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情報通信関係の フォーラム活動に関する調査報告書

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情報通信関係の フォーラム活動に関する調査報告書
情報通信関係の
フォーラム活動に関する調査報告書
(第 17 版)
2011 年 4 月
一般社団法人
情報通信技術委員会
技術調査アドバイザリグループ
技術調査アドバイザリグループ構成員
[リーダ]
斉
藤
壮一郎
沖電気工業株式会社
[サブリーダ]
鶴
田
英 一
株式会社東芝
[メンバ]
今
中
秀 郎
日本電信電話株式会社
受
川
猛
株式会社リコー
金
井
晃 子
ソニー株式会社
神
保
光 子
日本電気株式会社
高
橋
章
三菱電機株式会社
灰
塚
凡 樹
富士通株式会社
田
村
潤 三
TTC
[事務局]
- 2-
目
次
【Ⅰ】本文
1. まえがき
5
2. フォーラム活動の分類・整理
2.1 2010 年度調査対象フォーラム
7
2.2 対象分野による分類
9
2.3 活動目的による分類
10
2.4 参加メンバ数による分析
12
3. フォーラムの傾向分析
3.1 参加メンバ数地域別集計
18
3.2 フォーラム参加傾向分析
24
3.3 技術マップ
35
3.4 参加メンバ数推移
44
3.5 注目すべきフォーラム
46
3.6 分析結果の考察
49
4. まとめ
50
【Ⅱ】資料
調査対象フォーラム一覧
- 3-
本
文
- 4-
1. まえがき
情報通信関係のフォーラム活動に関する調査報告書の第 17 版をお届けする。
本報告書は毎年情報通信分野における標準化を取り巻く動向を、主に日米欧の関連フォーラム
の活動状況を調査し、報告してきた。今回も情報通信関連の市場動向や標準化ニーズの変化を知
るためフォーラムの調査を行い、本報告書にまとめた。
報告書の構成は従来と同様、本文と資料編の 2 部構成である。すべて TTC ホームページ
(http://www.ttc.or.jp/j/forum/index.html)に掲載し、閲覧やダウンロードが可能である。
本年は情報通信関連の標準化を目的とするフォーラムに限定してより詳細な分析を試みるため、
調査対象とするフォーラムの数を昨年調査対象とした 118 フォーラムの中から 40 フォーラムを
選定し、新たに 2 フォーラムを追加して 42 フォーラムとした。
本文第 2 章では、マクロ的分析手法として、対象分野、活動目的そして参加メンバ数による分
類を行い、フォーラム活動の全体的な動向をまとめた。フォーラム活動の分類基準については昨
年度と同様のものを採用している。
次に本文第 3 章では、昨年度 13 フォーラムに試験的に実施した分析手法を、今回調査対象の
42 フォーラム全てに用いた。すなわち、フォーラム個々の国別/地域別参加メンバ数、技術領域、
TTC との関係性などに着目し、どのような技術分野にどういった国が多く参加しているかなど、
新たな角度から各フォーラムの調査と考察を行なった。また、注目すべきフォーラムについては、
近年標準化活動を活発化しているスマートグリッド、およびクラウドコンピューティングについ
て、関連フォーラムを抽出し、その動向をまとめている。
資料編には今年度の調査対象フォーラムリストを掲載している。
- 5-
表 1 改版履歴及びトピックステーマ
版数
発行年度
トピックステーマ
1
1994
ナシ
2
1995
ナシ
3
1996
ナシ
4
1997
ナシ
5
1998
ナシ
6
1999
ナシ
①IMT-2000 関係の動き
7
2000
②ADSL 関係フォーラム
③インターネット関係の動き
④Bluetooth の動向
①メンバ増減
8
2001
②会費見直しの動向
③設立時期によるフォーラム分類
9
2002
①モバイル・ワイヤレス関連フォーラムの動き②フォーラムの吸収・
合併
10 年以上継続しているフォーラム
①ATM フォーラム
②GSM Association
③ISOC
10
2003
④OMG
⑤PCISIG
⑥PCMCIA
⑦TMF
⑧マクロ的観点からの考察
11
2004
VoIP 標準化に関する考察
12
2005
ホームネットワーク関連フォーラム
13
2006
IPTV 関連フォーラム
14
2007
カーコミュニケーションの標準化
15
2008
医療分野における ICT 関連の標準化動向
16
2009
フォーラム調査方法の検討
17
2010
ナシ
注:英語版については 2009 年度より廃止した。
- 6-
2. フォーラム活動の分類・整理
2.1 2010 年度調査対象フォーラム
第 16 版以前で対象としていた 118 フォーラムを以下の基準で見直し、さらに新たに注目すべ
きフォーラムを加え、42 フォーラムを調査の対象とした。
抽出基準は以下の通りである。
①活動分野が明らかに TTC の業容外である純粋な無線技術やデバイスに関係したものではな
いこと
②活動目的が普及推進を主体としたものではないこと
表 2.1.1、表 2.1.2 に対象としたフォーラムに一覧を示す。
表 2.1.1 調査対象フォーラム(1)
項番
略称
1 ATIS IIF
フォーラム名
ATIS IPTV Interoperability Forum
2
BBF
Broadband Forum
3
Continua Health Alliance
4
Continua Health
Alliance
CP-TA
5
DLNA
The Communications Platforms Trade
Association
Digital Living Network Alliance
6
DMTF
Distributed Management Task Force
7
DSL Testing Consortium
8
DSL Testing
Consortium
ECHONET
9
EPCglobal
ECHONET Consortium
エコーネットコンソーシアム
EPC (Electoronic Product Code) global Inc
10
Ethernet Alliance
Ethernet Alliance
11
FCIA
Fibre Channel Industry Association
12
FSAN
Full Service Access Network
13
GICTF
14
HomeGrid Forum
Global Inter-Cloud Technology Forum
グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム
HomeGrid Forum
15
HomePNA
Home Phoneline Networking Alliance
16
HPA
HomePlug Powerline Alliance
17
IIC
18
IMS/NGN Forum
Internet ITS Consortium
インターネットITS協議会
IMS/NGN Forum
- 7-
表 2.1.2 調査対象フォーラム(2)
項番
19 IMTC
略称
フォーラム名
International Multimedia Telecommunications Consortium
20
IPTVFJ
IPTV Forum Japan
IPTVフォーラム
The Intelligent Transportation Society of America
21
ITS America
22
ITS Forum
23
Kantara
ITS Info-communications Forum
ITS情報通信システム推進会議
Kantara Initiative
24
LONMARK
LonMark International
25
MEF
Metro Ethernet Forum
26
MoCA
Multimedia over Coax Alliance
27
MSF
MultiService forum
28
OASIS
29
OGF
Organization for the Advancement of Structured Information
Standards
Open Grid Forum
30
OIF
Optical Internetworking Forum
31
OMA
Open Mobile Alliance
32
OMG
Object Management Group
33
Open IPTV Forum
Open IPTV Forum e.V
34
OSGi
OSGi Alliance
35
SA Forum
Service Availability Forum
36
TMForum
TeleManagement Forum
37
TOG
The Open Group
38
UbiqNet
39
UPnP
Ubiquitous Networking Forum
ユビキタス・ネットワーキング・フォーラム
Universal Plug and Play Forum
40
W3C
World Wide Web Consortium
41
WS-I
Web Services Interoperability Organization
42
ZigBee
ZigBee Alliance
- 8-
2.2 対象分野による分類
第 16 版で情報通信・移動体通信関連に分類されていたフォーラムのなかで、主に無線通信関係
の標準化を行なってきたものは対象外とした。マルチメディア関係の活動も行なっている OMA
はサービス・マルチメディア関連に移動させている。この結果、情報通信・移動体通信関連に分
類されるフォーラムは無くなったので、移動体通信関連の項を表から削除した。
また、情報技術・コンピュータ関連を活動対象分野としていたフォーラムは現在の TTC の業容
との関連性が薄いため、対象外とした。この結果、情報技術・コンピュータ関連に分類されるフ
ォーラムも無くなったので、コンピュータ関連の項目を表から削除した。
表 2.2.1 対象分野による分類
対象分野
対象フォーラム
フォーラム数
2010
情報
インフラ関連
通信
(ネットワーク)
加入者系関連
CP-TA, IMS/NGN Forum, MEF, MSF, OIF
5
Broadband Forum, DSL testing Consortium,
4
FSAN, MoCA
9
小計
情報
ソフトウェア関連
技術
DMTF, GICTF, OGF, OMG, OSGi, SA Forum,
9
TMForum, TOG, UbiqNet
LAN 関連
Ethernet Alliance, FCIA, HomeGrid Forum,
7
HPA, LONMARK, UPnP, ZigBee
16
小計
サー
インターネット関連
ATIS IIF, Kantara, W3C, WS-I
4
ビス
マルチメディア関連
IMTC, IPTVFJ, Open IPTV Forum, OMA
4
EC 関連
EPCglobal, OASIS
2
ITS 関連
IIC, ITS America, ITS Forum
3
宅内情報家電関連
Continua Health Alliance, DLNA, ECHONET,
4
HomePNA
17
小計
42
合計
フォーラムを抽出する段階で既に TTC に関連のあるフォーラムを選んでいるため、分野に偏り
がみられる。また、インフラ系のフォーラムに比べ、サービス寄りのフォーラムが多くなってい
る。
- 9-
2.3 活動目的による分類
本章では、フォーラムの活動目的による分析結果を示す。尚、活動目的の分類は、表 2.3.1 の
定義に従った。
表 2.3.1 活動目的の定義
活動目的
デファクト標準化
定 義
市場創成・拡大を主目的に複数の企業が標準を策定すること(いわゆ
るコンソーシアム標準化、フォーラム標準化を含む)
プリ標準化
デジュール標準への寄与を目的とすること
(デジュール標準=ITU,ISO,IEC,ETSI,IEEE,TTC 等の公的、準公的
機関が策定する標準)
実装仕様化・
デジュール標準またはデファクト標準を補完し、実装仕様の作成およ
相互接続性検証
び相互接続性の確保を目的とすること
上記の基準に従い調査対象フォーラム(42 フォーラム)を活動目的別に分類したものを
表 2.3.2 に示す。
表 2.3.2 活動目的による分類
活動目的
デファクト標準化
該当フォーラム(2011/03 現在)
DMTF, ECHONET, EPCglobal, GICTF, HomePNA, HPA,
