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一人ひとりの思いをカタチに。 JAいわて中央

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一人ひとりの思いをカタチに。 JAいわて中央
JAいわて中央の考え方
一人ひとりの思いをカタチに。
JAいわて中央
1 経営理念
新たな農業観の確立と、
環境保全に配慮した農業の発展に取り組みます
地域農業の多面的な役割を重視しながら、
豊富な生産基盤を基に新たな農業の魅力を創造します
人生の幸せを求める、
一人ひとりの思いや願いを協同の力で実現します
人と人の心がふれあう豊かな地域づくり、
きれいな水や空気、
豊かな緑に囲まれた住み良い環境づくりに貢献します
2
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
2 経営方針
≪農業の活性化、次世代へつなぐ農業振興≫
担い手や後継者の育成支援の充実による地域農業の振興を図り、環境保全型
農業の推進と、消費者に信頼される農畜産物を生産するとともに、省エネ・低コ
スト型の生産体系の確立と販売戦略を構築し、次世代に引き継げる農業経営の
確立と「食農立国」JAいわて中央ブランド確立に努めます。
≪組合員・地域住民との仲間づくり・絆づくり≫
支所を中心に、組合員と地域住民との交流を通じてニーズに合致した活動を展開
することで地域活性化と身近な存在であるJA像を目指すとともに、次世代へ農
業や食を通じた伝統や文化の継承を図るため、各地域での伝統行事などの活性
化に向け積極的に支援します。
≪JAの総合力が発揮される事業展開≫
世代交代に伴う多岐にわたるニーズに対し、総合的サポートができる職員の育成
と配置により利用者満足度の向上を図ります。また、利用者総合データベースの
有効活用により複数事業利用の拡大に取り組みます。
≪活力ある職場づくり≫
組合員・地域住民に親しまれ、信頼される職員の育成に向け、職員の主体的な
キャリア開発の支援を行うと共に、個々の育成プロセスを経た適材適所の人員
配置を行い組合員対応力の向上に取り組み、
「働きがいのある職場風土」の形
成を目指します。
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
3
3 経営管理体制
当組合は農業者により組織された協同組合であり、正組合員の代表者で構成される「総代会」の決定事項を踏
まえ、総代会において選出された理事により構成される「理事会」が業務執行を行っています。また、総代会で選
任された監事が理事会の決定や理事の業務執行全般の監査を行っています。
組合の業務執行を行う理事には、信用事業について専任担当の理事を置くとともに、農業協同組合法第30条に
規定する常勤監事及び員外監事を設置し、ガバナンス(組合統治)の強化を図っています。
4 事業の概況(平成25年度)
「第五次中期3ヵ年計画」の初年度であり、主要テーマである“「協同」でつなぐ強い「絆」”の実践活動の一つ
として各支所を中心に新たなグループ活動の支援や地域とのふれあいを高めることを目的とした「くらしの活動」や
「支所だより」の発行等、一支所一活動の試みを新たに始めました。
一方、盤石な経営基盤確立のため、財務の健全性向上に向けた施設整備等を図りながら適切な経営管理を進
めるとともに、部門別拠点別損益分析の徹底と速やかな課題対応に努めてまいりました。
それらの取り組みと併せ、組合員皆様のご理解とご協力並びに行政、JAグループ関係機関のご指導によって、
決算では当期剰余金2億2,024万円を計上することができました。
① 信
用
事
業
【貯金】
② 共
済
事
業
平成25年度は、農業・JAを取り巻く環境の変化に
目標管理型信用事業を中心とした恒常推進体制の
呼応した利用者満足度の向上と普及基盤の強化を目
もとで窓口セールス、渉外活動の積極的展開により、個
指し、東日本大震災の損害調査を継続しながら、JA
人貯金、定期貯金の増額推進、定期積金の新規顧客
共済の事業使命である「ひと・いえ・くるま」の総合保
獲得、年金口座の獲得等の推進を行いながら「地域に
障を通じて、将来にわたる安心と満足を提供する活動
信頼されるJAバンク」をめざして事業展開を図りまし
を展開して参りました。その結果、地震等車両全損時
た。
給付特約の新設による自動車共済や先進医療に対応
貯金残高は1,110億7,726万円、計画対比98.7%とな
した生命系共済等の新規契約の拡大が図られました
りました。
が、満期到来や長引く景気の低迷などの影響により、
事業の柱となる長期共済保有契約高は5,721億4,840
【融資】
万円(対前年比97.0%) となりました。 また、 年金共
農業後継者や担い手への訪問活動を定着化させ融
済についても、将来を見据えて次世代層を中心として
資相談を行い、農業資金・制度資金等の提供に努め
普及拡大に取り組みましたが、 保有契 約高は43億
ました。
9,575万円(対前年比96.2%)となり、前年度より減少
また、
生活資金では住宅ローンを中心とした各種ロー
となりました。
ン推進活動を行い「なんでもローン相談会」の定期的
一方、短期共済は、経済情勢により火災共済2,059
開催、渉外担当によるローン推進の実施、店舗一丸と
件、自動車共済24,300件、傷害共済39,104件、自賠
なった一斉集中推進を行う等、ローン残高の拡大を図
責共済8,517件となり新契約掛金総額では13億1,545
りました。
万円(対前年比108.6%) と前年実績を上回り、 増加
貸出金残高は344億9,098万円、計画対比107.9%と
傾向にあります。
なり、貯貸率31.0%となりました。
今年度の事故(震災含む)による長期・短期共済金
の支払実績は、 件数で7,430件と管内正組合員8,315
世帯の89.4%となり、金額では31億6,376万円となって
います。
なお、 満期と年金の支払金額を加えると、 件数は
4
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
