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自殺防止のために - 大阪自殺防止センター

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自殺防止のために - 大阪自殺防止センター
2012 〜 2013 年の活動報告
自殺防止のために
35周年記念特集号
06-6260-4343
認定 NPO 法人 国際ビフレンダーズ
大阪自殺防止センター
CONTENTS
はじめに………………………………………………………………………………………………………… 3
2012 年度活動報告… ………………………………………………………………………………………… 4
最近の 5 年をふり返って… …………………………………………………………………………………… 6
35 周年記念公開講演会
きたやまおさむ講演会『人生物語の紡ぎ方~潔く生きないように~』…………………………………… 8
外部研修講師………………………………………………………………………………………………… 12
相談活動を振り返って……………………………………………………………………………………… 14
自死遺族わかちあいの会…………………………………………………………………………………… 18
全体研修 自殺未遂に対するケア 講師:廣常 秀人先生………………………………………………… 20
宿泊研修 青木ヶ原樹海を視察する………… 22
各種委員会活動報告…………………………… 24
会計報告
2012 年度 活動計算書……………………… 28
貸借対照表・財産目録… …………………… 29
2013 年度活動予算… ……………………… 30
大阪自殺防止センター役員…………………… 31
寄付者名簿……………………………………… 32
感謝とお願い…………………………………… 34
自殺防止センターの活動……………………… 34
あなたの力を自殺防止活動に………………… 34
2
2012年度活動報告書
はじめに
認定NPO法人 国際ビフレンダーズ
大阪自殺防止センター
理 事 長
菅 生 浩 三
平素は自殺防止活動にご理解とご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。
平成 24 年の自殺者数は 27,858 人(警察庁発表の確定値)
、前年から 9.1% 減少し、15 年ぶりに 3 万人を下
回りました。自殺対策を担当する内閣府は「自治体や 民間団体で電話や対面による相談の体制が整備され
たことなどで効果が出ていると考えられる。しかし依然として高い水準にあるのが現状で、引き続き対策を
進める必要がある。
」とコメントし、電話相談の効果が評価されております。
しかし、自殺率(人口 10 万人当たりの自殺者数)を年代別に見ると、平成 10 年には 50 代と 60 代以上の
それぞれで 40 を超えていたのが、平成 24 年には 30 弱まで改善されましたが、20 代は 18.3 から 22.5 に悪
化しており、困難な就職活動や不安定な就労状態の反映を考えると、憂慮すべき状況であることは変わりま
せん。
国では「地域における自殺対策力」を強化するため、平成 21 年に「地域自殺対策緊急強化基金」を設
置し、震災対策とも連携して平成 25 年度まで基金の期限を延長して、地域における自殺対策の体制整備
や取組みの推進を図っていますが、引き続き自殺者数の減少をめざして、継続した施策の展開が必要です。
自殺総合対策大綱に掲げられた「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を真に実現するため努めて
いただきたいと考えます。
大阪自殺防止センターにおいては、電話相談や自死遺族のわかちあいの会をとおして、死にたいと思うほ
どのつらい気持ちを安心して話していただいております。この活動を支えるボランティア相談員の応募が近
年減少しており、活動継続に支障を来たさないよう、機会あるごとに自殺防止活動へのご参加を呼びかけて
いただければ幸いです。
また平成 25 年 3 月、所轄庁の大阪市より「認定 NPO」の認定をいただきました。寄附をいただく個人や
法人に税制上の優遇措置があり、活動を継続するため財政の安定に寄与することを願っております。
今後とも、引続き皆様方のご支援ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
35周年記念特集号
3
電話相談
大阪自殺防止センターでは、毎月約600件の電話相談を受けており、かけてこられた件数はその10倍の約
6,000件を数えます。死にたいほどつらい気持ちに一生懸命耳を傾け、同じ目線で寄り添い、「死にたいと
思っていませんか」「そんなにつらくて、自殺を考えていませんか」と問いかけます。家族や知人に「死に
たい」と伝えると、「頑張れば何とかなる」、「命を大切に」などと応答された方々は、「やっとホンネを
聴いてもらえる」と感じ、つらい、苦しい胸のうちを語り始めます。こうして自らの存在を受け止められた
と感じられることに、電話相談の意義を実感します。
1日に交通事故死者数の7倍、約70人の方が自ら命を絶っておられます。自殺による悲しみが少しでも減る
よう、自殺防止の活動を継続しなければなりません。
自死遺族の 会
第1土曜日(1、5月は休み)と第3水曜日に開催し、年間延べ約162人の遺族が参加されました。話したい
ときに話し、話したくないときは話さなくてよく、泣きたかったら泣ける、そんな安心できる場を提供して
います。
平成24年、大阪府内の自殺者数は1,740人。その4、5倍にもなる周りの方々が苦しんでおられます。この
数字を比較すると、遺族の会をもっとお知らせする必要があると感じ、免許証大で、財布のカード入れに差
し込みやすい案内カードを20,000部作成しました。また名刺大二つ折りの地図入りカードも20,000部作り、
合わせて保健所、保健センター、救急病院などや府民が利用される施設においてもらっています。
広報活動
電話相談ボランティア募集広告を、大阪市営地下鉄で一番利用者の多い御堂筋線主要4駅(難波、心斎
橋、淀屋橋、梅田)に設置された乗車位置案内の下部に掲示しました。この広告を見て養成講座に参加され
た方がありました。
大阪府内の中学校、高等学校や大阪市営地下鉄の駅に、センターの相談電話番号を記したポスター約
1,000枚を9月10日の世界自殺予防デーにあわせて掲示しました。死にたいと思ったときに電話番号を思い出
4
2012年度活動報告書