2010
10
IIC, OASIS , OIF, OSGi,
プリ標準化
FCIA, FSAN, ITS America, ITS Forum, OMG, TMForum,
7
ZigBee
実装仕様・
ATIS IIF, BBF, Continua Health Alliance, CP-TA, DLNA,
相互接続性検証
DSL Testing Consortium, Ethernet Alliance, HomeGrid
25
Forum, IMS/NGN Forum, IMTC, IPTVFJ, Kantara,
LONMARK, MEF, MoCA, MSF, OGF, OMA, Open IPTV
Forum, SA Forum, TOG, UbiqNet, UPnP, W3C, WS-I
42
合計
活動目的別に分類すると、顕著に実装仕様・相互接続性検証を目的に活動しているフォーラム
が多いことが分かる。
この背景には、標準規格だけでは製品は完成せず、他の機器への接続は確保できないため、技
術のデファクト標準化だけではなく、実装仕様化への要求の高まりがあるのではないかと推察す
る。つまり標準化だけでなく、実際にその規格が製品に実装されなければ普及しないし、相互運
用性、すなわちインターオペラビリティが確保されなければ他機器やシステムとの互換性が取れ
ずに普及しない。そのために、実装仕様化・相互接続性検証が重要視され、これを活動目的とし
- 10-
て活動しているフォーラムが大半を占めるのではないかと考えられる。
その一方で、近年のアプリケーションの多様化も実装仕様・相互接続性検証を主目的に活動す
るフォーラムが多い要因のひとつではないか。アプリケーションの種類が多様化することにより、
アプリケーションごとに実装仕様の策定が必要となり、相互接続性、相互運用性の確保が重要視
されていると考えられる。
- 11-
2.4 参加メンバ数による分析
情報通信関係のフォーラムをメンバ数(個人メンバは含まない)で分析し、調査対象フォーラ
ムを以下の分類で整理した。
① 参加メンバ数 501 以上
② 参加メンバ数 401~500
③ 参加メンバ数 301~400
④ 参加メンバ数 201~300
⑤ 参加メンバ数 101~200
⑥ 参加メンバ数 51~100
⑦ 参加メンバ数 50 以下
⑧ 参加メンバ数 不明
主要メンバ等、一部のメンバは判明しているものの、各種資料等によりメンバ総数が特定で
きないフォーラムについてはメンバ数不明として分類する。
メンバシップのカテゴリ(例:正会員、準会員、賛助会員、等)があるフォーラムについては、
全カテゴリのメンバ数を参加メンバ数とした(但し、個人会員メンバは含まない)。
表 2.4.1 に上記の分類結果を示すとともに、2008 年 3 月から今回の調査 2011 年 2 月までの期
間、フォーラムのメンバ数別変化を時系列に整理し、経年変化が見られるようにした。調査年に
よりフォーラム数に差異があるのは、下記に示すように 2008 年以降に設立されたフォーラム、
調査対象に追加したフォーラムがあるためである。
・2010 年に調査対象に追加したフォーラム:DMTF, GICTF
・2008 年に調査対象に追加したフォーラム:Continua Health Alliance
・2008 年に設立されたフォーラム:HomeGrid Forum, IPTVFJ
・2007 年に設立されたフォーラム:Open IPTVF
- 12-
表 2.4.1 参加メンバ数による分類
分類
対象フォーラム
(2011/2 現在)
(注)
ランク
501 以上
フォーラム数
海外
日本国内
不定
UPnP (931),
TMForum(705)
401~500
301~400 OMG(363), ZigBee (356),
OASIS(323), W3C (323),
2008/3 2009/3 2010/3
2011/2
2
2
2
2
(5.7)
(5.1)
(5.1)
(4.8)
2
2
0
0
(5.7)
(5.1)
(0.0)
(0.0)
2
2
4
5
(5.7)
(5.1)
(10.3)
(11.9)
5
6
5
3
(14.3)
(15.4)
(12.8)
(7.1)
5
4
5
6
(14.3)
(10.3)
(12.8)
(14.3)
7
9
11
12
(20.0)
(23.1)
(28.2)
(28.6)
9
11
9
11
(25.7)
(28.2)
(23.1)
(26.2)
3
3
3
3
(8.6)
(7.7)
(7.7)
(7.1)
35
39
39
42
TOG(327)
201~300 Continua Health
Alliance(233), OMA(221),
DLNA(216)
101~200 LONMARK(188),
BBF(185), DMTF(182),
MEF(170), WS-I (122),
OSGi(119)
51~100
OIF(99), Kantara(71),
ITS
Forum(99), FSAN
HPA(67), Ethernet
GICTF(97),
Alliance(62), Open IPTV
IIC(91),
Forum(60)
UbiqNet(77),
(86)
ECHONET(59),
IPTVFJ(67)
50 以下
MoCA(48), HomePNA(44),
IMTC(40), ATIS IIF(33),
DSL Testing
Consortium(23),
HomeGrid Forum(22),
FCIA(19), OGF(19),
MSF(17), SA Forum(15),
CP-TA(10)
メンバ数
EPCglobal, IMS/NGN
不明
Forum, ITS America
2011/2
合計
35
6
1
(83.3)
(14.3)
(2.4)
注:並びはメンバ数順である。括弧内は合計に対する百分率を示す。
- 13-
第 16 版報告以来、メンバの増減によって上記分類が変わったフォーラムは以下のとおり。
①メンバ増大により、ランク移動したフォーラム
・TOG:参加メンバ数 201~300 → 301~400
②メンバ減少により、ランク移動したフォーラム
・MoCA:参加メンバ数 51~100 → 50 以下
・ATIS IIF:参加メンバ数
201~300 → 50 以下
表 2.4.2 はメンバ数を前年度比増減比率で整理したものである。
表 2.4.2 参加メンバ数変化による分類(前年比)
分類
20%以上
10~20%
減少
減少
10%増加~10%減少
501
UPnP(3%),
以上
TMForum(-6%)
10~20%
20%以上
増加
増加
401
~500
301
TOG(10%),
ZigBee
~400
OASIS(-1%),
(10%)
OMG(-3%), 3C(-5%)
201
Continua Health
~300
Alliance(7%),
DLNA(3%), OMA(-5%)
101
WS-I
OSGi(8%), MEF(5%),
~200
(-10%)
LONMARK(-2%),
BBF(-2%)
51
Open IPTV Forum
OIF(2%), ITS
FSAN
~100
(-20%),
Forum(0%),
(46%)
Ethernet Alliance
UbiqNet(0%),
(-32%)
ECHONET(-3%),
IIC(-6%), HPA(-7%),
IPTVFJ(-9%)
50
CP-TA(-23%),
DSL Testing
以下
OGF(-27%),
IMTC(3%), MoCA(-6%)
Home
Home
Consortium
PNA
Grid
FCIA(-39%), SA
(-12%),
(16%)
Forum
Forum(-44%), ATIS
MSF(-19%)
(38%)
IIF(-86%)
注 1:個人会員メンバ含まず、企業・団体メンバのみ。
注 2:増減比率が特定できないフォーラム(EPCglobal, IMS/NGN Forum, ITS America)および
新規調査追加フォーラム(DMTF, GICTF)は除き,増加欄の掲載は増加率の多い順に、
- 14-
逆に減少欄は減少率の少ない順に掲載。
注 3:変化量は 2011 年 2 月/2010 年 3 月の増減率を百分率で表示。
- 15-
前年比 10%以上メンバ数が増減したフォーラムを対象分野別に整理すると、以下のようになる。
①前年比 20%以上メンバ数増フォーラムの対象分野別分類:
・HomeGrid Forum
情報技術(LAN 関連)
・FSAN
情報通信(加入者系関連)
②前年比 20%以上メンバ数減フォーラムの対象分野別分類:
・ATIS IIS
サービス(インターネット関連)
・Open IPTV Forum
サービス(マルチメディア関連)
・SA Forum
情報技術(ソフトウェア関連)
・OGF
情報技術(ソフトウェア関連)
・FCIA
情報技術(LAN 関連)
・Ethernet Alliance
情報技術(LAN 関連)
・CP-TA
情報通信(インフラ系)
③前年比 10%以上 20%未満メンバ数増フォーラムの対象分野別分類:
HomePNA
サービス(宅内情報家電関連)
ZigBee
情報技術(LAN 関連)
④前年比 10%以上 20%未満メンバ数減フォーラムの対象分野別分類:
・WS-I
サービス(インターネット関連)
・MSF
情報通信(インフラ系)
・DSL Testing Consortium
情報通信(加入者系)
フォーラムの過去のメンバ数のデータの整理によると、2008 年から 2011 年の間に参加メン
バ数が単調増加しているフォーラム数は 8、単調減少しているフォーラム数は 13 である。
①2008 年から 2011 年の間に参加メンバ数が単調増加しているフォーラム:
・Continua Health Alliance
サービス(宅内情報家電関連)
・HomeGrid Forum
情報技術(LAN 関連)
・UPnP
情報技術(LAN 関連)
・ZigBee
情報技術(LAN 関連)
・OSGi
情報技術(ソフトウェア関連)
・MEF
情報通信(インフラ系)
・OIF
情報通信(インフラ系)
・FSAN
情報通信(加入者系関連)
②2008 年から 2011 年の間に参加メンバ数が単調減少しているフォーラム:
・IIC
サービス(ITS 関連)
・ITS Forum
サービス(ITS 関連)
・ECHONET
サービス(宅内情報家電関連)
・W3C
サービス(インターネット関連)
・FCIA
情報技術(LAN 関連)
・LONMARK
情報技術(LAN 関連)
・OMG
情報技術(ソフトウェア関連)
・SA Forum
情報技術(ソフトウェア関連)
- 16-
・UbiqNet
情報技術(ソフトウェア関連)
・OMA
情報通信(移動体通信)
・CP-TA
情報通信(インフラ系)
・MSF
情報通信(インフラ系)
・DSL Testing Consortium
情報通信(加入者系)
2008 年から 2011 年の間に参加メンバ数が単調減少しているフォーラムについて、特定の対
象分野への偏りは見られない。
メンバ数が単調増加しており、かつ前年比 20%以上のメンバ数が増加しているフォーラム
(Home Grid Forum、FSAN)は、FTTH 等のブロードバンドサービスの普及と、ホームネット
ワークにさまざまな機器が接続されるようになってきたことで、フォーラム活動が活発化して
いると考えられる。一方、メンバ数が単調減少しており、かつ前年比 20%以上のメンバ数が減
少しているフォーラム(FCIA、Ethernet Alliance、SA Forum)は、活動が一段落した等の背景
が考えられる。
単調減少ではないが前年比 20%以上のメンバ数減少したフォーラムについて、OGF は業界の
関心が Grid Computing よりも Cloud Computing に移っていること、ATIS IIF、Open IPTV
Forum は活動が一段落した等の理由が考えられる。今回、単調増加でなく前年比 20%以上のメ
ンバ数増加したフォーラムは見られなかった。
図 2.4.1 は活動目的とメンバ数の分類を表したグラフである。全般的にメンバ数 100 以下のメン
バ数の少ないフォーラムが多くを占め、実装仕様化・相互接続性検証を活動目的とするフォーラム
が多く存在していることが特徴的である。
フォーラム数
8
7
6
5
デ ファクト標準
プ リ標準
実装・ 相互接続
その他
4
3
2
1
その他
実装・ 相互接続
プ リ標準
