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鉛フリー圧電センサ技術
電子光技術研究部門 鉛フリー圧電センサ技術 研究のポイント ●鉛フリー:環境に優しい、安心・安全。 ●鉛系ソフトPZTに匹敵する圧電特性。 ●鉛系と同様な結晶構造:鉛系で蓄積された知見を適用可。 研究のねらい 現在実用されている圧電セラミックスのほとんどがPb(Zr,Ti)O3をはじめとする鉛系ペロブスカイト酸化物 から成っており、廃棄処理問題に関して環境問題が懸念されます。安心・安全のためには、圧電セラミック ス材料の鉛フリー化と、さらなる高性能化が強く求められています。本研究は、組成設計及び試料プロセシ ングの最適化により、環境や生体に有害な鉛を含まず、従来品に並ぶ高性能の酸化物圧電材料を開発す ることを目指しています。また、開発して鉛フリー圧電体の圧電センサ(超音波距離センサ、AEセンサ、振 動センサ等)への実用可能性を検証することを目的としています。 研究内容 ■ニオブ酸ナトリウム・カリウム((Na,K)NbO3)を母材と する鉛フリー圧電セラミックスにおいて、室温で鉛系と 同様な菱面晶―正方晶の相境界(MPB)を形成するこ とにより、圧電特性を向上させました。 ■相境界を利用した鉛フリー圧電セラミックスは、ソフト 系Pb(Zr,Ti)O3に匹敵する圧電特性d33>400 pC/Nを 達成しました。 ■開発した鉛フリー圧電材料を使ったAEセンサ・振動 センサ・超音波センサを開発、実証に成功しました。 圧電定数 d33 (pC/N) 800 600 400 産総研 MPB組成 200 ○ 0 通常焼結 無配向 鉛系;● 鉛フリー系 100 200 300 400 500 o キュリー温度 tc ( C) 産総研が開発した鉛フリー圧電セラミックスの位置付け AEセンサ 振動センサ 縦波(Longitudinal Wave) に対する応答を測定 0 dB = 1 Vs/m 鉛フリー振動センサ 120 筐体 鉛フリーAEセンサ 100 重り 感度(dB) プリアンプ 圧電体 V 80 鉛系振動センサ 鉛系AEセンサ 圧電体 60 0 200 400 600 周波数(kHz) 800 1000 振動センサの基本構造 AEセンサの基本構造 鉛フリーと鉛系AEセンサの感度特性比較 鉛フリーと鉛系振動センサの特性比較 電子光技術研究部門 酸化物デバイスグループ http://unit.aist.go.jp/esprit/ (問い合わせ先) 担当者:王 瑞平 技術を社会へ - Integration for Innovation 国立研究開発法人 産業技術総合研究所