しかけてほしいと思っています。また平成24年度は初めて関西の13大学にポスターを掲示させていただきま
した。就職活動の不調などによる20代の自殺防止、また学生のボランティア応募も目的としています。
さらに自治体などが主催される市民や職員向けの研修やロールプレイ実習の講師に延べ69回招かれ、自殺
防止センターの相談活動を伝え、もし死にたいといわれたときどう対応するか一緒に考える機会が増えるの
は、社会的な取り組みで自殺を防ぐ気運を盛り上げることにつながると思います。
2月9日、電話相談ボランティアの募集を目的に、精神科医で音楽家の「きたやまおさむさん」をお招き
し、『人生物語の紡ぎ方~潔く生きないように~』と題し講演会を開催しました。新聞に開催記事が掲載さ
れると申込の電話とファックスが殺到し、270席の定員を超えたため、残念ながら多数の方々を参加お断り
しました。しかしボランティア申込は1名で、生き方についての関心の高さとボランティア参加意識の相違
を実感しました。
他団体と連 携 し た 相 談 活 動
一般社団法人社会的包摂サポートセンターが開設するフリーダイヤル相談電話「よりそいホットライン
(0120-279-338)」が平成24年3月から全国展開され、「死にたいほどのつらい気持ちを聞いて欲しい」と
いうチャンネルの相談を受ける全国の支援団体の1つとして参加し相談を受け付けています。また自殺予防
月間内の3月10日に東京自殺防止センターが実施したフリーダイヤル相談に、全国5つの自殺防止センターと
ともに参加し相談者を支えるつながりに加わりました。
活動の強化
センターの活動を支えるのは、ボランティアと運営費です。電話相談ボランティアの養成講座は年2回の
開催の度に新聞各紙に掲載いただきますが、平成24年度は問合せや応募が減少しました。自殺防止のボラン
ティアへの関心が薄くなったのかと気がかりです。
平成21年度より自殺対策緊急強化基金の支えで、広報活動や養成講座を展開できましたが、平成25年度か
ら補助金額が減少しています。平成25年3月、認定NPOに認定され、寄附をいただく個人、法人に税金の優
遇処置が適用されます。これをバネに寄附金の増額に努め安心して活動を続けることを願っています。
今後ともご指導ご支援を賜りますようお願いいたします。
35周年記念特集号
5
大阪自殺防止センターは、平成25年(2013年 )1月20日、電話相談を始めて35周年を迎えました。最近5年
間の大きな出来事は、
(1)大阪市中央区長堀橋への移転、
(2)電話相談時間の短縮、
(3)認定NPOの認定、
があげられます。一部5年以前にもわたりますが、経過を振り返ってみます。
(1)移転について:大阪自殺防止センターは、昭和53年
(1978年)
、大阪市中央区の日本基督教団島之内教
会の一室をお借りして活動を始めました。大阪の中心部に位置し交通の便に恵まれ、各地からセンターに通
うボランティアにとって好都合でした。また教会の集会室をお借りして、研修や相談者を交えたコーヒーハ
ウスと呼んだ交流会、また面接も実施していました。礼拝室もお借りして、年に一度、寄贈品や古着、また
カレーやうどんを販売する大規模なバザーを開きセンターの運営財源を確保していました。この地域の心斎
橋ロータリークラブが継続して支援いただきました。
教会が賃貸を中止されたため、平成18年
(2006年)
やむなく移転先を探し、多くのボランティアにとって通
う時間が2、30分増えますが、家賃が安く24時間使用できること、研修用の会議室が確保できることなどの
条件を満たした、大阪市港区のpiaNPOに移転しました。 ところが移転して2年を過ぎたころ、建物が耐震構造ではないので平成24年1月をもって閉鎖し、入居団体
は移転先を探すよう通知がありました。移転により社会に浸透している相談電話番号の変更されること、各
方面から集まるボランティアと話し合って移転先を選定することや、
移転経費を考えると大変な作業ですが、
心斎橋ロータリークラブの方々のご尽力をいただき、平成22年(2010年 )
5月再び交通の便のよい大阪市中央
区に戻りました。移転にあたり間仕切りを工夫して面接相談を再開することができました。相談電話番号の
変更についてはしばらくNTTが新しい電話番号を案内し、また行政機関などが他の相談機関とともに広報
いただきました。
(2)電話相談時間の短縮について:大阪自殺防止センターは、相談開始時は毎日深夜に限って受け付けて
いましたが、相談ボランティアの応募者が多く活動開始1年後には24時間365日休みなく相談を受け付ける体
制が確保できました。つらくて死にたいという切迫した気持ちに時間はありません。
しかし長く務められたボランティアが高齢化や転勤などで減少する一方、養成講座への応募が減り、やむ
6
2012年度活動報告書
なく受付時間を短縮せざるを得なくなりました。どのように縮小するかを話し合い、
様々な意見を踏まえて、
行政機関などの相談が休止となる週末に深夜を含めて連続57時間受付に変更しました。
相談受付が始まる「金
曜日が待ち遠しい 」という相談者の声を聞くと、ボランティアを増やして一刻も早く24時間受付体制に戻し
たいと思います。
(3)認定NPOの認定:大阪自殺防止センターは、平成12年
(2000年)
3月にNPO法人として認証されました。
事業計画や予算をボランティア会員の総意で決めるというNPO法人の組織のあり方が、任意団体として活
動しているときの仕組みと一致しており、また法人格を持つことで社会的信用が高まる効果がありました。
その後NPO法人は増加し、現在約4万の団体が認証されています。NPO法人の内、特に認定を受けた団体は、
その法人への寄附について個人、法人とも税制上の優遇措置が受けられ、財政の安定につながります。認定
を受けるためには、財務会計の信用性、法令遵守など厳しい審査があり、大阪自殺防止センターは所轄庁の
大阪市役所の審査を受け、平成25年3月に「認定NPO」に認定されました。認定NPOはまだ全国で400団体に
満たず、信用性はかなり高いと言えます。今後、認定を受けたことを活用して、財政の安定につなげたいと
願っています。
5 年のあゆみ
年
月
出
来
事
31年目 2008(平成 20) 3 30 周年記念式典・「自死遺族支援全国キャラバン in 大阪」
を共催 於 OBP 円形ホール
8 30 周年記念報告書発行
10 自死遺族の会 ( 水曜日のつどい ) が茨木市渡辺クリニックで始まる
〃 ビフレンダーズ・ワールドワイド・タイ国際会議に出席
32年目 2009(平成 21)11 大阪市こころの健康センター自殺未遂者支援事業相談員の派遣
33年目 2010(平成 22) 5 piaNPO