デ ファクト標準
不明
5 0 1 以上
4 0 1 ~5 0 0
3 0 1 ~4 0 0
2 0 1 ~3 0 0
1 0 1 ~2 0 0
5 1 ~1 0 0
5 0 以下
0
図 2.4.1 活動目的とメンバ数分類
- 17-
3. フォーラムの傾向分析
3.1 参加メンバ数地域別集計
第 2.1 の基準に基づいて抽出された調査対象のフォーラムについて、分析する上で必要となる
データの集計を行う。ここでは各フォーラムの特徴をより的確に把握するために、その影響力の
源泉の一つをメンバ構成国の分布度合いと考える。そこから類推される各フォーラムのグローバ
ル度合いや、ある技術分野についてはどの国あるいはどの地域からの参画が顕著であるかといっ
た特徴・傾向を探るため、フォーラム毎にどの国のメンバが参画しているかを集計する。
3.1.1 集計方法
(1) 国と地域の関係
ITU が採用する国連の地域分けに準拠するものとし、A 地域:北中南米(35 カ国)
、B 地域:
西欧(33 カ国)
、C 地域:東欧及び CIS(21 カ国)、D 地域:アフリカ(53 カ国)、E 地域:アジ
ア・太平洋・オセアニア(50 カ国・地域)の 5 地域を定める。但し、ICT 分野の産業が活発な台
湾を例外的に E 地域に含めることとする。各地域に所属する国等の一覧を表 3.1.1 に示す。
- 18-
表 3.1.1 国と地域の関係
A地域
B地域
C地域
アンティグア・バ-ブーダアンドラ
アルバニア
アルゼンチン
オーストリア
アルメニア
バハマ
ベルギー
アゼルバイジャン
バルバドス
ボスニア・ヘルツェゴビナ
ベラルーシ
ベリーズ
クロアチア
ブルガリア
ボリビア
キプロス
チェコ
ブラジル
デンマーク
グルジア
カナダ
エストニア
カザフスタン
チリ
フィンランド
キルギス
コロンビア
フランス
モルドバ
コスタリカ
ドイツ
モンテネグロ
キューバ
ギリシャ
ポーランド
ドミニカ
ハンガリー
ルーマニア
ドミニカ共和国
アイスランド
ロシア
エクアドル
アイルランド
セルビア
エルサルバドル
イタリア
スロバキア
グレナダ
ラトビア
タジキスタン
グアテマラ
リヒテンシュタイン
マケドニア
ガイアナ
リトアニア
トルクメニスタン
ハイチ
ルクセンブルグ
ウクライナ
ホンジュラス
マルタ
ウズベキスタン
ジャマイカ
モナコ
メキシコ
オランダ
ニカラグア
ノルウェー
パナマ
ポルトガル
パラグアイ
サンマリノ
ペルー
スロベニア
セントキット・ネヴィス スペイン
セントルシア
スウェーデン
セントビンセント
スイス
スリナム
トルコ
トリニダード・トバゴ
英国
米国
バチカン
ウルグアイ
ベネズエラ
- 19-
D地域
アルジェリア
アンゴラ
ベナン
ボツワナ
ブルキナファソ
ブルンジ
カメルーン
カーボベルデ
中央アフリカ
チャド
コモロ連合
コンゴ共和国
コートジボワール
コンゴ民主共和国
ジブチ
エジプト
赤道ギニア
エリトリア
エチオピア
ガボン
ガンビア
ガーナ
ギニア
ギニアビサウ
ケニア
レソト
リベリア
マダガスカル
マラウイ
マリ
モーリタニア
モーリシャス
モロッコ
モザンビーク
ナミビア
ニジェール
ナイジェリア
ルワンダ
サントメ・プリンシペ
セネガル
セーシェル
シエラレオネ
リビア
ソマリア
南アフリカ
スーダン
スワジランド
タンザニア
トーゴ
チュニジア
ウガンダ
ザンビア
ジンバブエ
E地域
アフガニスタン
オーストラリア
バーレーン
バングラデシュ
ブータン
ブルネイ
カンボジア
中国
北朝鮮
フィジー
インド
インドネシア
イラン
イラク
イスラエル
ヨルダン
キリバス
韓国
クウェート
日本
ラオス
レバノン
マレーシア
モルディブ
マーシャル諸島
ミクロネシア
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
ニュージーランド
オマーン
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
カタール
サモア
サウジアラビア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
シリア
タイ
トンガ
ツバル
アラブ首長国連邦
バヌアツ
ベトナム
イエメン
台湾
(2) メンバの国籍定義
次に、各フォーラムの構成メンバを列挙のうえ、各メンバの本社所在地(あるいは大学、研究
機関等の本部)を調べ、該本社/本部が置かれた国を各メンバの国籍として特定する。同一組織
名で多国籍に活動しているメンバについても、本社/本部機能が置かれた国を当該メンバの国籍
とする。一方、海外法人等として異なる組織名で活動しているメンバについては、当該海外法人
等の本社/本部機能が置かれた国を、当該メンバの国籍とみなす。例えば、
アルカテル・ルーセント社の国籍 → フランス
日本アルカテル・ルーセント社の国籍 → 日本
といった形でメンバの国籍の特定を行う。
尚、資料不足等の理由で国籍が特定できない参加メンバについては、国籍を「不明」とする。
表 2.1.1 と表 2.1.2 で抽出された 42 のフォーラムのうち、例として Open IPTV Forum におけ
る参加メンバの国籍を調査した結果を表 3.1.2 に示す。
表 3.1.2 Open IPTV Forum 参加メンバの国籍
メンバ名
Access
Advanced Digital Broadcast
Alcatel-Lucent
Allion
Amino
ANT
BBC
Bouygues
British Telecom
Canal Plus Group
Cisco
Deutsche Telekom
Digisoft
D-Link
Dolby
DTS
Ericsson
Fastweb
France Telecom
Fraunhofer
Funai
Huawei
HwaCom Systems
Intel
Intertrust
IRT
ITRI
LG
Meditek
Motorola
国名
日本
スイス
フランス
台湾
英国
英国
英国
フランス
英国
フランス
米国
ドイツ
アイルランド
台湾
米国
アイルランド
スウェーデン
イタリア
フランス
ドイツ
日本
中国
台湾
米国
米国
ドイツ
台湾
韓国
台湾
米国
メンバ名
Nagravision/Quative
Neotion
Netgem
Nokia Siemens
Opera Software
Panasonic
PCCW
Philips
Pirelli
RAI
Samsung
SecureMedia
SES Astra
SHARP
Sigma Designs
SK Telecom
SmarLlabs
SONY
Sun Microsystems
Swisscom
Telecom Italia
Telefonica
TeliaSonera
Thomson
TOSHIBA
UTStarcom
Verimatrix
Wyplay
ZTE
ZyXel Communications
- 20-
国名
スイス
フランス
フランス
フィンランド
ノルウェー
日本
中国
オランダ
イタリア
イタリア
韓国
米国
ルクセンブルグ
日本
米国
韓国
ロシア
日本
米国
スイス
イタリア
スペイン
スウェーデン
フランス
日本
米国
米国
フランス
中国
台湾
(3) 国別の参加メンバ数集計
各フォーラムについて国別に参加メンバ数を集計する。表 3.1.1.2 を基に、Open IPTV Forum
における B 地域(西欧)の国別参加メンバ数を集計した例を表 3.1.3 に示す。
表 3.1.3 Open IPTV Forum の国別参加メンバ数(B 地域)の調査例
国名
アンドラ
オーストリア
ベルギー
ボスニア・ヘルツェゴビナ
クロアチア
キプロス
デンマーク
エストニア
フィンランド
フランス
ドイツ
ギリシャ
ハンガリー
アイスランド
アイルランド
イタリア
ラトビア
メンバ数
国名
0
0
0
0
0
0
0
0
1
8
3
0
0
0
2
4
0
- 21-
リヒテンシュタイン
リトアニア
ルクセンブルグ
マルタ
モナコ
オランダ
ノルウェー
ポルトガル
サンマリノ
スロベニア
スペイン
スウェーデン
スイス
トルコ
英国
バチカン
メンバ数
0
0
1
0
0
1
1
0
0
0
1
2
3
0
4
0
3.1.2 集計結果
(1) 地域別のメンバ数集計
調査対象の 42 フォーラムのうちメンバ数の調査が可能な 39 フォーラムについて国別参加メン
バ数の集計結果に基づいて地域別のメンバ数を集計した。表 3.1.4 に結果を示す。
表 3.1.4 フォーラムの地域別メンバ数
A地域
ATIS IIF
25
BBF
76
Continua
110
CP-TA
6
DLNA
65
DMTF
104
DSL Testing Forum
12
ECHONET
0
Ethernet Alliance
55
FCIA
31
FSAN
36
GICTF
1
HomeGrid Forum
13
Home PNA
30
HPA
37
IIC
3
IMTC
24
IPTV Forum Japan
0
ITS Forum
0
Kantara
37
LONMARK
103
MEF
94
MoCA
30
MSF
5
OASIS
191
OGF
10
OIF
57
OMA
78
OMG
179
Open IPTV Forum
10
OSGi
43
SA Forum
10
TMF
222
TOG
131
UbiqNet
0
UPnP
420
W3C
130
WS-I
63
ZigBee
173
B地域
C地域
5
63
71
1
48
45
6
1
4
0
14
0
4
4
12
1
15
0
0
28
53
36
8
6
91
4
18
84
128
31
51
4
256
121
0
176
126
30
91
0
1
0
0
1
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
0
0
0
1
0
0
2
2
1
0
0
49
3
0
4
1
2
3
- 22-
D地域
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
36
30
0
1
5
0
2
E地域
3
42
49
3
100
29
3
58
3
3
33
96
5
10
18
87
11
67
99
4
29
40
10
6
39
5
24
57
44
18
17
1
118
42
77
248
57
15
82
不明
合計
0
3
3
0
2
1
2
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
3
0
0
0
0
1
0
0
0
10
0
7
0
24
0
0
82
4
12
5
33
185
233
10
216
182
23
59
62
34
86
97
22
44
67
91
50
67
99
72
188
170
48
17
323
19
99
221
363
60
119
15
705
327
77
931
323
122
356
(2) 地域別の参加国籍数
同様に各フォーラムについて、地域別にメンバを有する国籍数を集計した。尚、国籍不明のメ
ンバについては本集計で考慮しないものとする。表 3.1.5 に結果を示す。
表 3.1.5 フォーラムの地域別参加国籍数
A地域
ATIS IIF
BBF
Continua
CP-TA
DLNA
DMTF
DSL Testing Forum
ECHONET
Ethernet Alliance
FCIA
FSAN
GICTF
HomeGrid Forum
Home PNA
HPA
IIC
IMTC
IPTV Forum Japan
ITS Forum
Kantara
LONMARK
MEF
MoCA
MSF
OASIS
OGF
OIF
OMA
OMG
Open IPTV Forum
OSGi
SA Forum
TMF
TOG
UbiqNet
UPnP
W3C
WS-I
ZigBee
B地域
2
3
3
1
2
5
1
0
1
1
3
1
2
3
2
1
1
0
0
2
2
3
2
1
3
2
2
2
5
1
1
2
0
4
0
5
5
2
3
C地域
5
21
14
1
11
11
6
1
3
0
8
0
4
3
4
1
9
0
0
11
12
16
5
4
16
3
10
16
17
12
11
3
10
13
0
19
18
9
14
- 23-
D地域
0
1
0
0
1
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
0
0
0
1
0
0
2
2
1
0
0
1
3
