...

佐渡市地域新エネルギービジョン(PDFファイル・約8.8メガバイト・214

by user

on
Category: Documents
31

views

Report

Comments

Transcript

佐渡市地域新エネルギービジョン(PDFファイル・約8.8メガバイト・214
佐渡市地域新エネルギービジョン
∼自然エネルギーを100%活かした島を目指して∼
平成 18 年 2 月
新 潟 県 佐 渡 市
この島の明日に贈る新エネルギー
健康で快適な生活環境を確保するとともに、すぐれた自然環境の保全整備を図
ることは、いまや人類共通の課題となっています。
いままで、社会経済活動や日常生活を営むうえで大量のエネルギーを消費し、
自然に大きな負荷をかけてきました。化石燃料を中心とした大量のエネルギー消
費は、資源の枯渇をはじめ、温暖化を促進し、地球規模におよぶ環境問題を引き
起こすに至っています。
日本においても、国内では十分なエネルギー確保ができなく、遠い海外に依存
している状況であり、経済活動を行ううえで大きな障害の一因となっています。
しかし近年、社会経済活動等の分野においても環境保全への重要性が謳われる世
相となっており、新エネルギーへの取り組みが注目され、対策が急がれています。
私たちの住む佐渡は、千メートルをこす山なみと、そこから流れくだる河川、
緑したたる山林と肥沃な農地に囲まれ、背後に紺碧の海をかかえる自然豊かな島
です。今後は、恵まれた自然を活かし無尽蔵ともいえる太陽光、バイオマス(生
物資源)、水力、風力など、島にある再生可能なエネルギーを精力的に活用する必
要があります。
この新エネルギーへの取り組みは、佐渡市が目指す環境循環型の社会づくりに
通じるものであり、島外に向かい大きく発信すべき先進的な試みとなるものと考
えます。
結びに、本ビジョンの策定にあたり、貴重なご意見等をいただきました策定委
員の皆様、並びに関係の皆様のご尽力に対して厚くお礼申し上げます。
平成18年2月
佐渡市長
髙
野
宏一郎
◇◇◇
第1章
目
次
◇◇◇
新エネルギー導入の意義とビジョンの位置づけ
1.1
新エネルギー導入の意義 ················································ 1
1.2
地域新エネルギービジョンの位置づけ ···································· 2
第2章
佐渡市におけるエネルギー事情
2.1
佐渡市におけるエネルギー ·············································· 3
2.2
エネルギー消費の概況 ·················································· 4
2.3
エネルギー需要の状況 ·················································· 7
2.4
新エネルギー賦存量 ··················································· 16
第3章
佐渡市地域新エネルギービジョン
3.1
新エネルギー導入の基本方針と目標の設定 ······························· 33
3.2
佐渡市における新エネルギー導入の適用性 ······························· 36
3.3
新エネルギー導入のための施策 ········································· 40
3.4
新エネルギー導入プロジェクト ········································· 46
3.5
新エネルギー導入の長期計画とソフト的取組み ··························· 76
第4章
佐渡市地域新エネルギービジョン実現のために
4.1
新エネルギービジョンの推進 ··········································· 79
4.2
今後の方向性と推進体制 ··············································· 81
【 資
料 】
資料- 1
エネルギー情勢と地球環境問題 ································· 資 -1
資料- 2
佐渡市の地域概況 ············································· 資 -8
資料- 3
アンケートによる住民意識調査結果 ····························· 資-25
資料- 4
エネルギー需要量推計について ································· 資-45
資料- 5
新エネルギー賦存量推計について ······························· 資-47
資料- 6
新エネルギー導入プロジェクトにおける補足 ····················· 資-50
資料- 7
住民ワークショップ開催結果 ··································· 資-55
資料- 8
新エネルギー技術 ············································· 資-61
資料- 9
新エネルギーの導入事例 ······································· 資-91
資料- 10
新エネルギー導入等に関する助成制度 ·························· 資-104
資料- 11
用語解説 ···················································· 資-114
資料- 12
委員名簿及びビジョン策定の経過 ······························ 資-118
第1章
新エネルギー導入の意義とビジョンの位置づけ
1.1 新エネルギー導入の意義
1.2 地域新エネルギービジョンの位置づけ
第 1 章 新エネルギー導入の意義とビジョンの位置づけ
第1章
新エネルギー導入の意義とビジョンの位置づけ
1.1 新エネルギー導入の意義
私たちが使っているエネルギー資源のほとんどは、石炭や石油などの化石燃料です。
これらの化石燃料は、私たち人間活動の大量消費により近い将来枯渇する可能性が高
く、特にエネルギー資源がほとんどない日本では、エネルギーの安定供給の確保が重
要な課題となっています。また、近年では、化石燃料の消費に伴って発生する大気中
の二酸化炭素濃度の増加による地球温暖化の問題が大きくクローズアップされ、京都
議定書の発効も相俟って、太陽光発電や風力発電など化石燃料を使わない新エネルギ
ーを導入することで二酸化炭素排出量を削減し、地球温暖化を防止する取組みが各地
で行われつつあります。
一方、離島佐渡における産業エネルギーは、石油をエネルギー源とする火力発電や
各事業所がボイラーなどで加温する熱エネルギーがほとんどであり、その資源も国内
基地から更にタンカーで海上輸送されており、二重の資源消費、輸送コスト高および
輸送リスクを伴っているのが現状です。これは、島国日本の縮図のようです。
このように、エネルギーの確保の視点からすると、本市ではエネルギーの消費を減
らす努力はもとより、自分達で自前のエネルギーを作り出すことも必要です。
また、佐渡市総合計画では「豊かな自然、薫り高い文化、活気あふれる新しい島づ
くり」を基本理念とし、「自然と共生するまちづくり」をその基本方針の一つとして
掲げており、エネルギー利用においても環境という視点から環境負荷の少ない方策の
採用が不可欠です。
以上のことから、本市では、エネルギーの確保、地球温暖化防止への貢献のみなら
ず、豊かな自然環境を活かし、環境への取組みをより一層推進し、環境先進地域とな
っていく上でも、環境にやさしく、地元で作り地元で使える地産地消のエネルギーで
ある新エネルギーの活用について積極的に取組まなくてはなりません。
平成 16 年 3 月 1 日、佐渡島の 10 市町村が合併し佐渡市が誕生しました。このよう
な観点から、合併前に旧金井町および旧新穂村で実施していた補助制度を拡大し、新
市では低公害車導入、住宅用太陽光発電設備、住宅用太陽熱高度利用設備、小規模風
力発電設備の設置に対して佐渡市クリーンエネルギー活用事業補助制度を創設しま
した。また、ハイドロバレー計画開発促進調査、バイオマス等未活用エネルギー事業
調査事業等も実施致しました。
合併前には旧真野町(平成 12 年度)および旧金井町(平成 13 年度)がそれぞれ地
域新エネルギービジョンを策定していますが、「自然と共生するまちづくり」を進め
ていくため、ここで新たに、佐渡市としての新エネルギー活用の方向付けを行うべく
佐渡市地域新エネルギービジョンを策定しました。
1
第 1 章 新エネルギー導入の意義とビジョンの位置づけ
1.2
地域新エネルギービジョンの位置づけ
わが国のエネルギー施策の基本理念は「環境の保全や効率化の要請に対応しつつ、
エネルギーの安定供給を実現すること」であり、新エネルギーの導入はこの理念実現
に向けた施策の一環です。
一方、本市は、
「環境の島・エコアイランド構想」のもと「人とトキが共に生きる島
づくりの実現」を目指し、自然と人が共に生きる島づくり行っております。そこで、
環境にやさしい新エネルギーの活用方法を計画する「佐渡市地域新エネルギービジョ
ン」は、島内で資源やエネルギーが有機的に繋がって循環し、自然環境と地域経済の
調和が取れた「エコアイランド」に向けての取組みをエネルギーの視点から推進する
指針です。
また、本ビジョンにおいて盛り込まれた施策は、佐渡市の将来像「豊かな自然、薫り
高い文化 活気あふれる新しい島づくり」をより効果的に実現するために、佐渡市環境
基本計画と関連づけて展開することとします。
佐渡市総合計画
佐渡市環境基本条例
連携
基本構想
基本
個別条例
(環境に関するもの)
連携
佐渡市過疎地域自立促進計画
佐渡市環境基本計画
佐渡市
地域新エネルギービジョン
個別計画
(環境に関する事項)
整合
行動指針
基本
望ましい環境像の実現
図 1.2-1 佐渡市地域新エネルギービジョンの位置づけ
2
・環境の保全と再生
に関する施策・
事業
・環境に影響を及ぼ
すおそれのある
施策・事業
第2章
佐渡市におけるエネルギー事情
2.1 佐渡市におけるエネルギー
2.2 エネルギー消費の概況
2.3 エネルギー需要の状況
2.4 新エネルギー賦存量
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.1 佐渡市におけるエネルギー
佐渡市で支払われている光熱・水道費を見てみると、本土側の新潟市と比較して約 1.44
倍の物価となっています。電力は本土と同じ料金体系のため、消費者価格は本土と変わ
りありませんが、例えばガソリンは新潟県内が 129 円/L であるのに対し、佐渡市内では
145 円/L※、灯油は県内 70 円/L、佐渡市内 81 円/L※と、本土より割高となっています(図
2.2-1)
。
※2006 年 1 月 6 日以降の新潟県総合生活協同組合の価格。灯油は店頭渡し価格。
消 160
費 140
者 120
物 100
価
80
地
域 60
差 40
指 20
数 0
143.9
102.2
93.1
100.4
102.4
諸雑費
102.1
教養娯楽
94.5
交 通 ・通 信
106.3
100.2
保健医療
98.7
74.8
教育
被服及び履物
家 具 ・家 事 用 品
光 熱 ・水 道
住居
食料
総合
【資料:「平成 16 年
費
目
消費者物価の動き」
(平成 17 年 7 月公表、新潟県総合政策部統計課)
】
図 2.1-1 佐渡市の新潟市に対する消費者物価地域差指数
佐渡市では、水力発電所が 7 カ所、火力発電所が 4 カ所、風力発電所が 1 カ所あります
が、その発電電力量は火力によるものが 97.5%と大きく偏っています(図 2.1-2)。
水力, 2.4%
火力, 97.5%
風力, 0.05%
佐渡市
水力, 9.5%
原子力, 21.9% その他, 0.4%
火力, 68.1%
全国
0%
10%
20%
水力
30%
40%
50%
火力
原子力
60%
70%
風力
80%
90%
100%
その他
【資料:
「電気事業便覧」
(資源エネルギー庁)、
「新潟県の電力概況」新潟県産業労
働部、佐渡市の風力は佐渡市調べ】
注)全国の「その他」は、新エネルギー及び地熱エネルギーを指す。
図 2.1-2 佐渡市と全国の電源別発電量割合(平成 15 年実績)
燃料を本土に頼っている佐渡市では、光熱水道費が本土よりも高くなっています。ま
た、本土と切り離されている電源はその種類別発電量割合に偏りがあります。従って、
エネルギーの多様化を図り、エネルギーを安定的に確保することが重要な課題です。
3
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.2 エネルギー消費の概況
2.2.1 電力消費の概況
佐渡市おける年間の電力の消費量は約 328 千 MWh/年(平成 16 年度)であり、最も消
費量の多いのが、主に家庭使われている従量電灯 AB で、全体の約 33%を占めています。
次いで消費量が多いのは、事務所、ホテル、旅館、商店などに使われる電力である業務用
電力で、全体の約 23%を占めています。業務用電力の消費量が多いのは本市が観光地で
あることからホテル・旅館などにおいて電力を多く消費しているためと考えられます。
この両者で全体の電力消費量の 50%以上を占め、民生部門での電力消費が多いことが窺
われます。
一方、
製造業などで使われる大口電力や高圧電力はともに約 10%前後であり、
本市においてはエネルギー多消費型の製造業によるエネルギー消費が少ないという特徴
が現れています。(図 2.2.1-1)
。
種 別
定額電灯
従量電灯AB
従量電灯C
臨時電灯
時間帯別電灯
公衆街路灯
業務用電力
低圧電力
高圧電力S
大口電力
臨時電力
深夜電力
農事用電力
その他電力
合 計
消費量(MWh/年)
473
107,276
22,324
396
4,143
4,883
76,726
28,412
42,173
30,826
435
7,143
2,300
762
328,272
大口電力
9.4%
深夜電力
2.2%
農事用電力 その他電力
臨時電力
0.2%
0.7%
0.1%
定額電灯
0.1%
高圧電力S
12.8%
従量電灯AB
32.7%
従量電灯C
6.8%
低圧電力
8.7%
業務用電力
23.4%
臨時電灯
公衆街路灯
0.1%
1.5%
時間帯別電灯
1.3%
【資料:東北電力(株)提供資料 平成 16 年度】
図 2.2.1-1 電力消費の状況
【単位について】
<J(ジュール)> 熱量、仕事量を表す単位で、1J は 0.239cal(4.186J=1cal)に相当する。
1 kJ = 239 cal
1 MJ = 239 kcal(239×103cal)
1 GJ = 239 Mcal(239×106cal)= 0.239 Gcal
<cal(カロリー)> 熱量を表す単位で、1cal は、1g の水を 1℃温めるのに必要な熱量。な
お、kcal(キロカロリー)
、Mcal(メガカロリー)
、Gcal(ギガカロリー)という単位も用い
る。
<Wh(ワットアワー)> 仕事量、電力量を表す単位で、1Wh は 1W*の仕事率で 1 時間になす仕
事量、あるいは 1W の電力を 1 時間消費した電力量。
1kWh=1,000Wh、1MWh=106Wh、1GWh=109Wh
*W(ワット)
:仕事率、電力を表す単位で、1 秒当りに行う仕事の割合。1W は 1 秒当り 1J 行
う仕事の割合。 1kW=1,000W、1MW=106W、1GW=109W
4
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
本市における電力消費量の経年変化をみると、家庭などの小口消費である電灯の消費
電力はあまり変動がありませんが、比較的大電力消費である動力の消費電力は減少傾向
にあり、結果として電灯と電力の合計は平成 12 年度から平成 16 年度までに 3.3%減少
しました(図 2.2.1-2)
。なお、1 世帯当りの電力消費量(全電力消費量を世帯数で割っ
た値)
、人口 1 人当りの電力消費量(全電力消費量を人口で割った値)の変化は、ここ 5
年間ではほぼ横ばいとなっています(図 2.2.1-3)
。
電 灯
電 力
電力消費量(MWh/年)
350,000
300,000
250,000
201,492
195,833
190,080
184,993
188,777
137,890
135,953
138,010
135,133
139,495
200,000
150,000
100,000
50,000
0
平成12年度
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
【資料:東北電力(株)提供資料】
図 2.2.1-2 電力消費量の推移
1世帯当り、1人当りの電力消費量
(MWh/年・世帯、人)
世帯数当り
14.0
人口当り
13.33
13.02
12.89
12.57
12.91
4.64
4.57
4.58
4.52
4.69
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度
【資料:東北電力(株)提供資料】
図 2.2.1-3 世帯当り及び 1 人当りの電力消費量の推移
5
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.2.2 都市ガス消費の概況
佐渡市では両津地区の一部において都市ガスの供給が行われています。この都市ガス
について集計を行うと、本市の都市ガス供給地区における年間の都市ガスの消費量は約
6,400GJ/年であり、
全消費量に占める割合は、
家庭用が 47.1%で最も多くなっています。
次いで消費量の多いのは商業用ガスで、全体の 39.2%を占めています。商業用ガスの用
途は、電力の業務用に対応し、事務所、ホテル、旅館、商店などで使われますが、これが
多いのは電力と同様に本市が観光地であり、ホテル・旅館などで多くガスを消費してい
るためと考えられます。この両者で全体の 90%弱を占めています(図 2.2.2-1)
。一方、
本市における製造業の少ないことを反映して、主に製造業に使われる工業用ガスの割合
は 2.3%と小さな値です。
種別
家庭用
工業用
商業用
その他用
合 計
その他用
11.4%
消費量(GJ/年)
29,909
1,465
24,879
7,255
63,509
家庭用
47.1%
商業用
39.2%
工業用
2.3%
【資料:佐渡ガス㈱提供資料 平成 16 年度実績】
図 2.2.2-1 都市ガス消費の状況
都市ガス消費量の経年変化についてみると、総量は平成 14 年度までは減少傾向にあっ
たものが、平成 15 年度からは増加に転じています。これはガスの単位体積当りの供給熱
量が大きくなったことによります(図 2.2.2-2)。
家庭用
工業用
商業用
その他用
70,000
都市ガス消費量(GJ/年)
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
平成12年度
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
【資料:佐渡ガス㈱提供資料】
図 2.2.2-2 都市ガス消費量の推移
6
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.3 エネルギー需要の状況
エネルギー需要量(最終エネルギー消費量)は、その消費分野により、産業、民生及び
運輸の 3 部門に分類されるのが一般的です。以下に各需要部門の消費分野を示します。
表 2.3-1 エネルギー需要部門別消費分野
部
門
エネルギー消費分野
農林業、水産業、鉱業、建設業、製造業など第 1 次、第 2 次産業における
産業部門
エネルギー消費
家庭用
民生
部門
業務用
運輸部門
自家用運輸(マイカー等)を除く家計消費部門におけるエネルギー消費
企業の管理部門等の建屋・事務所、ホテル、商店などの第 3 次産業(運輸
関係事業、エネルギー転換事業を除く)等におけるエネルギー消費
自動車(乗用車、バス等)、鉄道、船舶、航空機等におけるエネルギー消
費
本調査では、燃料油(灯油、重油、ガソリン等)
、プロパンガス、電力の消費量を上記
3 部門に分類し、佐渡市におけるエネルギー需要の実態及び CO2 排出量を算定しました。
なお、鉄道は本市には存在しないため算定しませんでした。
2.3.1 エネルギー需要量推計結果
市内におけるエネルギー需要量をエネルギーの種類別に推計した結果を固有単位で表
したものを表 2.3.1-1 に示しました。
また、エネルギー需要量を部門別、燃料種類別に相対比較できるように表 2.3.1-1 に
基づいて原油換算したものを表 2.3.1-2 にまとめました。
表 2.3.1-1 部門別エネルギー需要量の推計値(固有単位)
部 門
産
業
部
門
民
生
部
門
ガソリン
灯油
kL/年
軽油
kL/年
A重油
kL/年
C重油
kL/年
kL/年
プロパンガス
都市ガス
電力
t/年
3
MWh/年
千m /年
製造業
25
470
54
707
958
938
29
82,140
その他産業
-
13,202
15,165
18,612
1,066
-
-
3,998
小 計
25
13,672
15,219
19,319
2,024
938
29
86,138
家庭用
-
1,963
-
-
-
4,608
528
107,037
業務用
-
8,136
1
7,848
-
1,513
550
134,915
(公共施設)
-
(2,732)
(1)
(2,503)
-
(1,216)
(31)
(25,609)
小 計
-
10,099
1
7,848
-
6,121
1,078
241,952
運輸部門
27,787
-
13,742
19
-
-
-
-
(公用車)
(111)
-
(165)
-
-
-
-
-
合 計
27,812
23,771
28,962
27,186
2,024
7,059
1,107
328,090
注)1. 資料及び推計方法は「参考資料」参照。
2.( )内は「公共施設」または「公用車」を示す。
7
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
佐渡市全体のエネルギー需要量は、原油に換算して表すと約 194,500 kL/年と推計さ
れました(表 2.3.1-2)
。これは、200L のドラム缶で約 97 万本に相当します。
家庭と業務での電力消費の多さを反映し、需要量の最も多いエネルギーは、民生部門
の電力で約 57,000 kL/年となっています。これに次いで運輸部門のガソリン約 25,000 kL、
産業部門の重油約 22,000 kL/年、産業部門の電力が約 20,000 kL/年となっています(図
2.3.1-1)。
表 2.3.1-2 部門別エネルギー需要量の推計値(原油換算)
(単位:kL/年)
部門
産
業
部
門
民
生
部
門
ガソリン
灯油
軽油
重油類
プロパンガス
都市ガス
電力
合計
製造業
23
452
54
1,770
1,233
22
19,352
22,906
その他産業
-
12,684
15,165
20,214
-
-
942
49,005
小 計
23
13,135
15,219
21,983
1,233
22
20,294
71,911
家庭用
-
1,886
-
-
6,056
405
25,218
33,565
業務用
-
7,817
1
8,033
1,988
422
31,786
50,047
(公共施設)
-
(2,624)
(1)
(2,561)
(1,597)
(48)
(6,033)
(12,864)
小 計
-
9,702
1
8,033
8,044
827
57,004
83,612
運輸部門
25,168
-
13,742
19
-
-
-
38,929
(公用車)
(101)
-
(165)
-
-
-
-
(266)
合 計
25,191
22,838
28,962
30,036
9,277
849
77,299
194,452
注)1. 資料及び推計方法は「参考資料」参照。
2. ( )内は「公共施設」または「公用車」を示す。
60,000
原油換算値(kL/年)
50,000
40,000
〔参考〕佐渡市の総エネルギー
需要量:
原油換算で約 194,500 kL とは?
30,000
20,000
10,000
ドラム缶 約 97 万本分
0
ン
ソリ
ガ
灯
油
類
輸
部
部
門
生
部
門
業
力
電
産
ス
ガ
ス
ン
ガ
パ
市
ロ
都
プ
民
油
重
運
油
軽
門
図 2.3.1-1 部門別・エネルギー種別エネルギー需要量の推計値(原油換算)
8
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
各部門別におけるエネルギー需要量の割合についてみると、割合の高い部門は民生部
門で家庭用と業務用の合計は全体の 43%を占めています。このうちの業務用だけでも全
体の 25.7%であり、高い割合を占めています。次いで高い割合を占めているのは産業部
門で 37.0%であり、このうちの約 7 割は農林水産業、鉱業、建設業等の製造業以外の産
業です。また、運輸部門は全体の 20.0%となっています(図 2.3.1-2)。
エネルギー種類別にエネルギー需要量の割合をみると電力が 39.8%と最も高く、次い
で重油類の 15.4%、軽油の 14.9%となっています(図 2.3.1-3)
。電力需要量の 70%強
は民生部門によるもので、重油類の約 70%は産業門の製造業以外の産業による消費で、
特に農林漁業による消費が多いと考えられます。これらのことから、民生部門と産業部
門のその他の産業、特に農林漁業でのエネルギー削減対策が望まれます。
運輸
20.0%
民生
(業務用)
25.7%
産業
37.0%
ガソリン
13.0%
電力
39.8%
都市ガス
0.4%
民生
(家庭用)
17.3%
図 2.3.1-2 部門別エネルギー消費比率
灯油
11.7%
軽油
14.9%
プロパンガ 重油類
15.4%
ス
4.8%
図 2.3.1-3 種類別エネルギー消費比率
(原油換算)
(原油換算)
佐渡市におけるエネルギー需要量の原油換算値約 194,500kL/年は、新潟県全体のエネ
ルギー需要量約 6,920 千 kL/年(2000 年値)の約 3%に相当します。
エネルギー需要量の部門別割合について、全国及び新潟県と佐渡市を比較すると、産
業部門については、全国では 47.2%、新潟県では 40.9%であるのに比べ本市では 37.0%
とエネルギー需要量全体に占める割合がやや低くなっています。これに対し、民生部門
では、民生家庭と民生業務を合わせた割合は全国、新潟県ともに 30%以下であるのに比
べ、本市では 43%と高い割合となっています。特に、業務用の占める割合は、全国と新
潟県においてはそれぞれ 15.5%、8.8%であるのに対し本市では 25.7%と高い割合とな
っています。
一方、運輸部門では全国では 24.0%、新潟県では 35.4%となっていますが、本市では
20.0%と全国に近い割合となっています(図 2.3.1-4)。
9
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
産業部門
民生部門
(家庭用)
37.0
佐渡市
17.3
40.9
新潟県
0%
8.8
13.3
20%
運輸部門
25.7
14.9
47.2
全 国
民生部門
(業務用)
40%
20.0
35.4
24.0
15.5
60%
80%
100%
注)1.全国:総合エネルギー統計の平成 14 年度値
2.新潟県:新潟県地域エネルギー導入推進計画(平成 13 年)
図 2.3.1-4 佐渡市と新潟県及び全国の部門別エネルギー需要量の比較
本市における 1 人当りのエネルギー需要量(全需要量を人口で割った値)を全国及び
新潟県と比較すると全国では年間 3.29kL/人であるのに比べ、本市では、新潟県の年間
2.79kL/人と同程度の 2.71kL/人と低い消費量となっています。
部門別にみると、1 人当りのエネルギー需要量は、エネルギー多消費形の製造業が少
ない本市では産業部門においては年間で 1.00kL/人と、全国の 1.55kL/人、新潟県の
1.14kL/人に比べ低い値となっています。民生家庭におけるエネルギー需要量は年間
0.47kL/人と、全国の 0.44kL/人、新潟県の 0.42kL/人と同程度ですが、民生業務では
0.70kL/人と、全国の 0.51kL/人、新潟県の 0.25kL/人に比べて多くなっています。これ
は、本市が観光地であることからホテル等の宿泊施設や店舗でのエネルギー消費が多い
ことが要因であると推察されます。
一方、運輸部門では 0.54kL/人と、全国の 0.79kL/人、新潟県の 0.99kL/人に比べ低い
値となっています。以上のことから、産業部門でのエネルギー需要量が少ないことと運
輸部門でのエネルギー需要量が全国、新潟県に比べて少ないことが、本市の 1 人当りのエ
ネルギー需要量が全国及び新潟県と比べて少ない要因と考えられます(図 2.3.1-5)
。
産業部門
佐渡市
新潟県
全
1.00
0.47
1.14
0.50
民生部門
(業務用)
0.42
0.54
1.50
0.51
2.00
2.71
2.79
0.99
0.25
0.44
1.00
運輸部門
0.70
1.55
国
0.00
民生部門
(家庭用)
0.79
2.50
3.00
3.29
3.50
1人当りのエネルギー消費量:原油換算(kL/人・年)
図 2.3.1-5 佐渡市と新潟県及び全国における1人当りのエネルギー需要量比較
10
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.3.2 二酸化炭素(CO2)排出量の推計結果
二酸化炭素排出量は、佐渡市全体で約 696,000t-CO2/年と推計されました。排出量が最
も多く推計されたものは、民生部門の電力で約 286,000t-CO2/年となっています。次いで
多いのが,産業部門の電力で約 101,000t-CO2/年、運輸部門のガソリン約 66,000t-CO2/
年、産業部門の重油類の約 60,000t-CO2/年となっています(表 2.3.2-1)。
表 2.3.2-1 部門別二酸化炭素排出量の推計値
(単位:t-CO2/年)
部門
民
生
部
門
灯油
軽油
重油類
プロパンガス
都市ガス
電力
合計
製造業
60
1,182
143
4,841
2,760
61
97,130
106,177
その他産業
-
33,190
40,081
55,297
-
-
4,728
133,296
小 計
60
34,372
40,224
60,138
2,760
61
101,858
239,473
家庭用
-
4,935
-
13,557
1,113
126,573
146,178
業務用
-
20,454
3
21,974
4,451
1,159
159,538
207,579
(公共施設)
-
(6,868)
(3)
(7,008)
(3,577)
(65) (30,283)
(47,804)
小 計
-
25,389
3
21,974
18,008
2,272
286,110
353,756
運輸部門
66,133
-
36,320
53
-
-
-
102,506
(公用車)
(264)
-
(436)
-
-
-
-
(700)
合 計
66,193
59,761
76,547
20,768
2,333
387,968
695,735
-
82,165
注)1. 二酸化炭素排出係数は、「単位換算について」を参照。
2. 使用資料及び推計方法は「参考資料」参照。
3. ( )内は「公共施設」または「公用車」を示す。
300,000
CO2 排出量(t-CO2 /年)
産
業
部
門
ガソリン
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
ン
ソリ
ガ
灯
油
油
力
図 2.3.2-1 部門別・エネルギー種類別 CO2 排出量
11
門
電
門
ス
部
ガ
門
部
都
市
部
ス
生
ガ
業
ロ
パ
ン
産
プ
類
輸
油
民
重
運
軽
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
部門別排出量の割合は、エネルギー需要量の場合と同様に民生部門が最も高く、民生
家庭と民生業務の合計で全体の約 50%強を占めています。このうちの業務用だけでも全
体の 29.8%と高い割合を占めています。次いで高い割合を占めているのは産業部門で、
34.4%となっています。運輸部門は全体の 14.7%となっています(図 2.3.2-2)
。
エネルギー種類別に二酸化炭素排出量の割合をみると、これもエネルギー需要量の場
合と同様に電力が 33.5%と最も高く、次いで重油類の 17.7%、軽油の 16.5%となって
います(図 2.3.2-3)
。前述したように、電力需要の 70%強が民生部門の需要よるもので、
重油類の約 7 割は製造業以外の産業による消費で、特に農林漁業による消費が多いと考
えられることから、民生部門と産業部門のその他の産業、特に農林漁業でのエネルギー
削減対策が望まれます。
運輸
14.7%
民生
(業務用)
29.8%
ガソリン
14.3%
電力
33.5%
産業
34.4%
都市ガス
0.5%
民生
(家庭用)
21.0%
灯油
12.9%
軽油
16.5%
プロパンガ 重油類
17.7%
ス
4.5%
図 2.3.2-3 エネルギー種類別二酸化炭素排出比率
図 2.3.2-2 部門別二酸化炭素排出比率
本市における年間の二酸化炭素排出量約 696,000t-CO2 は、新潟県における年間の二酸
化炭素排出量約 20,000 千 t-CO2 の約 3%に相当します。
本市における住民 1 人当りの CO2 排出量を算出すると年間で1人当り 9.7t-CO2 となり、
これは全国の 8.8t-CO2、新潟県の 8.1t-CO2 に比べ多い値です。部門別にみると民生部門
の業務用において CO2 排出量は本市の場合 2.9t-CO2/年と、全国の 1.3t-CO2、新潟県の
0.8t-CO2 に比べとかなり多いことが顕著です(図 2.3.2-4)。
産業部門
佐渡市
3.3
新潟県
3.5
全 国
0.0
4.0
2.0
民生部門
(家庭用)
民生部門
(業務用)
2.0
1.2
0.8
1.5
1.3
運輸部門
2.9
1.4
2.6
8.1
2.0
9.7
8.8
4.0
6.0
8.0
10.0
1人当たりのCO 2排出量(t-CO 2/人年)
図 2.3.2-4 佐渡市と新潟県及び全国の1人当りの CO2排出量比較
12
12.0
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.3.3 公共施設におけるエネルギー需要量
本市の公共施設における年間の全エネルギー需要量は、原油に換算すると 13,130kL
で、ドラム缶約 65,500 本に相当します。これをエネルギー別にみると、電力が約 6,000kL/
年と最も多く、全体の約 46%を占め、次いで灯油が約 2,600kL/年、重油類が約 2,600kL/
年と多くなっています(表 2.3.3-1)。
公共施設のエネルギー需要量が市全体のエネルギー需要量に占める割合をエネルギー
別にみるとプロパンガスが 17.2%と最も多く、次に灯油の 11.5%となっています。
公 共 施 設 の 全 エ ネ ル ギ ー 需 要 量 13,130kL/ 年 は 、 市 全 体 の エ ネ ル ギ ー 需 要 量 約
194,451kL/年の 6.8%となっています。このことは、公共施設における新エネルギーの
導入は、新エネルギー導入による直接的なエネルギー確保や二酸化炭素の排出削減だけ
でなく、そのことにより、民間・企業への新エネルギー利用意欲を喚起し、広く一般に
新エネルギー利用を知らしめるための率先的導入の役割を果たす必要があることを示し
ています。
なお、エネルギー需要量の大きな施設としては、学校、保養施設、クリーンセンター、
農林水産関係施設が上げられます(表 2.3.3-2)。
表 2.3.3-1 佐渡市全体と公共施設のエネルギー需要量の比較(原油換算)
(単位:kL/年)
エネルギー
ガソリン
種別
灯油
軽油
佐渡市全体
25,191
22,839
28,962
30,036
9,277
849
公共施設
101
2,624
166
2,561
1,597
48
6,033
13,130
割合(%)
0.4
11.5
0.6
8.5
17.2
5.7
7.8
6.8
重油類
プロパン
都市ガス
ガス
電力
77,299 194,452
注)割合:市全体のエネルギー需要量に占める公共施設のエネルギー需要量の比率を示す。
13
合計
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
表 2.3.3-2 公共施設におけるエネルギー需要量
ガソリン
灯油
軽油
重油類
LPG
都市ガス
電力
原油換算合計
L/年
L/年
L/年
L/年
t/年
m3/年
kWh/年
kL/年
施設名称
0
67,845
28
94,000
3.27
162
2,175,184
678
0
128,567
0
891,200
17.49
0
2,277,056
1,595
給食センター
0
1,702
0
195,202
3.40
0
267,180
269
幼稚園・保育園(40 園)
0
145,300
0
0
52.72
0
1,135,600
476
福祉施設(15 カ所)
0
119,820
0
163,629
27.35
21,225
1,074,658
605
保養施設(11 カ所)
0
778,613
0
88,600
19.67
0
3,508,004
1,691
公園 等
0
4,704
0
0
1.14
0
56,780
19
集会場(52 カ所)
0
7,968
0
36,513
0.54
0
565,072
179
浄水場(6 カ所)
0
0
0
0
0.00
0
376,206
89
クリーンセンター 等
0
1,204,369
1,095
262,000
1.61
0
10,334,201
3,863
交流センター 等
0
20,237
0
92,730
1.38
0
1,435,098
454
斎場(5 カ所)
0
214,823
0
72,663
0.48
0
72,268
298
病院
0
611
0
522,000
2.77
9,224
1,365,837
875
0
140
60
84,000
0.00
0
389,401
178
0
36,870
0
0
1,083.80
0
576,032
1,595
市役所・本庁支所(10 カ所)
学校
(小学校 37 校、中学校 16 校)
佐渡海洋深層水取水施設・
利活用施設
農林水産関係施設
111,046
公用車
合
計
熱量(GJ/年)
原油換算(kL/年)
-
164,848
-
-
-
-
265
111,046
2,731,570
166,031
2,502,537
1,215.62
30,611
25,608,577
3,842
100,249
6,342
97,849
61,024
1,844
230,477
501,628
101
2,624
166
2,561
1,597
48
6,033
13,132
14
-
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
《 熱量計算と二酸化炭素排出係数について 》
○熱量換算値
【ガソリン】34.6 GJ/kL、【灯油】36.7 GJ/kL【軽油】38.2 GJ/kL
【A 重油】39.1 GJ/kL、【C 重油】41.7 GJ/kL、【プロパンガス】50.2 GJ/t
【都市ガス】29.3 MJ/Nm3(平成 15 年 8 月まで)、62 MJ/Nm3(佐渡ガス㈱)【電力】9 GJ/MWh、
【原油】38.2 MJ/L
○二酸化炭素排出係数
【ガソリン】2.380 kg-CO2/L、【灯油】2.514 kg-CO2/L、【軽油】2.643 kg-CO2/L
【A 重油】2.800 kg-CO2/L、【C 重油】2.986 kg-CO2/L、【プロパンガス】2.942 kg-CO2/kg、
【都市ガス】2.108 kg-CO2/Nm3、【電力】0.473 kg-CO2/kWh(東北電力株式会社 2003 年度実績)
出典:地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン、環境庁
15
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.4 新エネルギー賦存量
2.4.1
新エネルギーとは
地球温暖化問題に加え、エネルギー資源が少ないわが国にとってエネルギー源の確保
は重要な課題であり、これらを解決する手段の一つとして新エネルギーの有効な活用が
期待されています。
「新エネルギー」は、以下のように供給サイドのエネルギーと需要サイドのエネルギ
ーに分類できます。
技術面、経済
性から実用
化、普及して
いるもの
需要サイドの
エネルギー
供給サイドのエネルギー(再生可能エネルギー)
水力発電
地熱発電
新 エ ネ ル ギ ー
電力分野
熱利用分野
太陽熱利用
温度差エネルギー
太陽光発電
廃棄物熱利用
バイオマス熱利用
廃棄物発電
雪氷熱利用
風力発電
バイオマス発電
クリーンエネルギ−
クリーンエネルギ自動車
自動車
(輸送用代替燃料)
燃料電池
天然ガス
コージェネレーション
天然ガスコージェネレー
ション
燃料電池
廃棄物燃料製造
バイオマス燃料製造
技術面、経済性
から実用化の段
階に達していな
いもの
地域新エネルギー
(広義の新エネルギー)
海洋エネルギー
(波力・温度差等)
図 2.4.1-1 新エネルギーの分類
新エネルギーは、
「環境に与える負荷が小さいクリーンなエネルギー」
、
「エネルギー安
定供給の確保に資する石油代替エネルギー」などの特長があり、地球温暖化対策に加え、
資源が少ないわが国にとって有益なエネルギー資源で、導入することによって大きなメ
リットがあります。しかし、「経済性」、「出力安定性」などの面で課題を抱えています。
新エネルギー導入の意義と導入上の課題を以下にまとめました。
新エネルギー導入の意義
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
環境に与える負荷が小さいクリーンエネルギー
エネルギー安定供給の確保に資する石油代替エネルギー
潜在量が豊富で、循環再生可能なエネルギー
新規産業・雇用創出への寄与
分散型のエネルギーシステムの利点
電力の負荷平準化(ピークカット効果)への寄与の可能性
16
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
新エネルギー導入上の課題
(1) 経済性
新エネルギーは競合するエネルギーに比べてコストが高い。
(2) 出力安定性
自然条件に左右される新エネルギー(風力、太陽光など)の出力は不安定である。
(3) 利用効率
エネルギー変換効率や設備利用率が低い。
(4) その他の課題
環境影響(景観、生態系、騒音、振動、悪臭等)、各種規制の遵守、住民への啓発の必要性等
2.4.2 対象とした新エネルギーと賦存量の定義
本ビジョン策定調査においては、佐渡市における新エネルギーの賦存量を以下に示す
種別毎に算出しました。
◆太陽エネルギー
:太陽光発電及び太陽熱利用
◆風力エネルギー
:風力発電
◆バイオマスエネルギー:木質バイオマス資源の燃焼等によるエネルギー利用、
農業廃棄物の燃焼、畜産廃棄物、水産廃棄物及び生ご
みのメタン発酵によるエネルギー利用、し尿・下水汚
泥等のメタン発酵によるエネルギー利用、バイオディ
ーゼル燃料利用
◆廃棄物エネルギー
:可燃ごみ(生ごみを除く)
◆中小水力エネルギー
:マイクロ水力発電
◆海洋エネルギー:波力発電
*中小水力エネルギーと海洋エネルギーは、新エネルギーとしては定義されていま
せんが、地域に賦存する自然エネルギーとしては重要なエネルギーであるために
賦存量の推計に加えました。雪氷冷熱エネルギーは積雪が少なく佐渡市では利用
できないと考えられるため、算定の対象から除外しました。
新エネルギーの賦存量は、一般に、
「潜在賦存量」、
「最大可採量」
、
「期待可採量」等の
段階に分けて定義され、エネルギー量が算出されます。それぞれの賦存量の定義は、以
下のようにまとめられます。
17
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
○潜在賦存量:対象とする地域に存在する、理論的に算出しうる潜在的なエネルギーの
全量。エネルギーの取得及び利用に伴う種々の制限要因は考慮しない。
○最大可採量:エネルギー採取法からみて当然考慮すべき地理的要因等の制約要因を考
えた上で、最大限利用可能と考えられる量。技術上の変換効率、エネル
ギー用途以外の他の用途との競合等については考慮しない。
○期待可採量:現在及び将来(想定している期間内)のエネルギー利用技術等の制約要
因を考慮した上で、エネルギーとして開発利用の可能性が期待される量。
経済性や社会条件による制限要因は考慮しない。
上記 3 種の賦存量に関する概念のうち、比較的現実的で、地域における新エネルギー
の導入促進を図る上で有用と考えられるものは期待可採量であり、潜在賦存量及び最大
可採量は、期待可採量算定のための基礎資料として位置づけられます。以下では本市に
おける新エネルギーの賦存量を推計し、新エネルギーの供給ポテンシャルやエネルギー
面での特性を把握するための基礎資料とします。
【コラム】
【賦存量の多寡の関係】
潜在賦存量
潜在賦存量>最大可採量>期待可採量
最大可採量
18
期待可採量
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.4.3 賦存量の推計条件
賦存量を推定するために用いた基本的条件は以下のとおりです。
表 2.4.3-1 賦存量(期待可採量)推計のための基本的条件
期待可採量推計のための基本的条件
エネルギー源
対象施設
光発電
導入棟数
太
陽
一般住宅
12,710
4
役所・支所
10
8
学校
20
10
体育館等
19
対象施設
熱利用
設備容量(kW)
20
2
導入棟数
設備容量(m )
一般住宅
2,540
3
役所・支所
0
8
学校
5
50
体育館等
4
80
風速条件(地上高 30m):年平均風速 6m/s 以上
風車設置可能面積:標高 500m 以下で上記風速条件を満たす面積の
風力発電
5%が利用可能
風車規模:1,500kW
風車占有面積:10D×10D(D は風車ローター直径)
畜産廃棄物
利用可能な畜産廃棄物量:30,868t/年
農業廃棄物
利用可能な農業廃棄物量:44,815t/年
木質バイオマス
バイオマス
水産廃棄物
し尿メタン醗酵
利用可能な森林面積:人工林 13,823ha
天然林 44,743ha
林業活動、木材加工に伴って発生する木質を利用
利用可能な水産廃棄物量 :1,600t/年
利用可能なし尿処理量
下水汚泥メタン醗酵 利用可能な汚泥量
:26,822kL/年
:730t/年
生ごみメタン醗酵 利用可能な生ごみ量
:3,150t/年
バイオディーゼル 利用可能な農地(遊休農地):643ha
燃料
可燃ゴミの燃焼
公共施設、民間事業所や家庭から出る廃食用油を利用
利用可能な可燃ゴミ量
:169,400t/年
既設ダムの遊休落差の利用:4 ヶ所、 砂防ダム利用:5 ヶ所、
中小水力発電
浄水場パイプラインの利用
1 ヶ
所
波力発電
有義波高:1.2m 有義周期:5.2 秒 海岸線延長:212.4km
19
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
2.4.4 賦存量推計結果
新エネルギー賦存量の推計結果を表 2.4.4-1 及び図 2.4.4-1 に示します。本ビジョン
策定調査において推計した新エネルギー賦存量の特徴は以下のとおりです。
各新エネルギーの賦存量(期待可採量)の合計値は、原油換算量で約 89,900kL/年、ド
ラム缶約 45 万本)となり、これは、市内の全エネルギー需要量約 194,000 kL /年の約
46%に相当します。
また、電力利用では約 199,000MWh/年と推計され、これは、市内の電力消費量約
328,000MWh/年の約 61%に当ります。この電力は、約 47,000 世帯の電力使用量に相
当するエネルギー量です(佐渡市の 1 世帯当りの電力使用量 4,203kWh/年で換算)。
賦存量として最も多いのは、可燃ごみ燃焼であり、全賦存量の 31.8%を占め、次いで風
力発電で全体の 19.1%となっており、これに波力発電の 17.2%、バイオマスエネルギーの
14.1%、太陽光発電の 14.8%と続いています。太陽熱利用と、中小水力発電は 2%以下と
他のエネルギーに比べて少なくなっています。
表 2.4.4-1 新エネルギー賦存量一覧
エネルギー源
太
陽
光発電
(509,490)
熱利用
70,360
風力発電
バ
イ
オ
マ
ス
(656,010)
56,610
−
72,890
割合
(%)
13,337
14.8
1,842
2.0
17,173
19.1
畜産廃棄物
17,100
[1,360]
448
0.5
農業廃棄物
376,920
[29,920]
9,867
11.0
木質バイオマス
73,550
[5,840]
1,925
2.1
し尿メタン醗酵
2,700
[210]
71
0.08
下水汚泥メタン醗酵
60
[10]
2
0.0
生ごみのメタン発酵
3,330
[260]
87
0.1
水産廃棄物のメタン発酵
5,620
[440]
147
0.2
バイオディーゼル燃料
4,100
[330]
107
0.1
483,380
[38,370]
12,654
14.1
1,092,030
[86,670]
28,587
31.8
小 計
可燃ごみの燃焼
中小水力発電
海洋エネルギー(波力発電)
合
合
熱利用
(GJ/年)
期待可採量
電力利用
原油換算
(MWh/年)
(kL/年)
(33,390)
3,710
874
1.0
(589,860)
65,540
15,441
17.2
計
1,645,770
198,750
計(電力分を含む)
3,434,520
−
−
89,908
注) 1.風力の期待可採量は1,000kW級風車で風車間隔10D×10D とした場合の値である。(Dは風車直径)
2.熱利用における ( ) 内の数値は 1kWh=9MJ として電力利用を換算した値である。
3.原油換算には原油の発熱量1 l=38.2MJとした。
4.[ ]は熱利用を優先し、電力利用としては合計に加えない。
20
−
100
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
太 陽 光
14.8%
波力
17.2%
中小水力
1.0%
太陽熱
2.0%
風 力
19.1%
ごみ燃焼
31.8%
バイオマス
14.1%
図 2.4.4-1 新エネルギー賦存割合
佐渡市における新エネルギーの賦存の状況(期待可採量):その1
○新エネルギーの全賦存量
:
原油換算
89,908kL/年
原油換算
13,337kL/年
・市内全エネルギー需要量の 46.2%に相当。
・電力は、市内約 47,000 世帯の電力を賄えます。
○太陽光発電
:電気
56,610MWh/年
・市内全エネルギー需要量の 6.9%に相当。
・市内電力需要量の 17.3%を賄えます。
・市内平野部と南部に日射の強い地域が分布しています。
○太陽熱利用
:
原油換算
約 1,842kL/年
・市内全エネルギー需要量の 0.9%に相当。
・市内平野部と南部に日射の強い地域が分布しています。
○風力エネルギー
:電気
72,890MWh/年
原油換算
17,173kL/年
・市内全エネルギー需要量の 8.8%に相当。
・市内電力需要量の 22.2%を賄えます。
・山間部及び大佐渡に平均風速の強いところが分布。風力発電に適した風況の地域は国定公園
等の土地利用規制区域や山林となっており立地は難しい場所が多い。
○畜産廃棄物エネルギー
:
原油換算
448kL/年
原油換算
9,867kL/年
・市内全エネルギー需要量の 0.2%に相当。
・賦存量としては多くありません。
○農業廃棄物エネルギー
:
・市内全エネルギー需要量の 5.1%に相当。
・稲作が盛んなため稲ワラ、籾殻が多く農業廃棄物としては出てきます。
○木質バイオマス
:
原油換算
1,925kL/年
・市内全エネルギー需要量の 1.0%に相当。
・森林整備を兼ねた間伐材、林地残材の利用が期待されますが、これらの収集システムが課題
です。
21
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
佐渡市における新エネルギーの賦存の状況(期待可採量):その2
○し尿メタン醗酵
:
原油換算
71kL/年
原油換算
2kL/年
原油換算
87kL/年
原油換算
147kL/年
原油換算
107kL/年
・市内全エネルギー需要量の 0.04%に相当。
・賦存量としては少ないエネルギーです。
○下水汚泥メタン醗酵
:
・市内全エネルギー需要量の 0.001%に相当。
・賦存量としては少ないエネルギーです。
○生ごみのメタン醗酵
:
・市内全エネルギー需要量の 0.04%に相当。
・賦存量としては少ないエネルギーです。
○水産廃棄物のメタン醗酵
:
・市内全エネルギー需要量の 0.08%に相当。
・賦存量としては少ないエネルギーです。
○バイオディーゼル燃料利用
:
・市内全エネルギー需要量の 0.06%に相当。
・賦存量としては少ないエネルギーです。
○可燃ごみの燃焼
:
原油換算
28,587kL/年
・市内全エネルギー需要量の 14.7%に相当。
・エネルギーとしては大きな量ですが、焼却処分されており、焼却場での利用となります。
○中小水力発電
:
電気 3,710MWh/年
原油換算
874kL/年
原油換算
15,441kL/年
・市内全エネルギー需要量の 0.4%に相当。
・市内電力需要量の 1.1%に相当。
○海洋エネルギー
:電気 65,540MWh/年
・市内全エネルギー需要量の 7.9%に相当。
・市内の電力需要の 20.0%に相当。
22
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
(1) 太陽エネルギー
住宅や公共施設の屋根に太陽光電池パネルあるいは太陽熱集熱器を設置することを想
定し、本市における日射マップを基に賦存量を算定しました。
● 潜在賦存量
日射量の年平均は
3.42 kWh/m・日
平野部と南部に日射量の高い
地域が分布
自然エネルギー賦存量図(農業環境技術研
究所)より作成