(大阪市港区)から長堀安田ビル
(大阪市中央区)
に移転
10 東大阪市保健所主催自死遺族の会「わかちあいの会」が始まり、運営スタッフ派遣
11 電話相談時間の短縮 ( 毎週金曜日午後 1 時~日曜日午後 10 時まで )
34年目 2011(平成 23) 1 面接相談を再開
6 東日本大震災被災者支援として 5 団体で関西被災者支援相談ネットワークを結成し、相談電話の開設
35年目 2012(平成 24) 3「大阪市内相談機関パンフレット」作成 ( 大阪市委託事業 )
〃 社会的包摂サポートセンターが設置するフリーダイヤル相談電話「よりそいホットライン」事業に参加
〃 自殺予防月間の 3 月 10、11 日、全国の 5 自殺防止センターでフリーダイヤル相談電話開設
〃 当センターの活動や相談員などの声を集めた本「ひとりよりふたり」発行
36年目 2013(平成 25) 2 35周年記念公開講演会「人生物語の紡ぎ方〜潔く生きないように〜」きたやまおさむ氏(九州大学名誉教
授、精神科医、ミュージシャン )
35周年記念特集号
7
きたやまおさむ講演会
35 周年記念公開講演会
きたやまおさむ講演会
『人生物語の紡ぎ方 ~潔く生きないように~ 』
2012年2月9日
(土 )午後大丸心斎橋劇場にて、大阪府民間団体自殺対策緊急強化事業・NPO法人国際ビフレ
ンダーズ大阪自殺防止センター主催による、きたやまおさむさんの講演会が開催されました。
美しいピアノの生演奏のなか、会場は満員となりました。来場者はやはりザ・フォーク・クルセダーズ世
代が多かったように思います。
舞台に登場されたきたやまさんは、とても柔らかな口調で話を始められました。多くの人が興味を持つ、
「なぜザ・フォーク・クルセダーズを解散して医者への道に進んだのか」という説明をされました。借金し
て作った最後のレコード 300 枚を売るためラジオ局に持ち込んだところ、曲がメディアを通して流れたとた
ん大ヒットして 300 万枚も売れてしまったという驚きの話。しかし何万人もの聴衆へのコンサートやメディ
アを通して顔も知らない人に「こんにちは」ということに違和感を持ち、顔が見える相手と向き合っていき
たいという決断をされたという経緯を語られました。この話からパーソナルコミュニケーション(一人の人
を相手にする)とマスコミュニケーションの違いを説明され、
氏の1人を大切にする姿勢を強く感じました。
三つ話がありますと述べられた後、深層心理や表現することの大切さ、人生を物語るうえで言葉が必要で
あることなどを、わかりやすく話されました。語ることによるカタルシス効果や人生を語るには反復が必要
など、知識として持っていることを再度認識させられました。昔話を例えにして、人生は急ぎすぎなくてい
い、だらだら生き残っていくことがいいと聞き、肩の力が抜ける感覚を持ちました。
カウンセリングの仕事の話の中で、言葉をたくさん知っていること・悲劇を読み取ること・1人1人の辞
書を作ることなど個人的に心に残る言葉がありました。
自死遺族支援ボランティアをさせていただいていますが、語ることがいかに大切であるか、その繰り返し
の中で生き続けていくことが少しでも肯定されればと強く思いました。講演を聞かれた方の心に、潔く生き
8
2012年度活動報告書
人生物語の紡ぎ方〜潔く生きないように〜
るのでなくだらだらと生き残っていっていいのだと残ればいいのにと思いました。
個人的には、良い聞き手について、良い聞き手を持っていないと良い聞き手にはなれない、1人1人吐け
口としての器の大きさが決まっていて自分の悩みで器がいっぱいになれば良い聞き手にはなれない。という
言葉が強く残っています。きたやまさんが言われた自分を支えてくれる人に感謝できるから話を聞けるとい
うことを忘れずに、ボランティアを続けていきたいと思います。
今回の講演会に参加できたこと、開催に関わられた皆様に感謝。
きたやまおさむさんの話を聞いて考えたこと
精神科医である、きたやま先生は、1960年代後半に加藤和彦さんらとともにザ・フォーク・クルセダーズ
を結成し、大活躍されました。そして、2009年、加藤和彦さんは、自死しました。 生前の加藤和彦さんは、
「世間の期待に応えられない、ちっぽけな自分だ」
と、仰ったそうです。きたやま先生は、自死された加藤和
彦さんを「潔い」としながらも、残されたご自身は、
「呆然とするしかなかった」
とのことでした。日本には『潔
く生きる 』という考えが根底にあるが、
『潔く生きなくてもいい 』という考えに変えることで自殺防止に繋が
ると、きたやま先生は仰います。
では、どのようにしてこの考えを変えることができるのでしょうか?
35周年記念特集号
9
きたやまおさむ講演会
きたやま先生は、
『潔く生きなくてもいい』
という考えに変えるための方法を、三段階に分けて解説されて
いましたので、簡単に紹介します。
①『こころ』は二重構造
『こころ』というのは、意識と深層心理という二重構造になっています。深層心理では、
「しんどい」と感じ
ていても、意識上では、
「大丈夫」
と言ってしまうことがあります。すると、深層心理の感情とは違うことを
意識上で表現したことによって、深層心理の感情は解消されずに溜まります。この溜まっている感情がはけ
口を求めて『死にたい』
という最終手段を選択してしまいます。
② 表現すること
この深層心理の感情に気付き、それを表現することで深層心理のはけ口ができ、カタルシス効果が生じま
す。カタルシス効果により、深層心理の感情が解消され、楽になりスッキリします。
③ 人生を物語る
深層心理は、人生の台本です。人は、深層心理に書かれている台本に従って、反復行動しています。この
台本を『潔く生きない』
というように書き換えることで、人生を潔く生きないようにすることができます。
この三段階は、大阪自殺防止センターでの電話相談活動においても活用できると私は思います。ビフレン
ダー
(相談員 )が傾聴することで、コーラー
(相談者 )は意識上での思考を話すことができ、この思考を手放す
ことができます。すると、コーラーは深層心理の感情に気付きやすくなります。さらに、その深層心理の感
情を表現し、ビフレンダーがその感情を受容や共感することで、その深層心理の感情が吐き出され解消され
10 2012年度活動報告書
人生物語の紡ぎ方〜潔く生きないように〜
ます。深層心理の感情が解消されると、
『死にたい』
という思考はコーラーから離れ、手放されます。そこで、
コーラーは、『死なくてもいい』
あるいは
『ありのままの自分でいい』
という
『ゆるし』
へと移行することを、私
は願います。
さらに、『先生に話しても、なんも分かってくれへん』
と言う患者は、これを言ったことでスッキリして
