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独自の仮想化技術を搭載する ブレードサーバ「BladeSymphony」

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独自の仮想化技術を搭載する ブレードサーバ「BladeSymphony」
Oracle GRID Center
株式会社日立製作所
独自の仮想化技術を搭載する
ブレードサーバ「BladeSymphony」
日立製作所は、グリッド・コンピューティング市場に向けて、大規模ブレードサーバを中核とした
統合サービス・プラットフォームの「B l a d e S y m p h o n y 」を中心に取り組んでいる。
BladeSymphonyは、オープンなインフラに、メインフレームでの実績を活かした独自の「サ
ーバ仮想化機構」を融合することで、グリッド・コンピューティング環境に最適な柔軟な環境を提
供することができる。
“交響曲”
を目指した
統合プラットフォーム
は、BladeSymphonyについて次のよ
うに語る。
「私達はサーバ、ストレージ、ネットワー
「 B l a d e S y m p h o n y はS M P
( Symmetric Multiple Processor)
として8CPUや4CPUという大きな構成
日立製作所は、グリッド・コンピューティ
クを組み合わせた統合サービス・プラット
が 可 能なのと同 時 に、2 C P U × 8 、
ング 環 境 の 基 盤 として「 B l a d e
フォームとしてBladeSymphonyを提唱
4CPU×4というような小さいサーバがい
Symphony」
を掲げている。経営環境の
し、その基盤の上で独自の仮想化を打
くつも入っている両方の概念を、1つの
変化に即応できる運用性、信頼性、拡
ち出しています。BladeSymphonyは、
箱で実現できます。
これはオラクルのRAC
張性を備えた統合サービス・プラットフォ
当社のメインフレームの資産や競争力の
(Real Application Clusters)
と非常
ームだ。
あるストレージの実績を活かした統合プラ
に似通った概念だと思っています」
(鬼頭
日立製作所エンタープライズサーバ事業
ットフォームで、シンフォニー、つまり交響
氏)
部 第二サーバ本部 BladeSymphony
曲のようにストレージ、サーバ、ネットワー
同社に寄せられる顧客の要求はさまざ
コンピテンスセンタセンタ長の鬼頭昭氏
クが一体となって価値を生み出すという
まで、例えば2CPUのサーバを4つ集めて
考えに基づいて開発しました。しかし、だ
8CPUにならないかというものもある。そ
からといってすべてを日立の製品で組み
れに対し、BladeSymphonyはブレード
合わせるということではなく、他社製品と
の枠を越えたSMPが実現でき、更にそれ
も柔軟に連携可能な自由度の高い設計
を仮想化によって細かく使うこともできる。
になっています」
SMPと分割運用が両立できるという特
ミドルウェアにおいても、運用管理ソフ
徴があるというわけだ。
ト分野で国内トップシェアを持つ「JP1」
などとともに、オラクル製品とも密な連携
を深めている。
目指したのはグリッド環境が
きっちり使えるブレード
BladeSymphonyとして最初に発売
日立製作所 エンタープライズサーバ事業部
第二サーバ本部
BladeSymphonyコンピテンスセンタセンタ長
鬼頭 昭氏
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Oracle GRID Magazine
されたのは、8サーバ/10Uのハイエンド
モデル「BS1000」。2004年のことだっ
た。更に2006年6月には、6Uのサーバ
Oracle
GRID Center
シャーシにサーバモジュール10台搭載で
「メインフレームの仮想化は、1つしか
す。特に共有モードはいわゆる変動共有
きる小型高集積モデルの「BS320」
を発
ないCPUをたくさんに見せたいということ
で、CPU全体の何%をあるOSが、そし
表。最初は大規模サーバとして投入され
から始まっています。
しかし、次第にメイン
て残りの何%を別のOSが占有し、アプ
たが、多様化するユーザニーズにこたえ
フレームのメモリも大きくなり、1つのOS
リケーションのビジー率に合わせて、その
るため、BS320がラインアップに加わっ
で使うとマルチヘッド・オーバーヘッドが増
割合が変動するというものです。日立は
たという経緯がある。
えて性能が出なくなってきたことから、そ
この2つのモードを持っており、これは他
の解決策として分割して使う必要性が出
社にない仮想化の特徴と言えます」
(上
くさん並べるという考えで開発されたもの
てきたのです。それが論理分割(MLPF)
野氏)
ですが、BladeSymphonyではそれによ
で、これによって仮想化技術が使われる
って大規模領域を狙うという戦略があり
ようになりました」
「ブレードはもともと、小さいサーバをた
更に日立の仮想化では、ハードウェア
のI/O占有割り付けという機能を活用す
ました。いわばグリッド・コンピューティング
ることで、標準ドライバからI/Oスロットに
環境がきっちり使えるブレードを目指した
共有時のCPU占有率は
状況に応じて自動的に変える
のです」
(鬼頭氏)
また、日立は仮想化についてはメイン
データ転送するときにもオーバーヘッドを
軽減している
こうした日立独自の仮想化技術が、
グ
フレーム市場で培った独自の技術「日立
日立がまず取り組んだのは、メインフレ
リッド・コンピューティング環境で最適化
サーバ仮想化機構」
を持っており、Oracle
ームの論理分割方式の仮想化である。
できることを実証するという点で、Oracle
Gridとこの仮想化機構を組み合わせる
CPU資源、ストレージ資源、ネットワーク
GRID Centerに対する期待は大きい。
ことによって、大型化、複雑化するITリ
資源をプール化し、それを自由に組み合
このことについて、上野氏は「Oracle
ソースを有効活用するとともに、運用管
わせて最適なサーバ環境を作り上げると
GRID Centerでは、私達の仮想化技
理の効率化を推進している。日立の仮想
いう目的は同じでも、PCサーバから始ま
術を活かして、他社の仮想化とは違う利
化への取り組みについて、エンタープラ
った仮想化とは生まれが違う。
点があることをアピールしたいと思ってい
イズサーバ事業部 第二サーバ本部 Vプ
「日立の仮想化は論理分割を基本と
ロジェクト プロジェクトサブリーダの上野
していますが、その上で占有モードと共有
また鬼頭氏も、
「私達がオラクル製品
仁氏がこう説明してくれた。
モードという2つの分割方式を設けていま
をリセールするときにお客様から伺うのは、
ます」
と語った。
インターネット関連のシステムでどんどんト
BladeSymphonyの目指す方向
ランザクションが増えるようなケースでは、
適応分野拡大に向けた製品強化
●メインフレームで培った、
信頼性・可用性・性能技術力
●日立の総合力の活用
システムの増強時にも止めるわけにはい
適応範囲拡大による次世代基盤ITインフラ化
私達の仮想化機構によってある程度の
サーバ集約をしておけば、ほとんど影響な
基幹系プラットフォーム
統合化
仮想化
高信頼
高性能
く増強できると思っています。O r a c l e
エントリプラットフォーム
適応分野拡大
かないという要望です。これについては、
高集積
低消費電力
特定分野向けプラットフォーム
通信系
制御系
サービス
GRID Centerでもこうした負荷モデル
も検 討していきます」とOracle GRID
と組み合わせた独自のソリューションに期
技術計算
待を寄せている。
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