図 2.4.4-2 佐渡市における日射マップ
本市における年平均日射量(水平面日射量)を他と比較すると、日本でも良好な日射で
知られる宮崎市には劣るものの東京より約 8%高い値となっています。これは、冬期の日
射量は落ち込むものの、4 月から 8 月にかけては東京に比べて良好な日射となっているた
めです。特に、4 月と 5 月は非常に良好な日射条件となっていることと、梅雨期の落ち込
みがあまりないのが特徴的です。したがって、冬期には高いエネルギー取得は得られない
ものの、4 月から 8 月の暖候期には多くのエネルギーが得られることがわかります。
表 2.4.4-2 日射量の比較
地 点 1月 2月 3月
佐渡市 1.51 2.21 3.39
東京 2.36 2.75 3.25
宮崎市 2.97 3.39 3.72
4月
4.52
3.97
4.33
5月
5.09
4.44
4.47
6月
4.77
3.78
4.33
7月
4.69
3.86
4.97
8月
4.94
4.06
4.94
9月
3.73
2.89
3.75
10月
2.98
2.61
3.42
単位:kWh/㎡・日
11月 12月 年平均
1.88 1.35 3.42
2.11 2.06 3.17
2.75 2.75 3.81
*自然エネルギー賦存量図(農業環境技術研究所)より算出
潜在賦存量は、電力の場合では約 107,000 万 MWh/年と膨大な量で、市全体の電力需要
量約 33 万 MWh/年の約 3,200 倍に相当します。また、熱量では約 960,000 万 GJ/年と市内
の全需要量 570 万 GJ/年の約 1,700 倍となっています(表 2.4.4-3)。
23
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
表 2.4.4-3 太陽エネルギー潜在賦存量
水平面全天日射量
(kWh/m2・日)
市内面積
(km2)
3.42
854.98
潜在賦存量
電力利用
(MWh/年)
熱換算
(GJ/年)
1,067,791,600
9,610,124,400
● 期待可採量
【太陽光発電】
一般住宅、市役所・支所、学校及び体育館等に太陽発電システムを設置することを想定
した期待可採量は、約 56,600MWh/年で市内の電力需要の 17.3%を賄える量です。この電
力を熱量に換算すると約 51 万 GJ/年となり、これは市内の全エネルギー需要量の約 6.9%
に相当します(表 2.4.4-4)
。
表 2.4.4-4 太陽エネルギーの期待可採量(太陽光発電)
種別
棟数
導入棟数
一般住宅
役所・支所
学校
体育館等
合 計
25,425
10
47
38
-
12,710
10
20
19
-
設備容量
(kW)
50,840
80
200
380
51,500
期待可採量
熱換算
電力利用
(MWh/年)
(GJ/年)
55,880
502,920
90
810
220
1,980
420
3,780
56,610
509,490
注)1.一般住宅については住宅棟数、役所・支所、学校、体育館等の各建築物数の 50%にシステム設置可能
とした。
2.一般住宅では 4kW、役所・支所では 8kW、学校では 10kW、体育館等では 20kW の太陽光発電システムを
設置するとした。
【太陽熱利用】
一般住宅、市役所・支所、学校及び体育館等に集熱パネルを設置することを想定した期
待可採量は、約 70,400GJ/年で市内の全エネルギー需要量の 0.9%、都市ガスの約 18%に
相当します。この量は原油換算で約 1,840kL となります(表 2.4.4-5)。
表 2.4.4-5 太陽エネルギーの期待可採量(太陽熱利用)
設備容量 期待可採量
種別
棟数
導入棟数
(㎡)
(GJ/年)
一般住宅
25,425
2,540
15,240
67,830
役所・支所
10
0
0
0
学校
47
5
250
1,110
体育館等
38
4
320
1,420
合 計
15,810
70,360
注)1. 一般住宅については住宅棟数、役所・支所、学校、体育館等の各建築物数の 10%に
システム設置可能とした。
2.一般住宅では 6 ㎡、役所・支所では 8 ㎡、学校では 50 ㎡、体育館等では 80 ㎡の集
熱パネルを設置するとした。
24
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
(2) 風力エネルギー
佐渡市の風況マップに基づいた風速と風車設置可能台数から賦存量を算定しました。
● 最大可採量
風況マップのメッシュごとの風速値から風速階級別に平均風速と面積を算出しました
(表 2.4.4-6, 図 2.4.4-3)
。
表 2.4.4-6 佐渡市における風速出現状況
風速階級(m/s)
4≦V<5
5≦V<6
6≦V<7
7≦V<8
8≦V
合計/平均
平均風速(m/s)
4.8
5.5
6.4
7.4
8.4
5.4
面積(km2) 面積割合(%)
279.49
32.8
404.45
47.5
135.36
15.9
27.72
3.3
4.39
0.5
851.41
100.0
注)平均風速は地上高30mにおける年平均風速値
佐渡市における地上高 30mでの
年平均風速は 5.4m/s と全体的
には風力発電に適した風速を下
回っています。風力発電に適した
風速 6m/s 以上場所は、国立定
園、景勝地、県立公園等の土地利
用規制区域や山林で、風車建設時
のアクセスが悪く風車建設が困
難な場所が殆どです。
全国風況マップ(NEDO,イー・アンド・イーソリューショ
ンズ、気象協会、大林組、東京大学、名古屋工業大学)よ
り作成
図 2.4.4-3 佐渡市における風況マップ(地上高 30m)
1,500kW 級の風車を設置することを想定した最大可採量を算定しました。風力発電が可
能な地上高 30m における年平均風速 4m/s 以上の地域の面積は約 851km2 で、そこに設置で
きる風車の台数は約 1,700 台です。このときの最大可採量は約 1,050 万 MWh/年と推計さ
れました(表 2.4.4-7)
。これは本市における電力需要約 33 万 MWh/年の約 32 倍に相当し
25
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
ます。
表 2.4.4-7 風力発電の最大可採量
建設可能
平均風力
最大可採量
台数
エネルギー密度
(MWh/年)
(m/s)
(m/s)
(台)
(MWh/年)
(km2)
4≦V<5
570
195
2,222,050
4.8 279.49
5≦V<6
825
289
4,766,470
5.5 404.45
6≦V<7
276
455
2,510,530
6.4 135.36
7≦V<8
57
700
797,660
7.4 27.72
8≦V
9
1,024
184,240
8.4 4.39
1,728
10,480,950
合計/平均
851.41
注)1. 平均風速は地上高30m における年平均風速値である。
2. 1,500kW級風車はローター直径70m・ハブ高さ60mとした。
風速階級 平均風速
面積
● 期待可採量
風力発電では地上高 30m での年平均風速が 6m/s 以上でないと採算が合わないと言われ
ています。佐渡市全体からこの風況に該当する地域を抽出し、その中から国定公園、景
勝地、県立公園等の建設に対する規制区域や険しい山林の中に位置する部分には風車は
建設できないとして、建設可能範囲を限定した結果、風車の建設可能台数は 17 台となり
ました。これを基にした期待可採量は、約 72,900MWh/年と推計されました。これは、市
内 の 電 力 需 要 量 の 22.2 % に 相 当 す る 量 で す 。 ま た 、 こ れ を 熱 量 に 換 算 す る と 約
656,000GJ/年となり、市内の全エネルギー需要量の 8.8%に相当することがわかります
(表 2.4.4-8)。ただし、風力発電には、建設条件が厳しいことを考慮すると実際に建設
可能な台数は大幅に減少すると考えられます。この量は原油の約 17,100kL に相当します。
表 2.4.4-8 風力発電の期待可採量
期待可採量
建設可能
台数
電力利用
熱量換算
2
(台)
(MWh/年)
(GJ/年)
(m/s)
(m/s)
(km )
6≦V<7
6.4
135.36
14
54,820
493,380
7≦V<8
7.4
27.72
3
18,070
162,630
8≦V
8.4
4.39
4
35,250
317,250
合計/平均
163.08
17
72,890
656,010
注)1. 平均風速は地上高30m における年平均風速値である。
2. 1,500kW級風車はローター直径70m・ハブ高さ60mとした。
3. 風車設置可能範囲は標高500m以下の場所で国定公園、景勝地、県立公園
等の指定されいない地域とする。標高500m以下の地域のメッシュ面積の
5%がこれに該当するとした。
風速階級
平均風速
面積
(3) 畜産廃棄物
家畜の糞尿をメタン発酵させ、エネルギーとして使うことが可能です。佐渡市では、
豚及び鶏は小規模ですが、肉用牛、乳用牛が合わせて約 1,500 頭飼育されているので、
これらの糞尿をメタン発酵し熱利用あるいは発電することを想定し賦存量を算定しま
した。その結果、最大可採量は 27,140GJ/年となりました。期待可採量は、熱利用では
17,100GJ/年で、市内の全エネルギー需要量の 0.2%に当ります。また、電力利用では
26
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
1,360MWh/年程度となります(表 2.4.4-9)
。
表 2.4.4-9 畜産廃棄物のメタン発酵によるエネルギー賦存量
種 類
年間ふん尿
発生量
(t/年)
頭(羽)数
最大可採量
(GJ/年)
肉用牛
乳用牛
628
965
9,734
21,134
8,560
18,580
合 計
1,593
30,868
27,140
期待可採量
熱利用
電力利用
(GJ/年)
(MWh/年)
5,390
430
11,710
930
17,100
1,360
【資料:農林水産省「畜産基本・予察調査・鶏ひなふ化羽数調査(平成 15 年 2 月 1 日現在)
」、
「畜産物流統計調査(平成 15 年 2 月 1 日現在)
」】
注)1.飼育頭(羽)数の多い肉用牛及び乳用牛について、糞尿の利用を想定した。
2.廃棄率及び廃棄物発熱量は「バイオマスエネルギー」(本多淳裕著)による。
(4) 農業廃棄物
稲わら、もみ殻などの農業廃棄物を直接燃焼し、エネルギーとして使うことが可能で
す。佐渡市では稲作が盛んなので、それから発生する稲わら、もみ殻を直接燃焼し熱利
用あるいは発電することを想定し賦存量を算定しました。また、その他の農作物で大豆、
いも類、野菜類なども多く栽培されていますので、これらの残渣についても同様に算定
しました。その結果、最大可採量は 791,810GJ/年となりました。期待可採量は、熱利
用では 376,920GJ/年で、市内の全エネルギー需要量の 5.1%に当ります。また、電力利
用では 29,920MWh/年程度となります(表 2.4.4-10)。
表 2.4.4-10 農産廃棄物によるエネルギー賦存量(直接燃焼)
廃棄率
(%)
廃棄物発熱量
(kcal/kg)
大 豆
いも類
野菜類
果菜類
根菜類
35,800
564
2,870
1,458
1,372
2,751
150
150
100
56
150
20
3,450
2,270
300
300
340
300
775,520
8,040
3,600
1,030
2,930
690
367,790
4,500
2,020
580
1,640
390
29,190
360
160
50
130
30
合 計
44,815
-
-
791,810
376,920
29,920
種
類
米
最大可採量
(GJ/年)
期待可採量
熱利用
電力利用
(GJ/年)
(MWh/年)
収穫量
(t)
【資料:農林水産省「平成 14 年(産)作物統計調査」
「平成 14 年産野菜生産出荷統計」
「平成 14 年産
果樹生産出荷統計」】
注)1.生産量の多い作物(おおむね 100t/年以上)について、廃棄部分の利用を想定した。
2.廃棄率及び廃棄物発熱量は「バイオマスエネルギー」(本多淳裕著)による。
(5) 木質バイオマス
森林資源(木質)を対象として、切り捨て間伐材、土場残材、木材加工所や木質系廃
棄物処理施設から発生する木くずを直接燃焼し、熱利用や発電によるエネルギー利用を
想定し賦存量を算定しました。その結果、潜在賦存量は 1,233,870GJ/年となりました。
27
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
これは農業廃棄物の最大可採量の約 1.5 倍です。期待可採量は、熱利用では 73,550GJ/
年で、市内全エネルギー需要量の 1.0%、電力利用では 5,840MWh/年となっています。
期待可採量が少なく見積られましたが、これは現在あまり盛んでない林業活動の結果
として算定されたもので、潜在賦存量の多さから考えると林業の活性化によりさらに期
待可採量は拡大できる可能性があります。
表 2.4.4-11 森林バイオマスの賦存量(潜在賦存量)
種 類
人工林
天然林
合 計
面積
(ha)
13,823
44,743
58,566
蓄積量
(m3)
3,898,543
5,126,660
9,025,203
年生長量
(m3/年)
111,080
57,162
168,242
年生長量
(t/年)
44,432
22,865
67,297
潜在賦存量
(GJ/年)
814,650
419,220
1,233,870
【資料:「新潟県森林簿」新潟県佐渡地域振興局 農林水産振興部
「佐渡国有林の地域別の森林計画書(佐渡森林計画区)
」
(計画期間自平成 16 年 4 月 1 日至
平成 26 年 3 月 31 日)関東森林管理局】
表 2.4.4-12 森林バイオマスの賦存量(期待可採量)
種
木質バイオマス
発生量
(t/年)
類
切り捨て間伐材注 1
林業
木材加工所
木質系廃棄物処理施設
合
期待可採量
熱利用
(GJ/年)
電力利用
(MWh/年)
6,029
32,630
2,590
土場残材
注1
4,315
23,350
1,850
製材端材注 2
1,140
6,400
510
建設廃材、剪定枝等
注3
計
6,600
11,170
890
18,084
73,550
5,840
【資料:平成 12∼16 年度間伐実績(
「新潟県森林・林業・木材産業振興プラン」より集計)
平成 16 年度製材基礎統計(北陸農政局 佐渡統計・情報センターより提供資料)
平成 11∼16 年度素材生産量の推移(新潟県農林水産部林政課資料)
】
注)1:スギ、含水率 50%(ウエットベース)
、発熱量 1,847kcal/kg、比重 0.64 とした。
2:スギ、含水率 40%(ウエットベース)
、発熱量 2,395kcal/kg、比重 0.57 とした。
3:スギ、含水率 31%(ウエットベース)
、発熱量 2,889kcal/kg、比重 0.51 とした。
(6) し尿のメタン醗酵
国仲清掃センター及び南佐渡し尿処理センターで処理されるし尿をメタン醗酵して
得られるバイオガスを熱利用あるいは発電に使うことを想定して賦存量を算定しまし
た。その結果、最大可採量は 3,860GJ/年となりました。期待可採量は、熱利用では
2,700GJ/年で、市内全エネルギー需要量の 0.04%と少ない量です。電力利用では
210MWh/年と算出されました。(表 2.4.4-13)
表 2.4.4-13 し尿のメタン醗酵によるエネルギー賦存量
し尿処理量
(kL/年)
26,822
最大可採量
(GJ/年)
3,860
期待可採量
熱利用
電力利用
(GJ/年)
(MWh/年)
2,700
210
【資料:「平成 16 年度佐渡市清掃事業の概要」佐渡市環境保健課廃棄物対策係】
28
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
(7) 下水汚泥のメタン醗酵
両津浄化センター、相川浄化センター、小木浄化センター及び赤泊浄化センターから
発生する汚泥をメタン醗酵させて得られるバイオガスを熱利用あるいは発電に使うこと
を想定し賦存量を算定しました。その結果、最大可採量は 90GJ/年となりました。期待
可採量は、熱利用では 60GJ/年で、市内全エネルギー需要量の 0.001%と少ない量です。
電力利用では利用できるエネルギー量はほとんどありません。(表 2.4.4-14)
表 2.4.4-14 下水処理汚泥のメタン醗酵によるエネルギー賦存量
下水汚泥処理量
(t/年)
最大可採量
(GJ/年)
730
90
期待可採量
熱利用
電力利用
(GJ/年)
(MWh/年)
60
10
【資料:「平成 16 年度佐渡市清掃事業の概要」佐渡市環境保健課廃棄物対策係】
注)市の施設のみを対象とした。
(8)
生ゴミのメタン発酵
市内に 3 カ所あるクリーンセンターに持ち込まれる生ごみをメタン発酵して得られる
バイオガスを熱利用あるいは発電に使うことを想定して賦存量を算定しました。その結
果、最大可採量は 4,750GJ/年となりました。期待可採量は、熱利用では 3,330GJ/年で、
市内全エネルギー需要量の 0.05%に当ります。電力利用では 260MWh/年となっています。
(表 2.4.4-15)
表 2.4.4-15 生ごみのメタン醗酵によるエネルギー賦存量
生ごみ発生量
(t/年)
3,150
最大可採量
(GJ/年)
4,750
期待可採量
熱利用
電力利用
(GJ/年)
(MWh/年)
3,330
260
【資料:「平成 16 年度佐渡市清掃事業の概要」佐渡市環境保健課廃棄物対策係】
注)生ごみ発生量は、クリーンセンターでのごみ種類組成分析結果から可燃ごみの 20%とした。
(9) 水産廃棄物
佐渡市は海に囲まれており、市内ではイカやその他魚の加工が行われていますので、
これらの加工の過程から出る残渣(イカワタ、魚のあら)をメタン発酵し熱利用あるい
は発電することを想定し賦存量を算定しました。その結果、最大可採量は 10,040GJ/年
となりました。期待可採量は、熱利用では 5,620GJ/年で、市内の全エネルギー需要量の
0.1%に当ります。また、電力利用では 440MWh/年程度となります。
(表 2.4.4-16)
29
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
表 2.4.4-16 水産廃棄物のメタン発酵によるエネルギー賦存量
廃棄物
発生量注
(t-wet/年)
種 類
イカワタ
魚あら
合 計
最大可採量
(GJ/年)
800
800
5,020
5,020
1,600
10,040
期待可採量
熱利用
電力利用
(GJ/年)
(MWh/年)
2,810
220
2,810
220
5,620
440
注)ヒアリングによる
(10) バイオディーゼル燃料利用
市内の遊休農地を対象とし、そこで菜の花を栽培し菜種油を採取した場合の菜種油の
エネルギー量を潜在賦存量として算出しました。但し、菜種油は直接エネルギー源とす
るのではなく、市内の公共施設や民間事業者及び家庭において食用油として一度利用し
た廃油をディーゼル燃料に精製したものを、直接燃焼し、熱利用や発電によるエネルギ
ー利用を想定し期待可採量を算定しました。その結果、潜在賦存量は 15,518GJ/年とな
りました。期待可採量は、熱利用では 4,100GJ/年で、市内全エネルギー需要量の 0.06%、
電力利用では 330MWh/年となっています(表 2.4.4-17、表 2.4.4-18)。
表 2.3.4-17 バイオディーゼル燃料利用によるエネルギー賦存量
遊休農地面積
(ha)
菜種収穫量
(t)
643
搾油量
(t)
1,286
潜在賦存量
(GJ/年)
386
15,520
【資料:「全国農業会議所ホームページ(http://www.nca.or.jp/)遊休
農地対策データベース(農林水産省統計情報部「平成 12 年度遊休
農地実態調査」結果)」】
表 2.4.4-18 バイオディーゼル燃料利用によるエネルギー賦存量
項
目
廃食用油発生量注
(kL/年)
BDF 精製量
期待可採量
(kL/年) (t/年)
熱利用
(GJ/年)
電力利用
(MWh/年)
公共施設
12
11
10
250
20
民間事業者
78
70
64
1,620
130
家
庭
97
87
79
2,230
180
合
計
187
168
153
4,100
330
注)公共施設:佐渡市調べ。
民間事業者:ホテル・旅館(アンケート調査から算出した収容人数一人当りの廃食用油発生量を原単位
として算出。その他、スーパーマーケット、レストラン等食用油を多く使う事業者へのヒアリングによ
る。
家庭:①世帯数×②世帯当り廃食油排出量
①25,425 世帯
(平成 16 年住民基本台帳に基づく市区町村別人口及び世帯数(平成 16 年 3 月 31 日現在))
②1.2705L/人・年(「バイオディーゼル燃料化事業可能性調査報告書」(平成 16 年 2 月高知県東洋町)
より)佐渡市世帯当り人数 2.8 人≒3 人とすると、3.8L/年・世帯(=316cc/月・世帯)
30
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
(11) 廃棄物エネルギー(可燃ごみの燃焼)
市内に 3 カ所あるクリーンセンターに持ち込まれる可燃ごみ燃焼し、熱利用したり発
電したりすることを対象に賦存量を算定しました。その結果、
最大可採量は 1,560,038GJ/
年となりました。期待可採量は、熱利用では 1,092,030GJ/年で、市内全エネルギー需要
量の 14.7%に当ります。電力利用では 86,670MWh/年と算定されました。
(表 2.4.4-19)
表 2.4.4-19 可燃ごみ燃焼によるエネルギー賦存量
期待可採量
可燃物排出量
最大可採量
(t/年)
169,400
(GJ/年)
熱利用
(GJ/年)
電力利用
(MWh/年)
1,560,038
1,092,030
86,670
資料:可燃ごみ処理量は佐渡市一佐渡市清掃事業の概要(平成16年度値)
による。生ごみは除外した。
(12) 中小水力発電
市内には国府川、新保川を初めいくつかの河川が流れています。その河川のエネルギ
ーの利用可能性を検討するために、ハイドロバレー計画調査が新エネルギー財団によっ
て実施されました。この調査では、既存ダムの遊休落差を利用するケース、砂防堰堤を
利用するケース及び浄水場のパイプラインを利用するケースについて中小水力発電の可
能性を検討しています。
ここでは、この調査において算定された各地点において最大使用可能水量を用いて算
出された年間可能発生発電量を潜在賦存量としました。また、この中から建設単価が
300 円/kWh 以下になるとして一次スクリーニングされた地点において発電機の最適規
模による年間発生発電量を期待可採量としました。
その結果、最大可採量は約 5,100MWh/年となりました。期待可採量は、電力利用では
約 3,700MWh/年で、市内電力需要量の 0.5%に当ります(表 2.4.4-20)。
31
第 2 章 佐渡市におけるエネルギー事情
表 2.4.4-20 中小水力発電の賦存量
地点
使用水量 有効落差
(m)
(m3/s)
理論水力
(kW)
期待可採量
最大可採量
(MWh/年) 電力利用 熱量換算
(MWh)
(GJ/年)
新穂第二ダム
0.27
48.40
128.1
450.6
330
2,970
大野川ダム
0.51
23.65
454.4
454.4
340
3,060
藤津川ダム
0.07
44.00
201.1
201.1
200
1,800
新保川ダム
1.45
7.84
360.5
360.5
下山川砂防ダム
0.37
35.27
582.6
582.6
510
4,590
歌見川砂防ダム
0.65
29.60
740.5
740.5
570
5,130
椿川砂防ダム
0.33
64.51
808.6
808.6
620
5,580
長江川砂防ダム
0.65
28.60
716.7
716.7
560
5,040
山田川砂防ダム
0.73
26.54
744.9
744.9
580
5,220
浄水場パイプライン
0.03
15.00
27.0
27.0
合計
5,086.9
3,710
33,390
注)理論水力:理論水力=使用水量×有効落差×重力加速度
資料:ハイドロバレー計画開発促進調査 佐渡地点ハイドロバレー計画関連調査(平成16年)
(13) 波力発電
佐渡市は日本海の中にある島という特性から海洋のエネルギー利用が考えられます。
海洋エネルギーの利用は、波力発電、海洋温度差発電、潮汐発電などがあります。この
うち、海洋温度差発電は海表面の温度の高い海域に適用可能で佐渡にはあまり適してい
ません。また、潮汐発電は、日本海では潮位差が小さいため適用できません。波力発電
は、波高に高い日本海では比較的利用可能性のあるため、波力発電を対象に賦存量を算
定しました。その結果、潜在賦存量は約 683,000MWh/年となりました。期待可採量は、
電力利用では約 65,500GJ/年で、市内電力需要量の 20.0%に当ります。また、これは市
内全エネルギー量の 7.9%に相当する量です。
(表 2.4.4-21)
表 2.4.4-21 波力発電の賦存量
有義波高 有義周期 海岸線延長 潜在賦存量
(MkW)
(m)
(s)
(m)
期待可採量
電力利用
熱量換算
(MWh/年) (GJ/年)
1.20
5.2
212,400
682,690
65,540
589,860
注)1. 有義波高、周期は、(独)港湾空港技術研究所資料より設定。
2. 国定公園、景勝地として指定されていない海岸線が50%あり、
そのうちの50%が利用可能とした。
3. 有義波高0.8m以上の出現率を10%と設定。
32
第3章
佐渡市地域新エネルギービジョン
3.1 新エネルギー導入の基本的方針と目標設定
3.2 佐渡市における新エネルギー導入の適用性
3.3 新エネルギー導入のための施策
3.4 新エネルギー導入プロジェクト
3.5 新エネルギー導入の長期計画とソフト的取り組み
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.1 新エネルギー導入の基本方針と目標の設定
新エネルギー導入の基本方針は、佐渡市における地域の特徴と「まちづくり」の方向
性を参考として案を設定しました。
3.1.1 佐渡市の特徴
ここでは、社会環境とエネルギーからみた佐渡市の特徴を整理しました。
(1) 佐渡市における社会環境の特徴
本市における社会環境の特徴は以下のとおりです。
■市全体がひとつの島
⇒
多様な地域資源
・トキの棲む島
・森林資源が豊富
・平野部は穀倉地帯
・海洋資源に恵まれた島
・豊かな自然環境や島固有の歴史・文化
佐渡島の持つ多様な特性を十分に活かした、新たな活力ある島づくり
(2) エネルギー消費からみた佐渡市の特徴
エネルギー消費からみた本市の特徴は以下のとおりです。
◇燃料単価が高い
◇災害時等の非常時にエネルギーの
⇒
・エネルギー源の多くを島外に依存
◇民生部門での消費が大きい
⇒
・民生業務部門による消費
◇第 1 次産業での消費が大きい
⇒
・農林漁業による消費
獲得が困難
本土に依存しないエネルギー体系と、民生部門・第 1 次産業での対策の必要性
33
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
(3) 新エネルギー賦存量からみた佐渡市の特徴
以下に、新エネルギー賦存量からみた本市の特徴を示します。
◇バイオマスエネルギーが豊富
⇒
・木質バイオマス・農業・水産廃棄物
◇太陽エネルギーの賦存が多い
⇒
・平野部を中心に分布
◇風力エネルギーの賦存が多い
⇒
・標高の高い部分に分布
◇中小水力の可能性
⇒
・既存ダムの有望地点
◇波力発電の可能性
⇒
・島をとりまく海洋
バイオマスエネルギーを中心とした、様々な新エネルギーの活用
(4) 佐渡市のまちづくり
佐渡市のまちづくりの視点は以下のとおりです。
【佐渡市のまちづくり】
基本理念 :「豊かな自然、薫り高い文化、活気あふれる新しい島づくり」
(佐渡市総合計画基本構想)
「新エネルギー導入促進」(施策の大綱のひとつ)
自然と経済の調和のとれた社会を目指した、循環型でリサイクル性が高い、
エコロジーな島づくり
エコアイランドの推進
新エネルギーを活用
34
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.1.2 新エネルギー導入の基本方針と目標
佐渡市の特徴と「まちづくり」を踏まえ、新エネルギー導入の基本方針を設定しまし
た。
新エネルギー導入の基本方針
●本土に依存しないエネルギー体系を構築します。
●佐渡の豊かな文化や自然との共生に資する新エネルギー利用を行い
ます。
●佐渡の特性を考慮し、地産地消を実践できるような新エネルギーの活
用をします。
●観光振興のために新エネルギーを役立てます。
●生涯学習や学校教育を通じ新エネルギーの普及をすすめます。
また、基本方針の基で以下の新エネルギーの導入を推進するため、以下の新エネルギ
ー導入の目標を設定しました。
【導入目標】
自然エネルギーを100%活かした島を目指します
なお、この目標に向かって新エネルギーを導入するためのキャッチフレーズは以下の
とおりです。
自然エネルギーで満たそう佐渡島
35
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.2 佐渡市における新エネルギー導入の適用性
佐渡市の特性、
「エネルギー需要量」
、
「新エネルギー賦存量」
、
「自然・佐渡市の社会環
境」、「佐渡市のまちづくり」の特徴及び各技術の開発動向等から本市における新エネル
ギーの導入適用性を整理し次表に示します。
表 3.2-1 佐渡市における新エネルギー導入適用性と方向性
新エネルギー
方向性
評価
●賦存の状況:天候条件に左右されるものの市内に広く分布
しており、特に平野部や南部では豊富な賦存量を十分に活
用することが可能です。
●技術の熟度:熟度が高く、導入事例も多くあります。
●課題:エネルギー量は天候に左右されます。
●方向性:積極的に導入を図ります。太陽エネルギーを豊富
に使うことにより、明るいイメージを作ることができま
す。
◎
●賦存の状況:山間部や大佐渡地域の沿岸部では風力発電に
適した風況です。内陸にも好風況場所はあるものの、全体
として風力発電に良好な風況とは言いがたい状況です。
●技術の熟度:熟度が高く、導入事例も多くあります。
●課題:エネルギー量は天候に左右されます。風況の良好な
ところは、土地利用規制区域や急峻な山林であり、大型の
風車の建設に適した場所はあまりありません。風況が良好
で風車設置可能な場所の選定が重要です。
●方向性:少量のエネルギー利用や環境教育に役立つマイク
ロ風車は利用が可能です。今後の土地利用規制の緩和によ
り風力発電の可能性は拡大します。離島用風車の活用や、
今後、洋上風力発電については防波堤の利用及びフローテ
ィングタイプの風力発電が実用化されれば実現の可能性
があります。
○
畜産廃棄物
●賦存の状況:畜産が行われていますが、賦存量(期待可採
量)は多くありません。
●技術の熟度:ある程度の技術段階に達しています。
●課題:実現化するには多くの廃棄物量が必要です。
●方向性:現在で飼育頭数では多くのエネルギー量は得られ
ないため、資源循環の観点と今後の畜産振興を絡めた検討
を行います。
△
農業廃棄物
●賦存の状況:稲作が盛んなため、籾殻や稲ワラを中心とし
て賦存量(期待可採量)は豊富です
●技術の熟度:ある程度の技術段階に達しています。
●課題:現在のところ籾殻は暗渠材へ利用、稲ワラは田へ鋤
き込んでいるため、多くの収集量が得られません。
●方向性:今後、籾殻等の暗渠材へ利用がなくなり、収集量
が増えた場合に、資源循環の観点から利用します。
△
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
バイオマスエネルギー
36
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
新エネルギー
方向性
評価
●賦存の状況:森林が多く、潜在的な賦存量が多いエネルギ
ーです。期待可採量は多くはありませんが、安定して得ら
れることから利用価値の高いエネルギーです。
●技術の熟度:利用方法によりますが、燃焼利用の場合は熟
度が高い技術です。
●課題:容易に利用できるのは製材所から出る端材等や建設
廃材等に限定されます。
●方向性:今後、森林保全及び林業活性化の観点から除間伐
材、林地残材の収集・利用の可能性等も検討し、積極的に
利用していきます。
◎
●賦存の状況:賦存量は少ないものの、1ヶ所から集中的に
発生することから、利用し易いエネルギーといえます。
●技術の熟度:ある程度の技術段階に達しています。
し尿、下水汚泥
●課題:多くのエネルギーを得られるだけの量がありませ
のメタン醗酵
ん。
●方向性:今後、処理場の施設再整備等に合わせ、し尿、下
水汚泥の有効利用の観点の観点から導入の検討をします。
△
●賦存の状況:賦存量はあまり多くありません。
●技術の熟度:ある程度の技術段階に達しています。
●課題:夾雑物等の混入しない徹底した分別収集が必要で
す。
●方向性:佐渡においては宿泊施設、給食施設等から集中的
に発生し、収集が容易なエネルギー資源として有望なた
め、今後、資源循環の観点から、収集方法を含め活用の方
法を検討します。
○
●賦存の状況:賦存量はあまり多くありません。
●技術の熟度:ある程度の技術段階に達しています。
●課題:ある程度の量の確保が必要です。
●方向性:現在は島外へ飼料として運び出されおり、多くの
収集量は得られませんが、水産加工施設等から集中的に発
生するため、収集が容易なエネルギー資源として有望で
す。今後、資源循環の観点から、収集方法を含め活用の方
法を検討します。
○
●賦存の状況:賦存量はあまり多くありません。
●技術の熟度:熟度の高い技術です。
●課題:ある程度の量の確保、及び廃食油収集体制の整備が
必要です。
●方向性:原料となる廃食油は一般家庭、給食施設等から発
生し、現在は極一部が石鹸に使われていますが、ほとんど
は処分されています。したがって、利用価値が高いエネル
ギー資源として、資源循環の観点から、収集方法を検討し、
積極的に活用します。また、菜の花栽培まで視野に入れた
活用法も実験的な試行から始めます。
◎
木 質
バイオマスエネルギー
生ゴミの
メタン醗酵
水産廃棄物の
メタン醗酵
バイオ
ディーゼル
燃料
37
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
新エネルギー
方向性
評価
可燃ごみの燃焼
●賦存の状況:賦存量は多い新エネルギーです。
●技術の熟度:熟度の高い技術です。
●課題:現在は、クリーンセンターで焼却処理されており、
新たな活用は難しいと思われます。
●方向性:今後クリーンセンターや周辺での活用の検討やク
リーンセンター再建設の際に活用を検討します。
△
中小水力発電
●賦存の状況:賦存量は少ない新エネルギーです。
●技術の熟度:熟度の高い技術です。
●課題:需要地との位置関係に考慮する必要があります。
●方向性:既存ダムの遊休落差を使った中小水力発電の可能
性がハイドロバレー計画で検討されています。その中での
有望地点について今後詳細検討を行います。また、小河川
や水路での利用についても今後活用します。
◎
波力発電
●賦存の状況:周囲を海に囲まれている佐渡市の特性によ
り、賦存量が多いエネルギーです。
●技術の熟度:熟度の低い技術です。
●課題:漁業との協調等といった課題があります。
●方向性:将来的な技術開発動向を睨み導入を検討します。
△
●賦存の状況:賦存量としては取り上げておりませんが、す
ぐにでも活用できる新エネルギーです。
●技術の熟度:種類によりますが、ハイブリッドカー等は熟
度の高い技術です。
●課題:在来の自動車に比べて割高です。
●方向性:佐渡市では運輸部門でのエネルギー消費も多いた
め、積極的な利用により大きな効果が期待されます。また、
この活用により、大気汚染対策にもなります。
◎
クリーンエネルギー
自動車
◎:積極的に活用 。
○:多少活用に課題はあるが今後の各種計画の進捗や社会的要請を踏まえ、長期的に導入を図る。
△:今後の情勢を見極めつつ長期的に導入を検討する。
以下に佐渡市における新エネルギーの活用メニューを提示します。
38
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
表 3.2-3 佐渡市新エネルギー活用メニュー
導入新エネルギー
●太陽光発電
熱利用
●風力発電
(小型風力)
(大型風力)
導入ねらい
導入の主旨
独立型電源が好ましい
自然公園施設での活用
地域での活用
導入施設
用
途
自然公園内施設
照明、浄化槽
新庁舎、
新設総合体育館等
電灯、冷暖房
公共施設への率先導入
公共施設への先導的導入
災害時対応
独立型エネルギーシステム 避難場所
として活用
各種電源
独立型電源が好ましい 自然公園施設での活用
地域での活用
自然公園内施設
照明、浄化槽
身近な活用
公園・広場での活用
新設公園
照明
環境教育
教育施設での活用
学校、幼稚園
照明
良好な風況地域
洋上
施設電力、売電
エネルギー貯蔵
積極的なエネルギー獲 各種施設への電力供給
得
水素製造
●バイオガス:
熱と電気の両方を供給
農水畜産廃棄物、食品
廃棄物、下水汚泥
(コージェネレーション)
熱と電気の消費量が多い施 新設特別養護老人ホー 各種電源、給湯
設での活用
ム、病院
水産加工施設の冷凍設備に 水産加工施設
活用
冷凍
●木 質 バ イ オ マ ス 燃 料 化
・ペレットストーブ
森林保全対策、未利用木 教育・福祉施設、住宅での 学校、幼稚園、
材の有効利用
活用
福祉施設、住宅
観光へ貢献
・チップボイラー
・ペレットボイラー
宿泊施設等
暖房
暖房
公共施設、集合住宅等での 潟上温泉等温泉保養施 給湯、加温、暖房
熱利用
設、佐渡太鼓体験交流
館、海洋深層水風呂
農業への活用
ハウス園芸
施設加温
発電機駆動用の熱源
スターリングエンジンの熱 里山整備用車両(トキ 自動車駆動エネル
源に利用して発電
交流会館)
ギー
・エタノール
液化利用
運輸部門での燃料利用
自動車
燃料
・木質ガス
(コージェネレーション)
熱と電気の両方を供給
非常用エネルギーシステム
市立両津市民病院
給湯、暖房、各種
電源
観光への貢献
観光バス、遊覧船
軽油代替燃料
公共交通への利用
スクールバス、路線バス、船
農業への活用
農業用機械
●BDF
廃食油利用、
(バイオディーゼル燃料) エネルギー作物
●農業廃棄物
●中小水力
●海洋エネルギー
豊富なもみ殻の有効利 農業への活用
用
カントリーエレベータ モミ乾燥
ー
もみ殻の固形燃料化
ハウス園芸施設
ハウス加温
独立型電源が好ましい 既存ダムの遊休落差利用
地域での活用
山間部等での利用
浄水場等
電源
棚田の傾斜を活用
籾摺り、精米設備
電源
沿岸
施設電力、売電
エネルギー貯蔵
農業への活用
農業への活用
積極的なエネルギー獲 各種施設への電力供給
得
水素製造
●クリーンエネルギー 運輸部門でのエネルギ すぐにでも出来る新エネル 公用車、塵埃車、
自動車
ー削減
ギー活用対策
一般自家用車
●燃料電池
多様な自然エネルギー 輸送エネルギーの転換
の輸送燃料化
自動車
島内交通
自動車駆動エネル
ギー
電気、熱の供給
一般家庭や施設での活用
家庭、各種施設
各種電源
※佐渡における風力発電は、好適地が国定公園内にあり、大型の風車建設が難しい等の課題があります。
39
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.3 新エネルギー導入のための施策
3.3.1 佐渡市における新エネルギー導入施策
新エネルギー導入の基本方針に対する施策と、それらを実現するための新エネルギー
導入プロジェクトを以下にまとめました。
新エネルギー導入プロジェクトは、技術の熟度、新エネルギーの賦存量の状況及び社
会条件等により以下の 3 つに分類しました。
● リーディングプロジェクト:技術の熟度やモデル性が高く、導入条件も良好なため特
に先導的に取り組むもの
○ 中期プロジェクト
:技術の実用化がなされているが、詳細な計画を検討し、
経済的な面も考慮しながら取り組むもの
□ 長期プロジェクト
:現在はまだ技術的な課題などが残されているため、将来
的な技術開発の動向を見ながら長期的に取り組むもの
☆ ソフト的プロジェクト
【基本方針 1】
⇒施
策1
:普及啓発や支援制度などのソフト面での対応
本土に依存しないエネルギー体系を構築します。
非常時のエネルギー確保や、既存エネルギー源のみに頼らない新エネ
ルギーシステムの構築
プロジェクト:
●エコスクールプロジェクト
●新エネ庁舎プロジェクト
●独立型エネルギーシステム導入プロジェクト
【基本方針 2】
□マイクログリッド プロジェクト
佐渡の豊かな文化や自然との共生に資する新エネルギー利用を行
います。
⇒施
策2
動植物の生息環境や伝統の保全と、島の地理的特性を活かした新エネ
ルギーの導入
プロジェクト:
●トキ交流会館地域自然エネルギー活用プロジェクト
〇ハイドロバレー プロジェクト
○自然エネルギー棚田米プロジェクト
□波のちから プロジェクト
40
□風のちから プロジェクト
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
【基本方針 3】
佐渡の特性を考慮し、地産地消を実践できるような新エネルギー
の活用をします。
⇒施
策3
地場産業に根ざした新エネルギーの活用
プロジェクト:
●木質チップ プロジェクト
〇木質ペレット プロジェクト
〇バイオガス・木質ガス熱電併給 プロジェクト
〇自然エネルギー棚田米プロジェクト
【基本方針 4】
⇒施
策4
〇自然エネルギー農業 プロジェクト
□木のエタノール化 プロジェクト
観光振興のために新エネルギーを役立てます。
観光客の誘致につながり、他産業への波及・相乗効果のある新エネル
ギーの導入
プロジェクト:●トキ交流会館地域自然エネルギー活用 プロジェクト
●花の島プロジェクト
〇木質ペレット プロジェクト
〇自然エネルギー棚田米プロジェクト
【基本方針 5】
⇒施
策5
□風のちから プロジェクト
生涯学習や学校教育を通じ新エネルギーの普及をすすめます。
新エネルギー導入のシンボル・教材となる設備の導入と、市民への情
報や参加の機会の提供
プロジェクト:●エコスクール プロジェクト
●新エネ庁舎 プロジェクト
●トキ交流会館地域自然エネルギー活用 プロジェクト
☆ソフト的プロジェクト
41
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.3.2 佐渡市における新エネルギー導入プロジェクトの概要
(1) リーディングプロジェクト
新エネルギー活用メニューの中で、技術が実用化されておりモデル性もあるため特に
先導的に取り組むプロジェクトをリーディングプロジェクトとして以下にまとめました。
表 3.3.2-1 リーディングプロジェクト
リーディングプロジェクト
① 木質チップ プロジェクト【施策 3】
木質バイオマス
現在未利用のままとなっている木材加工所や木質系廃棄物処理施設からの木質資源、除間伐材等
をチップ化して、島内にある公共温泉や集合住宅などの暖房・給湯用ボイラーに利用します。
② 花の島プロジェクト【施策 4】
バイオマス(廃食油)
休耕田で菜の花、ひまわりなどを栽培し食用油を精製。その使用済み油を回収して BDF を製造しま
す。スクールバスなどの公用車や、遊覧船やバス等の燃料として利用し、観光資源としての効果も視野
に入れます。
個別技術
活用
プロジェクト
③ エコスクール プロジェクト【施策 1】【施策 5】
太陽光発電、太陽熱利用、小型風力
市内の小中学校、幼稚園等に太陽光発電システムを導入し、積極的な太陽エネルギーの利用を図り
ます。また、太陽光発電、マイクロ風力発電のハイブリッド街灯の設置により、環境学習の教材としての
役割、普及啓発の役割を期待します。
④ 新エネ庁舎 プロジェクト【施策 1】【施策 5】
太陽光発電、太陽熱利用、小型風力
市内の庁舎や支所等公共施設へ太陽発電システム及び太陽集熱器を設置し、電力と熱需要をまか
なうと共に、普及啓発の役割も担います。
⑤ 独立型エネルギーシステム導入 プロジェクト【施策 1】
新エネルギー全般
利用特性や景観面などを考慮したときに独立電源が好ましい地域にある施設や、災害時の避難場所
などで、太陽光や小型(マイクロ)風力による発電設備を組み合わせて導入し、照明や浄化槽などの各
種電源に利用します。災害による停電時等にもエネルギーを確保でき、安心です。
A トキ交流会館地域自然エネルギー活用プロジェクト【施策 2】【施策 4】【施策 5】
複合活用
プロジェクト
太陽光発電、小型風力、木質バイオマス、電気自動車
トキの野生復帰に向けたボランティア活動や、トキ・佐渡について学びたい方の拠点となっている、ト
キ交流会館及び近接する潟上温泉に、地域資源を活用できる自然エネルギーを導入し、地域資源のエ
ネルギー活用を通して保全活動を一層推進します。
42
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
(2) 中期プロジェクト
詳細な計画を検討し、経済的な面も考慮しながら取り組むプロジェクトを中期プロジ
ェクトとして取り上げました。
表 3.3.2-2 中期プロジェクト
中期プロジェクト
⑥ 木質ペレット プロジェクト【施策 3】【施策 4】
木質バイオマス
木材の素材利用後に発生するおが粉や除間伐財など未利用木質資源を収集し、木質ペレット
燃料を製造します。また、公共施設や集合住宅等へのペレットボイラーの導入のほか、一般家庭
や宿泊・観光施設へのペレットストーブ導入により、身近に自然エネルギーを体感できるような普及
啓発及び観光面への効果、家庭への新エネルギーの普及も視野に入れます。
⑦ バイオガス・木質ガス熱電併給 プロジェクト【施策 3】
バイオマス水産加工廃棄物、下水汚泥、木質バイオマス
水産加工時に出るイカワタなどの残渣と下水汚泥をメタン発酵し、コージェネレーションシステム
個別技術
活用
プロジェクト
で浄化センターに電気と熱を供給します。また、木質資源のガス化によるコージェネレーションシス
テムを熱と電気の需要が高い市立両津病院などに導入します。
⑧ 自然エネルギー農業 プロジェクト【施策 3】
バイオマス(もみ殻、廃食油)
稲作の盛んな地域で豊富に出るもみ殻を燃料にして、モミの乾燥に活用します。また、BDF を農
業用機械の燃料に、もみ殻から製造した固形燃料をハウス園芸施設の加温に利用します。化石燃
料を使わない農業で、農産物のブランド力も高めます。
⑨ ハイドロバレー プロジェクト【施策 2】【施策 3】
中小水力
中小水力発電の実施可能性の有望地点である新穂第二ダム及び大野川ダムにおいて中小水
力発電設備を導入し、付近の浄水場等での電力に利用します。また、小河川や水路での利用
についても今後活用法を調査します。
B 自然エネルギー棚田米プロジェクト【施策 2】
【施策 4】
BDF、農業廃棄物、小水力
複合活用
プロジェクト
棚田の保水機能や景観効果、棚田米の食味の良さなどは高く評価されてきています。農業用機
械の燃料として BDF の利用、天日またはもみ殻温風発生器によるモミの乾燥や棚田の傾斜を利用
した小水力発電による籾摺り・精米などを行い、棚田の保全と棚田米のブランド価値をさらに高め
ることを目指します。
43
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
(3) 長期プロジェクト
現在はまだ技術的な課題などが残されているため、将来的な技術開発の動向を見なが
ら長期的に取り組むプロジェクトを長期プロジェクトとして以下に取り上げました。
表 3.3.2-3 長期プロジェクト
長期プロジェクト
⑩ 木のエタノール化 プロジェクト【施策 3】
木質バイオマス
島内の林業、林産業や木質系廃棄物処理施設で発生する廃材、端材から、木のセルロースを分
解、発酵してエタノールを製造し、島での生活に欠かせない自動車のための液体燃料として使い
ます。エタノール 10%混合ガソリン(E10)や 3%混合ガソリン(E3)など、従来のガソリンに混合して
使うこともできます。また、エタノールをはじめ様々な原料を利用した燃料電池車への適用も考えら
れます。
個別技術
活用
プロジェクト
⑪ 波のちから プロジェクト【施策 2】
海洋エネルギー(波力発電)
海に囲まれた佐渡島の特性を生かし、波のちからをエネルギーとして利用します。海から押し寄
せる波の上下動によって起きる空気の流れでタービンを回して発電・供給を行います。
⑫ 風のちから プロジェクト【施策 2】【施策 4】
風力
現在、好風況地点の多くが土地利用規制区域内であり、また落雷による故障への対応等の課題
もあるため、現在の法制度や技術的な課題が解決された時に好風況及び立地条件の良い場所で
風力発電を行ないます。
C マイクログリッド プロジェクト【施策 1】
新エネルギー全般
複合活用
プロジェクト
佐渡市は島嶼という特性から、島内の発電所で全ての電力を賄っていますが、精密機械工場等
も立地しているため安定した電力が求められています。そこで、需要や出力パターンの異なる電力
需要施設や新エネシステムを自営線でつなぎ合わせて、お互いの電力の相互融通によって効率
的なエネルギー利用をしたり、出力変動を抑制したりするマイクログリッドシステムを導入します。マ
イクログリッドからの出力変動が少ないため、新エネルギーを既存系統に連系しやすくなります。
44
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
図 3.3.2-4 佐渡市新エネルギー導入プロジェクトマップ
45
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4 新エネルギー導入プロジェクト
3.4.1 木質チッププロジェクト
本市では森林面積が約 74%を占め、森林資源も豊富に存在しています。しかし、現在
は佐渡産の木材に代わり島外からの安い木材が多く使われるようになってきており、森
林の荒廃が進んでいます。森林の保全には適正な森林管理が必要です。
そこで、島内の温泉施設や集合住宅など特に熱需要の多い施設に給湯・暖房用として
木質チップボイラーを導入し、林業及び木材加工業において未利用のままとなっている
端材等や、島内の木質資源のリサイクル事業所に持ち込まれる建築廃材及び除間伐材等
をチップ化したものを燃料として利用します。このことにより、島内の森林資源の循環
を図るとともに、林業の活性化を目指します。
燃焼後の灰は、農地への還元や釉薬にも活用できます。
チップボイラー
温泉施設、公共施設
林業
製材工場
建築・解体工事
木くず
製材廃材
建築廃材
木質チップ
木灰
農地
釉薬 等
島内の木質資源
リサイクル事業所
図 3.4.1-1 木質チップボイラープロジェクトの流れ
(1) 導入新エネルギーと導入施設・設備
・導入新エネルギー設備:木質チップボイラー
・導入対象施設
:ゆとりぴあ真野(真野健康保養センター)
図 3.4.1-2 ゆとりぴあ真野の外観
図 3.4.1-3 ゆとりぴあ真野設備設置可能スペース
(2) 導入システムの検討
市内の保養施設ゆとりぴあ真野では、現在使用されている灯油ボイラーが導入されて
から 12 年が経過して更新時期も近く、また温泉の他にプールも設置されており PR 効果
が高いと考えられます。そこで、この施設の既存灯油焚きボイラーを木質チップボイラ
46
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
ーで代替することを想定して検討を行いました。ゆとりぴあ真野に木質チップボイラー
を導入する場合のシステム構成を図 3.4.1-4 に示します。
また、表 3.4.1-1 にゆとりぴあ真野における木質チップボイラーシステムによる熱供
給量算定結果を示します。
【前提条件】
・通常灯油消費量
: 約 118,054 L/年(平成 16 年度実績)
【導入規模】
・チップボイラー定格出力
: 180 kW
給水
浴
槽
木質チップ
湯栓・洗面
熱交換器
バックアップボイラー
熱交換器
貯湯タンク
チップボイラー
図 3.4.1-4 ゆとりぴあ真野木質チップボイラーシステムの構成図
(3) 期待される効果
ゆとりぴあ真野に 180kW の木質チップボイラーシステムを導入することにより、現状
の灯油消費量の約 97%に相当する約 114,500L が 1 年間で削減されることになります。
これに対応する年間の CO2 削減量は約 287.9t-CO2 です。
木質チップボイラー
システム
設 置
灯油削減量
約 114,500 L/年
灯油削減率
約 97 %
灯油代削減額
約 7,442,600 円/年
47
CO2 削減量
約 287.9 t-CO2/年
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
表 3.4.1-1 ゆとりぴあ真野への木質チップボイラーシステムの導入効果算定結果:180kW
項目
日稼働時間
年稼動日数
年稼働時間
チップボイラー規模
ボイラー効率
設備稼働率
年間熱供給量
年間チップ消費量
灯油削減量
現況灯油消費量
灯油削減率
年間 CO2 排出削減量
値
単位
h/日
日/年
h/年
kW
%
%
kWh/年
t/年
L/年
L/年
%
t-CO2/年
24
312
7,488
180
80
70
943,488
421
114,501
118,054
97
287.9
備考
日稼働時間×年稼働日数
想定
チップボイラー規模×年稼働時間×設備稼働率
年間熱供給量/0.8/チップ発熱量
年間熱供給量/0.8/灯油発熱量
平成 16 年度実績
灯油削減量×灯油の CO2 排出原単位
注)1. CO2 削減量:灯油の CO2 排出原単位 2.514kg-CO2/L(出典:地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドラ
イン、環境庁)。木材の CO2 排出原単位は 0 として算出した。
2. 灯油代削減額は、灯油単価 65 円/L(平成 16 年度の公共施設での購入単価の平均額)として算出した。
(4) 概算コスト及び利用可能な助成制度
○木質チップボイラーシステム設置コスト
タイプ
180kW
価
格
備
約 48,000 千円
考
建屋、設置工事費等込み
○利用可能な助成制度
制 度 名
バイオマスの環づくり交付金
実施主体
農林水産省
補助率等
交付率 1/2 又は 1/3
強い林業・木材産業づくり交付金
林野庁
交付率 1/2 以内
森林づくり交付金
林野庁
交付率 1/2 以内
地域新エネルギー導入促進事業
NEDO
補助率 1/2 以内又は 1/3 以内