17,124件、正組合員一世帯平均では2.05件となり、支
組み、生産組織、新規就労者対象にオペレーター研修
払総額は74億6,827万円となりました。
会を2回開催しました。農機購買品供給高は5億1,184
万円、計画比119.4%となりました。
③ 購
買
事
業
【生産資材】
【LPガス】
行政指導を遵守した保安点検の実施と安定供給を
平成25年8月9日県央豪雨災害により水稲では冠
目的としたガスメーター器等供給設備の定期交換を実
水被害により殺菌剤、 畜産では畜舎の消毒用として
施いたしました。 エネルギー消費構造が変化する中、
消石灰の供給を全農の協力もと迅速な対応を行いま
オール電化住宅等の普及による顧客数・取扱数量の減
した。 組合員・ 利用者との交流の場として2店舗
少が続いておりますが、同業者による需要家の切替も
で 「ふれあいセール」 を開催し、他店舗では 「さなぶ
多く発生しました。原料仕入れ価格の値上がりや高止
りセール」 を開催しサービス向上に努めました。 又、
まりにより1月に一般ガス料金の値上げを実施しまし
定期的な価格の市況調査を実施し、農薬等を中心に
た。石油からガスへの燃料転換活動に取組み、取扱
安価供給に努めました。春の担い手直送対策の肥料
量の維持とLPガスの利便性の普及に努めました。
取扱数量は、前年に比べて増加の実績となりました。
LPガス購買品供給高は7億2,477万円、 計画対比
春肥料・春農薬の供給高は、肥料直送対策及び肥料
97.4%となりました。
農薬大口購入者に対する奨励と価格調査による安価
供給対応で生産コスト低減となりました。生産資材供
④ 指導・販売事業
給高は29億5,779万円、計画比99.2%となりました。
【生活資材】
【農業を取り巻く情勢】
第五次農業振興計画に基づき「食農立国」JAいわ
女性部と農家組合生活部の協力のもと、 信頼と安
て中央ブランドの確立による農業所得の向上を目指し
心の「エーコープマーク品」の普及拡大に努めました。
て2年目となる取り組みを行いました。 しかし農業所
また、地元食材の 「食農立国」 ブランド商品は、ふれ
得に大きな影響を与える気象災害として8月9日に観測
あいさなぶりセールの開催や、各農家組合、生産組合
史上最大となる記録的な豪雨が発生しました。アメダ
へのPR活動に力を入れ、普及に努めました。
ス紫波における24時間降水量211mm、 1時間降水量
生活資材供給高は1億5,165万円、82.0%となりまし
最大71mm、3時間降水量最大170mmと最悪の記録と
た。
なりました。これにより農地や施設に甚大な被害が発
生し、特に山王海土地改良区管内では、1,660haが通
【車輌】
水不能となりました。 被災農地や施設の復旧は遅く、
車輌事業は、 春の自動車展示会を皮切りに季節に
春作業への支障が懸念されています。
応じたキャンペーン活動を展開しました。10月からは矢
農作物に対しても、 そばや水稲、 野菜の冠水、 樹
巾推進窓口を紫波に一本化(統合廃止)。車輌センター
園地への土砂流入など大きな被害を及ぼしました。ま
を完全に2拠点集約(盛岡・紫波)し、安定した事業
た、追い打ちをかけるように台風26号が通過し、りん
継続を行うため、双方の入庫状況を確認出来るシステ
ごの落下をはじめ多くの被害が発生しました。
ムを構築しました。車検台数1,255台で計画比83.6%、
TPP参加阻止に向け関係機関と共に、〜がんばろ
車輌購買品供給高1億6,006万円、 計画比75.7%とな
う!岩手の農業〜岩手県農業者総決起集会を始め多く
りました。
の活動を展開しました。しかし政府はTPP参加に向
け交渉を加速化しており、予断を許さない状況にあり
【農機】
ます。
農機一体化事業は、2拠点に集約することで業務体
このような状況ではありましたが、
「第41回(平成24
制の充実を図るとともに地域担当専用携帯電話の導入
年度)全国豆類経営改善共励会」において農事組合
をし、効率よく組合員及び営農組織のニーズに対応す
法人ゆいっこの里犬草が農林水産大臣賞を受賞、また
るように努めました。併せて「農作業安全」の啓発に取
「平成25年度全国麦作共励会」で農事組合法人アグリ
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
5
赤林が農林水産大臣賞を受賞し、 その取り組みが全
える機会となっています。
国的高い評価を得ることができました。
農業後継者対策の一環として実施した「フルーツde
あま〜い婚活ツアー」 は年2回、 6月と10月に農業体
【農家組合】
験を交えて開催し、男女38名の参加で、5組のカップ
農家組合には引き続き支援担当職員を配置し支援
ルが誕生しています。
活動を行いました。農家組合との結びつき強化のため
女性部では、東日本大震災の被災地の女性組織と
研修助成に支援担当職員の参加を必須とし同伴写真
の交流を継続し支援活動を行ったほか、 地域農業を
の添付を交付要件としました。 このことにより職員の
根底から損なうTPP参加阻止運動にも積極的に参加
参加が大幅に増加し効果が現れました。
するなど「絆」・「次代へつなぐ」地域活動に取り組ん
農家組合長研修は8月31日に農家組合長、役職員
でいます。また、安全・安心そして環境にやさしい商
合わせて200名の参加で開催しました。講師に東京大
品としてエーコープマーク品の共同購入運動や商品研
学名誉教授の今村奈良臣氏を迎え、
「JAの組織、機
修会の実施により、消費者としての知識を高める取り
能、人材育成とその配置、そして必勝体制はいかにあ
組みをしたほか、
「家の光」 普及運動を展開しながら
るべきか」と題し、
「日本型農場制農業」、
「農業ほど
記事を活用した学習会や料理講習会などを開催しまし
人材を必要としている産業はない」、
「農業は生命総合
た。
産業であり、農村はその創造の場である」及び「農業
地域ライフラインの一助として厚生連と連携し、一日
の6次産業化の提起と推進」 等について講演を頂き
人間ドック受診推進、 健康講座の開催など健康増進
