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保育士不足の解消

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保育士不足の解消
卒業論文
保育士不足の解消
明治大学経営学部経営学科
黒田ゼミ
4年 16 組8番
角
完成日
春奈
2014 年1月7日
目次
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
第1章
保育士不足の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
第1節
働く女性の増加と子育て・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
第2節
待機児童問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(1) 待機児童問題の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(2) 「待機児童」の定義と潜在的待機児童・・・・・・・・・・9
第2章
保育所の種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
第1節 認可保育所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
第3章
第2節
認可外保育所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
第3節
家庭的保育事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
第4節
幼稚園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
第5節
認定こども園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
保育士になるには・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
第1節 保育士資格の取得・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
第2節
第4章
保育士採用試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
保育士の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
第1節 「待機児童解消加速化プラン」・・・・・・・・・・・・・・・・・20
第2節
第5章
「潜在保育士」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
アンケート調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
1
はじめに
近年、日本では人口減少や少子高齢化の影響もあり、労働力不足が進行している。それ
をうけて、アベノミクスの成長戦略でも「人材の活用強化~女性が輝く日本~」と題し女
性の労働を促進するなど、女性の労働力の活用が注目されている。
この取組の一環として、働く女性が子どもを保育所に預けたくても預けることが出来な
い待機児童の問題の解消を目指し、安陪政権では「待機児童解消加速化プラン」により 2013
年度から保育ニーズのピークを迎える 2017 度末までに、約 40 万人分の保育の受け皿を確
保するとしている。2014 年4月1日時点では、保育所定員は 2013 年4月から4万4千人
増加、待機児童数はこの1年間で 1370 人減少した1。
しかし、単に保育所という施設を増やしただけでは、保育サービスの供給は増加しない。
その裏では深刻な保育士不足が問題となっているのである。受け皿を確保するために保育
所の増設を行おうとしても、保育士がいないのでは保育所を開設することが出来ない。
2009 年に国が行った調査では、2017 度末までに全国で約7万4千人の保育士が不足する
と予測されている2。
また、保育士が不足して困るのは、
保育を必要とする児童や保護者だけにとどまらない。
東京都福祉保健局が 2014 年3月に行った保育士実態調査のアンケート調査結果による
と、
「現在の職場に対して、
日ごろあなたが改善してほしいと思っている事柄はありますか。
」
という質問に対し、40.4%が「職員数の増員」、34.9%が「事務・雑務の軽減」と回答して
おり、実際に働いている保育士も保育士不足による不満を抱えている3。
この論文では、仕事と子育てを両立させたいと考える女性、そしてそれを支えている保
育士の両者が働きやすい社会となるための保育士不足解消を目指し、待機児童解消のため
の取組の調査に加えて、保育士の働き方について独自のアンケート調査を行う。
厚生労働省「保育所関連状況取りまとめ(平成 26 年4月1日)
」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku
-Hoikuka/0000057778.pdf(2015 年1月3日アクセス)
2 東京都福祉保健局「東京都保育士実態調査」2014 年3月発行 p.3
3 東京都福祉保健局「東京都保育士実態調査」2014 年3月発行 p.68
1
2
第1章 保育士不足の背景
第1節 働く女性の増加と子育て
近年、女性の就業者数は増加傾向にあり、2014 年 10 月では前年同月に比べ約 24 万人
増加しおよそ 2764 万人となった。さらに、1980 年以降、夫婦共に雇用者の共働き世帯は
年々増加し、1997 年以降は共働き世帯数が男性片働き世帯数を上回り、2013 年には、雇
用者の共働き世帯が 1,065 万世帯となった。
このような女性の就業率の上昇の背景のひとつには、女性の労働意欲の高まりがあると
考えられる。女性の理想のライフコースを見ると、結婚し子どもを持つが、仕事も一生続
ける「両立コース」を選択する人が年々増加しており、仕事と子育てを両立しようとする
女性の意欲の高まりが見られる(図1)4。
図 1 女性の理想ライフコース
40%
1987年
1997年
2005年
30%
1992年
2002年
2010年
20%
10%
0%
専業主婦
再就職
両立
DINKS
非婚就業
出所)国土交通省「平成 24 年度国土交通白書」
※図中の DINKS とは、結婚するが子どもは持たず、一生仕事を続けること。
(Double Income No Kids)
4
国土交通省「平成 24 年度国土交通白書」
3
しかし、女性の労働力率を年齢階級別に見た場合、結婚・出産時期に当たる 20 代後半
から 30 代にかけて労働力率が著しく減少する。これをいわゆる「M 字カーブ」というが、
この M 字カーブの底は年々上昇しているものの、依然として落ち込みがみられる(図2)