0
4
1
2
2
E地域
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
2
0
1
5
0
1
2
8
9
2
5
5
1
1
2
2
11
1
4
4
6
1
6
1
2
2
7
12
4
3
7
3
5
11
7
4
3
1
0
9
2
10
10
7
9
合計
9
33
26
4
19
24
8
2
6
3
24
2
10
10
12
3
16
1
2
15
23
31
11
8
27
8
17
31
31
18
16
6
11
31
2
39
39
20
29
3.2 フォーラム参加傾向分析
3.2.1 技術分野毎の参加傾向
ここではフォーラムを技術分野毎に分類し、それぞれの分野において参加メンバ企業の国籍調
査結果を反映させて地域毎にグラフ化し、技術分野による地域毎の参加傾向を分析する。以下の
グラフにおいては、参加メンバの国籍を 4 象限に分割し、各フォーラムを円で表している。C 地
域については中央アジアも含まれているが、ロシア、東欧諸国が多いことから、B 地域と同一の
象限で表すこととした。円の色は技術分野を表し、参加メンバ数の多さを円の大きさで表してい
る。
(1) アプリケーション分野
アプリケーション分野のフォーラムとしては、一部ミドルウェアの標準化を合わせて行ってい
る W3C、OMA、OMG、OSGi なども含め、8つのフォーラムが分類される。この中で W3C は
北米企業が比較的多く参加しているのに対し、
OMG が欧州を拠点とする会員が多く参加し、
OMA
は北米、欧州、アジアの全ての地域から幅広く参加している。IIC、UbiqNet、IPTV Forum Japan
は日本国内のフォーラムである。
図 3.2.1 アプリケーション分野のフォーラム地域マップ
- 24-
(2)ミドルウェア分野
ミドルウェア分野のフォーラムとしては。UPnP、OASIS、DTMF、DLNA などがあげられる。
UPnP については、メンバ数が 900 以上と多く、北米、アジア、欧州の順にメンバが分布してい
る。DLNA は世界の全地域に広がっているグローバルなフォーラムであるが、半数近くがアジア
からの参加となっているのは特筆すべきである。それに対して OASIS は北米のメンバが過半数を
占め、次に欧州、アジアからの参加が少なく、欧米中心のフォーラムとなっていることが伺える。
図 3.2.2 ミドルウェア分野のフォーラム地域マップ
- 25-
(3) ミドルウェア~ネットワーク分野
LONMARK は北米に拠点を持メンバのメンバを中心としているフォーラムであるが、参加メン
バはすべての地域にまたがっており、広がりを見せている。WS-I は北米の参加が最も多く、次に
欧州、アジアからの参加者は少ない。MSF は規模の小さいフォーラムであるが、参加メンバは北
米、欧州、アジアにまんべんなく広がっている。
図 3.2.3 ミドルウェア~ネットワーク分野のフォーラム地域マップ
- 26-
(4) ネットワーク分野
Ethernet Alliance、ZigBee、MEF、OIF、FSAN などがネットワーク分野に分類されるフォー
ラムである。ネットワーク分野のフォーラムでは参加者は北米に偏っているといえる。ネットワ
ーク/インフラ分野での標準化が北米において特に活発であるのは、おそらく長い通信ネットワー
クの歴史において、アナログ電話網から IP 網/ブロードバンドへの発展過程において、常に北米
が先駆的な役割を果たしており、その歴史的伝統がフォーラムの活動傾向に現れていると見るこ
とができよう。
図 3.2.4 ネットワーク分野のフォーラム地域マップ
- 27-
3.2.2 地域毎の参加傾向
ここでは昨年同様にフォーラム活動が活発な B 地域(西欧)ならびに近年プレゼンスを増大さ
せている日本、中国、韓国を要する E 地域(アジア・太平洋・オセアニア)のフォーラムへの参
加状況を分析する。
A 地域は米国、カナダに集中しているので分析は対象外とする。
また分析は日本国内を主な活動領域とするフォーラム(ECONET、GICTF、IIC、IPTV Forum
JAPAN、ITS Forum、Ubiqnet)を除いた国際的なフォーラムを対象とする。
さらに参加数が不明な EPCglobal、ITS America、IMS/NGN Forum も除く。
活動技術の分類としては昨年同様に、アプリ(活動技術分類:3 及び2)
、アプリ+ミドル(同:
1)
、ミドル(同:0)
、ネットワーク+ミドル(同:-1)、ネットワーク(同:-2)に分けて
分析する。
(1) B 地域
分析調査フォーラム(42から上記除外ファーラムを除いた33)の参加メンバ数上位 10 カ国は
以下のとおりである。
メンバ数
英国
334
ドイツ
309
フランス
189
スイス
95
イタリア
93
スウェーデン
93
スペイン
91
オランダ
85
フィンランド
65
ノルウェー
49
昨年の分析対象は、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、スペイン、フィンラ
ンドの 7 カ国であったが、今年は 4 位に位置するスイスを追加して分析を行う。
表 3.2.1 に抽出国の各フォーラムのメンバ数を、表 3.2.2 に「その他」に分類されている TMF
を除いた分野毎のメンバ比率を示す。
表 3.2.1 の網掛けは昨年の分析フォーラムであり、その枠に記載されている括弧内の数字は昨
年のメンバ数である。昨年の分析フォーラムの各国の増減を表 3.2.1 の「昨年分析フォーラムのメン
バ数増減」に記載する。
- 28-
表 3.2.1 B 地域主要国のファーラム別メンバ数
(網掛けは昨年分析対象フォーラム)
英国
ドイツ
フラン
スイス イタリ
ス
アプリ
Continua Health Alliance
ATIS IIF
OMA
アプリ+
OMG
ミドル
OSGi
ミドル
スウェ スペイ フィンラ
ア
ーデン ン
ンド
16
8
6
6
7
2
7
6
0
0
1
1
0
0
0
1
14(14) 19(19) 11(11)
5
5(5)
5(5)
4(4)
8(8)
22
28
19
9
7
4
8
4
6(7) 19(18)
8(7)
1
3(1)
2(2)
5(5)
1(1)
WS-I
11
8
1
0
2
3
0
0
W3C
25(4)
17(9)
11(5)
5
12(9)
4(2)
21(8)
4(1)
DLNA
11(10)
10(9)
9(6)
4
4(4)
3(4)
1(1)
0(0)
DMTF
8
15
4
1
5
2
4
0
Kantara
3
6
2
2
0
2
2
2
17(17) 16(16)
9(9)
8
5(5)
8(8)
4(4)
3(3)
OASIS
OGF
0(0)
1(1)
1(1)
0
0(0)
0(0)
0(0)
0(0)
Open IPTV Forum
4(4)
3(3)
8(8)
3
4(4)
2(2)
1(1)
1(1)
SA Forum
0(1)
0(0)
1(1)
0
0(0)
2(3)
0(0)
0(1)
TOG
51
15
6
5
1
4
2
3
UpnP
28
40
32
7
10
12
8
7
10(10) 10(10)
4(4)
2
4(4)
5(3)
3(5)
1(1)
BBF
NW+
HomePNA
1(1)
0
1(1)
2
0(0)
0(0)
0(0)
0(0)
ミドル
LONMARK
6(6) 19(19)
4(4)
7
3(3)
4(4)
2(2)
4(4)
NW
MSF
2
0
1
0
0
1
0
2
CP-TA
0
1
0
0
0
0
0
0
DSL Testing Consortium
1(1)
1(1)
1(1)
0
0(0)
1(1)
0(0)
1(1)
Ethernet Alliance
1(1)
1(1)
2(2)
0
0(0)
0(0)
0(0)
0(0)
FCIA
0
0
0
0
0
0
0
0
FSAN
4
3
2
0
1
1
1
1
HomeGrid Forum
1
1
1
0
0
0
1
0
HPA
2
1
7
2
0
0
0
0
IMTC
2
2
2
0
1
1
0
2
MEF
4
6
5
2
2
4
1
1
MoCA
3
1
2
1
0
0
0
0
OIF
1
5
4
1
1
2
1
1
19
14
11
7
9
7
5
1
61(30) 39(11)
13(6)
14
7(3)
12(5)
10(7)
11(4)
ZigBee
その他
TMForum
- 29-
全体計
334
309
189
昨年分析対象フォーラム
+52
+38
+17
95
-
93
93
91
65
+9
+9
+14
+9
のメンバ数増減
表 3.2.2 B 地域主要国のメンバ別分野比率
英国
ドイツ
フランス
スイス
イタリア
スウェーデン スペイン
フィンランド
6%
3%
4%
9%
8%
3%
9%
13%
アプリ+ミドル
29%
34%
28%
25%
35%
22%
47%
31%
ミドル
44%
39%
41%
37%
33%
42%
27%
30%
7%
11%
6%
13%
8%
12%
6%
13%
14%
13%
21%
16%
16%
20%
11%
13%
アプリ
ミドル+ネットワーク
ネットワーク
(考察)
・メンバ数では英国、ドイツが突出しており、フランスがそれに続いている。
・昨年分析対象(表 3.2.1 網掛けフォーラム)のメンバ数変化を見ると、英国は+52、ドイ
ツは+38、フランスは+17、イタリアは+9、スウェーデンは+9、スペインは+14、
フィンランドは+9となっており、英国、ドイツの増加が大きい。増加はW3CとTMFへ
の参加メンバが増えているのが要因となっている。B 地域ではフォーラム活動が全体的に延
びている。
・技術分野の比率では各国大きな違いはなく、同じような傾向を示している。その中でスペイ
ンのアプリ系(アプリ、アプリ+ミドル)が他に比べ高い点が特徴的である。
(2) E 地域
分析調査フォーラム(42から上記除外ファーラムを除いた33)の参加メンバ数上位 10 カ国は
以下のとおりである。
メンバ数
日本
386
台湾
191
中国
156
韓国
133
オーストラリア
78
インド
75
イスラエル
44
シンガポール
25
ニュージーランド
22
マレーシア
11
昨年の分析対象は、日本、台湾、中国、韓国の4カ国であったが、今年はオーストラリア、イ
ンドを追加して分析を行う。
表 3.2.3 に抽出国の各フォーラムのメンバ数を、表 3.2.4 に「その他」に分類されている TMF
を除いた分野毎のメンバ比率を示す。
- 30-
表 3.2.3 の網掛けは B 地域同様に、昨年の分析対象フォーラムであり、括弧内の数字は昨年の
メンバ数である。表 3.2.1 の網掛けは昨年の分析対象フォーラムであり、その枠に記載されてい
る括弧内の数字は昨年のメンバ数である。昨年の分析対象フォーラムの各国の増減を表 3.2.1 の
「昨年対象フォーラムのメンバ数増減」に記載する。
- 31-
表 3.2.3 B地域主要国のファーラム別メンバ数(網掛けは昨年分析対象フォーラム)
日本
アプリ
Continua Health Alliance
中国
韓国
豪州
印度
21
6
2
12
1
2
0
0
1
2
0
0
OMA
12(12)
5(5)
9(9)
21(21)
1
1
OMG
24
0
0
8
5
4
OSGi
12(11)
0(0)
4(3)
1(1)
0
0
WS-I
3
0
1
0
3
4
W3C
25(26)
1(1)
10(9)
6(6)
5
5
DLNA
45(47)
29(31)
13(10)
12(8)
1
0
DMTF
6
5
7
1
0
10
Kantara
3
0
0
0
0
0
15(15)
0(0)
15(14)
5(5)
1
1
3(4)
0(0)
0(0)
1(1)
0
0
6
6
3
3
0
0
0(2)
0(0)
1(1)
0(0)
0
0
TOG
14
0
1
0
13
4
UPnP
80
81
26
24
8
13
BBF
8(8)
13(13)
8(8)
2(2)
2
3
HomePNA
1(1)
6(6)
0(0)
0(0)
0
2
LONMARK
18(18)
1(1)
0(0)
4(4)
2
0
MSF
2
0
3
1
0
0
CP-TA
0
2
1
0
0
0
DSL Testing Consortium
0(0)
3(3)
0(0)
0(0)
0
0
Ethernet Alliance
2(2)
1(1)
0(0)
0(0)
0
0
FCIA
2
1
0
0
0
0
FSAN
7
3
8
5