(5) 導入に関する課題
木質チップボイラーは現在化石燃料焚きボイラーに比較して費用が高いため、ボイラ
ー規模の選定にあたっては、経済性等の詳細な検討を行う必要があります。
48
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.2 花の島プロジェクト
市内には遊休農地が多く見られ、荒地となった農地は景観も阻害しています。これら
の有効活用策として、菜の花を栽培し、収穫した菜種から搾油し BDF(バイオディーゼ
ル燃料)を製造します。BDF は硫黄酸化物や二酸化炭素等の発生が少なく、環境にやさ
しい燃料であり、また菜の花畑の景観や BDF を燃料とした交通機関など、観光資源とし
ての効果もあります。
但し、BDF はこれまで捨てられていた廃油を再利用してつくることのできる資源循環
型の燃料であるため、搾油した菜種油は、一度食用として利用された後に廃油となった
ものを回収し、BDF 燃料に精製して使います。
まずは、現在、本市の給食センター等の公共施設から排出されている廃食用油を回収
して BDF を製造し、スクールバスに利用する取り組みを行います。
段階的には、民間事業者や家庭からの廃食用油の回収システム構築によるより多くの
需要への対応、菜種油の生産体制づくりによる島内での資源循環利用も検討していく必
要があります。また、菜種栽培を行うにあたっては、生産調整水田となっている農地を
利用し、米作を 2 年行なった後、3 年目に菜種・大豆を連続して栽培する方法を実験的
に行うことから始めます。
(図 3.4.2-1 参照)
食用とし
回収
て利用
軽油代替燃料
BDF
(車両等)
に精製
【資料:真野町地域新エネルギービジョン、平成 13 年 3 月】
図 3.4.2-1 生産調整水田を利用した菜種・大豆栽培と BDF 製造・利用
(1) 導入新エネルギーと導入施設・設備
・導入新エネルギー設備:バイオディーゼル燃料製造プラント
・導入対象施設
:金井小学校スクールバス、金井新保保育園園児バス
畑野保育園園児バス(合計 3 台)
(2) 導入システムの検討
ここでは、スクールバス 3 台に利用している軽油の代替燃料として BDF を製造、利用
したときの規模を対象としました。BDF 製造システムのフロー図を図 3.4.2-1 に示しま
49
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
す。
表 3.4.2-1 にスクールバス 3 台での BDF 利用量算定結果を示します。
【前提条件】
・通常軽油消費量
:約 7,110 L/年(約 271,606MJ)(平成 16 年度実績)
【導入規模】
・精製能力
: 100 L/8 時間
アルカリ触媒
酸性水
メタノール
温水
脱水︵加熱︶
排水
蒸発
図 3.4.2-2 BDF 精製システムのフロー図
(3) 期待される効果
スクールバス 3 台にバイオディーゼル燃料を利用することにより、現状の軽油消費量
約 7,110L/年が削減されることになります。これに対応する年間の CO2 削減量は約 19tCO2 です。
バイオディーゼル
燃料利用
バイオディーゼル利用量
約 7,400L/年
軽油削減量
約 7,100 L/年
50
CO2 削減量
約 19t-CO2/年
スクールバス
洗浄
排水
BDF
中和
エステル化反応
廃食油
グリセリン
温水
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
表 3.4.2-1 スクールバスへのバイオディーゼル燃料の導入効果算定結果
月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10 月
11 月
12 月
1月
2月
3月
年間
金井
小学校
スクールバス
222
134
229
180
47
121
227
180
161
129
235
136
1,998
軽油使用量(L)
エネルギー
BDF
廃食油 稼働
CO2 排出
金井新保
畑野
需要量
需要量 需要量 日数
削減量
保育園
保育園
合 計
(MJ)
(L)
(L)
(日) (kg-CO2/月)
園児バス 園児バス
139
139
500
19,081
522
527
10
1,320
142
142
418
15,971
437
441
9
1,105
130
130
489
18,665
510
516
10
1,291
426
426
1,032
39,407
1,077
1,089
22
2,727
270
270
587
22,404
612
619
12
1,550
199
199
519
19,814
542
548
11
1,371
215
215
657
25,105
686
694
14
1,737
260
260
700
26,732
731
739
15
1,850
258
258
677
25,846
707
714
14
1,788
191
191
511
19,520
534
540
11
1,351
128
128
491
18,749
513
518
10
1,297
198
198
532
20,311
555
561
11
1,405
2,556
2,556
7,110
271,606
7,425
7,507
148
18,792
注)1. CO2 削減量:軽油の CO2 排出原単位 2.643kg-CO2 として算出した(出典:地球温暖化対策地域推進計画
策定ガイドライン、環境庁)。BDF の CO2 排出原単位は 0 として算出した。
2. 軽油発熱量 38.2MJ/L、BDF 発熱量 40.2MJ/kg 比重 0.91 として算出した。
3. 軽油使用量:金井小学校スクールバスは平成 16 年度実績値、保育園園児バスは真野第一保育園の平
成 16 年度実績値を使用した。
(4) 概算コスト及び利用可能な助成制度
○バイオディーゼル製造プラント設置コスト
タイプ
100L/日
価
格
備
約 4,000 千円
考
建屋、給排水施設は別途必要
○利用可能な助成制度
制 度 名
バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業
新エネルギー事業者支援対策事業
地域新エネルギー導入促進事業
バイオマスの環づくり交付金
バイオマス利活用フロンティア整備事業
実施主体
NEDO
NEDO
NEDO
農林水産省
農林水産省
補助率等
費用負担率 1/2 以内
補助率 1/3 以内
補助率 1/2 以内
交付率 1/2 以内
補助率 1/2
(5) 導入に関する課題
BDF は精製時にグリセリンが副産物として発生しますが、堆肥やボイラーの燃料とし
て使うことができるため、廃棄物としない有効活用法を検討する必要があります。また、
水分洗浄による後処理を行う精製方法の場合、排水が多く出るため、廃水処理施設のあ
る場所への設置を検討するのがよいと思われます。
廃食油の品質によっては、エンジン燃料フィルターが目詰まりしたり、寒冷地では冬
季に粘性が高くなるなどの課題もあるため、これらの課題を回避し品質が保持できる製
造システムを検討する必要があります。
51
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.3 エコスクールプロジェクト
本市には、小学校が 37 校、中学校が 16 校あり多くの電力が消費されています。そこ
で、これらの施設の屋根や空きスペースに太陽光発電システムを設置し、照明等にその
発電電力を用いることで、電力消費量と二酸化炭素排出量の削減を図ります。学校への
太陽光発電システムの設置は、これらの削減効果ばかりでなく、生徒への新エネルギー
の普及啓発や環境教育としても役立つものです。また、避難場所となる学校施設に蓄電
池を併設し、災害時の自立型エネルギーシステムとして利用すれば、さらに有効な活用
がなされます。
なお、校庭や広場にマイクロ風車と太陽光電池を組み合わせたマイクロ風車・太陽電
池ハイブリド街灯を設置し、生徒への新エネルギーに対する普及啓発に役立てます。
(1) 導入新エネルギーと導入施設・設備
・導入新エネルギー設備:太陽光発電(防災対応型)
・導入対象施設
:今後、統廃合に伴い増改築される学校
(2) 導入システムの検討
本検討では、施設で使用しきれない余剰電力を電力会社に売電する系統連系(逆潮流
あり)型の導入を対象としました。災害時に避難場所となる学校へは災害時における電
源確保の観点から、停電時においてもある程度の電力供給が可能な、太陽電池に蓄電池
を併設した自立(防災)型エネルギーシステムの導入を想定しました。学校に太陽光発
電システムを導入する場合のシステム構成を図 3.4.3-1 に、
学校への導入事例を図 2.3-2
に示します。
表 3.4.1-1 に避難場所となる学校を例とした太陽光発電システムによる発電量算定結
果を示します。
【前提条件】
・通常使用電力量
:約 86,000 kWh/年(平成 16 年度実績)
注
・蓄電池補償日数
:1 日(非常用発電機を導入する場合には不要条件)
・災害時電力負荷
:83.2 kWh/日(NEDO 太陽光発電導入ガイドブックによる)
・水平面日平均日射量:3.42 kWh/㎡日(佐渡における日平均値)
【導入規模】
・システム
:
・システム出力 :
・パネル面積
:
・太陽電池傾斜角:
・その他
:
防災対応型太陽光発電システム(蓄電池併設)
40 kW
320 m2
30°
防災用蓄電池、受変電設備
注)蓄電池補償日数:日照時間なしで負荷に電力を供給し得る日数
52
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
【防災型システム例・蓄電池付き(自立運転切換あり)】
WH
太陽電池
接続箱
パワーコンディショナ
WH
電力量計
一般負荷
系統
自立運転用負荷
蓄電池
図 3.4.3-1 防災対応型太陽光発電システムの構成図
学校での設置例:新潟県上越市富岡小学校
啓発表示板例
【出典:メーカーホームページ】
図 3.4.3-2 太陽光発電システム導入事例と啓発表示板の例
(3) 期待される効果
学校に 40kW の防災対応型太陽光発電システムを導入することにより、現状の電力消費
量の約 87%に相当する約 36,000kWh が 1 年間で削減されることになります。これに対応
する年間の CO2 削減量は約 24t-CO2 です。また、災害時の電気の供給に役立ちます。
また。太陽光発電システムの導入は生徒達の環境意識の向上にも役立つばかりでなく、
地域住民の新エネルギー活用の啓発にもなります。
太陽光発電
システム
設 置
太陽光発電量
約 36,000 kWh/年
電力削減率
約 41%
化石燃料削減量(原油換算)
約 21,000 L/年
電気料金削減額
約 390,000 円/年
53
CO2 削減量
約 24t-CO2/年
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
表 3.4.3-1 学校への太陽光発電システムの導入効果算定結果:40kW
月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
年間
平均日射量
(kWh/m2・日)
月発電量
(kWh/月)
1.570
2.411
3.473
4.369
4.628
4.268
4.101
4.573
3.843
3.436
2.420
1.506
3.381
1,492
2,072
3,263
3,863
4,136
3,603
3,497
3,844
3,200
3,046
2,136
1,406
35,558
消費電力量 太陽光依存率 CO2排出削減量 電気代削減額
(kWh/月)
(kg-CO2/月)
(%)
(円/月)
5,823
9,627
7,677
8,192
6,544
7,536
7,158
7,246
5,332
6,027
7,534
7,672
86,368
25.6
21.5
42.5
47.2
63.2
47.8
48.9
53.0
60.0
50.5
28.4
18.3
41.2
1,015
1,409
2,219
2,627
2,813
2,451
2,379
2,615
2,177
2,072
1,453
956
24,185
15,800
21,942
34,555
40,909
43,800
38,156
40,740
44,783
37,280
32,257
22,620
14,890
387,733
注)1. 化石燃料削減量:原油換算の値 0.236 L/kW を用いて算出した。
2. CO2 削減量:石油火力発電の CO2 排出原単位 0.721kg-CO2/kWh(出典:太陽光発電システム導入マニュ
アル、環境庁、1996)。太陽光発電の CO2 排出原単位 0.0400kg-CO2/kWh(出典:同)として算出した。
3.電力料金:業務用電力 夏季 11.65 円/kWh、その他の季節 10.59 円/kWh として算出した。
(4) 概算コスト及び利用可能な助成制度
○太陽光発電システム設置コスト
タイプ
防災対応
40kW
価
格
備
発電システム:約 41,600 千円
蓄電池
:約 20,000 千円
考
周辺機器・設置工事含む
○利用可能な助成制度
制 度 名
環境を考慮した学校施設(エコスクー
ル)の整備推進に関するパイロット・モ
デル事業
学校等エコ改修と環境教育モデル事業
実施主体
補助率等
文部科学省/経 補助率 新増築 1/2
済産業省の共同 改築・大規模改造 1/3
事業
文部科学省
地域新エネルギー導入促進事業
NEDO
太陽光発電新技術等フィールドテスト NEDO
事業
補助率 1/2 以内又は 1/3 以内
補助率 1/2
(5) 導入に関する課題
本市の場合、冬期は晴天率が低く日射に恵まれないことから十分な発電量が得られま
せん。したがって、冬期は既存系統からの売電量が多く必要です。また、実際の導入時
には、導入規模を災害時の必要電力量や設置コストとのバランスでさらに適正に検討す
る必要があります。
54
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
(6) マイクロ風車・太陽電池ハイブリッド街灯の設置
回転することにより新エネルギーのイメージを視覚的に訴え易いマイクロ風車・太陽
電池ハイブリッド街灯を学校の校庭や広場等の子供達の目に付きやすい場所に設置し、
新エネルギー導入の普及・啓発に役立てます。
サボニウス型ハイブリッド街灯
プロペラ型ハイブリッド街灯
図 3.4.3-3 マイクロ風車・太陽電池ハイブリッド街灯
【コラム】
本市における太陽光発電システムの設置事例
本市の新穂支所庁舎に設備容量 10kW の太陽光発電システムが設置されてい
ます。このシステムによる年間発電量は、平成 16 年度実績で 10,785kWh とな
っており、設備利用率は 12.3%です。
したがって、本ビジョンでの試算では約 10%の設備利用率が見込めること
になりますが、この新穂支所庁舎の設備利用率を考慮すればさらに多い発電
量が期待されます。
55
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.4 新エネ庁舎プロジェクト
本市では市役所や支所の新庁舎建設や公共施設の新設、改築等が検討されており、こ
れらの施設において多くのエネルギー消費が予想されます。そこで、これらの施設の新
設や改築時に太陽光発電システムや太陽熱利用システムを設置し、これらによって得ら
れるエネルギーを施設で利用する計画とすれば電力消費量及び二酸化炭素排出量の削減
が図れます。
ここでは、新庁舎等の今後建設あるいは改築される公共施設へ太陽光発電システムや
太陽熱利用システムを設置する場合のモデル例を示します。
(1) 導入新エネルギーと導入施設・設備
・導入新エネルギー設備:太陽光発電システム、太陽熱利用システム
・導入対象施設
:今後、建設・改築計画のある新庁舎等の公共施設
(2) 導入システムの検討
公共施設では電力が多く消費されているため太陽光発電システムを設置し、その電力
消費の一部を賄うこととします。また、公共施設では灯油や重油を燃料とした熱源によ
り給湯や暖房を行っているため、この熱源に太陽熱利用システムにより得られる熱エネ
ルギーを利用します。
図 3.4.4-1 に太陽熱利用システムのシステム図を示します。また、図 3.4.4-2 に太陽
熱利用システムと太陽光発電システムの複合設置例を示します。
集熱器
【出典:ソーラー建築デザインガイド(新エネルギー・産業総合技術開発機構)
】
図 3.4.4-1 太陽熱利用システム図
56
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
集熱パネルと太陽電池設置状況
(手前が集熱パネル、奥が太陽電池)
施設全景
太陽熱利用・太陽光発電システムを複合設置した埼玉県立彩華園(老人福祉施設)
【出典:PV 建築デザインガイド(新エネルギー・産業総合技術開発機構)】
図 3.4.4-2 太陽熱利用システムと太陽光発電システム複合設置事例
(3) 期待される効果
今後、新設あるいは改築が検討されている新庁舎等の公共施設へ太陽光発電システム
及び太陽熱利用システムを設置することにより、消費電力や灯油、重油等の燃料消費量
が削減できるとともに、これらの削減に伴い二酸化炭素排出量が削減されます。
また、市庁舎や支所等の公共施設において新エネルギーを率先して導入することで、
一般市民への新エネルギー活用の普及啓発ともなります。
(4) 導入に関する課題
今後の新築・改築の具体的計画に合わせて詳細な検討を行う必要があります。
57
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.5
独立型エネルギーシステム導入プロジェクト
太陽発電や風力発電などの新エネルギーはその場でエネルギーが得られるため独立し
たエネルギーシステムとしての利用価値があります。また、これらのエネルギーシステ
ムでは利用場所まで新たに送配電線を引く必要がないため、自然環境や景観に配慮する
ことができます。さらに、これらのエネルギーシステムを導入した施設では災害などで
停電した時にも、エネルギーを確保することが可能なため、避難場所の電源としても活
用できます。そこで利用特性や景観面などを考慮したときに独立電源が好ましいと考え
られる地域にある施設や災害時の避難場所などに、太陽光や小型(マイクロ)風力による
発電設備を組合せて導入し、照明や各種電源として利用します。
災害時の避難場所への設置は、エコスクールプロジェクトで紹介しているため、ここ
では、利用特性や景観面などから送配電線が無い或いは敷設できないような場所での施
設へ新エネルギー設備設置を行います。
(1) 導入新エネルギーと導入施設・設備
・導入新エネルギー設備:太陽光発電、小型風車又はマイクロ風車
・導入対象施設
:屋外トイレ浄化槽や電灯、山小屋電源等電源の得難い
場所の施設電源
(2) 導入システムの検討
電源が無い場所や新たに配電線の敷設が出来ないような場所にある施設へマイクロ風
車と太陽電池を組合せたハイブリッドシステムを導入します。このシステムにより浄化
槽や施設電灯の電力を賄います。
図 3.4.5-1 にマイクロ風車と太陽電池を組合せた独立電源システム利用の概念図を示
します。また、このシステム構成図を図 3.4.5-2 に示します。
【出典:メーカー パンフレット】
図 3.4.5-1 マイクロ風車と太陽電池の独立電源システム利用概念図
58
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
負荷(浄化槽)
風力発電
充電器
太陽電池
充電器
バッテリー
インバーター
制 御 盤
送水ポンプ
給水ポンプ
送風ファン
図 3.4.5-2 独立電源システム構成図
(3) 期待される効果
独立型エネルギーシステムを導入することにより、これまで送配電線を敷設できずに
ディーゼル発電機を利用せざるを得なかった場所で電気を利用できるため、エネルギー
消費の削減ばかりでなく環境への負荷も少なくなります。
59
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.6 トキ交流会館地域自然エネルギー活用プロジェクト
トキの野生復帰に向けたボランティア活動やトキ・佐渡について学びたい方の拠点と
なっている、トキ交流会館及び近接する潟上温泉に、地域資源を活用できる自然エネル
ギーを導入し、地域資源のエネルギー活用を通して保全活動を一層推進します。
トキ交流会館では、太陽光発電、薪ボイラーを設置し館内の電気や熱需要をまかない
ます。また、潟上温泉では、木質チップボイラーとスターリングエンジンによるコージ
ェネレーション(熱電併給)を行い、館内及び電気自動車(木材収集運搬用)の動力用
電力、温泉加温用の熱に利用します。
また、これらの燃料とする薪や木質チップは、里山整備活動から木材を調達しエネル
ギー利用を図ることにより、里山整備ボランティア活動の意義や環境教育効果を高めま
す。
ハイブリッド発電(太陽光発電 + 小型風力発電)
太陽光発電
電気
薪ボイラー
電気
スターリングエンジン
熱
電気
トキ交流会館
トキ野生復帰のための
ボランティア活動の拠点
電気
木質チップボイラー
熱
温泉加温
コージェネレーション
潟上温泉
電気自動車
チップ
薪
温泉排水
里山整備活動
木材の収集・運搬
トキ野生復帰後
冬季餌場の凍結防止
トキ生餌用の
ドジョウ養殖
図 3.4.6-1 トキ交流会館地域自然エネルギー活用プロジェクトのしくみ
図 3.4.6-2 トキ交流会館
図 3.4.6-3 潟上温泉(佐渡観光協会ホームページより)
60
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.6-1 トキ交流会館への太陽光発電システム設置
トキ交流会館では、施設照明や空調に電力を使っています。そこで、トキ交流会館の
屋根に太陽光発電システムを設置し、施設消費電力の一部を賄うとともに二酸化炭素排
出量の削減を図ります。
(1) 導入新エネルギーと導入施設・設備
・導入新エネルギー設備:太陽光発電システム
・導入対象施設
:トキ交流会館
(2) 導入システムの検討
ここでは、エコスクールプロジェクトと同様に施設で使用しきれない余剰電力を電力
会社に売電する系統連系(逆潮流あり)型の導入を対象としました。トキ交流会館に太
陽光発電システムを導入する場合のシステム構成を図 3.4.6-1 に示します。
表 3.4.6-1 にトキ交流会館における太陽光発電システムによる発電量算定結果を示し
ます。
【前提条件】
・通常使用電力量
:約 60,600 kWh/年(平成 16 年度実績)
【導入規模】
・システム出力
: 10 kW(標準型)
・パネル面積
: 80 m2
・太陽電池傾斜角: 30°
【標準システム例】
WH
太陽電池
接続箱
パワーコンディショナ
WH
電力量計
系統
図 3.4.6-1 トキ交流会館太陽光発電システムの構成図
(3) 期待される効果
トキ交流会館に 10kW の太陽光発電システムを導入することにより、現状の電力消費量
の約 14%に相当する約 8,390kWh が 1 年間で削減されることになります。これに対応す
る年間の CO2 削減量は約 5.7t- CO2 です。
61
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
太陽光発電量
約 8,400 kWh/年
電力削減率
約 14%
化石燃料削減量(原油換算)
約 2,000 L/年
電気料金削減額
約 91,400 円/年
太陽光発電
システム
設 置
CO2 削減量
約 5.7t-CO2/年
表 3.4.6-1 トキ交流会館への太陽光発電システムの導入効果算定結果:10kW
月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
年間
平均日射量
(kWh/m2・日)
1.635
2.476
3.409
4.028
4.046
3.667
3.556
4.092
3.667
3.510
2.587
1.589
3.187
月発電量
(kWh/月)
消費電力量 太陽光依存率 CO2排出削減量 電気代削減額
(kWh/月)
(kg-CO2/月)
(%)
(円/月)
388
532
801
890
904
774
758
860
763
778
571
371
8,390
4,315
7,660
10,622
4,157
4,054
3,767
3,509
6,218
4,221
3,262
4,235
4,556
60,576
9.0
6.9
7.5
21.4
22.3
20.5
21.6
13.8
18.1
23.9
13.5
8.1
13.9
264
362
545
605
615
526
516
585
519
529
388
252
5,707
4,109
5,634
8,483
9,425
9,573
8,197
8,831
10,019
8,889
8,239
6,047
3,929
91,374
注)1. 化石燃料削減量:電力の 1 次エネルギー換算値を原油換算の値 0.236L/kW を用いて換算した。
2. CO2 削減量:石油火力発電の CO2 排出原単位 0.721kg-CO2/kWh(出典:太陽光発電システム導入マニュ
アル、環境庁、1996)。太陽光発電の CO2 排出原単位 0.0400kg-CO2/kWh(出典:同)として算出した。
3.電力料金:業務用電力 夏季 11.65 円/kWh、その他の季節 10.59 円/kWh として算出した。
(4) 概算コスト及び利用可能な助成制度
○太陽光発電システム設置コスト
タイプ
標準 10kW
価
格
備
約 10,400 千円
考
周辺機器・設置工事含む
○利用可能な助成制度
制 度 名
地域新エネルギー導入促進事業
実施主体
NEDO
太陽光発電新技術等フィールドテスト NEDO
事業
62
補助率等
補助率 1/2 以内又は 1/3 以内
補助率 1/2
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.6-2 トキ交流会館への薪ボイラーシステム設置
トキ交流会館では、冷暖房用にエアコンを使用していますが、ここに薪をそのまま利
用できる薪ボイラーを導入し暖房に利用します。暖房利用は冬期のみなので、燃料とし
て使う薪は、里山整備ボランティア活動の一環で木材を収集するなどして年間を通じて
蓄えておきます。
(1) 導入新エネルギーと導入施設・設備
・導入新エネルギー設備:薪ボイラー
・導入対象施設
:トキ交流会館
(2) 導入システムの検討
ここでは、薪をそのまま薪ボイラーに投入して温水をつくることによる熱供給を対象
としました。トキ交流会館に薪ボイラーシステムを導入する場合のシステム構成を図
3.4.6-2 に示します。
表 3.4.6-2 にトキ交流会館における薪ボイラーシステムによる導入効果の算定結果を
示します。
【前提条件】
・通常使用電力量
:約 60,600 kWh/年(平成 16 年度実績)
【導入規模】
・薪ボイラー出力
: 60 kW
温水
薪
薪ボイラー
暖房(客室・会議室等)
図 3.4.6-2 トキ交流会館薪ボイラーシステムの構成図
図 3.4.6-3 薪ボイラーの外観(左)としくみ(右)
63
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
(3) 期待される効果
トキ交流会館に 60kW の薪ボイラーシステムを導入することにより、現状の電力消費量
の約 15%に相当する約 9,200kWh が 1 年間で削減されることになります。これに対応す
る年間の CO2 削減量は約 6.6t-CO2 です。
薪ボイラー
システム
設 置
熱供給量
約 36,000 kWh/年
電力削減量
約 9,200 kWh/年
電力削減率
約 15 %
化石燃料削減量(原油換算)
約 2,200 L/年
電気料金削減額
約 97,300 円/年
CO2 削減量
約 6.6 t-CO2/年
表 3.4.6-2 トキ交流会館への薪ボイラーシステムの導入効果算定結果:60kW
項目
トキ交流会館延床面積
薪発熱量
暖房ピーク負荷原単位
暖房面積割合
暖房面積
全負荷運転相当時間
暖房ピーク負荷
暖房熱源効率
薪ボイラー規模
薪ボイラーによる年間熱供給量
暖房用年間薪消費量
年間電力削減量
年間電力消費量
年間電力削減率
電気料金削減額
年間 CO2 排出削減量
値
3,886.85
4.2
60
70
2,721
600
163
80
60
36,000
10.7
9,184
60,576
15
97,255
6.6
単位
備考
㎡
kWh/kg
W/h・㎡
%
㎡
h/年
kW
%
kW
kWh
t/年
kWh/年
kWh/年
%
円/年
t-CO2/年
トキ交流会館延床面積×暖房面積割合/100
10h/日×15 日/月×4 カ月を想定
暖房ピーク負荷原単位×暖房面積/1,000
薪ボイラー
暖房ピーク負荷の 37%
薪ボイラー規模/暖房熱源効率×全負荷運転相当時間
薪ボイラーによる年間熱供給量/薪発熱量
薪ボイラーによる年間熱供給量/エアコン COP 値
平成 16 年実績値
電力削減量×石油火力発電の CO2 排出原単位
注)1.エアコン COP 値:4.9 として算出した。
2.CO2 削減量:石油火力発電の CO2 排出原単位 0.721kg-CO2/kWh(出典:太陽光発電システム導入マニュア
ル、環境庁、1996)。木材の CO2 排出原単位は 0 として算出した。
3.電力料金:業務用電力 夏季 11.65 円/kWh、その他の季節 10.59 円/kWh として算出した。
4. 化石燃料削減量:電力の 1 次エネルギー換算値を原油換算の値 0.236L/kW を用いて換算した。
64
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
(4) 概算コスト及び利用可能な助成制度
○薪ボイラー設置コスト
タイプ
60kW
価
格
約 7,000 千円
備
考
本体価格。別途配管工事費等が必要。
○利用可能な助成制度
制 度 名
バイオマスの環づくり交付金
実施主体
農林水産省
補助率等
交付率 1/2 又は 1/3
強い林業・木材産業づくり交付金
林野庁
交付率 1/2 以内
森林づくり交付金
林野庁
交付率 1/2 以内
地域新エネルギー導入促進事業
NEDO
補助率 1/2 以内又は 1/3 以内
3.4.6-3 潟上温泉への木質チップボイラー及びスターリングエンジンによるコージェネ
レーションシステム設置
潟上温泉では、温泉の加温に灯油焚きボイラーを使っているので、ここに木質チップ
ボイラーシステムを導入して熱需要の一部を賄うとともに二酸化炭素排出量の削減を図
ります。燃料となるチップは、島内の木質資源リサイクル事業所である佐渡緑のリサイ
クルセンターなどでチップ化されたものを活用することが考えられます。また、チップ
ボイラーの熱を利用するスターリングエンジンにより発電を行い、館内及び電気自動車
駆動用の電力として利用します。この電気自動車は、薪ボイラー及びチップボイラーの
燃料となる木材を収集・運搬するために使います。電気自動車は、走行時の騒音が少な
いため、トキを驚かせたりせず生息環境を静かに保てます。
(1) 導入新エネルギーと導入施設・設備
・導入新エネルギー設備:木質チップボイラー、スターリングエンジン、電気自動
車
・導入対象施設
:潟上温泉
(2) 導入システムの検討
ここでは、木質チップボイラーを導入して 24 時間稼動を行い、昼間は温泉の加温、給
湯、夜間は併設するタンクに貯湯することとしました。また、ボイラーの熱を利用して
発電するスターリングエンジンを導入し、昼間は館内照明等の電力用、夜間は電気自動
車の充電を行うこととしました。なお、既存灯油焚きボイラーはピーク時の対応及びバ
ックアップ用として残すこととします。潟上温泉にコージェネレーションシステムを導
入する場合のシステム構成を図 3.4.6-4 に示します。
表 3.4.6-3 に潟上温泉におけるコージェネレーションシステムによる発電量及び熱供
給量算定結果を示します。
65
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
【前提条件】
・通常灯油使用量
:約 85,766 L/年(平成 16 年度実績)
・通常電力使用量
:約 332,042 kWh/年(平成 16 年度実績)
【導入規模】
・木質チップボイラー出力
: 150 kW
・スターリングエンジン出力
:
・電気自動車(軽トラック)
: 1台
35 kW
温泉加温・給湯
館内電力
電気自動車(軽トラック)
チップボイラー
図 3.4.6-4 トキ交流会館コージェネレーションシステムの構成図
【資料:大人の科学マガジン Vol.10、学習研究社】
図 3.4.6-5 電気自動車(軽トラック)
【資料:電気自動車メーカーホームページ】
(3) 期待される効果
潟上温泉に 150kW の木質チップボイラーと 35kW のスターリングエンジンによるコージ
ェネレーションシステムを導入することにより、現状の年間灯油消費量の約 92%に相当
する約 78,500L、及び現状の電力消費量の 100%が削減されることになります。またこれ
66
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
に対応する年間の CO2 削減量は約 327t-CO2 です。
木質チップボイラ
ー、スターリングエ
ンジンによる
コージェネレーシ
ョンシステム設置
灯油削減量
約 78,500 L/年
灯油削減率
約 92%
灯油代削減額
約 5,103,500 円/年
CO2 削減量
スターリングエンジン発電量
約 179,700 kWh/年
電力削減率
約 54%
化石燃料削減量(電力分原油換算)
約 42,400 L/年
電気料金削減額
約 1,950,800 円/年
約 327 t-CO2/年
表 3.4.6-3 潟上温泉へのコージェネレーションシステムの導入効果算定結果
項
目
年稼働時間
チップボイラー規模
チップボイラー入力
チップボイラー出力
ボイラー効率
熱 設備稼働率
供 年間熱供給量
給 年間チップ消費量
現況灯油消費量
灯油削減量
灯油削減率
年間 CO2 排出削減量
発電機出力
所内電力
発電機負荷率
現況電力消費量(潟上温泉)
発
電力消費量(電気自動車)
電
年間発電量
年間電力削減率
電気料金削減額
年間 CO2 排出削減量
値
7,488
150
180
108
60
80
646,963
385
85,766
78,515
92%
197.4
35
5
80
332,042
9,360
179,712
54
1,950,774
129.6
単 位
h/年
kW
kW
kW
%
%
kWh/年
t/年
L/年
L/年
%
t-CO2/年
kW
kW
%
kWh/年
kWh/年・台
kWh/年
%
円/年
t-CO2/年
備
考
日稼働時間(24h/日)×年稼働日数(312 日/年)
チップボイラー入力×0.6
想定
チップボイラー規模×年稼働時間×設備稼働率
年間熱供給量/0.6/チップ発熱量
平成 16 年度実績
年間熱供給量/0.8/灯油発熱量
灯油削減量×灯油の CO2 排出原単位
想定
平成 16 年度実績
30kWh/1 充電・台×年稼働日数
(発電機出力-所内電力)×年稼働時間×発電機負荷率
潟上温泉電力削減分
潟上温泉電力削減量×石油火力発電の CO2 排出原単位
注)1. 化石燃料削減量:電力の 1 次エネルギー換算値を原油換算の値 0.236L/kW を用いて換算した。
2. CO2 削減量:石油火力発電の CO2 排出原単位 0.721kg-CO2/kWh(出典:太陽光発電システム導入マニュ
アル、環境庁、1996)。灯油の CO2 排出原単位 2.514kg-CO2/L(出典:地球温暖化対策地域推進計画策
定ガイドライン、環境省)、木材の CO2 排出原単位は 0 として算出した。
3.電力料金:業務用電力 夏季 11.65 円/kWh、その他の季節 10.59 円/kWh として算出した。灯油代削減
額は、灯油単価 65 円/L(平成 16 年度の公共施設での購入単価の平均額)として算出した。
67
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
(4) 概算コスト及び利用可能な助成制度
○木質チップボイラーシステム設置コスト
タイプ
150kW
価
格
備
約 44,000 千円
考
建屋、設置工事費等込み
○スターリングエンジン設置コスト
タイプ
35kW
価
格
備
約 25,000 千円
考
系統連携負担金込み
○電気自動車コスト
タイプ
軽トラック
価
格
備
約 2,982 千円
考
車両本体価格
○利用可能な助成制度
制 度 名
バイオマスの環づくり交付金
実施主体
農林水産省
補助率等
交付率 1/2 又は 1/3
強い林業・木材産業づくり交付金
林野庁
交付率 1/2 以内
森林づくり交付金
林野庁
交付率 1/2 以内
地域新エネルギー導入促進事業
NEDO
補助率 1/2 以内又は 1/3 以内
クリーンエネルギー自動車普及事業
NEDO
ベース車両の価格または、ベース
車両との差額の 1/2 の価格のどち
らか低い金額
3.4.6-4 マイクロ風車・太陽電池ハイブリッド街灯の設置
マイクロ風車・太陽電池ハイブリッド街灯を設置し、トキの生息環境や里山の保全と
ともに、様々な新エネルギーについても学ぶ際の教材として役立てます。
図 3.4.6-6 マイクロ風車・太陽電池ハイブリッド街灯(プロペラ型)
68
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.6-5 まとめ
これまでに検討したトキ交流会館及び潟上温泉への各種新エネルギーの導入により、
現状の年間灯油消費量の約 92%に相当する約 78,500L、及び現状の電力消費量の 50%に
相当する 197,912kWh(原油換算約 46,600L)が 1 年で削減されることになります。また
これに対応する年間の CO2 削減量は約 339t-CO2 です。
太陽光発電システム設置
薪ボイラーシステム設置
木質チップボイラー、
スターリングエンジンによる
コージェネレーションシステム設置
灯油削減量
約 78,500/年
化石燃料削減量
(電力分原油換算)
約 46,600 L/年
CO2 削減量
約 339.3 t-CO2/年
3.4.6-6 導入に関する課題
電気自動車(軽自動車)の鉛電池搭載車は、約2年に1回電池交換をする必要があり、1
回の電池交換費用は約50万円と割高になっています。新型電池(ニッケル・水素電池、
リチウムイオン電池)は2倍以上の寿命があり、メーカーでは5年間の保証をしています。
また、充電時間は4∼8時間程と長時間かかりますが、車を使用していない夜間であれば
問題ないと思われます。
また、木質チップボイラーは現在化石燃料焚きボイラーに比較して費用が高いため、
ボイラー規模の選定にあたっては、さらに詳細な経済性の検討を行う必要があります。
燃料となる木質チップについても、島内木質系廃棄物処理施設からの木質資源で量的に
まかなうことができますが、それらの確保の方法についてもさらに検討する必要があり
ます。
薪ボイラーについては、薪の調達を里山整備ボランティア活動の中で取り組むことと
しており、ボランティア活動とうまく連携が取れるようなプログラムづくりも課題とな
ります。
69
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
【コラム】
スターリングエンジンのしくみと特徴
外燃機関であるスターリングエンジンは、熱源の
自由度が高く、チップボイラーの熱を利用すること
ができます。数 kW∼100kW 程度の出力範囲では、内
燃機関よりも熱効率が高く、静粛性、排ガスの清浄
性にも優れています。
【資料:大人の科学マガジン Vol.10、学習研究社】
70
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.7 木質ペレットプロジェクト
現在、佐渡森林組合などでは間伐材などの小径木を利用した丸棒加工を行なっており、
このような加工工場からのおが粉や除間伐材など、未利用となっている木質資源を収集
し木質ペレットを製造することが考えられます。
製造したペレットは、学校や病院、庁舎等の公共施設や集合住宅等にペレットボイラ
ーを導入し、その燃料として利用します。また、木質ペレットは小規模な機器での取扱
が容易であるため、一般家庭や宿泊観光施設でもペレットストーブを導入して利用する
ことができます。身近に自然エネルギーを体感できるため、普及啓発や観光面への効果、
家庭への普及も視野に入れます。燃焼後の灰は、農地への還元や釉薬にも活用できます。
ペレットボイラー
温泉施設、公共施設
木質ペレット
木材加工工場
等
木くず
製材廃材
建築廃材
ペレットストーブ
公共施設、家庭
図 3.4.7-1 木質ペレットプロジェクトの流れ
3.4.8 バイオガス・木質ガス熱電併給プロジェクト
佐渡島では水産業が盛んであるため、水産加工の過程で発生する廃棄物が多く発生し
ています。また、稲作による稲わらやもみ殻なども多く、これらのバイオマスをメタン
発酵し、熱と電気を両方つくるコージェネレーションシステムを導入します。
木質資源はガス化をして可燃性ガスを取り出し、熱と電気を両方作ります。
このコージェネレーションシステムを両津港の水産加工施設の冷凍設備や熱と電気
の需要が高い市立両津病院等に導入します。
メタン発酵後の残渣は堆肥として農地に還元することが可能で、農作物の付加価値も高
めます。
稲作
水産加工工場
水産加工廃棄物
稲わら、もみ殻
バイオガスプラント
電気、熱
残渣
冷凍設備等
(水産加工施設)
堆肥化
メタン発酵プラント
図 3.4.8-1 バイオガスによる熱電併給プロジェクトの流れ
71
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.9 自然エネルギー農業プロジェクト
稲作の盛んな地域で豊富に出るもみ殻を燃料にして、モミの乾燥に活用します。また、
花の島プロジェクトでつくったバイオディーゼル燃料を農業用機械の燃料に、もみ殻か
ら製造した固形燃料をハウス園芸施設の加温に利用します。化石燃料を使わない農業で、
農産物のブランド力も高めます。
3.4.10 ハイドロバレープロジェクト
中小水力発電はこれまでの大きなダムを作る水力発電とは異なり小規模な土木工事で
済むため、環境に与える負荷が小さく、また水資源の積極的な活用という面からも期待
されるエネルギーです。佐渡市では 9 ヶ所ある既設の治水・農業用ダムの余水や小河川・
水路を利用した中小水力発電の可能性があります。既設ダムでの中小水力発電では浄水
場など周辺施設への電力供給、小河川・水路の利用では棚田などでの籾摺や精米への電気
の利用などが考えられます。
なお、最近では 1kW や数 100W 程度の超小型発電機も販売されており、このような発電
機の利用も考えられます。
農業揚水利用の例
渓流利用の例
【出典:マイクロ水力発電導入ハンドブック】
出力:100W 用
出力:500W∼1kW 用
【出典:メーカー
ホームページ】
図 3.4.10-1 中小水力発電の方式及び発電機
3.4.11 自然エネルギー棚田米プロジェクト
棚田の保水機能や景観効果、また棚田米の食味の良さなどは高く評価されてきていま
す。しかし、棚田を維持するための手間の多さから、放棄される棚田が多いことも事実
です。本プロジェクトでは棚田を継続して利用していくため、棚田米の環境保全型栽培
を進めるともに、籾摺り・精米などに使用するエネルギーの自然エネルギー活用により、
72
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
棚田米のブランド価値を高めることを目指します。
既存の化石燃料から代替することのできる自然エネルギーは次のものが考えられま
す。
・
農業機械の燃料・・・BDF
・
米の乾燥・・・天日乾燥またはもみ殻温風発生器による乾燥
・
籾摺り・精米機の電力・・・棚田地域の傾斜を生かした小水力発電(棚田地域に棚
田米専用の自然エネルギー100%の小規模な精米施設を作り、他の米との分別管
理を行ないます)。
棚田米栽培・収穫
乾
燥
もみ摺り・精米
農業機械への BDF 利用
天日またはもみ殻温風発生
器による乾燥
棚田の傾斜を利用した
小水力発電
棚田は佐渡の代表的景観のひとつ
(写真は野浦地区)
図 3.4.11-1 自然エネルギー棚田米プロジェクトの概要図
図 3.4.11-2 棚田の景観
3.4.12 木のエタノール化プロジェクト
島内の林業、林産業で発生する廃材、端材から、木のセルロースを分解、発酵してエ
タノールを製造し、島での生活に欠かせない自動車のための液体燃料として使います。
エタノール 10%混合ガソリン(E10)や 3%混合ガソリン(E3)など、従来のガソリンに
混合して使うこともできます。また、エタノールをはじめ様々な原料を利用した燃料電
池車への適用も考えられます。
3.4.13 波のちからプロジェクト
佐渡市は島であるために周囲を海に囲まれていま
す。そこで、この海の波のエネルギーを利用し発電を
行うことが考えられます。
波力発電は護岸に併設するタイプがコスト的に有
利と考えられますが、この場合は護岸工事にあわせて
設置することが必要です。また、電力需要が近傍にな
い場合、水素製造等のエネルギー貯蔵技術も合わせて
室蘭工業大学による実験プラント
考える必要があります。
ただし、波力発電技術は、まだ確立された技術では
ないこと、漁業との協調などの課題があるため今後の
【出典:CDIT、(財)沿岸技術研究センター】
図 3.4.13-1 波力発電
技術動向や社会的要請などを考慮し導入のための調査をしてゆきます。
73
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.14 風のちからプロジェクト
本市は既に設備容量 225kW の風力発電設備を設置し、風力発電の実績を持っています。
また、本市は大佐渡山脈の標高の高い部分や北東側の沿岸部の一部に風力発電に適した
風速の地域が存在します。しかし、それらは、国定公園や県立自然公園に指定されてお
り、発電用風車の立地の面で規制される地域となっており事実上風車建設は困難です。
また、前述の本市内における風力発電に適した風速の場所の多くは、①建設時の道路
がない、②発電電力の需要が近隣にない、③送配電線建設にコストがかかる、④落雷対
策が必要など、課題が多くあります。
さらに、本市では④市内には、風力発電による電力変動が好ましくない事業所があり
系統連系が難しい、⑤電力の安定供給を図る観点から東北電力では風力発電の系統連系
を当分凍結しているなどの風力発電施設を既存系統に接続することが難しい状況にあり
ます。
これらのことから、風力発電については、大型で系統に連系するタイプのものは、今
後の課題解決の状況を睨みつつ長期的な計画の中で導入を検討します。
なお、長期的な導入としては、離島用に開発された風車の利用、防波堤を利用した洋
上風力発電、メガフロートを利用した風力発電(フローティングタイプ)が考えられます。
離島用風車
防波堤利用風力発電
メガフロート利用風力発電構想
【出典:メーカーホームページ】
【出典:瀬棚町ホームページ】
【出典:メーカーホームページ】
図 3.4.14-1 風力発電事例及び構想
【コラム】
離島用風力発電風車
NEDO と富士重工が共同で開発した風車で、規模か小さく、建設時に大きな建設機械が不
要、離島独特の風の乱れに強い、高い耐風速、容易な運搬性を備えた風車です。
本市における風力発電システムの設置事例
大佐渡高原にある白雲荘の近くには 225kW の風力発電システムが設置されています。この
システムによる年間発電量は、平成 9 年度から平成 16 年度の実績で年間約 219,000kWh とな
っており、設備利用率は約 11%です。落雷による停止や風の乱れによる発電効率などが課
題です。
74
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.4.15 マイクログリッドプロジェクト
本市は島嶼という特性から、島内の発電所で全ての電力を賄っていますが、精密機械
工場等も立地しているため安定した電力が求められています。そこで、需要や出力パタ
ーンの異なる電力需要施設や新エネルギーシステムを自営線でつなぎ合わせて、お互い
の電力の相互融通によって効率的なエネルギー利用をしたり、出力変動を抑制したりす
るマイクログリッドシステムを導入します。マイクログリッドからの出力変動が少ない
ため、新エネルギーを既存系統に連系しやすくなります。
大規模電源
(原子力、クリーンコール、LNG)
・各家庭・マンションに太陽光発電
・各家庭・マンションに定置型FC
大規模風力発電
LNG
情報通信網に
よる需給制御
(天然ガスパイプライン)
相互融通
ルーター
バッテリー
廃棄物
(電線)
ルーター
林業
相互融通
ルーター
相互融通
バイオマス発電
(電気)
(バイオマス)
農村
図 3.4.15-1 マイクログリッド概念図
75
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
3.5 新エネルギー導入の長期計画とソフト的取り組み
新エネルギーの導入を効率的に行うには技術の熟度、社会的状況、各種計画の進行状
況等を考慮して中長期的な視点から計画を推進しなければなりません。以下に導入の難
易度や社会的状況等を考慮しておおよその実施期間を想定した長期計画を整理しました。
表 3.5-1 新エネルギー導入の長期計画
プロジェクト
木質チップ
プロジェクト
リーディング プロジェクト
花の島プロジェクト
導入エネルギー
内 容
熱利用、小型風力
新エネ庁舎
太陽光発電、太陽
プロジェクト
熱利用、小型風力
自然エネルギー活用
風力、木質バイオ
プロジェクト
マス、電気自動車
木質ペレット
プロジェクト
中期プロジェクト
バイオガス・
木質ガス熱電併給
プロジェクト
小中学校への導入を
増改築等に合わせて
実施。
庁舎等公共施設への
導入を増改築等に合
わせて実施。
継続的に実施。
全般
太陽光発電、小型
新エネルギー利用の
モデルとして優先的
に導入。
事業化可能性調査を
実施。中期的導入を
事業者と調整。
木質バイオマス
バイオガスについて
は事業化可能性調査
を実施済のため、中
長期的導入を事業者
と調整。木質ガスに
ついては、事業化可
能性調査等により判
断。
バイオマス水産
加工廃棄物、下水
汚泥、木質バイオ
マス
自然エネルギー農業
バイオマス(もみ
プロジェクト
殻、廃食油)
長 期
公共施設での廃食油
発生分から率先して
実施。
新エネルギー
トキ交流会館地域
中 期
事業化可能性調査を
実施。ボイラー利用
施設での施設建替
え・設備更新時期に
合わせてその都度検
討。
(廃食油)
プロジェクト
プロジェクト
短 期
バイオマス
太陽光発電、太陽
システム導入
実施方法
木質バイオマス
エコスクール
独立型エネルギー
導入時期/期間
事業化可能性調査を
実施。中期的導入を
事業者と調整。
76
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
プロジェクト
中期プロジェクト
ハイドロバレー
プロジェクト
導入エネルギー
内 容
BDF、農業廃棄物、
棚田米プロジェクト
小水力
長期プロジェクト
プロジェクト
海洋エネルギー
プロジェクト
(波力発電)
プロジェクト
中 期
実施方法
長 期
現在実施中の詳細調
査の結果により、適
宜導入。
事業化可能性調査を
実施。中期的導入を
事業者と調整。
技術開発動向の調査
を継続し、導入を判
断。
木質バイオマス
波のちから
風のちから
短 期
中小水力
自然エネルギー
木のエタノール化
導入時期/期間
技術開発動向の調査
を継続し、導入を判
断。
普及啓発プロジェクト
技術開発動向の調査
を継続。風況調査等
も含めて導入を判
断。
風力
新エネ情報センター、
エコツアー、セミナ
ー・講演会、実験教室、 新エネルギー
短期に開始し、継続
的に実施。
情報発信、支援体制の 全般
再検討、ワーキンググ
ループ活動等
導入時期/期間:短期=2006 年度∼2008 年度頃
中期=2006 年度∼2010 年度頃
長期=2011 年度以降、
(2010 年以降も見直しを行い継続的な新エネルギーの導入を図る。)
:調査または準備
:実施
新エネルギーに関する認識は一般に未だ低いため、新エネルギー導入を促進するため
には、地球環境問題やエネルギー問題に対する認識を高め新エネルギーの必要性を市
民・事業者が理解することが必要です。そのためには新エネルギーに対する知識や各種
の支援制度の認識を高める等ハード面での取組のみならずソフト面の対応が重要です。
そこで、ソフト面の取組として以下のプロジェクトを実施します。
77
第 3 章 佐渡市地域新エネルギービジョン
表 3.5-2 佐渡市における新エネルギー導入推進のための普及啓発プロジェクト
普及啓発策
内
容
等
新エネルギーに関する技術や導入の相談窓口、島内で行なわれている
新エネ情報センター
取り組み等の情報を収集、発信します。また、市内の取り組みに基づく
プロジェクト
学習教材の作成や出張授業、観光客の受け入れ、NPO 活動の拠点として
の役割も担います。
島内の豊かな自然や文化とともに、新エネルギーを活用した交通機関
エコツアー
や宿泊施設、新エネ設備や製造過程の見学・体験等と連携しながらまる
プロジェクト
ごとエコな佐渡島をアピールし、自然環境の維持と観光客誘致を両立し
て行います。
環境・新エネルギー
に関する
セミナー、講演会の開催
学校での
「新エネルギー・環境」
教育の推進
新エネルギー
実験教室の開催
環境・新エネルギー
に関する情報の発信
新エネルギービジョン策定後、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開
発機構)の普及啓発に関する補助事業を活用し、環境問題や新エネルギ
ーに関するセミナー・講演会を定期的に実施し、市民・事業者への普及
啓発を図ります。
アンケート調査においてもほとんどの学校で環境教育が実施されて
おり、今後の将来を担う子どもたちへの教育も重要です。学校での総合
的学習の時間などを使い、実際に市内で身近に使われている新エネルギ
ーを見学、体験するなど、知識と興味を深める教育を推進します。
小中学生向けに、風力発電機の模型、ソーラー模型自動車製作教室や
森づくりとエネルギーを関連させた体験教室等を開催し、新エネルギー
を身近なものとして感じられるようにします。
市の広報誌やホームページに新エネルギーの紹介、導入例、省エネル
ギー対策例、各種助成制度の利用方法等を定期的に掲載するなどの情報
発信を行います。
住宅用太陽光発電、低公害車、住宅太陽熱高度利用設備、小型風力発
市独自の支援体制
の再検討
電機などの設置・購入に対して市独自の既存の補助制度がありますが、
これらに加え、表彰制度等の創設についての検討を行います。さらに、