5。
百
図 2 女性の年齢階級別労働力率の推移
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
1975年
1985年
1995年
2005年
2013年
10%
0%
15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70以上(歳)
出所)総務省統計局「労働力調査 長期時系列データ」を基に作成
次に、出産前後の妻の就業状態の変化を見ると、妊娠前に就業していた人の割合が増加
していることから、出産退職する人の割合と出産後も就業を継続する人の割合が増加して
いる(図3)
。これについて、結婚前、妊娠前に就業していた人に限定して就業を継続した
人の割合を見ると、結婚前に就業していた人のうち就業を継続した人の割合は 1985~
1989 年の 60.3%から 2005~2009 年の 70.5%に上昇した。しかし、妊娠前に就業してい
た人のうち出産後も就業を継続した人の割合は 40%弱で推移しており、約 30 年間変化が
ない(ただし、出産後も就業を継続した人のうち、育児休業制度を利用して就業を続けた
人の割合は高まっている)ことから、女性にとって依然として仕事と子育ての両立が難し
い環境となっていることが分かる(図4)6。
5
6
国土交通省「平成 24 年度国土交通白書」
同上
4
図 3 第 1 子出生年別に見た出産前後の妻の就業変化
100%
90%
80%
35.5
34.6
32.8
37.4
37.7
39.3
18.3
16.3
13
28.5
24.1
40.6
43.9
11.9
9.7
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
24.0
24.4
26.7
24.2
5.7
8.1
11.2
14.8
1985~89
1990~94
1995~99
2000~04
就業継続(育休利用)
就業継続(育休なし)
出産退職
26.8
17.1
2005~09 (年)
妊娠前から無職
不詳
出所)国土交通省「平成 24 年度国土交通白書」
百
図 4 結婚・出産前後の妻の就業継続割合
80%
70%
0.623
0.603
0.709
0.651
0.705
60%
50%
40%
0.39
0.393
0.398
0.381
0.38
30%
20%
10%
0.093
0.176
0.13
0.22
0.242
(年)
0%
1985~89
結婚前後
1990~94
1995~99
第一子出産前後
2000~04
2005~09
育児休業制度を利用して就業を継続した割合
出所)国土交通省「平成 24 年度国土交通白書」
5
第2節
待機児童問題
(1) 待機児童問題の現状
共働き世帯や出産後も仕事を続けたいと考える女性が増加したことで、保育所を必要と
する親が増え、
「待機児童問題」が顕在化した。
そもそも「待機児童」という言葉が初めて公式に使用されたのは、1994 年にまで遡る。
1990 年の「1.57 ショック7」 をきっかけに政府は、出生率の低下と子どもの数が減少傾
向にあることを問題視し、仕事と子育てとの両立支援の検討を始めた。
そして 1994 年 12 月、文部、厚生、労働、建設の4大臣合意により、今後 10 年間に取
り組むべき基本的方向と重点施策を定めた「今後の子育て支援のための施策の基本的方向
について」
(エンゼルプラン)が制定され、厚生省(現在の厚生労働省)はこれを機に全国調
査による待機児童数を公表するようになった8。
エンゼルプラン制定以降、子育て支援策の一環として待機児童の解消を図る取り組みも
積極的に行われ、保育所の増設や保育サービスの多様化が進んだ。
平成 2014 年4月1日時点では、保育所数が前年(2013 年)から 387 か所増加し 24,425
か所、保育所の定員数が4万7千人増加し 2,335,724 人、保育所利用児童数はて 47,232
人増加し 2,266,813 人となった(図5)9。
1990 年の 1.57 ショックとは、前年(1989 年)の合計特殊出生率が 1.57 と、「ひのえ
うま」という特殊要因により過去最低であった 1966 年の合計特殊出生率 1.58 を下回った
ことが判明したときの衝撃を指している(内閣府「平成 26 年度版 少子化社会対策白書」
p.35)
。
8 新井脩子、加藤聖一、木村渚、藤崎加奈子「GIS で見る待機児童問題 港区を事例に」
p.9
9 厚生労働省「保育所関連状況取りまとめ(平成 26 年4月1日)
」
7
6
図 5 保育所定員数、利用児童数及び保育所数の推移
(ヶ所)
(人)
2,400,000
25,000
定員
2,300,000
2,200,000
24,500
保育所利用児童数
保育所数
24,000
2,100,000
23,500
2,000,000
23,000
1,900,000
22,500
1,800,000
22,000
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
出所)厚生労働省「保育所関連状況取りまとめ(平成 26 年4月1日)
」
待機児童数に関しては、前年から 1,370 人減少し 21,371 人で、2010 年から4年連続の
減少を果たした10。待機児童の年齢区分を見てみると、とくに1・2歳児の割合が多い(図
6)。
これは、
女性の育児休業の取得期間と幼稚園の受入年齢が関係していると考えられる。
育児休業を取得後、復職した女性の育児休業期間は、10 か月~12 か月未満が最も多くな
っている11。そのため、1歳児の保育所利用希望者が多く入所は困難になる。一方で、幼
稚園の受入年齢は、
最近では待機児童問題を受けて受入年齢を下げているところもあるが、
ほとんどの園が受入年齢を3歳以上としているため、3歳以上児は利用可能な保育所が増
えるので入所しやすくなる。
10
11
厚生労働省「保育所関連状況取りまとめ(平成 26 年4月1日)
」
厚生労働省「雇用均等基本調査(事業所調査)
」(平成 24 年度)p.7
7
図 6 年齢区分別保育所待機児童数及び保育所利用率の推移
(人)
30,000
45.00%
26,275
25,384
25,556
25,000
20,000
24,825
40.00%
22,741
21,371
19,550
35.00%
17,926
15,000
30.00%
10,000
25.00%
5,000
20.00%
0
15.00%
2007年
0歳児
2008年
2009年
1・2歳児
2010年
2011年
3歳以上児
2012年
2013年
利用率(全体)
2014年
利用率(3歳未満)
出所)厚生労働省「保育所関連状況取りまとめ(平成 22~26 年)
」
厚生労働省「保育所の状況(平成 19~21 年)等について」を基に作成
みてきたように、仕事と子育てを両立させようとする女性の増加にともない保育ニーズ