1
1
HomeGrid Forum
2
0
1
1
0
0
HPA
5
7
3
1
1
0
IMTC
3
1
1
2
0
2
MEF
7
4
6
0
5
3
MoCA
1
5
1
3
0
0
OIF
15
0
5
1
1
0
ZigBee
32
9
7
13
12
5
12(10)
2(2)
19(13)
4(2)
16
15
386
191
156
133
78
75
-3
-2
+12
+6
ATIS IIF
アプリ
台湾
+
ミドル
ミドル
OASIS
OGF
Open IPTV Forum
SA
NW+
NW
その他
Forum
TMForum
全体計
昨年度分析対象フォーラ
- 32-
-
-
ムのメンバ数増減
- 33-
表 3.2.4 E地域主要国のメンバ別分野比率
日本
台湾
中国
韓国
オーストラリア
インド
6%
3%
2%
11%
2%
3%
アプリ+ミドル
20%
3%
18%
28%
23%
24%
ミドル
46%
64%
48%
35%
37%
46%
8%
11%
8%
6%
6%
8%
20%
19%
24%
20%
32%
18%
アプリ
ミドル+ネットワーク
ネットワーク
(考察)
・メンバ数では昨年分析対象の日本、台湾、中国、韓国が突出している。
・昨年分析対象(表xx-3網掛けフォーラム)の変化を見ると、日本は-3、台湾は-2、中
国は+12、韓国は+6となっており、日本、台湾が微減しているのに対して中国、韓国が
増加している。中国を除くとフォーラム活動は大きく伸びていない。
中国は各分野で万遍なく延びている。
・技術分野の比率ではアプリ系で韓国が他に比べて大きく、台湾が特に低い数字を示している
点以外は大きな違いは見られない。
・個別メンバでは韓国の Samsung、中国の Huawei が幅広くフォーラムに参加している。
(3) B 地域と E 地域の比較考察
・昨年分析対象フォーラムのメンバ数の変化を見ると、B 地域は大きく伸びているのに対して、
E 地域の伸びは小さい。E 地域では日本、台湾が逆に減っている。
⇒B 地域の方が、フォーラム活動が活発化していることがわかる。
・年と比べて B 地域では TMF が大きくメンバ数が伸びているのに対して、E 地域では伸びが
小さい。上位 3 カ国を見ても、B 地域では+66に対して E 地域は+8であり、絶対数も B
地域が多い。
⇒今後の分析が必要。
・プリ系(アプリ、アプリ+ミドル)のメンバ比率では B 地域は E 地域に比べて高い。B 地域
はスウェーデンを除くと30%以上であるのに対し、E 地域での30%以上は韓国のみとな
っている。
⇒E 地域がミドル以下のハードウェアに近い領域、すなわちモノ作りに重点があるのに対し
て、B 地域はそれを活用するソフト・サービスに重点があるのではないかと思われる。
- 34-
3.3 技術マップ
TTC の視点で技術マップを作成する為に、調査した 42 フォーラムを活動エリア(後述する固
定系からモバイル系)
、活動技術(後述する APL から NW)という視点でカテゴライズし、TTC
の専門委員会やアドバイザリグループとの関連性を含め整理した。マップ化する際は、活動する
技術範囲が全領域(後述する APL から NW)に渡っている、ITS Forum、TMForum を除いた
40 フォーラムで実施した。
フォーラムを「活動目的」「地域別参加」「活動エリア」「活動技術」「メンバ数」「TTC との関
連性」に分類し、さらに「TTC との関連性」の基準となる TTC「専門委員会」と「アドバイザリ
グループ」の対応を付記したものが表 3.3.1 である。
表 3.3.1 での分類基準は次の通りである。
●活動目的(第 2 章 表 2.3.1 活動目的の定義による)
活動目的を技術マップ上へ反映するため従来の活動目的分類を使用した。
・デファクト標準化
・プリ標準化
・実装仕様化・相互接続性検証
●活動エリア
活動エリアを技術マップ上の座標とするために数値化分類した。
・モバイル系領域を中心に活動を実施
:
2
・モバイル系領域活動が主に固定系領域活動も実施
:
1
・モバイル系、固定系の両方の領域にまだがって活動実施
:
0
・固定系領域活動が主にモバイル領域活動も実施
:-1
・固定系領域を中心に活動を実施
:-2
●活動技術
活動技術を技術マップ上の座標とするために数値化分類した。但し、活動する技術範囲が全
領域にわたるものは、技術マップに掲載出来ないので該当せずに分類した。
・APL(アプリケーション)領域活動実施
:
3
・APL 領域活動を主に MDL(ミドルウェア)領域も実施
:
2
・APL 領域と MDL 領域両方の活動を実施
:
1
・MDL 領域活動実施
:
0
・NW(ネットワーク)領域活動を主に MDL(ミドルウェア)領域も実施
:-1
・NW 領域活動を実施
:-2
・該当せず等
:
X
●設立時期
フォーラムの設立時期を記載した。ただし、調査の結果、時期が明確化できないフォーラム
はプレリリースによる推測時期を記載している。
●メンバ数
メンバ数を技術マップ上の“円”の大きさを決定する指標とするため、調査報告書の分類8
カテゴリを3レベル(大、中、小)に単純化した。
・参加メンバ数 301以上
:
- 35-
5(大円)
・参加メンバ数 101~300
:
3(中円)
・参加メンバ数
:
1(小円)
不明~100
●TTC との関連性
TTC との関連性を技術マップ上の“円” の大きさを決定する指標とするため、専門委員会
やアドバイザリグループの活動との関連を 3 つのレベル(大、中、小)に分類した。
・関連が強い(TTC の専門委員会活動と関係)関係
:
5(大円)
・関連がある(TTC のアドバイザリグループ活動と関係)関係
:
3(中円)
・その他
:
1(小円)
●専門委員会・アドバイザリグループ
TTC の専門委員会やアドバイザリグループの活動との関連を「●」で示した。表では専門委
員会、アドバイザリグループの名称は、表 3.3.1 内に示すように略称化している。
尚、ファーラム活動とは直接技術的関連性のない、技術調査アドバイザリグループ、国際連携
アドバイザリグループ及び専門委員会(NGN&FN 専門委員会)に活動が移行されている NGN
&将来ネットワークアドバイザリーグループに関しては除外した。
- 36-
表 3.3.1 フォーラムの技術活動分類/TTC 活動
フォーラム名
ATIS IIF
BBF
Continua Health Alliance
CP-TA
DLNA
DMTF
DSL Testing Consortium
ECHONET
EPCglobal
Ethernet Alliance
FCIA
FSAN
GICTF
HomeGrid Forum
HomePNA
HPA
IIC
IMS/NGN Forum
IMTC
IPTVFJ
ITS America
ITS Forum
Kantara
LONMARK
MEF
MoCA
MSF
OASIS
OGF
OIF
OMA
OMG
Open IPTV Forum
OSGi
SA Forum
TMForum
TOG
UbiqNet
UPnP
W3C
WS-I
ZigBee
活動目的
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
デファクト標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
デファクト標準化
デファクト標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
プリ標準化
プリ標準化
デファクト標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
デファクト標準化
デファクト標準化
デファクト標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
プリ標準化
プリ標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
デファクト標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
デファクト標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
プリ標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
デファクト標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
プリ標準化
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
実装仕様化・相互接続性検
証
プリ標準化
メンバ数カテゴリ
① 参加メンバ数 501以上
② 参加メンバ数 401~500
③ 参加メンバ数 301~400
④ 参加メンバ数 201~300
⑤ 参加メンバ数 101~200
⑥ 参加メンバ数 51~100
⑦ 参加メンバ数 50以下
⑧ 参加メンバ数不明
円サイズ
TTCとの関連性
関連が強い
関連がある
その他
円サイズ
5(大)
3(中)
1(小)
TTCとの
メンバ数
関連性
設立
N
時期 円サイズ 円サイズ G
活動
活動
(プレリ
N
エリア
技術
リースに
&
(横軸) (縦軸)
よる推測 小→大 小→大 F
N
を含む)
1,3,5
1,3,5
-2
-2
0
0
-1
-2
-2
-1
0
-2
-2
-2
-2
-2
-2
-2
0
0
-1
-2
0
1
0
-1
-2
-2
-1
0
-2
-2
2
0
-1
0
0
0
-1
1
0
0
0
2
2
-1
3
-2
0
0
-2
-1
1
-2
-2
-2
0
-2
-1
-2
3
-1
-2
2
3
X
0
-1
-2
-2
-1
0
0
-2
1
1
0
1
0
X
0
1
0
1
1
-2
2005
1994
2006
2006
2003
1992
1997
1997
2003
2006
1999
1995
2009
2008
1998
2000
2002
1999
1994
2008
1991
1999
2009
1994
2001
2004
1998
1998
2006
1998
2002
1989
2007
1999
2001
1988
1996
2002
1999
1994
2002
2002
1
1
3
1
3
3
1
1
1
1
1
1
1
5
1
1
1
1
1
1
1
1
1
3
3
1
1
5
1
1
3
5
1
3
1
5
5
1
5
5
3
5
5
5
1
1
5
1
3
3
5
1
1
5
5
5
5
5
3
5
1
5
3
3
3
3
5
5
3
3
1
5
5
1
5
3
1
5
1
5
5
3
1
5
5(大)
3(中)
1(小)
専門委員会・アドバイザリグループ等名称
NGN&FN(Future Networks)専門委員会
信号制御専門委員会
情報転送専門委員会
網管理専門委員会
DSL専門委員会
IPTV専門委員会
ICTと気候変動専門委員会
企業ネットワーク専門委員会
次世代ホームネットワークシステム専門委員会
メディア符号化専門委員会
移動通信網マネジメント専門委員会
3GPP専門委員会
3GPP2専門委員会
ネットワークミドルウェアアドバイザリーグループ
インターオペラビリティアドバイザリーグループ
スマートグリッドアドバイザリーグループ
内 容
TTCの専門委員会活動と関係あり
TTCのアドバイザリーグループ活動と関係あり
その他
略称
NGN&FN
信号制御
情報転送
網管理
DSL
IPTV
ICTと気候
企業ネット
次世代ホーム
メディア符号
移動通信網マネ
3GPP
3GPP2
ネットミドル
インターオペ
スマートグリッド
- 37-
アドバイザリ
グループ
専門委員会
信
号
制
御
情 網 D
報 管 S
転 理 L
送
I
P
T
V
●
● ● ● ● ● ●
I
C
T
と
気
候
企
業
ネ
ッ
ト
次
世
代
ホ
ー
ム
メ
デ
ィ
ア
符
号
移
動
通
信
網
マ
ネ
3
G
P
P
3 ネ イ ス
G ッ ン マ
P ト タ ー
P ミ ー ト
2 ド オ グ
ル ペ リ
ッ
ド
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
● ●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
● ● ●
●
●
●
●
● ●
●
●
表 3.3.1 において、調査した 42 フォーラムと TTC の専門委員会やアドバイザリグループの活