いることもあると、きたやま先生は仰いました。電話相談においては、ビフレンダーにとって後味の良い終
わり方ばかりではないこともあります。そんな時には、この言葉を思い出して、自分自身をスッキリさせて
あげたいと私は思います。
きたやまおさむプロフィール
精神科医、精神分析家、臨床心理学者、作詞家、ミュージシャン等の多彩
な顔ぶれを持つ。
ミュージシャンとしては、大学時代に加藤和彦と出会い、関西フォークブー
ムの出発点となる「ザ・フォーク・クルセダーズ」を結成する。
1970 年前後のフォークブームでは関西、京都フォークの中心的人物の一
人として活躍した。
『戦争を知らない子供たち』
『あの素晴しい愛をもう一度』などの作詞でも
有名。
九州大学名誉教授。白鴎大学副学長兼教育学部特任教授。国際基督教大学
客員教授。
35周年記念特集号 11
外 部 研 修 講 師
今年度もたくさんの所で研修や講演会の講師として呼んでいただきました。年間約60カ所の機関、団体
からの依頼を受けました。その講師謝金はすべて大阪自殺防止センターの活動資金として活用させていただ
いています。
特に自治体から「ゲートキーパー研修」
として死にたい気持ちを持っている人への対応に関して実習を取り
入れた研修をしてほしいとの依頼が多くありました。
私たちは死にたい気持ちを持っている人への対応のみならず日常の関係の中で相手の話をしっかり「聴く
事が大切であると実感してもらう事を中心に研修を行っています。
三人一組になって話をする人、きく人、観察する人の役割を順にとってもらい、きいていないきき方、き
いているきき方をそれぞれ体験していただきます。その実習後のふりかえりのなかで、
「いつもは相談対応
をする側なので、自分の話をきいてもうらう事があまりないですが、ちゃんときいてもらうってこんなに気
持ちのいいことなのですね。」
「話をちゃんときいてもらう事で自分の人格そのものを受け止めて大切にして
もらっているように感じました。
」
などの感想を話された人たちがいらっしゃいました。その言葉をきいてい
て私自身も新たな気づきとなりました。
研修講師として担当させてもらっても、や
はり上でも下でもない関係 Be-friend が大
切だと常々思っていますが、ともすると講師
に行くと「先生 」と呼ばれる事が多く自分の中
で思い上がりはないか、傲慢になることはな
いかと自省しています。
死にたい気持ちを持っている人はどこにで
もいらっしゃって、自分からはそうとは言え
ず、一人でしんどさを抱えながら生活されて
います。内閣府が平成24年に実施した成人
2017人に聞いたアンケート調査の中で、今ま
で死にたいと思ったことはあるか?の問いに
12 2012年度活動報告書
23.4%の人が「ある 」と回答しています。その中でその時にどのようにして乗り越えたか?の問いには38.8%
の人が家族や友人、同僚など身近な人に話を聞いてもらった。と回答しています。そして、専門機関に相談
した人は2.3%でした。この結果を見ると、なかなか専門の相談機関などに電話する、相談に行くその事自
体がしにくいのかもしれません。そうなると周りの人が相談を受けた時にちゃんと話をきく役割を果たせな
ければ、しんどさがよりいっそうしんどくなってしまう事もあると思います。普通に生活をしているとよほ
ど関心をもって研修を受けに行かない限り日常生活の中で話をきくスキルを身につける事はありません。話
をきくスキルといっても難しい事ではありません。目をみて顔をみて話をしっかり聴く事が一番大切で何か
いい言葉を言う必要はないのです。相手の話に否定しないで、批判しないで、受け止める事ができれば抱え
ているしんどさが少しだけでも和らぎます。
おそらく自殺対策緊急強化基金があと一、二年でなくなります。ではその後どう進めるかを自殺対策に取
り組む自治体や民間団体が自殺を減らすために何ができるか知恵を働かせる時だと思います。
私たちはこの「話をしっかりきく」
という大切さとそのスキルを多くの人に伝えていくことが役割です。そ
のことにより死にたい程に辛さを抱えた人を少しでも減らしたい。また、私たち自身も今後の自殺対策の一
助になれるように精進をしていかなければならないと思います。
35周年記念特集号 13
2012 年相談活動を振り返って
自殺者3万人台割る
警察庁より、2012年の自殺者数は27,858人で、1998年以降3万人台が14年続いていたのが、前年より2,793
人
(9.1%)減少したと発表されました。とは言え、
国と自治体等の対策が効果を上げてきているといわれる中、
それでもまだまだ高い数字で、毎日80人近い人々が、この国のどこかで自殺によって亡くなっているという
のが現実なのです。それに伴い、自殺者と関係する多くの家族、友人、知人が衝撃を受け悲嘆にくれている
のです。その数、自殺者の数倍といわれています。
自殺の背景にある原因に目を向け、さらに自殺防止へ力を注いでいかなくてはならないと強く思います。
又、今まで何が自殺防止対策を遅らせてきたかも、常に心にとめて活動を進めて行かなくてはなりません。
どうか、このまま自殺者数が年々減っていきますようにと、心から願います。
当センターの活動
2012年の当センターへの相談電話は、7,522件で、その内訳は男性3,794件、女性は3,728件でした。
年齢別では、40歳代が31.4%、50歳代が23.6%、30歳代が22.4%と続き、次いで60歳代、20歳代と続いて
いますが、昨年と比べて50歳代と30歳代の順位が入れ替わっています。割合は少ないですが、70歳代以上92
件(1.2%)、20歳未満52件(0.7%)の電話もあります。
14 2012年度活動報告書
2012 年相談活動を振り返って
男性
女性
70 歳代 44 48 92(1.2%)
以上
60 歳代
518
327
50 歳代
845(11.2%)
1149
40 歳代
626
1775(23.6%)
1256
1104
30 歳代
704
20 歳代
451
262
981
2360(31.4%)
1685(22.4%)
713(9.5%)
20 歳
未満 13 39 52(0.7%)
0
500
1000
1500
2000
年代別相談受信数(2012 年)
相談内容の順位では、精神疾患の苦しさからの
相談電話が多く3,309件44.0%を占めています。次
に生き方や厭世など人生の問題に悩む方、三番目
に夫婦や家族の問題に悩む方と続いています。特
に精神疾患の方からの電話の多さは群を抜いてい
ます。それは、うつ病等精神疾患を持ち、その上
家庭、職場、社会での人間関係に行き詰まり、生
きていくのがつらくなった方。精神疾患を患う前
