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小児の胃ろう・腸ろう管理 - 神奈川県立こども医療センター

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小児の胃ろう・腸ろう管理 - 神奈川県立こども医療センター
看護局
皮膚・排泄ケア認定看護師 市六輝美
外科外来
原希代美 弘瀬孝子

講義
小児の胃瘻・腸瘻の基本的知識と管理のポイント

演習(ブースに分かれて体験)
外来で実際に指導している内容を知ろう
当センターの患者が使用している胃瘻製品に実際に
触れてみよう
胃瘻ケアに使えるスキンケア用品等に触れてみよう
経管栄養法
経瘻孔
胃ろう
経鼻
腸ろう
腹壁を介して胃内に直接チューブを挿入し、栄養剤を
注入したり、胃内の減圧を図る為に造設されるろう孔
のこと
 経内視鏡的胃ろう造設術(PEG)
胃ろうのみを単独で造設
 腹腔鏡下胃ろう造設術
胃食道逆流現象に対する噴門形成術(Nissen手術)
+胃ろう造設
 開腹術
何らかの理由で上記の術式が困難
バルーン・ボタン型
・体表面への露出が
尐ない
・入れ替えの苦痛が
尐ない
・バルーンが萎むと
容易に抜ける
バルーン・チューブ型
バンパー・ボタン型
・体表面への露出が
尐ない
・抜けにくい
・入れ替えの苦痛が
大きい
バンパー・チューブ型
・注入の接続が容易
・入れ換え時の苦痛が
尐ない
・体表面にチューブが
出る為、邪魔
・チューブ内が汚染し
やすい
・注入の接続が容易
・体表面にチューブが
出る為、邪魔
・チューブ内が汚染し
やすい
バルーン・ボタン型が多い
14~20Fr
バラード MIC-KEYボタン
ファイコン GBボタン
JMS ペグロック
カンガルーボタン
バンパー・ボタン型が多い
18~24Fr
メディコン ガストロボタン
ボストン ワンステップボタン
何らかの理由で、胃からの注入が困難
(嘔吐・幽門機能不全・重度の胃ろう漏れなど)

十二指腸もしくは空腸に留置
バルーンでの閉塞回避⇒バルンなしor小さい
皮膚への挿入角度は垂直ではない
⇒固定はチューブの角度にそって自然な角度で行う

貯留能が尐ない為、ゆっくりor持続的に注入
下痢をしやすい
経腸栄養ポンプでの持続注入

細いチューブを使用する為、詰まりやすい
内服薬(特に散剤)、経腸栄養剤の残存
腹壁
腸管


側弯や変形の進行により、経鼻栄養カテーテルの挿
入が困難(重症心身障害児)
経鼻栄養カテーテルの留置がADLやQOLの低下の
原因となる
・経鼻栄養カテーテル留置による苦痛
・自己抜去や美容的問題がある


食道閉鎖症などの器質的疾患で経鼻栄養カテーテル
留置が不可能
胃食道逆流現象による誤嚥性肺炎があり、噴門形成
術を必要とする時
乳児
食道閉鎖症
対 など
幼児
重症心身障害児
摂食障害
象
など
・器質的疾患 ・栄養(補助)ルート
・QOL向上
目 の治療
的 ・栄養ルート ・疾患の治療
学童
重症心身障害児
炎症性腸疾患
など
・栄養(補助)ルート
・QOL向上
・治療上のオプション
小児の胃ろう・腸ろうの適応の広がりは
今後どのようになっていくか…



胃瘻造設前の嚥下機能評価等の推進を図る
胃瘻造設術点数は減点 10070点⇒6070点
胃瘻造設時嚥下機能評価加算の新設 2500点
年間胃瘻造設件数50件以上
⇒①造設術点数がさらに減点(4856点)
②経口摂取回復率35%以上が求められる
(例外あり)
脳梗塞や加齢等による嚥下障害の成人を対象に設定
されている為、むやみな胃瘻造設を評価しない方向性
(食べれる人は口から食べる)
⇒小児にはそぐわない部分が多い
造設時期によるポイント



造設前
造設直後(手術直後~術後3周目まで)
造設後(晩期:術後3週以降)
成長発達によるポイント



乳児期
幼児期
学童期
術前オリエンテーション

胃ろう・腸ろうとはどのようなものか
「触るのが怖い」

造設後の生活のイメージ
メリット・デメリットの説明

管理に関わるコストの説明
在宅診療材料
自己負担はどの程度になるか

ミキサー食
ママ友
つながり
造設時期によるポイント:術直後
術直後~初回の入れ替えまで(術後3週目)
胃と腹壁が癒着し、ろう孔が完成する大事な時期

初回の入れ替えは外来で実施

通常の入院期間 2週間前後

抜去予防策が最重要
特にお風呂・いたずら対策
万が一、抜けてしまった時の対応(パンフレット参照)

固定糸に関連してスキントラブルが起きやすい
シャワー・入浴などの清潔の保持が重要
退院直後から初回入れ替えまでの事故抜去
は絶対に避けなければならない!
小児の胃ろう・腸ろうに肉芽は必発
肉芽の原因
慢性的なろう孔への物理的刺激

体格が小さく、胃ろう造設部位が限局
肋骨弓と近接
体位によるシャフトの角度の変化

呼吸の影響が大きい
呼吸が速い、腹式呼吸、呼吸状態が悪い

体動が激しい、いたずらが多い
胃ろう孔
慢性的な物理的刺激
もれによる化学的刺激
呼吸・体動による腹壁の
動き・シャフトの湾曲
肉 芽
ステロイド
軟膏
・小さくて瑞々しい肉芽
硝酸銀による
焼灼
ろう孔組織の炎症
浸出液・出血・漏れ
経過観察
瘢痕化を促す
・瑞々しい粒々した肉芽 ・何度も繰り返す肉芽
・全周性(ドーナツ型)
基本的に大きな影響がなければ気にしない
肉芽・いたずら対策



摂食・嚥下訓練
体型に比して、胃ろうシャフトが大きい
胃ろうシャフトが傾く
腹壁が薄い為、瘻孔拡大しやすい
胃ろう・腸ろうに対して理解が得られにくい
胃瘻に子どもの手がいく、寝返りなどの成長発達
食道閉鎖症等の器質的疾患の場合、治療が進むと経口
摂取が可能となる事が多い
食べるという行為の為の準備
肉芽・いたずら・抜去予防対策 家族の負担考慮
栄養・離乳・食育の視点

活動性の高い子どもの造設が多い
予期しない動き

注入スタイルは適切か
体重の増減
ミルクからミキサー食・経腸栄養剤注入への移行
微量元素補充
経口摂取と併用か
社会・集団生活への対応 栄養管理

学校での対応への相談

必要エネルギーが摂取できているか
体重コントロールと体重の増減
全身状態(呼吸状態・筋緊張・褥瘡・・・)
微量元素補充

身長の伸びに伴う側弯・変形の進行
胃ろうシャフトへの影響
胃ろう
バ MIC-KEY
ラ ガストロミーボタン
ー
ド
ファイ GBバルーン
コン
腸ろう
(MIC-KEY
・MIC-KEY TJ
ガストロミーボタン)
・ジュジュナルボタン
JMS ペグロック
その
他
カンガルーボタン
2WAY
(胃ろう+腸ろう)
腎盂バルーン
バルーン・ボタン型が多い
14~20Fr
バラード MIC-KEYボタン
ファイコン GBボタン
JMS ペグロック
カンガルーボタン
メインルーメン
減圧ルーメン



バルーン水の抜け具合
バルーン破裂の有無
バルーン先端保護機能
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