盛会裏に終えることができました。 今後も組合員と共
活動、高齢者支援活動にも積極的に取り組んでいます。
に地域に根ざした農業の維持・発展のための運動を
展開していきます。
【担い手対策】
経営所得安定対策に加入している、 集落営農組織
【組織育成活動】
の法人化は、 今年度、 盛岡地域2組織と矢巾地域1
地域の農業や地域の発展には青年部活動の活性化
組織を加え14組織となりました。
が重要であることを認識して活動を行いました。 その
平成26年度は、矢巾地域で4月の法人化を予定して
中で、青年部の盟友一人ひとりが営農や地域活動をし
いる1組織があり法人化の事務手続き等の支援を継続
ていくうえで抱えている課題や疑問点について、 解決
中です。また、平成27年度の法人化を目指している矢
策を検討してまとめていく「ポリシーブック」
(青年部の
巾地域の9組織へ提案を行っています。管内全体では
政策・方針集)の作成に着手しています。また、JA
平成28年までに法人化が必要な担い手組織は57あり、
運営への参画としてJA常勤役員との懇談会を実施し
具体的な取り組みを促しながら支援を行っていきます。
JAに対しての意見・要望を伝えることができました。
経営所得安定対策については、 ほぼ全担い手が加
東日本大震災・原発事故からの早期復旧・復興へ
入することができ、管内の交付金の総額は21.5億円と
の取り組みや農業・地域社会の崩壊を招くTPP参加
なりました。
阻止等の要請運動に各関係機関・団体と共に参加し
また、 地域農業の将来を考える「人・ 農地プラン」
ました。
の作成状況については、 行政と農家組合支援担当職
また、4年ぶりにJAえひめ南青年部との交流会を
員の支援により、全ての地域で100%の作成率となり
12月1日に開催することができました。
ました。
JA管内の子どもと保護者の方々には、農業と食の
営農経済相談員
(TAC)
の訪問活動は、各地域の「個
大切さを感じてもらうことを目的に女性部と青年部が
人・法人・任意組織」 の中から333の訪問先を選定し
中心となって「農作業体験&味覚ツアー」を年間3回、
実施しました。 主として情報の提供や意見・要望などを
5月、7月、9月に開催し、子ども54名、保護者49名
聞きながらJAの業務改善や担い手の経営改善に役立て
の参加をいただきました。そのほか、田植えや稲刈り
るため活動を行いました。
体験、アスパラガス、椎茸、トマトの収穫体験を行い
ました。地元食材を使用しての昼ごはんも好評であり、
体験を通して改めて地域農業、地産地消の大切さを考
6
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
【米穀】
水稲は、 3月に寒い日が続いたため、 播種作業は
平年よりやや遅れ4月10日頃から始まり、4月20日頃
4月上旬は気温も上昇し生育も旺盛となりましたが、
が最盛期となりました。育苗期間は、気象の変動が大
中旬以降低温が続きその後の生育は緩慢となりまし
きく、 出芽の遅れや不揃いが見られましたが、 5月の
た。
連休後からの好天により苗の生育は順調に経過し病気
出穂期は5月23〜26日と平年より4〜7日程度遅く
の発生は少ない年となりました。
なりましたが、出穂後は好天に恵まれたため、赤カビ
本田作業については、4月に曇雨天が続いたことに
防除は順調に行われました。登熟は高温少雨により早
より土が乾かず、耕起、代掻き作業は例年より遅れま
まり、成熟期は6月末〜7月初めとなりました。
した。
収穫作業は7月3日からの長雨により困難な状況の
田植えは、播種時期の遅れと圃場準備の遅れから
なかで行われました。また、長雨の影響による穂発芽、
平年より遅い5月17〜19日頃から始まり、最盛期は20
黒カビが発生する圃場もあり、一部規格外が発生しま
〜26日頃となりましたが、田植え後は好天に恵まれ活
した。
着は順調となりました。 6月初めに高温が続いたこと
検査実績は数量2,940㌧と計画比99.0%、1等比率
により生ワラの腐熟が進み、わきの発生がありました。
も85.45%(前年100%)の実績となりました。
これにより、分げつ発生が遅れた圃場が見受けられま
した。
【園芸特産】
6月以降は、好天に恵まれ各品種とも平年より生育
野菜は、春先の低温と7月の長雨、8月9日の集中
が進みました。 6月18日に梅雨入りしましたが、 その
豪雨の被害を受け全品目で収量が約15%減収しまし
後雨が非常に少なく、ため池を利用して灌漑している
た。販売単価は前年に比べ約10%上がりましたが減収
圃場では水不足が深刻となりました。生育は草丈、茎
分を補うことはできませんでした。
数ともに多く、品種によっては茎数が平年の1.5倍に達
相対販売の拡大に努め下位等級品の価格の底上げ
した圃場もありました。
に努めましたが、実需の出荷要望数量を満たす事が困
7月に入ると一転し雨天が続きましたが、生育は順
難な時期もあり販売先の集約検討が必要と感じられま
調に経過し幼穂形成期は平年より2〜5日早まりまし
した。
た。また、7月下旬の低温もなく障害不稔はありませ
こだわり品『ザ・ベスト』は主要5品目で実施し、特
んでした。梅雨明けは8月3日で、平年より6日、昨年
にキュウリでは簡素規格「AB混み規格」が全体の約
より8日遅くなりました。
70%まで拡大されました。これにより調製作業が大幅
8月は、 真夏日が続き出穂は平年よりやや早まりま
な軽減となり面積拡大の一助となっています。
した。しかし、8月9日豪雨被害により灌漑不能となっ
菌茸類は福島第一原発事故による放射能汚染の影
た圃場が多く発生し登熟に懸念を残しました。
響を大きく受け、風評被害により販売単価の低迷が続
9月に入り収穫が始まりましたが、 雨天の日が平年
きました。 原木椎茸では測定基準値の引き下げに伴
より多く収穫期間が延びました。 検査は9月11日から
い、 ほだ木の使用自粛要請による廃棄、 減産傾向と
行いましたが、検査結果は一等米比率うるち米96.7%
なり大幅な減収、 販売額減少となりました。 なめこ、
(前年96.1%)