には親しく付き合っていた友達がいたとしても、
段々疎遠になり、いつの間にか自分独り、さりと
2003 年〜 2012 年における自殺者数と相談件数の推移
て病気のため外に出て行くこともできず、二枚貝
の中に閉じ込められたような孤独、とてつもない
長い一日を独りで過ごし、そのうち昼夜逆転してしまう方。何にも興味が持てず、なぜ生きているのかわか
35周年記念特集号 15
2012 年相談活動を振り返って
問題別相談受信数(2012 年)
らないと絶望の中にある方。なかなか治らない病気への焦りも重なり生きづらい、死んで楽になりたいとい
う思いになっている方などからです。
自殺防止に動き出した民間の活動が活発化する中、あらゆる相談を24時間、無料で受ける『よりそいホッ
トライン』が昨年開設され、これは全国400団体が協力しておこなっています。当センターもその一団体とし
て、通常の相談電話
(金曜日午後1時~日曜日午後10時)
に加え、この
『よりそいホットライン』
の
「死にたいほ
どのつらい気持ちを聴いて欲しい」
という相談窓口を担当しています。通常の
『相談電話』
も
『よりそいホット
ライン』も、かけてきてくださる方の傾向は似ています。
当センターの相談電話は、電話をかけてくださる人とボランティアが、真摯な気持ちで向き合い、話を傾
聴し、心を通わせ、電話がつながっているその時を大切なものにしたいとするものです。その人にはなれな
いし、その人の思いを完全に解ることはまずできないでしょう。しかし、なんとか解ろうとし、おもんぱかっ
て、その人の前でもない後でもない、その人の横にしっかりと寄りそえたらといつも思っています。当セン
16 2012年度活動報告書
2012 年相談活動を振り返って
ターのボランティアになるための養成講座も、その事
を第一に考え進められていますし、すでにボランティ
アに認定されている者も、その事を忘れないよう、ま
たどうすればそうなれるかを考えて、継続研修にも取
り組んでいます。
当センターのボランティアの傾向として、働いてい
る人が多くなり、時間的に電話当番に入ることが難し
くなってきています。質の向上、維持のための研修参
加もなかなか大変ではありますが、その必要性は皆感
じるところで、日々切磋琢磨しています。
電話をくださる方の死にたい、消えてしまいたいと
いった思いが、もう少し生きてみようとなってくださ
自殺の危険度(2012 年)
るなら、私達はやりがいも感じるし、こんなに嬉しいことはありません。しかし、中には
「死ぬ」
選択は変わ
らないという方も、もちろんいらっしゃいます。その時はその選択
(自己決定)
を私達もしっかり受け止める
ことから始める大切さを、常に心にとめています。ですが、その方が死にたいと思う気持ちといっしょに生
きたいという、生きようとする力も合わせ持っていらっしゃると信じて活動をしています。当センターの力
など、本当に微力なものでしょうが、これからも諦めないで何とか一緒に生きてみようという思いを、発信
し続けていきたいと思います。
35周年記念特集号 17
自死遺族
わかちあいの会
大切な方を自死で亡くされた方は、こころに痛みを抱え、誰にも話せず過ごしておられ
ます。
大阪自殺防止センターでは2000年から遺族のわかちあいの会を開催しております。
誰にもどこにも話せなかった辛さ、苦しさ、自責の思いを「土曜日のつどい 」と「水曜日
のつどい」の場で安心してご自身の気持ちを吐きだしていただければと思います。
ご遺族の方がお互いの気持ちを癒しあえ、支え合える場にしていただけたらとスタッフ
みんなで研修やミーティングを行い、今後もこの会を大切にしていきたいです。
18 2012年度活動報告書
35周年記念特集号 19
全体
研修
自殺未遂に対するケア
国立病院機構大阪医療センター精神科長 廣 常 秀 人 先生
当センターでは毎月活動にかかる研修会を開催しており、平成24年11月24日には、外部講師として国立病
院機構大阪医療センター精神科長の廣常先生をお招きして
「自殺未遂に対するケア」
をテーマにお話いただき
ました。
自殺未遂となった人たちに病院でどのようなケアがされるのか、病院での治療とその後のケアについて貴
重なお話を聞く機会になりました。以下はその要約です。
過酷を極める救急現場では、重症の多発外傷患者を長時間治療し、治療者自身も心身ともに疲弊した状況
である。その間隙をぬって些細とも見える自傷行為の自殺未遂者が運ばれてきたとき、死が切迫した重症の
傷病に比べると、彼らのそれは取るに足りない、むしろ何かしら憤りのような衝動を覚えさせることがある
という。治療者が、このような負の感情を抱くこと自体あるまじきことなのか、反対に人間の感情として、
避けようのないことなのか、自殺未遂者を前にしたときに彼らを取り巻く者たちが抱かされる感情からまず
問い直してみることである。
自殺者もしくは自殺未遂者は自尊心の低下、自己嫌悪、孤立感、絶望感、無価値感といった感情や認知に
とらわれている。彼らは閉塞的な状況のなか、自身のもつあらゆる限りの手を尽くし、自分にとって重要な
人物に対して可能な限りのサインを送り続けたであろう。しかし救いを求めても得られず、しだいに「死ん
だ方が楽だ 」、さらには「死ぬしかない 」という狭窄した考えにとらわれ、そのとき生じた恨み、怒りが攻撃
性となって自らに向けられて実行してしまう。そしてその激しい攻撃性は自他表裏一体のものであり、彼ら
の
「死にたい」という決意の裏には、死以外のほかの方法があるならば、いつでも
「救われたい」
「生きたい」と
いう両価的な気持ちが存在する。そしてこの救急病棟で、企図にいたるまで内向せざるを得なかった攻撃性
を、ふたたび目の前の救急医療従事者に一気に吐き出し、外に向けて救いを求めてくるのである。その攻撃
性は救いを求めるさけびであることを治療者は意識し、治療上の中立性や冷静さを維持することが重要であ
る。
自殺未遂者に対して医療従事者としてとるべき態度と、治療者に沸き起こる感情には先ほど述べられたよ
20 2012年度活動報告書
うな乖離がしばしばみられるが、
このような救急医療従事者のジレンマがそもそも存在しうることを喚起し、
自殺にまつわる感情を知ることが自殺未遂者への対応のヒントへとつながり、自殺はやはり救命されてしか
るべきものであること、どのような自殺未遂の身体治療にも意味があること、身体的治療を介して精神科的
治療が始まりうることがより理解されるようになるのではないか。
救急医療における自殺未遂患者に対する最重要課題は、短期間の出会いのなかで最低限いかに再企図に追
いやることをしないですむかという点に絞り込める。救命救急センターでは、全収容患者の5 ~ 10%を自殺