も増加し、それに対応するため保育所の増設が行われた。そのため、必要とされる保育士
の数が増大し保育士不足を招いている。冒頭でも述べた通り、安陪政権の打ち立てた「待
機児童解消加速化プラン」では、2013 年度から 2017 年度末までに 40 万人分の保育の受
け皿を確保するとされており、保育士不足はさらに深刻化するだろう。
それにしても、現在約2万1千人で尚且つ減少傾向にある待機児童に対し、40 万人分の
受け皿というのは多すぎるのではないだろうか。そんな疑問も生まれてくるかもしれない
が、実は「待機児童」には含まれないが保育サービスを必要としている存在がある。
8
(2) 「待機児童」の定義と潜在的待機児童
厚生労働省では、
「待機児童」の定義を「入所申込が提出されており、入所要件に該当し
ているが、入所していないものを把握12。 」としている。しかし、調査結果の公開当初か
ら 2000 年度までその定義は、認可保育所に入る資格がありながら認可保育所に入所でき
ない子どもと、認可保育所に空きがないためやむをえず認可外保育施設に入所している子
どもとされていた13。つまり、2001 年の定義変更をうけて、認可外保育施設を利用しなが
ら待機している児童らは、待機児童から除外されてしまったのである。
定義を変更した 2001 年、待機児童数は、旧定義でみると 35,114 人だったものから、新
定義で 21,201 人に「減少」した(図7)14。
図 7 待機児童数の推移
45000
40000
35,144人
旧定義
新定義
35000
30000
25000
21,201人
20000
15000
10000
5000
0
出所)朝日 DIGITAL「待機児童問題」
さらに、待機児童数の数え方は自治体の判断に委ねられており、自治体によっては「認
可保育所に申請したが入れなかった児童」が多いのにもかかわらず、公表された待機児童
数が極端に少ないところもある。
たとえば、朝日 DIGITAL が全国の政令指定市と東京23区、東京都の市部で待機児童
が多かった計 55 自治体に行ったアンケートの結果によると、東京都東村山市では待機児
童の認定項目全9項目のうち5項目に当てはまる児童を公式な待機児童数に含めるとして
厚生労働省「保育所関連状況取りまとめ(平成 26 年4月1日)」p.22
新井脩子、加藤聖一、木村渚、藤崎加奈子「GIS で見る待機児童問題 港区を事例に」
p.10
14 朝日 DIGITAL「待機児童問題」
12
13
9
いるのに対し、神奈川県横浜市では2項目となっている。東村山市の公式の待機児童数は
97 人、認可保育園に入れなかった児童数は約2倍の 187 人。横浜市では公式の待機児童
数が 20 人、認可保育園に入れなかった児童数は 2,384 人と公式な人数の 100 倍を超えて
いる(表1)
。
アンケートの対象となっている 55 自治体全体でみると、公式な待機児童数の合計は
10,647 人、認可保育園に入れなかった児童数の合計は 39,509 人(認可保育園に入れなか
った児童数が未回答の2自治体に関しては公式な待機児童数で計算)であった15。
表 1 東村山市と横浜市における待機児童の認定基準の定義
2014 年(4 月 1 日時点)
東村山市
公式の待機児童数
横浜市
97人
認可保育園に入れなかった児童数
20人
2384人
187人
①治体独自の認証保育所や、市
区の保育室に入所
②保育ママを利用
③ベビーホテルなどその他認可
外を利用
④幼稚園の預かり保育を利用
※1
⑤育休を延長した
※2
⑥休職中で入園申請している
⑦自宅でネットや情報誌を使っ
た休職中で、入園申請している
⑧特定の保育園を希望し他を辞
※3
退している
⑨預け先が見つからなかったた
※4
め仕事を辞めた
出所)朝日 DIGITAL「待機児童問題」
※1)市の補助を受けている幼稚園の利用者は含めない。
※2)結果通知後に保護者から育児旧御期間を 2014 年5月以降まで延長したことの申告があった
かたは待機児童としてカウントしない。
※3)希望保育所が1園のみの申請者は待機児とカウントしていない。
※4)待機児童の算出には関係のない項目。
15
朝日 DIGITAL「待機児童問題」
10
さらに、公式な待機児童数と実際に保育所の利用を求めている児童数とのギャップは、
このような待機児童の定義の違いから生じるものだけではない。以下の記事では、保護者
が認可保育所の入所を申請していない「潜在的待機児童」の存在も指摘されている。
首都圏の自治体で待機児童の定義にばらつきの大きいことが、日本経済新聞社の調
査で分かった。
「預け先が無く育児休業を延長した」場合、横浜市など調査対象の3割
近い市区が待機児童数から除外するなどしている。国は保育所の増設を成長戦略に掲
げ、待機児童が減った自治体もあるが、最初からあきらめている人などを含め、潜在
的な待機児童は公表数字を大きく上回りそうだ。(中略)
育児休業を延長した事例については、27 市区が待機児童に含めていた。ただ、多摩
地域など東京都内が中心で、神奈川県内は調査した4市すべてが「待機児童に当ては
まらない」もしくは「場合による」と回答した。
また、やむを得ず仕事を辞めた場合、26 市区は待機児童に含めていたが、32%にあ
たる12市区は、
「自宅で保育できる環境にある」(台東区)などとして除外するか、
事例によって除外していた。
県内では3市がケースバイケースで判断している。
(中略)
厚生労働省によると、待機児童は認可保育所のほか、東京都の認証保育所など自治
体が独自に助成する保育施設に申し込んだのに入れなかった子どもを指すが、細かい
判断は自治体に任されていることから違いが生じている。(中略)
内閣府の推計(2003 年)によると、働きたいと思っているが、保護者が認可保育所
の入所を申請していない潜在的待機児童数は1都3県で約 24 万人。東京都内だけだ
と約7万人いた。
保育所不足で就労をあきらめていた人も、保育所が増えると利用を申し込み、さら
なる保育需要が顕在化する。鈴木教授16は「リーマン・ショック後に女性の就業が増
えていることを考えると、23 区だけで潜在的待機児童は 10 万人程度に増えているの
ではないか」とみる17。
待機児童の定義には含まれないが認可保育所に入れなかった児童と、潜在的待機児童と
を合わせるとその人数は計り知れない。たしかに、40 万人分の受け皿は必要とされており、
それに応じた人数の保育士も必要とされている。
16
学習院大学の鈴木亘教授
「待機児童定義、実はバラバラ、首都圏自治体、育児延長、3割が除外(子育て 2013)
」
『日本経済新聞』2013 年7月3日、地方経済面(神奈川)p.26
17
11
第2章
保育所の種類
保育所といってもその種類は様々で、近年の待機児童問題や保護者や地域の多様化する
ニーズに応えるために認定こども園や地域の独自サービスとして東京都の認証保育所、横
浜市の横浜保育室などといった新たな保育施設も誕生している。
その種類は大きく分けると認可保育所、認可外保育所、家庭的保育事業、幼稚園、認定