国等の補助も含めて、相談窓口を設置し情報提供する方法について検討
します。
ワーキンググループ
による
継続的な活動等支援
ワーキンググループによる市民主導、継続的な新エネルギー導入に関
する活動の支援を行います。
78
第4章
佐渡市地域新エネルギービジョン実現のために
4.1 新エネルギービジョンの推進
4.2 今後の方向性と推進体制
第 4 章 佐渡市地域新エネルギービジョン実現のために
第 4 章 佐渡市地域新エネルギービジョン実現のために
4.1 新エネルギービジョンの推進
平成 16 年 3 月 1 日、佐渡島の 10 市町村が合併し佐渡市が誕生しました。佐渡市総合計
画では「豊かな自然、薫り高い文化、活気あふれる新しい島づくり」を基本理念とし、
「自
然と共生するまちづくり」をその基本方針の一つとして掲げています。また、離島のため
エネルギー源のほとんどを島外からの化石燃料に頼っている現状から、エネルギーの安定
供給の確保が課題となっています。また、環境の面からも、これまで以上に地球温暖化対
策を進めていく必要があり、本市の新エネルギーの導入促進について、佐渡市全体のマス
タープラン作成のため「佐渡市地域新エネルギービジョン」を策定しました。
しかし、実際に新エネルギーの導入を進めるには、ビジョンを策定するだけでなく、行
政の率先的な導入や広報・啓発活動に加えて、市民・事業者・行政が一体となって導入に
向けて努力し取組んでいく必要があります。
そこで、市民・事業者・行政の各主体が、新エネルギー導入に自ら取組んでいかなけれ
ばならない役割を以下に示します。
■行政の役割
現在、本市においては新エネルギーが普及しているとは言えません。その理由として、
市内においては新エネルギーを実際に目にすることがあまりなく、その有効性や具体的
な活用方法、支援制度等を知る機会も少ないことがあげられます。また、市民へのアン
ケート結果では、佐渡市に期待する役割として「公共施設へ優先的に新エネルギーを導
入する」
「新エネルギー導入に対する助成・融資制度をつくる」が最も多い結果が出てい
ます。このため、行政は公共事業として率先して新エネルギーを導入し、市民の目に触
れる機会を創出するとともに、市民へ最新の情報を随時提供し、また支援策等を講ずる
必要があります。
また、本市においては公共施設によるエネルギー消費が佐渡市全体の 6.7%を占めて
おり、行政活動において自ら新エネルギー導入に取組むことで、地球温暖化と資源の枯
渇問題を抑制し、市民に健全な環境を提供し保全する義務があります。
よって、行政が率先し新エネルギー導入に取組み、公共的な環境保全策として事業を
実施するとともに、市民・事業者へ新エネルギーに関する情報を提供し、その導入を推
進する制度を創出し普及に努めていきます。
① 公共施設等への率先的導入
‹ 公共施設の新設や改築の際に新エネルギーの導入に努め、既存の公共施設についても
計画的な導入を推進します。
‹ 長期計画に基づく計画的な導入を行います。
‹ 市の取組む事業においては新エネルギーの導入及び活用方策を優先的に検討します。
‹ 新エネルギーの導入とともに、公共施設等の省エネルギーを推進します。
79
第 4 章 佐渡市地域新エネルギービジョン実現のために
② 市民や事業者への新エネルギー・省エネルギーに関する推進と支援
‹ 市民や事業者に新エネルギーへの理解が深まるよう情報発信に努めるとともに、あわ
せて省エネルギーの推進を呼びかけます。
‹ 学校教育や社会教育の現場で環境・エネルギーに関する教育を実施し、新エネルギー
の必要性を啓発します。
‹ 市民・事業者が新エネルギーの導入に取組みやすい基盤整備の強化をします。
③ 地域活性化のための新エネルギーの導入
‹ 基幹産業である第一次産業などの特徴を生かし、様々な新エネルギーの利用による地
域課題の解決と地域振興へ役立てます。
‹ 市全体がひとつの島であることを活かし、島内各地で取組まれる新エネルギー利用を
島内外に発信し観光振興に役立てます。
④ 国・県・周辺自治体への働きかけ
‹ 公共施設等への新エネルギーの導入が推進されるよう国・県へ支援を要請します。
‹ 新エネルギーの利用に関する技術開発の促進を国・県へ要請します。
‹ 本土側の自治体や同様の地理的特徴を持った島嶼地域との協力、交流を促進し、ひと
つの島である本市に即した新エネルギーの導入に役立てます。
■市民や事業所の役割
平成 9 年 9 月、
「新エネルギー利用等の促進に関する基本方針」、
「エネルギーを使用す
るものとして国民が果たす役割」、「エネルギーを使用するものとして事業者が果たす役
割」が閣議決定され、国民や事業者が自ら新エネルギーの導入に取組むことの重要性が
示されました。
そこで、次世代へ快適な環境を引き継いでいくために本市においても、市民や事業者
が日常生活や事業活動の中で、新エネルギーの導入や省エネルギーの実践を自らの役割
として取組んでいくことが期待されています。
① 家庭や事業所への導入
‹ 家庭や事業所へ新エネルギーの導入
‹ 自家用車・営業車の購入・更新時にクリーンエネルギー自動車の優先的な導入
‹ 事業所などから排出される未利用エネルギー資源の有効利用
② 家庭や事業所における新エネルギーに関する普及・啓発
‹ 家庭や事業所での新エネルギーに関する情報の共有化
‹ 新エネルギー導入に関する各種セミナー等へ積極的に参加
80
第 4 章 佐渡市地域新エネルギービジョン実現のために
③ 新エネルギー導入に関する活動
‹ 新エネルギーを理解し、普及するためのシステムの共同設置
‹ 地域での取組み、市民団体、NPO 活動を通じて新エネルギーの導入を促進
‹ 各種団体活動を通して話題提供や共通理解
‹ 行政に対する新エネルギーによる事業や施策の提言
‹ 新エネルギー導入に関する支援策等について行政に要望
4.2 今後の方向性と推進体制
(1) 方向性
佐渡市において新エネルギーの導入を進め、地球環境問題、エネルギー問題へ対応す
るため、以下のような取組みを実践します。
①新エネルギー導入のモデル的なもの及び導入が比較的容易なものから着実に実施
します。
②「普及・啓発策」などのソフト的な対応を遂行します。
③すぐに導入ができないものは事業化可能性調査(フィージビリティ・スタディ;
FS)や実証試験の実施を検討します。
④導入の可能性が低いものは継続的な情報収集と調査・研究に努めます。
⑤新エネルギーの導入の促進とともに省エネルギーの推進の具体的検討を行います。
(2) 推進体制
新エネルギーが広く普及していくためには、市民・事業者と行政が一体となった取組
みが必要です。さらに、国、県、周辺自治体等との協力・連携関係を構築し、具体的な
検討を進めていくことが新エネルギーの導入を実効あるものとします。
そこで、新エネルギーの導入促進に向けての行動を起こすための中核となる組織とし
て、佐渡市(担当部署)が中心となり公募市民、事業者、地域団体、市民団体の代表か
らなる「自然エネルギー導入推進協議会(仮称)
」を設置します。
そして、この協議会が中心となって、新エネルギー導入に際しての市民・事業者・行
政の各々の情報・意見の交換、各推進状況のチェック・サポートおよび各種問題点に関
する検討等に当たります。
この協議会は、新潟県地球温暖化防止活動推進センター等との連携のもと、新エネル
ギー導入を実施する際に、市民・事業者・行政による連携体制の中心となり具体的な行
動を起こす実践グループとしての位置付けとし、新エネルギー導入の拡大を図ります。
今後、この協議会が中心となり図 4.2-1 に示す新エネルギー導入に係る推進体制を構
築し、新エネルギー導入に努めます。
81
第 4 章 佐渡市地域新エネルギービジョン実現のために
国・県・NEDO・NEF 等
周辺自治体・
情報・助成・アドバイス
島嶼地域
学識経験者
佐渡市環境基本計画
情報・協力
佐渡市地域新エネルギービジョン
情報・アドバイス
佐渡市(担当部署)
自然エネルギー導入推進協議会(仮称)
市民代表
止活動推進センター
事業者代表
情報・意見・提言・技術開発
情報・意見・提言
地域団体
住民団体・NPO 等
住
新潟県地球温暖化防
事
民
図 4.2-1 新エネルギー導入に係る推進体制
82
業
者
資 料
資料 - 1
エネルギー情勢と地球環境問題
資料 - 2
佐渡市の地域概況
資料 - 3
アンケートによる住民意識調査結果
資料 - 4
エネルギー需要量推計について
資料 - 5
新エネルギー賦存量推計について
資料 ‒ 6
新エネルギー導入プロジェクトにおける補足
資料 ‒ 7
住民ワークショップ開催結果
資料 ‒ 8
新エネルギー技術
資料 ‒ 9
新エネルギーの導入事例
資料 -10
新エネルギー導入等に関する助成制度
資料 -11
用語解説
資料 -12
委員名簿及びビジョン策定の経過
資料-1 エネルギー情勢と地球環境問題
資料-1 エネルギー情勢と地球環境問題
1 世界とわが国のエネルギー情勢
世界のエネルギー消費動向は、年々増加傾向にあり、特に、アジア地域の開発途
上国の伸びは著しいものがあります。
一方、わが国のエネルギー消費量も大きな伸長をみせ、現在世界第 4 位のエネル
ギー消費大国で、最近では民生と運輸部門の消費量の増加が顕著となっています。
エネルギー自給率は約 18%と先進国のなかでは最も割合が低くエネルギー・セキ
ュリティ上問題です。ただ、一次エネルギー供給に占める石油の割合は年々減少し、
エネルギー源の多様化が進んでいますが、全エネルギー供給に対する新エネルギー
の導入割合は未だ 1%程度に過ぎません。
1975 年以降の世界のエネルギー消費動向は、年々増加しており、特に近年では中
国などの途上国の経済成長によるアジア地域の消費の伸びが大きくなっています
エネルギー消費(石油換算百万t)
(資-図 1-1)。
10,000
9,000
7,832
8,000
6,485
7,000
6,000
8,309
9,043
オセアニア
9,291
アジア
6,972
中東
5,516
アフリカ
5,000
3,000
欧州非
OECD
欧州OECD
2,000
中南米
4,000
1,000
北米
0
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2002
年
【資料:2005 エネルギー・経済統計要覧(財団法人省エネルギーセンター)】
資-図 1-1 世界の一次エネルギー消費
わが国は、現在世界第 4 位のエネルギー消費大国で、エネルギー消費の動向は、
石油危機の影響が大きい 1973 年から 1986 年を除いて、ゆるやかな伸びを見せてい
ます(資-図 1-2)。
資-1
資料-1 エネルギー情勢と地球環境問題
最終エネルギー消費
15
(10 J)
18,000
最終エネルギー消費
16,000
14,000
2003年度
15,572
12,000
10,000
第一次
石油危機
8,000
6,000
第二次
石油危機
4,000
2,000
0
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
年度
【資料:総合エネルギー統計平成 16 年度版(資源エネルギー庁長官官房総合政策課)
】
資-図 1-2 国内の最終エネルギー消費
わが国のエネルギー消費の内訳は、1973 年の第一次石油危機以前は製造業を中心
とした産業が占めていたのに対して、危機以後は産業界の省エネ化の努力により産
業部門の占める割合が減少し、かわりに民生と運輸部門の割合が増しています(資図 1-3)。
15
最終エネルギー消費
(10 J)
18,000
運輸部門
16,000
14,000
12,000
民生部門
10,000
8,000
6,000
産業部門
4,000
2,000
0
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
年度
【資料:2005 エネルギー・経済統計要覧(財団法人省エネルギーセンター)】
資-図 1-3
部門別最終エネルギー消費の推移
わが国のエネルギー自給率は 18%(2000 年度)と主要先進国中では最も割合が低く、
エネルギー供給構造が脆弱であり、対策が急がれています (資-図 1-4)。
資-2
資料-1 エネルギー情勢と地球環境問題
15
国内エネルギー生産
(10 J)
輸入エネルギー
25,000
22,768
23,537
20,144
一次エネルギー供給
20,000
16,627
16,967
1980
1985
15,331
15,000
13,383
10,000
7,070
5,000
0
1965
1970
1975
1990
1995
2000 年度
【資料:総合エネルギー統計平成 14 年度版(資源エネルギー庁長官官房企画調査課編)】
資-図 1-4 一次エネルギー生産の自給割合と輸入割合
わが国の一次エネルギー供給における石油の割合は、石油危機以前には 8 割程度
を占めていますが、石油危機以降の省エネルギー政策の推進や石油代替エネルギー
の導入等により現在では約 5 割に減少しました。わが国のエネルギー源は、多様化
が進んでいるものの、依然として化石燃料の全エネルギー供給に対して占める割合
は高く、新エネルギーが占める割合は 1%と少ないのが現状です(資-図 1-5)。
15
100%
7,071
13,383
15,330 16,627 16,967 20,357
(単位:10 J)
22,768 23,385 22,535
新エネルギー他
80%
原子力
60%
水力
40%
ガス
20%
石油
石炭
0%
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2003
【資料:2005 エネルギー・経済統計要覧(財団法人省エネルギーセンター)】
資-図 1-5 種類別の一次エネルギー供給
資-3
資料-1 エネルギー情勢と地球環境問題
2 地球環境問題
地球環境問題の中でも地球温暖化の問題は、化石燃料の燃焼により発生する二酸
化炭素(CO2)濃度の増加が主要因で、わが国においても CO2 の排出量は増加傾向に
あります。CO2 の排出量がこのままの推移で増加すると、2100 年までに地球表面
の平均気温は 1990 年比で「1.4∼5.8 度上昇する」と予測されています。
地球温暖化防止京都会議(COP 3)では、先進国の温室効果ガス排出量について国
際的な取り決めによる数値目標が各国毎に設定され、これを受けて日本では、
2010 年までに 1990 年比で温室効果ガスの 6%を削減するという目標を掲げま
した。その後、モロッコ・マラケシュで開催されたCOP7、イタリア・ミラノで開
催された COP 9 において京都議定書の運用ルールがまとまり、2004 年 11 月に
ロシアが京都議定書を批准し、2005 年 2 月に議定書が発効しました。
地球環境問題とは、「人類の将来にとって大きな脅威となる地球的規模あるいは地
球的視野にたった環境問題」を指し、現在では地球温暖化、砂漠化・土地荒廃、オ
ゾン層破壊、生物多様性 (野生生物種) の減少、熱帯林の減少・森林破壊、海洋汚
染、有害廃棄物の越境移動、酸性雨等が問題となっています。
地球表面は、太陽から供給される熱で暖められる一方、地球からの熱の放出によ
って冷やされます。放出された熱の一部は、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素など
の気体によって吸収され、再び地表に放出されて地球表面は暖められ安定した気温
となっています。このような機能によって表面が暖められることを「温室効果」と
呼び、その機能を有する気体は「温室効果ガス」と言われています。
適度な温室効果
温室効果ガスが濃い場合
資-図 2-1 地球温暖化の仕組み
資-4
資料-1 エネルギー情勢と地球環境問題
地球温暖化の問題は、化石燃料の大量消費に伴う二酸化炭素(CO2)濃度の増加が主
要因とされており、わが国においても二酸化炭素の排出量は、増加傾向にあります
(資-図 2-2)。
二酸化炭素排出量(百万t-C)
350.0
340.0
324.5
総排出量(百万t-C)
330.0
320.0
315.3
310.0
316.9
311.7
313.6
314.8
318.0
310.0
292.8
300.0
311.3
296.4
303.4
290.0
280.0
291.1
287.1
270.0
260.0
250.0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 年度
【資料:2005 エネルギー・経済統計要覧(財団法人省エネルギーセンター)】
資-図 2-2 わが国のエネルギー起源 CO2 排出量の推移
2002 年末までの世界の年平均気温差データ(資-図 2-3)からも、地球の気温の上昇
は明らかであり、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第 3 次報告書によれば、
温室効果ガスの排出増大に起因する地球温暖化現象の結果、2100 年までに地球表面
年
平
均
地
上
気
温
の
平
年
差
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
-0.20
-0.40
-0.60
-0.80
-1.00
平均気温(世界)
移動平均(5年)
過去100年間で約0.7℃の上昇
【気象庁「気候変動監視レポート」資料より作成】
資-図 2-3 地球表面の平均気温の推移(1971∼2000 年の平均気温基準)
資-5
2000
1995
1990
1985
1980
1975
1970
1965
1960
1955
1950
1945
1940
1935
1930
1925
1920
1915
1910
1905
1900
1895
1890
1885
1880
の平均気温は 1990 年比で「1.4∼5.8 度上昇する」と予測しています。
年
資料-1 エネルギー情勢と地球環境問題
地球温暖化防止京都会議(COP 3)では、先進国の温室効果ガス排出量について国際
的な取決めによる数値目標が各国毎に設定されました(「京都議定書」と呼ばれる)。
これを受けて日本では、2008∼2012 年の平均の温室効果ガス排出量を 1990 年比で
温室効果ガスの 6%削減するという目標を達成するため、官民一体となった削減努
力が要求されています(資-表 2-1)。その後、数回に及ぶ気候変動に関する国際連
合枠組条約締約国会議(COP)の結果(資-図 2-4)、2001 年 10 月にモロッコ・マラケ
シュで開催された COP 7 において京都議定書がまとまりました。その一方で、議定
書は 2001 年 3 月に議定書からの離脱を表明した世界の二酸化炭素排出量の 25%を
占めるアメリカ合衆国や同じく離脱を表明したオーストラリアの問題、さらには温
室効果ガスの削減義務が課されない途上国の問題を抱えています。このため、2002
年 10 月には、発展途上国で初めて第 8 回締約国会議(COP 8)がインドのニューデ
リーで開催され、発展途上国にも二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減を初めて
促しました。2003 年 12 月にはイタリア・ミラノで第 9 回締約国会議(COP 9)が開か
れ、「マラケシュ合意」で積み残されていた森林吸収源 CDM(クリーン開発メカニズム)
実施の細則が決まり京都議定書の運用ルール案全てがまとまりました。COP10 は 2004 年
12 月 6 日にブエノスアイレスで開催され、発展途上国の温暖化被害に対する支援策に関
する「ブエノスアイレス行動計画」や京都議定書に定めていない 2013 年以降の国際制
度を含めて話し合うセミナー形式の国際会合を開催すること等を正式に決定しました。
なお、京都議定書は、ロシアが 2004 年 11 月に条約批准したため、2005 年 2 月 16 日に
発効しました。
京都議定書の発効要件
①
②
55 ヵ国以上の国が締結すること
締結した先進国の二酸化炭素排出量合計値が先進国全体の 55%以
上を占めていること
以上の 2 つの条件を満たしてから 90 日後に、京都議定書を批准した
国に対して発効します。
* 2004 年 11 月 16 日現在では、137 の国・地域が批准し、締結した先進国の
CO2 排出量の割合は 61.6%(2004 年 11 月のロシア批准により 55%以上と
なった)。
資-6
資料-1 エネルギー情勢と地球環境問題
第 3 回締約国会議
(COP3)京都
「京都議定書」採択
1997 年 12 月
第 4 回締約国会議
(COP4)ブエノスアイレス
「ブエノスアイレス行動計画」採択
1998 年 11 月
第 5 回締約国会議
(COP5)ボン
COP6 までの段取り確認
1999 年 10 月
第 8 回締約国会議
(COP8)ニューデリー
発展途上国へ温室効果ガス
の排出削減を促した
2002 年 10 月
第 7 回締約国会議
(COP7)マラケシュ
京都議定書の詳細ルール決定
「マラケシュ合意」
2001 年 10 月
第 6 回締約国会議再開会合
(COP6 PartⅡ)ボン
「ボン合意」が成立
2001 年 7 月
第 9 回締約国会議
(COP9)ミラノ
森林吸収源 CDM*実施の
細則がまとまる
2003 年 12 月
第 10 回締約国会議
(COP10)ブエノスアイレス
「ブエノスアイレス行動計画」、「ポス
ト議定書国際会合開催」決定
2004 年 12 月
*CDM:クリーン開発
メカニズム
京都議定書の発効!
2005 年 2 月 16 日
第 11 回締約国会議(COP11)及び第 1 回締約国会合(COP/MOP1)モントリオール
京都議定書運用ルール確定及び対話プロセス開始
2005 年 11∼12 月
資-図 2-4 京都議定書の合意まで及びその後の流れ
資-表 2-1 温室効果ガスの種類と排出削減対策
ガスの種類
人為的な発生源
主な対策
エネルギー起源(産業、民生、運輸部門などにおける燃
料の燃焼に伴うもの)が全体の9割以上を占め、温暖化
エネルギー利用効率の向上、
二酸化炭素 への影響が大きい。
新エネルギーの利用やライフ
(CO2)
○ 石油、石炭や天然ガスなどの化石燃料の燃焼
スタイルの見直し等
○ セメント製造時の石灰石使用
○ 大規模な森林伐採 等
稲作、家畜の腸内発酵などの農業部門から出るものが半
分を占め、廃棄物の埋立てからも 2∼3 割を占める。
メタン
飼料の改良、糞尿の処理方法
○ 家畜の反すう
(CH4)
の改善、埋立て量の削減等
○ 水田土壌、埋立廃棄物
○ 下水処理 等
燃料の燃焼に伴うものが半分以上を占めるが、工業プロ
セスや農業からの排出もある。
亜酸化窒素
○ 化石燃料の燃焼
高温燃焼、触媒の改良等
(N2O)
○ 窒素系肥料の施肥
○ 土地利用の変化(草木の焼失)等
ハイドロフルオロ エアゾール製品の噴射剤、カーエアコンや冷蔵庫の冷 回収、再利用、破壊の推進、
カーボン(HFC) 媒、断熱発泡剤などの使用
代替物質、技術への転換等
半導体等製造用や電子部品など不活性液体などとして使
パーフルオロカーボン
製造プロセスでの回収等や、
用
(PFC)
代替物質、技術への転換等
○ 半導体のエッチング、半導体製品の洗浄剤 等
変電設備に封入される電気絶縁ガスや半導体等製造用な (絶縁ガス)機器点検時、破
六フッ化硫黄
どとして使用
棄時の回収等や代替物質、技
(SF6)
○ 電気絶縁ガス、半導体のエッチングガス 等
術への転換等
資-7
資料-2 佐渡市の地域概況
資料-2 佐渡市の地域概況
1 佐渡市の概要と位置
佐渡島は、日本海の中央にある国内最大の島であり、佐渡海峡を挟み、新潟港(新
潟市)から 67km、直江津港(上越市)から 78km、寺泊港(長岡市)から 46km の海上
に位置しています。
平成 16 年には、両津市、相川町、佐和田町、金井町、新穂村、畑野町、真野町、
小木町、羽茂町及び赤泊村の 1 市 7 町 2 村が合併し、佐渡島全体が佐渡市となりまし
た。佐渡市の東西南北端は資-表 1-1 に示すとおりとなっています。
佐渡市
新潟県
資-図 1-1 佐渡市位置図
資-表 1-1 佐渡市の位置
方
位
地 名
東
経
方
位
地
名
北
緯
極東
佐渡市弁天崎
138°34′28″
極南
佐渡市新谷岬
37°48′09″
極西
佐渡市沢崎鼻
138°12′11″
極北
佐渡市二ツ亀島
38°20′18″
【資料:新潟県統計年鑑 2004】
注)平成 15 年 4 月1日現在。経緯度数値は世界測地系による。
2 自然環境
2.1 地勢等
佐渡市の総面積は約 855km2 であり、277km の海岸線を有しています。
北に大佐渡山地、南に小佐渡丘陵が縦走し、中央の国中平野には、島内で流域面積
最大の国府川が流れ穀倉地帯を形成しています。
気候は海洋性の特性を有し、四季の変化に富み、夏は高温多湿ですが、冬は対馬暖
流の影響を強く受けているため、比較的温暖で降雪量も少なく、平均年間降水量も全
国平均や県内都市と比較すると少なくなっています。
資-8
資料-2 佐渡市の地域概況
資-図 2.1-1 佐渡市の地形図
資-9
資料-2 佐渡市の地域概況
2.2 気
象
佐渡の気候は、海洋性で変化に富んでいます。夏は高温多湿、冬は日本海を北上す
る対馬暖流の影響を受け雪はあまり降りません。
相川測候所の過去 30 年間の気象観測データ(資-表 2.2-1)によると佐渡市は、年
平均気温は 13.6℃であり、月平均気温でみると、夏季の 8 月に 25.7℃と最も高く、
冬期の 2 月でも 3.4℃となっています。また、本土の新潟市と比較すると、資-図 2.2-2
に示すとおり冬は暖かく夏は涼しい気候となっています。
月降水量は 11 月に 155.6mm
と最も多く、寒候期の 3 月に 91.8mm と最も少なくなっています。
月平均風速は、
年間を通じて 2.7m/s から 8.3m/s の範囲にあり、
年平均風速は 5.0m/s
となっています。佐渡市では後述するように山間部、特に大佐渡地域においては、平
野部に比べて強い風が吹いています。
年間の日照時間は 1,661.2 時間となっており、また、月間の日照時間は、暖候期に
あたる 5 月と 8 月に各々202.8 時間、214.7 時間と長く、寒候期にあたる 1 月、12 月
に各々51.9 時間、56.7 時間と短くなっています。
なお、佐渡市における過去約 45 年間の平均気温の推移を見てみると、上昇傾向に
ありますが(資-図 2.2-5)、これが温暖化の影響によるものかはわかっていません。
資-表 2.2-1 佐渡市における気象状況
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10 月 11 月 12 月
年間
合計
年間
平均
平均気温
3.6
3.4
5.8
11
15 19.3 23.3 25.7 21.7 16.5 11.3
6.9
13.6
(℃)
最高気温
6.3
5.8
8.7 14.5 19.1 22.5 26.9
29 25.3 19.8 14.5
9.6
16.8
(℃)
最低気温
0.9
0.3
2.4
6.9 10.7 16.2 20.6 22.3 18.4 12.9
7.5
3.9
10.3
(℃)
平均風速
8.3
6.8
6.3
4.3
3.3
3.1
2.7
3.1
3.6
4.8
6.5
7.4
5.0
(m/s)
日照時間
51.9 71.3 136.8
182 202.8 168.4 177.1 214.7 152.2 151.4
96 56.7 1,661.2 138.4
(h/月)
降水量
125.6 101.4 91.8 95.5 107.3 133.2 154.2 132.3 145.9 122.8 155.6 148.5 1,514.1 126.2
(mm)
降雪の深さ
64
58
16
0
0
0
0
0
0
0
1
18
159
13.1
合計(cm)
積雪の深さ
15
15
5
0
0
0
0
0
0
0
0
6
21
3.4
最大(cm)
【資料:気象庁ホームページ(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)電子閲覧室】
注)気象庁新潟地方気象台相川測候所における 1971 年∼2000 年の平年値(平均風速のみ 1971∼2000 年の
平年値)
資-10
資料-2 佐渡市の地域概況
気温(℃)
降水量(mm)
35
200
30
150
25
20
100
15
10
50
5
0
0
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
降水量(mm)
最高気温(℃)
平均気温(℃)
最低気温(℃)
【資料:気象庁ホームページ(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)電子閲覧室】
注)気象庁新潟地方気象台相川測候所における 1971 年∼2000 年の平年値
資-図 2.2-1 佐渡市における気温及び降水量(1971 年∼2000 年平年値)
(℃)
30
新潟(新潟地方気象台)
佐渡(相川測候所)
東京(東京管区気象台)
25
20
15
10
5
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
【資料:気象庁ホームページ(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)電子閲覧室】
注)気象庁新潟地方気象台相川測候所における 1971∼2000 年の平年値
資-図 2.2-2 佐渡市と新潟市、東京との気温の比較(1971 年∼2000 年平年値)
平均風速
(m/s)
10
8
6
4
2
0
1月
2月
3月
4月
5月 6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月
【資料:気象庁ホームページ(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)電子閲覧室】
注)気象庁新潟地方気象台相川測候所における 1971∼2000 年の平年値
資-図 2.2-3 佐渡市における月平均風速(1971 年∼2000 年平年値)
資-11
資料-2 佐渡市の地域概況
日照時間
(h/月)
250
200
150
100
50
0
1月 2月
3月 4月
5月 6月
7月 8月
9月 10月 11月 12月
【資料:気象庁ホームページ(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)電子閲覧室】
注)気象庁新潟地方気象台相川測候所における 1971∼2000 年の平年値
資-図 2.2-4 佐渡市における日照時間(1971 年∼2000 年平年値)
(℃)
15
14
13
12
1960年
1965年
1970年
1975年
1980年
1985年
1990年
1995年
2000年
【資料:気象庁ホームページ(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)電子閲覧室】
注)気象庁新潟地方気象台相川測候所における毎年の値
資-図 2.2-5 佐渡市における平均気温の推移(1961 年∼2005 年)
資-12
2005年
資料-2 佐渡市の地域概況
3 社会環境
3.1 土地利用
資-図 3.1-1 に地目別土地利用面積と構成比を示します。土地利用面積は、山林が
最も広く 37,152.9ha と全体の 43.5%を占め、ついで雑種地その他 31,682.6ha で全
体の 37.1%となっています。以下、
面積の広い順に田 10,297.5ha で 12.8%、
畑 2,778.8
ha で 3.3%、宅地 1,774.7ha で 2.1%となっています。山林と雑種地その他の合計で
は全体の約 8 割の面積となり、緑の多いことがわかります。
なお、地目別土地利用面積では山林の占める割合は 43.5%(課税対象外の面積は
含まれていない)となっていますが、後述する「3.7 林業」で示しましたように林野
面積では市内面積の 74%に上り、森林資源の豊富なことが窺えます。
資-表 3.1-1 地目別土地利用面積と構成比(平成 16 年 1 月 1 日現在)
区 分
田
畑
宅 地
面 積
ha
10,297.5
2,778.8
1,774.7
構成比
%
12.0
3.3
2.1
池 沼
山 林
原 野
59.0 37,152.9
0.1
田
12.0%
43.5
畑
3.3%
宅地
2.1%
池沼
0.1%
山林
43.5%
原野
2.0%
資-図 3.1-1 地目別土地利用面積と構成比
資-13
合 計
1,752.5 31,682.6 85,498.0
2.0
【資料:新潟県統計年鑑 2004(新潟県市町村課「固定資産の価格等の概要調書」)】
雑種地そ
の他
37.1%
雑種地
その他
37.1
100.0
資料-2 佐渡市の地域概況
3.2 人口・世帯数
佐渡市の人口は、昭和 55 年には 84,942 人でしたが、緩やかな減少傾向にあり、平
成 15 年に 70,015 人になりました。しかし、世帯数は、ほぼ横ばいで平成 7 年には
24,893 世帯でしたが平成 15 年には 25,425 世帯になっています。また、新市建設計
画によると、将来人口の推計は現在の減少傾向がそのまま進むとの予測がなされてい
ます(資-図 3.2-1)
。
年齢階層別の人口は、65 歳以上の老年人口が全体の 32.1%、15 歳未満の年少人口
の約 3 倍と高齢化が進んでいるといえます。ただし、生産年齢人口は、全体の 54.8%
と 2 分の 1 以上となっております(資-図 3.2-2 及び資-図 3.2-3)
。
資-表 3.2-1 人口及び世帯数の推移
人口(人)
総数
増加率(%)
世帯数
(戸)
世帯当たり人数
(人/世帯)
男
女
昭和 55 年
40,151
44,791
84,942
-2.9
−
−
昭和 60 年
38,663
43,276
81,939
-3.5
−
−
平成 2 年
36,737
41,324
78,061
-4.7
−
−
平成 7 年
35,460
39,489
74,949
-4.0
24,893
3.0
平成 12 年
34,488
37,685
72,173
-3.7
25,418
2.8
平成 15 年
33,381
36,634
70,015
-3.0
25,425
2.8
【資料:国勢調査、平成 15 年は住民基本台帳(平成 16 年 3 月 31 日現在)
】
(千人)
140
113
103
120
100
80
60
40
20
0
S35
S40
93
S45
88
S50
85
S55
82
S60
78
H2
75
H7
72
70
69
H12
H16
H17
62 55
H27
H37 (年)
【資料:国勢調査。平成 15 年は住民基本台帳(平成 16 年 3 月 31 日現在)
。平成 17 年以降の将来推計人口
は新市建設計画。】
資-図 3.2-1 人口の推移
資-14
資料-2 佐渡市の地域概況
年少人口
13.1%
老年人口
32.1%
生産年齢
人口
54.8%
資-図 3.2-2 階層別人口(%)
【資料:佐渡市ホームページ
平成 17 年 4 月 1 日現在
資-図 3.2-3 年齢別男女別人口
資-15
推計人口】
資料-2 佐渡市の地域概況
3.3 産
業
国勢調査によると、佐渡市における平成 12 年の産業別就業者数の総数は 39,428 人
で、第 1 次産業は全体の 22.3%、第 2 次産業が 25.1%、第 3 次産業が 52.5%となっ
ており、第 3 次産業への従業者が最も多いことがわかります。第 3 次産業のうちサー
ビス業が 24.3%と大きな割合を占めており、ついで、卸売・小売業、飲食店が多く
なっています。
(資-表 3.3-1 及び資図 3.3-1)
また、経年変化を見ると第 2 次及び第 3 次産業は大きな変化はありませんが、第 1
次産業の就業者数が年々減少しています。
(資-図 3.3-2)
資-表 3.3-1 産業別就業者数(平成 12 年)
項
目
第 1 次産業
農業
林業
漁業
第 2 次産業
鉱業
建設業
製造業
第 3 次産業
電気・ガス・熱供給・水道業
運輸・通信業
卸売・小売業、飲食店
金融・保険業
不動産業
サービス業
公務(他に分類されないもの)
分類不能の産業
合
従業者数
(人)
8,803
7,894
56
853
9,911
143
5,592
4,176
20,696
274
1,808
6,509
545
56
9,590
1,914
18
構成比
(%)
22.3
20.0
0.1
2.2
25.1
0.4
14.2
10.6
52.5
0.7
4.6
16.5
1.4
0.1
24.3
4.9
0.0
39,428
100.0
計
公務
(他に
分類さ
れない
もの)
4.9%
サービス
業
24.3%
分類
不能の
産業
0.0%
50,000
48,660
45,803
43,740
42,546
建設業
14.2%
金 融・
保険業
1.4%
卸 売・
小売業,
飲食店
16.5%
運 輸・
通信業
4.6%
製造業
10.6%
【資料:平成 12 年国勢調査】
39,410
3次産業
2次産業
1次産業
30,000
20,000
10,000
0
平成7年 平成12年
資-図 3.3-2 産業別就業者数の経年変化
資-16
電 気・
ガ ス・
熱供給・
水道業
0.7%
資-図 3.3-1 産業別従業者数
【資料:国勢調査】
漁業
2.2%
鉱業
0.4%
40,000
昭和55年 昭和60年 平成2年
林業
0.1%
不動産
業
0.1%
【資料:平成 12 年国勢調査】
(人)
60,000
農業
20.0%
(年)
資料-2 佐渡市の地域概況
3.4 工
業
工業統計調査によると、製造業の従業者数は、平成 10 年の 3,816 人から経年的に
減少し平成 14 年には 3,140 人となっています。また、製造品出荷額は、平成 10 年に
は約 561 億円であったものが平成 14 年までに約 404 億円と約 30%減少しました。
製造品出荷額等
6,000,000
5,610,665
5,565,240
5,500,000
5,270,974
従業者数(人)
4,000
4,911,937
5,000,000
3,816
3,500
3,668
4,500,000
3,645
4,043,583
3,409
4,000,000
3,000
3,140
3,500,000
2,500
製造品出荷額(万円/年)
4,500
従業者数
3,000,000
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年
平成14年
【資料:総務省統計局「工業統計調査」】
資-図 3.4-1 工業従業者数と製品出荷額の推移
3.5 商
業
商業統計調査によると、商業の従業者数は、平成 11 年の 6,216 人から平成 16 年の
5,454 人と経年的に減少しています。また、同様に、年間商品販売額も、平成 11 年
の約 1,374 億円から平成 16 年の約 1,165 億円に減少しています。
年間商品販売額
6,216
137,423
140,000
5,816
5,500
5,454
130,000
123,509
5,000
116,568
120,000
年間商品販売額(百万円)
従業者数(人)
6,000
従業者数
150,000
6,500
110,000
4,500
平成11年
平成14年
平成16年
【資料:商業統計調査】
資-図 3.5-1 商業従業者数と年間商品販売額の推移
資-17
資料-2 佐渡市の地域概況
3.6 農
業
佐渡市では稲作が盛んであるため、農作物で収穫量の多いのは「稲」で、年間に約
35,800tとなっています。他の農産物も果物や大豆、いも類、野菜類なども収穫量が
多く、農業が盛んです。
資-表 3.6-1 佐渡市の主な農作物の収穫量
(単位:t)
項
目
収穫量
稲
項
35,800
目
収穫量
根菜類
2,751
麦類
2
だいこん
2,080
豆類
564
にんじん
102
大豆
489
小豆
75
いも類
たまねぎ
2,870
かんしょ
ばれいしょ
569
果樹
8,933
りんご
261
462
日本なし
151
2,350
さといも
そば
西洋なし
47
58
もも
31
81
うめ
117
1,458
かき
8,270
はくさい
410
くり
5
キャベツ
566
キウイフルーツ
野菜類
ほうれんそう
56
レタス
11
ねぎ
飼料作物
51
7,666
415
果菜類
1,372
きゅうり
389
なす
403
トマト
536
ピーマン
44
【資料:農林水産省「平成 14 年(産)作物統計調査」
「平成 14 年工芸農作物調査」
「平成 14 年産野菜生産
出荷統計」「平成 14 年産果樹生産出荷統計」
】
果樹
14.5%
飼料作物
12.5%
根菜類
4.5%
果菜類
2.2%
野菜類
2.4%
そば
0.1%
稲
68.1%
いも類
4.7%
図 3.6-1
豆類
0.9%
麦類
0.0%
佐渡市の主な農作物の収穫量
資-18
資料-2 佐渡市の地域概況
3.7 林
業
佐渡市は、資-図 3.7-1 のとおり林野面積が市全体の面積の 74%にのぼり、そのう
ち民有林が 96.2%、国有林は 3.8%(資-表 3.7-1 参照)となっています。
また、樹林地面積において、人工林が 24%であるのに対し、天然林は 76%を占め
ており、豊かな自然が残されていることがわかります。
林野
率
74%
【資料:
「2000 年世界農林業センサス(林業
編)」(農林水産省)より作成】
※林野率=林野面積÷総面積により求めた。
資-図 3.7-1 佐渡市の林野率
資-表 3.7-1 佐渡市の林野面積
国有林
林野庁
その他官庁
民有林
緑資源公団
公有林
私有林
合計
(ha)
2,373
1,859
514
60,607
1,827
10,340
48,440
62,980
(%)
3.8
3.0
0.8
96.2
2.9
16.4
76.9
100.0
【資料:「2000 年世界農林業センサス(林業編)」(農林水産省)】
人工林
24%
(13,777,ha)
天然林
76%
(44,751ha)
【資料:「2000 年世界農林業センサス(林業編)
」(農林水産省)】
資-図 3.7-2 佐渡市の人工林と天然林の内訳
佐渡市内の林齢別の人工林の様子は参-図 3.7-3 のとおりです。間伐の対象となる 5
∼7 齢級の面積は、合計で全体の 31%を占めています。
資-19
資料-2 佐渡市の地域概況
(ha)
1,800
1,600
1,510
1,472
1,400
1,577
民有林
国有林
1,414
1,260
1,137
1,095
1,200
1,000
800
400
200
0
645
621
600
285
211
5
1
595
435
394
4
0
2
3
3
4
5
5
8
6
39
7
47
8
齢級
50
9
368
176
10
11
11
12
265
108
13
32
14
52
15
以上
【資料:「新潟県森林簿」新潟県佐渡地域振興局 農林水産振興部
「佐渡国有林の地域別の森林計画書(佐渡森林計画区)
」
(計画期間自平成 16 年 4 月 1 日至平成 26 年
3 月 31 日)関東森林管理局】
参-図 3.7-3 佐渡市森林の齢級別面積(人工林)
佐渡市の森林における二酸化炭素の吸収量は、民有林及び国有林の合計で約 24 万
t-CO2 となります。種別毎では、面積の多い民有林での吸収量が多くなっています。た
だし、森林がこの二酸化炭素の吸収効果を発揮するには、適切な森林の保全・管理が
なされていくことが必要です。
参-表 3.7-2 佐渡市の森林における二酸化炭素吸収量
二酸化炭素
吸収量
(t-CO2)注 2
育成林
13,219
23,397
85,790
民有林
天然生林
43,577
39,219
143,805
合 計
56,796
229,595
育成林
1,041
1.77
1,843
6,756
国有林
天然生林
729
0.9
656
2,406
合 計
1,770
9,162
合
計
58,566
238,757
注)1.「平成14年度三重県型CO2排出量取引制度提案事業報告書」(平成15年3月、三重県)より
2.t-Cからt-CO2への換算係数44/12を乗じた値。
種
別
1ha 当りの
炭素吸収量
(t-C/ha)注 1
1.77
0.9
面積(ha)
炭素吸収量
(t-C)
(t-CO2 )
160,000
143,805
140,000
120,000
100,000
85,790
80,000
60,000
40,000
20,000
6,756
2,406
0
育成林
天然生林
民有林
育成林
天然生林
国有林
【資料:「新潟県森林簿」新潟県佐渡地域振興局 農林水産振興部
「佐渡国有林の地域別の森林計画書(佐渡森林計画区)
」
(計画期間自平成 16 年 4 月 1 日至平成 26 年
3 月 31 日)関東森林管理局】
参-図 3.7-4 佐渡市森林の二酸化炭素吸収量
資-20
資料-2 佐渡市の地域概況
3.8 畜産業
市内には、牛の飼育が古くから行なわれており、現在は肉用牛の飼育が多く、飼養
頭数は約 1,000 頭近く、また、乳用牛が 628 頭となっています。その他、養豚は 1 戸、
養鶏は 2 戸の農家で営まれています。
資-表 3.8-1 佐渡市の畜産農家数及び飼養頭羽数
飼養戸数
飼養頭(羽)数
(戸)
(頭、羽)
乳用牛
28
628
肉用牛
126
965
豚
1
x
採卵鶏
2
x
...
...
ブロイラー
【資料:農林水産省「畜産基本・予察調査・鶏ひなふ化羽数調査(平成 15 年2月1日現在)
」、
「畜
産物流統計調査(平成 15 年2月1日現在)
」】
注)「…」事実不詳又は調査を欠くもの、「x」秘密保護上統計数値を公表しないもの
3.9 漁
業
佐渡市は、海に囲まれており、昔から漁業が営まれてきました。資-表 3.9-1 から、
いか類の漁獲が特に多く、その他あじ類、ぶり類、貝類が多くなっています。また、
養殖業においては、加茂湖での養殖が盛んなかき類が最も多くなっています。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
資-表 3.9-1 佐渡市の主な魚種別漁獲量(海面漁業)
魚
種
漁獲量(t)
魚
種
漁獲量(t)
い か 類
1,709
11 た こ 類
207
あ じ 類
976
12 とびうお類
178
ぶ り 類
789
13 た い 類
138
貝
類
716
14 ふ ぐ 類
127
か に 類
589
15 な ま こ 類
104
ほ っ け
332
16 か つ お 類
86
た ら 類
296
17 さ ば 類
76
海 藻 類
270
18 ま ぐ ろ 類
64
かれい類
268
19 は た は た
59
え び 類
253
20 し い ら 類
47
【資料:
「平成 15 年新潟県漁業の動き 付、新潟農林水産統計年報(水産編)」
(平成 17 年 3 月
局新潟統計・情報センター)】
北陸農政
資-表 3.9-2 佐渡市の主な魚種別収穫量(海面養殖業)
魚
種
収穫量(t)
1
かき類(むき身(換算))
368
2
わかめ類
157
3
ひらめ
5
【資料:
「平成 15 年新潟県漁業の動き 付、新潟農林水産統計年報(水産編)」
(平成 17 年 3 月
局新潟統計・情報センター)】
資-21
北陸農政
資料-2 佐渡市の地域概況
3.10 交
通
佐渡市における自動車保有台数を資-表 3.10-1 に示します。本市では年々自動車保
有台数が増加し、平成 12 年に 56,985 台であったものが平成 16 年には 1.2%増の
57,730 台となっています。
平成 16 年度の車種構成別台数をみると、
軽自動車が 32,800
台と最も多く、全体の約 57%を占めています。
資-表 3.10-1 佐渡市における自動車保有台数
(単位:台)
登
年度
総
貨
数
計
普通車
物
録
用
自
動
乗合用
小型車及び (普通車及び
被けん引車
車
小型車)
乗
小型
用
特殊車
普通車
二輪車
軽自動車
小型車
平成 12 年度 56,985 26,181
1,967
4,326
390
3,365
14,789
1,344
702
30,102
平成 13 年度 57,258 25,812
1,951
4,099
385
3,665
14,355
1,357
703
30,743
平成 14 年度 57,457 25,247
1,907
3,908
372
3,851
13,865
1,344
708
31,502
平成 15 年度 57,552 24,714
1,881
3,705
366
4,032
13,405
1,325
707
32,131
平成 16 年度 57,730 24,219
1,862
3,594
348
4,185
12,905
1,325
711
32,800
【資料:「新潟県統計年鑑 2004」】
58 000
自動車保有台数(台)
57 800
57 600
57 400
57 200
57 000
56 800
56 600
56 400
平成12年度
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
【資料:「新潟県統計年鑑 2004」
】
資-図 3.10-1 佐渡市における自動車保有台数の推移
資-22
資料-2 佐渡市の地域概況
3.11 観
光
佐渡市における観光客数の推移を資-図 3.11-1 に示します。本市への観光客総数は、
経年的に減少しており、平成 6 年の約 114 万人から平成 15 年には約 74 万人となって
います。
(千人)
1,200
1,137 1,088
1,013
1,000
950
912
906
853
828
779
736
H13
H14
H15 (年度)
800
600
冬
秋
夏
春
400
200
0
H6
H7
H8
H9
H10
H11
H12
【資料:新潟県統計年鑑 2004】
資-図 3.11-1 観光客数の推移
3.12 環
境
佐渡市における年間の廃棄物量は、平成 16 年度では可燃ごみが 21,750t、不燃ご
みが 808tとなっています。その他、資源ごみ等も含めて、1 人当りのごみの排出量
を求めると 0.37t/人年となり、新潟県全体における 1 人当りのごみの排出量 0.43t/
人年よりも少なくなっています。
0.43
新潟県全体
0.37
佐渡市
0.00
0.10
0.20
0.30
0.40
0.50
(t/人・年)
【資料:
「佐渡市清掃事業の概要」
(佐渡市環境保健課廃棄物対策係)
、
「新潟県統計年鑑 2004」
】
資-図 3.12-1 1 人当りのごみの排出量
資-23
資料-2 佐渡市の地域概況
3.13 まちづくり
平成 16 年 3 月 1 日に 10 市町村の合併により誕生した佐渡市は、島全体が佐渡市と
いうひとつの市となりました。佐渡市総合計画基本構想には「豊かな自然、薫り高い
文化 活気あふれる新しい島づくり」という基本理念が示され、
「自然と共生するまち
づくり」をその基本方針の一つに掲げています。また、「環境の島・エコアイランド
構想」のもと「人とトキが共に生きる島づくりの実現」を目指し、トキの野生復帰へ
の試みを行ないながら、自然と人が共に生きる島づくりのために行政・市民・事業者
とその協働による様々な取り組みを行なうことを宣言しています。
さらに、平成 16 年には「環境基本条例」(平成 16 年)が制定され、
①環境の恵沢の享受と継承
②人と自然の共生
③環境への負荷の少ない循環を基調とする社会の構築
④地球環境の保全推進
の 4 つの基本理念のもと、佐渡市の環境に対する基本的な取組姿勢が示されました。
同条例に基づき、佐渡市の環境に関する様々な取組や施策を総合的かつ計画的に推
進するための「佐渡市環境基本計画」が、平成 17∼18 年度にかけて策定中となって
おり、この計画との整合性をもった新エネルギービジョンの策定が重要です。
・佐渡市総合計画(平成 17 年 9 月策定)
・佐渡市環境基本条例(平成 17 年 3 月制定)
・佐渡市環境基本計画(策定中:平成 17∼18 年度)
また、佐渡市では、以下の新エネルギー利用機器に対して助成を行っています。
資-表 3.13-1 佐渡市における新エネルギー利用機器への助成制度
対象設備
平成 16 年度導入実績
① 低公害車(電気自動車またはハイブリッド自動車)
② 住宅用太陽光発電設備
4台
4 件(出力合計 16.96kW)
③ 住宅用太陽熱高度利用設備
(給湯などに利用するソーラーシステム)
④ 小規模風力発電設備(一般家庭用)
−
−
資-24
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
資料-3
アンケートによる住民意識調査結果
1 新エネルギーに関する住民意識調査結果
1.1 主旨
市内において 9 月 17 日(土)にシンポジウム「森林バイオマスの島づくり」
(主催:
佐渡島木質バイオマスフォーラム、後援:佐渡市・新潟県佐渡地域振興局・NEDO・
(財)
鼓童文化財団)が行われ、この佐渡での自然エネルギー利用を考える機会を活用し、
参加者に対して、ビジョンの基本方針やプロジェクトの方向性、行政に対する期待、
市の助成制度の認知度等を調査し、住民の意見を取り入れていくことを目的としてア
ンケート調査を実施しました。
1.2 実施方法
・実施日:9 月 17 日(土)
・調査対象:シンポジウム「森林バイオマスの島づくり」への参加者
・調査方法:シンポジウム会場にて配布、回収。
・回収数:65
・調査(質問)内容:
① 現在のエネルギーの利用状況に関する質問 ・・・佐渡市でのエネルギーの利用
状況に関する不安や不満
等
② ビジョンの基本方針に関する質問 ・・・ ビジョンの基本方針、新エネルギーの
導入によって期待する効果、佐渡市で使っていったらよいと思う新エネルギー
の種別
等
③ 導入促進に関する質問 ・・・ プロジェクトの方向性、行政に対する期待、住民
としてできること、助成制度の認知度や制度利用への意向
資-25
等
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
1.3 アンケート調査結果
Q1. 佐渡市のエネルギー利用の現状について、不安や不満はありますか。
(該当するもの全てに○をつけてください。)
佐渡市のエネルギー利用の現状について、本土よりエネルギー単価が高いことを懸
念していることがわかります。また、災害時のエネルギー利用についてや、エネルギー
の原料の価格に変動に対して不安を抱いていることがわかります。
55
本土より燃料の単価が高い
26
今後、価格がどのように変動するのかが
わからず不安
28
6
特にない
1
-
10
20
30
40
50
60
回答数
(その他記述欄)
· 島内で自給できるようにしておかないと心配。重油やガソリン、灯油が入ってこな
い時を考えないと。
· 電気がなく、佐渡汽船が運航しなくなるのが、不安だ。
· 燃料が本土より 20 から 30%高い。(輸送費、流通量として高すぎる。
)計算してみ
てはいかが?
