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6 .雑草防除

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6 .雑草防除
6.雑草防除
日本の大部分の地域では,夏季に高温,多湿となるため雑草の繁茂は著しい.しかも,
夏雑草,冬雑草および施設内の雑草などにより1年中雑草による農業への害は絶えない.
雑草防除を全く行わない場合には,農産物の深刻な収量の減少や品質の低下を招く.的確
な雑草防除は農産物の安定した収量,品質の維持のために病害虫防除とともに不可欠であ
る.
合理的な雑草防除は,最少の労力,資材で作物に実害のない程度にもっとも効率的に雑
草を抑えておくことであり,雑草を必要最小限,効率的・経済的かつ安全に取り除くため
の努力が永年なされてきている.近年の除草剤の普及は,除草作業に費やす労力の軽減や
時間の短縮をもたらしたが,一方では人体への害や除草剤(農薬)の流出,残留等による
環境汚染等の弊害が生じた.現在,農地環境の荒廃を伴わない持続型農業の関心の高まり
の中で,農業生態系を適切に維持しながら防除を行うという総合防除の考えが広まってい
る.
a.主な雑草害
(1) 光 の 競 合
(2) 水 分 の 競 合
(3) 養 分 の 競 合
(4) ア レ ロ パ シ ー ( 他 感 作 用 )
(5) 収 量 の 低 下
(6) 収 穫 物 の 品 質 低 下
(7) 収 穫 機 の 働 き の 妨 害
(8) 有 毒 物 質 の 生 成 あ る い は 集 積
(9) 病 害 虫 の 温 床 , 伝 播
(10)景観を損なう
b.雑草の種類と特性
(1)種類
日本の場合,全国的にみて畑地雑草は53科302種,水田雑草は43科191種(そのうち田
畑共通種18科76種)総数78科417種とされている.イネ科,キク科,カヤツリグサ科,
ゴマノハグサ科,タデ科,マメ科,アブラナ科,シソ科で7割以上を占める.
(2)特性
1)発芽から種子が形成されるまでの期間が短い
2)生育可能な限り長期にわたり種子を生産する
3)種子の寿命が長い
4)巧妙な種子散布機構を持つ
5)好適環境下において種子を多産する
6)不良環境下でもいくらかの種子を生産することができる
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7)多年生の場合切断された茎や根から強勢な繁殖力と再生力を持つ
8)種間競争を有利にする仕組み(ロゼット葉,アレロパシー等)を持つ
c.雑草防除の方法と種類
(1)予防的防除
農機具を清潔に保つ.雑草種子に汚染された作物の種子や堆肥を用いない.
(2)機械的防除
耕耘,耕起,刈り取り,マルチ,焼却
(3)化学的防除
化学物質(除草剤)
(4)耕種的防除
作物の競争力の強化,被覆植物,輪作,裏作,水管理
(5)生物的防除
家畜や家禽,魚介類,昆虫,微生物等の天敵の利用
メモ
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