こども園に分けられる。施設ごとの細かい基準や入所要件に関しては自治体により異なる
ため、ここでは主に横浜市を例にして整理していく。
第1節
認可保育所
認可保育所とは、保育所の設備及び運営に関して国の定める基準を満たしており、自治
体に認可された保育所のことで、公設公営、公設民営、民設民営がある。設置・運営基準
に関しては、設置者や運営者が異なるだけで、公立も民間も同じである。また、国の基準
とは別に自治体ごとに基準を設けており、横浜市では定員や施設・職員基準などが国の基
準よりも厳しく設定されている(表1)
。
表 2 国と横浜市の認可保育所の設置・運営基準
国基準
横浜市基準
区市町村、社会福祉法人、 横浜市、社会福祉法人、民
設置者
民間事業者
間事業者
対象児童
0歳~小学校就学前
申込方法、入所決定
利用者が区市町村へ申し込み、区市町村が入所決定
20 人以上
定員
乳児室(0・1歳児)
施
設 ほふく室(0・1歳児)
基 保育室・遊戯室(2歳以上児)
準
屋外遊戯室(2歳以上児)
職 配置基準
員 児童数:職員数
基
準
60 人以上
1.65 ㎡/1人
3.3 ㎡/1人
3.3 ㎡/1人
1.98 ㎡/1人
1.98 ㎡/1人
3.3 ㎡/1人
3.3 ㎡/1人
0歳児
3:1
3:1
1歳児
6:1
4:1
2歳児
6:1
5:1
3歳児
20:1
15:1
4歳以上児
30:1
24:1
保育従事者
全て保育士
出所)内閣府「保育の現状」を基に作成
12
また、認可保育所へ入所する側にも満たさなくはならない条件があり、誰でも入所でき
るという訳ではない。
横浜市の認可保育園の入所要件は、保護者(同居の 65 歳未満の親族がいる場合、その
全員)が①会社や自宅を問わず、1日4時間以上かつ月 16 日以上働いているとき、②出
産の準備や出産後の休養が必要なとき、③病気や障害のため保育が困難なとき、④病人や
障害者を介護しているとき、⑤大学や職業訓練校、専門学校などに通っているとき、⑥仕
事を探しているとき、⑦育児休業が終了し、仕事に復帰するとき、⑧自宅や近所の火災な
どの災害の復旧にあたっているとき等となっており、これらの理由で子どもを保育できな
い場合に申し込むことができる18。
公立保育所と民間保育所の違いを見ると、大きな違いは設置者が異なることである。公
立保育所は一般的に保育料が安く別途料金もほとんどの場合発生しないが、保育サービス
を拡充しようとする場合には、原則として全園で一斉に対応することが求められ、時間と
コストがかかる。それに対し、民間保育所では、柔軟性や効率性を活かして、保育の質を
確保しながら多様な保育ニーズに迅速かつ効率的に対応していくことができるが、公立保
育所に比べ保育料が高い場合や、保育料は同じでも独自のサービスに対し別途料金が発生
する場合が多い。
保育料に関しては、自治体によってその料金設定方法が異なっている。横浜市では、公
立、民間ともに同額で保護者等の前年の税金の額や子どもの年度当初の年齢に応じて決め
られた額(2013 年度時点では月額0円~77,500 円)を横浜市が徴収し、保育所の定員数
に応じ各保育所に配分する19。民間保育所では、市から与えられた運営費に加え、あらか
じめ認められた延長保育料、実費徴収( 幼児の主食代、延長保育サービスの実施に伴う夕
食代・おやつ代等)の費用負担を保護者に求めることができる。
第2節
認可外保育所
認可外保育所とは、認可保育所以外の保育施設であり、行政庁による設置認可を受けて
いないものの総称である。東京都の認証保育所や横浜市の横浜保育室など、認可保育所の
基準には満たないが、自治体が独自に設けた基準(表3)を満たし自治体からの助成を受
けている保育施設に関しても認可外保育所に分類される。その他、企業や病院などが福利
厚生施設の一環として設置している事業所内保育施設、認可外保育所のうち夜間保育、宿
泊を伴う保育、または時間単位で一時預かりのいずれかをおこなっているベビーホテル、
それ以外の一般認可外保育施設がある20。
横浜市こども青少年局保育運営課「平成 26 年度横浜市保育所入所案内」平成 25 年 10
月発行 p.1
19 同上 p.4
20 横浜市こども青少年局HPhttp://www.city.yokohama.lg.jp/kodomo/(2015 年1月3日
アクセス)
18
13
横浜市の認可保育所と横浜保育室の違いは施設設置や職員基準だけではない。認可保育
所は公立・民間のどちらも事業主体が横浜市で運営主体が保育所であるため、利用しよう
とする保護者は横浜市に入所申込みをし、保育料も横浜市に支払う。一方、横浜保育室に
入所する際は保育所に直接申込みをし、保護者と保育所との間で直接契約を結ぶため、保
育料は保育所が徴収することとなる(表3)。
認可外保育所の保育料は、一般的に保育所が独自に定めているが、横浜保育室の保育料
に関しては、保護者負担となる基本時間内にかかる保育料(給食代、おやつ代等すべて含
む)は月額 58,100 円を上限としている21。
表 3 認証保育所と横浜保育室の設置・運営基準
東京都
設置者
対象児童
横浜保育室
認証保育所A型
認証保育所B型
(駅前設置型)
(小規模型)
民間事業者等
個人
個人、民間事業者等
0歳~小学校就学前
0~2歳
0歳~小学校就学前
利用者が横浜保育
申込方法、入所決定
利用者が認証保育所へ申込み、直接契約
室へ申し込み、直
接契約
定員
乳児室・ほふく室
(0・1歳児)
設
置
基
準
保育室・遊戯室
(2歳以上児)
屋外遊戯室
(2歳以上児)
20~120 人
6~20 人
20 人以上
3.3 ㎡/1人
2.5 ㎡/1人
3.3 ㎡/1人
1.98 ㎡/1人
1.98 ㎡/1人
1.98 ㎡/1人
3.3 ㎡/1人
基準なし
基準なし
3:1
3:1
4:1
6:1
6:1
4:1
6:1
6:1
4:1
20:1
―
20:1
30:1
―
30:1
0歳児
1歳児
職 配置基準
員 児童数:職員数 2歳児
基
3歳児
準
4歳以上児
保育従事者
保育士は6割で可
保育士は 2/3 で可
出所)内閣府「保育の現状」を基に作成
横浜市こども青少年局保育運営課「平成 26 年度横浜市保育所入所案内」平成 25 年 10
月発行 p.18
21
14
第3節
家庭的保育事業
家庭的保育事業とは、保育者の居宅またはその他の場所で行われる小規模の異年齢保育
で、2010 年4月から児童福祉法上に位置づけられた保育事業である。家庭的保育事業を実
施する地方自治体は関東地方の大都市部周辺に多く、また、地方自治体により「保育ママ」
や「家庭保育福祉員」など名称も異なる22。
横浜市の家庭的保育事業は、
「横浜市から認定された家庭保育福祉員が福祉員の自宅など、
子どもにとって親しみやすく安心感が得られる家庭的な雰囲気や環境で保育する制度 23」
で、家庭保育福祉員には保育士、看護師及び幼稚園教諭の資格や家庭的保育事業の経験が
必要とされている。対象児童は生後 57 日から3歳未満の児童で、定員は原則家庭保育福