· 自然エネルギーを導入し易いように助成を広げてほしい。
· 災害だけでなく、今回のように石油高騰でも大きな影響が出る。ある程度エネルギ
ー自給できないと、必要量の確保自体が不安。価格は特に。でも都会よりは不安は
少ない。
· 石油依存しているので、将来、石油の高値安定などの場合、農業に大きなダメージ
となる。
· 化石燃料はやがてゼロになる。
· 化石燃料だけに頼らず、自然エネルギー、ゴミの再利用によるエネルギー化に取り
組む体制ができると良いと思う。
· 設備等に多少金はかかっても身近な所のある資源を利用したい。
· 近くに木がいっぱいあるのに、なぜそれを利用しようとしないのか。政治の後押し
がなぜない。
資-26
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
Q2. 現在、佐渡市はエネルギー源のほとんどを島の外に依存していますが、今後、佐渡市が
「自然エネルギー100%の島」をめざしていくとしたら、どう思いますか。
現在の佐渡のエネルギー源は本土に依存しているのを踏まえ、佐渡内での自然エネル
ギー利用を進めていくことを大きく望んでいることがわかります。
どちらかとい
えば、目指し
ていく必要は
ない
0.0%
目指すべきで
はない
0.0%
どちらかとい
えば、目指し
ていったほう
がよい
17.2%
積極的に目
指していくべ
き
82.8%
Q3. (Q2 で「積極的に目指していくべき」「どちらかといえば、目指していったほうがよい」と回答された方のみ)
「自然エネルギー100%の島」を目指していったほうがよいと回答した理由は何ですか。
(該当するもの全てに○をつけてください。)
「自然エネルギー100%の島」を目指していったほうが良いと回答した理由として、最
も多い回答は「廃棄物の有効利用による、循環型社会の構築」となっています。次いで、
「自然エネルギー導入による新たな産業や雇用の創出」を期待していることがわかりま
した。全体的に自然エネルギーに対して様々な効果を期待していることがうかがえます。
36
1.地球温暖化の対策になるから
2.エネルギー資源が枯渇すること
が心配だから
33
3.廃棄物を有効利用し、循環型社会
をつくるのに役に立つから
49
18
4.新たな観光資源となるから
5.地場産業の製品のイメージアップ
・ブランド化につながるから
16
40
6.新たな産業や雇用を生み出すから
7.空気や水など生活環境
が良くなると思うから
29
8.災害時などもエネルギーが
自給できれば安心だから
35
15
9.学校などでの環境教育に役立つから
0
10
資-27
20
30
40
50
60
回答数
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
Q4. 佐渡市で使っていったらよいと思う新エネルギーはどれだと思いますか。
(該当するもの全てに○をつけてください。)
41
太陽光発電
太陽熱利用
28
31
風力発電
木質バイオマス利用
63
19
廃食油の燃料化
バイオガス利用
27
18
中小水力発電
廃棄物発電・熱利用
30
温度差エネルギー
8
クリーンエネルギー自動車
26
燃料電池
(水素と酸素を反応させて発電)
12
海洋エネルギー
20
その他
2
0
10
20
30
40
50
60 回答数
(その他記述欄)
·
海洋エネルギーは費用が高くつきすぎる。
·
ヘンプオイル
·
省エネも。特に車1人1台は疑問。公共輸送システムを作る。一人しか乗っていな
い自家用車に通行税をかけるとか、相乗りシステムとか、なんとかできないものか。
·
自然エネルギーという表現には、同意しかねる。廃棄物も燃料電池もハイブリッド
も含めるから。再生可能エネルギーとか循環型、持続型というべき。
·
住宅の断熱の強化等も反対側からみると新エネルギーだと思う。
資-28
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
Q5. 新エネルギーの利用促進のために、どのようなプロジェクトを行なったらよいと思いますか。
(該当するもの全てに○をつけてください。)
新エネルギーの利用促進を行なうため、どのようなプロジェクトを行なっていけば良
いかの質問に対して、最も多い回答として「島内の廃棄物の有効活用」をプロジェクト
として進めるべきとわかります。また、「新エネルギーを利用していく際のモデルとな
る地域や施設の整備」、
「家庭でも利用できる自然エネルギーの導入」を期待しているこ
ともうかがえます。
新エネルギー利用のモデル
となる地域や施設の整備
40
トキなどの生息環境を保全
することに役立つもの
23
島内で出る廃棄物を有効活用
するもの
50
地域のシンボルづくり・
イメージアップにつながるもの
10
観光資源や地場産品の
付加価値向上につながるもの
15
新たな地域の産業や雇用
をつくりだすもの
29
家庭でも利用できる
エネルギーをつくるもの
39
災害時でも使える
エネルギー源の整備
22
普及啓発や環境学習に役立つもの
17
0
10
20
資-29
30
40
50
60
回答数
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
Q6. 新エネルギーの利用促進にあたって、佐渡市にはどのような役割を期待していますか。
(該当するもの全てに○をつけてください。)
新エネルギーの利用促進にあたり、佐渡市の担う役割として最も期待されていること
は、
「公共施設などに優先的に新エネルギーを導入する」ことであり、次いで、
「新エネ
ルギー導入に対しての助成や融資制度をつくる」が最も多い回答となっています。
公共施設へ優先的に
新エネルギーを導入する
50
新エネルギー導入に対する
助成・融資制度をつくる
42
新エネルギー利用機器
のモニター制度をつくる
28
普及啓発活動(講演会・展示会の
開催やパンフレットの作成など)
31
14
情報・相談窓口の整備
学校などでのエネルギー
教育の実施
31
2
その他
0
10
20
(その他記述欄)
·
公共施設への導入の具体例として、太陽光発電
·
自販機は、みなソーラーパネルで。
·
一般家庭で導入し易いような助成制度。
·
体験から、採算性の検討
資-30
30
40
50
60
回答数
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
Q7. 新エネルギーの利用促進のために、あなたがやってみたいと思うことは何ですか。
(該当するもの全てに○をつけてください。)
新エネルギーの利用促進のためにやってみたいと思うこととして、勉強会や講演会な
どへ参加するなど、市民が新エネルギー導入に対して高い関心があることがわかります。
勉強会や講演会へ参加する
49
34
自宅への新エネルギー利用機器の導入
お勤め先への新エネルギー利用機器の導入
12
地域での取り組みや、NPO・NGOなど
の市民による活動に参加する
29
8
新エネルギー利用機器の導入のための出資
その他
4
0
10
20
30
40
50
60
回答数
(その他記述欄)
·
都市ガス方式が構築できれば、利用したい。
·
外国の住宅は仕切りがないので、ストーブ、暖房などが利用できるが、日本はそこ
まで広くない。
·
森の手入れなどに参加したい。
·
すぐ簡単に出来るドラム缶炭焼き釜を普及させ、自分で、今すぐ利用できる形で広
げていく。→他のバイオマスなどのクリーンエネルギーに対する意識は広がってい
く。また、炭は、燃料の他様々な利用価値があり、ほとんどの人が感心をもてる。
·
新エネルギーの広報宣伝活動、デモンストレーションなど。
·
自家用車依存の島の交通を改め、老人、子供、観光客が集まるバス等の公共交通を
充実し、省エネルギー社会を目指してもらいたい。
資-31
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
Q8. 佐渡市では、以下のような新エネルギー利用機器の導入に対する助成制度を設置してい
ます。このことをご存知でしたか。
既存の新エネルギー利用機器の導入に対する助成制度の認知度について、具体的な内
容まで知っている方は 11%となり、それ以外の 89%の回答者が既存の助成制度を把握
していない事がわかります。
11%
具体的な内容まで
知っている
34%
聞いたことはある
が、内容は知らな
い
知らない
55%
「具体的な内容まで知っている」の具体例として・・・
·
ソーラーパネルの営業をした。
·
ハイブリッドカーの見積もりをした。
Q9. これらの助成制度を利用して、ご自宅への導入をしてみたいと思いますか。
現時点で、回答者全体の 17%の人がすでに助成制度を活用しています。また、今回
のアンケートを機に、自然エネルギー導入に対しての助成制度を知り、興味を持ってい
る人が多い事がうかがえます。
0%
2%
既に助成制度を利用して導入
したことがある
17%
今後、その制度を利用して導
入してみたい
助成額によっては、導入してみ
たい
49%
32%
導入するかはわからないが、
詳しい内容を知りたい
特に興味はない
資-32
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
(自由意見欄)
住民アンケート調査においては、自由意見欄へ以下のようなご意見をいただきました。
·
佐渡島内のエネルギーの需要バランス、エネルギーの流れ図、エネルギーのロスな
どを作成し、市民へのデータ公表などを通じて、新エネルギー活用にむけていくこ
とは?
·
森林組合がひとつになり、木質バイオマスを早急に取り組んで、佐渡の森を活用し
てください。
「佐渡木の家」とも連携して、地産地消で良いものを安く、有効に!
·
戦時、航空燃料用無水アルコールを作っていました。昭和 20 年、佐渡でも粗留ア
ルコール製造として、軍が蒸留機の製造をしました。しかし、無水アルコールにす
るには、帆棲が小さすぎました。離島での工場化は大変採算がとれにくいものだと、
つくづく思いました。
·
佐渡にはない資源は、油だけです。ぜひ、油に替わる木質エネルギーを普及させ、
油のいらない島、なんでもある島を実現し、住みたい島 No1 をめざしましょう。
·
今回フォーラムに参加して感心をしました。
·
子孫のためにも、これからの自然エネルギーの講演会、フォーラム、又機材の導入
などをしてくださるよう願います。
·
効率のよい機器に対する助成を希望する。理由:助成を受けて生ごみ処理機を導入
したが、電力消費が多く閉口している。メーカーを利する助成はまったく無駄。ト
ータルとして、効率のよいものにのみ助成してほしい。機器の審査機関を設けてほ
しい。
·
現在は、山の手入れ(下刈り等)ができず困っています(費用がかかり過ぎ)。木
材が新エネルギーとして使えるようになれば、このようなことも解決できると期待
しています。
·
毎年成長する植物(木、草など)の量は、エネルギー
·
採算で、日本の石油消費量の 20%に相当すると聞きました。これが、まったく使
われていないのは、もったいない話です。
·
住宅様式がすでに石油、電気が利用に様式されている今更、木材の利用という気持
ちへの切り替えるのは、大変なことのように思うから、一考を要することであるこ
とは、確かである。太陽熱や風力の利用も考えてみたい。
·
大変いいことだと思いますが、いざ出発となるにはなかなか大変かと思います。
·
島全体で、森からの恵みを有効利用できることはすばらしいことと思います。日本
海側は、冬を意識し、その分エネルギー源を自分達が暮らしているところから得ら
れるのはすごいことだと思います。できるだけ、安価で永久的に手に入れられるも
のでほしい。
·
ストーブのメンテナンスを手厚くする。ストーブも島内で製作できたらいいと思い
ます。島内の鍛冶屋さん復活にもなりますか。ストーブから出た灰は染色などや、
資-33
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
やま物にも活用できるのか、ただ土に返すだけではなくてレンガみたいに固めて、
建築材料にもなれるのか。
·
子どもから、大人までエネルギーの自立について学習をしてくことは大切だと思い
ます。
·
佐渡の活性化に役立ってほしい。
·
利用のモデルとなる施設は必要ですが、それだけで終わってしまうこともよくある。
·
一般家庭で実現可能な普及できるモデルを示すべき。可能性を強調しようとして、
普通の人が手に届かないモデルは困ります。
·
森林資源は地域循環型、再生可能エネルギーとして、とても優れたものと思います。
期待しています。配布された炭が中国産でがっかりしました。炭焼きも、ぜひ実現
したいものです。(炭焼きのワークショップなどしてください。ドラム缶で竹炭を
焼くワークショップに参加したことがあります。けっこう大変でした。が、できあ
がりはとてもうれしいもの。松ぼっくりなど、いろんな形のものも焼いて、楽しい
置物ができました。何でも炭になるんですね。我が家では、阪神大震災の教訓から、
水は水道と井戸、お風呂と灯油の切り替え可能にしています。
·
すでにある風力発電設備はなぜ動かないのか。
·
原因究明と今後の対策(是正処置)と予防的な処置を明確にしないと、今後の新エ
ネルギーなどの導入はうまくいかないと思う。
·
自然エネルギー100%実現させたいです。
·
島内の生活環境の中で出てくる廃材やゴミの再利用に関する調査研究を推進して
いただきたいし、住民一人、一人が関心をもてるように、運動を広めていくとよい
と思います。
·
島内エネルギーは、島内でつくり、島内で消費する(自給自足システムを構築すべ
きである)。特に森林資源の活用には(木材、竹)は早急に取り組むべき課題であ
ろう。環境型農業を考えるとき、木炭の利用の有効的と思われる。
·
木質エネルギーについて豊富な資源を利用し活用に発展しつつある現状の森林を
ぜひとも価値あるものに行く努力が必要だと思うし、実行に行くべきだと思います。
·
木の利用、竹の利用を積極的に推し進めてほしい。
·
生ゴミ=資源なんだという視点で、知恵を働かせてほしい。
·
木のチップ(建設会社で大量に作っているようです)カキ殻などの利用を行政から
後押ししたら、有効利用できるのではないか。
·
菜種油の利用
·
放棄された農地も拡大し、全島的に栽培したらすごくきれいだと思う。⇒観光資源
·
バイオマスという言葉を初めて知りました。ありがとうございました。
資-34
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
2. 環境基本計画によるアンケートについて
2.1 概要
佐渡市では、平成 17 年度∼18 年度における 2 年間で環境基本計画の策定事業を行
っています。その一環で、幅広く市民の意見を反映させるため、環境の保全に関する
市民の意識調査を行い、ワークショップの議論の資料として活用することを目的に市
民、事業者、教職員を対象としたアンケート調査を実施しました。その質問項目及び
結果のうち、新エネルギーに関連するものについて以下に抜粋しました。
2.2 アンケート調査結果(新エネルギー該当部分のみ抜粋)
2.2.1 市民アンケート
・実施期間:平成 17 年 8 月
・調査対象:佐渡市民
無作為抽出による 2,750 人
・調査方法:郵送
・回収数:1,246
問 12
あなたは将来の世代に良い環境を残し、受け継いでいくために、どのような
取組や施策に重点的に取り組むべきだと考えますか。それぞれの取組について、
あてはまるものを1つ選んで、○をつけてください。
(全体 n=1,246)
0.0%
12)省エネルギー・新エネルギーの取組を推進する 15)二酸化炭素の排出を抑制するなど、地球温暖化対
策の取組を進める とても重要である
重要である
25.0%
22.2
29.1
必要ない
50.0%
47.0
44.0
わからない
75.0%
3.3
8.1
100.0%
19.4
2.5 5.9 18.5
無回答
「省エネルギー・新エネルギーの取り組みを推進する」は回答者全体の 69.2%
が、また、
「地球温暖化対策の取り組みを進める」は、全体の 73.1%が重要だと
回答しています。
問 16
二酸化炭素の排出量がこのまま増えつづけると、2100 年には平均気温が 1.4
∼5.8℃、海面水位は 9∼88cm 上昇し、生態系が変化したり、災害が増えるな
どの影響があると予測されています。あなたはこのような地球温暖化について
知っていますか、あるいは関心がありますか。
資-35
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
全体(n=1,246)
どちらともいえない
無回答
3.5%
知っているが
3.2%
特に関心はない
6.5%
知らないし
関心もない
3.0%
知っているし
関心がある
41.5%
よく知らないが
関心がある
42.4%
地球温暖化については、関心があると回答した方は全体の 83.9%を占めています
が、そのうち、地球温暖化について知っている方は約半数にとどまっています。
問 17
地球温暖化防止に関して、あなたはどのようなことに心がけていますか、あ
るいはどのようなことなら実行できますか。3つまで選んで、○をつけてくだ
さい。
全体(n=1,246)
0.0%
風力や太陽光発電設備などの導入 20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
100.0%
11.0
「風力や太陽光発電設備などの導入」について心がけていると回答した方は全体
の 1 割程度にとどまっています。
問 21
佐渡市全体の環境を良くしていくために、商工業や農林水産業などの事業者
に対して、あなたはどのようなことを望みますか。3つまで選んで、○をつけ
てください。
全体(n=1,246)
0.0%
20.0%
60.0%
80.0%
100.0%
44.3
廃棄物の減量化、再生利用、再資源化に努力してほしい
電気やガスなどの省エネルギー(低公害車の導入を含む)に努
力してほしい 40.0%
12.4
風力・太陽光発電などの新エネルギーの導入に心がけてほし
い 22.6
事業者に対して「風力・太陽光発電などの新エネルギーの導入に心がけてほしい」
と回答した方は、全体の 22.6%となっています。
資-36
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
問 22
環境の様々な課題に対して、どのように対処すればよいかおたずねします。
・あなたは下記の課題に対して積極的に取り組むことができますか。取り組む
ことができると思う方は①「積極的に取り組める」欄内に○をつけてください。
全体(n=1,246)
0.0%
20.0%
40.0%
廃棄物の減量化、適正処理、再生利用、再資源化に取り
組み、循環型社会を構築する 60.0%
80.0%
100.0%
34.0
21.8
省エネルギー・新エネルギーの取組を推進する 二酸化炭素の排出を抑制するなど、地球温暖化対策の取
組を進める 25.8
「省エネルギー・新エネルギーの取り組みを推進する」ことに積極的に取り組め
ると回答した方は全体の 21.8%となっています。
・また、②「市」
、③「事業者」、④「市民」のいずれが対処すればよいと考え
ますか。該当するものをすべて選んで欄内に○をつけてください。
(全体 n=1,246)
0.0%
25.0%
50.0%
75.0%
100.0%
52.3
9) 廃 棄 物 の 減 量 化 、 適 正 処 理 、 再 生 利 用 、 再 資 源 化 に 取 り
組み、循環型社会を構築する 46.9
45.0
51.0
38.4
12) 省 エ ネ ル ギ ー ・ 新 エ ネ ル ギ ー の 取 組 を 推 進 す る 31.4
50.5
15) 二 酸 化 炭 素 の 排 出 を 抑 制 す る な ど 、 地 球 温 暖 化 対 策 の 取
組を進める 45.0
37.6
市
事業所
市民
・さらに、これらの3者(市、事業者、市民)のうち、特に中心的な役割を果
すべきものは誰であると考えますか。該当する欄に◎をつけてください。
0.0%
(全体 n=1,246)
20.0%
40.0%
60.0%
80.0%
100.0%
16.1
16.1
12.1
9)廃棄物の減量化、適正処理、再生利用、再資源化に取り
組み、循環型社会を構築する 21.0
12)省エネルギー・新エネルギーの取組を推進する 5.9
15)二酸化炭素の排出を抑制するなど、地球温暖化対策の取
組を進める 11.5
7.7
市
16.5
15.0
事業所
市民
「省エネルギー・新エネルギーの取り組みの推進」は、市が対処すべきと回答し
た方が全体の約半数を占めています。次に事業所が 38.4%、市民が 31.4%となっ
ています。他の多くの項目と同様に、市が中心的な役割を果たすべきであるとの結
果となっています。
資-37
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
問 24
最近では、年齢を問わず、環境教育や環境学習がさかんになっていますが、
あなたはどのような環境教育や環境学習に関心がありますか。2つまで選んで、
○をつけてください。
全体(n=1,246)
0.0%
20.0%
40.0%
地球温暖化やオゾン層の破壊・酸
性雨などの地球環境問題と対策 60.0%
80.0%
100.0%
33.6
省エネルギー、新エネルギーの取
組事例 19.6
廃棄物対策(適正処理、再生利用
再資源化) 32.9
「省エネルギー、新エネルギーの取組事例」は、4 番目に多く 19.6%の方が環境
教育、環境学習のテーマとして関心があると回答しています。
問 25
あなたは今後機会があれば、環境教育や環境学習活動に参加したいと思いま
すか。
無回答
8.2%
全体(n=1,246)
参加してみたい
と思う
32.7%
わからない
15.2%
どちらとも
いえない
33.3%
参加してみたいと
思わない
10.5%
環境教育や環境学習活動に「参加してみたいと思う」と回答した方は、全体の
32.7%となっています。
2.2.2 事業者アンケート
・回収数:107
問7
貴事業所の活動は、地域や地球全体の環境にどの程度の影響を与えていると思
いますか。
(全体 n=107)
0.0%
(14)地球温暖化 1.9
20.0%
40.0%
19.6
影響を与えている
60.0%
56.1
影響を与えている
可能性はある
資-38
影響はない
80.0%
10.3
わからない
100.0%
12.1
無回答
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
自事業所が影響を与えている、またはその可能性があると考える項目は、「地球温
暖化」が 2 番目に多くなっており、全体の 2 割近くがそう考えています。
問9
貴事業所では、環境問題に関する取組として、どのような活動をされています
か。以下のそれぞれの項目に沿って、あてはまるものを1つ選んで、○をつけ
てください。
【2
(全体 n=107)
0.0%
25.0%
50.0%
(4)風力・太陽光発電など自然
0.0 13.1
エネルギー利用 (6)低公害車の導入 5.6
75.0%
58.9
(5)コージェネレーションシス
テムの導入などエネルギー 3.7 6.5
の高効率利用 62.6
19.6
省エネルギー対策】
3.7
19.6
4.7
2.8
19.6
4.7
14.0
43.0
100.0%
12.1
5.6
既に実施している
今後実施していきたい
実施の予定はない
現在、検討中である
当事業所には関係ない
無回答
「風力・太陽光発電など自然エネルギー利用」を今後実施していきたい、または検
討中であると回答した事業所は合わせて 16.8%、また「低公害車の導入」について
は 33.6%おり、これら事業所に対しての訴えかけは効果的であると考えられます。
問 17
貴事業所にとって、最も関心の高い環境問題は何ですか。貴事業所の考えに
最も近いものを1つ選んで、○をつけてください。
全 体(n=107)
地球温暖化対策
8%
その他
0%
無回答
3%
電力などのエネル
ギー対策
4%
ダイオキシン類など
の有害化学物質対
策
6%
大気、水質、騒音・
振動、悪臭などの公
害対策
15%
事故や災害などによ
る環境対策
7%
開発に伴う景観保
護
3%
トキの野生復帰を含
めた野生生物や自
然環境の保全
8%
廃棄物対策
46%
自事業所で最も関心の高い環境問題としては、廃棄物対策が最も多く、エネルギー
対策、地球温暖化対策はそれほど多くありませんが、廃棄物の中でエネルギー利用が
できるものを有効利用することで、廃棄物面での問題を解決できる可能性があります。
資-39
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
2.2.3 教職員アンケート
・回収数:447
問 5-5
貴校では環境教育に取り組んでいますか。
全 体(n=92)
全く取り組んで
その他 無回答
いない
0.0% 0.0%
0.0%
積極的ではないが、
取り組んでいる
46.7%
積極的に
取り組んでいる
53.3%
回答のあった学校では全ての学校において環境教育が実施されています。
問 6 二酸化炭素の排出量がこのまま増えつづけると、2100 年には平均気温が 1.4∼
5.8℃、海面水位は 9∼88cm 上昇し、生態系が変化したり、災害が増えるなど
の影響があると予測されています。あなたは、このような地球温暖化について
知っていますか。あるいは関心がありますか。1つ選んで○をつけてください。
全 体(n=447)
知っているが
特に関心はない
4.0%
どちらとも
いえない
2.9%
無回答
0.7%
知らないし
関心もない
0.0%
よく知らないが
関心がある
25.1%
知っているし
関心がある
67.3%
地球温暖化について知っており関心があると回答した方は 67.3%に上っており市
民アンケートに比べて 25%以上多い結果となっています。
資-40
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
問 7 地球温暖化に関して、あなた自身は、どのようなことに心がけていますか。す
べて選んで、○をつけてください。
全 体(n=447)
0.0%
20.0%
太陽光や風力など、新エネルギーの
利用を行なっている 40.0%
60.0%
80.0%
100.0%
4.3
新エネルギーの利用について心がけていると回答された方はわずか 4.3%にとど
まっています。
問 11-1 あなたは、トキ交流会館やトキの森公園で、見学・自然観察・ボランティ
ア活動などの環境教育に取り組んだことはありますか。
無回答
1.6%
全 体(n=447)
トキ交流会館で
取り組んだこと
がある
3.1%
利用したことは
ない
81.7%
問 11-2
トキの森公園で
取り組んだこと
がある
10.5%
トキ交流会館と
トキの森公園の
両方で取り組ん
だ
ことがある
3.1%
環境教育の一環として、児童・生徒をトキ野生復帰のためのボランティア
活動に参加させたいと思いますか。1つ選んで○をつけてください。
全 体(n=447)
無回答
2.7%
わからない
32.7%
参加させたいと
思う
61.1%
参加させたいと
思わない
3.6%
現在すでにトキの保護増殖や野生復帰の取組について環境教育に活用したり、ト
キ交流会館やトキの森公園で、見学・自然観察・ボランティア活動などの環境教育
に取り組んだことのある先生は多くありませんが(問 10、問 11-1 より)、そうい
った活動に自動・生徒を参加させたいと思っている教職員の方は 6 割以上となって
います。
資-41
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
問 15
問 13 で(環境教育を)取り組んでいると答えた方におたずねします。あなた
は、環境教育を平成 17 年度において、どのような内容で実施し、どのように
実施していく予定ですか。(回答例)をご参照の上、学年ごとに取り扱う環境
問題と取組の頻度について、あてはまるものをすべて選び、番号をご記入くだ
さい。
小学校
全 体
(n=245)
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
9.0
9.0
13.5
14.3
廃棄物の減量化、適正処理、再生利
用、再資源化 14.3
15.9
6.1
小学校1年生
7.8
6.5
9.0
小学校2年年
小学校3年年
11.8
省エネルギー・新エネルギー 小学校4年年
13.1
12.7
小学校5年年
2.0
地球温暖化やオゾン層の破壊、酸性
雨など、地球規模での環境問題 小学校6年年
0.4
0.4
1.2
2.0
その他
8.6
15.9
1.2
中学校
全 体
(n=120)
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
31.7
30.0
31.7
廃棄物の減量化、適正処理、再生利
用、再資源化 中学校1年
5.0
25.8
中学校2年
18.3
省エネルギー・新エネルギー 25.0
1.7
中学校3年
9.2
地球温暖化やオゾン層の破壊、酸性
雨など、地球規模での環境問題 17.5
20.8
その他
0.8
「省エネルギー・新エネルギー」「地球温暖化など地球規模での環境問題」につ
いては、小学校よりも中学校で取り組まれていることが多いようです。
資-42
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
問 20
あなたは、今後、環境教育にどのように取り組むべきであると思いますか。
全 体(n=447)
わからない
1.8%
取り組むべきである
とは思わない
0.9%
無回答
4.3%
取り組むべきである
43.4%
問 20-1
(問 20 で
積極的に
取り組むべきである
49.7%
積極的に取り組むべきである 、 取り組むべきである
と答えた方のみ)
今後、特に重視すべき環境問題は何ですか。いくつでも選んで○をつけて
ください。
全 体(n=416)
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
廃棄物の減量化、適正処理、再生
利用、再資源化 80.0%
100.0%
73.3
54.6
省エネルギー・新エネルギー 地球温暖化やオゾン層の破壊、酸
性雨など、地球規模での環境問題
50.7
「省エネルギー・新エネルギー」「地球温暖化など地球規模での環境問題」を特に
重視すべきと回答した方は、どちらも半数を超えており、それぞれ 3 番目、4 番目に
多い回答となっています。
問 20-1
問 20 で 積極的に取り組むべきである 、 取り組むべきである と答えた
方におたずねします。施設面では、どのようなことを望みますか。最も望むも
のを1つ選んで○をつけてください。
資-43
資料-3 アンケートによる住民意識調査結果
全 体(n=416)
その他
3.1%
学校の緑化に取り
組んでほしい
4.1%
特にない
7.2%
無回答
5.5%
風力・太陽光など
新エネルギー利用
施設を整備してほ
しい
35.8%
ビオトープを整備
してほしい
4.3%
ごみ処理機を
整備してほしい
23.6%
大気など環境の
観測機器や調査
器具を整備して
ほしい
16.3%
環境教育に取り組む上で、設備面では「風力・太陽光など新エネルギー利用施設を
整備してほしい」との回答が最も多く、学校など環境教育に役立つ場所への設置の要
望が高くなっています。
資-44
資料-4 エネルギー需要量推計について
資料-4
エネルギー需要量推計について
エネルギー需要量の算定方法
部
門
共
通
エネルギー
種 別
電
力
都市ガス
算定方法
東北電力(株)提供資料(①)を部門別に集計
佐渡ガス(株)提供資料(②)を部門別に集計
製造業
a.産業中分類毎の全国の燃料別消費量(③)を集計
燃料油
産業部門
プロパンガス
b.産業中分類毎の全国の製造品出荷額(④)を集計
c.産業中分類毎の佐渡市の製造品出荷額(④、⑤)を集計
d.需要量= a × ( c ÷ b )
その他の産業
a.産業大分類毎の全国の燃料別消費量(③)を集計
燃料油
プロパンガス
b.産業大分類毎の全国の就業者数(⑤)を集計
c.産業大分類毎の佐渡市の就業者数(⑥)を集計
d.需要量= a × ( c ÷ b )
a 新潟県の家庭における 1 世帯当りの灯油消費原単位(⑦)
b.佐渡市における灯油利用世帯数(⑨)
灯
油
(佐渡市の世帯数を全国の灯油機器普及率と全国と新潟における灯油
家
消費量の比率で補正)
庭
c.需要量= b × a
民生部門
a.新潟県の家庭 1 世帯当りのプロパンガス消費原単位(⑦)
プロパンガス
b.佐渡市の都市ガス非供給世帯数(⑨の世帯数−②の契約口
数)
c. 需要量=b × a
業
a.産業中分類毎の全国の燃料別消費量(③)を集計
務
燃料油
プロパン
b.産業中分類毎の全国の従業者数(⑥)を集計
c.産業中分類毎の佐渡市の従業者数(⑥)を集計
d.需要量= a × ( c ÷ b )
a.全国のガソリン、軽油、プロパンガス消費量(⑩)
自動車
運輸部門
ガソリン
軽
油
プロパンガス
燃料油
公共施設、公用車
b.全国自動車保有台数(⑪)
c.市内自動車保有台数(⑫)
d.需要量= a × ( c ÷ b )
*市内にプロパンガス使用車両はほとんどない(⑬)。
a.定期船実績、観光船、定期航空機実績
実績値を調査
資-45
資料-4 エネルギー需要量推計について
注)①から⑬は資料番号(次頁参照)
*CO2 については、算出された需要量に CO2 排出係数を乗じて算定
【資 料】
●需要量算出資料
①東北電力株式会社提供資料(市内電力供給量実績)
②佐渡ガス株式会社提供資料(市内都市ガス供給量実績)
③総合エネルギー統計 平成 15 年度版(平成 14 年度値)
、資源エネルギー庁長官官房企画
調査課編
④工業統計調査結果
⑤国勢調査結果(平成 12 年:全国)
⑥国勢調査結果(平成 12 年:佐渡地域市町村)
⑦家庭用灯油消費実態調査、(財)日本エネルギー経済研究所
⑧プロパンガス消費実態調査(都道府県別家庭用)
、(財)日本エネルギー経済研究所
⑨住民基本台帳
⑩自動車輸送統計年報(平成 14 年度値)
、国土交通省情報管理部調査統計課
⑪交通関係エネルギー要覧(2002 年値)
、国土交通省総合施策局情報管理部
⑫新潟県統計年鑑(2002 年値)
、新潟県
⑬タクシー会社へのヒアリング
●その他資料
1. 新潟県地域新エネルギー導入推進計画、新潟県、平成 13 年 3 月
2. 日本の統計、総務庁統計局編
3. エネルギー経済統計要覧 2002 年値
4. 電気事業便覧、電気協会
5. ガス事業便覧、日本ガス協会
資-46
資料-5 新エネルギー賦存量推計について
資料-5
新エネルギー賦存量推計について
新エネルギー賦存量の推計方法
種別
潜在賦存量または最大可採量
期待可採量
期待可採量(kWh/年)=Σ{水平面全天日射量
潜在賦存量(kWh/年)=水平面全天日射量
×土地面積(km2)×365(日/年)×106
×日射量補正係数×設置件数〔種別の建築物数〕
×設置システム容量(kW/件)×発電量補正係数
・水平面全天日射量(kWh/m2 ・日):3.51 kWh/m2 ・
太陽光発電
×365(日/年)}
日
・日射量補正係数*1:1.1
・土地面積:市内の全面積
・設置システム容量:4kW(一般住宅)、8kW(役所・支
所)、10kW(学校)、20kW(体育館等)
・発電量補正係数*2:0.8
*1 パネル設置角度による日射量の補正
*2 インバータ効率、受光面の汚れ等による発電量の補正
注)∑は建築種別毎に算出し積算することを示す。
期待可採量(kJ/年)=Σ{水平面全天日射量
潜在賦存量(kJ/年)=水平面全天日射量
2
×土地面積(km )×365(日/年)
×日射量補正係数×設置件数〔種別の建築物数〕
×106×単位変換係数
×集熱面積(m2/件)×集熱量補正係数
太陽熱利用
×365(日/年)×単位変換係数}
・水平面全天日射量(kWh/m2 ・日):3.51 kWh/m2 ・
日
・日射量補正係数:太陽光発電に同じ
・集熱面積:6m2/戸(戸建住宅)、8m2 (役所・支所)、
・土地面積:市内の全面積
50m2(学校) 、80m2(体育館等)
・単位変換係数:3,600(kJ/kWh)
・集熱量補正係数*1:0.9
・単位変換係数:3,600(kJ/kWh)
*1 集熱面の汚れ、配管の熱損失等の補正
注)∑は建築種別毎に算出し積算することを示す。
期待可採量(kWh/年)=
最大可採量(kWh/年)=
平均風力エネルギー密度
∑{風速階級毎の風車建設可能台数
×円周率×(風車ローター直径/2)2
×レイレイ分布の3乗根係数×0.5×空気密度
×風車設置可能基数×最大理論効率
×(風速階級毎の平均風速)3×円周率
風力発電
6
×(風車ローター直径/2)2×風車の総合効率
×8,760(hr/年)×10
×8,760(hr/年)×10-6}
・平均風力エネルギー密度(W/m2)=1/2・空気密
度・(風速)3・1.9
・レイレイ分布の3乗根係数:1.9
・風車ローター直径:70m、(1,500kW 級)
・空気密度:1.225(kg/m3、標準大気)
・ハブ高さ:60m(1,500kW 級)
・風車ローター直径:70m、(1,500kW 級)
・最大理論効率:0.593
・ハブ高さ:60m(1,500kW 級)
・風車の総合効率:0.25
注)∑は風速階級別毎に算出し積算することを示す。
資-47
資料-5 新エネルギー賦存量推計について
種別
潜在賦存量または最大可採量
期待可採量
最大可採量(kJ/年)=∑{家畜飼育頭数(頭・羽)
期待可採量(kJ/年)=最大可採量
バイオマス 畜(産
×1 頭(羽)当たり糞尿発生量(t/頭・年)
×廃棄物利用可能率×変換効率
×家畜糞尿のメタンガス発生量(m3/t)
・廃棄物利用可能率:0.9(堆肥化及び収集・利用困難
×発生ガス発熱量×4.186(kJ/kcal)}
な部分を除いた比率)
・1 頭当たり糞尿発生量:15.5t/頭・年 (肉用牛
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時)
の例)
)
・家畜糞尿のメタンガス発生量:35m3/t
・発生ガス発熱量:6,000kcal/ m3
注)∑は家畜種別毎に算出し積算することを示す。
バイオマス 農(業 )
最大可採量(kJ/年)=∑{収穫量(t/年)×廃棄率
期待可採量(kJ/年)=最大可採量
×廃棄物発熱量×4.186(kJ/kcal)×1000}
×廃棄物利用可能率×変換効率
・廃棄率:1.50(水稲の場合)
・廃棄物利用可能率:もみがら 0.1、その他 0.8 (堆
・廃棄物発熱量:3,450(kcal/kg、水稲の場合)
肥化及び収集・利用困難な部分を除いた比率)。
注)∑は農産物種別毎に算出し積算することを示す。
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時)
潜在賦存量(kJ/年)=森林年生長量(m3)
期待可採量(kJ/年)=∑{木材関連事業から発生する
バイオマス※1×バイオマス利用可能率×木材発
×木材発熱量
バイオマス 木(質
×4.186(kJ/kcal)×10
3
熱量×4.186(kJ/kcal)×103×変換効率※2
・バイオマス利用可能率:林業由来 1、木材加工業由
・木材発熱量:4,380(kcal/kg)
来 0.8、木質系廃棄物処理施設由来 0.2
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時※2)
※1:林業、木材加工業(製材所等)及び木質系廃棄物処理
)
施設。ヒアリングによる
※2:発電利用時の期待可採量(kWh/年)は上式による数値に
1/3,600 を乗じ算出(以下同様)。
注)∑は事業種別毎に算出し積算することを示す。
バイオマス 水(産
最大可採量(kJ/年)=∑{水産物加工による廃棄
期待可採量(kJ/年)=最大可採量
×廃棄物利用可能率×変換効率
物量(t/年)×メタンガス発生量
×発生ガス発熱量×4.186(kJ/kcal)}
・廃棄物利用可能率:0.8(堆肥化及び収集・利用困難
な部分を除いた比率)
・水産物加工による廃棄物量:ヒアリングによる
・メタンガス発生量:200∼300m3 /t-wet
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時)
)
・発生ガス発熱量:6,000kcal/ m3
注)∑は水産物種別毎に算出し積算することを示す
バイオマス 生(ごみ
期待可採量(kJ/年)=最大可採量
最大可採量(kJ/年)=可燃ごみ量×生ごみ比率
×廃棄物利用可能率×変換効率
×メタンガス発生量
×発生ガス発熱量×4.186(kJ/kcal)}
・廃棄物利用可能率:1
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時)
・生ごみ比率:0.2
3
・メタンガス発生量:60m /t(含水率 50%WB)
)
・発生ガス発熱量:6,000(kcal/ m3)
バイオマス 生(活系
【し尿のメタン発酵】
最大可採量(kJ/年)=し尿処理量(kL /年)
×し尿 1kL 当たりメタン発生量
期待可採量(kJ/年)=最大可採量×変換効率
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時)
×発生ガス発熱量×4.186(kJ/kcal))
・し尿のメタン発生量:8 m3 /t
・発生ガス発熱量:4,300 (kcal/m3)
)
資-48
資料-5 新エネルギー賦存量推計について
種別
潜在賦存量または最大可採量
期待可採量
【下水汚泥のメタン発酵】
最大可採量(kJ/年)=下水汚泥発生量*( t /年)
×下水汚泥 t 当たりメタン発生量
期待可採量(kJ/年)=最大可採量×変換効率
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時)
×発生ガス発熱量×4.186(kJ/kcal)
・下水汚泥のメタン発生量:6 m3 / t
・発生ガス発熱量:4,700 (kcal/m3)
バイオディーゼル燃料利用
潜在賦存量(kJ/年)=遊休農地面積(ha)
廃棄物 ︵ごみ燃焼︶
最大可採量(kJ/年)=(可燃ごみ排出量(t/年)
期待可採量(kJ/年)=∑{市内で発生する廃食油量(L)
×菜種収穫率×搾油率×菜種油発熱量
※1
×4.186(kJ/kcal)
×4.186(kJ/kcal)×変換効率
×BDF 精製率×BDF 比重×BDF 発熱量
・菜種収穫率:200kg/10a
・利用可能率:公共施設及び民間事業者 0.9、家庭 1
・搾油率:30%
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時※2)
・菜種油発熱量:9,600(kcal/kg)
・BDF 比重:0.91kg/L
・BDF 発熱量:9,600(kcal/kg)
※1:公共施設、民間事業者、家庭部門。
注)∑は各部門毎に算出し積算することを示す。
−生ごみ発生量(t/年))×(1-生ごみ比率)
期待可採量(kJ/年)=最大可採量×変換効率
×可燃ごみの低位発熱量
・変換効率:0.7(熱利用時)または 0.2(発電利用時)
×4.186(kJ/kcal)×1,000
・可燃ごみの低位発熱量*:2,354(kcal/kg)
(可燃ごみ量排出量は市の可燃ごみ量から生
ごみ量を差し引いた量を使用)
中小水力
期待可採量(kWh/年)=
最大可採量(kWh/年) =
ハイドロバレー計画における最大使用水量を
ハイドロバレー計画における最適開発規模にお
用いた場合の年間可能発生発電量。
ける年間可能発生発電量
期待可採量(kWh/年)=潜在賦存量
潜在賦存量(kWh/年)=
波力発電
波力エネルギー量(kWh/m 年)
×利用可能海岸×線海岸線利用可能率
×海岸線長さ(m)
×タービン効率
×発電効率
・波力エネルギー量(kWh/m 年):有義波高 0.8m
以上の出現率×0.49×1/3 有義波高×周期
・利用可能海岸線:国定公園、景勝地以外の海岸線
×1 年の時間数
・海岸線利用可能率:50%
・タービン効率:0.60
・発電効率:0.40
資-49
施設名称
資-50
佐渡スポーツハウ
ス温水プール
特別養護老人ホ
ーム歌代の里
佐和田学校給食
センター
金井学校給食セ
ンター
7
8
佐渡市両津学校
6
給食センター
5
健康増進センター
4
ワイドブルー相川
3
2 松泉閣
建屋の構造
使用用途
①温水ボイラ
②冷房機
①温水ボイラ
設備の種類
使用
用途
800,000 暖房・
(kcal/台) 給湯
176,000 冷房
(kcal/台)
830,000 給湯
(kcal/台)
302,400/ 冷房/
246,070 暖房
(kcal/台)
800,000 暖房・
(kcal/台) 給湯
出力
(kcal/台)
810
291
605
鉄骨造 瓦棒
葺 平屋建て
鉄骨、地上2
階建て
学校給食、給 ① 蒸 気 ボ イ ラ ー
湯用として絵使 (貫流式)
用
熱源は電気
376 給湯
(kW/台)
①温水ボイラ
鉄筋コンクリート
スポーツ施設
20,144 1,952.02 2,164.92 造り、地上2階
(温水プール)
建
① 温 水 ボ イ ラ ( 2 800,000 暖房・
鉄筋コンクリート 温泉入浴施設 台)
(kcal/台) 給湯
6,500.00 2,460.36 2.865.76 造一部鉄骨造 及び温水プー
②冷温水発生機
211,680 冷房・
ル施設
平屋建
(kcal/台) 暖房
①蒸気ボイラ
3,600 暖房・
館内の冷暖房
(kcal/台) 給湯他
鉄筋コンクリート 及び入浴施設・
2,923.30
3,184
〃〃
造、地上3階建 調理室への給 ②蒸気ボイラ
湯等
③吸収式冷凍機 1,200,000
冷房
(kcal/台)
給食調理及び ①小型ボイラ
940 給湯
洗浄、消毒(概 (多管式貫流)
(kW/台)
1,903
507.4
462.8鉄骨平屋建て
ね8:30∼17:
15)
鉄筋コンクリート
温泉入浴施設 ②冷温水機
造一部2階建
1,651.06鉄骨造平屋建 温水プール
延床
面積
(㎡)
11,280.64 1,095.45 1,652.15
真野健康保養セ
1 ンター ゆとりぴあ 13,398.00
真野
No,
建屋
面積
(㎡)
27.1
L/h
217.2
kg/h
灯油
A重油
A重油
〃
〃
43.9
12.1
kg/h
103.6
L/h
〃
108.2
L/h
灯油
A重油
113.2
L/h
110.6
L/h
296,470
kcal/h
113.2
L/h
H5 年
H6 年
〃
〃
S55 年
H8 年
H8 年
H9 年
H6 年
H6 年
H5 年
H5 年
定格燃料 設置年
消費量
(単位)
灯油
灯油
灯油
電気
灯油
使用
燃料
14,887
48,000
L
6,302.9
207,617
196,905.3
約 317
180,000
L
約 220
約 200
47
183
182
約 317
通
年
約 315
約 63
約 312
年間
使用
日数
152,000
L
206,000
L
年間
燃料
消費量
(単位)
118,000
L
資料-6
敷地
面積
(㎡)
資-図 1-1 ボイラ設備調査結果の概要(その1)
資料-6 新エネルギー導入モデルプロジェクトにおける補足
新エネルギー導入プロジェクトにおける補足
1. 木質チッププロジェクト
プロジェクト検討にあたり、市内の公共施設におけるボイラ利用施設とその設備概要
を調査いたしました。その結果は以下のとおりです。
資-51
3,747.46
1,164.90
小木健康保養セ
ンター おぎの湯
13
新穂健康保養セ
14 ンター 新穂潟上
温泉
997.38
22,217.00
金井健康保養セ
ンター
12
15 佐渡市役所
5944.96
赤泊農林漁業体
験宿泊施設
(サンライズ城が浜
/城が浜温泉)
3,165
10 クアテルメ佐渡
11
10,934
施設名称
9 金井小学校
No,
敷地
面積
(㎡)
延床
面積
(㎡)
使用用途
鉄筋コンクリート 学校の暖房用 ①温風暖房機
3階建て
として使用
建屋の構造
設備の種類
使用
用途
500,000 暖房
(kcal/台)
出力
(kcal/台)
1,072
2,976
鉄筋コンクリート
事務所
造地上3階建
①冷温水発生機
38,000 冷暖房
(kcal/台)
○バイタリティ
①温水ボイラー
300,000 暖房・
会館(鉄筋コン
(kcal/台) 給湯
クリート平屋建) 温泉施設(床暖
771
771
○だんらんの家 房・給湯)
(鉄筋コンクリー
ト平屋建)
291 暖房・
温泉施設(城が ① 温 水 ボ イ ラ ( 温
(kW/台) 給湯
浜温泉)・サンラ 泉)
イズ城が浜の施
設は残っており
1,725.66
稼動している
/365.84 鉄筋コンクリー
が、温泉施設の ②サンライズ
349 暖房・
計 2091.5 ト、地上 2 階建
需要が多いの
(kW/台) 給湯
で燃料費は温
泉で支出してい
る。(地下タンク
共有)
①温水ボイラ
640,000 暖房・
(kcal/台) 給湯
鉄筋コンクリート
604.85
604.85
温泉入浴施設
造平屋建
②温水ボイラ
250,000 暖房・
(kcal/台) 給湯
①温水ボイラ
480,000 暖房・
(kcal/台) 給湯
木造一部鉄筋
温泉入浴施設
1,626.39 1,626.39 コンクリート平屋
及び宿泊施設
建
②温水ボイラ
480,000 暖房・
(kcal/台) 給湯
①温水ボイラ
500,000 給湯
木造平屋建一
995.48
温泉入浴施設
(kcal/台)
部 2 階建
4,255
建屋
面積
(㎡)
使用
燃料
A 重油
灯油
灯油
灯油
180
L/日
67.6
L/h
29,000
L
S60 年
H8 年
H10 年
H10 年
20,000
L
86,494
81,000
81,000
63,000
L
H11 年度 予備
H5 年
H15 年
A重油
A 重油
年間
燃料
消費量
(単位)
19,800
L
S63 年 66,000
L
S63 年
H12 年
85.8
L/h
32.4
L/h
37.5
L/h
70.7
定格燃料 設置年
消費量
(単位)
灯油
灯油
A 重油
A重油
資-図 1-2 ボイラ設備調査結果の概要(その 2)
約 180
312
365
363
310
約 70
年間
使用
日数
資料-6 新エネルギー導入モデルプロジェクトにおける補足
資-52
2,015.53
91.18
佐渡市役所 羽茂
支所
3611
19
1464
9,768 1,084.40 2,714.50
佐渡市役所佐和
田支所
17
建屋の構造
使用用途
①温水ボイラ
①吸収式冷温水
ユニット
①温水ボイラ
設備の種類
鉄筋コンクリート 事業所(支所行
①温水ボイラ
造、地上3階建 政庁舎)
鉄筋コンクリート
事務所
4階建
鉄筋コンクリート
事務所
造 4 階建
鉄骨・鉄筋コン
530.95 2,114.28 クリート造(3階 事務所
建)
延床
面積
(㎡)
佐渡市役所畑野
支所
11283.4
佐渡市役所 相川
支所
16
建屋
面積
(㎡)
18
766.2
施設名称
No,
敷地
面積
(㎡)
使用
用途
300,000 暖房・
(kcal/台) 給湯
451,000 暖房
(kcal/台)
不明冷暖房
25,000 暖房
(kcal/台)
出力
(kcal/台)
A 重油
A 重油
A 重油
A 重油
使用
燃料
資-図 1-3 ボイラ設備調査結果の概要(その 3)
41
L/h
57.1
L/h
53.2
L/h
12
L/h
H5 年
S60 年
S57 年
S51 年
定格燃料
消費量 設置年
(単位)
9,300
L
12,000
L
36,000
L
年間
燃料
消費量
(単位)
11,400
L
約 75
103
約 135
約 100
年間
使用
日数
資料-6 新エネルギー導入モデルプロジェクトにおける補足
資料-6 新エネルギー導入モデルプロジェクトにおける補足
2. 花の島プロジェクト
公共施設からの廃食油の排出量調査結果は以下のとおりとなっています。
資-図 2-1 公共施設からの廃食油の排出量
施設種別
学校給食センター
施 設 名
両津学校給食センター
佐和田学校給食センター
金井学校給食センター
保育園
特養・病院関係
畑野学校給食センター
真野学校給食センター
赤泊学校給食センター
河原田保育園
双葉保育園
八幡保育園
沢根保育園
両尾保育園
河崎保育園
椎崎保育園
湊保育園
夷保育園
歌代保育園
吉井保育園
梅津保育園
羽吉保育園
相川保育園
稲鯨保育園
北狄保育園
たかち保育園
金井保育園
中興保育園
金井新保保育園
新穂トキッ子保育園
畑野保育園
川西保育園
小倉保育園
多田保育園
真野第一保育園
真野第二保育園
小木保育園
羽茂保育園
赤泊保育園
待鶴荘
ときわ荘
歌代の里・両津病院
相川病院
処理方法
業者に委託
業者に委託
業者に委託
石鹸に再利用
業者に委託
業者に委託
固めて燃えるゴミ
業者に委託
業者に委託
業者に委託
業者に委託
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
可燃物ゴミとして処理
業者に委託
石鹸に再利用
可燃物ゴミとして処理
石鹸に再利用
合計
資-53
回収量(L)
1,400
2,630
831
不明
490
600
不明
329
572
196
172
90
90
100
210
130
100
90
230
40
200
80
30
90
330
170
200
480
260
130
10
30
460
50
220
280
210
不明
不明
500
200
11
22
12,263
種別毎合計
5,951
5,579
733
12,263
資料-6 新エネルギー導入モデルプロジェクトにおける補足
3. エコスクールプロジェクト
佐渡市内の小中学校へ 40kW の太陽光発電システムを設置する場合の効果算定結果は
以下のとおりです。
資-図 3-1 太陽光発電システムの導入効果算定結果(市内小中学校:40kW)
平均日射量 月平均気温
(kWh/m2・日)
(℃)
1
1.570
3.6
2
2.411
3.4
3
3.473
5.8
4
4.369
11.0
5
4.628
15.0
6
4.268
19.3
7
4.101
23.3
8
4.573
25.7
9
3.843
21.7
10
3.436
16.5
11
2.420
11.3
12
1.506
6.9
3.381
13.6
年間
月
温度補正
係数
0.957
0.958
0.946
0.920
0.900
0.879
0.859
0.847
0.867
0.893
0.919
0.941
0.907
日平均発電量
(kWh/日)
48
74
105
129
133
120
113
124
107
98
71
45
97
月発電量
(kWh/月)
1,492
2,072
3,263
3,863
4,136
3,603
3,497
3,844
3,200
3,046
2,136
1,406
35,558
設備利用率
(%)
5.0
7.7
11.0
13.4
13.9
12.5
11.8
12.9
11.1
10.2
7.4
4.7
10.1
注)1. 気温は相川測候所のもの用いて算出した。
2. 日射量は太陽エネルギーマップの値を用いた。
4. トキ交流会館地域自然エネルギー活用プロジェクト
トキ交流会館に 10kW の太陽光発電システムを設置する場合の効果算定結果は以下の
とおりです。
資-図 4-1 太陽光発電システムの導入効果算定結果(トキ交流会館:10kW)
平均日射量 月平均気温
(kWh/m2・日)
(℃)
1
1.635
3.6
2
2.476
3.4
3
3.409
5.8
4
4.028
11.0
5
4.046
15.0
6
3.667
19.3
7
3.556
23.3
8
4.092
25.7
9
3.667
21.7
10
3.510
16.5
11
2.587
11.3
12
1.589
6.9
3.187
13.6
年間
月
温度補正
係数
0.957
0.958
0.946
0.920
0.900
0.879
0.859
0.847
0.867
0.893
0.919
0.941
0.907
日平均発電量
(kWh/日)
13
19
26
30
29
26
24
28
25
25
19
12
23
注)1. 気温は相川測候所のもの用いて算出した。
2. 日射量は太陽エネルギーマップの値を用いた。
資-54
月発電量
(kWh/月)
388
532
801
890
904
774
758
860
763
778
571
371
8,390
設備利用率
(%)
5.2
7.9
10.8
12.4
12.2
10.8
10.2
11.6
10.6
10.5
7.9
5.0
9.6
資料-7 住民ワークショップの開催結果
資料-7 住民ワークショップ開催結果
(1)
主旨
本事業の中で検討する新エネルギーの導入プロジェクトについて、地域住民・事業
者が主体となって事業化を進めたり、行政が主体となって進めていく事業も、地域住
民の理解や協力を得ていくことが不可欠となってきます。本ビジョン策定後にプロジ
ェクトをスムーズに展開していくためには、ビジョン策定段階から地域住民・事業者
が関わり、事業化にあたって自主的に参加し行動しつづけられる仕組みを構築してい
くことが必要だと思われます。
そこで、佐渡市の新エネルギーに関する内容を盛り込んだワークショップを実施し
ました。
このワークショップを通じ、市民に対して新エネルギー及び佐渡市地域新エネルギ
ービジョンについて知っていただくことを主な目的とし、それをもとに島内における
新エネルギー利用の仕組みについて意見交換を行ないました。
(2)
実施方法
・実施期間:平成 18 年 1 月 15 日(日)13:00∼16:00
・実施会場:トキ交流会館
・主
催:佐渡市、佐渡島木質バイオマスフォーラム
後
援:新潟県地球温暖化防止活動推進センター、
佐渡緑のリサイクル協同組合、
NPO 法人トキどき応援団
・来場者数:70 名
・内
容:
① ワークショップ「めざそう!自然エネルギーを 100%活用する佐渡島」
Ⅰ部
事例紹介
自然エネルギー活用の最新事例紹介:ヨーロッパ及び国内
Ⅱ部
佐渡でのすすめ方∼参加者による話し合い
新エネビジョンの現段階での進行状況及び今後の進行、実現化に当
たっての課題等を説明の後、参加者による話し合い
② 展示
木質ペレットストーブ、パネル等
.