、もち米88.6%(前年87.4%)と、どちら
シメジ、ひらたけも椎茸同様、単価低迷し、さらに減
も前年を上回る結果となりました。
収も加わり販売額は前年を下回る結果となりました。
作況指数は岩手県が102、 当管内の北上川上流は
りんごについては全品種とも、春先の低温により小
101となりました。
玉傾向となりました。 更に8月の豪雨により、 数量で
小麦は、播種時期に記録的な暑さとなり適度な降雨
は前年量比87%と大幅に減少しました。ぶどうは同じ
もあったことから出芽、初期生育は順調でした。10月
く天候の影響により、着果不良となり前年比85%の減
下旬以降は、雨も多く気温が上がらなかったことから、
収となりました。販売面では、市場単価は低調でした
この時期に播種した圃場は生育量が少ないまま越冬す
が相対販売率向上により概ね前年並みの単価を維持
ることとなりました。 盛岡の初雪は平年より10日遅く
できました。
なったものの、その後は低温傾向となり降雪も多くな
「2013いわて純情りんごコンテスト」においては、り
りましたが、心配された雪解けも順調に進み、融雪期
んご部会都南支部が4年連続最優秀賞を受賞し、生
追肥は3月中旬から順調に実施されました。
産意欲高陽に期するとともに消費地より全国に誇れる
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
7
評価をいただきました。
「家の光」 の関係では、 購読普及運動とともに記事
花卉の露地品目は春先の低温乾燥と7月の長雨の
や付録を活用した料理教室、家計簿記帳講習会を開催
影響を強く受け草丈が短く、加えて病害虫の発生が多
するなど記事活用運動に積極的に取り組み、「岩手県
くなり、採花数量減少と品質低下となりました。5品
家の光大会」並びに「全国家の光大会」に参加しました。
目の専門委員会を中心に、指導から販売まで一貫した
また、JA運営への参画としてJA常勤役員との懇談会
品目別活動を展開しました。また、りんどう、小菊、カー
を実施し、今後さらに女性組合員並びに総代の拡大を図
ネーションは一元集出荷体制により、県内トップクラス
ることを確認しました。
の販売単価となりましたが、出荷数量は減少となり販
農業、農政問題にかかわる学習活動としては、JA岩
売金額では昨年を下回る結果となりました。
手県女性組織協議会、各種他団体主催の会議等へ参
加して積極的に課題提起に努めたほかTPP参加反対の
【畜産】
要請集会に参加し、関係機関と一体となった活動を展開
昨年同様に東京電力福島第一原発事故による放射
しました。
性物質汚染の影響を大きく受けました。飼料用草地の
助け合い組織の活動支援やJA健康寿命100歳プロ
除染対策、廃用牛の一時飼い馴らし施設への移動と
ジェクト運動など高齢者支援活動にも取り組みました。健
出荷、東京電力への損害賠償請求など、放射性物質
康増進活動では、一日人間ドック・専門ドックに多くの方
汚染事故への対応に努めました。
に受診をいただいています。
2012年に発生したアメリカの大干ばつによる生産量
全国家の光大会においては、 普及活動の部で当JA
の減少と併せ円高等の影響により穀物相場が急騰し
代表が東日本の代表となり会長特別賞を受賞することが
たため配合飼料価格が高騰し、 畜産経営が圧迫され
出来ました。今後一層、教育文化活動に努めてまいりま
ました。
す。
このような厳しい状況が続いていたなか、第57回岩
手県畜産共進会・黒毛和種・第2区で主席受賞、さら
には未経産の部に於いては名誉である最優秀賞を受
“伝わる良いメッセージの送出”を基本に、管内農畜
賞しました。JAいわて中央合併後、初の受賞となり
産物の販促活動や食育運動、各地域でのイベント等を
優秀な成績を収めることができました。
取材し、幅広い年齢層に親しまれるJAを目指して取り
和牛子牛価格は、全国的に生産頭数減少により毎
組みました。
月、前月平均を上回る高値での取引となりました。
広報誌「ほっぷ すてっぷ JAんぷ」では、地域の話
肥育牛は、風評被害による枝肉単価の低迷が回復
題や身近な情報、最新の営農情報を取り上げ、組合員
傾向となりましたが、配合飼料価格高騰による厳しい
の方々の暮らしに役立つ情報誌づくりに努めました。ま
経営状況が続きました。
た、
「農業新聞」と「家の光」等のマスコミには、当JA
養豚では、 肉牛同様に配合飼料価格が依然として
の食農教育や文化活動、管内生産者の現場での想い
高く推移し、一段と厳しい経営状況が続きました。当
や取り組みを送稿して、
「食農立国JAいわて中央」を
JAとしては、配合飼料価格安定基金への加入推進、
広域にPRしています。
養豚経営安定対策事業積立金の一部補てん、i-coop
さらには、次世代対策として今年度よりホームページ
豚価格安定対策事業等の取り組み支援をする一方、い
と並行してフェイスブック(利用者交流型ネットワーク)
わて生協との産直運動を推進して「i-coop豚」
「しわ黒
を立ち上げ、管内の最新情報をタイムリーに掲載してい
豚」の生産振興と消費拡大に努めました。
ます。
【生活指導】
「地産地消」「伝統食」 料理教室の開催や生協との
交流会を開催し、生産者として地場産品のPR活動を展
開しました。また、エーコープマーク品愛用運動の一環と
して商品研修会やセミナーを開催し消費者としての知識を
高めることにも努めました。
8
【教育情報】
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
⑤ 旅
行
事
業
「チャーター便で行くハワイ」
「ハロン湾と魅力あふれ
るベトナムの旅」
「奥西表と石垣島」 などの大型旅行
を始め、組合員のニーズに応えた企画や相談活動を通
じて、例年にない多くのご利用をいただくことができま
した。
今後は、迎える合併15周年を記念した大型企画や
地域と農業をつなぐ「JAならでは」の企画で、さらに
利用しやすい旅行センターの構築に努めます。
⑥ 有 線 放 送 事 業
地域の身近な情報を加入者へ伝えるとともに、火災
や自然災害等の緊急情報による情報 提 供について、