動の関連を示すのが、各専門委員会やアドバイザリグループの欄に記載された「●」である。
アドバイザリグループはいずれかのファーラム活動と関連しているが、専門委員会では ICT と
気候(ICT と気候変動専門委員会)
、企業ネット(企業ネットワーク専門委員会)
、メディア符号
(メディア符号化専門委員会)が、それぞれの活動と関連するフォーラムがない。また、信号制
御(信号制御専門委員会)
、DSL(DSL 専門委員会)、移動通信(移動通信網マネジメント専門委
員会)もそれぞれ関連するフォーラムが1つと少ない。
ICT と気候変動専門委員会は環境影響評価手法やリサイクル等関係を、企業ネットワーク専門
委員会は VoIP の SIP 関係を、メディア符号化専門委員会は音声や映像の符号化関係をそれぞれ
扱っている。これらの委員会活動に関連するフォーラムが選定されていない要因として、活動対
称が新しい分野のためフォーラム調査の網にかからなかった、フォーラムの現在の活動が普及促
進中心であり今回選定されなかった為等が考えられる。関連するフォーラムが少ない専門委員会
も同様の傾向があり、委員会やアドバイザリグループの活動内容・方向性をふまえ、関連するフ
ォーラム活動有無の調査が、今後のフォーラム活動調査の課題である。
表 3.3.1 を基に次の3種類のマップを作成した。
①活動目的をベースにマップ上の円の大きさをフォーラムの「メンバ数」で表したマップ
②設立時期をベースにマップ上の円の大きさをフォーラムの「メンバ数」で表したマップ
③活動目的をベースにマップ上の円の大きさをフォーラムの「TTC との関連性」で表した
マップ
技術マップの横軸と縦軸は次の様に設定し、
“円”の位置はこの2つの座標を示すエリアに配置し
た。
●横軸
表 3.3.1 の“活動エリア”とし、表上の数値“-2~2”を座標とする。活動が固定系(有
線通信エリア)からモバイル系(FMC エリア)のどのエリアに属するかを示す。
●たて軸
表 3.3.1 の“活動技術”とし、表上の数値“-2~3”を座標とする。活動の主体技術が
ネットワーク、ミドルウェア、アプリケーションのいずれに属するかを示す。
円の大きさと色に関しては次のような分類を実施した。
●円の大きさ
表 3.3.1 の“メンバ数”と、
“TTC との関連性”の 2 種類を用意した。表 3.3.1 の円サイズ
1は“小”円で、サイズ2は“中”円、サイズ3は“大”円とした。
●円の色
表 3.3.1 の“活動目的”と“設立時期”で色分けしている。色の詳細に関しては各マップ
の図中の下部にそれぞれ記載した。
- 38-
①技術マップその1(メンバ数・活動目的版)
図 3.3.1 は、円の大きさは“参加メンバ数”、円の色は“活動目的”としマップに展開したもの
である。本技術マップから主に次の点が読み取れる。
・全体傾向として、活動エリアが“固定”系に近いフォーラムは活動技術が“NW”系によっ
たレイヤで活動を行っている。活動エリアが“モバイル”系に移行するに従って、活動技術
は“MDL~APL”系のエリアに移っている。また、“モバイル”系の活動エリアによったフ
ォーラムは少ない。特に、活動エリア“固定”系、活動技術“NW”系のエリアにいくつも
のフォーラムがひしめいているのがわかる。
・活動目的に着目して見ても、全体傾向から逸脱はしていない。
・メンバ数の多いフォーラムが、技術マップの中心部分に多い。
TTC としてファーラム活動を調査しているカテゴリが、情報通信系である点、有線系を中心に
活動している点から、活動エリアが“固定~中間”系に偏っていることはある意味納得のいく結
果である。しかしながら先を見据えた調査という視点からみると、もう少しモバイルよりの活動
や APL よりの活動が、フォーラム活動としてどのように行われているのか、調べる必要があるの
かもしれない。
活動エリア“固定”系の活動では、物理層の規格化を細かく実施する必要があるため活動技術
が低いレイヤの部分を中心に、それぞれの規格化や実装仕様化を実施するフォーラムや密集して
いる。本来、活動エリア“モバイル”にも同様の傾向が見られてもおかしくないが、今回、純無
線系フォーラムを調査していないので、このエリアのフォーラムが少なくなっていると考えられ
る。
“NW”系を使いこなすために必要な “MDL”系技術を進めるフォーラムは、活動エリアを広
くすることが、規格の利用範囲を広くすることに繋がる為、活動エリアとして“固定~モバイル”
全体をカバーしていると考えられる。その関係かメンバ数の多いフォーラムも多い。
- 39-
円サイズは
メンバ数
固定
-2
活動エリア
中間
0
-1
ITS
America
APL
1
モバイル
2
UbiqN
OMA
IIC
3
Continua Health
Alliance
APL
主だが
MDL
と含む
ATIS
2
IPTV
FJ
OSGi
活
動
技
術
APL
と
MDL
両方
1
OMG
0
GICT
NW
主だが
MDL
を含む
Open IPTV Kantara
Forum
DLNA
DMTF
MDL
EPC W3C
global
BBF
OGF
Home
PNA
-1
WS-I
UPnP
OASIS
TOG
SA Forum
MSF
LONMARK
IMS/NGN
Forum
ECHONET
Testing
HPA FSANDSL
Consortium
NW
-2
FCIA
HomeGrid OIF
Forum
MEF
Ethernet
MoCA
Alliance
APL:アプリケーション
MDL:ミドルウェア
NW:ネットワーク
デファクト標準化
CP-TA
IMTC
プリ標準化
ZigBee
実装仕様化
・相互接続性検証
図 3.3.1 技術マップ(メンバ数・活動目的版)
- 40-
その他
②技術マップその2(メンバ数・設立時期版)
最近のフォーラム設立傾向を見るために、図 3.3.2 は図 3.3.1 をベースに円の色を“活動目的”
から“設立時期”に変更しマップに展開したものである。本図から次の点が読み取れる。
・設立数は 1990 年代が多く、1980 年代はほとんどない。
・活動技術領域“MDL~APL”系で“固定~モバイル”系の活動エリアを持つ大規模なファー
ラムは 1990 年代に多く設立されている。
・2000 年~2004 年の 5 年間の設立は、活動エリアが“モバイル”系によったフォーラムの設
立と、次世代ネットワーク、ホームネットワーク、IPTV、スマートグリッド等新サービスに
必要な“NW”系の技術領域に関するフォーラムが設立されている。
・2005 年以降は、活動エリア“モバイル”系のファーラムの設立が減少し、次世代ネットワー
ク、ホームネットワーク、IPTV、スマートグリッド等の活動技術が加速し、活動エリアが
“MDL”系から“APL”系方向に展開している。
今後、1990 年代から継続的に活動を続けている大規模フォーラムの活動の方向性や、新規に設
立されるフォーラムがモバイル系やアプリ系の活動エリアに移行していくか等、注視して行くこ
とが必要と思われる。
- 41-
円サイズは
メンバ数
固定
-2
活動エリア
中間
0
-1
ITS
America
APL
1
モバイル
2
UbiqN
OMA
IIC
3
Continua Health
Alliance
APL
主だが
MDL
と含む
活
動
技
術
APL
と
MDL
両方
ATIS
2
IPTV
FJ
1
NW
Open IPTV Kantara
Forum
DLNA
0
GICT
NW
主だが
MDL
を含む
EPC W3C
global
OMG
DMTF
MDL
OSGi
BBF
OGF
WS-I
UPnP
OASIS
TOG
SA Forum
MSF
Home
PNA
IMS/NGN
Forum
LONMARK
-1
ECHONET
Testing
HPA FSANDSL
Consortium
FCIA
-2
HomeGrid
OIF
Forum
MEF
Ethernet
MoCA
Alliance
APL:アプリケーション
MDL:ミドルウェア
NW:ネットワーク
1980
年代
IMTC
1990
年代
CP-TA
2000
~
2004
年
ZigBee
2005
~
2009
年
図 3.3.2 技術マップ(メンバ数・設立時期版)
- 42-
不明
③技術マップその3(TTC との関連性・活動目的版)
図 3.3.3 技術マップ(重要度・活動目的版)は、円の大きさは“TTC との関連性”を、円の
色は“活動目的”としマップに展開したものである。技術マップから次の点が主に読み取れる。
・TTC との関連性の観点では、それほど偏った形にはなっていない。TTC の専門委員会やアド
バイザリグループの活動とフォーラム活動が展開されている領域、調査している領域が概ね
一致している。
TTC との関連が強くない“小さな丸”のフォーラムの活動や、技術マップ上にフォーラムがな
い領域に関するフォーラム活動をどのように考えるかは、表 3.3.1 でフォーラムとの対応関係を
示せなかった専門委員会やアドバイザリグループとの活動関係を含め今後検討する必要がある。
円サイズは
TTCとの関連性
固定
-2
活動エリア
中間
0
-1
ITS America
APL
1
モバイル
2
UbiqNet
OMA
IIC
3
Continua
Health Alliance
APL
主だが
MDL
と含む
活
動
技
術
APL
と
MDL
両方
ATIS IIF
2
IPTV FJ
OSGi EPCglobal
1
W3C
OMG
DMTF
MDL
GICTF
0
Open IPTV
Forum
NW
Home
PNA
-1
-2
TOG
LONMARK
ECHONET
FSAN
OIFMEF
Testing
DSL
FCIA
Consortium
MoCAHPA HomeGrid
Forum
Ethernet
Alliance
ASIS
O
SA Forum
MSF
BBF
APL:アプリケーション
MDL:ミドルウェア
NW:ネットワーク
UPnP
DLNA
OGF
NW
主だが
MDL
を含む
Kantara
WS-I
デファクト標準化
IMS/NGN
Forum
CP-TA
IMTC
プリ標準化
ZigBee
実装仕様化
・相互接続性検証
図 3.3.3 技術マップ(TTC との関連性/活動目的版)
- 43-
その他
3.4 参加メンバ数推移
各フォーラムのメンバ数推移を活動技術と活動エリアの視点から整理した。図 3.4.1 は前年
比メンバ数増減が 10%以上のフォーラムの活動エリア・活動技術分布を、図 3.4.2 は 2008 年か
ら 2011 年の間に参加メンバが単調増加・減少しているフォーラムの活動エリア・活動技術分布
を示したものである。メンバ数増減について、特定の活動エリア、活動技術で顕著な傾向は見
られない。
活動
技術
アプリ主 3
ATIS IIF
アプリ主
2
+ミドル
▼
アプリ ▽
1
+ミドル
OGF
CP-TA
▼
-2
固定中心
Home PNA
△
凡例:
▲ 20%以上メンバ数増加
△ 10%以上20%未満メンバ数増加
▽ 10%以上20%未満メンバ数減少
▼ 20%以上メンバ数減少
Open IPTV Forum
▼
-1
固定中心
+モバイル
MSF
▽
WS-I
SA Forum
▼
0
固定+モバイル
/ミドル
1
モバイル中心
+固定
活動
2 エリア
モバイル中心
ネットワーク主
-1
+ミドル
DSL Testing Consortium
FCIA
Ethernet Alliance
▽▼▲
ZigBee
△
ネットワーク主 -2
HomeGrid Forum
FSAN
アプリ:アプリケーション
ミドル:ミドルウェア
該当せず X
図 3.4.1 前年比メンバ数増減が 10%以上のフォーラムの活動技術・活動エリア分布
- 44-
活動
技術
アプリ主 3 ▲
▼
Continua Health Alliance
IIC
凡例:
▲ 2008~2011 メンバ数単調増加
▼ 2008~2011 メンバ数単調減少
アプリ主
+ミドル 2
アプリ ▲
+ミドル 1▼
-2
固定中心
-1
固定中心
+モバイル
W3C
OMG
UPnP
▲
0 ▼ SA Forum
固定+モバイル
/ミドル
▼
UbiqNet
▼
OMA
活動
2 エリア
モバイル中心
1
モバイル中心
+固定
ネットワーク主
-1
+ミドル
▼
MEF
OIF
FSAN
HomeGrid Forum
▲
▼
OSGi
Ethernet Alliance
LONMARK
MSF
ネットワーク主 -2