資-55
資料-7 住民ワークショップの開催結果
(3)
当日プログラム
時
間
内
13:00∼13:05
Ⅰ部
容
ごあいさつ
自然エネルギー活用の最新状況報告
新エネルギーと温暖化
13:05∼13:25
国内事例
13:25∼13:45
海外の取り組み事例
13:45∼14:05
佐渡市地域新エネルギービジョンについて
Ⅱ部
佐渡でのすすめ方∼参加者による話し合い
グループに分かれての話し合い
① 重点プロジェクト
14:10∼15:10
② 普及啓発プロジェクト
③ 推進体制
15:10∼15:20
休憩
15:20∼15:50
全体発表(各グループごと)
講評(佐渡市地域新エネルギービジョン策定委員会
15:50∼16:00
山口委員長より)
写真 1 事例紹介
写真 2 グループ毎の話し合い
写真 3 ペレットストーブ展示
資-56
資料-7 住民ワークショップの開催結果
(4)
グループ毎の話合い結果
Ⅱ部の参加者での話し合いでは、3 グループに分かれて、①新エネルギー導入重点プ
ロジェクト、②普及啓発プロジェクト、③推進体制の 3 テーマに分かれ活発な話し合い
がなされました。各グループからの発表の内容を以下に示します。これらは実際に新エ
ネルギーの導入を行なう際や、普及啓発プロジェクトを行なう際の参考にいたします。
資-57
資料-7 住民ワークショップの開催結果
資-58
資料-7 住民ワークショップの開催結果
資-59
資料-7 住民ワークショップの開催結果
資-60
資料-8 新エネルギー技術開発動向
資料-8 新エネルギー技術
1 新エネルギーの概要
地球温暖化問題に加え、エネルギー資源が少ないわが国にとってエネルギー源の確保
は重要な課題であり、これらを解決する手段の一つとして新エネルギーの有効な活用が
期待されています。ここでは、新エネルギーの概要について取りまとめました。
1.1 新エネルギーの種類
新エネルギーは、法的には以下のように定義され、政令において 14 種類が特定され
ています。
①技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が
十分でないもの
②石油代替エネルギー供給目標の達成のために、促進を図ることが特に必
要なもの
(「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(平成9年6月、施行)」
)
【政令により特定された新エネルギー】
「新エネルギー」は、供給サイドのエネルギーと需要サイドのエネルギーに分類でき
ます。
●供給サイドのエネルギー
○太陽光発電
○風力発電
○太陽熱利用
○温度差エネルギー
○廃棄物発電
○廃棄物熱利用
○廃棄物燃料製造
○バイオマス発電
○バイオマス熱利用
○バイオマス燃料製造
○雪氷熱利用
●需要サイドのエネルギー
○クリーンエネルギー自動車
○天然ガスコージェネレーション
○燃料電池
1.2
主な新エネルギーの概要
主な新エネルギーについてその原理や特徴を簡単にまとめました。
(1) 太陽光発電
太陽光発電は、地球にやさしい無尽蔵のエネルギーです。
【原
理】
シリコン半導体等に光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギ
資-61
資料-8 新エネルギー技術開発動向
ーを直接電気に変換する発電方式です(資-図 1.2-1)。
【特
徴】
太陽光発電システムは、設置する広
さにあわせて自由に規模を決めるこ
とができます。システムの規模と発
電量は単純に比例するため、スケー
ルメリットを考慮することなく、家
庭用から大規模まで、その施設にあ
ったシステムを設置することができ
ます。
また、発電した電力が余った場合に、
電力会社に売ることができます。3∼
出典:NEF
資-図 1.2-1 太陽光発電の利用
4kW のシステムを設置すれば、平均的
な 4 人家族が使用する電気の大部分を賄えます。
・発電も電気の売り買いも自動的に行われ、また機器のメンテナンスもほとんどいり
ません。
・家庭の屋根や学校の屋上等、あまり使われていないスペースを有効に活用できます。
・山小屋や自然公園等、電気の通っていない地域の電源としても利用可能です。
・災害などで電力供給が止まったときに、非常用電源として機能させることもできます。
(2) 太陽熱利用
太陽熱は、家庭や熱利用が多い施設での給湯や暖房に適しています。
【原
理】
太陽熱温水器は家庭の屋根等に設置
して、太陽の熱エネルギーを集め温水
をつくり、風呂や給湯に使用します(資
-図 1.2-2)。ソーラーシステムでは温
水をそのまま使う他、家の中を循環さ
せて床暖房等に利用します。家庭用だ
けではなく学校や福祉施設等、大規模
な太陽熱利用システムも導入されてい
ます。
出典:NEF
また、吸収式冷凍器等を使えば、熱で冷
資-62
資-図 1.2-2 太陽熱エネルギーの利用
資料-8 新エネルギー技術開発動向
房することも可能です。
【特
徴】
太陽熱を使えば天気のいい日には、約 60℃の温水が得られます。これは燃料や電気
を使わなくても家庭で使う暖房や給湯を賄える温度です。冬季には、これほど高い温
度にはならず追焚が必要な時もあるものの、冷水から温水を作るよりも燃料が少なく
て済みます。
・手頃な価格で設置でき、メンテナンスもほとんど不要です。
・使用するのに特別な操作がいりません。
・温水を貯めておくので、断水時にもお湯が使用できます。
(3) 風力発電
風力発電は、現在最も商業化が進んでいる新エネルギーのひとつで日本各地において
導入が進んでいます。
【原
理】
風力発電は「風の力」で風車を回し、その回
転運動を発電機に伝えて「電気」を起こすシ
ステムです(資-図 1.2-3)。風力発電は、風力
エネルギ−の約 40%を電気エネルギーに変換
でき、比較的効率が高い発電方式です。また、
大型の風車だけでなく定格出力が数kW以下
の小型の風力発電機は、補完型の分散電源と
出典:NEF
して利用されています。
資-図 1.2-3 風力発電機の構造
【特
徴】
日本の風力の特性を活かし、安定した風力(年平均風速 6m/s 以上)の得られる、北海
道、東北、九州などの海岸部や沖縄の島々で多く設置され、日本全国で 924 基以上(2005
年 3 月末)が稼働しています。風力発電システムを設置するには、その場所までの搬
入道路のあることや、近くに高圧送電線が通っている等の条件を満たすことが必要で
す。
・設置コストが年々下がり、経済性が良好となってきました。
・地域のシンボルともなり、「町おこし」に一役買っています。
資-63
資料-8 新エネルギー技術開発動向
(4) バイオマス発電・熱利用
バイオマス発電・熱利用は自然循環型のエネルギーです。
【原
理】
植物等の生物体(バイオマス)は有機物で構成されているため、エネルギー源として利
用することができます。これらの燃料を使って電機や熱を作ります(資-図 1.2-4)。植
物の場合、太陽の光を受けて光合成を行い、水分と空気中の二酸化炭素から有機物を生
成するため、バイオマスは太陽エネルギーが形を変えたものといえます。
出典:NEF
資-図 1.2-4 バイオマス発電・熱利用
【特
徴】
植物は、光合成によって CO2(二酸化炭素)を体内に有機物として蓄えます。エネル
ギー資源としてバイオマスを利用しても、植物を育成すれば、大気中の CO2 は再び光合
成によって有機物に生まれ変わり大気中の CO2 の量は変わりません(カーボンニュート
ラル)。
・自然エネルギーの中では必要に応じてエネルギー量を調整しやすいエネルギーです。
・植物の持つ有機物は、太陽エネルギーが形を変えたものなので無尽蔵です。
(5) バイオマス燃料製造
バイオマス燃料製造は、生物からエネルギーを作り出すことです。
【原
理】
植物等の生物体(バイオマス)は有機物で構成されているため、固体燃料、液体燃料、
気体燃料等のエネルギー源として利用することができます。木屑や廃材からは木質系固
資-64
資料-8 新エネルギー技術開発動向
化燃料、さとうきびからメタノール、家畜の糞尿等からバイオガスを作ります (資-図
1.2-5)。
【特
徴】
バイオマスを構成するものは、石油や石炭と同じ有機物です。人工的に有機物を作り
出すのは大変難しいのですが、植物を利用すれば比較的簡単に燃料を作り出すことがで
きます。
・産業廃棄物となってしまう木くず、バガス(サトウキビのしぼり滓)、家畜糞尿等をエ
ネルギー源として有効活用できます。
・固体、液体、気体に加工可能なので、保存と運搬が容易です。
・加工された燃料は、自動車や発電等様々な用途に利用できます。
出典:NEF
資-図 1.2-5 バイオマス燃料製造
①
木質バイオマス
バイオマスエネルギーのうち、木材を由来とするものを特に木質バイオマスといい
ます。
1)利用方法
木質バイオマスの利用方法は、以下のものがあります。
資-65
資料-8 新エネルギー技術開発動向
燃料の形態
(伝統的加工)
薪
エネルギー変換方式
利用機器/システム
利用形態
薪ストーブ
燃焼
暖房
ペレットストーブ
炭
吸収式冷温水器
冷房
(成形燃料化)
蒸気ボイラー
ペレット
オガライト
温水ボイラー
ガス化
(破砕・チップ化)
オガ粉
チップ
給湯
ボイラー蒸気
その他加温
タービンシステム
液化
(研究段階)
発電
ガス化エンジン
システム
資-図 1.2-6 木質バイオマスの利用方法
2)木質バイオマス燃料の形態
木質バイオマス燃料には、木材の加工方法により、以下のような形態があります。
資-表 1.2-1 木質バイオマス燃料の形態と特徴
メリット
薪
炭
チップ
ペレット
デメリット
最も容易に製造が可能。
燃焼効率を上げにくい。煙が多い。火
力の調整が困難。
エネルギー密度が高い。煙が出ない。 炭の製造過程で、歩留まりが 40%程度
火持ちがよい。エネルギー用途以外で と製造効率が悪い。エネルギー利用と
も多様な使い方ができる。
しては、煮炊き用、火鉢などに限られ
る。
比較的容易に製造が可能。
利用機器が複雑になるため、小さな利
用機器には不可。
取扱が容易→制御が容易→火力の調整 製造工程がやや複雑→製造コストが比
が容易。小型機器でも燃焼効率がよい。 較的高く、手間がかかる。
煙が少ない。
エネルギー密度が比較的高い。
バーナーで使用可能→利用用途が多様
化し、応用が広い。
資-66
資料-8 新エネルギー技術開発動向
3)燃料の形態と利用規模
燃料の形態により、利用に適した規模があります。一般的にペレットのように、均
質に加工された燃料ほど小型機器で利用できます。資-表 1.2-2 に燃料の形態と利用規
模の適合性を、資-表 1.2-3 に燃料の形態と利用機器との適合性を示します。
資-表 1.2-2 燃料の形態と利用規模の適合性
燃料形態
ストーブ
数 kW 程度
小規模ボイラ
(家庭、小施設等)
20kW∼300kW 程度
中・大規模ボイラ
(業務用、工場等)
300kW 程度∼
薪
○
○
×
チップ
×
△
○
ペレット
○
○
△
資-表 1.2-3 燃料の形態と利用機器の適合性
燃料形態
ストーブ
温水ボイラ
蒸気ボイラ
吸収式冷温水器
薪
○
△(小規模で可)
×
×
チップ
×
△
(中・大規模で可)
○
△
(別途ボイラー必
要)
ペレット
○
○
○
○
(6) 廃棄物発電・廃棄物熱利用
廃棄物発電・廃棄物熱利用は、資源の有効利用という面から導入を推進すべきエネル
ギーです。
【原
理】
ごみを焼却する際の「熱」で高
温の蒸気を作り、その蒸気でター
ビンを回して発電したり、焼却の
廃熱を利用したりします(資-図
1.2-7)。
最近では、発電効率を上げるた
めにガスタービンエンジンと組み
合わせた「スーパーごみ発電」の
導入が進んでいます。また、発電
した後の熱は、周辺地域の冷暖房
出典:NEF
資-図 1.2-7 廃棄物発電・廃棄物熱利用システム
資-67
資料-8 新エネルギー技術開発動向
や温水として有効に利用できます。
【特
徴】
廃棄物発電を行うには、ある程度まとまった量のごみを必要とします。したがって、
規模の小さい地域では単独ではなく、近隣の地域と協力して導入を図らなければなりま
せん。そのためには、地域住民が地域をバックアップすることが重要です。
・ごみ処分場の問題と環境エネルギー問題の解決に貢献します。
・高温で安定的に燃焼させるため、ダイオキシンの発生が抑止されます。
・熱供給も行えば、周辺地域の施設も充実します。
(7) 廃棄物燃料製造
ゴミは活かせば「資源」になります。
【原
理】
家庭等から出される「燃えるごみ」を細かく砕き、乾燥させ、添加剤を加えて圧縮す
ると、廃棄物固形燃料(RDF:Refuse Derived Fuel)ができます(資-図 1.2-8)。固形燃
料は、廃棄物発電の燃料、工業用の熱源等に利用されます。また、廃プラスチックの油
化や天ぷら油等の廃食油をディーゼル自動車用の軽油の代替燃料とすることも廃棄物
燃料製造に含まれます。
資-図 1.2-8 廃棄物燃料製造の工程
【特
出典:NEF
徴】
ごみ処分の問題は、切実な問題で、ごみを減らす努力が大切ですが、どうしても出て
しまう「ごみ」を加工し、燃料の形にしておけば好都合です。そして、コストを低く抑
え、且つ安定させるためには、製造、流通、利用の地域体制を整備しておくことが重要
です。
・保存が可能で、腐らず、悪臭もなく、運搬も容易です。
資-68
資料-8 新エネルギー技術開発動向
・燃焼時にも有害物質の発生が抑えられます。
・固形燃料を燃やした後の灰は、容積も小さく、アスファルト等に混ぜて路盤材とし
て再利用されます。
(8) 温度差エネルギー 等未利用エネルギー
温度差エネルギー等の未利用エネルギーは、様々な熱源、色々な使い方が可能です。
【原
理】
海や川の水温は、夏も冬もあまり変化がなく、外気との温度差があり、これを温度差
エネルギーといいます(資-図 1.2-9)。また、工場や変電所等から排出される熱もエネ
ルギーとして利用されます。このような今まで利用されていなかったエネルギーは「未
利用エネルギー」と位置づけられています。これらのエネルギーは、ヒートポンプや熱
交換器を使用して冷暖房等に利用することができます。
注)ヒートポンプ:水のポンプが、水を低いところから高いところへ移動させる役割を果
たすのと同じように、温度の低いものから温度の高いものへ熱を移動させる役割を果
たす装置。
出典:NEF
資-図 1.2-9 温度差エネルギー、未利用エネルギー
資-69
資料-8 新エネルギー技術開発動向
【特
徴】
温度差エネルギーは、ヒートポンプを利用して、冷暖房等の熱供給やその他様々な熱
源として利用可能です。その他の未利用エネルギーは、熱交換器を利用して、温室栽培、
水産養殖等の地場産業や寒冷地の融雪用熱源として有効利用されます。
・温排水を捨てずに利用する場合が多いため、自然界の温度を上げずにすみ、生態系の
保護に繋がります。
・熱を得る際に燃料を燃やさないためクリーンです。
(9) 燃料電池
燃料電池は、いろいろな用途がある夢のエネルギーです。
【原
理】
水素と酸素を化学反応させて、直
接「電気」を発電する装置です(資図 1.2-10)。
燃料電池の燃料となる水素は、天然
ガスやメタノールを改質して生成さ
れるが、酸素は大気中から取り入れ
出典:NEF
るシステムとなっています。また、
資-図 1.2-10 燃料電池のしくみ
発電と同時に熱も発生するため、そ
の熱を利用してエネルギー効率を高めることが可能です。
【特
徴】
燃料電池は、大型のタイプは発電施設として、中規模のものは地域コミュニティやオ
フィスビル等に、小型のものは家庭に備え付けられ、電気と熱を供給することができま
す。もっと小型のタイプは、自動車、船舶の動力源に使用されます。
・電気と熱の併用が可能なため、総合エネルギー効率が高くなっています。
・発電の際には水しか排出されず、振動・騒音もありません。
・都市ガス・メタノール等の燃料や水の電気分解等、様々な方法で燃料となる水素を取
り出すことが可能です。
(10) 天然ガスコージェネレーション
天然ガスコージェネレーションは、単独に発電・熱利用するシステムや天然ガス以外
の化石燃料利用のコージェネレーションに比べクリーンです。
資-70
資料-8 新エネルギー技術開発動向
【原
理】
発電機で電気を作るときに発生する冷却水や排気ガス等の「熱」を温水(給湯利用)
や蒸気(暖房利用)の形で同時に利用するシステムです(資-図 1.2-11)。電気と熱を無駄
なく利用可能なため、燃料が本来持っているエネルギーの利用効率(総合エネルギー効
率)は 70∼80%に達します。
出典:NEF
資-図 1.2-11 天然ガスコージェネレーション システム
【特
徴】
天然ガスコージェネレーションシステムは、病院やデパート等、電気や熱を多く使い
停電等に備えて自家発電設備を備えている施設の常用の電源及び熱源として適してい
ます。また、燃料として天然ガスを使用するため、他の化石燃料を使う場合に比べ二酸
化炭素の発生量も少なく、硫黄酸化物等の有害物質の排出も少ないシステムです。
・総合エネルギー効率が高く、燃料の使用量が抑制されます。
・天然ガスの使用により排気ガスは他の化石燃料の場合に比べクリーンです。
・自家発電設備として、危機管理体制作りを担うことができます。
(11) クリーンエネルギー自動車
クリーンエネルギー自動車は、クリーンで効率が良い。
【原
理】
石油代替エネルギーを利用したり、ガソリンの消費量を削減したりすることで、排気ガス
を全く出さない、または排出しても量的に少ない車を「クリーンエネルギー自動車」と呼ん
でいます(資-図 1.2-12)。
資-71
資料-8 新エネルギー技術開発動向
〔クリーンエネルギー自動車の例〕
電気自動車:バッテリーからの電気でモーターを動かして走る車
ハイブリッド自動車:ガソリンエンジンと電動モーターの 2 つの動力を効率良く切り替
えて動かす自動車
天然ガス自動車・メタノール自動車:ガソリンの代わりに天然ガスやメタノールを燃料
とする自動車
出典:NEF
資-図 1.2-12 クリーンエネルギー自動車の種類
【特
徴】
自動車から排出されるガスの中には、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物
(SOX)等、地球温暖化や大気汚染の原因となる有害物質が含まれていますが、クリーンエ
ネルギー自動車はこれらの問題の解決に有効です。
・電気自動車は排ガスを一切出さず、音も静かです。
・ハイブリッド自動車は、燃費が良くガソリンの使用量を削減し二酸化炭素の排出を減
少させます。
・天然ガス自動車は、有害物質や二酸化炭素の排出量を減少させます。
資-72
資料-8 新エネルギー技術開発動向
2 新エネルギーの技術開発動向
(1) 太陽光発電
概
要
太陽光発電は、シリコンなどの半導体に光が当たると電気が発生する光
電効果を応用した太陽電池を使用して、太陽光から直接電気を発生させる
装置で、全国における 2001 年度末までの導入実績は 45.2 万 kW となって
いる。
発電の仕組み
性質の異なる 2 種類の(P 形、N 形)の
半導体を重ね合わせたのもで、太陽の光
が当たると電子(−)と正孔(+)が発
生し、正孔は P 形半導体へ、電子は N 形
半導体側へ引き寄せられる。
この 2 つの半導体を電線でつなぐと電
流が流れるしくみである。
太陽光
太陽光発電の仕組み
太陽光発電システムは、設置する場所の広さにあわせて自由に規模を決
めることができる。システムの規模と発電量は単純に比例するため、規模
のメリットを考慮することなく、家庭用から大規模施設まで、その施設に
あったシステムを設置することが可能である。
家庭用向け太陽光発電装置
太陽エネルギーを受けた太陽
電池は直流電流を発生。それを
インバーターによって交流電流
に変換して、家庭内の発電機に
使用する。
太陽光発電システム概念図
出典:資源エネルギー庁、太陽光発電普及協会ホームページ
技術開発
の現状
技術開発の現状
シ
リ
コ
ン
系
結
晶
系
非
結
晶
系
太陽光発電モジュールの種類と特徴
結晶と多結晶のシリコン基板を使用した
単結晶シリコン太陽電池
タイプで発電効率が優れている。
多結晶シリコン太陽電池
現状では住宅用、公共産業用等にはこのタ
イプが多く利用されている。
ガラスなどの低価格基板の上に、薄膜状に
アモルファスシリコンを成長させて作る
アモルファスシリコン
太陽電池で、低コスト化が期待されてい
太陽電池
る。現在は電卓や時計等に多く利用されて
いる。
資-73
資料-8 新エネルギー技術開発動向
化合物半導体
系
コストの
現状
単結晶系と多結晶がある。単結晶系では
GaAs 及び InP を用いた太陽電池が人工衛星
結
などの特殊用途に、多結晶系では CdS/CdT
晶
及び、多結晶薄膜系に位置付けられる CIS
系
多結晶化合物半導体
などがあり、材料によって用途や使用方法
太陽電池(CdS/CdTe,CIS 等)
がかわる。
出典:NEDO 新エネルギー導入ガイドブック(2002)
導入にかかる費用
単位当たり
規模
設置コスト総額
213 万円
71 万円/kW
設
3kW
別途補助額あり,平均
住宅用
2002 年度平均
置
標準的住宅用
補助額 2 万円/kW (2005
実績
年実績)
コ
104 万円/kW
ス
1,040 万円
非住宅用
10kW
1999 年度平均
ト
単結晶化合物半導体
太陽電池(GaAs.InP 等)
実績
運
転
コ
ス
ト
住宅用
非住宅用
利用にかかる費用
発電コスト
コスト比
約 2.1 倍
49 円/kWh
平均値
73 円/kWh
平均値
発電コスト
/ 競合コスト
約 3.5 倍
発電コスト
/ 競合コスト
競合コスト
23.0 円 kWh
家庭用単価
20.0 円 kWh
業務用単価
出典:NEDO 新エネルギー導入ガイドブック(2002)
:NEF ホームページ
課
題
変換効率のさらなる向上、簡素化・大面積化等と併せて、太陽電池本体
と周辺機器に関する標準化の必要がある。また、需要を拡大させるともに、
より一層のコストダウンが必要である。
(2) 太陽熱利用
概
要
太陽熱利用とは、太陽の熱エネルギーを給湯などに利用するシステムで
ある。現在までの技術開発により、自然循環式や高性能な強制循環式の温
水器が開発され、用途も給湯に加え暖房や冷房にまで広がり、国内での普
及率は一般家庭の十数%にまで至っている。導入実績についてはソーラー
システム約 34 万台、
太陽熱温水器約 244 万台となっている(2004 年度末)
。
自然循環式ソーラーシステム
出典:シロキ工業株式会社ホームページ
:新エネルギー便覧(2004)
資-74
強制対流式ソーラーシステム
資料-8 新エネルギー技術開発動向
技術開発の
現状
太陽熱利用システムにはいろいろなタイプがあるが、その利用形態から
自然循環式、強制循環式(ソーラーハウスを含む)に大別できる。自然循
環式は太陽集熱器と貯湯槽が一体となった構造で、屋根などに設置され、
集熱部分で温められた水が自然循環しながらお湯となって貯湯槽にたま
る方式である。一般に太陽熱温水器という。強制循環式は熱媒体を強制的
に循環させるものでソーラーシステムと呼ばれ、平板形、真空ガラス管形、
ヒートポンプ式、太陽電池駆動式等のタイプが利用されている。
ソーラーハウスは太陽集熱器が屋根と一体になったもので、給湯、冷暖
房を行う。 デザイン的にも建物や都市景観にマッチするものが多く、住
宅設計にとり入れられつつある。太陽熱温水器やソーラーシステムはとも
に給湯・冷暖房などのエネルギー源として、 家庭やいろいろな産業の分
野ですでに広く活用されている。
コストの
現状
強制循環型ソーラーシステムの設置コスト
設置コスト
90 万円/1 台
設置コスト
運転コスト
1999 年度
平均実績
規模
1台
標人的住宅
設置コスト総額
90 万円
強制循環型ソーラーシステムの運転コスト
熱利用コスト
コスト比
競合コスト
約 1.0∼3.0 倍
6.7 円/MJ
2.1∼6.4 円/MJ
熱利用コスト
平均値
/ 競合コスト
家庭等で最も普及されている自然循環式太陽熱温水器の設置コストは
約 30 万円、エネルギー当たりのコストは約 12 万円/kl、ソーラーシステ
ムの設置コストは約 90 万円、エネルギー当たりのコストは約 14 万円/kl
となっている。また、熱利用コストは温水器で 4.1 円/MJ(17 円/Mcal)
、
ソーラーシステムで 6.7 円/MJ(28 円/Mcal)となっている。
出典:新エネルギー部会報告書(2001.6)
:NEDO 新エネルギー導入ガイドブック(2002)
課
題
出荷台数の減少に伴う、機器価格の上昇。熱負荷等を評価した上で、低
廉な工事費でシステムの設置を行い、設置者の負担低減を図ることなどが
必要である。
(3) 風力発電
概
要
風力発電は、自然エネルギーである風力エネルギーを電気エネルギーに
変換して利用するものであり、変換の過程としては、風の運動エネルギー
を風車により回転という動力エネルギーに変え、発電機を動かし、電気エ
ネルギーへと変換するものである。
国内の導入実績としては、2005 年 3 月の累積台数は 924 台、累積出力
は 926,575kW となっており、かつては国(NEDO)、電力会社及び地方自治
体による試験研究用またはデモンストレーションとして設置したものが、
最近では商社等の民間企業が売電事業のために複数機設置する(ウィンド
ファーム)事例が中心となっている。
出典:NEDO 資料
資-75
資料-8 新エネルギー技術開発動向
負
荷
交流 / 直流
コンバーター
交流 / 直流
インバーター
トランス
(変圧器)
系統連系
保護装置
DC リンク方式
電力系統
AC リンク方式
トランス
(変圧器)
系統連系
保護装置
負
荷
風力発電システムの系統図
出典:NEF「What s 新エネ?」
技術開発の
現状
NEDO ではコストの低減及び土地の有効利用を図るため、
(剛構造の 3 枚
翼で)出力 500kW の大型風力発電システムの開発を行い、平成 8 年度より
青森県竜飛岬で 2 年間の運転研究を行った。また、風力エネルギーを有効
利用する風力発電システムの実用化を目的として、平成 2 年度∼9 年度に
沖縄県宮古島で集合型風力発電システムの系統連系運転における制御技
術の開発を行った。今後の風力発電技術は海外の開発動向から見ると、2MW
級以上の大型機を主体としたウインドファームや洋上風力などの集合化
が主なものと思われる。我が国では、風力発電システムの導入が進むにつ
れ、我が国の特有な環境(自然条件・社会条件)に合ったシステムの開発
が必要となり、そのため、1999 年度から 2002 年度にわたって、離島にお
ける風力発電システムの開発(ディーゼル発電等との協調運転技術などを
含む)及び局所的風況予測モデルの開発が行われてた。また、2000 年度
から 2001 年度にかけて「風力発電電力系統安定化等調査」を行っている。
2005 年度からは日本型風力発電ガイドライン策定事業がスタートしてい
る。
出典:NEF、NEDO 資料
コストの
現状
風車の建設コストについては、NEDO 事業を対象とした場合、事業規模
を単機導入、複数基導入(2∼4 基)、ウィンドファーム建設導入(20 基)
に分類すると、建設単価は単機導入で 41.1 万円/kW、複数基導入で 27.8
万円/kW、ウィンドファーム導入で 20.7 万円/kW となっており、事業規模
の増大に伴い建設単価は減少している。
発電コストについては、欧米における現状は 5∼6 セント/kWh 程度で、我
が国では中小規模の事業では 11∼24 円/kWh であるが、大規模事業では 10
∼11 円/kWh と低減している。また、
事業用の電力買取単価は 11∼12 円/kWh
資-76
資料-8 新エネルギー技術開発動向
程度であるが大規模導入では入札制度が適用され、より安い単価となるケ
ースが多い。
風力発電システムの設置コスト
設置コスト
規模
単機導入
41.1 万円/kW
1機
(1500kW)
複数機導入
27.8 万円/kW
2∼4 機
(1500kW)
ウィンドファーム
20.7 万円/kW
20 機
(1500kW)
運転コスト
風力発電システムの運転コスト
発電コスト
コスト比
約 1.2∼1.6 倍
10∼24 円/kWh
発電コスト
/ 競合コスト
競合コスト
7.3 円/kWh
火力発電
出典:第 21 回風力エネルギー利用シンポジウム(平成 11 年 11 月)
:新エネルギー部会報告書(2001.6)
課
題
風車本体の高効率化、長寿命化、軽量化、低騒音化及び低コスト化を達
成するため、翼の新型形状・新材料の開発、系統連系設備としての保護機
能の一体化、DC リンクによる電力の高品質化等があげられる。また、保
守性に係わる技術の改善が必要である。
(4) 廃棄物利用のエネルギー
概
要
廃棄物を利用したエネルギーは、主に発電、熱利用及び廃棄物燃料製造
(RDF)の 3 つに分類できる。
・ 発電は、廃棄物の焼却時に発生する高温燃焼ガスにより蒸気を作り、
電気を発生させる技術である。
・ 熱利用は、発電した後の排熱を処理場周辺地域の冷暖房や温水として
有効に利用するものと、発電せずに熱のみを上記の目的に利用する場
合がある。
廃棄物発電の概念図
出典:NEF「What s 新エネ?」
・ 廃棄物燃料製造は、燃えるごみを細かく砕き、乾燥、加工して作る燃
資-77
資料-8 新エネルギー技術開発動向
料を製造するシステムである。RDF は、燃料としての品質向上、輸送・
貯蔵・流通の合理化と焼却施設の大型化により、大規模発電が可能と
なること、及びダイオキシン対策の面から有望視されている。
廃棄物燃料製造(RDF)の概念図
出典:NEF「What s 新エネ?」
廃棄物発電の導入実績は、2001 年度で、発電出力 111 万 kW となってい
る。また、廃棄物熱利用の導入実績は、原油換算で 4.5 万 kl となってい
る。
出典:資源エネルギー庁
技術開発の
現状
コストの
現状
直接燃焼による発電・熱利用システムについては実績は多いが、腐食性
排ガスへの対応(材料・炉構造・燃焼方式)と蒸気の高温・高圧化による
効率の向上などで、技術開発が進められている。
RDF については、新型廃棄物固形化燃料の利用発電技術開発や発電効率
を高める要素研究等が行われている。プラスチック廃棄物を利用する液化
等の開発など、環境対策からも重点が置かれた開発も進められている。
また、廃棄物焼却等により非意図的に生成されるダイオキシン類は、発
ガン性等の広い範囲の毒性による人体の健康への影響が心配されており、
排出抑制のための装置の開発が行われている。
コストについては、事業形態、発電システム形態、処理規模等により異
なるが、一般的には中小規模で 11∼12 円/kWh、大規模で 9∼11 円/kWh 程
度といわれている*。
設置コスト
廃棄物発電
(1 日 300 t 以
上)
9∼25 万円/kW
(1999 年度平
均実績費)
廃棄物発電のコスト
発電コスト
コスト比
約 1.2∼1.5 倍
9∼12 円/kWh
(平均値)
発電コスト
/ 競合コスト
競合コスト
7.3 円/kWh
火力発電単価
*出典:新エネルギー部会報告書(2001.6)、NEDO 新エネルギー導入ガイドブック(2002)
課
題
ボイラー加熱器の塩化水素ガス等高温腐食防止による高効率化と、ダイ
オキシン排出量低減、コスト低減による事業性の確保等があげられる。ま
た、RDF 利用システムについては、RDF の安定的に受け入れる需要先の確
保が課題である。
資-78
資料-8 新エネルギー技術開発動向
(5) バイオマスエネルギー
概
要
バイオマスエネルギーとは、生物由来の資源をエネルギー利用するもので、
もとは太陽エネルギーが植物により変換され蓄えたられたものであるため、化
石資源とは異なる再生可能なエネルギーである。バイオマスの転換技術は、原
料の種類と用途に合わせてさまざまな方法があり、直接燃焼、熱分解・部分酸
化によるガス化、メタン発酵、エタノール化、さらに従来行われている植物か
ら植物油を抽出して改質するような方法(BDF)等がある。バイオマスによる発電
は 7.1 万 kW(2001 年実績、設備容量)、黒液・廃材は原油換算で 446 万 kl (2001
年実績)となっている。
バイオマス資源の利用方法の概念図
出典:NEF「What s 新エネ?」
燃焼
直接燃焼
混焼
固形燃料化
熱化学的変換
ガス化
溶融ガス化
部分酸化ガス化
メタノール合成
低温流動層ガス化
超臨界水ガス化
液化
急速熱分解
スラリー燃料化
炭化
エステル化
生物化学的変換
メタン発酵
湿式メタン発酵
乾式メタン発酵
エタノール発酵
二段発酵
バイオマスのエネルギー利用技術体系
出展:日本エネルギー学会「バイオマス・ニッポン総合戦略策定緊急調査報告書」(2002)等
資-79
資料-8 新エネルギー技術開発動向
技術開
バイオマスの利用技術は従来の直接燃焼による熱利用、蒸気タービンシステ
発の現 ムによる発電は技術的には成熟している。その他ガス化・液化については、ま
だ実証段階であるといえる。
状
バイオマスエネルギー利用技術の開発状況
分類
技術の概要
開発状況
燃焼
直接燃焼
熱化学的変換
・製材工場等端材などの直接燃焼による熱を利 成熟した技術である。
用する。またはボイラー発電を行う。コージェ 現状ではエネルギーの利用
ネレーションシステムの利用が増えている。 効率が 10∼20%と低いもの
が多い。
混焼
・石炭火力発電所などで石炭などとチップやペ 現在、実証中であるが技術的
レットといった木質バイオマスを混合燃焼する な問題は少ない。
技術。
固形燃料化 ・ペレットはおが粉や樹皮を加圧し、成型固化 基本的には、技術は成熟して
したもの。近年ペレットの生産拠点が増えてい いる。
る。
ガ 溶 融 ガ ・400℃∼600℃で熱分解ガス化を行い、可燃性 ごみの処理施設では実用機
ス ス化
ガスを発生させ、更に焼却灰を 1300℃以上の高 が導入されている。
化
温で溶融処理する技術。
部 分 酸 ・部分酸化により生成ガスを製造する。熱利用、現在実証中である。
化 ガ ス 発電のほか、調整により一酸化炭素と水素を得
化
やすく、これらを触媒を用いてメタノールに変
換することも期待される。
低 温 流 ・600℃程度でガス化する技術であり、そのガス ・タールの生成によるメンテ
動 層 ガ を用いて発電や熱利用を行う。
ナンス性が技術的問題とな
ス化
っている。
超 臨 界 ・超臨界水中で加水分解を起こし、効率的にガ ・効率の改善と高温高圧条件
水ガス化 ス化する技術。
のためのエネルギーの回収
が課題。
液 急 速 熱 ・500℃∼600℃へ急速に加熱し、熱分解させ、 ・輸送用燃料への変換のた
化 分解
油状生成物を得る技術。
め、生産コストの低減が課
題。
ス ラ リ ー 燃 ・高温高圧の熱水で改質し、炭化して粉砕後、 実証段階である。
料化
水と混ぜてスラリー化する。木酢液状成分が副
産物として得られる。
炭化
・古くから利用されているが、最近では土壌改 基本的には成熟した技術で
良、床下調湿、水質浄化などマテリアルとして ある。
の利用も増えている。
エステル化 ・廃食用油などをメタノールと反応させてエス 技術的な課題は少なく、廃食
テル化し、ディーゼル燃料とする技術。京都や 用油からの燃料として、近と
滋賀等では自動車燃料として利用している。 急速に増加している。
メ タ 湿式
・家畜排せつ物や、食品廃棄物を嫌気性発酵さ 実証段階である。
ン発
せるもの。
酵 乾式
・低水分でもメタン発酵を行う微生物を利用し 実用機が導入されている。
ている。
エ タ ノ ー ル ・でんぷん、糖系では実用化されている技術で ・難分解性である木質バイオ
発酵
あり、発酵によりエタノールを作る。
マスではセルロース部分を
糖化する技術を開発してい
る。実証段階である。
二段発酵
・条件の調整により、水素を主に発生する嫌気 ・研究段階である。
性発酵を行い、水素を得、さらにメタン発酵さ
せる技術。
生物化学的変換
バイオマスの利用技術は多岐に渡り、建設費は利用技術と規模により大きく
コスト
異なる。また運転費は、発電の場合、人件費等の固定費割合が大きく影響を及
の
現状 ぼすため、スケールメリットを活かすことがコストを下げることに大きく貢献
資-80
資料-8 新エネルギー技術開発動向
する。熱利用の場合、特に小規模システムでは、発電に比較して建設費・運転
費共に低く抑えることができることが多い。
課
題
収集・輸送コストの低減 (バイオマス資源は分散していることが多く、かさ
ばるものが多い)及びエネルギーコストの低減(加工の際に前・後処理が必要に
なることが多く、エネルギーコストが割高になる)が必要である。
(7) 温度差エネルギー
概
要
温度差エネルギーは、海水・河川水・地下水等の年間を通じて温度の変
化が少ない水温と外気との温度差を利用したものであり、ヒートポンプを
用いてその熱を取り出し、冷暖房・給湯等に活用することが可能である。
熱源としては、前記に加え、発電所廃熱、工場廃熱、下水廃熱、LNG 気化
冷熱、変電所・地下鉄などの人工廃熱も有望である。導入量は、1999 年
実績で原油換算 4.1 万 kl である。
温度差エネルギー
温度差エネルギーの種類
出典:NEF「What s 新エネ?」
河川水を利用したヒートポンプの仕組み(暖房時)
出典:新エネルギーデータ集(2000)、資源エネルギー庁ホームページ
技術開発の
現状
コストの
現状
課
題
工場・発電所廃熱及び下水廃熱の利用については、技術上の問題は少な
いが、海水利用の際の付着生物対策や熱輸送及び貯蔵技術さらに関連技術
としてのスーパーヒートポンプの開発等の研究が進められている。
温度差エネルギーのコスト
設置コスト
熱利用コスト
コスト比
ケースによ
約 1.1 倍
*温度差
10 円/MJ
り大きく異
熱利用コスト
エネルギー
/ 競合コスト
なる
*廃棄物熱利用を含む
出典:NEDO 新エネルギー導入ガイドブック(2002)
競合コスト
9.0 円/MJ
都市ガス
河川や海洋から熱を有効に利用できる距離は多くの場合 1km 程度であ
り、これら自然の熱源の周囲において冷暖房等の熱需要を確保することは
困難である。そのため、都市再開発などに際し、きめ細かく開拓していく
ことが必要である。
(7) クリーンエネルギー自動車
資-81
資料-8 新エネルギー技術開発動向
概
要
ガソリンや軽油等の石油系燃料自動車では、燃料に含まれる成分の特性
上、燃焼後に窒素酸化物(NOx)をはじめ各種の有害物質を含んだ排気ガス
が出る。この有害物質の排出量が少ない自動車を一般にクリーンエネルギ
ー自動車(低公害車)と呼んでいる。
クリーンエネルギー自動車の種類は、電気自動車、ハイブリッド自動車、
天然ガス自動車、メタノール自動車、ディーゼル代替・LPG 自動車*1、及
び燃料電池自動車*2 がある。地球規模での CO2 増加による温暖化や都市部
での大気汚染物質の排出を最小限に押さえる目的で、近年特にその導入が
期待されている。
*1 低公害車と呼ばれる時には、ディーゼル代替 LPG 自動車は含まない場合がある。
*2 新エネ法ではクリーンエネルギー自動車として定義されていない。
各自動車に適応したクリーンエネルギー技術
出典:財団法人運輸低公害車普及機構ホームページ
クリーンエネルギー自動車のしくみ
分類
電気自動車
ハイブリッド自動車
天然ガス自動車
メタノール自動車
ディーゼル代替
LP ガス車
燃料電池自動車
(参考)
しくみ
バッテリーからの電気でモーターを動かして走る。
従来のエンジンと電動モーターなどの二つの動力を効率よく
切りかえて走る。
ガソリンや軽油のかわりに天然ガスを燃料にする。
ガソリンや軽油のかわりにメタノールを燃料にする。
液化石油ガスを燃焼させて走る。
燃料電池で発電した電気の力でモーターを動かして走る。将
来的にはクリーンエネルギー自動車の主役となる可能性があ
ると期待されている。
クリーンエネルギー自動車
出典:NEF「What s 新エネ?」
:財団法人日本電動車両協会ホームページ
資-82
資料-8 新エネルギー技術開発動向
技術開発の
現状
クリーンエネルギー自動車の特徴
長所
短所
交換バッテリーの価格が高い。一充
走行中に排出ガスが出な
電 当 り の 航 続 距 離 が 短 い (100 ∼
電気自動車
い。騒音が小さく、振動
200km)。2002 年までの導入台数約
が少ない。
5,600 台。
燃費向上に効果がある。
排気ガスを節減できる。
バッテリーの交換が必要。2002 年
ハイブリッド自動車
既存のインフラを利用で
までの導入台数約 91,000 台。
きる。航続距離が既存車
と同等以上。
一充填当りの航続距離が短い
窒素酸化物(NOx)をディ
(150∼350km)。タンクの容量が
天然ガス
ーゼル車の 10∼30%に抑
大きく重い。燃料供給施設が少な
自動車
制できる。粒子状物質(P
い(全国 180 ヶ所程度)
。2002 年
M)が排出されない。
までの導入台数 16,561 台。
低温時のスタート性能に問題。燃
粒子状物質(PM)が排出
料供給施設が少ない(全国 50 箇
メタノール
されない。窒素酸化物
所程度)。燃料に毒性がある。起
自動車
(NOx)をディーゼル車の
動時にホルムアルデヒドを排出。
50%に抑制できる。
2002 年までの導入台数 91 台。
窒素酸化物(NOx)をディ 燃料供給施設が少ない(全国に
ディーゼル代替
ーゼル車の 10∼30%に抑 2000 ヶ所程度)。石油代替の効果
LP ガス車
制 で き る 。 粒 子 状 物 質 はない。2000 年までの導入台数約
(PM)が排出されない。 19,200 台。
燃料電池自動車
水素を燃料とした場合、 燃料の供給形態がどのタイプに
(参考)
水しか排出しない。
なるか不透明。
出典:新エネルギー便覧(2004)、NEDO 新エネルギー導入ガイドブック(2002)
分類
コストの
現状
車両価格は割高となっているが、技術の進歩と普及の拡大によってコス
トダウンが進みつつある。現行の石油燃料を使用した同型車と比較したコ
スト表を以下に示す。
クリーンエネルギー自動車のコスト
分類
現行車両(同クラスのガソリン車)との比較
電気自動車
車体価格が既存車の 2.0∼3.5 倍程度。
ハイブリッド自動車
車体価格が既存車の 1.04∼1.70 倍程度。
天然ガス自動車
車両価格が既存車の 1.4∼2.0 倍程度。
メタノール自動車
ディーゼル代替
LP ガス車
燃料電池自動車
(参考)
出典:新エネルギー便覧(2004)
車両価格が既存車の 2.0 倍程度。
車両本体価格が既存車の 1.1∼2.0 倍程度。
現段階では市販していない。リースのみ。
(8) コージェネレーション
資-83
資料-8 新エネルギー技術開発動向
概
要
コージェネレーション(Cogeneration)とは、1つのエネルギー源から
熱と電気等2つ以上の有効なエネルギーを取り出して利用するシステムの
ことであり、欧米では CHP(Combined Heat and Power)とも呼ばれている。
石油や天然ガス等の燃料を燃やして得た熱をピストン・エンジンやガス
タービン等を用いて動力や電力に変換し、その排熱(未利用熱)をプロセス
蒸気や冷暖房、給湯等の熱源として利用するシステムはその応用例である。
これらのシステムは、総合熱効率が 70∼80%になり、熱及び電力等を同
時に必要とする需要家にとって、新・省エネルギー・システムのホープと
して期待されている*1。導入の現状としては、2003 年 3 月末で民生用 2,915
件、発電容量約 140 万 kW、産業用 1,600 件、発電容量約 510 万 kW、合計
4,518 件、発電容量約 650 万 kW となっている。
コージェネレーションシステムの種類と特徴
単機容量
発電効率(LHV*2)
総合効率
NOX
対策
ディーゼル
エンジン
15∼10,000kW
30∼42%
60∼75%
ガスエンジン
ガスタービン
8∼5,000kW
28∼42%
65∼80%
30∼10,000kW
20∼35%
70∼80%
都市ガス・LPG・
灯油・軽油・
A 重油・LNG
りん酸形燃料電池
(参考)
50∼10,000kW
36∼45%
60∼80%
都市ガス・灯油・
メタノール・消化
ガス
作動温度
250℃以下
温水 70℃、120℃
燃料
A 重油・軽油・
灯油
都市ガス・LPG・
消化ガス
廃熱温度
排ガ ス 450℃前
後
冷却水 70∼75℃
排ガス
450∼600℃
冷却水 85℃前後
燃焼改善
噴射時期遅延
希薄燃焼
予混合希薄燃焼
水噴射・蒸気噴射
必要なし
排ガス処理
選択還元脱硝
三元触媒
選択還元脱硝
必要なし
特徴
排ガス
450∼550℃
・発電効率が高い。
・発電効率が高い ・排ガスがクリー ・小型・軽量
ンで熱回収が容 ・排ガス温度が高 ・騒音・振動が小さ
・導入実績が豊富
易
・排ガス温度が比
温で利用効率が
い。
・排熱が高温で利
較的低い
高い
・排ガスがクリー
用効率が高い
ン
*1:新エネルギーとして分類されるのは燃料が天然ガス(都市ガス)の場合のみである。
*2:LHV(Lower Heating Value):「低(位)発熱熱量」(「真発熱量」ともいう)のことで、
燃焼排ガス中の水分が水蒸気の状態であるときの発熱量である。これに対して、燃焼
排ガス中の水分(水蒸気)がすべて凝縮する(液体の水になる)ものとして、その潜
熱も加えた発熱量を HHV(Higher Heating Value;
「高(位)発熱量」または「総発熱量」)
という。一般的な燃料の場合、LHV は HHV より 5∼10%低い値となるが、生ゴミのよう
に水分が多いものではその差が大きくなる。
出典:新エネルギー便覧(2004)、資源
エネルギー庁、NEF「What s 新エネ?」
コージェネレーションシステムの概念図
資-84
資料-8 新エネルギー技術開発動向
技術開発の
現状
国により進められている主な技術開発は以下の 2 つがある。
ⅰ)セラミック天然ガスエンジンシステム技術開発事業:高効率のセラミ
ック断熱ターボコンパウンドを用いることにより、動力変換効率が高
く、軽量・コンパクトな天然ガスエンジンシステムの開発であり、発
電効率の追求(目標 46%)と耐久試験が行われている。
ⅱ)ニューサンシャイン計画における 300kW 級のセラミックガスタービン
の開発:中小型ガスタービンの高効率化、低公害化及び燃料多様化を
促進するため試作機を完成し、世界最高の熱効率 42.1%を達成し一応
の研究を終了している。今後実用化に向けた検討が進められるものと
思われる。
コージェネレーションシステムの種類と特徴
技術開発
の現状
コストの
現状
ディーゼルエン
ジン
ガスエンジン
ガスタービン
(参考)
りん酸形
燃料電池
商用段階
商用段階
*セラミックの
利用やミラーサ
イクル化等を開
発中
商用段階
*数十 kW クラス
のマイクロガス
タービンは実用
化開発中(一部商
用機として稼動
*実用機レベル
の試験的導入
コージェネレーションの設置に係るコストは、規模やシステム構成にも
よるが、一般的にシステム全体で 15∼35 万円/kW 程度といわれている。
コージェネレーションシステムの初期費用(民生用ビルに設置の場合)
規模
設置コスト
設置コスト総額
設置コスト
30 万円/kW
(1999 年度平均実績費)
500kW
(ガスエンジン)
コージェネレーションシステムの運転費用
コスト比
発電コスト
約1倍
運転コスト
19.8 円/kWh
平均値
発電コスト/競合コス
ト
1 億 5 千万円
*別途補助あり
競合コスト
約 20 円/kWh
業務用電力
出典:新エネルギー便覧(2004)
課
題
熱利用効率と発電効率の一層の向上が重要である。また、マイクロガス
タービンなどの小型分散型電源は、機能性能の向上とともに、耐久性や安
全性の実証が必要である。なお、効果的なコージェネレーションの導入に
は、電力需要と熱供給のバランスが重要であるが、導入可能性のある建築
物の熱需要の実態が正確に把握されていないことも課題である。
(9) 燃料電池
概
要
燃料電池は、バッテリーや乾電池のような一般の電池とは違い、内部に
エネルギー源を蓄えるものではなく、燃料電池ユニットに外部からエネル
ギー源としての水素(H2)と酸素(O2)を供給して電気化学反応により電力を
発生させる、一種の発電装置である。
燃料電池の原理は、水の電気分解の逆の化学反応を利用するもので、水
素(燃料)と酸素(酸化剤)を反応させて水を発生させる過程から電気を得る
ものである。