行政や警察、消防署と連携を図りながら取り組みまし
た。 特に、 今年度は、
「ピックアップ紫波警察署」 を
番組に取り入れた他、
「地域安全情報の広報に関する
覚書」を締結して犯罪や事故防止の呼びかけを行いま
した。
保守管理については、柱やケーブルの老朽や災害に
よる事故防止対策として部内で点検を強化し安全管理
に努めました。
また、事業の将来的なあり方などについて、組合員
をはじめとする地域住民の意向を踏まえ各行政との協
議を継続して取り組みます。
⑦ 宅 地 等 供 事 業
住宅用地の需要増加に伴い盛岡全域を中心に宅地・
転用相当農地等の売買仲介業務を行いました。
賃貸の入居斡旋では管理物件の他、見前支所管内
の物件を中心に賃貸借仲介業務を実施しました。
盛南開発地区内の土地有効活用では、西バイパス沿
道の土地へ商業業務施設の斡旋業務を実施し、かかる
土地賃貸の契約は公正証書による事業用定期借地権
設定契約により手続きを行いました。
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
9
5 事業活動のトピックス(平成25年度)
年 月 日
平成25年 3月11日
備 考
管内各会場
3月12日
TPP交渉参加反対岩手県代表者要請集会・全国集会
議員会館・日比谷
4月18日
総代懇談会
各営農センター
4月26日
県議との農政懇談会
盛岡市内
5月15日
平成24年度JA共済優績組合表彰式
東京
5月25日
第14回通常総代会
田園ホール
5月26日
農作業体験&味覚ツアー
本所
6月10日
TPP対策プロジェクト会議
本所
6月17日
第35回農協人文化賞表彰式
東京會舘
6月17日
TPP参加断固反対トラクターデモ
盛岡市内
6月19日
第41回全国豆類経営改善共励会表彰式
銀座東武ホテル
6月21日
岩手県麦作共励会表彰式
合同庁舎
6月29日
第5回フルーツdeあま〜い婚活ツアー
フルーツパーク、ラ・フランス
7月11日
国際協同組合デー岩手県集会
ホテルニューウイング
7月11日
平成25年度小麦初検査
赤石倉庫
8月10日
8.9集中豪雨にかかる災害対策会議
本所
8月10日
JAシンセラ乙町通夜室完成披露会
旧乙町資材店舗
8月12日
8.9集中豪雨災害対策本部会議
本所
8月28日
岩手県農業者総決起集会
教育会館
8月28日
8.9県央豪雨にかかる3行政との打ち合わせ
本所
8月31日
農家組合長研修会
本所
9月 3日
第57回岩手県畜産共進会
中央家畜市場
9月 4日
人・農地プランに関する市町村等との意見交換会
サンセール盛岡
9月11日
平成25年度米初検査
赤石倉庫
9月29日
稲刈り体験&味覚ツアー
矢巾営農センター
10月10日
富士シティオとの商談会
本所
10月14日
第6回フルーツdeあま〜い婚活ツアー
つどいの森
10月19日
JA「食」と「農」のまつり
サン・ビレッジ紫波
11月 4日
JAいわて中央女性のつどい・家の光文化講演会
田園ホール
11月 7日
JAおおふなと女性部交流会・家の光クッキングフェスタ
本所
11月13日
岩手県家の光大会
田園ホール
11月15日
いわて中央畜産共進会(肉牛・肉豚)
畜産流通センター
11月19日
国会議員に対する要請集会
衆議院議員会館
11月27日
持続可能な農業・農村のあり方に関する特別研究会
京都JA会館
12月 2日
TPP断固反対岩手県総決起集会
教育会館
12月 3日
3姉妹JA懇談会
東京
12月17日
農業関係予算対策全国代表者集会
国会議員会館
12月21日
もち米生産部会大槌町復興支援活動
吉里吉里
12月27日
平成26年 1月 9日
1月22日
10
項 目 組合員懇談会
紫波町、矢巾町への鏡もち贈呈式
紫波町・矢巾町役場
いわて純情りんごコンテスト受賞祝賀会
ラ・フランス温泉館
新世紀JA研究会要請活動
市川市
2月 6日
岩手中央農協農業青色申告会協議会総会
ラ・フランス温泉館
2月10日
春期営農・経済座談会
管内各会場
2月15日
岩手中央農協青年部総代会
パーフルパレス
2月18日
全国家の光大会
大阪市
2月19日
全国麦作共励会表彰式
麹町会館
2月20日
TPP閣僚会合に向けた全国代表者要請集会
日本消防会館
2月23日
岩手中央農協女性部総代会
パーフルパレス
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
6 農業振興活動
当組合は、
「一人ひとりの思いをカタチに。JAいわて中央」を旗印に、産地形成と農業経営の向上を目指し、JA
運営に努力を重ねてまいりました。
いきいき農業「つくる」
「うる」
「こだわり」
「美味しい」への挑戦をスローガンに、稲作を基幹として園芸・菌茸・畜
産を組み合わせ、
「あんしん産地JAいわて中央」の確立に努めてきました。また、
『食農立国』を新たなブランドとし
て商標登録し、消費者に信頼される「安全・安心」な農畜産物の生産と供給に努めてきました。
今、農畜産物価格が低迷している中、農業経営をいかに維持していくか、また、担い手の減少と食の「安全・安
心」など、地域のJAとしてどう応えるかが重要となっています。
役職員が一丸となり、
『食農立国』ブランドの確立とそれを支える生産・販売体制の確立に取り組みます。
7 地域貢献情報
【協同組合の特性】
当JAは、盛岡市、矢巾町、紫波町を事業区域とし、農業者を中心とした地域住民の方々が組合員となって、相
互扶助(お互いに助け合い、お互いに発展していくこと)を共通の理念として運営される協同組織であり、地域農
業の活性化に資する地域金融機関です。
当JAの資金は、その大半が組合員の皆さまなどからお預かりした、大切な財産である「貯金」を源泉としてお
ります。
当JAでは、資金を必要とする組合員の皆さま方や、地方公共団体などにもご利用いただいています。
当JAは、地域の一員として農業の発展と健康で豊かな地域社会の実現に向けて、事業活動を展開しています。
また、JAの総合事業を通じて各種金融機能・サービスなどを提供するだけでなく、地域の協同組合として、農業
や助けあいを通じた社会貢献に努めています。