未遂患者がしめる。救命というものが本来そのときだけのものではなく、長期的視野に立った救命であるな
らば、やはりある程度は自殺未遂患者への対応を身につけておかなければならない。
自殺未遂患者を診るにあたって、非常に重要な鍵をにぎることになる両者間に生じる相互関係を把握する
ことは、さらなる患者への理解につながる。そのためにも、正解があるわけでもないが、医療従事者自身の
死生観や自殺についての意識を確立することが必要とされるのではないか。
自殺未遂患者にとって、自殺企図前後は非常に大きな危機である。しかしながらこの危機は、機を転じう
る大きな好機でもある。
「人には自ら死ぬ権利もあるのではないか」
と問う以前に、その人が生きる権利を十
分知り味わった上で主張された
「死ぬ権利」
なのか、という問いにまず答えてしかるべきではないか。彼らは
自殺未遂を繰り返しながらも真に生きるということを模索し始める。企図後の支援の機会を初めから放棄す
ることがあってはならない。その意味でも自殺未遂患者が搬送される救急医療の場は精神医学的介入が非常
に有効な場となる可能性が高い。
35周年記念特集号 21
宿泊
研修
2012年(平成24年)
年10月27日より1泊2日で、当センターの一泊研修で山梨県の青木ヶ原樹海へ行き、現地
でネイチャーガイドをされている渡辺基弘さんに1日目はお話を伺い、2日目は樹海の中を案内していただき
ました。
渡辺さんは、普段は青木ヶ原の洞窟の1つである富岳風穴の売店に勤務されながら自死念慮のある方に声
かけなどをされております。渡辺さんが若い頃はご両親が自殺防止の活動をされていたそうで、その頃は自
殺を考えておられる方を保護すれば自宅に泊まってもらったりしていたそうですが、現在は声をかけた後は
警察に保護してもらう事にしているそうです。ただ、現在の方法では、その後の気持ちのケアまでできてい
るかどうか、第2の人生のスタートができているのかどうかが気になっているので、その他に何か方法が無
いのか色々と考えているとの事でした。
渡辺さんが勤務されている売店はバス停が近くにあり、バスが到着する度に特に1人で降りて来られる人
を注意深く見て声をかけるそうです。この点、青木ヶ原樹海は観光地でもあるので、単に観光に来られた方
に声をかけて不快な気分にさせてしまう事も考慮し
なければならず、声をかける時は本当に勇気がいる
との事でした。
渡辺さんは少し気になる人がいた場合、すぐには
声をかけず、その人の行動を見ながら声をかけるそ
うです。
「自死念慮のある人は死ぬと決めて青木ヶ原
に来たのではなく、このまま樹海に入ろうか、誰か
声をかけてくれないか迷っていると思う 」
との言葉が
印象に残りました。
渡辺さんが、ガイドで案内をする方に「青木ヶ原と
聞いて思う事はなんですか?」と聞くと、ほとんどの
22 2012年度活動報告書
方が「自殺の多いところですね 」と言われるそうです。渡辺さんとしては「自然が綺麗ですね 」
「気持ちが落ち
着きますね 」といった言葉を期待したいのですが、残念ながらそういった事を言われる事は、ほとんど無い
そうです。
雨模様の中、樹海の中に足を踏み入れ遊歩道に沿って歩いていくと、渡辺さんがすぐに立ち止まり「この
辺りで何人かの方が亡くなっていました 」とおっしゃいました。自殺する人は遊歩道からずっと離れた奥深
くの所で亡くなっているようにほとんどの方は思われるのですが、実際は遊歩道から数メートルの場所で亡
くなっている方が多いとの事です。
この事を聞いて、樹海に来る人は死のうかどうか迷っていて、死ぬ間際も誰かに見つけてもらいたくて遊
歩道の近くで亡くなったのではないかと感じました。
2日間の青木ヶ原の研修に参加して、普段の電話相談において、死のうか生きようか迷っている方々の声
を少しでも聴いていきたいと、あらためて思いました。
35周年記念特集号 23
2012年度 各委員会活動報告
2012年度
リ
ー
ダ
ー
各 種 委 員 会 活 動 報 告
会
1.リーダー会は、第2土曜日に管理運営委員会と合同で開催した。
2.リーダーの役割
ボランティアのケアに重点を置き、特に仮認定や認定直後のボランティアに、当番などでセンターで出
会ったときに声かけや継続研修の案内を実施し、活動が長く続けられることをめざした。
3.継続研修
ワークショップ委員会とディレクター、サブディレクターが協議して企画・実施した。研修を通して情
報やしんどさを共有し、センターが個人ではなくグループとしてコーラー(相談者 )に関わっているこ
とを再認識できた。相談の質を高めて
「話せてよかった」
とコーラーが感じ、またボランティアが活動を
長続きするためにも、研修の参加を義務付けている。実施内容はワークショップ委員会に記載。
4.養成講座
ワークショップ委員会とディレクター、サブディレクターが協議して2回開催した。相談ボランティア
を増やし、早く24時間体制の戻すことをめざしている。
養成講座の開催について、ほぼ毎回、朝日、産経、毎日、読売
(50音順)
の各紙が記事を掲載してくれる
が、応募者が少なくなっている。
74期3名認定(9月3日)
他に1名仮認定で休止中
75期3名認定(2月9日)
他に1名仮認定で休止中
76期5月19日開講、10名仮認定
(うち4名休止中)
平成25年8月頃認定予定
77期10月24日開講、4名実習中
(うち1名休止中)
5.その他の研修
活動を支えるスタッフを養成するため、次の研修を実施した。
遺族の会スタッフ研修
面接研修
スーパーバイザー研修
青木が原研修(自殺対策緊急強化基金の補助を受けた)
24 2012年度活動報告書
2012年度 各委員会活動報告
管理運営委員会
1.大阪府・大阪市・堺市主催の自殺予防キャンペーンに参加 9月10日、3月1日
2.アニバーサリー(創立記念日)
パーティー開催
3.ビフレンダー(相談員)
の親睦と日頃のねぎらいのトワイライトバーティー開催
4.2011年~ 2012年の活動報告書の編集、発行
相談活動委員会
1.気になる電話へのシール添付の活動
2.受信日誌のチェックならびに記入漏れ、誤記入の訂正
3.受信日誌の変更
4.相談活動委員会の毎月開催
相談件数2012年 1~12月
7,522件
受信件数
68,391件
(呼び出し音が鳴った件数) 無言電話
1,532件
ワークショップ委員会
1.継続研修の実施
2.養成講座
・講座内容検討
月
内 容
担当、講師など
4 月 はなふさフィギア-ズ
内部(全体研修)
・スーバーバイザー研修10月6日
5 月 総会
管理運営委員会
(土)
を行いました。
6 月 相談員のしんどさをどうする 内部(グループ研修)
3.遺族の会研修を2回行いました。
か?