祉員1人につき3名、認められた家庭保育福祉員は5名までと少人数である。
利用するには、認可保育所と同様に保護者が子どもを保育できない入所要件を満たす必
要がある。また、家庭保育福祉員との直接契約となるため、前年の世帯の所得税額に応じ
て横浜市の定めた保育料(2014 年度では月額0円~57,200 円)を家庭保育福祉員が徴収
する24。
第4節
幼稚園
保育所の設置及び運営についての最低基準を定めているのが児童福祉法なのに対し、幼
稚園の基準を定めているのは学校教育法であり、その目的は「義務教育及びその後の教育
の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与え
て、その心身の発達を助長すること25」とされており、職員も保育士ではなく教諭が配置
されている等、保育所と幼稚園ではそもそもの性質が全く異なっている26。
幼稚園の入園対象は3歳~小学校就学前の児童で、保育所のように保護者が子どもを保
育できない環境である等の入園要件は設けていない。
1日の教育時間は4時間と短いため、以前は「両親とも働きながら幼稚園に通わせるこ
とは難しい」といった印象が強かったが、働きながら幼稚園に通わせたい、保育所以外に
も預けられるところがないか探しているという保護者の保育ニーズに対応するため、最近
では「預かり保育」を行っている幼稚園も少なくない。
預かり保育とは、幼稚園に通う園児や、0歳~3歳の未就園児を教育時間前や教育時間
22
NPO法人 家庭的保育全国連絡協議会HPhttp://www.familyhoiku.org/(2015 年1
月3日アクセス)
23 横浜市こども青少年局保育運営課「平成 26 年度横浜市保育所入所案内」平成 25 年 10
月発行 p.14
24 同上 p.14
25 学校教育法第 22 条
26 厚生労働省「幼稚園と保育所の基準の比較【職員配置・施設整備等】
」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/10/s1024-11d.html(2015 年1月3日アクセス)
15
後も幼稚園内で預かる制度で、自治体や幼稚園ごとにその対象者や預かり時間は様々で、
保育所に比べると利用料金も高くなってしまうが、仕事と子育てとを両立させたいと考え
る女性の子どもの預け先としてのひとつの選択肢となっている27。
第5節
認定こども園
「認定こども園」とは、幼稚園、保育所のうち①就学前の子どもに幼児教育・保育を提
供する機能(保護者が働いている、いないにかかわらず受け入れて、教育・保育を一体的
に行う機能)
、②地域における子育て支援を行う機能(すべての子育て家庭を対象に、子育
て不安に対応した相談活動や、親子の集いの場の提供などを行う機能)を備え、認定基準
を満たし都道府県知事から認定を受けた保育施設のことである。
認定こども園には、①認可幼稚園と認可保育所とが連携して機能を果たす幼保連携型、
②認可幼稚園が保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たす幼稚園型、③
認可保育所が、保育に欠ける子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能果た
す保育所型、④幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども
園として必要な機能を果たす地方裁量型などの様々な形があるが、認定こども園の認定を
受けても、幼稚園や保育所としての位置づけを失うことはない。
認定こども園の具体的な認定基準は、文部科学大臣と厚生労働大臣が協議して定める「国
の指針」を基に各都道府県が条例で定める。
「国の指針」において職員は、0~2歳児については、保育士資格保有者を保育所と同
様の体制で配置し、3~5歳児については、幼稚園教諭免許と保育士資格の併有が望まし
いが、学級担任には幼稚園教諭免許の保有者、長時間利用児への対応については保育士資
格の保有者を原則としつつ、
片方の資格しか有しない者を排除しないよう配慮したうえで、
学級担任を配置し、長時間利用児には個別対応が可能な体制をとるように定めると予定し
ている28。
27
文部科学省HPhttp://www.mext.go.jp/(2015 年1月3日アクセス)
文部科学省・厚生労働省 幼保連携推進室HPhttp://www.youho.go.jp/gaiyo.html
(2015 年1月3日アクセス)
28
16
第3章
保育士になるためには
第1節
保育士資格の取得
保育所で保育士として働くには、保育士資格の取得し、保育士登録を受け、保育士証の
交付をもって就業することが出来る。
保育士資格とは、国家資格であり、その資格試験は 2004 年に全国統一され、全国保育
士養成協議会が全都道府県知事から指定試験機関の指定を受け、保育士試験に関する全て
の事務を実施している。
保育士の資格を取得するには、厚生労働省の指定する保育士養成施設で所定科目の 68
単位を履修し卒業する方法と、年1回行われる保育士試験で筆記試験9科目と実技試験の
全てに合格する方法がある。厚生労働省の指定する保育士養成施設には、4 年制大学、短
期大学、専門(専修)学校、その他保育士養成施設があり、これらの学校の保育士養成課
程を卒業すると、自動的に保育士の資格を取得できる29。
さらに、新たな「幼保連携型認定こども園」の職員である保育教諭については、
「幼稚園
教諭免許状」と「保育士資格」の両方の免許・資格を有していることを原則としているこ
とから、2015 年4月に新たな認定こども園制度を施行してから5年間は、実務経験を有す
る幼稚園教諭の保育士資格について、履修科目・試験科目を軽減する特例を設けることを
検討している(図8)30。
29
一般社団法人 全国保育士養成協議会HPhttp://www.hoyokyo.or.jp/(2015 年1月3日
アクセス)
30 文部科学省
「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例について(報告)」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2013/0
9/26/1339598_1.pdf(2015 年1月3日アクセス)
17
図 8 保育士資格取得の流れ
出所)文部科学省「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例について」を基に作成
東京都福祉保健局が 2008 年4月から平成 25 年3月までに行った東京都保育士実態調査
のアンケート結果によると、調査期間の5年間に保育士登録をした人のうち、保育士養成
施設での資格取得者はおよそ4分3、保育士試験での資格取得者は4分の1程度となって
いる(図9)
。
図 9 保育士資格の取得方法
0.9
保育士試験, 24.9
専門(専修)学校の保育士養
成課程
23.3
短期大学の保育士養成課程