(1)地域からの資金調達の状況
①貯金・定期積金残高
組合員をはじめ地域の皆さまからお預かりした貯金の残高は、1,110億7,726万円(うち定期積金の残高は
25億5,923万円)となっております。
貯金残高の内訳は表のとおりです。
(単位:百万円)
組
そ
合
員
の
合
等
93,802
他
17,275
計
111,077
②貯金商品
目的・期間・金額にあわせてご利用いただける各種貯金商品を取り扱っております。
詳しくは本誌「商品・サービス一覧」をご覧ください。
(2)地域への資金供給の状況
①貸出金残高
組合員をはじめ地域の皆さまへの貸出金の残高は、320億4,697万円となっています。JAいわて中央は、地
域の金融機関として地域社会の発展と組合員や地域の皆さまの豊かな暮らしの実現に貢献することを使命と
考え、事業資金や個人向けのご融資に積極的に対応してまいりました。
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
11
貸出金残高の内訳は表のとおりです。
(単位:百万円)
組
合
員
等
29,754
地方公共団体等
1,318
そ
他
3,418
計
34,490
の
合
②制度融資取扱状況
農業制度資金とは、農家などが規模拡大や経営改善を図ろうとする場合や、新しい分野への投資を図る場
合などに国や地方公共団体が利子補給などを行い、必要な資金を低利で利用できる融資制度です。
■主な農業制度資金
資 金 名
残高 ( 単位 : 百万円 )
農 業 近 代 化 資 金
257
資 金 の 概 要
農業経営の近代化や資本装備の高度化に必要な資金を、国や県な
どの利子補給により、JAが農業者等に低利で貸し付けます。
農林漁業の生産力の維持増進に必要な土地改良や総合的・計画的
日本政策金融公庫資金
32
な経営規模の拡大など経営基盤にかかわる投資について、長期か
つ低利の資金を農業者に貸し付ける資金です。
③融資商品
JAでは、アグリマイティー資金や住宅ローン、教育ローン、
マイカーローンなど組合員をはじめ地域の皆さまの
事業や暮らしに必要な資金をご用意しております。
詳しい融資商品については、本誌「商品・サービス一覧」をご覧ください。
(3)文化的・社会的貢献に関する事項…地域とのつながり
①文化的・社会的貢献に関する事項
○学校給食へ地元産農産物を供給
JAの子会社㈱JAシンセラでは、地産地消運動の取り組みとして、矢
巾町の小・中学校の学校給食に地場産品を主体とした食材を供給して
います。
○学童農園の開園
JA女性部とJA青年部が中心となり、学童農園を開園。子供たちが
農作業を通じて、食料を生産する農業の楽しさと大切さを実感できる体
験の場を提供しています。
○お米とわたし、作文・図画コンクールへの参加
JA全中とJA岩手県中央会が主催する
「お米とわたし、作文・図画コン
クール」へは、毎年、管内の小・中学校からの作品が多数入賞しています。
12
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
○図画コンクールと立看板の設置
JA青年部では、日本の食を支える農業の大切さを訴えるため、立て
看板を作成・設置しています。作成した看板は県青年組織協議会のコン
クールに出展しています。
○JAまつりの開催
春に「さなぶりまつり」、秋には「収穫感謝まつり」を開催し、多く
の組合員や地域の方が訪れ、様々なイベントを通じてJAへの理解を深
めています。
○年金相談会
専門の相談員を招き、毎年、各支所で開かれている年金無料相談会
には多くの方が訪れ、気軽に相談ができると好評となっています。
○農業用廃プラスチックの回収
JAでは年2回、農業用廃プラスチック類(ビニール、
マルチ等)の回
収を行い、環境に悪影響を及ぼすダイオキシン等の問題に取り組み、安
全・安心な農産物生産の環境づくりに努めています。
○地元公民館と協定
JAでは、本所所在地の野沢公民館と「野沢の元気づくり協定」を締
結。地域内の環境美化や児童・生徒の登下校時の安全確保など、学校
及び他事業所と一体となり住みよい地域づくりに努めています。
②利用者ネットワーク化の取り組み
○年金友の会ゲートボール大会
JA年金友の会では年に1回、
ゲートボール大会を開催。各支部から400
人を超える会員が参加し、体力増進を図りながら親睦を深めています。
○年金友の会輪投げ大会
冬場には、室内で輪投げ大会を開催。輪投げは誰でも気軽に楽しめ
ることから、毎年800人を超える参加があります。
○湯けむり友の会&味覚友の会
地域に広く会員を募り、目的別定期積金を行うことで有名割烹での
食事や温泉を訪れ、親睦を深めながら楽しんでいます。
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
13
③情報提供活動
○広報誌の発行
広報誌「ほっぷ すてっぷ JAんぷ」を毎月発行し、各地の話題や出来
事、JAからのお知らせ、暮らしや営農に役立つ情報などを組合員や地
域住民へ提供しています。
○ホームページの公開
今年度、ホームページをリニューアルし、より見やすく利用しやすいデザ
インとなりました。農産物の生育状況のほか、各種キャンペーン、イベント
の開催案内や求人情報、JA青年部・女性部の活動報告、営業時間の案
内など、暮らしに役立つ情報を掲載しています。
○有線放送
紫波有線放送センターと矢巾有線放送センターでは、JAや町などか
らのお知らせや地域と暮らしに密着した話題などを自主番組として企画
し放送しています。また、災害発生時の緊急連絡網として地域の重要な
役割を果たしています。さらに紫波町内では、有線回線を利用した「フ
ルーツネット」で、高速インターネットが楽しめます。
○紫波地域農業気象協議会
紫波町と矢巾町に7基の気象ロボットを設置し、気温や降水量、日照
時間などの気象情報を、インターネットを通じてリアルタイムで提供してい
ます。無料で利用できます。
④店舗体制
(平成26年2月28日現在)
名 称
本
所
1
営 農 セ ン タ ー
3
支
所
8
所
6
出
14