6月23日
(土)
、9月29日
(土)
7 月 外部講師
石蔵 文信さん(大阪大学大学院
医学系研究科 准教授)
4.ボランティア間の交流
8 月 トワイライトパーティ
管理運営委員会
二次受傷(相談員のしんどさ )の
9 月 ケースふりかえり①
内部
軽減を目的とする、コーラー情
10 月 青木ヶ原フィールドワーク
大阪府自殺対策基金事業
報の共有とボランティア間の交
11 月 外部講師
廣常秀人さん(大阪医療センター
流ができる研修を行いました。
精神科長)
12 月 計画立案会議
リーダー会、管理運営委員会
1 月 面接相談のための研修
全体研修
2 月「きたやまおさむ」講演会
管理運営委員会
アニバーサリー(創立記念日)
3 月 ケースふりかえり②
内部(グループ研修)
35周年記念特集号 25
2012 年度 各委員会活動報告
研
究
室
1.自殺防止に関する報道資料や著作、資料などをセンター内に掲示
2.ビフレンダーズ・ワールドワイド(BW)の理念、活動、組織などについての勉強会の準備
3.BW との交流(通信翻訳など)
4.姉妹センター(イギリス・ヨーク)ほか BW 関係者へクリスマスカードを送付し交流
遺族の会委員会
自死遺族の会への参加
土曜日のつどい 実施日 毎月第1土曜日 午後2時~ 4時 10回開催
(1月、5月は休会)
会 場 長堀安田ビル内
参加者 延べ129名
(男性58名、
女性71名)
水曜日のつどい
実施日 毎月第3水曜日 午後5時~ 7時 12回開催
会 場 茨木市内 渡辺クリニック デイケアルーム
参加者 延べ33名
東大阪市遺族の会
(委託事業)
参加者 延べ82名
実施日 毎月第三土曜日 午後2時~ 4時
1.遺族の会スタッフ研修
実施日 2012年6月23日 2012年9月29日
2.スタッフミーティング
実施日 2012年5月12日 12月8日
26 2012年度活動報告書
2012 年度 各委員会活動報告
募
金
委
員
会
1.2012 年 10 月 カトリック箕面教会バザー参加 (チョコレート・お茶・のりなど)
2.ロータリークラブへの働きかけ
3.認定 NPO の申請(2013年 3 月 22 日付で認定)
広
報
委
員
会
1.大阪府内の中学校、高等学校に、ポスター(約 800 部)
・パンフレットを送付し掲示を依頼(9 月)
2.大阪市営地下鉄駅に、ポスター(約 200 部)
・パンフレットを送付し掲示を依頼(9 月)
3.年度活動報告書の作成(11 月・2,500 部)
4.STOP !鉄道自殺、ポスター、リーフレット、小冊子作成
5.遺族の会案内カードを作成・配布(2 種類計 40.,000 部)
6.地下鉄駅の乗車位置案内下部にボランティア募集広告(難波、心斎橋、淀屋橋、梅田の各駅 2 ヵ所ずつ)
事
務
局
1.電話当番担当表作成
2.日常の会計業務と電話、来客応対
3.電話相談、面接相談の準備と管理
4.各委員会から委嘱された事務処理
5.ビフレンダーの福利厚生に関する配慮
ボランティア状況(2013 年 3 月末現在)
《 》内は 2012 年 3 月末現在
相談ボランティア数 32名 《44名》
支援ボランティア数 34名 《18名》
合計ボランティア
(会員)
数 66名 《62名》
6.各ビフレンダー及び関係者へ報告書・書類
お知らせ案内などの送付
7.養成講座・研修関係の会議室の予約
8.面接時の受付及び準備
35周年記念特集号 27
活動計算書
2012年度 2012年4月1日から2013年3月31日まで
経常収益
(単位:円)
科
目
受取会費
(1)
正会員受取会費
(2)
維持会員受取会費
受取寄付金
(1)
受取寄付金
(2)
歳末募金
受取助成金等
(1)
受取助成金
(2)
受取補助金
事業収益
(1)
相談活動事業
(2)
養成講座事業
(3)
広報事業
(4)
研修事業
その他収益
(1)
受取利息
(2)
雑収入
経常収益計
金 額
282,000
240,000
42,000
1,493,850
905,050
588,800
5,390,825
736,777
4,654,048
3,670,503
1,595,574
777,000
1,297,929
0
6,648
368
6,280
10,843,826
当期正味財産増減額
-7,453
前期繰越正味財産額
11,168,266
次期繰越正味財産額
11,160,813
28 2012年度活動報告書
経常費用
(単位:円)
科
事業費
(1)人件費
給料手当
(2)その他経費
売上原価
業務委託費
講師謝礼費
印刷製本費
会議費
旅費交通費
通信費
消耗品費
水道光熱費
地代家賃
リース料
減価償却費
保険料
諸会費
雑費
管理費
(1)人件費
給料手当
(2)その他経費
会議費
旅費交通費
通信費
消耗品費
水道光熱費
地代家賃
リース料
減価償却費
諸会費
租税公課
支払手数料
雑費
経常費用計
目
金 額
10,047,540
1,257,840
1,257,840
8,789,700
19,030
2,389,730
215,000
1,527,000
697,671
931,061
640,493
123,726
126,985
1,701,000
260,820
83,730
37,500
10,000
25,954
803,739
139,760
139,760
663,979
12,880
16,160
28,820
54,820
14,107
189,000
28,980
94,642
13,000
3,050
206,090
2,430
10,851,279
2012年度 貸借対照表
2013年3月31日現在
科
目
Ⅰ.資産の部
1.流動資産
現金預金
未収入金
立替金
流動資産合計
2.固定資産
(1)有形固定資産
器具備品
有形固定資産計
(2)無形固定資産
電話加入権
無形固定資産計
(3)投資その他の資産
差入保証金
投資その他の資産計
固定資産合計
資産合計
Ⅱ.負債の部
1.流動負債
未払金
預り金
流動負債合計
負債合計
Ⅲ.正味財産の部
前期繰越正味財産
当期正味財産増減額
正味財産合計
負債及び正味財産合計
財産目録
(単位:円)
金 額
2013年3月31日現在
科
10,093,617
736,777
3,181
10,833,575
375,380
375,380
87,191
87,191
1,300,000
1,300,000
1,762,571
12,596,146
1,425,352
9,981
1,435,333
1,435,333
11,168,266
-7,453
11,160,813
12,596,146
目
Ⅰ. 資産の部
1.流動資産
現金預金
手元現金
普通預金(三菱東京 UFJ 銀行)
普通預金(三菱東京 UFJ 銀行)
通常貯金(ゆうちょ銀行)
普通預金(みずほ銀行)
振替貯金(ゆうちょ銀行)
定額貯金(ゆうちょ銀行)
未収入金
大阪府共同募金会
立替金
ライフリンク電話代立替
流動資産合計
2.固定資産
(1)有形固定資産
器具備品
パソコン一式(ノート)
録音機材一式
パソコン一式
電話機(5 台)
有形固定資産計
(2)無形固定資産
電話加入権
06-6260-2155 ほか
無形固定資産計
(3)投資その他の資産
差入保証金
長堀安田ビル 保証金
投資その他の資産計
固定資産合計
資産合計
Ⅱ. 負債の部
1.流動負債
未払金
大阪府補助金 返金額
厚生労働省補助金 返金額
預り金
源泉所得税預り金
流動負債合計
負債合計
正味財産
(単位:円)
金
額
194,189
2,795,005
96,218
103,912
5,294
4,298,999
2,600,000
736,777
3,181
10,833,575
1
63,349
59,150
252,880
375,380
87,191
87,191
1,300,000