燃料電池は、一対の電極、すなわち燃料極(アノード)及び空気極(カソー
ド)と、その間に挟まれた電解質から構成されている。
燃料極に水素、空気極に空気(酸素)を通すと、それぞれの電極では次の
電気化学反応が起こる。燃料極では、水素は電子(e-)を放出し水素イオン
資-85
資料-8 新エネルギー技術開発動向
(H+)となり、水素イオンだけが、電解質中を移動する。空気極では、電解
質中を移動してきた水素イオンと酸素が電子を吸収して水が生成する。電
子は電解質中を通過できないため、電池外部の電気回路を通して両極を繋
ぐと、それを通る電子の流れが生じ、外部回路に電流(直流)を取り出すこ
とが出来る。
2000 年 3 月現在で燃料電池(リン酸形)の導入量は 70 台となっている。
燃料電池の概念図
燃料電池の種類と特徴
低温型
高温型
形式
固体高分子形
(PEFC)
りん酸形
(PAFC)
溶解炭酸塩形
(MCFC)
固体酸化物形
(SOFC)
電解質
イオン交換膜
りん酸
200℃
炭酸カリウム/
炭酸リチウム
炭酸イオン
(CO32-)
650℃
安定化ジルコニ
ア
酸素イオン
(O2-)
1,000℃
伝導イオン
水素イオン(H+)
水素イオン(H+)
運転温度
常温∼100℃
燃料(反応)
H2
H2
H2、CO
H2、CO
燃料
天然ガス、LPG、
メタノール、ナ
フサ
天然ガス、LPG、
メタノール、ナ
フサ、軽質油
天然ガス、LPG、
メタノール、ナ
フサ、軽質油、
石炭ガス化ガス
天然ガス、LPG、
メタノール、ナ
フサ、軽質油、
石炭ガス化ガス
発電効率(*)
36∼45%
36∼45%
45∼60%
50∼60%
出力規模
1∼250kW
50∼10,000kW
数千∼数十万 kW
∼数十万 kW
分散電源、大容
量発電
小型∼大容量発
電までの可能性
用途分野
家庭用、自動車、 オンサイト、分
オンサイト
散電源
注:発電効率(*)は高位発熱量基準による。
* 出典:NEDO 燃料電池ガイドブック(2002)
技術開発の
現状
日本国内においては、リン酸形燃料電池が最も研究が進んでおり、実用
化を間近にした技術レベルに到達し、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスを中
心に数多くの実証運転研究が行われている。耐久性の面でも、連続運転時
間が 8,000 時間を超えるものや、通算時間が 40,000 時間を超えるものがあ
り、技術面では十分信頼を得られるレベルになっている。
また、自動車の駆動源や家庭用コージェネレーションシステムとして期
待される固体高分子形燃料電池も、メーカ各社が研究にしのぎを削ってお
り、コスト面以外ではほぼ実用レベルにまで到達しつつある。溶融炭酸塩
形については、NEDO により 1MW 級パイロットプラント及び内部改質型 200kW
級スタックの製作と運転研究が進められている。
資-86
資料-8 新エネルギー技術開発動向
コストの
現状
リン酸形燃料電池の初期設置費用は、200kW 前後の機種では、周辺設備
を含め約 70 万円/kW 程度であり、既存火力発電所等の建設コストの 3∼4
倍に相当する。また、発電コストは 22.1 円/kWh(リン酸型)程度である。
リン酸形燃料電池の初期設置コスト
規模
設置コスト
リン酸形
燃料電池
設置コスト
リン酸形
燃料電池
運転コスト
70 万円/kW
200kW
ヒヤリング
リン酸形燃料電池の運転コスト
コスト比
発電コスト
約 1.1 倍
22.1 円/kWh
ヒヤリング
発電コスト/競合コス
ト
設置コスト総額
1 億 4 千万円
*別途補助あり
競合コスト
約 20 円/kWh
(業務用電力)
出典:新エネルギー便覧, 平成 10 年度版
新エネルギー部会報告書(2001.6)
NEDO 新エネルギーガイドブック(2002)
課
題
長期運転信頼性、総合エネルギー効率の向上による稼動率アップ、小型
軽量化、メンテナンス簡易性、多燃料対応性及び防災用等の多用途性に加
え、低コスト化を図った機種の開発が必要である。
(10) 雪氷冷熱エネルギー
概
要
雪氷冷熱エネルギーの利用形態は、①空気循環方式、②融解水の熱交換
による方式及び③冷凍機のヒートダウンによる方式(冷凍設備)の3つに
分類される。各利用形態の具体的な施設は、①では雪室・氷室(小規模施
設)、農業冷蔵倉庫(大規模施設)、②では雪冷房マンション、③では冷凍
機併設の氷室などである。
これらの施設は、北海道、山形県、新潟県を中心に導入が進められてお
り、導入実績は 2000 年 8 月現在で 44 施設、13,441 トン(貯雪量)、130 キロリ
ットル(石油代替量)となっており、平成 13 年度に助成制度(環境調和型エネ
ルギーコミュニティフィールドテスト事業・同調査事業)が創設されてか
ら著しく増加する傾向となっている。雪氷冷熱エネルギー導入の意義(メ
リット)は次のようにまとめられる。
・省エネルギー効果(石油代替効果) ・二酸化炭素排出抑制効果
・除湿、除塵
・作物の鮮度保持、糖度増加
・豪雪地帯の地域活性化
・マイナスイオン発生の効果
雪氷冷熱エネルギー利用概念図
出典:媚山政良(2001.3) 第 2 回総合エネルギー調査会新エネルギー部会資料
:NEF「What s 新エネ?」
資-87
資料-8 新エネルギー技術開発動向
技術開発の
現状
雪は 0℃で融解するため、この温度以上における利用が主体で、温度領
域の利用範囲は極めて広い。農産物の低温貯蔵による品質保持、糖度の増
加の他に、長期低温貯蔵施設や集合住宅等の冷房・空調への適用が増えて
いる。今後は、様々な利用分野への適用が課題である。
また、雪氷を長期間安定して貯蔵・熱交換・利用するための最適設計の
ノウハウ蓄積や、コストダウンのための標準化が重要である。
出典:NEDO(2002.3) 雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック
コストの
現状
コストは、事業形態、発電システム形態、処理規模等により異なるが、
電気冷房に比較してイニシャルコストは割高、ランニングコストは貯雪槽
等に要する費用にもよるが割安、トータルコストでは 1.5 倍程度となるケ
ースが多い。雪氷冷熱利用施設の各種コストの例を以下に示す。
・零温米籾貯蔵施設(冷房面積 1098m2, 貯雪量 1,500 トン)
イニシャルコスト 472.6 万円/年(電気冷房の 1.77 倍)
ランニングコスト 55.3 万円/年(電気冷房の 0.61 倍)
トータルコスト
527.9 万円/年(電気冷房の 1.47 倍)
・雪冷房マンション(冷房面積 600m2, 貯雪量 100 トン)
イニシャルコスト 70.04 万円/年(電気冷房の 1.98 倍)
ランニングコスト
1.51 万円/年(電気冷房の 2.92 倍)
トータルコスト
71.52 万円/年(電気冷房の 1.78 倍)
*出典:媚山政良(2001.3) 第 2 回新エネルギー部会資料を基に改訂
課
題
導入に向けた課題としては、以下の 4 点があげられる。
・初期投資が高額 ・貯雪量のスペースが必要
・雪の収集コスト
・雪エネルギー潜在量の偏在性
* 出典:媚山政良(2001.3) 第 2 回総合エネルギー調査会新エネルギー部会資料
資-88
資料-8 新エネルギー技術開発動向
〔以下に示すものは新エネルギーには定義されていないが、地域に賦存する自然(再生可
能)エネルギーとして概要、技術動向等を紹介する〕
(11) 中小水力発電
概
要
中小水力発電は水の運動エネルギーを電気に変換するもので、利用する
水の落差と流水量の積によって出力量が決まる。日本の未開発水力地点の
大半が 5,000kW 以下の中小規模のものであるが、現在その主流は水路式
で、河川の上流部及び支流部、農業灌漑用水路、工業用水路、砂防用ダム
等を有効に活用する余地は大きいものである。また、近年では配管に直接
取付けるインライン型の発電機の開発されている。
なお、「中小」の定義は明確ではないが、概ね 10 万 kW 以下を中水力、1
万 kW 以下を小水力と呼び、1,000kW 以下のものをミニ水力、100kW 以下を
マイクロ水力と呼んでいる。
本流
スクリーン
沈砂池
負荷調整抵抗
制御装置
角落し
上水槽
余口・吐出口
導水管
バルブ
発電機
水車
安全金網
下 水
沈み堰 吸出管
出典:自然エネルギー利用学(改訂版)
河川に設置した水力発電概念図
技術開発の
現状
コストの
現状
水力は古くからの技術であるため、技術上の問題点は少なくなっている
が、特に流量の大幅な変化に対応でき、低流量においての効率低下の少な
い水車及びシステムの開発に力が注がれている。
設置は、各設置地点の自然条件によって設計されるため、設置に伴う土
木工事費用等もまちまちである。そこで、以下に一般水力発電のコストを
示す。中小水力発電の場合には、さらに割高になる。
一般水力
発電の
コスト
設置コスト
中小水力発電のコスト
発電コスト
コスト比
76 万円/kW
約 2.0 倍
(モデル
プラント)
14 円/kWh
(ヒヤリング)
発電コスト
/ 競合コスト
競合コスト
7.3 円/kWh
火力発電
出典:NEDO 新エネルギーガイドブック(2002)
課
題
中小水力は建設費が割高となること、小規模のため効率が低く不安定で
あること等によりコスト的には不利であるが、一般には発電以外の用途を
併せ持つことが多く、その場合は利水者によって費用分担が行われる。
資-89
資料-8 新エネルギー技術開発動向
(12)海洋エネルギー
概 要
海洋は、地球の表面積の約 7 割を占め、波浪・海流・潮汐・温度差・
濃度差等の膨大なエネルギーを有しており、これらのエネルギーを利
用した発電が古くから試みられている。しかし、これらの海洋エネル
ギーは一般に密度が低いことや、または変動が大きいため、効率的に
エネルギーを取り出し、発電に利用するための種々の技術開発が現在
も行われている。海洋エネルギーの主流である波浪エネルギーは、波
が風などで上下運動する際のエネルギーを電気に変換するものであ
る。日本近海では年平均 7∼10kW/m の波浪エネルギーが存在し、外海
に面した沿岸総延長 5,200km では、3,600∼5,200 万 kW と推定されて
いる。波力発電の方式は、海岸線に発電装置を設置する固定式と、近
海・沖合などに係留させる浮体式があり、浮体式の小規模なものは既
に海の海路灯標用ブイとして実用され、現在約 482 基の導入実績があ
る*。
技術開発の
現状
コストの
現状
課
題
* 出典:新エネルギー便覧, 平成 10 年版
波力発電は、開発・実験・実用化が進んでいる分野である。海洋科
学技術センターでは大型浮体空気タービン方式の波力発電の実証研究
が進められている。最近では効率の高い新型振り子式波力発電装置(ニ
ューペンデュラー)の開発が室蘭工業大学で行われている。酒田港にお
ける波力発電ケーソン防波堤の実証実験では、商用電力系統への接続
にも成功して 1987 年より最近まで 10 年以上にわたり発電が続けられ
ていた。
沿岸固定式の建設コストは防波堤型の基礎建設工事費と機械設備費
に分けられる。基礎建設コストがシステムの建設コストに占める割合
はおよそ 80%前後と大きく、過大な設備投資となる。発電コストにつ
いてはモデル試算によると、防波堤の建設費を含めた場合、60∼130
円/kWh となっている*。
* 出典:新エネルギー便覧, 平成 10 年度版
発電コスト低減のため低波高でも効率的な発電ができるシステムを
構築することが技術開発の課題となっている。
資-90
資料-9 新エネルギーの導入事例
資料-9 新エネルギーの導入事例
代表事例と新潟県内における事例
(1) 太陽光発電
名称
:融雪機能付き200kW
太陽光発電システム
場所
:石川県金沢市戸水町
事業主体 :石川県工業試験場
運転開始年:1998年
発電量
:200kW
設備概要 :太陽電池:210kW
備考
:多結晶シリコン193kW
うち融雪対応60kW
単結晶シリコン16kW
インバーター200kW
出典:NEFホームページ
降雪時は、10kWの6エリアを自動運転により双方向イ
ンバータで逆電力を送り太陽電池モジュールを発熱さ
せて融雪し、融雪箇所については、全てのモジュール
に残雪がなくなるよう工夫してある。
導入事例
施設名
事業主体
場所
設置年
尾瀬東電小屋
東京電力㈱
湯之谷村
1992
蓬ヒュッテ(山小屋)
蓬ヒュッテ
湯沢町
1992
単結晶
出力:48kW
電力
東北電力㈱
長岡市
1994
出力:15kW
電力
東北電力㈱
新潟市
1994
10kW(1基)
電力
−
ニューエネルギ
ー事業協同組合
長岡市
1996
20kW
NEDO フ ィ ー ル ド テ
スト事業
電力
−
(医)社団わかつ
き整形外
新潟市
1997
20kW
NEDO フ ィ ー ル ド テ
スト事業
電力
−
ゆきよしクリニ
ック
亀田町
1997
20kW
NEDO フ ィ ー ル ド テ
スト事業
電力
1998
20kW
NEDO フ ィ ー ル ド テ
スト事業
(多機能型拠点施
設)
電力
東北電力㈱
長岡営業所
東北電力㈱
新潟技術センター
雁木通りプラザ
上越市
上越市
設備概要
単結晶
出力:9.4kW
浄化槽側壁、屋根、
中庭の3カ所に設
置
用途
電力
(2)太陽熱利用
名称 :明和町立明和保育園・明和幼稚園
所在地:群馬県邑楽郡明和町
竣工 :2000年3月
用途 :床暖房、換気、廃熱、採涼
構成 :空気式集熱器,9パネル,582m2
傾斜 :3.5/10
蓄熱面積:1,150m2
補助電源:深夜電力を利用したエアコン
資-91
出典:ソーラー建築デザインガイド
資料-9 新エネルギーの導入事例
導入事例
施設名
新潟市老人憩の家
大山台
事業主体
新潟市
場所
設置年
新潟市
1981
田上町老人福祉センター
田上町厚生課
田上町
1983
地域休養施設「松葉荘」
川西町
川西町
1983
関岬野営場
キャンプセンター
新潟県商工労働
部観光課
相川町
1995
在宅複合型施設、高齢者
活動促進施設
安塚町
安塚町
1999
設備概要
平板型
集熱面積:114m2
蓄熱槽容量:5m3
集 熱 面 積 : 51.5
m2(1.56 m2×33枚)
蓄熱槽容量:2.3m3
利用温度:42℃
集 熱 面 積 :
155.88m2(3.88 m2 ×18
枚、4.78 m2×18枚)
蓄熱槽容量:5.6m3
利用温度:25∼45℃
平板型
集熱面積:9.1 m2(1.82
m2×5枚)
給 湯 ホ ゙ イ ラ ー :
200,000kcal/h
真空管ガラス型
集熱面積110.2 m2
用途
給湯
暖房
給湯
給湯
給湯
給湯
(3)風力発電
名称:苫前グリーンヒルウインドパーク
場所:北海道苫前郡苫前町
事業主体:株式会社トーメンパワー苫前
運転開始年:1999年
発電量:年間3,680万kWh
設備概要:20,000kW,
1,000kW風車20機
導入事例
施設名
事業主体
佐渡自然エネルギー
研究所
㈱佐渡自然エネ
ルギー研究所(第
三セクター)
場所
設置年
金井町
名立風力発電施設
名立風力発電㈱
能生海洋公園
設備概要
用途
1997
225kW
タワー高さ30m、
ロータ直径29m
電力
名立町
1999
400kW×2基
タワー高さ36m、
ロータ直径31m
電力
能生町
能生町
1999
直江津港南埠頭緑地
上越市
上越市
2001
三の輪台いこいの広場
上越市
上越市
2002
資-92
225kW
タワー高さ32.5m、
ロータ直径29m
600kW
タワー高さ60m、
ロータ直径48m
750kW
タワー高さ75m、
ロータ直径50m
電力
電力
電力
資料-9 新エネルギーの導入事例
(4) 中小水力エネルギー(1980年以降運開分)
施設名称:黒木えん堤発電所
河 川 名:吉井川水系倉見川
最大使用水量:0.35m3/s
有効落差(最大):44.00m
最大出力:100kW
集水面積:80.7k㎡
総貯水量:6,000,000m3
ダ
ム:高さ 53.00m、長さ193.00m
出典:岡山県企業局ホームページ
導入事例
施設名
事業主体
場所
設置年
設備概要
用途
胎内第三発電所
新潟県企業局
黒川村
1983
最大出力:2,000kW
電力
新高田発電所
新潟県企業局
上越市
1984
最大出力:2,500kW
電力
風倉発電所
新潟県土木部河
川開発課・黒川村
黒川村
1985
最大出力:2,000kW
電力
内の倉発電所
新潟県農地部農
地建設課
新発田
1990
最大出力:2,900kW
電力
刈谷田発電所
新潟県企業局
栃尾市
1990
最大出力:1,100kW
電力
焼峰発電所
新潟県土木部河
川開発課
新発田
1992
最大出力:1,100kW
電力
クアハウス津南
(財)津南地域活
性化センター
津南町
1992
最大出力:4.4kW
電力
大谷ダム発電所
新潟県土木部河
川開発課
下田村
1994
最大出力:190kW
電力
(5) 地熱エネルギー
名称
:澄川地熱発電所
場所
:秋田県鹿角市
事業主体 :三菱マテリアル
:東北電力
運転開始年:1995年
発電量
:50,000kW
発電目的 :発電
その他
:PR館を併設している
出典:NEFパンフレット
導入事例
施設名
事業主体
場所
設置年
大関養魚場
大関正一氏
津南町
1978
小下里地区熱水供給施設
津南町
津南町
1986
糸魚川温泉給湯施設
協栄観光㈱
糸魚川市
1992
資-93
設備概要
貯湯容量:5m3、平均
流量:12t/h
使用対象:テラピア養
殖、老人ホーム
貯湯容量:48m3
使用対象:クアハウス津
南、旅館津南荘
平均流量:12t/h
使用対象:クアハウス、ホテ
ル、病院、浴用
用途
給湯
給湯
給湯
資料-9 新エネルギーの導入事例
(6) バイオマスエネルギー
名称:能代バイオマス発電所
場所:秋田県能代市
事業主体:能代森林資源利用協同組合
発電能力:3,000kWh
使用燃料:木片、バーク、チップ
燃料供給量:53,000t/年
(スギ樹皮・製材端材等)
出典:能代市ホームページ
名称:八木バイオエコロジーセンター
場所:京都府船井郡八木町
事業主体:京都府船井郡八木町
八木町農林課
発電量:140kW/日
消化ガス発生量:約2000m3/日
消化ガス熱量:5,000kcal/m3
温水発生量:134kW/日
最大発電量:140kW/日
*本センターでは、メタン発酵で発生した消化ガスを使って発電し、その電気と排熱の両方を使用。
*発電した電気は、本センターで使用。回収した排熱は、発酵槽の加温や管理室の給湯・暖房に使用
導入事例
a) 木質バイオマス発電
施設
糸魚川バイオマス
発電所
事業主体
場所
運開年
設備概要
用途
サミット明星
糸魚川
2005
発電機:50,000kW
電力
−
明星セメント㈱糸魚川
糸魚川
2002
発電機:50,000kW
電力
青梅工場
電気化学工場㈱
青梅町
2003
発電出力:3,500kW
ボイラー出力:
11,000Mcal/h
電力
b) 畜産・直接[鶏ふん]燃焼
施設
事業主体
場所
運開年
設備概要
用途
−
(有)大沼ブロイラー
新発田市
1951
−
暖房
場所
運開年
設備概要
用途
長岡市
2003
−
−
c) バイオディーゼル燃料製造
施設
−
事業主体
NPO法人地域循環ネット
ワーク
−
あすなろ福祉作業所
新潟市
−
−
−
柏崎観光事業協同組合
リサイクル施設
柏崎観光事業協同組合
柏崎市
2002年
65∼70kW/h
電力・熱利用
資-94
資料-9 新エネルギーの導入事例
(7) 温度差エネルギー
名称:新宿駅南口西
場所:東京都渋谷区代々木2丁目
事業主体:新宿南エネルギーサービス(株)
運転開始年:1995 年
供給面積:約 9.2ha
延床面積:約 367,300m2
備考:地下鉄の排熱を利用
出典:新エネルギー導入ガイドブック
(8) 廃棄物エネルギー
名 称:トヨタ環境センター
場 所:愛知県豊田市トヨタ町
事業主体:トヨタ自動車
運転開始年:2000年
発電量:16,000kW
出典:NEFホームページ
大発電出力16,000kWの電力を回収するとともに、電力回収後の蒸気も工場の熱源として活用するこ
とで、総合熱効率を85%と大幅に高めた。この工場内における廃棄物の排出抑制と再資源化に努め
る一方で、周辺自治体及び企業で発生する廃棄物を固形燃料として受け入れ、当発電プラントの燃
料として活用する事で、地域全体の環境負荷の低減に貢献している。
導入事例
a) 一般廃棄物
施設名
事業主体
場所
設置年
設備概要
用途
給湯
暖房
給湯
寿事務所(ごみ焼却場)
長岡地区衛生処
理組合管理課
長岡市
1967
[温水タンク]6m3
[焼却炉]1号炉・2号炉:90t/
日
豊栄環境センター
豊栄郷清掃施設
処理組合
豊栄市
1981
[温水タンク]5m3
[熱交換器]排ガス←→水、配
管
鳥越事務所(ごみ焼却場)
長岡地区衛生処
理組合
新潟市新田清掃センター
新潟市
第一クリーンセンター
上越地域広域行
政組合
時水清掃工場
小千谷地域広域
事務組合
三島町
1986
[熱交換器]
給湯用:82,500kcal/h
暖房用:151,000kcal/h
融雪用:151,000kcal/h
1986
[発電出力]1,900kW
[熱交換器]
給湯用:240,000kcal/h
暖房用:436,000kcal/h
[廃熱ボイラー]
蒸気温度:235℃
蒸気圧力:18kg/cm2、蒸気流
量:15.4t/h
上越市
1988
[温水発生器]
300,000kcal/h×2基
[温水タンク]10 m3
[給湯タンク]2 m3
小千谷市
1990
[温水発生器]
450,000kcal/h
新潟市
資-95
暖房
給湯
融雪
電力
暖房
冷房
給湯
融雪
暖房
給湯
融雪
加温
加熱
給湯
融雪
資料-9 新エネルギーの導入事例
施設名
事業主体
クリーンセンターかしわ
ざき
エコクリーンセンター
十日町市川西町
衛生施設組合
場所
設置年
柏崎市
1992
705Mcal/h
十日町市
1993
[熱交換器]
350,000kcal/h×2基
栃尾市環境クリーンセン
ター
栃尾市
栃尾市
1994
第二クリーンセンター
上越地域広域行
政組合
上越市
1995
亀田焼却場
新潟地区広域清
掃事務組合
亀田町
1997
余熱利用健康増進レクリ
エーション施設
新井頚南広域行
政組合
新井市
1997
寿事務所(ごみ焼却場)
長岡地区衛生処
理組合管理課
長岡市
1998
大佐渡じんかい処理セン
ター
佐渡広域市町村
圏組合
佐和田町
1998
事業主体
場所
設置年
電気化学工業㈱
青海町
1980
東日本旅客鉄道
㈱
新潟市
1982
設備概要
[温水発生器]
交換熱量:70,000kcal/h
[焼却炉]40t/日(8h)
[温水発生器]
水入口温度:20℃、出口温
度:80℃
[熱交換器]ロードヒーティング用:
360,000kcal/h
給湯用:172,000kcal/h
[温水発生器]500,000kcal/h
×2基
[温水タンク]10 m3
[発電出力]
5,100kW
[熱交換器]
給湯用:90,000kcal/h
暖房用:24,000,000kcal/h
[廃熱ボイラー]
蒸気温度:290℃
蒸気圧力:27kg/cm2、
蒸気流量:22t/h
[熱回収量]650,000kcal/h
[焼却炉]准連続燃焼式(流動
床 式 焼 却 炉 ) : 70t/ 日
(35t/16h×2基)
熱回収量:650,000kcal/h
[焼却炉]80t/日×2基
[温水発生器]場内用:80℃、
場外用:60℃
温水:10t/h
[熱交換器]
暖房用:150,000kcal/h
給湯用:
150,000kcal/h
用途
暖房
給湯
融雪
暖房
冷房
給湯
融雪
暖房
給湯
暖房
給湯
融雪
電力
暖房
冷房
給湯
融雪
暖房
給湯
暖房
給湯
融雪
暖房
冷房
給湯
b) 産業系廃棄物
施設名
青海工場
焼却炉廃熱回収ボイラー
新潟新幹線第一運転所ゴ
ミ焼却場
大潟事業所
青海工場
用済タイヤ受入・処理設
備
第一工業製薬㈱
電気化学工業㈱
大潟町
青海町
資-96
設備概要
廃熱回収ボイラー
圧力:17kg/cm2、流
[廃熱ボイラー]:1.3t/h×2基
アキュムレーター:60m3×2基
焼却装置:500kg/h×2基
吸収式冷凍機
1992
メ タン発酵槽: ガス発 生量(最
大)2,040Nm3/日
燃料:合成糊料の製造工程か
ら排出される廃液
工業廃液を嫌気性処理によ
りメタン発酵させ発生したメタン
ガスを工場ボイラーで燃焼し発
生蒸気を工場蒸気とし
1993
燃料:廃タイヤ
スキップホイスト:10t/h
サイロ:80m3、
コンベア:10t/h
用途
暖房
冷房
暖房
加熱
加温
資料-9 新エネルギーの導入事例
c) 下水汚泥等のメタン発酵
施設名
事業主体
新潟県十日町市川西町衛生施
設組合し尿処理場
新潟県十日町
市川西町衛生
施設組合
場所
十日町市
設置年
設備概要
用途
1964
ガスタンク容量:150m3
消化槽:900m3×2基
脱硫装置:乾式、湿式各
一式(硫化水素除去)
加温
加熱
長岡市第一下水処理場
長岡市土木部
下水道管理課
長岡市
1976
小出郷クリーンセンター
小出郷広域事
務組合
小出町
1977
信濃川下流流域下水道新潟浄
化センター
新潟県土木部
新潟市
1980
信濃川下流流域下水道新津浄
化センター
新潟県土木部
新津市
1981
ガス貯留槽:乾式
容量:3,000Nm3
消化タンク:2段消化方式
容量:1系1次3,117m3、1
系2次1,766m3
2系1次5,319m3 、2系2次
3,306m3
し尿の消化槽より発生す
るメタンガスをボイラーと焼却
炉の燃料として使用
消化槽:1,500m3×2基
ガスタンク容量:440m3
消 化 槽 (2 段 消 化 ) :
2,550m3×2基
蒸気ボイラー:3kg/cm2
伝 熱 面 積 : 29.2m2 、
3,000kg/h
消 化 槽 (2 段 消 化 ) :
1,628m3、1,465m3
蒸気ボイラー:5kg/cm2
伝 熱 面 積 : 21.6m2 、
1,800kg/h
消化槽(計画2段消化):
1,628m3(現有)
蒸気ボイラー:2kg/cm2
伝 熱 面 積 : 14.1m2 、
1,200kg/h
消化槽:1,125 m3
温水器:160,000kcal/h
熱交換器:伝熱面積:3.5
m2、5,700kcal/h
加温
加熱
加温
加熱
加温
加熱
加温
加熱
加温
加熱
信濃川下流流域下水道長岡浄
化センター
新潟県土木部
長岡市
1985
角野川流域下水道堀之内浄化
センター
新潟県土木部
堀之内町
1996
新潟市中部下水処理場
−
新潟市
−
−
加温
新潟市船見下水処理場
−
新潟市
−
−
加温
長岡市中央下水処理場
−
長岡市
−
−
加温
柏崎市自然環境浄化センター
−
柏崎市
−
−
加温
十日町市下水処理センター
−
十日町市
−
−
加温
燕市下水終末処理場
−
燕市
−
−
加温
阿賀野川流域下水道新井郷川
処理区
−
−
−
−
加温
資-97
加温
加熱
資料-9 新エネルギーの導入事例
d) 工場廃熱
施設名
青海工場
鰻養殖池
青海工場 青海セメント
発電所
事業主体
場所
設置年
設備概要
用途
電気化学工業㈱
青海町
1964
熱源:工場内火力発
電所廃熱
加熱
加温
1983
出力:11,100kW
熱源:セメント工場の廃
熱 ホ ゙ イ ラ ー (4 基 ) :
20.7t/h、11.0t/h、
18.5t/h、10.0t/h
タービン:圧力49kg/cm2
・温度400℃
電力
電気化学工業㈱
青海町
(9)天然ガスコージェネレーション
名称:ジャスコ名古屋みなと店
天然ガスコージェネレーション
場所:愛知県名古屋市
事業主体:ジャスコ株式会社
運転開始年:2000年
出典:NEFホームページ
*ショッピングセンターは冷房時間が長く、売り場や駐車場確保が重要なため、冷房時の運転効率が
高く、占有スペースの小さなガスエコパックが適していた。店舗の大半の電力・冷暖房をガスエコパ
ックで賄うことで、年間エネルギー消費量を大幅に削減する。
a) 民生用
施設名
事業主体
場所
設置年
電算センター
北陸ガス
新潟市
1984
新潟県立中央病院
新潟県立中央病
院
上越市
1997
長岡赤十字病院
長岡赤十字病院
長岡市
1997
新発田ガス本社
新発田ガス本社
新発田市
1997
亀田ふれ愛プラザ
新潟県民生部障
害福祉課
亀田町
資-98
1997
設備概要
発電容量:16kW(1基)
回収熱量:32Mcal/h
燃料:都市ガス
GE(ガスエンジン)
発電容量:
1,300kW(1基)
回 収 熱 量 : 暖 房
545.4Mcal/h
燃料:都市ガス
GE(ガスエンジン)
発 電 容 量 : 1,500kW(3
基)
回 収 熱 量 : 暖 房
1299Mcal/hなど
燃料:都市ガス
GE(ガスエンジン)
発電容量:32kW(1基)
回 収 熱 量 : 暖 房
55Mcal/h
燃料:都市ガス
GE(ガスエンジン)
燃料:ガス
発電出力:90kW
ガスエンジン:立形単動水
冷4サイクル火花点火式、
136PS
用途
暖房
冷房
暖房
冷房
暖房
給湯
その他
その他
電力
給湯
加温
加熱
資料-9 新エネルギーの導入事例
施設名
事業主体
場所
設置年
ホテル泉慶華鳳
ホテル泉慶華鳳
北蒲原郡
1997
新潟県立身体者障害福祉
センター
新潟県立身体者
障害者福祉セン
ター
中蒲原郡
1997
新潟県都市緑化植物園
新潟県都市緑化
植物園
サンロイヤル新潟
原町発電所
サンロイヤル新
潟
新津市
新潟市
1997
設備概要
発電容量:900kW(3基)
回 収 熱 量 : 暖 房
360Mcal/h×3
燃料:都市ガス
GE(ガスエンジン)
発電容量:90kW(1基)
回 収 熱 量 : 暖 房
131Mcal/h
燃料:都市ガス
GE(ガスエンジン)
発電容量:200kW(1基)
回 収 熱 量 : 暖 房
130.4Mcal/hなど
燃料:都市ガス
GE(ガスエンジン)
用途
暖房
給湯
その他
給湯
電力
冷房
暖房
給湯
1998
発電容量:80kW(1基)
回 収 熱 量 : 暖 房
60Mcal/h
燃料:都市ガス
GE(ガスエンジン)
冷房
暖房
給湯
発電容量:
1,200kW(1基)
回収熱量:
蒸気 3.6t/h
燃料:都市ガス
GT(ガスタービン)
加熱
鈴倉
栃尾市
1998
施設名
事業主体
場所
設置年
新潟工場
三菱瓦斯化学
新潟市
1989
新潟鉱業所長岡鉱場親沢
帝国石油
長岡市
1994
新井工場
松下電子工業
新井市
1996
b) 産業用
設備概要
13,080kW(2基)
回収熱量:12.5t×2
燃料:天然ガス
GT(ガスタービン)
1,145kW(1基)
回収熱量:蒸気
3.04t/h、(6kg/cm2)
燃料:天然ガス
GT(ガスタービン)
4,500kW(3基)
回収熱量:蒸気
5t/h×3
燃料:天然ガス
GT(ガスタービン)
(10) 燃料電池
名称
:メタノールを燃料とした燃料電池発電設備
場所
:長野県諏訪市
事業主体 :セイコーエプソン株式会社
運転開始年:2000年
精密加工業の製造プロセスから廃棄されるメタ
ノールやイソプロピルアルコールを200kW2基の燃
料電池の燃料として利用、得られる電力は工場で
使用する電力の一部を賄い、熱エネルギーは工場
の製造プロセスで使用する純水の加熱用及び工場
の空調用に使用され、総合効率80%を達成してい
ます。
資-99
出典:NEFホームページ
用途
加熱
加熱
冷房
暖房
資料-9 新エネルギーの導入事例
導入事例
施設名
新潟ターミナル
リン酸型燃料電池
事業主体
日本石油ガス
場所
新潟市
設置年
設備概要
∼2000
200kW
実用化テスト用。
LPGを燃料として使
用
用途
(11)クリーンエネルギー自動車
a) 電気自動車
名称:RAV4 L EV
最高速度:125km/h
一回の充填走行距離:215km (10・15モード)
電池:シール形ニッケル水素(95Ah,12V×24個)
電源
:一般電源(AC)
:単相200V/30A
充電時間:充電時間8時間
エコステーション電源:(DC)60A
製造メーカー:トヨタ自動車
b) 天然ガス自動車
名称:CNGキャンター塵芥車
一回の充填で走行可能な距離:約150∼200 km
車両価格:447万円
製造メーカー:三菱ふそう
c) ハイブリッド自動車
名 称
:エスティマハイブリッド
発進・軽負荷時:主にモーター4WDで発進
通常 走行時 :エンジン+モーター
全開 走行時 :バッテリーのパワーを加える
減速・制動時 :前後二つのモーターで回生(充電)
停 車 時
:送風のみ
製造メーカー :トヨタ自動車
導入事例
施設名
事業主体
場所
設備概要
用途
ハイブリッド自動車
新潟県
新潟市
3台
乗用車
日常業務
電気自動車
新潟市
新潟市
1台
貨物車
日常業務
天然ガス自動車
新潟市
新潟市
1台
貨物車
日常業務
天然ガス自動車
北陸ガス㈱新潟支社
新潟市
5台
乗用車
−
資-100
資料-9 新エネルギーの導入事例
施設名
事業主体
場所
設備概要
用途
電気自動車
東北電力㈱新潟支店
新潟市
1台
乗用車
日常業務・広報用
天然ガス自動車
上越市
上越市
14台
乗用車、貨物車
−
天然ガス自動車
長岡市
長岡市
1台
厨芥車
−
電気自動車
長岡市
長岡市
1台
貨物車
日常業務
天然ガス自動車
柏崎市
7台
乗用車、貨物車
−
ハイブリッド自動車
柏崎市
柏崎市
1台
乗用車
日常業務
ハイブリッド自動車
五泉町
五泉町
1台
乗用車
日常業務
ハイブリッド自動車
越路町
越路町
1台
乗用車
日常業務
ハイブリッド自動車
塩沢町
塩沢町
1台
乗用車
日常業務
天然ガス自動車
大潟町
大潟町
3台
貨物車
−
天然ガス自動車
帝国石油㈱
−
1台
乗用車
−
天然ガス自動車
越後天然ガス㈱
−
1台
乗用車
−
天然ガス自動車
新発田ガス㈱
−
2台
乗用車
−
天然ガス自動車
蒲原ガス㈱
−
2台
乗用車
−
天然ガス自動車
東邦アーステック㈱
−
1台
乗用車
−
天然ガス自動車
石油資源開発㈱
−
2台
乗用車、貨物車
天然ガス自動車
エヌエス工業
−
1台
乗用車
天然ガス自動車
田中設備
−
1台
乗用車
柏崎市
(12) 雪エネルギー
名称:農業体験実習館
場所:山形県舟形町
適用施設:多目的研修室(54m2)
冷房時間:200時間
貯設量:60t
出典:雪氷冷熱導入ガイドブック
3月に除雪機械を使って60トンの雪をピットに詰め込む。圧力をかけた水道水で雪に20個の穴を
あける。 夏になると、隣接の機械室にある送風機から空気を穴に送り込む。穴を通って冷やされ
た空気はパイプで実習館の研修室に送られ、冷房に使われる。温度が上昇した空気は貯雪ピット
に戻り、再使用される。
資-101
資料-9 新エネルギーの導入事例
導入事例
施設名
事業主体
場所
設置年
個人住宅の雪冷房
樋口利明氏宅
十日町市
1988
雪中貯蔵施設
農事組合法人
グリーンファー
ム
湯之谷村
1989
銀山平雪国体験施設
湯之谷村
湯之谷村
1990
雪中貯蔵施設
山古志村
山古志村
1991
農畜産物集出荷貯蔵施設
及び雪だるま物産館
安塚町
安塚町
1992
1995
農産物集出荷貯蔵施設
津南町(管理:農
協)
津南町
1993
切花球根貯蔵出荷施設
中里村農協
中里村
1995
温泉施設「龍神の里」の
雪冷房
津南町
津南町
1995
雪蔵の里
おぢや利雪研究
会
小千谷市
1995
雪室付貯蔵野菜販売所
兼冬期共同駐車場
高柳町
高柳町
1996
雪利用漬物生産加工施設
雪国漬生産組合
守門村
1996
雪中貯蔵施設
川口町
川口町
1996
資-102
設備概要
貯雪槽100m3
住宅脇に設置した
貯雪室に冷却した
不凍液を循環させ
ファインユンイッ
トで冷房
雪室型620 m3
半地下、鉄構造
貯蔵室を雪で覆い
冷蔵。断熱シート掛
け
雪室型441 m3
半地下、鉄構造
貯蔵室を雪で覆い
冷蔵。断熱シート掛
け
貯雪体積84 m3
雪室の大きさ12 m3
半地下、鉄筋コンクリート
造り
貯蔵室を雪で覆い
冷蔵。断熱シート掛
け
貯雪室420 m3
貯蔵室を雪で覆い
冷蔵断熱シート掛
け。雪冷房は融雪水
利用型
氷室型1,129 m3
冷蔵室隣に貯雪室
を設置して冷蔵。電
気冷蔵併用型
氷室型403 m3
貯蔵室隣に貯雪室
を設置して冷蔵。電
気冷蔵併用型
貯雪槽140 m3
玄 関 ホ ー ル ( 約
140m2)の冷房。貯雪
式の冷房システム
雪室型80m3
貯 蔵 庫 ( コン テ ナ )を 雪
で覆い冷蔵。断熱シ
ート掛け
氷室型68 m3
貯蔵室隣に貯雪室
を設置して冷蔵。販
売所(共同車庫)併
設
雪室型167 m3
鉄構造
貯蔵室を雪で覆い
冷蔵。断熱シート掛
け
貯雪体積120 m3
雪室の大きさ102 m3
貯蔵庫の上部(屋根
裏部分)に雪を入れ
て冷蔵
用途
冷房
冷蔵
冷蔵
冷蔵
冷蔵
冷房
冷蔵
冷蔵
冷房
冷蔵
冷蔵
冷蔵
冷蔵
資料-9 新エネルギーの導入事例
施設名
事業主体
場所
設置年
設備概要
氷室型410 m3
貯蔵室隣に貯雪室
を設置して冷蔵。事
務所等は雪冷熱直
接利用型
用途
冷蔵
冷房
小嶋屋麺工房
小嶋屋
十日町市
1996
個人住宅の雪冷房
宮沢武夫氏宅
十日町
1998
貯雪槽50 m3
住宅脇に貯雪室を
設置
冷房
1999
貯雪室611 m3
スタジオ、視聴覚室
などの館内の冷房。
施設内の雪室に不
凍液を循環させフ
ァンコイルユンイ
ットで冷房。
冷房
1999
貯雪室1,300 m3
在宅複合型施設及
び高齢者活動促進
施設の雪冷房冷水
循環式
冷房
雪のまちみらい館
やすらぎ荘及びほのぼの
荘
安塚町
安塚町
安塚町
安塚町
資-103
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
資料-10
新エネルギー導入等に関する助成制度
1 補助金関連
新エネルギー全般
名 称
概 要
対 象
対象エネルギー
補助率等
地域新エネルギー 地方公共団体による新エネルギ 地方公共団体 新 エ ネ ル ギ 普及(導入)促進
1/2 以内
導入促進事業
ー導入事業の実施に対して事業
ー全般(14 種
( 又 は 1/3 以
費(設備事業, 啓発事業)を補助
類の新エネ
内)ただし、風
※重要な助成制度の
する。
14
種類の新エネルギー
ルギー)
力発電・クリー
ため、各エネルギー
ンエネルギー
種別の項にも記載 を対象とする。規模要件あり。
自動車につい
ては補助率が
異なる。
普及啓発(促進)
定額(限度 2 千
万円)
新エネルギー事業 民間企業等が主務大臣の認定を 新エネ法の認 新 エ ネ ル ギ 設備費用
1/3 以内(風力発
者支援対策事業
受けた「利用計画」に基づいて 定を受けた事 ー全般(13 種
電については 1/3
実施する新エネルギー導入事業 業者
類の新エネ
×0.8 以内)
※重要な助成制度の
に対して事業費を補助する。
ルギー)
ため、各エネルギー
種別の項にも記載 上 記導入に 係る債 務を保証す
る。13 種類の新エネルギーを対
象とする。規模要件あり。
新エネルギー・省 非営利活動を実施している民間 特定非営利活 新 エ ネ ル ギ 設 備 導 入 費 及 び 1/2 以内
啓発活動費
エネルギー非営利 団体(NPO)等が行う新エネルギ 動団体(NPO) ー全般
ー設備導入支援及び普及啓発活 公益法人
活動促進事業
*クリーンエネル *通常車両との
動に必要な経費を支援する。
法人格をもた
ギー自動車を導 価格差 1/2 を
①民間団体等が営利を目的とせ ない民間法人
入する場合
上限
ずに自ら新エネルギー・省エ
ネルギー設備を導入する。
②補助民間団体等が営利を目的
とせずに第三者が行う新エネ
ルギー・省エネルギー設備導
入事業に必要な経費。
③民間団体等が営利を目的とせ
ずに新エネルギー・省エネル
ギーに係る普及啓発事業を実
施する経費。
申請・問い合わせ先
新エネルギー産業
技術総合開発機構
(以下 NEDO)
エネルギー対策推
進部
各経済産業局
エネルギー対策課
または新エネルギ
ー対策課及び沖縄
総合事務局経済産
業部環境資源課
NEDO
エネルギー対策推
進部
*個人住宅に太陽 *NEF の実施す
光を発電設備を る 住 宅 用 太 陽
設置する場合
光発電導入基
盤整備事業の
補助率に準ず
る額を上限と
する。(H14 年
度:上期 10 万円
/kW)
先進的新エネルギ 新エネルギーに関する説明会の 地方公共団体 普 及 啓 発 活 情報提供・指導
補助 100%
ー技術導入アドバ 開催、資料提供・相談、及びアド 民間企業等
動等
普及啓発等に対
イザリー事業
バイス。
する補助
*財団法人新エネ
ルギー財団(以下
NEF)
導入促進本部 太
陽光発電部
地域新エネルギー 地方公共団体における新エネル 地方公共団体
ビジョン策定等事 ギーの導入に必要となる①ビジ 民間団体等
業
ョンの策定②重点テーマに係るシス
テムの具体化計画等③FS(実現
可能性調査)の費用を補助する。
ただし、②と③は策定したビジ
ョンに基づくものであること。
高効率エネルギー 住宅の配置の工夫、省エネ、新 地方公共団体
利用型建築物改修 エネ設置の導入等により、エネ 民間団体
モデル事業費等補 ルギー有効利用型地域開発につ 民間企業等
助金(環境調和型 いての事業可能性調査に対する
地域開発促進事業 助成。
調査に係るものに
限る)
環境と経済の好循 環境と経済の好循環を地域発の 市町村等(市
環のまちモデル事 創意工夫と幅広い主体の参加に 町村及び地方
業
よって生みだすまちづくりのモ 自治法(昭和
デル事業に対し、国からの委託 22 年 法 律 第
を行うとともに、事業に必要な 67 号)第 281
経費の一部を国が交付する。
条に規定する
特別区をい
う。)と連携し
NEDO
エネルギー対策推
進部
新 エ ネ ル ギ 基 礎 調 査 な ど の 定額 (100%)
ー全般
ビジョン策定費
住宅関係
新エネ等
補助率
代替・省エネ 委託費
ルギー(天然
ガス、水素、
アルコール、 交付金
太陽熱、地中 設置者は 1/3 負担
熱、廃熱、風
力、太陽光そ
の他のエネル
資-104
NEDO エネルギー対
策推進部
1/2 以内
各経済産業局
(上限 3 千万円 エネルギー対策課
程度)
または新エネルギ
ー対策課
大規模 2,000 万 環境省 総合環境
円、小規模 500 政策局環境計画課
万円
地域政策係
大規模 50,000
万円、小規模
10,000 万円
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
名
称
概
要
学校等エコ改修と 地域社会の基礎単位である学校
環境教育モデル事 及びその校区において、環境負
業
荷の少なく快適な学校環境づく
り、学校と地域が協力した環境
教育をモデル的に推進する。
環境共生住宅市街 環境共生型の住宅市街地の共同
地モデル事業
施 設 で あ る太 陽光 発 電 等 の 自
然・未利用エネルギー活用シス
テムの整備にかかる費用。
省資源・省エネル 公園整備において、太陽エネルギー
ギー公園の整備
の活用等省資源・省エネルギー
を推進し、公園の防災機能強化
を図るための事業に必要な経費
を補助する。
コミュニティ・ア 離島振興に必要な施設の整備、
イランド推進事業 施設の効率的な利活用を促進す
る離島振興事業に必要な経費の
補助を行う。
新山村振興等農林 山村振興等地域で山村空間にふ
漁業特別対策事業 さわしい生活空間の形成と地域
経済の発展の寄与する環境の保
全上効果的な施設整備に対して
行う。
地域材利用学校関
連施設整備事業
文教施設の環境に
関する調査研究
環境を考慮した学
校施設(エコスク
ール)の整備推進
の関するパイロッ
ト・モデル事業)
対 象
対象エネルギー
たまちづくり ギー)
協議会
学校
設備、改修費 5,000 千万円
地方公共団体
住宅・都市整
備公団
民間企業等
地方公共団体
等
新・省エネル 補助率
ギー全般
地方公共団体
公団
民間企業
新・省エネル 補助率
ギー全般
施設整備
用地取得の場
合
市町村(離島 新エネルギー 補助率
振興対策実施 全般
地域)
地方公共団体
農林組合
漁業組合
農協及び農林
漁業者の組織
する団体等
文部科学省(エコスクール)との連携に 都道府県
より学校において地域材利用の 市町村
促進を図る。1.余裕教室の転用
における内装の木質化 2.学校複
合型公共施設の整備 3.学校周辺
施設の整備4.木材利用推進に
効果的な学校施設の整備。
循環型社会の形成や自然との共 市町村
生をめざす学校施設(エコスクール)の 都道府県
整備に関するパイロットモデル事業の
研究委嘱。基本計画を策定する
ために必要となる調査研究費の
負担。
循環型社会の形成や自然との共 対象校:
生をめざす学校施設(エコスクール)の 公 立 小 ・ 中 学
整備に関するパイロットモデル事業の 校 ・ 高 等 学 校
実施に際して、建物等の整備に 等及び幼稚園
ついて所要の経費の負担。
太陽光発電その他の新エネルギ
ー導入関係予算の優先的な補助
(経済産業省)。
自然エネルギー普及のための基
金。CO2 の排出抑制等の環境保
全へ貢献を希望する加入者から
電力会社が寄付金を募集し、自
然エネルギー施設設置への助成
を行う。電力会社は、加入者が
支 払 う 額 と同 額の 寄 付 を 支 払
う。
申請・問い合わせ先
環境省
1/3
1/3
2/3
1/2
1/3
国土交通省 住宅
局住宅生産課
国土交通省 都
市・地域整備局公
園緑地課
1/2
国土交通省 都
市・地域整備局離
島振興課
新エネルギー 補助率
全般
1/2
農林水産省
振興局
新エネルギー 補助率
全般
1/2
農林水産省 林野
庁林政部木材課
新エネルギー 全額
全般
委嘱経費
文部科学省 大臣
官房文教施設部施
設企画課
新エネルギー ① 公 共 学 校 施 設
全般
整備費の負担
補助率
建物等整備
・新増築
・改築
・大規模改造
②新エネ導入関
係予算
文部科学省 初等
中等教育局施設助
原則全額
成課
経済産業省 資源
1/2
エネルギー庁省エ
1/3
ネルギー・新エネ
1/3
ルギー部新エネル
経 済 産 業 省 の ギー対策課
各補助事業の
補助率を適用
1/3
環境省地球環境局
地球温暖化対策課
温室効果ガスの自 排出削減のために市場メカニズ 事業者
主削減目標設定に ムと京都メカニズムをもちい、
係る設備補助事業 ①設備補助②削減への約束③排
出枠の取引をセットにして行い
事業者が自主的に排出削減に取
り組むことを支援する。
グリーン電力基金
補助率等
補助率
地方公共団体 太陽光、風力、 普及目的
等の公益的団 バイオマス、
体(学校法人、 水力による発
NPO 法人等を 電
含む。事業用
環境教育目的
風力発電はこ
の限りでな
い)
資-105
農村
1kW 当り 20 万 (財)広域関東圏
円(上限 1 千万 産業活性化センタ
円)
ー
グリーン電力基金
設 備 設 置 工 事 事業推進室
の 85%または
200 万円のいず
れか小さい額
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
太陽光発電
名 称
ソーラー大作戦
(平成 18 年度より実
施)
概
要
対
象
未定
太陽光発電を地域で大規模に
導入し、電力を共同利用する新
たなビジネスモデルを提示す
る。集団的に導入した住宅が大
幅なCO2を削減した場合削減量
に応じて助成を行う。
①ソーラーマイレージ事 地域協議会を通じて、太陽光発電
業
設備を集団的に導入した住宅が大
幅な CO2 削減を達成した場合に削
減量に応じた助成(設置後3か年)
を行う。
② 街 区 ま る ご と CO2 大規模な宅地開発の機会を捉えて
20%削減事業
太陽光発電装置を導入した省 CO2
住宅を街区全体に整備した「CO2
削減の街」を実現し、新たな宅地
開発モデルを構築する。
③メガワットソーラー共 地域で1MW 級の大規模太陽光発電
同利用モデル事業
の施設を導入し、電力を地域の需
要家が共同利用するビジネスモデ
ルを構築する。
④再生可能エネルギー高 地方公共団体の地球温暖化対策地
度モデル事業
域推進計画等の計画に位置づけら
れた、太陽光発電等の再生可能エ
ネルギーを地域において集中的に
導入する事業対象に、事業主体と
なる民間事業者に対し必要な施設
設備費の 1/2 を補助する。
⑤地方公共団体率先対策 温暖化対策の推進に関する法律に
導入事業
規定する地方公共団体の事務及び
事業に関する実行計画に基づき、
各種の温暖化対策技術を整備する
地方公共団体に対し、補助をする。