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
店 舗 数
張
活 動 セ ン タ ー
7
店舗外ATMコーナー
10
8 リスク管理の状況
金融の自由化・国際化の進展と組合員、利用者ニーズが高度化・多様化しているなかで、JAの抱えるリスクは急激
に多様化・拡大化しており、リスク管理の重要性が高まっています。当JAでは、リスク管理にあたってはコンプライア
ンス(法令遵守)が根幹であり、役職員一人ひとりがリスク管理の重要性を十分に理解することが基本であると考え
ています。
そして、金融業務に限らず、業務全般にわたりリスクの所在を正確に把握・分析し、適切に管理運営していくこと
が経営の健全性を維持向上させることから、リスク管理体制の整備と強化に取り組んでいます。
(1)リスク管理体制
〔リスク管理基本方針〕
組合員・利用者の皆さまに安心してJAをご利用いただくためには、より健全性の高い経営を確保し、信頼性を
高めていくことが重要です。
このため、有効な内部管理態勢を構築し、直面する様々なリスクに適切に対応すべく「リスク管理基本方針」を
策定し、認識すべきリスクの種類や管理体制と仕組みなど、リスク管理の基本的な体系を整備しています。
また、この基本方針に基づき、収益とリスクの適切な管理、適切な資産自己査定の実施などを通じてリスク管
理体制の充実・強化に努めています。
①信用リスク管理
信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランスを含む。)の価値が減少ないし消
失し、金融機関が損失を被るリスクのことです。当JAは、個別の重要案件又は大口案件については理事会におい
て対応方針を決定しています。また、通常の貸出取引については、本所に融資審査部署を設置し、各支所と連携
を図りながら、与信審査を行っています。審査にあたっては、取引先のキャッシュ・フローなどにより償還能力の評
価を行うとともに、担保評価基準など厳格な審査基準を設けて、与信判定を行っています。貸出取引において資
産の健全性の維持・向上を図るため、資産の自己査定を厳正に行っています。不良債権については管理・回収方
針を作成・実践し、資産の健全化に取り組んでいます。また、資産自己査定の結果、貸倒引当金については「債権
の償却・引当基準」に基づき必要額を計上し、資産及び財務の健全化に努めています。
②市場リスク管理
市場リスクとは、金利、為替、株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バラン
スを含む。)の価値が変動し、損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクのこ
とです。主に金利リスク、価格変動リスクなどをいいます。金利リスクとは、金利変動に伴い損失を被るリスクで、資
産と負債の金利又は期間のミスマッチが存在している中で金利が変動することにより、利益が低下ないし損失を
被るリスクをいいます。また、価格変動リスクとは、有価証券等の価格の変動に伴って資産価格が減少するリスク
のことです。
当JAでは、金利リスク、価格変動リスクなどの市場性リスクを的確にコントロールすることにより、収益化及び
財務の安定化を図っています。このため、財務の健全性維持と収益力強化とのバランスを重視したALMを基本
に、資産・負債の金利感応度分析などを実施し、金融情勢の変化に機敏に対応できる柔軟な財務構造の構築に
努めています。
③流動性リスク管理
流動性リスクとは、運用と調達のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、又
は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)及び
市場の混乱等により市場において取引ができないため、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる
ことにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)のことです。
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
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④オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動もしくは、システムが不適切であること又は外生的な
事象による損失を被るリスクのことです。当JAでは、収益発生を意図し能動的な要因により発生する信用リスク
や市場リスク及び流動性リスク以外のリスクで、受動的に発生する事務、システム、法務などについて事務処理や
業務運営の過程において、損失を被るリスクと定義しています。事務リスク、システムリスクなどについて、事務手続
にかかる各種規程を理事会で定め、その有効性について内部監査や監事監査の対象とするとともに、事故・事務
ミスが発生した場合は速やかに状況を把握して理事会に報告する体制を整備して、リスク発生後の対応及び改善
が迅速・正確に反映ができるよう努めています。
⑤事務リスク管理
事務リスクとは、役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより金融機関が損失を被る
リスクのことです。当JAでは、業務の多様化や事務量の増加に対応して、正確な事務処理を行うため事務マニュ
アルを整備するとともに、自主検査・自店検査を実施し事務リスクの削減に努めています。また、事故・事務ミスが
発生した場合には、発生状況を把握し改善を図るとともに、内部監査により重点的なチェックを行い、再発防止
策を実施しています。
⑥システムリスク管理
システムリスクとは、コンピュータシステムのダウン又は誤作動等、システムの不備に伴い金融機関が損失を被る
リスク、さらにコンピュータが不正に使用されることにより金融機関が損失を被るリスクのことです。当JAでは、コ