大学の保育士養成課程
1.1
その他の保育士養成施設の
保育士養成課程
16.0
保育士試験
33.8
出所)東京都福祉保健局「東京都保育士実態調査」平成 26 年3月発行を基に作成
18
保育士試験は年に1回、4月に受験申請書等「受験の手引き」を配布、4月~5月中旬
に受験申請書受付、8月初旬に2日間にわたり筆記試験(保育言論、教育言論、社会的教
養、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保険、子どもの食と栄養、保育実
習理論の全9科目)を行い、幼稚園教諭免許所有者を除く筆記試験全科目合格者は 10 月
に実技試験(音楽表現、造形表現、言語表現のうち2分野)といった流れで行われる31。
さらに、厚生労働省は、保育士不足解消のため新たに「地域限定保育士」を創設する。
「地域限定保育士」とは、地域を絞って規制を緩める国家戦略特区で働くことのできる保
育士で、通常の保育士資格とは別に年1回の試験を行い、資格を取得する。この資格では、
約3年間は特区内で保育士の仕事に就き、それ以降は全国で働くことが出来る。
ねらいは、現在、年1回しか行われない保育士資格試験の試験受験機会を増やすことで保
育士不足に対応することである。地域限定保育士資格の試験は通常の保育士試験と同じ難
易度にするとされている。まずは、神奈川県と大阪府で導入する見込みだ32。
第2節
保育士採用試験
公立の保育所の場合、保育士資格を取得し、保育士登録を受けたもしくは受ける見込み
があると自治体が実施する保育士採用試験をうけることができる。
試験内容は、筆記試験、実技試験、面接、適性検査、体力測定などで、自治体により異
なっている。ここでも横浜市を例にとると、2014 年度の採用試験では一次試験が一般教養
と専門知識(社会福祉、児童家庭支援、保育の心理学、保育原理、保育内容、子どもの保
健)の筆記試験、二次試験は論文、面接、体力検査を行っている。これらの試験に合格す
ると横浜市の職員として公立保育所に勤めることになる33。
民間の保育所や認可外保育所での採用試験は、保育所ごとに個別で実施するため時期や
試験内容などは統一されていない。一般的には、6月~11 月ごろと新学期前の2~3月に
採用を行うところが多く、試験監督は園長や主任保育士が担当して筆記試験の他に面接試
験等も行っている。
31
一般社団法人 全国保育士養成協議会HPhttp://www.hoyokyo.or.jp/(2015 年1月3日
アクセス)
32 「国家戦略特区特集―岩盤規制破れるか、次の焦点、今国会に改正法案、第2弾には提
案 200 件。
」
『日本経済新聞』2014 年 10 月 30 日、朝刊 p.33
33 横浜市人事委員会「平成26年度横浜市職員採用試験 受験案内(高校卒程度、免許資
格職など)
」平成 26 年6月発行 p.3~6
http://www.city.yokohama.lg.jp/jinji/koukou/pdf/h26/h26kousoujyuan.pdf(2015 年1月
3日アクセス)
19
第4章
保育士の確保
第1節
「待機児童解消加速化プラン」
2015 年4月から始まる新しい「保育支援制度」に向け、待機児童解消を目指した「待機
児童解消加速化プラン」が 2013 年からスタートした。
その計画内容は「緊急集中取組期間」
(2013・2014 年度)で約 20 万人分の保育を集中
的に整備、
「取組加速期間」(2015~2017 年度)で更に整備を進め、上記と合わせて、潜
在的なニーズを含め、約 40 万人分の保育の受け皿を確保、市町村子ども・子育て支援事
業計画で設定されていた期間より2年前倒しして、保育ニーズのピークを迎える平成 29
年度末までに待機児童解消を目指すとされている(図 10)34。
図 10 「待機児童解消加速化プラン」取組計画
出所)内閣府「子ども・子育て支援新制度について(平成 26 年 10 月)
」
現在進行している「緊急プロジェクト」では、①賃貸方式や国有地も活用した保育所整
備(
「ハコ」
)
、②保育を支える保育士の確保(「ヒト」)、③小規模保育事業など新制度の先
取り、④認可を目指す認可外保育施設への支援、⑤事業所内保育施設への支援を「支援パ
ッケージ~5本の柱~」として取り組みを進め保育の量的拡大と質の確保の実現へと努め
ている35。
ここからは保育士を支援対象とした取組、「保育を支える保育士の確保(「ヒト」)」につ
34
35
内閣府「子ども・子育て支援新制度について(平成 26 年 10 月)」
同上
20
いてより詳しくみていきたい。
取組の内容は保育士確保施策、保育士資格取得と継続雇用の支援、保育教諭確保のため
の幼稚園教諭免許状を有する者の資格取得、保育士の処遇改善の大きく4つに分けられて
いる。
具体的な保育士確保施策としては、①保育士養成施設新規卒業者の確保、②保育士の就
業継続支援、③潜在保育士の再就職等を支援する「保育士・保育所支援センター」の設置、
④潜在保育士の再就職を支援するため、現場復帰に必要となる講座や施設実習を行う、⑤
職員用宿舎借り上げ支援⑥保育体制強化事業がある。
保育士資格取得と継続雇用の支援としては、認可外保育施設に勤務する保育士などの資
格を有しない保育従事者へ保育士資格取得に要する費用を助成、また、3章1節で述べた
ような幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得に対する支援策がある。
保育士の処遇改善では、民間保育所(私立認定こども園の保育所部分含む)の保育士を
対象に保育所運営費の民間施設給与等改善費(民改費)を基礎に、上乗せ相当額を保育所
運営費とは別に交付するとしている36。
第2節
「潜在保育士」
ここで、保育士確保施策の支援対象にもなっている「潜在保育士」についてふれておき
たい。
潜在保育士とは、保育士としての勤務経験が有無にかかわらず、保育士資格を持ちなが
らも就業していない人のことを示し、その数はなんと約 57 万人いるとも言われている37。
「待機児童解消加速化プラン」の中では、潜在保育士の再就職支援として、潜在保育士
の相談や就職あっせんを行う「保育士・保育所支援センター」の設置や再就職を希望する
人へ保育実技研修等を行うとしている。
保育士が不足している今、保育士資格を有していて、保育士として働いていない潜在保
育士の存在は貴重なものであると考えられる。そこで、2011 年に株式会社ポピンズが厚生
労働省の委託事業として行った「潜在保育士ガイドブック」のアンケート調査を参考に潜
在保育士の実態について理解を深めたい。
この調査の回答件数は 800 件で、そのうち潜在保育士は 225 名。潜在保育士の年齢は、
20 代9%、30 代 24%、40 代 31%、50 代 28%、60 代6%、70 代1%で、40 代と 50 代
の割合が多い。また、
潜在保育士のうち 99%が女性で、69%が子ども有りと回答しており、
潜在保育士の約7割が子育てをしている、あるいは子育てを終えた人たちである。