FCIA
DSL Testing Consortium
▼
CP-TA
アプリ:アプリケーション
ミドル:ミドルウェア
該当せず X
▼
ITS Forum
図 3.4.2 メンバ数の単調増加・減少しているフォーラムの活動技術・活動エリア分布
- 45-
3.5 注目すべきフォーラム
昨今の環境関連が注目されていることから、ICT 分野での国際標準化活動においても、スマー
トグリッドやクラウドコンピューティングなどが活発に活動していると言える。ITU-T において
は、H22 年 6 月から時限標準化検討組織であるフォーカスグループ(以下、FG と略)として、
スマートグリッドを扱う FG-Smart、クラウドコンピューティングを扱う FG-Cloud が活動開始
しており、従来の ITU-T 参加者だけでなく ISO/IEC、地域標準化団体、世界のフォーラム等と協
調しつつ現在継続検討中である。
今回の分析対象のフォーラムの中にも、スマートグリッド関連では Home Grid Forum、Home
PNA、Zigbee などが、グリッドコンピューティング関連では DMFT、OGF、OMG、OASIS、
TMF、GICTF などが検討している。
3.5.1 スマートグリッド関連
電力の流れを供給側・需要側の両方の情報を基に最適に制御する送電網をスマートグリッドと
呼び、主に送配電関係の高機能化を目指し各種検討が行われている。スマートグリッドは、ピー
ク電力の分散や停電対策にとどまらず、電気自動車の給電スタンドのようなインフラ整備や、セ
ンサを活用した家庭内での電力の効率化などを含んだ大きな概念になりつつある。スマートグリ
ッドでは、各家庭の電力使用量というプライベートな情報を扱うため、かつ、消費電力量に基づ
いて電力料金を課金するため、高セキュリティかつ高品質な通信網の利用が必須である。
スマートグリッドの標準化は、電力制御関連、スマートメータ(検診機能)、ホーム電力管理、
電気自動車との連携等のように検討分野が多岐に渡っており、IEC、ITU、ETSI、IEEE 等の標
準化団体だけでなく、様々なフォーラムで標準化検討が行われている。今回調査したフォーラム
での検討状況を以下に示す。
(1) Home Grid Forum
Home Grid Forum は、家庭内既設の同軸ケーブル、電話線、電力線を使った、次世代家庭内
ネットワークを開発(最終仕様は 2009 年)
・維持することを目的に、2008 年に発足した。ITU-T
G.hn 仕様に準拠した相互接続性ある製品のエコシステムを検討しており、G.hn の検討にスマー
トグリッドが含まれることから、Home Grid Forum においてもスマートメータ、電力の見える
化などが検討されている。
(2) Home PNA (Homeplug Power Alliance)
Homeplug Power Alliance は、家庭内の電力線を利用した通信の標準の規格化を進めている団
体であり、1998 年に発足した。Cisco、Intel を始めとする 9 社がスポンサーになり、その他 26
社が参加している。現在同規格は、IEEE P1901 において国際標準化が進められている。また、
同 Alliance は、Zigbee と連携して、Smart Energy Initiative を立ち上げ、両規格間の連携を進
めている。
(3) ZigBee
ZigBee Alliance は、IEEE 802.15.4 をベースに策定した短距離無線規格の標準化団体および、
製品の認証団体で、2002 年に発足した。ZigBee は、各機器間を無線で接続するための規格であ
り、WiFi や Bruetooth より低速ではあるが消費電力は圧倒的に少なく、多くのメッシュを構成す
ることが特徴である。このため、監視・制御用に優位を有する。このため、スマート・エナジー
- 46-
分野への応用が検討されており、Zigbee Smart Energy として標準化している。
(4) ECHONET (ECHONET Consortium)
ECHONET コンソーシアムは、省エネルギーやヘルスケアの高度化等のために活用できるホー
ムネットワークの技術開発と標準的な通信仕様の開発を行い、これを公開していく事を目的とし
て、1997 年に設立された日本の団体である。2010 年の活動として、スマート EMS 検討 WG や
活動活性化 WG で創蓄省エネ機器や電力グリッド連携を含めたエネルギーの高効率運用の検討を
実施している。電力会社や家電メーカ等の 61 社が参加している。ここで、創備省エネ機器とは、
「創エネ機器(環境にやさしいエネルギーを創出する太陽電池、燃料電池、風力発電等の機器)」
、
「蓄エネ機器(エネルギーの蓄積として電気を必要な時に使えるようにためておく二次電池等の
機器)
」
、
「省エネ機器(エネルギー消費が従来に比べて少ない機器)」の総称である。
(5) ITS Forum
ITS 情報通信システム推進会議は、ITS 情報通信システムに関する研究開発及び標準化の調査
研究等の活動を行い、電波利用の健全な発展に寄与することを目的として、1999 年に発足した。
スマートグリッドの具体的な検討はまだ検討されていないが、平成 22 年度のシンポジウムで環境
と ITS が話題になっている。
【参考】ERTICO(The organization for intelligent transport system in Europe)
ERTICO は、欧州の ITS 化のための推進団体であり、1991 年に設立された。EcoMobility 検討
の中で Eco-vehicle として電気自動車と電力網との統合を検討している。日系企業 8 社を含み、
欧州を中心に 104 社が参加。
3.5.2 クラウドコンピューティング関連
クラウドコンピューティングとは、ネットワークの雲の中にあるネットワークやコンピュータ
リソース、または、サービスを、サーバなどのハードウェアを意識せずに利用するコンピューテ
ィング形態である。通常、ネットワークを図示する時に「雲」の図を用いるが、その雲の中にサ
ービスを提供するサーバ群が存在し、ユーザはそれらサーバの存在を意識することなくサービス
を利用できる。クラウドコンピューティングには、サービスを提供する SaaS(Software as a
Service)だけでなく、ネットワークとサーバインフラを提供する IaaS(Infrastructure as a
Service)などの XaaS に代表されるプラットフォームサービスも含む場合が多い。
クラウドコンピューティングの標準化は、2009 年以降に急激に活発になり、今回調査したいく
つかのフォーラムでも検討が始まっている。今回調査したフォーラムでの検討状況を以下に示す。
(1) DMTF(Distributed Management Task Force)
:
分散環境における IT システムの管理技術の標準策定を目指し、1992 年に設立された。2009 年
11 月 にクラウドの相互運用に関するホワイトペーパ、2010 年 6 月にクラウド管理のユースケー
スと相互作用に関するホワイトペーパを公開した。2010 年 9 月現在、182 社が参加しており、幹
事企業には日系 2 社が参加している。
(2) OGF(Open Grid Forum)
:
分散コンピュータ環境に関する仕様策定団体として 2006 年に発足した。2009 年 4 月に
OCCI-WG (Open Cloud Computing Interface Working Group)において、IaaS 上の API 仕様
OCCI を策定、公開している。OCCI は欧州の OpenNebula プロジェクト等において実装されて
- 47-
いる。2010 年 10 月現在、日系企業 4 社を含む 26 社が参加している。
(3) OMG(Object Management Group)
:
相互運用可能な企業コンピュータの仕様策定や CORBA の普及を目的に、1989 年に設立した団
体である。2009 年 7 月にクラウド関連の Collaborate to Future Adoption of Cloud Standards
を発足させた。メンバには、2010 年 10 月現在、日系企業 15 社を含み世界各国から 373 社・団
体が参加している。
(4) OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)
:
1993 年にセキュリティ、e ビジネスに関する技術標準策定を目的に設立された米国に本部を置
く団体である。
2010 年 5 月に発足した Identity in the Cloud Technical Committee(IDCloud TC)
において、クラウドの ID 管理に関する標準策定を検討している。メンバには日系企業 16 社を含
む世界各国から 323 団体が参加している。
(5) GICTF(Global Inter-Cloud Technology Forum)
:
クラウドシステム利用技術の開発・標準化を目的として、2009 年 7 月に日本で設立。高信頼な
クラウド実現を目指し、クラウド間連携の標準インタフェース等について検討している。2011 年
2 月現在、産官学から 97 社・団体が参加している。2010 年 6 月にクラウド間連携のユースケー
ス、機能要件に関するホワイトペーパを公開。主なメンバは、TTC をはじめとする日系企業 73
社、大学等の特別会員 22 団体、オブザーバとして総務省が参加。
【参考】DCIA(Distributed Computing Industry Association)
クラウドコンピューティングと、コンテンツのストリーミングとダウンロードに関連する技
術の商業的広報を目的にした国際組織であり、2002 年に設立された。クラウドコンピューティ
ングの技術自体ではなく、クラウドを使ったコンテンツ配信の技術にフォーカスしている。参
加企業名が明らかにされていないが、107 社が参加している。
- 48-
3.6 分析結果の考察
各項で分析結果とそれに伴う考察を記載したが、それらをふまえ 3 章全体の考察を述べる。
技術分野毎の参加傾向については、参加地域を、A 地域、B&C 地域、D 地域、E 地域の4象限に
分割図示し傾向分析を実施した。全体的に、まだアフリカの諸国の参加は少なく、北米、欧州を
中心に、アジアでは中国、韓国、日本が参加している。特徴的なのは、ネットワーク分野が北米
に偏っている点である。アナログ電話から IP 網への発展における歴史的背景があると考えられる。
地域毎の参加傾向では、フォーラム活動が活発な B 地域と中国、韓国が属する E 地域の分析を
実施した。B 地域では英国やドイツが積極的であり、全体として参加が伸びている。また、スペ
インがアプリ系フォーラムへの参加に熱心なことなど、国毎の技術分野傾向も異なる。E 地域で
は日本、台湾、中国、韓国が積極的に参加している点が特徴であるが、技術分野毎の国別傾向は
B 地域のように顕著ではない。また、韓国の Samsung 社や中国の Huawei 社の幅広い参加が目
立つ。さらに、B 地域と E 地域を比較すると、フォーラムのメンバ数の伸びはB地域が大きく、
B 地域の活動傾向としてはアプリケーション系が多い。E 地域はグローバル製造拠点になってい
るためかハードウエアに近い領域の活動が活発であり、対して B 地域はソフトウェアよりに重点
を置いた活動になっていると思われる。
技術マップ作成関連では、TTC との関連性を明確化するために、TTC の専門委員会やアドバイ
ザリグループとの関連性を指標として整理し、技術マップは設立時期を分析のパラメータに追加
したものを含め3種類作成した。
技術マップによると、大規模なフォーラムは固定系とモバイル系の双方をサポートするミドル
ウェア技術(技術 MAP の中心エリア)に多く、また 1990 年代に多く設立されていることが判明
した。また、分析の結果、TTC の専門委員会やアドバイザリグループの活動領域とフォーラム活
動の領域(調査している領域)がずれていない等判明した。しかしながら、一部の専門委員会と
の関連性については、関連するフォーラムが調査対象フォーラムに選択されていない、モバイル
系のフォーラムが固定系に比べ少ないなど、世の中の技術動向等からみて不自然な部分もあり、
今後のフォーラム調査の課題も示されている。
参加メンバ数推移の分析も実施した。特に顕著な結果は得られなかったが、参加メンバに関し
