるとき。
(5) 前各号に掲げるもののほか,調査することが相当でないと認められるとき。
2 オンブズマンは,前項の規定により苦情を調査しない場合は,その旨を理由を付して苦情申立人に速
やかに通知しなければならない。
(調査の通知等)
第13条 オンブズマンは,苦情等を調査する場合は,関係する市の機関に対し,その旨を通知するもの
とする。
2 オンブズマンは,苦情等の調査を開始した後においても,その必要がないと認めるときは,調査を中
止し,又は打ち切ることができる。
3 オンブズマンは,申立てに係る苦情の調査を中止し,又は打ち切つたときは,その旨を理由を付して
苦情申立人及び第1項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。
4 オンブズマンは,自己の発意に基づき取り上げた事案の調査を中止し,又は打ち切つたときは,その
旨を理由を付して第1項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。
(調査の方法)
第14条 オンブズマンは,苦情等の調査のため必要があると認めるときは,関係する市の機関に対し説
明を求め,その保有する帳簿等関係書類その他の記録を閲覧し,若しくはその提出を要求し,又は実地
調査をすることができる。
2 オンブズマンは,苦情等の調査のため必要があると認めるときは,関係人又は関係機関に対し質問し,
事情を聴取し,又は実地調査することについて協力を求めることができる。
3 オンブズマンは,必要があると認めるときは,専門的又は技術的な事項について,専門的機関に対し,
調査,鑑定,分析等の依頼をすることができる。
- 56 -
(苦情申立人への通知)
第15条 オンブズマンは,申立てに係る苦情の調査の結果について,苦情申立人に速やかに通知するも
のとする。ただし,第18条第3項の規定により通知する場合は,この限りでない。
(勧告及び意見表明)
第16条 オンブズマンは,苦情等の調査の結果,必要があると認めるときは,関係する市の機関に対し
是正等の措置を講ずるよう勧告することができる。
2 オンブズマンは,苦情等の調査の結果,その原因が制度そのものに起因すると認めるときは,関係する
市の機関に対し当該制度の改善を求めるための意見を表明することができる。
(勧告又は意見表明の尊重)
第17条 前条の規定による勧告又は意見表明を受けた市の機関は,当該勧告又は意見表明を尊重しなけ
ればならない。
(報告等)
第18条 オンブズマンは,第16条第1項の規定により勧告をしたときは,市の機関に対し是正等の措
置について報告を求めるものとする。
2 前項の規定により報告を求められた市の機関は,当該報告を求められた日から60日以内に,オンブ
ズマンに対し是正等の措置について報告するものとする。この場合において,是正等の措置を講ずるこ
とができない特別の理由があるときは,理由を付してその旨をオンブズマンに報告しなければならない。
3 オンブズマンは,申立てに係る苦情について第16条の規定により勧告し,若しくは意見を表明した
とき又は前項の規定による報告があつたときは,その旨を苦情申立人に速やかに通知しなければならな
い。
(公 表)
第19条 オンブズマンは,第16条の規定による勧告若しくは意見表明又は前条第2項の規定による報
告の内容を公表するものとする。
2 オンブズマンは,前項の規定により勧告,意見表明及び報告の内容を公表するときは,個人情報等の
保護について最大限の配慮をしなければならない。
- 57 -
第5章 補 則
(事務局)
第20条 オンブズマンに関する事務を処理するため,事務局を置く。
2 オンブズマンの職務に関する事項を調査する専門調査員を置くことができる。
(運営状況の報告)
第21条 オンブズマンは,毎年,この条例の運営状況について市長及び議会に報告するとともに,これ
を公表するものとする。
(委 任)
第22条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行について必要な事項は,市長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は,平成8年10月1日から施行する。
(平成8条例2・一部改正)
(経過措置)
2 この条例は,この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の1年前の日から施行日までの間にあ
つた事実に係る苦情についても適用し,当該1年前の日前にあつた事実に係る苦情については,適用し
ない。
(オンブズマンの任期に係る特例)
3 この条例の規定により最初に委嘱されるオンブズマンのうち,市長の指定する1人の第1期の任期は,
第7条第3項の規定にかかわらず,これを2年とする。
(藤沢市非常勤職員の報酬等に関する条例の一部改正)
4 藤沢市非常勤職員の報酬等に関する条例(昭和31年藤沢市条例第36号)の一部を次のように改正
する。
〔次のよう略〕
附 則(平成8年条例第2号)
この条例は,公布の日から施行する。
- 58 -
藤 沢 市 オ ン ブ ズ マ ン
○ 鈴
木
野
枝
荻
田
健
治
(○印は,代表オンブズマン)
「平成24年度藤沢市オンブズマン制度運営状況報告書」
平成25年6月発行
藤沢市オンブズマン
事務局/藤沢市オンブズマン事務局
〒251-8601 藤沢市朝日町1番地の1
TEL.0466-50-3582
FAX.0466-22-7574
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