保育所で就労していない理由については、29.6%が「求職しているが条件に合う求人が
ない」
、26.4%が「就職に不安がある」と回答している。それぞれについて、条件を整えれ
内閣府「子ども・子育て支援新制度について(平成 26 年 10 月)」
株式会社ポピンズ「潜在保育士ガイドブック―保育士再就職支援調査事業・保育園向け
報告書―」p.1
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/h120423_g.pdf(2015 年1月6日アクセス)
36
37
21
ば働ける層が3割、不安要素を取り除けば働ける層が3割いると考えられる。
潜在保育士が希望する労働条件はパートタイムが 60.2%と最も多く、保育所で就労する
にあたっての不安要素は、個人の状況で「家庭との両立」が 48.6%、職場環境においては
「勤務時間」が 40.3%であった。これらの回答から、潜在保育士は家庭を持ち、子育てを
している割合が多く、家庭との両立が可能な働き方を求めているとわかる。
また、以前保育士として働いていた潜在保育士の離職理由についてみていみると、
「家庭
との両立が難しい」や「雇用条件に不満」が多くなっている。雇用条件について、現在保
育所に勤務している保育士に勤務内容と比較した給与について尋ねた項目をみてみると、
「やや安い」
(37.2%)と「かなり安い」(15.0%)をあわせて約5割以上が「勤務内容と
比べて給与が安い」と感じていることがわかった。一方、「勤務内容と比べて給与が高い」
と感じている回答はあわせて 2.1%、のこりの約 40%は「妥当」と回答している38。
38
株式会社ポピンズ「潜在保育士ガイドブック―保育士再就職支援調査事業・保育園向け
報告書―」p.5~33
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/h120423_g.pdf(2015 年1月6日アクセス)
22
第5章
アンケート調査
現在保育士として働いている方の働き方、そして今の働き方に対し感じていることを探
り、現職の保育士を定着させ、潜在保育士にとって魅力ある労働環境となるにはどのよう
なことが求められているのか、横浜市の保育士を対象に行った独自のアンケート調査を基
にそれを探っていく。
横浜市の公立、民間の認可保育所に勤めている保育士の方を対象にアンケート調査を行
ったところ、計 61 名の方から回答を頂けた。
まず、対象者について整理すると、性別は女性が 58 人で 95%、男性が 2 人で3%、所
属保育所は公立が 46 人で 75%、私立が 14 人で 23%であった(表4)。
表 4 アンケート調査対象者プロフィール
性別
女性
58 人
男性
2人
無回答
1人
所属保育所
公立
46 人
民間
14 人
無回答
1人
20 代
年齢
配偶者の有無
17 人
30 代
10 人
28 人
有
無
40 代
21 人
32 人
50 代
無回答
13 人
1人
子どもの有無
26(26)人
有
()内は配偶者有の人
35(2)人
無
数
出産・育児による
休職・離職期間
3年未満
17 人
3~6年
4人
7~12 年
4人
13 年以上
1人
出所)筆者実施のアンケート調査結果から作成
配偶者有りが 28 人で 46%、配偶者無しは 32 人の 52%、有配偶者のうち 27 人が公立
保育所の保育士であった。公立保育所、民間保育所それぞれの保育士を年齢別にみてみる
と、公立保育所では 40 代、50 代の保育士が多いのに対し、民間保育所は 20 代の保育士
が半分以上を占めている。
図 11 公立保育所、民間保育所ごとの保育士の年齢
0%
全体
20%
40%
17人
60%
10人
80%
21人
100%
13人
20代
30代
公立
9人
5人
19人
13人
40代
50代
民間
8人
4人
出所)筆者実施のアンケート調査結果から作成
23
2人
保育士資格の所得方法は、専門(専修)学校、短期大学、大学の保育士養成課程での取
得が 79%、通信教育、独学等で学んだ後、資格試験受験で取得した割合は 21%であった。
第3章でもみてきたように、やはり資格試験により保育士資格を取得する割合が少なくな
っている。
保育士資格の取得理由について以下の項目から複数選択していただいたところ、
「子ども
と接することが好きだった」という回答が最も多く、全体の 75%の人が選択していた。そ
れに続いて、
「保育士に興味があった」57%、
「保育士にあこがれていた」30%となってい
る。
図 12 保育士資格の取得理由
子どもと接することが好きだった
46人
保育士に興味があった
身近な資格だった
35人
3人
保育士にあこがれていた
中学・高校の勧め
親・家族の勧め
18人
1人
2人
就職のため
将来の子育てのため
たまたま入学できた学部だった
その他
6人
2人
4人
3人
出所)筆者実施のアンケート調査結果から作成
子どもの保育と事務・雑務との関係に関して、働いている時間のうち、A子どもと接す
る時間、B事務・雑務に専念する時間、C子どもと接しながらその他の作業を行う時間の
理想的な割合と実際の割合を尋ねたところ、A子どもと接する時間については実際よりも
より多く時間を使いたいという回答が多かった。
B事務・雑務に専念する時間については、
理想の割合と実際の割合がほぼ同じであった。C子どもと接しながらその他の作業を行う
時間は、ほとんどの人が実際の割合よりも理想的な割合を少なく設定しており、子どもの
保育時間と事務・雑務等の作業時間をしっかりと区別したいといった気持ちが伺えた。
担当しているクラスでの児童数と保育士数について、公立、民間それぞれ年齢ごとの保
育士1人あたりの担当児童数の平均をとると、4歳児以外の全ての年齢において公立保育
所の方が保育士1人あたりの担当児童数が多いことがわかった(表5)39。なお、学年に
関係なく保育を行っているフリーの保育士は除外している。
39
公立保育所の3歳児、4歳児クラスに関しては、それぞれ2クラスに障害時担当者を含
む。
24
表 5 児童の年齢別保育士1人あたりの担当児童数
0歳児
1歳児
2歳児
3歳児
4歳児
5歳児
公立
3人
5.3 人
5.8 人
10.5 人
3.8 人
10.5 人
民間
2.6 人
3.8 人
4.6 人
8.1 人
13.0 人
8.3 人
出所)筆者実施のアンケート調査結果より作成
現在の職場に対し改善してほしいと思う事柄を以下の選択肢から複数選択してもらうと、
「職員数の増員」が最も多く全体の 66%、次いで「事務・雑務の軽減」が 56%となった
(図 13)。また、この質問項目を民間保育所に限ってみてみると、全く違った結果が得ら
れた。私立保育所に勤める保育士の選択した回答で最も多かったのは「給与・賞与等の改
善」で、調査対象の私立保育所の保育士の約 80%にあたる 11 人が選択している。
「職員数
の増員」は7人で2番目に多く、
「事務・雑務の軽減」に関しては「評価制度の見直し」に