ては今まで時系列的な分析のみを実施していたが、技術マップの軸(活動技術/活動エリア)を
使用し、技術的視点からも参加メンバ推移を評価した。
注目すべき活動として、ICT 分野での国際標準化活動においても注目されているスマートグリ
ッドやクラウドコンピューティングに関係するフォーラム活動に関して取り上げ、トピックス的
な解説を実施した。今後も、フォーラム活動の調査の中で、注目すべき分野の活動を取り上げ深
掘りしたい。
- 49-
4. まとめ
フォーラム活動調査の対象フォーラム数は今年度から絞込みを行い、42 フォーラムとなった。
その 42 フォーラムについて第 2 章では例年通りの分析手法にて分析を行い、第 3 章では昨年試
行した手法にて、フォーラムの国別参加メンバ数や標準化対象のレイヤ毎のマッピングなどを行
い、分析を行った。
第 2 章の活動目的による分類をみると、最近のフォーラムでは実装仕様/相互接続性検証を目
的としたフォーラムが多いことがわかる。サービスや端末が多様化して多くの標準が世の中に登
場する中、製造元の異なる機器間の相互運用性を確保するためには標準だけでは不十分であり、
具体的な実装上のパラメータ等を整合する必要がある。これは利用者の立場からも製造者の立場
からも必要なことであり、普及推進の面からも実装仕様/相互接続性検証を目的としたフォーラ
ム活動の活発化は継続するものと推察される。
第 3 章では国や地域によるフォーラム活動の傾向や動向を知るために、フォーラム参加メンバ
の国籍調査を実施した。また、各フォーラムの技術分野とメンバ数増減との相関関係や、技術分
野と参加地域の相関関係、TTC 活動領域との関係性、活動分野(アプリケーション~ミドルウェア
~ネットワーク)と活動領域(固定系~モバイル)のマッピングなど、さまざまな手法で分析を試み
た。結果として、メンバ数の増減と技術分野との相関については特に顕著な傾向は見られなかっ
たが、地域毎のフォーラム参加傾向、特定の技術分野でのフォーラム数の偏りについては一定の
特徴が見られた。また、今回注目すべきフォーラムとして、近年活動が活発化しているスマート
グリッドとクラウドコンピューティングに着目し、関連性の高いフォーラムを抽出して動向を調
査した。スマートグリッドやクラウドコンピューティングの関心が高まるにつれ、以前から活動
してきたフォーラムでもこれらの分野に注力しつつあるとみられる。
今回取り組んだ分析手法により、今まで得られなかったフォーラム活動の傾向を知ることがで
きた。次年度からはより有効な分析手法について継続して検討するとともに、注目を集めている
話題について重点的な調査を行っていきたいと考える。
本調査報告書が今後、より TTC 会員にとって有益な情報を提供できるよう、また TTC 会員だ
けにとどまらず広く活用評価されるよう、皆様方の忌憚のないご意見をいただきながら、いっそ
う内容の充実を図っていきたい。
(コメント送付先 E-mail : [email protected])
以上
- 50-
資
料
- 51-
調査対象フォーラム
#
1
2
3
略称
ATIS IIF
BBF
Continua Health
フォーラム名
ATIS IPTV Interoperability Forum
Broadband Forum
Continua Health Alliance
URL
http://www.atis.org/iif/index.asp
http://www.broadband-forum.org/
http://www.continuaalliance.org/index.html
Alliance
4
CP-TA
The Communications Platforms Trade
http://www.cp-ta.org/
Association
5
6
DLNA
DMTF
Digital Living Network Alliance
Distributed Management Task Force
http://www.dlna.org/industry/home
http://www.dmtf.org/
目的
分野
実装仕様化・相互接続
サービス(インターネ
性検証
ット関連)
実装仕様化・相互接続
情報通信(加入者
性検証
系)
実装仕様化・相互接続
サービス(宅内情報
性検証
家電関連)
実装仕様化・相互接続
情報通信(インフラ
性検証
系)
実装仕様化・相互接続
サービス(宅内情報
性検証
家電関連)
デファクト標準化
情報技術(ソフトウェ
ア関連)
7
DSL Testing
DSL Testing Consortium
http://www.iol.unh.edu/services/testing/dsl/
Consortium
8
ECHONET
ECHONET Consortium
http://www.echonet.gr.jp/
実装仕様化・相互接続
情報通信(加入者
性検証
系)
デファクト標準化
サービス(宅内情報
家電関連)
9
EPCglobal
EPC (Electoronic Product Code) global
http://www.epcglobalinc.org/
デファクト標準化
サービス(EC 関連)
http://www.ethernetalliance.org/
実装仕様化・相互接続
情報技術(LAN 関
性検証
連)
プリ標準化
情報技術(LAN 関
Inc
10
11
Ethernet Alliance
FCIA
Ethernet Alliance
Fibre Channel Industry Association
http://www.fibrechannel.org/
連)
- 52-
12
FSAN
Full Service Access Network
http://fsanweb.org/
プリ標準化
情報通信(加入者系
関連)
13
GICTF
グローバルクラウド基盤連携技術フォー
http://www.gictf.jp/index.html
デファクト標準化
ラム
14
15
HomeGrid Forum
HomePNA
HomeGrid Forum
Home Phoneline Networking Alliance
情報技術(ソフトウエア
関連)
http://www.homegridforum.org/
http://www.homepna.org/
実装仕様化・相互接続
情報技術(LAN 関
性検証
連)
デファクト標準化
サービス(宅内情報
家電関連)
16
HPA
HomePlug Powerline Alliance
http://www.homeplug.org/home
デファクト標準化
情報技術(LAN 関
連)
17
IIC
インターネット ITS 協議会
http://www.internetits.org/ja/top.html
デファクト標準化
サービス(ITS 関連)
18
IMS/NGN Forum
IMS/NGN Forum
http://www.imsforum.org/
実装仕様化・相互接続
情報通信(インフラ
性検証
系)
実装仕様化・相互接続
サービス(マルチメデ
性検証
ィア関連)
実装仕様化・相互接続
サービス(マルチメデ
性検証
ィア関連)
http://www.itsa.org/
プリ標準化
サービス(ITS 関連)
http://www.itsforum.gr.jp/
プリ標準化
サービス(ITS 関連)
http://kantarainitiative.org/
実装仕様化・相互接続
サービス(インターネ
性検証
ット関連)
実装仕様化・相互接続
情報技術(LAN 関
性検証
連)
19
IMTC
International Multimedia
http://www.imtc.org/
Telecommunications Consortium
20
21
IPTVFJ
ITS America
IPTV Forum Japan
The Intelligent Transportation Society
http://www.iptvforum.jp/#/top
of America
22
ITS Forum
ITS Info-communications Forum ITS 情
報通信システム推進会議
23
24
Kantara
LONMARK
Kantara Initiative
LonMark International
http://www.lonmark.org/
- 53-
25
26
27
28
MEF
MoCA
MSF
OASIS
Metro Ethernet Forum
Multimedia over Coax Alliance
MultiService forum
Organization for the Advancement of
http://www.metroethernetforum.org/
実装仕様化・相互接続
情報通信(インフラ
性検証
系)
実装仕様化・相互接続
情報通信(加入者系
性検証
関連)
実装仕様化・相互接続
情報通信(インフラ
性検証
系)
http://www.oasis-open.org/home/
デファクト標準化
サービス(EC 関連)
http://www.ogf.org/
実装仕様化・相互接続
情報技術(ソフトウエア
性検証
関連)
デファクト標準化
情報通信(インフラ
http://www.mocalliance.org/
http://www.msforum.org/
Structured Information Standards
29
30
OGF
OIF
Open Grid Forum
Optical Internetworking Forum
http://www.oiforum.com/
系)
31
32
OMA
OMG
Open Mobile Alliance
Object Management Group
http://www.openmobilealliance.org/
http://www.omg.org/
実装仕様化・相互接続
情報通信(移動体通
性検証
信)
プリ標準化
情報技術(ソフトウエア
関連)
33
34
Open IPTV Forum
OSGi
Open IPTV Forum e.V
OSGi Alliance
http://www.oipf.tv/index.html
http://www.osgi.org/Main/HomePage
実装仕様化・相互接続
サービス(マルチメデ
性検証
ィア関連)
デファクト標準化
情報技術(ソフトウェ
ア関連)
35
36
SA Forum
TMForum
Service Availability Forum
TeleManagement Forum
http://www.saforum.org/
http://www.tmforum.org/
実装仕様化・相互接続
情報技術(ソフトウエア
性検証
関連)
プリ標準化
情報技術(ソフトウエア
関連)
37
TOG
The Open Group
http://www.opengroup.org/
- 54-
実装仕様化・相互接続
情報技術(ソフトウエア
38
UbiqNet
ユビキタス・ネットワーキング・フォーラ
http://www.ubiquitous-forum.jp/
ム
39
40
41
UPnP
W3C
WS-I
Universal Plug and Play Forum
World Wide Web Consortium
Web Services Interoperability
http://www.upnp.org
http://www.w3.org/
http://www.ws-i.org/
Organization
42
ZigBee
ZigBee Alliance
http://www.zigbee.org
性検証
関連)
実装仕様化・相互接続
情報技術(ソフトウエア
性検証
関連)
実装仕様化・相互接続
情報技術(LAN 関
性検証
連)
実装仕様化・相互接続
サービス(インターネ
性検証
ット関連)
実装仕様化・相互接続
サービス(インターネ
性検証
ット関連)
プリ標準化
情報技術(LAN 関
連)
- 55-
情報通信関係の
フォーラム活動に関する調査報告書
(第 17 版)
発行日 2011 年 4 月
発行者 一般社団法人
情報通信技術委員会
〒105-0011
東京都港区芝公園 1-1-12
電
芝公園電気ビル内
話: (03)3432-1551
ファクス:
(03)3432-1553
Ⓒ2011 無断転載厳禁
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