ンピュータシステムの安定稼働のため、安全かつ円滑な運用に努めています。
〔リスク管理体制〕
リスク管理体制を確実なものとするために、常勤役員と室・部長で構成される「リスク管理委員会」を開催し、
総合的なリスクについて検討を行うとともに、各種の「戦略リスク」
「運営リスク」
「信用リスク」
「市場リスク」のリ
スクを適切に管理し充実・強化を図っています。
(2)法令遵守体制
〔コンプライアンス基本方針〕
利用者保護への社会的要請が高まっており、最近の企業不祥事に対する社会の厳しい批判に鑑みれば、組合
員・利用者からの信頼を得るためには、法令等を遵守し、透明性の高い経営を行うことがますます重要になって
います。
このため、コンプライアンス(法令等遵守)を経営の重要課題のひとつとして位置づけ、この徹底こそが不祥事
を未然に防止し、ひいては組織の信頼性向上に繋がるとの観点にたち、コンプライアンスを重視した経営に取り
組みます。
〔コンプライアンス運営態勢〕
コンプライアンス態勢全般にかかる検討・審議を行うため、代表理事専務を委員長とするコンプライアンス委員
会を設置するとともに、コンプライアンスの推進を行うため行動計画を策定し、本所各部門・支所・出張所ごとに
コンプライアンス会議などを開催し、コンプライアンス意識の高揚に努めています。
基本姿勢及び遵守すべき事項を記載した手引書「コンプライアンス・マニュアル」を策定し、研修会を行い全役
職員に徹底しています。
毎年度、コンプライアンス・プログラムを策定し、実効ある推進に努めるとともに、統括部署のリスク管理室を設
置し、その進捗管理を行っています。
16
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
(3)金融ADR制度への対応
①苦情処理措置の内容
当JAでは、苦情処理措置として、業務運営体制・内部規則等を整備のうえ、その内容をホームページ・チラシ
等で公表するとともに、JAバンク相談所やJA共済連とも連携し、迅速かつ適切な対応に努め、苦情等の解決を
図ります。
当JAの相談・苦情等受付窓口(月~金 午前9時~午後5時)
・信用事業
本 所 金 融 部 (019-676-3111)
赤 石 支 所 (019-672-3315)
飯
岡
支
所 (019-638-0620)
見
前
支
所 (019-638-1530)
本
宮
支
所 (019-635-1315)
太
田
支
所 (019-659-0616)
志
和
支
東
部
支
所 (019-673-7111)
所 (019-672-3345)
支
所 (019-697-6888)
矢
巾
上記本支所のほか、JAバンク相談・苦情等受付窓口(019-676-3119)でも受け付けます。
・共済事業
本所共済部事務課 ( 0 1 9 - 6 7 6 - 3 1 1 6 )
赤 石 支 所 (019-672-3315)
飯
岡
支
所 (019-638-0620)
見
前
支
所 (019-638-6878)
本
宮
支
所 (019-635-7752)
太
田
支
所 (019-656-3262)
志
和
支
東
部
支
所 (019-673-7111)
所 (019-672-3345)
支
所 (019-697-6888)
矢
巾
②紛争解決措置の内容
当JAでは、紛争解決措置として、次の外部機関を利用しています。
・信用事業
仙台弁護士会「紛争解決支援センター」
①の信用事業受付窓口または岩手県JAバンク相談所(019-626-8128)にお申し出ください。
・共済事業
㈳日本共済協会 共済相談所(03-5368-5757)
㈶自賠責保険・共済紛争処理機構(本部03-5296-5031)
㈶日弁連交通事故相談センター(本部03-3581-4724)
㈶交通事故紛争処理センター(東京本部03-3346-1756)
(4)内部監査体制
当JAでは、内部監査部門を業務実施部門から独立して設置し、経営全般にわたる管理及び各部門の業務の
遂行状況を、内部管理態勢の適切性と有効性の観点から検証・評価し、改善事項の勧告などを通じて業務運営
の適切性の維持・改善に努めています。
また、内部監査は、JAの本所・支所・出張所のすべてを対象とし、中期及び年度の内部監査計画に基づき実施
しています。監査結果は代表理事組合長及び監事に報告したのち被監査部門に通知され、定期的に被監査部門
の改善取り組み状況をフォローアップしています。また、監査結果の概要を定期的に理事会に報告することとして
いますが、特に重要な事項については、直ちに理事会、代表理事組合長、監事に報告し、速やかに適切な措置を
講じています。
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
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(5)個人情報保護、情報セキュリティへの取り組み
当JAは、組合員・利用者等の皆さまの個人情報を正しく取り扱うことが事業活動の基本であり、社会的責務
であることを認識し、個人情報の保護に関する法律等を誠実に遵守します。また、より一層の安心とサービスを提
供するため、JA内の情報およびお預かりした情報のセキュリティの確保と日々の改善に努めます。
9 自己資本の状況
当JAでは、多様化するリスクに対応するとともに、組合員や利用者のニーズに応えるため、財務基盤の強化を経
営の重要課題として取り組んでいます。財務改善計画に沿い、事業利益の確保と内部留保に努め、不良債権処理及
び業務の効率化等に取り組んだ結果、平成26年2月末における自己資本比率は、14.05%となりました。
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項 目
平成25年2月28日現在
平成26年2月28日現在
自己資本比率
1 4 . 04%
14.05%
JA IWATE CHUO DISCLOSURE
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