次いで4番目となった(図 14)
。
図 13 改善してほしいと思う事柄
事務・雑務の軽減
未消化(有休等)休暇の改善
給与・賞与等の改善
職員数の増員
職員間のコミュニケーション
権限範囲の拡大
責任範囲の縮小
評価制度の見直し
相談体制の充実
研修機会の充実
その他
特にない
34人
20人
22人
40人
3人
1人
6人
12人
6人
7人
3人
2人
出所)筆者実施のアンケート調査結果から作成
図 14 改善してほしいと思う事柄(民間)
事務・雑務の軽減
未消化(有休等)休暇の改善
給与・賞与等の改善
職員数の増員
職員間のコミュニケーション
権限範囲の拡大
責任範囲の縮小
評価制度の見直し
相談体制の充実
研修機会の充実
その他
特にない
3人
1人
11人
7人
1人
0人
2人
4人
1人
2人
1人
1人
出所)筆者実施のアンケート調査結果から作成
25
そこで、保育士の賃金について調べてみると、2012 年時の民間保育所の保育士の平均月
収は 20 万 8200 円で、全職種平均の 29 万 7700 円よりおよそ9万円低くなっている40。
認可保育所の約 93%が加盟する全国保育協議会の調べによると、2011 年時の初任保育
士の年収(現金給与額から超過労働給付額を引いた額であり、社会保険料、所得税等の空
所前の額。賞与も含む)は平均 243 万 1000 円で、他産業に比べ低いと指摘されている41。
最後に、現在の仕事にやりがいを感じるか尋ねたところ、
「感じる」
、
「やや感じる」とい
った回答が 93%を占め、
「あまり感じない」、
「感じない」といった回答はなかった(図 15)
。
また、今後とも保育士として働き続けたいかという質問に対しては、56 人が「はい」と
回答している。
図 15 現在の仕事にやりがいを感じるか
1人
感じる
4人
やや感じる
どちらともいえない
無回答
16人
40人
出所)筆者実施のアンケート調査結果から作成
厚生労働省「平成 24 年賃金構造基本統計調査(全国)」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2012/index.html(2015 年
1月5日)
41 社会福祉法人
全国保育協議会「全国の保育所実態調査報告書 2011」平成 24 年9月発
行 p.2
40
26
おわりに
今回の調査の結果、公立保育所では保育士が基準のぎりぎりの人数で構成されているこ
とから、保育士の増員や事務・雑務の軽減が求められていること、民間の保育所では長期
間働ける環境が整っていないことや賃金の低さに問題があることがわかった。
公立保育所の正規の保育士については、地方公務員の扱いとなり自治体が管理している
ため、基準の人数を大幅に超えての採用が難しい。しかし、非常勤の保育士の採用も行っ
ており、こちらは潜在保育士の希望するパートタイムでの就労にも当てはまる。このよう
な正規ではない職員の採用を積極的に行うことで、公立保育所の職場内の保育士不足は解
消につながるのではないかと考えられる。
私立保育所に関しては、賃金の引き上げと産休・育休制度の充実など労働環境の改善が
必要だと考えられる。賃金については、
「待機児童解消加速化プラン」における保育士の処
遇改善の取組として、保育所の運営費とは別に助成金を交付するとしており、国としても
民間保育所の保育士の賃金に関しては改善の必要があると捉えている発言もみられるため、
いくらか改善するだろう。
また、アンケートの結果から民間保育所の保育士は長期間勤めていている人や出産・育
児後も務めている人が少ないことがわかる。潜在保育士の離職理由でも「家庭との両立が
難しい」という回答が多く、中には「育休制度が使えなかった」という人もいた。働く女
性が出産後も仕事を続けることを支えている保育士が出産や育児をきっかけに仕事を続け
ることができない環境にあるというのは、なんとも悲しいことである。しかし、現時点で
は国の取組にも保育士の産休・育休制度に関する項目はなく、対策はとられていない。
次に、保育施設の増設に伴い新たに保育士を増やすことを考えると、保育士試験の受験
機会を増やすことが良いのではないかと考える。受験機会を増やし資格を取りやすくする
と保育士の質が下がるという意見もあるだろうが、実は 2004 年に資格試験が全国統一さ
れる以前は、各都道府県で試験問題を作成しており、試験実施日も異なっていたため、同
じ年に複数の都道府県で受験が可能であった。現在では、受験機会は年に1回しかなく、
その合格率は 2004 年から 2013 年までを平均すると 14.9%と非常に低くなっている42。
「地
域限定保育士」ように、試験問題の難易度を変えずに地域を限定して働くことのできる資
格制度をとくに待機児童の多い首都圏で積極的に行うことで保育士不足の解消が進むと思
われる。
最後に、働く女性が出産後も仕事を続けることが出来るように保育士不足の解消を目指
しこの論文を作成してきたが、保育士として働く女性もひとりの「働く女性」であること
を強く主張したい。
「保育士」というと仕事と子育てとを両立しようとする人をサポートする立場といった
印象があるかもしれないが、その保育士も仕事と子育てとの両立に悩まされている。どう
か、今回の待機児童問題の解決に伴う保育士不足解消の取組みが、企業に勤める女性のた
めに保育士に負担のかかるものではなく、保育士も長期間やりがいを持ち続けて働くこと
のできる取組みとして進められることを願うばかりである。
42
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27
参考文献
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200 件。
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あとがき
まず、今回のアンケートにご協力いただいた保育士の方々にお礼を申し上げたいと思い
ます。年末の忙しい時期、しかも受け渡しが遅くなってしまった保育所に関しては約2週
間程度しか回答期間が無かったにもかかわらず、
多くの方に回答を頂くことができました。
中には、
「集計が大変でしょうが、頑張ってください!私は保育士という仕事に誇りを持っ
ています。
」といったメッセージもあり、大変励みになりました。改めまして、お忙しい中
ご協力いただき誠にありがとうございました。
そして、黒田先生と黒田ゼミのみなさん、2年半の間大変お世話になりました。2年生
のころは、1限早いし眠たいし、授業中にうとうとしてしまうことも多かったけれど、3
年生になってみんなとの交流が増えてからはゼミが楽しくなってきて、4年生の間は授業
後に先生やみんなとお昼ご飯を食べに行くのを楽しみにしていました。本当に黒田ゼミで
良かったなあと思います。短い間でしたがありがとうございました。
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