1,300,000
1,762,571
12,596,146
975,752
449,600
9,981
1,435,333
1,435,333
11,160,813
35周年記念特集号 29
活動予算
2013年度 (単位:円)
科
目 Ⅰ経常収益
1. 受取会費
2. 受取寄付金
3. 受取助成金等
4. 事業収益
5. その他
当期収入合計
Ⅱ経常費用
(1) 人件費
給与手当
福利厚生
人件費計
(2) その他経費
売上原価
業務委託料
講師謝礼費
印刷製本費
会議費
旅費交通費
通信費
消耗品費
水道光熱費
地代家賃
リース料
減価償却費
保険料
租税公課
渉外費(諸会費)
支払手数料
雑費
その他経費計
経常経費計
当期経常増減額
30 2012年度活動報告書
金
額
200,000
1,400,000
2,350,000
3,590,000
0
7,540,000
1,400,000
0
1,400,000
2,0000
0
300,000
720,000
840,000
630,000
700,000
250,000
150,000
1,890,000
289,800
53,200
34,000
10,000
23,000
200,000
30,000
6,140,000
7,540,000
0
35周年記念特集号 31
寄 付
者
名
簿
2012 年度(2012 年 4 月 1 日〜 2013 年 3 月 31 日)中に
維持会費・寄付金・歳末募金などを頂きました方々は以下の通りです。
ご支援を賜りありがとうございました。
(敬称略・五十音順)
青
木
祐
子
岡
田
圭
生
笹 井 倫 子
田 中
寛
朝比奈
卓
至
岡
田
千鶴子
佐 藤 徳 雄
田 部
武
志
網
本
寿
一
岡
村
昭
澤 井 千 里
千 葉
史
子
荒
木
純
子
奥
村
育
代
澤 井 登 志
恒
喜代子
飯
田
清
和
織
屋
まり子
清 水 明 美
土 性
弘
子
生
田
龍
子
柿
沼
重
男
下 川 直 子
冨 永
洋
池
田
恵利子
金
井
啓
子
菅 原 康 洋
鳥 居
正
明
磯
野
不二夫
狩
山
廣
子
杉 田 成 子
中 上
大
輔
糸
井
由美子
川
端
裕
子
菅 生 浩 三
中 川
卓
弘
今
村
仁
美
河
邉
讓
治
須
中 川
弘
子
入
江
和
廣
木
邨
郷
子
須 那 滋 子
中
志津恵
岩
本
美代子
木
村
幸
子
関 宏 之
中 島
靖
久
薄
井
悟
志
木
村
美
加
関 本 和 弘
中 辻
優
榎
本
貴
夫
久保田
滋
子
箭 木 資 司
中 藤
正
子
大
石
純
子
栗
山
敦
子
高 田 明 美
夏 目
誠
大
音
英
子
黒
田
正
純
高
成 澤
悦
子
大
谷
智
子
糀
矢
美
智
高 橋 康 子
西
原
由記子
太
田
秀
昭
鴻
野
精
彦
武 村 ま み
西
本
誠一郎
大
西
康
久
小
林
冨美子
多
真知子
西 本
雅
子
大
野
賢
造
小
森
一
子
田 中 明
野 沢
昭
夫
大
野
光
子
近
藤
隆
田 中 克 冶
橋 本
葛
美
岡
崎
博
司
櫻
井
博
之
田 中 要
橋 本
康
司
32 2012年度活動報告書
田
田
田
美智子
眞理子
吉
嶋
畑
幸
一
宮
﨑
昭
子
茨
濱
松
ま
み
村
上
高
志
浦
早
川
泰
江
安
井
賀代子
大 阪 北 ロ ー タ リ ー ク ラ ブ
原
田
兼
一
柳
堀
素雅子
大
原
田
繁
山
田
耕
平
大阪フレンドロータリークラブ
廣
芳
健
一
山
中
啓
司
深
尾
泰
山
中
順
子
福
山
洋
子
山
本
純
藤
井
和
弘
山
本
文
敏
北
條
達
人
山
本
正
男
細
江
聡
横
田
幾
子
堀
山
恭
一
横
田
康
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レ デ ン プ ト リ ス チ ン 修 道 院
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カ ト リ ッ ク 大 阪 大 司 教 区
カ ト リ ッ ク 聖 ド ミ ニ コ 修 道 会
カトリック千里ニュータウン教会
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ゲオルキオのフランシスコ修道会
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シ ー ト 会 那 須 の 聖 母 修 道 院
シ ー ト 会 西 宮 の 聖 母 修 道 院
心 斎 橋 ロ ー タ リ ー ク ラ ブ
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献
修
道
会
千 里 ニ ュ ー タ ウ ン 教 会
千里メイプルロータリークラブ
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幼
稚
園
大
岡
創
日 本 基 督 教 団 池 田 五 月 山 教 会
日 本 基 督 教 団 大 阪 城 北 教 会
日 本 キ リ ス ト 教 団 堺 川 尻 教 会
日 本 基 督 教 団 島 之 内 教 会
日 本 基 督 教 団 奈 良 高 畑 教 会
山
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35周年記念特集号 33
感 謝 と お 願 い
皆様の深いご理解と温かいご支援に支えられて 2012 年度も無事歩
み続けることができました。本当にありがとうございました。こころ
より感謝申し上げます。
大阪自殺防止センターの活動は個人・団体の方々による維持会費と
寄付金、行政からの助成金、補助金、委託料、そしてボランティア会
員の会費、バザー収益などによって成り立っています。
今後とも変わらないご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い
申し上げます。ご厚志は大切に活用させていただだきます。
また頂戴いたしました個人情報などにつきましては最善の注意を払
い管理させていただきます。
2012 年度
寄附金など 134 名、28 団体
助成金など 大阪府民間団体自殺対策緊急強化事業補助金
大阪府共同募金会
厚生労働省自殺防止対策事業費補助金
委託事業 東大阪市
あなたの力を自殺防止活動に
相談ボランティアとして
年 2 回募集。研修および電話実習の後、認定者を決定します。
2013 年度は 4 月 23 日より 78 期を開講。次回は 2013 年 11 月頃に開講予定。
受講料 3 万円、適性テスト代 3 千円、合計 3 万 3 千円が必要です。
認定後は、月 3 回 (1 回 5 時間 ) の相談電話を担当していただきます。
うち 1 回は深夜を担当です。 ※ 交通費などの手当てはありません。
運営スタッフとして
自死遺族の会、
広報、
募金、
輸送、
バザーなどの運営に携わるスタッフです。
財政的な援助 ( 多くの方々の支援でセンターを運営しています )
団体 ……… 年間 1 口 10,000 円
個人 ……… 年間 1 口 1,000 円
※口数はご自由です。
34 2012年度活動報告書
振込は下記の口座へ
郵便振替口座 00980-3-319839
詳しくは大阪自殺防止センター事務局へ
認定 NPO 法人 国際ビフレンダーズ
大阪自殺防止センター
〒 542-0081 大阪市中央区南船場 1-11-9 長堀安田ビル 9 階
事務局専用電話:(06)6260-2155 FAX:(06)6260-2157
郵便振替口座:00980-3-319839 http://www.spc-osaka.org/
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