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ニカラグア - JICA

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ニカラグア - JICA
事業事前評価表
国際協力機構中南米部中米・カリブ課
1.案件名(国名)
国名:ニカラグア
案件名:マナグア-エルラマ間橋梁架け替え計画
The Project for Reconstruction of Bridges on Managua – El Rama Road
2.事業の背景と必要性
(1) 当該国における道路・交通セクターの現状と課題
ニカラグアは 90 年代に鉄道を全廃したため旅客貨物の 98%が道路に依存している。しか
し内戦の後遺症もあり、幹線道路、橋梁、農道等の運輸インフラが未整備であるほか、災
害に脆弱な構造物が多く残されている。道路整備状況は周辺国に比較して悪く、道路舗装
率は 10.1%と中米で最も低い。対象地域は国内の主要な農産地であるが、不十分な道路整
備状況が農産物の円滑な輸送を阻害するなど、同セクターの脆弱性が社会経済発展の妨げ
となっている。
(2) 当該国における道路・交通セクターの開発政策と本事業の位置づけ
ニカラグアは「国家人間開発計画(2008~2012)」を策定、貧困削減のために多岐に亘る
プログラムを構成しており、その一つである「生産性向上」において「道路や橋梁等経済
インフラ基盤の整備」が重要な手段として位置づけられている。また 2001 年 6 月に策定さ
れた中米経済・社会統合の実現を目指した広域開発計画「プラン・プエブラ・パナマ(PPP)」
(現「プロジェクト・メソアメリカ」
)において、中米地域の物流活性化のため、国際幹線
道路整備が進められている。
同国の主要な国際幹線道路は「太平洋輸送回廊」及び「大西洋輸送回廊」であるが、本
事業対象サイトは「大西洋輸送回廊」および同国の横断道路である「東西回廊」上に位置
している。これら回廊の整備によって、中米諸国間の流通及び経済関係の発展に寄与し、
同国の経済の活性化及び貧困削減に資することが期待される。
(3) 道路・交通セクターに対する我が国及び JICA の援助方針と実績
我が国は、これまでもニカラグアの運輸交通セクターに対して積極的な支援を行ってき
た。貧困問題の解決に必要な経済成長の推進役となる投資促進、生産力増強、輸出振興を
図るべく、同セクターを援助重点分野の一つとして位置付け、道路、橋梁等の交通インフ
ラの整備に協力している。実績としては「主要幹線道路橋梁架け替え計画」
(2000~2001)、
「国道7号線主要橋架け替え計画」
(2006~2008)、
「サンタフェ橋建設計画」
(2010~2013)
などがある。
(4) 他の援助機関の対応
ニカラグアにおける道路・交通セクターの主なドナー機関・国は、世界銀行、米州開発
銀行(IDB)、中米経済統合銀行(CABEI)、デンマーク援助庁(DANIDA)などである。
3.事業概要
(1) 事業の目的(協力プログラムにおける位置づけを含む)
経済成長を推進する投資促進、生産力増強、輸出振興に向けた経済インフラの整備を目
標とする「道路・橋梁整備プログラム」において、大西洋輸送回廊及び東西回廊上の 3 橋
梁を架け替えることにより、円滑で安全な国内・国際物流の活性化を図る。
(2) プロジェクトサイト/対象地域名
マナグア-エルラマ間(マナグア県、チョンタレス県、ボアコ県及び南大西洋自治地区)
(3) 事業概要
1) 土木工事、調達機器等の内容
国道 7 号線マナグア-エルラマ間の 3 橋梁の建設
・ラスバンデラス橋 :100 メートル(2車線橋梁に架け替え)
・ラ・トンガ橋
:100 メートル(2車線橋梁に架け替え)
・テコロストーテ橋 :100 メートル(既存の1車線橋に併設する 1 車線橋の新設)
2) コンサルティング・サービス/ソフトコンポーネントの内容
対象橋梁の建設にかかる実施設計及び施工監理/ソフトコンポーネントなし。
(4) 総事業費/概算協力額
総事業費:約 20.09 億円(概算協力額(日本側)
:19.38 億円、ニカラグア国側:0.71 億
円)
(5) 事業実施スケジュール(協力期間)
2010 年 10 月~2013 年 6 月を予定(計 33 ヶ月。詳細設計・入札期間を含む)
(6) 事業実施体制(実施機関/カウンターパート)
運輸インフラ省
(7) 環境社会配慮・貧困削減・社会開発
1) 環境社会配慮
① カテゴリ分類:B
橋梁の架け替えを行う案件であり、重大ではないが大気汚染、騒音等の環境社会へ
の望ましくない影響が考えられる。
② 影響と緩和・軽減策:本事業は家屋 3 棟、店舗 3 店の非自発的住民移転が見込まれ、
ニカラグア国内手続きに沿って用地取得が進められる。工事期間中の重機や車輌等
による大気汚染、騒音、振動等については、定期的な散水、低騒音、低振動の工法
を採用し、影響を最小限に抑える。
2) 貧困削減促進
特になし。
3) ジェンダー
特になし。
(8) 他援助機関等との連携・役割分担
国際幹線道路である大西洋輸送回廊上の舗装整備を IDB、DANIDA 等が実施しており、本
プロジェクトとは補完関係にある。
(9) その他特記事項
先方からは上記 3 橋梁にクイサラ橋を加えた 4 橋梁の架け替えが要請され、概略設計調
2
査時においてはこれら 4 橋梁を対象に調査を行った。調査の結果、損傷、変形等の構造安
全面および交通渋滞の深刻度の観点から、整備の緊急性が高い上記 3 橋梁を協力対象とし
た。
4. 外部条件・リスクコントロール
(1)事業実施のための前提条件
特になし。
(2)プロジェクト全体計画達成のための外部条件
2011 年 11 月に大統領選挙が行われるため、一時的に行政能力が低下する可能性がある。
5. 過去の類似案件の評価結果と本事業への教訓
特になし。
6. 評価結果
以下の内容により本案件の妥当性は高く、また有効性が見込まれると判断される。
(1) 妥当性
対象橋梁は国際幹線道路に位置し、円滑で安全な国際・国内物流を実現する上で重要な
役割を担っているだけでなく、その架け替えは地域住民の安全確保にも重要である。また、
中米地域が目指すインフラ統合プロジェクトとも整合しており妥当性は高い。
(2) 有効性
1) 定量的効果
指標名
基準値(2010 年) 目標値(2016 年)【事業完成3年後】
平均走行速度の向上(km/h)
10~20
60~80
2) 定性的効果
劣化、老朽化による構造的に危険な橋梁の落橋防止(人命損失の回避)
街道沿道地域の地域経済振興の促進
7. 今後の評価計画
(1) 今後の評価に用いる主な指標
6.(2) 1)のとおり。
(2) 今後の評価のタイミング
・事後評価
事業完成3年後
以
3
上
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