学校等エコ改修と環境教 地域社会の基礎単位である学校及 学校
育モデル事業
びその校区において、環境負荷の
少なく快適な学校環境づくり、学
校と地域が協力した環境教育をモ
デル的に推進する。
地域新エネルギー導入促 地方公共団体による新エネルギー 地方公共団体
進事業
導入事業の実施に対して事業費を
補助する。規模要件:太陽電池出
力 50kW(エコスクールの場合 10kW)
以上。
新エネルギー事業者支援 民間企業等が主務大臣の認定を受 新 エ ネ 法 の 認
対策事業
けた「利用計画」に基づいて実施 定 を 受 け た 事
する新エネルギー導入事業に対し 業者
て事業費を補助する。規模要件:
太陽電池出力 50kW 以上。
補助率等
未定
環境省
補助率
1/2
環境省
環境省
補助金
1/2
環境省
補助金
1/2
環境省
設備、改修費
5,000 千万円
環境省
普及(導入)促進
1/2 以内
NEDO
(又は 1/3 以内) エネルギー対策推進
定額(限度 2 千万 部
円)
普及啓発(促進)
設備費用
太陽光発電新技術等フィ ①「新型モジュール採用型」、②「建材 地方公共団体
設置運転費・
ールドテスト事業
一体型」、③「新制御方式適用型」、 民間企業等
運転研究費
④「効率向上追求型」の太陽光発 <共同研究>
電設備の設置・運転に係る費用を
設置者と NEDO が互いに負担して共
同研究を行う。
10kW 以上で電力系統へ連係システ
ムが対象。
住宅用太陽光発電導入促 個人住宅に太陽光発電システムを 個人
設備・設置費
進事業
設置する場合、その運転データの (電灯契約者)
(平成 17 年度終了)
提供等を条件に設置費用を助成す 地 方 公 共 団 体
る(10kW 未満)。太陽光発電の最大 協力応募用
の需要先である住宅分野(一般住
宅・住宅団地用)及び地方公共団体
に設置を促進する。
資-106
申請・問い合わせ先
環境省
地球環境局地球温暖
化対策課
1/3 以内
NEDO 負担 1/2
太陽電池出力 1kW
当り 2 万円
各経済産業局
エネルギー対策課ま
たは新エネルギー対
策課及び沖縄総合事
務局経済産業部環境
資源課
NEDO
新エネルギー技術開
発部
NEF
導入促進本部
光発電部
太陽
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
名 称
石油製品販売業構造改善
対策事業費補助金
(防災対応型給油所普及
事業)
概 要
対 象
補助率等
災害時でも、安定した石油が供給 揮 発 油 販 売 事 補助率
出来るように自家発電設備(太陽 業者等
太陽光発電設備 1/3 以内
光発電 10kW 等)の設置を促進する
(17,333 千円)
事業。
コージェネ・貯水槽 1/5 以内
(5,000 千円)
次世代都市整備事業
太 陽 光 発 電 等 に 関 す る 技 術 の う 地方公共団体
補助率
ち、次世代の都市システムを展開
国
1/3
する場合の整備等に要する設計費
都道府県
1/3
及び整備費の補助する。基づき、
基本計画策定費 1/3
各種の温暖化対策技術を
整備費
1/4
社会福祉施設等施設整備 社会福祉施設等における資源の有 地方公共団体
補助率
1/2
事業
効活用による地球環境の保全及び 社 会 福 祉 法 人
施設利用者・地域社会への快適な 等
生活環境を提供するための助成。
申請・問い合わせ先
各経済産業局石油課
国土交通省 都市局
都市政策課・区画整
備課、地域整備局市
街地整備課
厚生労働省 社会・
援護局施設人材課
太陽熱利用
名
称
概
要
対
象
地 域 新 エ ネ ル ギ ー 地方公共団体による新エネルギ 地方公共団体
導入促進事業
ー導入事業の実施に対して事業
費を補助する。規模要件:有効
集熱面積 100m2 以上。
補助率等
普及(導入)促進
普及啓発(促進)
新 エ ネ ル ギ ー 事 業 民間企業等が主務大臣の認定せ 新 エ ネ 法 の 認 定 を 設備費用
者支援対策事業
を受けた「利用計画」に基づい 受けた事業者
て実施する新エネルギー導入事
業に対して事業費を補助する。
規模要件:有効集熱面積 100m2
以上。
住宅用太陽熱高度
利用システム導入
促進対策費補助
住宅に対して大規模な導入を図 個人等
り、コスト低減と早期太陽熱利 設置希望者
用システムの市場自立化の実現
を目的とする。不凍液などを強
制的に循環する「集熱器」と集め
た熱エネルギーを貯蔵する「蓄
熱槽」で構成され、給湯・冷暖房
に利用するソーラーシステム。
社 会 福 祉 施 設 等 施 社会福祉施設等における資源の 地方公共団体
設整備事業
有効活用による地球環境の保全 社会福祉法人等
及び施設利用者・地域社会への
快適な生活環境を提供するため
の助成。
設備費
住宅用太陽熱高
度利用システム
申請・問い合わせ先
1/2 以内
(又は 1/3 以内)
定額(限度 2 千万円)
NEDO
エネルギー対策推進
部
1/3 以内
各経済産業局
エネルギー対策課ま
たは新エネルギー対
策課及び沖縄総合事
務局経済産業部環境
資源課
基準単価 1.30 円/(W・ NEF
h/ 日 ) × 集 熱 器 の 集 導入促進本部
熱量(W・h/m2・日)×集 太陽熱利用部
熱器1台当りの総面
積(m2)
集熱器 1 台当りの
補助金
補助率
1/2
厚生労働省 社会・
援護局施設人材課
風力発電
名 称
概 要
対 象
補助率等
地 域 新 エ ネ ル ギ ー 導 地方公共団体による新エネルギ 地方公共団体
普及(導入)促進
入促進事業
ー導入事業の実施に対して事業
5,000kW 未満
1/2×0.9 以内
費を補助する。規模要件:発電出
5,000kW 以上
1/3×0.8 以内
力 1,500kW 以上。
普及啓発(促進)
定額(限度 2 千万円)
新 エ ネ ル ギ ー 事 業 者 民間企業等が主務大臣の認定を 新エネ法の認定 設備費用
×0.8 以内
支援対策事業
受けた「利用計画」に基づいて実 を受けた事業者
施する新エネルギー導入事業に
対して事業費を補助する。規模要
件:発電出力 1,500kW 以上。
風 力 発 電 系 統 連 係 対 風力発電を導入する際に、電気系 未定
策事業
統の制限のある地域で、蓄電池を
導入することで電力系統への出
力を緩和する地方公共団体や民
間事業者等に対して補助を行う。
地 域 協 議 会 対 策 促 進 一般住宅に対して、小型風力発電
事業
システム等の対策技術を地域に
まとめて導入する地域協議会の
資-107
未定
未定
補助率
1/3
申請・問い合わせ先
NEDO
エネルギー対策推
進部
各経済産業局
エネルギー対策課
または新エネルギ
ー対策課及び沖縄
総合事務局経済産
業部環境資源課
資源エネルギー庁
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
名
称
概 要
事業に対して、その事業費の 1/3
を補助する。
対
象
補助率等
風 力 発 電 フ ィ ー ル ド 風況精査、システム設計、建設・ 地方公共団体
テスト事業
運転の費用を設置者と NEDO が互 民間企業等
いに負担して共同研究を行う。研 <共同研究>
究対象は 1 基とする。
風況精査
定額(100%)
申請・問い合わせ先
NEDO
新エネルギー技術
開発部
バイオマス発電・熱利用・燃料製造
名
称
概
要
対
象
地域新エネルギー導入 地方公共団体による新エネルギー 地方公共団体
促進事業
導入事業の実施に対して事業費を
補助する。バイオマス発電の場合で
バイオマス依存率 60%以上、発電効
率 10%以上(蒸気タービン方式の場
合)等の規模要件あり。
新エネルギー事業者支 民間企業等が主務大臣の認定を受 新 エ ネ 法 の 認
援対策事業
けた「利用計画」に基づいて実施す 定 を 受 け た 事
る新エネルギー導入事業に対して 業者
事業費を補助する。
規模要件:地域新エネルギー導入促
進事業に同じ。
バイオマス等未活用エ バイオマス等未利用エネルギーの 地方公共団体
ネ ル ギ ー 実 証 試 験 事 利用に係る設備の実証設置を補助 民間事業者等
業・同事業調査
事業として行う。バイオマスエネル
ギー利用に係る実証設備の補助事
業並びに同実証設備に係る FS 調査
事業(対象利用システム用件あり)。
地域バイオマス熱利用 実証価値のあるバイオマスエネル 未定
フィールドテスト事業 ギー利用システムを各地域におい
(平成 18 年度より実施) て熱需要先に適した利用形態・規模
で設置し、実証運転を通してバイオ
マスの運搬・収集、エネルギー変換、
エネルギー利用に係わるデータを
収集、蓄積、分析、評価しその情報
を広く公表する。
バイオマスエネルギー 国内バイオマス資源の収集運搬シ 地方公共団体、
地域システム化実験事 ステムからエネルギー最終利用、及 企 業 、 公 益 法
業
びエネルギー転換利用時に発生す 人、特定非営利
る残渣の処理等までを含めた地産 活 動 法 人 等 の
地消・地域循環型エネルギー転換シ 法人
ステムが成立することを実証し、実
証を通じて社会システムならびに
技術上の課題の抽出と対応を行い、
他の地域への導入普及を先導する
バイオマスエネルギー社会システ
ム構築のためのモデル事業。委託契
約による実験事業。
脱温暖化地域構造改革 地方公共団体が行う地域の構造改 地方公共団体
事業費補助金
革に資する取組みで、CO2 やメタン
などの温室効果ガスの削減効果が
特に優れている事業に対しその事
業費の一部を補助
1.畜産廃棄物の発酵により生じた
メタンの公営バス・公共施設での
利用事業
2.生ごみメタン発酵とコージェネ
レーションによる公共施設にお
ける発電・熱地用事業
3.木質バイオマスの公共施設での
利用事業
バイオマスの環づくり 地域で発生・排出されるバイオマス (1)ソフト支援
交付金
資源を、その地域でエネルギー、工 都道府県、市町
業原料、材料、製品へ変換し、可能 村、農林漁業者
資-108
補助率等
申請・問い合わせ先
普及(導入)促 1/2 以内
NEDO
進
(又は 1/3 以内) エネルギー対策推進
部
普 及 啓 発 ( 促 定額(限度 2 千万
進)
円)
設備費用
1/3 以内
各経済産業局
エネルギー対策課ま
たは新エネルギー対
策課及び沖縄総合事
務局経済産業部環境
資源課
実証設置事業 1/2 (上限 50 百万 NEDO
円)
新エネルギー技術開
発部
実証設置調査 定額 100%
事業(FS)
(上限 10 百万円/
件)
NEDO と の 共 1/2
NEDO 新 エ ネ ル ギ ー
同研究事業
技術開発部
委託費
補助率
建設費
交付率
契 約 額 を 限 度 に NEDO 新 エ ネ ル ギ ー
当該経費の 1/1
技術開発部
環境省
1/2
(1)ソフト支援: 農 林 水 産 省 大 臣 官
1/2 以内
房環境政策課資源循
(2)ハード支援: 環室
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
名
称
広域連携等バイオマス
利活用推進事業
バイオマス利活用の活
性化に向けた取り組み
への支援
強い林業・木材産業づ
くり交付金のうち
①木材利用及び木材産
業体制整備推進対策の
うち木質バイオマスエ
ネルギー利用促進整
備、木材産業構造改革
整備
②望ましい林業構造確
立対策(ハード分)
概 要
な限り循環利用する総合的利活用
システムを構築するため、関係者へ
の理解の醸成、バイオマス利活用計
画の策定、バイオマスの種類に応じ
た利活用対策、バイオマスの変換・
利用施設等の一体的な整備等、バイ
オマスタウンの実現に向けた地域
の創意工夫を凝らした主体的な取
組を支援。
対 象
の組織する団
体、第 3 セクタ
ー、消費生活協
同組合、事業協
同組合、NPO 法
人、食品事業
者、食品廃棄物
のリサイクル
を実施する事
業者、バイオマ
スタウン構想
書を策定した
市町村が必要
と認める法人
(2)ハード支援
都道府県、市町
村、農林漁業者
の組織する団
体、PFI 事業者、
共同事業体、第
3 セクター、消
費生活協同組
合、営農集団、
民間事業者等
食品事業者等が都道府県の行政界 未定
補助率
を超えて行う、広域的な食品廃棄物
等のバイオマス利活用システム(収
集、運搬、変換等)の構築について
の支援。
バイオマス利活用に関する調査分 独立行政法人、 補助率
析、バイオマス利活用の取り組みの 民間団体、地方
核となる人材の育成、バイオマス利 公共体、PFI 事
活用施設の整備等により、地域の実 業者等
情に応じたバイオマス利活用の取
組を支援
①地域の未利用木質資源のエネル ①都道府県、 交付率
ギー利用を促進するため、林地残材 市町村、森林
等の効率的な収集・運搬に資する機 組合、林業者
材や木質バイオマスエネルギー利 等の組織する
用施設等のモデル的な整備を実施。 団体、木材関
②森林・林業基本法に基づき、林業 連業者等の組
の持続的かつ健全な発展と、需要構 織する団体、
造の変化に対応した林産物の供 第 3 セ ク タ
給・利用の確保を協力に推進する観 ー、PFI 事業
点から、都道府県ごとに策定されて 者等
いる林業・木材産業構造改革プログ ②都道府県、市
ラムに即し、経営や施業の担い手を 町 村 、 森 林 組
育成し、望ましい林業構造を実現さ 合、林業者等の
せるための対策として、林業経営や 組織する団体、
施業の効率化を図るための施設等 木 材 関 連 業 者
等の組織する
の整備を実施する。
団体、第 3 セク
ター、農協等
木質バイオマス資源等の自然エネ 都道府県、市町 交付率
ルギー活用施設、林地残材のチップ 村等
化のための機材整備、原料集積のた
めの作業路網等の整備
森林づくり交付金
森林地域環境整備対
策(ハード)∼むらづ
くりの推進∼のうち
自然エネルギー活用
基盤の整備
資源循環型畜産確立対 家畜排せつ物の適正な利用 、地域 市町村
策事業
の有機性資源の有効利用を推進す 農協公社
るため、家畜排せつ物のたい肥化施 営農集団等
設、浄化処理施設、生ゴミ等と一体
的にたい肥化を行う施設、広域流通
の促進のための大型たい肥バッグ
によるたい肥供給施設機械等を地
域の実態に応じ機動的に整備を行
う。
資-109
補助率
補助率等
設備の整備が①
民間による場
合:1/3 ②民間
以外による場
合:1/2
申請・問い合わせ先
1/2 以内
農林水産省
大臣官房環境政策課
資源循環室
1/2 以内
農林水産省
大臣官房環境政策課
資源循環室
1/2 以内
林野庁
1/2 以内
林野庁
1/2 以内
農林水産省
畜産企画課
生産局
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
廃棄物発電・熱利用・燃料製造
名
称
概
要
地域新エネルギー導 地方公共団体による新エネルギ
入促進事業
ー導入事業の実施に対して事業
費を補助する。廃棄物発電の場
合で廃棄物依存率 60%以上、発電
効率 23%以上(RDF で処理量 200t/
日未満の場合)等の規模要件あ
り。
新エネルギー事業者 民間企業等が主務大臣の認定を
支援対策事業
受けた「利用計画」に基づいて
実施する新エネルギー導入事業
に対して事業費を補助する。
規模要件:地域新エネルギー導
入促進事業に同じ。
先進型廃棄物発電フ 高効率廃棄物発電施設またはガ
ィールドテスト事業 ス化溶液型廃棄物発電施設の設
置・運転に係る費用を設置者と
NEDO が互いに負担して共同研究
を行う。高効率型はボイラー蒸
気温度 400℃以上
廃棄物発電促進対策 エネルギーの有効利用を図る観
費補助金
点から、エネルギー政策上重要
な分散型電源である廃棄物発電
の導入を促進するため、廃棄物
発電施設を設置する事業者に対
し、廃棄物発電施設の建設費の
一部を補助する。
廃棄物処理施設整備 自 家 消 費 用 の 廃 棄 物 発 電 に 限
補助金
り、自治体の一般廃棄物処理施
設としてその整備に必要な経費
を補助。
対
象
補助率等
地方公共団体
普及(導入)促進
普及啓発(促進)
新エネ法の認 設備費用
定を受けた事
業者
申請・問い合わせ先
1/2 以内
(又は 1/3 以内)
定額(限度 2 千万円)
NEDO
エネルギー対策推進
部
1/3 以内
各経済産業局
エネルギー対策課ま
たは新エネルギー対
策課及び沖縄総合事
務局経済産業部環境
資源課
地方自治体
民間企業
民間団体等
<共同研究>
設置運転費・運 NEDO 負担 1/2
転研究費
NEDO
新エネルギー技術開
発
自治体
設備にかかる経
費の売電出力按
分(下記環境省
補助対象分を除
く経費)
設備にかかる経
費
補助率
ごみ処理施設及
び発電施設
経済産業省 資源エ
ネルギー庁電力・ガ
ス事業部政策課技術
室
民間企業
地方自治体
公的セクター等
10%以内
10%以内
環境省
1/4
課
(公害防止計画策定
地域 1/2)
廃棄物対策
温度差エネルギー
名
称
概
要
地域新エネルギー 地方公共団体による新エネルギー
導入促進事業
導入事業の実施に対して事業費
(設備事業, 啓発事業)を補助す
る。熱供給能力 6.28GJ/h 以上、温
度差エネルギー依存率 40%以上等
の規模要件あり。
新エネルギー事業 民間企業等が主務大臣の認定を受
者支援対策事業
けた「利用計画」に基づいて実施
する新エネルギー導入事業に対し
て事業費を補助する。
規模要件:地域新エネルギー導入
促進事業に同じ。
未利用エネルギー 従来利用されなかったエネルギー
活用地域熱供給シ (河川水・海水・下水等の「温度差
ステム事業調査費 エネルギー」や清掃工場等の「排
補助金
熱」)を利用した地域熱供給事業を
推進するため、熱供給事業の事業
化調査に対して助成。
対
象
補助率等
地方公共団体
普及(導入)促進
申請・問い合わせ先
1/2 以内
(又は 1/3 以内)
定額(限度 2 千万円)
NEDO
エネルギー対策推
進部
(新エネルギーの
種別により担当課
は異なる)
新 エ ネ 法 の 認 設備費用
定を受けた事
業者
1/3 以内
各経済産業局
エネルギー対策課
または新エネルギ
ー対策課及び沖縄
総合事務局経済産
業部環境資源課
地方公共団体、 補助率
第三セクター、
公益法人
定額
各経済産業局
資源エネルギー課
または施設課等
普及啓発(促進)
クリーンエネルギー自動車
名
称
概
要
対
象
地域新エネルギー 地方公共団体による新エネルギー導 地方公共団体
導入促進事業
入事業の実施に対して事業費(設備
事業, 啓発事業)を補助する。規模要
件:乗用車 10 台相当以上。充電設備、
天然ガス充填設備の設置も対象。
資-110
補助率等
申請・問い合わせ先
普及( 導入) 促 次の①②のいずれか NEDO
進
低い額
エネルギー対策推
①各車両毎の導入費 進部
普 及 啓 発 ( 促 の 1/2 又は 1/3 ②
進)
通常車両との価格差
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
名 称
大気環境パトロー
ルカーの購入補助
(公害監視調査等
補助金)
概 要
対 象
地方自治体が、大気汚染などの測定 地方公共団体
のために公害パトロール車として、
低公害車を導入する場合の公害監視
等設備整備費補助による助成制度。
低公害車普及等事 都市部における深刻な大気汚染状況 自動車 NOx・PM
業費補助
を改善するため、地方公共団体が保 法 対 策 地 域 又
有する一般公用車への低公害車の導 は 公 害 防 止 計
入等を推進する。
画地域を有す
る地方公共団
体
低公害車普及促進 自動車運送事業者等が行う低公害バ
対策費補助金
ス・トラック、ディーゼル微粒子除
去装置(DPF)等の導入に要する経費
の一部を補助することにより、地域
環境の保全を図る。
補助率等
公 害 防 止 計 画 1/2
地域
その他の地域 1/3
申請・問い合わせ先
環境省 環境管理
局大気環境課
・車両
1/2
通常車両との
価格差の
環境省 環境管理局
自動車環境対策課
・燃料等供給施 1/2
設
・ディーゼル微 1/2
粒子除去装置
自動車 NOx・PM CNG バス、ハイ 通常車両価格との差 国土交通省 自動車
法 対 策 地 域 の ブリッドバス、 額の 1/2 を限度
交通局総務課企画
バス・トラック CNG ト ラ ッ ク
室
事業者等
の導入
DPF 等の導入
低公害車普及(助 主として対象地域(公健法の旧第 1
成)事業
種地域等)を走行する自動車に地方
公共団体が低公害車を導入(購入ま
たはリース)する際に要する費用の
一部を助成する。
1/4
公 害 健 康 被 害 補助率
の補償等に関
する法律の旧
第 1 種地域を中
心とする地方
公共団体
トラックに対する トラックの走行による環境問題、NOX 都 道 府 県 ト ラ
低公害車導入促進 発生問題の重要性に鑑み低公害車を ッ ク 協 会 の 会
導 入するト ラック 協会の会 員の補 員
事業
助。
車両(リース):
(社)全日本トラッ
ク協会 ・都道府
県トラック協会
購入
燃料供給施設
トラック事業者が
設置する場合
定額等
上記低公害車普及等
事業費補助の 1/2 助
成
公害健康被害補償
予防協会 基金事業
部 助成課被害補償
予防協会
購入(積載量 2t 級)
50 万円
リース(同上)
29,200 円
財団法人 運輸低
公害車普及機構
普及促進部
4/5
1/10
社団法人全日本ト
ラック協会
燃料電池
名
称
概
要
対
象
補助率等
申請・問い合わせ先
地域新エネルギー導 地方公共団体による新エネルギー 地方公共団体 普及(導入)促進
入促進事業
導入事業の実施に対して事業費
(設備事業, 啓発事業)を補助する。
普及啓発(促進)
規模要件:発電出力 50kW 以上、省
エネルギー率 10%以上。
1/2 以内
NEDO
(又は 1/3 以内)
エネルギー対策推
定額(限度 2 千万円) 進部
新エネルギー事業者 民間企業等が主務大臣の認定を受 新エネ法の認 設備費用
支援対策事業
けた「利用計画」に基づいて実施 定を受けた事
する新エネルギー導入事業に対し 業者
て事業費を補助する。
規模要件:地域新エネルギー導入
促進事業に同じ。
1/3 以内
各経済産業局
エネルギー対策課
または新エネルギ
ー対策課及び沖縄
総合事務局経済産
業部環境資源課
学校への燃料電池導 燃料電池コージェネレーションシ 地方公共団体 補助費用
入事業(対策技術率 ステムを一般家庭から中小規模業
先導入事業の内)
務用途に広げるため、小中学校等
の中規模施設の電源・熱源として
利用する燃料電池コジェネシステ
ムの技術を試験的に導入するもの
に対して補助を行う。
10,000 千円
環境省地球環境局
地球温暖化対策課
資-111
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
天然ガスコージェネレーション
名
称
概
対
象
補助率等
申請・問い合わせ先
1/2 以内
NEDO
(又は 1/3 以内)
エネルギー対策推
定額(限度 2 千万円) 進部
新エネルギー事業者支 民間企業等が主務大臣の認定を 新エネ法の認 設備費用
援対策事業
受けた「利用計画」に基づいて 定を受けた事 債務保証:
実施する新エネルギー導入事業 業者
債務保証枠
に対して事業費を補助する。
保証限度
規模要件:高効率型天然ガスコ
保証料率
ージェネレーション設備の場合
で発電出力 500kW 以上、省エネ
ルギー率 15%以上。
1/3 以内
中小水力発電
名
称
概
称
要
対
象
公営電気事業者等の卸供給事業者 公営電気事業
や自家用電気工作物設置者等によ 者等
る中小水力発電施設(30,000kW 以
下)の設置・改造及び新技術の導入
に対してその事業費を補助、ただし
揚水式は対象外とする。
省エネルギーに関するもの
名
保証基金の 15 倍
対象積務 90%
年 0.2%
各経済産業局
エネルギー対策課
または新エネルギ
ー対策課及び沖縄
総合事務局経済産
業部環境資源課
(新エネルギーではないが参考として記載した)
中小水力発電開発事業
【
要
地域新エネルギー導入 地方公共団体による新エネルギ 地方公共団体 普及(導入)促進
促進事業
ー導入事業の実施に対して事業
費(設備事業、啓発事業)を補助
普及啓発(促進)
する。規模要件:高効率型天然
ガスコージェネレーション設備
の場合で発電出力 250kW 以上、
省エネルギー率 15%以上。
補助率等
事業費
出力 5,000kW 以下 2/10
出力 5,000kW 超
1/10
30,000kW 以下
新技術導入
1/2
申請・問い合わせ先
NEDO
エネルギー対策推進
部
】
概
要
対
象
補助率等
地域省エネルギービジ 地方公共団体における省エネル 地方公共団体 補助率
ョン策定等事業費補助 ギーの推進を図るためのビジョン
制度
の策定や FS(実現可能性調査)の
費用を補助する。ただし、FS は策
定したビジョン等(それと同程度の
もの)に基づくものであること。
地域省エネルギー普及 地方公共団体が設定した「地域省 地方公共団体 補助率
促進対策事業
エネルギー普及促進計画」に基づ
普及事業
いて行われる省エネルギー設備
設計・機械設置
の導入に係る費用等を補助する。
購入費・工事費・
諸経費
普及啓発促進事業
謝金・旅費・庁費
新エネルギー・省エネ 地域草の根レベルでの効果的な NPO 法人、民 補助率
ルギー非営利活動促進 新エネルギー導入の加速化を図 間団体等
事業
るため、営利を目的としない民間
団体等が営利を目的とせずに行
う新エネルギー導入及び省エネ
ルギーの推進に資する普及啓発
事業に要する経費の支援を行う。
エネルギー需要最適マ 民生部門のエネルギー消費量を NPO 法人、民 補助率
ネジメント推進事業
大幅に削減するため、住宅等にお 間団体等
いて、IT 技術を活用して家電機器
や給湯機器を宅内ネットワーク
でつないで複数の機器を自動制
御し、省エネルギーを促進させる
家庭内ホームエネルギーマネジ
メントシステム(HEMS)等の実証
試験を実施する。
資-112
申請・問い合わせ先
定額
1/2 以内、又は
1/3 以内
名
称
NEDO
エネルギー対策推
進部
NEDO
エネルギー対策推
進部
定額
(上限 2 千万円)
1/2 以内(限度額:2 NEDO
千万円/件)
エネルギー対策推
進部
定額(100%)
NEDO
資料-10 新エネルギー導入等に関する助成制度
名 称
概 要
対 象
民生部門等地球温暖化 民生、運輸部門において、地方公 地 方 公 共 団
対策実証モデル評価事 共団体、事業者等の各主体が協力 体、民間団体
業
して取組むことにより相当程度 等
の省エネルギーが見込める事業 補助率:定額
などを対象とし、当該部門での新 ( 100 % ) た
たな省エネルギー手法や設備機 だし、モデル
器の導入により今後の省エネル 事業上限額 1
ギー施策に繋がるモデル事業を 億円/件。FS
行う。さらに、構想段階にありシ 事 業 の 上 限
ミュレーション調査等を行う。
額 2 千万円/
件
エネルギー供給事業者 民生部門における更なる省エネ (建築物)
主導型総合省エネルギ ルギー推進策として、エネルギー エ ネ ル ギ ー
ー連携推進事業
供給事業者が、消費者に直接エネ 供給事業者、
ルギーを供給している事業者に 地 方 公 共 団
しか持ち得ない専門知識やエネ 体 及 び 建 築
ルギーの使用状況に関する情報 主等
の蓄積等を活用しつつ、地域特性 (住宅)
に精通している地方公共団体等 エ ネ ル ギ ー
と連携することにより、地域にお 供 給 事 業 者
ける民生用の住宅・建築物に関す 及 び 地 方 公
る省エネルギーを計画的・効果的 共団体
に推進する。
高効率エネルギー利用 住宅の配置の工夫、省エネ、新エ 地方公共団体
型建築物改修モデル事 ネ設置の導入等により、エネルギ 民間団体
業費等補助金(環境調 ー有効利用型地域開発について 民間企業等
和型地域開発促進事業 の事業可能性調査に対する助成。
調査に係るものに限
る)
エコ・アイス設置補助 個別分散型エコ・アイス(ビル用 a.10 馬 力 相
金
マルチタイプ・パッケージタイ 当未満のエコ・
プ。ただし、特注品 は除く)の アイス mini
設置費の補助。
(80m2 程 度 以
上の店舗・事
務 所等)
b.10 馬 力 相
当以上のエコ・
アイスでピークシフ
ト 率 が 40% 以
上の機種
(200m2 程度以
上の事務所・
店舗等)
住宅・建築物高効率エ 住宅・建築物用高効率給湯器(CO2 補 助 対 象 給
ネルギーシステム導入 冷媒使用、COP(エネルギー消費 湯 器 に 係 る
促進事業
効率)3.0 以上)の導入に対して 機器費
支援を行う。
補助率等
補助率
申請・問い合わせ先
名
定額(100%)ただ NEDO
し、モデル事業上
限額 1 億円/件。FS
事業の上限額 2 千
万円/件
補助率
補 助 対 象 経 費 の NEDO
住宅・建築物高効率エ 個々に高い省エネルギー性が認
ネルギーシステム導入 められ、かつ政策的に導入促進を
促進事業費補助
図るべき住宅・建築物用の機器で
ある高効率給湯器の導入に対し
て幅広く支援を行うことで、普及
促進を図り、民生部門における総
合的な省エネルギー対策を実施
する。
先導的負荷平準化ガス 夏季電力需要をピークカットす
冷房システム導入モデ る高効率排熱投入型ガス吸収冷
ル事業
温水機と、昼間電力需要をピーク
カットするガスエンジン発電機
等を組み合わせたピークカット
効果の高い先導的負荷平準化ガ
ス冷房システムを事業所・工場に
導入するモデル事業を推進し、本
システムの有用性を PR する。
機器費
1/2
補助率
定額(建築主が導
入する費用の 1/2
以内)
補助率
1/2 以内
各経済産業局
(上限 3 千万円程 エネルギー対策課
度)
または新エネルギ
ー対策課
補助率
a. エ コ ・ ア イ ス (財) ヒートポンプ
mini と従来の空調 蓄熱センター
システムとの差額
の 1/3 以内
b.10 馬力相当以上
のエコ・アイスと
従来の空調システ
ムとの差額の 30%
以内
補助額
50,000 ∼ 260,000 (財) ヒートポンプ
円(用途・規模に 蓄熱センター
よる)
補助率
従来型給湯器との (社) 日本ガス協会
差額の 1/2 以内を
特殊工事費
事 業 者 及 び 補助率
地方公共団
体
資-113
称
ドレン配管工事費
の 1/2 以内
1/3 以内(上限額: (社) 日本ガス協会
1 億円/件)
資料-11 用語解説
資料-11
用語解説
【ア行】
どプロパンガスである。常温常圧下では気体であ
IPCC ( Intergovernmental Panel on Climate
るが、液化対象となる 3∼4 プロパン‐プロピレン
Change)
及びブタン‐ブチレンなどを加圧または冷却して
気候変動に関する政府間パネル。「国際環境計
液化したもの。
画」(UNEP:国連システム内における環境分野の活
動に対し総合的な調整等を行う)と「世界気象機
温室効果
関」(WMO:世界的な気象事業推進を図る国際連合
大気中の気体が地表面から放出される赤外線を
の専門機関のひとつ)が 1988 年 11 月に設置した、
吸収し、熱を逃げにくくし地表面にもどすため気
地球温暖化防止のための実務及び研究者会議。地
温が上昇する現象のこと。赤外線を吸収する気体
球温暖化の科学的知見、環境的・社会経済的影響、
には、水蒸気、二酸化炭素、フロンガス、メタン
対応戦略について、世界の科学者、専門家による
ガスなどがあり、温室効果ガスといわれる。
世界的な取り組みを検討するもので、第一次報告
書を平成 2 年 8 月にまとめた。
【カ行】
1 次エネルギー
自然界に存在する加工されない状態であるエネ
ルギーの源(石油・天然ガス・水力・風力・太陽
熱・地熱・原子力など)を一次エネルギーという。
これに対して、電力や石油類(灯油、ガソリンな
化石燃料
地殻中に埋蔵され、燃料として使用される天然
資源のこと。一般に、石炭、石油、天然ガスの炭
水化合物をさし、1 次エネルギー源としての水力、
地熱、原子力等と区別される。
ど)、燃料ガス(都市ガスなど)に変換して一般家
庭や工場に供給され直接利用されるエネルギーを
系統連系
2 次エネルギーという。
太陽光発電、風力発電等の発電設備及び負荷施
設が電力会社の商用系統と連結され、発電量より
FS (Feasiblity Study)
も電力需要量が大きいときに電力会社より電力供
事業化可能性調査のことで、事業を実施する事
前に、その可能性を検討するために実施する調査
のこと。
給を受けることが可能なシステム。一般的には逆
潮流ありの余剰電力を売電できるシステムを指す
ことが多い。これに対し、商用系統に接続されて
いないものを独立型(または自立型)システムと
LP ガス/LPG (Liquefied Petroleum Gas)
液化石油ガスのこと。石油生産、天然ガス生産
いう。
及び原油精製の過程等で回収・生産されている。プ
ロパンガスとプロパン・ブタンガスを主成分とし
黒
パルプ製造工程で発生する黒色の液体。木材は、
たものがあるが、現状でこれらを区分した統計値
はない。家庭や業務上で利用されるのは、ほとん
液
セルロースが主成分の繊維部分と繊維同士を接着
資-114
資料-11 用語解説
する役割をもつリグニンなどからなる。原料であ
技術開発、石炭鉱業の合理化やアルコール製造な
る木材チップに 薬品を加え、蒸解釜にて高温高圧
どの事業に加え、技術普及に必要な補助金の交付、
下で蒸煮し、繊維を取り出しパルプとする。この
情報の収集・提供及び技術指導などの業務を行っ
とき、繊維以外のリグニンなどが薬品液中に溶け
ている。
出し、「黒液」と呼ばれる溶液となる。この「黒液」
は、70%程度まで濃縮すると、ボイラーでの燃焼
新エネルギー財団
が可能となり、蒸気・電力に変換し、製紙工場内
(New Energy Foundation: NEF)
多様な新エネルギーの開発・導入のための基礎
で利用されている。
的な調査・研究と情報提供、その普及のための各
種支援事業や広報活動、そして新エネギー政策に
原単位
単位量の製品や額を生産するのに必要な原料・
動力・労働力などの基準量のこと。特に、ある品
ついての国への提言などを行っている。住宅太陽
光設置の補助は新エネルギー財団の事業である。
物を製造するのに用いたエネルギー量を、製造さ
れた品物の数量で割った数値をエネルギー原単位
という。一般にエネルギー生産性の向上(省エネ
【タ行】
ルギーの進捗状況等)をみる指標として使用して
地球温暖化
全世界平均気温が長期的に上昇していく現象の
いる。
こと。主に化石燃料(石油など)の消費に伴う大
気中の二酸化炭素濃度などの増加によって温室効
コージェネレーション
石油やガスなどの 1 つのエネルギー源から電気
果が強まり、対流圏の平均気温が昇温する生態系
と熱など複数の二次エネルギーを同時に発生させ
全体に重大な影響を及ぼし、人類生存に関わるた
るシステムのこと。特にディーゼルエンジンやガ
め、地球環境問題中でも最も懸念すべき現象であ
スタービンなどで発電し、その排熱を回収し、冷
る。
暖房、給湯などに利用するシステム。
地球環境問題
地球温暖化、酸性雨、フロンガスによるオゾン
層の破壊、砂漠化及び熱帯雨林枯渇など、放置す
【サ行】
ると世代を越え、また国境(地域)を越えて地球
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
(New Energy Development Organization :NEDO)
の自然環境に影響を与える環境問題の総称。1988
石油代替エネルギーの効率的な研究開発及び財
年にカナダで開かれたトロント・サミットより急
政的なバックアップを目指し 1980 年に政府出資を
速に注目されるようになった。
中心に設立された。石炭のガス化・液化、太陽光
発電、風力、燃料電池、地熱、廃棄物発電などの
資-115
資料-11 用語解説
ヒートポンプ
【ナ行】
熱ポンプ。熱源から熱を汲みあげ、より高い温
熱量換算
異なるエネルギー量を共通の尺度で比較するた
度を得る機器であり、ポンプで水を汲み揚げるの
めに、熱量単位を基準にして換算したもの。また、
と似た作用であることからこう呼ばれ、冷暖房な
原油発熱量を用いて原油の消費量(L)に換算した
どに利用される。冷媒(流動流体)には低沸点物
ものを原油換算(値)という。
質(フロンなど)が用いられ、コンプレッサーで
高圧にすると液化し、その際、発生する凝縮熱が
燃料電池
暖房に利用される。一方液化した冷媒は常圧に戻
天然ガスやアルコール等からとり出した水素と
すと気化して周囲から熱を奪うことから、これを
大気中の酸素を電気化学的に反応させることによ
冷房に利用することができる。なお、ヒートポン
って電気を発生させる装置。発電効率が 40%∼60%
プのエネルギー変換効率を示す指数を成績係数
と高く、クリーンであり、近年は一般家庭や自動
(COP)という。
車周辺の小型タイプの開発が急速に進んでいる。
風況マップ
わが国における風力発電システムの開発・導入
【ハ行】
をより効率的に実施していくために平成 6 年 3 月
バイオマスエネルギー
に NEDO により作成された、わが国全域の年平均風
生物体を構成する有機物を資源として利用する
速等を表示した地図。国土数値情報における 3 次
エネルギーのこと。化石燃料とは異なり、太陽光、
メッシュ(約 1km 四方)毎の年平均風速値(地上
炭酸ガス、水、空気、土壌の作用で生成されるた
高 30m)等が表示されている。メッシュ毎の風速値
め再生可能な(循環的に利用できる)エネルギー
は、気象庁 AMeDAS 観測点他の実測データをもとに、
源である。
地図因子による重回帰分析で風速の推定を行った
ものである。
BDF(Bio Diesel Fuel)
軽油代替燃料。BDF(バイオディーゼルフューエ
ル)とは、有機物から作った軽油の代わりに使う
【ラ行】
レイレイ分布(Rayleigh distribution)
燃料のこと。菜の花の搾油粕、廃食油等を精製す
データのバラツキの分布を数学的に表す「確率
ると軽油代替燃料である BDF ができる。これまで
モデル」の一つで、その分布は下記の数式の形で
捨てられていたものを再利用する資源循環型の燃
与えられ、統計解析や自然現象の予測・推測等に
料で、化石燃料と違って植物性だから植物がある
利用される。レイレイ分布で表現される自然現象
限り生産可能であり、硫黄酸化物や黒煙の発生が
の例としては、風速の出現分布や海洋における波
少ない地球にやさしいエネルギー。
高の分布などがある。
資-116
資料-11 用語解説
f(v)=π/2・v/(vm2)・exp{-π/4(v/vm)2}
f(v):風速vにおける出現率
vm:平均風速
【単位について】
<J(ジュール)> 熱量、仕事量を表す単位で、
1J は 0.239cal(4.186J=1cal)に相当する。
1kJ=239cal
1MJ=239kcal(239×103cal)
1GJ=239Mcal(239×106cal)= 0.239 Gcal
<cal(カロリー)>
熱量を表す単位で、1cal
は、1g の水を 1℃温めるのに必要な熱量。な
お、kcal(キロカロリー)
、Mcal(メガカロリ
ー)、Gcal(ギガカロリー)という単位も用い
る。
<Wh(ワットアワー)>
仕事量、電力量を表す
*
単位で、1Wh は 1W の仕事率で 1 時間になす仕
事量、あるいは 1W の電力を 1 時間消費した電
力量。
1kWh=1,000Wh、1MWh=106Wh、1GWh=109Wh
*W(ワット)
:仕事率、電力を表す単位で、
1 秒あたりに行う仕事の割合。1W は 1 秒あ
たり 1J 行う仕事の割合。 1kW=1,000W、
1MW=106W、1GW=109W
k(キロ)
1,000 倍
1kg=1000g
M(メガ)
k(キロ)の 1000 倍
G(ギガ)
M(メガ)の 1000 倍
資-117
資料-12 委員会名簿及びビジョン策定の経過
資料-12
委員名簿及びビジョン策定の経過
佐渡市地域新エネルギービジョン策定委員名簿
【委
員】
区
分
学 識 経 験 者
職
名
氏
新エネルギー関係技術 新潟大学工学部
の専門家
教授
名
山
口
貢
佐渡地域の気象専門家
相川測候所
気象解説官
小
島 源 邦
新潟県
佐渡地域振興局
企画振興部長
近
藤
教育委員会
佐渡市教育委員会
委員長
豊
原 久 夫
市民代表
NPO法人トキの島
中
島 明 夫
市民代表
おけさ観光タクシー
皆
川 敦 子
市民代表
佐渡島木質バイオマスフ
ォーラム
十文字
佐渡連合商工会
相川町商工会副会長
金
子 正 勝
産業団体代表者
佐渡地区森林組合連絡協
議会副会長
加
藤 幹 夫
産業団体代表者
佐渡農業協同組合
営農部長
菊
池 右 一
産業団体代表者
新潟県建設業協会佐渡支
部構造改善委員長
小
浜 安 夫
佐渡営業所副所長
小
林 義 雄
資源エネルギー環境部
小
林
新エネルギー・産業技
エネルギー対策推進部
術総合開発機構
山
下 幸 久
関係行政機関
市 民 代 表 者 産業団体代表者
電 力 業 者 東北電力
関東経済産業局
務
佐渡市
局】
企画情報課
【委
託
委員長
修
護
エネルギー対策課
課長補佐
統括主幹
者】
イー・アンド・イーソリューションズ㈱
資-118
考
勉
オブザーバー
【事
備
資料-12 委員会名簿及びビジョン策定の経過
佐渡市地域新エネルギービジョン庁内委員会名簿
【委
員】
課
名
職
名
氏
名
企画情報課
課長
中
川 義 弘
企画情報課
課長補佐
金
子
総
務 課
課長補佐
平
間 俊 雄
財
政 課
課長補佐
伊
貝 秀 一
社会福祉課
課長補佐
浅
井 一 弘
環境保健課
環境保全室長
藤
澤 一 雄
医
療 課
課長補佐
野
澤
農林水産課
課長補佐
本
間 俊一郎
観光商工課
課長補佐
中
川 義 彦
建
課長補佐
渡
辺 正 人
教育委員会学校教育課
課長補佐
石
塚 道 夫
教育委員会生涯学習課
課長補佐
長
坂 和 義
設 課
資-119
優
満
備
委員長
考
資料-12 委員会名簿及びビジョン策定の経過
活動の経過
1 策定委員会
・第 1 回策定委員会
主要議題
開催日:平成 17 年 9 月 14 日
各委員の紹介・委嘱、委員長選任、調査の概要説明、新エネルギー解説、
エネルギー需要量調査方法について、新エネルギー賦存量推計方法、新
エネ導入の基本方針、アンケート調査方法
・第 2 回策定委員会
主要議題
開催日:平成 17 年 11 月 4 日
佐渡市の地域概況、エネルギー需要量算定結果、新エネルギー賦存量算
定結果、新エネルギー導入の基本方針とプロジェクト(案)、アンケー
ト調査結果、ワークショップ実施方法
等
・第 3 回策定委員会
開催日:平成 18 年 1 月 14 日
主要議題 新エネルギー導入の基本方針とプロジェクト、新エネルギー導入の推進
体制と推進方法、報告書構成案(目次案)、ワークショップ実施方法
・第 4 回策定委員会
主要議題
等
開催日:平成 18 年 2 月 8 日
報告書(案)
、ワークショップ実施報告
等
2 庁内委員会
・第 1 回庁内委員会
主要議題
開催日:平成 17 年 9 月 14 日
新エネルギー解説、ビジョン主旨説明、事業概要説明、エネルギー需要
量調査方法について、新エネルギー賦存量推計方法、新エネ導入の基本
方針、アンケート調査方法
・第 2 回庁内委員会
主要議題
等、情報提供依頼
開催日:平成 17 年 11 月 4 日
佐渡市の地域概況、エネルギー需要量算定結果、新エネルギー賦存量算
定結果、新エネルギー導入の基本方針とプロジェクト(案)、アンケー
ト調査結果、ワークショップ実施方法
・第 3 回庁内委員会
主要議題
等
開催日:平成 18 年 1 月 13 日
新エネルギー導入の基本方針とプロジェクト、新エネルギー導入の推進
体制と推進方法、報告書構成案(目次案)、ワークショップ実施方法
・第 4 回庁内委員会
主要議題
開催日:平成 18 年 2 月 8 日
報告書(案)
、ワークショップ実施報告
等
3 先進地研修
1.新エネルギー全国合同施設研修会
(1)日
時:平成 17 年 9 月 1 日(木)∼2 日(金)
(2)場
所:1 日
ウェルシティ前橋(群馬厚生年金会館)
資-120
等
資料-12 委員会名簿及びビジョン策定の経過
2日
前橋 NEDO 実証プラント、宮城実証プラント
(3)参加者:企画情報課
(4)内
尾潟
孝之
容
佐渡市の新エネルギービジョン策定の参考とするため、新エネルギー導入の必要
性、先進地の事例等の研修を受けた。
9 月 1 日(木)研修会(13:30∼17:00)
・基調講演「持続的未来社会のためのエネルギー開発」
・事例紹介「群馬県内の新エネルギー導入事例紹介」
「宮城村新エネルギービジョンから、バイオマス発電へ」
・設備導入紹介「家畜ふん尿からのバイオガスを利用した燃料電池コージェネレ
ーションシステム実証試験事業」
9 月 2 日(金)施設研修会(9:00∼13:00)
・前橋 NEDO 実証プラント「家畜ふん尿からのバイオガスを利用した燃料電池コ
ージェネレーションシステム実証試験事業」
メタン発酵設備、消化液堆肥化設備、バイオガス利用設備
〈燃料電池(1kW 級)
、ガスエンジン発電(5kW 級コージェネレーション)
〉
・宮城実証プラント視察「低コスト・シンプル家畜排せつ物処理・利用システム
の開発」
〈マイクロガスタービン発電機(30kW 級コージェネレーション)
〉
2.地域新エネルギーセミナー
(1)日
時
平成 17 年 9 月 9 日(金)
(2)場
所
新潟ユニゾンプラザ
(3)参加者
(4)内
企画情報課
尾潟
孝之、鶴間
啓夫
容
新エネルギー同士の組み合わせの可能性、小規模施設への導入事例など、新エネ
ルギーの普及を一層進めるために県が開催したセミナーに参加した。
・基調講演「新エネルギーの組み合わせの可能性について」
・講演「太陽光発電導入の意義、導入事例について」
・講演「天然ガスコージェネレーション導入の意義、導入事例について」
・講演「新潟県に適した利雪住宅の普及に向けて」
・制度紹介「NEDO 技術開発機構の新エネルギー導入支援策の紹介」
3.先進地調査
(1)日
時:平成 17 年 10 月 15 日(土)
(2)場
所:
(有)宗村建設
新潟市鳥原新田 550 番地
資-121
資料-12 委員会名簿及びビジョン策定の経過
(3)参加者:企画情報課
(4)内
金子
優、西牧
孝行
容
BDF(バイオ・ディーゼル・フューエル)に関する調査
廃油からバイオディーゼルエンジンを精製し、軽油の代替燃料として使用してい
る(有)宗村建設を伺い、回収・精製方法や、その使用効果及び、それを事業化す
る場合どんな方法がよいか調査した。
4.佐渡市地域新エネルギービジョン策定に係る先進地調査
(1)日
時:平成 17 年 11 月 7 日(月)∼11 月 9 日(水)
(2)場
所:岩手県葛巻町
(3)参加者:企画情報課
(4)内
中川
義弘
要
平成 11 年 6 月「新エネルギーの町・葛巻」を宣言した葛巻町において、太陽光、
バイオマスの新エネルギー発電システムの現状及び岩手県と民間企業が共同で開
発したチップボイラー「エコモス」の開発担当者等にヒアリングを行った。
①
いわて型チップボイラー「エコモス」
(玉山村
盛岡工業団地・小山田工業所)
②
葛巻中太陽光発電(葛巻町)
③
バイオガスシステム施設(葛巻町
④
木質バイオマスガス化による熱・電併給システム(葛巻町
⑤
ペレットストーブ(葛巻町
くずまき高原牧場)
くずまき高原牧場)
葛巻町森林組合)
5.先進地調査(環境保健課合同)
(1)日
時:平成 17 年 12 月 13 日(火)∼12 月 16 日(金)うち新エネ関係 2 箇所
(2)場
所:鹿児島県種子島・屋久島
(3)参加者:環境保健課
企画情報課
(4)内
環境保全室
藤澤
一雄
特区・離島振興室
山本
雅明
要
「屋久島ゼロエミッションプロジェクト」及び「屋久島水素ステーションプロジ
ェクト」の行われている屋久島において、以下の取り組みについて視察した。
① 屋久町リサイクル施設(屋久町役場)
:廃食油の回収と BDF 製造
②
屋久島電工株式会社:燃料電池自動車試乗会
資-122
佐渡市地域新エネルギービジョン策定等事業報告書
平成 18 年 2 月
発
行
新潟県佐渡市
編
集
佐渡市企画情報課
〒952-1292
新潟県佐渡市千種 232 番地
TEL 0259(63)4152
編集協力
イー・アンド・イー
ソリューションズ株式会社
印
刷
株式会社
第一印刷所
Fly UP