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高成長続くスリランカ

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高成長続くスリランカ
No.2012-054
2012年6月22日
http://www.jri.co.jp
高成長続くスリランカ
~ 投資主導型成長がベンガル湾全域に拡大へ ~
(1)スリランカが高成長を持続(図表1)。本年1~3月期は前年比7.9%。2000年代半ばの6~7%か
ら09年にはリーマン・ショックで3.5%へ減速したものの、10年以降8%成長。産業別にみると、
商業や運輸などサービスが牽引。原動力は内戦終結に伴う観光需要盛り上がり。受入旅行者数は
09年秋以降急増(図表2)。本年4月には季調済年率で103万人と100万人台乗せ。従来の欧州客
に加え、高成長で旅行ブームが拡がるアジア各国からの旅行者が大幅増。数年で旅行者数が倍増
した結果、稼働率が上昇しホテル建設増。GDP統計でも昨年来、建設業の寄与度拡大(図表1)。
リーマン・ショック時に直撃された経緯に照らせば、一見、観光依存度上昇で却って脆弱性増大。
(2)しかし、昨年来の外資流入は製造業や運輸通信業など、観光業以外の分野でも拡大(図表3)。
製造業では、低い労働コストに着目した繊維業や、同国農産品処理の食品製造業が従来、投資の
過半であったのに対して、近年、化学工業の投資が急速に拡大。昨年に入り金属工業や機械機器
の分野でも盛り上がりの兆し。国内市場の拡大に加え、タミル・ナドゥ州のチェンナイをはじめ、
このところ急成長を続けるインド南部エリアに近接する地の利。
(3)国内市場の拡大については、例えば自動車・二輪車販売が昨春来、伸び悩んでいるなど反論の
余地(図表4)。販売鈍化を受けてGDP統計では、商業の成長率寄与度が昨年10~12月期の2.4%
から本年1~3月期1.6%に鈍化。しかし、それは一時的変動。自動車の輸入関税が10年秋から75
%削減され、販売台数が急増。11年春以降の伸び悩みは需要先喰いの影響大。所得・雇用環境の
改善傾向が続くなか、実勢として同国市場は着実に拡大。引き続き同国は8%成長持続の見通し。
(4)周辺に拡げてみると、隣国インドでは近年、同国至近の南部や東部が台頭。バングラデシュや
ミャンマーでは10年来、高成長へ。インドネシアではスマトラ開発が本格化。投資主導型成長に
シフトするベンガル湾エリアで同国も内需型高度成長軌道が視野に。
(図表1)スリランカの実質経済成長率(前年比)
製造業
運輸通信
実質成長率
(図表2)受入旅行者数とホテル稼働率(季調済)
(10万人)
商業
農林水産業等 10
建設
その他サービス
9
(%)
(%)
旅行者数(左目盛)
旅行者数(欧州、左目盛)
旅行者数(アジア、左目盛)
ホテル稼働率(右目盛)
90
80
8
70
6
6
60
3
4
50
0
2
40
▲3
2005
06
07
08
09
10
(出所) Department of Census and Statistics
0
2008
11
12/
1~3
(年、年/期)
10
11
30
12(年/月)
(出所) DCS
(図表3)外資設備投資と対内直接投資
(千万ルピー)
14
09
(図表4)自動車・二輪登録台数(季調済年率)
外資設備投資(その他、左目盛)
外資設備投資(製造業、左目盛)
(億ドル)
対内直接投資(右目盛)
4
35
(万台)
(10万台)
6
二輪車(左目盛)
自動車(右目盛)
30
5
乗用車(右目盛)
12
3
10
25
4
20
3
15
2
8
2
6
4
1
2
0
2005
06
07
08
09
(出所) Central Bank of Sri Lanka など
10
0
11
(年、年/半期)
10
2008
09
10
(出所) Department of Motor Traffic
11
1
12
(年/月)
《ご照会先》日本総研調査部 藤 井([email protected]、03-6833-6373)
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